JP2001011513A - 金属鉱石の溶融還元製錬装置 - Google Patents

金属鉱石の溶融還元製錬装置

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JP2001011513A
JP2001011513A JP11179209A JP17920999A JP2001011513A JP 2001011513 A JP2001011513 A JP 2001011513A JP 11179209 A JP11179209 A JP 11179209A JP 17920999 A JP17920999 A JP 17920999A JP 2001011513 A JP2001011513 A JP 2001011513A
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furnace
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oxygen
smelting
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JP11179209A
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Katsuhiro Iwasaki
克博 岩崎
Shinichi Isozaki
進市 磯崎
Masahiro Kawakami
正弘 川上
Mitsuhiro Yamanaka
光弘 山中
Takeshi Sekiguchi
関口  毅
Masayuki Watabe
雅之 渡部
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属鉱石の溶融還元炉内の形状・寸法が各種
に変化しても、炉壁耐火物や他の近隣サイドランスある
いはサブランス等の炉内水冷構造体を損耗させないよう
に酸素ガスジェットの方向を決定する。 【解決手段】 サイドランス6からのO2ガスジェット
10の方向を、スラグ浴面の炉内中央部の所定領域に向
ける。当該所定領域は、ランスノズルの下方にある炉壁
18にジェットが当たらないように定める。前記製錬炉
の浴部炉内側壁は、その上部側を金属製水冷パネル19
で、その下部側を耐火物炉壁18とし、サイドランスノ
ズル孔8をパネル部分に位置するスラグ浴面より高い位
置に取り付け、その方向を水冷パネル下端の煉瓦先端部
18aにジェットが当たらない角度に限定する。ノズル
孔の高さを、スラグ浴面から0.2〜1.2m高さに、
あるいは出湯孔から2.2〜4.0mの範囲の高さに設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属鉱石の溶融
還元過程で当該製錬炉内で生成した可燃性ガスを酸素含
有ガスで高効率で二次燃焼させ、且つ二次燃焼により発
生した熱を高効率で金属溶湯に着熱させることを前提と
した上で、溶融還元製錬装置の製錬炉内壁並びに酸素含
有ガス吹込み用ランス等水冷構造体の高寿命化を図る技
術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄鉱石の溶融還元技術は、製錬炉におい
て鉄鉱石を炭材の燃焼で溶融すると共に、当該炭材で還
元して、溶銑を製造する技術である。従って、鉄鉱石の
溶融還元法は、高炉設備で鉄鉱石をコークスで還元して
溶銑を製造する高炉製銑法に部分的に代替し得るもので
ある。高炉製銑法は、高炉の建設費が高く、広大な敷地
が必要であるという欠点と、高炉用コークスの製造に強
粘結性の原料炭を必要とする。ところが原料炭は将来的
に枯渇する懸念がある。これに対して一般炭の埋蔵量は
豊富であり、そのような心配はない。また、コークス炉
及び焼結設備は環境規制が厳しいので公害対策設備完備
に多額の費用を要し、ますます建設しにくくなってい
る。鉄鉱石の溶融還元法は、将来、上記問題を解決し得
る技術として期待され、近年その技術開発が行なわれて
いる。
【0003】鉄鉱石の溶融還元法による溶銑製造が効果
的に行なわれるようになるためには、従来よりも生産能
力の大きな生産設備を前提とした溶銑製造技術の確立が
重要である。その場合に解決しなければならない問題と
して、炉内二次燃焼技術及び二次燃焼熱の溶湯への着熱
技術を確立して、溶銑を安価に大量生産することが重要
なテーマの一つである。これと同時に、溶融還元製錬装
置の中で特に、製錬炉の炉体寿命を律速したり、装置の
消耗が著しく、生産性の低下や製造コストの上昇を引き
起こす部分の耐用性を向上させることも重要である。
【0004】本発明者等は、本願と同日出願の別発明
(以下、「本発明者等による同日出願」という)で、上
記量産化技術における二次燃焼効率及び二次燃焼熱の着
熱効率向上技術を提案し、本出願では量産化を含めた鉄
鉱石の溶融還元法において、二次燃焼効率及び二次燃焼
熱の着熱効率向上を前提とした、装置の耐用性向上技
術、特に、製錬炉内壁の耐用化、並びに酸素含有ガス吹
込み用ランスや炉内反応状況計測用サブランス等水冷構
造体の高寿命化を図る技術を提案するものである。
【0005】高二次燃焼及び高着熱については、従来、
LD転炉製鋼や鉄鉱石の溶融還元プロセスでいくつかの
技術が提案されている。例えば、特開平1−25561
0号公報及び特開平1−255610号公報には、鉄の
溶融還元方法において、円筒横形炉体の製錬炉で、底壁
に複数本のノズルを炉長方向に設けて鉄浴中に撹拌用ガ
スを吹込み、他方、製錬炉上部に炉長方向に並べた複数
本のノズルから酸素を吹込み、溶鉄を脱炭する。一方、
スラグ浴中に二次燃焼用酸素ガスを吹き込み、高二次燃
焼を図る。そして、二次燃焼熱を上記撹拌ガスで溶鉄に
効率よく着熱させる(以下、「先行技術1」という)。
【0006】また、特公平6−99735号公報には、
二次燃焼によりスラグ浴内に発生した燃焼熱を、スラグ
浴の旋回によりメタル浴へ効率よく着熱させることをね
らって、スラグ浴の深さ範囲内に酸素ガス吹込み羽口を
設け、酸素ガス噴射方向の水平面上への投影線が、羽口
と炉芯とを結ぶ方向から所定の角度範囲内で当該酸素ガ
スを噴射させる方法を開示している(以下、「先行技術
2」という)。
【0007】このように、先行技術1及び2はいずれ
も、スラグ浴内部で発生した二次燃焼熱をメタル浴に効
率よく着熱させることをねらっている。そのために、製
錬炉内部側壁に、送酸ランス又はこれに相当するもの、
即ち、いわゆる「サイドランス」を設け、炉内スラグ浴
及びメタル浴に酸素ガスを吹き込んでいる。しかしなが
ら、先行技術1及び2で設けられたサイドランスはいず
れにおいても、製錬炉内壁、製錬炉の送酸用の主ランス
や他のサイドランス、あるいは製錬反応計測用のサブラ
ンス等の製錬炉内に露出している水冷構造体に対する、
当該サイドランスからの酸素ガスジェットによる損傷防
止方法については、技術的開示が見当たらない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、前記
「本発明者等による同日出願」において、鉄鉱石の溶融
還元操業における高二次燃焼且つ高着熱効率操業を達成
するためには、送酸ランス本数及びノズル孔総数を、炉
内浴部の水平断面積あるいは体積に応じて適切に増やす
ことにより、スラグ浴中での二次燃焼領域をスラグ浴の
全領域にわたり形成させることが重要であることを明ら
かにした。そして、送酸ランス本数やノズル孔総数を増
やすためには、サイドランスの設置を活用することが重
要であることを示した。しかしながら、このようにサイ
ドランスを設け、またその本数及びノズル孔総数を増や
して高二次燃焼且つ高着熱効率操業を行なう場合には、
当該サイドランスのノズル孔から噴射される酸素含有ガ
スジェットが、炉内設備等に対してできるだけ損傷を与
えないように配慮する必要がある。ここで、対象となる
炉内設備等としては下記(イ)〜(ハ)のものがある。
【0009】(イ)炉壁内張り耐火物 溶融還元用製錬炉のスラグ浴が接する内壁部分は、高い
熱負荷に耐えるために水冷構造体とする必要があり、金
属製水冷パネルで築炉するのが望ましい。これに対し
て、メタル浴部の内壁は、耐用性の観点、水冷構造体の
万一の水漏れ発生による水蒸気爆発の危険防止、及び大
きなヒートロスの回避の点から耐火物製とする必要があ
る。金属製水冷パネル製の炉壁厚さは、操業により実質
的には減少しないが、耐火物製の炉壁は、操業経過につ
れ損耗して薄くなり、本発明者等の経験によれば、3〜
5カ月の連続操業で約1mである。従って、長期間の操
業に耐え得るようにして、炉寿命を長期間確保するため
には、メタル浴部の耐火物製の炉壁(以下、耐火物炉壁
という)の厚さをそれ相当に厚くしなければならない。
その結果、耐火物炉壁の内面即ち前面は、金属製水冷パ
ネルの前面よりも炉内側に張り出させる必要がある。そ
して、耐火物炉壁の耐用性を確保するためには定形耐火
物である耐火煉瓦を用いるのが望ましい。本発明者等の
経験によれば、例えば、溶銑日産2000tの製錬炉寿
命を3カ月以上の操業期間もたすためには、上記耐火物
煉瓦の張出し厚さを1m以上とする必要がある。
【0010】水冷パネル直下の煉瓦には、ガス吹込み冷
却構造を有する、通称ガス吹き煉瓦が熱ショックや、下
部の高温となる煉瓦と上部の水冷パネルとの大きな温度
勾配をやわらげるための緩衝材として用いるとよい。
【0011】メタル浴部の炉壁耐火物はこのように炉内
側に張り出しているので、サイドランスのノズル孔から
スラグ浴面に向けて噴射される酸素含有ガスジェットが
この張出し部分に衝突し易い。炉壁耐火物に酸素含有ガ
スジェットが衝突すると、当該耐火物部分は、酸素含有
ガスジェットの炉内未燃COの燃焼熱等による大きな熱
負荷を受けて損耗が著しく進行し、炉寿命を著しく低下
させる。従って、上記耐火物炉壁の酸素含有ガスジェッ
トによる損耗を極力防止することが重要である。
【0012】(ロ)当該サイドランスの近隣のサイドラ
ンス 送酸ランスとしてのサイドランスが、2本以上設けられ
た場合には、あるサイドランスから噴射された酸素含有
ガスジェットが近隣のサイドランスを損耗させてはなら
ない。ここで、酸素含有ガスジェットによる対象物の損
耗機構は、耐火物炉壁に対する上記損耗機構と同じであ
る。サイドランス損耗の致命傷は特にそのノズルの損耗
にあり、その交換や補修作業は連続操業中には不可能で
ある。当該ノズルの損耗により酸素含有ガスジェットの
方向性及び流量制御が困難となり、重大な操業上のトラ
ブルの原因となる。従って、近隣のサイドランスの特に
ノズルの損耗トラブルを発生させないように、サイドラ
ンスからの酸素含有ガスジェットの噴射方向を定めるこ
とが重要である。
【0013】(ハ)主ランス及びサブランス等の炉内水
冷構造体 製錬炉の内部空間には、酸素含有ガス吹込み用の主ラン
スや炉内反応状況(メタル浴温度の測定及びメタル浴成
分分析用試料採取等)を計測するためのサブランスがあ
り、いずれも水冷構造となっている。これら水冷構造体
は、少なくともその機能期間中は炉内空間の深奥部まで
降下しているので、サイドランスからの酸素含有ガスジ
ェットの方向上に位置することがあり、その場合には当
該酸素含有ガスジェットにより著しい損耗を受ける。そ
して場合によっては水漏れトラブルを発生させる。従っ
て、上記のような炉内水冷構造体群の方向にサイドラン
スからの酸素含有ガスジェットを向けないようにするこ
とが重要である。
【0014】従来、溶融還元法による溶銑生産量は、多
くの場合日産一炉当たり約500t程度であるが、これ
を大量生産化して、例えば、日産2000〜3000t
程度まで溶銑生産量をあげる場合には、高二次燃焼率及
び高着熱効率を維持するためには、送酸用のサイドラン
ス本数とそのノズル孔総数は著しく多くを必要とするよ
うになる。前記「本発明者等による同日出願」の発明に
よれば、サイドランスは20本程度、ノズル孔総数は2
00個程度にもなる。このように多数のサイドランス及
びそのノズル孔総数を装備した場合に、炉壁耐火物、近
隣のサイドランス及び炉内水冷構造体を著しく損耗させ
ることなく、安定した操業をするためのサイドランスか
らの酸素含有ガスジェットの噴射方向の規定が極めて重
要となる。
【0015】上述した問題点に鑑み、本発明者等はこの
発明の課題として、溶融還元製錬炉の送酸用サイドラン
ス及びそのノズル並びに関連設備を、高二次燃焼率及び
高着熱効率を維持しつつ、製錬炉内壁の所定位置の耐火
物及びサイドランスの損耗、並びに製錬炉内の水冷構造
体群の損傷を防止し得るように設計することに定めた。
こうして、この発明の目的は上記課題を解決して、金属
鉱石の溶融還元用製錬炉の高寿命化を達成し、また、長
期的に安定した操業ができる溶融還元製錬装置を開発す
ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記観点
から試験研究を重ねた結果、下記知見を得た。
【0017】金属鉱石の溶融還元用製錬炉の炉内の形状
・寸法が各種に変化しても、実用炉であれば、ノズル孔
から噴射される酸素含有ガスジェットの方向とその拡が
り角度も考慮し、サイドランスの設計を適正化すること
により、当該ガスジェットが製錬炉内の炉壁耐火物や他
の近隣サイドランスの損耗を抑制し、また当該製錬炉内
の水冷構造体群の損傷を回避することが可能であり、し
かも二次燃焼率及び着熱効率を良好に維持することもで
きることがわかった。この発明は上記サイドランスの具
体的設計条件を採用することによりなされるものであ
り、その要旨は下記の通りである。
【0018】請求項1記載の金属鉱石の溶融還元製錬装
置は、サイドランスからの酸素含有ガスジェットによる
耐火物炉壁の損耗を抑制するためのこの発明の基本的な
技術であり、各種形状の炉体に対して広く適用可能なも
のである。即ち、請求項1記載の発明は、酸化物系金属
鉱石及び又は水酸化物系金属鉱石と炭材と造滓材とを装
入し、これらの装入物に酸素含有ガスを供給して上記金
属鉱石を溶融還元するための製錬炉と、当該製錬炉内の
上記装入物に上記酸素含有ガスを供給するための酸素供
給装置とを含む装置群からなる金属鉱石の溶融還元製錬
装置において、上記酸素供給装置は、吹錬用送酸ランス
として、上記製錬炉の上方から実質的に鉛直下方に挿入
された主ランスと、上記製錬炉内側壁の、当該製錬炉内
に形成される溶融スラグ浴面より高い位置から当該製錬
炉内へ向けて挿入されたサイドランスとの2種のランス
を備えているか、又は、上記サイドランスのみを備えて
おり、上記主ランス及びサイドランスのいずれにもその
先端部端面及び/又は近傍の外周面に酸素含有ガスが噴
出するノズル孔が設けられており、上記サイドランスの
ノズル孔は、上記溶融スラグ浴面近傍にあり、且つ、上
記サイドランスのノズル孔から噴射される上記酸素含有
ガスはその噴出方向軸芯線から拡がり角度をもったジェ
ットを形成しており、当該ジェットの外周面上のジェッ
ト噴出方向線の内の上記ノズル孔が設置された側の炉内
側壁に最も近いものの延長線が、上記溶融スラグ浴上面
と、下記条件1又は条件2で定まる上記スラグ浴上面の
領域(A)内において交わることに特徴を有するもので
ある。なお、溶融スラグ浴面の近傍とは、発明の実施の
形態の項で後述するが、この発明において「近傍」と
は、スラグ浴部の平均的上表面レベルから0〜1m程度
上の範囲を指す。
【0019】ここで、 条件1:上記製錬炉が実質的に新炉状態のときに、当該
製錬炉内に形成される上記スラグ浴上面により形成され
る水平な平面形状(S)を想定し、当該平面形状(S)
の外周上に所定の動点Pを設けると共に、上記平面形状
(S)の内部に所定の点Qを上記平面形状Sに応じて定
め、上記動点Pと上記点Qとの間の距離(x)を、上記
動点Pから点Qに向かって、1:3の比に内分する内分
点(X)を求める。こうして求められた内分点(X)
が、上記動点Pの上記動きにつれて描かれる軌跡(C)
で囲まれた領域。ここで、上記動点P及び点Qを次の通
り定める: (イ)平面形状(S)が円形のとき、動点Pは当該円周
上の任意の点とし、点Qは当該円の中心とする、 (ロ)平面形状(S)が楕円形のとき、動点Pは当該楕
円周上の点とする。そして、点Qは楕円の焦点とし、点
Qの動く範囲を原則範囲と例外範囲に分ける。原則範囲
として動点Pに近い方の焦点を採用する。一方、動点P
が動く例外範囲を次の通り定める。楕円形状を当該楕円
形の2つの焦点を結ぶ線分の垂直2等分線(L)で仕切
り、動点Pが一方の半楕円周上から垂直2等分線を超え
て他方の半楕円周上に進入することができる範囲の限界
点(Yf )は、一方の半楕円中にある焦点(F)と上記
他方の半楕円周上に進入した動点Pの位置である点
(Y)とを結ぶ直線が、上記垂直2等分線(L)と交わ
る点を交点(R)とした場合に、交点(R)が、点
(Y)と焦点(F)との間の距離(y)を点(Y)から
焦点(F)に向かって内分する比の値が1:3まで増加
した動点Pの位置とする、 条件2:上記平面形状(S)が長方形、長円形その他横
長型の形状のときは、上記スラグ浴上面の領域として、
上記製錬炉が実質的に新炉状態のときに、当該横長型の
形状の全周囲にわたり、その内側に幅(1/4)W、
(但し、W:代表短辺の長さの1/2)の帯状領域を設
定し、この帯状領域の内側の領域を、上記軌跡Cで囲ま
れた領域とする。
【0020】請求項2及び請求項3記載の金属鉱石の溶
融還元製錬装置は、サイドランスからの酸素含有ガスジ
ェットによる耐火物炉壁損耗の抑制を、耐火物炉壁等の
寸法諸元に応じてより実際に則して適用すべきものであ
る。
【0021】即ち、請求項2記載の発明は、酸化物系金
属鉱石及び又は水酸化物系金属鉱石と炭材と造滓材とを
装入し、これらの装入物に酸素含有ガスを供給して上記
金属鉱石を溶融還元するための製錬炉と、当該製錬炉内
の上記装入物に上記酸素含有ガスを供給するための酸素
供給装置とを含む装置群からなる金属鉱石の溶融還元製
錬装置において、上記製錬炉の浴部炉内側壁は、その上
部側を金属製水冷パネル構造で構成し、その下部側を耐
火煉瓦張り構造で築炉し、一方、上記酸素供給装置は、
吹錬用送酸ランスとして、上記製錬炉の上方から実質的
に鉛直下方に挿入された主ランス、及び上記製錬炉内側
壁であって当該製錬炉内に形成される溶融スラグ浴面近
傍の位置から当該製錬炉内へ向けて挿入されたサイドラ
ンスの2種のランスを備えているか、又は、上記サイド
ランスのみを備えており、上記主ランス及びサイドラン
スのいずれにもその先端部端面及び/又は近傍の外周面
に酸素含有ガスが噴出するノズル孔が設けられており、
上記サイドランスのノズル孔の高さ方向位置は、上記溶
融スラグ浴面近傍の位置にあり、且つ当該サイドランス
のノズル孔の上記製錬炉内径方向及び上記浴部内壁の上
部側金属製水冷パネルの下端の位置は、当該ノズル孔の
上記酸素含有ガスの噴出方向軸芯線の方向との間に下記
(1)式の関係を満たしていることに特徴を有するもの
である。ここで、 hP×tan(ψ−β)≧y−x ----------------------------(1) 但し、 hP:金属製水冷パネルの下端からノズル孔先端までの
高さ ψ:ノズル孔の酸素含有ガスジェットの軸芯の噴出方向
と鉛直方向とのなす角度 β:酸素含有ガスジェットの軸芯線からのガスジェット
の拡がり角度 y:金属製水冷パネルの炉内表面から、浴部内壁の下部
側の耐火物炉壁の上端面が炉内側への張り出している耐
火物厚さ x:ノズル孔先端が金属製水冷パネルの炉内表面から炉
内側へ張り出している距離。
【0022】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の発明において、上記サイドランスのノズル孔の位置
及び当該ノズル孔の上記酸素含有ガスの噴出方向軸芯線
の方向との間の関係に関し、上記浴部内壁の下部側の耐
火煉瓦の上端面の位置が、当該酸素含有ガスの噴出方向
軸芯線の方向との間に下記(2)式の関係を満たしてい
ることに特徴を有するものである。ここで、 hR×tan(ψ−β)≧y−x ----------------------------(2) 但し、 hR:浴部内壁の下部側の耐火煉瓦の上に構築された捨
て煉瓦炉壁の上端面先端からノズル孔先端までの高さ ψ:ノズル孔の酸素含有ガスジェットの軸芯の噴出方向
と鉛直方向とのなす角度 β:酸素含有ガスジェットの軸芯線からのガスジェット
の拡がり角度 y:金属製水冷パネルの炉内表面から、浴部内壁の下部
側の耐火物炉壁の上端面が炉内側への張り出している耐
火物厚さ x:ノズル孔先端が金属製水冷パネルの炉内表面から炉
内側へ張り出している距離。
【0023】請求項4記載の金属鉱石の溶融還元製錬装
置は、サイドランスからの酸素含有ガスジェットによる
炉内の水冷構造体の損傷を回避することを特徴とするも
のであって、複数の水冷構造体が炉内空間を占有する場
合にはそれらを複数の水冷構造体から構成された一つの
構造体群とみなし、上記ノズル孔位置から当該構造体群
の外縁を臨む最大角を、発明の構成要素として採用する
ものである。
【0024】即ち、請求項4記載の発明は、酸化物系金
属鉱石及び又は水酸化物系金属鉱石と炭材と造滓材とを
装入し、これらの装入物に酸素含有ガスを供給して上記
金属鉱石を溶融還元するための製錬炉と、当該製錬炉内
の上記装入物に上記酸素含有ガスを供給するための酸素
供給装置と、上記溶融還元工程において上記製錬炉内の
溶融物の温度及び/又は成分組成を測定するためのサブ
ランスを含む計測ランスとを含む装置群からなる金属鉱
石の溶融還元製錬装置において、上記酸素供給装置は、
吹錬用送酸ランスとして、上記製錬炉の上方から実質的
に鉛直下方に挿入された主ランスと、上記製錬炉内側壁
の、当該製錬炉内に形成される溶融スラグ浴面より高い
位置から当該製錬炉内へ向けて挿入されたサイドランス
との2種のランスを備えているか、又は、上記サイドラ
ンスのみを備えており、上記主ランス及びサイドランス
のいずれにもその先端部端面及び/又は近傍の外周面に
酸素含有ガスが噴出するノズル孔が設けられており、上
記主ランス及び上記計測ランスを含む水冷構造体群は、
上記製錬炉内空間の一部を占有する位置に設けられてお
り、上記サイドランスのノズル孔は、上記溶融スラグ浴
面近傍の位置にあって、上記酸素含有ガスが噴射される
当該サイドランスのノズル孔軸芯線は斜め下方に向けら
れ、しかも当該ノズル孔軸芯線の炉内への延長線の水平
面上への投影線(lNZ)が、当該ノズル孔先端と上記
主ランスの軸芯とを結んだ直線の水平面上への投影線
(lCR)となす角度(θ)は、下記(3)式の関係を満
たすことに特徴を有するものである。ここで、 α+β≦θ≦γ ----------------------------------------------(3) 但し、θ:主ランスの軸芯方向からのサイドランスのノ
ズル孔軸芯線の開き角度の水平面上への投影角度 α:上記投影線(lCR)と、上記水冷構造体群の反主ラ
ンス側の端部にノズル孔先端から引いた直線の水平面上
への投影線(lST)とのなす角度 β:酸素含有ガスジェットの軸芯線からの拡がり角度 γ:上記投影線(lCR)と、主ランスから見て上記水冷
構造体群が位置する側の、当該サイドランスに隣接する
サイドランスのノズル孔先端と、当該サイドランスのノ
ズル孔先端とを結ぶ直線の水平面上への投影線とがなす
角度。
【0025】但し、前記水冷構造体群の各構成水冷構造
体どうしの近接側端面から前記サイドランスのノズル孔
を臨んだ直線の水平面への投影線どうしのなす角度
(ζ)が、前記酸素含有ガスジェットの軸芯線からの拡
がり角度(β)の2倍よりも大きいときは、前記角度θ
の前記投影線lCRからの開き角度は、その開き角度の位
置が、前記各構成水冷構造体どうしの近接側端面と前記
サイドランスのノズル孔とを結ぶ直線から前記各構成水
冷構造体どうしの面する側にそれぞれ開き角度が2×β
を描いたときに、当該各開き角度が2×βに含まれない
中間の角度領域(U)に入る場合は、これを含むものと
する。
【0026】この但し書きに記載した角度θのとりうる
範囲(θ’)を、上記各構成水冷構造体が、MとM’で
ある場合について図示すると、図10の通りである。
【0027】請求項5及び請求項6記載の金属鉱石の溶
融還元製錬装置は、サイドランスのノズル孔の望ましい
高さ位置を定量値で規定したものである。
【0028】即ち、請求項5記載の発明は、請求項1〜
請求項4のいずれかに記載された発明において、上記サ
イドランスのノズル孔の高さ位置が、上記スラグ浴面か
ら0.2〜1.2mの範囲内の高さに設けられているこ
とに特徴を有するものである。
【0029】また、請求項6記載の発明は、請求項1〜
請求項4のいずれかに記載された発明において、上記サ
イドランスのノズル孔の高さ位置が、上記製錬炉から溶
融メタルが排出される出湯孔から2.2〜4.0mの範
囲内の高さに設けられていることに特徴を有するもので
ある。
【0030】請求項7記載の金属鉱石の溶融還元製錬装
置は、請求項1〜請求項6記載のいずれかに記載された
発明において、上記サイドランスのノズル孔が、当該ノ
ズル孔の隣に配設されたサイドランスのノズル孔との間
に、それぞれのノズル孔から噴出する酸素含有ガスジェ
ットの軸芯線の延長線どうしが、それぞれのノズル孔先
端を結ぶ線分の垂直2等分平面に対して面対象の関係に
あることに特徴を有するものである。
【0031】請求項8記載の金属鉱石の溶融還元製錬装
置は、請求項1〜請求項7に記載のいずれかの発明にお
いて、上記サイドランスのノズルとして、当該ノズル孔
から噴射される酸素含有ガスジェットの軸心の延長線
が、スラグ浴上面における水平面に対して入射する角度
が、下向きに40°以上となるノズルが設けられている
ことに特徴を有するものである。
【0032】
【発明の実施の形態】次に、この発明を、図面を参照し
ながら説明する。
【0033】図1は、本発明を実施するのに適した溶融
還元装置及びその付帯装置の概略説明図であり、図2及
び図3はそれぞれ、酸素供給装置の一部として製錬炉に
設けられた主ランス及びサイドランスのノズル孔部分の
例を示す概略斜視図である。いずれも多孔ノズルを配置
した送酸ランスの例である。
【0034】図1において、溶融還元炉は垂直円筒型、
即ちいわゆる転炉型の製錬炉1である。但し、製錬炉1
の形状は、横型の長方形炉でも、あるいは、水平円筒型
炉でもよい。製錬炉1内には種湯として溶銑を形成させ
ておき、次いで鉄鉱石2、副原料である石炭3及び造滓
材4を装入する。鉄鉱石は、非加熱の生鉱石であって
も、加熱のみされたものであってもよい。製錬炉1の上
方から主ランス5が、炉壁からサイドランス6が炉内の
スラグ浴7面に向けて設けられている。図2は、主ラン
ス5先端部のノズル孔8の配置例の概略斜視図であり、
ノズル孔8は先端部近傍の所定の範囲(L)に設けられ
ている。図3は、サイドランス6先端部のノズル孔8の
配置例であり、(a)、(c)は概略正面図、(b)、
(d)は概略斜視図である。このように、ランス先端部
近傍には複数個のノズル孔8が設けられており、酸素含
有ガス9が酸素含有ガスジェット10の形態でスラグ浴
7面の所定方向に噴射される。
【0035】サイドランス6は酸素含有ガスとしては、
大量に使用するので、工業用純酸素が望ましい。スラグ
浴7の下部には鉄鉱石2が石炭3中の炭素により溶融還
元されてメタル浴11が形成される。メタル浴11の脱
炭により生成したCOガスがスラグ浴中で前記酸素含有
ガスにより二次燃焼すると共に、スラグ浴7中で発生し
た二次燃焼熱をメタル浴11に着熱させる。その際、炉
の下部側壁ノズル12及び炉底ノズル12’からはNガ
ス等の撹拌ガス13をスラグ浴7中に吹き込んで、スラ
グ7浴からメタル浴11への対流伝熱面積を増やすこと
により、着熱効率の向上を図る。なお、酸素含有ガスの
供給深さはできるだけスラグ浴7の内部に留まるように
吹き込むのがよい。
【0036】さて、送酸ランスである主ランス5及びサ
イドランス6の先端の位置は、原則としてスラグ浴面よ
りも上に設定してランスの損耗を防ぐ。送酸ランス5、
6を複数本設け、また多数のノズル孔8を有するランス
を用いて、二次燃焼領域分布を均等化して二次燃焼率を
高めると共に、対流伝熱面積を増加させて二次燃焼熱の
メタル浴11への着熱効率を上げる。
【0037】次に、上記送酸ランス5、6からの酸素含
有ガスジェットの噴出方向に関して、下記(イ)及び
(ロ)の2つの観点から制限する必要がある。
【0038】(イ)酸素含有ガスジェットのスラグ浴内
部への進入 先ず、当該酸素含有ガス9がスラグ浴7内部に入るよう
にし、スラグ浴表面で当該ガスジェットがいわば横滑り
しないようにするために、酸素含有ガスジェット10の
軸芯線の延長方向は、スラグ浴7の表面における水平面
に対する入射角(ε)を40°以上になるように調節す
ることが重要である。酸素含有ガスジェットがスラグ浴
表面で横滑りすると、対向する炉壁の熱負荷を増大さ
せ、その損耗を促進する。一方、上記入射角(ε)の最
大値の制限は、酸素含有ガスジェット10が、後述する
製錬炉メタル浴部の内壁を構成する耐火物炉壁の損耗を
抑制するための条件を優先させ、この条件から定まる入
射角(ε)において、酸素含有ガスジェット10がスラ
グ浴7の内部に留まるようにするために、当該ガスジェ
ットの運動エネルギーを制限する。そのためには、酸素
含有ガスの圧力、流量及び噴出孔径を調整する。
【0039】(ロ)製錬炉内壁の損耗抑制、製錬炉内の
水冷構造体の焼損回避、及びサイドランスの損耗抑制 (ロ−1)製錬炉内壁の損耗抑制 図4に、本発明の実施において使用する製錬炉内壁形状
の一例を説明する主要部縦断面図を示す。発明が解決し
ようとする課題の項で説明したように、同図において、
メタル浴11部が接する炉壁である耐火物炉壁18は、
スラグ浴7部が接する炉壁である金属製水冷パネル壁1
9よりも炉の内側に張り出している。そして、サイドラ
ンス6のノズル孔8の設置高さは、溶融スラグ浴面の近
傍とする。ここで、「近傍」とは、この発明ではスラグ
浴7部の平均的上表面レベルから0〜1m程度上の範囲
を指す。そして、スラグ浴7部の上表面レベルの最高レ
ベル高さよりも、0.2〜1.4m程度高い位置にする
のが望ましい。低すぎるとスラグやメタルのスプラッシ
ュが付着・堆積し易く、一方、高すぎると酸素含有ガス
ジェットの初速確保に不利となると共に、その方向性に
精度低下をきたすからである。しかも溶融還元炉内にお
いては、スラグ浴面のレベル変動が大きい。炉形状や容
量にもよるが、本発明者等の測定によれば最大で2m程
度あり、このレベル変動も考慮して決める必要がある。
【0040】また、金属製水冷パネル壁19の炉内表面
から、耐火物炉壁18の上端面が炉内側に張り出してい
る厚さ(y)は、例えば、0.5〜1.5m程度以上も
あるので、サイドランス6のノズル孔8から噴射される
酸素含有ガスジェット10が上記耐火物炉壁18の先端
部分18aに衝突しないようにする必要がある。そのた
めには、ノズル孔の酸素含有ガスジェットの軸芯10a
の噴出方向が、下記(1)式の関係を満たすことが必要
である。
【0041】 hP×tan(ψ−β)≧y−x ----------------------------(1) hP:金属製水冷パネルの下端からノズル孔先端までの
高さ ψ:ノズル孔の酸素含有ガスジェットの軸芯の噴出方向
と鉛直方向とのなす角度 β:酸素含有ガスジェットの軸芯線からのガスジェット
の拡がり角度 y:金属製水冷パネルの炉内表面から、浴部内壁の下部
側の耐火物炉壁の上端面が炉内側への張り出している耐
火物厚さ x:ノズル孔先端が金属製水冷パネルの炉内表面から炉
内側へ張り出している距離 図5に、本発明の実施において使用する製錬炉内壁形状
の他の例を説明する主要部縦断面図を示す。図5は、図
4の耐火物炉壁18の上端面の上であって、金属製水冷
パネル壁19の前面に、更に耐火物炉壁18の上部領域
の損耗を防御するために、捨て煉瓦炉壁24を更に構築
したものである。この場合には、ノズル孔の酸素含有ガ
スジェットの軸芯10aの噴出方向は、下記(2)式の
関係を満たせば、図4の炉壁形状の場合よりも更に耐火
物炉壁18の損耗を抑制することが可能となる。
【0042】 hR×tan(ψ−β)≧y−x ----------------------------(2) 但し、 hR:浴部内壁の下部側の耐火煉瓦の上に構築された捨
て煉瓦炉壁の上端面先端からノズル孔先端までの高さ ψ:ノズル孔の酸素含有ガスジェットの軸芯の噴出方向
と鉛直方向とのなす角度 β:酸素含有ガスジェットの軸芯線からのガスジェット
の拡がり角度 y:金属製水冷パネルの炉内表面から、浴部内壁の下部
側の耐火物炉壁の上端面が炉内側への張り出している耐
火物厚さ x:ノズル孔先端が金属製水冷パネルの炉内表面から炉
内側へ張り出している距離 次に、上述した図4及び図5に例示したサイドランス及
びその関連装置における耐火物炉壁の損耗抑制のための
設計思想を、下記のように拡大する。即ち、メタル浴部
を耐火物炉壁とし、スラグ浴部を金属製水冷パネル炉壁
で構成した製錬炉であって、更に汎用的な形状・寸法を
有する炉に対しても、上記発明思想を応用した。図6〜
図8にこうしてなされた溶融還元製錬装置の要部説明図
を示す。製錬炉内壁の平面図形状により、サイドランス
からの酸素含有ガスジェットによる耐火物炉壁の損耗抑
制条件を分けて設定した。図6は、その平面図形状が円
形の場合を、図7は楕円形の場合を、そして図8は長円
形や長方形に類似した形状等、横長形状炉の場合の説明
図である。
【0043】サイドランスのノズル孔を、溶融スラグ浴
面よりも高い位置に設け、当該ノズル孔から噴射される
酸素含有ガスジェットの外周面上の噴出方向線の内、当
該ノズル孔が設置された側の炉内側壁に最も近いものの
延長線が、溶融スラグ浴上面と交わる点が、図6〜図8
の各図に示されたスラグ浴上面の領域(A)内において
交わるように、ノズル孔の方向を向ける。上記領域
(A)内に上記点(交点(R)という)が入るようにす
ることにより、実用的製錬炉の形状いかんに関わらず、
酸素含有ガスジェットが耐火物炉壁の先端部分18a
(図4及び図5参照)に衝突しない。
【0044】ここで、図6〜図8における領域(A)
は、図6の炉内壁の平面図形状が円形の場合は、ノズル
孔とスラグ浴上面の点とを結ぶ直線の当該スラグ浴上面
における水平面への投影線分を、ノズル孔対応点(P)
からスラグ浴上面の中心点(Q)の方向に、1:3に内
分する点(X)を求め、ノズル孔設置位置を炉内側壁に
沿って一周したときの点(X)の軌跡が、領域(A)の
境界線としたものである。これは、「課題を解決するた
めの手段」の項の請求項1記載の発明の説明中、「条件
1」の(イ)の場合によるものと実質的に同じである。
【0045】図7及び図8における領域(A)の決定方
法はそれぞれ、「課題を解決するための手段」の項の請
求項1記載の発明の説明中、「条件1」の(ロ)の場
合、及び「条件2」の場合と実質的に同じである。
【0046】(ロ−2)製錬炉内の水冷構造体の焼損回
避 図9に、本発明の実施において使用する製錬炉の炉内水
冷構造体群及びサイドランスの配置関係を説明する平面
図を示す。
【0047】製錬炉内の浴部上方の空間には、送酸ラン
スとしての主ランス5、及び溶融物の温度及び/又は成
分組成を測定するためのサブランス22等の水冷構造
体、並びにサイドランス6がある。なお、この明細書に
おいては、上記水冷構造体をひとまとまりの構造体とみ
なして、水冷構造体群21という。サイドランス6のノ
ズル孔は、スラグ浴面よりも高い位置にあり、酸素含有
ガスジェットは斜め下方に向けスラグ浴内に吹き込まれ
る。このとき、酸素含有ガスジェットが主ランス5やサ
ブランス22等の水冷構造体を損傷してはならない。ま
た、当該サイドランス6の両側近傍の炉壁を損傷しては
ならない。従って、サイドランス6からの酸素含有ガス
ジェットの方向を制限する必要がある。
【0048】図9において、lCRは、ノズル孔軸芯線と
主ランス5の軸芯とを結んだ直線の水平面上への投影
線、lSTは、水冷構造体群21の反主ランス側の端部に
ノズル孔8から引いた直線の水平面上への投影線、lSL
は、サイドランス6のノズル孔8と、水冷構造体群21
が位置する側で当該サイドランス6に隣接するサイドラ
ンス6’のノズル孔8’とを結ぶ直線の水平面上への投
影線、そしてlNZは、当該サイドランス6のノズル孔か
らの酸素含有ガスジェットの軸芯線の水平面上への投影
線である。同図中の角度θが、下記(3)式: α+β≦θ≦γ ----------------------------------------------(3) の関係を満たすことにより、主ランス5やサブランス2
2等の水冷構造体の酸素含有ガスジェットによる損傷を
回避できる。
【0049】一方、サイドランスのノズル孔の高さに関
しては先に、(ロ−1)項において、最低高さはスラグ
やメタルのスプラッシュの付着・堆積の観点から、最高
高さは、酸素含有ガスジェットの初速確保上及びその方
向性制御の観点から、更に、操業中のスラグ浴面レベル
の変動の大きさを考慮して、スラグ浴面よりも0.2〜
1.4m程度高い位置にするのが望ましいことを説明し
た。他方、上記ノズル孔の高さを決める基準を、製錬炉
のメタル出湯孔の位置からの高さで規定する方法も効果
的である。製錬炉には各種構造のものがあり、例えば、
固定式の炉で炉内生成溶湯の出銑滓を数時間間隔で実施
する、炉内蓄銑滓量に定期的変動があるような場合を考
えると、上面レベル変動が大きいスラグ浴面からの高さ
よりもメタル出湯孔からの高さをもって、サイドランス
のノズル孔を規定することが必要である。このような場
合の当該ノズル孔のメタル出湯孔からの高さは、メタル
生成、炉内蓄銑滓量からみて、メタル浴厚みが出銑孔よ
りみて0〜0.2m、スラグ厚みが2m〜3m程度であ
るという理由により、2.2〜4.0m高い位置にする
のが望ましい。なお、これは、新炉状態では炉底からほ
ぼ3〜5mに相当する。
【0050】(ロ−3)サイドランスの損耗抑制 サイドランスを2本以上設けた場合には、隣接するサイ
ドランスからの酸素含有ガスジェットによる特にノズル
孔の損耗を抑制ないし回避しなければならない。特にサ
イドランス本数が多くなり、またノズル孔総数が増加す
ると、上記損耗の抑制・回避問題の解決方法は複雑にな
る。本発明者等は、そのための極めて効果的なノズル設
計は、ある一直線上で反対方向から噴射されたガスジェ
ットは正面衝突により相互に干渉し、相互に相手方のノ
ズル孔を直撃することはなく、従って、相互に相手側の
ノズルを損耗することがなくなることを利用することで
ある。そこで、酸素含有ガスジェットを当該サイドラン
スとこれに隣接するサイドランスとが有するノズル孔に
関し、ノズル孔の全ては、隣接するサイドランスのいず
れかのノズル孔と、酸素含有ガスジェットの軸芯線が、
ノズル孔先端どうしを結ぶ線分の垂直2等分面に対して
面対称となっているように設計した。
【0051】
【実施例】次に、この発明を、実施例によって更に説明
する。
【0052】図1〜3に示した設備を用いて、鉄鉱石の
溶融還元実験を行なった。鉄鉱石を予熱予備還元炉15
に装入し、処理前水分約10wt.%、T.Fe63wt.%の
鉄鉱石を、処理後の水分0wt.%、T.Fe69wt.%、温
度700℃、そして予備還元率20wt.%の予備還元鉱石
を、連続的に製錬炉1に装入した。なお、製錬炉1で発
生した排ガスを予熱予備還元炉15に供給し、これで鉄
鉱石を処理した後、この排ガスをホットサイクロン16
によりダストを除去した後、排ガス顕熱を熱交換器17
で回収した。
【0053】製錬炉1の操業方法は次の通りであり、本
発明の範囲内の実施例、及び本発明の範囲外の比較例に
共通のベース条件である。製錬炉1には操炉開始に先立
って溶銑を装入しておく。製錬炉1には、上記予熱、予
備還元後の鉄鉱石の他に、炭材3として乾燥後の石炭及
び乾燥後の造滓材4を装入した。製錬炉の形状は、いわ
ゆる転炉型の垂直円筒形である。但し、実施例のみ、長
方形の横型炉及び水平円筒型についても試験した。
【0054】垂直円筒型については、垂直壁の内径が9
mφ、スラグ浴の水平平均断面積aが64m2、長方形の
横型炉については、スラグ浴の短径が6m、水平平均断
面積aが60m2、そして水平円筒型については、スラグ
浴の短径が4m、水平平均断面積aが40m2の製錬炉
である。
【0055】一方、送酸ランスとして多孔ノズルランス
を使用し、主ランスとサイドランスとの両方を用いた。
そして、各送酸ランスには、その先端から最大600m
m以内の範囲に、先端面及び側周面に複数個のノズル孔
を配置した。ノズル孔径は5〜30mmφの範囲から適
宜決定した。ノズル孔の決め方は、目標送酸量を確保す
ると共に、製錬炉内圧P0 として1気圧超えから5気
圧以下に調整し、これに対してノズル孔出口手前の圧力
Pを、P/P0 =1.9±0.5気圧となるよう調整
して、ノズル先でのガスの過膨張やダストの巻き込みを
抑制するようにし、ノズルの寿命延長に著しく寄与する
条件にした。ノズル寿命に加えて、着熱効率及び二次燃
焼率向上にも良好な結果が得られる10〜20mmφも
適宜使用した。
【0056】試験の上記ベース条件のもとに、実施例及
び比較例において、下記設備条件の項目について、設定
条件を各種に変化させた試験を行なった。 〔設備条件の項目〕 サイドランスからの酸素含有ガスジェットの方向 (但し、ジェットの拡がりを含む。) サイドランスのノズル孔先端高さ、及び張出し距離、
ノズル孔軸芯方向、酸素含有ガスジェットの軸芯からの
拡がり角度、及び耐火物炉壁の張出厚さ、並びに、上記
諸元間の関係式(1)式又は(2)式の成立の成否 hP×tan(ψ−β)≧y−x (捨て煉瓦なしのとき)------(1) hR×tan(ψ−β)≧y−x (捨て煉瓦有りのとき)------(2) 但し、 hP:金属製水冷パネルの下端からノズル孔先端までの
高さ hR:浴部内壁の下部側の耐火煉瓦の上に構築された捨
て煉瓦炉壁の上端面先端からノズル孔先端までの高さ ψ:ノズル孔の酸素含有ガスジェットの軸芯の噴出方向
と鉛直方向とのなす角度 β:酸素含有ガスジェットの軸芯線からのガスジェット
の拡がり角度 y:金属製水冷パネルの炉内表面から、浴部内壁の下部
側の耐火物炉壁の上端面が炉内側への張り出している耐
火物厚さ x:ノズル孔先端が金属製水冷パネルの炉内表面から炉
内側へ張り出している距離 ・サイドランスから見たそのノズル孔軸芯線の、主ラ
ンスの軸芯方向からの開き角度の水平面上への投影角度
(θ)、・サイドランスから見たそのノズル孔先端と主
ランスの軸芯方向からの水冷構造体群を臨む開き角度の
最大値の水平面上への投影角度(α)、・酸素含有ガス
ジェットの軸芯線からの拡がり角度(β)、・サイドラ
ンスから見たそのノズル孔先端から隣のサイドランスの
ノズル孔先端までの見開き角度の水平面上への投影角度
(γ)、並びに、・上記諸元間の関係式(3)式の成立
の成否 α+β≦θ≦γ --------------(3) サイドランスのノズル孔の高さ (スラグ浴面から又はメタル出湯孔からの高さ) 隣接するサイドランスのノズル孔軸芯どうしの面対称
性の成否。
【0057】表1〜表4に試験条件と試験結果をまとめ
て示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】試験操業は順調に行われた。なお、溶融還
元製錬中、実施例及び比較例のいずれにおいても、スラ
グ浴面の上下変動がみられた。
【0063】上記実施例ではいずれも、二次燃焼及び着
熱効率は高水準を維持することができた。更に、炉内壁
並びにランスの損耗を抑制した操業を行なうことができ
た。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
鉄鉱石等金属鉱石の溶融還元において、従来の生産規模
を大型化して大量の溶融金属を製造する場合に大きな課
題であった、高二次燃焼且つ高着熱効率操業を達成する
際に、溶融還元製錬装置の製錬炉内壁の損耗を抑制し、
また、酸素含有ガス吹込み用ランス等炉内の水冷構造体
の高寿命化を図ることが可能となる。そして、金属鉱石
の溶融還元による大規模の金属溶湯の生産において、操
業の安定化と製造コストの低減を図ることが可能であ
る。このような大量生産に適した金属鉱石の溶融還元製
錬装置を提供することができ、工業上有用な効果がもた
らされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するのに適した溶融還元装置及び
その付帯装置の概略説明図である。
【図2】本発明の実施において使用する主ランスの先端
部のノズル孔配置の一例を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の実施において使用するサイドランスの
先端部のノズル孔配置の一例を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の実施において使用する製錬炉内壁形状
の一例を示す主要部縦断面図である。
【図5】本発明の実施において使用する製錬炉内壁形状
の他の例を示す主要部縦断面図である。
【図6】本発明の製錬炉で平面図形状が円形の場合に、
酸素含有ガスジェットのスラグ浴面に対する噴射方向を
示す平面図による説明図である。
【図7】本発明の製錬炉で平面図形状が楕円形の場合
に、酸素含有ガスジェットのスラグ浴面に対する噴射方
向を示す平面図による説明図である。
【図8】本発明の製錬炉で平面図形状が長円形の場合
に、酸素含有ガスジェットのスラグ浴面に対する噴射方
向を示す平面図による説明図である。
【図9】本発明の実施において使用する製錬炉の炉内水
冷構造体群及びサイドランスの配置関係、及び請求項4
記載の発明の一部を説明する平面図である。
【図10】図9において、請求項4記載の発明の他の部
分を説明する平面図である。
【符号の説明】
1 製錬炉 2 鉄鉱石 3 炭材 4 造滓材 5 主ランス 6 サイドランス 6’隣接サイドランス 7 スラグ浴 8 ノズル孔 8’隣接サイドランスのノズル孔 9 酸素含有ガス 10 酸素含有ガスジェット 10a 酸素含有ガスジェットの軸芯線 11メタル浴 12 側壁ノズル 12’炉底ノズル 13 撹拌ガス 14 開閉弁 15 予熱予備還元炉 16 サイクロン 17 熱回収装置 18 耐火物炉壁 18a 耐火物炉壁の先端部 19 金属製水冷パネル 20 炉殻鉄皮 21 水冷構造体群 22 サブランス 23 炉内壁 24 捨て煉瓦 25 炉底耐火物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 正弘 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山中 光弘 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 関口 毅 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡部 雅之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K012 CA06 CA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物系金属鉱石及び又は水酸化物系金
    属鉱石と炭材と造滓材とを装入し、これらの装入物に酸
    素含有ガスを供給して前記金属鉱石を溶融還元するため
    の製錬炉と、当該製錬炉内の前記装入物に前記酸素含有
    ガスを供給するための酸素供給装置とを含む装置群から
    なる金属鉱石の溶融還元製錬装置において、 前記酸素供給装置は、吹錬用送酸ランスとして、前記製
    錬炉の上方から実質的に鉛直下方に挿入された主ランス
    と、前記製錬炉内側壁の、当該製錬炉内に形成される溶
    融スラグ浴面より高い位置から当該製錬炉内へ向けて挿
    入されたサイドランスとの2種のランスを備えている
    か、又は、前記サイドランスのみを備えており、前記主
    ランス及びサイドランスのいずれにもその先端部端面及
    び/又は近傍の外周面に酸素含有ガスが噴出するノズル
    孔が設けられており、 前記サイドランスのノズル孔は、前記溶融スラグ浴面近
    傍にあり、且つ、前記サイドランスのノズル孔から噴射
    される前記酸素含有ガスはその噴出方向軸芯線から拡が
    り角度をもったジェットを形成しており、当該ジェット
    の外周面上のジェット噴出方向線の内の前記ノズル孔が
    設置された側の炉内側壁に最も近いものの延長線が、前
    記溶融スラグ浴上面と、下記条件1又は条件2で定まる
    前記スラグ浴上面の領域(A)内において交わることを
    特徴とする、金属鉱石の溶融還元製錬装置。 条件1:前記製錬炉が実質的に新炉状態のときに、当該
    製錬炉内に形成される前記スラグ浴上面により形成され
    る水平な平面形状(S)を想定し、当該平面形状(S)
    の外周上に所定の動点Pを設けると共に、前記平面形状
    (S)の内部に所定の点Qを前記平面形状Sに応じて定
    め、前記動点Pと前記点Qとの間の距離(x)を、前記
    動点Pから点Qに向かって、1:3の比に内分する内分
    点(X)を求める。こうして求められた内分点(X)
    が、前記動点Pの前記動きにつれて描かれる軌跡(C)
    で囲まれた領域。ここで、前記動点P及び点Qを次の通
    り定める。 (イ)平面形状(S)が円形のとき、動点Pは当該円周
    上の任意の点とし、点Qは当該円の中心とする。 (ロ)平面形状(S)が楕円形のとき、動点Pは当該楕
    円周上の点とする。そして、点Qは楕円の焦点とし、点
    Qの動く範囲を原則範囲と例外範囲に分ける。原則範囲
    として動点Pに近い方の焦点を採用する。一方、動点P
    が動く例外範囲を次の通り定める。楕円形状を当該楕円
    形の2つの焦点を結ぶ線分の垂直2等分線(L)で仕切
    り、動点Pが一方の半楕円周上から垂直2等分線を超え
    て他方の半楕円周上に進入することができる範囲の限界
    点(Yf )は、一方の半楕円中にある焦点(F)と前記
    他方の半楕円周上に進入した動点Pの位置である点
    (Y)とを結ぶ直線が、前記垂直2等分線(L)と交わ
    る点を交点(R)とした場合に、交点(R)が、点
    (Y)と焦点(F)との間の距離(y)を点(Y)から
    焦点(F)に向かって内分する比の値が1:3まで増加
    した動点Pの位置とする。 条件2:前記平面形状(S)が長方形、長円形その他横
    長型の形状のときは、前記スラグ浴上面の領域として、
    前記製錬炉が実質的に新炉状態のときに、当該横長型の
    形状の全周囲にわたり、その内側に幅(1/4)W、
    (但し、W:代表短辺の長さの1/2)の帯状領域を設
    定し、この帯状領域の内側の領域を、前記軌跡Cで囲ま
    れた領域とする。
  2. 【請求項2】 酸化物系金属鉱石及び又は水酸化物系金
    属鉱石と炭材と造滓材とを装入し、これらの装入物に酸
    素含有ガスを供給して前記金属鉱石を溶融還元するため
    の製錬炉と、当該製錬炉内の前記装入物に前記酸素含有
    ガスを供給するための酸素供給装置とを含む装置群から
    なる金属鉱石の溶融還元製錬装置において、 前記製錬炉の浴部炉内側壁は、その上部側を金属製水冷
    パネル構造で構成し、その下部側を耐火煉瓦張り構造で
    築炉し、 一方、前記酸素供給装置は、吹錬用送酸ランスとして、
    前記製錬炉の上方から実質的に鉛直下方に挿入された主
    ランス、及び前記製錬炉内側壁であって当該製錬炉内に
    形成される溶融スラグ浴面より高い位置から当該製錬炉
    内へ向けて挿入されたサイドランスの2種のランスを備
    えているか、又は、前記サイドランスのみを備えてお
    り、前記主ランス及びサイドランスのいずれにもその先
    端部端面及び/又は近傍の外周面に酸素含有ガスが噴出
    するノズル孔が設けられており、前記サイドランスのノ
    ズル孔の高さ方向位置は、前記溶融スラグ浴面近傍にあ
    り、且つ当該サイドランスのノズル孔の前記製錬炉内径
    方向及び前記浴部内壁の上部側金属製水冷パネルの下端
    の位置は、当該ノズル孔の前記酸素含有ガスの噴出方向
    軸芯線の方向との間に下記(1)式の関係を満たしてい
    ることを特徴とする、金属鉱石の溶融還元製錬装置。 hP×tan(ψ−β)≧y−x ----------------------------(1) 但し、 hP:金属製水冷パネルの下端からノズル孔先端までの
    高さ ψ:ノズル孔の酸素含有ガスジェットの軸芯の噴出方向
    と鉛直方向とのなす角度 β:酸素含有ガスジェットの軸芯線からのガスジェット
    の拡がり角度 y:金属製水冷パネルの炉内表面から、浴部内壁の下部
    側の耐火物炉壁の上端面が炉内側への張り出している耐
    火物厚さ x:ノズル孔先端が金属製水冷パネルの炉内表面から炉
    内側へ張り出している距離
  3. 【請求項3】 請求項2記載の発明において、前記サイ
    ドランスのノズル孔の位置及び当該ノズル孔の前記酸素
    含有ガスの噴出方向軸芯線の方向との間の関係に関し、
    前記浴部内壁の下部側の耐火煉瓦の上端面の位置が、当
    該酸素含有ガスの噴出方向軸芯線の方向との間に下記
    (2)式の関係を満たしていることを特徴とする、金属
    鉱石の溶融還元製錬装置。 hR ×tan(ψ−β)≧y−x ----------------------------(2) 但し、 hR:浴部内壁の下部側の耐火煉瓦の上に構築された捨
    て煉瓦炉壁の上端面先端からノズル孔先端までの高さ ψ:ノズル孔の酸素含有ガスジェットの軸芯の噴出方向
    と鉛直方向とのなす角度 β:酸素含有ガスジェットの軸芯線からのガスジェット
    の拡がり角度 y:金属製水冷パネルの炉内表面から、浴部内壁の下部
    側の耐火物炉壁の上端面が炉内側への張り出している耐
    火物厚さ x:ノズル孔先端が金属製水冷パネルの炉内表面から炉
    内側へ張り出している距離
  4. 【請求項4】 酸化物系金属鉱石及び又は水酸化物系金
    属鉱石と炭材と造滓材とを装入し、これらの装入物に酸
    素含有ガスを供給して前記金属鉱石を溶融還元するため
    の製錬炉と、当該製錬炉内の前記装入物に前記酸素含有
    ガスを供給するための酸素供給装置と、前記溶融還元工
    程において前記製錬炉内の溶融物の温度及び/又は成分
    組成を測定するためのサブランスを含む計測ランスとを
    含む装置群からなる金属鉱石の溶融還元製錬装置におい
    て、 前記酸素供給装置は、吹錬用送酸ランスとして、前記製
    錬炉の上方から実質的に鉛直下方に挿入された主ランス
    と、前記製錬炉内側壁の、当該製錬炉内に形成される溶
    融スラグ浴面より高い位置から当該製錬炉内へ向けて挿
    入されたサイドランスとの2種のランスを備えている
    か、又は、前記サイドランスのみを備えており、前記主
    ランス及びサイドランスのいずれにもその先端部端面及
    び/又は近傍の外周面に酸素含有ガスが噴出するノズル
    孔が設けられており、 前記主ランス及び前記計測ランスを含む水冷構造体群
    は、前記製錬炉内空間の一部を占有する位置に設けられ
    ており、 前記サイドランスのノズル孔は、前記溶融スラグ浴面近
    傍にあって、前記酸素含有ガスが噴射される当該サイド
    ランスのノズル孔軸芯線は斜め下方に向けられ、しかも
    当該ノズル孔軸芯線の炉内への延長線の水平面上への投
    影線(lNZ)が、当該ノズル孔先端と前記主ランスの軸
    芯とを結んだ直線の水平面上への投影線(lCR)となす
    角度(θ)は、下記(3)式の関係を満たすことを特徴
    とする、金属鉱石の溶融還元製錬装置。 α+β≦θ≦γ ----------------------------------------------(3) 但し、 θ:主ランスの軸芯方向からのサイドランスのノズル孔
    軸芯線の開き角度の水平面上への投影角度 α:前記投影線(lCR)と、前記水冷構造体群の反主ラ
    ンス側の端部にノズル孔先端から引いた直線の水平面上
    への投影線(lST)とのなす角度 β:酸素含有ガスジェットの軸芯線からの拡がり角度
    (片側の拡がり角度を指す) γ:前記投影線(lCR)と、主ランスから見て前記水冷
    構造体群が位置する側の、当該サイドランスに隣接する
    サイドランスのノズル孔先端と、当該サイドランスのノ
    ズル孔先端とを結ぶ直線の水平面上への投影線とがなす
    角度 但し、前記水冷構造体群の各構成水冷構造体どうしの近
    接側端面から前記サイドランスのノズル孔を臨んだ直線
    の水平面への投影線どうしのなす角度(ζ)が、前記酸
    素含有ガスジェットの軸芯線からの拡がり角度(β)の
    2倍よりも大きいときは、前記角度θの前記投影線lCR
    からの開き角度は、その開き角度の位置が、前記各構成
    水冷構造体どうしの近接側端面と前記サイドランスのノ
    ズル孔とを結ぶ直線から前記各構成水冷構造体どうしの
    面する側にそれぞれ開き角度が2×βを描いたときに、
    当該各開き角度が2×βに含まれない中間の角度領域に
    入る場合は、これを含むものとする。
  5. 【請求項5】 前記サイドランスのノズル孔の高さ位置
    は、前記スラグ浴面から0.2〜1.2mの範囲内の高
    さに設けられていることを特徴とする、請求項1〜請求
    項4のいずれかに記載された金属鉱石の溶融還元製錬装
    置。
  6. 【請求項6】 前記サイドランスのノズル孔の高さ位置
    は、前記製錬炉から溶融メタルが排出される出湯孔から
    2.2〜4.0mの範囲内の高さに設けられていること
    を特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載さ
    れた金属鉱石の溶融還元製錬装置。
  7. 【請求項7】 前記サイドランスのノズル孔は、当該ノ
    ズル孔の隣に配設されたサイドランスのノズル孔との間
    に、それぞれのノズル孔から噴出する酸素含有ガスジェ
    ットの軸芯線の延長線どうしが、それぞれのノズル孔先
    端を結ぶ線分の垂直2等分平面に対して面対象の関係に
    あることを特徴とする、請求項1〜請求項6記載のいず
    れかに記載された金属鉱石の溶融還元製錬装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7に記載のいずれかの
    発明において、前記サイドランスのノズルとして、当該
    ノズル孔から噴射される酸素含有ガスジェットの軸心の
    延長線が、スラグ浴上面における水平面に対して入射す
    る角度が、下向きに40°以上となるノズルが設けられ
    ていることを特徴とする、金属鉱石の溶融還元製錬装
    置。
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CN109341340A (zh) * 2018-09-30 2019-02-15 禹州市毛吕铸造有限公司 一种金属熔炼炉
CN109341340B (zh) * 2018-09-30 2024-03-01 河南高创信息科技有限公司 一种金属熔炼炉

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