JP2001008915A - 脳波データ収集装置 - Google Patents

脳波データ収集装置

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JP2001008915A JP11182389A JP18238999A JP2001008915A JP 2001008915 A JP2001008915 A JP 2001008915A JP 11182389 A JP11182389 A JP 11182389A JP 18238999 A JP18238999 A JP 18238999A JP 2001008915 A JP2001008915 A JP 2001008915A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レム睡眠中における脳波を高周波まで計測でき
るようにした脳波データ取得装置の提供 【解決手段】脳波や筋電図(EMG)、眼電図(EO
G)を採集するための電極やセンサー11〜20からの
信号は、増幅器41を介して、A/D変換器42におい
て、サンプリング制御部44からの定まったサンプリン
グ・レートでデジタル・データに変換されて、波形記憶
部43に記憶される。これらの動作は情報処理部45に
より制御されている。波形記憶部43に記憶されている
波形データは、例えば、インターフェース部46を介し
て、波形データとして、記録部でプリントアウトされ
る。サンプリング制御部は、筋電図(EMG)からのデ
ータがフラットとなり、レム睡眠であることを検出され
ると、サンプリング・レートを高くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人間の脳波を観測
するために、脳波データを収集する脳波データ収集装置
に関するものである。
【0002】人間の脳波を測定する場合、0.5−4.
0Hzのδ帯域、4.0−8.0Hzのθ帯域、8.0−1
3.0Hzのα帯域、13.0−30.0Hzのβ帯域、こ
れら4帯域で計測することが一般的に行われている。こ
うした低周波域で脳波の計測が行われている理由のひと
つは、脳波はシナプス電位などの緩徐な成分の集合電位
であり、活動電位の速い成分は脳波のノイズ成分を構成
するものとの信念が広く行き渡っているからである。ま
た、脳波電極に混入してくる頭部筋電図成分の存在も、
脳波の定義域が低周波域に限定されている大きな理由で
ある。最近、認知心理学の分野では課題の遂行との関連
で40Hz帯域のγ振動が注目されはじめているが、この
場合も筋電図の混入は大きな問題となっている[Pivik,
R.T.et al "Guideline for recording and quantitati
ve analysis of electroencephalographic activity in
research contexts"Cambridge University Press 1993
P547-r 脚注]。したがって、いわゆる自発脳波の計
測では、相変わらず上述の30Hz以下に関心が集中して
いるのである。筋電図は、脳波の帯域を含む少なくとも
数100Hzに及ぶ帯域の信号を含む。したがって、脳波
記録は如何に筋電図の混入を防ぐかという問題との対決
でもあるといえる。国際臨床脳波学会(IFCN)が199
4年に定めたガイドラインでは、脳波は、0.1Hz〜6
0−70Hzの帯域を扱うとしている。このガイドライン
によれば、単にデータを蓄えるだけならば、最小サンプ
リング・レートは200 サンプル/秒/チャンネル,
10ビット分解能/サンプルで2.0μ5以下の分解能
であれば許容されるとしている。
【0003】周波数分析をするならば、12〜14ビッ
ト分解能/サンプルで0.5μ5以下の分解能であるこ
とが望ましいとしているが、とくにサンプリング速度に
ついて条件をつけていない。さらに、このガイドライン
では、誘発電位(evoked potentials:EPs)の解析の為
には、サンプリング速度は2kHz以上である必要がある
としている。この記述は刺激に対する誘発電位のよう
に、ニューロンの集合が同期的に振舞っている場合には
自発脳波といえども、その高周波帯域に意味があること
を示唆している。
【0004】睡眠時の自発脳波をスペクトル解析し、δ
帯域とβ帯域の平均パワーがノンレム睡眠期とレム睡眠
期において相反的に変動していることを示した論文が内
田らにより発表されているが、その場合、アンチエイリ
アシング・フィルタは40Hz、サンプリング周波数は8
0Hzを採用している。扱っている問題が、β帯域の、パ
ワーの平均値の長時間ダイナミクスであるから、80Hz
サンプリングでも十分であろうが、個々の周波数の脳波
の波形を見ようとすれば、80Hzの標本化速度では不十
分であることは、容易に想像される。前記ガイドライン
が200サンプル/秒/チャンネルという条件を課して
いることからも、このことは理解されよう。ここで考え
てみるに、脳では神経細胞すなわちニューロンが、持続
時間約1ms、振幅約100mVの活動電位を出しているこ
とはまぎれもない事実である。したがって、活動電位の
集合電位が頭皮上から観測されないということはあり得
ないし、それが上述のようにノイズ成分であるとは信じ
られない。特に、ニューロンが同期的に発火している時
には、頭皮上にそれらの集合電位が現れているはずであ
る。したがって、何らかの方法で筋電図さえ抑制するこ
とができれば、30Hz以上の広い帯域に渡って存在する
脳波が観測されるであろう。理論的には、10−20kH
zまでの現象が対象になる。脳波の高周波サンプリング
を可能とする脳波計が必要となる理由である。
【0005】覚醒時の筋電図を抑制する方法について
は、さまざまな方法が考えられているが、少なくともベ
ッド上で仰臥位の状態にして脳波記録をすることは常識
である。宇宙における無重力状態では抗重力筋の活動は
完全に抑制されるから理想的条件が達成される。つま
り、脳波の高周波サンプリングは宇宙において有意義と
なるであろう。したがって、覚醒時の脳機能の研究は宇
宙で行う時代がやってくることが予想される。このこと
に気がついている神経科学者は、あまりいないようであ
る。
【0006】さて、筋電図が抑制される可能性のある睡
眠時を考えてみる。ノンレム睡眠時には筋電図活動が残
っているが、レム睡眠時には、抗重力筋の活動は宇宙に
おけると同様に停止する。このことは、脳自体がもつ調
節機構によることが明らかになっている。したがって、
このことは、脳自体がもつ調節機構によることが明らか
になっている。レム睡眠時に頭皮上から記録される脳波
の高周波成分は、筋電図のコンタミネーションを受ける
ことなく、純粋に脳内のプロセスを反映していると見ら
れる。一方、動物実験でレム睡眠時の多くの大脳皮質や
視床ニューロンは覚醒時に勝る頻度の活動をしており、
しかも1/fゆらぎしている。かつ、そうした1/fゆ
らぎが脳内に存在するアミン系からの解放とコリン系に
よる脱抑制と興奮作用によって生じていることも証明さ
れつつある。したがってレム睡眠時の脳波の高周波成分
には、生理学的に意味のある脳内プロセスが反映してい
る可能性が大である。レム睡眠時の脳波は、Rechtschaf
fenとKalesによると、「比較的低電位でさまぎまな周波
数の脳波」からなるといわれている。これは、ペンレコ
ード上でみた1960年代の記述であり、高々30Hzの
帯域の脳波についての定義であると考えるのが常識であ
る。しかし、前記動物実験の結果より、脳波の高周波サ
ンプリングをすれば、より高い周波数にわたってこの
「さまぎまな周波数の脳波」が見られる可能性がある。
【0007】レム睡眠時の脳波では、動物の脳内で証明
されているPGO波(ponto−geniculo-occipital waves)
がヒトにおいても観測されてしかるべきである。しかる
に、今日まで、この波をヒトで発見したという直接的な
証拠は挙がっていない。この波は動物では約100msの
持続時間を持つスパイク状の波であり、少なくとも50
0Hz程度以上の周波数成分を有していると見られる。こ
れは、脳波の高周波サンプリングが必要となる大きな理
由である。PGO波はレム睡眠時に脳幹の橋から発し、間
脳の外側膝状体を経由し、主として大脳皮質後頭葉に伝
わっていく波であり、夢見現象と密接な関係があるとさ
れている。したがって、この波がヒトで発見されると、
夢見に関連した医学や心理学の研究は大いに進むであろ
う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、レム睡眠
中の脳波の高周波成分を計測することは、従来は考えら
れていなかった。しかも、このレム睡眠中の脳波の高周
波成分を解明することにより、今までとは異なる睡眠中
の現象を解明する手がかりを得ることができる可能性が
あると思われる。このため、本発明の目的は、レム睡眠
中における脳波を高周波まで観測できるような脳波デー
タ収集装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、睡眠時の脳波データを取得する脳波デー
タ収集方法であって、レム睡眠の開始および終了を検出
し、レム睡眠の開始および終了を検出すると、脳波デー
タ等の収集を変化させることを特徴とする。これによ
り、レム睡眠中の脳波データ等を、他の状態のときとは
異なるように収集することができる。このための脳波デ
ータ収集装置は、脳波データ等を取得するための少なく
とも1つのデータ取得手段と、前記データ取得手段から
の信号をサンプリングして、デジタル・データに変換す
るA/D変換手段と、A/D変換手段からのデジタル・
データを記憶する記憶手段と、レム睡眠開始および終了
を検出するレム睡眠期検出手段と、前記A/D変換手段
のサンプリングを制御するサンプリング制御手段とを備
え、前記レム睡眠期検出手段からの出力により、脳波デ
ータ等の収集を変えることを特徴とする。
【0010】レム睡眠期検出は、筋電データおよび/又
は眼電図データを取得し、筋電図データがフラットとな
ることを検出することおよび/又は眼電データに急速眼
球運動を検出にすることにより行うことができる。ま
た、少なくともレム睡眠の開始および終了の時刻を記憶
することにより、レム睡眠の開始および終了の時刻や、
レム睡眠の時間等を知ることができる。脳波データ等の
収集の変化とは、前記レム睡眠期検出手段からの出力に
より、例えば、前記A/D変換手段のサンプリング・レ
ートをレム睡眠開始から終了まで高くすることができ
る。また、レム睡眠以外のデータ収集を停止すること
や、バッファを用意し、レム睡眠開始前の脳波データ等
も記憶することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を、図面を参照
して詳細に説明する。まず、本発明の観測対象である脳
波について説明する。図1は、25才正常な男子の睡眠
時における脳波の例である。図1(a)は覚醒〜段階1
ノンレム睡眠、図1(b)は段階4ノンレム睡眠、図1
(c)は段階レムの各段階における典型的な脳波を示し
ている。脳波は頭皮上の部位P3−A2間のものを示し
ている。参考として、EOG:眼球運動を示す眼電図、
EMG:抗重力筋の活動の指標としての顎の筋電図も合
わせて示している。
【0012】図1(a)では、脳波(P3−A2)の振
幅は低くなっているが、α波が残っており、睡眠への導
入部であることを示している。筋電図(EMG)も消失
していないことが分かる。図1(b)では、ノンレム睡
眠のうち、眠りが最も深いといわれる段階4を示してい
る。脳波(P3−A2)に高振幅徐波が出ているが、筋
電図(EMG)は消失していない。筋電図(EMG)に
よる脳波のコンタミネーションが否定できない。図1
(c)は、レム睡眠である。トニックな筋電図(EM
G)の完全な消失が見られる。脳波の所々にさまざまな
周波数のオシレーションが見られている。また眼電図
(EOG)にいわゆる急速眼球運動(レム)が見られ
る。
【0013】図2は、例えば25才正常な男子の一晩の
睡眠経過図(ヒプノグラム)の例である。縦軸に睡眠状
態として、覚醒(W)、ノンレム睡眠段階1〜4(S
1、S2、S3、S4)、レム睡眠(REM)をとり、
横軸に時刻をとっている。そして、被検者の睡眠の状態
として、上述の分類のいずれかにあてはめたものであ
る。図2からも分かるように、レム睡眠(REM)は一
晩に4、5回繰り返しており、睡眠全体中の約20%を
占めている。
【0014】このレム睡眠中において、高周波(例え
ば、500Hz)までの脳波を観察しようとすると、少な
くとも1kHzでサンプリングする必要がある。12ビッ
ト〜14ビットの波形データが1つのサンプリングで必
要なので、1つのサンプリング・データを記憶するため
には、2バイトのデータ分を用意する必要がある。睡眠
時間の10時間分を、例えば10チャンネルのデータ取
得で考えると、この波形データを格納するために必要な
メモリ容量Aは、以下のように計算することができる。
【数1】 このように、大量のデータを格納するための記憶装置が
必要となる。しかし、必要なのは、レム睡眠中の高周波
を観察できればよいので、他の状態のときは、通常の低
周波の脳波データのみ観察できればよい。
【0015】本発明は、レム睡眠中に高いサンプリング
・レートでデータを取得できる脳波データ収集装置であ
る。その構成を図3および図4を用いて説明する。図3
は、脳波のデータを収集できる脳波データ収集装置の構
成を示す。図3において、11〜20は、脳波や筋電図
(EMG)、眼電図(EOG)を採集するための電極や
センサーを示している。これらからの信号は、増幅器4
1を介して、A/D変換器42において、サンプリング
制御部44からの定まったサンプリング・レートでデジ
タル・データに変換されて、波形記憶部43に記憶され
る。これらの動作は情報処理部45により制御されてい
る。波形記憶部43に記憶されている波形データは、例
えば、インターフェース部46を介して、波形データと
して、記録部でプリントアウトされたり、また、表示部
(図示せず)で表示される。
【0016】図3で示されている脳波データ取得装置の
測定動作を図4のフローチャートで説明する。図4にお
いて、脳波データ取得装置の電源を投入すると、初期設
定を行う(S101)。そして、脳波等の測定を開始す
ると、データを取得するためにサンプリングを開始する
(S102)。ここで、レム睡眠のときは高いサンプリ
ング・レートで、その他の睡眠状態の時は通常のサンプ
リング・レートでデータを取得するよう制御するため
に、レム睡眠かどうかを判定する(S103)。例え
ば、図1で示されているように、筋電図(EMG)がフ
ラットであることや眼電図(EOG)に急速眼球運動が
見られることを検出して行う。これは、どちらか一方を
検出してもよい。レム睡眠である場合(S103でYE
S)は、高いサンプリング・レート(例えば1kHz)で
サンプリングを行い(S105)、データを取得する。
それ以外(S103でNO)では、通常のサンプリング
・レート(例えば200Hz)でサンプリングを行う(S
104)。この動作を、被検者の睡眠が終了し、サンプ
リングを中止するまで行う(S107)。それととも
に、少なくとも、レム睡眠開始および終了の時刻のデー
タも記録しておく。これは、例えば、レム睡眠であると
の状態フラグを用意しておき、そのフラグが変化したと
きに情報処理部45に備わっているタイマーから時刻を
読み取ることで実現することができる。勿論、データ取
得ごとに時刻データを記録してもよく、また、例えば
0.1秒ごとのように決まった時間ごとに記録してもよ
い。
【0017】このように構成することにより、波形記憶
部に必要な記憶容量A’は、少なくなる。例えば、レム
睡眠が全睡眠時間の20%であるとすると、次のように
なる。
【数2】 このように約1/3に、必要な記憶容量が減ることにな
る。しかも、少なくともレム睡眠開始および終了の時刻
も記録することができる。
【0018】図4のフローチャートで示した動作では、
レム睡眠以外のデータを取得しているが、レム睡眠以外
のデータ取得を停止してもよい。この場合、波形記憶部
43に必要な記憶容量はより少なくて済む。この場合に
おいても、少なくともレム睡眠開始および終了の時刻の
データも取得する。また、図3の波形記憶部43内にリ
ング・バッファ等のバッファを設け、高いサンプリング
・レートで脳波データ等を一定時間分(例えば、30秒
分)バッファに常時記憶しておく。レム睡眠開始が検出
されると、バッファ中のレム睡眠開始前の一定時間分の
脳波データ等とともに、レム睡眠開始後の脳波データ等
を波形記憶部43の例えばハード・ディスク等に格納す
る。レム睡眠終了が検出されると、脳波データ等は、ま
た一定時間分のみバッファに記憶する。この様な構成と
すると、レム睡眠期の脳波データ等とともに、レム睡眠
開始前の一定時間分の脳波データ等も格納することがで
きるので、後でこの部分の波形も観察することができ
る。これをレム睡眠終了後の一定時間分の脳波データ等
も波形記憶部内のハード・ディスク等に格納するような
構成としてもよい。
【0019】さて、このような脳波データ取得装置で取
得した脳波等の波形データを波形図としてプリントアウ
トした例を図5〜図7に示す。図5は、正常男子被験者
の、レム睡眠期1分間の6箇所の脳波、顎の筋電図、左
右眼電図を1kHzでサンプリングした波形図を示してい
る。上から前頭部左右脳波Fp1,Fp2,頭頂部左右脳波
C3,C4,後頭部左右脳波01,02,左耳朶A1,顎
の筋電図(EMG)、左右眼電図(EOG(L),EO
G(R))を示している。いずれも右耳朶A2を基準電
極にして記録してある。この図から、急速眼球運動が前
頭部脳波にも出ていること、眼球運動が出現していない
フェーズから脳波は全般に低振幅であることが分かる。
筋電図活動は全く停止していることが見られる。従って
脳波の振幅は小さいが、その中に含まれる高周波現象
は、純粋に脳内の神経細胞の活動を反映していると見ら
れる。
【0020】次にこの1分間の脳波を詳細に見てみる。
図6は、図5の後半部における10秒間の拡大図であ
る。特に眼電図に特徴的に見られるが、所々に小さくシ
ャープな波(以下x波と呼ぶ)が各チャンネルに共通し
て出ている様子が見られる。次にこのx波について詳細
な検討を行う。
【0021】図7は、各チャンネルに存在しているx波
の位相関係を見るために時間軸を更に拡大し、Fp1,Fp
2,C3,C4,01,02,A1,EMG,EOG(L),EOG
(R)の順に示したものである。前頭部脳波Fp1,Fp
2,それに眼電図に乗っているものEOG(L),EOG(R)
では正の極性を、また、頭頂部(C3,C4)から後頭部
(01,02)にかけては負の極性を示している。これ
は脳の深部に電圧ダイポールが存在していることを予想
させる。なお、この図7でも、顎に付けた電極から記録
されている筋電図(EMG)は脳波をコンタミネートして
いないことが分かる。また、格納されているデジタル化
された波形データを用いて、例えば、ウェーブレット変
換やフーリエ変換等の波形解析手法を用いて、さらに詳
しく解析することが可能である。
【0022】このように、サンプリング・レートをレム
睡眠において高くしているために、波形を詳細に検討す
ることができる。レム睡眠は、1953年にアセルンス
キーとクライトマンによって発見されたが、今日まで、
そのメカニズムと機能的意味についての定説は確立して
いない。特に、人のレム睡眠に関しては、脳内で起こっ
ている現象を直接観測することが出来ないので、未知な
点が多い。本発明により、ヒトの脳波の高周波成分に秘
められているレム睡眠特有の現象が次々と発見される可
能性が多大である。レム睡眠特有の現象が発見されれ
ば、それを色々な病態(鬱病、ナルコレプシー、睡眠時
無呼吸等をはじめとする各種の精神神経疾患)において
追跡することにより、その治療法を見い出すことが出来
るようになり、その医学産業における効果は絶大であ
る。
【0023】
【発明の効果】上述したように、本発明の脳波データ収
集装置を用いることで、レム睡眠中の波形を詳細に解析
することが可能となる。しかも、必要な記憶装置の容量
も少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】各状態の時の脳波等を説明する図である。
【図2】睡眠中の状態の変化を説明する図である。
【図3】脳波データ収集装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】脳波データ収集装置の動作を示すフローチャー
トである。
【図5】脳波データで収集したレム睡眠中のデータを示
す波形図である。
【図6】波形図の拡大図である。
【図7】波形図のさらなる拡大図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脳波データ収集装置であって、 脳波データ等を取得するための少なくとも1つのデータ
    取得手段と、 前記データ取得手段からの信号をサンプリングして、デ
    ジタル・データに変換するA/D変換手段と、 A/D変換手段からのデジタル・データを記憶する記憶
    手段と、 レム睡眠開始および終了を検出するレム睡眠期検出手段
    と、 前記A/D変換手段のサンプリングを制御するサンプリ
    ング制御手段とを備え、 前記レム睡眠期検出手段からの出力により、前記脳波デ
    ータ等の収集を変えることを特徴とする脳波データ収集
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の脳波データ収集装置にお
    いて、 前記データ取得手段は、筋電データおよび/または眼電
    図データを取得しており、前記レム睡眠期検出手段は、
    筋電データがフラットとなることを検出することおよび
    /又は眼電図データの急速眼球運動を検出することによ
    り行うことを特徴とする脳波データ収集装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の脳波データ収集装
    置において、少なくとも、レム睡眠の開始および終了の
    時刻を記憶することを特徴とする脳波データ収集装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の脳波データ
    収集装置において、前記サンプリング制御手段は、前記
    レム睡眠期検出手段からの出力により、前記A/D変換
    手段のサンプリング・レートをレム睡眠開始から終了ま
    で高くすることを特徴とする脳波データ収集装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3いずれか記載の脳波データ
    収集装置において、前記サンプリング制御手段は、前記
    レム睡眠期検出手段からの出力により、レム睡眠以外の
    データ収集を停止することを特徴とする脳波データ収集
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3記載の脳波データ収集装置
    において、 前記A/D変換手段からのデジタル・データを記憶する
    記憶手段は、一定期間の取得データを格納できるバッフ
    ァ記憶手段を有し、 前記レム睡眠期検出手段がレム睡眠の開始を検出する
    と、レム睡眠開始前の前記バッファ記憶手段に記憶され
    ている脳波データ等ともに、レム睡眠期の脳波データ等
    を前記記憶手段に記憶することを特徴とする脳波データ
    収集装置。
  7. 【請求項7】 睡眠時の脳波データを取得する脳波デー
    タ収集方法であって、 レム睡眠の開始および終了を検出し、 レム睡眠の開始および終了を検出すると、脳波データ等
    の収集を変化させることを特徴とする脳波データ収集方
    法。
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