JP2001019895A - フッ素樹脂含有コーティング用組成物 - Google Patents

フッ素樹脂含有コーティング用組成物

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JP2001019895A
JP2001019895A JP11190445A JP19044599A JP2001019895A JP 2001019895 A JP2001019895 A JP 2001019895A JP 11190445 A JP11190445 A JP 11190445A JP 19044599 A JP19044599 A JP 19044599A JP 2001019895 A JP2001019895 A JP 2001019895A
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polymer
liquid
coating composition
resin
vinylidene fluoride
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JP11190445A
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Hiroshi Miyazawa
央 宮沢
Yukio Takayama
行雄 高山
Isamu Harasawa
勇 原澤
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NAKAE BUSSAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂成形物の表面に塗布することにより、樹
脂成形物に耐薬品性、耐汚染性、耐候性等の優れた性質
を付与することのできるコーティング用組成物を提供す
る。 【解決手段】 フッ化ビニリデン(共)重合体(a)及
び該フッ化ビニリデン(共)重合体(a)の良溶媒であ
る液体(b-1)と非溶媒である液体(b-2)を特定割合で
含有する混合液体媒体よりなり、フッ化ビニリデン
(共)重合体(a)が混合液体媒体(b)中に実質的に溶
解した状態で存在するコーティング用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂成形物の表面、特
に比較的溶剤によって実質的に溶解及び/又は劣化を受
ける樹脂の成形物表面に塗布するためのフッ素樹脂含有
コーティング用組成物に関し、詳しくは、フッ化ビニリ
デン(共)重合体(a)及び該フッ化ビニリデン(共)
重合体(a)の良溶媒である液体(b-1)と非溶媒である
液体(b-2)を特定割合で含有する混合液体媒体よりな
り、フッ化ビニリデン(共)重合体(a)が混合液体媒
体(b)中に実質的に溶解した状態で存在するコーティ
ング用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート(以下、PCということ
がある)は、従来より、ランプレンズ、テールランプケ
ース、ラジエーターグリル、フロントグリル等の自動車
用途;電子コネクター、ICトレイ、液晶パネル、リレー
部品等電子機器用途;人工透析器、人工肺等の医療保安
用途;コンパクトディスク、光ファイバー等の光学関連
用途;カレールー、チーズ、哺乳ビン、菓子類等の食品
包装用途;アーケード、室内プール、車庫の屋根材、ス
キーゴーグル等シート及び板状用途等の幅広い分野で成
形物として使用されている。
【0003】また、(メタ)アクリル酸エステル(共)重
合体、特にメタクリル酸メチル(共)重合体(以下、PM
MAということがある)は、透明性が高く、色調の選択幅
が大きく、表面状態が優れており、軽くて強靱であり、
成形性・加工性に優れ、人畜に無害であり、薬品に対す
る抵抗性が高いなどの長所を有しており、これらの長所
を利用して、主として、板状体、シート又はこれらの成
形物などの形態で、車両用途、照明用途、公告用途、表
示板用途、建築用途、計器用途、電機関連用途、雑貨用
途、その他各種用途など幅広い分野で使用されている。
【0004】さらに、アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン共重合体(以下、ABSということがある)は、
その成形物が美麗で、剛性、耐衝撃性,成形性に優れ且
つ電気的性質にも優れているので、テレビ,ビデオ,ス
テレオ、ラジオ,エアコン,カメラ、電話、通信機、プ
リンター,パソコン等の家庭用電気製品,機械のハウジ
ング用途、ラジエーターグリル、バックパネル、ドアー
ミラー、メーターフード、コンソール゛ボックス等の自
動車部品、さらに玩具、レジャー用品、旅行バッグ等の
雑貨等の分野で広く使用されている。
【0005】しかしながら、前記PC成形物は、苛性ソー
ダ、苛性カリ、サラシ粉、アンモニア水、水酸化カルシ
ウム等の塩基性薬品により分解やすい。また、PC、(メ
タ)アククリ酸エステル(共)重合体及びABSは、ベン
ゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;アセトン、メチル
イソブチルケトン(MIBK)、エチルエーテル、エチレン
ジアミン、酢酸メチル、酢酸エチル等のケトン、エーテ
ル、アミン、エステル系炭化水素;塩化メチレン、四塩
化炭素等の塩素化炭化水素;エチルセロソルブ、ラッカ
ー用シンナー、テレピン油等のシンナー類等の有機系溶
剤と接触することにより、クレーズが発生したり、溶解
してしまうため、耐薬品性が要求される用途には使用す
ることができないという問題がある。
【0006】またPC成形物をはじめ(メタ)アクリル酸エ
ステル(共)重合体やABSの成形物は、一般に、マジッ
クインキ、口紅、ジーゼルエンジンの排気ガス、工場煤
煙,砂塵,手垢等により表面が汚染されてしまうため、
これらに対する耐汚染性が必要とされる用途への使用も
制限されて折り、例えば家庭電化製品ではいったん汚染
した場合、シンナー等の用材で容易に且つ完全に拭き取
ることができないという問題がある。
【0007】さらにPCやABSなどの樹脂成形物は、何れ
も1〜2年の太陽光線の照射により分解劣化して、分子
量が低下し、黄変が発生し、機械的強度が極端に低下す
るため、そのままでは長期耐候性が要求される屋外用途
には殆んど使用することができないという問題がある。
【0008】
【発明の解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂から成形され
た樹脂成形物表面に塗布することにより、これらの樹脂
がもつ上記の如き問題点が改善して、耐薬品性、耐汚染
性、耐候性等に優れた樹脂成形物を得るためのフッ素樹
脂含有コーティング用組成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、樹脂成形物表
面に塗布するためのフッ素樹脂含有コーティング用組成
物であって、(a) フッ化ビニリデン(共)重合体、及
び(b) フッ化ビニリデン(共)重合体(a)の溶媒であ
る液体(b-1)と、フッ化ビニリデン(共)重合体(a)
の非溶媒であって且つ上記樹脂成形物の塗布表面を実質
的に溶解及び/又は劣化させることのない液体(b-2)
とからなり、液体(b-2)を液体(b-1)100重量部あた
り5〜500重量部の割合で含有する混合液体媒体よりな
り、フッ化ビニリデン(共)重合体(a)が混合液体媒
体(b)中に実質的に溶解した状態で存在することを特
徴とするコーティング用組成物を提供するものである。
【0010】以下、本発明のコーティング用組成物につ
いてさらに詳細に説明する。
【0011】本発明のコーティング用組成物の主要な構
成成分であるフッ化ビニリデン(共)重合体(以下PVDF
ということがある)(a)には、フッ化ビニリデン(VD
F)の単独重合体及びフッ化ビニリデンと共重合可能な
他のフルオロオレフィンの少なくとも1種との共重合体
が包含される。共重合可能な他のフルオロオレフィンと
しては、特に、四フッ化エチレン(TFE)及び六フッ化
プロピレン(HFP)が好適である。
【0012】そのような共重合体の好適な具体例として
は、VDF/HFPの重量比が(95〜55)/(5〜45)、好
ましくは(80〜60)/(20〜40)の範囲内にあるVDF−
HFP共重合体、VDF/TFE/HFPの重量比が(90〜50)
/(5〜40)/(5〜30)、好ましくは(80〜50)/
(15〜35)/(5〜25)、さらに好ましくは(75〜55)
/(20〜35)/(10〜20)、より一層好ましくは(60〜
70)/(25〜30)/(10〜15)の範囲内にあるVDF−TFE
−HFP共重合体が挙げられる。
【0013】このようなPVDF共重合体は、PVDF単独重合
体に比較して、柔軟性に富み、融点が低く、有機溶剤に
対する溶解性に優れており、樹脂成形物表面に被覆層と
して容易に被着することができるという利点を有してい
る。
【0014】上記PVDFとしては、例えばエルフ・アトケ
ム・ジャパン(株)よりKYNAR 7201、KYNAR 9301なる商
品名で市販されているものを使用することができる。
【0015】本発明で好適に使用することができるPVDF
の比重及び融点は、厳密に制限されるものではないが、
比重(測定方法:ISO 1183準拠、以下同じ)は1.70~2.1
0好ましくは1.85〜2.00の範囲内、融点(測定方法:ISO
3146、以下同じ)は80〜130℃の範囲内にあるものが好
適に使用できる。
【0016】本発明のコーティング用組成物は、フッ化
ビニリデン(共)重合体(a)が混合液体媒体(b)中に
実質的に溶解した状態で存在するものであるが、用いら
れる混合液体媒体(b)は、フッ化ビニリデン(共)重
合体(a)の溶媒である液体(b-1)と、フッ化ビニリデ
ン(共)重合体(a)の非溶媒であって且つ上記樹脂成
形物の塗布表面を実質的に溶解及び/又は劣化させるこ
とのない液体(b-2)とからなる。
【0017】ここで「フッ化ビニリデン(共)重合体
(a)の溶媒である液体」とは、本発明のコーティング
用組成物の主成分樹脂であるフッ化ビニリデン(共)重
合体(a)を、室温(25℃)で、その液体100重量部あた
り1重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好
ましくは20重量部以上溶解又は分散することのできる
液体をいう。また「フッ化ビニリデン(共)重合体
(a)の非溶媒である液体」とは、フッ化ビニリデン
(共)重合体(a)を、室温(25℃)で、その液体100重
量部あたり1重量部未満、好ましくは0.5重量部以下、
さらに好ましくは0.1重量部以下溶解又は分散する液体
をいい、この場合、フッ化ビニリデン(共)重合体
(a)を膨潤させるものであってもよい。さらに「樹脂
成形物の塗布表面を実質的に溶解及び/又は劣化させる
ことのない液体」とは、樹脂製形物として,厚さ150μ
mのフイルムを成形し、ついでこのフイルムを当該液体
中に25℃×5分間浸漬し、取り出して溶液を乾燥除去
した際、フイルムに溶解、分解、クレーズが見られない
液体をいう。
【0018】上記の「フッ化ビニリデン(共)重合体
(a)の溶媒である液体(b-1)」は、成形用樹脂、例え
ばポリカーボネート、メタクリル酸メチル(共)重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(共)重
合体は、液体(b-1)に対しても、当然ながら良溶媒で
あるので、このような液体(b-1)に溶解したPVDF溶液
を樹脂成形物に直接コーティングすると、コーティング
された面から該樹脂が徐々に侵され、最終的には成形物
の形状を維持できなくなる。これを防ぐため、少量の溶
剤でコーティングし短期間で乾燥しようとすると、成形
物の形状は維持できるが、成形物面上にクラックが生じ
たり、成形物の強度が著しく低下したり、成形物が白化
したり、カール性が顕著となり、用途によっては実用的
に使用できない場合が生ずる。
【0019】そこで、本発明者らは、これらの問題点を
解決すべく種々検討した結果、フッ化ビニリデン(共)
重合体(a)の溶媒である液体(b-1)と、フッ化ビニリ
デン(共)重合体(a)の非溶媒であって且つ上記樹脂
成形物の塗布表面を実質的に溶解及び/又は劣化させる
ことのない液体(b-2)を混合した混合液体媒体を用い
ることにより、これらの問題点を一挙に解決できること
を見出した。
【0020】上記の液体(b-1)は、特に制限されるも
のではなく、上記の条件を満足するものであればいずれ
の溶剤も使用することができ、例えば、ヘキサメチレン
ジアミン、プロピルアミン等のアミン系溶剤;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メ
チルイソアミルケトン等のケトン系溶剤;ジメチルホル
ムアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジメチルアセト
アミド等のアミド系溶剤;カルビトールアセテート、酢
酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート等
のエステル系溶剤;テトラヒドロフランのようなエーテ
ル系溶剤;シクロヘキサノンのような環状炭化水素系溶
剤;その他ジオキサン、ニトロプロパン、ジアセトンア
ルコール、トリブチルフォスフェート等の溶剤が挙げら
れる。これら溶剤はそれぞれ単独でもしくは混合して使
用される。混合して使用する場合の溶剤の組合わせとし
ては、例えば、酢酸ブチル/メチルイソブチルケトン
(MIBK)、酢酸ブチル/MIBK、MIBK/シクロヘキサン/
ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンアルコール/カ
ルビトールアセテート等が挙げられる。これら溶剤系の
混合比率は特に制限されなく、例えば、重量比で、酢酸
ブチル/MIBK系では、30〜75/15〜40、好ましくは40〜
55/25〜35とすることができ、MIBK/シクロヘキサン/
ジアセトンアクリルアミド系では、30〜75/10〜40/15
〜40、好ましくは50〜60/15〜25/20〜30とすることが
でき、そしてジアセトンアルコール/カルビトールアセ
テート系では、5〜25/50〜99、好ましくは5〜15/75
〜90とすることができる。
【0021】また前記液体(b-2)も、特に規制される
ものではないく、成形に使用する樹脂及びコーティング
条件等を考慮して適宜選択使用されるが、その代表例を
挙げると、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール等のア
ルコール類;n-ヘプタン、石油系ベンジン等の脂肪族炭
化水素等が挙げられ、中でもアルコール類が好適に使用
され、特にイソプロピルアルコールが好適である。
【0022】本発明のコーティング用組成物は、液体
(b-2)を液体(b-1)100重量部あたり5〜500重量部、
好ましくは10〜400、さらに好ましくは25〜150、特に好
ましくは40〜100の割合で含有する混合液体媒体を用
い、前記PVDF(a)が該混合液体媒体(b)中に実質的に
溶解した状態で存在することを特徴とする。
【0023】液体(b-2)の好適な添加量は、液体(b-
1)の種類、フッ素樹脂の種類、濃度及び溶液の温度に
より異なるが、それは当業者であれば小規模の実験を行
うことにより容易に決定することができる。
【0024】なお、液体(b-2)の添加量が500重量
部以上となるとフッ素樹脂は溶解し難くなり、均一な溶
液が得られなくなり、5重量部以下では、コーティング
被膜が薄くなり、コーティング効果が得られ難くなる。
液体(b-2)の添加量の上限は、フッ素樹脂の液体(b-
1)中の溶液に液体(b-2)を徐々に添加し、フッ素樹脂
が析出を開始する時点の液体(b-2)の量を以って決定
することができる。
【0025】本発明のフッ素樹脂含有コーティング用組
成物には、必要に応じて、得られる樹脂成形物表面との
被着性の向上及びフッ化ビニリデン(共)重合体(a)
の結晶化を抑えることができ透明性を長期間維持するた
めに、フッ化ビニリデン(共)重合体(PVDF)(a)と
共に、フッ化ビニリデン(共)重合体(PVDF)(a)以
外の樹脂成分(c)を必要に応じて配合することができ
る。
【0026】配合しうるこのようなPVDF(a)以外の樹
脂成分(c)としては、例えば、(メタ)アクリル酸エ
ステル(共)重合体、スチレン系(共)重合体、セルロ
ース系樹脂、他のフッ素系樹脂等が挙げられ、中でも
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体が好適に使用
される。このような(メタ)アクリル酸エステル(共)
重合体には、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体
及び2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体
が包含され、特にメタクリル酸エステル(共)重合体、
なかでもメタアクリル酸メチル(以下PMMAということが
ある)(共)重合体が好適である。
【0027】かかる(メタ)アクリル酸エステル(共)
重合体の製造に用いるメタクリル酸エステルとしては、
メタクリル酸のC1〜C18アルキルエステル、例えば、
メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル(EM
A)、メタクリル酸-n-ブチル(BMA)、メタクリル酸-i-
ブチル(iBMA)、メタクリル酸-n-ヘキシル(nHMA)、
メタクリル酸-2-エチルヘキシル(EHMA)、メタクリル
酸-n-オクチル(nOMA)、メタクリル酸-i-オクチル(iO
MA)、メタクリル酸-n-ノニル(nNMA)、メタクリル酸-
i-ノニル(iNMA)、メタクリル酸ラウリル(LMA)、メ
タクリル酸ステアリル(SMA)等が挙げられ、中でもMMA
及びBMAが好適である。
【0028】また(メタ)アクリル酸エステル(共)重
合体の製造に用いるアクリル酸エステルとしては、アク
リル酸のC1〜C18アルキルエステル、例えば、アクリ
ル酸メチル(MA)、アクリル酸エチル(EA)、アクリル
酸-n-ブチル(BA)、アクリル酸-i-ブチル(iBA)、ア
クリル酸-n-ヘキシル(nHA)、アクリル酸-2-エチルヘ
キシル(EHA)、アクリル酸-n-オクチル(nOA)、アク
リル酸-i-オクチル(iOA)、アクリル酸-n-ノニル(nN
A)、アクリル酸-i-ノニル(iNA)、アクリル酸ラウリ
ル(LA)、アクリル酸ステアリル(SA)等が挙げられ、
中でもMA、EA、BA、EHAが好ましく、殊にBAが好適であ
る。
【0029】さらに(メタ)アクリル酸エステル(共)
重合体の製造には、必要に応じて、これら(メタ)アク
リル酸エステルとともに、例えば、2-ヒドロキシエチル
ビニルエーテル、3-ヒドロキシプロピルビニルエーテ
ル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、2-ヒドロキシ
エチルアリルエーテル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロ
キシエチル等の水酸基を有する単量体;例えば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等のカル
ボキシル基を有する単量体;などを共重合することがで
きる。
【0030】これらの(メタ)アクリル酸エステル及び
必要に応じて用いるその他の単量体は、それ自体公知の
方法、例えば、塊状重合、懸濁重合、乳化重合及び溶液
重合等の方法により(共)重合して、(メタ)アクリル
酸エステル(共)重合体を製造することができる。
【0031】本発明において、特に好適に使用されるメ
タクリル酸エステル共重合体としては、例えば、MMA-BA
共重合体、MMA-EA共重合体、MMA-nHA共重合体、MMA-EHA
共重合体、MMA-OA共重合体等が挙げられ、中でもMMA-BA
共重合体及びMMA-EA共重合体が好適である。
【0032】上記のごときメタクリル酸エステル共重合
体におけるメタクリル酸エステル単位とアクリル酸エス
テル単位の割合は、メタクリル酸エステル/アクリル酸
エステルの重量比で、一般に、95/5〜50/50、好まし
くは90/10〜60/40、さらに好ましくは85/15〜70/30
の範囲内とすることができる。
【0033】本発明において使用される(メタ)アクリ
ル酸エステル(共)重合体は、一般に、ガラス転移温度
(Tg)が20〜105℃;平均分子量は1万〜360万、好まし
くは10万〜200万;全光線透過率が88%以上、好ましく
は91%以上のものが使用される。
【0034】以上述べたようなPVDF(a)以外の樹脂成
分(c)の配合割合(重量)は、通常、PVDF(a)及び該
樹脂成分(c)の合計100重量%に対して、5〜50重量
%、好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜30
重量%とすることができる。樹脂成分(c)の配合割合
が該上限値を超えて多すぎると、PVDF(a)の有する好
ましい改善効果、すなわち、耐薬品性、耐汚染性、耐候
性、耐溶剤性、難燃性及び表面滑性等の向上効果などが
不十分となることがあり好ましくない。一方、樹脂成分
(c)の配合割合が該下限値以上であれば、得られるフ
ッ素樹脂被覆層の透明性や表面硬度を改善することがで
き、樹脂成形物表面との被着力も向上し、また特に、後
述するようにこのコーティング用組成物にベンゾトリア
ゾール系などの紫外線吸収剤(d)を含有させるとき、
該紫外線吸収剤(d)との相溶性が向上するので上記の
使用範囲内で配合使用するのが好ましい。
【0035】上記の混合液体媒体(b)を用いて調製さ
れるコーティング用組成物における、PVDF(a)及びPVD
F(a)以外の樹脂成分(c)の合計の濃度は、特に制限
されるものではなく、PVDF(a)及びPVDF(a)以外の樹
脂成分(c)の種類やそのコーティング膜厚等に応じて
広い範囲にわたって変えることができるが、一般には、
5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%、さらに好まし
くは15〜20重量%の範囲内とすることができる。
【0036】本発明のフッ素樹脂含有コーティング用組
成物は、樹脂成形物表面に塗布することを目的とするも
のである。
【0037】このような樹脂成形物を形成するのに用い
られる樹脂は、特に限定されるものではなく、いずれの
樹脂でも使用できるが、例えばフッ化ビニリデン(共)
重合体(a)の溶媒である液体(b-1)により、実質的に
溶解及び/又は劣化する特性を有する樹脂、さらに具体
的には、例えばポリカーボネート、(メタ)アクリル酸
エステル(共)重合体、メタクリル酸メチル(共)重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(共)重
合体、スチレン系(共)重合体、ポリエチレンテレフタ
レート、酢酸ビニル樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸セルロ
ース、硝酸セルロース、プロビオンセルロース、エチル
セルロース等のセルロース系樹脂、ナイロン6,ナイロ
ン66等のポリアミド樹脂、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリイミド等のエンジニアリング樹脂、塩
化ビニール樹脂及び塩化ビニリデン樹脂など何れの樹脂
であってもよく、中でもPC、(メタ)アククリ酸エステ
ル(共)重合体、ABSセルロース系樹脂及びウレタン系
樹脂が好ましく、特にPC、(メタ)アククリ酸エステル
(共)重合体及びABSが好適に使用される。また樹脂成
形物は、これらの樹脂をそれぞれ単独もしくは2種以上
混合して成形しても良い。
【0038】上記の成形物に使用する樹脂は、本発明の
コーティング用組成物に含まれている、PVDF(a)の溶
媒である液体(b-1)によってその表面の一部が実質的
に溶解及び/または劣化を受けるため、形成されるフッ
素樹脂被覆層の該樹脂の成形物表面にに対するアンカリ
ング効果が生じて、該被覆層の被着力を向上させるもの
と考えられる。
【0039】成形物に使用されるPCは、特に制限される
ものではないが、主にビスフェノール骨格を有する直鎖
状のポリカーボネート又は共重合ポリカーボネート類等
であって、4,4’-ジヒドロキシジフェニルアルカン又は
これらのハロゲン置換体からホスゲン法又はエステル交
換法によって得られるものが好適である。
【0040】上記4,4’-ジヒドロキシジフェニルアルカ
ン及びこれらのハロゲン置換体としては、例えば4,4’-
ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシジ
フェニルエタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルブタ
ン、4,4’-ジヒドロキシジフェニル-2,2-プロパン、3,
3’-ジブロモ-4,4’-ジヒドロキシジフェニル-2,2-プロ
パン、3,3’-ジクロル−4,4’-ジヒドロキシジフェニル
-2,2-プロパン、3,3’,5,5’-テトラブロモ−4,4’-ジ
ヒドロキシジフェニル-2,2-プロパン等があげられ、中
でも、4,4’-ジヒドロキシジフェニル-2,2-プロパンが
好適である。
【0041】PCは単独で用いてもよく、また、例えば、
スチレン系(共)重合体、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレス共重合体(ABS)、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
ポリテトラフロロエチレン(PTFE)等の樹脂とブレンド
したものを用いることもできる。
【0042】また成形物に使用されるPMMAも特に限定さ
れるものではなく、メタクリル酸メチル単独重合体及
び、メタクリル酸メチルに対して、前記のメタクリル酸
のC2〜C18アルキルエステル、アクリル酸のC1〜C18
アルキルエステル、水酸基を有する単量体、カルボキシ
ル基を有する単量体などを副次量共重合したメタクリル
酸メチル(共)重合体を用いることができ、また、これ
らメタクリル酸メチル単独重合体及び/又はメタクリル
酸メチル(共)重合体と、例えば、スチレン系(共)重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレス共重合
体(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
ブチレンテレフタレート(PBT)、ポリテトラフロロエ
チレン(PTFE)等の樹脂とブレンドしたものを用いるこ
ともできる。
【0043】これらの(メタ)アクリル酸メチル及び必
要に応じて用いるその他の単量体は、それ自体公知の方
法、例えば、会場重合、懸濁重合、乳化重合及び溶液重
合等の方法により(共)重合して、メタクリル酸メチル
(共)重合体を製造することができる。
【0044】さらに成形物に使用されるABSも特に限定
されるものではなく、例えば、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体(AS)にポリブタジエン(BR)をブレン
ドしたもの、BRにスチレン及びアクリロニトリルをグ
ラフト重合したもの、ASとの生成物を溶融混合した
もの、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(AB)
とASとを溶融混合したものなどが使用できる。
【0045】ABSにおける組成比率は、特に制限する
ものではなく、いずれの組成比率のABSを使用できる
が、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンの重量比
率(%)は、一般的には30〜40/20〜40/50
〜80の範囲であり、好ましくは、20〜30/10〜
30/40〜70の範囲である。
【0046】本発明における樹脂成形物が、屋外で使用
し、耐候性を必要とする場合、使用されるフッ素含有コ
ーティング用組成物は紫外線遮蔽性であることが好まし
い。その目的で使用される紫外線吸収剤は、成形用樹脂
及び使用目的に応じて、いずれの紫外線吸収剤でもする
ことができる。
【0047】本発明のフッ素樹脂含有コーティング用組
成物には、得られる表面をフッ素樹脂被覆層で被覆され
た樹脂成形物の耐候性を向上させるため、該被覆層が、
280〜360nmの波長域の紫外線の平均透過率が60%以下、
好ましくは40%以下、さらに好ましくは20%以下であ
り、且つ400〜700nmの波長域の可視光線の平均透過率が
70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以
上さらに、280〜320nmの波長域の近紫外線の平均透過率
が50%以下、好ましくは30%以下、さらに好ましくは10
%以下であることが望ましく、320〜400nmの波長域の近
紫外線の平均透過率が80%以下、好ましくは50%以下、
さらに好ましくは30%以下であることが望ましく、そし
て本発明のコーティング用組成物が塗布された樹脂フィ
ルムを農業用被覆資材として使用する場合には、特に、
320〜380nmの波長域の紫外線の平均透過率が80%以下、
好ましくは65%以下、さらに好ましくは40%以下であ
り、そして380〜400nmの波長域の紫外線の平均透過率が
20%以上、好ましくは30%以上であることが望ましい。
【0048】その目的のために、必要に応じて、各種の
紫外線吸収剤(d)を配合することができる。
【0049】ここで使用される紫外線吸収剤(d)の種
類は特に制限されるものではなく、有機系のものでも無
機系のものでも、或いは両者の混合系でも使用すること
ができる。
【0050】有機系の紫外線吸収剤としては、例えば、
下記のものが挙げられる。ハイドロキノン系 ハイドロキノン、ハイドロキノンジサリチレートなど。サリチル酸系 フェニルサリチレート、ペラオクチルフェニルサリチレ
ートなど。ベンゾフェノン系 2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキ
シ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メ
トキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロ
キシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメ
トキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンゾイルオ
キシベンゾフェノン、2,2’-ヒドロキシ-4-メトキシベ
ンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホンベ
ンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフ
ェノン、2,2’-ヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-5-ナトリ
ウムスルホベンゾフェノン、4-ドデシルオキシ-2-ヒド
ロキシベンゾフェノン、2-ハイドロキシ-5-クロルベン
ゾフェノンなど。ベンゾトリアゾール系 2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)-5-カ
ルボン酸ブチルエステルベンゾトリアゾール、2-(2’-
ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)-5,6-ジクロルベンゾ
トリアゾール、2-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)-5-
エチルスルホンベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキ
シ-5’-第3ブチルフェニル)-5-クロルベンゾトリアゾー
ル、2-(2’-ヒドロキシ-5’-第3ブチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-アミノフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-
ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロ
キシ-3’,5’-ジメチルフェニル)-5-メトキシベンゾト
リアゾール、2-(2’-メチル-4’-ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール、2-(2’-ステアリルオキシ-3’,
5’-ジメチルフェニル)-5-メチルベンゾトリアゾール、
2-(2’-ヒドロキシ-5-カルボン酸フェニル)ベンゾトリ
アゾールエチルエステル、2-(2’-ヒドロキシ-3’-メチ
ル-5’-第3ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-
(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ第3ブチルフェニル)-5-ク
ロル-ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メ
トキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキ
シ-5’-フェニルフェニル)-5-クロルベンゾトリアゾー
ル、2-(2’-ヒドロキシ-5’-シクロヘキシルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’,5’-ジメ
チルフェニル)-5-カルボン酸ベンゾトリアゾールブチル
エステル、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジクロルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’,5’-
ジクロル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-
3’,5’-ジメチルフェニル)-5-エチルスルホンベンゾト
リアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-フェニルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-オク
トキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキ
シ-5’-メトキシフェニル)-5-メチルベンゾトリアゾー
ル、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)-5-カルボ
ン酸エステルベンゾトリアゾール、2-(2’-アセトキシ-
5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒド
ロキシ-3’,5’-ジターシャリブチルフェニル)-5-クロ
ロベンゾトリアゾールなど。トリアジン系 2-(4,6-ジフェニル-2,3,5-トリアジン-2-イル)-5-メチ
ルオキシ-フェノール、2-(4,6-ジフェニル-2,3,5-トリ
アジン-2-イル)-5-プロピルオキシ-フェノール、2-(4,6
-ジフェニル-2,3,5-トリアジン-2-イル)-5-t-ブチルオ
キシ-フェノール、2-(4,6-ジフェニル-2,3,5-トリアジ
ン-2-イル)-5-ペンチルオキシ-フェノール、2-(4,6-ジ
フェニル-2,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘキシルオキシ
-フェノール、2-(4,6-ジフェニル-2,3,5-トリアジン-2-
イル)-5-オクチルオキシ-フェノール、2-(4,6-ジフェニ
ル-2,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ノニルオキシ-フェノ
ールなど。高分子重合体系 下記式
【0051】
【化1】 (式中、Yはハイドロキノン系、サリチル酸系、ベンゾ
フェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系など
の紫外線吸収性化合物から誘導される紫外線吸収能をも
つ基を表し、m、nはそれぞれの繰返し単位の数であ
る。)で示されるもの、具体的には、上記式におけるm/
n=1であり、且つ
【0052】
【化2】 である、数平均分子量が約20,000の2-ヒドロキシ-4-(メ
タクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン/メタク
リル酸メチル共重合体が挙げられる。
【0053】これらの紫外線吸収剤のうち、ベンゾフェ
ノン系、ベンゾトリアゾール系及びトリアジン系のもの
が好適であり、特にトリアジン系のものが好適に使用さ
れる。就中、ベンゾフェノン系では、2,2’-ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメト
キシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4-メトキ
シベンゾフェノン及び2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベ
ンゾフェノン;ベンゾトリアゾール系では2-(2’-ハイ
ドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-
(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)-5,6-ジクロルベ
ンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-第3ブチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’
-メチル-5’-第3ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ第3ブチルフェニル)-5-
クロル−ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-
フェニルフェニル)-5-クロルベンゾトリアゾール、2-
(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジターシャリブチルフェニ
ル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-
5’-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が好適
である。
【0054】また、トリアジン系では、下記式
【0055】
【化3】 (式中、R1はC1〜C20、好ましくはC3〜C10、さら
に好ましくはC4〜C8のアルキル基、又はアリール基、
特にフェニル基を表わし、R2〜R5はそれぞれ水素原子
又はC1〜C5のアルキル基、水酸基又はアリール基、特
にフェニル基を表わす)で示されるものが好適であり、
中でも、R1がヘキシル基又はオクチル基であり、R2
びR3がそれぞれ水素原子又はメチル基であり且つR4
びR5がそれぞれメチル基である上記式(II)の化合物
が特に好適である。
【0056】さらに前記式(I)で示される高分子重合
体系の紫外線吸収剤、特に2-ヒドロキシ-4-(メタクリロ
イルオキシエトキシ)ベンゾフェノン/メタクリル酸メ
チル共重合体も紫外線吸収剤として好適である。
【0057】また、無機系のUV吸収剤としては、例えば
以下の如き金属単体及び金属化合物等が挙げられる。
【0058】例えば、チタン、ジルコニウム、マグネシ
ウム、カルシウム、バリウム、ランタン、亜鉛、アルミ
ニウム、スズ、アンチモン等の金属単体及びその酸化
物、複合酸化物、硫化物、炭酸塩等を使用することがで
き、具体的には、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化亜
鉛(ZnO)、雲母、アルミナ(Al2O3)、酸化鉄(Fe
2O3)、酸化セリウム(CeO2)、酸化バリウム(BaO)、
酸化アンチモン(Sb2O3)、酸化ニッケル(NiO)、酸化
クロム(Cr2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化カ
ルシウム(CaO)、酸化錫(SnO2)及びこれらの混合物
等が挙げられる。中でも、TiO2、ZnO、CeO2及びFe2O3
好ましく、特にCeO2が好適に使用される。
【0059】これら金属単体及び金属化合物の粒径は、
特別に規定されるものではないが、一般的には、平均粒
径が1〜1,500nm、好ましくは5〜500nm、さらに好まし
くは10〜100nm、特に好ましくは20〜50nmの範囲内にあ
り、そして例えばTiO2及びCeO 2のように表面活性が著し
い金属化合物の場合には、その比表面積が100m2/gr以
下、好ましくは30m2/gr以下、さらに好ましくは5m2/gr
以下、特に好ましくは1m2/gr以下であることが望まし
い。ここで「比表面積」とは、金属化合物1gが有する
表面積を意味し、その測定方法は従来から使用されてい
る気体吸着法の1種であるBET(Brunauer-Emmett-Telle
r)法によることができる。
【0060】上記した比表面積を有するCeO2は、例え
ば、製造プロセスで得られるセリウムの炭酸塩、シュウ
酸塩、硝酸塩、塩酸塩等を酸素雰囲気中で、500℃以
上、好ましくは1,000℃以上、さらに好ましくは1,300℃
以上、特に好ましくは1,500℃の温度で焼成することに
より製造することができる。
【0061】上記の如き紫外線吸収剤(d)は、フッ素
樹脂被覆層が樹脂成形物又はそのフッ素樹脂被覆層自体
が前述した紫外線遮蔽特性を示すような量で配合するこ
とができ、その配合量は、紫外線吸収剤(d)の種類、
使用する合成樹脂の種類、フィルム、板又は異形物の厚
さ等に依存して広範に変えることができるが、通常、樹
脂成分〔すなわち、PVDF(a)及びPVDF(a)以外の樹脂
成分(c)の合計〕100重量部について0.5〜30重量部
(以下0.5〜30PHRということがある)、好ましくは1〜
15重量部、さらに好ましくは3〜15重量部の範囲内とす
ることができる。ただし、前記の高分子重合体系の紫外
線吸収剤の場合には、通常1〜80PHR、好ましくは10〜7
0PHR、さらに好ましくは30〜60PHRの範囲内が適当であ
る。
【0062】さらに使用する紫外線吸収剤(d)が、高
分子重合体系紫外線吸収剤(化1)で示されるようなメ
タアクリル酸メチル共重合体、例えばメタクリル酸メチ
ル/2-ヒドロキシ-4-(メタクリロイルオキシエトキシ)
ベンゾフェノン共重合体のような場合、メタアクリル酸
メチルを前記のPVDF(a)以外の樹脂成分(c)、特に
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体の一部として
使用することができる。
【0063】本発明のフッ素樹脂含有コーティング用組
成物には、さらに必要に応じて、光安定剤、熱安定剤、
酸化防止剤、着色剤、防眩剤、防曇剤、静電防止剤、滑
剤、アンチブロック剤などを適宜配合することができ
る。
【0064】紫外線吸収剤は形成される樹脂フィルム、
板又は異形物が前記の紫外線遮蔽特性を示すような量で
配合することができ、その配合量は、紫外線吸収剤の種
類、使用する合成樹脂の種類、フィルム、板又は異形物
の厚さ等に依存して広範に変えることができるが、通常
0.001〜10PHR、好ましくは0.01〜3PHR、さらに好まし
くは0.1〜2PHRの範囲内とすることができる。ただし、
前記の高分子重合体系の紫外線吸収剤の場合には、通常
1〜80PHR、好ましくは10〜70PHR、さらに好ましくは30
〜60PHRの範囲内が適当である。
【0065】成形物に使用する樹脂には前述の如き紫外
線吸収剤のほか、必要に応じて、アンチブロック剤、着
色剤、防曇剤、静電防止剤、滑剤、安定剤、酸化防止剤
等の樹脂添加剤を配合することができる。
【0066】本発明において好適に用いられる樹脂は、
押出成形、射出成形、カレンダ成形、真空(圧空)成
形、溶剤流延成形などのそれ自体公知の成形法に従い、
所望の形状に成形することができる。
【0067】本発明のコーティング用組成物のこれら樹
脂成形物の表面への塗布は、それ自体公知の方法によっ
て行うことができ、例えば、グラビアロール法、ローラ
ータッチ法、バーコーター法、スプレー法、浸漬法、ハ
ケ塗り法など通常の塗布方法でコーティングすることが
でき、中でも、バーコーター法、スプレー法及び浸漬法
が好適である。
【0068】また、塗膜の乾燥は自然乾燥法及び強制乾
燥法のいずれの方法も使用することができるが、一般に
は、熱風乾燥法、赤外線照射法などの強制乾燥法が均一
な塗膜が得られる点から好ましい。乾燥温度は用いた分
散媒の沸点及び乾燥風量等の乾燥条件等によって異なる
が、通常30℃〜130℃、特に50℃〜90℃の範囲内が好適
である。
【0069】樹脂成形物表面に形成されるフッ素樹脂被
覆層の厚さは、樹脂成形物の形状や用途等に応じて適宜
選定することができるが、一般には0.5〜100μm、好ま
しくは1〜10μm、さらに好ましくは2〜5μmの範囲内と
することができる。
【0070】このようにして得られる、本発明のフッ素
樹脂含有コーティング用組成物によるフッ素樹脂被覆層
が設けられた樹脂成形物は、フィルム、板もしくは異形
物の単体又は他の資材と組み合わされた複合体として幅
広く使用することができる。
【0071】フィルム単体として使用する分野として
は、例えば、農業用被覆資材、簡易倉庫等の屋外被覆資
材分野;アーケード、屋根材、ガラス代替資材等の明り
取り資材分野;ゴーグル、ヘルメット面体、作業保護面
体等の保護面体;銘板、表示板、看板等の表示板分野;
工場、家庭、街路等に使用される照明灯や照明器等の防
虫、防菌膜分野等が挙げられ、中でも屋外被覆分野にお
いて、特に農業用被覆資材として好適に使用することが
できる。
【0072】また本発明における樹脂成形物が板である
場合には、板を単体としてそのまま又は板をさらに真空
(圧空)成形加工して使用することができる。これらの
板又は板の二次加工物の使用分野としては、例えば、高
速道路の防音壁の明かり取り窓、アーケード、採光屋根
材、窓ガラス、ドア等の明かり取り分野;テールランプ
カバー、テールランプフレネルレンズ、フォグランプレ
ンズ、センターピラー、バイザー等の自動車部品分野;
カセット(ビデオ)デッキ、ステレオチューナー等の銘
板、テレビ全面板、パイロットランプレンズ等の家庭電
化製品分野;蛍光灯、非常灯、街路灯などの照明器具カ
バー分野;農業用被覆資材、倉庫、テント、堆肥舎、畜
舎等の屋外被覆分野などが挙げられ、中でも明かり取り
分野及び屋外被覆分野で好適に使用することができ、さ
らに屋外被覆分野、特に農業用被覆資材として好適に使
用することができる。
【0073】さらに本発明における樹脂成形物が異形物
である場合には、例えば、扇風機や換気扇の扇、エアコ
ンの空気出入り口、パソコン本体ケース、キーボードな
どの家庭電化製品の部品に使用すると、表面に付着した
油状物、手垢等の汚染物を家庭用シンナー及び洗浄剤等
で容易に且つ、完全に洗浄することができる。また各種
機械のラックや歯車など動力伝達治具に使用すると、潤
滑性を付与する効果が得られ、無給油型の治具を得るこ
とができる。
【0074】本発明における樹脂成形物が例えばフィル
ム又は板である場合、動植物体、特に有用植物体にとっ
て有害であり、また、害虫の視覚、病害糸状菌の、胞子
形成等に必要とされている320nm以下の波長の紫外線を
実質的に遮蔽することができるので、例えば農業用被覆
資材として、動植物体を該紫外線から保護したり、ま
た、害虫忌避、糸状菌の繁殖防止等のために有利に使用
することができる。
【0075】また、本発明における樹脂成形物は、表面
がフッ素樹脂被覆層で被覆されているので、塵埃の付着
や排気ガス、煤煙、手垢、落書き、タバコの煙、酸性雨
等による汚染を防止することができ、例えば屋外被覆分
野において長期間にわたり使用することができる。
【0076】本発明における樹脂成形物は、前述のとお
り、紫外線の遮蔽能を有しており、且つ、表面に耐薬品
性、耐汚染性等に優れたフッ素樹脂被覆層を有している
ので、他資材との複合体とすることにより、他資材の紫
外線による劣化を抑制したり、表面が印刷等により加飾
された他資材の印刷インク等の劣化を抑制したり、ま
た、他資材を排気ガス、煤煙、砂塵、タバコの煙、酸性
雨等による汚染から長期にわたって保護することができ
る等の効果を奏することができる。
【0077】本発明におけるフィルム又は板と他資材と
からなる複合体としては、例えば、化粧鋼板、建築用
内、外壁材、看板、道路標識等の鋼板との複合体分野;
農業用被覆資材、航空機内壁材、車輛内装材、太陽電
池、太陽温水器、真水製造装置、看板資材、再帰性反射
シート等からなるプラスチックとの複合体分野;飛散防
止ガラス、セラミックス、セメント、スレート建材等の
無機資材との複合体分野等が挙げられる。
【0078】本発明における樹脂成形物であるフィルム
又は板は、前述したとおり、有用植物体に有害な紫外線
を遮蔽し且つ防塵性、耐汚染性等に優れており、農業用
被覆資材として好適に使用することができるが、このよ
うなフィルム又は板を農業用被覆資材として施設園芸用
ハウス等に展張する場合、ハウス内の湿気によって被覆
資材の内面が曇って(又は水滴が付着して)日光の透過
量が低下するのを防ぐため、本発明のコーディング用組
成物によるフッ素樹脂被覆層が被着されている側と反対
側の表面に防曇(流滴)処理を施すことが望ましい。
【0079】
【実施例】以下、実施例、比較例及び参考例を挙げて本
発明を一層詳細に説明する。試験用樹脂成形物の作製 参考例1 ポリカーボネート(PC)〔住友ダウ(株)製「カリバー 3
00-4」、Schnellの式から導いた平均分子量2.7万〕をエ
クストルーダーにより280℃で溶融押出し、膜厚150μm
の透明なPCフィルムを得た(以下このフィルムを「成形
品No.1」という)。 参考例2 参考例1において、膜厚150μmの透明なPCフィルムを得
る代わりに、参考例1と同様にエクストルーダーにより
溶融押出して膜厚5mmの透明なPC板を得た(以下この板
を「成形品No.2」という)。 参考例4〜5 参考例2において、PCを用いる代わりに、ポリアクリル
酸メチル(共)重合体(PMMA)〔三菱レイヨン(株)製
「アクリペット」、Tg 105℃、平均分子量約150
万〕及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体(ABS)〔三菱レイヨン(株)製「ダイヤペット」、
AN:25%、B:20%、S:55%〕を用い、参考
例2と同様にエクストルーダーにより溶融押出して膜厚
5mmの透明なPMMA又はABS板を得た(以下この板を「成形
品No.3」又は「成形品No.4」という)。
【0080】
【表1】 フッ素樹脂含有コーティング用組成物の調製 実施例1 樹脂成分として、PVDF/TFE/HFPの重量比が60/25/15
であるPVDF共重合体(比重2.0、融点90℃)74.5重量部
及びメタクリル酸メチル(MMA)−アクリル酸エチル(E
A)(PMMA)共重合体(重量比80/20;Tg約70℃、平均
分子量約100万)25.5重量部、並びに紫外線吸収剤とし
て2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-メトキシベンゾフェノン
(UVA No.1)5重量部を、酢酸ブチル74.5重量部、メ
チルイソブチルケトン(MIBK)104.3重量部からなる混
合溶剤〔液体(b-1)〕中に投入し、完全に溶解させた
後、トルエン44.7重量部、イソプロピルアルコール(IP
A)127.7重量部〔液体(b-2)〕を徐々に添加して、フッ
素樹脂含有コーティング用組成物を調製した〔液体(b-
1)/液体(b-1)=100/96〕(表3:混合液体No
1)。使用した混合媒体を表3に、得られたフッ素樹脂
含有コーティング用組成物の樹脂組成を表2に、使用し
た紫外線吸収剤のリストを表4にそれぞれ示した。ま
た、コーティング組成物をガラス板上にコートし、溶剤
を乾燥除去して得られた4μmの薄膜の光線透過率を表
5に示した。
【0081】実施例2 実施例1において、紫外線吸収剤を使用しない以外は実
施例1と同様にして、フッ素樹脂含有コーティング用組
成物を調製した。使用した混合媒体を表3に、得られた
フッ素樹脂含有コーティング用組成物の樹脂組成を表2
に、使用した紫外線吸収剤のリストを表4にそれぞれ示
した。また、コーティング組成物をガラス板上にコート
し、溶剤を乾燥除去して得られた4μmの薄膜の光線透
過率を表5に示した。
【0082】実施例3 実施例1において、紫外線吸収剤を使用しないこと及び
混合液体(b)をNo2としたこと以外は実施例1と同様
にして、フッ素樹脂含有コーティング用組成物を調製し
た。使用した混合媒体を表3に、得られたフッ素樹脂含
有コーティング用組成物の樹脂組成を表2に、使用した
紫外線吸収剤のリストを表4にそれぞれ示した。また、
コーティング組成物をガラス板上にコートし、溶剤を乾
燥除去して得られた4μmの薄膜の光線透過率を表5に
示した。
【0083】実施例4 実施例1において、コーティング樹脂成分のうち、PMMA
共重合体(c)成分を除いたこと及び紫外線吸収剤を使
用しない混合液体(b)をNo2としたこと以外は実施例
1と同様にして、フッ素樹脂含有コーティング用組成物
を調製した。得られたフッ素樹脂含有コーティング用組
成物の樹脂組成を表2に、使用した紫外線吸収剤のリス
トを表4に示す。
【0084】実施例5 実施例1において、PVDF共重合体としてPVDF/TFE/HFP
(60/25/15)の共重合体を用いる代わりに、PVDF/TF
E(81/19)のPVDF共重合体(比重1.78、融点11
5℃)用いる以外は実施例1と同様にして、フッ素樹脂
含有コーティング用組成物を調製した。使用した混合媒
体を表3に、得られたフッ素樹脂含有コーティング用組
成物の樹脂組成を表2に、使用した紫外線吸収剤のリス
トを表4にそれぞれ示した。また、コーティング組成物
をガラス板上にコートし、溶剤を乾燥除去して得られた
4μmの薄膜の光線透過率を表5に示した。
【0085】実施例6 実施例1において、PVDF共重合体74.5重量部及びPMMA共
重合体25.5重量部用いる代わりに、PVDF共重合体87.9重
量部及びPMMA共重合体12.1重量部用い、紫外線吸収剤と
して2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-メトキシベンゾフェノ
ンを5重量部用いる代わりに、高分子重合体系紫外線吸
収剤2-ヒドロキシ-4-(メタクロイルオキシエトキシ)ベ
ンゾフェノン−メタクリル酸メチル共重合体(重量比50
/50;平均分子量約2万、UVA No.2)30重量部用い、
混合液体媒体として、酢酸ブチル74.5重量部、MIBK 10
4.3重量部からなる混合溶剤〔液体(b-1)〕並びにトルエ
ン44.7重量部、 IPA127.7重量部〔液体(b-2)〕を用いる
代わりに、その使用比率を変えず、それぞれ85.5重量
部、119.7重量部、51.3重量部、146.6重量部ずつ用いる
以外は実施例1と同様にして、フッ素樹脂含有コーティ
ング用組成物を調製した。使用した混合媒体を表3に、
得られたフッ素樹脂含有コーティング用組成物の樹脂組
成を表2に、使用した紫外線吸収剤のリストを表4にそ
れぞれ示した。また、コーティング組成物をガラス板上
にコートし、溶剤を乾燥除去して得られた4μmの薄膜
の光線透過率を表5に示した。
【0086】比較例 1 実施例1において、紫外線吸収剤を使用しないこと及び
混合液体(b)において、(b−1)/(b−2)を1
00/3としたこと以外、実施例1と同様にして、フッ
素樹脂含有コーティング用組成物を調製した。使用した
混合媒体を表3に、得られたフッ素樹脂含有コーティン
グ用組成物の樹脂組成を表2に、使用した紫外線吸収剤
のリストを表4にそれぞれ示した。また、コーティング
組成物をガラス板上にコートし、溶剤を乾燥除去して得
られた4μmの薄膜の光線透過率を表5に示した。
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】 フッ素樹脂被覆層を有する樹脂成形物の作成 実施例7〜12 参考例1で作製された成形品No.1の一方の面に、実施
例1〜6で調製されフッ素樹脂含有コーティング用組成
物を、それぞれバーコーターを用いてコートし、溶剤を
乾燥除去して、層厚4μmのフッ素樹脂被覆層を被着し
た透明PCフィルムを得た(以下これを「成形品No.5〜N
o.10」という)。得られた成形品No.5〜No.10のそ
れぞれの特性を表6に示す。
【0090】比較例1 参考例1で作製された成形品No.1に、フッ素樹脂含有
コーティング用組成物をコートせずにそのまま用いた。
特性値を表6に示す。
【0091】実施例13〜18 参考例2〜4で作製された成形品No.2〜4の一方の面
に、実施例1及び2で調製されたフッ素樹脂含有コーテ
ィング用組成物を、それぞれスプレーコートし、溶剤を
乾燥除去して、層厚4μmのフッ素樹脂被覆層を被着し
た透明PC、PMMA及びABSからなる板を得た(以下
これらの板を「成形品No. 11〜16」という)。得ら
れた成形品の特性を表6に示す。
【0092】比較例2〜4 参考例2〜4で作製された成形品No.2〜4に、フッ素
樹脂含有コーティング用組成物をコートせずにそのまま
用いた。それらの特性値を表6に示す。
【0093】実施例19 一般に市販されている換気扇[松下電器製]のPMMA
製の回転翼(成形品No.a)を実施例1で調製したフッ素
樹脂含有コーティング用組成物中に浸漬し、溶剤を乾燥
除去して、層厚3〜6μmのフッ素樹脂被覆層を被着し
た回転翼を得た(以下これを「成形品No.A」とい
う)。得られた成形品の特性を表6に示す。
【0094】比較例5 実施例19において、フッ素樹脂含有コーティング用組
成物中に浸漬処理せず、そのまま回転翼(成形品No.a)
を使用した。
【0095】
【表5】
【0096】
【表6】 樹脂成形物の物性評価 上記比較例及び実施例で得られた樹脂成形物の物性を以
下の方法で評価した。 (1) フッ素樹脂被覆層の被着強度 フッ素樹脂被覆層の樹脂成形物表面への被着強度をJIS
K 5400記載の碁板目テープ法により試験した。
【0097】次の基準で評価した。その結果を表6に示
す。
【0098】◎…評価は「10」で全く剥離が見られず、
強力に被着している。
【0099】○…評価は「9〜8」で強力に被着してい
る。 (2) 耐薬品性 表5に示す各種の試薬をそれぞれ充分ガーゼにしみ込ま
せ、これを成形品それぞれの被服層上に設置し、試薬が
揮発し無いようにフッ素フイルムで被服密閉し、一昼夜
放置した後、成形品のフッ素樹脂被覆層を有する成形品
と、有しない成形品の表面の状態を目視で調査した。評
価は、次の基準で評価し、その結果を表6に示した。
【0100】◎…全く変化なく、耐薬品性に優れる。
【0101】○…極僅かに変化が見られるが、実用的に
は問題ない。
【0102】×…変化があり、耐薬品性に欠ける。 (3) 耐汚染性 耐薬品性の評価方法において、試薬の代わりに汚染物質
としたこと以外、耐薬品性の評価方法と同様にして評価
した。汚染物質は、口紅、マジックインキ(油性マーキ
ングペン)、台所排気ガス及び手垢を選定し、その評価
結果を表6に示した。 (4)耐候性 参考例及び実施例で作成した成形品を、サンシャインウ
エザーメーター(W−O−M)にセットして耐候性を調
べ、その結果を表6に示した。評価は、次の基準で評価
し、その結果を表6に示した。
【0103】◎…表面状態、及び成形物樹脂表面の劣
化、変色、透明性等全く変化なく、耐候性にに優れる。
【0104】○…表面状態、及び成形物樹脂表面の劣
化、変色、透明性等ほとんど変化が見られず、実用的に
は問題ない。
【0105】△…変化が見られるが、用途によっては使
用が可能である。
【0106】×…変化があり、耐候性に欠ける。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CD111 CD112 CE051 CE052 CG031 CG032 CG061 CG062 CG141 CG142 CH031 CH032 CH041 CH042 CH051 CH052 GA02 GA03 GA06 GA08 HA066 HA216 HA546 JA02 JA19 JA25 JA33 JA56 JA60 JA62 JA64 JA67 JB03 JB04 JB13 JB21 JB35 JB36 JC12 JC24 KA06 KA07 MA07 MA14 NA03 NA04 NA05 PC08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成形物表面に塗布するためのフッ素
    樹脂含有コーティング用組成物であって、 (a) フッ化ビニリデン(共)重合体、及び(b) フッ化
    ビニリデン(共)重合体(a)の溶媒である液体(b-1)
    と、フッ化ビニリデン(共)重合体(a)の非溶媒であ
    って且つ上記樹脂成形物の塗布表面を実質的に溶解及び
    /又は劣化させることのない液体(b-2)とからなり、
    液体(b-2)を液体(b-1)100重量部あたり5〜500重量
    部の割合で含有する混合液体媒体(b)よりなり、フッ化
    ビニリデン(共)重合体(a)が混合液体媒体(b)中に
    実質的に溶解した状態で存在することを特徴とするコー
    ティング用組成物。
  2. 【請求項2】 液体(b-2)が、アルコール類及び脂肪
    族炭化水素から選ばれる少なくとも1種の液体である請
    求項1に記載のコーティング用組成物。
  3. 【請求項3】 フッ化ビニリデン(共)重合体(a)以
    外の樹脂成分(c)をさらに含有する請求項1又は2に
    記載のコーティング用組成物。
  4. 【請求項4】 フッ化ビニリデン(共)重合体(a)以
    外の樹脂成分(c)が(メタ)アクリル酸エステル
    (共)重合体である請求項3に記載のコーティング用組
    成物。
  5. 【請求項5】 コーティング用組成物が、さらに (d)
    紫外線吸収剤をフッ化ビニリデン(共)重合体(a)
    及び(共)重合体(a)以外の樹脂成分(c)の合計100
    重量部に対して0.5〜30重量部含有する請求項3又は4
    に記載のコーティング用組成物。
  6. 【請求項6】 樹脂成形物に使用する樹脂が、ポリカー
    ボネート、(メタ)アククリ酸エステル(共)重合体又
    はアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体で
    ある請求項1に記載のコーティング用組成物。
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