JP2000514783A - 物質の貯蔵 - Google Patents

物質の貯蔵

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オーフレツト,アンソニー・デイビツド
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Abstract

(57)【要約】 血漿を、少なくとも15℃のガラス転移温度を有するアモルファス状態に乾燥させることにより保存する。乾燥血漿のガラス転移温度は、予想よりも高い。従って、キャリヤ物質を血漿と混合することができ、乾燥ガラス状組成物中に配合することができるが、血漿固体重量は、いかなるキャリヤ物質の重量を超えることができる。混合したキャリヤは存在しないか、少量なので、乾燥組成物は、輸血前に再水和化することのみが必要な単位用量とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 物質の貯蔵 本発明は、物質の貯蔵、より特定的には血漿の貯蔵に関する。係属中の米国特 許出願第08/241,457号及び対応する欧州特許出願第92305769.9号(EP-A-520748 号として公開)では、不安定な生物学的物質を、好適なキャリヤ物質の存在下で 噴霧乾燥することにより安定な形態とすることができ、これを乾燥すると、組成 物をガラス状またはゴム状のアモルファス状態とすることができると説明してい る。これらの文献の開示は、本明細書中、参照として含まれる。 「貯蔵すべき物質は、好適なキャリヤ物質を既に含んでいる形態で存在するこ とができ」、及び「特に、このような状態は、貯蔵すべき物質が比較的少量成分 及び血漿中に自然に存在する、特にアルブミンが乾燥時にガラス状態にすること ができる他の成分である場合、血漿から誘導した製品について生じ得る」といわ れている。 例えば、ヒト血液ドナーにより得られる全血は、日常的には、赤血球を含有す る画分と、赤血球を含有しない血漿である成分 とに分離される。これらの物質はいずれも、患者への輸血に使用することができ る。 さらに、血漿を個々の特定の成分に分画し、必要な成分を治療に使用すること も可能である。 血漿は、室温で貯蔵することができないが、凍結させ、凍結物質としていつま でも貯蔵することができる。多くの病院では、そのような凍結血漿を貯蔵するた めの設備を保有する。 しかしながら、そのような設備は、国によっては利用できないことがある。ま た、自然災害または他の緊急事態の後の医療処置のために大量の血漿が必要な場 合、凍結状態での血漿の輸送は、本質的な問題である。 本出願人は、上記米国及び欧州特許出願の方法を血漿の乾燥に適用することが でき、該方法を実施すると、血漿の多くの重要な成分か安定な形態で貯蔵される ことを知見したことについて説明する。さらに、乾燥製品にアモルファスキャリ ヤ物質を提供するために血漿の構成成分を頼ってキャリヤ物質を添加せずに血漿 を噴霧乾燥しても、種々の成分の保存は、別個にキャリヤ物質を添加したのと同 様に優れていることを知見した。 従って、本発明により、乾燥血漿を提供する。乾燥血漿は、 血漿固体を含有するアモルファスのガラスまたはゴム状(固体の外観を有する) の形態の組成物である。 この組成物は、アモルファス粉末の形態であるのが好ましく、少なくとも15℃ 、好ましくは少なくとも20℃以上のガラス転移温度を有することができる。 本組成物は、血漿固体と混合した、添加されたキャリヤ物質を含むことができ る。しかしながら、本出願人は、そのような添加キャリヤを省略することができ るか、または添加された血漿の重量未満の量で配合することができることを知見 した。幾らかのキャリヤを添加する場合でも、本組成物は、少なくとも75重量% の血漿固体を含有するのが好ましく、少なくとも80または90重量%を含有するの がより好ましい。 意外にも、キャリヤを添加することなく、低含水量に乾燥させた血漿のガラス 転移温度は、アルブミンが血漿中の溶質の主成分であるにも拘わらず、乾燥ヒト アルブミンのガラス転移温度から予測される温度よりも高い。 このことは、無論、ガラス状態を達成するために乾燥することが、予想よりも 容易であることを表す。従って、製品の好ましい形態は、少なくとも20℃、より 好ましくは少なくとも25℃ または少なくとも30℃のガラス転移温度を有する、余分のキャリヤ物質を添加す ることなく乾燥させた血漿である。 また、混合キャリヤは存在しないか、または少量なので、本組成物は、輸血前 に最小の処置しか必要としない。 血漿は、再水和化する時に輸血用に好適な容量とするようなサイズの個別の量 に包装することができる。そのような量は、血漿中に知見される元の濃度に対し 、例えば、再水和化用の水50〜1000ml、より好ましくは100〜500mlを必要とする ようなものであり得る。血漿の平均固体含量の掲載値は、8.6重量%である。従 って、そのような個々の用量は、4.3〜86グラム、より好ましくは8.6〜43グラム の量の血漿固体を含み得る。 別の態様では、本発明は、熱気体流中に血漿を噴霧し、それにより血漿を乾燥 させて、ガラス状またはゴム状アモルファス状態である粒子とし、次いで気体流 からこれらの粒子を分離することを含む、貯蔵に好適な血漿を与える方法を提供 する。アモルファス状態 「ガラス」とは、非常に高い粘度、即ち少なくとも1013Pa.s、場合により1014 Pa.s以上の粘度を有する不十分冷却された液体(undercooled liquid)として定 義する。 通常、「ガラス」とは、粉砕または挽いて粉末にすることができる、均一、透 明で、脆い固体の外観を表す。ガラス中では、拡散性の変遷(プロセス)が、1 年当たりミクロンなどの非常に遅い速度で起こっている。1つ以上の反応性部分 を含有する化学的または生化学的変化は、事実上阻害される。 ガラス転移温度Tgとして知られる温度以上では、粘度は急激に減少し、ガラ スはゴム状態に変化し、変形不可能なプラスチックに変化し、次いでさらに高温 では流体に変化する。 水溶性または水-膨潤性の、モノマー性及びポリマー性のいずれの、多くの親 水性物質は、アモルファス状態で存在するか、またはアモルファス高分子のガラ ス/ゴム転移特性を示すアモルファス状態に転換することができる。これらは、 ガラス転移温度Tgと定義され、関与する物質の分子量及び分子の複雑性に依存 する。Tgは、可塑剤を添加することにより低下させることができる。水は、そ のような親水性物質全てに対して共通する可塑剤である。従って、ガラス/ゴム 転移温度は、水または水溶液を添加することにより調節可能である。出発物質 血漿は、全血から血漿を分離する慣用の方法により得ること ができる。ウイルス感染の恐れがあるため、今日では、血漿を存在する全てのウ イルスを不活化する処理にかけるのが慣用となっている。(この操作は、血漿を 溶媒及び界面活性剤に暴露させることを内含する。)このようにしてウイルス- 不活化血漿を使用することができる。 血漿は、その濃度が赤血球の分離及び場合により抗凝血薬溶液で希釈すること により変化するが、互いにその自然の割合で(気体を除き)血液の水溶性成分を 全て含有するという点で「全」血漿(whole plasma)であり得る。 所望により、血漿は、乾燥前に凍結状態で一時的に貯蔵することができる。こ れは、新しく得られた血漿で乾燥操作を実施することよりも更に都合が良いこと が知見され得る。 追加のキャリヤ物質を全く添加しない場合、少なくとも90重量%、好ましくは 少なくとも95重量%の乾燥血漿が、自然の血漿由来の溶質である。添加するキャリヤ物質 噴霧乾燥前に血漿に別個にキャリヤ物質を添加する必要がないということは、 都合の良い特徴である。しかしながら、そのような物質も所望により添加するこ とができる。米国特許出願 及び欧州特許出願に記載されているように、どんなキャリヤ物質も、水溶性また は水-膨潤性であり、且つアモルファス状態で存在し得るように親水性である物 質であるべきなのが望ましい。 多くの有機性物質及びそれらの混合物は、溶融状態から冷却する際にガラス状 態を形成する。 このような関係において、炭化水素は、ガラス形成性物質のひとつの重要な種 類であり、従って、キャンディーは、糖(グルコースまたは蔗糖)のガラス形態 である。グルコース、麦芽糖及びマルトトリオースのTgは、各々、31、43及び7 6℃である[L.Slade及びH.Levine,Non-equilibrium behaviour of small carb ohydrate-water systems,Pure Appl.Chem.60,1841(1988)]。水はTgを低下 させ、これらの炭化水素に関し、少量の水分によるTgの低下は、添加した水分 の1パーセント当たり約6℃である。本出願人は、蔗糖に関するTgは65℃である と測定した。 直鎖(straightforward)炭化水素に加えて、他のポリヒドロキシ化合物、例 えば、炭化水素誘導体及び化学的に修飾した炭化水素(即ち、骨格を変化させる ことなく、分子の炭素骨格上の置換基を変化させるために化学反応にかけた炭化 水素)を使 用することができる。 ガラス形成性物質の他の重要な種類には、水溶性または水-膨潤性合成ポリマ ー、例えば、ポリアクリルアミドがある。 好適な他の種類の物質には、蛋白質及び蛋白質加水分解物がある。従って、ア ルブミン及びゼラチンの加水分解生成物も使用することができる。 本発明で特に使用できるガラス形成性物質の別のグループは、米国特許第3,30 0,474号に記載され、Pharmaciaより登録商標「Ficoll」として市販されている糖 コポリマーがある。この米国特許は、この物質が、分子量5,000〜1,000,000を有 し、エーテル橋部を介して二官能性基に結合している蔗糖残基を含有すると記載 している。このような基は、2、3個以上の炭素原子のアルキレンであるが、通 常10個以上の炭素原子のアルキレンであり得る。二官能性基が作用して糖残基を 一緒に結合させる。これらのポリマーは、例えば、ハロヒドリンまたはビス-エ ポキシ化合物と糖との反応により製造することができる。 予定したキャリヤ物質の好適性及びその中に配合することができる物質量はい ずれも、配合する物質でガラスまたはゴム状組成物を製造し、次いで全く実質的 な期間、貯蔵せずに物質を 再生させることによりチェックすることができる。 Tg値は、示差走査熱量計により測定することができ、温度に対する熱投入量 のプロットが最初の温度微分係数の最大を与える屈曲点を通過する時点をポイン トとして検出する。処理 処理は、液体血漿またはそのような液体血漿の混合物及び添加キャリヤ物質か ら開始する。 次の段階は、水性混合物を熱気体流中に噴霧する噴霧乾燥操作である。使用す る気体は、通常空気であるが、他の気体、例えば窒素であってもよい。血漿を最 終的に輸血に使用する場合、熱気体流を提供するために使用する気体は滅菌でな ければならない。気体を滅菌するために気体を濾過するための装置は市販されて おり、医薬業界では日常的に使用される。 本出願人は、血漿の噴霧乾燥は、80℃〜250℃、より好ましくは125℃〜250℃ の温度範囲で、熱気体流中に血漿(または血漿と添加キャリヤとの混合物)を噴 霧乾燥することにより効果的に実施することができることを知見した。 実験室スケールの噴霧乾燥機は、血漿を、アモルファス粉末が−20℃〜20℃の 範囲のガラス転移温度を示すような少ない残 存水分量を有するアモルファス粉末に十分に乾燥させることができる。そのよう な装置を使用する場合、キャリヤ物質を添加すると、噴霧乾燥操作中よりも高い Tg値を得ることが容易になる。この目的のためには、添加キャリヤ物質自体が 、少なくとも40℃、より好ましくは少なくとも50℃のガラス転移温度を有するガ ラス形成性物質であるのが好ましい。添加キャリヤ物質に関してガラス転移温度 の理論的な上限はないが、実際、好適な物質のTg値は、250℃未満である。従っ て、キャリヤ物質を血漿に添加する場合、純粋及びアモルファスが存在するとき のこの物質のガラス転移温度は50℃〜200℃の範囲であることが多い。 ラージスケールの噴霧乾燥装置は、キャリヤ物質を別個に血漿に添加しなくて も、乾燥血漿を直接、少なくとも15℃または20℃のTg値を有する製品とするこ とができる。 かなり小さいスケールで噴霧乾燥を実施するための装置は、多くの業者より入 手可能である。その一つは、パイロットプラントスケールの乾燥機を製造するDr ytec Ltd,Tonbridge,Kent,Englandである。もう一つの業者は、実験室スケール の乾燥機を製造するLab-Plant Ltd,Longwood,Huddersfield,England である。 噴霧乾燥をラージスケールで実施するための処理プラントも公知である。貯蔵 貯蔵温度がアモルファスの乾燥血漿のTg未満であれば、噴霧乾燥した血漿は 、長期間貯蔵することができる。 乾燥血漿のTgが十分に高い場合、貯蔵は室温でも可能である。しかしながら 、Tgが室温に近いか、または室温未満の場合でも、特に貯蔵が長期間であれば 、冷却または冷蔵貯蔵で乾燥血漿を冷蔵することが必要であるか、またはそうす るのが望ましい。これはあまり都合はよくないが、やはり冷凍血漿の貯蔵に必要 な冷蔵能力よりも小さい冷蔵能力が必要である。 特に、血漿を15℃未満のガラス転移温度のアモルファス状態に乾燥する場合、 物質のガラス転移温度未満に保持するために、血漿を5℃未満の温度で冷蔵貯蔵 するのが望ましい。 組成物を貯蔵中、組成物のTg以上に加熱すると、組成物はゴム状態に変化す るだろう。この条件においても、貯蔵物質はかなりの期間安定である。従って、 短期間、例えば輸送中、温度がTg以上に上昇しても、組成物が損なわれること はない。 もし組成物をそのTgよりやや高い温度(即ち、ゴム状態)に保持しても、長 期間の貯蔵が可能であろうが、貯蔵温度がTg未満であるとき程、長期間ではな い。追加の乾燥 冷蔵(cold storage)の必要性を避け得る可能性は、噴霧乾燥により得られた 物質を追加の乾燥操作にかけることである。殆どの水分が噴霧乾燥段階で除去さ れているため、追加の乾燥操作にかけるべき物質の容量は血漿の元の容積と比較 して小さい。追加の乾燥は、最も好都合には、減圧下、穏和な加熱と共に実施す ることができる。貯蔵からの再生 使用しなければならない場合には、乾燥血漿を水または場合により生理食塩水 により再構築することができる。通常、噴霧乾燥も滅菌条件下で実施した場合、 再構築した血漿が輸血時に使用するために滅菌状態であるように、使用する水も 滅菌であるのが望ましい。水を滅菌状態に精製するための装置は、無論、容易に 入手可能である。図面 単一の図面は、研究室スケールの噴霧乾燥装置の概略図であ る。 本装置においては、大気から空気をブロワー10により吸い込み、電気ヒーター 12上を通過し、その後空気はメインチャンバ16を下方へ通過する。噴霧すべき水 性混合物は蠕動計量ポンプ20により供給容器18から吸い上げられ、ヒーター12か ら出る熱空気流中に細かい噴霧として水性混合物を放出する噴霧ノズル22に運ば れる。噴霧及び熱空気流は、メインチャンバ10を一緒に流れて(co-currently) 下方に移動する。 噴霧の液滴が乾燥し、液滴がメインチャンバ16内を下方へ通過するにつれて固 体粉末形態となる。粉末は、空気内に飛沫同伴されて、メインチャンバ16内を下 方へ通過する。これにより、一方の出口管26により、飛沫同伴された固体粉末を 空気流から除去するサイクロン分離器28へと運ばれる。このようにして空気流か ら分離された固体粉末を脱着可能な容器30内に製品として集め、その間、空気は 、排気管32を通って大気中へと通過する。メインチャンバの壁に粘着する固体は 、廃棄容器24中に落下する。 任意の噴霧乾燥装置の操作時の重要なパラメーターは、メインチャンバに収容 され、その中に噴霧が運ばれる気体流の温度 である。本発明に関しては、気体流の内部温度は、一般的には80℃を超え、通常 90℃を超え、100〜250/300℃の範囲内である。実施例1 血漿の乾燥時に達成可能なガラス転移温度を測定するためにモデル実験を実施 した。 アルブミンは、血漿の最大の単一蛋白質成分(3〜5%w/v)を構成するため、モ デル物質として使用する。ヒトアルブミン299mg/mlを含有する水溶液を蒸留水で 希釈し、蛋白質125mg/mlを含有する溶液を得る。2mlをピペットで採取してバイ アルに入れ、凍結乾燥機中−37℃に凍結させた。温度を一定に保持し、圧力を0. 21mbarに減少させた。14時間内で、氷が完全に昇華した。次いで圧力を0.12mbar に減少させ、温度を5℃/時間の速度で30℃に上昇させることにより第2の乾燥を 実施した。生成物をその温度で2時間保持した。 次いでTgを、示差操作熱量計で測定すると、48℃であることが知見された。 カールフィッシャー測定による含水量は、1.4重量%であった。実施例2 凍結した、ウイルス-不活化ヒト血漿一単位(200ml)を、解 凍した。解凍した血漿のうち5mlを再凍結させ、次のアッセイ用の対照とした。 残りの195mlを蒸留水34mlに加え、その構造を図面に示したLab Plant Spray Dr ier,モデルSD-04を使用して噴霧乾燥した。液体血漿を425ml/時間の速度でメ インチャンバ内に汲み上げ、<2barの圧力下、0.5mm直径のノズルを介して噴出 させた。熱空気を一緒に流す状態でチャンバ内に62m3/時間の速度、温度200℃で 導入した。出口空気の温度は、81℃であった。集められた物質は、麦藁色の、易 流動性粉末であった。集めた乾燥血漿の収率は、血漿の文献に記載の平均固体含 量(8.6重量%)に基づく予想量の72.5%であった。これを、以下のアッセイを 実施するまで、−40℃で2ヶ月間、血漿ビン内で貯蔵した。実施例3 凍結した、ウイルス-不活化ヒト血漿一単位(200ml)を解凍した。解凍した血 漿のうち5mlを再凍結させ、続くアッセイの対照とした。残りの195mlを蒸留水3 4mlに加え、Lab Plant Spray Drier,モデルSD-04を使用して以下のように噴霧 乾燥した。液体血漿を350ml/時間の速度でチャンバ内に汲み上げ、<2barの圧 力下、0.5mm直径のノズルを介して噴出させた。熱 空気を一緒に流す状態でチャンバ内に64m3/時間の速度、温度150℃で導入した。 出口空気の温度は、81℃であった。集められた物質は、淡黄色の、易流動性粉末 であった。集めた乾燥血漿の収率は、予想量の79.8%であった。これを、以下の アッセイを実施するまで、−40℃で2ヶ月間、血漿ビン内で貯蔵した。実施例4 凍結した、ウイルス-不活化ヒト血漿一単位(200ml)を解凍した。解凍した血 漿のうち5mlを再凍結させ、続くアッセイの対照とした。残りの195mlを、排気 気体から飛沫同伴した物質を全て除去するための集塵機を備えた、Lab Plant Sp ray Drier,モデルSD-05を使用して噴霧乾燥した。液体血漿を175ml/時間の速度 でメイン乾燥チャンバ内に汲み上げ、<2barの圧力下、0.5mm直径のノズルを介 して噴出させた。熱空気を一緒に流す状態でチャンバ内に52m3/時間の速度、温 度200℃で導入した。出口空気の温度は、91℃であった。集められた物質は、麦 藁色の、易流動性粉末であった。集めた乾燥血漿の収率は、68%であった。実施例5 凍結した、ウイルス-不活化ヒト血漿一単位(200ml)を解凍 した。解凍した血漿のうち5mlを再凍結させ、続くアッセイの対照とした。残り の195mlを食品等級の10g蔗糖を含有する蒸留水34mlに加え、Lab Plant Spray Dr ier,モデルSD-04を使用して以下のように噴霧乾燥した。液体血漿を425ml/時間 の速度でチャンバ内に汲み上げ、<2barの圧力下、0.5mm直径のノズルを介して 噴出させた。熱空気を一緒に流す状態でチャンバ内に62m3/時間の速度、温度200 ℃で導入した。出口空気の温度は、82℃であった。集められた物質は、麦藁色の 、易流動性粉末であった。集めた乾燥血漿の収率は、74.3%であった。これを、 以下のアッセイを実施するまで、−40℃で2ヶ月間、血漿ビン内で貯蔵した。乾燥血漿の品質アッセイ及び物理的特性 Hellsternら.,Vox Sanguinis,Vol.63,178-185頁(1992)の記載通りに、凍 結/解凍対照及び再構築物質でアッセイを実施した。乾燥した血漿は、蒸留水を 添加することにより再構築し、凍結対照物質中と同一固体含有量とした。アリコ ートを採取し、再構築時間、因子V、VII、VIII、フィブリノーゲン、再構築血漿 のpH、及び活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)に関して分析した。因子 VIIIは、2つの独立した方法:一段階凝固 アッセイ及び発色体基質アッセイにより検出した。アッセイの結果を以下の表1 に示す。乾燥製品のガラス温度は、示差操作熱量計(Perkin-Elmer DSC-2)によ り測定し、含水量は、カールフィッシャー電量法(三菱)により測定した。これ らの結果を以下の表2に示す。実施例6及び7 実施例2及び5で得られた乾燥血漿サンプルを各々、以下のように冷トラップ に接続した真空オーブン中で追加の乾燥にかけた。粉末化血漿をペトリ皿に広げ 、50〜60℃、2mbar圧力で5日間加熱した。ガラス温度と含水量を上述の如く測 定した。 結果を表2にまとめる。 実施例2及び5と同様の方法により乾燥した血漿サンプルを別の実験室に(ド ライアイス上で)運び、−100℃で5ヶ月間貯蔵し、因子VIIIの量に関して分析 した。因子VIIIの存在量は、乾燥せずに凍結貯蔵した血漿の対照サンプル中の量 よりもやや多いことが知見された。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年6月25日(1998.6.25) 【補正内容】 請求の範囲 1. 少なくとも15℃のガラス転移温度を有する全血漿固体を含む、アモルファ スガラスである組成物。 2. アモルファス状態で、血漿固体量よりも少ない重量で存在する添加キャリ ヤ物質を包含する請求項1に記載の組成物。 3. 少なくとも90重量%が血漿固体である請求項1に記載の組成物。 4. 少なくとも20℃のガラス転移温度を有する請求項1〜3のいずれか1項に 記載の組成物。 5. 用量中の血漿固体の重量が、8.6〜43グラムの範囲である請求項1〜4の いずれか1項に記載の個々の用量を含有するパッケージ。 6. 熱気体流中に血漿を噴霧し、それにより血漿をガラス状またはゴム状アモ ルファス状態である粒子に乾燥させ、これらの粒子を気体流から分離し、ついで 場合により、少なくとも15℃のガラス転移温度を有するアモルファスのガラス状 組成物を形成させるために該粒子をさらに乾燥させることを含む、貯蔵に好適な 血漿の製造方法。 7. 噴霧乾燥前に血漿とキャリヤ物質とを混合することを包含する請求項6に 記載の方法。 8. キャリヤ固体が血漿中の固体の重量よりも少ない、請求項7に記載の方法 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 オーフレツト,アンソニー・デイビツド イギリス国、ケンブリツジ・シー・ビイ・ 4・6・デイ・テイ、ミルトン、フロウメ ント・ウエイ・4 (72)発明者 オールダス,バリー・ジヨン イギリス国、ケンブリツジ・シー・ビイ・ 4・2・アール・ビイ、ホーキンス・ロー ド・89

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 少なくとも15℃のガラス転移温度を有する血漿固体を含む、アモルファス ガラスである組成物。 2. アモルファス状態で、血漿固体量よりも少ない重量で存在する添加キャリ ヤ物質を包含する請求項1に記載の組成物。 3. 少なくとも90重量%が血漿固体である請求項1に記載の組成物。 4. 少なくとも20℃のガラス転移温度を有する請求項1〜3のいずれか1項に 記載の組成物。 5. 用量中の血漿固体の重量が、8.6〜43グラムの範囲である請求項1〜4の いずれか1項に記載の個々の用量を含有するパッケージ。 6. 熱気体流中に血漿を噴霧し、それにより血漿をガラス状またはゴム状アモ ルファス状態である粒子に乾燥させ、これらの粒子を気体流から分離し、ついで 場合により、少なくとも15℃のガラス転移温度を有するアモルファスのガラス状 組成物を形成させるために該粒子をさらに乾燥させることを含む、貯蔵に好適な 血漿の製造方法。 7. 噴霧乾燥前に血漿とキャリヤ物質とを混合することを包含する請求項6に 記載の方法。 8. キャリヤ固体が血漿中の固体の重量よりも少ない、請求項7に記載の方法 。
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