JP2001003214A - 肩紐接続具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 肩紐の接続具を左右方向に回動自在とする
ことで、肩紐の角度を最も着用感のよい角度に自在調整
できると共に、肩紐を見えない角度にしたり、ズレにく
くすることのできる肩紐接続具を提供すること。 【解決手段】 本発明に係る肩紐接続具は、カップ布
１５と肩紐１１を接続する接続具であって、肩紐１１を
左右方向にスライドできるように接続具１を回動自在に
構成してなる肩紐接続具。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ブラジャー、ブラ
スリップ、ボディスーツ等のファンデーションやレオタ
ードおよび水着などに取り付けられている肩紐を横方向
にスライドできる肩紐接続具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、女性用下着の代表的な一つであ
るブラジャーは、通常、左右一対のカップ布の上端部と
バック布の上端部とを連結する肩紐が一体的に取り付け
られている。すなわち、その取り付け部は、図１１に示
すように、カップ布２１の上端に縫い付けられた短テー
プ２２に連結環２３を取付け、その連結環２３に一端を
バック布(図示せず)に縫着した肩紐２４の他端を通して
折り返し、その端部を肩紐２４の長さ調整具２５に止着
されており、連結環２３が接続具になっている。

【０００３】そのため、肩紐２４の長さ調整はできて
も、肩紐２４の角度調整をすることはできないため、カ
ップ布２１からバック布にかけて略垂直の状態で繋がっ
ており、着用者の肩の形状によっては着用時や肩を動か
した時に違和感を生じることがあり、肩紐角度の変更が
できないので着け心地が悪かった。

【０００４】仮に、無理に肩紐の角度を調整した場合に
は、肩紐や取付け部に捩じれや引っ張りが生じ、ブラジ
ャー自体の形状を損なうおそれがあり、ブラジャー本来
の持つ機能である保形の効果が達成できないばかりでな
く、肩への負担が強くなり着用感が悪いと言う問題があ
った。

【０００５】また、別のタイプのものとして肩紐が着脱
可能なストラップ式のブラジャーもあるが、このタイプ
の場合でも、肩紐はカップ布の上部およびバック布の上
部に取り付けられたフックと係止するフック掛け部が所
定の決められた位置に縫着されていることから、肩紐の
長さは調整できても、決められた角度以外には角度調整
できなかった。

【０００６】ブラジャーの使用者は、それぞれの体格が
異なりバストの位置や大きさ等に個人差があることか
ら、使用者にとっては購入後の着用を経てはじめてその
商品の着用感が分かるものであり、そのことが着用時に
おける圧迫感や違和感につながっていた。

【０００７】また、最近のブラジャーは、フルカップブ
ラから３／４カップブラ、１／２カップブラと小さくな
る傾向があり、次第に肩紐が長くなり、かつブラジャー
の形式も、オフショルダーブラやハーフカップブラにな
り、肩紐とブラジャーとの接続位置が身体の中心線から
離れる傾向にあリ、ズレやすいと言う問題点も生じてい
る。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題を解決することを課題として研究開発されたもの
で、肩紐の接続具を左右方向に回動自在とすることで、
肩紐の角度を最も着用感のよい角度に自在調整できると
共に、肩紐を見えない角度にしたり、ズレにくくするこ
とを目的とした肩紐接続具を提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決し、そ
の目的を達成する手段として、本発明では、カップ布と
肩紐を接続する接続具であって、肩紐を左右方向にスラ
イドできるように接続具を回動自在に構成してなる肩紐
接続具を開発し、採用した。

【００１０】また、本発明では、上記のように構成した
肩紐接続具において、接続具は肩紐と接続する嵌合凹部
を有する雌接続具と、カップ布と接続する嵌合凸部を有
する雄接続具とを嵌脱自在に構成した肩紐接続具、およ
び雌、雄接続具には長円形状の連結環が一体的に固着さ
れている肩紐接続具を開発し、採用した。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明すれば、１はポリアセタール樹脂
からなる比較的厚さの薄い肩紐接続具で、この肩紐接続
具１は、嵌合凹部３ａを有する雌接続具１ａと、嵌合凸
部７ａを有する雄接続具１ｂとを嵌合して構成されてい
る。

【００１２】雌接続具１ａは、正面からみて円形状の蓋
体２と、その蓋体２の上端面に一体的に突出形成された
肩紐１１を連結する長円形状の連結環４とで構成されて
いる。すなわち、蓋体２は周縁に一側方に向けて突出す
る短い周壁３を一体的に設けることにより、その内側に
嵌合凹部３ａが形成されていると共に、ファンデーショ
ンなどでは重要な要素である美感を考慮して、蓋体２の
表面に適宜の模様やデザイン５が施されてワンポイント
的なアクセントつけが行われ、従来にない外観優美なも
のになっている。

【００１３】一方、雄接続具１ｂは、前述の円形状の蓋
体２と同形の薄い円形の底板６に、その外周縁よりやや
内側の位置で、他側方に向けて突出する短い周壁７を一
体的に設け、この周壁７を嵌合凸部７ａとして雌接続具
1ａの周壁３の嵌合凹部３ａと嵌合するようになってい
る。底板６の下端面にはその底板６と面一となるカップ
布１５を連結する長円形状の連結環８が一体的に突設さ
れている。９、９は周壁７の上部中央部と下部中央部に
設けられた切り込み部であり、嵌合時あるいは脱着時に
収縮して嵌め易くしたり、外しやすくなっている。

【００１４】このように構成した本発明の使用状態を説
明すると、図８、9、１０に示すような肩紐１１の一端
にフック１２を取り付け、そのフック１２と係合するフ
ック掛け部１３をバック布１４の上端縁の内外に設けた
ブラジャーの例で説明する。

【００１５】ブラジャーのカップ布１５の上端部に雄接
続具１ｂの連結環８を取り付け、一方、肩紐１１の一端
に雌接続具１ａの連結環４を取付ける。そして雌、雄接
続具１ａ、１ｂの相対向する嵌合凹部３ａと嵌合凸部７
ａを嵌合させることにより肩紐接続具１として使用する
ものである。この時、雌接続具１ａの蓋体２と雄接続具
１ｂの底板を指で摘んで押さえれば、嵌合凹部３ａと嵌
合凸部７ａによって簡単に嵌合できる。また、離脱する
場合は、雌接続具１ａの連結環４と雄接続具の連結環８
を持って引き離す方向に引っ張れば離脱できる。

【００１６】仮に、バック側を図９、１０の一点鎖線に
示すように、バック布１４の上端縁に設けた内側のフッ
ク掛け部１３ｂにフック１２を係止して使用する場合
は、フロント側を図８の一点鎖線で示すように、雌接続
具１ａの連結環４を摘んで左方向（矢印Ａ）に回動すれ
ば肩紐１１が左方向にスライドし、着用したままでスラ
イドでき、首側に寄った傾斜となり着け心地が良くなる
と共に、肩紐がズレにくくなる。そして肩紐１１の支点
となるべき接続具１が回動できるので、肩紐１１が捻じ
れたり、ブラジャー自体の本来の形状を損なうことがな
い。

【００１７】さらに、胸部や肩部が露出する衣類を着用
する場合に、肩紐が見えると不体裁になるので見えない
ようにするには、図８の一点鎖線で示すように、雌接続
具１ａの連結環４を摘んで右方向（矢印Ｂ）に回動すれ
ば肩紐１１が右方向にスライドし、肩側によった傾斜状
態となり肩紐が見えなくなる。このように、左右に回動
する雌接続具１ａが体の動きとバック布１４に取り付け
たフック掛け部１３の位置に対応して肩紐がズレにくく
なっている。

【００１８】また、バック布１４の上端縁に設けた外側
フック掛け部１３ａにフック１２を係止して使用する場
合は、図８の実線で示すように、雌接続具１ａの位置を
垂直もしくは垂直に近い状態にすれば肩紐１１もほぼ垂
直の状態になる。

【００１９】さらに、肩紐１１の一端部に取り付けたフ
ック１２をフック掛け部１３から外し、他端部の接続具
１の雌、雄接続具１ａ、１ｂの嵌合を外せば、肩紐１１
を外すことができ、ストラップレスブラジャーにも変更
できる。

【００２０】以上、本発明の主要な実施の形態について
説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定される
ものではなく、発明の目的を達成でき、かつ発明の要旨
を逸脱しない範囲内で種々の設計変更が可能であること
は言うまでもない。

【００２１】

【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1の発明
によれば、カップ布と肩紐を接続する接続具であって、
肩紐を左右方向にスライドできるように接続具を回動自
在に構成してなる肩紐接続具に係るものであるから次の
ような優れた効果がある。

【００２２】従来品では一切不可能であった肩紐の横方
向へのスライドが一定の角度内で自由に行なえ、着用者
の肩の形状に起因する最も着け心地のよい角度に自由に
変えることができ、圧迫感や肩への違和感を生じること
がない。

【００２３】また、胸部や肩部が露出する外衣を着用す
る場合においては、肩紐を見えない角度に傾斜すること
ができると共に、肩紐をズレにくい方向への傾斜も可能
となることから、肩紐が不用意に外側に露出することな
くファッション性に富むものである。

【００２４】また、従来品は無理に肩紐の角度を調整し
た場合、ねじれが生じたり、肩への負担が強くなり、ブ
ラジャー自体の本来の形状を損なうおそれがあったが、
本発明は、肩紐の支点となるべき箇所が回動できるの
で、ブラジャー本体への負担の発生がない。

【００２５】また、本発明の請求項２によれば、接続具
は肩紐に接続する嵌合凹部を有する雌接続具と、カップ
布に接続する嵌合凸部を有する雄接続具とを嵌脱自在に
構成した肩紐接続具に係るものであるから、嵌合、着脱
が自在となり、用途によっては肩紐を取り外すことが可
能となってストラップレスブラジャーにもなり非常に便
利である。

【００２６】さらに、本発明の請求項３によれば、雄、
雌接続具には長円形状の連結環が一体的に固着されてい
るから、この連結環を持って嵌脱すれば簡易に行なうこ
とができることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の肩紐接続具の正面図である。

【図２】図1のＡ−Ａ線縦断面図である。

【図３】雌接続具の正面図である。

【図４】図3のＢ−Ｂ線縦断面図である。

【図５】雄接続具の正面図である。

【図６】図５のＣ−Ｃ線縦断面図である。

【図７】使用状態を示す正面図である。

【図８】要部の拡大図である。

【図９】使用状態を示す背面図である。

【図１０】要部の拡大図である。

【図１１】従来例の説明図である。

【符号の説明】

１ 肩紐接続具 １ａ 雌接続具 １ｂ 雄接続具 ３ａ 嵌合凹部 ４ 連結環 ７ａ 嵌合凸部 ８ 連結環 １１ 肩紐 １４ バック布 １５ カップ布

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カップ布と肩紐を接続する接続具であっ
   て、肩紐を左右方向にスライドできるように接続具を回
   動自在に構成してなる肩紐接続具。
2. 【請求項２】 接続具は肩紐に接続する嵌合凹部を有す
   る雌接続具と、カップ布に接続する嵌合凸部を有する雄
   接続具とを嵌脱自在に構成した請求項1に記載の肩紐接
   続具。
3. 【請求項３】 雄、雌接続具には長円形状の連結環が一
   体的に固着されている請求項２に記載の肩紐接続具。