JP2001037486A - 腎疾患治療薬およびそのスクリーニング方法 - Google Patents

腎疾患治療薬およびそのスクリーニング方法

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JP2001037486A JP11266425A JP26642599A JP2001037486A JP 2001037486 A JP2001037486 A JP 2001037486A JP 11266425 A JP11266425 A JP 11266425A JP 26642599 A JP26642599 A JP 26642599A JP 2001037486 A JP2001037486 A JP 2001037486A
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fabp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な作用機序を有する腎疾患治療薬もしく
は予防薬、そのスクリーニング方法および同定方法を提
供する。また、前記方法などに有用な新規細胞株を提供
する。 【解決手段】 脂肪酸結合蛋白質の発現に対する被験物
質の増強作用を検定することを特徴とする、腎疾患治療
薬もしくは予防薬のスクリーニング方法又は同定方法。
新規なマウス近位尿細管上皮細胞株。脂肪酸結合蛋白質
の発現増強作用を有する薬物を有効成分とする腎疾患治
療薬もしくは予防薬。ペルオキシソームプロリフェレー
タ活性化受容体(PPAR)アゴニスト作用又はカルニ
チンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)阻害作
用を有する化合物などからなる脂肪酸結合蛋白質発現増
強薬、腎疾患治療薬もしくは予防薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腎疾患治療薬のス
クリーニング方法および同定方法に関する。特に、脂肪
酸結合蛋白質の発現に着目したスクリーニング方法およ
び同定方法に関する。また、腎臓(近位尿細管)の細胞
から樹立した細胞株に関する。
【0002】
【従来の技術】腎炎などの腎臓疾患は、複雑で多様な病
態を呈するが、いずれも慢性化すると、糸球体硬化や間
質の線維化などが起こり、さらには腎不全にいたる重篤
な経過をたどることがある。このため早い段階での的確
な治療が望まれるが、現状では有効な治療薬は極めて少
ない。また、数少ない治療薬の一つであるステロイド系
薬物は、明確な効果が認められる反面、副作用が非常に
強いという問題があり、新しい優れた治療薬が強く求め
られていた。
【0003】一方、脂肪酸結合蛋白質(FABP:fatt
y acid binding protein)は、サイトゾルに存在し、脂
肪酸と結合する能力を有する分子量約15キロダルトン
前後の蛋白質群である。脂肪酸を細胞内に転送したり蓄
積することによって代謝酵素系の調節に関与していると
考えられているが、これまで、FABPと腎疾患との関
連性については何ら知られてはいなかった。
【0004】FABPとしては、肝型(L-FABP)、腸型
(I-FABP)、心筋型(H-FABP)、脳型(B-FABP)、皮膚
型(C-FABP/E-FABP)、脂肪細胞型(aP2)、末梢神経細
胞型(ミエリンP2)等少なくとも7つの分子種が知られ
ている。これらはいずれも脂肪酸結合能を有し、共通の
祖先遺伝子から進化したファミリーであると考えられて
いる。各型のFABPは特異的な組識分布を示し、命名
は、初めにどの組織から見出されたかを意味するが、そ
の組織にしか存在しないことを必ずしも意味するもので
はない。
【0005】ヒトの腎臓組織中では、肝型(L-FABP)と
心筋型(H-FABP)の少なくとも二種類のFABPが発現
しており、これらのうちL-FABPは近位尿細管に分
布し、H-FABPは主として遠位尿細管に分布してい
る(Maatmanら、BiochemicalJournal、第288巻、第285-
290頁、1992年;Maatmanら、Biochemical Journal、第2
73巻、第759-766頁、1991年)。
【0006】ゲッ歯類の腎臓においては、FABPの発
現・分布がヒトとは異なる。L-FABPは近位尿細管
ではほとんど発現しておらず、ごく少量遠位尿細管に分
布している(Maatmanら、Biochemical Journal、第288
巻、第285-290頁、1992年)。ゲッ歯類の腎臓における
主要なFABPは、H-FABPと腎型FABP(K-F
ABP)である。H-FABPは主に遠位尿細管に分布
している。K-FABPは、肝臓で合成されたα2U-グロ
ブリンが血中から腎臓を経由して尿中に排出された後、
その一部が尿細管細胞内に再吸収され、細胞内でプロセ
ッシングを受けて腎型FABPに変換されると考えられ
ている(Kimuraら、FEBS Letters、第246巻、第101-104
頁、1989年)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
な作用機序を有する腎疾患治療薬もしくは予防薬、その
スクリーニング方法または同定方法を提供することにあ
る。また、前記スクリーニング方法または同定方法等に
有用な新規細胞株を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の通り、FABPと
腎疾患との関連性については何ら知られてはいなかった
が、発明者らは、独自に、腎炎モデルマウスで、マクロ
ファージ浸潤や尿細管間質線維化に先行して、尿中ある
いは腎臓組織でFABPが減少することを見出した。ま
た、ヒトでも、予後不良を示す腎疾患患者で腎組織のL
−FABPが減少していることを見出し、これら知見に
基づいて、FABPに着目した腎疾患の診断方法を確立
した(特開平11−242026号、WO99/273
63)。また、発明者らは、さらに研究を進め、FAB
Pの発現増強が腎炎などの腎疾患治療につながること、
すなわち、FABPの発現を増強する薬物は腎疾患治療
薬となり得ることを見出し、本発明を完成するにいたっ
た。
【0009】すなわち、本発明は、動物細胞における脂
肪酸結合蛋白質(FABP)の発現に対する被験物質の
増強作用を検定することを特徴とする、腎疾患治療薬も
しくは予防薬のスクリーニング方法又は同定方法であ
る。また、かかる方法により選択又は同定された腎疾患
治療薬もしくは予防薬である。また、腎臓の細胞又は組
織においてFABPの発現を増強する作用を有する薬物
(ペルオキシソームプロリフェレータ活性化受容体(P
PAR)のアゴニスト作用を有する化合物など)を有効
成分とする腎疾患治療薬もしくは予防薬である。さら
に、前記スクリーニング方法又は同定方法のために有用
な新規なマウス近位尿細管上皮細胞株である。
【0010】本発明の方法で選択又は同定される腎疾患
治療薬もしくは予防薬、すなわちFABPの発現を増強
する薬物の作用機作は、以下のように考えられる。
【0011】高度蛋白尿は、最近では、単なる腎障害の
指標ではなくそれ自体危険因子の一つとされており、例
えば、蛋白尿の主成分であるアルブミンと脂肪酸を結合
させて尿細管上皮細胞に過剰負荷した場合、マクロファ
ージを活性化する脂質性因子が産生されること等が知ら
れている(Kees-Foltsら、Kidney International、第45
巻、第1697−1709頁、1994年;Eddyら、Journal of Ame
rican Society of Nephrology、第5巻、第1273−1287
頁、1994年)。
【0012】尿蛋白と結合した脂肪酸は、近位尿細管上
皮細胞の刷子縁膜から再吸収され、細胞内のFABPと
結合し、ミトコンドリアやペルオキシソームに輸送され
β酸化されると考えられる。しかし、FABPの存在量
が十分でない場合には、脂肪酸が正常なβ酸化を受け
ず、その結果、マクロファージを活性化する脂質性因子
(腎障害性因子)の産生等が誘導されて、免疫学的機序
による間質の線維化等を進展させるであろう。これに対
して、近位尿細管上皮細胞内でのFABPの発現を増強
させることにより、脂肪酸代謝を正常化し、腎障害性を
有する脂質性因子の産生を抑制することで、病態を改善
し得ると考えられる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明(スクリーニング方法、同
定方法及び治療薬)の対象とする疾患としては、糖尿病
性腎症、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、巣状糸球体硬
化症、免疫複合体腎症(IgA腎症、膜性腎症など)、
ループス腎炎、薬剤性腎障害および腎不全などの腎疾患
が挙げられる。
【0014】また、本発明は、ヒトの疾患に適用される
ほか、サル、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、
ウサギ、ラット、マウスなどの哺乳動物にも適用され
る。
【0015】ヒトなどの哺乳動物(ゲッ歯類以外)にお
いて、腎臓の細胞又は組織には、L-FABP及びH-F
ABPが発現している。これらのうちL-FABPは近
位尿細管に分布し、H-FABPは主として遠位尿細管
に分布している。腎疾患治療薬を創製するためには、腎
臓の細胞又は組織におけるFABP、特に、近位尿細管
細胞におけるFABP(すなわち、ヒトなどにおいては
L-FABP)に着目することが重要と考えられる。
【0016】本発明の方法は、以下のような形態で実施
できる。すなわち、動物細胞(哺乳動物の細胞又は組織
など)を被験物質の存在下に培養し、細胞内でのFAB
Pの発現量を、被験物質非存在下で培養した場合と比較
することにより、被験物質のFABP発現増強作用を検
定すればよい。あるいは、動物個体に被験物質を投与
し、腎臓の組織や細胞などにおけるFABPの発現を非
投与の場合と比較することにより、被験物質のFABP
発現増強作用を検定してもよい。
【0017】被験物質の存在下(又は投与例)でのFA
BP発現量が高かった場合に、被験物質は、その度合い
に応じた増強作用を有すると判定され、腎疾患治療薬と
しての効果が期待できる。FABP発現増強作用の強い
被験物質を選別し候補とすることにより、腎疾患治療薬
を好適にスクリーニングすることができる。
【0018】また、候補薬のFABP発現増強作用を検
定し、FABP発現増強作用を有する薬物として同定す
ることで、腎疾患治療薬としての作用機序が明確にさ
れ、治療薬としての優れた特徴付けを行うことができ
る。
【0019】FABPの発現を検出する方法としては、
遺伝子の発現をレポーターアッセイ法によりレポーター
蛋白質を指標として測定する方法が挙げられる。また、
遺伝子発現をmRNAレベルで検出することもできる。
あるいはまた、細胞抽出液中のFABPの発現を蛋白質
レベルで直接検出することできる。
【0020】遺伝子発現をレポーターアッセイ法で測定
する場合、具体的には、例えば、FABP遺伝子の転写
調節領域とその下流に連結されたレポーター遺伝子から
なるDNA構成を調製し、これを適当な動物細胞に導入
する。この細胞を、被験物質の存在下及び非存在下に培
養した後、細胞抽出液中のレポーター蛋白質の活性など
を測定することにより、発現量を定量し比較すればよ
い。
【0021】FABPのアミノ酸配列や遺伝子配列は、
多くの種においてすでに報告されている(Veerkamp and
Maatman、Prog.Lipid Res.、第34巻、第17−52頁、199
5年)。例えば、L−FABPについては、ヒトのcD
NA(Loweら、Journal of Biological Chemistry、第2
60巻、第3413−3417頁、1985年;Genbank/EMBL登録番号
M10050)、ラットの染色体遺伝子(Sweetserら、Journa
l of Biological Chemistry、第261巻、第5553−5561
頁、1986年;Genbank/EMBL登録番号M13501)などの配列
情報が既知である。
【0022】従って、FABPのcDNAや染色体遺伝
子は、前記のような配列情報をもとにプラーマーやプロ
ーブを設計し、PCR法、コロニーハイブリダイゼーシ
ョン法、プラークハイブリダイゼーション法等を適宜組
合せて、適当なDNAライブラリーから取得できる。
【0023】レポーター構成及びこれを含むレポーター
プラスミドは、FABPの染色体遺伝子中の5'上流域
に存在する転写調節領域と、適当なレポーター遺伝子を
用いて、通常の遺伝子組換え技術により調製することが
できる。
【0024】レポーター遺伝子は特に限定されないが、
安定でかつ活性の定量的測定が容易な酵素の遺伝子など
を用いることが好ましい。このようなレポーター遺伝子
としては、β−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)、
バクテリアトランスポゾン由来のクロラムフェニコール
アセチルトランスフェラーゼ遺伝子(CAT)、ホタル
由来のルシフェラーゼ遺伝子(Luc)等が挙げられ
る。
【0025】遺伝子発現をmRNAレベルで検出する場
合は、例えば細胞や組織から、RNA(mRNA)を抽
出して、PCR法(Polymerase chain reaction metho
d)(「PCR Protocols」Innis MA, Gelfad DH, Sninsky
JJ and White TJ eds., Academic Press, Sandiego, 1
990年)、RNA分解酵素プロテクションアッセイ法(R
Nase protection assay method)(Nucleic Acid Resea
rch、第12巻、第7035−7056頁、1984年)、あるいはノ
ーザンブロット解析法などを利用して、FABP遺伝子
から転写されたmRNAを検出定量すればよい。
【0026】FABPの発現を蛋白質レベルで検出する
場合には、例えば抗FABP抗体などを用いる免疫化学
的方法(ELISA法、免疫組織染色法など)を用いる
ことができる。抗体は、免疫抗原として精製FABPを
用い、常法により調製できる。FABPの各分子種につ
いては、すでにその臓器分布、分子量、一次構造などが
報告されている(藤井ら、動脈硬化、第24巻、353-361
頁、1996年; Veerkamp and Maatman、第34巻、17-52
頁、1995年;Drickamerら、J.Biol.Chem.、第256巻、36
34-3636頁、1981年; Untermanら、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA、第78巻、3478-3482頁)。精製FABPは、これ
ら情報をもとに調製できる。あるいは、前記既知遺伝子
配列情報に基づいて、cDNAを単離し、遺伝子組換え
技術により調製して用いてもよい。
【0027】本発明の方法をインビトロにて、培養細胞
を用いて実施する場合、細胞は、動物細胞(哺乳動物の
細胞等)を用いることが望ましい。中でも、動物の腎臓
由来の細胞が好ましく、尿細管細胞がより好ましく、と
りわけ近位尿細管上皮細胞がとりわけ好ましい。細胞
は、初代培養細胞、不死化細胞(株化細胞)のいずれを
用いてもよい。不死化細胞(株化細胞)を用いた場合に
は、培養や取り扱いが容易となる点で有利である。
【0028】ヒトの腎臓由来の細胞としては、ヒトの尿
サンプルから尿中落下細胞(特に近位尿細管上皮細胞)
を分離して用いることができる。ヒトの腎臓由来の細胞
を用いた場合には、ヒトでの作用をより確かに予測でき
る点で有利である。
【0029】尿細管由来の既知細胞株としては、具体的
には例えば、イヌの尿細管(遠位尿細管)由来細胞株で
あるMDCK(ATCC CRL 6253)、ブタの
尿細管(近位尿細管)由来細胞株であるLLC−PK1
(ATCC CRL 1392)などが挙げられる。
【0030】また、これらの他、マウス細胞株mPro
x37−13(受託番号 FERMP−16985;受
託日 1998年9月9日)など、本発明者らが後記実
施例2においてマウスの近位尿細管細胞から樹立した不
死化細胞株が挙げられる。これら細胞株は、下記
(1)、(2)及び(3)の性質を有する。 (1)上皮細胞の形態を有する。 (2)アルブミン取り込み能を有する。 (3)上皮小体ホルモンによる刺激に応答して細胞内c
AMP産生が誘導されるが、バソプレッシンによる刺激
には応答しない。
【0031】前記の既知尿細管由来細胞株のうち、LL
C−PK1は近位尿細管由来とされており上皮細胞であ
るが、生体内の近位尿細管細胞に特徴的なホルモン応答
性である(3)の性質を失っている(後記実施例2参
照)。これに対し、本発明者らの樹立した細胞株は、ホ
ルモン応答性も含めて近位尿細管上皮細胞の特徴を明確
に維持している株化細胞であるので、これら細胞株を使
用すれば、生体内の生理的環境により近い系となる。こ
のような細胞を、使用することは、効果的な腎疾患治療
薬のスクリーニング方法及び同定方法のために有利であ
る。
【0032】本発明の方法により、FABPの発現を増
強する作用が認められた被験物質については、さらに腎
疾患の既知病態モデル(in vivo又はin vitro)におい
て治療効果及び予防効果を確認すればよい。
【0033】このようなインビトロの病態モデルとして
は、尿細管細胞を用いる腎障害性リピド(炎症性リピ
ド)の産生モデル(Kees-Foltsら、Kidney Internation
al、第45巻、第1697−1709頁、1994年;後記実施例5)
などが挙げられる。また、インビボの病態モデルとして
は、加速型抗GBM腎炎モデル(Nagaiら、Jpn.J.Pharm
acol.、第32巻、第1117-1124頁、1982年)、STZ誘発
糖尿病性腎症モデル(Sharmaら、Diabetes.、第45巻、
第522-530頁、1996年)、ピューロマイシン誘発巣状糸
球体硬化症モデル(Hiranoら、Nephron、第60巻、第443
-447頁、1992年)、アドリアマイシン誘発糸球体硬化症
モデル(Chenら、Nephron、第78巻、第440‐452頁、199
8年)、シクロスポリン腎症モデル(Gillumら、Transpl
ant、第46巻、第285‐292頁、1988年)などが挙げられ
る。
【0034】FABP発現増強作用を有する薬物として
は、例えば、ペルオキシソームプロリフェレータ活性化
受容体(peroxisome proliferator-activated recepto
r;PPAR)のアゴニスト、カルニチンパルミトイル
トランスフェラーゼ(carnitine palmitoyltransferas
e;CPT)の阻害剤などを見出している。FABP遺
伝子の上流域にペルオキシソームプロリフェレータ応答
配列が見られることは、PPARアゴニストがFABP
発現増強作用を有することを裏付ける。
【0035】PPARのアゴニストとしては、既知のP
PARアゴニスト(Lehmannら、Journal of Biological
Chemistry、第270巻、第12953-12956頁、1995年; Wi
llsonら、Journal of Medicinal Chemistry、第39巻、
第665-668頁、1996年)の他、文献記載の方法(WO9
9/10532; WO96/33724; WO96
/22884; Mizukamiら、Biochemical Biophysica
l Research Communications、第240巻、第61‐64頁、19
97年; Kreyら、Molecular Endocrinology、第11巻、
第779‐791頁、1997年; Buckleら、Bioorganic & Med
icinal ChemistryLetters、第6巻、第2121‐2126頁、19
96年; Tontonozら、Genes and Development、第8
巻、第1224‐1234頁、1994年)により、PPARアゴニ
スト作用が新たに確認された化合物も使用できる。これ
らのうち、PPARのアゴニストとしては、MCC−5
55(化学名 5-[6-(2-Fluorobenzyloxy)naphthalen-2
-ylmethyl]thiazolidine-2,4-dione;EP60498
3)がとりわけ好適に使用できる。
【0036】CPTの阻害剤としては例えば、既知のC
PT阻害剤(Current Pharmaceutical Design、第4
巻、第1-15頁、1998年)の他、文献記載の方法(Saeed
ら、Arch. Biochem. Biophys.、第305巻、第307-312
頁、1993年; Kanamuraら、Life Science、第37巻、第
217‐223頁、1985年; Shinagawaら、J. Med. Chem.、
第30巻、第1458‐1463頁、1987年)により、CPT阻害
作用が新たに確認された化合物も使用できる。このう
ち、CPTの阻害剤としては、エトモキシール(Etomox
ir)(化学名 ethyl 2-[6-(4-chlorophenoxy)hexyl]-o
xiranecarboxylate;EP46590および Current P
harmaceutical Design、第4巻、第1-15頁、1998年)、
4−THA(化学名 2-hydroxy-3-propyl-4-[6-(tetra
zol-5-yl)hexyloxy]acetophenone;Biochemi.J. 第252
巻、第409−414頁、1988年)が好適に使用できる。
【0037】PPARアゴニストやCPT阻害剤は、糖
尿病の治療薬として知られている。また、糖尿病病態モ
デルにおいて、糖尿病に起因する腎疾患の症状が改善さ
れることが報告されている(Buckinghamら、Diabetes、
第47巻、第1326‐1334頁、1998年)。しかし、これは、
原疾患である糖尿病が改善されることに基づくものと推
察され、糖尿病に起因しない腎疾患に、PPARのアゴ
ニストやCPT阻害剤などを適応することについては何
ら知られておらず示唆もない。一方、本発明の治療薬又
は予防薬は、糖尿病に起因する腎疾患(例えば、糖尿病
性腎症)を除く腎疾患にも好適に適応されるものであ
る。
【0038】本発明において、被験物質、FABP発現
増強作用を有する薬物、PPARのアゴニスト、CPT
の阻害剤などを動物個体あるいはヒトに投与する場合に
は、経口、静脈内、筋肉内、皮下などいずれの投与形態
を用いてもよい。投与形態に応じた不活性な担体と共
に、必要に応じては製剤化して用いることもできる。投
与量は、投与方法や個体の年齢、体重、疾患の程度など
によって異なるが、通常、1日当たり、経口投与の場合
は、1〜300mg/kg、非経口投与の場合には、
0.01〜50mg/kgの範囲で設定される。
【0039】本発明の医薬(治療薬又は予防薬)は、F
ABP発現増強作用(又はPPARのアゴニスト作用、
又はCPTの阻害作用)に基づいて生体内での薬効を発
現するものである。本発明の医薬としては、生体内での
薬効発現のために十分な強さのFABP発現増強作用
(又はPPARのアゴニスト作用、又はCPTの阻害作
用)を有しない薬物は含まれない。また、FABP発現
増強作用(又はPPARのアゴニスト作用、又はCPT
の阻害作用)以外の他の主作用に基づいて生体内での薬
効を発現する薬物は含まれない。また、本発明の医薬と
しては、毒性あるいは薬物動態の面での好ましからざる
性格等のために、疾病の治療又は予防に使用できないも
のは含まれない。
【0040】以下、実施例をもって本発明をさらに詳し
く説明するが、これらの実施例は本発明を制限するもの
ではない。
【0041】なお、下記実施例において、各操作は特に
明示がない限り、「モレキュラークローニング(Molecu
lar Cloning)」(Sambrook, J., Fritsch, E. F.及びM
aniatis, T. 著、Cold Spring Harbor Laboratory Pres
sより1989年に発刊)に記載の方法により行うか、
または、市販の試薬やキットを用いる場合には市販品の
指示書に従って使用した。
【0042】
【実施例】実施例1 L−FABPレポータープラスミ
ドの作製 (1)ヒトFABPのcDNAの単離 ヒトL−FABPのcDNAを、ヒト肝臓由来のcDNAラ
イブラリー(クロンテック社製、Cat#HL1115b LOT#562
1)からPCR(polymerase chain reaction)法にて単
離した。プライマーは、既知配列情報(Loweら、Journa
l of Biological Chemistry、第260巻、第3413-3417
頁、1985年;Genbank/EMBL登録番号M10050)を元に設計
し、PCRで得られる断片の両末端にはBamHI認識
部位が付加されるようにした。PCRにより得られたD
NA断片(約420塩基対)は、ヒトL−FABPcDN
Aの全翻訳領域を含んでいた。この断片を適当なプラス
ミドに連結した。
【0043】(2)ヒトFABPの染色体遺伝子の単離 前項(1)で得たヒトFABPcDNAを含む断片(約
420塩基対、BamHI断片)をプローブとして用い、
ヒト染色体DNAライブラリー(クロンテック社製、Ca
t#HL1006d LOT#19412)から、プラークハイブリダイゼ
ーション法によりヒトL−FABPの染色体遺伝子をク
ローニングした。得られたクローンは、約20kbの挿
入断片を含んでいた。部分的に塩基配列を決定したとこ
ろ、この断片中にヒトL−FABPの全翻訳領域が含ま
れていることがわかった。
【0044】この挿入断片のうち、5'上流域を含む断
片(約5360bp、SalI−KpnI断片)を切り
出し、ベクタープラスミドに組み込んで以下の実験に用
いた。5'上流域を含む断片(SalI−KpnI断
片)の塩基配列を、後記配列表の配列番号1に示した。
【0045】(3)L−FABPレポータープラスミド
の作製 前項(2)で得たL−FABP遺伝子断片(約5360塩基
対、SalI−KpnI断片)を鋳型とし、PCR法に
より、NspV認識部位(5'上流域中;配列番号1の46
70番目の塩基)から約100塩基ほど下流(開始コドンの
直前)までの領域を増幅し、断片(約100bp)を得
た。また、これとは別に、先のSalI−KpnI断片
をプラスミドpUC18のSalI−KpnI切断部位
に組み込んだ後、得られたプラスミドをNspV及びK
pnIで消化して、NspV認識部位から下流の部分を
欠失させた。先のPCRで得た断片をこれと連結し、プ
ラスミドpUC18−9/25を得た。
【0046】次いでこのプラスミドを、SalI及びK
pnIで消化し、得られる断片(約4760塩基対)を、ベ
クタープラスミドpGV−B(東洋インキ社製)に挿入
し、レポーターアッセイ用のプラスミドを得た。挿入断
片は、配列番号1の第1〜4760番目(開始コドン直前)
までに相当する塩基配列を含み、その3'末端にKpn
I認識配列(6塩基対)が付加されている。
【0047】得られたL−FABPレポータープラスミ
ドは、ヒトL−FABP遺伝子の転写調節領域を含む
5'上流域の下流にルシフェラーゼ遺伝子(プロモータ
ー領域を含まない)が連結されたレポーター構成を有す
る。
【0048】実施例2 尿細管細胞の初代培養・不死化
およびL−FABPレポーター構成の導入 (1)ネフロンの単離 顕微解剖法により、以下のようにして、マウスの腎臓か
らネフロンを単離した。マウスをペントバルビタールに
て麻酔後開腹し、0.1%BSAを含む冷ハンクス緩衝
液(Hank's buffered solution:HBS)20mlを、
腹部大動脈より灌流した。次いで、0.1%BSAおよ
び0.1%コラゲナーゼ(collagenasetype1)を含む冷
HBS 10mlを灌流した。これら灌流液は、あらか
じめ5%CO2−95%O2混合ガスにより飽和させたも
のを用いた。次に腎臓を摘出し、外科手術刃(Surgical
Brade)で厚さ0.5〜1.0mmのスライス片を作製
した。これを0.1%コラゲナーゼ溶液(HBS中)10
mlに浸し、37℃、10分間酵素処理を行った後、H
BSで2回洗浄した。このスライス片を、氷冷した状態
で実体顕微鏡にて観察しながら単一セグメント(ネフロ
ン)を単離した。
【0049】(2)尿細管上皮細胞の初代培養 前項(1)で得られた単一セグメント(ネフロン)を用
い、以下のようにして尿細管細胞の初代培養を行った。
単一セグメントを、10%ウシ胎児血清を含むK1培地
(50:50 DMEM/Ham's F-12、15mM Hepes、13.4mM sodium
bicarbonate、5μg/ml insulin、5μg/ml transferri
n、5ng/ml selenous acid、0.05μM hydrocortisone、1
0ng/ml epidermal growth factor)で2回洗浄した後、
96穴プレートに播種し、同培地中一晩培養した。翌
日、支持細胞(Feeder layer)を添加(2.5〜5×103cel
ls/well)し、単一セグメントと共培養した。支持細胞
としては、マウス腎間葉系由来細胞(密度勾配遠心法に
よりマウス腎臓から単離した後不死化して得た細胞株)
又はマウスNIH3T3細胞をX線照射して増殖能を欠
如させたものを用いた。培地としては、10%ウシ胎児
血清含有K1培地に、支持細胞の培養上清を等量加え、
さらにHGF(Hepatocyte Growth Factor)(25ng/m
l)を添加したものを用いた。また、プレートは、予め
0.1%ゼラチンにてコーティング処理したものを使用
した。4〜6日間培養後、セグメントから上皮細胞(尿
細管上皮細胞)の遊走が顕微鏡下で確認できた。
【0050】(3)尿細管上皮細胞の不死化 前項(2)と同様にして尿細管上皮細胞の培養を行っ
た。
【0051】上皮細胞の遊走が確認された後、SV40 Lar
ge T抗原遺伝子及びネオマイシン耐性遺伝子を含むプラ
スミド(ネオマイシン耐性遺伝子を含む市販プラスミド
pGEM3SRαneoにSV40 Large T抗原遺伝子を挿
入して作製したプラスミド)をトランスフェクションし
た。トランスフェクションは、プラスミドとトランスフ
ェクタム(エアブラウン社製;カチオン性リポソーム)
の混合液を添加した培地中で、細胞を1〜3時間37℃
で培養することにより行った。
【0052】トランスフェクション後、2〜3日間培養
した後、トリプシン−EDTAにて処理して細胞を剥離
し、48穴プレートに継代した。その際、新たに支持細
胞を添加(約1x104cells/well)した。継代1〜2日後
に、再度、同プラスミドをトランスフェクションした。
以後培養スケールを拡大しながら上記操作を反復して行
い、不死化細胞を取得した。得られた不死化細胞の培養
は、以後、支持細胞を用いず、0.1%ゼラチンにてコ
ーティング処理した培養器を用い、10%ウシ胎児血清
を含むK1培地中にて行った。
【0053】(4)L−FABPレポータープラスミド
の導入 前項(3)で得られた不死化細胞を一晩培養した。次い
で、前記実施例1で調製したヒトL−FABPレポータ
ープラスミド(18μg)を、ハイグロマイシン耐性遺伝
子を含むプラスミド(pPUR、Clontech社製、カタロ
グ#6156-1)(1.8μg)とともに用い、トランスフェク
ションを行った。トランスフェクションは、前項(3)
と同様に、トランスフェクタムを用いて行った。
【0054】トランスフェクション後、ハイグロマイシ
ン(100μg/ml)を添加した培地(10%ウシ胎
児血清含有K1培地)にて培養した。6日培養後に一回
継代した後、さらに10日間培養し、生じたハイグロマ
イシン耐性コロニーを顕微鏡下で採取して、これらを9
6穴プレートに接種し、培養した。かくして、プラスミ
ドが導入された数種の形質転換細胞株(No.10〜N
o.19)を得た。
【0055】これら細胞株は、以後、10%ウシ胎児血
清を含む高グルコース含有ダルベッコ−イーグル培地
(以下、DMEM培地)(Gibco社製)中にて培養を行
った。
【0056】(5)細胞株の形態学的及び生理学的解析 前項(4)で得られた細胞株について、近位尿細管上皮
細胞としての形態学的特徴および生理学的特徴(ホルモ
ンに対する応答能、BSA取込み能の解析)を有してい
るかどうか解析した。
【0057】細胞株について形態学的な観察を行ったと
ころ、位相差顕微鏡による観察では、いずれも上皮細胞
に特徴的な敷石構造を取っていることが確認できた。ま
た、細胞株No.13について、電子顕微鏡で観察した
ところ、尖端(apical)側に微絨毛が存在すること、上
皮細胞に特徴的な密着結合(tight junction)が形成さ
れていること、側底(basolateral)側にアクチンが発
現し、ヘモデスモソーム(hemodesmosome)が形成され
ていること、および、部分的にではあるが極性を有して
いることが確認された。これらの観察像から、取得した
細胞株は、上皮細胞であると考えられた。図1には、細
胞株No.13の電子顕微鏡写真を示す。
【0058】尿細管の上皮細胞は、各種ホルモンに対
し、各々の分節で特異的な応答性を示し、細胞内のcA
MP産生を誘導することが知られている。例えば、近位
尿細管細胞は、上皮小体ホルモン(PTH)に対しての
み応答し、バソプレッシン(AVP)に対しては応答を
示さない。一方、集合管およびHenle係蹄などで
は、AVPに対して応答を示す。
【0059】そこで、各細胞株(細胞株No.10、1
3、14、15、16及び19)について、後記参考例
1(6)記載の方法に準じ、PTH及びAVPに対する
応答を調べた。その結果、図2に示したように、細胞株
No.10を除き全ての各細胞株がPTH刺激に対して
応答を示し、特に細胞株No.13は非常に高い応答能
を維持していた。一方、AVPに対しては全ての細胞株
が応答を示さなかった。これらの結果から、No.10
を除く各細胞株は、ホルモン応答能に関して近位尿細管
細胞としての特徴を有しており、特にNo.13はその
特徴がよく維持されていると考えられた。
【0060】また、既知の近位尿細管上皮細胞株である
LLC−PK1(ATCC CRL1392)につい
て、前記と同様にホルモン応答能を調べた。その結果、
ホルモン刺激に対するcAMP産生量の比は、コントロ
ール:PTH刺激時:AVP刺激時で、1:0.7:
7.4であり、PTHには応答せず、AVPに応答する
ことがわかった。すなわち、LLC−PK1は、細胞株
N0.13とは異なり、ホルモン応答能に関して近位尿
細管細胞としての特徴を有していなかった。
【0061】次に、細胞株No.13及びNo.16に
ついて、後記参考例1(5)記載の方法に準じ、アルブ
ミン取り込み能を調べた。近位尿細管は、糸球体で濾過
された濾液中に含まれる蛋白の再吸収を担う分節であ
り、近位尿細管細胞は、血漿中に多量存在するアルブミ
ン等の取り込み能を有することが知られている。測定の
結果、図3に示したように、両細胞株にはアルブミン取
り込み能が認められた。特に細胞株No.13は、コン
トロールに比して約5倍の高いアルブミン取込み能を示
し、このことから、細胞株No.13は、アルブミン等
の取り込み能の点でも近位尿細管細胞としての特徴をよ
く維持していることがわかった。
【0062】(6)L−FABP遺伝子挿入領域の確認 細胞株No.13は、前記の通り、マウス近位尿細管上
皮細胞株であるとともに、L−FABPレポータープラ
スミドが導入された細胞株である。その染色体上にレポ
ーター構成が挿入されていることを確認するために、以
下のようにサザンブロット解析を行った。
【0063】レポータープラスミドに由来するヒトL−
FABP遺伝子の転写調節領域が欠失を受けずに挿入さ
れていた場合、染色体DNAを制限酵素Apa−Kpn
Iで切断することにより4.3Kbの断片を生じるはず
である。細胞株No.13の細胞から染色体DNAを調
製し、これを制限酵素ApaおよびKpnIで処理した
後、アガロースゲル電気泳動に供した。泳動後のゲルか
ら、ナイロン膜(Hyband N+ membrane、Amersham社製)
にDNAをトランスファーした後、膜を2×SSCで洗
浄し乾燥させた。メンブレンを、プレハイブリダイゼー
ション処理後、プローブを含むハイブリダイゼーション
用緩衝液中にて、65℃で一晩ハイブリダイゼーション
を行い、次いで2×SSC(0.1%SDS含有)で洗
浄(65℃、30分間)後、オートラジオグラフィーに
供した。プローブとしては、ヒトL−FABP遺伝子の
5'上流配列を含む断片(1.2Kb)をRI標識して
用いた。
【0064】その結果、4.3Kbの断片が検出され、
L−FABP遺伝子転写調節領域が欠失なく挿入されて
いることが確認された。このことから、細胞株No.1
3は、その染色体上に、L−FABPレポータープラス
ミドに由来するDNA構成(ヒトL−FABP遺伝子転
写調節領域およびルシフェラーゼ遺伝子からなる構成)
が挿入されていると考えられた。
【0065】この細胞株No.13(以下、mProx
37−13と称する)は、細胞株の名称「マウス細胞株
mProx37−13」として、工業技術院生命工学工
業技術研究所(FERM)に寄託されている(受託番号
FERM P−16985;受託日 1998年9月
9日)。
【0066】実施例3 近位尿細管上皮細胞におけるL
−FABP発現増強作用の検定 前記実施例2で得られた、L−FABPレポーターDN
A構成を含む近位尿細管上皮細胞株mProx37−1
3(細胞株No.13とも称する)を用い、以下のよう
に、レポーターアッセイ法により被験物質のL−FAB
P発現増強作用を測定した。
【0067】まず、細胞株mProx37−13を、96
穴平底プレートに5x104細胞/100μl/ウエルとなる
よう分注し、培養した。培養には、0.1%ゼラチンでコ
ーティング処理したプレートを用い、培地は10%ウシ
胎児血清、ペニシリン(100単位/ml)及びストレプト
マイシン(100μg/ml)を添加した高グルコース含有ダ
ルベッコMEM培地(Dulbecco's MEM, high glucose;
DMEM)(Gibco社製)を用いた。48時間培養後、
無血清培地で1回洗浄を行った後、被験物質を含む無血
清培地を加えた。コントロールは、被験物質無添加とし
た。さらに培養を行った後、2〜10時間後のルシフェ
ラーゼ活性を測定した。
【0068】ルシフェラーゼ活性は、以下のように測定
した。細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄
後、20μlの細胞溶解液(培養細胞溶解液LCβ−5
1、東洋インキ社製)を加え、室温にて20分間放置後、
-80℃に一晩保存した。-80℃に保存したプレートを室温
に戻した後、100μlの発光基質液(ピッカジーン発光キ
ット、東洋インキ社製)を加え、反応を開始した。発光
量は、ルミノメータ(MicroLumat LP98P、BERTHOLD社
製)を用いて測定した。反応開始から10秒間の相対光
度(RLU)値を積算し、ルシフェラーゼ活性とした。
また、この活性値から、ルシフェラーゼ誘導率(Luc
誘導率)を以下のように算出した。
【0069】Luc誘導率=被験値/コントロール値 被験物質として、ペルオキシソームプロリフェレータ活
性化受容体(peroxisome proliferator-activated rece
ptor;PPAR)のアゴニスト(作動薬)であるMCC
−555、およびカルニチンパルミトイルトランスフェ
ラーゼ(carnitine palmitoyltransferase;CPT)の
阻害剤であるエトモキシール(Etomoxir)を添加したと
ころ、ルシフェラーゼ活性誘導が認められた。このこと
から、これら化合物は、近位尿細管細胞においてL−F
ABP遺伝子発現を増強する作用を有するものと同定さ
れる。測定結果を、図4に示した。
【0070】MCC−555(化学名 5-[6-(2-Fluoro
benzyloxy)naphthalen-2-ylmethyl]thiazolidine-2,4-d
ione;EP604983)およびエトモキシール(化学
名ethyl 2-[6-(4-chlorophenoxy)hexyl]-oxiranecarbox
ylate;EP46590および Current Pharmaceutica
l Design、第4巻、第1-15頁、1998年)は文献記載の方
法に準じて合成したものを用いた。
【0071】実施例4 近位尿細管上皮細胞におけるL
−FABP発現増強作用の検定 (mRNAレベルおよび蛋白質レベルでの測定)前記実
施例1の(2)項にて単離したヒトL−FABP染色体
遺伝子(全長)を含むプラスミドを線状化した後、ブタ
尿細管細胞株LLC−PK1、又は前記実施例2の
(3)と同様にして得たマウスの不死化尿細管上皮細胞
にトランスフェクションし、安定な形質転換細胞を得
た。これら細胞は、ヒトL−FABPの染色体遺伝子が
欠失を受けることなく染色体上に組込まれていた。
【0072】これら細胞を用い、以下のようにして被験
薬物のL−FABP発現増強作用をmRNAレベルおよ
び蛋白質レベルで調べた。細胞を、コンフルエントにな
るまで培養した後、血清を含まないDMEM培地に培地
交換し、最終濃度 1μMになるよう被験薬物を培地中
に添加し、37℃で培養した。また、対照例は、被験薬
物無添加とした。
【0073】mRNAレベルでの測定は以下のように行
った。培養後、細胞を回収しトータルRNAを調製し
た。得られたトータルRNAを鋳型とするRT−PCR
(Reverse transcriptase - Polymerase chain reactio
n)により、ヒトL−FABPのmRNAを検出した。
また、測定値の標準化のために、コントロールとしてG
APDH(Glyceraldehyde 3-phosphate dehydrogenas
e)のmRNAを同様のRT−PCRにて検出した。得
られたPCR産物をアガロースゲル電気泳動後、エチジ
ウムブロマイドで染色して各バンドを検出し、デンシト
メトリー又は目視により発現量を判定した。その結果、
被験薬物としてMCC−555を添加した場合、培養後
15分から24時間までL−FABPmRNAの誘導作
用が認められた。
【0074】蛋白質レベルでの測定は、以下のように行
った。培養後の細胞を回収し、超音波破砕した後、細胞
抽出液を調製した。抗ヒトL−FABP抗体を用いるウ
エスタンブロティング法又はELISA法により、抽出
液中のL−FABP量を測定した。その結果、被験薬物
としてMCC−555を添加することにより、L−FA
BP蛋白質の発現増強作用が認められた。また被験薬物
としてエトモキシールを添加した場合にも同様にL−F
ABP蛋白質の発現増強作用が認められた。
【0075】実施例5 腎臓由来細胞における腎障害性
リピド産生誘導 (1)腎臓由来細胞の刺激 細胞として、ブタ尿細管細胞株LLC−PK1又は前記
実施例4と同様の細胞(マウスの不死化尿細管上皮細胞
の染色体上にヒトL−FABPの染色体遺伝子が組み込
まれた安定な形質転換株)を用いた。以下のように、オ
レイン酸による刺激下で、細胞を培養することにより、
腎障害性リピド(Nephrotoxic lipid)の産生を誘導し
た。
【0076】細胞は10cmディッシュを用い、10%牛胎児
血清を含むDMEM培地中で培養した。コンフルエント
に達するまで培養した後、脂質(オレイン酸などの脂肪
酸を結合させたBSA、リポプロテインなど)を含む無
血清培地に培地交換し、37℃で16〜36時間インキ
ュベートした。被験物質の作用を検定する場合には、脂
質とともに被験物質を添加した培地を用いた。
【0077】(2)腎障害性リピドの抽出 培地中に産生される腎障害性リピドは、脂質成分として
酢酸エチルで抽出される。また、マクロファージ遊走活
性化能を有するので、その存在量は、マクロファージ遊
走試験により測定することができる。
【0078】そこで、インキュベート後、培地を回収
し、これを遠心(3000rpm,5分間)して上清を分取し、
脂質成分を以下のように抽出した。すなわち、上清に2
倍量の酢酸エチルを加え、2分間激しく振盪した。10分
間静置した後、これを遠心し、その上層(酢酸エチル
層)を回収した。下層(水層)にさらに2倍量の酢酸エ
チルを加えて同様に再度抽出、回収した。回収した脂質
抽出物を、マクロファージ遊走試験に供した。
【0079】(3)マクロファージ遊走試験 文献(Kees-Foltsら、Kidney International、第45巻、
第1697−1709頁、1994年)記載の方法に準じ、以下のよ
うに、脂質抽出物中のマクロファージ遊走活性を測定し
た。遊走試験は、96穴ケモタキシスチャンバー(Neurop
robe社製)と専用フレームフィルター(スタンダード、
ポアサイズ5μm、Neuroprobe社製)を用いて行った。遊
走細胞としては、マウスマクロファージ系細胞株RAW26
4.7(ATCC TIB−71)を用いた。
【0080】培養しておいたRAW264.7をスクレイパーで
回収後、2x106個/mlになるように、10%牛胎児血清含
有DMEM培地に懸濁した。また、細胞を蛍光標識する
ためにカルセイン−AM(calcein-AM、同仁化学研究所
製)を最終濃度2μMになるように添加し、37℃、5分間
インキュベートした。これを10%牛胎児血清含有DME
M培地で一回洗浄後、1x106個/mlとなるように同培地
に再懸濁した。
【0081】前項(2)で得た脂質抽出物をガラスチュ
ーブ内で乾固し、ここに0.25%BSA(lipid free、Sig
ma社製)を含むDMEM培地を加えた。これを56℃にて
15分間インキュベーション後、15分間超音波処理(soni
cation)することにより懸濁化した。懸濁した脂質を、
ケモタキシスチャンバーの下室に31.5μlずつ注入し
た。フィルターで分けられた上室には、蛍光標識した細
胞の懸濁液(1x106個/ml)を200μlずつ注入した。こ
のチャンバーを、CO2インキュベーター中で3時間インキ
ュベートした後、チャンバーを上下反転し、さらに15分
間インキュベートした。
【0082】インキュベーション終了後、フレームフィ
ルターを取り、上面の細胞を拭き取った後、フィルター
裏面の細胞を100%メタノールで90秒間固定した。裏面に
付着した細胞(すなわち遊走した細胞)の蛍光強度を、
蛍光プレートリーダー(Polar star 、BMG LabTechnolo
gies社製)を用いて測定(励起波長:485nm、蛍光波
長:538nm)し、サンプルのマクロファージ遊走活性を
測定した。
【0083】刺激により腎臓由来細胞から産生誘導され
る腎障性リピドの量(遊走活性)が、被験物質の存在下
において非存在下の場合より少なければ、その被験物質
には、腎障性因子の産生を抑える作用があると判定し
た。
【0084】実施例6 ヒト尿中落下細胞におけるL−
FABP発現増強作用の検定 (mRNAレベルでの測定) (1)ヒト尿中落下細胞の単離 腎組織から尿中に落下している尿細管上皮細胞(以下、
尿中落下細胞とよぶ)を以下のようにしてヒト尿サンプ
ルから分離し、培養に供した。
【0085】まず、男児の腎炎患者(0から3才)か
ら、クリーンキャッチ法(clean-catch method)によ
り、尿サンプルを採取した。ついで、この尿サンプルを
室温で遠心分離(1000rpm、10分)し、上清を
捨て、ペレットを、10%(v/v)ウシ胎児血清含有
のダルベッコ−イーグル培地(Dulbecco's modified Ea
gle's medium)にて2回、培養用培地で1回洗浄した。
培養用培地としては、ダルベッコ−イーグル培地とハム
ズF−12培地(Ham's F-12 medium)を1:1で混合
したものに、ウシ胎児血清(10%v/v)、インシュ
リン(5μg/ml)、トランスフェリン(5μg/m
l)、亜セレン酸ナトリウム(sodium selenite)(5
ng/ml)、デキサメタゾン(10-8M)、ニコチン
アミド(5mM)、ペニシリン(100IU/ml)及
びストレプトマイシン(100μg/ml)を添加した
ものを用いた。
【0086】ペレットを培養用培地に懸濁し、適宜希釈
した後、タイプ4コラーゲンでコーティングを施した
3.5cm径ディッシュ(Falcon社製)中で培養を行っ
た。培養は5%CO2、37℃の条件で行った。
【0087】培養した細胞が、尿細管上皮細胞であるこ
とは、培養器上でコンフルエントに達するとドーム形成
が観察されたこと、および アルカリホスファターゼ染
色で陽性を示すことにより確認した。
【0088】(2)L−FABP発現増強作用の検定 前記(1)で培養したヒト尿中落下細胞(ヒト尿細管上
皮細胞)を用い、以下のように、前記実施例4と同様に
して、被験薬物のL−FABP発現増強作用をmRNA
レベルで調べた。
【0089】まず、細胞を、コンフルエントになるまで
培養した後、最終濃度 1μMになるよう被験薬物を添
加したダルベッコ−イーグル培地(血清不含)に培地交
換し、37℃で培養した。被験薬物としては、MCC−
555および4−THA(2-hydroxy-3-propyl-4-[6-(t
etrazol-5-yl)hexyloxy]acetophenone)(CPT阻害
薬)を用いた。また、対照例については、被験薬物を無
添加とした。
【0090】培養後の細胞を回収しトータルRNAを調
製した。得られたトータルRNAを鋳型としてRT−P
CR(Reverse transcriptase - Polymerase chain rea
ction)を行った。PCR産物をアガロースゲル電気泳
動後、エチジウムブロマイドで染色して各バンドを検出
し、デンシトメトリー又は目視により発現量を判定し
た。また、測定値の標準化のために、コントロールとし
てrBAT(related tob0,+ system amino acid trans
porter;Purroyら、Genomics、第37巻、第249−2
52頁、1996年)のmRNAをRT−PCRにて検
出した。
【0091】その結果、下表1に示した通り、ヒト尿中
落下細胞(ヒト尿細管上皮細胞)におけるL−FABP
mRNAの発現量は、MCC−555および4−THA
の添加によって増加した。この結果から、これら化合物
は、ヒトにおいても、近位尿細管細胞のL−FABPの
発現増強作用を有するものと同定された。
【0092】
【表1】
【0093】実施例7 細胞傷害に対するL−FABP
発現抑制の影響 ブタ近位尿細管由来LLC−PK1細胞を用いた低酸素
・再酸素化モデル(インビトロ腎虚血再灌流モデル)に
より、細胞傷害に対するL−FABP発現抑制の影響
を、以下のようにして調べた。
【0094】まず、ブタL−FABPcDNAをRT−
PCRでクローニングし、pRC/CMVにサブクロー
ニングしてアンチセンスRNA発現用ベクターpLFA
BP−pRC/CMVを得た。
【0095】ついで、6穴プレートにLLC−PK1細
胞をまき(1x105/ウエル)、24時間培養後、リ
ポフェクトアミン(GIBCO社製)を用いてpLFA
BP−pRC/CMVをトランスフェクトした。またコ
ントロールとしては、ベクター(pRC/CMV)のみ
をトランスフェクトした。これら細胞を24時間培養
後、嫌気性チャンバー(COY社)内に移し低酸素暴露
を24時間行った。さらに、これら細胞を通常の大気中
に戻して24時間再酸素化した後、細胞傷害度を測定し
た。
【0096】細胞傷害度は、培地中に漏出したLDH
(lactic dehydrogenase;乳酸脱水素酵素)を指標にし
て測定した。すなわち、低酸素暴露後、培地を回収し、
測定キット「LDH−細胞毒性テストワコー」(和光純
薬製)を用いて培地中のLDH活性を測定した。
【0097】その結果、図5に示した通り、低酸素・再
酸素化した後に漏出したLDH活性は、L−FABPア
ンチセンスRNAを一過性に発現させた細胞の場合、ベ
クターのみをトランスフェクトしたコントロールと比較
して大きい値を示し、細胞がより大きい傷害を受けてい
ることが示された。
【0098】このように、L−FABPアンチセンスR
NAの発現、すなわちL−FABPの発現抑制により、
低酸素・再酸素化時の細胞傷害が増大したことから、近
位尿細管細胞に傷害を与える腎虚血再灌流などの状態に
おいて、L−FABPは細胞を保護する機能を果たすも
のと考えられた。
【0099】実施例8 細胞傷害に対するL−FABP
強制発現の影響 前記実施例7に準じ、近位尿細管細胞を用いた低酸素・
再酸素化モデル(インビトロ腎虚血再灌流モデル)を用
い、細胞傷害に対するL−FABP強制発現の影響を調
べた。
【0100】前記実施例1の(2)項にて単離したヒト
L−FABP染色体遺伝子(全長)を含むプラスミドを
線状化した後、実施例2の(3)項と同様にして取得し
たマウス近位尿細管細胞(クローン24)にトランスフ
ェクションし、安定な形質転換細胞(クローン24−1
9)を得た。この細胞は、ヒトL−FABPの染色体遺
伝子が欠失を受けることなく染色体上に組込まれてい
た。
【0101】上記で得たクローン24−19及び対照細
胞としてクローン24を、各々嫌気性チャンバー(CO
Y社)内で低酸素暴露を24時間行った。さらに、これ
ら細胞を通常の大気中に戻して24時間再酸素化した
後、細胞傷害度を測定した。細胞傷害度は、培地中に漏
出したLDH(lactic dehydrogenas)を指標にして測
定した。
【0102】その結果、図6に示した通り、ヒトL−F
ABP遺伝子を導入して強制発現させた細胞(クローン
24−19)では、低酸素・再酸素化後に漏出したLD
H活性が、対照細胞(クローン24)と比較して低値を
示し、低酸素・再酸素化に対してより抵抗性が強いこと
が示された。このように、L−FABPの強制発現によ
り、低酸素・再酸素化時の細胞傷害に対する抵抗性が増
大したことから、近位尿細管細胞に傷害を与える腎虚血
再灌流などの状態において、L−FABPは細胞を保護
する機能を果たすものと考えられた。
【0103】実施例9 腎疾患モデルマウスに対する薬
物の作用 腎疾患モデルとして、アドリアマイシン誘発糸球体硬化
症マウスを用い、これに対するPPAR作動薬MCC−
555の効果を以下のように確認した。
【0104】アドリアマイシン(AD)誘発糸球体硬化
症マウスは、ネフローゼ症状を呈しながら、3週間目に
は巣状糸球体硬化症になり、不可逆的に慢性腎不全に到
る病態モデルである(Chenら、Nephron、第78巻、第440
-452頁、1998年)。また、MCC−555は、実施例
3、4及び6にも示した通り、L−FABP遺伝子発現
増強作用が確認されている化合物である。
【0105】マウスは、7週齢の雌性BALB/c(日
本チャールスリバーより購入)を用いた。実験開始日
(0日目)に、アドリアマイシン(Sigma社製)
を、10mg/kg(生理食塩液に1mg/mlの濃度
で溶解したものを10ml/kg)静脈内投与した。正
常群には同容量の生理食塩液のみを静脈内投与した。こ
れらマウスに、MCC−555又は担体のみを、実験開
始日から14日間(0日目から13日目まで)経口投与
した。初回投与はアドリアマイシン投与の1時間前に行
い、投与液量はいずれも10ml/kgとした。
【0106】薬物投与群(n=6)は、アドリアマイシ
ン投与マウスにMCC−555(0.1%Tween8
0含有精製水に懸濁したもの)を10mg/kgの用量
で投与した。対照群(n=6)は、アドリアマイシン投
与マウスに担体(0.1%Tween80含有精製水)
のみを投与した。また、正常群(n=3)も担体のみを
投与した。
【0107】マウスは個別に代謝ケージに入れ、自由摂
食・摂水下で24時間採尿した。
【0108】採尿は、3〜4、6〜7、9〜10及び1
3〜14日目の計4回行った。採取した尿については、
尿量を測定後、自動分析器(SuperZ−818、ニ
ッテク)で尿中蛋白質、NAG(N-acetyl-β-D-glucos
aminidase)およびクレアチニン(creatinine:CRE)濃
度を測定した。実験最終日(14日目)の採尿後、エー
テル麻酔下に腹部大動脈より採血し、血清を分離して、
自動分析器(TBA−80FR、東芝)でコレステロー
ルおよびアルブミン濃度を測定した。また腎を摘出して
中性緩衝ホルマリン液で固定した。
【0109】実験の結果、図7に示したように、尿中蛋
白質および近位尿細管障害の指標であるNAG排泄量
は、対照群ではAD投与後7〜14日目に上昇した。こ
れに対して薬物投与群では、尿中蛋白質及びNAG排泄
量の上昇が有意に抑制された。
【0110】また、14日目の血液生化学的検査の結果
を図8に示した。図8に示されたように、対照群では、
ネフローゼの主症状である高コレステロール血症、低ア
ルブミン血症の症状が認められた。これに対して、薬物
投与群ではこれら症状が改善されていた。
【0111】上記のように、MCC−555は、腎疾患
モデルマウス(アドレアマイシン誘発糸球体硬化症モデ
ル)に対して、近位尿細管障害の指標となるNAG排泄
を抑制するとともに、ネフローゼの主症状である蛋白尿
や血液生化学的パラメータを改善した。さらに、腎組織
像を調べたところ、MCC−555は、同モデルマウス
の腎臓における組織学的変化も抑制していることが確認
された。
【0112】実施例10 ヒト型L−FABP遺伝子導
入トランスジェニックマウスを用いた腎疾患モデルに対
する薬物の作用 ヒト型L−FABP遺伝子を導入したトランスジェニッ
クマウス(hFABP−Tgマウス)を作製した。この
hFABP−Tgマウスを用いて、以下のように、実施
例9に準じた腎疾患モデルを作成し、MCC−555の
作用を確認した。
【0113】hFABP−Tgマウスの作製において
は、13週齢以上のBCF1系雄マウスを不妊交配用及
び自然交配用に、10週齢以上のICR系雌マウスを胚
移植用および里親用に、13週齢以上のBDF1系雄マ
ウスを交配用に、8週齢以上のBCF1系雌マウスを採
卵用に、それぞれ使用する。これにより得られるトラン
スジェニックマウス(B6C3F1系)についてBAL
B/cマウスともどし交配を行った。
【0114】得られた雌性トランスジェニックマウスを
用いて、腎疾患モデル(アドリアマイシン誘発糸球体硬
化症モデル)の作製と薬物(MCC−555)の作用確
認を行った。疾患モデルの作製と薬物の作用確認は、前
記実施例9に準じた。但、実験開始日(0日目)に投与
するアドリアマイシンの投与量は、15mg/kg(生
理食塩液に1mg/mlの濃度で溶解したものを15m
l/kg)とした。
【0115】薬物投与群(n=5)は、アドリアマイシ
ン投与マウスにMCC−555(10mg/kg)を投
与し、対照群(実験開始時n=5)はアドリアマイシン
投与マウスに担体のみを投与した。正常群(n=3)は
アドリアマイシン非投与マウスに担体のみを投与した。
採尿を、6〜7日目(Day7)、10〜11日目(D
ay11)、13〜14日目(Day14)の計3回行
い、尿量測定後、自動分析器で尿中蛋白質、NAG及び
クレアチニン濃度を測定した。
【0116】その結果、図9に示したように、対照群で
はAD投与後、尿中蛋白質及びNAG排泄量が上昇した
のに対して、薬物(MCC−555)投与群ではこれら
の上昇が顕著に抑制された。また、対照群では、実験期
間中3例が死亡したが、薬物(MCC−555)投与群
では死亡例は認められなかった。
【0117】参考例1 密度勾配遠心法による近位尿細
管上皮細胞の単離および初代培養 (1)近位尿細管細胞の分離 ビネー(Vinay)らの文献(American Journal of Physi
ology、第241巻、F403-F411、1981年)記載の密度勾配
遠心法に準じ、以下のようにして、マウスの腎臓から、
腎臓皮質部細胞を単離した。
【0118】マウス2匹を断頭脱血後、腎臓を摘出し、
これを冷ハンクス緩衝液(Hank's buffered solution:
HBS)で洗浄した後、皮膜を摘除した。次に、皮膜か
ら皮質部のみを切り出し、1〜2cm角に細切した。細
切組織をHBSで軽く洗浄後、コラゲナーゼ溶液(coll
agenase type4、400μg/ml、HBS中)5ml
を加えて37℃、30分間酵素処理を行った。次いで、
5分間攪拌後、ナイロンメッシュ(100μm)で濾過
して組織塊を除去し、HBSで洗浄した。これにHBS
(1ml)を加え、軽くピペッテイングして細胞懸濁液
を調製した。
【0119】この細胞懸濁液を、30%−50%パーコ
ール(Percoll)重層液に重層した後、遠心した
(3500rpm、4℃、30分間)。遠心後、パーコ
ール密度勾配中に分離された各層(上から画分1〜4の
4層)の細胞を注意深く回収した。
【0120】(2)分離した細胞のアルカリフォスファ
ターゼ染色 アルカリフォスファターゼは、腎臓では近位尿細管に局
在することが知られている。そこで、上記(1)で回収
した各層の細胞の一部を採取し、以下のようにアルカリ
フォスファターゼ染色を行った。すなわち、細胞懸濁液
を遠心した後、プレパラートに固定し、アルカリフォス
ファターゼ基質キット(フナコシ社製)を用いて染色
後、グリセロール封入した。その結果、最上層の画分1
において、アルカリフォスファターゼ陽性率が最も高
く、従って、近位尿細管細胞の含有率も最も高いと考え
られた。
【0121】(3)近位尿細管上皮細胞の初代培養 上記(1)の画分1の細胞について、以下のようにコラ
ゲナーゼ処理した後、初代培養を行った。すなわち、回
収した細胞を、HBSで1回洗浄し、コラゲナーゼ溶液
(collagenase type4、2mg/ml、HBS中)1m
lを加えて37℃、5分間酵素処理を行った。さらにH
BSで2回洗浄した後、培養に供した。
【0122】上皮細胞の初代培養の際には、線維芽細胞
が混入することが一般的に知られており、線維芽細胞の
増殖を抑制して上皮細胞だけを選択的に増殖させること
が必要となる。このため、培養に際しては、(i)線維
芽細胞の増殖を選択的に阻害するMEM/D−Val培
地(MEM培地のL−バリンをD−バリンに置換した培
地;Gibco社製)にウシ胎児血清を添加した培地、
及び、(ii)上皮細胞を特異的に増殖させるホルモン
および成長因子を含み、線維芽細胞の増殖に関与する因
子を含まない無血清K1培地(50:50 DMEM/Ham's F-1
2、15mM Hepes、13.4mM sodium bicarbonate、5μg/ml
insulin、5μg/ml transferrin、5ng/ml selenous aci
d、0.05μM hydrocortisone、10ng/ml epidermal growt
h factor)を、以下のように組合せて用いた。
【0123】まず、細胞を、10%ウシ胎児血清含有M
EM/D−Val培地にて1〜2日培養し、細胞の接着
と増殖を確認した後、培地を無血清K1培地に交換し
て、さらに約一週間培養を継続した。細胞は、あらかじ
め0.1%ゼラチンでコーテングしたプレートに播種
し、CO2インキュベーター内で培養した。
【0124】(4)細胞の形態学的解析 前項(3)の培養細胞を、位相差顕微鏡にて観察したと
ころ、敷石状の細胞増殖が認められた。また、細胞がコ
ンフルエントになる頃に、ドーム形成が認められた。こ
れら所見は、溶質溶媒の経上皮輸送が行われていること
を示唆している。これらのことから、得られた培養細胞
は、尿細管上皮細胞であることが形態学的に確認され
た。
【0125】(5)アルブミン取込み能 近位尿細管細胞は、アルブミン等の取り込み能を有する
ことが知られている。
【0126】そこで、前項(3)の培養細胞について、
アルブミンの取り込み能を、以下のように調べた。細胞
を、10cmデイッシュでコンフルエントになるまで培
養した後、培地をMEM/D−Val培地に交換し、一
晩培養した。ついで、ウシ血清アルブミン(bovine ser
um albumin:BSA)を、終濃度が50mg/10ml
になるよう培地に添加し、37℃、90分間培養を行っ
た。コントロールとしては、同様の細胞を用い、氷上で
インキュベーションを行った。培養後、細胞をリン酸緩
衝食塩水(phosphate buffered saline:PBS)(p
H7.4)で洗浄した後、回収した。この細胞を、プロ
テアーゼ阻害剤(protease inhibitor)を含むPBS
(pH9.6)200μlに懸濁した後、超音波破砕し
た。破砕液にPBS(pH6.4)を加えてpHを中性
領域に戻した後、遠心(12000rpm、15分間)
して上清を、細胞抽出液として回収した。得られた細胞
抽出液について、BSAの存在をELISA法にて測定
した。
【0127】ELISAには、一次抗体として、抗アル
ブミン抗体(ウサギポリクローナル抗体、Sigma社
製)を用い、二次抗体としては、ビオチン標識した抗ア
ルブミン抗体を用いた。一次抗体を96穴イムノプレー
トに吸着させた後、前記細胞抽出液(100μl/穴)
を加えて室温で2時間反応させ、次いで、二次抗体希釈
液を添加し、室温で2時間反応させた。ウエルを洗浄し
た後、ストレプトアビジン及びビオチン標識ワサビペル
オキシダ-ゼを含む検出キット(ベクターラボラトリ-社
製、ベクタステインABC−POキット)を用いて発色
検出を行った。
【0128】その結果、アルブミン添加条件下37℃で
培養することにより、コントロールの2.3倍量のBS
A取り込みが認められた。このことから、細胞は、近位
尿細管細胞としての生理的機能を有することが確認され
た。
【0129】(6)ホルモンに対する応答能 近位尿細管細胞は、上皮小体ホルモン(PTH)に応答
して細胞内cAMP産生が誘導されるが、バソプレッシ
ン(AVP)には応答しないことが知られている。前項
(3)の培養細胞について、以下のとおりこれらホルモ
ンに対する応答能を調べた。
【0130】細胞を、24穴プレートでコンフルエント
になるまで培養した後、細胞表面を培地(MEM/D−
Val培地)で2回洗浄した。これに、PTH(10-7
M)又はAVP(1U/ml)を、IBMX(3‐イソ
ブチル1‐メチルキサンチン;cAMPホスホジエステ
ラーゼ阻害剤)(10-4M)とともに添加した培地を加
えた。コントロールとしては、IBMXのみを添加した
培地を加えた。
【0131】37℃で10分間反応させた後、細胞及び
培養液中のcAMPを65%エタノールで抽出し、cA
MP量をELISA法(Amersham社製のcAMP EI
Aシステムキットを使用)により測定した。
【0132】その結果、PTH刺激を行った場合、コン
トロールに対して約1.6倍の細胞内cAMP量が認め
られ、このことから、この初代培養には近位尿細管細胞
が含まれることが確認された。一方、AVP刺激時にお
いても、コントロールの約4.6倍のcAMP量が認め
られたことから、近位尿細管細胞に由来しない細胞もい
くらか混入しているものと考えられた。
【0133】
【発明の効果】本発明の方法によれば、新規な腎疾患治
療薬及び/又は予防薬を的確に効率よくスクリーニング
することができる。また、本発明の方法により同定され
特徴付けされた治療薬及び/又は予防薬(あるいは本発
明の治療薬及び/又は予防薬)は、作用機序の明確な優
れた腎疾患治療薬及び/又は予防薬となる。また、本発
明の新規細胞株は、近位尿細管上皮細胞としての生理的
特徴をよく維持しており、腎疾患治療薬などの研究開発
などに有用である。
【0134】「配列表フリーテキスト」配列番号1のフ
リーテキスト<223> GATAシグナル(GATA_signal)<
223> ペルオキシソームプロリフェレータ応答配列(per
oxisome proliferator responsive element(PPRE))<22
3> ヘパティックヌクレアファクター(HNF)結合サ
イト(hepatic nuclear factor(HNF) binding-site)<2
23> ヒポキシア誘導因子(HIF)結合サイト(hypoxi
a inducible factor(HIF) binding-site)
【0135】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> TANABE SEIYAKU CO., LTD. <120> Medicine for treating renal diseases and screening method of such medicine <130> A00-4680 <150> JP268846/1998 <151> 1998-09-24 <160> 1 <210> 1 <211> 5357 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (4767)...(4835) <221> intron <222> (4836)... <221> TATA_signal <222> (4691)...(4697) <221> misc_signal <222> (4136)...(4141) <223> GATA_signal <221> misc_binding <222> (4654)...(4659) <223> peroxisome proliferator responsive element(PPRE) <221> misc_binding <222> (4661)...(4666) <223> peroxisome proliferator responsive element(PPRE) <221> misc_binding <222> (4544)...(4551) <223> hepatic nuclear factor(HNF) binding-site <221> misc_binding <222> (3758)...(3765) <223> hypoxia inducible factor(HIF) binding-site <400> 1 GTCGACTGCA GTCAACGGAT CCTCTCCRTY CTCTVACCCT CACCCTCAAC TACGCCCCAG 60 TGTCTGTTGT TCCCCTACTA GTATCCATGT GTTCTCATTG TTTAGCTCCC ACTTATAAGT 120 GAGAACACAC AGTATTTAAT TTTCTGTTCC TGTGTTCGTT TGCTTAGGAT AATGGCCTCT 180 AGCTCCATCC ACGTTGCTGC AAAGGACATG ATCTCATGCT TTTTTATGGC TGCATCATAT 240 TCCATGGTGT ATGTATACCA CGCTTTCTTT ATTCAGTCTA CTGTTGGTGG GCATTAGGTT 300 GATTCCATGT CTTTGCTATT GTGAATAATG CTGCAATGAA CATACTCATG CATGTGTCCT 360 TATGGTAGAA CAATTTATAT TCTTTTGGGC ATATACCCAG TAGTGGGACT GCTGGGTCAA 420 ATGGTAATTC TGTTTTAAGT TCTTTGAGGA ATCACCACAC TGCTTTCCAC AATGGCTGAA 480 TTAATTCACA CTCTCACCAG TAGTCTGAAA TGTTCCTTTT CTCTGCAACC TTGCCAGCAT 540 GTTATTTTTT GACTTTTAAT AGTAGCCATT CTGACTGGTG TGTGATAGTA TCTCATTGTG 600 GTTGTGATTC GTTTACGCAA TTATTTCACA AGGCAAAAAA TGTTGTGACC ATTTAACAGA 660 TAAGCAAGTA GAGGCTCACC AAGGCTCCAC ATCAGGTATA AAGAAGAGCT GGGCCCAAAC 720 CCAAGTCCTT TCCCTCTGCA GCCCTGCCTG TAGCAGAATT ATGGGCTCCT CGGGCCACCT 780 CCTATGTTCA AAACACCCAG GAAATGGGCA GGCTGGCATT GCAGGCACTG AGGTCAAAGG 840 CGCTTGTTCT AAAATGAACA CCTGTCATAT CCTGGCCACC AAGAGGTGAC TCCCCTCCTT 900 TCCCACACCT GCACGCTGCC CGTCTGAGTA GGGATGTGAG AAGAGGGGAT GTCTAGTGTG 960 GAGTGAGCAG GGCCAGAATC TTTGGACACT CCAAAGCTGT GCCCACAGAG TGGGAGTCTC 1020 TTTTTTTCTT TCTTGAAAGC CACTTGAACT TTGTCATTGC AATTAAGCTT ATCTCTTCTT 1080 GTGTTTGCTC AGCTAGTGGG TGGAAGATGT CATTACCCTC TCCTAACTTT ATGGAAAACT 1140 CATGAGTATT AGTTTTTGAA ATGGCTACTG ATCTCTGTGC CCTCAAGATT CACACACACA 1200 CAAAAAAAAA GACAAAGGGA AGTCATCGGG GGTTGCCTAA GAATGGCCAT ATCTCAGACC 1260 TGGGGGAGAG GGGGAGTCCT GGCCTGGCGT TGATCAGCTC AATTTACTTG TCAGGCTGCC 1320 CATCTGCCAG GGAAACTGTC AAGGCTTCAC TGGTTGTGCC AGGCCCTTGA CCAACCTCTG 1380 GGTCAGCTGC ATTCCCAATG CTGTTCTGAG TCTGCAGCGT TGCCTGGACA GGGTAGGCAG 1440 GAAGTGCAGG GTGAGGCAGA GTGGTCCACA AGGAGACAGC TCATGGGTCC TGCTGTTCCT 1500 CAGACACCAG GAAAGGTGCA CCTGGTCCCT ACTTCACCTG AGGCCTCCGG GGTTGGTGCT 1560 GACTTGCTCT ATGGAGAAGC TTTCATGACG CTCCTTCCCA CTCCCCTCCG TAGATCCCAG 1620 AAAGCAGCAG TGTGGGGCAT GATACTTGAC ATTTGCGATC AAGGGGAGAG GGCCTAGTTG 1680 TGGAATGTAT AAGCCAGACA TCCCTTTATC TGAGCGGGAT GTCAGGCAGG CAGCTGGGGG 1740 CATGAGATAA CATGGGCACT TGGAGCAGAT TCTCCCAAAC GAAGCAACTG ATGGGTGTGA 1800 TGGGAGTTGG GCATGGTAAT GACTCTATCA CGGTCATTTT CCTCGGTGAT TATTTCATTG 1860 ATTTTAGGCT GCAAAACTCC TAAGCTCCCC ATCTAAGCAA GTGTTTACGT ATTCCTTCCT 1920 TGACAAATGC TAGAAGAGCT CTTTAGGTAG GTAGTGAATA GGATCTCAGG TATAGAGCTG 1980 AATTTAGCCC TGGGCTGAAC CTTCACATGG TCATTAGACA GACATATGCC AGCTATTGGT 2040 GCAGGCTTTA GGTGTCACAT GTAACCCAGA AGGATCTAAA TAAAATGACC TTGAATTCCT 2100 CCAAAGCCCT TCCTAGGATG TCTAGGGACC TGGGGAACCC TGTAGGGAAT GCATCCCCAC 2160 AGACACTCCA CTTCCTGCAG TCTGGGGGAG GGACAGGAAG ACACACCCAG CCTCTCCTGG 2220 TCTCCTGCAT GAGGGAGCTG CCCTTCTCTT GGTACTGCTT CTGCATGTGC CATCTCAGCC 2280 TCATCACATC CATCCAGAAA TAAAGCTCAG CCTTGCATCA TTTTCCACTT GCTCACATAT 2340 TGATTCAGGC ACTATATTTT ACTGAAGCTT TTGAAATAGT TGGGGTGGAA ATTAAAGAAA 2400 GATGGATGGG GATTCACTGC AGCAAATGAG CAGCTTCAAA GCCAATGCCA TCCTGGAGCT 2460 CCTTTCTGCA GTCTGGGGGA GGGACAGGAA GACACACCCA GCCTCTCCTG GTCTCCTGCA 2520 TGAGGGAGCT GCCCTTCTCT TCACCAGCTT GGCTCTCGCT GACACACGGG TCTGAGGTCT 2580 GGGGTCTCAC ACACTCTGTC TCCCAGGCAG CTAATCCAGT CATTTACACA CACACACACA 2640 CACACACACA CACACACACA CACTAGGAAT TCTCATGCCA GTTCTTAAGA CAATGGATTT 2700 TTTACTTCCT TGCATATACA AAAATGAAAA ATCAGCATCC CATCTGGAGA CCAGGGTCTA 2760 ATATGGACCC CTTTAGTACA ATAGACATGT TAAAAGATGT ATAATCAAAG CTCAGAGCAA 2820 GATGAGAGAA GGACTGTGGG TGTGCCCATA CTTCTTTGAG CCACCTCGCC CCTTCCTGCC 2880 CGCTGTTCAG GTAGTCGTGG TGATTATAAA AAGCCATAAG TTCTCAGCAT GCAGGCCCAC 2940 TTCGCTTGCT GCAGGGACAG CCCCAATTCA TGGCCTGGGA GGCACCTTGT GTCCTAGACA 3000 CTGTCAGAGG AGGGCCAAGC AGGGAGGGCC AGAGCACCCC TCTGTGCTGG AGGGAAAGGT 3060 CTGCTGGTGC CAGAATCTGC ATGGCAGGAC ACTCCATTAG TGAGTGTTCT CTGCCCACAG 3120 TGCTCCAAAG GTGAGGACCT CCCTGTGGCA GGGTACACCT TAACACCACC TGTCAGGGAT 3180 GCTGTAGAAG GACCCTGGCA CTGGGACTGT GGGTGGAGGA GAGAACTTCT GAAGTGCTTT 3240 GCTGGATCAA CATGTCCAAA TGCTGGAGAC CACGGAGGGC AGAGAGAGTG GCATGGACGC 3300 CCCCGATGTG TCCACTTGGC CCTGTGGCTG GAACTGTGGC TTGAGGAGAA GGAAGGAAAA 3360 AGGATGGAAA GGTAGACTGG AGTTGCCTTT TGAGGGCTGG CAGCCCTGCT AGAAGTTTAG 3420 GCAATGGGAG TCATTTTCCA AGCCAAAAAT TAGAACTCAT GATAGGGAAA TGGAAGTGTT 3480 ATTGGGGGTG GCCATCATGA CCCGTCACGT GACACTAGGC CATCCAGGAC CTGTGGCCTC 3540 TGAAGTGATG GGAACCACTG AGGCTCATGC CTGGAGCAGT GGCCCGACTC AGCCTATGCT 3600 TCAGGATGAT CTGTCTAACC ACAGAGTAGA GGAGGCCCAG AGGATGAAGG CTGGAGGCTG 3660 CAGGTGAAAA GGTTGACGCC AAAGTCCAGA CAAAGAAGGG AGAGAATCTA GGGGTGAGGG 3720 GGTGCTTGTA AAGAGCTGCC TCAGAGGCAG GAACTGGGAC GTGCACCCAT TGGGCACCAC 3780 GCCTCTCTGT GCTTCACAAC AAACTGGCAC ATCCCAAGGC CACTGGAAGC CCTGCTGGGC 3840 CATCTCCCCA AGGCCAGTGC TGTACACATA ACCCTACAAG ACCAGTTTCC TACACATAAC 3900 CCTACAAGAC CAGTTTCCTA CACATAACCC CAGATCCCTT GTCCTGTCTT CTCAGTGGGG 3960 CTGGAGCAAG TCAGCAGGTG CCACTTTCTC CTGCCTTGTC TCTGCCTAAT AAAATGCGTC 4020 TCAATGTTTT ACACCTGCCA TTTAGCATGG ACTGCTTTAA CACCTCAAAA AGGCCTGTGG 4080 AGGAGCCTAT AATCATCAAG GAGGAATTCC CAGAATACAA AATAACACTA GCGGCTGATA 4140 ACAACTCTAA AAAATAAGTT TGTGTAATAA TGGGGGTGAG AAGAGATCAT AAGGTTATGT 4200 AAATAAGGTG AGGTTTTGAG TTCAAAGGAA TTCTCTGGTA TTTTTCTGTG TGTGTACACA 4260 TGCACCCACA CACTTGTGTG TATATGTGTA CAGACATATA TAAACACATG CATATAATGT 4320 GTATATATGC ATTACATATA TGCACATTCA TACATCTTTA TGTACAAAAT ACATATATGT 4380 ATATATAAAC ACCGATGTAC AAACACATAC GCACACATCT ATATACATAC ACATGTGTGT 4440 GCACATATAC ACATACCTGC ATATACACAC ATTTCGTGGG GTGCGGAGAG TCACTTAAAG 4500 GCTGCAGGGC CATAAGGCTT CCTGCTTGAC TGATATTCAT TAATGTTTGC TGAATTACAG 4560 CAAACCTTTG CTGTGCCCAT CCTGTTCTTT ATCATTGACC ATTGCTCTCA GGAGTTAATG 4620 TTTGAACCTG GCCATAAAGG AATCAACAGC TGCTGACCTC TGGCCGCTAT TCGAAGGGAA 4680 GGGAGCCCCC TATAAAACAG CCTACAGTGG ACAGTCTGGT CGGCAGAGCC GCAGGTCAGT 4740 CGTGAAGAGG GAGCTCTATT GGATCCATGA GTTTCTCCGG CAAGTACCAA CTGCAGAGCC 4800 AGGAAAACTT TGAAGCCTTC ATGAAGGCAA TCGGTGAGTG CTGGACTGAA AGGCAAAGCT 4860 GTGGGTCACA TCAGTGAGGG TCTAGCTCTA CCAGCAGTGG CTATTTAGGG TCCAAATGTT 4920 GAGATGGGGG GAGAGATTCA GGCTATATAC ACAAACTAGG GGGCATTTTA CTGACTTCTG 4980 GAGTTATTTG CAGCAAGTCC TCACTGCACA AGGCCACCCC ATAGGCAAGT GGAAAGAGCA 5040 CTGAACTAGG GTGTGGTCTG GATTGATGGC CATGTCATTG GCACTTCGTT GTGTGATCCT 5100 ATTCCTGCAT TTATTCATTC TTCAAACAAA CAGTGATTCA AGGCCAACCA CACACTGAGC 5160 ACTGTGCTGG ATAGATACCA GGGAGACAGA TGATAAAGGC AATAAGGCAT TTTCTTATCA 5220 GGGAAGAGAA GAGAAGAAAT AAAGGTAATA AGGCATTCCC TCAGGTGTAT GGAGCGCTGA 5280 CTGTGCCAGG CGACTGTGCT GACCATGGGA TATGCAATAC CCCATCTATT CCTTGCCAAA 5340 AAACTAAGCT GGGTACC 5357
【図面の簡単な説明】
【図1】 マウス近位尿細管上皮細胞株No.13(3
7−13)の形態を示す電子顕微鏡写真。
【図2】 マウス近位尿細管上皮細胞株(No.10、
13、14、15、16及び19)のホルモン応答能
(PTH及びAVPで刺激した場合の細胞内cAMP産
生誘導)を測定した結果を示した図。
【図3】 マウス近位尿細管上皮細胞株(No.13及
び16)のBSA取込み能を測定した結果を示した図。
【図4】 マウス近位尿細管上皮細胞株を用いるレポー
ターアッセイにより被験物質のL−FABP発現増強作
用を測定した結果を示した図。
【図5】 低酸素・再酸素化モデル(インビトロ腎虚血
再灌流モデル)における細胞傷害に対するL−FABP
発現抑制の影響を示した図。L−FABPアンチセンス
は、L−FABPアンチセンスRNA発現ベクターを一
過性にトランスフェクトしたブタ近位尿細管由来LLC
−PK1細胞を、コントロールは、ベクターのみを一過
性にトランスフェクトした同細胞を、各々表す。
【図6】 低酸素・再酸素化モデル(インビトロ腎虚血
再灌流モデル)における細胞傷害に対するL−FABP
強制発現の影響を示した図。「24」は、マウス近位尿
細管細胞(クローン24)(対照細胞)、「24−1
9」は、マウス近位尿細管細胞(クローン24)にヒト
L−FABP遺伝子を導入して強制発現させた細胞(ク
ローン24−19)を、各々表す。
【図7】 腎疾患モデル(アドレアマイシン誘発糸球体
硬化症モデル)マウスにおける蛋白尿とNAG排出量に
対する薬物(MCC−555)の作用を調べた結果を示
した図。
【図8】 腎疾患モデル(アドレアマイシン誘発糸球
体硬化症モデル)マウスにおける血液生化学的パラメー
タ(血中コレステロール量および血中アルブミン量)に
対する薬物(MCC−555)の作用を調べた結果を示
した図。
【図9】 ヒト型L−FABP遺伝子を導入したトラン
スジェニックマウスを用いた腎疾患モデル(アドレアマ
イシン誘発糸球体硬化症モデル)における蛋白尿とNA
G排出量に対する薬物(MCC−555)の作用を調べ
た結果を示した図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/68 33/50 Z G01N 33/15 A61K 37/02 33/50 C12N 5/00 B Fターム(参考) 2G045 AA40 BB20 BB22 BB24 CB01 CB26 DA36 DA80 FB01 FB03 4B024 AA01 AA11 CA03 CA04 DA02 EA04 FA10 GA11 GA18 GA23 HA01 HA14 4B063 QA01 QA18 QQ26 QQ79 QQ95 QR69 QR80 QS05 QS28 QS36 QX02 4B065 AA91X AA93Y AB01 AC14 BA02 BA06 BA25 BB01 CA24 CA44 CA46 4C084 AA17 NA14 ZA812 ZC202 ZC422

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物細胞における脂肪酸結合蛋白質の発
    現に対する被験物質の増強作用を検定することを特徴と
    する、腎疾患治療薬もしくは予防薬のスクリーニング方
    法又は同定方法。
  2. 【請求項2】 脂肪酸結合蛋白質が肝型脂肪酸結合蛋白
    質である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 動物細胞が腎臓の細胞又は組織である請
    求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 動物細胞が近位尿細管細胞である請求項
    1又は2記載の方法。
  5. 【請求項5】 脂肪酸結合蛋白質遺伝子の転写調節領域
    とその下流に連結されたレポーター遺伝子からなるDN
    A構成が導入された細胞を用いるレポーターアッセイに
    より、被験物質の作用を検定する工程を含む、請求項1
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 (1)動物細胞を被験物質の存在下およ
    び非存在下で培養する工程;および(2)動物細胞中の
    脂肪酸結合蛋白質の発現量を決定するとともに、被験物
    質存在下での発現量と、被験物質非存在下での発現量を
    相互に比較する工程;を含む請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6いずれか1項記載の方法に
    より、選択又は同定された腎疾患治療薬もしくは予防
    薬。
  8. 【請求項8】 脂肪酸結合蛋白質の発現を増強する作用
    を有する薬物を主成分とする腎疾患治療薬もしくは予防
    薬。
  9. 【請求項9】 脂肪酸結合蛋白質の発現を増強する作用
    を有する薬物が、腎臓の細胞又は組織における脂肪酸結
    合蛋白質の発現を増強する作用を有する薬物である請求
    項8記載の治療薬もしくは予防薬。
  10. 【請求項10】 脂肪酸結合蛋白質が肝型脂肪酸結合蛋
    白質である請求項8記載の治療薬もしくは予防薬。
  11. 【請求項11】 腎疾患が、糖尿病性腎症、糸球体腎
    炎、ネフローゼ症候群、巣状糸球体硬化症、免疫複合体
    腎症、ループス腎炎、薬剤性腎障害および腎不全から選
    択されるものである、請求項7〜10のいずれか1項記
    載の治療薬もしくは予防薬。
  12. 【請求項12】 ペルオキシソームプロリフェレータ活
    性化受容体(PPAR)のアゴニスト作用を有する化合
    物、またはカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ
    (CPT)の阻害作用を有する化合物からなる、脂肪酸
    結合蛋白質の発現増強薬。
  13. 【請求項13】 ペルオキシソームプロリフェレータ活
    性化受容体(PPAR)のアゴニスト作用を有する化合
    物を有効成分とする、腎疾患治療薬もしくは予防薬。
  14. 【請求項14】 カルニチンパルミトイルトランスフェ
    ラーゼ(CPT)の阻害作用を有する化合物を有効成分
    とする、腎疾患治療薬もしくは予防薬。
  15. 【請求項15】 腎疾患が、糖尿病に起因する腎疾患で
    はない請求項7、8、9、10、13又は14記載の治
    療薬もしくは予防薬。
  16. 【請求項16】 腎疾患が、糸球体腎炎、ネフローゼ症
    候群、巣状糸球体硬化症、免疫複合体腎症、ループス腎
    炎、薬剤性腎障害および腎不全から選択されるものであ
    る請求項7、8、9、10、13又は14記載の治療薬
    もしくは予防薬。
  17. 【請求項17】 腎疾患が、ネフローゼ症候群、巣状糸
    球体硬化症および薬剤性腎障害から選択されるものであ
    る請求項7、8、9、10、13又は14記載の治療薬
    もしくは予防薬。
  18. 【請求項18】 マウスの近位尿細管の細胞から樹立さ
    れた不死化細胞株であって下記の(1)、(2)及び
    (3)の性質を有する細胞株。 (1)上皮細胞の形態を有する。 (2)アルブミン取り込み能を有する。 (3)上皮小体ホルモンによる刺激に応答して細胞内c
    AMP産生が誘導されるが、バソプレッシンによる刺激
    には応答しない。
  19. 【請求項19】 ヒト肝型脂肪酸結合蛋白質遺伝子の転
    写調節領域とその下流に連結されたレポーター遺伝子か
    らなるDNA構成が導入されている、請求項18記載の
    細胞株。
  20. 【請求項20】 マウス細胞株mProx37−13
    (FERM P−16985)。
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