JP2001031189A - ステンレス鋼板製単位板の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

ステンレス鋼板製単位板の製造方法およびその製造装置

Info

Publication number
JP2001031189A
JP2001031189A JP11210943A JP21094399A JP2001031189A JP 2001031189 A JP2001031189 A JP 2001031189A JP 11210943 A JP11210943 A JP 11210943A JP 21094399 A JP21094399 A JP 21094399A JP 2001031189 A JP2001031189 A JP 2001031189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
mold
plate
plate material
edge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11210943A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Mitsuishi
正弘 光石
Mitsuhiro Matsuda
充啓 松田
Yuji Imagawa
裕二 今川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SEKISUI PLANT SYSTEMS CO Ltd
Original Assignee
SEKISUI PLANT SYSTEMS CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SEKISUI PLANT SYSTEMS CO Ltd filed Critical SEKISUI PLANT SYSTEMS CO Ltd
Priority to JP11210943A priority Critical patent/JP2001031189A/ja
Publication of JP2001031189A publication Critical patent/JP2001031189A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】単位板の展開図にしたがって板取りされたステ
ンレス鋼板からなる板材の基板に膨出部を形成する際、
ヒケやシワなどが発生するのを防止する。 【解決手段】単位板の展開図にしたがってステンレス鋼
板から板取りされるとともに、基板12の周縁近傍に周
溝121が形成された板材を製造装置20を構成する下
型21の昇降部材24上に載置する。この後、上型25
を下降させ、板材の基板12の周縁部を昇降部材24と
上型25との間で押圧保持して位置決めする。次いで、
板材の接合縁13を、上型25と下型21の外型23と
の間に挟み込み、基板12に対して上方に向けて垂直に
折り曲げる。この後、中型26を下降させ、板材の基板
12に膨出部122を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼板製
単位板の製造方法およびその製造装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、学校や病院などの公共施設、ア
パートやマンションなどの集合住宅、オフィスビルなど
の商用施設、あるいは、工場や貯蔵所などには、飲料水
をはじめとする各種液体や粉粒体などを貯留する貯留タ
ンクが設置されている。
【0003】このような貯留タンクTは、図13に示す
ように、通常、直角四辺形の基板2と、該基板2の四辺
から同一側へ起立する接合縁3とにより浅い箱状に形成
された単位板1を順に接続して側壁Ta、底壁Tb、天
井壁Tcあるいは仕切り壁や整流壁(図示せず)とし、
これらの側壁Ta、底壁Tb、天井壁Tcあるいは図示
しない仕切り壁や整流壁を組み合わせることによって形
成されている。
【0004】単位板1の接合縁3には、基板2の縁辺か
ら垂直に起立する90度鍔の他、基板2と90度鍔との
間に基板2に対して約135度の角度で傾斜する傾斜鍔
31を有するものがある。また、単位板1の基板2に
は、平板状のものの他、接合縁3の突出側もしくはその
逆側へ略全面に、あるいは中央部に、四角形、八角形、
円形、十字状、X字状などの膨出部21を形成したもの
がある。
【0005】また、単位板1の材質としては、鉄、ステ
ンレス、アルミニウムなどの金属もしくはFRPなどの
合成樹脂が採用されている。このうち、耐火性能、耐震
強度、耐腐食性、美観などの観点から、近年、ステンレ
ス鋼で形成されたステンレス製貯留タンクが多く採用さ
れるようになってきた(例えば、実開昭53−9741
2号公報および実公昭60−40471号公報参照)。
【0006】このようなステンレス鋼板からなる単位板
1は、直角四辺形の基板2および該基板2の四辺に連続
する接合縁3を有するように、基板2に対して接合縁3
が折り曲げられる折り曲げ線xが直交する交点x’から
隣接する各接合縁3の側端縁32に沿って各接合縁3の
外周縁31へ至る切欠部kを形成した後(図14参
照)、各接合縁3を折り曲げ線xに沿って同一方向に直
角に折り曲げ、隣接する接合縁3の側端縁32の突き合
わせ部を溶接することによって形成されている。
【0007】
【発明が解決しようする課題】単位板1の基板2が薄く
て平板状であれば、基板2に荷重が加わったときの基板
2の撓み量(歪み量)は非常に大きく、耐圧強度は非常
に小さい。つまり、薄くて平板状の基板2は、小さな圧
力で大きく撓み、たちまち破壊に至る。例えば、側壁T
aを形成する単位板1の基板2の板厚が薄くて平板状で
あれば、貯留タンクT内の液圧によって、基板2には大
きな撓みが発生する。さらに、貯留タンクT内の液位が
上下することによって、基板2には繰り返し応力が加わ
る。そこで、薄くて平板状の基板2は、小さな圧力の繰
り返しによっても容易に破壊する。また、天井壁Tcを
形成する単位板1の基板2の板厚が薄くて平板状であれ
ば、作業者などが乗ったときなどに不意に大きく撓ん
で、危険である。このため、通常、単位板1の基板2に
膨出部21を形成して、基板2がたとえ薄くても撓み量
が小さなものとなるようにし、耐圧強度を向上させてい
る。
【0008】基板2に膨出部21を有する単位板1を製
造するには、先ずステンレス鋼板の原板に膨出部21を
成形した後、膨出部21を備えた基板2および接合縁3
を有するように原板から板取りし、基板2に対して接合
縁3を折り曲げる場合と、先ず基板2および接合縁3を
有するようにステンレス鋼板から板取りし、次いで、基
板2に対して接合縁3を折り曲げた後、基板2に膨出部
21を成形する場合とがある。
【0009】前者の場合、原板に膨出部21を成形する
ことによってその周縁部にヒケが生じ、膨出部21近傍
の周縁部が膨出部21の方に引き入れられ、原板の外形
形状がいびつになる。そこで、原板から単位板1の展開
図にしたがって板取りする際、原板の外周縁部を大きく
切り捨てなければならず、その分高価なものとなり、全
周を切り捨てるための手間もかかる。また、ステンレス
鋼板の原板に膨出部21を成形する際のヒケによって、
外周部から中央部に向かう幾条ものシワが生じ易く、商
品価値が低下する。また、このようなシワが生じた原板
から板取りして単位板1を成形し、これらの単位板1を
用いて貯留タンクTを組み立てた場合、シワによって形
成される隙間内外に局部電池が形成されて隙間腐食(電
気腐食)が起こり、単位板1の内外を貫通するピンホー
ルに発展するおそれがある。さらに、単位板1全体にゆ
がみ(変形)や反りなどが発生し易い。
【0010】一方、後者のように、基板2に対して接合
縁3を折り曲げた後、基板2に膨出部21を形成する場
合には、中央部を膨出させることによって、予め折り曲
げた接合縁3に変形が生じ易く、特に、接合縁3の中央
部分にヒケが発生して大きく変形し易い。接合縁3の中
央部分にヒケが生じると、単位板1を組み合わせるに当
たって、隣接する単位板1の接合縁3間に隙間が生じて
それらを密着させることができず、水密にシール(溶
接)することが困難である。
【0011】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、ヒケやシワなどを発生させることなく基板
に膨出部を形成することのできるステンレス鋼板製単位
板の製造方法およびその製造装置を提供するものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明は、直角四辺形の基板と、該基板の直交する二
辺もしくは三辺または四辺に連続する複数の接合縁とを
有するように板取りされるとともに、基板の周縁近傍に
断面凹状の周溝が形成されたステンレス鋼板からなる板
材を、液体が注入された凹陥部を有する下型に載置し、
上型を下降させて板材の基板の周縁部を下型と上型との
間で押圧保持し、板材の周溝を下型および/または上型
に形成された凸条もしくは凹溝によって位置決めした
後、膨出部を有する中型を下降させて板材の基板の周溝
の内方に膨出部を形成し、基板に対して接合縁を折り曲
げて単位板とすることを特徴とするものである。
【0013】請求項2記載の発明は、直角四辺形の基板
と、該基板の直交する二辺もしくは三辺または四辺に連
続する複数の接合縁とを有するように板取りされるとと
もに、基板の周縁近傍に断面凹状の周溝が形成されたス
テンレス鋼板からなる板材を、液体が注入された凹陥部
を有する下型に載置し、上型を下降させて板材の基板の
周縁部を下型と上型との間で押圧保持し、板材の周溝を
下型および/または上型に形成された凸条もしくは凹溝
によって位置決めし、基板に対して接合縁を上方に向け
て垂直に折り曲げ、次いで、中型を下降させて板材の基
板の周溝の内方に膨出部を形成することを特徴とするも
のである。
【0014】請求項3記載の発明は、直角四辺形の基板
と、該基板の直交する二辺もしくは三辺または四辺に連
続する複数の接合縁とを有するように板取りされるとと
もに、基板の周縁近傍に断面凹状の周溝が形成されたス
テンレス鋼板からなる板材から単位板を製造する製造装
置であって、液体を溜めるための凹陥部を有する下型本
体と、下型本体の外方に設けられ、下型本体の上面より
も高い位置に上面を有する外型と、下型本体と外型との
間に設けられ、上面が外型の上面と同位置もしくは外型
の上面よりも高い位置と下型本体の上面との間を昇降可
能な昇降部材と、からなる下型と、下型の昇降部材に臨
んで昇降自在に設けられた上型と、下型の下型本体の凹
陥部に臨んで昇降自在に設けられ、膨出部を有する中型
と、から構成され、前記下型の昇降部材の上面および/
または上型の下面には、板材の周溝に対応する凸条もし
くは凹溝が形成されてなり、上型を下降させて板材の基
板の周縁部を下型と上型との間で押圧保持し、板材の周
溝を下型および/または上型に形成された凸条もしくは
凹溝によって位置決めした状態で下降させることによ
り、基板に対して接合縁を上方に向けて垂直に折り曲
げ、次いで、中型を下降させて板材の基板の周溝の内方
に膨出部を形成することを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0016】図1には、本発明のステンレス鋼板からな
る単位板11の一製造工程が示されている。
【0017】この単位板11の製造工程は、次の通りで
ある。先ず、図1(a)(b)に示すように、単位板1
1の展開図にしたがってステンレス鋼板から板取りす
る。具体的には、直角四辺形の基板12に対して接合縁
13が折り曲げられる折り曲げ線Xが直交する交点X’
から隣接する各接合縁13の側端縁132に沿って各接
合縁13の外周縁131へ至る切欠部kを形成する。つ
まり、基板12の四辺に接合縁13が一体に連続する形
状に板取りする。
【0018】その後、図1(c)(d)に示すように、
板材の基板12の周縁近傍に図示しない金型を利用して
断面凹状の周溝121を形成する。この断面凹状の周溝
121の突出方向は、接合縁13と同方向であってもよ
く、接合縁13の向きと反対方向であってもよい。ま
た、その断面形状としては、半円状、台形状、略三角形
状などの任意の形状が採用される(図7参照)。
【0019】次いで、図1(e)に示すように、単位板
11の展開図にしたがって板取りされ、基板12の周縁
近傍に断面凹状の周溝121が形成された板材を、製造
装置20の下型21に載置し、上型25を下降させ、板
材の基板12の周縁部を下型21と上型25との間で押
圧保持する。この際、板材の周溝121を下型に形成さ
れた凸条24aおよび上型25に形成された凹溝25a
によって挟み込んで位置決めする。すなわち、凹陥部2
2aを有する下型21の上面には、板材の基板12の周
溝121内に嵌まり込み可能な断面形状の凸条24aが
形成され、一方、上型25の下面には、板材の基板12
の周溝121が嵌まり込み可能な断面形状の凹溝25a
が形成されており、上型25を下降させることによっ
て、板材の基板12の周溝121を下型21の凸条24
aと上型25の凹溝25aとの間に嵌め込んで押圧保持
し、位置決めする。
【0020】この後、図1(f)に示すように、膨出部
261を有する中型26を下降させて板材の基板12を
押圧することにより、基板12の周溝121の内方に膨
出部122を形成する(図2参照)。この際、基板12
の周溝121が下型21と上型25によってしっかりと
押圧保持され、位置決めされているので、基板12の周
縁部や接合縁13が引きずられてヒケやシワが発生した
り、全体が反ったり、ねじれたり、変形したりすること
を確実に防止できる。
【0021】なお、下型21の凹陥部22aには、水や
防蝕剤を混合した水などの液体Lが注入されている。そ
の注入量は、中型26の膨出部261が下降し、板材の
基板12に膨出部122が形成されるときに、下型21
の凹陥部22aが満水となる量以上に設定されている。
このため、中型26が下降し、板材の基板12が下方に
膨出して膨出部122が形成される時に、下型21の凹
陥部22a内の液体Lが下型21の上面と板材の下面と
の間を通って溢れ出る。この溢れ出た液体Lは、下型2
1に付設された受け部材211に回収される。
【0022】次いで、図1(g)に示すように、板材の
基板12に対して各接合縁13を折り曲げ線Xに沿って
同一側に垂直に折り曲げた後、接合縁13を折り曲げる
ことにより突き合わされた隣接する接合縁13,13の
側端縁132,132を溶接し、単位板11を形成す
る。この場合、隣接する接合縁13の側端縁132の突
き合わせ部分の溶接は、雨水や昆虫などが侵入しないよ
うに、また、貯留タンクT内の飲料水などの液体が外部
へ漏出しないように、入念に行う。
【0023】このようにして製造された単位板11は、
直角四辺形の基板12と、該基板12の四辺に基板12
から同一側へ垂直に起立する接合縁13と、から形成さ
れ、隣接する接合縁13,13の側端縁132,132
の突き合わせ部分が溶接されている。そして、直角四辺
形の基板12の周縁近傍には、接合縁13の突出側に凹
んだ周溝121が形成されており、また、この周溝12
1の内方には、接合縁13の突出側と逆側へ突出する膨
出部122が形成されている。
【0024】このような単位板11を順次接続すること
によって、側壁Ta、底壁Tb、天井壁Tc、仕切り壁
Tdなどを形成し、これらを組み合わせることによって
ステンレス製貯留タンクTとすることができる(図8お
よび図9参照)。
【0025】この実施形態においては、板材の基板12
の膨出部122を、接合縁13の起立側と逆側に膨出さ
せる場合を例示したが、接合縁13の起立側方向に膨出
させるようにしてもよい。また、膨出部122の形状
は、特に限定するものではなく、任意の形状を選択する
ことができる。なお、膨出部122の一部に平坦面が形
成されていると、パイプの接続や、貯留タンク内外面へ
の各種付属品の取り付けなどに際してこれを利用するこ
とができる(図9参照)。
【0026】また、前述した実施形態においては、単位
板11の展開図にしたがってステンレス鋼板から板取り
し、基板12の周縁部に周溝121を形成した後、板材
の基板12に膨出部122を成形する場合を例示した
が、ステンレス鋼板の原板に周溝121を形成した後、
その周溝121が基板12の周縁部に位置するように、
ステンレス鋼板の原板から単位板11の展開図にしたが
って板取りし、その後、板材の基板12に膨出部122
を形成するようにしてもよい。
【0027】さらに、前述の実施形態においては、下型
21に凸条24aを、上型25に凹溝25aをそれぞれ
形成し、この間に板材の基板12の周溝121を嵌め込
んで押圧保持し、位置決めする製造装置20を例示した
が、下型21には凸条24aに代えて凹溝24b(図7
(a)(b)参照)を形成してもよい。この場合、上型
25には、板材の基板12の周溝121に対応する凸条
25b(図7(b)参照)を形成することが好ましい
が、必ずしも凸条25bを形成する必要はない(図7
(a)参照)。例えば、板材の基板12の周溝121の
突出方向を、膨出部122の突出方向と同方向または逆
方向に形成することができるように、凹溝24bまたは
凸条24aが形成された下型21を用意し、一方、この
ような下型21に合わせて、凸条25bまたは凹溝25
aが形成された上型25や、凸条25bも凹溝25aも
ない上型25を用意し、これらの下型21および上型2
5を選択的に使用すればよい。
【0028】また、前述した実施形態においては、板材
の基板12に膨出部122を形成した後、基板12に対
して接合縁13を折り曲げる工程を説明したが、板材の
基板12に対して接合縁13を折り曲げた後、基板12
に膨出部122を形成するようにしてもよい。
【0029】以下、基板12に対して接合縁13を折り
曲げた後、基板12に膨出部122を形成する単位板1
1の他の製造工程を図3に基づいて説明する。
【0030】この製造工程は、先ず、図3(a)(b)
に示すように、単位板11の展開図にしたがって板取り
する。具体的には、直角四辺形の基板12に対して接合
縁13が折り曲げられる折り曲げ線Xが直交する交点か
ら隣接する各接合縁13の側端縁132に沿って各接合
縁13の外周縁131へ至る切欠部kと、前記交点に設
けられた一部切欠貫通孔X0とが連接された切欠部Kを
形成する。つまり、基板12の四辺に接合縁13が一体
に連続する形状に板取りする。
【0031】このようなステンレス鋼板からの板取りに
際しては、上記切欠部kと上記一部切欠貫通孔X0とが
連接された切欠部Kを一度に形成してもよいが、予め接
合縁13が折り曲げられる折り曲げ線Xが直交する交点
に貫通孔を穿ち、この後、折り曲げ線Xが直交する交点
から隣接する各接合縁13の側端縁132に沿って各接
合縁13の外周縁131へ至る切欠部kを切欠して、 前
記交点の貫通孔と切欠部kとが連接された切欠部Kを形
成してもよい。
【0032】次いで、図3(c)(d)に示すように、
板材の基板12の周縁近傍に断面凹状の周溝121を形
成する。この後、図3(e)(f)に示すように、基板
12に対して各接合縁13を折り曲げ線Xに沿って同一
側に垂直に折り曲げ、基板12と接合縁13とによって
形成される稜線部が直交する交点に設けられた貫通孔X
0および接合縁13を折り曲げることにより突き合わさ
れた隣接する接合縁13,13の側端縁132,132
を溶接し、箱状に形成する。この場合、一部切欠貫通孔
X0および隣接する接合縁13の側端縁132の突き合
わせ部分の溶接は、雨水や昆虫などが侵入しないよう
に、また、貯留タンクT内の飲料水などの液体が外部へ
漏出しないように、入念に行う。
【0033】この後、図3(g)に示すように、基板1
2に対して各接合縁13が垂直に折り曲げられ、一部切
欠貫通孔X0および隣接する接合縁13の側端縁132
の突き合わせ部分が溶接された箱状体を製造装置20の
下型21に載置し、基板12の周溝121を下型21に
形成された凸条24aに嵌め込む。次いで、上型25を
下降させ、周溝121を下型21の凸条24aと上型2
5の凹溝25aとの間に挟んで押圧保持し、位置決めす
る。そして、膨出部261を有する中型26を下降させ
て基板12を押圧することにより、基板12に膨出部1
22を形成する。このように予め、基板12の周溝12
1を下型21と上型25によって押圧保持し、位置決め
しておけば、中型26の膨出部261が下降して基板1
2に膨出部122を形成する際、基板12が引きずられ
て、基板12の周縁部や接合縁13にヒケやシワが発生
することを防止することができる。
【0034】なお、下型21の上面には、凸条24aの
内方に位置してシール材Sが配設されている。そこで、
上型25を下降させ、基板12の周縁部を下型21と上
型25との間に挟んで押圧保持する際、シール材Sは基
板12の周縁部の下面によって下方に押さえつけられ
る。ここに、中型26の膨出部261が下降することに
よって、基板12には膨出部122が形成される。この
際、下型21の凹陥部22a内に注入されている液体L
が凹陥部22a内に充満し、液圧が基板12の下方から
上方に向かって押し上げるように働く。したがって、基
板12の膨出部122の形状が中型26の膨出部261
の形状に対応して鮮明に形成される。しかも、次々に形
成される単位板11の膨出部122の寸法精度が均一と
なる。
【0035】ここで、下型21の上面に配設されるシー
ル材Sとしては、Oリング、紐状パッキン、シートパッ
キンなど、任意のものが採用される。また、その本数も
1本に限らず複数本配設されていてもよい(図7参
照)。
【0036】このようにして製造された単位板11は、
図3(h)に示すように、直角四辺形の基板12と、該
基板12の四辺に基板12から同一側へ垂直に起立する
接合縁13と、から形成され、基板12と接合縁13と
によって形成される稜線部が直交する交点に設けられた
貫通孔X0および隣接する接合縁13,13の側端縁1
32,132の突き合わせ部分が溶接されている。そし
て、直角四辺形の基板12の周縁近傍には、接合縁13
の突出側に凹んだ周溝121が形成されており、また、
この周溝121の内方には、接合縁13の突出側と逆側
へ突出する膨出部122が形成されている。
【0037】なお、直角四辺形の基板12に対して接合
縁13が折り曲げられる折り曲げ線Xが直交する交点か
ら隣接する各接合縁13の側端縁132に沿って各接合
縁13の外周縁131へ至る切欠部kと、前記交点に設
けられた一部切欠貫通孔X0とが連接された切欠部Kを
形成し、基板12の四辺に接合縁13が一体に連続する
ように板取りされるので、基板12に対して接合縁13
を折り曲げることによって稜線部に発生する歪が基板1
2の隅角部近傍において重複して大きな歪となることが
なく、この結果、基板12の隅角部近傍にシワ、ゆが
み、ひびわれ、割れなどが発生することがなく、また、
残留応力が残ることもない。
【0038】上記のような単位板11を順次接続するこ
とによって、側壁Ta、底壁Tb、天井壁Tc、仕切り
壁Tdなどを形成し、これらを組み合わせることによっ
てステンレス製貯留タンクTとすることができる(図8
および図9参照)。
【0039】次に、基板12に膨出部122を形成する
製造装置20について、図4乃至図6に基づいて詳細に
説明する。
【0040】製造装置20は、下型21と、上型25
と、下型21と上型25との間で押圧保持された板材の
基板12に膨出部122を形成する中型26と、から構
成されている。
【0041】下型21は、凹陥部22aを有するととも
に、外周縁に断面L字状の切欠部22bが形成された下
型本体22と、下型本体22の切欠部22bを包囲する
ように下型本体22の外方に設置され、下型本体22の
上面22xよりも高い位置に上面23xを有する外型2
3と、下型本体22の切欠部22bと外型23の内周面
とで形成される空間に昇降自在に配設され、通常、外型
23の上面23x以上の高さに上面24xが位置する昇
降部材24と、からなり、下型本体22および昇降部材
24によって形成される平面視の表面積と、板材の基板
12の表面積とは略一致している。
【0042】下型本体22の切欠部22bには、やや硬
めの弾力性を有するクッション材241、例えば、発泡
ウレタン、ゴム、発泡ゴムなどが配設されており、この
クッション材241によって昇降部材24が支持されて
いる。ここで、クッション材241が昇降部材24を単
に支持している場合、昇降部材24の上面24xは、外
型23の上面23xと同一高さ位置もしくはそれを越え
る高さ位置にある。一方、クッション材241の弾力に
抗して昇降部材24を押圧すると、クッション材241
が圧縮されて昇降部材24は下降する。この際、昇降部
材24を介してクッション材241を圧縮させることに
より、昇降部材24の上面を下型本体22の上面22x
と同一高さ位置まで下降させることができる。また、昇
降部材24への押圧力を解除すると、クッション材24
1はその弾力性によって復元し、昇降部材24は元の高
さ位置に上昇する。
【0043】なお、昇降部材24の上面には、板材の基
板12の周溝121に対応する凸条24aが形成されて
いる。
【0044】また、下型本体22の上面22xにはシー
ル材Sが配設される。そして、下型本体22の凹陥部2
2a内には、水や防蝕剤を混合した水などの液体Lが注
入される。その注入量は、中型26を下降させたときに
下型本体22の凹陥部22a内が満水となるように設定
される。
【0045】また、下型21の外型23の上面側内周縁
部には、接合縁13を折り曲げるための下部エッジ形成
ピース231が着脱自在に固定されており、さらに、下
型21の昇降部材24に臨んで昇降自在に配置されてい
る上型25の下面側外周縁部には、前述した下部エッジ
形成ピース231と協働して接合縁13を折り曲げるた
めの上部エッジ形成ピース251が着脱自在に固定され
ている上型25の上部エッジ形成ピース251の下面に
は、板材の基板12の周溝121に対応する凹溝25a
が形成されている。つまり、下型21の昇降部材24の
上面に形成された凸条24aと対向して、上型25の上
部エッジ形成ピース251の下面に凹溝25aが形成さ
れている。そこで、板材を下型21に載置し、板材の周
溝121を下型21の昇降部材24の凸条24aに嵌め
込み、その状態で上型25を下降させると、上部エッジ
形成ピース251に形成されている凹溝25aが板材の
周溝121に嵌まり込むので、板材の基板12の周縁部
を押圧保持して位置決めすることができる。
【0046】また、中型26は、下型21の下型本体2
2の凹陥部22aに臨んで昇降自在に配置されており、
基板12に形成する膨出部122に対応する形状の膨出
部261を有している。
【0047】以下、このように構成された製造装置20
の作動について説明する。先ず、下型21に対して上型
25および中型26を上方に退避させる。この状態にお
いて、単位板11の展開図にしたがって板取りされ、基
板12の周縁近傍に断面凹状の周溝121が形成された
板材を、下型21の昇降部材24上に載置し、板材の基
板12の周溝121を昇降部材24に形成された凸条2
4aに嵌め込む。この際、昇降部材24の上面24xが
外型23の上面23xと同等かそれ以上の高さ位置にあ
るので、外型23に邪魔されることなく板材を昇降部材
24上に載置することができる。
【0048】次いで、上型25を下降させると、上型2
5の上部エッジ形成ピース251に形成されている凹溝
25aが、板材の周溝121に嵌まり込む。すなわち、
下型21の昇降部材24の凸条24aに嵌まり込んだ板
材の周溝121に、上型25の凹溝25aが嵌まり込
む。このようにして、板材の基板12の周縁部を下型2
1と上型25とによって押圧保持し、位置決めする(図
4参照)。
【0049】その後、さらに上型25を下降させると、
板材の基板12の周縁部を介して昇降部材24を押圧す
ることになり、クッション材241は圧縮されて縮小す
る。すなわち、上型25と昇降部材24との間で板材の
基板12の周縁部を押圧保持した状態のまま、昇降部材
24は下降し、上型25が外型23の内方に入り込む。
また、上型25が外型23の内方に入り込むと、上型2
5の上部エッジ形成ピース251と、外型23の下部エ
ッジ形成ピース231との間に、板材の接合縁13が挟
み込まれる。こうして、板材の基板12に対して接合縁
13が上方に向けて垂直に折り曲げられる。なお、昇降
部材24の上面24xが下型本体22の上面22xと同
一高さに達する位置まで、上型25を下降させる(図5
参照)。
【0050】次いで、下型21を構成する下型本体2
2、昇降部材24および外型23と、上型25との間で
強固に押圧保持されている板材の略中央部に向かって、
中型26を下降させる。こうして、中型26によって板
材の基板12を押圧し、中型26の膨出部261に対応
する膨出部122を基板12に形成する(図6参照)。
この際、板材の基板12の周縁部および接合縁13が下
型21と上型25とによってしっかりと押圧保持されて
いるので、基板12の周縁部や接合縁13にヒケやシワ
などが発生しない。
【0051】また、中型26の膨出部261が下降して
基板12に膨出部122を形成する際、シール材Sが基
板12の周縁部の下面によって下方に押さえつけられ
る。ここに、下型21の下型本体22の凹陥部22aに
注入された液体Lは凹陥部22a内に充満し、凹陥部2
2a内に充満した液体Lの液圧が基板12の下方から上
方に向かって押し上げるように働く。したがって、基板
12の膨出部122の形状が中型26の膨出部261に
対応して鮮明に形成される。しかも、次々に形成される
単位板11の膨出部122の寸法精度が均一になる。
【0052】この結果、基板12に対して接合縁13を
垂直に折り曲げる作業と、基板12の周溝121の内方
に膨出部122を形成する作業とを、同時に行うことが
できる。したがって、接合縁13の折り曲げおよび膨出
部122の形成の二つの工程を機械を代えて順次行う場
合に比較して、作業時間を半減させることができ、単位
板11の製造コストを削減することができる。
【0053】なお、前述した製造装置20の実施形態に
おいては、下型21を構成する昇降部材24を支持する
ため、クッション材241を設けた場合を示したが、上
型25が下降した際に昇降部材24が下降し、上型25
が上昇した際に昇降部材24が上昇するようになされて
おればよく、クッション材241に限らず、エアシリン
ダ242(図7(d)参照)などを採用することもでき
る。
【0054】また、前述した実施形態においては、昇降
部材24に凸条24aを、上型25に凹溝25aをそれ
ぞれ形成した場合を例示したが、昇降部材24と上型2
5との間で板材の基板12の周縁部をしっかりと押圧保
持し、板材の基板12の周溝121を位置決めできるよ
うになされておればよく、昇降部材24に凹溝24bを
形成してもよい。この場合、上型25には、板材の基板
12の周溝121に対応する凸条25b(図7(b)参
照)を形成することが好ましいが、平面状であってもよ
い。
【0055】さらに、前述の実施形態においては、外型
23に下部エッジ形成ピース231を、上型25に上部
エッジ形成ピース251をそれぞれ設け、基板12に対
して接合縁13を折り曲げるように構成したが、必ずし
もこれらの下部エッジ形成ピース231や上部エッジ形
成ピース251を設ける必要はなく、直接外型23と上
型25によって接合縁13を折り曲げるようにしてもよ
い。
【0056】ところで、前述したような直角四辺形の基
板12の四辺に基板12に対して垂直に起立する接合縁
13を設けた単位板11のみを順次連結して側壁Ta、
底壁Tb、天井壁Tcを形成し、貯留タンクTを組み立
てることも可能であるが、単位板11の接合縁13を種
々変形させることによって、外観形状の異なるさまざま
な貯留タンクTを得ることができる。
【0057】以下、図8および図9において、側壁Ta
の端縁部に配置されている単位板11Aおよび天井壁T
cの隅角部に配置されている単位板11Bについて説明
する。
【0058】側壁Taの端縁部に配設される単位板11
Aは、図11(b)に示すように、基板12の三辺に連
続する接合縁13が垂直に折り曲げられているのに対
し、他の一辺の接合縁13Aが基板12に対して約13
5度の角度に折り曲げられている。すなわち、接合縁1
3Aは、基板12の内面と約45度の角度に形成されて
いる。
【0059】この場合、接合縁13Aの幅と、これに隣
接する接合縁13の幅とが同じであると、接合縁13A
が基板12に対して約135度の角度で折り返されるこ
とにより、接合縁13の側端縁132と外周縁131と
の間に約135度の角度の突出部が形成されることにな
り、作業時に思わぬけがをするおそれがある。そこで、
上記突出部に面取りなどを施しておくことが好ましい。
具体的には、接合縁13Aの側端縁132に隣接する接
合縁13の側端縁132は、接合縁13Aの側端縁13
2に対応する長さの突き合わせ部132aと、その先端
部分に緩やかな角度で連なる面取部132bとから形成
されている。
【0060】このような側壁Taの端縁部に配設される
単位板11Aを製造する場合は、図10に示す展開図に
したがってステンレス鋼板から板取りする。具体的に
は、接合縁13(13A)が折り曲げられる折り曲げ線
Xが直交する交点から隣接する各接合縁13(13A)
の側端縁132に沿って各接合縁13(13A)の外周
縁131へ至る切欠部kと、前記交点に設けられた一部
切欠貫通孔X0とが連接された切欠部K,K1を形成す
るとともに、直角四辺形の基板12および該基板12の
三辺に一体に連続する接合縁13および他の一辺に一体
に連続する接合縁13Aを有するように板取りする。
【0061】このように板取りした後に基板12の周縁
部に周溝121を形成し、前述したように、製造装置2
0によって基板12に対して接合縁13,13Aを上方
に向けて垂直に折り曲げた後、基板12に膨出部122
を形成する。
【0062】すなわち、単位板11の展開図にしたがっ
て板取りされ、基板12の周縁近傍に断面凹状の周溝1
21が形成された板材を、下型21の昇降部材24上に
載置し、板材の基板12の周溝121を昇降部材24に
形成された凸条24aに嵌め込んだ後、上型25を下降
させ、板材の基板12の周縁部を下型21の昇降部材2
4と上型25との間でしっかりと押圧保持して位置決め
する(図4参照)。
【0063】なおも上型25を下降させると、上型25
と昇降部材24との間で板材を押圧保持した状態のまま
昇降部材24が下降し、クッション材241が圧縮さ
れ、上型25が外型23の内方に入り込む。こうして、
板材の接合縁13,13Aは、上型25の上部エッジ形
成ピース251と外型23の下部エッジ形成ピース23
1との間に挟み込まれ、上型25と昇降部材24との間
で押圧保持された板材の基板12に対して上方に向けて
垂直に折り曲げられる(図5参照)。
【0064】次いで、上型25と下型21との間で強固
に押圧保持されている板材の略中央部に向かって中型2
6を下降させ、板材の基板12に中型26の膨出部26
1に対応する膨出部122を形成する(図6参照)。
【0065】製造装置20によって板材の基板12に膨
出部122が形成されるとともに、基板12に対して各
接合縁13,13Aが垂直に折り曲げられると(図11
(a)参照)、製造装置20から取り出された板材の接
合縁13Aはさらに45度基板12の内面に向けて折り
曲げられる。つまり、板材の接合縁13Aの側端縁13
2を、対応する隣接する接合縁13の側端縁132の突
き合わせ部132aに突き合わせる。その後、一部切欠
貫通孔X0を溶接するとともに、隣接する接合縁13,
13および13,13Aの側端縁132の突き合わせ部
分を溶接して単位板11Aを形成する(図11(b)参
照)。
【0066】もっとも、切欠部kと一部切欠貫通孔X0
とが連接された切欠部K,K1を形成した後、基板12
に周溝121を形成し、基板12に対して各接合縁1
3,13Aを折り曲げ、一部切欠貫通孔X0を溶接する
とともに、隣接する接合縁13,13および13,13
Aの側端縁132の突き合わせ部分を溶接し、この後、
基板12に膨出部122を膨出させて単位板11Aを形
成してもよい。
【0067】天井壁Tcの隅角部に配設される単位板1
1Bは、図12(a)(b)(c)に示すように、基板
12と、該基板12の直交する二辺に形成された接合縁
13とからなる。この単位板11Bの板取りに際して
は、図12(d)に示すように、接合縁13が折り曲げ
られる折り曲げ線Xが直交する交点から隣接する各接合
縁13の側端縁132に沿って各接合縁13の外周縁1
31へ至る切欠部kと、前記交点に設けられた一部切欠
貫通孔X0とが連接された切欠部Kを形成する。
【0068】また、上記単位板11Bの各接合縁13の
長さは、少なくとも、前述した側壁Taの端縁部に配置
される単位板11Aの接合縁13の幅よりも短く形成さ
れている。したがって、直交する側壁Ta,Taの上隅
角部を形成する単位板11A,11Aの接合縁13,1
3の上に、単位板11Bの基板12の周縁部のうち、接
合縁13が形成されていない直交する二辺の周縁部を載
置することができる。
【0069】なお、天井壁Tcの隅角部以外の端縁部に
配設される単位板については、詳細には図示しないが、
基板12の三辺に接合縁13を形成し、残りの一辺の周
縁部が側壁Taの上端縁部を形成する単位板11の接合
縁13に載置されるように、対向する二辺の接合縁13
を短く形成すればよい。この場合、隣接する接合縁13
の折り曲げ線Xが直交する交点に一部切欠貫通孔を有す
る切欠部が形成される。
【0070】このようにして単位板11,11A,11
Bが形成されたならば、単位板11,11Aを順次接続
して側壁Taを形成する。この場合、側壁Taの左右端
に配設される単位板11Aの接合縁13Aが、側壁Ta
の左右端縁部に位置するように配設する。また、単位板
11,11B,図示しない端縁部に配設される単位板を
順次接続して天井壁Tcを形成する。この場合、天井壁
Tcの隅角部に取り付けられる単位板11Bは、接合縁
13が形成されていない基板12の直交する二辺の周縁
部が天井壁Tcの隅角部に位置するように配設される。
また、天井壁Tcの周縁部に取り付けられる単位板は、
接合縁13が形成されていない基板12の一辺の周縁部
が天井壁Tcの外周縁に位置するように配設される。
【0071】これらの単位板11,11A,11Bなど
を用いて側壁Taおよび天井壁Tcを形成し、貯留タン
クTとするには、接合縁13,13、接合縁13A,1
3Aを溶接するとともに、側壁Taおよび天井壁Tcが
突き合わされる稜線部を溶接する。このようにして、貯
留タンクTを形成することができる(図8および図9参
照)。
【0072】図8は、一の側壁Taを構成する一の単位
板11に取出用フランジ15を介して配管16が接続さ
れ、また、天井壁Tcを構成する一の単位板11にマン
ホールMが形成されている場合を例示している。
【0073】また、図9は、一例として、コンクリート
架台上あるいは鉄架台上にステンレス鋼板を敷設して底
壁Tbを形成した貯留タンクTの内部に、単位板11を
順次接続して形成された仕切り壁Tdを立設した場合を
例示している。そして、天井壁Tcを構成する一の単位
板11に取出用フランジ15を介して配管16Aが接続
され、一の側壁Taを構成する一の単位板11に取出用
フランジ15を介してオーバーフロー管16Bが接続さ
れている。
【0074】なお、前述の実施形態においては、貯留タ
ンクTに液体、特に飲料水を貯留する場合を例示した
が、貯留タンクTに飲料水以外の水や薬液などを貯留し
てもよい。また、液体以外に粉粒体などを貯留すること
もでき、貯留対象を限定するものではない。
【0075】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、単位板の展開図にしたがって基板の二辺もしくは三
辺または四辺に接合縁を有するようにステンレス鋼板か
ら板取りされるとともに、基板の周縁近傍に断面凹状の
周溝が形成された板材を液体が注入された凹陥部を有す
る下型に載置し、周溝を上型と下型との間で押圧保持し
て位置決めした後、中型によって基板に膨出部を形成す
るので、板材の基板の周縁部や接合縁にヒケやシワが生
じることを確実に防止でき、また、単位板全体が反った
り、ねじれたり、変形したりすることを防止できる。し
たがって、ステンレス鋼板の原板の外周縁部を大きく捨
て去る必要がなく、また、その切断作業が不要となり、
コストを低減させることができる。また、製造された単
位板の接合縁に変形が生じないので、隣接する単位板の
接合縁間に隙間ができることがなく、単位板を水密に容
易に溶接することができる。さらに、板材を液体が注入
された凹陥部を有する下型に載置し、板材の周溝を位置
決めした後、膨出部を有する中型を下降させて基板の周
溝の内方に膨出部を形成するので、下型の製作が極めて
容易なだけでなく、板材の下方から加わる液圧によって
膨出部の形状が鮮明となり、しかも、次々に形成される
単位板の膨出部の寸法精度が均一になる。
【0076】請求項2記載の発明によれば、単位板の展
開図にしたがって基板の二辺もしくは三辺または四辺に
接合縁を有するようにステンレス鋼板から板取りされる
とともに、基板の周縁近傍に断面凹状の周溝が形成され
た板材を液体が注入された凹陥部を有する下型に載置
し、周溝を上型と下型との間で押圧保持して位置決めし
た状態で、基板に対して接合縁を上方に向けて垂直に折
り曲げ、次いで、中型を下降させて板材の基板の周溝の
内方に膨出部を形成するので、板材の基板の周縁部や接
合縁にヒケやシワが生じることを確実に防止でき、ま
た、単位板全体が反ったり、ねじれたり、変形したりす
ることを防止できる。したがって、ステンレス鋼板の原
板の外周縁部を大きく捨て去る必要がなく、また、その
切断作業が不要となり、コストを低減させることができ
る。また、製造された単位板の接合縁に変形が生じない
ので、隣接する単位板の接合縁間に隙間ができることが
なく、単位板を水密に容易に溶接することができる。ま
た、膨出部を形成する際、合わせて接合縁を折り曲げる
ことができるので、作業時間が削減され、製造コストを
低減させることができる。さらに、板材を液体が注入さ
れた凹陥部を有する下型に載置し、板材の周溝を位置決
めした後、膨出部を有する中型を下降させて基板の周溝
の内方に膨出部を形成するので、下型の製作が極めて容
易なだけでなく、板材の下方から加わる液圧によって膨
出部の形状が鮮明となり、しかも、次々に形成される単
位板の膨出部の寸法精度が均一になる。
【0077】請求項3記載の発明によれば、直角四辺形
の基板と、該基板の直交する二辺もしくは三辺または四
辺に連続する複数の接合縁とを有するように板取りされ
るとともに、基板の周縁近傍に断面凹状の周溝が形成さ
れたステンレス鋼板からなる板材から単位板を製造する
製造装置であって、液体を溜めるための凹陥部を有する
下型本体と、下型本体の外方に設けられ、下型本体の上
面よりも高い位置に上面を有する外型と、下型本体と外
型との間に設けられ、上面が外型の上面と同位置もしく
は外型の上面よりも高い位置と下型本体の上面との間を
昇降可能な昇降部材と、からなる下型と、下型の昇降部
材に臨んで昇降自在に設けられた上型と、下型の下型本
体の凹陥部に臨んで昇降自在に設けられ、膨出部を有す
る中型と、から構成され、前記下型の昇降部材の上面お
よび/または上型の下面には、板材の周溝に対応する凸
条もしくは凹溝が形成されてなり、上型を下降させて板
材の基板の周縁部を下型と上型との間で押圧保持し、板
材の周溝を下型および/または上型に形成された凸条も
しくは凹溝によって位置決めした状態で下降させること
により、基板に対して接合縁を上方に向けて垂直に折り
曲げ、次いで、中型を下降させて板材の基板の周溝の内
方に膨出部を形成することを特徴とするものである。し
たがって、上述の請求項2記載の発明方法を容易に実施
できる。また、上述の請求項2記載の発明方法による効
果を容易にもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステンレス鋼板製単位板の一製造工程の概略を
示す説明図である。
【図2】図1の製造工程において、製造装置によって基
板に膨出部が形成された板材を示す平面図、正面図およ
び平面図のA−A線断面図である。
【図3】ステンレス鋼板製単位板の他の製造工程の概略
を示す説明図である。
【図4】板材を押圧保持した状態の製造装置を示す断面
図である。
【図5】板材の接合縁を折り曲げた状態の製造装置を示
す断面図である。
【図6】基板に膨出部を形成した状態の製造装置を示す
断面図である。
【図7】ステンレス鋼板製単位板の基板に形成された周
溝の例と、該周溝に対応して製造装置の下型および上型
に形成された凸条または凹溝の例を示す部分断面図であ
る。
【図8】ステンレス鋼板からなる単位板によって組み立
てられたステンレス製貯留タンクの一例を一部破断して
示す斜視図である。
【図9】ステンレス鋼板からなる単位板によって組み立
てられた他のステンレス製貯留タンクの縦断面図であ
る。
【図10】ステンレス鋼板からなる他の単位板の製造工
程において、接合縁の折り曲げ工程直前の状態を示す板
材の平面図(他の単位板の展開図)である。
【図11】図10に示した板材から他の単位板を製造す
る際の工程を説明する斜視図である。
【図12】もう一つの単位板を示す平面図、正面図、平
面図のB−B線断面図および接合縁の折り曲げ工程直前
の状態を示す平面図である。
【図13】従来の貯留タンクの一例を一部省略して示す
斜視図である。
【図14】従来のステンレス製貯留タンクの単位板を板
取りした状態を示す平面図である。
【符号の説明】
11 単位板 12 基板 121 周溝 122 膨出部 13 接合縁 131 外周縁 132,132a,132b 側端縁 20 製造装置 21 下型 22 下型本体 22a 凹陥部 22x 下型本体の上面 23 外型 23x 外型の上面 24 昇降部材 24a 凸条 24x 昇降部材の上面 25 上型 25a 凹溝 26 中型 261 膨出部 L 液体 S シール材 T 貯留タンク Ta 側壁 Tb 底壁 Tc 天井壁 Td 仕切り壁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直角四辺形の基板と、該基板の直交する
    二辺もしくは三辺または四辺に連続する複数の接合縁と
    を有するように板取りされるとともに、基板の周縁近傍
    に断面凹状の周溝が形成されたステンレス鋼板からなる
    板材を、液体が注入された凹陥部を有する下型に載置
    し、上型を下降させて板材の基板の周縁部を下型と上型
    との間で押圧保持し、板材の周溝を下型および/または
    上型に形成された凸条もしくは凹溝によって位置決めし
    た後、膨出部を有する中型を下降させて板材の基板の周
    溝の内方に膨出部を形成し、基板に対して接合縁を折り
    曲げて単位板とすることを特徴とするステンレス鋼板製
    単位板の製造方法。
  2. 【請求項2】 直角四辺形の基板と、該基板の直交する
    二辺もしくは三辺または四辺に連続する複数の接合縁と
    を有するように板取りされるとともに、基板の周縁近傍
    に断面凹状の周溝が形成されたステンレス鋼板からなる
    板材を、液体が注入された凹陥部を有する下型に載置
    し、上型を下降させて板材の基板の周縁部を下型と上型
    との間で押圧保持し、板材の周溝を下型および/または
    上型に形成された凸条もしくは凹溝によって位置決め
    し、基板に対して接合縁を上方に向けて垂直に折り曲
    げ、次いで、中型を下降させて板材の基板の周溝の内方
    に膨出部を形成することを特徴とするステンレス鋼板製
    単位板の製造方法。
  3. 【請求項3】 直角四辺形の基板と、該基板の直交する
    二辺もしくは三辺または四辺に連続する複数の接合縁と
    を有するように板取りされるとともに、基板の周縁近傍
    に断面凹状の周溝が形成されたステンレス鋼板からなる
    板材から単位板を製造する製造装置であって、液体を溜
    めるための凹陥部を有する下型本体と、下型本体の外方
    に設けられ、下型本体の上面よりも高い位置に上面を有
    する外型と、下型本体と外型との間に設けられ、上面が
    外型の上面と同位置もしくは外型の上面よりも高い位置
    と下型本体の上面との間を昇降可能な昇降部材と、から
    なる下型と、下型の昇降部材に臨んで昇降自在に設けら
    れた上型と、下型の下型本体の凹陥部に臨んで昇降自在
    に設けられ、膨出部を有する中型と、から構成され、前
    記下型の昇降部材の上面および/または上型の下面に
    は、板材の周溝に対応する凸条もしくは凹溝が形成され
    てなり、上型を下降させて板材の基板の周縁部を下型と
    上型との間で押圧保持し、板材の周溝を下型および/ま
    たは上型に形成された凸条もしくは凹溝によって位置決
    めした状態で下降させることにより、基板に対して接合
    縁を上方に向けて垂直に折り曲げ、次いで、中型を下降
    させて板材の基板の周溝の内方に膨出部を形成すること
    を特徴とするステンレス鋼板製単位板の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記下型の下型本体の上面に凹陥部を包
    囲する1条または複数条のシール材が配設されているこ
    とを特徴とする請求項3記載のステンレス鋼板製単位板
    の製造装置。
JP11210943A 1999-07-26 1999-07-26 ステンレス鋼板製単位板の製造方法およびその製造装置 Pending JP2001031189A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11210943A JP2001031189A (ja) 1999-07-26 1999-07-26 ステンレス鋼板製単位板の製造方法およびその製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11210943A JP2001031189A (ja) 1999-07-26 1999-07-26 ステンレス鋼板製単位板の製造方法およびその製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001031189A true JP2001031189A (ja) 2001-02-06

Family

ID=16597671

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11210943A Pending JP2001031189A (ja) 1999-07-26 1999-07-26 ステンレス鋼板製単位板の製造方法およびその製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001031189A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020086985A (ko) * 2001-05-12 2002-11-21 주식회사 삼화기계 스테인레스 강판제 물탱크
JP2014213346A (ja) * 2013-04-24 2014-11-17 Jfeスチール株式会社 自動車外板部品の成形方法
JP2015077627A (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 Jfeスチール株式会社 パネルの製造方法及びブランク材
CN109570379A (zh) * 2018-12-27 2019-04-05 广东永强奥林宝国际消防汽车有限公司 一种罐体封头冲压模具及罐体封头的冲压工艺

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020086985A (ko) * 2001-05-12 2002-11-21 주식회사 삼화기계 스테인레스 강판제 물탱크
JP2014213346A (ja) * 2013-04-24 2014-11-17 Jfeスチール株式会社 自動車外板部品の成形方法
JP2015077627A (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 Jfeスチール株式会社 パネルの製造方法及びブランク材
CN109570379A (zh) * 2018-12-27 2019-04-05 广东永强奥林宝国际消防汽车有限公司 一种罐体封头冲压模具及罐体封头的冲压工艺
CN109570379B (zh) * 2018-12-27 2024-05-14 广东永强奥林宝国际消防汽车有限公司 一种罐体封头冲压模具及罐体封头的冲压工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW200932394A (en) Apparatus and method for manufacturing square necked-in cans
JP2001031189A (ja) ステンレス鋼板製単位板の製造方法およびその製造装置
US20040181870A1 (en) Blank for a sink
US20120147532A1 (en) Electronic device housing and manufacturing method thereof
MXPA04006949A (es) Esquinera para colchones y metodo de obtencion de la misma.
KR102106141B1 (ko) 바닥 고정식 내진형 저수조
JP2007100388A (ja) 壁パネルの連結構造
JP4339088B2 (ja) 樹脂ボードの端末構造及び端末処理方法
US4203379A (en) Metal tub made from flat metal sheets
JP4502769B2 (ja) 建築用パネルユニット及びその製造方法
JPH0291353A (ja) フロアパネル
JP7201218B2 (ja) シール部材、浴室用シール構造、シール部材セット、およびシール部材セットの製造方法。
CN114571656B (zh) 集装箱保温发泡方法及工装套件
JP2000226928A (ja) フリーアクセスフロア用パネル
JP6159899B1 (ja) コンクリート打継用スペーサー
DE1461798A1 (de) Verfahren und Vorrichtung zum Herstellen eines mit tiefgezogenem Deckel verschlossenen Behaelters aus schweiss- oder siegelfaehigem Material
JP6282089B2 (ja) フロアパネル
JPH0849395A (ja) 二重床用コンクリートパネル
JPH07237196A (ja) フォーム材の打抜加工方法及び装置
JP3008151U (ja) 発泡樹脂製の重箱
JPS63220934A (ja) 伸縮継手の製作方法
CN114753530A (zh) 金属幕墙圆角四企口夹芯板拼装结构及其成型工艺
CN114575624A (zh) 墙板单元、墙板单元的制造方法、浴室墙面、整体浴室
JPH05321447A (ja) フリーアクセスフロア用パネル及びその製作方法
JPH08226142A (ja) 雨水の有効利用貯水槽及びその組立方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060509

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080122

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080520