JP2000514327A - センタリング手段を有するカテーテル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 放射性要素を導くための第１のチャンネルと、カテーテルのためのガイドワイヤを通過させるための第２のチャンネルとを有する細長の管を含むカテーテルにおいて、前記細長の管にはその端部近傍の外周部に一時的に作動可能なセンタリング手段が設けられ、該センタリング手段は再疎通手段によって包囲され、該センタリング手段は、少なくとも１つの第３のチャンネルを介して供給される流体によって膨らませることのできる複数の細長のバルーンを含み、動作時においては、再疎通手段を膨らませて細長の本体を形成させ、該細長の本体を中心に第１のチャンネルがセンタリングされる。

Description

【発明の詳細な説明】 センタリング手段を有するカテーテル 本発明は、放射性要素を導くための第１のチャネル及びカテーテル用のガイド ワイヤを通過させるための第２のチャネルを有する細長い管から成るカテーテル に関し、その細長い管には、遠位末端近くの外部周縁上に、一時的に作動可能な センタリング手段が装備されている。 このようなカテーテルは、ＥＰ−Ａ−０ ６８８ ５８０から周知であるが、こ れは、実質的に閉塞された血管（たとえば、血管内腔内にいわゆるプラークが沈 着した結果として）を、細長いカテーテル管の末端部に固定した、液体で膨張可 能な再疎通バルーンなどの伸縮可能な要素によって広げて、再びこの広げられた 血管を血液が障害なく流れるように、再疎通処置後に使用するためのものである 。 血管中に狭窄が再び形成中であったり、または既に形成されているために、再 度再疎通治療が必要であることが、比較的短期間後にしばしば見られる。この狭 窄は、多分、血管壁が拡張により損傷を受けることにより、拡張場所における組 織発育（新最内部増殖として知られる）の結果であろう。この組織形成は、もし 、再疎通治療の間にまたはその直後に、問題の血管組織をイオン化放射線、特に β線および／またはγ線で照射すれば、大幅に予防できるか、または少なくとも 減少させることができる。 そのような治療には、ＥＰ−Ａ−０ ６８８ ５８０から周知であるカテーテ ルを使用することができる。導入される放射性要素の放射線の強度は、遠くなる につれて大きく減少する。放射線量を大きくし過ぎたり（血管壁を損傷させる） 低くし過ぎたり（拡張場所における組織発育を意図したように減少させない）し ないためには、放射性要素を血管中において正確に中心に置くことが重要である 。既知のカテーテルにおいては、これは、狭窄具によって複数のバルーン部分に 小分けした膨張可能なバルーンの形態でのセンタリング手段によってなされる。 この狭窄具は、異なるバルーン部分が連通するような寸法にされている。 それ故、そのような治療においては、再疎通カテーテルを何よりも先に所望の 場所に持ってきて、再疎通治療を実施した後に取り除き、放射性要素を導くため のカテーテルと取り替えねばならないが、この点に関連しては、もちろん、放射 性要素を初めの再疎通治療の場所に正確に置くことに多大の注意を払わねばなら ない。全般的に見て、極度に注意深く実施しなければならない面倒な時間がかか る方法は、一方において、治療を受けねばならない患者の見地からしても、でき るだけ迅速にまた効率的に実施されるのが望ましい。 かくして、本発明の目的は、短時間に効率良く、かつできるだけ少ない操作で 信頼性高く治療が実施され得るような器具を提供することである。 これは、本発明に従えば、センタリング手段が再疎通手段によって包囲され、 該センタリング手段は、第３のチャネルを介して導入される流体により膨張可能 な複数の細長のバルーンであって、該バルーンに関して第１のチャンネルがセン タリングされる複数の細長のバルーンを含むことを特徴とする、上述した形式の カテーテルによって達成される。これらの手段によると、カテーテルの除去動作 および導入動作が回避されるので、再疎通治療および血管の拡張領域の放射線治 療が同一の一つのカテーテルで実施され、すなわち迅速に時間の無駄がなく行え 、これはまた患者にとっても特に価値あることでもある。更に、カテーテルを代 える必要が無いという事実は、センタリング手段が正確に所望の位置に自動的に 置かれるというさらなる特別の利点を持つので、そのうえに、放射が正確な位置 に、正確な様式で常に実施されるという保証もまた得られる。 再疎通治療及び照射治療の両方にこのようなカテーテルを使用することによっ て、二つのカテーテルを順次導入する場合よりも、治療場所にカテーテルをより 長い時間連続的に置くことになる。この点に関連して、本発明の一つの好適な実 施態様に従えば、再疎通手段内においておよびセンタリング手段にそって、再疎 通手段およびセンタリング手段の近位端部から再疎通手段およびセンタリング手 段の遠位端部まで伸びる少なくとも一つの還流チャンネルがある。これらの手段 によって、治療した血管を通る血液の流れは、かなりの程度で邪魔されないまま とすることが可能で、これに関する特別な手段を一般に不必用とする。 本発明を、添付の図を参照し以下においてさらに詳細に説明する。 図１は本発明に従ったカテーテルの一例を示す、図２の線Ｉ−Ｉにそった縦断 面から見た図を示し、 図２は、本発明に従ったカテーテルのセンタリング手段を備えた部分の横断面 を図示している。 図１および図２はそれぞれ、縦断面および横断面における、センタリング手段 を備えた、本発明に従ったカテーテル１の遠位端部の一例を示す図である。図示 のカテーテルは、この例においては該遠位端部において閉じた中心チャンネルで あって、血管壁を照射するように血管内の予め定められた場所に放射線源を案内 するように働く中心チャンネル３を持つ管２を備えている。血管壁は、照射の前 か、または照射と同時かのいずれかにおいて再疎通手段によって広げられる。該 カテーテルは、該カテーテル用ガイドワイヤを通過させるための第２の長手方向 チャンネル４を備えている。該第２の長手方向チャンネル４は５で示されている ように、該遠位端部において、またはその近傍のいずれかにおいて、開いている 。 この関連において、血管内へのバルーンカテーテルの導入のための種々の技術 が周知であることが指摘される。第１の技術としては、「オン・ザ・ワイヤシス テム」としても知られている、いわゆる固定ワイヤシステムについて言及するこ とができる。第２の技術はいわゆる「オーバー・ザ・ワイヤ」技術であり、該技 術においてはバルーンカテーテルをガイドワイヤ上に押し込み変位させることが できる。第３の技術に従えば、バルーンカテーテルの比較的短い部分に入口およ び出口を持つチャンネルが設けられ、カテーテルをガイドワイヤに沿って押すこ とができるようにこのチャンネルを通ってガイドワイヤが延びるバルーンカテー テルが使用されている。この最後の技術は一般にモノレールシステムと言われて いる。このモノレールシステムも好適には、しかし必ずしもではないが、本発明 に従ったカテーテルにおいて使用される。図１に示した実施の形態においては、 チャンネル４はこのモノレール技術の利用に適したカテーテルを形成している。 該カテーテルにはさらに、センタリング手段および再疎通手段が設けられてい る。該センタリング手段には、図２から最も良く分かるように、管２の回りに放 射状に互いに並んで配置された細長の複数のバルーン６，７，８，９，１０，１ １が設けられている。これらのバルーンは管に固定され、管に配置された１つま たはそれ以上のチャンネルによって膨らますことができる。この目的のために、 液体または気体のいずれかである、またはそれらの組み合せであってもよい適切 な流体を供給し、後に該チャンネルを介して再び除去することができる。 バルーンへの流体の供給および除去のために２本のチャンネル１３および１４ が図示の実施の形態においては管内に形成され、該チャンネル１３および１４は それぞれ横方向チャンネル１３ａ，１３ｂ，１３ｃおよび１４ａ，１４ｂ，１４ ｃを介してバルーンの内側と連通している。 該細長のバルーンは、関連オランダ特許出願ＮＬ１００３５２７に記載された 手法と類似した手法において再疎通手段内に配置されるが、本発明に従った該再 疎通手段は、閉じたバルーンからなるものではなく、柔軟な材料のスリーブ１２ からなる。スリーブ１２は、１つまたはそれ以上のバルーンの外表面、またはす べてのバルーンの外表面とさえも接続可能であるが、該スリーブ１２は、たとえ ば適切な材料の条片やスレッドなどの適切な接続手段１５によって管２に接続す ることも可能である。接続手段１５は、たとえば、細長のバルーンから出発し、 端部でバルーン材料の一部を取り除くことによって形成することができる。遠位 端部においては、１６で示されているように、接続手段はプッシュアップを避け るために流線形にすることができ、開口部１７が設けられている。スリーブ１２ は、前部および後部が開いた細長のバルーンと見ることができる。 カテーテルの操作方法は以下に示す通りである。まず最初に、カテーテルを、 ガイドワイヤを用いて既知の一方法により血管内に導入し、再疎通手段の設けら れた部分が治療すべき狭窄に配置されるまで導入する。その後、細長のバルーン ６〜１１は、チャンネル１３および１４を介して膨らまされる。バルーンは、ス リーブ１２を介して血管の周壁に外方向の力を与え、それにより血管が幾分収縮 して狭窄が消える。スリーブはバルーンの膨張を制限し、その結果、バルーンは 、スリーブに関して、したがって血管の壁に関して、チャンネル３にセンタリン グされる。したがって、消失させた狭窄の位置において血管壁に照射を行うため に、 さらなるセンタリング操作を行うことなく、放射性要素をチャンネル３内に押す ことができる。スリーブはその端部において開口しており、バルーン間には１８ によって示されるような自由空間が存在するので、問題となる血管内の血液の流 れが治療中に妨害されることはない。 センタリング操作は、動作時において、その内部に放射性要素が存在するチャ ンネル３に関して実施すべきであることに注目される。チャンネル３は、管２の 中心に確実に配置することができるが、管２はさらに別のチャンネルをも含むの で、しばしばそうで無い場合もある。図示した例において、チャンネル３は管内 で中心から外れて配置されている。このような場合でも、良好なセンタリングを 達成するために、バルーンおよび／またはセンタリング手段１５は、管に関する 半径位置に合わせた径または長さを有していなければならない。径または長さは 、バルーンまたは接続手段が中心チャンネル３に近づくにつれて大きくなる。図 ２では、バルーン７および８が最も大きい径を有し、バルーン１０および１１が 最も小さい径を有している。 上述のことに基づいた様々な変更が、当業者にとって自明であることにもさら に注目される。１つまたはそれ以上の細長のバルーンは、たとえば、一方を他方 の背後に配置した複数のバルーンから構成されてもよい。さらに、スリーブは互 いに間隔を開けて配置した複数の環状の条片で構成することもでき、該条片は長 手方向の条片と接続しても、しなくてもよい。 さらに、ガイドワイヤのためのチャンネルは、センタリング手段を越えて配置 されるカテーテルの遠位端部を限界としている。その後、チャンネル４は口部５ から、センタリング手段の遠位端部の前部まで後方に伸び、そこには壁部にガイ ドワイヤの通路のための開口部がある。図１において近位端部の方向にさらに伸 びるチャンネル４の残部は、存在しなくてもよく、あるいはチャンネル１３，１ ４の一方または両方の機能を遂行するために使用することもできる。その場合、 接続チャンネル１３ａ，１３ｂ，１３ｃおよび／または１４ａ，１４ｂ，１４ｃ が、チャンネル４に接続され、チャンネル１３および／または１４は不要になる 。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．放射性要素を導くための第１のチャンネルと、カテーテルのためのガイド ワイヤを通過させるための第２のチャンネルとを有する細長の管を含むカテーテ ルであって、前記細長の管には該管の遠位末端近くの外部周縁上に、一時的に作 動可能なセンタリング手段が装備されるカテーテルにおいて、センタリング手段 が再疎通手段によって包囲され、該センタリング手段は、少なくとも１つの第３ のチャンネルを介して供給される流体によって膨張可能な複数の細長のバルーン を含み、動作時においては、再疎通手段を膨らませて細長の本体を形成させ、該 細長の本体に関して第１のチャンネルがセンタリングされることを特徴とするカ テーテル。 ２．再疎通手段内においておよびセンタリング手段にそって、再疎通手段およ びセンタリング手段の近位端部から再疎通手段およびセンタリング手段の遠位端 部まで伸びる少なくとも１つの還流チャンネルを特徴とする請求項１記載のカテ ーテル。 ３．再疎通手段が柔軟な材料から成るスリーブを含み、該スリーブは細長のバ ルーンの周りに配置され、両端部において少なくとも部分的に開口していること を特徴とする請求項１または２記載のカテーテル。 ４．スリーブが、１つまたはそれ以上のバルーンの外壁に固定されていること を特徴とする請求項３記載のカテーテル。 ５．スリーブが、少なくとも該スリーブの端部にある接続手段によって、管に 接続されていることを特徴とする請求項３または４記載のカテーテル。 ６．スリーブおよび接続手段が、遠位端部において滑らかな流線形を有するこ とを特徴とする請求項５記載のカテーテル。 ７．細長のバルーンが管の周りに放射状に分布することと、バルーン間に存在 する自由空間が環流チャンネルを形成することとを特徴とする前出の請求項のい ずれかに記載のカテーテル。 ８．第１のチャンネルが管内において偏心して配置され、接続手段の長さおよ び／またはバルーンの径は、接続手段およびバルーンが第１のチャンネルに近づ くにつれて大きくなることを特徴とする請求項５，６または７記載のカテーテル 。 ９．１つまたはそれ以上の細長のバルーンは、一方を他方の背後に配置した複 数のバルーンから成ることを特徴とする前出の請求項のいずれかに記載のカテー テル。 １０．第２のチャンネルは、再疎通手段およびセンタリング手段の前方に伸び る管の遠位端部内だけに伸びることを特徴とする前出の請求項のいずれかに記載 のカテーテル。