JP2000512300A - ポルフィリン誘導体の意図的な照射なしでのアテローム硬化症の処置における医薬品の製造での緑色ポルフィリンの使用 - Google Patents

ポルフィリン誘導体の意図的な照射なしでのアテローム硬化症の処置における医薬品の製造での緑色ポルフィリンの使用

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Abstract

(57)【要約】 動脈斑の発達を防止または阻害する方法であって、以下の工程を包含する方法:(a)被験体に、上記の発達を防止または阻害するために有効な量の緑色ポルフィリン化合物を投与する工程;および(b)緑色ポルフィリンによって吸収される光の照射の非存在下で、阻害が起こることを可能にする工程;または動脈斑の発達を防止または阻害するための薬学的組成物。この組成物は、(a)その発達を防止または阻害するための処置が必要な被験体に投与する場合に、緑色ポルフィリンによって吸収される光の照射の非存在下でさえその発達を防止または阻害するのに有効な量の上記の緑色ポルフィリン化合物、および(b)薬学的に受容可能な賦形剤を含有する。緑色ポルフィリンの投与は、光の何らかの意図的な照射により達成される。

Description

【発明の詳細な説明】 ポルフィリン誘導体の意図的な照射なしでの アテローム硬化症の処置における医薬品の製造での緑色ポルフィリンの使用 発明の背景 発明の分野 本発明は、アテローム硬化症血管における脂肪沈着の処置に関する。特に、本 発明は、緑色ポルフィリン化合物を投与することによる、動脈斑の防止または阻 害に関する。標準的な光力学的プロトコルとは異なり、光の意図的な照射は、所 望の阻害を達成するために必要とされない。関連技術の説明 アテローム硬化症は、脂肪物質(脂質)が、内膜または内中膜、動脈の内腔を 包囲する最内膜中に蓄積する、動脈疾患である。結果として生じる病巣は、アテ ローム硬化症斑と呼ばれる。アテローム硬化症斑の塊が増大するにつれ、関連す る動脈を通しての血流が徐々に減少し、それによってそれに対して遠位にある組 織または器官の機能を損なうので、臨床的症状が最終的に生じる。アテローム硬 化症およびその合併症(例えば、心筋梗塞、脳卒中、および末梢血管疾患)は、 西洋における羅患率および死亡率の主要な原因のままである。冠状心臓疾患は、 単独で、米国において年間50万人を越える死亡を占めると報告された。 アテローム硬化症の基本的な病巣は、アテローム性または線維脂肪性の斑であ り、それは動脈の狭小化を引き起こし、血栓症の素因になり、石灰化し、筋肉の 衰えにつながり、そして動脈瘤の拡張を引き起こす。アテローム硬化症斑はだい たい丸く、隆起した病巣であり、通常表面の色はオフホワイトから白色であり、 そしておそらく直径で1cmである。より大きい斑の中心は、黄色の凝血塊のよう な液体を滲出し得る。代表的な細胞性斑は、図3に示され、そして以下からなる : 1.いくつかの白血球および比較的密な結合組織(エラスチン、コラーゲン原 線維、プロテオグリカン、および基底膜を含む)を有する平滑筋細胞でほとんど が構成される、線維性キャップ; 2.マクロファージ、平滑筋細胞、およびTリンパ球の混合物からなるキャッ プの下および側面の細胞性領域;ならびに 3.細胞性細片、細胞外脂質滴、およびコレステロール結晶を含む、より深い 「ネクローシスコア」。 Munroら、「Biology of Disease;The Pathogenesis of Atherosclerosis:Athero genesis and Inflammation」,Laboratory Investigation 58:3,249〜50(1988) 。 未検査のままで、斑の形成は、動脈の完全な閉塞および重篤な臨床的結果を引 き起こし得る。例えば、併発した場合、病巣は、種々の程度のネクローシス、血 栓症、および潰瘍を含む石灰化された線維性斑になる。ネクローシスおよび細胞 細片の蓄積の増加につれて、動脈壁は進行的に弱くなり、そして内膜の破裂が起 こり得、動脈瘤および出血を引き起こす。動脈塞栓は、斑の断片が内腔中に移動 するときに形成され得る。狭窄および弱められた器官機能は、斑が厚くなり、そ して血栓が形成されるにつれて、ゆるやかな閉塞から生じる。 アテローム硬化症の処置は、一般的にアテローム硬化症合併症を患う患者の看 護に集中しており、そして代表的には4つの基本的なアプローチの内の1つに従 う:(1)患部血管セグメントは、全心臓移植を実施する限り、補綴のまたは天然 の移植片と置き換えられ得る;(2)薬物(例えば、抗不整脈剤、抗凝固剤、およ び血漿脂質低下剤)は、患者がその状態で生存し得るようにするために投与され 得る;(3)斑は、血管形成術におけるバルーンカテーテルの使用によって、物理 的に大きさを減少させ得る;または(4)感光剤の投与と、その後の光増感剤を励 起するための光の照射とを組合わせ、このようにして細胞傷害性効果を生成する 、光力学的治療が使用され得る。Spears,米国特許第4,512,762号(1985年4月2 3日発行)、および米国特許第4,566,636号(1986年3月25日発行)。 光力学的治療において、使用される光増感剤は、生来の性向によって、または それらが意図的に特定の型の組織に標的化されているか、またはその両方のいず れかにより、悪性細胞に局所化し得る。照射される場合、それらは蛍光を発し得 、 そして従って、標的組織を検出することに関連する診断法に有用であり得る。し かし、なおより重要なことには、この光増感剤は、化合物が吸収する波長の光を 照射される場合、光増感剤が局在化したどのような細胞または他の組織に対して も細胞傷害性効果を引き起こす能力を有する。いまだ決定的には確立されていな いが、この細胞傷害性効果は、照射の際の一重項酸素の形成によると考えられる 。 ほとんどの光力学的治療プロトコルにおいて、光増感剤が局所化された場所の 標的組織に到達する光を照射するための方法が、見出されなければならない。こ のことは、特に、化合物を活性化するために必要とされる照射の波長が、約630n m(血液および他の周辺組織中の天然の発色団によって容易に吸収される波長) の範囲である場合、特に困難である。ひとつの技術において、患者は、カテーテ ルの発光部分がアテローム硬化症斑に隣接するように、患部動脈または他の血管 中に挿入される発光カテーテルを用いてカテーテル処置されなければならない。 例えば、発光バルーンカテーテルは、バルーンの膨張によって、バルーンの外表 面とアテローム硬化症斑との間の光不透性の血液を置き換えるために使用され得 る。あるいは、1形態の「液体光」が血管樹中に注入され得、その結果血液また は血液置換物と自由に混合する「液体光」は、患部動脈を潅流する。Spears,米 国特許第4,512,762号。 別の方法では、投薬量を低く維持しそして光に対する患者の感作を減少させる ために、「緑色ポルフィリン」の好ましい群は、血液または他の正常な組織によ って通常強く吸収される波長外の波長範囲(詳細には、約670〜780nm)を有する 光を用いた光力学的治療を実施することを可能にした。有効なインビボ処置をよ り低い濃度で供給することおよび非標的組織の過敏性を減少させることに加えて 、この照射光によるより深い透過深度はまた、通常達成される。これらの光増感 剤は、色が赤でなく緑に見えるため、それらは「緑色ポルフィリン」と異名をつ けられた。緑色ポルフィリンが、光力学的治療プロトコルにおいてアテローム硬 化症斑を検出しそして処置するために使用され得ることは公知である。例えば、 Levyら、米国特許第5,399,583号(1995年3月21日発行)(第2欄、14〜15行); Levyら、米国特許第4,920,143号(1990年4月24日発行)(第10欄、58〜59行) ;Levyら、米国特許第5,095,030号(1992年3月10日発行)(第2欄、8〜9行 お よび第15欄、29〜30行);ならびにLevyら、米国特許第5,171,749号(1992年12 月15日発行)(第2欄、12〜13行ならびに第18欄、1〜4行および35〜47行)を 参照のこと。 緑色ポルフィリンは、光活性化光での何の意図的な照射もなしに起こる、特定 の「ダーク効果」を発揮し得ることが見出された。例えば、血管形成術のような 血管介入手順に続く、緑色ポルフィリンの投与は、代表的には内膜に集まり「再 狭窄」または「内膜過形成」を引き起こす平滑筋細胞の増殖を、有意に減少させ 得ることが見出された。例えば、Vincentら、米国特許第5,422,362号(1995年6 月6日発行)を参照のこと。さらに、同時係属中の出願第08/374,158号(1995年 1月13日出願)に記載のように、特定の抗原に対する免疫応答は改変され得るこ と、および血流における血栓症または血液凝固形成を生じる細胞内連絡は、光の 非存在下で緑色ポルフィリンを投与することによって防害され得ることが見出さ れている。 しかし、これまで、脂肪性アテローム硬化症斑を処置するための緑色ポルフィ リンの使用は、光増感剤の投与に続いて細胞傷害性効果を生じるために緑色ポル フィリンを刺激し得る波長を有する光での血管の内膜の照射が必要とされる、光 力学的治療プロトコルに制限されている。従って、特別な発光装置の必要性が完 全にない、動脈斑を阻害または防止するための治療法を提供することは、有利で ある。本発明において、緑色ポルフィリンは、どんな種類の意図的な光の曝露も なしに、動脈斑の発達を防止または阻害するために使用され得ることが見い出さ れた。 発明の要旨 本発明によれば、以下の工程を包含する、動脈斑の発達を防止または阻害する ための方法が開発された: a.上記の発達を防止または阻害するために有効な量の緑色ポルフィリン化合物 を被験体に投与する工程;および b.上記緑色ポルフィリンによって吸収される光の照射の非存在下で、上記阻害 が起こることを可能にする工程。 本発明はまた、動脈斑の発達を防止または阻害するための薬学的組成物に関する 。本組成物は、以下を含有する: a.このような処置が必要な被験体に投与された場合に、上記Gpによって吸収さ れる光の照射の非存在下でさえ、上記発達を防止または阻害するために有効な量 の緑色ポルフィリン化合物;および b.薬学的に受容可能な賦形剤。 本発明の結果として、驚くべきことに、緑色ポルフィリンの投与は、投与される 緑色ポルフィリンによって吸収される光の照射を伴う必要はない。むしろ、代表 的にはこの処置は、どんな種類の光の意図的な照射もなしで実施される。 図面の簡単な説明 本発明は、以下の図面を参照にすることによってより明瞭に理解される。ここ で: 図1は、本発明の方法および組成物に有用な、代表的な緑色ポルフィリンの式 を示す。 図2は、本発明の緑色ポルフィリンの内、特に好ましい4つの実施態様である 、BPD-DA、BPD-DB、BPD-MA、およびBPD-MBの式を示す。 図3は、アテローム硬化症斑の断面図を示す。 発明の詳細な説明 アテローム硬化症は、大型および中型の筋肉の動脈に関する傾向にある。大動 脈、ならびに腸骨動脈、大腿動脈、冠動脈、頚動脈、脳底動脈、椎骨動脈、大脳 動脈は、最も一般に影響を受ける。 本明細書中で使用される場合、「アテローム硬化症動脈斑」は、内膜または内 中膜、動脈の内腔を囲む最内層内での、脂肪の増殖または脂質沈着を伴う、病態 生理学的現象として定義される。 図3の断面図に示されるように、アテローム硬化症斑は、内膜1または中膜2 内で起こり(中間の平滑筋細胞は示されていない)、その両方は外膜3を越えて 動脈の外膜まで広がる。上に広がる内皮層は、斑の上に広がる。この斑の線維性 筋性「キャップ」部分は、平滑筋細胞4、マクロファージ5、およびコラーゲン バンド8を含む。この下部に、大量の細胞外脂質滴9、その細胞質が脂質滴で満 たされている「泡沫」細胞、コレステロール結晶10、およびネクローシス細胞性 細片を有する「コア」が存在する。マクロファージ5は広く分布しており、そし てリンパ球6はキャップ内、およびコアの側面に見出され得る。外膜毛細血管7 は、内膜の病巣に引き寄せられる。Munroら、「Biology of Disease;The Patho genesis of Atherosclerosis:Atherogenesis and Inflammation」,Laboratory Investigation 58:3,249〜50(1988)。緑色ポルフィリン 本発明の方法において有用な緑色ポルフィリンは、Levyら、米国特許第5,171, 749号、1992年12月15日発行(本明細書中で参考として援用される)に詳細に記 載される。「緑色ポルフィリン」は、Diels-Alder型反応でポルフィリン核とア ルキンを反応させ、モノヒドロベンゾポルフィリンを得ることによって得られる ポルフィリン誘導体を言う。代表的には、緑色ポルフィリンは、フォトポルフィ リン-IX環系(環Aおよび環B)に存在する、2つの利用可能な複合非芳香族ジ エン構造の内の1つのみで反応を促進する条件下で、アセチレン誘導体とフォト ポルフィリンとのDiels-Alder反応によって得られるポルフィリン誘導体の群か ら選択される。 代表的な緑色ポルフィリンのいくつかの構造は、図1に示される。Diels-Alde r反応は、初めに式1および2に示されるように、AまたはBのピロール環に融 合される(fused)シクロヘキサジエン(本明細書中で「ヒドロベンゾ」と言われ る)の形成を生じる。ヘキサジエン環でのπ系(π system)の転位は、式3およ び4の化合物の形成を生じ、そして還元は、式5および6の化合物を提供する。 これらの化合物は、水素が内環の窒素の位置を占めている式1〜6に示される。 しかし、カチオンがこれらの水素の1つまたは両方と置換する、メタレート形(m etalate forms)もまた使用され得ることが理解されるべきである。本発明で有用 な緑色ポルフィリン化合物の調製は、米国特許第5,095,030号に詳細に記載され 、これは本明細書中で参考として援用される。 簡便には、用語ヒドロモノベンゾポルフィリン誘導体の略語「BPD」は、図1 の式3および4の化合物をいうために、一般的に使用される。式3および4の化 合物ならびにそれらの混合物は、特に好ましい。 図1に示すように、R1、R2、R3、およびR4は、本発明の方法における化合 物および組成物の活性に確認できるほど影響を及ぼさない、非干渉性置換基であ る。さらに詳細には、用語「非干渉性置換基」は、緑色ポルフィリンの、動脈斑 を防止または阻害する能力を破壊しない置換基を意味するために用いられる。図 1および2の化合物の場合、一般的にR1およびR2は、それぞれ独立した適度な 電子吸引性置換基、または十分に電子吸引性ではない任童の他の活性置換基であ り、1つの環のみではなくA環とB環の両方で進行する、Diels-Alder反応を生 じる。適切なR1およびR2の例は、カルバルコキシ基(2〜6C)、アルキルス ルホニル基(1〜6C)またはアリールスルホニル基(6〜10C)、アリール基 (6〜10C)、シアノ基、および-CONR5CO-(ここでR5は、アリール基( 6〜10C)またはアルキル基(1〜6))を含む。R1およびR2の内の1つはま た、他方がDiels-Alder反応を促進するのに十分な強さの電子吸引性置換基であ る限りは、水素であり得る。非常に一般的には、R1およびR2はカルバルコキシ 基であり、好ましくはメチルカルボキシエステルまたはエチルカルボキシエステ ルである。好ましい組成物は、R1およびR2が同じである化合物、ならびにR1 およびR2がカルバルコキシ基、特にカルボエトキシである化合物である。 本明細書中で用いられる場合、用語「カルボキシ」は慣習的に規定されるよう に-COOHであり、「カルバルコキシ」は-COORを示し、ここでRはアルキ ルである。「カルバルコキシアルキル」は、置換基-R'-COOHを言い、ここ でR'はアルキレンである。「カルバコシアルキル」は、-R'-COORを言い、 ここでR'およびRは、それぞれアルキレンおよびアルキルである。「アルキル 」は、一般的に1〜6炭素原子の飽和直鎖または分枝鎖の炭化水素(hydrocarbyl )部分(例えば、メチル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、t-ブチル、n-プロピ ルなど)を示す。「アルキレン」は、基が、一価ではなく二価であることを除い ては「アルキル」と同じである。「アリール」は、フェニル基を示し、このフ ェニル基は、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素);低級ア ルキル(1〜4C);および低級アルコキシ(1〜4C)からなる群より独立し て選択され得る1〜3個の置換基で必要に応じて置換される。「アリール」また は「アルキルスルホニル」基は、式-SO2Rを有し、ここでRは上記で規定する ようなアルキルまたはアリールである。 R3は、独立してω-カルボキシアルキル基(2〜6C)、またはその塩、アミ ド、エステルもしくはアシルヒドラゾン、あるいはアルキル(1〜6C)である 。好ましくは、R3は、2-カルボキシエチルまたはそれらのアルキルエステルで あり、そしてR4は、ビニルである。しかし、これらの実施態様は、生物学的効 率の考慮によって指示されることではなく、天然のポルフィリンの入手可能性の ために好ましい。図1に示すように、R1-C≡C-R2とフォトポルフィリンIX環 系との反応によって形成される付加物(ここでR3は、2-カルボメトキシエチル または2-カルボエトキシエチルのような、2-カルボキシエチルの保護形であり、 そしてR4は、-CH=CH2である)が、式1および2の化合物である。式1の化 合物は、A環への添加から生成し、そして式2の化合物は、B環への添加から生 成する。 本発明の緑色ポルフィリン化合物用の簡便な出発物質には、天然に存在するポ ルフィリンが挙げられ、ここでR3は-CH2CH2COOHまたは-CH2CHRC OORのいずれかであり、ここでRはアルキル(1〜6C)である。しかし、R3 の実際の働きは、それが環状π結合に共役されるπ結合を含まない限りは、通 常Diels-Alder反応の進行または生じる生成物に関係しない。したがって、R3は 、広範な範囲の基(例えば、短いアルキル(1〜4C);ならびにω-カルボキ シアルキル(2〜6C);ならびにそれらのエステルおよびアミド)の任意の1 つであり得る。R3置換基もまた、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ま たはヨウ素);あるいは他の非反応性置換基で置換され得る。 R3がCH2CHRCOORである場合、エステル化したカルボキシル基を加水 分解または部分的に加水分解することは、有利であることが見出されている。代 表的には、R3位置での加水分解は、R1またはR2のエステル基の加水分解より かなり速い速度で簡便に起こる。さらに、得られた化合物の溶解度および体内 分布特性は、非加水分解性形のそれらより望ましい。加水分解は、二酸のまたは 単酸の生成物(またはそれらの塩)を生成する。 式1および2の化合物で、R4は、通常少なくとも最初は-CH=CH2であるが 、このビニル基は、式1または2における環BまたはAのそれぞれのビニル環置 換基への付加、またはその酸化によってR4の他の実施態様に容易に誘導される 。したがって、R4は、容易な付加反応によって形成される置換基と一致する広 範な置換基の任意の1つであり得る。例えば、例示的な付加試薬は、HX形のも のであり得、ここでHは、以下の式を有するR4位を提供する環に隣接する炭素 に添加される: したがって、ひとつの実施態様では、付加される置換基の一方は水素であり、 そして他方は、水素;ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素); 水酸基;低級アルコキシ;アミノ;アミド;スルフヒドリル;または有機スルフ ィドからなる群から選択される。例えば、水のマルコフニコフ付加は、関係する 環でのヘマトポルフィリン(hematoporphyrin)に類似の置換構造を提供する。ビ ニル基もまた、R4位における置換基として、-CH2OH、-CHO、もしくはC OOHもしくはその塩またはエステルを得るために酸化され得る。付加生成また は酸化生成物はまた、付加された置換基が脱離官能基(functional leaving grou p)であるなら、それ自身で置換され得る。例えば、Brが置換基である場合、それ は-OH、-ORのような部分によって置換され得、ここでRは、上記のようなア ルキル(1〜6C)、ハロゲン、-NH2,-NHR、-NR2などである。 したがって、一般的にR4は、ビニル基-CH=CH2が開裂または付加によって 容易に変換される任意の置換基、および脱離基(leaving good groups)とさらな る部分との反応によって形成されるさらなる置換基を示す。しかし、好ましくは 、R4はビニル(-CH=CH2);-CHOR4であり、ここでR4は、Hまたはア ルキル(1〜6C)、必要ならば親水性置換基(例えば、-CH2OH;-CHO ;-COOR4(例えば、-COOHまたは-COOCH3);-CH(OR4)CH3 (例えば、-CH(OH)CH3または-CH(OCH3)CH3);-CH(O R4)CH2OR4;-CH(OH)CH2OH;-CH(SR4)CH3(例えば、- CH(SCH3)CH3およびその二硫化物);-CH(NR4)CH3;-CH(C N)CH3;-CH(ピリジニウムブロマイド)CH3;-CH(COOR4)CH3 ;-CH(COOCR4)CH3;-CH2(ハロ)CH3(例えば、-CHBrCH3 );または-CH(ハロ)CH2(ハロ)))で置換される。あるいは、R4は、 ビニルの直接的なまたは間接的な誘導化から生成する、12個未満の炭素原子の 有機基であり得る。また、R4は、さらなるポルフィリンまたはポルフィリン関 連環系(例えば、下記のように定義される式-L-Pの1-3テトラピロール型核) を提供し得る。R4が、-CH=CH2、-CH(OH)CH3,-CH(ハロゲン) CH3または下記のように定義される式-L-Pの1-3テトラピロール型核を含む基 であるこれらの化合物は、好ましい。 本明細書中で使用されるように、用語「テトラピロール型核」は、高度に共役 する、骨格の4個の環系、またはそれらの塩、エステル、アミド、もしくはアシ ルヒドラゾンを示す: それは、ポルフィリン系(それは、実質的に完全な共役系である);クロル系( それは、実質的にポルフィリンのジヒドロ形である);および還元クロル系(そ れは、共役ポルフィリン系のテトラヒドロ形である)を含む。「ポルフィリン」 が指定される場合、完全な共役系が指示される。緑色ポルフィリンは、実質的に ポルフィリン系のジヒドロ形態である。 一つの実施態様で、置換基R4は、少なくとも1個のさらなるテトラピロール 型核を含む。得られる本発明の化合物は、少なくとも1個のテトラピロール型環 系が緑色ポルフィリンである場合、二量体または多量体である。R4位での緑色 ポルフィリン部分間の、さらなるテトラピロール型環系への結合は、エーテル、 アミン、またはビニル結合によってであり得る。R4に対応する2つの利用可能 な置換基位(AとB環との両方にある)を有するポルフィリン環系は、さらに下 記で説明されるように誘導され得る。 R4が「-L-P」である場合、-L-は、以下からなる群から選択される: そしてPは、任意の第2のR4基が上記のLによって置換されることを除けば、 図1に示す式1〜6のポルフィリン構造または第2の緑色ポルフィリンである。 (-L-が、上記の式(e)または(f)である場合、二重結合が結合する環系は、示 すように二重結合が結合する環にある、以下に対応する共鳴系を有することもま た明らかである): 上記のDiels-Alder反応から直接生成する、ヒドロ-モノベンゾポルフィリンは また、図1の式3および4のBPD化合物に対して異性体化され得る。図1中の化 合物3および4の図は、R2置換基に関する環外メチル基(式3の環Aおよび式 4の環B)の相対的な位置を示さない。いずれの異性体も利用可能である。式3 および4の化合物は、本発明の方法および組成物において特に好ましい。 さらに、Diels-Alder生成物は、触媒(例えば、木炭(charcoal)上のパラジウ ム)の存在下で水素で処理することによって、選択的に還元され得、図1に式5 および6として示される飽和環アナログを提供する。これは環AおよびBのそれ ぞれのDiels-Alder生成物に対応する。残存するビニル置換基(R4)の変換によ る誘導化と関係のある式1および2の化合物に関する、ならびにR3の可変性に 関する上記の記載は、同様に式3、4、5、および6の化合物に適用する。 本発明の緑色ポルフィリンの好ましい実施態様は、Diels-Alder生成物が、転 位し、そして部分的に加水分解されるという実施態様である。さらにより好まし くは、R3位におけるカルバルコキシ基も加水分解されるかまたは部分的に加水 分解される、式3および4の(BPDの)化合物である。-COOHを含む本発明の 化合物は、遊離酸または塩の形態のいずれかで、有機または無機塩基を用いて調 製され得る。 図2は、式3および4に包含される本発明の4つの特に好ましい化合物を示し 、これはベンゾポルフィリン誘導体(すなわち、BPD-DA、BPD-DB、BPD-MA、およ びBPD-MB)として集団的に設計される。これらは、式3および4の転位生成物の 、加水分解されたまたは部分的に加水分解された形態であり、ここでR3の保護 されたカルボキシル基の一つまたは両方は加水分解される。R1およびR2でのエ ステル基は比較的ゆっくり加水分解し、その結果図2に示す形態への転化は容易 に達成される。これらの緑色ポルフィリン化合物のうち最も好ましいのは、BPD- MAである。 図2で、R3は-CH2CH2COOR3'であり、ここでR3'は、個々の化合物に よって変化する。特にBPD-DAでは、R1およびR2はカルバルコキシであり、R3' は水素であり、そして誘導体化は環Aにおいて起こる。BPD-DBは、環Bでの誘導 体化に対応する化合物である。BPD-MAは、BPD-DAの部分的に加水分解された形態 を示し、そしてBPD-MBは、BPD-DBの部分的に加水分解された形態を示す。したが って、これらの後者の化合物で、R1およびR2はカルバルコキシであり、一方の R3'は水素であり、そして他方のR3'はアルキル(1〜6C)である。 式BPD-MAおよびBPD-MBの化合物は、同質であり得、ここでC環カルバルコキシ エチルのみもしくはD環カルバルコキシエチルのみは、加水分解されるか、また はCおよびD環の置換基加水分解物の混合物であり得る。さらに、BPD-MA、-MB 、-DA、および-DBの任意の2つ以上の混合物は、本発明の方法および組成物に使 用され得る。 図1の化合物の多くは、少なくとも1つのキラル中心を含み、したがって光学 異性体として存在し得ることは、注意されるべきである。本発明の方法は、化合 物が単一の立体異性体の単離物として供給される場合も、また鏡像異性体および /またはジアステレオマーの混合物である場合も、キラル炭素の両方の立体配置 を有する化合物を使用し得る。ジアステレオマーの混合物の分離は、任意の従来 の手段によって達成され得る。鏡像異性体の混合物は、任意の通常の技術によっ て(例えば、それらを光学活性な調製物と反応させること、および生成するジア ステレオマーを分離することによって)分離され得る。 さらに、反応生成物が、AおよびB環付加物の分離されない混合物(例えば、 式1と2または3と4または5と6の混合物)であり得ることは、注意されるべ きである。分離された形態(例えば、式3のみあるいは4のみ)または任意の比 の混合物のいずれかは、本発明の方法および組成物に使用され得る。 さらになお、緑色ポルフィリンの二量体形および緑色ポルフィリン/ポルフィ リンの組合せの二量体または多量体形は、使用され得る。本発明の二量体および 多量体化合物は、ポルフィリン自体の二量体化および多量体化のための反応と類 似する反応を使用することによって、調製され得る。緑色ポルフィリンもしくは 緑色ポルフィリン/ポルフィリン結合は、直接作製され得るか、またはポルフィ リンはカップリングされ得、続いて、末端ポルフィリンのいずれかまたは両方の Diels-Alder反応により、それらを対応する緑色ポルフィリンに転化する。緑色ポルフィリン化合物の投与: 本発明の方法で、被験体は、所定量の緑色ポルフィリン化合物または緑色ポル フィリン化合物の混合物を1または数回の投薬量で投与される。その投薬量は、 緑色ポルフィリンの純度および化学形態、ならびに期待される吸収の程度に依存 する。1用量当たりの適切な量は、代表的には約0.5mg/kg体重より多く、好まし くは1用量当たり約0.5mg/kg〜5.0mg/kgの範囲であり、そして最も好ましくは1 用量当たり約0.5mg/kg〜2.0mg/kgである。特定の被験体の個々の反応は変化する ため、これらの投薬量の範囲は示唆として意図され、そして必ずしも限定として みなされるべきではない。個々の変化に従い投薬量範囲を調整することは、医師 の間での通常の手順である。 同様に、一度にすべての場合について、単一のプロトコルが、望ましいわけで はないらしい。しかし、代表的なプロトコルは、単回用量、または初回用量に続 く一週間、隔週、もしくは一月間隔でのさらなる1〜4用量のいずれかを含む。 特に好ましいプロトコルは、約2週間ごとの3用量を必要とする。再び、これら のプロトコルは、プロトコル設計で許容される広範な変化を考慮すると、限定で あると意図されない。 本発明の緑色ポルフィリン化合物は、単一化合物(好ましくはBPD-MA)として 、または種々の緑色ポルフィリンの混合物として投与され得る。適切な処方物は 、全身投与(注射用調整物を含む)、経粘膜もしくは経皮投与、または経口投与 に適切な処方物を含む。この使用に特に好ましい、本発明の緑色ポルフィリンを 処方するための手段は、末梢静脈中への注射に適切な、溶液またはリポソームの 形態である。緑色ポルフィリンは、リポソーム内に含有されるか、その表面に付 着されるか、またはその両方であり得る。リポソームを調製するための適切な方 法は、当該分野において周知である。このような調製において緑色ポルフィリン 化合物を含有させることは、例えば、Allisonら、米国特許第5,214,036号(1993 年5月25日発行)、およびDesaiら、同時係属出願第08/489,850号(1995年6月1 3日出願)に記載される(共に、本明細書中で参考として援用される)。 静脈内に注射される場合、溶液またはリポソーム処方物は、血管系全体に広が り、したがって標的にされる動脈斑と直接的に接触し、そこで緑色ポルフィリン は選択的に吸収され、ピーク濃度は代表的には約24時間以内に生じる。斑内の緑 色ポルフィリンの存在は、注射後数時間以内に検出され得、そして数日から2週 間程度の長期間、存続し得る。 一つの実施態様において、じゅく状斑による緑色ポルフィリンの吸収は、斑の 成分に特異的ないくつかの抗体を緑色ポルフィリンに結合させることによって、 増強され得る。モノクローナル抗体は、それらの極度の特異性のために特に有用 であり得る。抗原標的として働き得る斑の成分は、弾性成分、コラーゲン、およ び脂質成分を含む。 本発明の方法において、緑色ポルフィリン化合物は、薬学的組成物に処方され 、緑色ポルフィリンによって吸収される光を、潜在的なまたは成長中の動脈斑の 部位に侵襲的に照射する必要なしに投与される。語句「緑色ポルフィリンによっ て吸収される光の照射の非存在下で」は、このような意図的な照射が実施されな いことを意味すると意図される。この語句は、言うまでもなく、周辺光への患部 組織の、不注意な、偶然の、または通常の曝露を除外しない。 下記の実施例は、例示のためであり、本発明を限定することを意図されない。実施例1用量変化 高脂肪食で飼育したウサギにおける大動脈脂肪斑の発達に対する、リポソーム BPD-MA骨格ポルフィリン(verteporfin)の効果を評価するために、本研究を実施 した。20匹の試験動物を選択し、そして4群に分けた。本研究を通して、全動物 を、7%のコーン油および1.5%のコレステロールを含有する再ペレット化した ウサギ用固形飼料からなる食餌で維持した。このうち3群は、高脂肪食の開始後 2週目および6週目に、0.5、1.0、または2.0mg/kgのBPD-MAのいずれかを投与し た。第4の群の動物は、全くBPD-MAを投与されず、したがってこれをコントロー ル群として供した。すべての試験動物を、7週目に剖検し、そしてそれらの大動 脈を摘出し、そして認定された獣医学病理学者による肉眼検査および顕微鏡検査 用に固定した。標準的ヘマトキシリンおよびエオシン染色技術を用いて、ホルマ リン固定切片について組織病理学を実施した。各試験群中5匹の個々の動物から のデータを、その群の値を得るために平均した。 肉眼評価で、長さ約15cmのウサギ大動脈全体を、斑の重篤度および範囲につい て検査した。結果は、下記の表1に要約される。表1 薬物用量(mg/kg) 重篤度1 患部組織の範囲2(cm) 患部組織の% 1 0 2.2 7.0 46.7 2 0.5 1.8 2.5 16.7 3 1.0 1.3 4.8 32.0 4 2.0 1.2 0.9 6.11 重篤度:0=斑なし 1=小さな線状斑(3mm以下) 2=動脈の円周の1/2未満を含む斑の融合領域 3=動脈の円周の1/2より多くを含む斑の融合領域2 範囲:斑によって冒された大動脈の直線での全長(cm)。いくつかの別々の領域 が含まれる場合、その患部の長さを加算して全体値を得た。 大動脈分岐由来のウサギ大動脈の約1cmの切片を、顕微鏡検査のために採取した 。 大動脈のこの特定の部分は、全体の斑発達を最も良好に代表すると一般的に考え られるため、それを選択した。この結果は、下記の表2に要約される。 表2 薬物用量(mg/kg) 斑の重篤度1 大動脈斑を含む切片数 1 0 1.0 4/5 2 0.5 0.8 3/5 3 1.0 0.2 1/5 4 2.0 0 0/51 重篤度:0=正常な大動脈 1=大動脈切片の30%未満が含まれる1つ以上の亜内皮脂肪斑 2=大動脈切片の30〜60%が冒された亜内皮脂肪斑 3=大動脈切片の60%が含まれる亜内皮脂肪斑 斑の重篤度および斑に冒された組織の範囲は、共に、BPD-MAの用量を増加させる につれて減少するようである。これらの効果は、肉眼でも顕微鏡でも観測され得 た。両方の場合で、最も高い効果は、2.0mg/kgの緑色ポルフィリンを投与された 動物で見られた。実施例2用量数の変化 本研究で、2群の試験動物(1群当たりn=6)に、上記の実施例1に記載の高 脂肪食の開始後2週目、またはこの食餌の開始後2、4、および6週目のいずれ かに、2mg/kgのBPD-MAを投与した。3番目の群は、コントロール群として供し 、したがってBPD-MAを投与されなかった。すべての動物を8週目に剖検し、そし て上記で実施例1に記載のようにウサギ大動脈を摘出し、そして固定した。 肉眼検査を、長さ約13.0〜17.5cmの範囲におよぶ大動脈について実施した。そ の結果は、下記の表3に提示される。 表3 食餌の開始からの 患部組織の 患部組織 薬物用量物投与の時間(週) 重篤度2 範囲2 の% 1 0 0 2.2 5.0 30.6 2 2.0 2 1.7 2.5 17.8 3 2.0 2,4,6 1.2 0.9 5.91 および2:表1を参照のこと ウサギ大動脈の切片はまた、顕微鏡用に、大動脈分岐から約1、2、および3 cmで採取した。この1cmの切片は、実施例1で採取した切片と同程度であると考 えられた。その結果は、下記の表4に要約される。 表4 食餌の開始 大動脈斑を 薬物用量 からの薬物投与 斑の重篤度1 含む切片数 (mg/kg) の時間(週) (切片1,2,3cm) (切片1,2,3) 1 0 0 1.3,1.7,2.2 4/6,5/6,5/6 2 2.0 2 0.8,1.0,2.0 4/6,4/6,5/5 3 2.0 2,4,6 0.7,1.3,2.0 2/6,5/6,5/6 は、表2を参照のこと。 肉眼検査と顕微鏡検査の両方の結果は、この研究の終わりの6週間前に、BPD- MAの単回投与後の大動脈斑の重篤度および範囲が減少したことを示した。しかし 、2週間間隔での薬物の3回の繰り返し投与後、この減少はさらにより顕著なよ うであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レビー,ジュリア カナダ国 ブイ6ジェイ 4ゼット3 ブ リティッシュ コロンビア,バンクーバ ー,ペニーファーシング レーン 1490 ナンバー601 (72)発明者 マーガロン,フィリップ マリア クロテ イル カナダ国 ブイ6ピー 3エックス4 ブ リティッシュ コロンビア,バンクーバ ー,フレムリン ストリート 8685 ナン バー6

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.動脈斑の発達を防止または阻害する方法であって、該方法は、以下の工程: a.該発達を防止または阻害するために有効な量の緑色ポルフィリン化合物を、 1以上の用量で被験体に投与する工程;および b.該阻害が、該緑色ポルフィリンによって吸収される光の意図的な照射の非存 在下で起こることを可能にする工程 を包含する、方法。 2.前記投与が1〜5用量を投与することによって実施される、請求項1に記載 の方法。 3.前記投与が1用量を投与することによって実施される、請求項2に記載の方 法。 4.前記投与が3用量を投与することによって実施される、請求項2に記載の方 法。 5.前記有効量が各用量において0.5mg/kgより多い、請求項1に記載の方法。 6.前記有効量が各用量において0.5〜5.0mg/kgである、請求項5に記載の方法 。 7.前記有効量が各用量において0.5〜2.0mg/kgである、請求項5に記載の方法 。 8.前記緑色ポルフィリンがリポソーム処方物中で投与される、請求項1に記載 の方法。 9.前記緑色ポルフィリンが以下からなる群から選択され、ここでR1、R2、R3 、およびR4は非干渉性置換基である、請求項1に記載の方法:10.R1およびR2が独立してカルボメトキシまたはカルボエトキシである、請 求項9に記載の方法。 11.各R3が−−CH2CH2COOH、またはそれらの塩、アミド、エステル 、もしくはアシルヒドラゾンである、請求項9に記載の方法。 12.前記ポルフィリンが、式3または4を有する、請求項9に記載の方法。 13.前記緑色ポルフィリンが、BPD-DA、BPD-DB、BPD-MA、およびBPD-MBからな る群から選択される、請求項12に記載の方法。 14.前記緑色ポルフィリンがBPD-MAである、請求項13に記載の方法。 15.光の意図的な照射の非存在下で起こる前記処置が、周辺光に曝露される条 件下で実施される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。 16.動脈斑の発達を防止または阻害するための医薬品の製造のための組成物の 使用であって、該組成物は、動脈斑の発達を防止または阻害するための処置が必 要な被験体に投与する場合に、緑色ポルフィリンによって吸収される光の意図的 な照射の非存在下でさえ、動脈斑の発達を防止または阻害するために有効な該緑 色ポルフィリン化合物を含有する、使用。 17.前記医薬品が、前記被験体の体重1kgあたり0.5mgより多い単位投薬量の 前記緑色ポルフィリン化合物を含有する、請求項16に記載の使用。 18.前記単位投薬量が、前記被験体の体重1kgあたり0.5〜5.0mgである、請求 項17に記載の使用。 19.前記単位投薬量が、前記被験体の体重1kgあたり0.5〜2.0mgである、請求 項17に記載の使用。 20.前記組成物がリポソーム処方物である、請求項16に記載の使用。 21.前記緑色ポルフィリンが以下からなる群から選択され、ここでR1、R2、 R3、およびR4は非干渉性置換基である、請求項16に記載の使用:22.R1およびR2が独立してカルボメトキシまたはカルボエトキシである、請 求項21に記載の使用。 23.各R3が−−CH2CH2COOH、またはそれらの塩、アミド、エステル 、もしくはアシルヒドラゾンである、請求項21に記載の使用。 24.緑色ポルフィリンが式3または4を有する、請求項21に記載の使用。 25.前記緑色ポルフィリンが、BPD-DA、BPD-DB、BPD-MA、およびBPD-MBからな る群から選択される、請求項24に記載の使用。 26.前記緑色ポルフィリンがBPD-MAである、請求項25に記載の使用。 27.前記医薬品が薬学的に受容可能な賦形剤を含有する、請求項16〜26の いずれか1項に記載の使用。 28.前記組成物が、周辺光に曝露される条件下で前記被験体に投与される場合 、動脈斑の発達を防止または阻害するために有効である、請求項16〜27のい ずれか1項に記載の使用。 29.動脈斑の発達を防止または阻害する方法であって、該方法が、請求項16 〜28のいずれか1項に従って1用量または数用量で製造される医薬品を投与す る工程を包含する、方法。 30.前記医薬品が1〜5用量で投与される、請求項29に記載の方法。 31.前記医薬品が1用量で投与される、請求項30に記載の方法。 32.前記医薬品が3用量で投与される、請求項30に記載の方法。 33.前記投与が、周辺光に曝露される条件下で実施される、請求項28〜32 のいずれか1項に記載の方法。
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