JP2001025880A - スポット溶接装置 - Google Patents

スポット溶接装置

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張 裕 二 小
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裕 馬久地
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牧 義 夫 坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接中における溶接状態の良否判定を簡単且
つ正確に行なうことができるスポット溶接装置を提供す
ること。 【解決手段】 溶接中の電極チップ3の振動を検出する
溶接振動検出手段としての加速度センサ9Aと、加速度
センサ9Aで検出した溶接振動波形が予め定めた溶接強
度の設計値を満足する溶接振動パターンであるか否かを
判定する溶接良否判定手段10Aを備えたスポット溶接
装置とし、被溶接材W1,W2の表面状態や電極チップ
3の磨耗や変形などの影響を受けることなく、溶接中に
おける溶接状態の良否判定を簡単に且つ正確に行うこと
を実現した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接中において、
その溶接状態の良否を判定する機能を備えたスポット溶
接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スポット溶接は、鋼板を使用した種々の
製品の製造で実施されている。被溶接材として主に軟鋼
板が使用されていたときには、溶接不良も少なく、溶接
条件を一定に管理すれば良好な溶接品質を比較的安定し
て保つことができた。しかし、近年では、軟鋼板に代わ
って亜鉛メッキ鋼板や高張力鋼板あるいはアルミニウム
などの難溶接材を使用することが多くなり、これに伴っ
て溶接の品質管理が難しくなってきていることから、単
に溶接条件を一定に管理するだけではなく、溶接中にお
けるスポットナゲットの形成状況を直接的に監視して溶
接状態の良否を判定する手段が研究開発されている。
【0003】従来のスポット溶接装置において、溶接状
態の良否を判定する手段としては、例えば、(1)電極
チップ間の溶接電流および溶接電圧を測定してチップ間
の抵抗を求め、その変化パターンに基づいて溶接状態の
良否を判定するもの、(2)溶接電流または溶接電圧を
予め設定した基準電流または基準電圧の時間的変化と比
較し、その差が許容値内か否かにより溶接状態の良否を
判定するもの、(3)溶接電流とは別に電極チップ間に
測定用電流を流してチップ間の抵抗を測定し、その抵抗
の変化に基づいて溶接状態の良否を判定するもの、
(4)被溶接材の溶接中の金属変態、溶融あるいは凝固
により発生する弾性波(Acoustic Emission)を検出し、
弾性波のエネルギーに基づいて溶接状態の良否を判定す
るもの(特開昭54−158349号公報)、また、弾
性波の発生パルスのカウント値が溶接強度に比例するこ
とを利用して良否を判定するもの(Testing Resistance
Spot Welds Using Stress Wave Emission(SWE) Techniq
ues,Materials Evaluation/March 1978 P41)、等があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな従来の溶接状態良否判定手段、つまり溶接電流や溶
接電圧に基づいて溶接状態の良否を判定する手段を備え
たスポット溶接装置にあっては、被溶接材の種類ごとに
綿密な予備実験を行ない、溶接状態の良否の判定基準を
予め求めておくという作業が不可欠となる。この際、単
に被溶接材の種類のみならず、錆や汚れなどの表面状態
および電極チップの摩耗や変形といった不確定要素によ
るチップ間抵抗の変化を考慮する必要がある。しかしな
がら、実際の予備実験では、これらの不確定要素による
チップ間の抵抗の変化まで予測するのが難しく、上記不
確定要素を判定基準になるべく盛り込むために多くの手
間と時間が費やされていた。また、予備実験によって得
た判定手段にあっても、適用範囲が比較的狭くて実用性
に乏しいため、実際の溶接現場においては、溶接不良を
避けるために、多少のコストをかけてでも過剰な溶接条
件を設定せざるを得ないのが現状であった。
【0005】また、弾性波に基づいて溶接状態の良否判
定をする手段にあっては、被溶接材の溶融と直結した物
理現象を判定対象としている点は望ましいが、扱う信号
が微小で且つ高周波信号であることから、回路が複雑で
高価であり、加えて溶接時の種々の音響雑音の影響を受
けるために、適用する環境、材料および検出時期の制約
があり、溶接現場への普及には至っていない。
【0006】このため、従来にあっては、溶接状態の良
否を判定するうえでの作業の簡略化や判定精度の向上、
溶接現場環境への適用性の向上などが要望されていた。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記従来の状況に鑑みて成さ
れたもので、溶接中における溶接状態の良否判定を簡単
且つ正確に行なうことができるスポット溶接装置を提供
することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるスポット
溶接装置は、請求項1として、被溶接材を対向する挟持
部にそれぞれ取り付けられた電極チップで加圧して抵抗
加熱により溶着させるスポット溶接装置において、溶接
中の電極チップの振動を検出する溶接振動検出手段と、
溶接振動検出手段で検出した溶接振動波形が予め定めた
溶接強度の設計値を満足する溶接振動パターンであるか
否かを判定する溶接良否判定手段を備えた構成とし、請
求項2として、溶接良否判定手段が、溶接振動検出手段
で検出した溶接振動波形の振幅レベルに基づいて溶接状
態の良否判定を行なう構成とし、請求項3として、溶接
良否判定手段が、溶接振動検出手段で検出した溶接振動
波形の包絡線の時間変化パターンに基づいて溶接状態の
良否判定を行なう構成とし、請求項4として、溶接良否
判定手段が、溶接振動検出手段で検出した溶接振動波形
の周波数分布の時間変化に基づいて溶接状態の良否判定
を行なう構成とし、請求項5として、溶接良否判定手段
が、加圧側挟持部の質点の固有振動周波数に基づいて溶
接状態の良否判定を行なう構成とし、請求項6として、
溶接良否判定手段が、溶接振動検出手段で検出した溶接
振動波形の振幅レベル、溶接振動波形の包絡線の時間変
化パターン、溶接振動波形の周波数分布の時間変化、加
圧側挟持部の質点の固有振動周波数、および前記固有振
動周波数の時系列変化のうちの少なくとも1つに基づい
て溶接状態の良否判定を行なうと共に、その判定結果に
基づいて溶接制御手段による溶接電流、通電時間および
加圧力のうちの少なくとも1つをフィードバック制御す
る構成とし、請求項7として、電極チップ整形交換判定
手段が、加圧側挟持部の質点の固有振動周波数が溶接電
流通電開始から所定の周波数に達するまでの時間に基づ
いて電極チップの整形あるいは交換時期の判定を行なう
構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決す
るための手段としている。
【0009】また、本発明に係わるスポット溶接装置
は、請求項8として、溶接良否判定手段が、溶接振動検
出手段で検出した溶接振動波形の包絡線を所定の期間内
で定積分した結果に基づいて、溶接状態の良否判定を行
なう構成とし、請求項9として、溶接良否判定手段が、
加圧側挟持部の質点の固有振動周波数あるいは高次振動
周波数の包絡線を所定の期間内で定積分した結果に基づ
いて溶接状態の良否判定を行なう構成とし、請求項10
として、請求項8および請求項9に記載のスポット溶接
装置において定積分する期間がナゲット形成開始時刻か
らナゲット成長飽和時刻の間とした構成とし、請求項1
1として、溶接良否判定手段が、時間カウンタにより計
測された時間に基づいて溶接状態の良否判定を行なう構
成とし、請求項12として、電極チップ整形交換判定手
段が、請求項11に記載のスポット溶接装置において時
間カウンタにより計測された時間に基づいて電極チップ
の整形あるいは交換時期の判定を行なう構成とし、請求
項13として、溶接良否判定手段が、上記電流量に基づ
いて溶接状態の良否判定を行なう構成とし、請求項14
として、溶接良否判定手段が、電極チップに対する溶接
電流の通電を示す信号、若しくは電極チップへの加圧を
示す信号のいずれか1つ以上の信号が有効である場合
に、溶接状態の良否判定を行なう構成とし、請求項15
として、溶接電流通電停止指令を出力する溶接電流停止
指示回路が、溶接電流の通電開始時刻から溶接振動検出
手段で検出した溶接振動波形の振幅拡大開始時刻若しく
は振幅飽和時刻から所定の時間経過後に溶接電流の通電
停止を行なう構成としており、上記構成をもって従来の
課題を解決するための手段としている。
【0010】さらに、本発明に係わるスポット溶接装置
は、請求項16として、溶接振動検出手段が、溶接中に
おける電極チップの加速度を検出する加速度センサを備
えている構成とし、請求項17として、溶接振動検出手
段が、溶接中における電極チップの変位を検出する変位
センサを備えている構成とし、請求項18として、溶接
振動検出手段が、溶接中における電極チップの加圧力を
検出する圧力センサを備えている構成とし、請求項19
として、溶接振動検出手段が、溶接中における電極チッ
プと加圧源との間の歪を検出する歪ゲージを備えている
構成とし、請求項20として、溶接振動検出手段が、各
々の電極チップの加速度を検出する2個の加速度センサ
を備えると共に、両加速度センサの出力の差から溶接中
の振動を検出する構成とし、請求項21として、溶接振
動検出手段が、溶接中における電極チップと振動周波数
を検出する振動センサを備えている構成とし、請求項2
2として、溶接振動検出手段が、検出対象周波数と共振
する共振機構を備えた構成とし、請求項23として、溶
接振動検出手段が、共振周波数を可変にできる共振周波
数可変機構を備えた構成としており、上記構成をもって
従来の課題を解決するための手段としている。
【0011】さらに、本発明に係わるスポット溶接装置
は、請求項24として、溶接振動検出手段が、溶接振動
の減衰量が少なく且つ交換な不要である部位として、電
極チップ近傍の電極チップアダプタ等の非消耗加圧部材
に取り付けてある構成とし、請求項25として、溶接振
動検出手段の感度軸を、溶接電流の通電経路で構成する
電流ループ平面の面内方向に合わせた構成とし、請求項
26として、溶接電流2次回路が接地されているスポッ
ト溶接装置において、溶接振動検出手段を接地している
電極側に取り付けた構成としており、上記構成をもって
従来の課題を解決するための手段としている。
【0012】本発明に係わるスポット溶接装置は、周期
的な溶接電流による被溶接材の溶融進行や被溶接材を加
圧挟持した際の振動変化や、電磁作用による溶融池内部
の攪拌振動、および熱膨張変化に起因する振動などのよ
うに、スポットナゲットの形成時における普遍的な現象
により発生する振動を検出する。すなわち、加速度セン
サ等の溶接振動検出手段により、溶接中における電極チ
ップの振動を直接的にまたは間接的に検出する。そし
て、溶接良否判定手段において、溶接振動波形の溶接振
動パターン等に基づいて溶接状態の良否を判定する。ま
た、電極チップの整形交換判定手段において、加圧挟持
した際に検出される固有振動周波数が溶接電流通電開始
から所定の周波数に達するまでの時間等に基づいて電極
チップの整形あるいは交換時期の判定を行なう。したが
って、予備実験において、例えば、溶接状態が良好であ
る場合と不良である場合の溶接振動波形を求め、その波
形に基づいて溶接振動パターンなどを取得し、これらを
判定基準として用いることができる。
【0013】
【発明の効果】本発明の請求項1〜5、請求項8〜11
および請求項13〜15に係わるスポット溶接装置によ
ると、電極チップの振動を検出して溶接状態の良否判定
を行なうことから、被溶接材の表面における錆や汚れあ
るいは電極チップの摩耗や変形などの不確定要素の影響
をほとんど受けることなく、簡単に且つ正確に溶接状態
の良否を判定することができる。これにより、判定基準
を定めるための予備実験を大幅に簡素化することができ
ると共に、溶接コストの低減を実現することができ、溶
接品質の向上にも貢献することができる。また、既存の
スポット溶接装置に判定機能を付加することもきわめて
容易に行なうことができ、設備費のさらなる節減なども
実現し得る。
【0014】本発明の請求項6に係わるスポット溶接装
置によると、溶接良否判定手段の判定結果に基づいて電
極チップに対する溶接電流等をフィードバック制御する
ことから、良好な溶接状態が得られるように自動制御が
行なわれることとなり、溶接不良の発生を著しく低減す
ることができ、さらなる低コストおよび溶接品質の向上
が実現し得る。
【0015】本発明の請求項7および請求項12に係わ
るスポット溶接装置によると、電極チップ先端の劣化判
定を行なうことにより、効率の良い電極チップ先端の整
形または電極チップの交換が実現し得る。
【0016】本発明の請求項15に係わるスポット溶接
装置によると、溶接良否判定において、良と判定された
場合、それ以降の溶接電流制御は予備実験で求めた所定
の制御量をもって通電停止させることにより、溶接不良
を出さずに溶接電力の節約が実現し得る。
【0017】本発明の請求項16〜23に係わるスポッ
ト溶接装置によると、請求項1〜15と同様の効果を得
ることができるうえ、さらに各々の溶接振動検出手段に
より溶接中の電極チップの振動が正確に検出され、溶接
状態の良否判定を高精度で行なうことが実現し得る。
【0018】本発明の請求項24および25に係わるス
ポット溶接装置によると、被溶接材との干渉を避けつつ
溶接振動を最も良好な感度で検出することができ、これ
により良否判定手段の回路構成を簡素化することができ
ると共に、信頼性の高い判定結果を得ることができる。
さらに、溶接振動検出手段を電極チップ近傍の非消耗性
加圧部材に取付けたため、溶接振動検出手段が電極チッ
プの頻繁な整形や交換の障害になることがないという効
果がもたらされる。
【0019】本発明の請求項26に係わるスポット溶接
装置によると、溶接振動検出手段を電極チップ近傍に取
付ける際に、溶接電流の漏電防止のために設けている絶
縁材が不要になり、これにより、取付けの自由度の向上
および低コスト化を実現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係わるスポット
溶接装置の一実施例を説明する図である。
【0021】図示のスポット溶接装置は、一対の溶接ガ
ンアーム1,2に、対向する電極チップ3,4を備えて
おり、重ね合わせた2枚の被溶接材W1,W2を両電極
チップ3,4で挟んで加圧し、通電による抵抗加熱で両
被溶接材W1,W2を溶着させるものである。一方の溶
接ガンアーム1は、エアーシリンダ5により駆動される
ようになっており、他方の溶接ガンアーム2は、少なく
とも溶接時において固定状態となっている。
【0022】上記スポット溶接装置は、両電極チップ
3,4に対する溶接電流、通電時間および通電タイミン
グを制御する溶接制御手段6と、溶接制御手段6で制御
された1次電流を溶接に必要な電流まで増幅させる溶接
トランス7と、溶接電流の制御を行なうために通電電流
を検出する溶接電流検出トランス8を備えている。
【0023】また、上記スポット溶接装置は、溶接中の
電極チップの振動を検出する溶接振動検出手段として、
可動側の溶接ガンアーム2に加速度センサ9Aが取り付
けてあって、溶接ガンアーム1および電極チップ3の加
速度を検出することで、電極チップ3の振動を検出する
ようになっており、さらに、加速度センサ9Aで検出し
た溶接振動波形に基づいて溶接状態の良否を判定する溶
接良否判定手段10Aを備えると共に、溶接良否判定手
段10Aの判定結果に基づいて溶接制御手段6による溶
接電流および通電時間をフィードバック制御するものと
なっている。
【0024】すなわち、当該スポット溶接装置は、溶接
中において、周期的な溶接電流による被溶接材の溶融進
行や電磁作用による溶融池内部の攪拌振動、および熱膨
張変化に起因する振動などのように、スポットナゲット
の形成時における普遍的な現象により振動が発生するこ
とから、その振動を検出して溶接状態の良否を判定する
ものとなっている。したがって、溶接良否判定手段10
Aには、振動に基づいて溶接状態の良否を判定し得る判
定基準が設けられている。その判定基準を取得するため
の予備実験の結果を図24〜図28に示す。
【0025】図24は、厚さ1.6mmのSPCC鋼板
(冷延鋼板)に対して溶接電流を変化させて溶接を行な
い、それぞれのスポットナゲットの形成状態と、溶接振
動波形と、溶接振動波形の振幅スペクトルを示したもの
である。また、図25は、図24(a)に示す溶接不可
の場合と、図24(c)に示す溶接合格の場合におい
て、双方の溶接振動波形の振幅スペクトルを溶融開始期
とスポットナゲット形成進行期とに分けて対比したもの
である。
【0026】図24から明らかなように、溶接振動波形
の特徴としては、溶接振動波形の振幅レベルとスポット
ナゲット形成との相関、溶接振動波形の包絡線の時間変
化パターンとスポットナゲット形成との相関、溶接振動
波形の周波数分布の時間変化とスポットナゲット形成と
の相関が挙げられる。
【0027】また、図25から明らかなように、スポッ
トナゲット形成状態が不可の場合には、溶融開始期
(a)とスポットナゲット形成進行期(c)の振幅スペ
クトルに大きな違いは見られないが、スポットナゲット
形成状態が合格の場合には、溶融開始期(b)に対して
スポットナゲット形成進行期(d)の振幅スペクトルに
違いを確認できる。
【0028】さらに、図26〜図28は、厚さ0.8m
mのSPCC鋼板、厚さ1.6mmのSPCC鋼板、お
よび表面処理が施された厚さ1.6mmのSPFH49
0相当の高張力鋼板を被溶接材として、同様の溶接実験
を行った結果を示すものである。このように、被溶接材
の板厚や種類が変わっても、図24に示した溶接振動波
形と同様の振動の特徴が確認されている。つまり、溶接
作用に起因する振動を判定対象とすることで、被溶接材
の種類ごとに設定する判定基準のパラメータを少なくす
ることができる。
【0029】上記構成を備えたスポット溶接装置は、加
速度センサ9Aによって溶接中における電極チップ3の
振動を検出し、溶接良否判定手段10Aにおいて、検出
した溶接振動波形が予め定めた溶接強度の設計値を満足
する溶接振動パターンであるか否かを判定する。あるい
は、溶接振動波形の全域または任意のタイミングにおけ
る振幅レベルが予備実験で求めた合格の判定レベルにあ
るか否かを判定する。あるいは、溶接振動波形の包絡線
の時間変化パターンが予備実験で求めた合格の判定パタ
ーンを呈しているか否かを判定する。あるいは、溶接振
動波形の周波数分布の時間変化パターンが予備実験で求
めた合格の判定パターンを呈しているか否かを判定す
る。
【0030】なお、溶接振動波形の包絡線の時間変化パ
ターンによる判定は、図24(d)〜(f)の振幅スペ
クトルにおいて、溶接電流の2倍の周波数でありかつ溶
接振動の主成分である振動周波数A1〜A3に対して、
その包絡線変化の発生因子となる干渉周波数B1〜B3
の振幅レベルあるいは周波数によっても認識することが
可能である。また、溶接振動波形の周波数分布の時間変
化による判定は、図25(b)(d)に示す振幅スペク
トルにおいて、任意の特徴的な周波数C3の振幅レベル
の時間的変化を判定対象として選択し、この周波数C3
が予備実験で求めた所定のタイミングにおいて合格の判
定レベルにあるか否かで溶接状態の良否を判定すること
が可能である。
【0031】このように、上記スポット溶接装置は、溶
接作用に起因する振動を判定対象とすることで、被溶接
材の表面における錆や汚れあるいは電極チップの摩耗や
変形などの不確定要素の影響をほとんど受けることな
く、簡単且つ正確に溶接状態の良否を判定し得るものと
なっている。また、溶接良否判定手段10Aにより、溶
接振動波形の振幅レベル、溶接振動波形の包絡線の時間
変化パターン、および溶接振動波形の振幅レベル、溶接
振動波形の周波数分布の時間変化のうちの少なくとも1
つに基づいて溶接状態の良否判定を行ったのち、その判
定結果に基づいて溶接制御手段6による溶接電流および
通電時間をフィードバック制御することにより、一旦溶
接不良と判定した場合でも、その溶接が良好に行なわれ
るように自動制御が行なわれる。これにより、溶接不良
の発生が著しく低減されることとなる。
【0032】図2〜4は、本発明に係わるスポット溶接
装置の溶接良否判定手段の具体的な一実施例を説明する
回路図である。
【0033】図2の溶接良否判定手段10Bは、溶接振
動波形の振幅レベルを判定対象とするものであって、溶
接振動検出手段9Xの検出信号から判定に必要な振動周
波数成分を抽出するバンドパスフィルタ11と、バンド
パスフィルタ11で抽出した振動信号の振幅レベルを得
るための振幅検波回路12と、予備実験で求めた良否判
定の基準レベルを設定する判定レベル設定器13と、振
幅検波回路12からの振幅レベルと判定レベルを比較す
る電圧コンパレータ14と、溶接電流通電後の比較タイ
ミングを設定するためのタイマー15と、タイマー15
から比較タイミングを得て良否判定比較結果に基づいて
溶接状態の良否判定を行なうレベル良否判定回路16を
備えている。この溶接良否判定手段10Bは、溶接振動
検出手段9Xにより検出した溶接振動波形を振幅レベル
信号に変換し、振幅レベルと判定レベルと比較した結果
を所定のタイミングにおいて評価することで、溶接状態
の良否判定を行なう。
【0034】図3の溶接良否判定手段10Cは、溶接振
動波形の周波数分布の時間変化を判定対象とするもので
あって、回路構成を簡素化するために判定対象を特定の
周波数に絞り、その代わりに周波数を選択し得るように
してあり、図2に示す回路構成に、バンドパスフィルタ
11の通過周波数を調整するための周波数設定回路17
を付加した構成になっている。
【0035】ここで、包絡線による良否判定は、図24
に示す包絡線の時間軸の変化で捕らえる手段の他に周波
数軸で捕らえる手段がある。包絡線の変化は、図24の
振幅スペクトルに示すところの主溶接振動周波数A1
(〜A3)と別の溶接振動周波数B1(〜B3)の干渉
により発生しているので、通常のスポット溶接の設定条
件のように、溶接電流によって、主溶接振動周波数A1
(〜A3)の周波数および振幅がほぼ一定となる条件下
では、干渉溶接振動周波数B1(〜B3)の周波数およ
び振幅は、包絡線の周波数および振幅に比例していると
みなすことができる。
【0036】したがって、バンドパスフィルタ11で干
渉溶接振動周波数B1(〜B3)を抽出するように周波
数設定回路17を設定することで、包絡線に比例した干
渉周波数の振幅レベルによる溶接状態の良否判定が行な
われる。また、図25の振幅スペクトルに示す任意の周
波数C3を抽出するように周波数設定回路17を設定す
れば、抽出信号と判定レベルの比較結果から上記周波数
C3の変化量から、溶接状態の良否判定を行なうことが
可能になる。
【0037】図4の溶接良否判定手段10Dは、溶接振
動波形の包絡線の時間変化パターンを判定対象とするも
のであって、バンドパスフィルタ11と、バンドパスフ
ィルタ11で抽出した振動信号の包絡線を得るための振
幅検波回路12と、溶接電流の通電開始から判定パター
ンの発信開始に至った際にトリガ信号を出力するトリガ
発生回路21と、トリガ信号を受けて予備実験で求めた
判定パターンを発信する判定パターン発信器22と、溶
接振動信号の包絡線と判定パターンの差を得るための演
算器23と、演算器23の出力から溶接状態の良否判定
を行なうパターン良否判定回路24を備えている。この
溶接良否判定手段10Dは、溶接振動検出手段9Xによ
り検出した溶接振動波形を周波数の包絡線信号に変換
し、この包絡線の時間変化パターンと判定パターンとの
比較においては、演算器23による双方の差分が所定の
変動幅以内にあるか否かを評価することで、溶接状態の
良否判定を行なう。
【0038】図5は、本発明に係わるスポット溶接装置
の溶接良否判定手段の他の実施例を説明する回路図であ
る。
【0039】図示の溶接良否判定手段10Eは、とく
に、1つのスポット溶接装置で多種多様な被溶接材の溶
接に適用し得るものであって、先の実施例の振幅レベル
を判定対象とする振幅レベル判定型良否判定回路31
と、同じく先の実施例の包絡線の時間変化パターンを判
定手段とする包絡線判定型良否判定回路32と、同じく
先の実施例の周波数分布の時間変化を判定対象とする周
波数分布判定型良否判定回路33を備えている。
【0040】また、溶接良否判定手段10Eは、それぞ
れの良否判定回路31〜33による判定モードに応じた
判定データを記憶する判定基準記憶回路34と、被溶接
材の材質、厚さ、および表面処理等に応じた判定モード
および判定基準の選択を行なう判定モード制御回路35
と、判定モード制御回路35からの指示モードにしたが
って各良否判定回路31〜33の判定結果を評価すると
共に最終的な溶接状態の良否判定を行なう総合判定回路
36を備えている。
【0041】上記の溶接良否判定手段10Eは、被溶接
材ごとに予備実験で求めた判定条件から、どの良否判定
回路31〜33の判定結果が最適であるか、あるいはど
の良否判定回路31〜33の組合わせの判定結果が最適
であるかを吟味し、被溶接材に対応した最適な良否判定
回路31〜33を選択することにより、多種多様な被溶
接材を連続的に溶接する場合でも溶接状態の良否判定を
実行し得るものとなっている。なお、良否判定回路31
〜33には、他の請求項5の質点の固有振動周波数を判
定要素とする判定回路、請求項8の溶接振動波形の包絡
線を所定の期間で定積分した結果を判定要素とする判定
回路、請求項9の質点の固有振動周波数あるいは高次数
振動周波数の包絡線を所定の期間で定積分した結果を判
定要素とする判定回路、請求項11の溶接振動波形の振
幅拡大開始時刻までの時間を判定要素とする判定回路、
請求項13の溶接振動波形の振幅拡大開始時刻までの溶
接電流量を判定要素とする判定回路を追加または置き換
えが可能であることは言うまでもない。
【0042】図6は、本発明に係わるスポット溶接装置
の溶接良否判定手段の他の実施例を説明する回路図であ
る。
【0043】図示の溶接状態良否判定手段10Fは、図
2〜5に示すものがいずれもハードウエアによる構成で
あるのに対して、信号処理および溶接良否判定処理をソ
フトウエアにて行なう構成となっており、良否判定に必
要な振動周波数成分の抽出ならびにアナログ/デジタル
変換時のアリアス(alias)を防止するバンドパス
フィルタ11と、振動信号をデジタルデータに変換する
ためのA/D変換器42と、デジタルフィルタリングま
たは周波数分析とその結果に基づいて溶接状態の良否判
定を行なうためのソフトウエアを有するデジタルシグナ
ルプロセッサ43を備えている。
【0044】上記溶接状態良否判定手段10Fによる処
理過程を図7に示すフローチャートにおいて説明する。
【0045】すなわち、ステップS1において溶接プロ
セスが開始されると、ステップS2において、アナログ
・デジタル変換器で振動信号を離散数値化し、ステップ
S3において、デジタル処理を行って必要な周波数の振
幅情報を抽出する。その後、ステップS4において、判
定のタイミングに達したか否かを判定し、タイミングに
達していない場合(No)にはステップS2に戻り、タ
イミングに達している場合(Yes)にはステップS5
に進んで振幅が合格レベルであるか否かを判定する。こ
のステップS5において振幅が合格レベルである場合
(Yes)には、ステップS6に進んで合格判定をし、
さらにステップS7に進んで次の溶接プロセスに移行す
る。
【0046】また、ステップS5において振幅が合格レ
ベルではない場合(No)には、ステップS8に進んで
不合格判定をしたのち、ステップS9においてその不合
格判定が始めてか否かを判定する。このステップS9に
おいて、その不合格判定が初めてである場合(Yes)
には、ステップS10に進んで修正溶接プロセスに移行
する。つまり、溶接良否判定手段10により溶接制御手
段6をフィードバック制御し、良好な溶接が行なわれる
ように溶接電流および通電時間を変更する。そして、ス
テップS9において、不合格判定が初めてではない場合
(No)には、先に修正溶接プロセスを経たにもかかわ
らず不合格判定を受けたことになるから、ステップS1
1に進んで修正不可能と判断し、溶接不良時の処理を行
なう。
【0047】なお、この実施例の溶接状態良否判定手段
10Fにおけるデジタルシグナルプロセッサ43は、汎
用の信号の処理ICやパーソナルコンピュータに置換え
ることが可能であり、これにより、汎用性に富むと共
に、リアルタイム処理を行なうことができる高速信号処
理システムを安価に得ることが可能である。
【0048】図8に、本発明に係わるスポット溶接装置
の溶接良否判定手段の他の実施例を説明する。
【0049】図8は、図1に示すスポット溶接機の溶接
振動検出手段が振動センサ9Iとなっているものであ
り、他の記号は図1と同じである。図29(a)は図8
に示すスポット溶接装置において、被溶接材W1,W2
を加圧挟持したときの溶接機全体を簡略化した振動モデ
ルとして表したものである。ここでkaは加圧用エアー
シリンダ5の空気ばね定数を、muは加圧側挟持部の総
質量を、knは被溶接材W1,W2の弾性率から換算し
たナゲット部108のバネ定数を示す。また、図29
(b)はナゲット部108のばね定数knの模式図を示
す。この図29(b)から、ばね定数knはナゲット形
成状態に応じて値が動的に変化する可変ばね要素と見る
ことができる。次に加圧側挟持部質量muとばね定数k
nとの振動周波数分布のモデル図を図30に示す。ここ
でfnは加圧側挟持部質量muとばね定数knの1次の
固有振動周波数を示し、その周波数は図29(a)にお
いて空気ばね定数kaが小さい場合、概略以下の式で求
めることができる。
【0050】
【式1】
【0051】つまり加圧側挟持部質量muが一定である
溶接機では固有振動周波数fnはナゲット形成状態を表
す信号と言える。
【0052】また電極チップ3,4と被溶接材W1,W
2は圧接しているためナゲット部のばね定数knの復元
力は接触点を原点とする非対称非線形と考えられる。こ
のためfnの整数高次の振動周波数が発生する。なお実
際の振動周波数分布にはさらに電磁振動や溶接機の他の
固有振動周波数が混在しているが、ここでは説明を容易
にするために省略してある。
【0053】ここで、前記ばね定数knがナゲット形成
状態に応じて変化し、その変化が前記加圧側挟持部の質
点の1次の固有振動周波数fnの変化、つまり溶接が開
始されナゲット形成部の金属が溶融するとばね定数kn
が低下することに着目して、予備実験で求めた合格ナゲ
ット形成時と同等か否かを前記固有振動周波数fnを比
較することで溶接状態の良否判定を行なう。
【0054】ここで、加圧側挟持部の質点とは加圧側挟
持部の振動を考えるうえで加圧側挟持部の形、大きさを
無視し、その1点のみで代表させ、加圧側挟持部の質量
muという力学的性質だけで持たせた仮想の点をいう。
【0055】図9は、上記発明をスポット溶接装置の溶
接良否判定手段に実施した例を説明する回路図である。
【0056】この実施例ではナゲット形成状態を反映し
て振動するスポット溶接装置の加圧側挟持部の固有振動
周波数fnを判定対象とするものである。図示の溶接良
否判定手段10Gは、前記加圧側挟持部に取り付けた溶
接振動検出手段9Xの検出信号から判定に必要な固有振
動周波数fnを抽出する加圧電極振動検出回路200
と、抽出された振動信号を電圧レベルに変換するための
周波数/電圧変換回路201と、予備実験で求めた良否
判定の基準レベルを設定する判定レベル設定器13と、
検出された振動信号の振幅レベルと合格判定レベルを比
較する電圧コンパレータ14と、溶接電流通電後の比較
タイミングを設定するためのタイマー15と、タイマー
15から比較タイミングを得て良否判定比較結果に基づ
いて溶接状態の良否判定を行なうレベル良否判定回路1
6を備えている。この溶接振動検出手段9Xにより検出
された振動波形は加圧電極振動検出回路200、周波数
/電圧変換回路201により固有振動周波数fnに対応
した電圧レベル信号へ変換され、合否判定基準レベルと
比較した結果が所定のタイミングにおいて評価されて溶
接状態の良否判定を行なう。
【0057】図10は前記加圧電極振動検出回路200
の一実施例を示すものである。ナゲット形成状態によっ
て変化する前記固有振動周波数fnのみを検出して出力
するために、前記固有振動周波数fnの下限周波数以下
の振動信号を除去するハイパスフィルタ202と、上限
周波数以上の振動信号を除去するためのローパスフィル
タ203との縦続構成となっている。つまり固有振動周
波数fnのみがフィルタを通過して出力される。これは
前記固有振動周波数fnの変化範囲内において他の振動
成分とのSN比が確保できている場合に有効なもっとも
簡単な構成である。
【0058】図11は前記加圧電極振動検出回路200
の他の実施例を示すものである。振動信号を周波数分布
データへ変換するためのFFT回路204と、前記振動
信号中の定常振動成分の周波数分布データを設定する定
常振動周波数分布設定器205と、FFT回路204の
出力する周波数分布データから定常振動成分を除去する
ための周波数分布減算器206と、減算結果の分布デー
タを振動信号に戻すための逆FFT回路207とから構
成される。したがってナゲット形成状態によって変化す
る前記固有振動周波数fn以外の振動は、定常的に発生
している振動であることから、たとえ定常振動成分が大
きくても、また周波数が重なることがあっても周波数分
布減算器206で差し引かれる。この結果、変動分であ
る前記固有振動周波数fnがSN比を高めて出力され
る。
【0059】図31に前記固有振動周波数fnとばね定
数knの時系列変化の関係を示す。この図より前記固有
振動周波数fnの時系列変化fn(t)を監視すること
でナゲット形成状況をリアルタイムで判定できることが
わかり、よって、合格ナゲットの形成に導くための溶接
インプロセス制御が実現できる。
【0060】図12は、上記発明をスポット溶接装置の
溶接良否判定手段に実施した例を説明する回路図であ
る。
【0061】この実施例では固有振動周波数fnの時系
列変化パターンを合格判定対象とするもので、さらに合
格ナゲットの形成に導くための溶接補正制御指令機能を
有するものである。図示の溶接良否判定手段10Hは、
前記加圧側挟持部に取り付けた溶接振動検出手段9Xの
検出信号から判定に必要な固有振動周波数fnを抽出す
る加圧電極振動検出回路200と、抽出された振動信号
を電圧レベルに変換するための周波数/電圧変換回路2
01と、溶接電流通電開始から合格パターン発生の開始
を指示するトリガ発生回路21と、再生トリガを受けて
合格ナゲット形成時の固有振動周波数fnの時系列変化
を電圧信号として再生する合格パターン発生器209
と、その合格パターンに対する固有振動周波数fnの時
系列変化のずれ量を検出する減算器23と、そのずれ量
からリアルタイムで良否判定を行なうリアルタイム良否
判定回路211と、良否判定結果を受けて、予め設定し
た補正制御論理に基づいた溶接電流、通電時間、加圧力
の補正制御指令を出すインプロセス補正制御回路212
を備えている。この溶接振動検出手段9Xにより検出さ
れた振動波形は加圧電極振動検出回路200、周波数/
電圧変換回路201により固有振動周波数fnに応じた
電圧レベル信号へ変換され、この電圧信号レベルの時系
列変化と合格パターンのずれ量が減算器23で逐次算出
され、リアルタイム良否判定回路211にてそのずれ量
が所定の許容判定以内にあるか否かでナゲット形成過程
の良否判定を行なう。
【0062】したがって溶接振動検出手段9Xにより検
出された振動波形は加圧電極振動検出回路200、周波
数/電圧変換回路201により固有振動周波数fnに応
じた電圧レベル信号へ変換され、この電圧信号レベルの
時系列変化と合格パターンのずれ量が減算器23で逐次
算出され、リアルタイム良否判定回路211にてそのず
れ量が所定の許容範囲以内にあるか否かでナゲット形成
過程の良否判定が行なえる。また不良判定が出た場合は
即座にインプロセス補正制御回路212にて不良分析が
行なわれる。例えば合格パターンとのずれ量がマイナス
方向へ拡大している場合はナゲット形成速度が遅いと判
断できるので、この場合は溶接電流を高める補正制御指
令を出すことでナゲット形成を促進させることができ
る。このようにして積極的に合格ナゲットの形成へ導く
ためのフィードバック制御が可能となる。
【0063】図32は、電極チップ先端の劣化とナゲッ
ト部の溶融開始時刻tm(n)の関係を示す。図示のよ
うに、電極チップ先端の劣化に伴って溶融開始時刻tm
(n)が遅れることに着目すると、前記固有振動周波数
fn(t)が溶融開始時の固有振動周波数fn(tm)
に達する時刻tm(n)が、予備実験で求めた電極チッ
プ使用限界時刻tlに達したか否かにより電極チップ先
端の劣化判定ができる。
【0064】図13は、上記発明をスポット溶接装置の
溶接良否判定手段に実施した例を説明する回路図であ
る。
【0065】この実施例ではナゲット部の溶融開始時刻
における固有振動周波数fn(tm)を判定対象とする
ものである。図示の溶接良否判定手段10Iは、前記加
圧側挟持部に取り付けた溶接振動検出手段9Xの検出信
号から判定に必要な固有振動周波数fnを抽出する加圧
電極振動検出回路200と、抽出された振動信号を電圧
レベルに変換するための周波数/電圧変換回路201
と、前記固有振動周波数fn(tm)に対応した電圧レ
ベルVmを設定する溶融開始時刻判定レベル設定器21
3と、抽出した電圧レベルと溶融開始時刻判定レベルV
mを比較して溶融開始時刻tmを判定する電圧コンパレ
ータ14と、溶接電流通電開始から溶融開始時刻tmま
での時間を計る時間カウンタ214と、時間カウンタの
値が電極チップ使用限界時刻tlに達したか否かで電極
チップの整形または交換時期の判定を行なう電極チップ
整形交換判定回路215と、チップ整形判定履歴を保存
するメモリ216を備えている。
【0066】したがって溶接振動検出手段9Xにより検
出された振動波形は加圧電極振動検出回路200、周波
数/電圧変換回路201により固有振動周波数fnに応
じた電圧レベル信号へ変換され、この電圧信号レベルと
溶融開始時刻判定レベルを比較して溶融開始時刻tmが
検出され続いて通電開始からの時間が求められる。この
時間長さが予め設定してある電極チップ使用限界tlに
達した場合、電極チップ先端が劣化したと判断し電極チ
ップの整形時期と判定する。またこの整形時期の判定累
積回数は履歴としてメモリ216へ保存され、判定累積
が所定の回数に達した場合は電極チップ消耗と判断し交
換時期と判定をする。この判定結果によって効率の良い
電極チップの整形または交換が行なえる。
【0067】図33は、ナゲット形成と相関のある振動
の振幅包絡線を所定期間で定積分した結果と、そのとき
のナゲット径の実測値の関係を示す。図示のように、上
記関係が比例することに着目すると、振幅包絡線を所定
の期間で定積分した結果と比較して溶接状態の良否判定
を行なうことができる。ここで、前記ナゲット形成と相
関のある振動周波数として図30に示す前記固有振動周
波数fnを選択することを提案し、定積分する所定期間
として、図31に示す溶融開始時刻tmからナゲット飽
和時刻tgを選択することを提案することができる。
【0068】ここで、前記固有振動周波数fnを選択す
るにはバンドパスフィルタを使用し、その通過周波数設
定を図31に示すナゲット飽和時刻tgにおける固有振
動周波数fn(tg)に合わせる。これにより不要な振
動周波数を除去すると共に、図34(a)に示すように
フィルタの通過利得作用により、固有振動周波数の変化
fn(t)は振動振幅の変化An(t)に置き換わる。
この結果図34(b)に示すように溶融開始時刻tmか
らナゲット飽和時刻tgにかけて振幅が変化する振動信
号An(t)SIN2πfn(tg)tが得られる。な
おナゲット飽和時刻tg経過後、ナゲットが凝固に転じ
る領域では固有振動周波数が再びfn(tm)側へ移動
するために振動振幅が低下することになる。次に振動信
号An(t)SIN2πfn(tg)tから包絡線An
(t)を抽出し定積分することになるが、このとき、ナ
ゲット形成の良否が明確に現れる期間を定積分期間に選
定することが望ましい。実験の結果、図35に示すよう
に、形成されるナゲット径と平均振動振幅の大きさ、お
よび振動振幅が飽和(最大振幅点)するまでの早さは互
いに比例し、かつ連動することがわかった。この特徴に
着目して定積分期間を溶融開始時刻tmからナゲット飽
和時刻tgに設定することで定積分結果とナゲット径の
良好な相関特性を得ることができる。
【0069】図14は、上記発明をスポット溶接装置の
溶接良否判定手段に実施した例を説明する回路図であ
る。この実施例ではナゲット形成と相関のある振動包絡
線の定積分値を判定対象とするものである。図示の溶接
良否判定手段10Jは、前記加圧側挟持部に取り付けた
溶接振動検出手段9Xの検出信号から判定に必要な振動
信号を抽出するバンドパスフィルタ11と、抽出された
振動信号の包絡線を得るための振幅検波回路12と、包
絡線を所定の期間で積分する定積分回路217と、合格
ナゲット形成時の定積分レベルを設定する合格判定レベ
ル設定器13と、定積分結果と合格判定レベルを比較す
る電圧コンパレータ14と、溶接電流通電後の比較タイ
ミングを決定するためのタイマー15と、比較タイミン
グを得て、合格判定比較結果に基づいて溶接状態の良否
判定を行なうレベル良否判定回路16を備えている。こ
こでバンドパスフィルタ11の通過周波数にはナゲット
飽和時期固有振動周波数fn(tg)を設定し、また定
積分回路217の積分期間にはナゲット溶融開始時刻t
mからナゲット飽和時刻tgまでの期間を設定する。な
お定積分回路217の具体的回路例としては積分リセッ
トスイッチと静電容量素子を用いた電荷蓄積によるアナ
ログ積分回路などが挙げられる。
【0070】したがって、溶接振動検出手段9Xの検出
信号から、バンドパスフィルタ11のサ用により図34
(b)に示すようなナゲット形成に応じて振幅変化する
固有振動周波数信号An(t)sin2πfn(tg)
tが抽出され、続いてその包絡線An(t)の定積分値
がナゲット溶融開始時刻tmからナゲット飽和時刻tg
の期間で計算されて、予備実験にて求めた合格ナゲット
形成時の定積分値と比較される。その比較結果が所定の
タイミングにおいて評価されて溶接状態の良否判定が行
なわれる。なお定積分結果とナゲット径の近似式を求め
ておけばナゲット径の推定値を出力することもできる。
【0071】図36(a)は通電開始時刻からの振動信
号An(t)SIN2πfn(tg)tを示し、図36
(b)は、図36(a)における前記振動信号An
(t)SIN2πfn(tg)tの振幅拡大開始時刻t
rまでの時間Trとナゲット径との関係を示す。図36
(b)に示すように、上記関係が指数曲線で近似できる
実験結果を得たことに着目すると、溶接時に得られる振
幅拡大開始時間Trを予備実験で得た合格ナゲット形成
時の振幅拡大開始時間Trと比較することでナゲット形
成が完了するより前にナゲット形成状態の良否判定がで
きる。また近似式を求めておくことで振幅拡大開始時刻
tr時点においてナゲット径の推定ができる。
【0072】図15は、上記発明をスポット溶接装置の
溶接良否判定手段に実施した例を説明する回路図であ
る。
【0073】この実施例ではナゲット形成と相関のある
振動信号の振幅拡大開始時間を判定対象とするものであ
る。図示の溶接良否判定手段10Kは、前記加圧側挟持
部に取り付けた溶接振動検出手段9Xの検出信号から判
定に必要な振動信号を抽出するバンドパスフィルタ11
と、抽出された振動信号の包絡線を得るための振幅検波
回路12と、包絡線の立ち上がり開始を検出する振幅拡
大開始検出回路218と、溶接電流通電開始から前記振
幅拡大開始の検出までの時間を計る時間カウンタ214
と、溶接電流通電後の比較タイミングを決定するための
タイマー15と、比較タイミングを得て、拡大開始時間
の計測結果に基づいた溶接状態の良否判定を行なう良否
判定回路210を備えている。ここで振幅拡大開始検出
回路218の具体的回路例としては検出閾値を設定した
電圧コンパレータや、変化点検出に良く用いられる微分
回路が挙げられる。
【0074】したがって、前記同様に溶接振動検出手段
9Xの検出信号から、ナゲット形成に応じて振幅変化す
る包絡線An(t)が抽出され、続いて溶接電流通電開
始から包絡線の立ち上がり検出までの時間が計測され、
その計算結果が予備実験で求めた合格ナゲット形成時の
拡大開始時間にあるか否かを所定のタイミングにおいて
評価して溶接状態の良否判定を行なう。なお拡大開始時
間の計測結果とナゲット径の近似式を求めておけばナゲ
ット径の推定値を出力することもできる。
【0075】また、図36(b)に示すようにナゲット
径が不合格の領域では前記振幅拡大開始時間Trが長く
なることに着目すると、電極チップ先端の劣化によると
ころのナゲット径不合格の場合には前記振幅拡大開始時
刻trが予備実験で求めた図32の電極チップ使用限界
時刻tlに達したか否かにより電極チップ先端の劣化判
定ができる。この判定結果から効率の良い電極チップ先
端の整形または電極チップの交換が実現できる。
【0076】図16は、上記発明をスポット溶接装置の
溶接良否判定手段に実施した例を説明する回路図であ
る。
【0077】図示の溶接良否判定手段10Lは、図15
の構成に、図13の電極チップ整形交換判定回路215
と、判定履歴保存用のメモリ216が追加された構成と
なっている。
【0078】したがって、前記図15の実施例と同様の
作用により溶融開始時間を計測し、その計測時間が前記
図13の実施例と同様の作用により電極チップの整形ま
たは交換時期が判定できる。
【0079】図37は、図36(a)に示す前記振動信
号An(t)SIN2πfn(tg)tの振幅拡大開始
時刻trから振幅飽和時刻tsまでに流れた電流量∫I
dtとナゲット径との関係を示す。図37にて示さ
れるように前記関係は指数曲線で近似できる実験結果を
得たことに着目すると溶接時に得られる電流量∫Iw
dtを予備実験で得た合格ナゲット形成時の電流量∫I
dtと比較することでナゲット形成が完了するより
前にナゲット形成状態の良否判定ができる。また近似式
を求めておくことで振幅拡大飽和時刻ts時点において
ナゲット径の推定ができる。
【0080】図17は、上記発明をスポット溶接装置の
溶接良否判定手段に実施した例を説明する回路図であ
る。
【0081】この実施例では所定の期間に通電した溶接
電流の電流量を判定対象とするものである。図示の溶接
良否判定手段10Mは、前記加圧側挟持部に取り付けた
溶接振動検出手段9Xの検出信号から判定に必要な振動
信号を抽出するバンドパスフィルタ11と、抽出された
振動信号の包絡線を得るための振幅検波回路12と、得
られた包絡線の立ち上がり開始を検出する振幅拡大開始
検出回路218と、包絡線の飽和を検出する振幅飽和検
出回路219と、溶接電流のモニタ信号を検出する溶接
電流検出トランス5と、得られた溶接電流モニタ信号を
絶対値信号に変換する2乗演算回路220と、その電流
絶対値信号から所定期間の電流量を算出する定積分回路
217と、合格ナゲット形成時の電流量を設定する合格
判定レベル設定器13と、算出された電流量と合格判定
レベルを比較する電圧コンパレータ14と、比較タイミ
ングを決定するためのタイマー15と、比較タイミング
を得て、電圧コンパレータ14の比較結果に基づいた溶
接状態の良否判定を行なう良否判定回路16を備えてい
る。
【0082】したがって前記同様に溶接振動検出手段9
Xの検出信号から、ナゲット形成に応じて振幅変化する
包絡線An(t)が抽出され、続いて図36(a)に示
す包絡線の立ち上がり開始時刻trと飽和時刻tsが検
出され、前記開始時刻trから飽和時刻tsまでに通電
された電流量が算出される。その電流量が合格ナゲット
形成時の電流量より大きいか否かを所定のタイミングに
おいて評価して溶接状態の良否判定を行なうことができ
る。なお電流量の算出結果とナゲット径の近似式を求め
ておけばナゲット径の推定値を出力することもできる。
【0083】溶接良否判定の誤動作防止の実施例として
は、図9、図14、図15、図17に示すタイマー15
に溶接電流検出トランスやエアーシリンダ圧センサから
の信号を入力する方法が挙げられる。したがってこれら
センサからの通電中あるいは加圧中を示す信号により溶
接良否判定を実行させることで外乱振動による誤判定を
防止できる。
【0084】図18は、溶接電流通電停止指令出力を有
する溶接良否判定手段の一の実施例である。この実施例
では振動振幅拡大開始時刻trまたは振幅飽和時刻ts
のいずれかを切り換えて良否の判定対象とするものであ
る。図示の溶接良否判定手段10Nは、前記加圧側挟持
部に取り付けた溶接振動検出手段9Xの検出信号から判
定に必要な振動信号を抽出するバンドパスフィルタ11
と、抽出された振動信号の包絡線を得るための振幅検波
回路12と、得られた包絡線の立ち上がり開始を検出す
る振幅拡大開始検出回路218と、包絡線の飽和を検出
する振幅飽和検出回路219と、溶接電流通電開始から
前記振幅拡大開始時刻または前記振幅飽和時刻の検出ま
での時間を計る時間カウンタ214と、その計測時間に
基づいた溶接状態の良否判定を行なう良否判定回路21
0、その良否判定回路からの良判定を得て所定の経過時
間の後に溶接電流通電停止指令を出力する通電停止指示
回路221を備えている。
【0085】したがって前記同様に溶接振動検出手段9
Xの検出信号から、ナゲット形成に応じて振幅変化する
包絡線An(t)が抽出され、続いて図36(a)に示
す包絡線の立ち上がり開始時刻trまたは飽和時刻ts
が検出され、溶接電流通電開始からの時間が計測され
る。その計算結果が予備実験で求めた合格ナゲット形成
時の拡大開始時間または振幅飽和時間にあるか否かを評
価して溶接状態の良否判定を行ない、続いて判定結果が
良の場合は、通電停止指示回路221により所定の経過
時間の後に溶接電流通電停止指令を出力する。これによ
り過剰な溶接電流を節約して合格ナゲットを形成させる
ことができる。
【0086】図19は、本発明に係わるスポット溶接装
置の溶接振動検出手段の他の実施例を説明する図であ
る。なお、溶接ガンアーム1,2、電極チップ3,4お
よびエアーシリンダ5については、図1に示す実施例の
ものと同一である。
【0087】この実施例では、溶接振動検出手段とし
て、両溶接ガンアーム1,2の間に高分解能変位センサ
9Bが取り付けてあって、この高分解能変位センサ9B
で溶接中における両電極チップ3,4間の変位を検出す
ることにより、溶接中における電極チップ3の振動を検
出するものとなっている。
【0088】図20は、本発明に係わるスポット溶接装
置の溶接振動検出手段のさらに他の実施例を説明する図
である。
【0089】この実施例では、溶接振動検出手段とし
て、可動側の溶接ガンアーム1に対するエアーシリンダ
5の加圧力(荷重)または、反力の伝達経路に例えばロ
ードセル等の圧力センサ9Cが取り付けてあって、この
圧力センサ9Cで溶接中における電極チップ3の加圧力
を検出することにより、溶接中における電極チップ3の
振動を検出するものとなっている。
【0090】図21は、本発明に係わるスポット溶接装
置の溶接振動検出手段のさらに他の実施例を説明する図
である。
【0091】この実施例では、溶接振動検出手段とし
て、エアーシリンダ5に圧力センサ9Dが取り付けてあ
って、この圧力センサ9Dでエアーシリンダ5の内圧P
を検出して溶接中における電極チップ3の加圧力を間接
的に検出することにより、溶接中における電極チップ3
の振動を検出するものとなっている。
【0092】図22は、本発明に係わるスポット溶接装
置の溶接振動検出手段のさらに他の実施例を説明する図
である。
【0093】この実施例では、溶接振動検出手段とし
て、可動側の溶接ガンアーム1において、電極チップ3
と加圧源であるエアーシリンダ5の間に歪ゲージ9Eが
取り付けてあって、この歪ゲージ9Eで溶接中における
溶接ガンアーム1に生じる歪を検出することにより、溶
接中における電極チップ3の振動を検出するものとなっ
ている。
【0094】なお、歪ゲージ9Eは、例えば、溶接振動
で発生した溶接ガンアーム1の曲げによる歪および垂直
荷重による歪のいずれか大きい方を検出し得るように取
り付け方を決定する。
【0095】図23は、本発明に係わるスポット溶接装
置の溶接振動検出手段のさらに他の実施例を説明する図
である。
【0096】この実施例では、溶接振動検出手段とし
て、両溶接ガンアーム1,2に、加速度センサ9A,9
Aがそれぞれの感度極性を一致させた状態で取り付けて
あると共に、両加速度センサ9A,9Aの出力の差を得
る差動増幅器9Fを備えており、差動増幅器9Fからの
出力によって溶接中における電極チップ3,4の振動を
検出するものとなっている。
【0097】上記溶接振動検出手段を備えたスポット溶
接装置は、溶接ロボットにより取回しが成される溶接ガ
ンあるいはハンドガンのように、装置全体が可動するも
のに適用される。つまり、この種の装置では、装置全体
の振動VGが溶接状態の良否判定の障害となるので、差
動増幅器9Fにおいて両加速度センサ9A,9Aの出力
の差を得ることで装置全体の振動VGをキャンセルし、
溶接振動Vwのみを検出するようにしている。
【0098】図38は、本発明に係わるスポット溶接装
置の共振溶接振動検出手段の一実施例を説明する図であ
る。図38(a)は本実施例における機械共振機構をモ
デル化した図である。図示のように溶接振動検出手段9
Gと弾性支持材102からなる機械共振機構を設ける。
ここで、溶接振動検出手段9Gはケース101内に波板
状の弾性支持材102にて上下自由に振動するように固
定されている。その共振周波数が検出対象の振動周波数
に一致するように溶接振動検出手段9Gの質量msまた
は弾性支持材102のばね定数ksを設計する。図38
(b)にこの構成による周波数検出感度特性の例を示
す。したがって、電磁振動などナゲット形成とは無関係
な振動が混在する溶接振動の中から、検出対象の振動周
波数を選択的に検出し出力することができる。また、図
38(c)は他の実施例を示すもので、溶接振動検出手
段9Gを弾性支持材109を介し振動検出部位(例えば
電極4)に直接貼り付ける構成としている。この場合も
溶接振動検出振動9Gの質量msと弾性支持材109の
ばね定数ksを検出対象の振動周波数に一致するように
設計する。
【0099】図39は、本発明に係わるスポット溶接装
置の可変共振型共振溶接振動検出手段の一実施例をモデ
ル化して説明する図である。図39(a)は前記図38
(a)と同様の構成に加え、溶接振動検出手段9Hに付
加質量maを取り付けることで共振周波数frを変更さ
せる。また、図39(b)では溶接振動検出手段9Hを
梁状の弾性支持材105にて横方向自由に振動するよう
に支持し、さらに共振周波数設定ピン106を梁状の弾
性支持材の長手方向にスライドさせることによりばね定
数knを変化させて共振周波数frを変更する実施例で
ある。このように質量またはばね定数の可変機構を設け
ることにより、その可変機構を使って用途に応じて検出
対象周波数を変更できる。
【0100】なお、本発明に係わるスポット溶接装置
は、その詳細な構成が上記各実施例のみに限定されるも
のではなく、例えば、溶接振動手段として圧電フィルム
センサ等を用いることもでき、さらには、上記各実施例
を組み合わせた構成とすることも可能であって、本発明
の要旨を変えない範囲で様々の実施形態が可能となるこ
とはいうまでもない。
【0101】図40は、本発明の請求項24に係わるス
ポット溶接装置において、溶接振動検出手段の取付け方
の実施例を説明する図である。
【0102】図40(a)は、被溶接材と直接接触して
消耗する部分のみを交換可能としたキャップ型電極チッ
プを用いた標準的な加圧電極部を示す図である。加圧電
極部は、エアシリンダ(図1の符号5)の発生する過圧
力を電極チップへ伝えるための電極ホルダ301と、電
極ホルダ301と電極チップ303を仲介結合するため
の電極チップアダプタ302で構成されている。この実
施例では、電極チップ303の近傍であり且つ交換が不
要な非消耗加圧部材である電極チップアダプタ302に
溶接振動検出手段320を取付けている。
【0103】また、ロードセルに見られるようなリング
状の溶接振動検出手段304の場合には、図40(b)
に示すように、電極チップアダプタ302の円管部にお
ねじを形成し、この円管部に溶接振動検出手段304を
挿入したのち、おねじに固定ナット305を螺着するこ
とにより、溶接振動検出手段304を電極チップ303
と同軸状に取付ける。
【0104】さらに、円柱状や立方体の溶接振動検出手
段306の場合には、図40(c)に示すように、電極
チップアダプタ302の外周に形成した固定用六角面を
利用してブラケット308を設け、このとき、ブラケッ
ト308が被溶接材とは反対側に延出するようにして、
同ブラケット308を取付けボルト307で電極チップ
アダプタ302に固定し、ブラケット308の延出部分
に溶接振動検出手段306をボルトや接着剤などの固定
手段により固定する。なお、ブラケット308は、電極
チップアダプタ302の円管部に締結することが可能で
あり、また、予め電極チップアダプタ302に一体的に
設けておくことも可能である。
【0105】図41は、本発明の請求項25に係わるス
ポット溶接装置における溶接振動検出手段の有益な取付
け方向を説明する図である。なお、先の実施例と同一の
構成部位は同一符号を付して説明を省略する。また、各
溶接ガンアーム1,2と溶接トランス7との間には、溶
接トランス7の2次側と電極チップ3,4を電気的に結
合するための導電帯309が設けてある。
【0106】さらに、図42(a)は、亜鉛めっき鋼板
を2枚重ねて溶接した際の3軸における溶接電流と溶接
振動振幅レベルの特性図であり、図42(b)は、亜鉛
めっき鋼板を3枚重ねて溶接した際の3軸における溶接
電流と溶接振動振幅レベルの特性図であり、図42
(c)は、亜鉛めっき鋼板と非めっき鋼板とを混在させ
て溶接した際の3軸における溶接電流と溶接振動振幅レ
ベルの特性図である。
【0107】実験の結果、溶接電流の通電経路で構成さ
れる電流ループ平面を形成するX軸とZ軸が、同様に高
い振幅レベルの振動を検出しており、Y軸方向は相対的
に低い振幅レベルであることが分かった。この理由とし
て、(1)エアシリンダの力点と作用点(電極チップ
3)のオフセットによるX軸方向への剪断力、(2)溶
接電流Iwの通電による電磁反発力Fmが挙げられる。
この結果、一対の電極チップ3,4は、開放される方向
つまりX軸方向とZ軸方向に振動しやすい構造であると
言える。このX軸とZ軸の成す平面は、加圧機構と通電
経路が兼用されているスポット溶接機では、電流ループ
平面に相当する。したがって溶接振動検出手段の感度軸
を電流ループ平面の面内方向に合わせることで感度良く
溶接振動を検出することができる。
【0108】また、本発明の請求項26に係わるスポッ
ト溶接装置の一実施例として、図41に示すように、下
部溶接ガンアーム2が接地している場合には、同アーム
2において、電極チップ4の電極チップアダプタ302
あるいは下部溶接ガンアーム2に溶接振動検出手段を取
付ける。これにより、例え溶接振動検出手段の取付け部
が電気絶縁されていなくても、溶接振動検出手段を設け
た下部溶接ガンアーム2側が接地されているために漏電
することが無い。したがって、別途電気絶縁を施すこと
なく、溶接振動検出手段を直に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるスポット溶接装置の一実施例を
示す説明図である。
【図2】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接良否判
定手段の具体的な一実施例を説明する回路図である。
【図3】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接良否判
定手段の他の実施例を説明する回路図である。
【図4】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接良否判
定手段のさらに他の実施例を説明する回路図である。
【図5】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接良否判
定手段のさらに他の実施例を説明する回路図である。
【図6】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接良否判
定手段のさらに他の実施例を説明する回路図である。
【図7】図6に示す溶接良否判定手段の処理過程を説明
するフローチャートである。
【図8】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接良否判
定手段のさらに他の実施例を説明する図である。
【図9】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接良否判
定手段に実施した例を説明する図である。
【図10】加圧電極振動検出回路の一実施例を示す図で
ある。
【図11】加圧電極振動検出回路の他の実施例を示す図
である。
【図12】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接良否
判定手段に実施した例を説明する回路図である。
【図13】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接良否
判定手段に実施した例を説明する回路図である。
【図14】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接良否
判定手段に実施した例を説明する回路図である。
【図15】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接良否
判定手段に実施した例を説明する回路図である。
【図16】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接良否
判定手段に実施した例を説明する回路図である。
【図17】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接良否
判定手段に実施した例を説明する回路図である。
【図18】溶接電流通電停止指令出力を有する溶接良否
判定手段の一の実施例である。
【図19】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接振動
検出手段の他の実施例を説明する図である。
【図20】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接振動
検出手段のさらに他の実施例を説明する回路図である。
【図21】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接振動
検出手段のさらに他の実施例を説明する回路図である。
【図22】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接振動
検出手段のさらに他の実施例を説明する回路図である。
【図23】本発明に係わるスポット溶接装置の溶接振動
検出手段のさらに他の実施例を説明する回路図である。
【図24】予備実験の結果として、異なる溶接電流での
スポットナゲットの形成状態、溶接振動波形および振幅
スペクトルを示す説明図である。
【図25】図24(a)の溶接不可の場合と図24
(c)の溶接合格の場合における溶融開始期およびスポ
ットナゲット形成進行期のそれぞれの溶接振動波形の振
幅スペクトルを示す説明図である。
【図26】厚さ0.8mmのSPCC鋼板を溶接した際
の各種振動振幅とスポットナゲット径の成長率との関係
を示すグラフである。
【図27】厚さ1.6mmのSPCC鋼板を溶接した際
の各種振動振幅とスポットナゲット径の成長率との関係
を示すグラフである。
【図28】表面処理が施された厚さ1.6mmのSPF
H490相当の高張力鋼板を溶接した際の各種振動振幅
とスポットナゲット径の成長率との関係を示すグラフで
ある。
【図29】(a)は図8に示すスポット溶接装置におい
て、被溶接材W1,W2を加圧挟持したときの溶接機全
体を簡略化した振動モデルとして表した図であり、
(b)はナゲット部108のばね定数knの模式図を示
した図である。
【図30】加圧側挟持部質量とばね定数との振動周波数
分布のモデル図である。
【図31】固有振動周波数とばね定数の時系列変化の関
係を示す図である。
【図32】電極チップ先端の劣化とナゲット部の熔融開
始時刻の関係を示す図である。
【図33】ナゲット形成と相関のある振動の振幅包括線
を所定期間で定積分した結果と、そのときのナゲット径
の実測値の関係を示す図である。
【図34】(a)は固有振動周波数と振動振幅の関係を
示す図であり、(b)は溶融開始時刻からナゲット飽和
時刻にかけての振動信号の振幅の変化を示す図である。
【図35】平均振動振幅と振幅飽和タイミングの関係を
示す図である。
【図36】(a)は通電開始時刻からの振動信号An
(t)SIN2πfn(tg)tを示す図であり、
(b)は(a)における前記振動信号An(t)SIN
2πfn(tg)tの振幅拡大開始時刻trまでの時間
Trとナゲット径との関係を示す図である。
【図37】図36(a)に示す前記振動信号An(t)
SIN2πfn(tg)tの振幅拡大開始時刻trから
振幅飽和時刻tsまでに流れた電流量∫Iwdtとナ
ゲット径との関係を示す図である。
【図38】本発明に係わるスポット溶接装置の共振溶接
振動検出手段の一実施例を説明する図である。
【図39】本発明に係わるスポット溶接装置の可変共振
型共振溶接振動検出手段の一実施例をモデル化して説明
する図である。
【図40】溶接振動検出手段の取付け方の実施例を説明
する各々側面図(a)〜(c)である。
【図41】溶接振動検出手段の取付け方向を説明する図
である。
【図42】ダイレクト型スポット溶接機における各軸の
振動検出レベルの実測地を示すグラフであって、亜鉛め
っき鋼板を2枚重ねて溶接した場合(a)、亜鉛めっき
鋼板を3枚重ねて溶接した場合(b)、および亜鉛めっ
き鋼板と非めっき鋼板とを混在させて溶接した場合
(c)の3軸における溶接電流と溶接振動振幅レベルの
特性図である。
【符号の説明】
1,2 溶接ガンアーム 3,4,303 電極チップ 5 エアシリンダ(駆動源) 6 溶接制御手段 9A 加速度センサ(溶接振動検
出手段) 9B 高分解能変位センサ(溶接
振動検出手段) 9C,9D 圧力センサ(溶接振動検出
手段) 9E 歪ゲージ(溶接振動検出手
段) 9F 差動増幅器(溶接振動検出
手段) 9X 溶接振動検出手段 10A〜10F 溶接良否判定手段 W1,W2 被溶接材 304,306,320 溶接振動検出手段
フロントページの続き (72)発明者 小 張 裕 二 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 馬久地 裕 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 坂 牧 義 夫 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 4E065 AA08

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被溶接材を対向する挟持部にそれぞれ取
    り付けられた電極チップで加圧して抵抗加熱により溶着
    させるスポット溶接装置において、溶接中の電極チップ
    の振動を検出する溶接振動検出手段と、溶接振動検出手
    段で検出した溶接振動波形が予め定めた溶接強度の設計
    値を満足する溶接振動パターンであるか否かを判定する
    溶接良否判定手段を備えたことを特徴とするスポット溶
    接装置。
  2. 【請求項2】 溶接良否判定手段が、溶接振動検出手段
    で検出した溶接振動波形の振幅レベルに基づいて溶接状
    態の良否判定を行なうことを特徴とする請求項1に記載
    のスポット溶接装置。
  3. 【請求項3】 溶接良否判定手段が、溶接振動検出手段
    で検出した溶接振動波形の包絡線の時間変化パターンに
    基づいて溶接状態の良否判定を行なうことを特徴とする
    請求項1に記載のスポット溶接装置。
  4. 【請求項4】 溶接良否判定手段が、溶接振動検出手段
    で検出した溶接振動波形の周波数分布の時間変化に基づ
    いて溶接状態の良否判定を行なうことを特徴とする請求
    項1に記載のスポット溶接装置。
  5. 【請求項5】 溶接良否判定手段が、溶接振動検出手段
    で検出した加圧側挟持部の質点の固有振動周波数に基づ
    いて溶接状態の良否判定を行なうことを特徴とする請求
    項1に記載のスポット溶接装置。
  6. 【請求項6】 電極チップに対する溶接電流や通電時
    間、および加圧力のうち少なくとも1つを制御する溶接
    制御手段を備えており、溶接良否判定手段が、溶接振動
    検出手段で検出した溶接振動波形の振幅レベル、溶接振
    動波形の包絡線の時間変化パターン、溶接振動波形の周
    波数分布の時間変化、加圧側挟持部の質点の固有振動周
    波数、および前記固有振動周波数の時系列変化のうちの
    少なくとも1つに基づいて溶接状態の良否判定を行うと
    共に、その判定結果に基づいて溶接制御手段による溶接
    電流、通電時間および加圧力のうちの少なくとも1つを
    フィードバック制御することを特徴とする請求項1に記
    載のスポット溶接装置。
  7. 【請求項7】 電極チップ整形交換判定手段を備えてお
    り、前記電極チップ整形交換判定手段が、加圧側挟持部
    の質点の固有振動周波数が溶接電流通電開始から所定の
    周波数に達するまでの時間に基づいて電極チップの整形
    あるいは交換時期の判定を行なうことを特徴とする請求
    項5または請求項6に記載のスポット溶接装置。
  8. 【請求項8】 溶接良否判定手段が、溶接振動検出手段
    で検出した溶接振動波形の包絡線を所定の期間内で定積
    分した結果に基づいて溶接状態の良否判定を行なうこと
    を特徴とする請求項1に記載のスポット溶接装置。
  9. 【請求項9】 溶接良否判定手段が、加圧側挟持部の質
    点の固有振動周波数あるいは高次振動周波数の包絡線を
    所定の期間内で定積分した結果に基づいて溶接状態の良
    否判定を行なうことを特徴とする請求項1に記載のスポ
    ット溶接装置。
  10. 【請求項10】 定積分する期間がナゲット形成開始時
    刻からナゲット成長飽和時刻の間としたことを特徴とす
    る請求項8または請求項9に記載のスポット溶接装置。
  11. 【請求項11】 溶接電流の通電開始時刻から溶接振動
    検出手段で検出した溶接振動波形の振幅拡大開始時刻ま
    での時間を計測する時間カウンタを備えており、溶接良
    否判定手段が、前記時間カウンタにより計測された時間
    に基づいて溶接状態の良否判定を行なうことを特徴とす
    る請求項1に記載のスポット溶接装置。
  12. 【請求項12】 電極チップ整形交換判定手段を備えて
    おり、前記電極チップ整形交換判定手段が、時間カウン
    タにより計測された時間に基づいて電極チップの整形あ
    るいは交換時期の判定を行なうことを特徴とする請求項
    11に記載のスポット溶接装置。
  13. 【請求項13】 溶接電流の通電開始時刻から溶接振動
    検出手段で検出した溶接振動波形の振幅拡大開始時刻ま
    での時間を計測する時間カウンタと、上記時間内に通電
    した溶接電流の電流量を算出する手段を備えており、溶
    接良否判定手段が、上記電流量に基づいて溶接状態の良
    否判定を行なうことを特徴とする請求項1に記載のスポ
    ット溶接装置。
  14. 【請求項14】 溶接良否判定手段が、電極チップに対
    する溶接電流の通電を示す信号、若しくは電極チップへ
    の加圧を示す信号のいずれか1つ以上の信号が有効であ
    る場合に溶接状態の良否判定を行なうことを特徴とする
    請求項1に記載のスポット溶接装置。
  15. 【請求項15】 溶接電流通電停止指令を出力する溶接
    電流停止指示回路を備えており、前記回路が、溶接振動
    検出手段で検出した溶接振動波形の振幅拡大開始時刻若
    しくは振幅飽和時刻から所定の時間経過後に溶接電流の
    通電停止を行なうことを特徴とする請求項1に記載のス
    ポット溶接装置。
  16. 【請求項16】 溶接振動検出手段が、溶接中における
    電極チップの加速度を検出する加速度センサを備えてい
    ることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の
    スポット溶接装置。
  17. 【請求項17】 溶接振動検出手段が、溶接中における
    電極チップの変位を検出する変位センサを備えているこ
    とを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のスポ
    ット溶接装置。
  18. 【請求項18】 溶接振動検出手段が、溶接中における
    電極チップの加圧力を検出する圧力センサを備えている
    ことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のス
    ポット溶接装置。
  19. 【請求項19】 溶接振動検出手段が、溶接中における
    電極チップと加圧源との間の歪を検出する歪ゲージを備
    えていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに
    記載のスポット溶接装置。
  20. 【請求項20】 溶接振動検出手段が、各々の電極チッ
    プの加速度を検出する2個の加速度センサを備えると共
    に、両加速度センサの出力の差から溶接中の振動を検出
    することを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載
    のスポット溶接装置。
  21. 【請求項21】 溶接振動検出手段が、溶接中における
    電極チップ振動周波数を検出する振動センサを備えてい
    ることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の
    スポット溶接装置。
  22. 【請求項22】 溶接振動検出手段が、検出対象周波数
    と共振する共振機構を備えたことを特徴とする請求項1
    〜15のいずれかに記載のスポット溶接装置。
  23. 【請求項23】 溶接振動検出手段が、共振周波数を可
    変にできる共振周波数可変機構を備えたことを特徴とす
    る請求項22に記載のスポット溶接装置。
  24. 【請求項24】 溶接振動検出手段が、電極チップ近傍
    の非消耗加圧部材に取り付けてあることを特徴とする請
    求項1〜15のいずれかに記載のスポット溶接装置。
  25. 【請求項25】 溶接振動検出手段の感度軸を、溶接電
    流の通電経路で構成する電流ループ平面の面内方向に合
    わせたことを特徴とする請求項16または請求項21〜
    23のいずれかに記載のスポット溶接装置。
  26. 【請求項26】 溶接電流2次回路が接地されているス
    ポット溶接装置において、溶接振動検出手段を接地して
    いる電極側に取り付けたことを特徴とする請求項1〜1
    5のいずれかに記載のスポット溶接装置。
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