JP2001032019A - 低温靭性に優れた鋼材の製造方法 - Google Patents

低温靭性に優れた鋼材の製造方法

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JP2001032019A
JP2001032019A JP11209384A JP20938499A JP2001032019A JP 2001032019 A JP2001032019 A JP 2001032019A JP 11209384 A JP11209384 A JP 11209384A JP 20938499 A JP20938499 A JP 20938499A JP 2001032019 A JP2001032019 A JP 2001032019A
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Minoru Suwa
稔 諏訪
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋼板中心部、および表層部が微細フェライト組
織で低温靭性が共に優れた加速冷却型厚肉鋼板の製造方
法を提供する。 【解決手段】厚肉鋼板をオーステナイト再結晶域で圧延
後、鋼スラブ表面の温度が200℃以上の範囲で、鋼ス
ラブ表面の冷却速度が40℃/秒以上となる冷却を行な
い、鋼スラブの平均温度が該冷却速度でのAr3変態点
以上で冷却を停止し、(1)式の最小待機時間以上待機
後、板厚中央部が該Ar3変態点以上で1パス当たり1
0%以上の圧延を1パス以上行ない650℃以上の温度
域で累積圧下率30%以上の圧延を行う。 最小待機時間=1.8*exp(0.028*冷却時の
板厚) (1) 但し、最小待機時間(S)、板厚(mm)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、船舶、海洋構造
物、低温貯蔵タンク、ラインパイプ、建築・土木構造物
等の大型構造物に使用される鋼材で、特に低温靭性に優
れた鋼材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】船舶、海洋構造物、低温貯蔵タンク、ラ
インパイプ、建築・土木構造物等の大型構造物が脆性破
壊を生じた場合、経済、環境に及ぼす影響が大きいた
め、高度の安全性が求められている。このため、これら
の構造物に使用される鋼材に対しては低温靭性が要求さ
れることが多く、その要求水準は極寒地における開発、
構造物の大型化、および信頼性要求基準の引き上げなど
により年々厳しくなっている。また、比較的低温靭性の
確保が難しい厚肉材の需要の増加が見られる。
【0003】鋼材の低温靭性を向上させる手段として、
従来よりNi含有量を増加させる方法が知られており、
液化天然ガス(LNG)の貯槽タンクにおいては、9%
Ni鋼が商業規模で使用されている。しかし、Ni量の
増加はコストを大幅に上昇させるため、LNG貯槽以外
の用途には適用が難しい。LNGのような極低温まで至
らない、寒冷地仕様あるいはわが国における冬季仕様の
場合は、従来から制御圧延と制御冷却を組み合わせたT
MCPが広く用いられてきた。
【0004】TMCPは(1)オーステナイトの再結晶
を繰り返すことで、オーステナイトの細粒化を図るこ
と。(2)オーステナイトの低温未再結晶域の圧延にお
ける累積圧下率を大きくとり、オーステナイト粒の展伸
を増大させ、多数の変形帯を導入することにより、その
後のフェライト変態に際してフェライトの核生成サイト
を増加させてフェライトの細粒化を図ること、および
(3)圧延後の制御冷却におけるオーステナイト/フェ
ライト変換比の調整によるフェライトの細粒化と微細ベ
イナイト組織の導入を図ることを特徴とするものであ
る。
【0005】TMCP法は船舶やラインパイプに使用さ
れる鋼板の板厚が25mm程度以下の比較的薄手の鋼材
に対しては、極めて優れた低温靭性を付与することがで
きるものの、板厚が増加した場合、板厚中心部における
低温靭性の改善効果は減少する。
【0006】また、制御圧延において、変態したフェラ
イトに圧下を加えて集合組織を発達させることにより低
温靭性の向上を図るTMCP法も知られている。これは
鋼材の破壊面上にセパレーションを板厚方向と平行な方
向に生ぜしめ、脆性亀裂先端の応力を緩和させることに
より脆性破壊に対する抵抗を高める方法である。しか
し、鋼材の板厚が厚くなるとこのようなTMCPの効果
を十分に発揮させるのが困難となる。また、変態点以下
で強度の加工を加えると、鋼材の板厚方向の靭性が劣化
するという問題がある。
【0007】さらに上記のような制御圧延を行う場合は
オーステナイトの再結晶域での粗圧延後、オーステナイ
トの低温未再結晶域またはフェライト変態域で仕上げ圧
延を開始するまで鋼スラブの温度が低下するのを待つ必
要がある。このため、粗圧延と仕上げ圧延の間に水冷を
行い、待ち時間を短縮して圧延能率を向上させることが
行われているが、この冷却において条件が適性でないと
低温靭性等の特性を害する場合がある。
【0008】近年、この圧延間の冷却条件を適正化し
て、低温靭性向上と圧延能率向上を両立させる技術が提
案されている。特開平8−3635号公報では粗圧延後
に冷却速度3℃/s以下での冷却と表面部分の復熱のサ
イクルを数回行うことにより、靭性を向上させる方法が
開示されている。しかしこの方法は冷却速度が3℃/s
と遅く、また表面復熱のための待機時間を必要とするた
め大幅な圧延能率の向上を達成することはできない。さ
らに得られる低温靭性も水冷を行わない場合の制御圧延
と同等なものであり、最近の過酷な低温靭性要求に応え
られるものではない。
【0009】特開平10−306316号公報では粗圧
延後、仕上げ圧延前にオーステナイト相を過冷させるた
めの加速冷却をAr3変態点+50℃〜Ar3変態点―5
0℃まで行うことによりフェライトの微細化を図り、低
温靭性を向上させる方法が提案されている。しかし、こ
の方法においても、冷却時板厚方向に温度差が大きくな
り特性に差が生じることを避けることを目的に、冷却速
度を比較的遅くしているため、仕上げ圧延時のオーステ
ナイト相の過冷度が空冷の場合と大きな差が生じないこ
とから、低合金成分鋼では空冷の場合に比べて低温靭性
の大幅な向上は望めない。
【0010】一方、TMCPにおいては、Nbを微量添
加するマイクロアロイング技術により、フェライト変態
点であるAr3変態点の温度を下げてフェライトの粒成
長を抑制し、組織微細化により低温靭性を向上する方法
が用いられる場合がある。しかし、Nb添加は、溶接時
の条件によっては溶接部の靭性を劣化させる場合があ
り、またコスト高になるという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】 以上述べてきたよう
に、制御圧延時の冷却工程を活用し、低温靭性を向上さ
せることを意図したこれらの先行技術は近年の過酷な靭
性要求を満足させる十分な効果を挙げることは難しく、
特に厚肉鋼板の場合、板厚方向の特性を均一化させるた
め強度の加速冷却が適用できず、過冷によるAr3点の
低下にも限度があり、組織微細化も限界があった。
【0012】他方、特殊な合金元素を添加すれば、コス
ト高や溶接部靭性の劣化を招くことになり、好ましくな
い。本発明は特殊な合金元素を添加することなくTMC
P技術の高度化、精緻化により低温靭性を改善すること
を目的とするもので、特に厚肉材の低温靭性の改善を目
的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題の
達成に向けて鋭意研究を重ねた結果、特殊な合金元素を
用いることなく、優れた低温靭性を有する鋼材の製造方
法を完成するに至った。すなわち、厚肉鋼材の場合、図
1に模式的に示すように冷却時およびそれに引き続く圧
延時に板厚方向の温度履歴に差が生じることは不可避で
あり、むしろ積極的に強度の加速冷却を適用し、板厚中
央部と表層部のそれぞれの熱履歴を低温靭性改善の観点
から圧延条件との組合せで最適化することを基本方針
に、検討を行い、以下の知見を得た。
【0014】1.板厚中心部における靭性改善 板厚中心部を過冷オーステナイト域となるように冷却
し、圧延を行う。過冷オーステナイト域での圧延によ
り、低温靭性の向上が認められる組織微細化は、Ar3
変態点を空冷の場合よりも20℃以上低下させた過冷却
オーステナイト域で圧延を開始し、累積圧下率30%以
上とした場合に得られることを把握した。冷却停止後、
板厚中央部における温度が過冷却オーステナイト域にな
るまでの時間は 最小待機時間=1.8*exp(0.028*冷却時の板厚)として整理される 。 (1) 2.板厚表層における靭性の改善 加速冷却によって最も温度が低下するのは表層で、表層
は変態が進行する低温まで低下し、組織はフェライトお
よび/またはベイナイト主体となり必ずしも低温靭性に
優れた微細組織にはならない。しかし、これらの組織は
加速冷却停止後、該冷却時のAr3変態点―100℃以
上に復熱させ、圧延した場合、微細なフェライト主体の
組織となり、過冷オーステナイト域での圧延により得ら
れる微細組織と同等の低温靭性が得られる。表層部の温
度がAr3変態点−100℃に復熱する時間は板厚に依
存し、上述の最小待機時間におおよそ等しい。
【0015】本発明はこれらの知見をもとに、厚肉鋼板
における具体的な製造条件を大型構造物に多用される引
張り強度が500〜600MPa級の構造用鋼を対象に
求めたものである。すなわち本発明は 1. 鋼の熱間圧延工程において、空冷時よりもAr3
変態点が20℃以上低くなるような冷却を行い、冷却停
止後に表層部が該冷却時のAr3変態点−100℃以上
の温度域に復熱し、且つ板厚中央部が過冷却オーステナ
イト域において圧延を開始し、累積圧下率30%以上の
圧延を行うことを特徴とする低温靭性に優れた鋼材の製
造方法。
【0016】2. (a)加熱された鋼スラブをオース
テナイト再結晶域で圧延する工程と、(b)前記鋼スラ
ブの圧延を中断して、速やかに鋼スラブ表面の温度が2
00℃以上の範囲で鋼スラブ表面の冷却速度が40℃/
秒以上となる冷却を行ない、鋼スラブの平均温度が該条
件で冷却したときのAr3変態点以上、空冷時のAr3変
態点以下で冷却を停止する工程と、(c)冷却終了後、
(1)式で計算される最小待機時間以上待機した後に、
板厚中央部が該Ar3変態点以上、空冷時のAr3変態点
以下の温度で1パス当たり10%以上の圧延を1パス以
上行い鋼板平均温度650℃以上で累積圧下率30%以
上の圧延を連続して行う工程と、 最小待機時間=1.8*exp(0.028*冷却時の板厚) (1) 但し、最小待機時間(S)、板厚(mm) (d)圧延終了後、速やかに鋼板平均冷却速度1℃/秒
以上で鋼板平均温度600℃以下まで冷却する工程とを
具備したことを特徴とする低温靭性に優れた鋼材の製造
方法。
【0017】3.鋼成分が重量%で、C:0.02〜
0.2%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.5〜
2.0%、Al:0.01〜0.08%を含有すること
を特徴とする請求項2記載の低温靭性に優れた鋼材の製
造方法。
【0018】4.前記(a)の工程において、オーステ
ナイト再結晶域での圧延が、累積圧下率40%以上であ
ることを特徴とする2または3に記載の低温靭性に優れ
た鋼材の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明では厚鋼板を加速冷却した
際に得られる板厚中心部と表層部における熱履歴と圧延
条件の組合せが低温靭性改善の観点から最適となるよう
に冷却条件、圧延条件を規定する。すなわち、板厚中心
部が過冷オーステナイト域(空冷時のAr3と冷却時の
Ar3の間の温度領域)での圧延で、且つ、板表層部が
復熱中または復熱直後での圧延となるように、鋼スラブ
の冷却、圧延を最適化する。
【0020】1.鋼スラブをオーステナイト再結晶域で
圧延する工程 冷却後の仕上げ圧延による結晶粒微細化を更に効果的な
ものとするため、オーステナイト再結晶域で圧延を行
う。特に、一層の微細化効果を必要とする場合、40%
以上の累積圧下を加える。
【0021】2.冷却速度 本発明では板厚中心部の組織を、冷却により、該冷却速
度のAr3が空冷時のそれよりも20℃以上低下した過
冷オーステナイト組織として、圧延が行えるように、冷
却条件を規定する。通常の鋼材圧延に用いられる鋼スラ
ブで、鋼板平均におけるAr3を空冷時のそれよりも2
0℃以上低下させるため、冷却は鋼板表面の温度が20
0℃以上の範囲で冷却速度が40℃/S以上とする。
【0022】3.冷却停止温度 仕上げ圧延前に冷却を中断し、表層を復熱させる。冷却
停止温度は、仕上げ圧延開始時、板厚中央部が過冷オー
ステナイト組織で、表層の復熱温度が微細組織を得るの
に必要な最低温度となるように規定する。本発明では鋼
スラブの平均温度が上記冷却速度におけるAr3変態点
以上,空冷時のAr3変態点以下となる温度を冷却停止
温度とする。表層は、復熱中もしくは復熱後十分高い温
度となり、圧延した場合、微細なフェライト主体の組織
となり、板厚中央部の過冷オーステナイト組織を圧延し
た場合と同等の優れた低温靭性を得ることができる。
【0023】4.待機時間 冷却停止後、表層が冷却時のAr3-100℃以上と十分
復熱し、板厚中央部が過冷オーステナイト組織となるよ
うに仕上げ圧延開始まで、少なくとも(1)式で求まる
時間以上待機を行う。
【0024】 最小待機時間=1.8*exp(0.028*冷却時の板厚) (1) 但し、最小待機時間(S)、板厚(mm) 5.仕上げ圧延 仕上げ圧延においては板厚中心部及び表層部で30%以
上の累積圧下率とする。板厚中心部では十分に歪エネル
ギを蓄積し、フェライト変態における核生成サイトを増
加させ、微細化するため、30%以上の累積圧下率が必
要である。更に安定的に圧延歪を変態前のオーステナイ
ト相に蓄積し、加工誘起によるフェライト変態により組
織を微細化させる場合、板厚中心部が該Ar3変態点以
上の温度で1パス当たり10%以上の圧延を少なくとも
1パス以上行う。
【0025】また表層部においては上記冷却後の復熱後
の高温域において、微細フェライト主体の組織に変化す
る歪エネルギーを蓄えるためやはり30%以上の累積圧
下率が必要である。従って、仕上げ圧延は累積圧下率3
0%以上とし、板厚中心部の低温靭性をより安定的に良
好とする場合、板厚中心部が該Ar3変態点以上の温度
で1パス当たり10%以上の圧延を少なくとも1パス以
上行う。尚、仕上げ圧延の圧延終了温度は通常の熱間圧
延機において過剰な負荷をさける温度とされる650℃
以上とする。
【0026】5.仕上げ圧延終了後の冷却 圧延終了後、板厚中心部と表層部で得られる微細組織が
長時間の高温保持により粗大化するのを防止するため速
やかに鋼板平均冷却速度1℃/秒以上で冷却を行う。板
厚が薄く大気中の放冷によって鋼板平均冷却速度1℃/
秒以上が得られる場合は加速冷却を行なわなくても良
い。仕上げ圧延終了後の冷却停止温度は微細組織の成長
が大気中の放冷でも無視できるようになる温度の鋼板平
均温度600℃以下とする。
【0027】以上が本発明における製造条件の規定であ
るが、その効果をより有効なものとするため、化学成分
についても規定する。
【0028】C:0.02〜0.2% Cは強度を確保するため含有するが、0.02%未満で
はその効果が十分でなく、0.2%を超えるとフェライ
ト主体の組織が得られないため、0.02〜0.2%と
する。
【0029】Si:0.05〜0.5% Siは製鋼段階の脱酸剤および強度向上元素として含有
するが、0.05%未満ではその効果が不十分で、0.
5%を超えると靭性を劣化させるため、0.05〜0.
5%とする。
【0030】Mn:0.5〜2.0% Mnは強度を確保するために0.5%以上含有する。
2.0%以上含有するとフェライト主体の組織が得られ
ず靭性が劣化するため、0.5〜2.0%とする。
【0031】Al:0.01〜0.08% Alは製鋼段階の脱酸剤として0.01%以上含有する
が、0.08%以上含有すると鋼スラブの清浄性を損な
い、靭性を劣化させる。
【0032】
【実施例】本発明の効果を実施例を用いて説明する。表
1に示す化学成分を有する鋼スラブを、表2の種々の製
造条件により板厚12〜75mmの鋼板とし、特性を調
査した。表1中、鋼種A〜Fは請求項3記載の本願発明
における化学成分の規定を全て満足するが、鋼種GはC
量、HはMn量が規定より高い。表3に供試鋼の諸特性
を示す。
【0033】製造条件におけるAr3変態点温度は予め
化学成分と冷却速度の関数としてデータベース化したも
のを用いた。特性評価のTS(引張り強さ)は製品板厚
が50mm以下のものは全厚引張試験により、50mm
を超えるものは板厚の1/4から採取した丸棒引張り試
験により評価した。vTrs(シャルピー衝撃試験の破
面遷移温度)はJIS4号標準試験片によるシャルピー
衝撃試験で求めた。
【0034】表3中鋼No.1〜10は請求項1〜4記
載の本発明の規定を全て満足するもので強度、靭性とも
に優れている。
【0035】鋼No.11〜16、19は請求項3記載
の本発明の化学成分の規定は満足しているが、製造条件
に関するその他の請求項記載の本発明のいずれかを満足
しないため、靭性が劣っている。鋼No.17、18は
製造条件に関する本発明の規定は全て満足するが、化学
成分が好ましいとされる範囲外であり、靭性が若干劣っ
ている。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は厚肉鋼板
の加速冷却において冷却速度、及び冷却後、仕上げ圧延
前の待機時間を制御し、仕上げ圧延が鋼板表層部では冷
却後、フェライトおよび/またはベイナイト主体となっ
た組織がAr3−100℃以上に復熱後にされた状態で
なされ、板厚中心部は過冷オーステナイト域でなされる
ようにし、いずれの個所においても低温靭性に優れた微
細フェライト組織とするもので、従来厚肉鋼板で問題と
されていた板厚方向の靭性の差をオンライン冷却で解決
するもので産業上その効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】厚肉鋼板の板厚各部における冷却状態を模式的
に示す図

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼の熱間圧延工程において、空冷時より
    もAr3変態点が20℃以上低くなるような冷却を行
    い、冷却停止後に表層部が該冷却時のAr3変態点−1
    00℃以上の温度域に復熱し、且つ板厚中央部が過冷却
    オーステナイト域において圧延を開始し、累積圧下率3
    0%以上の圧延を行うことを特徴とする低温靭性に優れ
    た鋼材の製造方法。
  2. 【請求項2】 (a)加熱された鋼スラブをオーステナ
    イト再結晶域で圧延する工程と、(b)前記鋼スラブの
    圧延を中断して、速やかに鋼スラブ表面の温度が200
    ℃以上の範囲で鋼スラブ表面の冷却速度が40℃/秒以
    上となる冷却を行ない、鋼スラブの平均温度が該条件で
    冷却したときのAr3変態点以上、空冷時のAr3変態点
    以下で冷却を停止する工程と、(c)冷却終了後、
    (1)式で計算される最小待機時間以上待機した後に、
    板厚中央部が該Ar3変態点以上、空冷時のAr3変態点
    以下の温度で1パス当たり10%以上の圧延を1パス以
    上行い鋼板平均温度650℃以上で累積圧下率30%以
    上の圧延を連続して行う工程と、 最小待機時間=1.8*exp(0.028*冷却時の板厚) (1) 但し、最小待機時間(S)、板厚(mm)(d)圧延終
    了後、速やかに鋼板平均冷却速度1℃/秒以上で鋼板平
    均温度600℃以下まで冷却する工程とを具備したこと
    を特徴とする低温靭性に優れた鋼材の製造方法。
  3. 【請求項3】 鋼成分が重量%で、C:0.02〜0.
    2%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.5〜2.
    0%、Al:0.01〜0.08%を含有することを特
    徴とする請求項2記載の低温靭性に優れた鋼材の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記(a)の工程において、オーステナ
    イト再結晶域での圧延が、累積圧下率40%以上である
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の低温靭性に
    優れた鋼材の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008069380A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Jfe Steel Kk 脆性亀裂伝播停止特性に優れた構造用高強度厚鋼板およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008069380A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Jfe Steel Kk 脆性亀裂伝播停止特性に優れた構造用高強度厚鋼板およびその製造方法

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