JP2001019242A - フィルム送り自動横ずれ補正機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルム２の移送に際し、簡単な制御機構に
よりフィルム２の横ずれが発生しないようにする。 【構成】 フィルム供給ロールよりのフィルム２の引き
出しに際し、ガイドロールの他に、一端を揺動可能に支
承し且つその他端側をフィルムの端縁位置の検知センサ
ー６よりの出力に応じてソレノイド５の作動によりその
傾斜を変位可能とした制御ロール４を設けて、制御ロー
ル４の傾斜変位制御によりフィルムの横ずれ量を一定範
囲内にあるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ロール状のフィルムも
しくは紙を連続又は間歇的に搬送する装置におけるフィ
ルムや紙の送り方向搬送位置ずれ制御機構に関し、フィ
ルム巻取装置や自動製袋機、食品包装機などに利用で
き、また、印刷された長尺印刷物の耳揃巻取にも利用で
きるものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、フィルムの巻取に際しての搬送位
置ずれを規制、または補正する手段として、次のような
機構が一般に知られ、実施されている。即ち、 中央部の膨らんだ太鼓状のローラに巻き付けながら
搬送する。 ローラの両端に鍔を設け、フィルムのずれを規制す
る。 ロールフィルムのセット位置をずらしてずれを補正
する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ロール状に巻かれたフ
ィルムを連続的に引き出して使用する場合、フィルム搬
送経路各部の摩擦力のばらつき、偏り等によって搬送位
置がずれる問題がある。これを防ぐため、従来行われて
いるフィルムの搬送途中に設けた中央部の膨らんだ太鼓
状のロールにフィルムを３６０度以内の任意の角度巻き
付ける方法は、制御機構がないため、フィルム位置が大
幅にずれた場合、希望する搬送位置にフィルムを自動的
に移動する制御ができなかった。

【０００４】また、ロールに鍔を付けてフィルム位置を
規制する方法は、紙のように厚みがあり、横側からの圧
力に対して折れたり撓んだりし難いフィルムには有効で
あるが、ポリエチレンフィルムのように柔らかいフィル
ムでは全く効果が期待できなかった。

【０００５】また、ロールフィルムのセット位置をずら
してずれを補正すしようとすると、どうしても制御機構
が複雑になるばかりでなく、制御遅れも生じ易かった。

【０００６】そこで本発明は、フィルム搬送位置のずれ
による不具合を解消し、また、いかなるフィルムに対し
ても確実にフィルム位置を検出して、フィルム搬送位置
ずれを一定範囲内に確実に補正できるフィルム搬送機構
を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、フィルム送り
装置におけるダンパーロールのようなロールの一端軸を
ロールが軸端を支点として揺動できるようにするととも
に、他端軸にソレノイドによる変位機構を設け、該ロー
ルの変位を利用してフィルムの給送位置を制御しようと
するもので、下記のように構成されている。 （１） ロール状に巻かれたフィルムを連続、又は間歇
的に順次引出す機構を有する装置において、フィルム搬
送経路のフィルム一端面側に、フィルム端面位置変位に
よつて信号を出力するセンサーを設け、該センサーより
フィルム進行方向前側に設けられ、前記フィルムを屈曲
案内するロールの片側端軸を支点とし、フィルム進行方
向に直角な面に沿って該ロールの他端側端軸を上下揺動
可能とするとともに、前記他端側端軸に前記センサー出
力に応じて該端軸を上下させるソレノイドを取付けて構
成してなる制御ロールを設け、通常状態においては前記
制御ロールの揺動による傾斜をフィルムが常にセンサー
側に向かって変位するよう保持するようにし、且つ、フ
ィルム端縁の押圧により前記センサーが作動したとき
は、前記制御ロールの傾斜をフィルムセンサーより離れ
る方向に所定時間保つようにした後、旧位置に戻るよう
にしてなるフィルム送り自動横ずれ補正機構。 （２） フィルム側端位置の検出機構に検知レバーによ
るフォトインターラプタ方式センサーを用いてなる前記
（１）記載のフィルム送り自動横ずれ補正機構。 （３） フィルム供給ロールより適宜ガイドロールを介
して送給するシート状フィルムを、筒状ガイド表面に被
覆して筒状になるよう案内する、前記筒状ガイド上端に
取付けられた頂板より垂下する支承杆にセーラー服襟部
状前側合体部が対面状態で支承されたセーラー服襟部形
状ガイド板の後部側表面に沿ってフィルムが上昇し、前
記セーラー服襟部形状ガイド板と筒状ガイドとの間隙を
通って筒状ガイド表面に沿って下方に案内されて、セー
ラー服襟部前側合体部でフィルム両縁が対面した状態と
され、その下部に位置する接合装置により筒状に形成さ
れ、その下部でフィルム移送方向に直交する適宜接合機
により適宜位置で筒状フィルムが接合されて袋底部が形
成されるようにしてなる装置において、前記ガイドロー
ルとセーラー服襟部形状ガイド板との間に制御ロールを
設けてなる前記（１）記載のフィルム送り自動横ずれ補
正機構。

【０００８】

【作用】ガイドロールを傾斜させることにより搬送中の
フィルムの進行方向に変位を生じさせることができるこ
とを利用し、搬送フィルムの縁端位置変化をフィルム片
側端縁の押圧により作動するセンサーにより検出し、そ
の検出データに基づきソレノイドを作動させてガイドロ
ールを傾斜させたり元に戻したりして、移送中のフィル
ムを張力の小さい方に逃がしてやることにより、搬送フ
ィルムの搬送位置制御を可能とした。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明を図面に示す実施例に基づ
いて説明する。図１は本発明の基本構成を示す斜視図で
（ａ）と（ｂ）はそれぞれソレノイド配置位置を反対側
とした場合の全体図、（ｃ）はセンサーの詳細説明図で
あり、図２及び図３は本発明を縦ピロー３方包装機のフ
ィルムを袋状に形成する装置に適用したフォーマー部分
の斜視図、である。

【００１０】図１（ａ）において、図示しないフィルム
供給ロールよりフィルム巻取ロール１によりフィルム２
が矢印Ａ方向にガイドロール３を経て引き出されるので
あるが、フィルム巻取ロール１とガイドロール３との間
に制御ロール４を配置してある。制御ロール４は、フィ
ルム２をガイドロール３を介して巻き掛けた状態で方向
転換してフィルム巻取ロール１に導いており、制御ロー
ル４の一方の軸端４ａは揺動支承部４ｂを支点として揺
動可能に支承され、その他端側軸端４ｃはソレノイド５
のプランジャー５ａに接続され、変位可能に構成されて
いる。なお、プランジャー５ａに対する付勢バネの記載
は省略してある。

【００１１】ソレノイド５を作動させ、プランジャー５
ａを矢印Ｂ方向に移動して、側軸端４ｃを矢印Ｂ方向に
変位させると、制御ロール４が傾くため、フィルム２は
制御ロール４表面に沿って矢印Ｃ方向に偏るよう変位移
動するようになる。それゆえ、フィルム２の一方のフィ
ルム端縁２ａ側に接触センサー６を配置しておき、供給
ロール１より繰り出されるフィルム２がセンサー６側に
移動し、センサー６に接触した場合、ソレノイド５を作
動させ、制御ロール４を傾けると、フィルム２が矢印Ｃ
方向に徐々に変位しながら移動し、フィルム端縁２ａが
センサー６の検知レバー６ａより離れるようになる。な
お、フィルム２の端縁２ａがセンサー６の検知レバー６
ａより離れ、センサー６よりの信号がなくなっても、ソ
レノイド５に一定時間駆動電圧を供給する機能を備えさ
せておくことにより、フィルム２の端縁２ａがセンサー
６の検知レバー６ａから適当な寸法離れてからソレノイ
ド５が旧位置、即ち制御ロール４の傾斜度合を変更する
ソレノイド５のプランジャー５ａを矢印Ｂと反対方向に
変位して旧位置に戻るよう設定しておく。それゆえ、フ
ィルム２は常に制御ロール４により制御されて一定許容
誤差範囲内で耳を揃えてフィルム巻取ロール１に巻き取
られることになる。なお、制御ロール４の揺動支承部４
ｂの位置を調整可能にしておけば、ソレノイド５による
変位側端軸４ｃの作動範囲即ち制御ロール４の傾斜の微
調整が可能となる。

【００１２】なお、図１（ｂ）のように、ソレノイド５
をフィルム面に対して（ａ）の場合と１８０度反対位置
に取り付けた場合、センサー６の検知レバー６ａにフィ
ルム端縁２ａが接触していないときは、プランジャー５
ａを矢印Ｂと反対方向に引いた状態にしておき、フィル
ム２の端縁２ａがセンサー６の検知レバー６ａに接触す
ると、ソレノイド５の電源供給を断ち、ロール４の側軸
端４ｃ側を矢印Ｂ方向に復帰させるように動作させるこ
とでも全く同じ機能を得ることができる。

【００１３】なお、センサー６にフォトインターラプタ
を用いるとフィルムよりの弱い押圧力によっても感応可
能となる。即ち、図１（ｃ）に示すように、検知レバー
６ａの下端でフォトセンサー６ｂ間の光をオン・オフす
ることによる出力でソレノイド５を制御すればよい。

【００１４】図２及び図３は、縦ピロー３方シール方式
包装機のフィルムを袋状に形成するフォーマー部分を示
す斜視図である。図２において、フィルム２は図示しな
いフィルム供給ロールより水平に引き出されてガイドロ
ール７で下方に方向転換され、下方に位置する制御ロー
ル４で再び上方に方向転換され、シート状フィルム２を
筒状ガイド８表面に被覆して袋状になるよう案内する。
即ち、前記筒状ガイド８上端に取付けられた頂板８ａよ
り垂下する支承杆８ｂにセーラー服襟部前側合体部８ｃ
が対面状態で支承されたセーラー服襟部形状ガイド板９
によりフィルム２が筒状になるよう、セーラー服後部側
表面に沿って上昇し、筒状ガイド８との間隙１１を通っ
て筒状ガイド８表面に沿って下方に矢印のように案内さ
れて、フィルム２両縁が対面した状態でセーラー服襟部
前側合体部８ｃで対面状態とされ、その下部に位置する
接合装置１０により接合されて筒状に形成され、その
後、その下部で適宜接合機１２により適宜位置で接合さ
れ、袋底部が形成される。図において、符号１３は筒状
ガイド８の周囲に設けられたフィルム２の引出ロール
で、フィルム供給ロールよりフィルム２を制御ロール
４、セーラー服襟部形状ガイド板９、筒状ガイド８に至
るよう引き出している。なお、引出ロール１３に対面す
る筒状ガイド８表面を平面状とし、この部分に摩擦の小
さいフィルムを貼着するとか、該対面部分に切欠穴部を
設けて遊動ロールを対面配置させておくようにするとよ
い。また、ガイドロール７、筒状ガイド８、セーラー服
襟部形状ガイド板９など各構成部材は、当然のことなが
ら、機枠に適宜保持取付けられている。

【００１５】制御ロール４の作動は、図１の場合と同様
であるが、一応説明するに、図２において、制御ロール
４は右側軸端４ａの支承部４ｂを支点として上下に揺動
可能とされており、その揺動制御は左端軸端４ｃをソレ
ノイド５のプランジャー５ａにより上下揺動させること
により行われる。図２に示すように、プランジャー５ａ
が制御ロール４を略水平状態としてあるとき、ガイド板
９表面のフィルムが矢印Ｄの方向に変位する事態が生じ
たとすると、図３に示すように、マフラー状ガイド板９
の左端位置に設置されてあるセンサー６の検知レバー６
ａがフィルム２の左縁に押されて検知レバー６ａを動か
し、その結果、センサー６より出る信号によりソレノイ
ド５を作動させ、プランジャー５ａを介して制御ロール
４の左端を下方に変位させる。

【００１６】すると、フィルム２は矢印Ｅに示すように
ガイド板９上を右側に変位しながら移動することにな
る。そして、センサー６より出る信号がでなくなってか
ら所定期間はその状態となるよう制御装置を設定してお
く。そして、その後は再び図２に示すような位置に制御
ロール４を復帰させる。このような制御動作を繰り返す
ことによりフィルム２をガイド板９、筒状ガイド８に対
して正しく送り込むことができる。なお、フィルム２の
端縁２ａが検知レバー６ａより所定期間離れてもそのま
まとしたのは、フィルムの左右移動は進行方向に徐々に
行われ、端面位置が定められた範囲より逸脱しないよう
に配慮したためである。なお、支承部４ｂの位置を微調
整可能にしておけばソレノイド５による制御ロール４の
傾斜制御がよりやり易くなる。

【００１７】また、フィルム端面を検出するセンサーに
フォトインターラプタを用いることにより、弱い力でも
フィルム端縁で検知レバーを動かすことができるので、
透明で且つ薄い材質のフィルムでも位置のずれを検出で
きるようになる。

【００１８】

【発明の効果】本発明によれば、フィルム移送経路中
に、一端を揺動可能に支承し、且つ、その他端側をフィ
ルムの端縁位置の検知に応じて変位可能とした制御ロー
ルを設けて、その制御ロールの変位によりフィルムの走
行中の左右変位を制御するようにしたので、簡単な機構
で、フィルムの横ずれ量を一定の範囲内に自動調整する
ことができ、不具合の発生を防止できる。また、フィル
ムが常にフィルムの端縁位置の検知装置側に少し変位す
るよう制御ロール４の初期傾斜を設定しておくことによ
り、フィルムの端縁位置の検知装置は片側に設けるだけ
てよく、制御装置の構成を単純化できる。

【００１９】また、フィルム端縁を検出するセンサーに
フォトインターラプタを用いることで、透明且つ薄い材
質のフィルムでも位置のずれを検出することが可能とな
る。

【００２０】また、制御ロール４を図２、図３に示すよ
うな製袋機に設けると、筒状ガイド８、セーラー服襟形
状ガイド板９を介してフィルムによる円筒状袋を作成で
き、また、筒状ガイド８の頂板８ａに袋詰材料を順次投
入できるよう開口を設けて、筒状ガイド８下部に設けた
接合機により袋下部を接合後に袋詰材料を投入し、袋部
分を移動進行した後、その上部位置を再び接合すれば袋
詰製品が簡単に得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の基本構成を示す斜視図である。

【図２】本発明を縦ピロー３方包装機のフィルムを袋状
に形成する装置に適用したフォーマー部分の斜視図であ
る。

【図３】図２に示す装置の作動状態を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ フィルム巻取ロール ２ フィルム ２ａ フィルム端縁 ３ ガイドロール ４ 制御ロール ４ａ 制御ロール軸端 ４ｂ 軸揺動支承部 ４ｃ 変位側軸端 ５ ソレノイド ５ａ プランジャー ６ センサー ６ａ 検知レバー ７ ガイドロール ８ 筒状ガイド ８ｃ 接合ガイド部 ９ セーラー服襟形状ガイド板 １０ 接合装置 １１ 間隙 １２ 接合機 １３ 引出ロール

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロール状に巻かれたフィルムを連続、又
   は間歇的に順次引出す機構を有する装置において、フィ
   ルム搬送経路のフィルム一端面側に、フィルム端面位置
   変位によつて信号を出力するセンサーを設け、該センサ
   ーよりフィルム進行方向前側に設けられ、前記フィルム
   を屈曲案内するロールの片側端軸を支点とし、フィルム
   進行方向に直角な面に沿って該ロールの他端側端軸を上
   下揺動可能とするとともに、前記他端側端軸に前記セン
   サー出力に応じて該端軸を上下させるソレノイドを取付
   けて構成してなる制御ロールを設け、通常状態において
   は前記制御ロールの揺動による傾斜をフィルムが常にセ
   ンサー側に向かって変位するよう保持するようにし、且
   つ、フィルム端縁の押圧により前記センサーが作動した
   ときは、前記制御ロールの傾斜をフィルムセンサーより
   離れる方向に所定時間保つようにした後、旧位置に戻る
   ようにしたことを特徴とするフィルム送り自動横ずれ補
   正機構。
2. 【請求項２】 フィルム側端位置の検出機構に検知レバ
   ーによるフォトインターラプタ方式センサーを用いてな
   る請求項１記載のフィルム送り自動横ずれ補正機構。
3. 【請求項３】 フィルム供給ロールより適宜ガイドロー
   ルを介して送給するシート状フィルムを、筒状ガイド表
   面に被覆して筒状になるよう案内する、前記筒状ガイド
   上端に取付けられた頂板より垂下する支承杆にセーラー
   服襟部状前側合体部が対面状態で支承されたセーラー服
   襟部形状ガイド板の後部側表面に沿ってフィルムが上昇
   し、前記セーラー服襟部形状ガイド板と筒状ガイドとの
   間隙を通って筒状ガイド表面に沿って下方に案内され
   て、セーラー服襟部前側合体部でフィルム両縁が対面し
   た状態とされ、その下部に位置する接合装置により筒状
   に形成され、その下部でフィルム移送方向に直交する適
   宜接合機により適宜位置で筒状フィルムが接合されて袋
   底部が形成されるようにしてなる装置において、前記ガ
   イドロールとセーラー服襟部形状ガイド板との間に制御
   ロールを設けてなる請求項１記載のフィルム送り自動横
   ずれ補正機構。