JP2001002917A - ポリアミド組成物 - Google Patents

ポリアミド組成物

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JP2001002917A
JP2001002917A JP11172914A JP17291499A JP2001002917A JP 2001002917 A JP2001002917 A JP 2001002917A JP 11172914 A JP11172914 A JP 11172914A JP 17291499 A JP17291499 A JP 17291499A JP 2001002917 A JP2001002917 A JP 2001002917A
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dicarboxylic acid
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JP11172914A
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Toshio Hiramatsu
俊夫 平松
Tsutomu Tamura
勉 田村
Hidekazu Yoshida
秀和 吉田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】芳香族ポリアミド樹脂の優れた特性と成形性に
優れた性能を兼ね備え、かつ、従来の芳香族ポリアミド
樹脂組成物に較べ、耐熱老化性、耐湿性に優れたポリア
ミド樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボ
ン酸および複素環式ジアミンと脂肪族ジアミンからなる
濃硫酸中20℃で測定した相対粘度が1.5〜5.0で
あるポリアミド樹脂95.5〜50重量部および変成ポ
リオレフィン0.5〜50重量部の合計100重量部に
対し、3価のリン化合物0.05〜2重量部、下記一般
式で表されるアルキル置換フェノール系化合物0.05
〜5重量部を含有する耐熱老化性ポリアミド樹脂組成
物。 【化1】 (但し、R1は主鎖中に少なくとも1つのエステル結
合、アミド結合またはエーテル結合を有する2価基を示
し、R2〜R5はそれぞれ独立にアルキル基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド樹脂組
成物に関する。詳しくは、耐熱老化性に優れると共に、
機械的特性、耐衝撃性、耐薬品性等に優れ、さらに耐湿
時の機械的特性に優れるポリアミド樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ナイロン6,ナイロン66に
代表される汎用ポリアミド樹脂は、優れた機械的特性、
耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性等の性質を有しているた
め、エンジニアリングプラスチックとして多くの用途に
使用されているが、近年、自動車用途、電気・電子部品
用途においては、年々耐熱性や低吸水性に対する要求が
高まっている。特に、自動車部品など長期にわたり高温
に晒されるような場合には、樹脂の熱劣化や酸化劣化が
大きな問題となる。上記のポリアミド樹脂は融点が高い
が、空気中で100℃以上の高温に晒されると短い時間
で著しく脆くなる。そこで、このような長期耐熱性が要
求されるような用途・分野で使用される場合には、種々
の方法により高温での酸化劣化を防ぐ処方がなされてい
る。
【0003】このような要求に対し、最近では従来のポ
リアミド樹脂よりも高融点のテレフタル酸と1,6―ヘ
キサンジアミンからなるポリアミドを主成分とする芳香
族ポリアミド樹脂が種々提案され一部は実用化されてい
る。しかし、この芳香族ポリアミド樹脂についても従来
のポリアミド樹脂と同様、長期熱安定性を確保する必要
がある。特開昭61−285252号公報、特開昭63
−105057号公報等には、芳香族ポリアミド樹脂の
熱劣化を防止する方法が提案されている。しかしなが
ら、テレフタル酸と1,6−ヘキサンジアミンからなる
ポリアミド樹脂は、ポリマーの分解温度を超える370
℃付近に融点があるため、溶融重合や溶融成形が困難で
あり実用に耐えるものではない。
【0004】このため、アジピン酸やイソフタル酸など
のジカルボン酸成分、或いはナイロン6などの脂肪族ポ
リアミドを30〜40モル%共重合することにより、実
使用可能温度領域が280〜320℃程度まで低融点化
した組成で使用されているのが現状である。例えば、特
開昭59−155426号公報には芳香族ジカルボン酸
成分単位、アジピン酸成分単位とヘキサメチレンジアミ
ンとから生成する結晶性コポリアミドが提案されてい
る。この成形用ポリアミド組成物は従来のポリアミドに
比べ、耐熱特性、機械的特性、化学的物理的特性および
成形特性に優れているが、吸湿時における機械的特性の
低下があり、耐湿性が充分であるとは言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、芳香族ポリ
アミド樹脂の優れた特性と成形性に優れた性能を兼ね備
え、かつ、従来の芳香族ポリアミド樹脂組成物に較べ、
耐熱老化性、耐湿性に優れたポリアミド組成物を提供す
ることを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、ジカルボン酸成
分単位が、芳香族ジカルボン酸成分単位および脂肪族ジ
カルボン酸成分単位からなり、ジアミン成分単位が、複
素環式ジアミン成分単位および脂肪族ジアミン成分単位
からなる特定の組成をもったポリアミド樹脂と変成ポリ
オレフィンおよび特定の種類と量の安定剤を組み合わせ
て使用した組成物において、芳香族ポリアミド樹脂の優
れた特性を保持させたまま、耐熱老化性に優れ、耐湿性
が改善されたポリアミド樹脂を提供することを見出し、
遂に本発明を完成するに到った。
【0007】即ち本発明は、[A]ジカルボン酸成分単
位が、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸か
らなり、ジアミン成分単位が複素環式ジアミンと脂肪族
ジアミンからなるポリアミド樹脂であって、濃硫酸中2
0℃で測定した相対粘度が1.5〜5.0であるポリア
ミド樹脂95.5〜50重量部および[B]変成ポリオ
レフィン0.5〜50重量部の合計100重量部に対
し、[C]3価のリン化合物0.05〜2重量部、
[D]下記一般式で表されるアルキル置換フェノール系
化合物0.05〜5重量部を含有することを特徴とする
耐熱老化性ポリアミド樹脂組成物である。
【0008】
【化2】 (但し、R1は主鎖中に少なくとも1つのエステル結
合、アミド結合またはエーテル結合を有する2価基を示
し、R2〜R5はそれぞれ独立にアルキル基を示す。)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリアミド樹脂は
ジカルボン酸成分単位(a)が芳香族ジカルボン酸およ
び脂肪族ジカルボン酸からなり、ジアミン成分単位
(b)が複素環式ジアミンおよび脂肪族ジアミンからな
っている。
【0010】ジカルボン酸成分単位(a)中の芳香族ジ
カルボン酸成分単位は、好ましくはテレフタル酸、イソ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群
より選ばれた1種以上の化合物の残基であり、更に好ま
しくはテレフタル酸残基である。ジカルボン酸成分単位
(a)中の脂肪族ジカルボン酸成分単位は、好ましくは
炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成分単位である。
脂肪族ジカルボン酸成分単位を導入するために用いられ
る脂肪族ジカルボン酸の例としては、たとえば、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジ
カルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、および、ドデカ
ンジカルボン酸およびダイマー酸等が挙げられ、これら
の中でもアジピン酸が特に好ましい。
【0011】前記[A]ポリアミド樹脂おいては、ジカ
ルボン酸成分単位100モル%中に、芳香族ジカルボン
酸成分単位が好ましくは30〜80モル%であり、さら
に好ましくは40〜 75モル%であり、脂肪族ジカル
ボン酸成分単位は好ましくは、20〜70モル%であ
り、好ましくは25〜60モル%である。ジカルボン酸
成分単位として、芳香族ジカルボン酸成分単位、好まし
くはテレフタル酸成分単位の含有量が80モル%より多
くなると可撓性が低下し、耐衝撃性、耐熱老化性が大巾
に低下するようになる。また、芳香族ジカルボン酸成分
単位、好ましくはテレフタル酸成分単位の含有量が30
モル%より少なくなると結晶性が大巾に低下し、耐熱性
や耐水性などが大巾に低下するようになるので好ましく
ない。
【0012】ジアミン成分単位(b)中、複素環式ジア
ミン成分単位は、好ましくはピペラジンである。ジアミ
ン成分単位(b)中、脂肪族ジアミン成分単位は、好ま
しくは炭素数が6〜18の脂肪族ジアミン成分単位からな
る。このような脂肪族ジアミン成分単位は直鎖状のアル
キレンジアミン成分単位であってもよいし、分岐を有す
る鎖状のアルキレンジアミン成分単位であってもよい。
このような脂肪族系ジアミン成分単位としては、具体的
には、たとえば、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−
ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9
−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,1
1−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン
等の直鎖状アルキレンジアミンから誘導される成分単
位、および、1,4−ジアミノ−1,1−ジメチルブタ
ン、1,4−ジアミノ−1−エチルブタン、1,4−ジ
アミノ−1,2−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−
1,3−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−1,4−
ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−2,3−ジメチル
ブタン、1,2−ジアミノ−1−ブチルエタン、1,6
−ジアミノ−2,5−ジメチルヘキサン、1,6−ジア
ミノ−2,4−ジメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−
3,3−ジメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−2,2
−ジメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−2,2,4−
トリメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−2,4,4−
トリメチルヘキサン、1,7−ジアミノ−2,3−ジメ
チルヘプタン、1,7−ジアミノ−2,4−ジメチルヘ
プタン、1,7−ジアミノ−2,5−ジメチルヘプタ
ン、1,7−ジアミノ−2,2−ジメチルヘプタン、
1,8−ジアミノ−1,3−ジメチルオクタン、1,8
−ジアミノ−1,4−ジメチルオクタン、1,8−ジア
ミノ−2,4−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−
3,4−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−4,5
−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−2,2−ジメ
チルオクタン、1,8−ジアミノ−3,3−ジメチルオ
クタン、1,8−ジアミノ−4,4−ジメチルオクタ
ン、1,6−ジアミノ−2,4−ジエチルヘキサン、
1,9−ジアミノ−5−メチルノナン等の分岐を有する
鎖状のアルキレンジアミンから誘導される成分単位を挙
げることができる。このような直鎖状あるいは分岐を有
する鎖状のアルキレンジアミン成分単位の内では、直鎖
状のアルキレンジアミン成分単位が好ましく、特に、
1,6−ジアミノヘキサン成分単位が好ましい。
【0013】本発明においてはジアミン成分単位100
モル%中に、複素環式ジアミン成分単位、好ましくはピ
ペラジン成分単位が、好ましくは1〜60モル%、さら
に好ましくは5〜40モル%の量で含有される。脂肪族
ジアミン成分単位、好ましくは炭素数が6〜18の脂肪
族ジアミン成分単位が、好ましくは40〜99mol%
であり、好ましくは60〜95モル%の量で含有されて
いる。ジアミン成分単位として、複素環式ジアミン成分
単位、好ましくはピペラジン成分単位の含有量が60モ
ル%より多くなると、結晶性が低下し、耐熱性が大巾に
低下するようになる。また、複素環式ジアミン成分単
位、好ましくはピペラジン成分単位の含有量が1モル%
より少なくなると、ガラス転移点温度が低下し、耐水性
が低下するようになるので好ましくない。
【0014】本発明で用いられる[A]ポリアミド樹脂
の重合度については、温度20℃の濃硫酸中で測定した
相対粘度が1.5〜5.0、好ましくは2.0〜4.0
の範囲内にあるものが機械的性質の上で好ましい。相対
粘度が2.0未満の場合には前記ポリアミド樹脂の引張
強度や曲げ強度などの機械的強度、耐衝撃性などの機械
物性が低下するようになる。また、相対粘度が4.0を
越える場合には、前記ポリアミド樹脂を射出成形、押出
成形、ブロー成形などによって最終製品にする際、成形
加工が困難になるので好ましくない。
【0015】このようなポリアミド樹脂は、従来から公
知の方法を利用して製造することができる。具体的に
は、前記ポリアミド構成成分単位であるジカルボン酸と
ジアミンまたはその塩を水等の溶媒の存在下、または不
存下に溶融重縮合させることでポリアミド樹脂を得るこ
とができる。また、上記の溶融重縮合法を利用すること
によりオリゴマーを生成させた後、固相重合法を利用し
て、さらに重縮合させることによってもポリアミド樹脂
を得ることができる。
【0016】本発明で用いられる[A]ポリアミド樹脂
は、必要に応じて、重合途中または重合後に末端封鎖剤
を添加しても良い。末端封鎖剤としてはポリアミドで一
般的に使用されるものを添加することができる。具体的
には、例えば、モノカルボン酸、酸無水物等があり、モ
ノカルボン酸としては酢酸、カプロン酸、ヘプタン酸、
オクタン酸、ペラルゴン酸、ステアリン酸、ラウリン
酸、安息香酸などがあり、酸無水物としては無水マレイ
ン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸などを挙げることができる
が、ポリアミドの着色がなく、末端封鎖剤の反応性が高
いことから、ヘキサヒドロ無水フタル酸が最も好まし
い。なお末端封鎖剤を添加することで、成形時のポリア
ミド樹脂の粘度増加を抑制することができ、また、ポリ
アミド樹脂のアミノ末端基を封鎖することで、成型時の
ポリアミド樹脂のゲル化を抑制することができる。
【0017】次に本発明で用いられる[B]変成ポリオ
レフィンとしては、ポリオレフィンをα,β−不飽和カ
ルボン酸あるいはそのエステル、金属塩誘導体で共重合
により改質したもの、カルボン酸または酸無水物などを
ポリオレフィンにグラフト共重合またはランダム共重合
して改質したものが使用できる。これらのポリオレフィ
ンの具体的な例としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・エチル
アクリレート共重合体、エチレン・1−ブテン共重合
体、エチレン・4−メチルー1−ペンテン共重合体、エ
チレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテ
ン共重合体、エチレン・1−デセン共重合体、プロピレ
ン・1−ブテン共重合体、プロピレン・4−メチルー1
−ペンテン共重合体、プロピレン・1−ヘキセン共重合
体、プロピレン・1−オクテン共重合体、プロピレン・
1−デセン共重合体、プロピレン・1−ドデセン共重合
体、エチレン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重
合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共
重合体、エチレン・1−ブテン・1,4−ヘキサジエン
共重合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデンー2
−ノルボルネン共重合体などを挙げることができる。
【0018】本発明ポリアミド樹脂組成物に配合される
[C]3価のリン化合物の具体的な例としては、ホスフ
ィン酸ナトリウム、トリス(2,4−ジーt−ブチルフ
ェニル)ホスファイト、2−[[2,4,8,10−テトラキス
(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジ
オキサフォスフェピン6−イル]オキシ]―N,N−ビ
ス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエ
チル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピ
ンー6−イル]オキシ]―エチル)エタナミンなどを用
いることができる。これらの3価のリン化合物は1種単
独で、或いは2種以上混合して使用してもよい。また、
これらの3価のリン化合物は、前記ポリアミド樹脂およ
び変成ポリオレフィンの合計量100重量部に対して
0.05〜2重量部、好ましくは0.1〜1重量部であ
る。
【0019】さらに本発明ポリアミド樹脂組成物におい
て配合される[D]アルキル置換フェノール系化合物
は、下記一般式(1)で示されるものである。
【0020】
【化3】 (但し、R1は主鎖中に少なくとも1つのエステル結
合、アミド結合またはエーテル結合を有する2価基を示
し、R2〜R5はそれぞれ独立にアルキル基を示す。)具
体的な例としては、トリエチレングリコールービス[3
−(3−t−ブチルー5−メチルー4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールー
ビス[3−(3,5−ジーt−ブチルー4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]、N,N‘ヘキサメチレン
ビス(3,5−ジーt−ブチルー4−ヒドロキシーヒド
ロシンナマミド)、2−オキシアミドービスー[エチル
ー3−(3,5−ジーt−ブチルー4−hドロキシフェ
ニル)プロピオネート]などが挙げられる。これらのア
ルキル置換フェノール系化合物は1種単独で、或いは2
種以上混合して使用してもよい。また、これらのアルキ
ル置換フェノール系化合物は、前記ポリアミド樹脂およ
び変成ポリオレフィンの合計量100重量部に対して
0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部の範
囲で使用するのが好ましい。
【0021】本発明ポリアミド樹脂組成物には、機械的
強度、物性などを向上させるため、必要に応じて種々の
充填剤を配合することができる。充填剤としては粉末、
繊維状などの化合物であり、具体的には、シリカ、アル
ミナ、タルク、カオリン、石英、ガラス、マイカ、グラ
ファイトなどの粉末状の無機系化合物、ガラス繊維、カ
ーボン繊維、セラミック繊維、石綿繊維などの繊維状無
機化合物などがあり、これらの2種以上を混合して使用
することもできる。また、これら充填剤は通常の方法に
より、混練機、押出機などを用いて、配合、溶融混練り
することができ、ポリアミド樹脂100重量部に対して
5〜150重量部の充填剤を含有させることができる。
充填剤の量が5重量部未満であると、ポリアミド樹脂組
成物の熱変形温度、高温剛性等の機械特性が低くなり、
強化効果が発揮できないし、150重量部より多くして
も機械的特性の向上はほとんどなく、成形加工性が悪く
なるので好ましくない。
【0022】また、本発明ポリアミド樹脂組成物には、
必要に応じて耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
光安定剤、可塑剤、滑剤、結晶核剤、帯電防止剤、難燃
剤、顔料、染料あるいは他種ポリマーなども添加するこ
とができる。
【0023】本発明ポリアミド樹脂組成物における上記
成分の配合方法としては、重縮合反応時に添加するか、
あるいはドライブレンドする方法、押出機を用いた溶融
混練時に配合する方法等が挙げられる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるも
のではない。また、以下の実施例、比較例において示し
た各特性、物性値は、下記の試験方法で測定した。 (1)耐熱老化性:射出成形した絶乾状態のJIS2号
ダンベル片を150℃のギヤオーブン中で7日間処理し
た後、ASTM D−638に準じて引張強伸度を測定
した。耐熱老化性の指標として、処理前の引張強伸度に
対する保持率(%)を求めた。 (2)曲げ強度:ASTM D−790に準じて測定し
た。 (3)曲げ弾性率:ASTM D−790に準じて測定
した。 (4)耐衝撃強度:ASTM D−256に準じて測定
した。
【0025】参考例1 1,6−ジアミノヘキサン12.457kg、ピペラジ
ン0.803kg、テレフタル酸10.066kg、ア
ジピン酸8.174kg、および触媒として次亜燐酸ナ
トリウム28g、さらにイオン交換水13.501kg
を50Lの回分式のタンクに仕込み、缶内を窒素置換
後、135℃,2.5kg/cm2で均一に攪拌、溶解さ
せた。溶解液を送液ポンプで加熱配管(長さ4m、管径
20mmのパイプ)に8L/hrの供給量で送液し、内
液温度を240℃、次工程の蒸発缶の水蒸気圧力と同一
な圧力35kg/cm2となるよう窒素ボンベにより加
圧した。その後、蒸発缶(加圧反応缶)に反応混合物が
供給され、ここで285℃まで加熱され、35kg/c
2を維持するように調圧しながら水抜きをする。この
加圧反応缶の滞留時間は1hr程度である。この加圧反
応缶で相対粘度1.1〜1.3のオリゴマーが得られ
た。その後、溶融状態でこのオリゴマーを供給量5.4
kg/hrでL/D60、スクリュー径37mmの二軸
押出機(バレル設定温度は300〜330℃、スクリュ
ー回転数100rpm)に供給し、さらに重合を進め
る。また、二軸押出機の途中に末端封鎖剤としてヘキサ
ヒドロ無水フタル酸を添加し、粘度調整をし、相対粘度
2.33のポリアミド樹脂を得た。これらの重合プロセ
スは連続式で行った。得られたポリアミド樹脂の融点は
296℃、ガラス転移点温度は91℃、結晶化温度は1
17℃であった。
【0026】実施例1 参考例1で得られたポリアミド樹脂ペレットを100℃
の熱風乾燥機にて5時間乾燥した後、表2に記載の変成
ポリオレフィン、3価のリン化合物およびアルキル置換
フェノール系化合物を所定量ドライブレンドし、二軸押
出機(スクリュー径=40mm、L/D=22、シリン
ダー温度=300〜320℃、スクリュー回転数=70
rpm)を用いて溶融混練し、ペレット化した。得られ
たペレットを100℃の熱風乾燥機にて5時間乾燥した
後、射出成型機(東芝機械(株) IS100)にてシリ
ンダー温度320℃でテストピースを成形し、評価に供
した。結果は表2にまとめた。
【0027】参考例2〜4 参考例1において、ジカルボン酸成分単位のモル比、ジ
アミン成分単位のモル比を表1のように変えた以外は全
て参考例1と同様にポリアミド樹脂を重合した。 その
重合結果を参考例1の結果とともに表1に示す。
【0028】実施例2〜4、比較例1〜2 得られたポリアミド樹脂は、実施例1と同様、表2に記
載の変成ポリオレフィン、3価のリン化合物およびアル
キル置換フェノール系化合物と溶融混練実施後、射出成
型機にてテストピースを成形し、評価に供した。その結
果を表2に併せて示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】以上、表2より明らかなように、本発明
のポリアミド樹脂組成物は、ジカルボン酸成分単位が芳
香族ジカルボン酸成分単位および脂肪族ジカルボン酸成
分単位からなり、ジアミン成分単位が複素環式ジアミン
成分単位および脂肪族ジアミン成分単位からなる特定の
組成をもったポリアミド樹脂と変成ポリオレフィンおよ
び特定の種類と量の安定剤を組み合わせて使用した組成
物であって、従来の芳香族ポリアミド樹脂の優れた特性
を保持させたまま、耐熱老化性に優れ、耐湿性を改善し
たポリアミド樹脂組成物を提供することができる。この
ような優れた性能を有する本発明のポリアミド樹脂組成
物は、自動車用途、電気・電子部品用途等エンジニアリ
ングプラスチック用途に好適に使用することができるの
で産業界に寄与すること大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/51 C08K 5/51 C08L 23/26 C08L 23/26 Fターム(参考) 4J001 DA01 DB04 EB04 EB06 EB08 EB09 EB36 EB37 EB46 EB71 EC03 EC04 EC08 EC09 EC13 EC29 FB05 FC05 GA12 GA13 JA04 JA07 JB02 JB06 JB07 JB08 JB18 JB21 JB22 JB32 JC02 4J002 BB05X BB09X BB10X BB21X BN05X CL03W EJ037 EW066 EW136 EW156 GN00 GQ00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 [A]ジカルボン酸成分単位が、芳香族
    ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸からなり、ジア
    ミン成分単位が複素環式ジアミンと脂肪族ジアミンから
    なるポリアミド樹脂であって、濃硫酸中20℃で測定し
    た相対粘度が1.5〜5.0であるポリアミド樹脂9
    5.5〜50重量部および[B]変成ポリオレフィン
    0.5〜50重量部の合計100重量部に対し、[C]
    3価のリン化合物0.05〜2重量部、[D]下記一般
    式で表されるアルキル置換フェノール系化合物0.05
    〜5重量部を含有することを特徴とする耐熱老化性ポリ
    アミド樹脂組成物。 【化1】 (但し、R1は主鎖中に少なくとも1つのエステル結
    合、アミド結合またはエーテル結合を有する2価基を示
    し、R2〜R5はそれぞれ独立にアルキル基を示す。)
  2. 【請求項2】 ポリアミド樹脂を構成する複素環式ジア
    ミン成分が、ピペラジンである請求項1記載のポリアミ
    ド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリアミド樹脂を構成する芳香族ジカル
    ボン酸成分が、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−
    ナフタレンジカルボン酸よりなる群から選ばれた1種以
    上の化合物である請求項1または2記載のポリアミド樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリアミド樹脂を構成する脂肪族ジカル
    ボン酸成分が炭素数4〜12であり、脂肪族ジアミン成
    分が炭素数6〜18である請求項1〜3のいずれかに記
    載のポリアミド樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006523763A (ja) * 2003-04-14 2006-10-19 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ブロー成形物品用のポリアミド組成物
WO2014104699A1 (ko) * 2012-12-28 2014-07-03 제일모직 주식회사 폴리아미드 수지, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 성형품

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JP2006523763A (ja) * 2003-04-14 2006-10-19 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ブロー成形物品用のポリアミド組成物
WO2014104699A1 (ko) * 2012-12-28 2014-07-03 제일모직 주식회사 폴리아미드 수지, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 성형품

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