JP2001022307A - 表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクロール表示装置の利点を持ちつつ、静止
画像の表示が可能な表示装置を提供する。 【解決手段】 複数個のＬＥＤ１ｃを配列したポール型
表示群１ａを間隔Ｌをおいて道路の直線部の側壁面に複
数列配設させた表示部１と、この表示部に静止画表示パ
ターンを出力する表示パターン出力部とを備え、間隔Ｌ
は、走行方向に向かって該表示部１より少なくとも数１
０メートル以上手前で、隣接するポール型表示群１ａ同
士の隣接表示ＬＥＤ１ｃが略重なって見える距離に設定
されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、道路の壁面に設置
される表示装置に関し、特に、表示セルを配列したポー
ル型表示群を一定の間隔をおいて配設することによって
構成される表示部を備える表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】道路を走行している車両に対して交通情
報や道路情報などを提供する手段として、従来、道路側
面に平面状の構造体または手摺りなどを設け、ここに塗
装によって情報の内容を印刷したり、または面状のＬＥ
Ｄ配列による表示装置を道路側壁に配置し、ＬＥＤの表
示状態をコントローラにより制御するようにしたものが
あった。

【０００３】ところが、構造体表面や手摺りに塗装を施
すことによって情報提供をする方法は、表示内容が固定
となってしまうために、状況に応じた適切な情報を提供
したい場合には採用することができない。また、面状に
ＬＥＤを配列した表示装置では、比較的大型の表示板を
構成する場合に多数のＬＥＤを使用する必要があり、高
価格化するという問題があった。

【０００４】そこで、特開平８−１７９７１７号や特開
平９−１３４１４１号公報に示されているスクロール表
示装置が提案されている。このスクロール表示装置は、
複数の表示セル（ＬＥＤ素子）を配列したポール型の表
示群を所定の間隔をおいて複数個配設し、表示内容をポ
ールの配列方向にスクロールさせることにより、残像効
果によって表示内容を認識できるようにしたものであ
る。このスクロール表示装置では、隣接するポール型表
示群の間に表示セルを配列する必要がないために、表示
セルを面状に配列した表示装置に比べて全表示セル数を
大幅に減らすことができ、コスト、消費電力の点で有利
であり、また取付もより簡単になるという利点がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ス
クロール表示装置では、残像効果によって表示内容を認
識させるという表示原理上、表示内容をスクロールしな
ければならず、静止画像を表示できないという問題があ
る。また、スクロール表示は車両のドライバに対する印
象を強くできるという特性があり（アイキャッチ効果が
高い）、設置位置によっては、高いアイキャッチ効果が
車両運転の危険性を増すという不都合がある。

【０００６】本発明の目的は、上記スクロール表示装置
の利点を持ちつつ、静止画像の表示が可能な表示装置を
提供することにある。

【０００７】また、本発明の他の目的は、面構造であり
ながら風荷重および重量を軽減することのできる表示装
置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために以下の構成を備えている。

【０００９】（１） 複数個の表示セルを配列したポー
ル型表示群を所定の間隔をおいて、道路の直線部の側壁
面または上壁面に複数列配設される表示部と、表示部に
表示パターンを静止画表示パターンとして出力する表示
パターン出力部と、を備え、前記所定の間隔は、走行方
向に向かって該表示部より少なくとも数１０メートル以
上手前で、隣接するポール型表示群同士の隣接表示セル
が略重なって見える距離に設定される。

【００１０】各ポール型表示群は、道路の側壁面または
上壁面に所定の間隔で配設される。所定の間隔は、少な
くとも数１０メートル以上手前で観測したときに、隣接
する表示群同士の隣接表示セルが略重なって見えるよう
な間隔とされる。したがって、この表示部でスクロール
表示を行わずに、静止画表示パターンを表示した場合に
は、数１０メートル以上手前にいる限り表示セルが略重
なって見えるために、表示内容を認識することができ
る。一般に、車両のドライバは数メートルから数１０メ
ートル先を見ているために、数１０メートル以上手前に
いるドライバは各表示セルが上記のように重なって見え
る範囲で、静止画表示パターンを見ることができる。

【００１１】（２） 表示パターン出力部は、表示パタ
ーンを静止画表示パターンとして出力するモードと、表
示パターンををスクロールしながら出力するスクロール
表示パターンとして出力モードを備えている。

【００１２】静止画表示パターンとスクロール表示パタ
ーンを切り換えて表示できれば、例えば、時間帯に応じ
て、または提供する情報の内容に応じて適切なパターン
を採用することができる。また、表示部を２つの領域に
分け、それぞれの領域で静止画表示とスクロール表示を
同時に行うことも可能である。

【００１３】（３） 複数個の表示セルを配列したポー
ル型表示群を所定の間隔をおいて、収納ケース内に一体
的に複数列配設し、各ポール型表示群間をくり抜いて空
洞部とした。

【００１４】上記表示部はポール型表示群を所定の間隔
をおいて配設するが、これを個々に配設すると作業性が
非常に悪くなる。しかし、作業性を良くするために一体
型に構成してしまうと、風荷重が非常に大きくなり重量
も極めて重くなる。そこで、この発明では、各ポール型
表示群を収納ケース内に配設して、各ポール型表示群の
間をくり抜いて空洞部としている。これにより、風荷重
および重量を大幅に軽減できる。また、各ポール型表示
群は一体的となっているために道路への組み付け作業も
簡単である。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の実施形態の表示
装置の構成図を示している。

【００１６】表示部１は、ｎ個のポール型表示群１ａで
構成されている。後述のように、この表示部１は道路の
直線部の側壁面または上壁面に配設される。各ポール型
表示群１ａは、ｍ個のＬＥＤ（表示セル）をポール状の
支持部に配列したものであって、その底部には通信ライ
ンおよび電源ラインのコネクタ部１ｂが設けられてい
る。制御部は、ＣＰＵ２、入力部３、画像メモリ４、シ
フトレジスタ５、ドライバ６を有し、通信ライン及び電
源ラインで表示部１と接続されている。入力部３から
は、表示パターン等が入力され、この表示パターンは画
像メモリ４に記憶される。表示を行う時には、画像メモ
リ４から表示パターンが読み出されて、シフトレジスタ
５およびドライバ６を介して表示部１にシリアル送信さ
れる。ＣＰＵ２からは各ポール型表示群１ａに対するラ
ッチ信号が出力され、このラッチ信号を順次シフトして
いくことによって、シフトレジスタ５からシリアルに出
力されるデータが所望のポール型表示群の各ＬＥＤのラ
ッチ部にラッチされる。表示パターンの出力タイミング
とラッチ信号の出力タイミングを制御することによっ
て、画像メモリ４に記憶されている表示パターンを表示
部１で同図の左方向にスクロール表示することができ
る。この場合のスクロール速度を適当に設定することに
より、人間の生理的な残像効果により画像メモリ４に記
憶されている上記表示パターンを認識することができる
ようになる。図１は、「走行注意」の文字列が表示部１
を左方向にスクロール表示されていることを示してい
る。

【００１７】一方、画像メモリ４に記憶されている表示
パターンをスクロール表示しない場合には、表示部１の
表示内容を正面から認識することは不可能である。しか
し、表示情報の内容を適当に選択することで、この表示
部が道路の直線部の側壁面または上壁面に配置されてい
る限り、遠方から見た場合に、各ポール型表示群１ａの
隣接表示セル同士が略重なって見えるようになるため、
スクロール表示しなくても表示内容を認識することが可
能となる。このような表示を行う場合には、表示パター
ンを静止画表示パターンとして表示部に供給される。例
えば、「中」の１文字を静止画表示パターンとして表示
した場合、表示部１を前方から見ると図２に示すような
表示状態となって、「中」の文字を認識することができ
ないが、これを遠方から見ると、図３に示すように隣接
ポール型表示群同士の隣接表示セルが略重なって見える
ために、全体として「中」の文字を認識できるようにな
る。

【００１８】遠方から表示部を見て、表示内容を認識で
きるかどうかは、各ＬＥＤの表示面の大きさ、配列密
度、表示部を観測する位置、隣接するポール型表示群間
の間隔Ｌ（図２参照）などの要因によるが、このうち、
上記間隔Ｌおよび表示部１を観測する位置が、表示内容
を認識できるかどうかを決めるための大きな要因とな
る。そこで、上記間隔Ｌを、車両が走行方向に向かって
表示部より少なくとも数１０メートル以上手前で、隣接
するポール型表示群同士の隣接表示セルが略重なって見
える距離に設定している。ここで、観測位置を数１０メ
ートル以上手前としたのは、通常の道路においては、ド
ライバが安全に見ることのできる前方位置が、略数１０
メートルから向こうの位置であると考えられるからであ
る。なお、走行方向に向かって表示部１より少なくとも
数１０メートル以上手前とは、短い場合は１０メート
ル、長い場合には９０メートル程度である。また、隣接
表示セルが略重なって見えるとは、完全に重なって見え
る場合はもちろん、重なっていなくても全体として表示
パターンが認識できる程度に隣接表示セルが接近してい
る状態を含んでいる。

【００１９】上記の実施形態では、画像メモリ４に静止
画表示パターンを記憶して、スクロール表示することな
く表示部１に静止画を表示しているが、スクロール表示
パターンとして画像メモリ４に記憶し、これを表示部１
でスクロール表示することももちろんできる。すなわ
ち、表示パターンを静止画表示パターンとして出力する
モードと、スクロール表示パターンとして出力するモー
ドとを設定することができるようにし、それぞれのモー
ドに応じて表示部１に静止画の表示を行うかスクロール
表示を行う。図２は、画像メモリ４に静止画表示ターン
とスクロール表示パターンとを区別して記憶している例
を示す。いずれかのパターンを選択して表示部１に出力
する。また、表示部１を２つの領域に分け、一方の領域
でスクロール表示を行い、他方の領域で静止画表示を行
うこともできる。さらに、カレンダ機能を設け、所定の
日時、または時間帯において静止画表示またはスクロー
ル表示を行い、それ以外の時にはそれとは反対の表示を
行うようにしてもよい。なお、表示セルとしては、ＬＥ
Ｄのほか白熱ランプを使用することも可能である。

【００２０】図５は、上記表示部１の構造図を示してい
る。

【００２１】図５に示す例では、樹脂性の収納ケース１
ｄ内に基板１ｅを収納し、さらに、各ＬＥＤ１ｃを一列
に配列したポール型表示群１ａをこの収納ケース１ｄ内
に所定の間隔で埋め込む。

【００２２】しかし、図５に示す例では、道路の側壁面
に設置した場合の風荷重が大きく、その対策のための強
度を十分に大きくする必要があり、しかも全体の重量が
重くなるという不都合がある。そこで、図６に示すよう
に、各ポール型表示群毎に収納ケース１ｄ内に収納し、
これを個々に設置する方法も考えられるが、このように
すると基板１ｅも個々に必要となり、実装の作業性が悪
く、且つ、設置のための作業性も悪く、全体として高価
になる問題がある。

【００２３】上記の欠点を解決したのが図７に示す構造
である。この構造は、１つの収納ケース１ｄ内に各ポー
ル型表示群１ａを一体的に設けると共に、各ポール型表
示群１ａの間に空洞部１ｆを設けている。このようにす
ると、風は空洞部１ｆを通過するために、全体としての
風荷重は小さくなり、しかも空洞部の分だけ全体の重量
が軽くなる。また、各ポール型表示群１ａを１つの収納
ケース１ｄ内に設け、且つ全体の重量も重くないために
道路の側壁面や上壁面への設置が容易になる。また、全
体で一体型構造のために、各ＬＥＤ間の配線は内部基板
１ｅの上部または下部を利用して行うことができ外部配
線が不要となる。

【００２４】このように、上記図７に示すように全体と
して一体型構造をとると共に隣接するポール型表示群１
ａ間に空洞部１ｆを設けることによって、風荷重・重量
の低減、部品数減、組立実装の容易化および内部基板で
のＬＥＤ間配線によるコスト低減を実現することができ
る。なお、図７に示す構造でスクロール表示を行わせた
場合に、空洞部１ｆと収納ケース１ｄの表面との間に大
きなコントラストがあると表示内容が見にくくなる可能
性があるから、このような場合には空洞部１ｆに収納ケ
ース１ｄの表面の色と同色を施した金属板や樹脂性のメ
ッシュ板を取り付ける。

【００２５】なお、表示部１は道路の直線部の側壁面に
設置するのが望ましいが、トンネルなど、閉ざされた空
間内に道路が敷設される場合には、これを上壁面に設置
することも可能である。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば、従来のスクロール表示
に代えて、同じ構造の表示部で静止画の表示を行うこと
ができる。また、空洞部を設けることによって、風荷重
と重量を低減でき、低コスト化、設置作業の容易化を実
現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態である表示装置の概略構成図

【図２】道路の側壁目に表示部を設置した場合の正面か
ら見た表示状態を示す図

【図３】道路の直線部の側壁面に表示部を設置した場合
の遠方から見た表示状態を示す図

【図４】画像メモリへの表示パターンの記憶例を示す図

【図５】表示部の構造例を示す図

【図６】表示部の他の構造例を示す図

【図７】空洞部を設けた表示部の構造を示す図

【符号の説明】

１−表示部 １ａ−ポール型表示群 １ｃ−ＬＥＤ １ｄ−収納ケース １ｅ−内部基板

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数個の表示セルを配列したポール型表
   示群を所定の間隔をおいて、道路の直線部の側壁面また
   は上壁面に複数列配設される表示部と、 表示部に表示パターンを静止画表示パターンとして出力
   する表示パターン出力部と、を備え、 前記所定の間隔は、走行方向に向かって該表示部より少
   なくとも数１０メートル以上手前で、隣接するポール型
   表示群同士の隣接表示セルが略重なって見える距離に設
   定されてなる表示装置。
2. 【請求項２】 表示パターン出力部は、表示パターンを
   静止画表示パターンとして出力するモードと、表示パタ
   ーンををスクロールしながら出力するスクロール表示パ
   ターンとして出力モードを備えた、請求項１記載の表示
   装置。
3. 【請求項３】 複数個の表示セルを配列したポール型表
   示群を所定の間隔をおいて、収納ケース内に一体的に複
   数列配設し、各ポール型表示群間をくり抜いて空洞部と
   した表示装置。
4. 【請求項４】 ｍ個の表示セルを配列したポール型表示
   群を所定の間隔をおいて、収納ケース内に一体的にｎ列
   配設し、各ポール型表示群間をくり抜いて空洞部とし
   た、請求項１または２記載の表示装置。