JP2001009496A - 排水処理装置 - Google Patents

排水処理装置

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JP2001009496A
JP2001009496A JP11179970A JP17997099A JP2001009496A JP 2001009496 A JP2001009496 A JP 2001009496A JP 11179970 A JP11179970 A JP 11179970A JP 17997099 A JP17997099 A JP 17997099A JP 2001009496 A JP2001009496 A JP 2001009496A
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wastewater treatment
treatment tank
wastewater
chambers
tank
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Hiroshi Igarashi
宏 五十嵐
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Abstract

(57)【要約】 【課題】設備費や保守管理費が低額で運転費もほとんど
要らないこと、省スペース型であること、排水中の窒素
や燐についても効率よく除去できることなど、これらを
満足させることのできる排水処理装置を提供する。 【解決手段】嫌気性の排水処理領域を下部にもつ排水処
理槽21が排水管路11中に介在されている。上下方向
に沿う仕切壁31を介して排水処理槽21の内部が前室
25aと後室25bに区画されている。両室25a・2
5bを連通するための下部開口27が当該両室25a・
25bの境界部に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排水を高度に浄化処
理するための排水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭その他から排出される排水は排水管
路を流れ、浄化槽や終末処理場で処理された後に河川な
どの公共水域へ流れ込む。排水中に含まれる窒素や燐
は、これらが河川や海域に流れ込んだときに河川水や海
水を必要以上に富栄養化させ種々の弊害を惹き起こす。
したがって排水処理に際しては窒素や燐を可能なかぎり
取り除くのが望ましく、それが水域の保全に通じる。
【0003】排水中の窒素や燐を取り除くための手段に
ついては微生物処理法・化学処理法・物理処理法・これ
らの併用法などが開発されて実用に供されている。こう
した処理法は、排水処理設備の規模を大型かつ充実させ
るにしたがい処理効果が高くなる。排水を高度処理する
上で設備規模を大きくすることは、この分野での技術常
識である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】排水処理のための設備
は規模に比例して排水処理能力が高まるものの、それに
ともなって設備費の負担や設置スペースが大きくなる。
これらは各家庭などが戸別に排水処理装置を設備すると
きのネックになり、それが原因で排水処理装置が期待し
たほど普及しない。装置の普及しない現状では排水処理
にもつぎのような不具合が生じている。たとえば下水道
施設の端末にある終末処理場の場合、多量の窒素や燐を
含んだ排水が下水道を通じて流れ込む。終末処理場も多
量の窒素や燐を処理するのが難事であるから、これらを
十分に分解処理しないまま河川などへ放流してしまう。
一方、河川から取水する浄水場は、塩素処理の際、アン
モニア性窒素の含有量を目安にして大量の塩素を注入す
るから、上水に含まれるトリハロメタン(発癌物質)の
量が増加する。もちろん小型や中型の排水処理装置にも
処理能力の高いものがある。しかし浄化槽などを含む既
存の排水処理装置は、窒素や燐を十分に分解処理する場
合に好気型処理槽と嫌気型処理槽とを組み合わさねばな
らないから、小型化やコストダウンをはかる上で限界が
ある。
【0005】
【発明の目的】本発明はこのような技術的課題に鑑み、
設備費や保守管理費が低額で運転費もほとんど要らない
こと、省スペース型であること、排水中の窒素や燐につ
いても効率よく除去できることなど、これらを満足させ
ることのできる排水処理装置を提供しようとするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
排水処理装置は所期の目的を達成するために下記の課題
解決手段を特徴とする。すなわち請求項1記載の排水処
理装置は、嫌気性の排水処理領域を下部に有する排水処
理槽が排水管路中に介在されていること、および、上下
方向に沿う仕切壁を介して排水処理槽の内部が前室と後
室に区画されていること、および、これら両室を連通す
るための下部開口が当該両室の境界部に形成されている
ことを特徴とする。
【0007】本発明の請求項2に係る排水処理装置は所
期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴と
する。すなわち請求項2記載の排水処理装置は、嫌気性
の排水処理領域を下部に有する排水処理槽が排水管路中
に介在されていること、および、上下方向に沿う仕切壁
を介して排水処理槽の内部が相対的に前後する三つ以上
の室に区画されていること、および、これら各室を連通
するための下部開口と上部開口が一番目から最終番目ま
での室の各境界部に交互形成されていることを特徴とす
る。
【0008】本発明の請求項3に係る排水処理装置は請
求項1または2記載のものにおいて、浮蓋が排水処理槽
内に配置されているとともに上下方向に沿う流通間隙を
残して浮蓋が排水処理槽の内部を上下に区画しているこ
とを特徴とする。
【0009】本発明の請求項4に係る排水処理装置は請
求項1または2記載のものにおいて、排水処理槽の上部
外側から排水処理槽内の底部にわたり挿入された汚泥抜
取管が仕切壁と一体化されており、汚泥抜取管の下端に
ある吸引口が排水処理槽内の二室に連通していることを
特徴とする。
【0010】本発明の請求項5に係る排水処理装置は請
求項3記載のものにおいて、酸素消費構造物が浮蓋によ
り支持されて排水処理槽内に配置されていることを特徴
とする。
【0011】
【作用】本発明に係る排水処理装置であって排水処理槽
の内部が前室と後室に区画されたものでは流入側排水管
路→排水処理槽の前室→排水処理槽の後室→流出側排水
管路のように排水が流れる。水の使用は一般に間欠的で
あるから、これにともなって発生した排水は上記流路系
を間欠流動する過程で以下のように浄化処理される。
【0012】排水は空気を取り込みながら排水管路に流
れ込む。この段階の排水は溶存酸素量が多いから好気性
菌が有意に働く。したがって排水処理槽に至るまでの流
入側排水管路内では、排水中に含まれる各種の有機物が
好気性菌により分解されて排水がBOD値を下げる。ち
なみに排水中のアンモニアは亜硝酸菌によって亜硝酸性
窒素になり、亜硝酸性窒素は硝酸菌によって硝酸性窒素
になる。この後、排水は流入側排水管路から排水処理槽
の前室へと流れ込むが、排水管路に通じる該前室上部も
空気量が多いから、ここでも排水中の有機物が好気性菌
により分解される。一方、外気の到達しない排水処理槽
の前室下部や後室下部は嫌気性菌の増殖する排水処理領
域になる。これらの領域では低BOD値の排水に対して
嫌気性菌がよく働く。しかも脱窒菌が排水処理槽内の残
存酸素を消費したり残存汚染物質(栄養)を餌にしたり
しながら働くので排水中の窒素もよく取り除かれる。つ
ぎの領域である流出側排水管や排水処理槽の後室上部で
は空気量が多いから好気性菌が有意に働く。したがって
流入側排水管路を通じて排水が排水処理槽に間欠的に流
れ込み、それにともなって排水処理槽(前室・後室)の
水位が増すと、排水処理槽の後室上部に達した排水中の
残存有機物が好気性菌により分解される。排水処理槽内
の水位がさらに増して排水が後室上部から流出側排水管
へと流れ出たときも、排水中の残存有機物が好気性菌で
分解される。排水はこのように、流入側排水管路内から
排水処理槽の前室上部における好気性微生物処理と、排
水処理槽の前室下部や後室下部における嫌気性微生物処
理と、排水処理槽の後室上部から流出側排水管路内おけ
る好気性微生物処理とによって高度に浄化される。
【0013】以上は排水処理槽の内部が前室と後室に区
画された装置の説明であるが、排水処理槽の内部が相対
的に前後する三つ以上の室に区画された装置も、好気性
微生物や嫌気性微生物による処理回数が多くなる点を除
いて上記と同じになる。また、排水管路中に複数の排水
処理槽が介在されている装置では、各排水処理槽ごとに
上記のような排水処理が行われる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る排水処理装置の実施
形態について、はじめは図1〜図3に例示されたものを
説明する。
【0015】図1〜図3において、Gは地表、11は排
水管路、21は排水処理槽、31は仕切壁、41は汚泥
抜取管41、51は浮蓋、61は酸素消費構造物を示
す。
【0016】図1〜図3に例示された排水管路11は排
水を流すために地表G下に埋設されたものである。排水
管路11の代表例として下水管や汚水管をあげることが
できる。このような排水管路11は合成樹脂管・金属管
・ヒューム管・コンクリート管など周知の管からなる。
【0017】図1〜図3に例示された排水処理槽21は
開閉自在な蓋22を上面に有する密閉容器からなる。こ
の例では排水処理槽21として平面四角形のものが図示
されている。けれども排水処理槽21については平面四
角形に限定されるものでなく、四角形以外の平面多角形
もある。また排水処理槽21の一部が丸みを帯びている
ものもある。排水処理槽21の前壁上部および後壁上部
には配管用の接続口23・24が形成されている。図1
・図2を参照して排水処理槽21は、排水管路11の長
さ方向に沿う長さが[L]、排水管路11の直交方向に
沿う幅が[B]、高さが[H]である。これらの寸法は
一例として[B<L]なる関係と[L≦H]または[L
≧H]なる関係とを満足させ、他の一例として[B<
L]なる関係と[B≦H]または[B≧H]なる関係と
を満足させる。ちなみに図1・図2の排水処理槽21や
図3の仮想線で示された排水処理槽21では[B<L<
H]の関係が成立しており、図3の実線で示された排水
処理槽21では[B≦H<L]の関係が成立している。
排水処理槽21は図1・図2のごとく上下方向に沿う仕
切壁31で内部を前後二室に区画されているから、その
内部には前室25aと後室25bとがある。この場合の
仕切壁31は排水処理槽21の内壁面に取り付けられて
おり、その下端が排水処理槽21の内底面から一定の間
隔をおいて遊離している。したがって排水処理槽21内
が仕切壁31で区画されたとき、両室25a・25bの
境界部であるところの仕切壁31下に下部開口27が同
時形成され、その下部開口27によって前室25aと後
室25bとが連通する。仕切壁31は、また、上下方向
に沿う汚泥抜取管41を壁面の中央に有するものであ
る。汚泥抜取管41は下端に吸引口42があって上端に
吐出口43がある。汚泥抜取管41の下端は仕切壁31
の下端より突出しており、汚泥抜取管41の上端は仕切
壁31の上端より突出している。汚泥抜取管41につい
て、管の下端面が傾斜していたり管壁の下部が図2のご
とく切り欠かれていたりする場合は、汚泥抜取管41の
下端を排水処理槽21の内底面に突き当ててよいが、汚
泥抜取管41が水平な下端面を有する場合は、汚泥抜取
管41の下端面を排水処理槽21の内底面から遊離させ
ることによりこの二面間に吸い込み間隙を介在させる。
これらいずれの場合も汚泥抜取管41の吸引口42は排
水処理槽21の下部において前室25aと後室25bと
の両方に通じる。これに対し汚泥抜取管41の上端は排
水処理槽21の蓋22を貫通して地表Gにまで突出し、
その上端の吐出口43が開閉自在な蓋44で閉ざされ
る。汚泥抜取管41は仕切壁31と一体化されるが蓋2
2に対しては固定されない。ただし汚泥抜取管41の外
周面と該管により貫通される蓋22の孔との間にはシー
ルリング(図示せず)が介在されたりする。排水処理槽
21や仕切壁31はコンクリート・合成樹脂・金属・こ
れらの複合材などでつくられる。汚泥抜取管41は、前
述した周知の合成樹脂管・金属管・ヒューム管・コンク
リート管などからなる。
【0018】図1・図2を参照して、浮蓋51は浮力を
有するものからなる。一例として、浮蓋51は水よりも
比重の小さい材料でつくることにより浮力を有するもの
となり、他の一例として、浮蓋51は中空体のような構
造にすることで浮力を有するものとなる。浮蓋51は、
また、材料と構造との両方に依存した浮力を有すること
もある。浮蓋51は、具体的には厚板とかブロックのよ
うな立体形状をしている。浮蓋51の材料としては、合
成樹脂(独立気泡の発泡体を含む)・木材・金属・コン
クリート・これらの複合体などが採用される。これらの
うちで水よりも比重の大きい材料を採用した場合、浮蓋
51は中空体構造をなしている。また、浮蓋51が水よ
りも比重の大きい材料からなる場合、浮蓋51には、こ
れを上下に貫通してほぼ全域に分布する多数の小孔が形
成されることもある。排水処理槽21の前室25a・後
室25bと浮蓋51との相対関係では、浮蓋51の表面
積(平面積・底面積)が前室25aや後室25bの表面
積を下回る。したがって浮蓋51を前室25a内や後室
25b内に入れて浮かべたとき、浮蓋51の外周面と各
室25a・25bの内周面との間には、図1・図2にの
ような流通間隙28が生じる。
【0019】図1・図2を参照して、酸素消費構造物6
1は好気性微生物のコロニーになるような構造のもの
で、具体的には適当量の濾材が通水性の容器内または通
水性の袋内に詰め込まれたものである。この場合の濾材
は、砂(例:山砂)・小石・砕石・破砕セラミック
(例:素焼煉瓦や素焼瓦を砕いたもの)・活性炭・石炭
・炭・ゼオライト・シリカ・貝殻(例:牡蠣殻)・鉄屑
(例:錆びた鉄)・植物繊維・合成繊維・木屑(木片)
・カテキン含有材などである。濾材については、これら
のうち、一種以上のものが選択されて通水性の容器内ま
たは通水性の袋内に充填される。通水性の容器は多孔板
で構成されたものからなり、通水性の袋は目の荒い生地
で作製されたものからなる。通水性容器の代表的一例と
して網板で構成されたものをあげることができ、通水性
袋の代表的一例として合成樹脂製の荒目生地で作製され
たものをあげることができる。濾材が二重に被包される
ケースでは濾材を詰め込まれた通水性袋が通水性容器内
に入れられる。このような酸素消費構造物61は浮蓋5
1で支持されるものである。一例では図示のように酸素
消費構造物61が浮蓋51の上面に搭載されてそこから
脱落しないように止め付けられる。他の一例では酸素消
費構造物61が浮蓋51の下面にあてがわれてそこから
離脱しないように止め付けられる。さらに他の一例で
は、酸素消費構造物61が上記に準じて浮蓋51の上下
両面に取り付けられる。これら以外の例として、酸素消
費構造物61の上下両面に浮蓋51が取り付けられるこ
ともある。酸素消費構造物61は、これが浮蓋51と共
に排水処理槽21の前室25a内や後室25b内に配置
されたときに、浮蓋51の浮力に依存して浮かぶという
ものである。したがって浮蓋51については、酸素消費
構造物61の重量が加わることをも考慮して浮力が設定
される。
【0020】以上の説明で明らかなように、排水処理槽
21は汚泥抜取管41を有する仕切壁31で内部を区画
されていて、相互に合体された浮蓋51と酸素消費構造
物61とが前室25a内および/または後室25b内に
入れられるというものである。こうした排水処理槽21
は、地表G下の排水管路11中に介在させるため、図1
・図2のごとく地中に埋設された後、配管用の接続口2
3・24を介して排水管路11の接続端に接続される。
さらにいえば、排水管路11が長尺のものであるため、
複数の排水処理槽21が図3のごとく排水管路11の各
所に介在される。
【0021】本発明に係る排水処理装置として図1〜図
3に例示されたものは、排水管路を自然に流れる排水を
以下のように浄化処理する。
【0022】地上で水を使用したときはその使用ごとに
排水が生じる。この間欠発生する排水は、直接または排
水溜め部を経由して排水管路11を流れ排水処理槽21
に至る。具体的には空気を取り込んだ排水が排水管路1
1より排水処理槽21内に流れ込み、その水位が排水管
路11のレベルに達するまで、排水が排水処理槽21内
に受け溜められていく。空気量の多い排水管路11内や
排水量の少ない排水処理槽21内では酸素に依存して好
気性微生物がよく働く。しかも排水処理槽21内には酸
素消費構造物61があり、ここをコロニーにして増殖し
た好気性菌が排水処理槽21内の酸素を消費するから、
排水処理槽21内における初期段階の排水は、これに含
まれる各種の有機物を主に好気性菌により分解されてB
OD値を下げる。自明のとおり、排水処理槽21内は排
水が流入するごとに水位を上げる。その後の排水流入で
排水処理槽21内の排水量が所定レベルに達したとき、
酸素消費構造物61を支持した浮蓋51が浮上しはじめ
る。浮蓋51が浮上した後の前室25aでは、流通間隙
28を通じて排水が浮蓋51下へ流れ込む。以降も浮蓋
51は、排水処理槽21内の排水量が増すにしたがい浮
上の度合いを高める。そして浮蓋51が一定の高さまで
上昇したあたりから、排水処理槽21内における前室2
5a・後室25bの各下部が嫌気性微生物の増殖する排
水処理領域になりはじめる。その主たる理由はつぎの
〜である。両室25a・25bの水面は浮蓋51で
広く覆われているから、排水管路11から進入する空気
と接触する度合いが低い。両室25a・25bの水面
付近では、酸素消費構造物61によって酸素がよく消費
される。両室25a・25bの水深が増すことでこれ
らの下部領域が水面から遠ざかり、そこに外気が到達し
なくなる。かかる両室25a・25bの下部では嫌気性
菌がよく働き、すでに低BOD値となった排水中の窒素
などが嫌気性菌で分解除去される。図1・図2を参照し
て、間欠的に発生した排水は左側の排水管11から排水
処理槽21内に流入し、前室25a→下部開口27→後
室25bを経て右側の排水管11へと流出する。すなわ
ち排水処理槽21では、後室25bの水位が流出側(右
側)排水管11のレベルに達した後、つぎの排水が前室
25a内に流れ込んだときに、その流入排水量に対応し
た量の排水が後室25b内から流出側(右側)排水管1
1へと流れ出る。このように流動する排水は、流入側排
水管路11内や前室25a上部での好気性微生物処理、
および、前室25a下部や後室25b下部での嫌気性微
生物処理、および、後室25b上部や流出側排水管路1
1内での好気性微生物処理によって高度に浄化される。
複数の排水処理槽21が排水管路11の各所に介在され
た図3の装置でも各排水処理槽21ごとに上記のような
排水処理がなされる。このケースにおいて、前後に隣接
した二つの排水処理槽21間にわたる排水管路11は、
前段の排水処理槽21に対して流出側となり、後段の排
水処理槽に対して流出側となる。
【0023】上記のような排水処理槽21では、前室2
5aや後室25bの下部に堆積する汚泥の量が排水処理
量に比例して増加する。こうした汚泥は定期的に除去す
ることを要する。これに際しては汚泥抜取管41の蓋4
4を外した後、吐出口43にバキュームホースを接続し
て汚泥の吸引を開始する。こうした場合、前室25aや
後室25bの下部に堆積している汚泥は、これら両室に
通じる吸引口42から汚泥抜取管41内に吸引され、吐
出口43からバキュームホース内に流れ込んで汚泥回収
用のタンクに回収される。
【0024】本発明に係る排水処理装置の実施形態につ
いて、つぎに図4に例示されたものを説明する。
【0025】図4に例示された装置の排水処理槽21は
槽内が三つの仕切壁31x・31y・31zで区画され
たものである。したがって排水処理槽21の内部には四
つの室26a・26b・26c・26dがある。各仕切
壁31x・31y・31zのうちで、二つの仕切壁31
x・31zは既述の汚泥抜取管41を有しており、これ
ら仕切壁31x・31zの下に下部開口27x・27z
がある。これに対して、他の一つの仕切壁31yには汚
泥抜取管41がなく、仕切壁31yの上に上部開口27
yがある。すなわちこれらは、各室26a・26b・2
6c・26dを連通するための下部開口27x・27z
や上部開口27yが一番目から最終番目までの室の各境
界部に交互形成されているということである。図4の排
水処理槽21では、第一室26aと第二室26bとが下
部開口27xを介して連通しており、第二室26bと第
三室26cとが上部開口27yを介して連通しており、
さらに第三室26cと第四室26dとが下部開口27z
を介して連通しているから、流入側排水管路11→第一
室26a→下部開口27x→第二室26b→上部開口2
7y→第三室26c→下部開口27z→第四室26d→
流出側排水管路11という排水の流れる経路が成立して
いる。第一室26a内と第四室26d内には、酸素消費
構造物61を支持した既述の浮蓋51が前例と同様に配
置されている。第二室26bや第三室26cの内部にも
酸素消費構造物61付きの浮蓋51が配置されてよい
が、中間の両室26b・26cは外気の到達しがたい領
域であるから、通常はそのようにしない。図4の装置に
おいて説明を省略した技術的事項は、図1〜図3で説明
した内容と実質的に同じかそれに準ずるものである。
【0026】本発明に係る排水処理装置として図4に例
示されたものは、前述した排水を以下のようにして浄化
処理する。
【0027】図4に例示された装置の場合、流入側排水
管路11→第一室26a→下部開口27x→第二室26
b→上部開口27y→第三室26c→下部開口27z→
第四室26d→流出側排水管路11の経路で排水が流れ
る。これは前記装置(図1・図2)との比較で第一室2
6aを前室25a、第四室26dを後室25bとみなし
た場合に、第二室26bと第三室26cが増設されてい
ることになる。この増設された二つの室26b・26c
は外気の到達しがたい領域であるから嫌気性微生物のよ
く繁殖する排水処理領域となる。また、両室26b・2
6c内では上部よりも下部にそのような特徴がよく顕れ
る。
【0028】図4において上記の経路を流れる排水は、
はじめ、流入側排水管路11内や第一室26aの上部側
において好気性微生物により処理され、つぎに、第一室
26aの下部と第二室26bの内部と第三室26cの内
部と第四室26dの下部側において嫌気性微生物により
処理され、その後、第四室26dの上部側や流出側排水
管路11内において好気性微生物により処理される。か
くて排水は高度に浄化される。とくに図4の装置は、嫌
気性の二室26b・26cが増設されているから、これ
らに依存した排水の処理効果が高い。
【0029】
【発明の効果】本発明に係る排水処理装置は、以下に述
べるような効果を有する。
【0030】排水は流入側排水管路→排水処理槽の内部
→流出側排水管路を流れる間に好気状態と嫌気状態とを
繰り返し、排水中の雑多な汚染物質が好気性菌・嫌気性
菌・脱窒菌・その他の微生物で水質汚染物質を効率よく
分解除去されるのであるから、処理水のBOD値が低下
するだけでなく脱窒や脱燐の度合いも向上する。それで
清澄になった処理水が河川・湖沼・海域などへ放流され
るのであるから、水域の水質汚染が起こりがたくなる。
【0031】有用微生物を繁殖させるための好気性雰囲
気や嫌気性雰囲気は、排水処理槽だけでなく排水管路を
も利用してつくる。それに主たる排水処理槽も槽内を仕
切壁で区画するだけでよい。したがって装置構成が簡
潔、装置コストが低額、運転費も不要で保守管理のため
の費用もほとんど掛からないという条件を満たす。排水
処理槽は、また、構成が簡潔であることに依存してを幅
の小さい縦型構造にすることができ、容量の確保につい
ては槽の深さや長さを大きくすることで対処できる。こ
うした排水処理槽は正方形のような設置スペースを要せ
ず、管埋設の場合と同じく細幅の土地でも楽に設置でき
る。したがって排水管路が埋設できる程度を少し上回る
スペースがあれば、ほとんどの場合に設備が可能にな
る。このような特徴がある場合は、排水処理装置が広域
的に普及することが期待でき、それによって水系の保安
・保全がより一層高まる。
【0032】浮蓋が排水処理槽内に配置されているもの
は、槽内の特定部分を嫌気性雰囲気に保持するのが容易
に行える。それに浮蓋には、これの支持手段を要しない
という構造上の利点もある。
【0033】排水処理槽の上部外側から排水処理槽内の
底部にわたり挿入された汚泥抜取管が仕切壁と一体化さ
れており、汚泥抜取管の下端にある吸引口が排水処理槽
内の二室に連通しているものは、単一の汚泥抜取管が二
室に対応するという点で望まし。仕切壁と一体化されて
いる汚泥抜取管は、また、浮蓋が上下動するときの障害
物にもならない。
【0034】酸素消費構造物が浮蓋により支持されて排
水処理槽内に配置されているものは、これを利用した好
気性微生物の繁殖によって排水中の酸素を消費すること
ができ、それが嫌気性雰囲気をつくる上で大いに役立
つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一実施形態を略示した横断平面図
である。
【図2】本発明装置の一実施形態を略示した縦断正面図
である。
【図3】本発明装置について複数の排水処理槽を具備し
たものを略示した正面図である。
【図4】本発明装置の他の一実施形態を略示した縦断正
面図である。
【符号の説明】
11 排水管路 21 排水処理槽 22 蓋 23 接続口 24 接続口 25a 前室 25b 後室 26a 第一室 26b 第二室 26c 第三室 26d 第四室 27 下部開口 27x 下部開口 27y 上部開口 27z 下部開口 28 流通間隙 31 仕切壁 31x 仕切壁 31y 仕切壁 31z 仕切壁 41 汚泥抜取管 42 汚泥抜取管の吸引口 51 浮蓋 61 酸素消費構造物 G 地表

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】嫌気性の排水処理領域を下部に有する排水
    処理槽が排水管路中に介在されていること、および、上
    下方向に沿う仕切壁を介して排水処理槽の内部が前室と
    後室に区画されていること、および、これら両室を連通
    するための下部開口が当該両室の境界部に形成されてい
    ることを特徴とする排水処理装置。
  2. 【請求項2】嫌気性の排水処理領域を下部に有する排水
    処理槽が排水管路中に介在されていること、および、上
    下方向に沿う仕切壁を介して排水処理槽の内部が相対的
    に前後する三つ以上の室に区画されていること、およ
    び、これら各室を連通するための下部開口と上部開口が
    一番目から最終番目までの室の各境界部に交互形成され
    ていることを特徴とする排水処理装置。
  3. 【請求項3】浮蓋が排水処理槽内に配置されているとと
    もに上下方向に沿う流通間隙を残して浮蓋が排水処理槽
    の内部を上下に区画している請求項1または2記載の排
    水処理装置。
  4. 【請求項4】排水処理槽の上部外側から排水処理槽内の
    底部にわたり挿入された汚泥抜取管が仕切壁と一体化さ
    れており、汚泥抜取管の下端にある吸引口が排水処理槽
    内の二室に連通している請求項1または2記載の排水処
    理装置。
  5. 【請求項5】酸素消費構造物が浮蓋により支持されて排
    水処理槽内に配置されている請求項3記載の排水処理装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105084543A (zh) * 2015-09-02 2015-11-25 重庆耐德机械设备有限公司 一种新型一体化污水处理装置及其制造工艺

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