JP2001012935A - 接合部の検査方法 - Google Patents

接合部の検査方法

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JP2001012935A
JP2001012935A JP11181639A JP18163999A JP2001012935A JP 2001012935 A JP2001012935 A JP 2001012935A JP 11181639 A JP11181639 A JP 11181639A JP 18163999 A JP18163999 A JP 18163999A JP 2001012935 A JP2001012935 A JP 2001012935A
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Ryuzo Yamada
龍三 山田
Takao Hiyamizu
孝夫 冷水
Koji Horio
浩次 堀尾
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 拡散接合法により接合された金属管の接合部
に発生した段差の大きさを高い精度で、かつ効率的に検
出することが可能な接合部の検査方法を提供すること。 【解決手段】 拡散接合された2つの金属管12、14
の外側に超音波探触子22を配置し、各金属管12、1
4の外周面に対して垂直に、かつ同一方向から超音波を
入射させ、各金属管12、14の外周面で反射された外
側反射エコーの往復時間tS1、tS2及び内周面で反
射された内側反射エコーの往復時間tB1、tB2を計
測する。次に、計測された外側反射エコーの往復時間t
S1、t 及び内側反射エコーの往復時間tB1、t
B2を用いて、接合部16の外周面側に発生した外側段
差16aの大きさL及び内周面側に発生した内側段差
16bの大きさL、並びに接合厚さLを算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接合部の検査方法
に関し、さらに詳しくは、プラント用配管、ラインパイ
プ、油井管等、接合された金属管の接合部に発生した段
差、接合部の厚さ等を非破壊で検査する方法として好適
な接合部の検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、化学工業、石油化学工業等の
分野においては、腐食性の流体を長距離に亘って輸送す
るために、長尺の金属管が使用されている。例えば、パ
イプラインは、油田から得られた原油等を精油所等に輸
送するためのものであり、その長さは数十kmに及ぶ。
【0003】また、油井を掘削するに際しては、地中に
掘削された坑道の保護や原油の漏出防止等のために、坑
道の中にケーシングと呼ばれる鋼管が埋設される。油田
は、通常、地下数千mの位置にあるので、ケーシングも
数千mの長さを有するものが必要とされる。
【0004】一方、腐食環境に曝される金属管には、耐
食性に優れた継目無鋼管が一般に用いられるが、工業的
に量産されている継目無鋼管の長さは、10〜15mで
あり、製造可能な長さの上限は100m程度である。従
って、ラインパイプや油井管等、長尺の金属管には、長
さ10〜15mの継目無鋼管を複数個接続した接合体が
用いられている。
【0005】このような用途に用いられる金属管の接合
方法としては、ねじ接続法(メカニカルカップリング
法)、溶接法(オービタルウェルディング法)、摩擦圧
接法、拡散接合法などが知られている。
【0006】特に、拡散接合法は、ねじ接続法に比較し
て強度及び気密性に優れた高品質の継手が得られ、しか
も、溶接法に比較して作業効率が高いという利点があ
る。そのため、拡散接合法は、油井管やラインパイプ
等、金属管の接合方法として広く用いられているもので
ある。
【0007】ところで、拡散接合法を用いて金属管を接
合する際に、不可抗力により、各金属管の軸がずれた状
態で接合が行われる場合がある。その場合には、接合部
の外周面側及び/又は内周面側に段差が発生する。
【0008】また、工業的に量産されている金属管には
所定の寸法公差があり、各金属管の外径及び肉厚は、寸
法公差の範囲内でばらついている。そのため、各金属管
の軸を一致させた状態で接合した場合であっても、各金
属管の外径及び/又は肉厚によっては、接合部の外周面
側及び/又は内周面側に段差が発生する。
【0009】接合部の外周面側及び/又は内周面側に発
生した段差は、応力集中の起点となり、接合強度及び疲
労特性を低下させる原因となる。また、接合部の内周面
側に段差が発生した場合には、段差部分に腐食性物質が
滞留しやすくなるために、耐食性及び機械的特性に悪影
響を及ぼすおそれがある。
【00010】また、例えば、油井管の分野において
は、油井掘削コストの低減と生産能率の増大を両立させ
るために、内径の小さな金属管が接合された接合体を掘
削された坑道内に埋設した後、マンドレル等を用いて接
合体の内径を拡大する試みがなされている。しかしなが
ら、接合部の内周面側に段差があると、マンドレル等で
内径を拡大する際に、段差部分に応力が集中し、接合部
に亀裂を発生させるおそれがある。
【0011】従って、接合された金属管の信頼性を確保
するためには、接合後に接合部に発生した段差の大きさ
を定量的に把握することが重要である。従来は、このよ
うな接合部の段差の管理は、ノギスを用いて接合部の外
側に発生した段差のみを測定することにより行われてい
た。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ノギス
を用いた段差の計測は、例えば、継目無鋼管のように寸
法精度や表面の平坦度が悪い場合には誤差が大きいとい
う問題がある。また、接合部の段差の変化が多く、測定
精度を向上させるには、測定点数を増やす必要があり、
膨大な測定時間を要するという問題がある。さらに、接
合部の内周面側に発生した段差については、ノギスを用
いて計測することは困難であり、内周面側に発生した段
差を正確、かつ効率的に計測する手段がないという問題
がある。
【0013】本発明が解決しようとする課題は、拡散接
合法により接合された金属管の接合部に発生した段差の
大きさを高い精度で、かつ効率的に検出することが可能
な接合部の検査方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る接合部の検査方法は、拡散接合された
一方の金属管の外側に超音波探触子を配置し、前記一方
の金属管の外周面に対して超音波を垂直に入射させ、前
記一方の金属管の外周面で反射された外側反射エコーの
往復時間を計測する工程と、拡散接合された他方の金属
管の外側に超音波探触子を配置し、前記一方の金属管へ
の超音波の入射方向と同一方向に超音波を入射させ、前
記他方の金属管の外周面で反射された外側反射エコーの
往復時間を計測する工程と、前記各外側反射エコーの往
復時間から、接合部の外周面側に発生した段差の大きさ
を算出する工程とを備えていることを要旨とするもので
ある。
【0015】また、本発明の2番目は、拡散接合された
一方の金属管の外側に超音波探触子を配置し、前記一方
の金属管の外周面に対して超音波を垂直に入射させ、前
記一方の金属管の外周面で反射された外側反射エコーの
往復時間及び内周面で反射された内側反射エコーの往復
時間を計測する工程と、拡散接合された他方の金属管の
外側に超音波探触子を配置し、前記一方の金属管への超
音波の入射方向と同一方向に超音波を入射させ、前記他
方の金属管の外周面で反射された外側反射エコーの往復
時間及び内周面で反射された内側反射エコーの往復時間
を計測する工程と、前記各外側反射エコーの往復時間及
び前記各内側反射エコーの往復時間から、接合部の内周
面側に発生した段差の大きさを算出する工程とを備えて
いることを要旨とするものである。
【0016】この場合、前記各外側反射エコーの往復時
間及び前記各内側反射エコーの往復時間は、前記接合部
近傍において計測してもよく、あるいは、前記各外側反
射エコーの到達時間を前記接合部近傍で計測し、前記各
内側反射エコーの到達時間を熱影響を受けていない位置
で計測してもよい。また、前記各外側反射エコーの往復
時間及び前記各内側反射エコーの往復時間から、前記接
合部の厚さを算出する工程をさらに備えていてもよい。
【0017】上記構成を有する本発明に係る接合部の検
査方法によれば、拡散接合された金属管の外側に配置さ
れた超音波探触子から、各金属管に対して垂直に、かつ
同一方向から超音波を入射させているので、外側反射エ
コーの往復時間から、各金属管の外周面と超音波探触子
との間の距離を算出することができる。また、各金属管
について測定された外側反射エコーの往復時間と内側反
射エコーの往復時間の差から、各金属管の肉厚を算出す
ることができる。
【0018】そのため、超音波探触子と金属管の位置関
係を所定の関係に保った状態で、接合部を介して隣接す
る2つの金属管について、それぞれ、外側反射エコーの
往復時間と内側反射エコーの往復時間を計測すれば、金
属管の寸法精度や表面の平坦度が悪い場合であっても、
接合部の外周面及び/又は内周面に発生した段差の大き
さ、さらには、接合厚さを正確かつ効率的に算出するこ
とができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施の形態に
ついて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、
本発明の第1の実施の形態に係る接合部の検査方法に用
いられる検査装置及び検査に供される接合体の一例を示
す概略構成図である。
【0020】図1において、接合体10は、金属管12
及び金属管14が端面において拡散接合されたものであ
る。図1に示す接合体10においては、接合部16の外
周面側及び内周面側にそれぞれ外側段差16a及び内側
段差16bが発生した状態を示している。
【0021】なお、接合体10を構成する金属管12、
14の材質や寸法は、特に限定されるものではない。ま
た、金属管12、14は、電縫管であっても良く、ある
いは、継目無鋼管であっても良い。
【0022】また、拡散接合法には、2本の金属管を直
接突き合わせ、固相状態を維持しながら元素の拡散を行
わせる固相拡散接合法と、接合界面にインサート材を介
挿し、インサート材を溶融させると共に、その成分の一
部を金属管側に拡散させる液相拡散接合法があるが、本
発明においては、接合体10の接合方法として、固相拡
散接合法及び液相拡散接合法のいずれも適用できる。
【0023】検査装置20は、超音波探触子22とタン
ク24とを備えている。超音波探触子22は、接合体1
0の外周面から所定の距離をおいて配置され、接合体1
0の外周面に対して垂直に超音波を入射できるようにな
っている。また、超音波探触子22は、図示しない駆動
手段により、接合体10の軸方向及び円周方向に沿って
移動できるようになっている。なお、超音波探触子22
を接合体10の軸方向に移動させる場合、超音波探触子
22の移動方向と接合体10の軸方向は、平行であるこ
とが望ましいが、若干の傾きがあってもよい。
【0024】また、タンク24は、接合体10の接合部
16近傍を密閉し、超音波探触子22と接合体10の外
表面との間に介在させる接触媒質26の漏洩を防止する
ために用いられる。接触媒質26は、超音波の送受信を
効率化させるために用いられるものであり、具体的に
は、水、油、グリセリン等を用いると良い。なお、接合
体10が比較的小さい場合には、タンク24を用いる代
わりに、接触媒質26を満たした水槽等に接合体10全
体を入れるようにしてもよい。
【0025】次に、図1に示す検査装置20を用いた接
合部の検査方法について説明する。まず、接合部16を
介して隣接する一方の金属管12の外側に超音波探触子
22を配置する。この場合、超音波探触子22は、接合
部16近傍に配置すると良い。
【0026】次いで、超音波探触子22から金属管12
の外周面に対して垂直に超音波を入射させ、金属管12
の外周面で反射された外側反射エコーが超音波探触子2
2に到達するまでの往復時間tS1を計測する。また、
金属管12に入射させた超音波の一部は、金属管12内
部に伝搬し、金属管12の内周面においても反射される
ので、この時、内側反射エコーの往復時間tB1も同時
に計測することができる。
【0027】次に、超音波探触子22を接合体10の軸
方向に沿って移動させ、接合部16の近傍であって、金
属管14の外側に配置する。次いで、超音波探触子22
から金属管14の外周面に対して垂直に超音波を入射さ
せ、金属管14の外周面で反射された外側反射エコーの
往復時間tS2、及び金属管14の内周面で反射された
内側反射エコーの往復時間tB2を計測する。
【0028】なお、外側段差16aの大きさのみを算出
する場合には、後述するように、外側反射エコーの往復
時間tS1、tS2のみを計測すれば足り、内側反射エ
コーの往復時間tB1、tB2の計測は不要である。
【0029】次に、各金属管12、14について計測さ
れた外側反射エコーの往復時間t 、tS2及び内側
反射エコーの往復時間tB1、tB2から、外側段差1
6aの大きさ及び内側段差16bの大きさ、並びに接合
部16の厚さを算出する。
【0030】まず、外側段差16aの大きさを算出する
方法について説明する。図3(a)に示すように、超音
波探触子22から金属管12及び金属管14までの距離
を、それぞれ、DS1及びDS2とし、超音波探触子2
2の移動方向と、接合体10の軸方向が平行である場合
を考える。この場合、外側段差16aの大きさLは、
次の数1の式により表される。
【0031】
【数1】L=DS2−DS1
【0032】一方、接触媒質26中の音速をCとする
と、DS1及びDS2は、金属管12の外側反射エコー
の往復時間tS1及び金属管14の外側反射エコーの往
復時間tS2を用いて、それぞれ、次の数2の式及び数
3の式により表される。
【0033】
【数2】DS1=C×tS1/2
【0034】
【数3】DS2=C×tS2/2
【0035】数2の式及び数3の式を数1の式に代入す
れば、次の数4の式が得られる。
【0036】
【数4】L=C×(tS2−tS1)/2
【0037】従って、外側反射エコーの往復時間tS1
及びtS2を計測すれば、外側段差16aの大きさL
を算出できることがわかる。なお、図3(b)に示すよ
うに、超音波探触子22の移動方向と接合体10の軸方
向に傾きがある場合、超音波探触子22の移動距離l、
及び傾き角θを別途計測し、数4の式を補正すればよ
い。
【0038】移動距離l及び傾き角θの計測方法には、
種々の方法があり、特に限定されるものではない。例え
ば、移動距離lについては、超音波探触子22の駆動手
段に変位センサを設け、変位センサの指示値から容易に
求めることができる。また、傾き角θについては、例え
ば、超音波探触子22を接合体10の軸方向に移動させ
る際に外側反射エコーの往復時間を連続的に計測し、そ
の変化量によって求めることができる。
【0039】次に、内側段差16bの大きさを算出する
方法について説明する。図3(a)に示すように、金属
管12及び金属管14の肉厚を、それぞれ、TB1及び
とし、超音波探触子22を、接合体10の軸方向
に対して平行に移動させる場合を考える。この場合、内
側段差16bの大きLは、次の数5の式により表され
る。
【0040】
【数5】 L=(DS2+TB2)−(DS1+TB1
【0041】一方、金属管12、14中の音速をC
すると、TB1及びTB2は、金属管12の外側及び内
側反射エコーの往復時間tS1及びtB1、並びに金属
管14の外側及び内側反射エコーの往復時間tS2及び
B2を用いて、それぞれ、次の数6の式及び数7の式
により表される。
【0042】
【数6】TB1=C×(tB1−tS1)/2
【0043】
【数7】TB2=C×(tB2−tS2)/2
【0044】数2の式、数3の式、数6の式及び数7の
式を数5の式に代入すれば、次の数8の式が得られる。
【0045】
【数8】L=(C−C)×(tS2−tS1)/
2+C×(tB2−tB1)/2
【0046】従って、外側反射エコーの往復時間tS1
及びtS2、並びに内側反射エコーの往復時間tB1
びtB2を計測すれば、内側段差16bの大きさL
算出できることがわかる。なお、超音波探触子22の移
動方向と接合体10の軸方向に傾きがある場合、超音波
探触子22の移動距離l、及び傾き角θを別途計測し、
数8の式を補正すればよい点は、数4の式と同様であ
る。
【0047】次に、接合部16の厚さを算出する方法に
ついて説明する。接合厚さLは、数2の式で求めたD
S1及び数3の式で求めたDS2、並びに数6の式で求
めたTB1及び数7の式で求めたTB2を用いて、容易
に算出することができる。すなわち、超音波探触子22
を接合体10の軸方向に対して平行に移動させる場合、
図3(a)から明らかなように、DS1とDS2の大き
い方をD、(DS1+TB1)と(DS2+TB2
の小さい方をDとすると、接合厚さLは、次の数9
の式により表される。
【0048】
【数9】L=D−D
【0049】従って、外側反射エコーの往復時間tS1
及びtS2、並びに内側反射エコーの往復時間tB1
びtB2を計測すれば、接合厚さLを算出できること
がわかる。また、Lは、ある一点における接合部16
の厚さを表しているので、超音波探触子22を円周方向
に順次移動させ、逐次DS1、DS2、TB1及びT
B2を算出すれば、接合部16の総面積を算出すること
もできる。なお、超音波探触子22の移動方向と接合体
10の軸方向に傾きがある場合、移動距離l及び傾き角
θを別途計測し、数9の式を補正すればよい点は、数4
の式及び数8の式と同様である。
【0050】以上のように、本実施の形態に係る接合部
の検査方法によれば、接合部16を挟んだ両側におい
て、外側反射エコーの往復時間及び内側反射エコーの往
復時間を計測することにより、容易に外側段差16aの
大きさL及び内側段差16bの大きさL、並びに接
合厚さLを算出することができる。
【0051】しかも、ノギスを用いて段差の大きさを計
測する従来の方法と異なり、計測器具を直接、接合体1
0に接触させる必要はないので、継目無鋼管のように、
寸法精度や表面の平坦度が低い場合であっても、段差の
大きさ等を正確、かつ効率的に計測することが可能とな
る。
【0052】次に、本発明の第2の実施の形態に係る接
合部の検査方法について説明する。本実施の形態に係る
接合部の検査方法は、金属管12及び金属管14につい
て、それぞれ、外側反射エコーの往復時間tS1、t
S2及び内側反射エコーの往復時間tB1、tB2を計
測し、計測された往復時間から外側段差16aの大きさ
及び内側段差16bの大きさL、並びに接合厚さ
を算出する点は、第1の実施の形態に係る接合部の
検査方法と同様であるが、外側反射エコーの往復時間t
S1、tS2と内側反射エコーの往復時間tB1、t
B2を同時に計測することなく、異なる場所において計
測する点が異なっている。
【0053】すなわち、本実施の形態では、図2に示す
ように、まず、接合時の熱履歴の影響を受けた金属管1
2の熱影響部12aの外側に超音波探触子22を配置
し、内側反射エコーの往復時間tB1を計測する。次い
で、超音波探触子22を金属管12の軸方向に移動さ
せ、接合部16の近傍であって金属管12の外側に配置
し、外側反射エコーの往復時間tS1を計測する。
【0054】次に、超音波探触子22を金属管12、1
4の軸方向に移動させ、接合部16の近傍であって金属
管14の外側に配置し、外側反射エコーの往復時間t
S2を計測する。さらに、超音波探触子22を金属管1
4の軸方向に移動させ、金属管14の熱影響部14aの
外側に配置し、内側反射エコーの往復時間tB2を計測
する。
【0055】なお、外側段差16aの大きさL、内側
段差16bの大きさL及び接合厚さLは、上述した
数1〜数9の式により算出すればよい点、並びに、超音
波探触子22の移動方向と接合体10の軸方向が傾いて
いる場合には、移動距離l及び傾き角θを別途計測し、
これらを用いてL、L及びLを補正すればよい点
は、第1の実施の形態と同様である。
【0056】本実施の形態に係る接合部の検査方法によ
れば、外側反射エコーの往復時間t S1、tS2が接合
部16近傍で計測されるので、接合部16近傍が接合時
の加熱によって変形している場合であっても、外側段差
16aの大きさLを正確に算出することができる。
【0057】また、熱影響部12a、14aは、接合時
の加熱によって結晶粒が粗大化しているために、超音波
の散乱が大きくなったり、あるいは、弾性率が変化して
いる場合がある。そのため、熱影響部12a、14a内
で内側反射エコーの往復時間tB1及びtB2を計測す
ると、内側反射エコーが得られなかったり、あるいは、
測定誤差が大きくなる場合がある。これに対し、本実施
の形態のように、内側反射エコーの往復時間tB1及び
B2を熱影響部12a、14aの外側で計測すれば、
加熱による影響を回避でき、内側反射エコーを高感度、
かつ高精度に検出することができる。
【0058】なお、外側反射エコーの往復時間tS1
S2と、内側反射エコーの往復時間tB1、tB2
測定位置が離れていても、数6の式及び数7の式におけ
る肉厚TB1及びTB2に生ずる誤差は小さく、高い精
度で段差の大きさL、L及び接合厚さLを計測す
ることができる。
【0059】これは、拡散接合によって接合部近傍が変
形する場合、一般に管壁が外側あるいは内側に変形する
のみであり、肉厚は、接合の前後においてほぼ一定に保
たれるという傾向があるためである。また、金属管1
2、14として、寸法精度の悪い継目無鋼管を用いる場
合であっても、継目無鋼管の肉厚は、一般に円周方向の
ばらつきは大きいが、軸方向のばらつきは小さいためで
ある。
【0060】
【実施例】継目無鋼管を液相拡散接合した接合体10に
ついて、図1に示す検査装置20を用いて外側段差
、内側段差L及び接合厚さLを測定した。な
お、接触媒質26には水を用い、測定は、接合体10の
接合部16の全周に渡って行った。結果を図4に示す。
【0061】図4(a)に、数6の式を用いて算出し
た、一方の金属管12の肉厚TB1を示す。図4(a)
より、本実施例で用いた継目無鋼管の肉厚TB1は、6
〜7mmの範囲で変動していることがわかる。
【0062】また、図4(b)に、数4の式を用いて算
出した外側段差16aの大きさL及び数8の式より算
出した内側段差16bの大きさLを示す。図4(b)
より、外側段差16aの大きさLは、場所によらず
0.2mm程度であるのに対し、内側段差16bの大き
さLは、周方向位置に応じて±0.5mmの範囲で変
動していることがわかる。これは、接合の際に、外側段
差16aが最小となるように金属管12、14の軸合わ
せを行っているためである。
【0063】さらに、図4(c)に、数9の式を用いて
算出した接合厚さLを示す。図4(c)より、接合厚
さLは、周方向位置に応じて6〜7mmの範囲で変動
していることがわかる。これらの結果は、得られた接合
体を切断して実測された、各部の肉厚TB1、外側段差
16aの大きさL及び内側段差16bの大きさL
並びに接合厚さLと良く一致した。
【0064】以上、本発明の実施の形態について詳細に
説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の
改変が可能である。
【0065】例えば、上記第1の実施の形態では、1つ
の超音波探触子22を接合体10の軸方向に移動させ、
これによって接合部16を介して隣接する2つの金属管
12及び14の外側反射エコーの往復時間及び内側反射
エコーの往復時間を計測しているが、2個の超音波探触
子22を接合部16を挟んで接合体10の軸方向に配置
し、超音波探触子22を移動させることなく、各金属管
12、14に対して垂直に、かつ同一方向から超音波を
入射させ、これによって反射エコーの往復時間を計測し
ても良い。
【0066】同様に、第2の実施の形態において、1つ
の超音波探触子22を接合体10の軸方向に移動させる
代わりに、隣接する2つの金属管12及び14の外側
に、それぞれ2個の超音波探触子22を接合体10の軸
方向に配置し、これらの超音波探触子22を移動させる
ことなく反射エコーの往復時間を計測しても良い。
【0067】また、上記第1及び第2の実施の形態にお
いては、いずれも超音波探触子22を移動させている
が、超音波探触子22を固定させ、超音波探触子22に
対して接合体10を移動させることにより、各金属管1
2、14に対して垂直に、かつ同一方向から超音波を入
射させ、これによって外側反射エコーの往復時間及び内
側反射エコーの往復時間を計測しても良い。
【0068】また、接合体10の軸方向及び周方向に2
以上の超音波探触子22を配置し、これらを用いて往復
時間を計測してもよい。このように複数の超音波探触子
22を用いて同時に外側反射エコーの往復時間及び内側
反射エコーの往復時間を計測すれば、超音波探触子22
を移動させることなく段差の大きさ、接合厚さ等、及び
これらの周方向変化を同時に計測できるという利点があ
る。また、超音波探触子22を周方向に移動させること
により、段差の大きさ、接合厚さの周方向変化を計測す
ることも可能である。
【0069】さらに、本発明に係る接合部の検査方法
は、プラント用配管、ラインパイプ、油井管等、金属管
の接合部の端部に発生した段差及び欠陥を検査する方法
として特に好適なものであるが、本発明は、金属管以外
の接合部、例えば、板材を突き合わせ接合した接合部に
対しても適用でき、これにより上記実施の形態と同様の
効果を得ることができる。
【0070】
【発明の効果】本発明に係る接合部の検査方法は、拡散
接合された一方の金属管の外側に超音波探触子を配置
し、前記一方の金属管の外周面に対して超音波を垂直に
入射させ、前記一方の金属管の外周面で反射された外側
反射エコーの往復時間を計測する工程と、拡散接合され
た他方の金属管の外側に超音波探触子を配置し、前記一
方の金属管への超音波の入射方向と同一方向に超音波を
入射させ、前記他方の金属管の外周面で反射された外側
反射エコーの往復時間を計測する工程と、前記各外側反
射エコーの往復時間から、接合部の外周面側に発生した
段差の大きさを算出する工程とを備えているので、金属
管の寸法精度や平坦度が低い場合であっても、外側段差
の大きさを正確、かつ効率的に計測できるという効果が
ある。
【0071】また、本発明の2番目は、拡散接合された
一方の金属管の外側に超音波探触子を配置し、前記一方
の金属管の外周面に対して超音波を垂直に入射させ、前
記一方の金属管の外周面で反射された外側反射エコーの
往復時間及び内周面で反射された内側反射エコーの往復
時間を計測する工程と、拡散接合された他方の金属管の
外側に超音波探触子を配置し、前記一方の金属管への超
音波の入射方向と同一方向に超音波を入射させ、前記他
方の金属管の外周面で反射された外側反射エコーの往復
時間及び内周面で反射された内側反射エコーの往復時間
を計測する工程と、前記各外側反射エコーの往復時間及
び前記各内側反射エコーの往復時間から、接合部の内周
面側に発生した段差の大きさを算出する工程とを備えて
いるので、従来の方法では困難であった内側段差の大き
さを容易に計測できるという効果がある。また、金属管
の寸法精度や平坦度が低い場合であっても、内側段差の
大きさを正確、かつ効率的に計測できるという効果があ
る。
【0072】また、前記各外側反射エコーの往復時間及
び前記各内側反射エコーの往復時間を、前記接合部近傍
において計測する場合には、少ない計測回数で外側段差
及び内側段差の大きさ、並びに接合厚さを算出するに要
するデータが得られ、検査方法が効率化されるという効
果がある。
【0073】また、前記各外側反射エコーの到達時間を
前記接合部近傍で計測し、前記各内側反射エコーの到達
時間を熱影響を受けていない位置で計測する場合には、
接合時の加熱によって生ずる組織変化あるいは弾性率変
化に起因する内側反射エコーの往復時間の測定誤差が抑
制され、段差の大きさ及び接合厚さの計測精度が向上す
るという効果がある。
【0074】さらに、前記各外側反射エコーの往復時間
及び前記各内側反射エコーの往復時間から、前記接合部
の厚さを算出する工程をさらに備えている場合には、接
合部の面積を推定することができるという効果がある。
また、これによって、接合体の強度を非破壊で推定でき
るという効果がある。
【0075】以上のように、本発明に係る接合部の検査
方法によれば、従来、多大な労力を要していた外側段差
の大きさ、あるいは、測定することが困難であった内側
段差の大きさを高精度、かつ効率的に計測できるので、
これを例えば、油井管や化学プラントの配管等の品質検
査に応用すれば、接合工程の信頼性を飛躍的に向上させ
ることが可能となるものであり、産業上その効果の極め
て大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る接合部の検査
方法の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る接合部の検査
方法の一例を示す概略構成図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)は、外側段差及び内
側段差の算出方法を説明する図である。
【図4】図4(a)は、本発明に係る検査方法を用いて
計測された金属管の肉厚の周方向変化を示す図であり、
図4(b)は、外側段差及び内側段差の周方向変化を示
す図であり、図4(c)は、接合厚さの周方向変化を示
す図である。
【符号の説明】
10 接合体 12、14 金属管 12a、14a 熱影響部 16 接合部 16a 外側段差 16b 内側段差 20 検査装置 22 超音波探触子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F068 AA06 AA22 AA28 AA41 BB09 BB23 CC16 DD07 DD12 EE01 FF03 FF12 FF14 FF18 FF25 HH01 JJ13 JJ15 KK12 NN01 NN02 NN04 NN05 QQ44 TT03 TT04 2G047 AA06 AB01 BA03 BB01 BB06 BC02 BC18 EA09 EA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拡散接合された一方の金属管の外側に超
    音波探触子を配置し、前記一方の金属管の外周面に対し
    て超音波を垂直に入射させ、前記一方の金属管の外周面
    で反射された外側反射エコーの往復時間を計測する工程
    と、 拡散接合された他方の金属管の外側に超音波探触子を配
    置し、前記一方の金属管への超音波の入射方向と同一方
    向に超音波を入射させ、前記他方の金属管の外周面で反
    射された外側反射エコーの往復時間を計測する工程と、 前記各外側反射エコーの往復時間から、接合部の外周面
    側に発生した段差の大きさを算出する工程とを備えてい
    ることを特徴とする接合部の検査方法。
  2. 【請求項2】 拡散接合された一方の金属管の外側に超
    音波探触子を配置し、前記一方の金属管の外周面に対し
    て超音波を垂直に入射させ、前記一方の金属管の外周面
    で反射された外側反射エコーの往復時間及び内周面で反
    射された内側反射エコーの往復時間を計測する工程と、 拡散接合された他方の金属管の外側に超音波探触子を配
    置し、前記一方の金属管への超音波の入射方向と同一方
    向に超音波を入射させ、前記他方の金属管の外周面で反
    射された外側反射エコーの往復時間及び内周面で反射さ
    れた内側反射エコーの往復時間を計測する工程と、 前記各外側反射エコーの往復時間及び前記各内側反射エ
    コーの往復時間から、接合部の内周面側に発生した段差
    の大きさを算出する工程とを備えていることを特徴とす
    る接合部の検査方法。
  3. 【請求項3】 前記各外側反射エコーの往復時間及び前
    記各内側反射エコーの往復時間を、前記接合部近傍にお
    いて計測することを特徴とする請求項2に記載の接合部
    の検査方法。
  4. 【請求項4】 前記各外側反射エコーの到達時間を前記
    接合部近傍で計測し、前記各内側反射エコーの到達時間
    を熱影響を受けていない位置で計測することを特徴とす
    る請求項2に記載の接合部の検査方法。
  5. 【請求項5】 前記各外側反射エコーの往復時間及び前
    記各内側反射エコーの往復時間から、前記接合部の厚さ
    を算出する工程をさらに備えていることを特徴とする請
    求項2、3又は4に記載の接合部の検査方法。
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CA002285790A CA2285790A1 (en) 1998-10-14 1999-10-13 Method for evaluating bonding properties of a metallic pipe
NO994984A NO994984L (no) 1998-10-14 1999-10-13 FremgangsmÕte for bestemmelse av sammenføyningsegenskaper for et metallrør
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