【発明の詳細な説明】
タキサンヒドロキシモノアシル化法
本発明は、ヒドロキシタキサン類のモノアシル化法に関する。本発明はより特
別には、10-デアセチルバッカチンIIIまたはそれらの誘導体の選択的なモノアシ
ル化法に関する。
R1が水素原子を表す一般式(I)により表される10-デアセチルバッカチンII
I(10-DAB)、およびR1がアシル基を表す一般式(I)により表されるバッカチン
IIIは、イチイ属の各種の木から抽出され、そしてパシリタキセル(Taxol:商標)
、ドセタキセル(Taxotere:商標)およびそれらの誘導体の半−合成における有利
な出発材料を構成する。
しかし、10-DABはより容易に入手可能であり、そして葉からバッカチンIIIよ
りも大量に抽出される。
ら、無水酢酸を用いた10-DABのアシル化は非選択的であることが知られている。
反応が穏和な操作条件下(20℃で24時間)で起こる時、7-モノアセチルおよび7,
10-ジアセチル誘導体の等モル混合物が形成される。より苛酷な条件(60℃で48
時間)では、等量の7,10-ジアセチルおよび7,10,13-トリアセチル誘導体の形成
を導く。さらに高温で(80℃で24時間)、7,10,13-トリアセチル誘導体がもっぱ
ら形成される。
J-N.DenisおよびA.E.Greene、J.Am.Chem.Soc.110.5917-5919(1988)から、10-D
ABは、7位のヒドロキシルが予めトリエチルシリル基により選択的に保護されて
いる条件で、アセチルクロライドを用いて10位でアセチル化され得ることも知ら
れている。
国際公開第95/26961号明細書では、3段階で10-DABからバッカチンIIIの製造
を記載している:トリアルキルシリルハライドの作用による7位のヒドロキシル
の保護、無水酢酸を用いた10位のヒドロキシルのアセチル化、最後にトリフルオ
ロ酢酸を用いた7位のトリアルキルシリル基の脱保護。
これらの結果を考慮すると、特定の選択的アシル化に於いて、10-DABまたはそ
れらの誘導体の7および10位の遊離ヒドロキシル間を識別できる反応が、タキソ
イドの合成に大変重要であることがわかる。
本発明は、10-デアセチルバッカチンIIIの、あるいはC-2位および/またはC-4
位のそれらの誘導体のC-10位のヒドロキシルの選択的なモノアシル化を初めて記
載する。
W.Kantlehner,Adv.Org.Chem.,vol.9,part 2,65-141および181-277(1976)から
、ハロメチレンイミニウムがアルコールと反応して中間体ァルコキシメチレンイ
ミニウムハライドを生成し、これが加水分解後にアルキルアミンを脱離して対応
するエステルを導くことができることが知られている。
ここで今、10-デアセチルバッカチンIIIまたはそれらのC-2位および/またはC
-4位の誘導体が、一般式(II):
式中、R2は:
−水素原子、
−1〜12個の炭素原子を含む直鎖、分枝または環式アルキル基、
−2〜12個の炭素原子を含む直鎖、分枝または環式アルケニル基、
−3〜12個の炭素原子を含む直鎖または分枝アルキニル基、
−アリール基、
−アルキル部分が1〜12個の炭素原子を含むアルコキシ、アルキル
アミノ、アルキルチオ、アルキルオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル
またはアルキルチオカルボニル基、あるいは
−硫黄、酸素および窒素から選択される1個以上のヘテロ原子を含む5-または
6-員の飽和もしくは不飽和複素環式基、
を表し、これらの基は、場合によっては:
−ハロゲン原子、
−アルキルまたはハロアルキル基、
−アリール基、
−アルキルアミノ、ピペリジル、ピペラジニル、ニトロまたはシアノ基、
−アルコキシまたはアルコキシカルボニル基、
種々の基のアルキル部分は、1〜12個の炭素原子を含み、および
−硫黄、酸素および窒素から選択される1個以上のヘテロ原子を含む5-または
6-員の飽和もしくは不飽和複素環式基、
から選択される1個以上の置換基により置換されてもよく、
R2およびR3またはR2およびR4は、窒素原子およびメチレンの炭素と一緒に、
2-ピペリドン、2-アゼチジノン、2-ピロリジノンまたはカプロラクタムのような
4-ないし7-員の環を形成してもよく、
同一または異なるR3およびR4は、それぞれ:
−水素原子、
−1〜12個の炭素原子を含む直鎖、分枝または環式アルキル基、
−2〜12個の炭素原子を含む直鎖、分枝または環式アルケニル基、
−3〜12個の炭素原子を含む直鎖または分枝アルキニル基、または
−アリール基、
を表し、あるいは
R3およびR4は窒素原子と一緒に、場合によっては置換されてもよい飽和もしく
は不飽和の4-ないし6-員の複素環を形成してもよく、
Xは、ハロゲン原子またはホスフィニルオキシ、ホスホラニルオキシ、ハロスル
フィニルオキシ、ハロスルホニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリール
スルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、アルキルカルボニルオキ
シ、アリールカルボニルオキシ、ハロホスフィニルオキシ、ハロホスホラニルオ
キシ、ハロアルキルスルホニルオキシまたはハロアルキルカルボネート基を表し
、
Y-は、ハライド、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルア
ミノスルホネート、アルキルカルボキシレート、アリールカルボキシレートおよ
びホスホロジハリデートから選択されるイオン、または[M(Z)n]-(式中、4
≦n≦6、Zはハロゲン原子であり、そしてMは3以上、そして好ましくは3か
ら5の間の酸化状態を有
することができる周期表からの元素である)を表す、
に対応するメチレンイミニウム塩を用いて10位で選択的にモノアシル化され得る
ことが見いだされた。
より特別には、
Xは:
−フッ素、塩素、臭素またはヨー素原子のようなハロゲン原子、
−基(Hal)4P-O-、(Hal)2PO-O-、(Hal)SO-O-、(Hal)SO2-O-、RaSO2-O-またはRaCO2
、式中、Raは直鎖、分枝または環式アルキル基、ハロアルキル基、場合によっ
てはハロゲン原子により、またはアルキルもしくはニトロ基により置換されても
よいアリール基を表し、そしてHalはフッ素、塩素、臭素およびヨー素原子から
選択されるハロゲン原子を表す、
を表し、
Y-は:
−フルオライド、クロライド、ブロミドまたはヨージドイオンのようなハライド
イオン、
−RaCO2 -、RaSO3 -または(Hal)2PO2-のような対イオン、式中、HalおよびRaは上
記定義の通りであり、あるいは
−[M(Z)n]-のような種(式中、4≦n≦6、Zはフッ素または塩素原子のよ
うなハロゲン原子であり、そしてMは3以上の酸化状態を有することができ、そ
してアルミニウム、ホウ素、アンチモン、錫およびチタンから選択される周期表
からの元素である)、
を表す。
より特別には、一般式(II)において、R2は水素原子またはメチル
もしくはエチル基またはフェニル基を表してもよい。
例として、以下の塩を使用することができる:
N,N-ジメチル-1-トリフルオロメタンスルホニルオキシメチリデンアンモニウム
トリフルオロメタンスルホネート:(R2=H、R3=R4=CH3、X=CF3SO3、Y-
=CF3SO3 -)
N-メチル-1-トリフルオロメタンスルホニルオキシエチリデンアンモニウム ト
リフルオロメタンスルホネート:(R2=R3=CH3、R4=H、X=CH3SO3、Y-=CF3
SO3 -)
N-メチル-1-p-トルエンスルホニルオキシエチリデンアンモニウム クロライド:
(R2=R3=CH3、R4=H、X=P-CH3-C6H4-SO3、Y-=Cl-)
Aまたは
N-メチル-1-クロロエチリデンアンモニウムp-トルエンスルホネート:(R2=R3
=CH3、R4=H、X=Cl、Y-=p-CH3-C6H4-SO3 -)
N-メチル-1-クロロエチリデンアンモニウム クロライド:(R2=R3=CH3、R4
=H、X=Cl、Y-=Cl-)
N-エチル-1-メタンスルホニルオキシエチリデンアンモニウム クロライド:(R2
=CH3、R3=C2H5、R4=H、X=CH3SO3、Y-=Cl-)
または
N-エチル-1-クロロエチリデンアンモニウム メタンスルホネート:(R2=CH3、
R3=C2H5、R4=H、X=Cl、Y-=CH3SO3 -)
N-エチル-1-ジクロロホスフィニルオキシエチリデンアンモニウム クロライド:
(R2=CH3、R3=C2H5、R4=H、X=O-PO-Cl2、Y-=Cl-)
または
N-エチル-1-クロロエチリデンアンモニウム ジクロロホスホリデート:(R2=CH3
、R3=C2H5、R4=H、X=Cl、Y-=Cl2PO3 -)
N,N-ジエチル-1-p-トルエンスルホニルオキシエチリデンアンモニウムp-トルエ
ンスルホネート:(R2=CH3、R3=R4=C2H5、X=P-CH3-C6H4-SO3、Y-=P-CH3-
C6H4-SO3 -) これらの塩は、技術文献に記載されている方法に従い、またはこのような方法
に基づく工程により製造することができる[例えば、W.Kantlehner,Adv.Org.Chem
.vol.9,part2,5-64および65-141(1976)、R.L.N.Harris,Synthesis,841-842(198
0),H.S.Mosherら、Synthetic Commun.,11,733-736(1981)、A.G.Martinezら、J.C
hem.Soc.,Chem.Commun.,1571-1572(1990)、H.Heaneyら、Tetrahedron,49,4015-4
034(1993)およびP.L.Fuchsら、J.Org.Chem.,59,348-354(1994)を参照にされたい
]。
メチレンイミニウム塩(II)は、式
のアミドを、式XYの求電子反応物と接触させることにより製造される。それ
らは単離されているか、または「その場(in situ)」で形成され得る。アミドは
反応物質および反応溶媒の両方として使用することができる。
本発明に従い、メチレンイミニウム塩は、一般式(III)
式中、mは0または1に等しく、
RおよびR5は、同一または異なり:
−1〜8個の炭素原子を含む直鎖、分枝または環式アルキル基、
−2〜8個の炭素原子を含む直鎖、分枝または環式アルケニル基、
−3〜8個の炭素原子を含む直鎖、分枝または環式アルキニル基、
−アリール基、あるいは
−酸素、窒素および硫黄原子から選択される1個以上のヘテロ原子を含む4-な
いし6-員の飽和もしくは不飽和複素環式基、
を表し、
これらの基は、場合によっては:
−フッ素、塩素、臭素またはヨー素原子のようなハロゲン原子、
−アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロ
アルキル、ハロアルコキシまたはハロアルキルチオ基、ここでアルキル鎖は1〜
4個の炭素原子を含む、あるいは
−酸素、窒素および硫黄原子から選択される1個以上のヘテロ原子を含み、場合
によっては置換されてもよい4-ないし6-員の複素環式基、
−場合によっては置換されてもよいアリール基、
−シアノ、ニトロまたはアジド基、あるいは
−カルボキシルまたはアルキル部分が1〜4個の炭素原子を含むアルコキシカル
ボニル基、
から選択される1個以上の置換基により置換されてもよい、
の10-DABおよび/またはそれらのC-2およびC-4位の誘導体と反応して、一般式(
V)
式中、R、R2およびR5は、上記定義の通りである、
の生成物を、一般式(IV)
式中、m、R、R2、R3、R4、R5、X-およびY-は、上記定義の通りである、
の中間体を介し、これを一般式(V)の生成物に加水分解して生成することがで
きる。
一般式(III)の化合物は国際公開94/20484および同第95/33736号明細書の教
示に従い定義される。
本発明を行うためのより良い方法に従い、式(III)の物質に対して過剰な求
電子反応物質および/またはアミドを使用する。好適な様式に従い、過剰な求電
子反応物質は、一般式(III)の物質に対して10当量以下であり、より一層好ま
しくは約5当量の範囲である。
反応は一般的に、ハロゲン化脂肪族炭化水素、好ましくはジクロロメタンまた
は1,2-ジクロロエタンのような塩化脂肪族炭化水素、ベンゼン、
トルエンまたはキシレンのような芳香族炭化水素、エチルエーテルまたはイソプ
ロピルエーテルのような脂肪族エーテル、アセトニトリルのような脂肪族ニトリ
ル、あるいはN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-エチル
アセトアミドおよびN,N-ジエチルアセトアミドのような脂肪族アミドから選択さ
れる有機溶媒中で行われる。反応は、メチレンイミニウム塩(II)を製造するた
めに使用する脂肪族アミド中で行うことが有利である。
本発明の方法は一般的に、−78℃から反応混合物の還流温度の間、そして好ま
しくは−20℃から25℃の間の温度で行われる。
方法は、ピリジン、トリアルキルアミン、N-アルキルモルホリンおよびアルカ
リ金属炭酸塩または重炭酸塩から選択される無機または有機塩基の存在中で行う
ことが有利かもしれない。
一般式(IV)のイミニウム塩は、一般式(V)の生成物に水を用いて、または
水酸化ナトリウム、ピリジン、トリエチルアミン、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリ
ウムまたは重炭酸ナトリウムのような無機または有機塩基の水溶液を使用して加
水分解され得る。
一般式(V)の化合物は、一般式(VI):
式中、
m、R、R2およびR5は上記定義の通りであり、
R6は、水素原子を表すか、またはR7と結合を形成してC-6とC-7との間に二
重結合を導き、
R7は:
−水素原子、
−ハロゲン原子、あるいは
−ヒドロキシル、ORxまたはO-CORx基、式中、Rxは水素原子または1〜8
個の炭素原子を有する直鎖、分枝もしくは環式アルキル基、2〜8個の炭素原子
を有する直鎖、分枝もしくは環式アルケニル基、3〜8個の炭素原子を有する直
鎖もしくは分枝アルキニル基またはアリール基を表し、これらの基は場合によっ
ては置換されてもよいと考えられ、あるいは
−水溶性を増すための一般式-O-CO-A-CORyの基、式中、Aは少なくとも1つの2
重結合を有するアルケニル、シクロアルケニルまたはアリール基である、
を表し、
Ryは:
−ヒドロキシル基、
−場合によっては置換されてもよい、1〜4個の炭素原子を含むアルキルアミノ
、アルキルアミノアルキルオキシ、アルキルアミノアルキルチオまたはN,N-ジア
ルキルアミノカルボニルアルコキシ基、
を表し、そして
R8は、メチル基を表すか、またはR7とシクロプロピルを形成する、の化合物
の製造に特に有用である。
本発明に従い得られる一般式(V)のバッカチンIIIは、特に、R2が
メチル基を表し、R6が水素原子を表し、R8およびR7がシクロプロピルを形成
し、mが1に等しく、Rがフェニル基を表し、そしてR5がメチル基を表す一般
式(VI)の生成物を、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、そして次にアルカ
リ金属ハロゲン化物(塩化ナトリウム、ヨー化ナトリウムまたは弗化カリウム)
もしくはアルカリ金属アジド(アジ化ナトリウム)もしくは第四アンモニウム塩
もしくはアルカリ金属リン酸塩を用いた作用により、あるいはDAST(「ジエチル
アミノサルファートリフルオリド」)の作用による、いずれかにより製造するた
めに使用される。
本発明の方法に従い得られるバッカチンIIIまたは一般式(VI)のそれらの誘
導体は、式(VII):
式中、mは1に等しく、
Rは、フェニル基を表し、
R2およびR5は、メチル基を表し、
R6は、水素原子を表し、
R7は、上記のような置換基を表し、
R8は、メチル基を表すか、またはR7とシクロプロピルを形成してよく、そして
好ましくはArはフェニル基を表し、そしてR9はt-ブトキシまたフ
ェニル基を表す、
の、7位のヒドロキシル官能基が場合によっては修飾されている治療的に活性な
タキソイドを製造するために使用することが特に有利である。
より特別には、本発明の方法に従い製造されるバッカチンIIIまたはC-7位の
それらの誘導体は、国際公開第94/13654号明細書に記載されているような、パシ
リタキセル(Taxol:商標)あるいはmが1に等しく、Rがフェニル基を表し、R2
およびR5が各々、メチル基を表し、R6が水素原子を表し、R8およびR7がシ
クロプロピルを形成し、Arがフェニル基を表し、そしてR9がt-ブトキシ基を
表す一般式(VII)の誘導体の合成に使用できる。
以下の実施例は、本発明を説明する。実施例1
4-アセトキシ-2α-ベンゾイルオキシ-5β,20-エポキシ-10β-ホルミルオキシ-
1,7β,13α-トリヒドロキシ-9-オキソタキセ-11-エンの製造
12mlのN,N-ジメチルホルムアミド(155ミリモル)、0.495mlのピリジン(6.1ミリ
モル)および3gの97.7%4-アセトキシ-2α-ベンゾイルオキシ-5β,20-エポキシ-
1,7β,10β,13α-テトラヒドロキシ-9-オキソタキセ-11-エン(10-DAB)(5.4ミリ
モル)を、窒素雰囲気下で、温度計および磁気撹拌機を装備した50mlの1首フラ
スコに導入した。−20℃に冷却した
後、1.08mlのトリフル酸無水物(6.4ミリモル)を、10分間にわたってシリンジか
ら加える。反応混合物を−20℃に10分間維持し、そして次に60mlの水で加水分解
する。0℃で3時間後、懸濁液を濾過し、そして得られた生成物を減圧下で室温
にて一晩乾燥する。2.87g(4.9ミリモル)の4-アセトキシ-2α-ベンソイルオキシ-
5β,20-エポキシ-10β-ホルミルオキシ-1,7β,13α-トリヒドロキシ-9-オキソタ
キセ-11-エンを約90%の収率で得、HPLCにより決定したその化合物の純度は97%
であり、そしてその特性は次の通りである:
実施例2
4,10β-ジアセトキシ-2α-ベンゾイルオキシ-5β,20-エポキシ-1,7β,13α-ト
リヒドロキシ-9-オキソタキセ-11-エン(バッカチンIII)の製造 60mlのN-エチルアセトアミド(627ミリモル)を、窒素雰囲気下で、250mlの温度
計および磁気撹拌機を装備したジャケット付き反応槽に導入する。−20℃に冷却
した後、7.2mlのメシルクロライド(92ミリモル)を、15分間にわたってシリンジ
から加える。溶液を−20℃に30分間、そして次に0℃で17時間維持する。10g(10
.7ミリモル)の97.5%の4-アセトキシ-2α-ベンゾイルオキシ-5β,20-エポキシ-1
,7β,10β,13α-テトラヒドロキシ-9-オキソタキセ-11-エン(10-DAB)を0℃で溶
液に加え、そして懸濁液を0℃で30時間、撹拌し続ける。1リットルの反応槽に
移した後、15gの酢酸ナトリウム溶液(300mlの水中)を反応混合物に加え、そして
得られた懸濁液を室温に25時間維持する。反応混合物のアリコートのHPLC分析で
は、1%未満の7位でモノアシル化された誘導体および7および10位でジアシル
化された誘導体を検出することが可能である。濾過後、生成物を50mlの水で3回
連続的に洗浄し、50℃にて一晩、減圧下で乾燥する。このようにして9g(14.1ミ
リモル)の4,10β-ジアセトキシ-2
α-ベンソイルオキシ-5β,20-エポキシ-1,7β,13α-トリヒドロキシ-9-オキソタ
キセ-11-エンを79%の収率で得、その化合物の純度は92%であり、そしてその特
性は次の通りである: 実施例3
3.9gのN-メチルアセトアミド(53ミリモル)および5mlの1,2-ジクロロエタンを
、窒素下で、磁気撹拌機を装備した25mlのコニカルフラスコに導入する。−10℃
に冷却した後、0.42mlのトリフル酸無水物(2.5ミリモル)を加え、そして溶液を
−10℃に30分間維持し、そして次に0℃で1時間維持する。0.5g(約0.9ミリモ
ル)の4-アセトキシ-2α-ベンソイルオキシ-5β,20-エポキシ-1,7β,10β,13α-
テトラヒドロキシ-9-オキソタキセ-11-エン(10-DAB)を0℃で溶液に加える。生
成した反応混合物を0℃で一晩撹拌し続ける。15mlの5%酢酸ナトリウム水を加
え、そして次に混合物を室温で一晩維持する。反応混合物は、1,2-ジクロロエタ
ンが完全に溶解するまで加えることにより希釈する。有機相を静置した後に分離
し、そして溶媒を減圧下で蒸発させる。得られた抽出物中に、約33%の4,10β-
ジアセトキシ-2α-ベンゾイルオキシ-5β,20-エポキシ-1,7β,13α-トリヒドロ
キシ-9-オキソタキセ-11-エン(バッカチンIII)がHPLCによりアッセイされた。
この収率は約6%である。実施例4
5mlのアセトニトリル、3.9gのN-メチルアセトアミド(53ミリモル)および0.9g
のトシルクロライド(4.7ミリモル)を、窒素下および室温で、磁気撹拌機を装備
した25mlのコニカルフラスコに導入し、そして溶液を室温で20分間維持した。0.
5g(約0.9ミリモル)の4-アセトキシ-2α-ベンゾイルオキシ-5β,20-エポキシ-1
,7β,10β,13α-テトラヒドロキシ-9-オキソタキセ-11-エン(10-DAB)を得られた
溶液に加え、そして反応混合物を室温で約17時間撹拌し続ける。15mlの5%酢酸
ナトリウム水溶液を加え、そして混合物を室温で一晩撹拌し続ける。アリコート
のHPLC分
析では、7位でモノアシル化された誘導体または7および10位でジアシル化れた
誘導体を検出することはできない。反応混合物を1,2-ジクロロエタンを用いて抽
出し、有機相を静置した後に分離し、そして溶媒を減圧下で蒸発させる。得られ
た抽出物中に、約86mg、すなわち収率約16%の4,10β-ジアセトキシ-2α-ベンゾ
イルオキシ-5β,20-エポキシ-1,7β,13α-トリヒドロキシ-9-オキソタキセ-11-
エン(バッカチンIII)がHPLCによりアッセイされる。実施例5
5mlの1,2-ジクロロエタンおよび3.9gのN-メチルアセトアミド(53ミリモル)を
、窒素下および室温で、磁気撹拌機を装備した25mlのコニカルフラスコに導入す
る。0℃に冷却した後、0.4mlのオキサリルクロライド(4.6ミリモル)を入れ、そ
して溶液を0℃で25分間維持する(ガスの形成)。0.5g(約0.9ミリモル)の4-アセ
トキシ-2α-ベンゾイルオキシ-5β,20-エポキシ-1,7β,10β,13α-テトラヒドロ
キシ-9-オキソタキセ-11-エン(10-DAB)を得られた溶液に加え、そして反応混合
物を0℃で約19時間撹拌し続ける。次に15mlの5%酢酸ナトリウム水溶液を加え
、そして混合物を室温で一晩維持する。反応混合物を1,2-ジクロロエタンを用い
て抽出する。有機相を静置した後に分離し、そして溶媒を減圧下で蒸発させる。
得られた抽出物中に、約212mg、すなわち収率約40%の4,10β-ジアセトキシ-2α
-ベンゾイルオキシ-5β,20-エポキシ-1,7β,13α-トリヒドロキシ-9-オキソタキ
セ-11-エン(バッカチンIII)がHPLCによりアッセイされる。1.2%の7位でモノ
アシル化された誘導体が検出される。7および10位でジアシル化された誘導体は
検出されない。実施例6
5mlの1,2-ジクロロエタンおよび1.5gのp-トルエンスルホン酸無水物(4.5ミ
リモル)を、窒素下および室温で、磁気撹拌機を装備した50mlのコニカルフラス
コに導入する。0℃に冷却した後、4mlのN,N-ジエチルアセトアミド(32ミリモ
ル)を加え、そして溶液を0℃で35分間維持する。0.5g(約0.9ミリモル)の4-ア
セトキシ-2α-ベンゾイルオキシ-5β,20-エポキシ-1,7β,10β,13α-テトラヒド
ロキシ-9-オキソタキセ-11-エン(10-DAB)を得られた懸濁液に加える。反応混合
物を0℃で約1時間30分間撹拌し、そして次に室温で4時間30分間撹拌する。溶
液のアリコートを取り、そしてアセトニトリル/水の混合物中で加水分解する(H
PLC希釈物)。全溶液中で約347mg、すなわち収率約66%の4,10β-ジアセトキシ-2
α-ベンゾイルオキシ-5β,20-エポキシ-1,7β,13α-トリヒドロキシ-9-オキソタ
キセ-11-エン(バッカチンIII)がこのようにHPLCによりアッセイされる。7位
でモノアシル化または7および10位でジアシル化された誘導体は検出されない。実施例7
4mlのN-エチルアセトアミド(42ミリモル)および5mlの1,2-ジクロロエタンを
、窒素下および室温で、磁気撹拌機を装備した25mlのコニカルフラスコに導入す
る。0.42mlのオキシ塩化リン(4.6ミリモル)を加える。溶液を室温で15分間維持
する。0.5g(約0.9ミリモル)の4-アセトキシ-2α-ベンゾイルオキシ-5β,20-エポ
キシ-1,7β,10β,13α-テトラヒドロキシ-9-オキソタキセ-11-エン(10-DAB)を溶
液に加える。生成した反応混合物を約3時間撹拌し続ける。溶液のアリコートを
取り、そしてアセトニトリル/水の混合物中で加水分解する(HPLC希釈物)。全
溶液中で約116mg、すなわち収率約22%の4,10β-ジアセトキシ-2α-ベンゾイル
オキシ-5β,20-エポキシ-1,7β,13α-トリヒドロキシ-9-オキソタキセ-11-エン
(バッカチンIII)がHPLCによりアッセイされる。7位でモノアシル化または7
および10位でジアシル化された誘導体は検出されない。DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Taxane hydroxy monoacylation method
The present invention relates to a method for monoacylating hydroxytaxanes. The present invention
Alternatively, selective monoacylation of 10-deacetylbaccatin III or their derivatives
On the conversion method.
R1Represents a hydrogen atom, 10-deacetylbaccatin II represented by the general formula (I)
I (10-DAB), and R1Is a baccatin represented by the general formula (I)
III is extracted from various Taxus trees and is paclitaxel (Taxol®)
, Docetaxel (Taxotere ™) and their derivatives in the semi-synthesis
Make up the starting material.
However, 10-DAB is more readily available and leaves baccatin III
Is extracted in large quantities.
It is known that acylation of 10-DAB using acetic anhydride is non-selective.
When the reaction takes place under mild operating conditions (20 ° C. for 24 hours), 7-monoacetyl and 7,7
An equimolar mixture of the 10-diacetyl derivative is formed. More severe conditions (48 at 60 ° C)
Time), the formation of equal amounts of 7,10-diacetyl and 7,10,13-triacetyl derivatives
Lead. At higher temperatures (24 hours at 80 ° C), 7,10,13-triacetyl derivatives
Formed from
J-N. Denis and A.E. Greene, J. Am. Chem. Soc.110.5917-5919 (1988), 10-D
AB is obtained by selectively protecting the hydroxyl at position 7 with a triethylsilyl group in advance.
Can be acetylated at position 10 using acetyl chloride under certain conditions.
Have been.
WO 95/26961 describes the production of baccatin III from 10-DAB in three steps
Describes: hydroxyl at the 7-position by the action of a trialkylsilyl halide
Protection, acetylation of the hydroxyl at position 10 using acetic anhydride, and finally
Deprotection of the 7-position trialkylsilyl group using acetic acid.
Given these results, in certain selective acylations, 10-DAB or its
The reaction that can discriminate between the free hydroxyl at positions 7 and 10 of these derivatives is taxo.
It turns out that it is very important for the synthesis of id.
The present invention relates to the use of 10-deacetylbaccatin III, or of C-2 and / or C-4.
First describes the selective monoacylation of the hydroxyl at C-10 of their derivatives at position 10.
Put on.
From W. Kantlehner, Adv. Org. Chem., Vol. 9, parts 2, 65-141 and 181-277 (1976)
Halomethylene iminium reacts with the alcohol to form the intermediate alkoxy methylene
Produces minium halide, which reacts by elimination of alkylamine after hydrolysis
It is known that esters can be derived.
Here, now 10-deacetylbaccatin III or their C-2 position and / or C
The derivative at position -4 is represented by the general formula (II):
Where RTwoIs:
A hydrogen atom,
A straight chain, branched or cyclic alkyl group containing from 1 to 12 carbon atoms,
A straight chain, branched or cyclic alkenyl group containing from 2 to 12 carbon atoms,
A straight chain or branched alkynyl group containing from 3 to 12 carbon atoms,
An aryl group,
Alkoxy, alkyl wherein the alkyl moiety contains 1 to 12 carbon atoms
Amino, alkylthio, alkyloxycarbonyl, alkylaminocarbonyl
Or an alkylthiocarbonyl group, or
5- or containing one or more heteroatoms selected from sulfur, oxygen and nitrogen
6-membered saturated or unsaturated heterocyclic group,
And these groups are optionally:
A halogen atom,
An alkyl or haloalkyl group,
An aryl group,
-An alkylamino, piperidyl, piperazinyl, nitro or cyano group,
An alkoxy or alkoxycarbonyl group,
The alkyl portion of the various groups contains 1 to 12 carbon atoms, and
5- or containing one or more heteroatoms selected from sulfur, oxygen and nitrogen
6-membered saturated or unsaturated heterocyclic group,
May be substituted with one or more substituents selected from
RTwoAnd RThreeOr RTwoAnd RFourIs, together with the nitrogen atom and the carbon of the methylene,
Like 2-piperidone, 2-azetidinone, 2-pyrrolidinone or caprolactam
May form a 4- to 7-membered ring,
Same or different RThreeAnd RFourAre:
A hydrogen atom,
A straight chain, branched or cyclic alkyl group containing from 1 to 12 carbon atoms,
A straight chain, branched or cyclic alkenyl group containing from 2 to 12 carbon atoms,
A linear or branched alkynyl group containing -3 to 12 carbon atoms, or
An aryl group,
Represents, or
RThreeAnd RFourIs saturated or optionally substituted together with the nitrogen atom
May form an unsaturated 4- to 6-membered heterocycle,
X is a halogen atom or phosphinyloxy, phosphoranyloxy, halosulfur
Finyloxy, halosulfonyloxy, alkylsulfonyloxy, aryl
Sulfonyloxy, alkylaminosulfonyloxy, alkylcarbonyloxy
, Arylcarbonyloxy, halophosphinyloxy, halophosphoranylo
Represents a xy, haloalkylsulfonyloxy or haloalkylcarbonate group
,
Y-Represents a halide, alkyl sulfonate, aryl sulfonate, alkyl
Minosulfonates, alkyl carboxylate, aryl carboxylate and
Or [M (Z) n] selected from phosphine and phosphorodihalidate-(Where 4
≦ n ≦ 6, Z is a halogen atom, and M is 3 or more, and preferably 3
Has oxidation state between 5 and 5
Which is an element from the periodic table that can be
Can be selectively monoacylated at the 10-position using a methyleneiminium salt corresponding to
That was found.
More specifically,
X is:
A halogen atom such as a fluorine, chlorine, bromine or iodine atom,
-Group (Hal)FourP-O-, (Hal)TwoPO-O-, (Hal) SO-O-, (Hal) SOTwo-O-, RaSOTwo-O- or RaCOTwo
Wherein Ra is a linear, branched or cyclic alkyl group, haloalkyl group,
May be substituted by a halogen atom or by an alkyl or nitro group
Represents a good aryl group, and Hal is derived from fluorine, chlorine, bromine and iodine atoms.
Represents a selected halogen atom,
Represents
Y-Is:
-Halides such as fluoride, chloride, bromide or iodide ions
ion,
−RaCOTwo -, RaSOThree -Or (Hal)TwoPOTwo-Counter ions such as where Hal and Ra are above
As defined, or
− [M (Z) n]-(Wherein 4 ≦ n ≦ 6, Z is a fluorine or chlorine atom)
Is a halogen atom, and M can have more than two oxidation states;
Periodic table selected from aluminum, boron, antimony, tin and titanium
Element from
Represents
More specifically, in the general formula (II), RTwoIs a hydrogen atom or methyl
Alternatively, it may represent an ethyl group or a phenyl group.
By way of example, the following salts can be used:
N, N-dimethyl-1-trifluoromethanesulfonyloxymethylidene ammonium
Trifluoromethanesulfonate: (RTwo= H, RThree= RFour= CHThree, X = CFThreeSOThree, Y-
= CFThreeSOThree -)
N-methyl-1-trifluoromethanesulfonyloxyethylidene ammonium
Fluoromethanesulfonate: (RTwo= RThree= CHThree, RFour= H, X = CHThreeSOThree, Y-= CFThree
SOThree -)
N-methyl-1-p-toluenesulfonyloxyethylidene ammonium chloride:
(RTwo= RThree= CHThree, RFour= H, X = P-CHThree-C6HFour-SOThree, Y-= Cl-)
A or
N-methyl-1-chloroethylidene ammonium p-toluenesulfonate: (RTwo= RThree
= CHThree, RFour= H, X = Cl, Y-= P-CHThree-C6HFour-SOThree -)
N-methyl-1-chloroethylidene ammonium chloride: (RTwo= RThree= CHThree, RFour
= H, X = Cl, Y-= Cl-)
N-ethyl-1-methanesulfonyloxyethylidene ammonium chloride: (RTwo
= CHThree, RThree= CTwoHFive, RFour= H, X = CHThreeSOThree, Y-= Cl-)
Or
N-ethyl-1-chloroethylidene ammonium methanesulfonate: (RTwo= CHThree,
RThree= CTwoHFive, RFour= H, X = Cl, Y-= CHThreeSOThree -)
N-ethyl-1-dichlorophosphinyloxyethylidene ammonium chloride:
(RTwo= CHThree, RThree= CTwoHFive, RFour= H, X = O-PO-ClTwo, Y-= Cl-)
Or
N-ethyl-1-chloroethylidene ammonium dichlorophosphoridate: (RTwo= CHThree
, RThree= CTwoHFive, RFour= H, X = Cl, Y-= ClTwoPOThree -)
N, N-diethyl-1-p-toluenesulfonyloxyethylidene ammonium p-tolue
Nsulfonate: (RTwo= CHThree, RThree= RFour= CTwoHFive, X = P-CHThree-C6HFour-SOThree, Y-= P-CHThree-
C6HFour-SOThree -) These salts can be prepared according to the methods described in the technical literature or by such methods
[E.g., W. Kantlehner, Adv. Org. Chem.
9, vol. 9, part 2, 5-64 and 65-141 (1976), R.L.N.Harris, Synthesis, 841-842 (198
0), H.S.Mosher et al., Synthetic Commun.,11, 733-736 (1981), A.G. Martinez et al., J.C.
hem. Soc., Chem. Commun., 1571-1572 (1990); H. Heaney et al., Tetrahedron,49, 4015-4
034 (1993) and P.L.Fuchs et al., J. Org.Chem.,59, 348-354 (1994).
].
The methyleneiminium salt (II) has the formula
By contacting an amide of the formula with an electrophilic reactant of the formula XY. It
Can be isolated or formed "in situ". Amides are
It can be used as both a reactant and a reaction solvent.
According to the present invention, the methyleneiminium salt has the general formula (III)
Where m is equal to 0 or 1;
R and RFiveAre the same or different:
A straight chain, branched or cyclic alkyl group containing from 1 to 8 carbon atoms,
A straight chain, branched or cyclic alkenyl group containing from 2 to 8 carbon atoms,
A linear, branched or cyclic alkynyl group containing from 3 to 8 carbon atoms;
An aryl group, or
-Containing at least one heteroatom selected from oxygen, nitrogen and sulfur atoms;
6-membered saturated or unsaturated heterocyclic group,
Represents
These groups may optionally be:
A halogen atom such as a fluorine, chlorine, bromine or iodine atom,
-Alkyl, hydroxyl, alkoxy, alkylthio, alkylamino, halo
An alkyl, haloalkoxy or haloalkylthio group, where the alkyl chain is 1-
Contains 4 carbon atoms, or
-Containing one or more heteroatoms selected from oxygen, nitrogen and sulfur atoms,
A 4- to 6-membered heterocyclic group which may be substituted,
An optionally substituted aryl group,
A cyano, nitro or azide group, or
An alkoxycal wherein the carboxyl or alkyl moiety contains 1 to 4 carbon atoms
Bonyl group,
May be substituted with one or more substituents selected from
With 10-DAB and / or their derivatives at C-2 and C-4 to form a compound of the general formula (
V)
Where R, RTwoAnd RFiveIs as defined above,
Of the general formula (IV)
Where m, R, RTwo, RThree, RFour, RFive, X-And Y-Is as defined above,
Which can be hydrolyzed to the product of general formula (V)
Wear.
The compounds of the general formula (III) are described in WO 94/20484 and WO 95/33736.
Defined as indicated.
According to a better way to carry out the invention, the excess of the material of formula (III)
Electron reactants and / or amides are used. Excessive power demand according to preferred mode
The molecular reactant is 10 equivalents or less with respect to the substance of the general formula (III), and is more preferable.
Or about 5 equivalents.
The reaction is generally carried out with a halogenated aliphatic hydrocarbon, preferably dichloromethane or
Is a chlorinated aliphatic hydrocarbon such as 1,2-dichloroethane, benzene,
Aromatic hydrocarbons such as toluene or xylene, ethyl ether or isoprene
Aliphatic ethers such as propyl ether, aliphatic nitrites such as acetonitrile
Or N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, N-ethyl
Selected from aliphatic amides such as acetamide and N, N-diethylacetamide.
In an organic solvent. The reaction produces a methyleneiminium salt (II).
It is advantageous to work in the aliphatic amide used for this purpose.
The process of the present invention is generally between -78 ° C and the reflux temperature of the reaction mixture, and is preferably
Or at a temperature between -20 ° C and 25 ° C.
The method is based on pyridine, trialkylamine, N-alkylmorpholine and
Performed in the presence of an inorganic or organic base selected from lithium metal carbonates or bicarbonates
It may be advantageous.
The iminium salt of the general formula (IV) can be obtained by using water for the product of the general formula (V) or
Sodium hydroxide, pyridine, triethylamine, sodium acetate, sodium carbonate
Addition using an aqueous solution of an inorganic or organic base such as sodium or sodium bicarbonate
Can be hydrolyzed.
The compound of the general formula (V) has the general formula (VI):
Where:
m, R, RTwoAnd RFiveIs as defined above,
R6Represents a hydrogen atom or R7To form a bond between C-6 and C-7.
Lead the heavy bond,
R7Is:
A hydrogen atom,
A halogen atom, or
A hydroxyl, ORx or O-CORx group, wherein Rx is a hydrogen atom or 1-8
Linear, branched or cyclic alkyl group having 2 carbon atoms, 2-8 carbon atoms
Linear, branched or cyclic alkenyl group having 3 to 8 carbon atoms
Represents a chain or branched alkynyl or aryl group, which may be
May be replaced, or
A group of the general formula -O-CO-A-CORy for increasing water solubility, wherein A is at least one 2
An alkenyl, cycloalkenyl or aryl group having a heavy bond,
Represents
Ry is:
A hydroxyl group,
An alkylamino containing 1 to 4 carbon atoms, which is optionally substituted
, Alkylaminoalkyloxy, alkylaminoalkylthio or N, N-dia
Alkylaminocarbonylalkoxy group,
, And
R8Represents a methyl group or R7Compounds that form cyclopropyl with
It is particularly useful for the production of
The baccatin III of the general formula (V) obtained according to the invention is, in particular, RTwoBut
Represents a methyl group;6Represents a hydrogen atom;8And R7Forms cyclopropyl
M is equal to 1, R represents a phenyl group, and RFiveRepresents a methyl group
The product of formula (VI) is treated with trifluoromethanesulfonic anhydride and then with an alkali
Limetal halides (sodium chloride, sodium iodide or potassium fluoride)
Or alkali metal azide (sodium azide) or quaternary ammonium salt
Or by the action of alkali metal phosphates or DAST ("diethyl
Aminosulfur trifluoride ")
Used for
Baccatin III or their derivatives of general formula (VI) obtained according to the method of the invention
The conductor has the formula (VII):
Where m is equal to 1,
R represents a phenyl group;
RTwoAnd RFiveRepresents a methyl group,
R6Represents a hydrogen atom,
R7Represents a substituent as described above,
R8Represents a methyl group or R7May form cyclopropyl with
Preferably Ar represents a phenyl group and R9Is t-butoxy
Represents an enyl group,
Wherein the hydroxyl function at position 7 is optionally modified
It is particularly advantageous to use it for producing taxoids.
More particularly, baccatin III or C-7 at position 7 produced according to the method of the invention.
Those derivatives are prepared by the use of a pathogen as described in WO 94/13654.
Ritaxel (Taxol®) or m equals 1 and R represents a phenyl group;Two
And RFiveEach represents a methyl group;6Represents a hydrogen atom;8And R7But
Ar represents a phenyl group;9Is a t-butoxy group
It can be used for the synthesis of the derivative of the general formula (VII).
The following examples illustrate the invention.Example 1
4-acetoxy-2α-benzoyloxy-5β, 20-epoxy-10β-formyloxy-
Production of 1,7β, 13α-trihydroxy-9-oxotaxe-11-ene
12 ml of N, N-dimethylformamide (155 mmol), 0.495 ml of pyridine (6.1 mmol)
Mol) and 3 g of 97.7% 4-acetoxy-2α-benzoyloxy-5β, 20-epoxy-
1,7β, 10β, 13α-tetrahydroxy-9-oxotaxe-11-ene (10-DAB) (5.4 mm
Mol) was placed under a nitrogen atmosphere in a 50 ml one neck flask equipped with a thermometer and a magnetic stirrer.
Introduced to Sco. Cooled to -20 ° C
Thereafter, 1.08 ml of triflic anhydride (6.4 mmol) was added via syringe for 10 minutes.
Add. The reaction mixture is kept at −20 ° C. for 10 minutes and then hydrolyzed with 60 ml of water
I do. After 3 hours at 0 ° C., the suspension is filtered and the resulting product is brought to room temperature under reduced pressure
And dry overnight. 2.87 g (4.9 mmol) of 4-acetoxy-2α-bensoyloxy-
5β, 20-epoxy-10β-formyloxy-1,7β, 13α-trihydroxy-9-oxota
Xe-11-ene was obtained in about 90% yield and the purity of the compound determined by HPLC was 97%
And its properties are as follows:
Example 2
4,10β-diacetoxy-2α-benzoyloxy-5β, 20-epoxy-1,7β, 13α-to
Production of rehydroxy-9-oxotaxe-11-ene (baccatin III) 60 ml of N-ethylacetamide (627 mmol) were added under nitrogen atmosphere at a temperature of 250 ml.
It is introduced into a jacketed reactor equipped with a meter and a magnetic stirrer. Cool to -20 ° C
After that, 7.2 ml of mesyl chloride (92 mmol) was syringed for 15 minutes.
Add from. The solution is kept at -20 ° C for 30 minutes and then at 0 ° C for 17 hours. 10g (10
2.7 mmol) 97.5% of 4-acetoxy-2α-benzoyloxy-5β, 20-epoxy-1
, 7β, 10β, 13α-Tetrahydroxy-9-oxotaxe-11-ene (10-DAB) at 0 ° C
Add to the solution and continue stirring the suspension at 0 ° C. for 30 hours. In a 1 liter reactor
After transfer, 15 g of sodium acetate solution (in 300 ml of water) is added to the reaction mixture, and
The resulting suspension is maintained at room temperature for 25 hours. By HPLC analysis of an aliquot of the reaction mixture
Are less than 1% of derivatives mono-acylated at position 7 and diacyl at positions 7 and 10.
It is possible to detect the converted derivative. After filtration, the product is washed three times with 50 ml of water
Wash continuously and dry under reduced pressure at 50 ° C. overnight. 9 g (14.1 mi)
4,10β-diacetoxy-2)
α-Bensoyloxy-5β, 20-epoxy-1,7β, 13α-trihydroxy-9-oxota
Xe-11-ene was obtained in a yield of 79%, the purity of the compound was 92%, and
The gender is as follows: Example 3
3.9 g of N-methylacetamide (53 mmol) and 5 ml of 1,2-dichloroethane
Into a 25 ml conical flask equipped with a magnetic stirrer under nitrogen. -10 ° C
After cooling to 0.42 ml of triflic anhydride (2.5 mmol) was added and the solution was
Maintain at −10 ° C. for 30 minutes and then at 0 ° C. for 1 hour. 0.5g (about 0.9mm
4-Acetoxy-2α-benzoyloxy-5β, 20-epoxy-1,7β, 10β, 13α-
Add tetrahydroxy-9-oxotaxe-11-ene (10-DAB) to the solution at 0 ° C. Raw
The resulting reaction mixture is kept stirring at 0 ° C. overnight. Add 15 ml of 5% aqueous sodium acetate
And then maintain the mixture at room temperature overnight. The reaction mixture was 1,2-dichloroethane
Dilute by adding until the solution is completely dissolved. Separation after standing the organic phase
And the solvent is evaporated off under reduced pressure. In the obtained extract, about 33% of 4,10β-
Diacetoxy-2α-benzoyloxy-5β, 20-epoxy-1,7β, 13α-trihydro
Xy-9-oxotaxe-11-ene (baccatin III) was assayed by HPLC.
This yield is about 6%.Example 4
5 ml of acetonitrile, 3.9 g of N-methylacetamide (53 mmol) and 0.9 g
Tosyl chloride (4.7 mmol), equipped with a magnetic stirrer under nitrogen and at room temperature
The solution was introduced into a 25 ml conical flask and kept at room temperature for 20 minutes. 0.
5 g (about 0.9 mmol) of 4-acetoxy-2α-benzoyloxy-5β, 20-epoxy-1
, 7β, 10β, 13α-tetrahydroxy-9-oxotaxe-11-ene (10-DAB)
Add to the solution and continue to stir the reaction mixture at room temperature for about 17 hours. 15 ml of 5% acetic acid
Aqueous sodium solution is added and the mixture is kept stirring at room temperature overnight. Aliquot
HPLC min
The analysis showed that the derivative was monoacylated at position 7 or diacylated at positions 7 and 10.
No derivative can be detected. The reaction mixture was extracted using 1,2-dichloroethane.
After removal, the organic phase is separated after settling and the solvent is evaporated off under reduced pressure. Obtained
About 86 mg, ie, about 16% yield of 4,10β-diacetoxy-2α-benzo
Iloxy-5β, 20-epoxy-1,7β, 13α-trihydroxy-9-oxotaxe-11-
En (baccatin III) is assayed by HPLC.Example 5
5 ml of 1,2-dichloroethane and 3.9 g of N-methylacetamide (53 mmol)
Into a 25 ml conical flask equipped with a magnetic stirrer under nitrogen and at room temperature
You. After cooling to 0 ° C, 0.4 ml of oxalyl chloride (4.6 mmol) was added.
The solution is then maintained at 0 ° C. for 25 minutes (gas formation). 0.5 g (about 0.9 mmol) of 4-acetate
Toxic-2α-benzoyloxy-5β, 20-epoxy-1,7β, 10β, 13α-tetrahydro
Add xy-9-oxotaxe-11-ene (10-DAB) to the resulting solution and mix
Keep stirring at 0 ° C. for about 19 hours. Then add 15 ml of 5% aqueous sodium acetate
And the mixture is kept at room temperature overnight. The reaction mixture was prepared using 1,2-dichloroethane
To extract. The organic phase is separated after settling and the solvent is evaporated off under reduced pressure.
In the obtained extract, about 212 mg, that is, about 40% yield of 4,10β-diacetoxy-2α
-Benzoyloxy-5β, 20-epoxy-1,7β, 13α-trihydroxy-9-oxo-taki
Se-11-ene (baccatin III) is assayed by HPLC. 1.2% in 7th place
An acylated derivative is detected. The derivatives diacylated at positions 7 and 10 are
Not detected.Example 6
5 ml of 1,2-dichloroethane and 1.5 g of p-toluenesulfonic anhydride (4.5 ml)
Under nitrogen and at room temperature in a 50 ml conical flask equipped with a magnetic stirrer.
Introduce to Ko. After cooling to 0 ° C., 4 ml of N, N-diethylacetamide (32 mM
) And the solution is maintained at 0 ° C. for 35 minutes. 0.5 g (about 0.9 mmol) of 4-A
Sethoxy-2α-benzoyloxy-5β, 20-epoxy-1,7β, 10β, 13α-tetrahydride
Roxy-9-oxotaxe-11-ene (10-DAB) is added to the resulting suspension. Reaction mixing
The thing is stirred at 0 ° C. for about 1 hour 30 minutes and then at room temperature for 4 hours 30 minutes. Dissolution
An aliquot of the liquid is taken and hydrolyzed in an acetonitrile / water mixture (H
PLC dilution). About 347 mg of the total solution, that is, about 66% yield of 4,10β-diacetoxy-2
α-benzoyloxy-5β, 20-epoxy-1,7β, 13α-trihydroxy-9-oxota
Xe-11-ene (baccatin III) is thus assayed by HPLC. 7th place
No monoacylated or diacylated derivatives at positions 7 and 10 are detected.Example 7
4 ml of N-ethylacetamide (42 mmol) and 5 ml of 1,2-dichloroethane
Into a 25 ml conical flask equipped with a magnetic stirrer under nitrogen and at room temperature
You. 0.42 ml of phosphorus oxychloride (4.6 mmol) is added. Keep solution at room temperature for 15 minutes
I do. 0.5 g (about 0.9 mmol) of 4-acetoxy-2α-benzoyloxy-5β, 20-epo
Xy-1,7β, 10β, 13α-tetrahydroxy-9-oxotaxe-11-ene (10-DAB)
Add to the solution. The resulting reaction mixture is kept stirring for about 3 hours. Aliquots of the solution
And hydrolyze in an acetonitrile / water mixture (HPLC dilution). all
About 116 mg in solution, ie about 22% yield of 4,10β-diacetoxy-2α-benzoyl
Oxy-5β, 20-epoxy-1,7β, 13α-trihydroxy-9-oxotaxe-11-ene
(Baccatin III) is assayed by HPLC. Monoacylation at position 7 or 7
And the derivative diacylated at position 10 is not detected.
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成10年8月4日(1998.8.4)
【補正内容】
mは1に等しく、
Rは、フェニル基を表し、
R2およびR5は、メチル基を表し、
R6は、水素原子を表し、
R7は、請求の範囲第20項に定めた置換基を表し、
R8は、メチル基を表すか、またはR7とシクロプロピルを形成してよく、そして
Arはフェニル基を表し、そして
R9はt-ブトキシまたフェニル基を表す、
の治療的に活性なタキソイドを製造するための、請求の範囲第20項および第2
1項のいずれかに記載の一般式(VI)の誘導体の使用。
23.mが1に等しく、Rがフェニル基を表し、R2およびR5が各々、メチル基
を表し、R6が水素原子を表し、R7がヒドロキシル換基を表し、Arがフェニル
基を表し、そしてR9がベンゾイル基を表すか、あるいはmが1に等しく、Rが
フェニル基を表し、R2およびR3が各々、メチル基を表し、R6が水素原子を表
し、R8およびR7がシクロプロピルを形成し、Arがフェニル基を表し、そして
R9がt-ブトキシ基を表す請求の範囲第22項に定義したタキソイドを製造する
ための、請求の範囲第20項または第21項の1項の[ラキューナ(lacuna)」で
得られた一般式(VI)の誘導体の使用。[Procedure for Amendment] Article 184-8, Paragraph 1 of the Patent Act [Date of Submission] August 4, 1998 (1998.8.4) [Content of Amendment] m is equal to 1, R represents a phenyl group, R 2 and R 5 represent a methyl group, R 6 represents a hydrogen atom, and R 7 represents a substituent defined in claim 20. R 8 represents a methyl group or may form a cyclopropyl with R 7 , and Ar represents a phenyl group, and R 9 represents a t-butoxy or phenyl group. Use of a derivative of the general formula (VI) according to any one of claims 20 and 21 for producing an active taxoid. 23. m is equal to 1, R represents a phenyl group, R 2 and R 5 each represent a methyl group, R 6 represents a hydrogen atom, R 7 represents a hydroxyl substituent, Ar represents a phenyl group, And R 9 represents a benzoyl group or m is equal to 1, R represents a phenyl group, R 2 and R 3 each represent a methyl group, R 6 represents a hydrogen atom, R 8 and R 7 Forms cyclopropyl, Ar represents a phenyl group, and R 9 represents a t-butoxy group, for the preparation of a taxoid as defined in claim 22 or claim 21. Use of the derivative of the general formula (VI) obtained in [lacuna] in item 1.
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG
,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AU,BA
,BB,BG,BR,CA,CN,CU,CZ,EE,
GE,GH,HU,IL,IS,JP,KP,KR,L
C,LK,LR,LT,LV,MG,MK,MN,MX
,NO,NZ,PL,RO,SG,SI,SK,SL,
TR,TT,UA,UZ,VN,YU────────────────────────────────────────────────── ───
Continuation of front page
(81) Designated countries EP (AT, BE, CH, DE,
DK, ES, FI, FR, GB, GR, IE, IT, L
U, MC, NL, PT, SE), OA (BF, BJ, CF)
, CG, CI, CM, GA, GN, ML, MR, NE,
SN, TD, TG), AP (GH, KE, LS, MW, S
D, SZ, UG, ZW), EA (AM, AZ, BY, KG)
, KZ, MD, RU, TJ, TM), AL, AU, BA
, BB, BG, BR, CA, CN, CU, CZ, EE,
GE, GH, HU, IL, IS, JP, KP, KR, L
C, LK, LR, LT, LV, MG, MK, MN, MX
, NO, NZ, PL, RO, SG, SI, SK, SL,
TR, TT, UA, UZ, VN, YU