JP2000512262A - (1,5−インター)アリールプロスタグランジン誘導体を用いて血管を拡張させる方法 - Google Patents

(1,5−インター)アリールプロスタグランジン誘導体を用いて血管を拡張させる方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、血管を拡張させるような治療を必要とする温血動物に、有効量の式Iで表される(1,5-インター)アリールプロスタグランジン誘導体を投与することを含む血管を拡張させる方法を提供する。但し、式中のnは0又は1乃至6の整数であり、Rは式:CO2R’、CONR’2、CH2OR’及びSO2NR’2(式中、R’は水素又は1乃至6個の炭素原子を有する低級アルキル基である。)により表される基からなる群から選択され、R”は水素又は式(CO)R”’を有するアシル基(式中、R”’は1乃至約10個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の非環式炭化水素基である。)、又は-(CH2)mR””(mは0又は1乃至6の整数であり、R””は3乃至7個の炭素原子を有する脂肪族環、又はフェニルのようなアリール基、又はチエニル、フラニル又はピリジルのようなヘテロアリール基である。)であって、好ましくはR”’は1乃至6個の炭素原子を有する低級アルキル基であり、線影をつけた三角のセグメントはα配向結合を表し、ぬりつぶした三角のセグメントはβ配向結合を表し、波状のセグメントはシス又はトランス配向である結合を表す。更に好ましくは、前記(1,5-インター)アリールプロスタグランジン誘導体は式(II)で表される化合物である。最も好ましくは、前記(1,5-インター)アリールプロスタグランジン誘導体は、RがCO2R’であり、R’が水素であり、かつnが0である式(II)の化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】 (1,5-インター)アリールプロスタグランジン誘導体を用いて 血管を拡張させる方法 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、血管拡張に有用な新規化合物に関する。特に、本発明は温血動物に おいて血管拡張を刺激するのに有効な新規(1,5-インター)(1,5−inter)アリー ルプロスタグランジン誘導体の使用に関する。 2.技術の簡単な説明 血管拡張は血管の拡張を意味し、一般的には体の一部への血流が増大する。幅 広い種類の血管拡張剤が知られており、高血圧症、狭心症、及びうっ血性心不全 のような病態生理学的疾患の治療に成功している。これらの薬剤は作用の主要な 機構に従って分類しうる。ニトレート及びナトリウムニトロプルシドサイドを含 む重要な血管拡張剤群の一は、平滑筋に直接作用する。カプトプリル(captopril )、エナラプリル(enalapril)及びリスリノプリル(lislinopril)を含む別の重要 な血管拡張剤化合物の群は、細動脈抵抗血管の強力な収縮剤であるアンジオテン シンIIへのアンジオテンシンIの酵素的変換の阻害により活性を示すと思われ る。α-及びβ-アドレナリン受容体遮断剤及びカルシウム拮抗薬も血管拡張剤と して成功して使用されている。 血圧を低下させたり、うっ血性心不全を改善したり、狭心症からの回復を早め たりする薬剤の開発は報告されているけれども、今日入手しうる血管拡張剤はい ずれも理想的ではない。これらの疾患の治療に有用な薬剤、特に所望の薬理学的 な面を示すばかりでなく、非毒性で、速成耐性を示さず、製造費用が安価な薬剤 の必要性は存在し続ける。局部の血管床における血管収縮に伴う疾患に反対に作 用するのに使用しうる局部的血管拡張効果を有する血管拡張剤の必要性も存在す る。 プロスタグランジンF2αは、単離したサルの大脳動脈及びヒトの手の血管に おいて内皮依存性弛緩を誘導すると報告された。その血管拡張効果にもかかわら ず、全身投薬に伴う望ましくない副作用が、全身性高血圧症、狭心症、及び関連 疾患のような病気の治療に使用するのを妨げると思われる。このように、PGF2 α及びその類似物は大部分の平滑筋を収縮させるので、子宮収縮、利尿、胃腸 の平滑筋の収縮、気管支収縮、及び全身の血圧を上昇させることになる多くの血 管の血管収縮を含む副作用を示すであろう。従って、PGF2α及びフルプロス テノール(fluprostenol)のようなそのFP受容体作用薬類似物は血管拡張剤と して作用しうるけれども、有用な全身的効果の可能性は危うく、平滑筋の収縮に より逆転する場合さえある。 本出願人らのPGF2αの構造−活性研究により、PGF2α(FP受容体)薬 理学において多くの予期せぬ面が示された。1,5-インターアリールPGF2α誘 導体は、選択的にPGF2αの血管拡張性を示すことが発見された。このように 、本明細書に記載されているこれらのインターフェニレンPGF2α類似物は血 管の平滑筋を弛緩したけれども、PGF2αに感受性の試料において細胞内の[C a2+]を増大させなかった。細胞内の[Ca2+]の増大が血管及びその他の平滑筋の 収縮の誘因として確立されているので、そのようなインターフェニレンPGF2 α類似物は平滑筋を収縮させないであろう。 本明細書に記載されているインターフェニレンの作用の血管拡張機構には独特 な特徴がある。それらの作用機構は血管の内皮に依存し、酸化窒素の放出を伴う と思われることが示された。PGF2α及びその構造類似物フルプロステノール は同様にこの血管の平滑筋の試料を弛緩するけれども、前述のような望ましくな い副作用のために血圧の低下及び/又は局部の血流の増大に使用されないし、使 用できない。本明細書に記載されているインターフェニレンPGF2α類似物は 血管拡張剤として使用でき、血管の内皮からのNOの放出を伴う機構により血流を 増大させるのに使用されうる唯一の種類の薬剤である。類似物にはアセチルコリ ン及びその他のコリン作動性物質がある。それらも又同一の機構により血管を弛 緩するが、それらは公知の平滑筋収縮作用及びその他の副作用のためにPGF2 αの場合と同様によくないので、血管拡張の治療としては使用されない。 従って、要するに、非毒性で、薬学的配合物及び投与に適する、PGF2αの ようなプロスタグランジンに伴う副作用のない、温血動物において血管拡張を刺 激しうる(1,5-インター)アリールプロスタグランジン誘導体を提供することが本 発明の目的である。 本発明の要約 これら及びその他の目的及び利点は、そのような治療を必要とする温血動物に おいて血管を拡張させる新規方法を提供する本発明より見出される。その方法は 、温血動物に有効量の式Iで表される新規(1,5-インター)アリールプロスタグラ ンジン誘導体を投与することを含む。 式中、nは0又は1乃至6の整数であり、Rは式: CO2R’、CONR’2、CH2OR’及びSO2NR’2 (式中、R’は水素又は1乃至6個の炭素原子を有する低級アルキル基である。 )により表される基からなる群から選択され、R”は水素又は式(CO)R”’ を有するアシル基(式中、R”’は1乃至約10個の炭素原子を有する飽和又は 不飽和の非環式炭化水素基である。)、又は-(CH2)mR””(mは0又は1乃 至6の整数であり、R””は3乃至7個の炭素原子を有する脂肪族環、又はフェ ニルのようなアリール基、又はチエニル、フラニル又はピリジルのようなヘテロ アリール基である。)であって、好ましくはR”’は1乃至6個の炭素原子を有 する低級アルキル基であり、線影をつけた三角のセグメントはα配向結合を表し 、ぬりつぶした三角のセグメントはβ配向結合を表し、波状のセグメントはシス 又はトランス、すなわちE又はZ配向である結合を表す。 R’がアルキルの場合には、血管拡張活性を妨げない1個以上の置換基で置換 されていても未置換でもよい。好ましい実施態様においては、R’は水素又は未 置換の直鎖状アルキル基である。 更に好ましくは、(1,5-インター)アリールプロスタグランジン誘導体は、式中 の符号が前述のとおりである式IIで表される。 最も好ましくは、式I及びIIの両方において、R’は水素である。 これらの化合物は非常に非毒性で、血管に選択的血管拡張効果を及ぼす。 図面の簡単な説明 本発明を更に完全に理解するためには、図面を参照すべきである。 図1は、単離したウサギの頸静脈試料を用いた血管拡張活性を示す分析試験に おいてある種の天然プロスタグランジンの効果を示す投与量応答曲線である。 図2は、同一の分析試験においてアセチルコリンの効果を示す投与量応答曲線 である。 図3は、本発明の(1,5-インター)アリールプロスタグランジン誘導体の一であ る、4-[3-[3,5-ジヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-1E-オクテニル)-シクロペンチル ]-1-プロペニル]安息香酸の効果を示す投与量応答曲線である。 図4は、同一の分析試験において図3のラセミ混合物のシス(AGN 193376)異性 体及びトランス(AGN 192419)異性体の効果を示す投与量応答曲線である。 図5は、無傷の及び表皮剥脱したウサギの頸静脈を比較する分析試験において 、図3のラセミ混合物のシス異性体の効果を示す投与量応答曲線である。 図6は、Swiss 3T3細胞中におけるCa2+の増大を引き起こすPGF2α及び図3 のラセミ混合物の効果を示す図である。 図7は、図3のラセミ混合物のシス異性体の調製のスキームを示す。 図8は、図3のラセミ混合物及び前記混合物のトランス異性体の調製のスキー ムを示す。発明の詳細な説明 プロスタグランジンF2α類似物である、K4-[3-[3,5-ジヒドロキシ-2-(3-ヒド ロキシ-1E-オクテニル)-シクロペンチル]-1-プロペニル]安息香酸は、単離した 血管の平滑筋試料において強力な血管拡張剤であることが発見された。この化合 物の血管拡張剤の性質は、主として血管の内皮により媒介されると思われる。血 管から内皮細胞を除去した試料においては、この化合物は高投与量においてもわ ずかな活性しか示さない。単離したウサギの頸静脈試料において、この化合物の 作用機構は、PGD2、PGE2、PGI2及びそれらの合成類似物のようなその 他の多くの血管拡張剤プロスタノイドの活性と比較して独特であった。これらの その他のプロスタノイドは、もっぱら血管の平滑筋を直接刺激することにより血 管の拡張を引き起こす。 この化合物は、全身性高血圧症、冠状動脈梗塞、卒中、跛行、及びレイノー病 のような種々の心臓血管の病気の治療に使用しうる。それは又、組織の血流が増 大すると有利な状態に局部的又は全身的に使用しうる。これらの状態には、緑内 障、網膜障害、早産、組織及び器官の移植組織及び雄性機能障害が含まれるが、 これらに限定されるわけではない。 本発明の方法において有用な化合物の血管拡張活性を示すのに使用しうる分析 試験はたくさんある。特に小さな血管において血管拡張活性を検出する比較的近 年の方法は米国特許第5,306,729号に記載されている。この特許の技術は、血管 作用性化合物に応答する網膜の循環の変化の研究にビデオによる蛍光眼底血管造 影法(VFA)を使用する。全身的及び網膜循環の両方の変化を検出しうる。こ の技術は、網膜の動脈及び静脈の血管拡張を直接視覚化して測定しうる。 肺及び全身的末梢血管床における血管拡張を検出するには、種々の中程度及び 大きな動脈及び静脈の動脈及び静脈の状態に及ぼす化合物の影響を決定するよう に設計された分析試験、及び血圧、左右の心室充満圧、及び拍出量測定のような 血流力学的分析試験、を含むこの技術分野において熟練した臨床家に公知の従来 の分析試験のいずれも使用しうる。 本発明の(1,5-インター)アリールプロスタグランジン誘導体の活性の検出には 以下の分析試験を使用した。単離したウサギの頸静脈試料 単離した組織の平滑筋の張力を力変位トランスデューサで等角的に測定し、Gr assポリグラフに記録した。Krebs溶液を含む器官浴を37℃に保持し、95%O2 /5%CO2ガスを供給すると、pHは7.4となった。体重2乃至4kgの、オス 又はメスのニュージーランド白ウサギの耳の周辺の血管に1000Uのヘパリン を注射し、CO2ガスで犠牲にした。頸静脈の外側の脂肪及び付着する組織を除 去し、切開した。血管を切開し、長さ4mmの各環を2つのタングステン金属フッ ク間につるした。組織を0.75gの張力下に60分間平衡させ、張力は組織を 弛緩したときに再び調整した。10μM、次いで2乃至3μMのヒスタミンを投 与し、各投与後洗浄すると、組織が収縮し、応答性を確証した。2μMのTP受 容体拮抗体、EP 092(+/-)[1α,2β(Z),3α,4α]と-7-[3-[1-[[(フェニルアミノ) チオキソメチル]ヒドラゾノ]エチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-と5-ヘプ テン酸又は1μMの下式: のSQ 29548を5分間施用し、次いで2乃至3μMのヒスタミンを添加すると収縮 応答がひきだされた。ヒスタミンで予備処理した30分後に、試験化合物の投与 を累積していくことにより弛緩応答を調べた。各投与量応答曲線の端部において 10-8乃至10-7MのPGE2により最大弛緩がひきだされた。組織を洗浄した 後30乃至50分間の回復期間を与えた。弛緩薬活性は、ヒスタミンによりひき だされる対照状態に対する%として決定した。 内皮を剥脱した環(ring)においては、環を(内膜表面を外側に)めくり返し、 内膜表面を湿った綿のQ−先端で30乃至60秒穏やかにこすり、こすった環を (内膜表面を内側に)再びめくり返すことにより内皮細胞を除去した。各実験の おわりに、ヒスタミンで予め収縮させた組織においてアセチルコリンに対する弛 緩薬応答が損失することにより、内皮細胞の除去における摩擦手段の有効性が示 された。Swiss 3T3 細胞Ca2+信号 ネズミのSwiss 3T3繊維芽細胞を培養フラスコに置き、10%のウシ胎児血清 を含む低グルコースダルベッコ変性イーグルス培地(DMEM)、2mMのL-グルタミ ン、及び0.05mg/mlのゲンタシン(gentacin)(全てニューヨーク州グランド ・アイランドのGibcoから購入した)を供給した。細胞の培養は、95%の空気 、5%のCO2の湿った雰囲気中に保持した。 37℃においてトリプシン0.05%/0.52mM EDTA(ニューヨーク州グ ランド・アイランドのGibco)で約1分間処理することにより細胞を培養フラス コから除去した。タンパク質分解活性は、5mlの10%のウシ胎児血清を含むDM EMを添加することにより阻止した。pH7.4において細胞をハンクスのBSS、1 40mMのNaCl、50mMのKCl、1mMのMgCl2、1.5mMのCaCl2、10mMのHEPES:T RIS、5mMのグルコース、5mMのピルビン酸ナトリウム、0.1%のウシ胎児血 清を含む培地中で続けて洗浄した。洗浄物の遠心分離は、200gを室温におい て5分間実施した。細胞を数え、前述の培地中に再び懸濁し、37℃において3 0分間振盪する水浴中で2μMのFura 2/アセトキシメチルエステルを用いイン キュベートした。次いで細胞を前述のような培地中で洗浄し、2×106細胞/ml の濃度で再び懸濁した。それから0.5mlの細胞懸濁液のアリコートを自動蓋閉 め微小管に添加すると、細胞内Ca2+濃度の実験的測定当たり106個の細胞を提 供した。 ともに10nmのスリットで、それぞれ340及び492nmの励起及び発光波長 においてPerkin-Elmer LS-5蛍光分光計で蛍光を測定した。各実験的測定におい て、106個の細胞を洗浄(200×g5分間)し、120mMのNaCl、6mMのKCl 、1mMのMgSO4、1.5mMのCaCl2、20mMのHEPES、1mMのグルコース、及び1m g/mlのピルビン酸ナトリウムを含む緩衝液を用い3mlのキュベット中で懸濁した 。温度を37℃に保持し、頭上の櫂型攪拌器により攪拌した。Fura 2の信号の目 盛り定めは、UMR-106細胞に関して記載されているようにして実施した。Woodwar d et al.,Identification Of A Single(FP)Receptor Associated With Prost anoid-Induced Ca2+ Signals In Swiss 3T3 Cells,Biochemical Pharmacology,Vol.47,No.9,pp.1567-1574,1994を参照されたい。fmax-EGTA(1 00mM)を得るために細胞をジギトニン(100mg/ml DMSO濃度で10μl)で 溶解し、次いでfminを得るためにpHを8.5に調整するのに十分な10NのNaO Hを添加した。物質 2%のNa2CO3、、次いで0.9%の通常生理食塩溶液を添加することにより1 0-2Mのプロスタグランジン溶液PGE2、PGF2α、AGN 192395、AGN 193376 、AGN 192419、フルプロステノール(Na+塩)を調製した。EP 092及びSQ 29548 の保存溶液は100%エタノール中で調製し、次いでそれぞれエタノール及び水 性緩衝液で希釈した。本発明の代表的な化合物である4-[3-[3,5-ジヒドロキシ-2 -(3-ヒドロキシ-1E-オクテニル)-シクロペンチル]-1-プロペニル]安息香酸は以 下に記載したようにして合成し、PGF2αの場合と同様にして溶液を調製した 。ヒスタミン及びアセチルコリンは0.9%の通常生理食塩溶液中で調製した。 インドメタシンは2%のNa2CO3中に溶解させた。結果 血管の内皮が無傷の(a)及び表皮剥脱した(b)ウサギの頸静脈試料におけ るPGE2及びPGF2αの活性は図1に示されている。PGE2は研究した血管 弛緩薬のなかで最も強力であるが、PGF2αとは異なり、PGE2活性に及ぼす 血管内皮の除去の影響は最少である。 アセチルコリンも又、内皮依存機構によりウサギの頸静脈を弛緩しうる。従っ て、アセチルコリンは、内皮が無傷の場合には強力な血管拡張剤であるが、内皮 が除去された場合には活性を失う(図2を参照されたい)。 本明細書において論じられている化合物であるAGN 192395も又、無傷のウサギ の頸静脈試料の弛緩においては活性であり、血管の内皮が除去された場合には活 性が実質的に低下することが示されている(図3を参照されたい)。AGN 192395 はジアステレオマー混合物である。混合物をシス(AGN 193376)異性体及びトラン ス(AGN 192419)異性体に分割すると、弛緩薬の活性はシス異性体には存在するこ とが示される(図4を参照されたい)。トランス(AGN 192419)異性体は弛緩より むしろ収縮をひきおこす(再び図4を参照されたい)。血管の内皮を除去すると 、 AGN 193376の血管弛緩活性は実質的に低下した(図5を参照されたい)。 PGF2α及びそのFP受容体の作用薬協働筋に対する典型的な応答として細 胞内Ca2+の増加が、確立されているSwiss 3T3細胞においても効果が研究された 。 Swiss 3T3細胞内のCa2+信号に及ぼすPGF2α及びAGN 192395の効果は図6に 表されている。これらの結果は、PGF2αは投与量に依存して細胞内のCa2+を 増大させる効果があるけれども、AGN 192395は実質的に不活性であることを示す 。AGN 192395は、Ca2+応答により示されるようにFP受容体を刺激しないので、 AGN 192395に伴う弛緩応答は期待できないし、今までに確認されていない受容体 の存在を反映しうる。 前述のように、代表的な化合物は、nが0であり、RがCO2R’であり、R ’が水素である式IIの化合物である。しかしながら、式I又はIIで表される 化合物以外のものが代表的な化合物に代わっても、同様な結果が得られる。それ らは血管拡張活性を示すような化合物である。 本発明を、本発明の種々の面の代表例であるが、請求の範囲により定義される 本発明の範囲を限定するつもりのない以下の実施例(実施例中の化合物の番号は 図7及び8の反応スキームに示される化合物と関連する)により更に説明する。 実施例1 [1α(Z),2β(1E,3S*),3α,5α]-1-(1-ブロモ-1-プロペン-3-イル)-2-[3-(tert- ブチルジメチルシリロキシ)-1-オクテン-1-イル]-3-(tert-ブチルジメチルシリ ロキシ)-5-ヒドロキシシクロペンタン(化合物2) ジイソブチルアルミニウム水素化物(Dibal-H)(1.0MのCH2Cl2溶液8.0mL ,8.0mmol)を、−70℃において図7及び8の市販のラクトン(化合物1) (2.0g,4.0mmol)のCH2Cl2溶液(8.0mL)に添加した。(図7及び8 においては、TBSはtert-ブチルジメチルシリル基を表すことに注目されたい。) 2時間後、メタノール(MeOH)(0.69mL,16.9mmol)で反応を停止し、室 温に温めた。1NのNaOHで反応を停止し、0.5時間攪拌し、酢酸エチル(EtOAC )で抽出した。有機部分をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると、1 .85g(92%)の中間体ラクトールが得られた。 カリウムtert-ブトキシド(1.0Mのテトラヒドロフラン(THF)溶液2.4mL ,2.40mmol)を、−70℃において(ブロモメチル)トリフェニルホスホニ ウムブロマイド(525mg,1.20mmol)のTHF(10mL)懸濁液に添加した。 15分後、500mg(1.00mmol)の前述のようにして調製したラクトールを THF(5mL)溶液として添加した。得られた黄色の反応混合物を−20℃に16時 間温め、NH4Cl飽和水溶液で反応を停止し、エチルエーテル(Et2O)で抽出した。 有機部分をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュカラム クロマトグラフィー(シリカゲル,19:1ヘキサン/EtOAc)により精製すると 、160mg(28%)の臭化ビニルが得られた。 実施例2 [1α(Z),2β(1E,3S*),3α,5α]-2-[3-(tert-ブチルジメチルシリロキシ)-1-オク テン-1-イル]-3-(tert-ブチルジメチルシリロキシ)-5-ヒドロキシ-1-プロピン-3 -イル)シクロペンタン(化合物3) カリウムtert-ブトキシド(1.0MのTHF溶液0.70mL,0.70mmol)を 、−70℃において臭化ビニル(化合物2)(160mg,0.28mmol)のTHF( 2.7mL)溶液に添加した。次いで反応混合物を−60℃において16時間攪拌 し、塩化アンモニウムの飽和水溶液で反応を停止し、Et2Oで抽出した。有機部分 をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュカラムクロマト グラフィー(シリカゲル,9:1ヘキサン/EtOAc)により残留物を精製すると、 128.8mg(94%)のアルキン(化合物3)が透明な無色のオイルとして得 られた。 実施例3 [1α(Z),2β(1E,3S*),3α,5α]-エチル-4-[3-[2-(3-(tert-ブチルジメチルシリ ロキシ)-1-オクテン-1-イル]-3-(tert-ブチルジメチルシリロキシ)-5-ヒドロキ シシクロペンチル]-1-プロピン-3-イル)ベンゾエート(化合物4) エチル4-ヨードベンゾエート(11.5mg,0.415mmol)及び化合物3( 205mg,0.415mmol)のトリエチルアミン(3.0mL)溶液を、脱泡して アルゴンガスでパージした。ヨウ化銅(I)(7.9mg,0.042mmol)及びパラ ジウムビス(トリフェニルホスフィン)ジクロライド(29.1mg,0. 042mmol)を添加し、得られた混合物を再び脱泡してアルゴンガスでパージし た。反応混合物を23℃において4時間攪拌し、真空中で濃縮し、フラッシュカ ラムクロマトグラフィー(シリカゲル,6:1ヘキサン/EtOAc)により残留物を 精製すると、169mg(63%)のアリールアルキン(化合物4)が淡黄色のオ イルとして得られた。 実施例4 [1α(Z),2β(1E,3S*),3α,5α]-エチル-4-[3-[2-(3-tert-ブチルジメチルシリロ キシ)-1-オクテン-1-イル]-3-(tert-ブチルジメチルシリロキシ)-5-ヒドロキシ シクロペンチル]-1-プロペン-3-イル)べンゾエート(化合物5) 四水素化ホウ素(tetrahydridoborate)ナトリウム(14.7mg,0.39mmol )を、23℃において塩化ニッケル(II)(101mg,0.78mmol)の95%エ タノール(7.5mL)溶液に添加した。15分後、エチレンジアミン(83μL ,1.25mmol)を添加し、次いで化合物4(100mg,0.156mmol)のCH2 Cl2(1.0mL)溶液を添加した。反応混合物を0.5時間脱泡し、針により反 応混合物に水素ガスを導入した。16時間後、混合物をceliteにより濾過し、濾 液を真空中で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ ゲル,9:1ヘキサン/EtOAc)により精製すると、淡黄色のオイルとして77. 3mg(77%)のシス-アルケン(化合物5)が単独で得られた。 実施例5 [1α(Z),2β(1E,3S*),3α,5α]-4-[3-[3,5-ジヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-1-オ クテン-1-イル)シクロペンチル]-1-プロペン-3-イル]安息香酸(化合物6) ビスシリルエーテル(化合物5)(145mg,0.23mmol)及びテトラブチ ルアンモニウムフルオライド(1.0MのTHF溶液0.90mL,0.90mmol) のTHF(3.0mL)溶液を、23℃において12時間攪拌した。溶液をEtOAcで希釈 し、H2Oで洗浄した。有機部分をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で濃 縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,100%E tOAc)により精製すると、69.3mg(74%)の中間体トリオールが得られた 。 49mg(0.118mmol)の前述のようにして調製したトリオール及び0.5 Nの水酸化リチウム水溶液(0.94mL,0.47mmol)の混合物のTHF(1.8 mL)溶液を、23℃において16時間攪拌した。反応混合物を1NのHClで酸性と し、EtOAcで2回抽出した。一緒にした有機部分をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、 真空中で濃縮した。残留物をSep-Pakカートリッジ(シリカゲル,9:1CH2Cl2 /MeOH)により溶離して精製すると、43.5mg(95%)のカルボン酸(化合 物6)が白色固体として得られた。 実施例6 [1α(E,Z),2β(1E,3S*),3α,5α]-メチル-4-[3-[2-(3-(tert-ブチルジメチルシ リロキシ)-1-オクテン-1-イル]-3-(tert-ブチルジメチルシリロキシ)-5-ヒドロ キシシクロペンチル]-1-プロペン-3-イル)ベンゾエート(化合物7) ジイソブチルアルミニウム水素化物(1.0MのCH2Cl2溶液2.0mL,2.0 mmol)を、−70℃において実施例1のラクトン(496mg,1.00mmol)の CH2Cl2溶液(4.0mL)に添加した。1時間後、MeOH(0.17mL,4.22mm ol)で反応を停止し、室温に温めた。次いで反応混合物を1NのNaOHで反応を停 止し、1時間攪拌し、EtOAcで抽出した。有機部分をMgSO4上で乾燥させ、濾過し 、真空中で濃縮すると、透明な粘性オイルとしてラクトールが得られた。 カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(403mg,2.02mmol)を、0 ℃において4-カルボメトキシベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイドのTH F(8.0mL)懸濁液に添加した。0.25時間後、反応混合物を−70℃に冷却 し、前述のようにして調製したラクトールのTHF(2.0mL)溶液を添加した。反 応混合物を室温に温め、48時間攪拌し、塩化アンモニウムの飽和水溶液で反応 を停止した。混合物をEtOAcで抽出し、有機部分をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、 真空中で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,9:1 ヘキサン/EtOAc)により精製すると、透明な粘性オイルとして218mg(35% )のアリールスチレンの〜3:1トランス:シス混合物(化合物7)が得られた 。 実施例7 [1α(E,Z),2β(1E,3S*),3α,5α]-4-[3-[3,5-ジヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ -1-オクテン-1-イル)シクロペンチル]-1-プロペン-3-イル]安息香酸(化合物8 ) テトラブチルアンモニウムフルオライド(1.0MのTHF溶液1.3mL,1. 3mmol)をビスシリルエーテル、すなわち化合物7(200mg,0.317mmol )のTHF(3.2mL)溶液に添加した。得られた混合物を16時間攪拌し、BtOAcで 希釈し、H2Oで洗浄した。有機部分をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮 すると、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,100%EtOAc) により精製した後、透明な無色のオイルとして80mg(63%)の中間体トリオ ールが得られた。 前述のトリオール(50mg,0.124mmol)を、0.5Nの水酸化リチウム 水溶液(0.5mL,0.248mmol)及びTHF(1.0mL)とともに16時間攪拌 した。反応混合物を1NのHClで酸性とし、EtOAcで抽出した。有機部分をMgSO4 上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をSep-Pak(シリカゲル,9 :1EtOAc/MeOH)により精製すると、37.8mg(79%)のアリールスチレ ニルカルボン酸の〜3:1トランス:シス混合物(化合物8)が得られた。 実施例8 [1α(E),2β(1E,3S*),3α,5α]-メチル-4-[3-[3,5-ジヒドロキシ-2-(3-ヒドロキ シ-1-オクテン-1-イル)シクロペンチル]-1-プロペン-3-イル]ベンゾエート(化 合物9) フェニルジスルフィド(30mg,0.096mmol)及びアリールスチレン(化 合物7)(500mg,0.793mmol)のベンゼン(6.0mL)溶液を脱泡し、 23℃において24時間照射した。反応混合物を真空中で濃縮し、残留物をTHF (8.0mL)で希釈した。テトラブチルアンモニウムフルオライド(1.0Mの THF溶液2.4mL,2.4mmol)を添加し、溶液を16時間攪拌し、EtOAcで希釈 してH2Oで洗浄した。有機部分をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した 。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,100%EtOAc)により精 製すると、177mg(56%)のトランス-スチレニルエステル(化合物9)が 得られた。実施例9 [1α(E),2β(1E,3S*),3α,5α]-4-[3-[3,5-ジヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-1-オ クテン-1-イル)シクロペンチル]-1-プロペン-3-イル]安息香酸(化合物10) エステル化合物9(70mg,0.714mmol)及び水酸化リチウム(0.5N の溶液0.52mL,0.522mmol)の混合物のTHF(1.0mL)溶液を、23℃ において16時間攪拌した。反応混合物を1NのHClで酸性とし、EtOAcで抽出し た。有機部分をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をSep-P ak(シリカゲル,9:1CH2Cl2/MeOH)により精製すると、54.0mg(80% )の遊離カルボン酸(化合物10)が得られた。 本発明の化合物は、血管拡張剤による治療を必要とする温血動物に、血管拡張 を刺激するのに有効量投与される。“温血動物”という用語は、本発明の有利な 効果を感じうる全ての動物を意味する。本発明はヒトに限定するわけではないが 、そのような動物のうちの第一はヒトである。 一用途においては、本発明の化合物は、網膜の血管系において、眼の動脈閉塞 、網膜及び脈絡膜の高血圧症、網膜及び脈絡膜の血管血栓症のような網膜の病態 生理学的疾患に伴う網膜の血管における血流の減少及び/又は血圧の増大、及び 毛細血管の閉鎖のために組織が灌流される糖尿病性網膜症の中程度の段階に伴う 血管収縮に対処するために、血管拡張を刺激するのに有用である。そのような用 途においては、化合物は一般的には局所的に投与される。本発明の化合物は又、 視神経乳頭内の病的変化を引き起こす、典型的には視野が欠ける眼圧の増大を特 徴とする一連の疾患である緑内障の治療に有用であることが期待される。 網膜の血管における強力な血管拡張効果のために、本発明の化合物は、眼に局 所的に投与される場合には、通常並びに高い眼圧を低下させる作用を有するであ ろう。 本発明の方法は又、急性心筋梗塞、血管血栓症、高血圧症、肺高血圧症、虚血 性心疾患、うっ血性心不全、及び狭心症を含む病態生理学的疾患の治療に有用で ある。その場合には、本発明の化合物は血管拡張に有効で、それにより疾患の症 状を軽減するいずれかの手段により投与しうる。例えば、経眼、経口、経皮、非 経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、又は舌下より投与しうる。 本発明の化合物は単独でも、その他の公知の血管拡張剤と組み合わせても使用 しうる。 眼薬のような局所的投与の場合には、本発明の化合物は、例えば滅菌、等張、 緩衝水溶液に本発明の化合物を0.10乃至約10%含む溶液又は懸濁液を用い た標準的な局所的配合物として投与される。配合物は、1日に約1乃至6回、好 ましくは約2乃至4回、感染した眼に液滴の形で投与される。投与量に関しては 、個々の必要性は異なるけれども、各化合物の最適範囲の決定は当業者の範囲内 で十分である。典型的な投与量には、約1乃至4滴内に約0.10ナノモル乃至 約5.0μモル、好ましくは約0.4乃至4.0μモルの本発明の化合物を含む (20μL/滴)。 あるいは、本発明の活性化合物は、例えば白色ワセリン、鉱質油及びワセリン 、及びラノリンアルコールのような適する基剤中に約0.10乃至10%の活性 成分を含む軟膏に配合しうる。その他の適する基剤は、当業者には容易に明らか であろう。 本発明の製剤は、例えば水溶性又は懸濁性の化合物を溶解又は懸濁させること により、それ自体は公知の方法により製造される。その他の病理学的な障害の処 理に投与される。経口的に使用されうる製剤には、ゼラチン製のpush-fitカプセ ル、並びにゼラチン及びグリセロール又はソルビトールのような可塑剤製の軟質 のシールされたカプセルが含まれる。push-fitカプセルは、ラクトースのような 充填剤、澱粉のようなバインダー、及び/又はタルク又はステアリン酸マグネシ ウムのような滑剤及び、任意に安定剤と混合しうる液体の形で活性化合物を含み うる。軟質カプセルにおいては、活性成分は好ましくは緩衝塩溶液のような適す る液体に溶解又は懸濁させる。更に、安定剤を添加しうる。 製剤は、例えばゼラチンカプセル又はその他のビヒクル中に液体の形で提供さ れる他に、活性化合物を薬学的に使用しうる製剤に加工するのを容易にする適す る賦形剤を含みうる。従って、経口用途の製剤は、錠剤又は糖衣錠のコアを得る ために、所望であれば必要に応じて、適する補助剤を添加した後、活性化合物の 溶液を固体支持体に付着させ、任意に得られた混合物を粉砕して顆粒混合物を処 理することにより得られる。 適する賦形剤は、特に、例えばラクトース又はショ糖のような糖、マンニトー ル又はソルビトール、セルロース調剤及び/又は例えばトリカルシウムホスフェ ート又はカルシウム水素ホスフェートのようなカルシウムホスフェート、並びに デンプン、例えばトウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、じゃがいも澱粉に用い るペーストのようなインダー(inder)、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロ ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナト リウム、及び/又はポリビニルピロリドンのような充填剤である。所望であれば 、前述のような澱粉及び、ポリビニルピロリドンで架橋したカルボキシメチル− 澱粉、寒天、又はアルギン酸又はアルギン酸ナトリウムのようなその塩のような 崩壊剤を使用しうる。補助剤は、とりわけ、例えばシリカ、タルク、ステアリン 酸又はステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カルシウムのようなその塩、 及び/又はポリエチレングリコールのような流動調整剤及び滑剤である。糖衣錠 のコアは、所望であれば胃液に耐性のある適するコーティングを用いて提供され る。このためには、任意にアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリ エチレングリコール及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液及び適する溶媒又は 溶媒混合物を含みうる濃厚糖溶液を使用しうる。胃液に耐性のあるコーティング を製造するためには、アセチルセルロースフタレート又はヒドロキシプロピルメ チルセルロースフタレートのような適するセルロース調製物の溶液を使用する。 例えば、確認のため、又は活性化合物との組合わせを特徴付けるために、錠剤又 は糖衣錠のコーティングに色素又は顔料を添加しうる。 静脈内又は非経口的投与に適する配合物には活性化合物の水溶液が含まれる。 更に、油状注射懸濁液として活性化合物の懸濁液も投与しうる。水性注射懸濁液 は、懸濁液の粘度を増大させる物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリ ウム、ソルビトール、及び/又はデキストランを含みうる。任意に、懸濁液は又 安定剤を含みうる。本発明のいくつかの改良は、本発明の開示を考慮して当業者 により容易に明らかとなりうる。例えば、本発明は又、緑内障以外の先天性の高 眼圧症疾患の治療を提供し、眼の手術及びその他の観血的手段に伴う高眼圧症の 治療にも有用である。本発明は又、正常眼圧の緑内障の治療を提供する、すなわ ち高眼圧症を伴わない緑内障の治療にも有用である。 前述のように、本発明の範囲は、本発明の開示を考慮して判断される以下の請 求の範囲に基づいてのみ解釈されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 バーク ロバート エム アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92651 ラグナ ビーチ セアリートス ドライヴ 1337 (72)発明者 ウッドウォード ディヴィッド エフ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92630 レイク フォレスト チューリッ プ 23152 【要約の続き】 である結合を表す。更に好ましくは、前記(1,5-インタ ー)アリールプロスタグランジン誘導体は式(II)で 表される化合物である。最も好ましくは、前記(1,5-イ ンター)アリールプロスタグランジン誘導体は、RがC O2R’であり、R’が水素であり、かつnが0である 式(II)の化合物である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 血管を拡張させる方法であって、そのような治療を必要とする温血動物に有 効量の式Iで表される(1,5-インター)アリールプロスタグランジン誘導体を 投与することを特徴とする方法。 (式中、nは0又は1乃至6の整数であり、Rは式: CO2R’、CONR’2、CH2OR’及びSO2NR’2 (式中、R’は水素又は1乃至6個の炭素原子を有する低級アルキル基である 。) により表される基からなる群から選択され、R”は水素又は式(CO)R”’ を有するアシル基(式中、R”’は1乃至約10個の炭素原子を有する飽和又 は不飽和の非環式炭化水素基である。)、又は-(CH2)mR””(mは0又は 1乃至6の整数であり、R””は3乃至7個の炭素原子を有する脂肪族環又は アリール基又はヘテロアリール基である。)であり、線影をつけた三角のセグ メントはα配向結合を表し、ぬりつぶした三角のセグメントはβ配向結合を表 し、波状のセグメントはシス又はトランス配向である結合を表す。) 2. 前記誘導体がシス又はトランス異性体の混合物又はシス異性体からなる請求 の範囲1記載の方法。 3. 前記誘導体がシス異性体である請求の範囲2記載の方法。 4. 前記R’が水素である請求の範囲1記載の方法。 5. 前記RがCO2R’である請求の範囲4記載の方法。 6. 前記誘導体が式IIで表される請求の範囲1記載の方法。7. 前記誘導体がシス又はトランス異性体の混合物又はシス異性体からなる請求 の範囲6記載の方法。 8. 前記誘導体がシス異性体である請求の範囲7記載の方法。 9. 前記R’が水素である請求の範囲6記載の方法。 10.前記RがCO2R’である請求の範囲9記載の方法。 11.前記動物がいずれかの眼の網膜及び脈絡膜の血管の血管拡張を必要とする請 求の範囲1記載の方法。 12.前記誘導体が、薬学的に許容しうる配合物の形で、約0.1ナノモル乃至約 4.0μモルの前記誘導体を液滴として動物の眼に置くことにより投与される 請求の範囲11記載の方法。 13.前記誘導体を薬学的に許容しうる賦形剤と混合して投与することを含む請求 の範囲1記載の方法。 14.式Iで表される(1,5-インター)アリールプロスタグランジン誘導体からな る化合物。 (式中、nは0又は1乃至6の整数であり、Rは式: CO2R’、CONR'2、CH2OR'及びSO2NR’2 (式中、R’は水素又は1乃至6個の炭素原子を有する低級アルキル基である 。) により表される基からなる群から選択され、R”は水素又は式(CO)R”’ を有するアシル基(式中、R”’は1乃至約10個の炭素原子を有する飽和又 は不飽和の非環式炭化水素基である。)、又は-(CH2)mR””(mは0又は 1乃至6の整数であり、R””は3乃至7個の炭素原子を有する脂肪族環又は アリール基又はヘテロアリール基である。)であり、線影をつけた三角のセグ メントはα配向結合を表し、ぬりつぶした三角のセグメントはβ配向結合を表 し、波状のセグメントはシス又はトランス配向である結合を表す。) 15.前記誘導体がシス又はトランス異性体の混合物又はシス異性体からなる請求 の範囲14記載の化合物。 16.前記誘導体がシス異性体である請求の範囲15記載の化合物。 17.前記R’が水素である請求の範囲16記載の化合物。 18.前記RがCO2R’である請求の範囲17記載の化合物。 19.前記誘導体が式IIで表される請求の範囲14記載の化合物。 20.前記誘導体がシス又はトランス異性体の混合物又はシス異性体からなる請求 の範囲19記載の化合物。 21.前記誘導体がシス異性体である請求の範囲20記載の化合物。 22.前記R’が水素である請求の範囲20記載の化合物。 23.前記RがCO2R’である請求の範囲22記載の化合物。
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