JP2001009077A - ゴルフスイング練習具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダウンスイングのみならずテークバック時の
速さまでもチェックすることができるようにする。 【解決手段】 シャフト２の所定位置に永久磁石を有す
るベース部５が固定されているとともに、そのベース部
５と疑似ヘッド４との間に、非スイング時には永久磁石
の磁力によりベース部５側に保持可能であり、ダウンス
イング時の所定の遠心力によりベース部５から離れて疑
似ヘッド４側に移動するインパクト分銅６が設けられて
いるゴルフスイング練習具において、インパクト分銅６
と疑似ヘッド４との間に、非スイング時には永久磁石の
磁力によりインパクト分銅６とともにベース部５側に保
持可能であり、テークバック時の所定の遠心力によりベ
ース部５側から離れて疑似ヘッド４側に移動するテーク
バック分銅７を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はゴルフのスイング練
習具であって、さらに詳しくいうと、ダウンスイング時
のみならずテークバック時の腕の振り方を体得すること
ができるゴルフスイング練習具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ゴルフ技術を上達する上での基本は、正
確なスイングの体得にあると言われている。ゴルフスイ
ングを自宅で練習したい人は多くいると思われるが、現
在の住宅事情などからして、家庭内もしくは庭先で長い
クラブを振り回すことは困難であるばかりでなく、危険
でもある。

【０００３】そこで、自宅などの狭い場所でも比較的手
軽にゴルフのスイング練習ができるスイング練習具が種
々提案されている。その基本的な形態としては、シャフ
トを例えば膝丈ほどの長さとし、その一端にグリップを
設け、他端にはバランスをとるため所定重量の疑似ヘッ
ドを固着した構成が採用されている。

【０００４】すなわち、ドライバーを短寸にしたもので
あるが、より趣向を凝らして、適正なインパクト感を擬
似的に得られるようにするためにインパクト分銅を備え
たものもすでに提案されている。

【０００５】この従来例においては、シャフトの所定部
位に永久磁石を有するベース部を固定するとともに、そ
のベース部と疑似ヘッドとの間に、非スイング時には永
久磁石の磁力によりベース部側に保持可能であり、ダウ
ンスイング時の所定の遠心力によりベース部から離れて
疑似ヘッド側に移動するインパクト分銅を設けるように
している。

【０００６】ゴルフスイングは、テークバックから始ま
り、ダウンスイング、インパクトそしてフォロースルー
となるが、インパクト時にゴルフクラブのヘッドに最大
荷重がかかるようにすることが重要である。

【０００７】したがって、上記従来例においては、永久
磁石のインパクト分銅に対する磁気吸着力を、インパク
ト時にインパクト分銅に掛けられる遠心力よりも若干弱
めに設定するようにしている。

【０００８】これによれば、練習者がインパクト動作に
入ったときに、インパクト分銅がベース部から離れるか
どうかによって適正なスイングがどうかを判断すること
ができる。ちなみに、インパクト分銅がベース部から離
れて疑似ヘッドに当接する際に「カチン」という金属音
が発生するが、この金属音の有無によりインパクト動作
が適正かどうかを知ることができる。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゴルフ
スイングはあくまで一連の動作であって、適正なダウン
スイング、インパクトを得るためには、テークバック
（始動）の動きも重要である。

【００１０】一般的な傾向として、ヘッドスピードを速
めようとすると、それに連れてテークバックも速くなっ
て、ダウンスイング時に体が開いてしまい、スライスボ
ールになりがちとなる。上記従来例では、テークバック
の速さまではチェックできない。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであって、その目的は、ダウ
ンスイングのみならずテークバック時の速さまでもチェ
ックすることができるようにしたゴルフスイング練習具
を提供することにある。

【００１２】上記目的を達成するため、本発明は、一端
に手で把持されるグリップを備え、他端に所定重量の疑
似ヘッドが取り付けられているシャフトを有し、上記シ
ャフトの所定位置には永久磁石を有するベース部が固定
されているとともに、上記ベース部と上記疑似ヘッドと
の間には、非スイング時には上記永久磁石の磁力により
上記ベース部側に保持可能であり、ダウンスイング時の
所定の遠心力により上記ベース部から離れて上記疑似ヘ
ッド側に移動するインパクト分銅が設けられているゴル
フスイング練習具において、上記インパクト分銅と上記
疑似ヘッドとの間には、非スイング時には上記永久磁石
の磁力により上記インパクト分銅とともに上記ベース部
側に保持可能であり、テークバック時の所定の遠心力に
より上記ベース部側から離れて上記疑似ヘッド側に移動
するテークバック分銅が設けられていることを特徴とし
ている。

【００１３】本発明の好ましい態様によれば、上記永久
磁石の上記インパクト分銅に対する磁気吸着力をＨ１と
し、上記永久磁石の上記テークバック分銅に対する磁気
吸着力をＨ２とすると、Ｈ１＞Ｈ２とされる。

【００１４】この構成によれば、テークバックが速すぎ
ると、その遠心力によりテークバック分銅がベース部側
から離れて疑似ヘッド側に移動する。したがって、練習
者はテークバック分銅がベース部側から離れないように
心がけてテークバックを行なうことにより、適正なスイ
ングを体得することができる。

【００１５】また、上記永久磁石の上記インパクト分銅
に対する磁気吸着力をＨ１とし、ダウンスイング時に上
記インパクト分銅に掛けられる遠心力をＦとして、上記
シャフトに、Ｆ＞Ｗを満足するヘッドスピードが得られ
る位置に上記ベース部を固定するための目盛が設けられ
ていることが好ましい。

【００１６】インパクト時のヘッドスピードが遅い人は
ベース部を疑似ヘッドに近い位置（例えば、３０ｍ／ｈ
の目盛位置）に固定し、ヘッドスピードが速い人は反対
にベース部を疑似ヘッドから遠い位置（例えば、４０ｍ
／ｈの目盛位置）に固定する。そして、実際にスイング
してインパクト分銅がベース部から離れるか、離れない
かによって、練習者は自分のヘッドスピードを知ること
ができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。図１は、本発明の実
施例に係るゴルフスイング練習具の正面図であって、ア
ドレス位置にあるときの状態が示されている。

【００１８】これによると、このゴルフスイング練習具
１は、１本のシャフト２と、このシャフト２の上端に固
定されたゴム製のグリップ３と、シャフト２の下端に固
定された所定重量を有する好ましくは金属材からなる疑
似ヘッド４とを備えている。

【００１９】シャフト２には、永久磁石を有するベース
部５が設けられている。この実施例において、ベース部
５はシャフト２に対してスライド可能に挿通される円筒
体からなり、その側面には半径方向に出没する固定ネジ
５１が設けられている。

【００２０】すなわち、固定ネジ５１を緩めることによ
りベース部５は任意の位置に移動可能で、固定ネジ５１
を締め付けることによりその位置に強固に固定される。
この実施例では図示されていないが、ベース部５にはワ
ッシャ状の永久磁石が付設されている。なお、ベース部
５はその全体が永久磁石から形成されていてもよい。

【００２１】このベース部５と疑似ヘッド４の間には、
インパクト分銅６がシャフト２に沿ってスライド可能に
取り付けられている。インパクト分銅６は円筒状の磁性
体からなり、非スイング時には永久磁石の磁力によりベ
ース部５側に保持される。

【００２２】また、インパクト分銅６と疑似ヘッド４の
間には、テークバック分銅７がシャフト２に沿ってスラ
イド可能に取り付けられている。テークバック分銅７は
ワッシャ状の磁性体からなり、非スイング時には永久磁
石の磁力によりベース部５側に保持される。

【００２３】ただし、テークバック分銅７とベース部５
との間にはインパクト分銅６が存在するため、永久磁石
のインパクト分銅６に対する磁気吸着力をＨ１とし、永
久磁石のテークバック分銅７に対する磁気吸着力をＨ２
とすると、Ｈ１＞Ｈ２とされる。

【００２４】すなわち、永久磁石のテークバック分銅７
に対する磁気吸着力Ｈ２は、テークバックが速い速度で
行なわれたときに、その遠心力によりテークバック分銅
７がベース部５側から離れるような値とされる。

【００２５】したがって、永久磁石のテークバック分銅
７に対する磁気吸着力Ｈ２は、永久磁石のインパクト分
銅６に対する磁気吸着力Ｈ１よりも小さいことが条件と
されるが、例えばテークバック分銅７の材質をインパク
ト分銅６よりも弱磁性体として、Ｈ２＜＜Ｈ１としても
よい。

【００２６】シャフト２はスチール製もしくはカーボン
製などいずれであってもよいが、この実施例では、シャ
フト２にはダウンスイング時におけるヘッドスピードの
指標となる目盛２１が設けられている。

【００２７】この場合、目盛２１は溝状に形成されてお
り、ベース部５の固定ネジ５１の先端をその溝内に食い
込ませることにより、ベース部５が確実に固定できるよ
うになされている。

【００２８】また、グリップ３はゴム材よりなり、図１
には作図の都合上、単純な棒状体として示されている
が、実際には、手指を正確な握り方とするための溝が形
成されている。なお、これ以外にも一般的に販売されて
いる汎用グリップなどを適宜選択して取り付けてもよ
い。さらに、疑似ヘッド４は、男性用、女性用などの仕
様に応じてその重量を調節できるように取り外し可能や
分割して取り付けることも可能である。

【００２９】このゴルフスイング練習具１を使用するに
あたっては、まず、ベース部５のネジ５１を緩めてベー
ス部５を移動させ、所定の目盛２１上に合わせるように
して固定する。すなわち、ヘッドスピードが遅い人は疑
似ヘッド４に近い側の目盛２１を選択し、ヘッドスピー
ドが速い人はグリップ３に近い側の目盛２１を選択する
ことになる。

【００３０】次に、インパクト分銅６およびテークバッ
ク分銅７をベース部５側にスライドさせて、その両分銅
６，７をともにベース部６の永久磁石に磁気的に吸着保
持させる。そして、アドレス状態に入り、床面にゴルフ
ボールがあることを想定してスイング動作を行なう。

【００３１】すなわち、テークバック→ダウンスイング
→インパクト→フォロースルーの各動作を一連に行なう
ことになるが、図２に示されているように、矢印８方向
にテークバックを行なう際のテークバック速度が速すぎ
ると、その遠心力により永久磁石による磁気吸着力が打
ち負かされ、テークバック分銅７がベース部５側から離
れて疑似ヘッド４方向にスライドすることになる。

【００３２】これにより、練習者はテークバックが速す
ぎることを知ることができる。したがって、練習者はテ
ークバック分銅７が疑似ヘッド４側にスライドしないよ
うに、テークバックをゆっくりと行なうように心がける
ことができる。

【００３３】テークバック後に、図３の矢印９に示され
ているように、ダウンスイングに入る。ここで、ダウン
スイング時にインパクト分銅６に係る遠心力をＦとする
と、その遠心力Ｆが永久磁石のインパクト分銅６に対す
る磁気吸着力Ｈ１よりも大きくなった時点（Ｆ＞Ｈ１）
で、インパクト分銅６がテークバック分銅７を伴なって
ベース部５側から離れて疑似ヘッド４に衝突し、「カチ
ン」という金属音が発生する。

【００３４】この金属音がインパクト位置（アドレス位
置）で発生すれば、正しい打ち方ということになる。こ
れに対して、インパクト位置の手前やその後方で金属音
が発生する場合には、タイミングがずれていることにな
る。また、金属音が発生しない場合には、ヘッドスピー
ド不足ということになる。

【００３５】以上本発明を具体的な実施例により説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではない。例え
ば、疑似ヘッド４をシャフト２に対して位置調整可能に
取り付けるようにしてもよい。また、疑似ヘッド４を合
成樹脂製としてもよい。

【００３６】さらには、ベース部５の永久磁石によるテ
ークバック分銅７の磁気的吸着力をきわめて弱いものと
し、これを補うため、例えばインパクト分銅６とテーク
バック分銅７の対向面を鏡面仕上げとして吸着力を高め
たり、もしくはインパクト分銅６とテークバック分銅７
の対向面間に粘着力がきわめて弱い粘着材を塗布するよ
うにしてもよい。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
シャフトの所定位置に永久磁石を有するベース部が固定
されているとともに、そのベース部と疑似ヘッドとの間
に、非スイング時には永久磁石の磁力によりベース部側
に保持可能であり、ダウンスイング時の所定の遠心力に
よりベース部から離れて疑似ヘッド側に移動するインパ
クト分銅が設けられているゴルフスイング練習具におい
て、インパクト分銅と疑似ヘッドとの間に、非スイング
時には永久磁石の磁力によりインパクト分銅とともにベ
ース部側に保持可能であり、テークバック時の所定の遠
心力によりベース部側から離れて疑似ヘッド側に移動す
るテークバック分銅を設けたことにより、ダウンスイン
グのみならずテークバック時の速さまでもチェックする
ことができるゴルフスイング練習具が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るゴルフスイング練習具の
正面図。

【図２】上記ゴルフスイング練習具のテークバック時の
動作を説明するための模式図。

【図３】上記ゴルフスイング練習具のダウンスイング時
の動作を説明するための模式図。

【符号の説明】

１ ゴルフスイング練習具 ２ シャフト ２１ 目盛 ３ グリップ ４ 疑似ヘッド ５ ベース部 ６ インパクト分銅 ７ テークバック分銅

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端に手で把持されるグリップを備え、
   他端に所定重量の疑似ヘッドが取り付けられているシャ
   フトを有し、上記シャフトの所定位置には永久磁石を有
   するベース部が固定されているとともに、上記ベース部
   と上記疑似ヘッドとの間には、非スイング時には上記永
   久磁石の磁力により上記ベース部側に保持可能であり、
   ダウンスイング時の所定の遠心力により上記ベース部か
   ら離れて上記疑似ヘッド側に移動するインパクト分銅が
   設けられているゴルフスイング練習具において、 上記インパクト分銅と上記疑似ヘッドとの間には、非ス
   イング時には上記永久磁石の磁力により上記インパクト
   分銅とともに上記ベース部側に保持可能であり、テーク
   バック時の所定の遠心力により上記ベース部側から離れ
   て上記疑似ヘッド側に移動するテークバック分銅が設け
   られていることを特徴とするゴルフスイング練習具。
2. 【請求項２】 上記永久磁石の上記インパクト分銅に対
   する磁気吸着力をＨ１とし、上記永久磁石の上記テーク
   バック分銅に対する磁気吸着力をＨ２として、Ｈ１＞Ｈ
   ２とされていることを特徴とする請求項１に記載のゴル
   フスイング練習具。
3. 【請求項３】 上記永久磁石の上記インパクト分銅に対
   する磁気吸着力をＨ１とし、ダウンスイング時に上記イ
   ンパクト分銅に掛けられる遠心力をＦとして、上記シャ
   フトには、Ｆ＞Ｗを満足するヘッドスピードが得られる
   位置に上記ベース部を固定するための目盛が設けられて
   いることを特徴とする請求項１または２に記載のゴルフ
   スイング練習具。