JP2001021508A - 歪量子井戸構造の構造解析方法およびその記録媒体 - Google Patents

歪量子井戸構造の構造解析方法およびその記録媒体

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JP2001021508A JP11191374A JP19137499A JP2001021508A JP 2001021508 A JP2001021508 A JP 2001021508A JP 11191374 A JP11191374 A JP 11191374A JP 19137499 A JP19137499 A JP 19137499A JP 2001021508 A JP2001021508 A JP 2001021508A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主観およびモデルに依存しない歪多重量子井
戸構造の解析方法および記録媒体を提供することを目的
とするものである。 【解決手段】 障壁層の成長時間を系統的に変えた2以
上の歪多重量子井戸構造のX線回折プロファイルを測定
し、それぞれの歪多重量子井戸構造における障壁層の成
長時間を求め、歪多重量子井戸構造の個々の周期を求
め、平均歪を求め、これらに基づいて、井戸層の深さ、
障壁層の厚さ、障壁層の歪、井戸層の歪を求めるもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歪多重量子井戸構
造の構造解析方法およびその記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の光半導体素子の活性層において、
多重量子井戸構造(MQW)が広く利用されている。こ
の多重量子井戸構造は、厚さが数十Åの井戸層を、障壁
層で挟み、上記井戸層と上記障壁層とを多層に積層した
構造である。なお、上記障壁層のバンドギャップは、上
記井戸層のバンドギャップよりも大きい。
【0003】従来の多重量子井戸構造は、基板に格子整
合した井戸層を用いた構造であるが、近年、歪多重量子
井戸構造(歪MQW)を活性層に用いたレーザが使用さ
れ、この歪多重量子井戸構造を活性層に用いたレーザの
素子特性の優位性が、多くの研究機関から報告されてい
る。なお、歪多重量子井戸構造は、上記井戸層に圧縮歪
を導入した構造であり、上記素子特性は、しきい値電
流、光出力等の特性である。つまり、基板に格子整合し
た井戸層を用いた従来のMQWの素子特性に較べ、歪多
重量子井戸構造を活性層に用いたレーザの素子特性が向
上している。
【0004】ところで、所望の歪量を持つ井戸層を、基
板に格子整合された障壁層で挟み、それらを交互に多層
に積層してMQWを形成した場合、MQW全体の厚さ
(膜厚)が所定の一定の臨界値(臨界膜厚)を超える
と、基板とMQWとの界面にミスフィット転位が発生す
る。
【0005】そして、井戸層の歪が大きい程、上記臨界
膜厚が小さくなる。すなわち、井戸層の数が増えるに従
って、井戸層の歪による応力が蓄積され、ミスフィット
転位の発生を招く。
【0006】素子特性を向上させるためには、MQWを
厚くして、大きな歪を与える必要があるが、しかし、M
QWの厚さが上記臨界膜厚で制限されるという板ばさみ
がある。この板ばさみを打破するために、歪補償型MQ
Wが提案されている。
【0007】上記「歪補償型MQW」は、圧縮歪を有す
る井戸層と、引張歪を有する障壁層とを組み合わせたも
のであり、これによって、ミスフィット転位を発生させ
る応力を相殺し、ミスフィット転位の発生を抑制するも
のである。したがって、歪補償型MQWを採用すれば、
大きな歪を持つ井戸層を使用しても、大きな厚みを持つ
歪MQWを得ることができ、素子特性を向上させること
ができる。
【0008】上記歪補償型MQWを作成する場合、ガイ
ドラインとして、次の式(1)で定義される平均歪ε
を、ほぼゼロにすることが提案されている(B.I.M
iller et.al.,Appl.Phys.Le
tt.,58(1991)1952)。つまり、 平均歪ε=(εw・Lw+εb・Lb)/(Lw+Lb) ………(1) である。ここで、εwは、井戸層の歪であり、εbは、障
壁層の歪であり、Lwは、井戸層の厚さであり、Lbは、
障壁層の厚さである。なお、引張り歪は、−符号をと
り、圧縮歪は、+符号をとるものとする。
【0009】すなわち、平均歪εをできるだけ小さくす
るように、井戸層、障壁層の厚さ、歪を選ぶことが、ミ
スフィット転位の無い歪補償型MQWを作製するための
指針である。なお、以下の説明では、歪補償型MQW
を、単に「歪MQW」と表現する。
【0010】上記のように、ミスフィット転位が無い歪
MQWを成長させるためには、歪MQWの構造パラメー
タ(εw、εb、Lw、Lb)を制御することが必要であ
り、このためには、歪MQWの構造パラメータ(εw
εb、Lw、Lb)を正しく評価することが重要である。
【0011】次に、歪MQWの構造パラメータ(εw
εb、Lw、Lb)を評価するために用いられている従来
の構造解析方法について説明する。
【0012】図7は、歪MQWの構造パラメータを評価
するために用いられている従来の構造解析方法を説明す
る図である。
【0013】歪MQWの構造パラメータを評価するため
に用いられている従来の構造解析方法は、次の工程で構
成されている。この従来法は、1個の歪MQWを対象と
し、この歪MQWの構造を解析するものである。
【0014】[工程1] 2結晶X線回折法によって歪
MQWの(004)回折プロファイルを測定する。
【0015】[工程2] 上記回折プロファイルにおい
て、InP基板ピークの回折角が31.6686°にな
るように角度補正を行ない、各サテライトピークの回折
角θ jを読み取る(図7(1))。ここで、jは、サテ
ライトピークの次数である。
【0016】歪MQWの周期Λ=(Lw+Lb)と、各サ
テライトピークの回折角θjとの間には、次の式(2)
が成立する。
【0017】 sinθj=(λ/2Λ)j+sinθ0 ………(2) ここで、λは、X線の波長であり、Cukα1線源を使
用する場合は、1.540526Åである。
【0018】式(2)は、横軸にjをとり、縦軸にsi
nθjをとると、jとsinθjとの間に、図7(2)に
示すように、直線関係が有り、傾きがλ/2Λであるこ
とを表している。この傾きλ/2Λから、周期Λを計算
する。
【0019】また、歪MQWの平均的な(004)面の
間隔dは、X線波長λと0次のサテライトピークの回折
角θ0とから、次の式(3)が求められる。
【0020】d=λ/2sinθ0 ………(3) さらに、dsを基板の(004)面の間隔とすると、次
の式(4)から歪MQWの平均歪εが求められる。
【0021】ε=(d−ds)/ds ………(4) [工程3] 図7(1)に示す測定した回折プロファイ
ルとステップモデルに基いて計算したプロファイルとを
フィッティングすることによって、井戸層の歪εwと、
井戸層の厚さLwと、障壁層の歪εbと、障壁層の厚さL
bとを求める。
【0022】歪MQWのステップモデルでは、井戸層が
n原子層で構成され、障壁層がm原子層で構成され、井
戸層と障壁層との界面が急峻に変化するものと考える。
井戸層の(004)面の間隔がdwで、障壁層の(00
4)面の間隔がdbであるとすると、井戸層の歪はεw
(dw−ds)/dsであり、障壁層の歪はεb=(db
s)/dsである。また、井戸層の厚さはLw=2n・
wであり、障壁層の厚さはLb=2m・dbであるか
ら、このεw、εb、Lw、Lbと式(4)とを式(1)に
代入すると、歪MQWの平均的な(004)面の間隔と
してd0=(n・dw+m・db)/(n+m)が得られ
る。1周期に含まれる原子層の数をN=n+mで定義す
ると、周期はΛ=2N・d0=2n・dw+2m・db
ある。
【0023】次の式(5)は、ステップモデルに基く歪
MQWの(004)回折の散乱振幅F(004)を示す
式である。
【0024】
【数1】 なお、Fwは、井戸層の散乱振幅であり、Fbは、障壁層
の散乱振幅である。井戸層の(004)面間隔dwと、
井戸層に含まれる分子層の数nとして、適当な値を仮定
し、ステップモデルに基く歪MQWの散乱振幅F(00
4)を計算し、図7(3)に示すように、|F(00
4)|2のプロファイルと、測定したフロファイルとを
比較する。そして、計算したプロファイルと、測定した
プロファイルとが最も良く一致する井戸層の(004)
面間隔dwと井戸層に含まれる分子層の数nとを求め
る。
【0025】この求められた井戸層の(004)面間隔
wと井戸層に含まれる分子層の数nとを用い、上記各
式から、Lw=2n・dw、Lb=2(N−n)db、εw
=(dw−ds)/ds、εb=(db−ds)/dsを計算
する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】上記散乱振幅F(00
4)は、ステップモデルを仮定した場合のものである。
ステップモデルは、井戸層と障壁層との界面が急峻に変
化していることを仮定している。しかし、実際の歪MQ
Wにおいて、井戸層/障壁層界面は、必ずしも急峻では
なく、厚さ数原子層の遷移層がある。ステップモデルに
おいて、界面の遷移層を仮定して散乱振幅を計算するこ
とは可能であるが、パラメータが多くなり、散乱振幅を
一意的には決められない。すなわち、シュミレーション
はモデルに依存する。
【0027】ステップモデルのプロファイルと、測定し
たプロファイルとを比較する場合に、ステップモデルは
現実を正確に再現している訳ではないので、ずれが生ず
るのは当然である。したがって、一致/不一致の判断に
かなり主観が入るのは避け難い。この主観的な一致/不
一致の判断が誤差の原因となる。
【0028】本発明は、主観およびモデルに依存しない
歪多重量子井戸構造の解析方法およびそれを格納した記
録媒体を提供することを目的とするものである。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明は、障壁層の成長
時間を系統的に変えた2以上の歪多重量子井戸構造(障
壁層の成長時間t1、t2、t3、……)のX線回折プロ
ファイルを測定する段階と、上記プロファイルにおける
サテライトピークの回折角から、個々の歪多重量子井戸
構造の周期Λ1、Λ2、Λ3……を算出し、0次のサテラ
イトピークの回折角から、個々の歪多重量子井戸構造の
平均歪ε1、ε2、ε3、……を算出する段階と、障壁層
の成長時間tを横軸にとり、歪多重量子井戸構造の周期
Λを縦軸にとり、上記算出された値Λ1、Λ2、Λ3、…
…を障壁層の成長時間t1,t2,t3,……に対してプロッ
トし、このプロットした点を直線近似する段階と、この
近似された直線とt=0の縦軸との交点から井戸層の厚
さLwを算出する段階と、上記直線の傾きから障壁層の
成長速度vbを算出する段階と、上記障壁層の成長速度
に成長時間を掛けることによって、個々の歪多重量子井
戸構造における障壁層の厚さLb1=vb・t1、Lb2=v
b・t2、Lb3=vb・t3、……を算出する段階と、個々
の歪多重量子井戸構造について、平均歪εに周期Λを掛
けた量ε・Λを算出する段階と、障壁層の厚さを横軸に
とり、平均歪に周期を掛けた量を縦軸にとり、算出した
値の組(Lb1,ε1・Λ1)、(Lb2,ε2・Λ2)、(L
b3,ε 3・Λ3)、…をプロットし、このプロットした点
を直線近似する段階と、この近似された直線の傾きか
ら、障壁層の歪εbを算出する段階と、上記直線と上記
障壁層の厚さがゼロの縦軸とが交わる点から、井戸層の
歪に井戸層の厚さを掛けた量(εw・Lw)を算出する段
階と、上記井戸層の歪に井戸層の厚さを掛けた量を、井
戸層の厚さLwで割ることによって、井戸層の歪εwを算
出する段階とを有する歪量子井戸構造の構造解析方法で
ある。
【0030】また、本発明は、井戸層の成長時間を系統
的に変えた2以上の歪多重量子井戸構造(井戸層の成長
時間t’1、t’2、t’3、……)のX回折プロファイ
ルを測定する段階と、上記プロファイルにおけるサテラ
イトピークの回折角から、個々の歪多重量子井戸構造の
周期Λ1、Λ2、Λ3、……を算出し、0次のサテライト
ピークの回折角から、個々の歪多重量子井戸構造の平均
歪ε1、ε2、ε3、……を算出する段階と、障壁層の成
長時間tを横軸にとり、歪多重量子井戸構造の周期Λを
縦軸にとり、上記算出された値Λ1、Λ2、Λ3……を井
戸層の成長時間t’1、t’2、t’3、……に対してプ
ロットし、このプロットした点を直線近似する段階と、
この近似された直線とt’=0の縦軸との交点から障壁
層の厚さLbを算出する段階と、上記近似された直線の
傾きから井戸層の成長速度vwを算出する段階と、井戸
層の成長速度に成長時間を掛け、個々の歪多重量子井戸
構造の井戸層の厚さLw1=vw・t’1、Lw2=vw
t’2、Lw3=vw・t’3、……を算出する段階と、個
々の歪多重量子井戸構造について、平均歪εに周期Λを
掛けた量であるε・Λを算出する段階と、井戸層の厚さ
を横軸にとり、平均歪に周期を掛けた量を縦軸にとり、
算出した値の組(Lw1,ε1・Λ1)、(Lw2,ε2
Λ2)、(Lw3,ε3・Λ3)、……をプロットし、この
プロットした点を直線近似する段階と、この近似された
直線の傾きから、井戸層の歪εwを算出する段階と、上
記直線と上記井戸層の厚さがゼロの縦軸とが交わる点か
ら、障壁層の歪に障壁層の厚さを掛けた量εb・Lbを算
出する段階と、障壁層の歪に障壁層の厚さを掛けた量
を、障壁層の厚さで割ることによって、障壁層の歪εb
を算出する段階とを有する歪量子井戸構造の構造解析方
法である。
【0031】
【発明の実施の形態および実施例】図1は、本発明の第
1の実施例である歪多重量子井戸構造の構造解析方法を
説明するフローチャートである。
【0032】[工程11] 障壁層の成長時間を系統的
に変えた2以上の歪多重量子井戸構造のX線回折プロフ
ァイルを測定する。この場合、それぞれの歪多重量子井
戸構造における障壁層の成長時間を、t1、t2、t3
……とする。
【0033】[工程12] 上記プロファイルにおける
サテライトピークの回折角から、式(2)を用いて歪多
重量子井戸構造の周期Λを求め、0次のサテライトピー
クの回折角から、式(3)と式(4)とを用いて平均歪
εを求める(図3(1))。
【0034】ここで求められた個々の周期をΛ1、Λ2
Λ3……とし、求められた個々の平均歪をε1、ε2
ε3、……とする。
【0035】[工程13] 障壁層の成長時間tを横軸
にとり、歪多重量子井戸構造の周期Λを縦軸にとり、上
記工程12で求めた値Λ1、Λ2、Λ3、……を、障壁層
の成長時間t1,t2,t3,……に対してプロットする。そ
して、プロットした点を直線近似し、この近似された直
線の傾きと縦軸との切片を求める(図3(2))。
【0036】周期の定義から明らかなように、t=0の
縦軸との切片は、井戸層の厚さLwを表す。また、傾き
から、障壁層の成長速度vbが求まる。障壁層の成長速
度に成長時間を掛けることによって、個々の歪多重量子
井戸構造における障壁層の厚さLb1=vb・t1、Lb2
b・t2、Lb3=vb・t3、……を求めることができ
る。
【0037】[工程14] 個々の歪多重量子井戸構造
について、平均歪εに周期Λ=(L w+Lb)を掛けた
量、すなわち、ε・Λ=ε(Lw+Lb)=εw・Lw+ε
b・Lbを算出する。
【0038】そして、障壁層の厚さを横軸にとり、平均
歪に周期を掛けた量を縦軸にとり、算出した値の組(L
b1,ε1・Λ1)、(Lb2,ε2・Λ2)、(Lb3,ε3
Λ3)、……をプロットする。
【0039】図3(3)に示すように、プロットした点
を直線近似した直線の傾きから障壁層の歪εbを算出
し、この直線と障壁層の厚さがゼロの縦軸とが交わる点
から、井戸層の歪に井戸層の厚さを掛けた量(εw
w)を算出する。井戸層の歪に井戸層の厚さを掛けた
量を、井戸層の厚さで割ることによって、井戸層の歪ε
wを算出する。
【0040】上記工程によって、εw、εb、Lw
b1、Lb2、Lb3、……を求めることができる。
【0041】つまり、上記実施例は、障壁層の成長時間
を系統的に変えた2以上の歪多重量子井戸構造(障壁層
の成長時間t1、t2、t3、……)のX線回折プロファ
イルを測定する段階と、上記プロファイルにおけるサテ
ライトピークの回折角から、個々の歪多重量子井戸構造
の周期Λ1、Λ2、Λ3……を算出し、0次のサテライト
ピークの回折角から、個々の歪多重量子井戸構造の平均
歪ε1、ε2、ε3、……を算出する段階と、障壁層の成
長時間tを横軸にとり、歪多重量子井戸構造の周期Λを
縦軸にとり、上記算出された値Λ1、Λ2、Λ3、……を
障壁層の成長時間t1,t2,t3,……に対してプロット
し、このプロットした点を直線近似する段階と、この近
似された直線とt=0の縦軸との交点から井戸層の厚さ
wを算出する段階と、上記直線の傾きから障壁層の成
長速度vbを算出する段階と、上記障壁層の成長速度に
成長時間を掛けることによって、個々の歪多重量子井戸
構造における障壁層の厚さLb1=vb・t1、Lb2=vb
・t2、Lb3=vb・t3、……を算出する段階と、個々
の歪多重量子井戸構造について、平均歪εに周期Λを掛
けた量ε・Λを算出する段階と、障壁層の厚さを横軸に
とり、平均歪に周期を掛けた量を縦軸にとり、算出した
値の組(Lb1,ε1・Λ1)、(Lb2,ε2・Λ2)、(L
b3,ε3・Λ3)、…をプロットし、このプロットした点
を直線近似する段階と、この近似された直線の傾きか
ら、障壁層の歪εbを算出する段階と、上記直線と上記
障壁層の厚さがゼロの縦軸とが交わる点から、井戸層の
歪に井戸層の厚さを掛けた量(εw・Lw)を算出する段
階と、上記井戸層の歪に井戸層の厚さを掛けた量を、井
戸層の厚さLwで割ることによって、井戸層の歪εwを算
出する段階とを有する歪量子井戸構造の構造解析方法の
例である。
【0042】次に、本発明の第2の実施例である歪多重
量子井戸構造の構造解析方法について説明する。
【0043】図2は、本発明の第2の実施例である歪多
重量子井戸構造の構造解析方法を説明するフローチャー
トである。
【0044】[工程21] 井戸層の成長時間を系統的
に変えた2以上の歪多重量子井戸構造のX回折プロファ
イルを測定する。この場合、個々の歪多重量子井戸構造
の井戸層の成長時間をそれぞれt’1、t’2、t’3
……とする。
【0045】[工程22] 上記プロファイルにおける
サテライトピークの回折角から、式(2)を用いて歪多
重量子井戸構造の周期Λを求め、0次のサテライトピー
クの回折角から、式(3)と式(4)とを用いて平均歪
εを求める。求められた個々の周期をΛ1、Λ2、Λ3
……とし、求められた個々の平均歪をε1、ε2、ε3
……とする。
【0046】[工程23] 障壁層の成長時間t’を横
軸にとり、歪多重量子井戸構造の周期Λを縦軸にとり、
上記求められた値Λ1、Λ2、Λ3、……を、井戸層の成
長時間t’1,t’2,t’3,……に対してプロットする。
プロットした点を直線近似し、この近似された直線の傾
きと縦軸の切片とを求める。
【0047】周期の定義から明らかなように、t’=0
の縦軸との切片は、障壁層の厚さL bを表す。また、近
似された直線の傾きから、井戸層の成長速度vwを求め
ることができる。井戸層の成長速度に成長時間を掛け、
個々の歪多重量子井戸構造の井戸層の厚さLw1=vw
t’1、Lw2=vw・t’2、Lw3=vw・t’3、……を
求める。
【0048】[工程24] 個々の歪多重量子井戸構造
について、平均歪εに周期Λ=(L w+Lb)を掛けた
量、すなわち、ε・Λ=ε(Lw+Lb)=(εw・Lw
εb・Lb)を算出する。
【0049】そして、井戸層の厚さを横軸にとり、平均
歪に周期を掛けた量を縦軸にとり、算出した値の組(L
w1,ε1・Λ1)、(Lw2,ε2・Λ2)、(Lw3,ε3
Λ3)、……をプロットする。
【0050】データを直線近似した傾きから、井戸層の
歪εwを算出し、井戸層の厚さがゼロの縦軸に交わる点
から、障壁層の歪に障壁層の厚さを掛けた量εb・Lb
算出する。
【0051】障壁層の歪に障壁層の厚さを掛けた量を、
障壁層の厚さで割ることによって、障壁層の歪εbを算
出する。
【0052】上記工程によって、εw、εb、Lw1
w2、Lw3、……、Lbを求めることができる。
【0053】つまり、上記実施例は、井戸層の成長時間
を系統的に変えた2以上の歪多重量子井戸構造(井戸層
の成長時間t’1、t’2、t’3、……)のX回折プロ
ファイルを測定する段階と、上記プロファイルにおける
サテライトピークの回折角から、個々の歪多重量子井戸
構造の周期Λ1、Λ2、Λ3、……を算出し、0次のサテ
ライトピークの回折角から、個々の歪多重量子井戸構造
の平均歪ε1、ε2、ε 3、……を算出する段階と、障壁
層の成長時間tを横軸にとり、歪多重量子井戸構造の周
期Λを縦軸にとり、上記算出された値Λ1、Λ2、Λ3
…を井戸層の成長時間t’1、t’2、t’3、……に対
してプロットし、このプロットした点を直線近似する段
階と、この近似された直線とt=0の縦軸との交点から
障壁層の厚さLbを算出する段階と、上記近似された直
線の傾きから井戸層の成長速度vwを算出する段階と、
井戸層の成長速度に成長時間を掛け、個々の歪多重量子
井戸構造の井戸層の厚さLw1=vw・t1、Lw2=vw
2、Lw3=vw・t3、……を算出する段階と、個々の
歪多重量子井戸構造について、平均歪εに周期Λを掛け
た量であるε・Λを算出する段階と、井戸層の厚さを横
軸にとり、平均歪に周期を掛けた量を縦軸にとり、算出
した値の組(Lw1,ε1・Λ1)、(Lw2,ε2・Λ2)、
(Lw3,ε3・Λ3)、……をプロットし、このプロット
した点を直線近似する段階と、この近似された直線の傾
きから、井戸層の歪εwを算出する段階と、上記直線と
上記井戸層の厚さがゼロの縦軸とが交わる点から、障壁
層の歪に障壁層の厚さを掛けた量εb・Lbを算出する段
階と、障壁層の歪に障壁層の厚さを掛けた量を、障壁層
の厚さで割ることによって、障壁層の歪εbを算出する
段階とを有する歪量子井戸構造の構造解析方法の例であ
る。
【0054】次に、上記実施例である歪多重量子井戸構
造の解析方法を、1.3μm帯の発光波長をもつ歪多重
量子井戸構造の構造解析に適用した場合について説明す
る。
【0055】構造解析の対象となる歪多重量子井戸構造
(以下、「歪MQW」という)は、引張歪InGaAs
P井戸層と、圧縮歪InGaAsP障壁層とを、InP
(001)基板上に、交互にエピタキシャルな関係を保
ちながら積層したものである。
【0056】井戸層は、厚さ10nmであり、1.5μ
m組成のInGaAsP層で構成されている。障壁層
は、1.1μm組成のInGaAsP層で構成され、そ
の成長時間を20秒〜60秒まで変化させた4個の試料
を成長した。井戸層の歪と厚さ、及び障壁層の歪と成長
速度は、どれも同一である。障壁層の成長時間のみを変
化させた。
【0057】この歪MQWの成長は、有機金属分子線エ
ピタキシ(MOMBE)法で行った、MOMBE法によ
る成長は、VGSemicon社製V−400CBE装
置を用いて行った。III族原料は、トリメチルインジウ
ム(TMI)とトリエチルガリウム(TEG)とを用
い、V族原料は、フォスフィン(PH3)とアルシン
(AsH3)とを用いた。成長時の基板温度は、520
℃である。基板温度は、InSbの融点で校正したパイ
ロメータで測定した。
【0058】図4には、上記実施例において、成長した
4個の歪MQWを、2結晶X線回折法で測定した(00
4)回折プロファイルを示した。
【0059】図4の上から、障壁層の成長時間が、t1
=20sec、t2=28sec、t 3=34sec、t
4=60secの場合の回折プロファイルである。各回
折プロファイルには、InPピークとサテライトピーク
の次数を示した。各回折プロファイルの0次サテライト
ピークの回折角θ01、θ02、θ03、θ04から、式(3)
を用いて、各歪MQWの平均的な(004)面の面間隔
1、d2、d3、d4を計算した。さらに、式(4)を用
いて各歪MQWの平均歪ε1、ε2、ε3、ε4を計算し
た。
【0060】次に、各回折プロファイル毎に、サテライ
トピークの回折角θjとその次数jの関係を、式(2)
に当てはめ、各歪MQWの周期Λ1、Λ2、Λ3、Λ4を計
算した。
【0061】図5は、上記実施例において、障壁層の成
長時間tに対する歪MQWの周期Λの変化をプロットし
た図である。
【0062】図5における実線は、最小自乗法によって
フィッティングしたものである。この実線の傾きから、
障壁層の成長速度として、0.41nm/sが得られ、
上記実線と障壁層成長時間ゼロ(つまり障壁層の厚さL
b=0)の縦軸との交点から、井戸層の厚さとして、Lw
=9.7nmが得られた。得られた障壁層の成長速度
に、各歪MQWの障壁層成長時間をかけ、各歪MQWの
障壁層厚さLb1、Lb2、Lb3、Lb4を得ることができ
た。
【0063】また、各歪MQWについて、各歪MQWの
平均歪に周期を掛けた量ε1・Λ1、ε2・Λ2、ε3
Λ3、ε4・Λ4を計算した。
【0064】図6は、上記実施例において、各歪MQW
の平均歪に周期をかけた量ε1・Λ1、ε2・Λ2、ε3
Λ3、ε4・Λ4と、障壁層の厚さとの関係をプロットし
た図である。
【0065】図6における実線は、最小自乗法によって
フィッティングしたものである。この実線の傾きから、
障壁層の歪としてεb=0.35%が得られ、実線と障
壁層の厚さゼロの縦軸との交点から、井戸層の厚さに井
戸層の厚さをかけた量として−0.157(nm%)が
得られた。この量を、井戸層の厚さ9.7nmで割るこ
とによって、井戸層の歪としてεw=−1.62%が得
られた。つまり、4つの歪MQWに共通するパラメータ
である井戸層の歪εw、井戸層の厚さLwおよび障壁層の
歪εbが求まり、さらに個々の歪MQWにおける障壁層
の値Lb1、Lb2、Lb3、Lb4が求められた。
【0066】井戸層の成長時間を変えた歪MQWの試料
を用いても、図2のフローチャートにしたがって構造解
析を行うならば、容易にεw、εb、Lw1、Lw2、Lw3
……Lbを求めることができる。
【0067】上記実施例において、個々の歪多重量子井
戸構造の平均歪εw1、εw2、εw3、εw4と周期Λ1
Λ2、Λ3、Λ4は、X線回折プロファイルから直接、精
度良く計算することができる。また、これらの値から、
歪多重量子井戸構造の構造パラメータを求める際には、
プロットした点を直線近似するときに最小自乗法でフィ
ッティングできる。
【0068】したがって、上記実施例の歪多重量子井戸
構造の構造解析方法は、モデルとのフィッティングを必
要としないので,主観的な誤差が入り込む余地が無く、
客観的な解析方法である。
【0069】また、上記実施例を記録媒体の発明として
把握することができる。
【0070】つまり、障壁層の成長時間を系統的に変え
た2以上の歪多重量子井戸構造(障壁層の成長時間
1、t2、t3、……)のX線回折プロファイルを測定
する手順と、上記プロファイルにおけるサテライトピー
クの回折角から、個々の歪多重量子井戸構造の周期
Λ1、Λ2、Λ3……を算出し、0次のサテライトピーク
の回折角から、個々の歪多重量子井戸構造の平均歪
ε1、ε2、ε3、……を算出する手順と;障壁層の成長
時間tを横軸にとり、歪多重量子井戸構造の周期Λを縦
軸にとり、上記算出された値Λ1、Λ2、Λ3、……を障
壁層の成長時間t1,t2,t3,……に対してプロットし、
このプロットした点を直線近似する手順と、この近似さ
れた直線とt=0の縦軸との交点から井戸層の厚さLw
を算出する手順と、上記直線の傾きから障壁層の成長速
度vbを算出する手順と、上記障壁層の成長速度に成長
時間を掛けることによって、個々の歪多重量子井戸構造
における障壁層の厚さLb1=vb・t1、Lb2=vb
2、Lb3=vb・t3、……を算出する手順と、個々の
歪多重量子井戸構造について、平均歪εに周期Λを掛け
た量ε・Λを算出する手順と、障壁層の厚さを横軸にと
り、平均歪に周期を掛けた量を縦軸にとり、算出した値
の組(Lb1,ε1・Λ1)、(Lb2,ε2・Λ2)、
(Lb3,ε3・Λ3)、…をプロットし、このプロットし
た点を直線近似する手順と、この近似された直線の傾き
から、障壁層の歪εbを算出する手順と、上記直線と上
記障壁層の厚さがゼロの縦軸とが交わる点から、井戸層
の歪に井戸層の厚さを掛けた量(ε w・Lw)を算出する
手順と、上記井戸層の歪に井戸層の厚さを掛けた量を、
井戸層の厚さLwで割ることによって、井戸層の歪εw
算出する手順とをコンピュータに実行させるプログラム
を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体とし
て、上記実施例を把握することができる。
【0071】また、井戸層の成長時間を系統的に変えた
2以上の歪多重量子井戸構造(井戸層の成長時間
t’1、t’2、t’3、……)のX回折プロファイルを
測定する手順と、上記プロファイルにおけるサテライト
ピークの回折角から、個々の歪多重量子井戸構造の周期
Λ1、Λ2、Λ3、……を算出し、0次のサテライトピー
クの回折角から、個々の歪多重量子井戸構造の平均歪ε
1、ε2、ε3、……を算出する手順と、障壁層の成長時
間tを横軸にとり、歪多重量子井戸構造の周期Λを縦軸
にとり、上記算出された値Λ1、Λ2、Λ3……を井戸層
の成長時間t’1、t’ 2、t’3、……に対してプロッ
トし、このプロットした点を直線近似する手順と、この
近似された直線とt’=0の縦軸との交点から障壁層の
厚さLbを算出する手順と、上記近似された直線の傾き
から井戸層の成長速度vwを算出する手順と、井戸層の
成長速度に成長時間を掛け、個々の歪多重量子井戸構造
の井戸層の厚さLw1=vw・t1、Lw2=vw・t2、Lw3
=vw・t3、……を算出する手順と、個々の歪多重量子
井戸構造について、平均歪εに周期Λを掛けた量である
ε・Λを算出する手順と、井戸層の厚さを横軸にとり、
平均歪に周期を掛けた量を縦軸にとり、算出した値の組
(Lw1,ε1・Λ1)、(Lw2,ε2・Λ2)、(Lw3,ε
3・Λ3)、……をプロットし、このプロットした点を直
線近似する手順と、この近似された直線の傾きから、井
戸層の歪εwを算出する手順と、上記直線と上記井戸層
の厚さがゼロの縦軸とが交わる点から、障壁層の歪に障
壁層の厚さを掛けた量εb・Lbを算出する手順と、障壁
層の歪に障壁層の厚さを掛けた量を、障壁層の厚さで割
ることによって、障壁層の歪εbを算出する手順とをコ
ンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュ
ータ読み取り可能な記録媒体として、上記実施例を把握
することができる。
【0072】これらの場合、上記記録媒体として、F
D、CD、MD、DVD、ハードディスク、半導体メモ
リ等を想定することができる。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、歪多重量子井戸構造に
おける井戸層の歪、井戸層の厚さ、障壁層の歪、および
障壁層の厚さを求める場合、モデルに依存しないという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である歪多重量子井戸構
造の構造解析方法を説明するフローチャートである。
【図2】本発明の第2の実施例である歪多重量子井戸構
造の構造解析方法を説明するフローチャートである。
【図3】上記実施例の説明図である。
【図4】上記実施例において、成長した4個の歪MQW
を、2結晶X線回折法で評価した結果を示す図である。
(004)反射の回折プロファイルを示した。
【図5】上記実施例において、障壁層の成長時間tに対
する歪MQWの周期Λの変化をプロットした図である。
【図6】上記実施例において、各歪MQWの平均歪に周
期をかけた量ε1・Λ1、ε2・Λ2、ε3・Λ3、ε4・Λ4
と、障壁層の厚さとの関係をプロットした図である。
【図7】歪MQWの構造パラメータを評価するために用
いられている従来の構造解析方法を説明する図である。
【符号の説明】
1、t2、t3…個々の歪多重量子井戸構造における障
壁層の成長時間、 t’1、t’2、t’3…個々の歪多重量子井戸構造にお
ける井戸層の成長時間、 Λ1、Λ2、Λ3…個々の歪多重量子井戸構造の周期、 ε1、ε2、ε3…個々の歪多重量子井戸構造の平均歪、 Lw…井戸層の厚さ、 εw…井戸層の歪、 Lb…障壁層の厚さ、 vb…障壁層の成長速度、 vw…井戸層の成長速度。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 障壁層の成長時間を系統的に変えた2以
    上の歪多重量子井戸構造(障壁層の成長時間t1、t2
    3、……)のX線回折プロファイルを測定する段階
    と;上記プロファイルにおけるサテライトピークの回折
    角から、個々の歪多重量子井戸構造の周期Λ1、Λ2、Λ
    3……を算出し、0次のサテライトピークの回折角か
    ら、個々の歪多重量子井戸構造の平均歪ε1、ε2
    ε3、……を算出する段階と;障壁層の成長時間tを横
    軸にとり、歪多重量子井戸構造の周期Λを縦軸にとり、
    上記算出された値Λ1、Λ2、Λ3、……を障壁層の成長
    時間t1,t2,t3,……に対してプロットし、このプロッ
    トした点を直線近似する段階と;この近似された直線と
    t=0の縦軸との交点から井戸層の厚さLwを算出する
    段階と;上記直線の傾きから障壁層の成長速度vbを算
    出する段階と;上記障壁層の成長速度に成長時間を掛け
    ることによって、個々の歪多重量子井戸構造における障
    壁層の厚さLb1=vb・t1、Lb2=vb・t2、Lb3=v
    b・t3、……を算出する段階と;個々の歪多重量子井戸
    構造について、平均歪εに周期Λを掛けた量ε・Λを算
    出する段階と;障壁層の厚さを横軸にとり、平均歪に周
    期を掛けた量を縦軸にとり、算出した値の組(Lb1,ε
    1・Λ1)、(Lb2,ε2・Λ2)、(Lb3,ε3・Λ3)、
    …をプロットし、このプロットした点を直線近似する段
    階と;この近似された直線の傾きから、障壁層の歪εb
    を算出する段階と;上記直線と上記障壁層の厚さがゼロ
    の縦軸とが交わる点から、井戸層の歪に井戸層の厚さを
    掛けた量(εw・Lw)を算出する段階と;上記井戸層の
    歪に井戸層の厚さを掛けた量を、井戸層の厚さLwで割
    ることによって、井戸層の歪εwを算出する段階と;を
    有することを特徴とする歪量子井戸構造の構造解析方
    法。
  2. 【請求項2】 井戸層の成長時間を系統的に変えた2以
    上の歪多重量子井戸構造(井戸層の成長時間t’1
    t’2、t’3、……)のX回折プロファイルを測定する
    段階と;上記プロファイルにおけるサテライトピークの
    回折角から、個々の歪多重量子井戸構造の周期Λ1
    Λ2、Λ3、……を算出し、0次のサテライトピークの回
    折角から、個々の歪多重量子井戸構造の平均歪ε1
    ε2、ε3、……を算出する段階と;障壁層の成長時間t
    を横軸にとり、歪多重量子井戸構造の周期Λを縦軸にと
    り、上記算出された値Λ1、Λ2、Λ3……を井戸層の成
    長時間t’1、t’2、t’3、……に対してプロット
    し、このプロットした点を直線近似する段階と;この近
    似された直線とt’=0の縦軸との交点から障壁層の厚
    さLbを算出する段階と;上記近似された直線の傾きか
    ら井戸層の成長速度vwを算出する段階と;井戸層の成
    長速度に成長時間を掛け、個々の歪多重量子井戸構造の
    井戸層の厚さLw1=vw・t’1、Lw2=vw・t’2、L
    w3=vw・t’3、……を算出する段階と;個々の歪多重
    量子井戸構造について、平均歪εに周期Λを掛けた量で
    あるε・Λを算出する段階と;井戸層の厚さを横軸にと
    り、平均歪に周期を掛けた量を縦軸にとり、算出した値
    の組(Lw1,ε1・Λ1)、(Lw2,ε2・Λ2)、
    (Lw3,ε3・Λ3)、……をプロットし、このプロット
    した点を直線近似する段階と;この近似された直線の傾
    きから、井戸層の歪εwを算出する段階と;上記直線と
    上記井戸層の厚さがゼロの縦軸とが交わる点から、障壁
    層の歪に障壁層の厚さを掛けた量εb・Lbを算出する段
    階と;障壁層の歪に障壁層の厚さを掛けた量を、障壁層
    の厚さで割ることによって、障壁層の歪εbを算出する
    段階と;を有することを特徴とする歪量子井戸構造の構
    造解析方法。
  3. 【請求項3】 障壁層の成長時間を系統的に変えた2以
    上の歪多重量子井戸構造(障壁層の成長時間t1、t2
    3、……)のX線回折プロファイルを測定する手順
    と;上記プロファイルにおけるサテライトピークの回折
    角から、個々の歪多重量子井戸構造の周期Λ1、Λ2、Λ
    3……を算出し、0次のサテライトピークの回折角か
    ら、個々の歪多重量子井戸構造の平均歪ε1、ε2
    ε3、……を算出する手順と;障壁層の成長時間tを横
    軸にとり、歪多重量子井戸構造の周期Λを縦軸にとり、
    上記算出された値Λ1、Λ2、Λ3、……を障壁層の成長
    時間t1,t2,t3,……に対してプロットし、このプロッ
    トした点を直線近似する手順と;この近似された直線と
    t=0の縦軸との交点から井戸層の厚さLwを算出する
    手順と;上記直線の傾きから障壁層の成長速度vbを算
    出する手順と;上記障壁層の成長速度に成長時間を掛け
    ることによって、個々の歪多重量子井戸構造における障
    壁層の厚さLb1=vb・t1、Lb2=vb・t2、Lb3=v
    b・t3、……を算出する手順と;個々の歪多重量子井戸
    構造について、平均歪εに周期Λを掛けた量ε・Λを算
    出する手順と;障壁層の厚さを横軸にとり、平均歪に周
    期を掛けた量を縦軸にとり、算出した値の組(Lb1,ε
    1・Λ1)、(Lb2,ε2・Λ2)、(Lb3,ε3・Λ3)、
    …をプロットし、このプロットした点を直線近似する手
    順と;この近似された直線の傾きから、障壁層の歪εb
    を算出する手順と;上記直線と上記障壁層の厚さがゼロ
    の縦軸とが交わる点から、井戸層の歪に井戸層の厚さを
    掛けた量(εw・Lw)を算出する手順と;上記井戸層の
    歪に井戸層の厚さを掛けた量を、井戸層の厚さLwで割
    ることによって、井戸層の歪εwを算出する手順と;を
    コンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピ
    ュータ読み取り可能な記録媒体。
  4. 【請求項4】 井戸層の成長時間を系統的に変えた2以
    上の歪多重量子井戸構造(井戸層の成長時間t’1
    t’2、t’3、……)のX回折プロファイルを測定する
    手順と;上記プロファイルにおけるサテライトピークの
    回折角から、個々の歪多重量子井戸構造の周期Λ1
    Λ2、Λ3、……を算出し、0次のサテライトピークの回
    折角から、個々の歪多重量子井戸構造の平均歪ε1
    ε2、ε3、……を算出する手順と;障壁層の成長時間t
    を横軸にとり、歪多重量子井戸構造の周期Λを縦軸にと
    り、上記算出された値Λ1、Λ2、Λ3……を井戸層の成
    長時間t’1、t’2、t’3、……に対してプロット
    し、このプロットした点を直線近似する手順と;この近
    似された直線とt’=0の縦軸との交点から障壁層の厚
    さLbを算出する手順と;上記近似された直線の傾きか
    ら井戸層の成長速度vwを算出する手順と;井戸層の成
    長速度に成長時間を掛け、個々の歪多重量子井戸構造の
    井戸層の厚さLw1=vw・t’1、Lw2=vw・t’2、L
    w3=vw・t’3、……を算出する手順と;個々の歪多重
    量子井戸構造について、平均歪εに周期Λを掛けた量で
    あるε・Λを算出する手順と;井戸層の厚さを横軸にと
    り、平均歪に周期を掛けた量を縦軸にとり、算出した値
    の組(Lw1,ε1・Λ1)、(Lw2,ε2・Λ2)、
    (Lw3,ε3・Λ3)、……をプロットし、このプロット
    した点を直線近似する手順と;この近似された直線の傾
    きから、井戸層の歪εwを算出する手順と;上記直線と
    上記井戸層の厚さがゼロの縦軸とが交わる点から、障壁
    層の歪に障壁層の厚さを掛けた量εb・Lbを算出する手
    順と;障壁層の歪に障壁層の厚さを掛けた量を、障壁層
    の厚さで割ることによって、障壁層の歪εbを算出する
    手順と;をコンピュータに実行させるプログラムを記録
    したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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