JP2001010998A - フェノール類の製造方法 - Google Patents

フェノール類の製造方法

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JP2001010998A
JP2001010998A JP11187156A JP18715699A JP2001010998A JP 2001010998 A JP2001010998 A JP 2001010998A JP 11187156 A JP11187156 A JP 11187156A JP 18715699 A JP18715699 A JP 18715699A JP 2001010998 A JP2001010998 A JP 2001010998A
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oil
crude acetone
water
hydrocarbon
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JP11187156A
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Hiroshi Kuroda
浩史 黒田
Koichi Yamazaki
幸一 山崎
Hideki Matsuo
英喜 松尾
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フェノール類蒸留系のリボイラーファウリング
の進行を抑制するに際し、粗アセトン塔回収部における
アルカリ金属塩含有水の次蒸留系への持ち込みが軽減で
きるフェノール類の製造方法を提供することを目的とす
るものである。 【解決手段】炭化水素を酸素含有気体で酸化して得たヒ
ドロペルオキシド類を分解して、対応するフェノール類
を製造する方法において、フェノール類蒸留系における
粗アセトン塔回収部に、油水静置槽を具備した外部循環
を設けてアルカリ金属塩含有水を分離・除去することを
特徴とする蒸留系のリボイラーファイリングの進行を抑
制したフェノール類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェノール類の製
造方法に関し、詳しくは、炭化水素を酸素含有気体にて
酸化して得たヒドロペルオキシド類を分解して、対応す
るフェノール類の製造における蒸留系に、アルカリ金属
塩含有水の持ち込み量を軽減させるフェノール類の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化水素を酸素含有気体にて酸化して、
対応するヒドロペルオキシド類とし、酸によって分解し
てフェノール類を製造する方法は、クメン法として公知
の技術である。
【0003】しかし、ヒドロペルオキシド類の分解に用
いた酸は機器腐食防止のためアルカリ金属塩で中和され
るが、このアルカリ金属塩を原因物質とするアルカリ金
属化合物が蒸留系においてリボイラーファウリングを誘
発する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のリボイラーファ
ウリングが起こると蒸留温度に上限が設けられるように
なり、安定運転に支障をきたすようになるため、プラン
トを一時停止して系内を洗浄(洗浄シャットダウン)す
る必要があり、プラントによっては年に数回の洗浄シャ
ットダウンを必要とする場合もあり、フェノール類製造
において大きなロスの原因となっている。
【0005】本発明は、フェノール類の製造における上
記問題のファウリング原因物質であるアルカリ金属塩を
含有する水を系外除去することによって蒸留系のファウ
リングを抑制し、フェノール類の運転を安定させ、かつ
洗浄シャットダウンによるロスを削減したフェノール類
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
について鋭意検討した結果、系内に存在するリボイラー
ファウリング原因物質であるアルカリ金属塩の含有水
を、粗アセトン塔回収部に設けた油水静置槽を具備した
外部循環において分離除去することにより、次工程蒸留
系のファウリングが抑制されることを見出し、本発明を
完成するに至ったものである。
【0007】すなわち、本発明は、炭化水素を酸素含有
気体で酸化して得たヒドロペルオキシド類を分解して、
対応するフェノール類を製造する方法において、フェノ
ール類蒸留系における粗アセトン塔回収部に、油水静置
槽を具備した外部循環を設けてアルカリ金属塩含有水を
分離・除去することを特徴とする蒸留系のリボイラーフ
ァイリングの進行を抑制したフェノール類の製造方法で
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】出発原料である炭化水素は、2級
炭素を有するパラフィン、オレフィン、シクロパラフィ
ン、アリールアルキル炭化水素等が挙げられ、具体的な
好ましい例として、2級炭素を有するパラフィンとして
イソブタン等、オレフィンとしてペンテン、イソブテン
等、シクロパラフィンとしてシクロペンタン、シクロヘ
キサン等、アリールアルキル炭化水素としてクメン、サ
イメン等を挙げることができるが、これらに限定される
ものではない。
【0009】これら炭化水素の中でも好ましく用いられ
るアリールアルキル炭化水素としては、下記一般式
(I)
【0010】
【化2】
【0011】(式中、P及びQは、水素又はアルキル基
を示し、相互に同じであってもよく、異なっていてもよ
く、xは1〜3の整数を示し、Arはx価の芳香族炭化
水素基を示す。)で表される化合物。
【0012】一般式(I)において、P及びQの少なく
ともいずれかがアルキル基であることが好ましく、特
に、いずれもがアルキル基であることが好ましい。上記
アルキル基としては、特にメチル基が好ましい。また、
芳香族炭化水素基はベンゼン、ナフタレン、ビフェニ
ル、ジフェニルエーテル等から導かれるx価の炭化水素
基を挙げることができるが、好ましくはベンゼン又はナ
フタレンから導かれるx価の炭化水素基である。
【0013】従って、本発明において、アリールアルキ
ル炭化水素の好ましい具体例としては、例えば、クメ
ン、サイメン、m−ジイソプロピルベンゼン、p−ジイ
ソプロピルベンゼン等のジイソプロピルベンゼン類、
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等のトリイソプロ
ピルベンゼン類、エチルベンゼン、sec-ブチルベンゼ
ン、sec-ブチルエチルベンゼン、イソプロピルナフタレ
ン類、2,6−ジイソプロピルナフタレン等のジイソプ
ロピルナフタレン類、イソプロピルビフェニル類、4,
4’−ジイソプロピルビフェニル等のジイソプロピルビ
フェニル類や、これらの2種以上の混合物を挙げること
ができる。
【0014】本発明における、リボイラーファウリング
原因物質であるアルカリ金属塩として、具体的には水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等の分解中和剤を挙げることができる。また系
内の酸が中和された塩である、硫酸ナトリウム、ギ酸ナ
トリウム、酢酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム等を挙
げることができる。更には錯塩の対カチオンとしてはた
らく場合のアルカリ金属も含むが、これらに限定される
ものではない。
【0015】本発明は、アセトンとフェノールを蒸留分
離することを目的とした粗アセトン塔の回収部に油水静
置槽を具備した外部循環を設け、リボイラーファウリン
グ原因物質であるアルカリ金属塩含有水を油水静置槽に
て静置分離・除去させることによって、蒸留系のリボイ
ラーファウリングの進行度合いを示すチェストプレスの
上昇が抑えられたことに注目して発明に至ったものであ
る。
【0016】本発明における粗アセトン塔とは、分解生
成物貯蔵槽よりフィードされる分解生成物を、アセトン
とそれ以外のフェノール、α−メチルスチレン及び水そ
の他を分離する蒸留塔として用いられ、該蒸留塔の留出
組成リッチの部位を濃縮部と称し、また缶出組成リッチ
の部位を回収部と称する。このような粗アセトン塔回収
部での組成は、フェノール、α−メチルスチレン及び水
その他を主成分(以下、油水と略記する。)とするもので
ある。
【0017】粗アセトン塔回収部からの油水の外部循環
量は、分解生成物貯蔵槽から粗アセトン塔へのフィード
量に対して、0.2〜3倍量が望ましい。この循環量が
0.2倍量より少ないと水の除去効率が低下し、また該
循環量が3倍量より多くなるとスチーム原単位が低下す
るなど、経済的にも好ましくない。
【0018】このようにして粗アセトン塔回収部外部循
環出の油水は、外部循環に設けられた油水静置槽に送ら
れ、油相と水相とに分離されて、油相はそのまま回収部
へ循環して次工程の蒸留に供される。また分離された水
相には、アルカリ金属塩の蓄積の可能性があるので、該
水相を油水静置槽外に連続的、あるいは定期的に排出除
去する必要がある。ここで排出除去した水相は廃棄処理
したり、中和系にて再利用してもよいし、また、必要に
応じて有価物回収系に戻してもよい。
【0019】また、油水静置槽において、該槽内の温度
を粗アセトン塔回収部外部循環出の油水温度より、より
低く保つことで、更なる油水分離の強化に効果を示す。
この温度コントロールの具体例として、粗アセトン塔回
収部から油水静置槽までの外部循環ラインの間に熱交換
器を設けてもよいし、油水静置槽内部に冷却水コイルを
設けて冷却してもよいが、油水静置槽内の温度を、粗ア
セトン塔回収部外部循環出の油水温度より40〜80℃
程度低く設定することができれば、前記方法に拘らず他
の方法においても効果を上げることができる。詳しく
は、油水静置槽内温度を30〜60℃程度に設定するこ
とが望ましい。
【0020】このようにして分離された油相にも、まだ
残留しているアルカリ金属塩が認められる場合には、そ
れらを更に分離除去するため、油水静置槽に更に水を添
加して水抽出を強化することもできる。また、この油水
静置槽を直列に或いは並列に複数槽設けて、油水分離を
更に強化することもできる。
【0021】
【実施例】以下に、粗アセトン塔回収部に油水静置槽を
具備した外部循環を設け、リボイラーファウリング原因
物質であるアルカリ金属塩の蒸留系への同伴を軽減させ
たことによる、リボイラーファウリングの進行抑制を実
施例として説明するが、本発明はこれら実施例により何
ら限定されるものではない。
【0022】実施例1 20万T/Y規模のクメン法フェノール製造プラントに
おいて、分解生成物貯蔵槽より粗アセトン塔へのフィー
ド量80T/Hに対して、粗アセトン塔回収部より冷却
熱交換器を具備した外部循環に連続で30T/H循環
し、油水静置槽内の温度が30℃になるようにして、約
10分間の滞留時間をもって静置分離した後、アルカリ
金属塩含有水である水相部は、再利用のため中和系へ、
また油相部は粗アセトン塔回収部に各々循環した。
【0023】粗アセトン塔回収部缶出の次蒸留工程フィ
ード液中のナトリウム濃度を分析したところ、15pp
mであり、次工程の蒸留塔洗浄3ヶ月後のリボイラーチ
ェスト圧は12kg/cm2−Gであった。
【0024】比較例1 外部循環を行わなかった他は実施例1と同様に行ったと
ころ、粗アセトン塔回収部缶出の次蒸留工程フィード液
中のナトリウム濃度は35ppmであった。次工程の蒸
留塔洗浄3ヶ月後のリボイラーチェスト圧は30kg/
cm2−Gとなり、洗浄シャットダウンを余儀なくされ
た。
【0025】
【発明の効果】本発明におけるフェノール類の製造プロ
セスの粗アセトン塔回収部に設けた油水静置槽を具備し
た外部循環方法にて、リボイラーファウリング原因物質
であるアルカリ金属塩含有水を分離除去することによっ
て、次蒸留系への同伴を軽減させ、リボイラーファウリ
ングの進行を抑制することができ、産業上優位である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 49/08 C07C 49/08 A (72)発明者 松尾 英喜 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC40 AC42 AD11 AD16 BC51 BD70 FC52 FE13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素を酸素含有気体で酸化して得たヒ
    ドロペルオキシド類を分解して、対応するフェノール類
    を製造する方法において、フェノール類蒸留系における
    粗アセトン塔回収部に、油水静置槽を具備した外部循環
    を設けてアルカリ金属塩含有水を分離・除去することを
    特徴とする蒸留系のリボイラーファイリングの進行を抑
    制したフェノール類の製造方法。
  2. 【請求項2】炭化水素が、下記一般式(I) 【化1】 (式中、P及びQは、水素又はアルキル基を示し、相互
    に同じであってもよく、異なっていてもよく、Xは1〜
    3の整数を示し、ArはX価の芳香族炭化水素基を示
    す。)で表されるアリールアルキル炭化水素を酸素含有
    気体にて酸化して、対応するアリールアルキルヒドロペ
    ルオキシド類に選択的に転化することを特徴とする請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】一般式(I)で表されるアリールアルキル
    炭化水素が、クメン、サイメン、m−ジイソプロピルベ
    ンゼン、p−ジイソプロピルベンゼン、1,3,5−トリ
    イソプロピルベンゼン、イソプロピルナフタレン、ジイ
    ソプロピルナフタレン、イソプロピルビフェニル、ジイ
    ソプロピルビフェニル又はこれらの2種以上の混合物で
    あることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】アリールアルキル炭化水素が、クメンであ
    る請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】粗アセトン塔回収部に設けた油水静置槽内
    温度を、粗アセトン塔回収部外部循環出の油水温度よ
    り、より低く保つことを特徴とする請求項1記載の方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007106709A (ja) * 2005-10-14 2007-04-26 Mitsui Chemicals Inc 中和されたアルキルアリールヒドロペルオキシド酸開裂生成物からの脱塩方法
US10731093B2 (en) 2014-11-26 2020-08-04 Borealis Ag Wash oil for use as an antifouling agent in gas compressors

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007106709A (ja) * 2005-10-14 2007-04-26 Mitsui Chemicals Inc 中和されたアルキルアリールヒドロペルオキシド酸開裂生成物からの脱塩方法
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