JP2001024554A - Cdma受信装置の干渉キャンセラ装置 - Google Patents

Cdma受信装置の干渉キャンセラ装置

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JP2001024554A
JP2001024554A JP11188934A JP18893499A JP2001024554A JP 2001024554 A JP2001024554 A JP 2001024554A JP 11188934 A JP11188934 A JP 11188934A JP 18893499 A JP18893499 A JP 18893499A JP 2001024554 A JP2001024554 A JP 2001024554A
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replica generation
stage
generation unit
channel
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JP11188934A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Seki
宏之 関
Tetsuhiro Futami
哲宏 二見
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、セルラーDS−CDMA移動体通信
システムの基地局受信装置などに用いられる干渉キャン
セラ装置に関するものであり、少ない装置規模でハード
ウェアを有効利用して最大収容ユーザ数を増やし、かつ
十分な干渉除去特性を実現することを目的とする。 【解決手段】各チャネル対応に設けた複数の干渉レプリ
カ生成ユニットにより各チャネルの干渉レプリカを生成
して受信信号から差し引くことで受信信号から干渉を除
去する干渉除去ステージを1段以上設け、該干渉除去ス
テージにより干渉除去された受信信号を復調ステージで
データ復調する構成を持った干渉キャンセラ装置におい
て、トラフィック状況に応じて干渉レプリカ生成ユニッ
トをデータ復調部としても動作させることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルラーDS−C
DMA移動体通信システムの基地局受信装置などに用い
られる干渉キャンセラ装置に関するものである。
【0002】セルラーDS−CDMA(Direct Sequence
Code Division Multiple Access;直接スペクトル拡散
符号分割多重アクセス) 移動体通信では、移動局間の非
同期により生じる拡散コード間の干渉が、そのシステム
のチャネル容量および伝送品質を劣化させる要因とな
る。本発明に係る干渉キャンセラ装置は、このような拡
散コード間の干渉を除去する目的で基地局受信装置など
に用いられるものである。
【0003】本発明の対象とする干渉キャンセラは、干
渉レプリカをもとの受信信号から差し引くタイプの干渉
キャンセラ(いわゆるマルチステージ型などとも称され
る干渉キャンセラ)である。
【0004】
【従来の技術】図13には、かかる干渉キャンセラを搭
載したDS−CDMA方式の基地局受信装置の構成例が
示される。アンテナ20で受信されたCDMA受信波は
受信部21によりベースバンド帯信号に復調され、A/
D変換器22でディジタル信号化されてパスサーチ回路
23を経た後に、干渉キャンセラ24に入力される。こ
の干渉キャンセラ24は受信信号に基づき内部で干渉レ
プリカ(干渉波を模擬したもの)を生成して受信信号か
ら差し引くことで、移動局(ユーザ)間の非同期により
生じる拡散コード間の干渉を除去する。干渉除去された
受信信号は各ユーザ(各チャネル)の復号器5(1)〜
5(n)にそれぞれ入力されて送信データが復号され
る。
【0005】図14には従来の干渉キャンセラ24の構
成例が示される。この従来例の干渉キャンセラ24はパ
ラレル型干渉キャンセラと称されるものであり、4ユー
ザを収容できる構成となっている。干渉キャンセラ24
では、受信信号rはまず各ユーザ(各チャネル)対応の
干渉レプリカ生成ユニット(Interference CancellerUn
it :ICU)1(1)〜1(4)にそれぞれ入力され
るとともに、遅延部2を経て干渉除去部(減算器)3に
入力される。各干渉レプリカ生成ユニット1(1)〜1
(4)では、受信信号中のパイロットシンボルを用いて
自チャネルのチャネル推定(伝搬路における位相回転と
振幅変動の推定)を行い、推定されたチャネル推定値ξ
(位相と振幅を表す複素値)の複素共役値ξ* を、受信
信号rを逆拡散して得た受信シンボルに乗じることで、
受信シンボルから伝搬路(伝搬空間)の影響を取り除
き、その除去後の受信シンボルをしきい値と比較するこ
とで自チャネルのデータシンボル(仮判定値)の復調
(仮判定)を行って、その得られたデータシンボルに上
記のチャネル推定値ξを乗じてシンボルレプリカS
(1)〜S(4)をそれぞれ生成するとともに、これら
のシンボルレプリカS(1)〜S(4)を再拡散するこ
とで干渉レプリカd(1)〜d(4)を生成するもので
ある。
【0006】干渉レプリカ生成ユニット1(1)〜1
(4)は全てパラレルに接続されており、それぞれの干
渉レプリカ生成ユニット1(1)〜1(4)で生成され
た干渉レプリカd(1)〜d(4)は干渉除去部3にそ
れぞれ導かれて一つに加算合成されて、遅延部2を経た
元の受信信号rから差し引かれることで、受信信号rか
らの干渉除去が行われる。
【0007】干渉除去部3からの干渉除去された受信信
号(残差信号e)は受信器4(1)〜4(4)に入力さ
れる。また、各干渉レプリカ生成ユニット1(1)〜1
(4)からは、干渉レプリカd(1)〜d(4)と同時
に、各ユーザ(各チャネル)のシンボルレプリカS
(1)〜S(4)がそれぞれ出力されて、それぞれ各ユ
ーザに対応する受信器4(1)〜4(4)に伝送され
る。各受信器4(1)〜4(4)はそれぞれ対応するシ
ンボルレプリカS(1)〜S(4)と干渉除去された受
信信号eとに基づいて自チャネルの受信シンボルR
(1)〜R(4)をそれぞれ復調する。これらの受信シ
ンボル(多値の信号)は各ユーザに対応した復号器5
(1)〜5(4)に送られ、これらの復号器5(1)〜
5(4)では、多値の受信シンボルを入力とし、デイン
タリーブ、軟判定誤り訂正復号などの処理を行い、各ユ
ーザの送信データを復号する。
【0008】図15は上記の干渉レプリカ生成ユニット
1の構成例を示すものである。この干渉レプリカ生成ユ
ニット1は3フィンガ/1ブランチで受信信号のRAK
E(レイク)合成を行うタイプのものであり、受信信号
rを逆拡散して得た受信シンボル(逆拡散信号)からチ
ャネル推定値ξを用いて伝送路の影響を除去する各フィ
ンガ毎のユニット部10、伝送路の影響を除去した各フ
ィンガ毎の受信シンボルをレイク合成するレイク合成部
11、レイク合成後の受信シンボルを仮判定(硬判定)
する判定部12、この仮判定値(データシンボル)とチ
ャネル推定値を用いてシンボルレプリカSと干渉レプリ
カdを生成する各フィンガ毎のユニット部13、得られ
た各フィンガ毎の干渉レプリカを合成する合成部14な
どからなる。なお、図中にはユニット部10と13は3
つのフィンガのうちの一つのみの詳細構成を示してい
る。
【0009】ここで、ユニット部10は、受信信号を逆
拡散部101で逆拡散してシンボルレートの受信シンボ
ル(逆拡散信号)を生成し、その受信シンボル中のパイ
ロットシンボルに基づいてチャネル推定部104で伝搬
路での位相回転量と振幅変動量をチャネル推定し、その
チャネル推定値ξの複素共役ξ* を乗算部103で受信
シンボルにそれぞれ乗じることで、伝搬路で加えられた
影響(位相回転と振幅変動)を除去して受信シンボルR
を生成する。
【0010】この処理を各フィンガ毎に行い、各フィン
ガで得られた受信シンボルRを合成部11でレイク合成
した後に、判定部12でデータシンボルを仮判定して、
そのデータシンボルを後段のユニット部13に伝送す
る。なお、この判定部12での仮判定の仕方には軟判定
(多値による判定)と硬判定(2値による判定)とがあ
り、この例ではデータシンボルの値を0と1の2値で判
定する硬判定を用いている。
【0011】ユニット部13では、判定部12からのデ
ータシンボルに各フィンガ対応のチャネル推定値ξを乗
算部131で乗じることで、伝搬路で生じた影響を再び
付加したシンボルレプリカSを生成し、このシンボルレ
プリカSを分岐してその一方を受信器4へ伝送するとと
もに、このシンボルレプリカSを再拡散部133で再拡
散することで干渉レプリカdを生成する。得られた各フ
ィンガ毎の干渉レプリカdは合成部14で合成されて干
渉除去部3へ出力される。
【0012】図17には送信側で情報シンボルに付加さ
れる既知のパイロットシンボルについて示されている。
図示のように、各タイムスロット毎に、情報シンボルに
パイロットシンボルが付加されてフレームが構成され
る。
【0013】なお、干渉除去ステージが複数段の構成と
なっているマルチステージ型の場合、干渉レプリカ生成
ユニット1で生成したシンボルレプリカSは次ステージ
の干渉除去ステージへ伝送され、この次ステージの干渉
レプリカ生成ユニット1では、この前ステージからのシ
ンボルレプリカSを、加算器102で逆拡散部101か
らの受信シンボルに加算し、また減算器132で加算器
131からのシンボルレプリカSから差し引く構成とな
る。干渉レプリカ生成ユニット1が第1番目の干渉除去
ステージのものである場合には、上前ステージからのシ
ンボルレプリカSは“0”とする。
【0014】図16には受信器4の構成例が示される。
この構成例は3フィンガ/1ブランチ型のものである。
この受信器4には、前ステージの干渉除去部3からの干
渉除去された受信信号eと、対応する干渉レプリカ生成
ユニット1からのシンボルレプリカSとが入力される。
3つのユニット部40は各フィンガ毎の処理をする回路
である。これらのユニット部40は、入力された受信信
号を逆拡散部401で逆拡散して受信シンボルを得て、
この受信シンボルに加算部402で干渉レプリカ生成ユ
ニット1からのシンボルレプリカSを加え、この受信シ
ンボル中のパイロットシンボルに基づいてチャネル推定
部404でチャネル推定値ξを得て、その複素共役値ξ
* を元の受信シンボルに乗算部403で乗じて伝搬路で
の影響を除去する。この影響除去後の各フィンガ毎の受
信シンボルを合成部41でレイク合成し、その合成後の
受信シンボルを復号部5に送る。なお、この合成後の受
信シンボルは多値の信号からなるので軟判定信号と見な
すことができ、復号器5によって軟判定誤り訂正復号さ
れる。
【0015】図18には従来の干渉キャンセラ装置の他
の構成例が示される。この従来例は、シリアル型の干渉
キャンセラ装置であり、干渉除去ステージを2段設けた
マルチステージ構成となっている。この干渉除去ステー
ジは#1と#2の2ステージからなり、各ステージの回
路にはその参照番号に#1または#2を添字で付して区
別している。1段目の干渉除去ステージ#1は、それぞ
れ一つの干渉レプリカ生成ユニットと遅延部と干渉除去
部からなる組合せを3段にわたりシリアルに接続した構
成からなり、2段目の干渉除去ステージ#2も、それぞ
れ一つの干渉レプリカ生成ユニット1と遅延部と干渉除
去部からなる組合せを3段にわたりシリアルに接続した
構成からなる。
【0016】1段目の各干渉レプリカ生成ユニット1
(1)#1〜1(3)#1で生成されたシンボルレプリカS
(1)#1〜S(3)#1は、それぞれ2段目の各干渉レプ
リカ生成ユニット1(1)#2〜1(3)#2に送られる。
2段目の干渉除去ステージ#2の各干渉レプリカ生成ユ
ニット1(1)#2〜1(3)#2は、パラレル型干渉キャ
ンセラ装置における受信器4に相当する機能も兼備して
おり、これらの各干渉レプリカ生成ユニット1(1)#2
〜1(3)#2からの受信シンボルR(1)#2〜R(3)
#2が、それぞれ復号器5(1)〜5(3)に入力されて
各ユーザのデータシンボルが復号される。
【0017】図19には、このシリアル型干渉キャンセ
ラ装置の第1段目の干渉除去ステージの干渉レプリカ生
成ユニット1(1)#1〜1(3)#1の構成例が示され、
図20には第2段目の干渉除去ステージの干渉レプリカ
生成ユニット1(1)#2〜1(3)#2の構成例が示され
る。
【0018】この1段目の干渉除去ステージの干渉レプ
リカ生成ユニット1(1)#1〜1(3)#1は、図15で
先に説明したパラレル型干渉キャンセラ装置のものと同
じである。一方、2段目の干渉除去ステージの干渉レプ
リカ生成ユニット1(1)#2〜1(3)#2は、1段目の
干渉レプリカ生成ユニットと比較すると、次ステージに
対してシンボルレプリカを出力することに代えて、レイ
ク合成部11からのレイク合成後の受信シンボル(多値
信号)を出力していることが相違している。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】図14に示す干渉キャ
ンセラ装置の構成からも分かるように、従来の干渉キャ
ンセラ装置では、同時に通信を行っているユーザ(以
下、同時通信ユーザという)と同じ数だけの干渉レプリ
カ生成ユニット1と受信器4と復号器5が必要となる。
したがって、基地局における最大収容ユーザ数が増える
にしたがって、装置規模が増大する。
【0020】また、干渉キャンセラをマルチステージ構
成(干渉除去ステージの数を複数とする構成)にした場
合、図18に示す構成などからも分かるように、(ステ
ージ数)×(ユーザ数)分の干渉レプリカ生成ユニット
が必要となる。
【0021】DS−CDMA方式では、周波数帯域幅を
一定とすると、伝送レートが低い場合は拡散利得が大き
いため、多くのユーザを収容することができ、逆に伝送
レートが高い場合は拡散利得が小さく、収容できるユー
ザ数は少なくなる。ここで拡散利得とは、伝送レート
(例えば64kbps )とCDMA波の周波数帯域幅(例
えば4MHz)の比である。
【0022】したがって、さまざまな伝送レートのユー
ザ(例えば音声、画像、データ通信のユーザなど)が混
在するシステムでは、全てのユーザが伝送レートの低い
状態(音声ユーザだけの状態)を想定して、それに対応
する分だけの多くの受信装置(干渉レプリカ生成ユニッ
ト、受信器、復号器)を用意しなければならない。この
ような場合に、伝送レートの高いユーザがいくつか混在
した時には、収容可能なユーザ数が少なくなるため、用
意した受信装置のうちの一部のものが利用されないこと
になり、ハードウェアの有効利用率が低下してしまう。
以上のように、従来の干渉キャンセラ装置では、収容す
るユーザ数分だけそれぞれの受信装置(干渉レプリカ生
成ユニット、受信器、復号器)を独立に設けており、こ
のため、装置規模が増大し、かつハードウェアの利用率
が低下してしまい、コストの面で大きな問題となる。
【0023】本発明は以上のような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、少ない装置規模でハードウェアを有効
利用して最大収容ユーザ数を増やし、かつ十分な干渉除
去特性を実現することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明に係る干渉キャン
セラ装置はDS−CDMA方式を用いた移動体通信の基
地局などに適用されるものであって、各チャネル対応に
設けた複数の干渉レプリカ生成ユニットにより各チャネ
ルの干渉レプリカを生成して受信信号から差し引くこと
で受信信号から干渉を除去する干渉除去ステージを1段
以上設け、該干渉除去ステージにより干渉除去された受
信信号を復調ステージでデータ復調する構成を持ってい
る。
【0025】かかる干渉キャンセラ装置において、上述
の課題を解決するために、本発明では、トラフィック状
況に応じて干渉レプリカ生成ユニットをデータ復調部と
しても動作させることにより、ハードウェアを有効利用
し、少ない装置規模で優れた特性の干渉キャンセラ装置
を実現することができる。
【0026】具体的には、同時通信チャネル数が多い場
合は、干渉レプリカ生成ユニットをデータ復調部として
も動作させることにより、受信器(復調部)の不足を補
うことができる。このように干渉レプリカ生成ユニット
をデータ復調部としても動作させた場合にも、干渉除去
は行われており、いわゆる部分適用型の干渉キャンセラ
として動作し、十分な干渉除去特性を得ることができ
る。
【0027】また、同時通信チャネル数が少ない場合
は、干渉レプリカ生成ユニットを従来の干渉レプリカ生
成ユニットとして動作させることにより、十分な干渉除
去効果を得ることができる。
【0028】このように、同時通信チャネル数に応じ
て、干渉キャンセラ装置の構成を変更することにより、
ハードウェアを最大限に活用し、かつ有効な干渉除去特
性を得ることを可能にする。
【0029】本発明の干渉キャンセラ装置は、複数の干
渉レプリカ生成ユニットを並列に配置して干渉除去ステ
ージを構成したパラレル型の干渉キャンセラ装置にも、
また複数の干渉レプリカ生成ユニットを直列に配置して
干渉除去ステージを構成したシリアル型の干渉キャンセ
ラ装置にも適用可能であり、また、干渉除去ステージの
段数を複数段としたマルチステージ型干渉キャンセラ装
置にも適用できる。
【0030】干渉レプリカ生成ユニットをデータ復調部
としても動作させる場合には、受信電力の大きい信号の
チャネルをより前段のステージの干渉レプリカ生成ユニ
ットに割り当てるようにすると、その干渉レプリカ生成
ユニットによる干渉除去は依然として行われているの
で、受信信号から当該受信電力の大きい信号による干渉
を除去することができ、受信電力の小さい信号のチャネ
ルはその干渉除去後の受信信号を用いてデータ復調を行
うことができるので、受信電力の小さいチャネルの受信
性能を向上できる。
【0031】また、通常、伝送レートの高い信号は受信
電力が大きいものであるから、伝送レートの高い信号の
チャネルをより前段のステージの干渉レプリカ生成ユニ
ットに割り当てるようにすることでも、上述の同様の効
果を得ることができ、伝送レートの低い信号(すなわち
受信電力の小さい信号)のチャネルの受信性能を向上で
きる。
【0032】また、長い処理遅延が許容されない種別の
通信(例えば音声通信)を行っているチャネルを、より
前段のステージの干渉レプリカ生成ユニットに割り当て
るようにすると、処理遅延が小さくなるので、処理遅延
による不都合を生じないようにできる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図1には本発明に係る実施形態1と
しての干渉キャンセラ装置が示される。この実施形態1
の干渉キャンセラ装置は、図13に示したと同様にCD
MA通信システムの基地局受信装置に適用されるもので
あり、図l4に示した従来例と同じく最大4ユーザを収
容可能な装置構成の例であり、パラレル型の干渉キャン
セラ装置構成となっている。
【0034】図1において、干渉除去ステージは2つの
パラレル配置された干渉レプリカ生成ユニット1
(1)、1(2)からなり、受信信号rはこれらの干渉
レプリカ生成ユニット1(1)、1(2)と遅延部2に
並列に入力され、遅延部2から出力された受信信号rは
干渉除去部3に入力される。干渉レプリカ生成ユニット
1(1)、1(2)は従来技術で説明したと同様にシン
ボルレプリカS(1)、S(2)と干渉レプリカd
(1)、d(2)を生成しており、干渉レプリカd
(1)、d(2)を干渉除去部3に出力するようになっ
ている。これにより、干渉除去部3は受信信号rから干
渉レプリカd(1)、d(2)を差し引くことで干渉除
去する。干渉除去された受信信号eは2台の受信器4
(1),4(2)にそれぞれ入力する。
【0035】この受信器4(1)、4(2)の後段には
従来例と同様に復号器5(1)、5(3)が配置される
が、この実施形態1では、復号器5(1)、5(3)の
他にも2台の復号器5(2)、5(4)が用意されて、
収容ユーザ数が最大「4」に対応できるようにしてあ
る。
【0036】ここで、干渉レプリカ生成ユニット1
(1)、1(2)は、その生成したシンボルレプリカS
(1)、S(2)をそれぞれスイッチ回路6(1)、6
(2)を経て受信器4(1)、4(2)に出力するよう
に構成されるとともに、伝搬路での影響を除去した受信
シンボル(チャネル推定値の共役複素ξ* を乗じた受信
シンボルR(1)、R(2)をユニット内から引き出し
てそれぞれスイッチ回路6(1)、6(2)を経て復号
器5(2)、5(4)に出力するように構成されてい
る。
【0037】なお、この受信シンボルは多値の数値から
なるので軟判定信号と見なすことができ、これ自体を復
調データと見ることもできる。よって、干渉レプリカ生
成ユニット1(1)、1(2)からスイッチ回路6
(1)、6(2)を経て受信シンボルR(1)、R
(2)を取り出す構成は、干渉レプリカ生成ユニット1
(1)、1(2)をデータ復調部としても機能させてい
ると言うことができる。
【0038】このスイッチ回路6(1)、6(2)は、
2つの切替え状態a、bを有しており、切替え状態aで
は干渉レプリカ生成ユニット1・受信器4間(上側端子
間)のみを導通してシンボルレプリカSを受信器4に伝
え、切替え状態bでは干渉レプリカ生成ユニット1・復
号器間(下側端子間)のみを導通して受信レベルRを復
号器5に伝えるように構成される。
【0039】図2にはこの干渉キャンセラ装置における
干渉レプリカ生成ユニット1の構成例が示される。この
干渉レプリカ生成ユニット1は、図17に示した従来型
の干渉レプリカ生成ユニット1とほぼ同じ構成となって
おり、3フィンガ/1ブランチで受信信号のRAKE合
成を行うものである。相違点として、受信信号rを逆拡
散して得た受信シンボルに、チャネル推定回路で得たチ
ャネル推定値ξの複素共役ξ* を乗じた受信シンボルR
を、レイク合成部11でレイク合成した後に、これを導
き出して次段ステージ(復号器5)に出力するように構
成してある。
【0040】このように、この干渉キャンセラ装置で
は、干渉レプリカ生成ユニット1(1)、1(2)から
レイク合成後の受信シンボル(多値信号)を出力し、ス
イッチ回路6(1)、6、(2)を介して復号器5
(2)、5(4)へ送っている。ここで、スイッチ回路
6(1)、6(2)を上側端子間につないだ場合は、干
渉レプリカ生成ユニット1(1)、1(2)は従来型の
干渉キャンセラにおける干渉除去ステージの回路として
動作することになり、一方、下側端子間につないだ場合
は、干渉レプリカ生成ユニット1は、干渉除去ステージ
機能の他に受信器としても動作することになる。ただ
し、この場合も干渉レプリカの生成および除去(すなわ
ち干渉除去ステージ機能)は行われているため、本発明
の干渉キャンセラ装置は干渉除去機能を一部のユーザ
(チャネル)に対してのみ行う言わば部分適用型の干渉
キャンセラとして動作している。
【0041】このように、本発明に係る干渉キャンセラ
装置では、従来構成に比べて、干渉レプリカ生成ユニッ
ト1と受信器4の数が半分に削減されたにもかかわら
ず、最大収容ユーザ数としては従来と同じ数のユーザ数
を収容でき、かつ干渉キャンセラとしても動作すること
ができる。
【0042】以下に、この実施形態1の干渉キャンセラ
装置を用いた各種の動作態様を説明する。まず、図3、
図4を参照して基本的な動作態様について説明する。こ
の基本的な動作態様では、各ユーザに順位付け、例えば
受信電力、伝送レート、通信種別などによる順位付けを
行わずに、各ユーザを全て平等なものとして扱ってい
る。
【0043】図3には同時通信ユーザ数が少ない場合
(この例では「2」の場合)の動作態様を示す。スイッ
チ回路6(1)、6(2)は上側端子間(切替え状態
a)がつながれ、従来型の干渉キャンセラ装置として動
作している。この場合、ユーザAには干渉レプリカ生成
ユニット1(1)、受信器4(1)、復号器5(1)が
割り当てられ、ユーザBには干渉レプリカ生成ユニット
1(2)、受信器4(2)、復号器5(3)が割り当て
られる。一方、スイッチ回路6(1)、6(2)の下側
端子間(切替え状態b)は切り離されているので、復号
器5(2)と5(4)は使われていない状態となる。
【0044】図4には同時通信ユーザ数が多い場合(こ
の例では「4」の場合)の動作態様を示す。スイッチ回
路6(1)、6(2)は下側端子間(切替え状態b)が
つながれ、上側端子間(切替え状態a)は切り離され
る。この動作態様では、ユーザA、Bを受信器4
(1)、4(2)にそれぞれ割り当て、ユーザC、Dを
干渉レプリカ生成ユニット1(1)、1(2)にそれぞ
れ割り当てて動作させる。これにより、それぞれの回路
では、割り当てられたユーザに対応した拡散コードを用
いて受信信号の逆拡散や再拡散を行う。
【0045】この結果、干渉レプリカ生成ユニット1
(1)ではユーザCの、干渉レプリカ生成ユニット1
(2)ではユーザDの復調および干渉レプリカ生成をそ
れぞれ行う。生成した干渉レプリカd(1)、d(2)
は干渉除去部3に送って受信信号rから差し引くこと
で、受信信号rからユーザC、ユーザDの干渉の除去を
行う。また、生成したユーザCおよびDの復調データ
〔受信シンボルR(1)、R(2)〕はスイッチ回路6
(1)、6(2)を介して復号器5(2)、5(4)に
送って、これらの復号器5(2)、5(4)でデータシ
ンボルをそれぞれ復号する。
【0046】一方、受信器4(1)、4(2)では、ユ
ーザCおよびDの干渉が除去された受信信号eを用い
て、ユーザAおよびBの受信シンボルR(1)、R
(2)が復調されて、復号器5(1)、5(3)にそれ
ぞれ伝送される。
【0047】次に、図5を参照して、各ユーザの受信電
力に応じて回路割当てを変える場合の動作態様を説明す
る。この例は上述の実施形態1による最大4ユーザを収
容できる構成で、4ユーザを処理している場合のもので
あり、受信電力の大きさはユーザA>ユーザB>ユーザ
C>ユーザDの順になっているものとする。
【0048】この実施形態1の構成では、干渉レプリカ
生成ユニット1(1)、1(2)で処理されるユーザの
信号は干渉レプリカが生成されるため、この干渉レプリ
カを受信信号から差し引くことで、これらのユーザの干
渉を受信信号から除去することができる。一般的に言っ
て、受信電力が大きい信号のほうが、受信信号により大
きい干渉を与えるので、受信電力の小さい信号がその干
渉の中に埋もれてしまうおそれがある。この受信電力の
大小は基地局・移動局間の距離に対応していることが多
く、結果として、近距離にいるユーザ(受信電力の大き
なユーザ)の電波により、遠方にいるユーザ(受信電力
の小さなユーザ)の受信が妨害されるという遠近問題を
生じるおそれがある。
【0049】よって、受信電力の大きなユーザをこれら
の干渉レプリカ生成ユニット1(1)、1(2)に割り
当てるようにすれば、受信電力の大きな信号の干渉を受
信信号から除去することができ、この干渉除去後の受信
信号を用いて受信電力の小さい信号を復調すれば、受信
電力の小さい信号もより信頼度高く受信できる。
【0050】つまり、受信電力の大きいユーザA、Bに
は干渉レプリカ生成ユニット1(1)、1(2)をそれ
ぞれ割り当て、受信電力の小さいユーザC、Dには受信
器4(1)、4(2)を割り当てる。これにより、受信
器4(1)、4(2)では、受信電力の大きなユーザ
A、Bの干渉〔d(1)、d(2)〕が除去された受信
信号eを用いて、受信電力の小さいユーザC、Dの信号
を復調することになり、これにより遠近問題を解決する
ことができる。
【0051】このように、受信電力の大きいユーザを、
より前段のステージで処理することにより、干渉キャン
セルの効果が最大限に発揮される。この場合、受信電力
を測定するためには、そのためのマッチトフィルタ等の
回路を別に用意する必要がある。あるいは、パスサーチ
回路の受信電力を利用することも可能である。
【0052】次に、図6を参照して、各ユーザの信号の
伝送レートに応じて回路割当てを変える場合の動作態様
を説明する。この例では、各ユーザの信号の伝送レート
は ユーザA>ユーザB>ユーザC>ユーザD の順に大きく(高速に)なっているものとする。
【0053】一般に、伝送レートの高い信号は拡散利得
が小さいため、信号電力も大きくなる。したがって、上
記の図5の動作態様の場合と同様に、伝送レートの高い
ユーザを、より前段のステージで処理することにより、
干渉キャンセルの効果が最大限に発揮される。よって、
伝送レートの大きいユーザA、Bには干渉レプリカ生成
ユニット1(1)、1(2)をそれぞれ割り当て、伝送
レートの小さいユーザC、Dには受信器4(1)、4
(2)を割り当てる。基地局は、各ユーザA〜Dの伝送
レートを把握しているため、各ユーザA〜Dの伝送レー
トのランキングは容易に行える。
【0054】次に、図7を参照して、各ユーザの通信種
別(音声、画像、データ通信など)に応じて回路割当て
を変える場合の動作態様を説明する。この例では、各ユ
ーザの通信種別は、ユーザAとBが音声通信、ユーザC
とDがデータ通信を行っているものとする。
【0055】干渉レプリカ生成ユニット1(1)、1
(2)における復調および干渉レプリカ生成には処理遅
延が生じる。この処理遅延の量は、復調処理におけるチ
ャネル推定回路で行う伝搬路推定処理に大きく依存す
る。例えば、伝搬路推定精度を向上させるためには複数
のパイロットシンボルのブロックにわたって平均を行う
が、この場合、処理遅延は大きく増大する。ここで、音
声通話などはリアルタイム性が要求され、信号の大きな
処理遅延は許容できない。一方、データ通信などはある
程度の処理遅延が生じても問題とはならない。したがっ
て、大きな遅延を許容できない音声などのチャネルを、
より前段のステージで処理することにより、処理遅延の
問題を解決することができる。つまり、大きな遅延を許
容できない音声通信のユーザA、Bには干渉レプリカ生
成ユニット1(1)、1(2)をそれぞれ割り当て、大
きな遅延も許容できるデータ通信のユーザC、Dには受
信器4(1)、4(2)を割り当てるようにする。
【0056】次に、上述の実施形態1の干渉キャンセラ
装置において、既に通信中のユーザがある状態で、新た
に通信要求が発生したユーザをどのチャネルに割り当て
るかについて説明する。
【0057】図8には新たな通信要求が発生する前の状
態が示される。最大収容可能ユーザ数が「4」で、同時
通信ユーザ(ユーザAとB)の数が「2」の場合、ユー
ザAを干渉レプリカ生成ユニット1(1)、受信器4
(1)、復号器5(1)に、またユーザBを干渉レプリ
カ生成ユニット1(2)、受信器4(2)、復号器5
(3)に割り当て、干渉レプリカ生成ユニット1(1)
と1(2)は、従来型の干渉レプリカ生成ユニットとし
て動作させる。
【0058】今、ここに3番目のユーザCの通信要求が
発生したものとする。このユーザCは、他のユーザA、
Bに比べて、その受信電力が大きい、伝送レートが高
い、あるいは処理遅延を許容できない音声通信などのユ
ーザであるものとする。この場合、この3番目のユーザ
Cに対しては、より前段のステージである干渉レプリカ
生成ユニットを復調部として割り当てる。具体的には、
図9に示されるように、この3番目のユーザCに対し
て、より前段のステージである例えば干渉レプリカ生成
ユニット1(2)を復調部として割り当て、スイッチ回
路6(2)を下側端子間(切替え状態b)につなぎ、復
号器5(4)でユーザCのデータを復号する。これによ
り、それまで干渉レプリカ生成ユニット1(2)が割り
当てられていたユーザBには、受信器4(2)のみが復
調部として割り当てられる。
【0059】これにより、ユーザA、Bは、ユーザCの
受信電力が大きかったり伝送レートが高くて干渉が大き
くなるような場合にも、受信信号からその干渉を除去し
て復調を行うことができるので、信頼性が高まる。
【0060】逆に、新たに通信要求が発生した3番目の
ユーザCが、他のユーザA、Bに比べて、その受信電力
が小さい、伝送レートが低い、あるいは処理遅延を許容
できるデータ通信などのユーザであるものとする。この
場合には、このユーザCに対しては、より後段のステー
ジである受信器を復調部として割り当てる。具体的に
は、図10に示すように、この3番目のユーザCに対し
て、より後段のステージである例えば受信器4(2)を
割り当て、スイッチ回路6(2)を下側端子間(切替え
状態b)につなぎ、復号器5(3)でユーザCのデータ
を復号する。これにより、それまで受信器4(2)が割
り当てられていたユーザBには干渉レプリカ生成ユニッ
ト1(2)のみが復調部として割り当てられ、このユー
ザBのデータは復号器5(4)で復号される。
【0061】以上により、各ユーザA、B、Cは、各ユ
ーザの受信電力や伝送レート、あるいは通信種別に応じ
て復調処理を行う最適なステージを割り当てられること
になり、最適な干渉キャンセル効率を得ることができ
る。
【0062】次に、図11に本発明にかかる実施形態2
としての干渉キャンセラ装置を示す。この実施形態2の
干渉キャンセラ装置は、干渉除去ステージの数が「2」
のマルチステージ構成であり、最大収容可能ユーザ数を
「6」とした場合の例である。
【0063】図11において、干渉除去ステージは#1
と#2の2ステージからなり、各ステージの回路にはそ
の参照番号に#1または#2を添字で付して区別してい
る。復号器は最大収容可能ユーザ数である6ユーザに対
応した数の復号器5(1)〜5(6)が設けられる。
【0064】1段目の干渉除去ステージは干渉レプリカ
生成ユニット1(1)#1と1(2) #1、遅延部2#1、干
渉除去部3#1、スイッチ回路6(1)#1と6(2)#1
らなり、干渉レプリカ生成ユニット1(1)#1と1
(2)#1で生成されたシンボルレプリカS(1)#1とS
(2)#1はスイッチ回路6(1)#1と6(2)#1を経て
次段の干渉除去ステージに入力する。また干渉レプリカ
生成ユニット1(1)#1と1(2)#1から出力した受信
シンボルR(1)#1とR(2)#1は、スイッチ回路6
(1)#1と6(2)#1を介して復号器5(3)と5
(6)に入力する。
【0065】次段の干渉除去ステージは、干渉レプリカ
生成ユニット1(1)#2と1(2) #2、遅延部2#2、干
渉除去部3#2、スイッチ回路6(1)#2と6(2)#2
らなり、干渉レプリカ生成ユニット1(1)#2と1
(2)#2で生成されたシンボルレプリカS(1)#2とS
(2)#2はスイッチ回路6(1)#2と6(2)#2を経て
次段の受信器4(1)と4(2)に入力する。また干渉
レプリカ生成ユニット1(1)#2と1(2)#2から出力
した受信シンボルR(1)#2とR(2)#2は、スイッチ
回路6(1)#2と6(2)#2を介して復号器5(2)と
5(5)に入力する。
【0066】また、受信器4(1)と4(2)から出力
する受信シンボルはそれぞれ復号器5(1)と5(4)
に入力する。
【0067】かかる構成とすると、通信要求のあるユー
ザ数が「2」の場合には、各スイッチ回路6を上側端子
間(切替え状態a)につなぐことにより、各ユーザにそ
れぞれ1段目と2段目の干渉レプリカ生成ユニットと受
信器を割り当て、もっとも精度よく干渉除去した受信信
号を用いて復号器5(1)と5(4)でデータの復号を
行え、ユーザ数が増加してきたら、スイッチ回路6を適
宜に切り替えることで、第1段目の干渉レプリカ生成ユ
ニット1、第2段目の干渉レプリカ生成ユニット1、受
信器4に各ユーザを適宜割り当ててその復調部とするこ
とで、そのデータの復調が可能である。
【0068】特に、各ユーザの受信電力や伝送レート、
あるいは通信種別に応じて復調処理を行う最適なステー
ジを割り当てることが望ましく、前述したように、受信
電力が大きい、伝送レートが高い、あるいは処理遅延が
許容できない通信種別であるものに対しては、できるだ
け前のステージの干渉レプリカ生成ユニットを割り当
て、逆に、受信電力が小さい、伝送レートが低い、ある
いは処理遅延が許容できる通信種別であるものに対して
は、後のステージの干渉レプリカ生成ユニットを割り当
てることが望ましい。
【0069】このように構成することで、従来例の干渉
キャンセラを適用した場合と比べ、干渉レプリカ生成ユ
ニット1と受信器4の数を3分の1に削減できることに
なる。また、同時通信ユーザ数が2以上であれば、すべ
ての干渉レプリカ生成ユニット1と受信器4を動作させ
て処理をすることができ、ハードウェアを有効に利用す
ることができる。
【0070】次に、図12に本発明にかかる実施形態2
としての干渉キャンセラ装置を示す。この実施形態2の
干渉キャンセラ装置は、干渉除去ステージ数が「2」の
マルチステージ構成をしたシリアル型干渉キャンセラ装
置であり、最大収容可能ユーザ数を「4」とした場合の
例である。したがって、復号器としては最大収容可能ユ
ーザ数「4」に対応して4つの復号器5(1)〜5
(4)が設けられている。
【0071】1段目の干渉除去ステージ#1は、それぞ
れ一つの干渉レプリカ生成ユニット1と遅延部と干渉除
去部からなる組合せを2段にわたりシリアルに接続した
構成からなり、2段目の干渉除去ステージ#2も、それ
ぞれ一つの干渉レプリカ生成ユニット1と遅延部と干渉
除去部からなる組合せを2段にわたりシリアルに接続し
た構成からなる。そして、2段目の干渉除去ステージ#
2の各干渉レプリカ生成ユニット1(1)#2、1(2)
#2からの受信シンボルR(1)#2、R(2)#2が、それ
ぞれ復号器5(1)、5(3)に入力されて各ユーザの
データシンボルが復号される。
【0072】このシリアル型干渉キャンセラ装置の第1
段目の干渉除去ステージの干渉レプリカ生成ユニット1
の構成は、前述の図2に示したものと同じであり、干渉
レプリカ生成ユニット1(1)#1、1(2)#1で生成し
たシンボルレプリカS(1) #1、S(2)#1はそれぞれ
スイッチ回路6(1)、6(2)を経て次段の干渉除去
ステージの干渉レプリカ生成ユニット1(1)#2、1
(2)#2に入力される。一方、干渉レプリカ生成ユニッ
ト1(1)#1、1(2)#1から引き出した受信シンボル
R(1)#1、R(2)#1はそれぞれスイッチ回路6
(1)、6(2)を経て復号器5(2)、5(4)に入
力される。この第2段目の干渉除去ステージの干渉レプ
リカ生成ユニット1の構成は、前述の図20に示したも
のと同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0073】この実施形態3の干渉キャンセラ装置にお
いても、スイッチ回路6(1)、6(2)を適宜切り換
えることにより、各ユーザに1段目と2段目の干渉除去
ステージの干渉レプリカ生成ユニットを復調部としてそ
れぞれ割り当てることができ、最大ユーザ収容数を従来
の干渉キャンセラ装置に比べて2倍にすることができ
る。
【0074】なお、以上に説明した実施形態では、主に
硬判定パラレル型の干渉キャンセラの例を示したが、軟
判定を行うものでも勿論よく、これら軟判定やシリアル
型あるいはこれらを組み合わせた干渉キャンセラにおい
ても、本発明は適用可能である。
【0075】
【発明の効果】本発明により、少ない装置規模でハード
ウェアを有効利用して最大収容ユーザ数を増やし、かつ
十分な干渉除去特性を有した干渉キャンセラ装置を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態1としてのパラレル型の
干渉キャンセラ装置を示す図である。
【図2】実施形態1の干渉キャンセラ装置における干渉
レプリカ生成ユニットの構成例を示す図である。
【図3】実施形態1の干渉キャンセラ装置の基本的な動
作態様(同時通信ユーザ数が2)を説明するための図で
ある。
【図4】実施形態1の干渉キャンセラ装置の基本的な動
作態様(同時通信ユーザ数が4)を説明するための図で
ある。
【図5】実施形態1の干渉キャンセラ装置の動作態様
(受信電力ランキングをした場合)を説明するための図
である。
【図6】実施形態1の干渉キャンセラ装置の動作態様
(伝送レートランキングをした場合)を説明するための
図である。
【図7】実施形態1の干渉キャンセラ装置の動作態様
(通信種別ランキングをした場合)を説明するための図
である。
【図8】実施形態1の干渉キャンセラ装置の動作態様
(新たな通信要求の発生前)を説明するための図であ
る。
【図9】実施形態1の干渉キャンセラ装置の動作態様
(受信電力等の高い新たな通信要求の発生)を説明する
ための図である。
【図10】実施形態1の干渉キャンセラ装置の動作態様
(受信電力等の低い新たな通信要求の発生)を説明する
ための図である。
【図11】本発明に係る実施形態2としてのマルスステ
ージ構成のパラレル型の干渉キャンセラ装置を示す図で
ある。
【図12】本発明に係る実施形態3としてのマルスステ
ージ構成のシリアル型の干渉キャンセラ装置を示す図で
ある。
【図13】CDMA通信システムにおける基地局受信装
置の構成例を示す図である。
【図14】パラレル型の干渉キャンセラ装置の従来例を
示す図である。
【図15】パラレル型干渉キャンセラ装置の干渉レプリ
カ生成ユニットの従来例を示す図である。
【図16】干渉キャンセラ装置の受信器の従来例を示す
図である。
【図17】時間多重パイロット伝送のフレーム構成を示
す図である。
【図18】シリアル型の干渉キャンセラ装置の従来例を
示す図である。
【図19】シリアル型干渉キャンセラ装置の初段の干渉
レプリカ生成ユニットの構成例を示す図である。
【図20】シリアル型干渉キャンセラ装置の次段の干渉
レプリカ生成ユニットの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 干渉レプリカ生成ユニット 2 遅延部 3 干渉除去部 4 受信器 5 復号器 6 スイッチ回路 11、41 レイク合成部 12 判定部 14 合成部 20 アンテナ 21 受信部 22 A/D変換器 23 パスサーチ回路 24 マルチステージ型干渉キャンセラ d 干渉レプリカ S シンボルレプリカ R 受信シンボル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5K022 EE02 EE35 5K046 EE06 EE16 EE47 5K052 BB01 CC06 DD04 FF31 5K067 AA03 CC10 DD27 DD44 EE10 GG11

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各チャネル対応に設けた複数の干渉レプリ
    カ生成ユニットにより各チャネルの干渉レプリカを生成
    して受信信号から差し引くことで受信信号から干渉を除
    去する干渉除去ステージを1段以上設け、該干渉除去ス
    テージにより干渉除去された受信信号を復調ステージで
    データ復調する構成のCDMA受信装置の干渉キャンセ
    ラ装置において、 トラフィック状況に応じて干渉除去ステージの干渉レプ
    リカ生成ユニットをデータ復調部としても動作させるこ
    とができるよう構成した干渉キャンセラ装置。
  2. 【請求項2】複数の干渉レプリカ生成ユニットを並列に
    配置して干渉除去ステージを構成したパラレル型の干渉
    キャンセラ装置である請求項1記載の干渉キャンセラ装
    置。
  3. 【請求項3】複数の干渉レプリカ生成ユニットを直列に
    配置して干渉除去ステージを構成したシリアル型の干渉
    キャンセラ装置である請求項1記載の干渉キャンセラ装
    置。
  4. 【請求項4】干渉除去ステージの段数を複数段とし、同
    時通信チャネル数が少ない場合は、マルチステージ型干
    渉キャンセラ装置として動作させるように構成した請求
    項1記載の干渉キャンセラ装置。
  5. 【請求項5】同時通信チャネル数が多い場合は、干渉レ
    プリカ生成ユニットをデータ復調部としても動作させる
    ことでユーザ収容数を増加させ、同時通信チャネル数が
    少ない場合は、干渉レプリカ生成ユニットを干渉除去用
    の干渉レプリカ生成ユニットとして動作させるように構
    成した請求項1記載の干渉キャンセラ装置。
  6. 【請求項6】各チャネルの受信電力を測定し、受信電力
    の大きい順にチャネルをより前段のステージの干渉レプ
    リカ生成ユニットに割り当ててその干渉レプリカ生成ユ
    ニットをデータ復調部としても動作させるように構成し
    た請求項1記載の干渉キャンセラ装置。
  7. 【請求項7】伝送レートの高い順にチャネルをより前段
    のステージの干渉レプリカ生成ユニットに割り当ててそ
    の干渉レプリカ生成ユニットをデータ復調部としても動
    作させるように構成した請求項1記載の干渉キャンセラ
    装置。
  8. 【請求項8】長い処理遅延が許容されない種別の通信を
    行っているチャネルを、より前段のステージの干渉レプ
    リカ生成ユニットに割り当ててその干渉レプリカ生成ユ
    ニットをデータ復調部としても動作させるように構成し
    た請求項1記載の干渉キャンセラ装置。
  9. 【請求項9】新しいチャネルの送信要求があった場合、
    そのチャネルの受信電力を測定し、受信電力が高い場合
    には、より前段のステージの干渉レプリカ生成ユニット
    を割り当て、受信電力が低い場合には、より後段のステ
    ージの干渉レプリカ生成ユニットもしくは受信器を割り
    当てるように構成した請求項l記載の干渉キャンセラ装
    置。
  10. 【請求項10】新しいチャネルの送信要求があった場
    合、そのチャネルの伝送レートが高い場合には、より前
    段のステージの干渉レプリカ生成ユニットを割り当て、
    伝送レートが低い場合には、より後段のステージの干渉
    レプリカ生成ユニットもしくは受信器を割り当てるよう
    に構成した請求項l記載の干渉キャンセラ装置。
  11. 【請求項11】新しいチャネルの送信要求があった場
    合、そのチャネルが大きな処理遅延を許容できない場合
    には、より前段のステージの干渉レプリカ生成ユニット
    を割り当て、大きな処理遅延を許容できる場合には、よ
    り後段のステージの干渉レプリカ生成ユニットもしくは
    受信器を割り当てるように構成した請求項l記載の干渉
    キャンセラ装置。
  12. 【請求項12】各チャネルのデータシンボルの復号を行
    う復号器を最大収容ユーザ数分設け、各段の干渉除去ス
    テージの干渉レプリカ生成ユニットからその生成する受
    信シンボルを復調データとして取り出して該復号器に送
    る切替え経路を設け、あるチャネルの干渉レプリカ生成
    ユニットをデータ復調部としても用いるときには該干渉
    レプリカ生成ユニットからその切替え経路を介して復号
    器に当該チャネルの復調データを送出するように構成し
    た請求項1記載の干渉キャンセラ装置。
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