JP2001018893A - 船舶用自動操舵装置 - Google Patents

船舶用自動操舵装置

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JP2001018893A
JP2001018893A JP11188074A JP18807499A JP2001018893A JP 2001018893 A JP2001018893 A JP 2001018893A JP 11188074 A JP11188074 A JP 11188074A JP 18807499 A JP18807499 A JP 18807499A JP 2001018893 A JP2001018893 A JP 2001018893A
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model
deviation
automatic steering
hull
identification
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JP11188074A
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English (en)
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Fuyuki Hane
冬希 羽根
Toshiaki Hanai
利彰 花井
Tetsuo Ueno
哲夫 植野
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Tokimec Inc
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Tokimec Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 船舶用自動操舵装置の同定演算部において船
体モデルの船体パラメータの同定算法を改良することを
目的とする。 【解決手段】 船舶用自動操舵装置の同定演算部は自動
操舵系と共通の参照針路入力、フィードフォワード制御
器及びフィードバック制御器を使用する。同定演算部は
更に制御対象のモデルである制御対象モデルとパラメー
タ調整部を有する。自動操舵系より参照針路と船首方位
の間の偏差を入力する。この偏差と参照針路と制御対象
モデルの出力の間の偏差であるモデル偏差との間の差で
ある同定誤差はパラメータ調節部に供給される。パラメ
ータ調節部は同定誤差が最小となるようにパラメータ同
定値を制御対象モデルに出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御対象を1次モ
デルによって近似することができる制御系において、ゲ
インKと時定数Tを同定するための同定演算に関する。
【0002】より詳細には、本発明は、船体を制御対象
とする船舶用自動操舵装置のオートパイロットにおいて
の変針時の性能向上に関する。
【0003】
【従来の技術】オートパイロットでは、制御対象である
船体を伝達関数K/(Ts+1)によって表される1次
モデルによって近似する。この伝達関数のゲインKと時
定数Tは、それぞれ旋回力指数Kと追従安定性指数Tと
称される。また、これらの2つの指数K、Tは船舶の特
性を定めるため、船体パラメータと称される。
【0004】図7に従来の船舶用自動操舵装置の制御系
のブロック図を示す。尚、この例は本願出願人と同一の
出願人によって平成8年7月5日に出願された特願平8
−176522号(特開平9−207889号公報)に
記載されたものであり、詳細については同公報を参照さ
れたい。この制御系を以下に単に自動操舵系と称する。
自動操舵系は自動操舵装置即ちオートパイロット12と
操舵機16と加算器13と船体14−1と船首方位検出
器14−2とを含む。
【0005】自動操舵装置即ちオートパイロット12は
設定針路ψI、自動変針時の条件である設定値SV及び
船首方位ψを入力して命令舵角UC を出力する。命令舵
角UC は操舵機16に供給される。
【0006】操舵機16は舵角δを命令舵角UC に迅速
に追従させるためのサーボ機構を有し、1次遅れ要素に
相当する。船体14−1には風、波浪等の外乱バイアス
が作用する。加算器13は操舵機16の出力信号である
舵角δに角度換算した外乱バイアスδdを加算する。
【0007】船体14−1は船舶が方位軸周りに回転す
る運動系であると見なすことができる。船舶の角速度
(旋回角速度)は船首方位ψの角速度(1階微分)とし
て表される。船体14−1は加算器13の出力信号δ+
δdを入力して船首方位の角速度dψ/dtを発生す
る。
【0008】船首方位検出器14−2は船首方位の角速
度dψ/dtより船首方位ψを演算する。船首方位検出
器14−2はジャイロコンパス、磁気コンパス等からな
る。船首方位ψはオートパイロット12にフィードバッ
クされる。こうして閉ループが形成され、船首方位ψは
設定針路ψIに追従する。
【0009】オートパイロット12において設定された
船体パラメータは、実際の船体パラメータと一致しない
場合がある。図7に示す例は、操舵機16の性能を考慮
して最適な軌道計画によって自動変針を行い、同時に船
体14−1の船体パラメータを同定するように構成され
ている。
【0010】次に図8を参照して自動操舵装置12の動
作を説明する。自動操舵装置12は、設定針路ψI及び
の設定置SVを入力し軌道計画に基づいた参照針路を演
算する軌道演算部12−1とフィードフォワード制御器
12−2とフィードバック制御器12−3と参照針路と
船首方位の間の偏差に基づいて船舶の特性を定める船体
パラメータを演算する同定演算部12−6とを有する。
【0011】軌道演算部12−1において参照針路が演
算される。参照針路は時間を変数とし且つ次の条件を満
たす。
【0012】(1)加速モード、等速モード、減速モー
ドの各モード毎に時間管理された関数である。 (2)加速モードにおいて、参照針路の初期値として船
舶の船首方位の角速度及び角加速度が取り込まれる。 (3)加速モードと減速モードにおいて、時間に関する
2階微分は2次関数となる。 (4)参照針路はモード切り換え時において、時間に関
して滑らかである、即ち連続的且つ2階微分可能であ
る。
【0013】(5)等速モードにおいて、時間に関する
2階微分はゼロとなる。 (6)参照針路は、設定置SVに含まれる変針量、旋回
角速度、最大舵角及び舵速度の指令量を満足する。
【0014】フィードバック制御器12−3は偏差を入
力してフィードバック舵角UFBを出力する。フィードバ
ック制御器12−3は制御対象に対して比例及び微分の
動作をなし、自動操舵系の安定化に寄与する。フィード
バック制御器12−3を含む閉ループによって、船首方
位ψは偏差がゼロとなるように参照針路に追従する。
【0015】フィードフォーワード制御器12−2は参
照針路を入力してフィードフォワード舵角UFFを出力す
る。自動操舵装置12はフィードフォワード舵角UFFと
フィードバック舵角UFBの和を命令舵角UC として出力
する。フィードフォワード制御器12−2は船体に入力
される舵角δと外乱バイアスδdとの和から船首方位ψ
までの伝達特性の逆特性を有し、自動操舵系の変針特性
を高めるように機能する。フィードフォワード制御器1
2−2を含む開ループによって、船首方位ψは遅れなし
に参照針路に追従する。
【0016】フィードフォワード舵角UFFの最大値はフ
ィードフォワード舵角UFFの1階微分がゼロとなる時点
で生じ、フィードフォワード舵角UFFの角速度の最大値
は加速モード及び減速モードの始点時点及び終了時点で
生ずる。
【0017】参照針路はフィードフォワード舵角UFF及
びその角速度の各々の最大値を折り込んでいる。
【0018】図9を参照して同定演算部12−6の構成
及び動作を説明する。同定演算部12−6は、自動変針
時において、加速モードの終了時点、等速モードの終了
時点及び軌道計画による変針後の静定状態の時点のそれ
ぞれにて偏差を保持するためのサンプルホールド器12
−6B、12−6C、12−6Dを有する。
【0019】外乱バイアス演算部12−6Gでは、静定
状態の時点にて保持された偏差を用いて加速モードと等
速モードの各々の終了時点におけるバイアス外乱推定置
を演算する。更に、旋回力指数演算部12−6Fでは、
等速モードの終了時点のバイアス外乱推定置によって修
正された等速モードの終了時点にて保持された偏差を用
いて船舶の特性を定める船体パラメータの1つである旋
回力指数を演算する。追従安定性指数演算部12−6E
では、加速モードの終了時点にて保持された偏差と旋回
力指数とを用いて船舶の特性を定める船体パラメータの
1つである追従安定性指数を演算する。
【0020】再び図8を参照する。同定演算部12−6
によって推定された船体パラメータ、即ち、旋回力指数
及び追従安定性指数は軌道演算部12−1、フィードフ
ォワード制御器12−2及びフィードバック制御器12
−3にフィードバックされ、その各々において以前の船
体パラメータと置き換えられる。
【0021】その結果、船体14−1とオートパイロッ
ト12との間にて、船体パラメータのずれが無くなり、
次の自動変針では、船首方位ψは参照針路ψIに一致
し、良好な変針特性が実現される。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】従来のオートパイロッ
ト12では、船舶の特性を定める船体パラメータを同定
する場合に次のような課題があった。 (1)1つの偏差の値によって船体パラメータを推定す
る。例えば、外乱バイアス、旋回力指数及び追従安定性
指数の推定演算には、それぞれに対して1つの偏差の値
を用いる。偏差にノイズが含まれる場合には、各推定置
にそのノイズの影響が現れ、推定精度が低下する。一
方、フィルタ時定数を大きくしてノイズの減衰の効果を
得ようとすると、同定演算の精度が低下する。 (2)外乱バイアスの推定値を使用して旋回力指数及び
追従安定性指数の推定演算を行う。即ち、各サンプルホ
ールド器に保持された偏差と外乱バイアスの推定値を使
用して旋回力指数及び追従安定性指数を推定する。しか
しながら、偏差は自動操舵系の時間応答であり、方位
(近似的には参照針路)に従属する外乱バイアスの成分
もその応答に含まれる。従って、外乱バイアスの推定値
による偏差の修正は上述の例のような加減算では正確で
ない。 (3)十分に長い等速モードは実際には極めて希であ
る。旋回力指数の推定演算は、加速モードにて生じた偏
差が等速モードにて収斂し一定値になることを前提とし
ている。しかしながら偏差が一定値になった状態を判断
することは困難である。実際には、等速モードの時間が
短いため、偏差が一定値になる前で旋回力指数を演算し
なければならない。その結果、同定演算の精度を高くす
ることができない。 (4)自動操舵系の近似が適当でない。追従安定性指数
の推定演算には自動操舵系の伝達関数を使用する。この
伝達関数を求めるときに船体14−1を1次モデルによ
って近似するのは妥当であるが、既知のフィードバック
制御器12−3を近似することは同定演算の精度を低下
させ、適当でない。
【0023】従って、本発明の目的は、船舶の特性を定
める船体パラメータ、即ち、旋回力指数及び追従安定性
指数を同定するための同定演算部を有する船舶用自動操
舵装置において、より正確に船体パラメータを同定演算
することができるようにすることを目的とする。
【0024】本発明の目的は、制御対象を1次モデル近
似することができる制御系において伝達関数のゲイン及
び時定数を同定するための同定算法を提供することを目
的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明によると、参照針
路に対する制御対象の出力である船首方位の偏差に基づ
いて命令舵角を出力する自動操舵装置と該自動操舵装置
に対して船首方位をフィードバックする制御ループとを
有する船舶用自動操舵装置において、上記制御対象は船
体及び船首方位検出器からなり、上記自動操舵装置は軌
道計画に基づいた参照針路を演算する軌道演算部と上記
制御ループを安定化させるために閉ループ制御を提供す
るフィードバック制御器と上記制御ループの変針特性を
高めるために開ループ制御を提供するフィードフォワー
ド制御器と上記船体の特性を表す船体パラメータを演算
する同定演算部とを有し、該同定演算部は船体モデルを
含む制御対象モデルを有し、上記参照針路に対する上記
制御対象モデルの出力である船首方位の差であるモデル
偏差を演算し、該モデル偏差は上記偏差と同期した時系
列データであり、上記モデル偏差と上記偏差の間の差で
ある同定誤差をゼロにするような閉ループを有し、オフ
ライン演算を行うように構成されている。
【0026】本発明によると、上記自動操舵装置は制御
対象に含まれる船体をラプラス演算子sを用いた伝達関
数K/(Ts+1)によって表される1次モデルによっ
て近似し、上記船体パラメータは上記伝達関数のゲイン
である旋回力指数K及び時定数である追従安定性指数T
である。更に、上記船首方位検出器をラプラス演算子s
を用いた伝達関数1/sによって近似し、上記制御対象
をラプラス演算子sを用いた伝達関数K/(Ts2
s)によって表す。
【0027】本発明によると、上記同定演算部はパラメ
ータ調節部、上記参照針路、上記フィードバック制御
器、上記フィードフォワード制御器及び上記船体モデル
を含む制御対象モデルを有し、上記パラメータ調節部は
上記同定誤差を入力し上記制御対象モデルにフィードバ
ックするパラメータ同定値を生成し、上記同定演算部は
上記参照針路に対する上記制御対象モデルの出力である
船首方位の差であるモデル偏差を生成し、該モデル偏差
を上記フィードバック制御器に供給し、上記参照針路を
上記フィードフォワード制御器に供給し、上記フィード
バック制御器の出力と上記フィードフォワード制御器の
出力の和を上記制御対象モデルに供給し、上記パラメー
タ同定値を上記船体パラメータとして上記自動操舵装置
に出力するように構成されている。
【0028】本発明によると、上記モデル偏差は、上記
参照針路、上記フィードバック制御器、上記フィードフ
ォワード制御器及び上記制御対象モデルからなる系の時
間応答解によって求めるように構成されている。
【0029】本発明によると、船舶用自動操舵装置にお
いて、上記パラメータ調節器は、上記旋回力指数Kを固
定し上記追従安定性指数Tを変化させ、上記同定誤差の
分散が最小となるように上記制御対象モデルの2つの船
体パラメータを更新する第1の動作と、該第1の動作を
行いながら上記旋回力指数Kを変化させ上記同定誤差の
平均がゼロとなるように上記制御対象モデルの2つの船
体パラメータを更新する第2の動作とを行う。
【0030】本発明によると、船舶用自動操舵装置にお
いて、上記参照針路が静定モードにあるとき上記フィー
ドバック制御器の微分動作において、上記偏差の微分の
代わりに上記制御対象の出力である船首方位の微分を行
うことによって、上記船首方位が上記参照針路に対して
オーバーシュートすることを防止するように構成されて
いる。上記参照針路が静定モードにあるとき上記フィー
ドバック制御器の微分動作において、上記同定演算部は
静定モードの時間応答解の変更のみで処理される。
【0031】本発明によると、船舶用自動操舵装置にお
いて、上記同定演算部によって求められた上記2つの船
体パラメータは上記軌道演算部、上記フィードバック制
御器及び上記フィードフォワード制御器に供給されるよ
うに構成されている。
【0032】
【発明の実施の形態】図1を参照して本発明の例を説明
する。本発明による船舶用自動操舵装置は図8を参照し
て説明した従来の船舶用自動操舵装置の構成と同様であ
ってよいが、同定演算部12−6の構成が異なる。図1
には本例の船舶用自動操舵装置の同定演算部12−6の
構成と自動操舵系の関係を示す。
【0033】自動操舵系は、第1及び第2の加算器12
−4、12−5とフィードフォワード制御器12−2及
びフィードバック制御器12−3とを有する。制御対象
14は図7に示したように船体14−1及び船首方位検
出器14−2を含み、操舵機16は除外されている。
【0034】同定演算部12−6は、第1及び第2の加
算器12−4、12−5とフィードフォワード制御器1
2−2及びフィードバック制御器12−3と制御対象モ
デル15と第3の加算器124とパラメータ調整部12
5とを有する。
【0035】自動操舵系と同定演算部12−6では、参
照針路とフィードフォワード制御器12−2及びフィー
ドバック制御器12−3が共通である。
【0036】自動操舵系はフィードフォワード制御器1
2−2を含む開ループとフィードバック制御器12−3
を含む閉ループの2つの制御ループを有し、2自由度の
制御系によって制御対象14を制御する。同定演算部1
2−6は、自動操舵系と同様に、フィードフォワード制
御器12−2を含む開ループとフィードバック制御器1
2−3を含む閉ループを含む2つの制御ループを有し、
2自由度の制御系によって制御対象モデル15を制御す
る。
【0037】制御対象モデル15は、船体14−1のモ
デルである船体モデルと船首方位検出器14−2のモデ
ルであるコンパスモデルを有する。船体モデルが同定演
算部12−6における制御対象となる。従って、船体モ
デルは制御対象の船体パラメータと同様に船体パラメー
タ、即ち、船体モデルの旋回力指数及び追従安定性指数
を有する。
【0038】自動操舵系では、参照針路はフィードフォ
ワード制御器12−2及びフィードバック制御器12−
3を経由して制御対象14に供給される。第1の加算器
12−4によって参照針路と制御対象14から得られた
船首方位が比較され偏差Eが得られる。この偏差はフィ
ードバック制御器12−3を経由して制御対象14に供
給される。
【0039】こうして、フィードフォワード制御器12
−2及びフィードバック制御器12−3を含む制御ルー
プによって船首方位は既知の参照針路に追従する。この
閉ループの偏差は、自動変針中に時系列データとして同
定演算部12−6に供給される。
【0040】次に本例の同定演算部12−6の動作を説
明する。同定演算部12−6では、先ず、供給された偏
差はメモリに記憶され、以下の処理をオフラインにて行
う。パラメータ調節部125からは船体パラメータの初
期値が出力され、制御対象モデル15に与えられる。制
御対象モデル15の船首方位は第1の加算器12−4に
供給され、参照針路と比較される。それによってモデル
偏差が得られる。このモデル偏差は第3の加算器124
にて自動操舵系から供給された偏差と比較される。
【0041】第3の加算器124からは2つの偏差の間
の差が出力される。これを同定誤差と称する。同定誤差
はパラメータ調節部125に供給される。パラメータ調
節部125はパラメータ同定値を生成し、それを制御対
象モデル15にフィードバックする。パラメータ調節部
125は、自動変針を再現させながら、同定誤差が最小
となるようにパラメータ同定値を調節する。
【0042】パラメータ調節部125は、同定誤差が最
小となるようなパラメータ同定値を求めそれを図8を参
照して説明したように、軌道演算部12−1、フィード
フォワード制御器12−2及びフィードバック制御器1
2−3に供給する。それによって、軌道演算部12−
1、フィードフォワード制御器12−2及びフィードバ
ック制御器12−3内の船体パラメータが更新される。
【0043】図2を参照して自動操舵系の詳細を説明す
る。自動操舵系の各部の動作は、各ブロック内の伝達関
数によって表される。尚、ブロック内の式のsはラプラ
ス演算子である。図示の伝達関数に示されるように、ま
た本願明細書の冒頭にて述べたように、船体14−1は
線形1次式によって表される。また、船体方位検出器1
4−2は積分器、操舵機16は1次遅れ要素として扱
う。
【0044】フィードフォワード制御器12−2は船体
14−1と船体方位検出器14−2からなる制御対象の
逆の伝達特性を有し、フィードバック制御器12−3は
分子が1次、分母が2次の真にプロパーな有理関数であ
る。操舵機補償部12−7は操舵機16と同様な伝達特
性を有し、制御対象から操舵機を除いた影響を低減させ
る。フィルタ12−8は船首方位のノイズを平滑させ
る。
【0045】本例に示す自動操舵系は、参照針路及び外
乱バイアスを入力とし、参照針路に対する船首方位の偏
差をフィルタ12−8によってフィルタリングしたもの
を出力とする。この伝達関数は次のようになる。
【0046】
【数1】
【0047】E(s)、R(s)、D(s)はそれぞれ
偏差、参照針路、外乱バイアスを表し、sはラプラス演
算子である。また、GR (s)、GD (s)はそれぞれ
参照針路、外乱バイアスに対する伝達関数であり、次の
式によって表される。
【0048】
【数2】
【0049】尚、ここでKS 、TS は船体パラメータで
あり、それぞれ旋回力指数又はゲイン、追従安定性指数
又は船体時定数と称される。また、TR は操舵機の時定
数である。TD 、KP はそれぞれ微分ゲイン、比例ゲイ
ン、B2 、B1 はフィルタ時定数である。添え字a,n
はそれぞれ未知のプラント値及び既知の設定値を示す。
操舵機16の時定数TRaが既知であると仮定すると数1
の式は次のようになる。尚、TRa=TRnの関係を用い
た。
【0050】
【数3】
【0051】参照針路と外乱バイアスに対する偏差の伝
達特性は次のようになる。 (1)参照針路に対する偏差の性質 参照針路はその2階及び1階微分された状態にて偏差に
作用する。船体パラメータとその設定値の間に差異があ
るとき、参照針路によって偏差に誤差が生じ、変針後は
誤差に収斂しゼロとなる。 (2)外乱バイアスに対する偏差の性質 外乱バイアスは1階と0階微分された状態にて偏差に作
用する。外乱バイアスによって偏差に誤差が生じ、変針
後は外乱バイアスの成分による誤差が一定値に収斂す
る。
【0052】外乱バイアスの推定値は静定状態における
偏差によって決まる。
【0053】
【数4】
【0054】ここで、d(0)は外乱バイアスの推定
値、Esは静定状態における偏差の平均値である。自動
変針中の外乱バイアスは近似的に操舵機補償部12−7
を経由した参照針路に従属すると仮定すると、外乱バイ
アスは次の式のようになる。
【0055】
【数5】
【0056】ここでrsig は変針量である。数3の式の
右辺に数5の式を代入すると、偏差は参照針路のみによ
って表される。
【0057】
【数6】
【0058】従って、偏差とモデル偏差の差である同定
誤差は次の式によって表される。
【0059】
【数7】
【0060】ここで、添え字nは設定値、aは実際値、
mはモデル値を示す。尚、数7の式の右辺のA(s)、
B(s)は次の式を表す。
【0061】
【数8】
【0062】数7の式を次のように分解して考える。
【0063】
【数9】
【0064】尚、数9の式の右辺のFs (s)、Gs
(s)は次のようになる。
【0065】
【数10】
【0066】次に数9の式の第1の式を時間領域で扱
う。同定誤差γは2つの部分に分けられる。
【0067】
【数11】
【0068】偏差は変針開始から静定状態終了までの時
系列データからなる。モデル偏差も偏差に対応した、即
ち、同期した時系列データからなる。このとき、同定誤
差の平均Mγと分散Vγを求める。
【0069】
【数12】
【0070】ここで、nは時系列データの個数、M
(*)及びV(*)は平均及び分散を示し、それぞれ次
の式によって表される。
【0071】
【数13】
【0072】従って、KsaとTsaを固定し、KsmとTsm
を変化させるとき、同定誤差の平均Mγと分散Vγは次
のような特性を有する。 (1)分散の特性 分散は下に凸の特性を有し、極小値を有する。分散の特
性を式によって表すと次のようになる。
【0073】
【数14】
【0074】従って、分散の最小値を見つけることによ
って、Tsa/Ksaに対応するTsm/Ksmが得られる。 (2)平均の特性 数12の式の平均Mγを求める式において、3行目の式
の右辺の第1項は、分散が最小値をとるときにゼロとな
り、第2項は、船体モデルの旋回力指数Ksmを変化させ
ると参照針路の極性と同一である正負の値で変化する。
従って、平均の特性は次の式によって表される。
【0075】
【数15】
【0076】従って、平均値がゼロとなる場合を見つけ
れば、そのとき、船体モデルの旋回力指数Ksmは船体の
旋回力指数Ksaに一致する。
【0077】但し、数14の式及び数15の式によって
表される特性は数学的に厳密ではない。なぜなら、Tsm
/Ksm=Tsa/Ksaのとき数12の式の分散Vγを求め
る式の最後の式の右辺の最後の項に含まれる(1/Ksa
−1/Ksm)が負のときは、最小値とはならない。しか
しながら、その影響は小さく上述の特性としても問題は
ない。
【0078】次にモデル偏差の時系列値を計算する方法
を説明する。モデル偏差の時系列値の計算方法は2つあ
る。第1の方法は、数値積分によるものである。これは
簡単な方法であるが計算時間を要する。第2の方法は、
時間応答解を求めるものである。これは解の導出が複雑
であるが計算時間が短いため、計算量が多い同定計算に
適している。以下に第2の方法である時間応答解の導出
を説明する。
【0079】数6の式に対応するモデル偏差の時間応答
解は、参照針路のラプラス演算子領域の解を求め、それ
を逆ラプラス変換することによって得られる。
【0080】
【数16】
【0081】この式の左辺の各項の係数は次の式によっ
て表される。
【0082】
【数17】
【0083】参照針路は従来技術にて示したように時間
管理された加速、等速、減速及び静定の各モードよりな
る。
【0084】従って、各モードの初期値は前のモードの
最終値を用いて設定する。但し、最初の加速モードは変
針直前の船首方位、角速度及び舵角によって設定する。
しかしながら、ここでは、簡単化のため、加速モードの
初期値をゼロとする。初期値は次の式によって定められ
る。
【0085】
【数18】
【0086】この式の右辺の各項の係数は次の式によっ
て表される。
【0087】
【数19】
【0088】ここで右辺の各項のプライムは微分の意味
である。また、()内の数字のゼロは各モードのt=0
の意味であり、初期値を表す。
【0089】
【数20】
【0090】参照針路をラプラス演算子によって表すと
次のようになる。
【0091】
【数21】
【0092】図3に数20の式の右辺の各項の係数R5
〜R1 を示す。これらの係数はモード毎に異なる。
【0093】応答解を導出するために数6の式の分母に
含まれる5次の特性方程式を解く。5次以上の方程式の
代数解法は無い。しかしながら、5次方程式は1つの実
数根を有するから、次のような求根計算を行う。先ずNE
WTON-RAPHSON法を用いて実根を求め、次に1次式と4次
式に因数分解する。最後に4次式の根を代数解法(BROW
N 法)によって求める。
【0094】特性方程式の根の組合せによって応答解は
次の4つの場合がある。以下に各場合の時間応答解を示
す。尚、解の導出過程は本発明の趣旨ではないので省略
する。
【0095】(1)異なる5つの実根がある場合
【0096】
【数22】
【0097】(2)2組の共役根と1つの実根がある場
【0098】
【数23】
【0099】(3)1組の共役根と互いに異なる3つの
実根がある場合
【0100】
【数24】
【0101】(4)1組の共役根と1つの実根と1つの
重根がある場合
【0102】
【数25】
【0103】これらの式において、係数A1 、A2 、A
10、A20、B1 、B2 、B10、B20、C1 、C2 、C3
、C4 、C5 、K1 、K2 、K3 、K4 、K5 、a1
、a2、w1 、w2 は定数である。これらの定数は各場
合において同一ではないことに留意されたい。
【0104】図4を参照して同定演算部12−6におけ
る船体モデルの船体パラメータ、即ち、旋回力指数及び
追従安定性指数の同定算法を説明する。ステップS10
1にてこの演算が開始されると、先ずステップS102
にて、自動操舵系から偏差の時系列データを収録する。
ステップS103では、自動操舵系にて用いた参照針
路、フィードフォワード制御器12−2及びフィードバ
ック制御器12−3等を再現するための定数の設定を行
う。
【0105】次のステップS104では、船体パラメー
タの探索領域を設定する。探索領域内にて船体パラメー
タKsm及びTsmの初期値を設定する。ステップS105
以降において、極値の探索は黄金分割法(METHOD OF GO
LDEN SECTION)を用いた2重ループの収束計算によって
行う。収束計算では、同定誤差の平均と分散の特性を用
いて2次元パラメータ空間の極値探索を行い、船体モデ
ルにおける船体パラメータKsm及びTsmを求め、それら
を制御対象の船体パラメータの同定値とする。
【0106】ステップS105では、設定した船体パラ
メータを使用してモデル偏差の応答解を求める。このモ
デル偏差と自動操舵系から得られた偏差の間の差を求
め、それを同定誤差とする。
【0107】次に、ステップS106では同定誤差の平
均と分散を演算する。ステップS107では、同定誤差
の分散が最小となる追従安定性指数Tsmを探索する。同
定誤差の分散が最小となるまでステップS111に進み
追従安定性指数Tsmを更新する。同定誤差の分散が最小
となったら次のステップS108に進み、同定誤差の平
均がゼロとなる旋回力指数Ksmを探索する。このとき、
同定誤差の分散は最小になっている。同様に、同定誤差
の平均がゼロとなるまでステップS112に進み、同定
誤差の平均がゼロとなったらステップS109に進み、
同定値を設定し、次のステップS110にて終了する。
【0108】図5を参照して本発明の船舶用自動操舵装
置の同定演算部の第2の例を説明する。図1を参照して
説明した第1の例によって船体パラメータを同定して
も、次の自動変針の静定モードでは、船首方位が参照針
路に対してオーバーシュートする場合がある。制御対象
14において船体特性を1次モデルによって近似するこ
とができない場合にそのようなオーバーシュートが生ず
る。
【0109】図5の例では、このようなオーバーシュー
ト対策用に構成され、静定モードの開始時におけるフィ
ードバックループが図2の第1の例とは異なる。図2の
第1の例では、フィードバックループの入力及び出力は
次の式によって表される。
【0110】
【数26】
【0111】UFBはフィードバック制御による操舵量、
Eは偏差である。第1の例では、静定モードが開始され
ると、同定算法の効果によって偏差がゼロとなっている
が、実際の船体特性は1次モデル近似ではない場合、船
首方位がそのまま静定しないで変針方向と同一方向に発
達し始める。
【0112】フィードバック制御の動作は数26の式の
分母の式のフィルタ特性に起因して遅れが生じ、その間
にオーバーシュートが起きる。
【0113】一方、図5に示すオーバーシュート対策用
の静定モードのフィードバック制御の入力及び出力は次
の式によって表される。
【0114】
【数27】
【0115】ψは船首方位である。数27の式の第1項
は、変針モード開始時点から演算のみを行い、静定モー
ド開始時に備えるためのものである。第2の例では、偏
差の状態は第1の例と同様であるが、静定モード開始時
点から船首方位の変化量、即ち、角速度は遅れなしにフ
ィードバックされるためオーバーシュートの発生を抑制
することができる。
【0116】図6を参照して静定モードの応答解の導出
方法を説明する。図6は図5を変形したものである。
尚、本例における同定算法は静定モードの応答解を変更
のみで、第1の例における同定算法がそのまま適用でき
る。静定モードの応答解は図6に示す閉ループの初期値
応答解である。従って、静定モード直前、即ち、減速モ
ードの終端における船首方位、角速度、舵角等を用い
て、この閉ループの初期値を設定すればよい。また、以
降の記述は同定演算部のモデル偏差を導出するものであ
る。
【0117】(1)先ず、静定モードにて用いるフィル
タリングした後の船首方位の初期値を求める。図6の加
算器12−4の入力及び出力を比較すると、フィルタリ
ングした後の船首方位ψf は次の式によって表される。
【0118】
【数28】
【0119】ここで、ψf はフィルタリングした後の船
首方位、RRCf は操舵機補償部12−7及びフィルタ1
21−6を経由した後の参照針路、Em は両者の差、即
ち、モデル偏差である。加算器12−4の各入力ψf 及
びRRCf は次の式によって表される。
【0120】
【数29】
【0121】従って、フィルタリングした後の船首方位
ψf の初期値は、既知のモデル偏差Em の初期値と次に
導出する参照針路RRCf の初期値より求められる。 (2)操舵機補償部12−7とフィルタ121−6を経
由した参照針路RRCf の応答解を上述の第1の例を参考
にして求める。参照針路RRCf は時間tの関数として次
の式によって表される。
【0122】
【数30】
【0123】この式の右辺の第2項のTf は(B2 s2
+B1 s+1)=(Tf s+1)2の時定数である。従
って、この数30の式より、加速、等速及び減速モード
毎に初期値を更新することによって参照針路RRCf の減
速モードの最終値、即ち、静定モードの初期値が求ま
る。こうしてフィルタリングした後の船首方位の初期値
が得られる。
【0124】(3)静定モードにおける船首方位、角速
度及び舵角の初期値を求める。図6に示す閉ループにお
いて、フィルタ12−8、船首方位検出器14−2、船
体14−1及び操舵機16の初期値を含む伝達関数を求
める。この閉ループにおいて次の式が成り立つ。
【0125】
【数31】
【0126】この式の中の初期値Iは次の式によって表
される。
【0127】
【数32】
【0128】この式の右辺の各項の上付数字は微分係数
の階数を示し、下付数字のゼロは初期値を示す。また、
係数は次の式によって表される。
【0129】
【数33】
【0130】数31の式と数32の式を比較することに
よって、数31の式の右辺に含まれる船首方位の初期値
ψ0 、旋回角速度の初期値γ0 及び舵角の初期値δ0 が
得られる。
【0131】
【数34】
【0132】舵角の初期値δ0 は外乱バイアスの初期値
δd0 を含む。従って、舵角の初期値δ0 を次のように
置き換える。
【0133】
【数35】
【0134】(4)静定モードの応答解を導出する。上
述の過程にて得られた初期値を用いて、静定モードの応
答解を導出する。
【0135】
【数36】
【0136】静定モードにおいては、参照針路は一定値
である設定針路に等しく、外乱バイアスも一定値であ
る。
【0137】
【数37】
【0138】従って、応答解は次の式によって表され
る。
【0139】
【数38】
【0140】ここで、係数は次のように表される合わさ
れる。
【0141】
【数39】
【0142】上述の第1の例の場合と同様に、静定モー
ドの応答解を導出するために数38の式の分母に含まれ
る5次の特性方程式を解く。特性方程式の根の組合せに
よって応答解は次の4つの場合がある。以下に各場合の
時間応答解を示す。
【0143】(1)異なる5つの実根がある場合
【0144】
【数40】
【0145】(2)2組の共役根と1つの実根がある場
【0146】
【数41】
【0147】(3)1組の共役根と互いに異なる3つの
実根がある場合
【0148】
【数42】
【0149】(4)1組の共役根と1つの実根と1つの
重根がある場合
【0150】
【数43】
【0151】ここに、f=1/Tf である。これらの式
において、係数A1 、A2 、A10、A20、B1 、B2 、
B10、B20、C1 、C2 、C3 、C4 、C5 、K1 、K
2 、K3 、K4 、K5 、a1 、a2 、w1 、w2 は定数
である。これらの定数は各場合において同一ではないこ
とに留意されたい。
【0152】以上本発明の実施例について詳細に説明し
てきたが、本発明は上述の実施例に限ることなく本発明
の要旨を逸脱することなく他の種々の構成が採り得るこ
とは当業者にとって容易に理解されよう。
【0153】
【発明の効果】本発明によると、同定算法に用いる偏差
のデータ数が複数であるため、データに含まれる量子化
誤差、サンプリングのゆらぎ時間等の影響を低減するこ
とが可能であり、且つ統計的な性質を有するためデータ
の信頼性が向上する利点が得られる。
【0154】本発明によると、外乱バイアスによる精度
の劣化に対して、推定した外乱バイアスを参照針路に連
動させることによって、偏差から外乱バイアスの時間応
答の影響まで修正することができ、従って、精度の劣化
を防止することができる利点がある。
【0155】本発明によると、同定算法は船体パラメー
タを変針状態から個々に求めるのではなく、1回の自動
変針の偏差の応答から船体パラメータを求める。従っ
て、同定算法は、変針の状態、例えば、等速モードの有
無に対して独立的である。即ち、船体パラメータの同定
のために特別な変針状態を必要としない、通常の変針状
態において同定が可能である利点がある。
【0156】本発明によると、同定算法において、既知
であるフィードバックを近似することなく組み込み、操
舵機を1次モデルとして扱い、同定精度の低下を回避す
ることができる利点がある。
【0157】本発明によると、同定算法はオフラインプ
ロセスであるため、ソフトウエア及びハードウエアの構
築が容易である利点がある。
【0158】本発明によると、一般の同定算法のような
アリゴリズム自体の不安定性がないため、不安定性の確
認等のシミュレーションが不要であり、従って、極めて
単純且つ安定性が良い同定算法を提供することができる
利点がある。
【0159】本発明によると、モデル偏差を求める方法
では計算時間が短い応答解を用いるため、計算量が多い
同定算法においても比較的短時間にて同定算法が処理さ
れる利点を有する。
【0160】本発明によると、例えば、第2の実施例の
ように、制御対象により1次モデル以外の特性がある場
合に生ずる静定モードのオーバーシュートの低減が静定
モードのフィードバックの微分動作を変更する対策だけ
で可能である利点を有する。
【0161】本発明によると、静定モードのフィードバ
ックの微分動作を変更する対策を実行した場合に同定算
法の変更は静定モードの応答解の変更のみであり、簡単
である利点がある。
【0162】本発明によると、実質的に制御対象が1次
モデルであっても、第2の実施例を用いることができる
ため実用的である利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による船舶用自動操舵装置の同定演算部
と自動操舵系の関係を示す説明図である。
【図2】本発明による自動操舵系の第1の例のブロック
図である。
【図3】本発明による船舶用自動操舵装置の同定演算部
における同定算法の参照針路の係数を示す図である。
【図4】本発明による船舶用自動操舵装置の同定演算部
における同定算法を示す流れ図である。
【図5】本発明による自動操舵系の第2の例のブロック
図である。
【図6】図5の本発明の第2の例において静定モードの
応答解の導出を説明するためのブロック図である。
【図7】従来の船舶用自動操舵系の構成例を示す図であ
る。
【図8】従来の船舶用自動操舵装置の構成例を示す図で
ある。
【図9】従来の船舶用自動操舵装置の同定演算部の構成
例を示す図である。
【符号の説明】
12…自動操舵装置、 12−1…軌道演算部、 12
−2…フィードフォワード制御器、 12−3…フィー
ドバック制御器、 12−6…同定演算部、 14−1
…船体、 14−2…船首方位検出器、 16…操舵
機、

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 参照針路に対する制御対象の出力である
    船首方位の偏差に基づいて命令舵角を出力する自動操舵
    装置と該自動操舵装置に対して船首方位をフィードバッ
    クする制御ループとを有する船舶用自動操舵装置におい
    て、 上記制御対象は船体及び船首方位検出器からなり、上記
    自動操舵装置は軌道計画に基づいた参照針路を演算する
    軌道演算部と上記制御ループを安定化させるために閉ル
    ープ制御を提供するフィードバック制御器と上記制御ル
    ープの変針特性を高めるために開ループ制御を提供する
    フィードフォワード制御器と上記船体の特性を表す船体
    パラメータを演算する同定演算部とを有し、該同定演算
    部は船体モデルを含む制御対象モデルを有し、上記参照
    針路に対する上記制御対象モデルの出力である船首方位
    の差であるモデル偏差を演算し、該モデル偏差は上記偏
    差と同期した時系列データであり、上記モデル偏差と上
    記偏差の間の差である同定誤差をゼロにするような閉ル
    ープを有し、オフライン演算を行うように構成されてい
    ることを特徴とする船舶用自動操舵装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の船舶用自動操舵装置にお
    いて、上記自動操舵装置は制御対象に含まれる船体をラ
    プラス演算子sを用いた伝達関数K/(Ts+1)によ
    って表される1次モデルによって近似し、上記船体パラ
    メータは上記伝達関数のゲインである旋回力指数K及び
    時定数である追従安定性指数Tであることを特徴とする
    船舶用自動操舵装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の船舶用自動操舵装置にお
    いて、上記船首方位検出器をラプラス演算子sを用いた
    伝達関数1/sによって近似し、上記制御対象をラプラ
    ス演算子sを用いた伝達関数K/(Ts2 +s)によっ
    て表すことを特徴とする船舶用自動操舵装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の船舶用自動操舵装置にお
    いて、上記同定演算部はパラメータ調節部、上記参照針
    路、上記フィードバック制御器、上記フィードフォワー
    ド制御器及び上記船体モデルを含む制御対象モデルを有
    し、上記パラメータ調節部は上記同定誤差を入力し上記
    制御対象モデルにフィードバックするパラメータ同定値
    を生成し、 上記同定演算部は上記参照針路に対する上記制御対象モ
    デルの出力である船首方位の差であるモデル偏差を生成
    し、該モデル偏差を上記フィードバック制御器に供給
    し、上記参照針路を上記フィードフォワード制御器に供
    給し、上記フィードバック制御器の出力と上記フィード
    フォワード制御器の出力の和を上記制御対象モデルに供
    給し、上記パラメータ同定値を上記船体パラメータとし
    て上記自動操舵装置に出力するように構成されているこ
    とを特徴とする船舶用自動操舵装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の船舶用自動操舵装置にお
    いて、 上記モデル偏差は、上記参照針路、上記フィードバック
    制御器、上記フィードフォワード制御器及び上記制御対
    象モデルからなる系の時間応答解によって求めるように
    構成されていることを特徴とする船舶用自動操舵装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の船舶用自動操舵装置にお
    いて、 上記パラメータ調節器は、上記旋回力指数Kを固定し上
    記追従安定性指数Tを変化させ、上記同定誤差の分散が
    最小となるように上記制御対象モデルの2つの船体パラ
    メータを更新する第1の動作と、該第1の動作を行いな
    がら上記旋回力指数Kを変化させ上記同定誤差の平均が
    ゼロとなるように上記制御対象モデルの2つの船体パラ
    メータを更新する第2の動作とを行うことを特徴とする
    船舶用自動操舵装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の船舶用自動操舵装置にお
    いて、 上記参照針路が静定モードにあるとき上記フィードバッ
    ク制御器の微分動作において、上記偏差の微分の代わり
    に上記制御対象の出力である船首方位の微分を行うこと
    によって、上記船首方位が上記参照針路に対してオーバ
    ーシュートすることを防止するように構成されているこ
    とを特徴とする船舶用自動操舵装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の船舶用自動操舵装置にお
    いて、上記参照針路が静定モードにあるとき上記フィー
    ドバック制御器の微分動作において、上記同定演算部は
    静定モードの時間応答解の変更のみで処理されることを
    特徴とする船舶用自動操舵装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の船舶用自動操舵装置にお
    いて、 上記同定演算部によって求められた上記2つの船体パラ
    メータは上記軌道演算部、上記フィードバック制御器及
    び上記フィードフォワード制御器に供給されるように構
    成されていることを特徴とする船舶用自動操舵装置。
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