JP2001010998A - フェノール類の製造方法 - Google Patents
フェノール類の製造方法Info
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Abstract
の進行を抑制するに際し、粗アセトン塔回収部における
アルカリ金属塩含有水の次蒸留系への持ち込みが軽減で
きるフェノール類の製造方法を提供することを目的とす
るものである。 【解決手段】炭化水素を酸素含有気体で酸化して得たヒ
ドロペルオキシド類を分解して、対応するフェノール類
を製造する方法において、フェノール類蒸留系における
粗アセトン塔回収部に、油水静置槽を具備した外部循環
を設けてアルカリ金属塩含有水を分離・除去することを
特徴とする蒸留系のリボイラーファイリングの進行を抑
制したフェノール類の製造方法。
Description
造方法に関し、詳しくは、炭化水素を酸素含有気体にて
酸化して得たヒドロペルオキシド類を分解して、対応す
るフェノール類の製造における蒸留系に、アルカリ金属
塩含有水の持ち込み量を軽減させるフェノール類の製造
方法に関する。
対応するヒドロペルオキシド類とし、酸によって分解し
てフェノール類を製造する方法は、クメン法として公知
の技術である。
いた酸は機器腐食防止のためアルカリ金属塩で中和され
るが、このアルカリ金属塩を原因物質とするアルカリ金
属化合物が蒸留系においてリボイラーファウリングを誘
発する。
ウリングが起こると蒸留温度に上限が設けられるように
なり、安定運転に支障をきたすようになるため、プラン
トを一時停止して系内を洗浄(洗浄シャットダウン)す
る必要があり、プラントによっては年に数回の洗浄シャ
ットダウンを必要とする場合もあり、フェノール類製造
において大きなロスの原因となっている。
記問題のファウリング原因物質であるアルカリ金属塩を
含有する水を系外除去することによって蒸留系のファウ
リングを抑制し、フェノール類の運転を安定させ、かつ
洗浄シャットダウンによるロスを削減したフェノール類
の製造方法を提供することを目的とするものである。
について鋭意検討した結果、系内に存在するリボイラー
ファウリング原因物質であるアルカリ金属塩の含有水
を、粗アセトン塔回収部に設けた油水静置槽を具備した
外部循環において分離除去することにより、次工程蒸留
系のファウリングが抑制されることを見出し、本発明を
完成するに至ったものである。
気体で酸化して得たヒドロペルオキシド類を分解して、
対応するフェノール類を製造する方法において、フェノ
ール類蒸留系における粗アセトン塔回収部に、油水静置
槽を具備した外部循環を設けてアルカリ金属塩含有水を
分離・除去することを特徴とする蒸留系のリボイラーフ
ァイリングの進行を抑制したフェノール類の製造方法で
ある。
炭素を有するパラフィン、オレフィン、シクロパラフィ
ン、アリールアルキル炭化水素等が挙げられ、具体的な
好ましい例として、2級炭素を有するパラフィンとして
イソブタン等、オレフィンとしてペンテン、イソブテン
等、シクロパラフィンとしてシクロペンタン、シクロヘ
キサン等、アリールアルキル炭化水素としてクメン、サ
イメン等を挙げることができるが、これらに限定される
ものではない。
るアリールアルキル炭化水素としては、下記一般式
(I)
を示し、相互に同じであってもよく、異なっていてもよ
く、xは1〜3の整数を示し、Arはx価の芳香族炭化
水素基を示す。)で表される化合物。
ともいずれかがアルキル基であることが好ましく、特
に、いずれもがアルキル基であることが好ましい。上記
アルキル基としては、特にメチル基が好ましい。また、
芳香族炭化水素基はベンゼン、ナフタレン、ビフェニ
ル、ジフェニルエーテル等から導かれるx価の炭化水素
基を挙げることができるが、好ましくはベンゼン又はナ
フタレンから導かれるx価の炭化水素基である。
ル炭化水素の好ましい具体例としては、例えば、クメ
ン、サイメン、m−ジイソプロピルベンゼン、p−ジイ
ソプロピルベンゼン等のジイソプロピルベンゼン類、
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等のトリイソプロ
ピルベンゼン類、エチルベンゼン、sec-ブチルベンゼ
ン、sec-ブチルエチルベンゼン、イソプロピルナフタレ
ン類、2,6−ジイソプロピルナフタレン等のジイソプ
ロピルナフタレン類、イソプロピルビフェニル類、4,
4’−ジイソプロピルビフェニル等のジイソプロピルビ
フェニル類や、これらの2種以上の混合物を挙げること
ができる。
原因物質であるアルカリ金属塩として、具体的には水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等の分解中和剤を挙げることができる。また系
内の酸が中和された塩である、硫酸ナトリウム、ギ酸ナ
トリウム、酢酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム等を挙
げることができる。更には錯塩の対カチオンとしてはた
らく場合のアルカリ金属も含むが、これらに限定される
ものではない。
離することを目的とした粗アセトン塔の回収部に油水静
置槽を具備した外部循環を設け、リボイラーファウリン
グ原因物質であるアルカリ金属塩含有水を油水静置槽に
て静置分離・除去させることによって、蒸留系のリボイ
ラーファウリングの進行度合いを示すチェストプレスの
上昇が抑えられたことに注目して発明に至ったものであ
る。
成物貯蔵槽よりフィードされる分解生成物を、アセトン
とそれ以外のフェノール、α−メチルスチレン及び水そ
の他を分離する蒸留塔として用いられ、該蒸留塔の留出
組成リッチの部位を濃縮部と称し、また缶出組成リッチ
の部位を回収部と称する。このような粗アセトン塔回収
部での組成は、フェノール、α−メチルスチレン及び水
その他を主成分(以下、油水と略記する。)とするもので
ある。
量は、分解生成物貯蔵槽から粗アセトン塔へのフィード
量に対して、0.2〜3倍量が望ましい。この循環量が
0.2倍量より少ないと水の除去効率が低下し、また該
循環量が3倍量より多くなるとスチーム原単位が低下す
るなど、経済的にも好ましくない。
環出の油水は、外部循環に設けられた油水静置槽に送ら
れ、油相と水相とに分離されて、油相はそのまま回収部
へ循環して次工程の蒸留に供される。また分離された水
相には、アルカリ金属塩の蓄積の可能性があるので、該
水相を油水静置槽外に連続的、あるいは定期的に排出除
去する必要がある。ここで排出除去した水相は廃棄処理
したり、中和系にて再利用してもよいし、また、必要に
応じて有価物回収系に戻してもよい。
を粗アセトン塔回収部外部循環出の油水温度より、より
低く保つことで、更なる油水分離の強化に効果を示す。
この温度コントロールの具体例として、粗アセトン塔回
収部から油水静置槽までの外部循環ラインの間に熱交換
器を設けてもよいし、油水静置槽内部に冷却水コイルを
設けて冷却してもよいが、油水静置槽内の温度を、粗ア
セトン塔回収部外部循環出の油水温度より40〜80℃
程度低く設定することができれば、前記方法に拘らず他
の方法においても効果を上げることができる。詳しく
は、油水静置槽内温度を30〜60℃程度に設定するこ
とが望ましい。
残留しているアルカリ金属塩が認められる場合には、そ
れらを更に分離除去するため、油水静置槽に更に水を添
加して水抽出を強化することもできる。また、この油水
静置槽を直列に或いは並列に複数槽設けて、油水分離を
更に強化することもできる。
具備した外部循環を設け、リボイラーファウリング原因
物質であるアルカリ金属塩の蒸留系への同伴を軽減させ
たことによる、リボイラーファウリングの進行抑制を実
施例として説明するが、本発明はこれら実施例により何
ら限定されるものではない。
おいて、分解生成物貯蔵槽より粗アセトン塔へのフィー
ド量80T/Hに対して、粗アセトン塔回収部より冷却
熱交換器を具備した外部循環に連続で30T/H循環
し、油水静置槽内の温度が30℃になるようにして、約
10分間の滞留時間をもって静置分離した後、アルカリ
金属塩含有水である水相部は、再利用のため中和系へ、
また油相部は粗アセトン塔回収部に各々循環した。
ード液中のナトリウム濃度を分析したところ、15pp
mであり、次工程の蒸留塔洗浄3ヶ月後のリボイラーチ
ェスト圧は12kg/cm2−Gであった。
ころ、粗アセトン塔回収部缶出の次蒸留工程フィード液
中のナトリウム濃度は35ppmであった。次工程の蒸
留塔洗浄3ヶ月後のリボイラーチェスト圧は30kg/
cm2−Gとなり、洗浄シャットダウンを余儀なくされ
た。
セスの粗アセトン塔回収部に設けた油水静置槽を具備し
た外部循環方法にて、リボイラーファウリング原因物質
であるアルカリ金属塩含有水を分離除去することによっ
て、次蒸留系への同伴を軽減させ、リボイラーファウリ
ングの進行を抑制することができ、産業上優位である。
Claims (5)
- 【請求項1】炭化水素を酸素含有気体で酸化して得たヒ
ドロペルオキシド類を分解して、対応するフェノール類
を製造する方法において、フェノール類蒸留系における
粗アセトン塔回収部に、油水静置槽を具備した外部循環
を設けてアルカリ金属塩含有水を分離・除去することを
特徴とする蒸留系のリボイラーファイリングの進行を抑
制したフェノール類の製造方法。 - 【請求項2】炭化水素が、下記一般式(I) 【化1】 (式中、P及びQは、水素又はアルキル基を示し、相互
に同じであってもよく、異なっていてもよく、Xは1〜
3の整数を示し、ArはX価の芳香族炭化水素基を示
す。)で表されるアリールアルキル炭化水素を酸素含有
気体にて酸化して、対応するアリールアルキルヒドロペ
ルオキシド類に選択的に転化することを特徴とする請求
項1記載の方法。 - 【請求項3】一般式(I)で表されるアリールアルキル
炭化水素が、クメン、サイメン、m−ジイソプロピルベ
ンゼン、p−ジイソプロピルベンゼン、1,3,5−トリ
イソプロピルベンゼン、イソプロピルナフタレン、ジイ
ソプロピルナフタレン、イソプロピルビフェニル、ジイ
ソプロピルビフェニル又はこれらの2種以上の混合物で
あることを特徴とする請求項2記載の方法。 - 【請求項4】アリールアルキル炭化水素が、クメンであ
る請求項2記載の方法。 - 【請求項5】粗アセトン塔回収部に設けた油水静置槽内
温度を、粗アセトン塔回収部外部循環出の油水温度よ
り、より低く保つことを特徴とする請求項1記載の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11187156A JP2001010998A (ja) | 1999-07-01 | 1999-07-01 | フェノール類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11187156A JP2001010998A (ja) | 1999-07-01 | 1999-07-01 | フェノール類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001010998A true JP2001010998A (ja) | 2001-01-16 |
Family
ID=16201116
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11187156A Pending JP2001010998A (ja) | 1999-07-01 | 1999-07-01 | フェノール類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001010998A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007106709A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Mitsui Chemicals Inc | 中和されたアルキルアリールヒドロペルオキシド酸開裂生成物からの脱塩方法 |
US10731093B2 (en) | 2014-11-26 | 2020-08-04 | Borealis Ag | Wash oil for use as an antifouling agent in gas compressors |
-
1999
- 1999-07-01 JP JP11187156A patent/JP2001010998A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007106709A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Mitsui Chemicals Inc | 中和されたアルキルアリールヒドロペルオキシド酸開裂生成物からの脱塩方法 |
US10731093B2 (en) | 2014-11-26 | 2020-08-04 | Borealis Ag | Wash oil for use as an antifouling agent in gas compressors |
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