JP2001019492A - 光刺激可能な性質を示すフルオロガラスセラミック - Google Patents

光刺激可能な性質を示すフルオロガラスセラミック

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JP2001019492A JP2000176918A JP2000176918A JP2001019492A JP 2001019492 A JP2001019492 A JP 2001019492A JP 2000176918 A JP2000176918 A JP 2000176918A JP 2000176918 A JP2000176918 A JP 2000176918A JP 2001019492 A JP2001019492 A JP 2001019492A
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ピーター・ウイレムズ
Johann-Martin Spaeth
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シユテフアン・シユバイツアー
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アンドリユー・エドガー
Luc Struye
リユク・ストルエ
Paul Leblans
ポール・レブランス
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空蒸着される蛍リン光体針状結晶を有する
スクリーンの利点を優れた環境的安定性及び低い散乱と
組み合わせることができる貯蔵蛍リン光体スクリーンの
製造のための手段を提供すること。 【解決手段】 微−結晶粒子を含有するフルオリドガラ
スマトリックスを含んでなり、該粒子はd<2μmであ
るような平均粒度、dを有しており、該ガラスセラミッ
クはXRDスペクトルにおいて該ガラスマトリックスの
連続スペクトル及び該連続スペクトル上に重ねられた分
離ピークを示す、X−線のエネルギーを貯蔵し且つ光−
刺激により該エネルギーを放出するためのガラスセラミ
ック材料。該ガラスマトリックスは好ましくはジルコニ
ウムイオンならびにアルカリイオン及びアルカリ土類イ
オンから成る群より選ばれるイオンを含有し、少なくと
も5モル%のフルオリドイオンはブロミド及び/又はク
ロリドイオンにより置き換えられており、少なくとも
0.01モル%の遷移金属イオン、希土類金属イオン、
In+、Ga+、Tl+及びPb2+から成る群より選ばれ
るカチオンが存在する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、X−線のエネルギーを貯蔵す
ることができ且つ(光)−刺激されて貯蔵したエネルギ
ーを放出することができるガラスセラミック配合物に関
する。本発明はまたガラスセラミック配合物を用いてX
−線画像を記録し且つ再現するための方法を包含する。
【0002】
【発明の背景】蛍リン光体の周知の用途はX−線画像の
形成にある。通常の放射線写真システムの場合、物体を
介して画像通りに透過し、いわゆる増感スクリーン(X
−線変換スクリーン)で対応する強度の光に変換される
X−線によってX−線放射線写真が得られ、その場合蛍
リン光体粒子が透過したX−線を吸収し、それを、写真
フィルムがX−線の直接の衝撃より感受性である可視光
及び/又は紫外線に変換する。
【0003】例えばUS−P 3,859,527に開
示されているX−線パターンを記録し且つ再現する他の
方法に従うと、光−刺激可能な蛍リン光体として既知の
特殊な型の蛍リン光体が用いられ、それはパネル中に導
入されており、それがパターン通りに変調された入射X
−線に露出され、その結果としてその中にX−線放射パ
ターン中に含まれるエネルギーを一時的に貯蔵する。露
出からいくらかの間隔の後に可視光又は赤外光のビーム
がパネルを走査して貯蔵されたエネルギーの光としての
放出を刺激し、その光を検出し、連続的電子信号に変換
し、それを処理して可視画像を生ずることができる。こ
の目的のためには、蛍リン光体は可能な限り多くの入射
X−線エネルギーを貯蔵しなければならず、走査ビーム
により刺激されるまでに発する貯蔵されたエネルギーは
可能な限り少量でなければならない。これは「デジタル
ラジオグラフィ(digital radiograp
hy)」又は「コンピューター化ラジオグラフィ(co
mputed radiography)」と呼ばれ
る。
【0004】通常のラジオグラフィ及びデジタルラジオ
グラフィシステムにより与えられる画質は蛍リン光体ス
クリーンの構成に大きく依存する。一般に、所定量のX
−線の吸収において蛍リン光体スクリーンが薄い程、画
質は良くなるであろう。これは、蛍リン光体スクリーン
の結合剤対蛍リン光体の比率が低い程、そのスクリーン
を用いて得られる画質が良いであろうことを意味する。
かくして、結合剤を用いないスクリーンの場合に最適の
先鋭度(sharpness)を得ることができる。そ
のようなスクリーンは例えば基質上に蛍リン光体材料を
真空蒸着させることにより製造することができる。しか
しながら、入手できるすべての任意の蛍リン光体を用い
て高品質のスクリーンを製造するためにこの製造法を用
いることはできない。上記の製造法は、高い結晶対称性
を有する蛍リン光体結晶が用いられる場合に最高の結果
に導く。例えばアルカリ土類フルオロ−ハライドのよう
な複雑な結晶構造を有する蛍リン光体は真空蒸着下で分
解する(部分的に)傾向があり、複雑な結晶構造を有す
る蛍リン光体を用いながらの真空蒸着によるスクリーン
の製造はある程度不可能であり、最適以下の(sub−
optimal)結果を生ずる。貯蔵スクリーン又はパ
ネルにおけるアルカリ金属ハライド蛍リン光体の使用は
貯蔵蛍リン光体放射線学(storage phosp
hor radilogy)の技術分野で周知であり、
これらの蛍リン光体の高い結晶対称性は、構成された
(structured)スクリーン及び結合剤のない
スクリーンを与えることを可能にする。
【0005】例えばUS−A−5 055 681にお
いて、パイル−様構造中にアルカリ−金属蛍リン光体を
含んでなる貯蔵蛍リン光体スクリーンが開示されてい
る。しかしながら、針状結晶(crystal nee
dles)としてのこれらの蛍リン光体の真空蒸着は直
接的なものではなく、依然として貯蔵蛍リン光体スクリ
ーンの製造において非常に高価な方法である。
【0006】例えばWO−A−95/18196におけ
るように、ゾル−ゲルガラス中に蛍リン光体粒子を導入
することが提案され、そこではガラスが蛍リン光体のた
めの支持体としてのみでなく、環境的影響から蛍リン光
体を保護する媒体としても働くが、該材料は加熱される
と分解するのでそれは処理の制限を免れない。US−A
−5 670 086には、例えばEu2+がドーピング
されたB23−BaO−BaBr2又はB23−BaO
−BaFBrの3成分系混合物から形成されるガラス中
にBaBr2及びBaFBr蛍リン光体を導入すること
が提案されている。そのような混合物は焼成するとガラ
スセラミックを形成し、その中で蛍リン光体は1〜25
μmの範囲内、好ましくは2〜10μmの範囲内の粒度
を有する結晶材料として存在する。比較的大きな蛍リン
光体粒子は散乱を引き起こし、従って真空蒸着される蛍
リン光体針状結晶を有するスクリーンの利点を優れた環
境的安定性及び低い散乱と組み合わせて有する貯蔵蛍リ
ン光体スクリーンに対する要求はまだ完全には満たされ
ていない。
【0007】EP−A−779 254に、X−線エネ
ルギーを貯蔵でき、刺激されるとこのエネルギーを可視
光として放出することができるフルオロアルミネートガ
ラスが開示されており、これらのガラスのいくつかにお
いては、フルオリドイオンの一部がクロリドイオンによ
り置き換えられている。
【0008】シンチレーティングイオン(scinti
llating ion)がドーピングされた均一なガ
ラスにおけるPSL(hoto timulabl
uminescence)効果が開示されている。
Applied Physics Letters 7
1(1) 7 July 1997 p43−45に、
セリウムドーピングしたアルカリ−硼酸ガラス(cer
ium dopedAlkali−Borate gl
asses)におけるPSLが報告されている。Jou
rnal of Non−Crystalline S
olids209(1997) p200−203に、
ユーロピウム−サマリウムドーピングした硼酸ガラス
(Europium−Samarium doped
borate glasses)におけるPSLが報告
されている。Journalof Non−Cryst
alline Solids 222(1997)p2
90−295に、セリウムドーピングした珪酸ガラス
(Cerium doped silicate gl
asses)におけるPSLが報告されている。App
lied Physics Letters 71
(6) 11 August 1997 p759−7
61に、ユーロピウムドーピングしたフルオロアルミネ
ートガラス(Europium doped fluo
roaluminate glasses)におけるP
SLが報告されている。
【0009】上記で引用した参照文献に記載されている
すべての実施例において、ガラスは失透を避けるために
クエンチングされ、記録されるPSL効果は非常に弱
く、従って上記に示した参照文献に記載されている試料
は実用性の低いものである。
【0010】
【本発明の目的及び概略】本発明の目的は、真空蒸着さ
れる蛍リン光体針状結晶を有するスクリーンの利点を優
れた環境的安定性及び低い散乱と組み合わせて有するこ
とができる貯蔵蛍リン光体スリクーンの製造のための手
段を提供することである。
【0011】本発明のさらなる目的及び利点は下記の記
述から明らかになるであろう。
【0012】本発明の目的は、フルオリドガラスマトリ
ックスを含んでなり:微結晶粒子が該ガラスマトリック
ス中に埋めまれており、該微結晶粒子はd<2μmであ
るような平均粒度、dを有しており、該ガラスセラミッ
クがXRDスペクトルにおいて該ガラスマトリックスの
連続スペクトル及び該連続スペクトル上に重ねられた分
離ピークを示すことを特徴とするX−線のエネルギーを
貯蔵し且つ光−刺激により該エネルギーを放出するため
のガラスセラミック材料を提供することにより実現され
得る。本発明の好ましい実施態様に関する特定的特徴を
従属クレイムに開示する。
【0013】
【発明の詳細な記述】本明細書において、「X−線」と
いう用語は任意の透過放射線として理解されるべきであ
り、放射性同位体(例えばCo60、Ir192、Se
75など)に由来する放射線照射、任意の型のX−線発
生器により発せられる放射線、高エネルギー放射線発生
器(例えばベータトロン)により発せられる放射線及び
高エネルギー粒子、例えばオートラジオグラフィにおい
てそうであるように、放射性同位体で標識された試料か
らの放射線を含む。
【0014】原料混合物及びガラスセラミックの製造の
間の焼成条件を調節することにより、US−A−5 6
70 086に記載されているような大きな粒子を有す
る代わりに、d<2μmであるような粒度、dを有する
微−結晶粒子をその中に導入し、これまでに報告されて
いるものより高いPSL効果を示すことが可能であるこ
とが見いだされた。d<0.5μmであるような粒度、
dを有する微−結晶粒子が存在し、低い散乱と一緒に優
れたPSL−効果を有するガラスセラミック材料を製造
することさえ可能であった。d<0.01μmであるよ
うな粒度、dを有する微−結晶粒子が存在し、低い散乱
と一緒に優れたPSL−効果を有するガラスを製造する
ことさえ可能であることが示された。かくしてガラスセ
ラミックにおける粒度を微調整すること及びかくしてP
SL効果と散乱の間の比率を最適化することも可能であ
ることが示された。かくして該ガラスマトリックスの連
続スペクトル上に分離ピークが重ねられているXRD−
スペクトルにより示される通り、分離した微−結晶粒子
を含むガラス−セラミックを製造することができた。低
い散乱は、ガラスマトリックスの透過が最高で30%減
少した微−結晶粒子を含むことによるという事実により
示された。
【0015】これは、少なくとも35モル%のジルコニ
ウムフルオリドを含有するフルオリドガラスにおける場
合に、特に真実であることが証明された。そのようなガ
ラスである場合、ガラスの製造の間に少なくとも5モル
%のブロミドイオン及び/又はクロリドイオンが存在す
るようにフルオリドイオンの一部がクロリド及び/又は
ブロミドイオンにより置き換えられており、遷移金属、
希土類金属、In+、Ga+、Tl+及びPb2+から成る
群より選ばれるイオンをガラスにドーピングすることに
より、貯蔵蛍リン光体の性質を有するガラスセラミック
を製造することができた。
【0016】Na+、K+、Cs+及びRb+から成る群よ
り選ばれるアルカリ金属イオンを含有し、Ba2+及びS
2+イオンから成る群より選ばれるアルカリ土類イオン
がさらに存在するフルオリドガラスを用いるのが好まし
い。より好ましい実施態様では、ガラスマトリックスは
35〜60モル%のジルコニウムイオン及び10〜20
モル%のバリウムイオンを含む。
【0017】少なくとも35モル%のZrF4を含み、
少なくとも10モル%のBaF2が存在するフルオロジ
ルコネートガラスを用いるのが本発明に従うガラスセラ
ミックの製造のために最も好ましい。そのようなガラス
において、フルオリドイオンの一部に置き換えて少なく
とも5モル%のブロミド及び/又はクロリドイオンを添
加することは、ガラスセラミックが貯蔵蛍リン光体の性
質を有することを可能にする微−結晶粒子の形成を生ず
る。形成される微−結晶粒子はCsX、RbXSrX2
及びBaX2から成ることができ、ここでX=Br又は
Clである。好ましくは、形成される微−結晶粒子はB
aX2から成り、ここでX=Br又はClである。最も
好ましくは、フルオリドイオンの一部がブロミドイオン
により置き換えられ、形成される微−結晶粒子はBaB
2から成ることができる。
【0018】本発明の特定の実施態様の場合、53モル
%のZrF4、20モル%のBaF2、20モル%のNa
F、1.5モル%のLaF3、3モル%のAlF3及び
1.5モル%のYF3を含有し、1モル%のEuF2及び
CeF3から成る群より選ばれる化合物がドーピングさ
れているZBLAN−ガラスと呼ばれるフルオロジルコ
ネートガラスにおいて、フルオリドイオンの少なくとも
5モル%をブロミド及び/又はクロリドイオンにより置
き換えることによりガラスセラミックが製造される。
【0019】フルオリドイオンがブロミド及び/又はク
ロリドイオンにより置き換えられているドーピングされ
たフルオロジルコネートガラスは当該技術分野において
既知であり、例えば、Journal of Non−
Crystalline Solids 72(198
5)page 51−63、Journal ofNo
n−Crystalline Solids 110
(1989)page273−278、Journal
of Chemical Physics,vol
109,no 6(8 August 1998)pa
ge 2294−2305、J.Phys.:Cond
ens.Matter 10(1989)pages9
343−9358及びJournal of Chem
ical Physics,Vol 110,no 7
(15 February 1998)page 35
66−3575に記載されている。これらの開示のすべ
てにおいて、失透を避けることに高い注意が払われてい
る。すなわちガラスマトリックスにおける微−結晶化合
物の形成を避けるためのすべての努力が成されている。
従って、フルオリドイオンのいくらかを置き換えるため
に、多すぎないブロミド及び/又はクロリドイオンを用
いることができること及び失透を避けるためにガラスの
クエンチクグを行わなければならないことが開示されて
いる。
【0020】今回、少なくとも5モル%のフルオリドイ
オンをクロリド及び/又はブロミドイオンにより置き換
えることそしてクエンチングを調節する(時間及び温度
の両方において)ことにより、ガラス中における微−結
晶粒子の形成を制御し、ガラスマトリックスがd<2μ
mであるような粒度、dを有する微−結晶粒子を含有す
るガラスセラミックを得ることが可能であることが見い
だされた。
【0021】かくして本発明は、 −ZrF4、アルカリフルオリド、アルカリ土類フルオ
リド、Al、Y、Laから成る群より選ばれる3−価の
金属のフッ化物をアルカリブロミド及びアルカリ土類ブ
ロミドから成る群より選ばれるブロミド化合物と一緒
に、少なくとも35モル%のジルコニウムフルオリド及
び5モル%のブロミドイオンがガラス−セラミック中に
得られるような割合で混合し、 −該混合物を不活性ガス雰囲気下に、両限界を含んで6
50℃〜1200℃の温度で溶融し、 −該溶融混合物を両限界を含んで150℃〜300℃の
温度でクエンチングし、 −両限界を含んで4時間〜24時間に及ぶ時間にわたり
該混合物を室温に冷却する段階を含んでなるフルオロジ
ルコネートマトリックス中に<2μmの平均粒度dを有
する微結晶粒子を含有するガラスセラミックの製造法を
含む。
【0022】好ましくは、成分の混合物を800〜10
00℃の温度で溶融し、200〜300℃の温度でクエ
ンチングを行う。クエンチングの後、8時間〜16時間
に及ぶ時間にわたり混合物を室温に冷却するのが好まし
い。
【0023】本発明はまた、 i.物体を通過したか又は物体から放射された透過放射
線を本発明に従うガラスセラミック材料に吸収させ、 ii.画像貯蔵パネルを刺激光線に露出してその中に貯
蔵された放射線エネルギーを発光として放出させ、 iii.発せられた光を検出する段階を含んでなる放射
線画像を記録し、再現するための方法を包含する。
【0024】ガラスセラミック中の微−結晶粒子が小さ
いという事実の故に、材料を当該技術分野において既知
のいずれかの手段を用いていずれの形態にも機械加工す
ることができる。かくして本発明のガラスセラミック
を、貯蔵蛍リン光体ガラスセラミック及び読み取り装置
を含むX−線検出システムで用いることができる。その
場合、ガラスセラミックは好ましくは平らな形態を有
し、より好ましくは板の形態はファイバーオプチック表
面板である。他の形態が可能であり、門脈イメージング
(portal imaging)のような特殊な仕事
のためには、本発明のガラスセラミックを体腔内に適合
する特殊な形態に機械加工することができる。
【0025】貯蔵蛍リン光体ガラスセラミック及び読み
取り装置から構成されるX−線検出システムにおいて本
発明のガラスセラミックを用いる場合、読み取り装置及
びガラスセラミック板を1つの平らなパネル中に含むこ
とができる。例えば>30秒の長い積算時間を有する直
接ラジオグラフィ(Direct Radiograp
hy)と類似した、擬−連続的読み出しが可能である。
好ましくはそのようなX−線検出システムの配置におい
て、本発明のガラスセラミック中に含まれる貯蔵蛍リン
光体の刺激のための光源として、ファイバーオプチック
表面板の上にコーティングされたエレクトロルミネセン
ト層を用いるのが好ましい。
【0026】平らな形態の本発明のガラスセラミックが
導入されているX−線検出システムは、反射モード及び
透過モードの両方で読み出され得る。フラットパネルオ
プションの場合、「スキャンヘッド」法(“scanh
ead” approach)が好ましい。
【0027】貯蔵蛍リン光体ガラスセラミック及び読み
取り装置から構成されるX−線検出システムで本発明の
ガラスセラミックを用いる場合、読み取り装置及びガラ
スセラミック板が分離された部品、例えば通常のCR
(コンピューターラジオグラフィ)における貯蔵蛍リン
光体スクリーンと読み取り装置であることもできる。そ
の場合、ガラスセラミック板がインテリジェントカセッ
ト、すなわちパームトップコンピューター(palmt
op computer)に連結された手持ち装置(h
and−held device)を用いてプログラミ
ングしたり又は読んだりすることができる電子メモリを
含むカセット中に含まれることができる。
【0028】X−線検出装置において、本発明のガラス
セラミックを全般的性能のための通常のスクリーンと組
み合わせることができる。この場合、蛍リン光体層をフ
ァイバーオプチック表面板の背面上にコーティングし、
反射読み出し配置を用いる。
【0029】本発明のガラスセラミック貯蔵蛍リン光体
に基づく一般的使用のための線量測定システムを製造す
ることもできる。形を任意に選んで体の部分の中又はそ
の上に適合させることができる検出器を製造する可能性
を利用しているラジオセラピィ(radiothera
py)(門脈イメージング)のための線量測定システム
も製造できる。本発明のガラスセラミックを用いている
線量計の門脈イメージングのための利点は、ガラスマト
リックスが容易に殺菌することができる貯蔵蛍リン光体
を導入するための無毒性の媒体であるという事実にあ
る。
【0030】本発明のガラスセラミック中における微−
結晶粒子の濃度を、低い微−結晶濃度及び大きい検出器
の厚さ(与えられた放射線エネルギーにおけるX−線吸
収>10%)を特徴とする高エネルギー放射線のための
X−線検出システムの製造のために調節することができ
る。そのようなシステムは、もし低い二次放射線放射及
び高い固有の解像度(フィルム又は多結晶質シンチレー
ティングスクリーンより良い)を有していると利点があ
る。
【0031】本発明に従うガラスセラミックが導入され
たX−線検出システム内に貯蔵されるX−線エネルギー
は、ガラスセラミックの刺激により読み出され得る。特
定の刺激可能な蛍リン光体の刺激のために当該技術分野
において既知のいずれの光源も、本発明のガラスセラミ
ックと一緒に用いることができる。例えば500nm〜
1200nmの波長を有するレーザー源を用いてハライ
ド化合物中の電子捕獲中心を刺激することができる。
【0032】
【実施例】比較実施例(CE1) EP−A−779 254の実施例12に記載されてい
るユーロピウムフルオロアルミネートガラスを製造し
た。高純度の原料、EuF2、MgF2、AlF3、Ca
2、SrF2、BaF2及びYF3を、そのカチオンが
0.1モル%のEu 2+、35モル%のAl3+、10モル
%のMg2+、20モル%のCa2+、10モル%のS
2+、10モル%のBa2+及び14.9モル%のY3+
ら構成され、そのアニオンが100モル%のFから構成
される組成を有するガラスを得るのに必要な割合で量り
出し、一緒に混合した。次いで混合物を窒素雰囲気下
に、1000℃において1時間溶融し、次いでそれぞれ
のるつぼ中の溶融物をガラス転移温度Tg近くまで冷却
した。
【0033】比較実施例(CE2) EP−A−779 254の実施例13に記載されてい
るユーロピウムフルオロアルミネートガラスを製造し
た。高純度の原料、EuF2、MgF2、AlF3、Ca
2、SrF2、BaF2、BaCl2及びYF3を、その
カチオンが1モル%のEu2+、35モル%のAl3+、1
0モル%のMg2+、20モル%のCa2+、10モル%の
Sr2+、10モル%のBa2+及び14モル%のY3+から
構成され、そのアニオンが4.1モル%のCl-及び9
5.9モル%のFから構成される組成を有するガラスを
得るのに必要な割合で量り出し、一緒に混合した。次い
で混合物を窒素雰囲気下に、1000℃において1時間
溶融し、次いでそれぞれのるつぼ中の溶融物をガラス転
移温度Tg近くまで冷却した。
【0034】比較実施例(CE3) 53モル%のZrF4、20モル%のBaF2、20モル
%のNaF、1.5モル%のLaF3、3モル%のAl
3及び1.5モル%のYF3を含有するフルオロジルコ
ネートガラス(ZBLAN−ガラスと呼ばれる)を製造
し、1モル%のEuF2をドーピングした。成分を所望
の割合で混合し、ガラス状炭素るつぼ中に入れ、アルゴ
ンの不活性雰囲気下に、820℃において溶融してから
260℃における黄銅金型中にクエンチングし、12時
間かけて室温に冷却した。
【0035】比較実施例(CE4) ドーパント以外は比較実施例3におけると同じフルオロ
ジルコネートガラスを製造した。EuF2をそれにドー
ピングする代わりに、1モル%のCeF3をそれにドー
ピングした。
【0036】実施例1(E1) 比較実施例3で製造したフルオロジルコネートガラスに
おいて5モル%のフルオリドイオンをブロミドイオンで
置き換えることによりガラスセラミック材料を製造し
た。20モル%のNaFの代わりに15モル%のみのN
aFが存在し、5モル%のNaBrが加えられた。
【0037】図1に、実時間で記録した実施例1の臭素
−ドープトフルオロジルコネートガラスのCu Kα放
射線に関するX−線回折(XRD)スペクトルを示す。
広いガラスのバックグラウンド(ZBLAN組成に近い
ガラスの場合に典型的な26及び47度における広い極
大)上に重ねられた、含有される結晶相からの比較的鋭
い回折線を明確に見ることができる。パターン中の線
は、ガラス内でBaBr 2のいわゆる高圧形態が形成さ
れることを示していると思われる。
【0038】実施例2(E2) ドーパント以外は実施例1を繰り返し、この実施例では
ガラスに1モル%のCeF3をドーピングした。
【0039】先行技術の2つの均一なフルオロアルミネ
ートガラスであるCE1及びCE2、2つの均一なフル
オロジルコネートガラスであるCE3及びCE4ならび
に2つの本発明のガラス(E1及びE2)の6つのガラ
スをX−線を用いて照射し、次いで632nm(CE1
及びCE2)ならびに570nm(CE3、CE4、E
1及びE2)の波長を有する光により刺激した。刺激す
ると発せられた光の強度を相対的尺度で測定した。結果
を表1に報告する。
【0040】
【表1】
【0041】この表において、強度は、刺激すると発せ
られる光の相対的強度である。この強度の測定のために
用いられた光電子増倍管は閾値を有した。実施例2のガ
ラス−セラミックにより発せられる光の強度より10倍
低い強度は記録され得なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】微−結晶粒子を含有するガラス−セラミックの
X−線回折スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヨハン−マルテイン・シユペト ドイツ・33098パデルボルン・バルブルガ ーシユトラーセ100・ウニベルジテート− ジーエイチパデルボルン内 (72)発明者 シユテフアン・シユバイツアー ドイツ・33098パデルボルン・バルブルガ ーシユトラーセ100・ウニベルジテート− ジーエイチパデルボルン内 (72)発明者 アンドリユー・エドガー ニユージーランド・ウエリントン・ボツク ス600・ビクトリアユニバーシテイ・スク ールオブケミカルアンドフイジカルサイエ ンシズ内 (72)発明者 リユク・ストルエ ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内 (72)発明者 ポール・レブランス ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルオリドガラスマトリックスを含んで
    なり:微結晶粒子が該ガラスマトリックス中に埋めまれ
    ており、該微結晶粒子はd<2μmであるような平均粒
    度、dを有しており、該ガラスセラミックがXRDスペ
    クトルにおいて該ガラスマトリックスの連続スペクトル
    及び該連続スペクトル上に重ねられた分離ピークを示す
    ことを特徴とするX−線のエネルギーを貯蔵し且つ光−
    刺激により該エネルギーを放出するためのガラスセラミ
    ック材料。
  2. 【請求項2】 該ガラスマトリックスが少なくとも35
    モル%のジルコニウムイオンをアルカリイオン及びアル
    カリ土類イオンから成る群より選ばれるイオンと一緒に
    含有し、少なくとも5モル%のフルオリドイオンがブロ
    ミドおよびクロリドイオンの群から選ばれるイオンによ
    り置き換えられており、少なくとも0.01モル%の遷
    移金属イオン、希土類金属イオン、In+、Ga+、Tl
    +及びPb2+から成る群より選ばれるカチオンが存在す
    る請求項1に従うガラスセラミック。
  3. 【請求項3】 該微結晶粒子がd<0.5μmであるよ
    うな平均粒度、dを有する請求項1又は2に従うガラス
    セラミック材料。
  4. 【請求項4】 該微結晶粒子がd<0.01μmである
    ような平均粒度、dを有する請求項1又は2に従うガラ
    スセラミック材料。
  5. 【請求項5】 該ガラスマトリックスが35〜60モル
    %のジルコニウムイオン及び10〜20モル%のアルカ
    リ土類イオンを含む請求項1〜4のいずれかに従うガラ
    スセラミック材料。
  6. 【請求項6】 該アルカリ土類イオンがバリウムイオン
    である請求項5に従うガラスセラミック材料。
  7. 【請求項7】 微結晶材料がCsBr、RbBr、Ba
    Br2、CsCl、RbCl、BaCl2、SrCl2
    SrBr2、RbBaBr3及びCsSrBr 3から成る
    群より選ばれる請求項5に従うガラスセラミック材料。
  8. 【請求項8】 該微結晶がさらにEu2+、Sm2+、Ce
    3+、Tl+、In+、Ga+、Pr3+、Cu+、Ag+、M
    2+及びPb2+より成る群から選ばれるドーパントを含
    む請求項1〜7のいずれかに従うガラスセラミック材
    料。
  9. 【請求項9】 53モル%のZrF4、20モル%のB
    aF2、20モル%のNaF、1.5モル%のLaF3
    3モル%のAlF3及び1.5モル%のYF3を含有する
    ZBLAN−ガラスと呼ばれるフルオロジルコネートガ
    ラスにおいて置き換え、ここで少なくとも5モル%のフ
    ルオリドイオンがクロリド及びブロミドイオンから成る
    群より選ばれるイオンにより置き換えられ、そしてガラ
    スに1モル%のEuF2及びCeF3から成る群より選ば
    れる化合物をドーピングすることにより製造される請求
    項1〜8のいずれかに従うガラスセラミック材料。
  10. 【請求項10】 −ZrF4、アルカリフルオリド、ア
    ルカリ土類フルオリド、Al、Y、Laから成る群より
    選ばれる3−価の金属のフッ化物をアルカリブロミド及
    びアルカリ土類ブロミドから成る群より選ばれるブロミ
    ド化合物と一緒に、少なくとも35モル%のジルコニウ
    ムフルオリド及び5モル%のブロミドイオンがガラス−
    セラミック中に得られるような割合で混合し、 −該混合物を不活性ガス雰囲気下に、両限界を含んで6
    50℃〜1200℃の温度で溶融し、 −該溶融混合物を両限界を含んで150℃〜300℃の
    温度でクエンチングし、 −両限界を含んで4時間〜24時間に及ぶ時間にわたり
    該混合物を室温に冷却する段階を含んでなるフルオロジ
    ルコネートマトリックス中に<2μmの平均粒度dを有
    する微結晶粒子を含有するガラス−セラミックの製造
    法。
  11. 【請求項11】 i.物体を通過したか又は物体から放
    射された透過放射線を請求項1〜10のいずれかに従う
    ガラスセラミック材料に吸収させ、 ii.画像ガラスセラミック材料を刺激光線に露出して
    その中に貯蔵された放射線エネルギーを発光として放出
    させ、 iii.画像形成のために発せられた光を検出する段階
    を含んでなる放射線画像を記録し、再現するための方
    法。
JP2000176918A 1999-06-15 2000-06-13 光刺激可能な性質を示すフルオロガラスセラミック Pending JP2001019492A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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