JP2001002473A - セラミック素材及びこれを利用したセラミック製品の製造方法 - Google Patents

セラミック素材及びこれを利用したセラミック製品の製造方法

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JP2001002473A
JP2001002473A JP2000171322A JP2000171322A JP2001002473A JP 2001002473 A JP2001002473 A JP 2001002473A JP 2000171322 A JP2000171322 A JP 2000171322A JP 2000171322 A JP2000171322 A JP 2000171322A JP 2001002473 A JP2001002473 A JP 2001002473A
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ceramic
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Keiichiro Watanabe
敬一郎 渡邊
Shigeki Kato
茂樹 加藤
Koji Egawa
浩二 江川
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NGK Insulators Ltd
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度で、形状精度に優れ、低コストで大
型、複雑な形状のセラミック製品、部品を製造する。 【解決手段】 セラミック成形体を仮焼して形成した仮
焼体であって、仮焼体の開気孔に、セラミックの焼結温
度より低い温度で除去し得る材料が含浸されてなり、開
気孔の開気孔径が0.01〜0.2μm、気孔量が0.
1〜0.3cc/gのセラミック素材である。セラミッ
ク成形体を仮焼後、得られたセラミック仮焼体の開気孔
に、セラミックの焼結温度より低い温度で除去し得る材
料を含浸して、開気孔の開気孔径が0.01〜0.2μ
m、気孔量が0.1〜0.3cc/gであるセラミック
素材を得、次いでこのセラミック素材に機械加工を施し
て所望の形状を付与した後、前記材料を除去し、焼成す
るセラミック製品の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は低コストで加工効
率の高い信頼性に優れたセラミック部品や製品、特に複
雑形状で少量多品種のセラミック部品や製品の製造に好
適に利用できるセラミック素材及びこれを利用したセラ
ミック製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 窒化珪素、炭化珪素、部分安定化ジル
コニアなどのセラミック材料は高耐熱性、高耐摩耗性、
高硬度、高耐食性等の優れた特性を有しているので、エ
ンジン部品、機械部品の一部として使用されており、更
に相次ぐ改良、及び設計の適性化などによりその利用分
野は広がりつつある。一般的にセラミック材料は焼結時
十数%も収縮することから、精密な寸法精度が要求され
る自動車やガスタービンなどのエンジン部品に用いる時
は焼結後の加工(研削)は必須である。
【0003】 セラミック焼結体は非常に硬いため、通
常ダイヤモンド砥石を用い研削加工される。しかし、セ
ラミックは脆性材料であるためチッピングやクラックが
発生し易く、また研削熱による熱衝撃により加工物表面
にクラックが発生し易く、そのため種々の加工方法が提
案されているものの、その具体的内容はノウハウとして
社外秘扱いとされていることが多い。
【0004】 一方、ターボチャージャーローターやタ
ービンローターなどの複雑形状のセラミック部品や製品
は加工が困難であることから、射出成形により事実上最
終形状に成形することにより、焼成前及び焼成後の加工
を少なくする製造方法が好適に用いられている。
【0005】 更に、特開昭59−96912号公報に
はプレス成形体を仮焼し、砥粒を固着した切削工具で所
望の形状に機械加工した後焼成し、更に仕上げ加工する
方法が開示されている。また、押出成形によりAl23
やSi34の丸棒を成形し種々の温度で仮焼した後、超
硬合金製セラミックバイトを用い乾式で、又はダイヤモ
ンドバイトを用い湿式で切削した時の切削性とバイトの
摩耗性についての報告もされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 ターボチャージャー
ローターやタービンローターなどの複雑形状のセラミッ
ク部品や製品は、射出成形法によれば加工工数が少なく
好適であるものの、成形金型のコストが非常に高く少量
多品種のセラミック製品の製造には不向きである。プレ
ス成形や押出成形により成形した成形体又はバインダー
を加熱除去した成形体を乾式で切削加工する方法におい
ては、成形体の粒子間の結合力が弱いため破損し易く、
かつ切削加工面は粒子がはぎ取られるので表面も粗くな
りクラックも発生し易いなどの問題がある。また、砥石
を用いた研削加工は研削粉により砥石の目詰りを起し、
頻繁にドレッシングする必要があり、加工効率が非常に
悪い欠点がある。更には、湿式加工すると成形体が崩壊
するので乾式でなければ加工できず、冷却効果が乏しい
ので加工速度を速くできないなどの問題がある。
【0007】 更に特開昭59−96912号公報記載
の方法においては、成形体の仮焼温度が1000〜15
00℃で30〜300分間仮焼して乾式の機械加工に適
した硬度とし、そして例えば窒化珪素の場合には147
0〜1490℃が適当であると記載されているが、追試
したところ仮焼体の硬度が高く、満足できる機械加工性
が得られなかった。
【0008】 また、窒化珪素成形体を1000℃以上
の温度で仮焼し乾式又は湿式で切削加工する方法におい
ては、切削性は1400℃が、表面粗さは1300℃以
下の仮焼温度が良好であると報告されているものの、タ
ーボチャージャーローターのような複雑形状のセラミッ
ク部品を機械加工により形成し焼結するセラミック製品
の製造に適した仮焼条件は全く判っていないのが現状で
ある。このような現状に鑑み、本出願人は、先に特定物
性のセラミック仮焼体を湿式機械加工する方法を提案し
た(特公平5−71533号、特開平4−280855
号等参照)。
【0009】 しかし、これらの方法においては、加工
性、形状付与性などに優れるものの、湿式機械加工の際
に使用する研削液中に含まれる不純物や研削屑が仮焼体
の開気孔中に侵入し、残留するという事態が生じ、その
結果、焼結後のセラミック焼結体の強度が低下するとい
う問題が生じる。そこで、本出願人は上記問題を解決す
べく、特公平5−71533号、特開平4−28085
5号等の技術を基礎に更に検討を進めた結果、本発明に
到達したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】 すなわち本発明によれ
ば、セラミック成形体を仮焼して形成した仮焼体であっ
て、該仮焼体の開気孔に、当該セラミックの焼結温度よ
り低い温度で除去し得る材料が含浸されてなり、該開気
孔の開気孔径が0.01〜0.2μm、気孔量が0.1
〜0.3cc/gであることを特徴とするセラミック素
材、が提供される。また本発明によれば、セラミック成
形体を仮焼後、得られたセラミック仮焼体の開気孔に、
当該セラミックの焼結温度より低い温度で除去し得る材
料を含浸して、該開気孔の開気孔径が0.01〜0.2
μm、気孔量が0.1〜0.3cc/gであるセラミッ
ク素材を得、次いでこのセラミック素材に機械加工を施
して所望の形状を付与した後、前記材料を除去し、焼成
することを特徴とするセラミック製品の製造方法、が提
供される。
【0011】
【発明の実施の形態】 以下、本発明を、セラミック製
品の製造工程順に詳細に説明する。まず、本発明の対象
となるセラミック材料としては特に限定はなく、例え
ば、窒化珪素、炭化珪素、アルミナ、部分安定化ジルコ
ニア、ムライト、コージェライト等の各種のセラミック
スに適用することができる。このようなセラミック材料
に、通常焼結助剤及び/あるいは成形助剤(バインダ
ー)を添加混合し、所定形状に成形する。成形法として
は特に限定はなく、プレス成形、CIP成形、射出成
形、鋳込成形、押出成形等の一般的な成形法、及びこれ
らを組み合わせた方法を用いることができる。
【0012】 なお、必要に応じ、後述する成形体から
のバインダー除去を行う前あるいはバインダー除去後
に、二次成形を施す。また成形圧力としては、焼結が可
能な程度の密度を有する成形体が得られるよう、適宜選
定すればよい。次に、一般には成形体からバインダー除
去を行う。バインダー除去法は用いるセラミック材料と
成形法に依存するため、これに対応して適宜選定する。
なお、バインダーを含まない成形法を使用する場合に
は、本工程は必要ない。
【0013】 下記に、バインダー除去法の代表例を示
す。 材料が窒化珪素で、成形法がプレス成形の場合、スプ
レードライにより粉末を得る際、この粉末に含まれる数
%のバインダーを大気中、通常600℃程度の温度で加
熱することにより除去する。 材料が窒化珪素で、成形法が射出成形の場合、一般的
な脱脂工程が採用され、大気中、あるいは不活性ガス中
でバインダー除去が行なわれる。 材料が窒化珪素で、成形法が押出成形の場合、混練時
に投入する数%のバインダーを大気中、通常600℃程
度の温度で加熱することにより除去する。 材料がコージェライトで、成形法が押出成形の場合、
一般にバインダー除去と焼成が同時に行なわれる。その
ため、本発明では、バインダー除去温度以上の温度で、
後工程の仮焼を同時に行うことが好ましい。
【0014】 次に仮焼を行う。仮焼温度は特に限定は
なく、セラミック成形体の開気孔が消滅しない温度で仮
焼すればよい。また、仮焼雰囲気も特に限定はなく、セ
ラミック材料の種類により、非酸化物系であれば不活性
ガス中、酸化物系であれば大気中を選定すればよい。仮
焼に際しては、仮焼による収縮率(割掛け率)を制御す
ることが好ましい。すなわち、予め全体の焼成収縮量を
求めておき、仮焼で収縮した分を全体の収縮量から差引
いた残りを割掛け率とし、これを5%以下とすることが
寸法精度の点から望ましく、2%以下とすることが更に
望ましい。
【0015】 仮焼により得られるセラミック仮焼体の
開気孔径、気孔量は、セラミック粉末の粒子径、成形圧
力、仮焼温度等により決定される。これら開気孔径、気
孔量については、含浸材料の含浸速度や機械加工性に影
響する重要な要因であるので、開気孔径を0.01〜
0.2μmとし、また、気孔量を0.1〜0.3cc/
gとする(いずれも水銀圧入式ポロシメーターで測定し
た値)。セラミック仮焼体の強度も、セラミック粉末の
粒子径、成形圧力、仮焼温度等により決定され、機械加
工性に影響する重要な要因である。特に限定はしない
が、4点曲げ強度(JIS R 1601)が10MPa
以上であることが加工中の破損、取扱い中のクラック発
生等を防止する上で好ましい。また、4点曲げ強度が2
00MPa以下の場合には、研削抵抗が小さくなるた
め、研削効率が向上し好ましい。したがって、これらを
考慮すると、4点曲げ強度が10〜200MPaである
ことが好ましく、10〜100MPaであると更に好ま
しい。
【0016】 次に、セラミック仮焼体に有機材料等所
定の材料の含浸を行う。含浸の目的は、後工程の機械加
工の際、研削液中の不純物や研削屑が仮焼体中に侵入し
ないようにするためであり、このために、セラミック仮
焼体の表面又は全体の開気孔に有機材料等所定の材料
(含浸材料)を含浸させる。含浸材料としては、後工程
の機械加工を行った後に、セラミックの焼結温度より低
い温度で仮焼体から除去し得る材料であればどのような
種類のものでもよいが、水素、炭素を主成分とする有機
材料を含む材料が加熱により燃焼、分解あるいは溶融な
どするため好ましく、例えば、ワックス、樹脂、油、グ
リセリンなどを挙げることができる。
【0017】 含浸手段としては、例えば油等の液体を
含浸材料とする場合には、仮焼体を当該液体中に投下、
浸漬することにより含浸させることができる。必要に応
じ、減圧して含浸を促進することもできる。また、仮焼
体を当該液体中に投下し、等方加圧により含浸するのも
含浸を促進でき好ましい。この場合、圧力媒体としてガ
スや液体を用いることができるが、コストを考慮すると
ガス圧含浸が好ましい。ワックス、樹脂等の固形物を含
浸材料とする場合には、加熱溶融により液体とした後、
上記と同様の処理により含浸させる。仮焼体に対する含
浸厚みとしては、後工程の機械加工において必要とする
加工代より厚くなる程度とすればよい。仮焼体への含浸
量は、含浸材料中への浸漬時間や減圧度等により適宜制
御する。
【0018】 セラミック仮焼体に有機材料等を含浸さ
せた後、仮焼体を所望形状に機械加工する。機械加工装
置としては、フライス盤、平面研削盤、内面研削盤、円
筒研削盤、マシニングセンター等の各種装置が挙げら
れ、所望形状に対応して選定できる。砥石等の研削工具
としては、GC、WA、ダイヤモンドのほか、超硬チッ
プ、エンドミル等が使用でき、所望の製品形状や機械加
工装置に応じて適宜使用する。機械加工法としては、湿
式、乾式のいずれの加工も採用でき、例えば、湿式加工
は、タービンローターやタービンの静翼等の複雑三次元
形状の製品、乾式加工は、単純円筒、単純平板製品など
に好適に使用できる。このように、所定の材料を含浸さ
せたセラミック仮焼体を機械加工するため、従来の射出
成形、鋳込成形では成形することができなかったアンダ
ーカット部品の製造が可能となるという利点がある。
【0019】 以上のように、セラミック仮焼体に機械
加工を施した後、仮焼体に含浸させた含浸材料を除去す
る。含浸材料の除去法としては、含浸材料の種類に応じ
て、加熱燃焼、加熱分解、溶融抽出、溶解抽出、超臨界
抽出、昇華などの手法を適宜採用する。含浸材料は、セ
ラミックの焼結温度より低い温度で加熱等の操作を行う
ことにより、含浸材料の燃焼、分解、抽出、昇華などの
現象を生じさせ、それにより、仮焼体から除去されるこ
とが必要である。
【0020】 含浸材料の除去方法としては、前記した
いずれの方法でもよいが、例えば、含浸材料として有機
材料を用いた場合には、加熱燃焼、加熱分解が適用で
き、大気雰囲気中で600℃程度に加熱することにより
含浸材料を除去できる。
【0021】 セラミック仮焼体から含浸材料を除去し
た後、焼成を行う。この場合、焼成条件は、セラミック
材料の種類に応じて適宜決定される。例えば、窒化珪素
の場合、焼成温度が1600〜2000℃で、窒素ガス
雰囲気中での焼成が好ましい。また炭化珪素の場合、焼
成温度が1900〜2200℃で、アルゴン雰囲気中で
の焼成が好ましい。更に部分安定化ジルコニアの場合に
は、焼成温度が1300〜1600℃で、空気中での焼
成が好ましい。
【0022】
【実施例】 以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0023】(実施例1)平均粒径0.5μmの窒化珪
素粉末93重量部に焼結助剤として酸化イットリウム5
重量部、酸化アルミニウム2重量部を粉砕・混合し、更
に成形助剤としてポリビニールアルコール1重量部、ポ
リエチレングリコール1重量部を添加し、スプレードラ
イヤー法により顆粒を調製した。
【0024】 顆粒を成形用ゴム型に充填し、等方静水
圧力7ton/cm2でプレス成形した。次いで、NC
旋盤により図1に示すφ110mm、高さ132mmの
タービンローターの粗加工品を作製した。次に、得られ
た粗加工品を、大気中、25℃/hrの昇温速度で昇温
し500℃に到達後20時間保持することによりバイン
ダーを飛散除去した。この際、亀裂欠陥は観察されなか
った。
【0025】 次いで、バインダー除去した粗加工品を
仮焼した。仮焼は、窒素ガス雰囲気下、1350℃で3
時間行った。得られた仮焼体の特性を調べたところ、全
細孔容積が0.19cc/g、平均細孔径が0.03μ
m、仮焼体強度が61MPaであった。このようにして
得られた仮焼体に対し、含浸を行った。含浸材料は食用
油を用い、仮焼体を食用油に30時間浸漬し、仮焼体中
心部まで含浸させた。
【0026】 次に、機械加工を行った。加工装置とし
ては、5軸のマシニングセンター、研削液としてポラー
チップ製WS−500A、研削工具としてダイヤモンド
砥石を用い、図2に示す大型タービンローターを湿式加
工により研削、作製した。得られた大型タービンロータ
ー仮焼体について、大気中、50℃/hrの昇温速度で
昇温し500℃に到達後10時間保持することにより、
仮焼体に含浸した含浸材料を除去した。
【0027】 次いで、窒素ガス雰囲気下、1800℃
で4時間焼成することによりタービンローターの焼結体
を得た。最後に、この焼結体に対し、円筒研削盤によ
り、単純形状部を仕上加工して最終製品を得た。得られ
た製品について、その焼結体特性を測定した。また、翼
部断面の形状精度の測定及びコールドスピンテストを行
った。それらの結果を表1に示す。
【0028】(比較例1)仮焼体への含浸を行なわなか
った以外は、すべて実施例1と同様にしてタービンロー
ターの最終製品を得た。得られた製品について、その焼
結体特性を測定した。また、翼部断面の形状精度の測定
及びコールドスピンテストを行った。それらの結果を表
1に示す。
【0029】(比較例2)実施例1と同一の窒化珪素粉
末と焼結助剤を用い、この原料粉末78重量部と、ワッ
クスを主体とする成形助剤22重量部を混練、押出後、
ペレット化して成形材料を調製した。次いで、この成形
材料を用い、射出成形法により一体型のタービンロータ
ーを成形し、次に、軸部等の余剰部を青加工して図1と
同様のタービンローター成形体を得た。
【0030】 このタービンローター成形体について、
窒素ガス加圧雰囲気下で9日間脱脂し、その後大気雰囲
気でカーボンを除去した。得られた脱脂体を観察したと
ころ、肉厚部に軽微な亀裂が認められた。次に、この脱
脂体に対して、ラテックスゴムで被覆し等方静水圧力7
ton/cm2にて二次成形を施した。得られた二次成
形体を、実施例1と同様に、窒素ガス雰囲気下、180
0℃で4時間焼成することによりタービンローターの焼
結体を得た。最後に、この焼結体に対し、円筒研削盤に
より、単純形状部を仕上加工して最終製品を得た。得ら
れた製品について、その焼結体特性を測定した。また、
翼部断面の形状精度の測定及びコールドスピンテストを
行った。それらの結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】(評価1)これらの実施例1、比較例1〜
2の結果から明らかなように、本発明による実施例1に
よって得られた製品は、比較例1〜2による製品に比べ
て、高強度で形状精度に優れ、しかも安価で大型のター
ビンローターを製造できるがわかる。
【0033】(実施例2)実施例1と同様にして、ター
ビンローター粗加工品の作製、バインダー除去及び仮焼
を行った。次いで、得られた仮焼体に対し、含浸を行っ
た。含浸材料は食用油を用い、ガスを圧力媒体として、
ガス圧8atmで5時間、等方加圧により含浸させた。
【0034】 次に、機械加工を行った。加工装置とし
ては、5軸のマシニングセンター、研削液としてポラー
チップ製WS−500A、研削工具としてエンドミルを
用い、図2に示す大型タービンローターを湿式加工によ
り研削、作製した。得られた大型タービンローター仮焼
体について、大気中、50℃/hrの昇温速度で昇温し
500℃に到達後10時間保持することにより、仮焼体
に含浸した含浸材料を除去した。
【0035】 次いで、窒素ガス雰囲気下、1800℃
で4時間焼成することによりタービンローターの焼結体
を得た。最後に、この焼結体に対し、円筒研削盤によ
り、単純形状部を仕上加工して最終製品を得た。得られ
た製品について、その焼結体特性を測定した。また、翼
部断面の形状精度の測定及びコールドスピンテストを行
った。それらの結果を表2に示す。
【0036】(実施例3)食用油の含浸の際に、圧力媒
体として液体を用い、静水加圧0.5ton/cm2
30秒間、等方加圧により含浸させた以外は、上記実施
例2と同様にタービンローターを作製し、その焼結体特
性及び翼部断面の形状精度の測定並びにコールドスピン
テストを行った。それらの結果を表2に示す。なお、バ
インダー除去の際、亀裂欠陥は観察されなかった。
【0037】
【表2】
【0038】(評価2)これら実施例2及び実施例3で
は含浸材料の仮焼体への含浸を等方加圧により行ったこ
とによって、短時間で十分な含浸を行うことができ、上
記の結果から明らかなように、高強度で形状精度等に優
れた大型のタービンローターが製造できた。
【0039】(実施例4)平均粒径0.5μmの窒化珪
素粉末93重量部に焼結助剤として酸化イットリウム5
重量部、酸化アルミニウム2重量部を粉砕・混合し、更
に成形助剤としてポリビニールアルコール1重量部、ポ
リエチレングリコール1重量部を添加し、スプレードラ
イヤー法により顆粒を調製した。次に、内部に芯金を配
置した成形用ゴム型に顆粒を充填し、等方静水圧力25
0kg/cm2でプレス成形した。この成形体を離型
後、ゴム被覆を施し、更に等方静水圧力7ton/cm
2で二次成形した。
【0040】 次いで、この成形体を平面研削盤によ
り、仮焼後の仮焼体の加工代が2mmとなるように粗加
工した。次に、得られた粗加工品を、大気中、50℃/
hrの昇温速度で昇温し500℃に到達後5時間保持す
ることによりバインダーを飛散除去した。この際、特に
亀裂欠陥は観察されなかった。
【0041】 次いで、バインダー除去した粗加工品を
仮焼した。仮焼は、窒素ガス雰囲気下、1350℃で3
時間行った。得られた仮焼体の特性を調べたところ、全
細孔容積が0.19cc/g、平均細孔径が0.03μ
m、仮焼体強度が61MPaであった。このようにして
得られた仮焼体に対し、含浸を行った。含浸材料はワッ
クスを用い、130℃で溶融したワックス中に仮焼体を
投入し、更に真空脱気し5時間浸漬した。ワックスの仮
焼体への含浸深さ(厚さ)は表面から2.5mmであっ
た。
【0042】 次に、機械加工を行った。加工装置とし
ては、5軸のマシニングセンター、研削液としてユシロ
科学製UB75、研削工具としてエンドミルを用い、図
3に示す10メガワット級タービンノズルを湿式加工に
より2mm研削、作製した。なお、機械加工後の仮焼体
重量は230gであった。得られたタービンノズル仮焼
体について、大気中、50℃/hrの昇温速度で昇温し
500℃に到達後5時間保持することにより、仮焼体に
含浸した含浸材料を溶融して除去した。
【0043】 次いで、窒素ガス雰囲気下、1800℃
で4時間焼成することによりタービンノズルの焼結体を
得た。最後に、この焼結体に対し、湿式の平面研削盤に
より、厳しい形状精度が要求される部位を仕上加工して
最終製品を得た。得られた製品について、その焼結体特
性を測定した。また、翼部断面の形状精度の測定を行っ
た。それらの結果を表3に示す。
【0044】(比較例3)130℃で溶融したワックス
中に仮焼体を投入して5時間浸漬し、ワックスの仮焼体
への含浸深さ(厚さ)を表面から1.5mmとした以外
は、すべて実施例2と同様にしてタービンノズルの最終
製品を得た。得られた製品について、その焼結体特性及
び翼部断面の形状精度を測定した。それらの結果を表3
に示す。なお、機械加工後の仮焼体重量は271gであ
った。
【0045】
【表3】
【0046】(評価3)上記の実施例4及び比較例3の
結果から明らかなように、本発明により、高強度で形状
精度に優れた大型のタービンノズルが製造できるが、含
浸材料の含浸深さ以上に仮焼体を機械加工して含浸材料
を除去すると、最終製品の強度が低下することがわか
る。
【0047】 なお、上記実施例、比較例において、仮
焼体特性及び焼結体特性は、次のようにして測定した。
仮焼体の全細孔容積及び平均細孔径は、水銀圧入式ポロ
シメーターを用いて測定した。仮焼体及び焼結体の強度
は、切出した試験片をJIS R 1601に従って測定
した4点曲げ強度とした。また、翼部断面の形状精度
は、三次元形状測定器(ZEISS製)により測定し
た。コールドスピンテストは、コールドスピンテスター
(丸和電機製)により破壊試験を行って測定した。
【0048】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれ
ば、高強度でしかも形状精度に優れ、低コストで大型、
複雑な形状のセラミック製品、部品を製造することがで
きる。また、本発明では、形状付与を金型等の成形型を
要せずに行うことができるため、製品形状の変更に対し
て、操作用プログラムを変更するのみで対応でき、種々
の形状のセラミック製品に対して迅速に対応でき、研究
効率が向上する。更に、従来の射出成形、鋳込成形では
製造できなかったアンダーカット部品の製造が可能であ
るという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜3で粗加工したタービンローター
粗加工品を示す断面図である。
【図2】 実施例1〜3で得た機械加工後のタービンロ
ーター仮焼体を示す斜視図である。
【図3】 実施例4で得た機械加工後のタービンノズル
仮焼体を示す斜視図である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック成形体を仮焼して形成した仮
    焼体であって、該仮焼体の開気孔に、当該セラミックの
    焼結温度より低い温度で除去し得る材料が含浸されてな
    り、該開気孔の開気孔径が0.01〜0.2μm、気孔
    量が0.1〜0.3cc/gであることを特徴とするセ
    ラミック素材。
  2. 【請求項2】 当該セラミックの焼結温度より低い温度
    で除去し得る材料が、有機材料である請求項1記載のセ
    ラミック素材。
  3. 【請求項3】 当該セラミックの焼結温度より低い温度
    で除去し得る材料が、液体の有機材料である請求項1記
    載のセラミック素材。
  4. 【請求項4】 当該セラミックの焼結温度より低い温度
    で除去し得る材料が、油である請求項1記載のセラミッ
    ク素材。
  5. 【請求項5】 当該仮焼体の4点曲げ強度が10〜20
    0MPaである請求項1記載のセラミック素材。
  6. 【請求項6】 セラミック成形体を仮焼後、得られたセ
    ラミック仮焼体の開気孔に、当該セラミックの焼結温度
    より低い温度で除去し得る材料を含浸して、該開気孔の
    開気孔径が0.01〜0.2μm、気孔量が0.1〜
    0.3cc/gであるセラミック素材を得、次いでこの
    セラミック素材に機械加工を施して所望の形状を付与し
    た後、前記材料を除去し、焼成することを特徴とするセ
    ラミック製品の製造方法。
  7. 【請求項7】 当該セラミック仮焼体の4点曲げ強度が
    10〜200MPaである請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 当該セラミックの焼結温度より低い温度
    で除去し得る材料が、有機材料である請求項6記載の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 当該セラミックの焼結温度より低い温度
    で除去し得る材料が、液体の有機材料である請求項6記
    載の製造方法。
  10. 【請求項10】 当該セラミックの焼結温度より低い温
    度で除去し得る材料が、油である請求項6記載の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 当該セラミックの焼結温度より低い温
    度で除去し得る材料の含浸が、等方加圧により行われる
    請求項6記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 セラミック素材に施される機械加工
    が、湿式の機械加工である請求項6記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019068796A1 (de) * 2017-10-04 2019-04-11 Flc Flowcastings Gmbh Verfahren zur herstellung eines keramischen kerns für das herstellen eines gussteils mit hohlraumstrukturen sowie keramischer kern

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WO2019068796A1 (de) * 2017-10-04 2019-04-11 Flc Flowcastings Gmbh Verfahren zur herstellung eines keramischen kerns für das herstellen eines gussteils mit hohlraumstrukturen sowie keramischer kern

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