JP2001037660A - バスマット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 狭い脱衣室に置き敷き使用して乱雑感を与え
ず、足拭き用と着替え用とに使い分け易い２枚のマット
に成るバスマットを提供する。 【解決手段】 バスマットを足拭き用マット１２と着替
え用マット１３との２枚１組にする。その２枚のマット
１２・１３の側縁１４・１５は、突き合わせて密着する
同一形状に縁取る。その２枚のマット１２・１３の裏面
には、タック性を有する樹脂１６を固着する。又、その
２枚のマット１２・１３のパイル面の外観を互いに異な
るものとする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浴室への出入口に
置き敷き使用するバスマットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】浴室の出入口に接近した脱衣室の床面に
は、湯上がりの濡れた足を拭くためのバスマットが置き
敷き使用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】湯上がり時には、まず
バスマットで足を拭き、そのバスマットから離れてバス
タオルで体を拭き、衣服を着替えることになる。しか
し、バスマットで足を拭いても、湯上がり直後の皮膚細
胞は吸湿膨潤しており、バスマットから離れるときは、
足裏に湿気が感じられ、特に、クッションフロアーやリ
ノリューム等の非吸湿性の床材を使用した床面を歩くと
きには、それが強く感じられる。そこで湯上がり直後の
濡れた足を拭く足拭き用マットと、着替え時に使用する
着替え用マットとの２枚のバスマットが必要になる。し
かし、狭い脱衣室での数枚のバスマットの置き敷き使用
は乱雑感を与え、室内の美観を損なうことにもなる。

【０００４】

【発明の目的】そこで本発明は、そのような不都合を来
すことなく、２枚のバスマットが置き敷き使用し得、そ
の２枚のバスマットを足拭き用と着替え用とに使い分け
易くすることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係るバスマット
は、表面がパイル層で構成された足拭き用マット１２と
着替え用マット１３との２枚のマットから成り、それら
２枚のマットそれぞれの一つの側縁１４・１５が突き合
わせて密着する同一形状に縁取られており、それら２枚
のマット１２・１３の裏面にタック性を有する樹脂１６
が固着されており、それら２枚のマット１２・１３のパ
イル面の外観が互いに異なることを第１の特徴とする。

【０００６】本発明に係るバスマットの第２の特徴は、
上記第１の特徴に加えて、２枚のマット１２・１３の一
方（１２）のパイル層１７の大半をカットパイルが占
め、他方１３のパイル層１８の大半をループパイルが占
めていることにある。

【０００７】本発明に係るバスマットの第３の特徴は、
上記第１および第２の何れかの特徴に加えて、２枚のマ
ットの一方１２のパイル層１７が吸湿率１０％以上の吸
水性繊維によって構成されていることにある。

【０００８】本発明に係るバスマットの第４の特徴は、
上記第１、第２および第３の何れかの特徴に加えて、２
枚のマット１２・１３のパイル層１７・１８が、互いに
吸湿率の異なる繊維によって色分けされていることにあ
る。

【０００９】本発明に係るバスマットの第５の特徴は、
上記第１、第２、第３および第４の何れかの特徴に加え
て、２枚のマット１２・１３の互いに同一形状になる側
縁１４・１５の裏側に面ファスナー１９・２０が取り付
けられていることにある。

【００１０】

【発明の実施の形態】図示するバスマット１１は、基布
２２にパイル１７・１８を植設したタフテッドパイル布
帛によって構成されている。裏面に固着するタック性樹
脂１６には、ラテックスその他の液状樹脂が使用され、
それをスプレーによって吹き付けて細かく点在するよう
に塗着してもよい。その樹脂１６のタック性は、その固
着したマット１２・１３をガラス板に戴設し、そのガラ
ス板を３０度傾斜させたとき、マット１２・１３がガラ
ス板から滑り落ちない程度のものであればよい。突き合
わせた２枚のマット１２・１３をズレ難くするには、そ
の突き合わせる側縁１４・１５の形状を曲線にするとよ
い。

【００１１】２枚のマット１２・１３のパイル面（１７
・１８）の外観上の差異は、色彩、マットの表面積、パ
イル密度、パイル長、カットとループとのパイル形態の
何れに起因するものであってもよく、色彩上の差異は、
パイル層を構成する繊維の種類に起因するものであって
もよく、好ましくは、色彩、繊維の種類、マットの表面
積、パイル密度、パイル長、パイル形態の何れか３点以
上において異なるものとする。

【００１２】その２枚のマット１２・１３の繊維の種
類、マットの表面積、パイル密度、パイル長、パイル形
態の差異は、それぞれの点で一方（１２）が他方（１
３）に対して１〜２割多くなる程度であればよい。例え
ば、カットパイルとループパイルとのパイルの形態によ
って２枚のマット１２・１３に外観上の差異を付ける場
合、２枚のマット１２・１３の双方または一方にカット
パイルとループパイルが混在していても、その一方（１
２）のカットパイルの密度とループパイルの密度の何れ
かが他方（１３）のカットパイルの密度かループパイル
密度よりも１〜２割多く、或いは、少なくなればよい。
同様に、吸湿率の異なるパイル繊維の種類によって２枚
のマット１２・１３に差異を付ける場合、２枚のマット
１２・１３の双方または一方に、例えば、吸水性繊維と
疎水性繊維が混在していても、その一方（１２）の吸水
性繊維と疎水性繊維の混用比率が他方（１３）の繊維の
混用比率に比して１〜２割多く、或いは、少なくなれば
よい。

【００１３】吸水性繊維としては、獣毛や絹等の蛋白質
繊維、木綿、麻、レーヨン等のセルロース系繊維、ジア
セテート、トリアセテート等のポリビニルアルコール系
半合成繊維、ビニロン、架橋アクリレート系繊維、即
ち、ヒドラジン架橋処理とアルカリ加水分解処理の施さ
れた吸湿性アクリル繊維等の吸湿率１０％以上の吸水性
合成繊維が使用される。疎水性繊維としては、吸湿加工
未処理の一般のアクリル繊維やナイロン、ポリエステル
繊維、ポリプロピレン繊維等の吸湿率１０％未満の疎水
性合成繊維が使用される。

【００１４】本発明の好ましい実施態様は、一方のマッ
ト１２のパイル１７を吸水性繊維によるカットパイルと
し、そのパイル長を長くし、或いは、そのパイル密度を
緻密にしてパイル層の目付を多くし、他方のマット１３
のパイル１８をポリプロピレンやポリエステル等の吸湿
性を欠く疎水性合成繊維によるループパイルとし、その
パイル長を短く、或いは、そのパイル密度を粗くしてパ
イル層の目付を少なくすることである。その場合、前
者、即ち、カットパイルのマットを表面積の少ない小マ
ットとし、後者、即ち、ループパイルのマットを表面積
の広い大マットとして、２枚のマット１２・１３の間に
大小サイズ上の差異を設けることが望ましい。

【００１５】そのようにすると、湯上がり時には、目付
が多く嵩高に開毛したセルロース系繊維等の吸湿性に富
むカットパイルのマットの上へと足が自然に向き、そこ
で足の濡れを拭いてから、非吸湿性でサラットした感じ
を与える低目付の疎水性合成繊維のループパイルのマッ
トの上へと足が向くことになり、足拭き用マット１２と
着替え用マット１３との２枚のマットが自然に使い分け
られるようになる。その場合、汚れ易く、頻繁に取り替
えて洗濯しなければならないのは、濡れた足を拭くカッ
トパイルのマット１２の方であり、それを小サイズにし
ておけば洗濯し易く、その取り替えも安くつき、それに
比して汚れ難く、頻繁に取り替え或いは洗濯しないで済
むのは、着替え用のループパイルのマット１３の方であ
り、それを大サイズにしておけば、その上での着替えが
楽になる。

【００１６】頻繁に敷替えて洗濯され、過酷な条件のも
とで使用される業務用のレンタル湯上がりマットでは、
着色剤を練り込んで紡糸した原着アクリル繊維や原着ナ
イロン、原着ポリエステル繊維、原着ポリプロピレン繊
維などの原着合成繊維をパイル繊維に使用し、吸湿率１
０％以上の吸水性繊維としては架橋アクリレート系繊維
を使用する。

【００１７】組み合わされる２枚のマット１２・１３
は、その裏面にタック性樹脂１６が固着しているので床
面に仮接着され、従って、それらを突き合わせて置き敷
きしただけでも使用中に離れることはないが、その突き
合わせた密着状態を維持するには、それらを面ファスナ
ー１９・２０を介して係合することが望まれる。その場
合、２枚のマット１２・１３の一方に雄型面ファスナー
を取り付け、他方には雌型面ファスナーを取り付け、そ
れら雌雄の面ファスナーが係合するようにしてもよい
が、好ましくは、２枚のマット１２・１３のそれぞれに
雌型面ファスナー１９・２０を取り付け、それらを別の
雄型面ファスナー２１を介して連結するようにする。そ
うすると、その雄型面ファスナー２１を取り外してマッ
ト１２・１３を洗濯することが出来、その雌型面ファス
ナーの係合部がループ状になっていて、そこには繊維屑
が絡み付き難いので、洗濯中に面ファスナー１９・２０
に繊維層が絡み付いたり、面ファスナーに擦られてマッ
トが傷むようなトラブルが回避される。

【００１８】

【発明の効果】このように本発明（請求項１）のバスマ
ット１１は、２枚１組になっているが、その２枚の各マ
ット１２・１３の裏面にタック性樹脂１６が固着してい
るので、それらを置き敷きしただけでも使用中に分離せ
ず、その突き合わされる側縁（１４・１５）が同一形状
に縁取られているので、その突き合わせて置敷した状態
で１枚のバスマット１１としての体裁が保たれ、室内の
美観が整えられ、その置き敷きした２枚のマット１２・
１３の外観の差異によって、バスマット１１の左右を足
拭き用と着替え用に使い分けることがで出来、着替え時
に足裏に濡れを感じさせない。

【００１９】そして、本発明（請求項２）では、バスマ
ット１１がループパイルとカットパイルとのパイルの形
態の差異によって左右に分けられており、そのカットパ
イルの先端では筆先のように繊細の端末（毛先）が無数
に並んでいてパイル繊維間に水分が吸収され易い。一
方、ループパイルの先端では茣蓙のように繊維の側面が
無数に並んでおり、その並んだ繊維に妨げられるので、
ループパイルが吸湿していても、そのパイル内部の水分
がパイル表面に伝わり難く、サラットした感触を与え
る。このため、湯上がり時には水分を吸収し易いカット
パイル面側に自然に足が向き、着替え時にはサラットし
た感触を与えるループパイル面側に自然に足が向き、そ
の結果、一枚のバスマット１１の左右が足拭き用（１
２）と着替え用（１３）とに自然に使い分けられる。

【００２０】同様に本発明（請求項３）において、バス
マット１１の片側のパイル１７に吸湿率１０％以上の吸
水性繊維を使用するときは、その吸湿性繊維に成る片側
１２に湯上がり直後の足が自然に向くので、一枚のバス
マット１１の左右が足拭き用（１２）と着替え用（１
３）とに極自然に使い分けられる。

【００２１】そして本発明（請求項４）によると、その
ようにパイル層１７・１８の吸湿率が異なる足拭き用１
２と着替え用１３とのバスマット１１の左右が色分けさ
れているので、両者を誤ることなく使い分けることが出
来る。

【００２２】本発明（請求項５）では、その２枚１組と
なる左右のマット１２・１３に面ファスナー１９・２０
（２１）を取り付けたので、使用時のみならずマットの
仕立過程や商取引過程においても、２枚のマット１２・
１３が面ファスナー１９・２０（２１）に連結され、一
枚のバスマット１１として取り扱い易くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るバスマットの組み合わせ手順を示
す斜視図である。

【図２】本発明に係るバスマットの要部拡大断面図であ
る。

【符号の説明】

１１ バスマット １２ 足拭き用マット １３ 着替え用マット １４・１５ 側縁 １６ タック性樹脂 １７・１８ パイル層 １９・２０ 雌型面ファスナー ２１ 雄型面ファスナー ２２ 基布

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面がパイル層で構成された足拭き用マ
   ット（１２）と着替え用マット（１３）との２枚のマッ
   トから成り、それら２枚のマットそれぞれの一つの側縁
   （１４・１５）が突き合わせて密着する同一形状に縁取
   られており、それら２枚のマット（１２・１３）の裏面
   にタック性を有する樹脂（１６）が固着されており、そ
   れら２枚のマット（１２・１３）のパイル面の外観が互
   いに異なることを特徴とするバスマット。
2. 【請求項２】 前掲請求項１に記載の２枚のマット（１
   ２・１３）の一方（１２）のパイル層（１７）の大半を
   カットパイルが占め、他方（１３）のパイル層（１８）
   の大半をループパイルが占めていることを特徴とする前
   掲請求項１に記載のバスマット。
3. 【請求項３】 前掲請求項１に記載の２枚のマットの一
   方（１２）のパイル層（１７）が吸湿率１０％以上の吸
   水性繊維によって構成されていることを特徴とする前掲
   請求項１に記載のバスマット。
4. 【請求項４】 前掲請求項１に記載の２枚のマット（１
   ２・１３）のパイル層（１７・１８）が、互いに吸湿率
   の異なる繊維によって色分けされていることを特徴とす
   る前掲請求項１に記載のバスマット。
5. 【請求項５】 前掲請求項１に記載の２枚のマット（１
   ２・１３）の互いに同一形状になる側縁（１４・１５）
   の裏側に面ファスナー（１９・２０）が取り付けられて
   いることを特徴とする前掲請求項１に記載のバスマッ
   ト。