JP2001034828A

JP2001034828A - 自動販売機の冷却加熱装置

Info

Publication number: JP2001034828A
Application number: JP11204881A
Authority: JP
Inventors: Akio Adachi; 昭夫安達
Original assignee: Fuji Electric Co Ltd
Current assignee: Fuji Electric Co Ltd
Priority date: 1999-07-19
Filing date: 1999-07-19
Publication date: 2001-02-09

Abstract

(57)【要約】【課題】設置スペースの増大や、商品収容効率の低下を
招くこと無く消費電力を少なくするため、庫内外の平均
温度差を最小にする。【解決手段】庫内ファン９からの送風により蒸発器１４
もしくはヒータ１０により熱交換された冷気もしくは暖
気の気流１６が空気循環ダクト８ａを経て商品収納ラッ
ク４を収納した庫内の下部域に吹出し、該商品収納ラッ
ク４の下方の商品搬出シュータ板７を通して庫内ファン
９に戻るよう循環させ、庫内上部域には庫内ファン９に
よる空気の循環経路が形成されないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、缶、ビン、パッ
クなどに入れた飲料を冷却もしくは加熱して販売に供す
る自動販売機の冷却装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図８は従来例の側断面構成図を、図９は
従来例の商品収納庫の正面図を示す。この図８、図９に
おいて、１は外箱と内箱との間に断熱材を充填して内部
に商品収納庫を形成する本体キャビネット、２は商品収
納庫の前面を閉鎖する内扉、３は本体キャビネット１の
前面を閉鎖する外扉、４は商品６を種類毎に一列に積み
上げて収納し、下部の搬出機構５により商品を一個宛搬
出する商品収納ラック、７は搬出機構５から搬出された
商品６を外扉３に設けた商品取出口に導く商品搬出シュ
ータであり、商品収納庫の下方には庫内を冷却するため
の冷凍機１１、凝縮器１２、膨張機構１５および凝縮器
１２に送風する庫外ファン１３からなる冷却ユニット、
およびこの自動販売機の電源機器および制御装置１７が
配備されている。また、庫内底部の商品搬出シュータ７
の下部には冷却ユニットで圧縮、凝縮された冷媒が循環
される蒸発器１４、該蒸発器１４の前面にはヒータ１
０、庫内ファン９が、後方には庫内空気を案内する空気
循環ダクト８が配備されている。この図８、図９におい
て、この自動販売機は奥行き方向に４列で横方向に５列
の商品収納ラック４を商品収納庫に収納しており、左２
列と中央１列との間、および中央１列と右側２列との間
を断熱仕切板１ａで仕切って左側２列の部屋１０１を冷
却室、右側２列の部屋１０３を加熱室、中央の部屋１０
２を冷却室または加熱室に切り替えて使用して、各商品
収納ラック４に収納された商品６を冷温いずれかの状態
で保存している。１０１〜１０３の商品搬出シュータの
下方には、本体キャビネット１の下部の機械室に収納し
た圧縮機１１、凝縮器１２、膨張機構１５、凝縮器１２
に送風する庫外ファン１３からなる冷却ユニットから循
環される冷媒を蒸発させる蒸発器１４と、加熱用のヒー
タ１０および蒸発器１４またはヒータ１０と庫内の空気
とを熱交換させて循環させる庫内ファン９とがそれぞれ
配備されている。部屋を冷却室として使用する場合はヒ
ータ１０をオフして蒸発器１４に冷媒を送り、蒸発器１
４で熱交換した冷気を庫内ファン９で商品搬出シュータ
７の下側から吹き出して商品収納ラック４内の商品６を
冷却してダクト８を経て蒸発器１４に戻す気流１６のよ
うに冷気循環を行う。また、部屋を加熱室として使用す
る場合は冷媒を止めてヒータ１０をオンにし、上記と同
様に気流１６の循環を行って商品を加熱する。これらの
部屋の冷温状態は夏冬など季節により切り替えている。
また、電源機器および制御装置１７はこの自動販売機の
電気機器に電力を供給するとともに、それらの制御を行
う。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】自動販売機は、その設
置環境温度と庫内温度との温度差によって、庫内を冷却
時は熱侵入が、加熱時は放熱が生じるので、庫内の商品
温度を適温に保持するために、冷凍機による冷却、ある
いはヒータによる加熱動作により熱侵入、あるいは放熱
を補うことが行われる。自動販売機では、消費電力を
可能な限り低減させることが社会的な課題となってい
る。

【０００４】この消費電力を低減させる一つの方法とし
て、断熱筐体としての本体キャビネットの断熱材の厚さ
を増して断熱強化を図ることが考えられるが、断熱材の
厚さを増すと自動販売機が大型になって広い設置スペー
スが必要になったり、商品収容効率が悪くなったりする
などの弊害が生じる。

【０００５】また、庫内の空気循環ダクトの高さを変え
る方法もあるが、空気循環ダクトの高さを変えると、庫
内に形成される空気の循環経路が変わり、空気循環ダク
ト高さが高い場合は上下方向に経路が伸びて循環経路が
長くなり、庫内温度は下方から上方にかけて緩やかに変
化する。一方、空気循環ダクトの高さが低い場合は上下
方向の循環経路が短くなり、庫内の下方から上方にかけ
ての温度変化は大きくなる。これにより、庫内の下方か
ら上方にかけての温度勾配を大きくして庫内外の温度差
を小さくし、冷却、あるいは加熱に要する消費電量を低
減することも可能である。

【０００６】しかしながら、従来の空気循環方法では、
図６、図７に実線で示すように、庫内底部から上部にか
けての現状温度分布は略直線的に変化しており、商品収
納ラックの下方から吹出した空気が商品収納ラックの上
方へ分散するために空気循環ダクトの高さを低くしても
庫内温度分布の大幅な変化は望めないので、空気循環ダ
クトの高さを低くすることによる冷却、あるいは加熱に
要する消費電量の低減は期待できない。

【０００７】この発明は上記課題を解決するためになさ
れたもので、その目的とするところは、設置スペースの
増大や、商品収容効率の低下を招くこと無く消費電力を
少なくするため、庫内外の平均温度差を最小にできる冷
却・加熱構造を有する自動販売機の冷却加熱装置を提供
することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項１記載の発明は、内部を断熱区画して商品収納
庫を形成した本体キャビネットと、少なくとも、圧縮
機、凝縮器、膨張機構、および庫内の商品搬出シュータ
板の下方に配備した蒸発器で冷凍サイクルを形成する冷
却ユニットと、該蒸発器の前方に配備したヒータおよび
庫内ファンと、庫内の後方に配備した空気循環ダクトと
を搭載する自動販売機において、庫内空気の循環経路が
庫内ファンから蒸発器もしくはヒータを通り空気循環ダ
クトを経て商品収納ラックを収納した庫内に吹出し、庫
内下方の庫内ファンに戻る経路を形成するよう庫内ファ
ンを制御することを特徴とする。

【０００９】また、請求項２記載の発明は、請求項１記
載の自動販売機の冷却加熱装置において、空気循環ダク
トの吹出し開口部を商品収納ラックに対向して設けたこ
とを特徴とする。

【００１０】上記請求項１および請求項２の構成によ
り、庫内ファンの送風により蒸発器とヒータを通って熱
交換された冷気あるいは暖気が空気循環ダクトを介して
商品収納ラックへ吹き出され、その際空気の吹出し方向
が、空気循環ダクト内の空気循環方向と略直交するよう
に開口部を商品収納ラックに向けて設けているので空気
の循環経路を庫内下部に形成することが可能になり、こ
れにより、庫内下部と上部との温度差を大きくして庫内
平均温度と庫外温度の差を少なくして熱侵入、もしくは
放熱を補うための冷凍機もしくはヒータの余分な運転を
無くして消費電力を少なくすることが可能になる。

【００１１】また、請求項３記載の発明は、請求項１ま
たは請求項２に記載の自動販売機の冷却加熱装置におい
て、空気循環ダクトの吹出し開口部に風向制御板を設け
たことを特徴とする。上記構成により空気の吹出し方向
を限定することが可能になり、商品収納ラックの下部に
冷気、もしくは暖気を集中させることが可能になる。

【００１２】また、請求項４記載の発明は、請求項１な
いし請求項３のいずれかに記載の自動販売機の冷却加熱
装置において、商品収納ラックの下部の搬出機構あるい
はこの搬出機構に近接した商品収納ラックを構成する蛇
行板に通気孔を設けることを特徴とする。

【００１３】上記構成により商品収納ラックを横切る方
向に空気通路が形成されるので、庫内下部域における空
気の循環経路の形成を容易にすることが可能になる。ま
た、請求項５記載の発明は、請求項１ないし請求項３の
いずれかに記載の自動販売機の冷却加熱装置において、
商品搬出シュータ板は手前側にのみ通気孔を設ける。

【００１４】上記構成により空気の循環経路が奥側の商
品収納ラック蒸発器、もしくはヒータにショートサーキ
ットされるのを防止することが可能になる。また、請求
項６記載の発明は、請求項１ないし請求項３のいずれか
に記載の自動販売機の冷却加熱装置において、圧縮機と
庫内ファンとの回転数をインバータ駆動により可変速制
御することを特徴とする。

【００１５】上記構成により圧縮機、および庫内ファン
の回転数を変化させることで庫内の熱負荷に対応した交
換熱量と送風量を得ることが可能になり、庫内温度を適
正に制御することが可能になる。

【００１６】以上の請求項１から請求項６の発明によ
り、図６、図７の点線で示すように、空気循環ダクトの
高さまでの庫内温度の分布は現状温度分布とほぼ同じで
あるがそこから庫内天井までは空気の循環が殆ど無く熱
伝導だけで庫内温度の分布が形成されるので、庫内天井
は略外気温と同じになり、空気循環ダクトから上の温度
分布は外気温度に向かう傾斜を形成する。そのために、
自動販売機の冷却・加熱特性を損なうこと無く庫内外の
平均温度の差が少なくなり侵入熱量、あるいは放熱量が
減少して自動販売機の冷却加熱装置を低消費電力にする
ことができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】図１はこの発明の実施の形態の主
要部の構成図を示し、図２は図１の詳細図を示す。この
図１、図２において、従来例と同一の符号を付けた部材
はおおよそ同一の機能を有するのでその説明は省略す
る。この図１、図２のこの発明の実施例が、図８、図９
の従来例と異なる点は、従来例の空気循環ダクト８が上
方に開口しており、その開口部を吸込み口として空気循
環ダクト８から蒸発器１４、ヒータ１０、庫内ファン９
へと循環する気流１６を形成しているのに対して、この
発明の実施例では空気循環ダクト８ａの開口を上端の側
面にしてそこから水平向きに吹出して庫内の下部側に向
かい、商品搬出シュータ板７を経て庫内ファン９、ヒー
タ１０、蒸発器１４、空気循環ダクト８ａへと循環する
従来例とは逆の気流１６ａにした点である。これによ
り、冷気あるいは暖気の循環経路は庫内下部域のみとな
り、庫内上部の空気は循環することがないので、庫外か
らの熱侵入あるいは放熱の影響を少なくすることができ
る。

【００１８】図３はこの発明の別の実施の形態の主要部
の構成図を示す。この図３において、８ｂは空気循環ダ
クトに配備され、蒸発器１４で冷却された冷気、もしく
はヒータ１０で加熱された暖気を庫内の商品収納ラック
に向けて吹出す際の風向を制御する風向制御板８ｂであ
る。

【００１９】この図３が図１、図２と異なる点は、気流
１６ａを空気循環ダクト８ａから吹出す際に単に商品収
納ラックに向けて吹出す代りに吹出し方向を制御する風
向制御板８ｂを設けて気流１６ａの吹出し方向を制御で
きるようにした点であり、これによって空気の循環経路
をより一層確実に形成することができる。

【００２０】図４はこの発明の他の実施の形態の主要部
の構成図を示し、（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図を示
す。この図４において、４ａは商品収納ラック４の比較
的上部域を構成する蛇行板、４ｂは商品収納ラック４の
下部域を構成し、通気孔を穿孔した蛇行板、５ａは外枠
を形成する構成部材に通気孔を穿孔した搬出機構であ
る。

【００２１】この図４に示す実施例では、商品収納ラッ
ク４の下部の搬出機構５ａおよびこの搬出機構５ａに近
接した蛇行板４ｂにそれぞれ通気孔を設けたことによ
り、商品収納ラックを横切るよう空気の循環経路が形成
される。

【００２２】図５はこの発明の他の実施の形態の主要部
の構成図を示し、（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図を示
す。この図４において、７ａは搬出機構から搬出された
商品を外扉に設けた商品取出口に導くとともに、気流１
６ａが手前側の商品収納ラックにまで作用してから庫内
ファン９に戻るようにする通気孔を穿孔した商品搬出シ
ュータ板であり、該シュータ板７ａの下方には前述の庫
内ファン９の他にヒータ１０、および蒸発器１４が配備
されている。このようにすることにより、気流１６ａが
手前側の商品収納ラックに作用しないでショートサーキ
ットすることを防止できる。

【００２３】なお、図１から図５の例では説明していな
いが、圧縮機、および庫内ファンの両方もしくはいずれ
かの駆動回路にインバータ回路を設けて圧縮機、庫内フ
ァンの両方、もしくはいずれかの回転数を可変にして庫
内の冷却負荷に対応するようにしても良い。

【００２４】

【発明の効果】前述したとうり請求項１、２に記載の発
明によれば、冷気もしくは暖気が空気循環ダクトから商
品収納ラックに向けて吹出され、商品収納ラックの下部
の商品と熱交換してから商品搬出シュータ板を通して庫
内ファンに戻るよう空気の循環経路を形成することによ
り、気流が商品収納ラックの上方に拡散するのを防止す
る効果があり、庫内の平均温度を外気温に近づけて熱の
侵入、もしくは放散を防止する効果がある。

【００２５】また、請求項３に記載の発明によれば、空
気吹き出し方向を設定するため、空気循環ダクトの吹き
出し部に風向制御板を設けることで、空気循環経路を限
定することができる。さらに、請求項４に記載の発明に
よれば、商品収納ラックの下部の搬出機構およびこの搬
出機構に近接した蛇行板に通気孔を設けることで、庫内
下部の空気循環経路を形成し易くすることができ、さら
のまた、請求項５の発明によれば、商品搬出シュータ板
の手前側に通気孔を設け、奥側は通気孔の無い構成にす
ることで、空気循環ダクトから庫内ファンへのショート
サーキットを防止することができ、そして、請求項６に
記載の発明によれば、庫内ファンと冷媒圧縮機の回転数
をインバータ駆動により可変速制御することで庫内温度
を適正に制御することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態を示す自動販売機の概略
図

【図２】図１の主要部の拡大図

【図３】この発明の別の実施の形態の主要部分の構成図

【図４】この発明の他の実施の形態の主要部の構成図を
示し、（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図

【図５】この発明の他の実施の形態の主要部の構成図を
示し、（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図

【図６】冷却室として使用した際の庫内の温度分布図

【図７】加熱室として使用した際の庫内の温度分布図

【図８】従来例の側断面構成図

【図９】従来例の商品収納庫の正面図

【符号の説明】

４ｂ蛇行板５ａ搬出機構７ａ商品搬出シュータ板８ａ空気循環ダクト１６ａ気流

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内部を断熱区画して商品収納庫を形成した
本体キャビネットと、少なくとも、圧縮機、凝縮器、膨
張機構、および庫内の商品搬出シュータ板の下方に配備
した蒸発器で冷凍サイクルを形成する冷却ユニットと、
該蒸発器の前方に配備したヒータおよび庫内ファンと、
庫内の後方に配備した空気循環ダクトとを搭載する自動
販売機において、庫内空気の循環経路が庫内ファンから
蒸発器もしくはヒータを通り空気循環ダクトを経て商品
収納ラックを収納した庫内に吹出し、庫内下方の庫内フ
ァンに戻る経路を形成するよう庫内ファンを制御するこ
とを特徴とする自動販売機の冷却加熱装置。
【請求項２】請求項１記載の自動販売機の冷却加熱装置
において、空気循環ダクトの吹出し開口部を商品収納ラ
ックに対向して設けたことを特徴とする自動販売機の冷
却加熱装置。
【請求項３】請求項１または請求項２に記載の自動販売
機の冷却加熱装置において、空気循環ダクトの吹出し開
口部に風向制御板を設けたことを特徴とする自動販売機
の冷却加熱装置。
【請求項４】請求項１ないし請求項３のいずれかに記載
の自動販売機の冷却加熱装置において、商品収納ラック
の下部の搬出機構あるいはこの搬出機構に近接した商品
収納ラックを構成する蛇行板に通気孔を設けることを特
徴とする自動販売機の冷却加熱装置。
【請求項５】請求項１ないし請求項３のいずれかに記載
の自動販売機の冷却加熱装置において、商品搬出シュー
タ板は手前側にのみ通気孔を設けることを特徴とする自
動販売機の冷却加熱装置。
【請求項６】請求項１ないし請求項３のいずれかに記載
の自動販売機の冷却加熱装置において、圧縮機と庫内フ
ァンとの回転数をインバータ駆動により可変速制御する
ことを特徴とする自動販売機の冷却加熱装置。