JP2000512142A - プログラムされた連続的変異誘発 - Google Patents

プログラムされた連続的変異誘発

Info

Publication number
JP2000512142A
JP2000512142A JP10500905A JP50090598A JP2000512142A JP 2000512142 A JP2000512142 A JP 2000512142A JP 10500905 A JP10500905 A JP 10500905A JP 50090598 A JP50090598 A JP 50090598A JP 2000512142 A JP2000512142 A JP 2000512142A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
sequence
primer
mutagenic
nucleotides
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10500905A
Other languages
English (en)
Inventor
ケイ. ギフォード,デイビッド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Massachusetts Institute of Technology
Original Assignee
Massachusetts Institute of Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Massachusetts Institute of Technology filed Critical Massachusetts Institute of Technology
Publication of JP2000512142A publication Critical patent/JP2000512142A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/102Mutagenizing nucleic acids

Landscapes

  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 複数のラウンドの核酸合成にわたるプログラムされた順序における、テンプレート核酸配列のオリゴヌクレオチド媒介性ポリメラーゼ依存性変異のための方法および生成物が提供される。この方法は、一連の変異原性プライマーを用い、その全てが最初の反応系中に存在し得、ここで少なくともいくつかの変異原性プライマーは元のテンプレート核酸に結合せず、またはそれからの重合を促進しないが、連続的変異誘発のプログラムのより初期のラウンドの変異誘発した生成物に結合し、そしてそれからの重合を促進する。本発明の生成物は、そのような変異原性プライマーの混合物を含む。この生成物および方法は、生物科学および計算科学における適用を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 プログラムされた連続的変異誘発 発明の分野 本発明は、生化学、分子生物学、および分子遺伝学の分野に関する。特に、本 発明は、それらの塩基配列中に予め決定された変化または変異を有する核酸また は核酸アナログの制御された産生に関する。本発明は、生化学、分子生物学、お よび分子遺伝学を含む分野における、ならびに計算、薬学、および医科学におけ る用途を有する。 発明の背景 オリゴヌクレオチド媒介性、部位特異的変異誘発は、1970年代に、バクテリオ ファージφX174(例えば、WeisbeekおよびVan de Pol;HutchinsonおよびEdgell (1971)を参照のこと)、ならびにE.coli(例えば、Hutchinsonら(1978);Razin ら(1978)を参照のこと)において、特異的な、予め決定された変化または「変異 」を、インビボにおいて、複製されたDNA分子中の特異的な、予め決定された部 位において導入する手段として開発された。その後、オリゴヌクレオチド媒介性 変異誘発のためのインビトロ技術は、比較的長い核酸分子中に変異を導入するた めに、分子遺伝学およびバイオテクノロジーの分野において慣習的となっている (例えば、Sambrookら(1989)を参照のこと)。 簡潔に記載すると、これらの技術は、(1)適切な条件下において、十分な長 さの不完全に相補的な核酸が、ミスマッチしたかまたは非相補的な塩基対とハイ ブリダイズしてヘテロ二重鎖を形成し得、そして(2)テンプレート依存性ポリ メラーゼ媒介性核酸合成が、テンプレート配列に二重鎖形成された「プライマー 」配列から5'→3'で進行するという事実に依存する。それゆえ、比較的長い配列 中に変化または変異を導入するために、比較的短いオリゴヌクレオチドが調製さ れ得、これは所望の変異を有し、そして(1)テンプレート配列の相補的部分に ハイブリダイズし、そして(2)所望の変異を有する比較的より長い核酸のテ ンプレート依存性ポリメラーゼ媒介性合成を支持する変異原性プライマーとして 作用する。実際上は、インビボまたはインビトロにおいて、テンプレート核酸お よび1つ以上の変異誘発オリゴヌクレオチドプライマーを使用して、単一のまた は複数の変異が、数百または数千ヌクレオチドの核酸に導入され得ることが示さ れている。 分子生物学およびバイオテクノロジーにおいて、オリゴヌクレオチド媒介性変 異誘発が、中でも、タンパク質コード核酸に変異を導入して、(1)コードされ るポリペプチド生成物中の1つまたはいくつかのアミノ酸、(2)遺伝子調節部 位(例えば、開始または終止コドン、プロモーターまたはエンハンサー配列、ポ リアデニル化部位、イントロン−エキソンスプライシング部位)、および(3) 制限酵素切断部位を導入、除去、または変化するために、ならびに(4)コンビ ナトリアル的に(combinatorially)異なるポリペプチドの対応するプールまた はライプラリーを作製するために使用され得るコンビトリアル的に異なる核酸配 列の大きなプールまたはライプラリーを作製するために使用され得る。 より最近では、核酸は、計算科学におけるそれらの潜在的な利用性について研 究されている。なぜなら、中でも、それらのヌクレオチド配列は、情報貯蔵のた めの分子規模の媒体を提供し、そしてそれらの配列は、生物科学において公知の そして使用されている種々の手段(例えば、制限、連結、ポリメラーゼ依存性増 幅、およびオリゴヌクレオチド媒介性変異誘発)により操作され得るからである 。注目に値することに、Adelman(1994,1995)および他者は、情報をコード化 するために核酸分子を使用し、そして「ハミルトン経路」問題に対する解答を見 出すための大量並行プロセッサーとして、溶液中の核酸の大集団の反応を使用し た。 しかし、本発明以前には、1つの変異が後続の変異を可能にする塩基変化を引 き起こす、プログラムされた連続的な様式での変異の導入については、方法また は生成物は記載されていない。本明細書中に記載のように、そのような方法およ び生成物は、生物科学および計算科学の両方における利用性を有する。 発明の要旨 本発明は、テンプレート核酸または核酸アナログに対してプログラムされた連 続的変異誘発を実施する方法に関する。この方法において、少なくとも1つの標 的配列を生じる、元のテンプレート核酸または核酸アナログが提供される。核酸 または核酸アナログであり得る少なくとも2種の変異原性プライマーもまた提供 される。第1の変異原性プライマーは、第1の標的結合配列を含み、これは、元 のテンプレートの標的配列に、ポリメラーゼ媒介性核酸合成を可能にする条件下 でハイブリダイズし得、そして1つ以上のヌクレオチドまたはヌクレオチドアナ ログの位置で、その標的配列に非相補的である。第2の変異原性プライマーは、 元のテンプレート配列中には存在しないが、第1の変異原性プライマーからの重 合の変異誘発生成物中には存在する第2の標的配列にハイブリダイズし得る第2 の標的結合配列を含む。第2の変異原性プライマーはまた、第2の標的配列に非 相補的である少なくとも1つのヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログを含む 。それゆえ、テンプレートおよび第1の変異原性プライマーが第1のラウンドの 核酸合成に供されると、第1の変異原性プライマーはテンプレートに結合し、そ してそれからの重合を促進して、第1のセットの変異誘発生成物を産生する。第 2のラウンドの核酸合成において、第2の変異原性プライマー(これは、元のテ ンプレート配列に結合し得ず、そしてテンプレートからの重合を促進し得ない) は、第1の変異原性プライマーにより変異誘発した標的配列に結合し得、そして それからの合成を促進し得る。従って、元の配列の変異誘発は、プログラムされ た、連続的な様式で進行し、そして変異誘発生成物プロフィールはまた、プログ ラムされた連続的な様式でラウンド毎に変化する。 本発明の方法は、2つより多いセットの変異原性プライマーを用いて実施され 得、そして2つより多いラウンドの核酸合成を含み得る。便宜的に、この方法は 、温度サイクル核酸重合法を用いて使用され得、そして種々のセットの変異原性 プライマーが、反応混合物に、それらが有効であると意図されるラウンドの前に 添加され得る。従って、変異誘発のプログラムは、N以上のセットの変異原性プ ライマーを単一の反応混合物中で用いるNのラウンドの変異誘発を用いて設計さ れ得る。あるいは、この方法は、オリゴヌクレオチド媒介性変異誘発の他の技術 (例えば、ファージまたは細菌を用いる技術)を用いて実施され得る。 この方法はまた、テンプレート配列に変異を導入しないが、外部プライマーお よび変異原性プライマーからの重合生成物がインビボまたはインビトロにおいて 連結される場合に、より長い変異誘発した生成物の生成を可能にする、外部プラ イマーを使用して用いられ得る。外部プライマーは、5'プライマーまたは3'プラ イマーまたは外部プライマーのいずれかであり得る。 好ましくは、変異原性プライマーおよび外部プライマーに対する標的配列は、 少なくとも10、15、または20ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログの配列で ある。さらに、変異原性プライマーが少なくとも10ヌクレオチドまたはヌクレオ チドアナログの長さである場合、変異原性プライマーは、好ましくは、それらの 対応する標的配列塩基に非相補的である1〜4のヌクレオチドまたはヌクレオチ ドアナログを含み得る。変異原性プライマーが少なくとも15ヌクレオチドまたは ヌクレオチドアナログの長さである場合、変異原性プライマーは、好ましくは、 それらの対応する標的配列塩基に非相補的である1〜7のヌクレオチドまたはヌ クレオチドアナログを含み得る。 本発明の方法に対する多数の変形が記載される。そのような変形は、反応混合 物中に複数の元のテンプレートを含めること、ストッププライマーの使用、1の ラウンドの合成の生成物が続くラウンドにおけるプライマーとして作用し得る連 続的変異誘発プログラムの設計、標的配列毎の複数のプライマーの使用、制限プ ライマーの使用、および反応混合物中に、重合反応を促進するか、または生じる 生成物を変化させる種々のタンパク質要素を含めることを含む。 別の局面において、本発明は、プログラムされた連続的変異誘発における使用 のための試薬を提供する。これらの試薬は、上記の方法のための変異原性プライ マーの混合物を含み、そしてそれゆえ、(1)第1のセットの1つ以上の変異誘 発した生成物を作製するためのポリメラーゼ媒介性核酸合成を可能にする少なく とも1つのセットの条件下でテンプレート配列内の1つ以上の標的配列に結合す る第1のセットの1つ以上の変異原性プライマー、および(2)それらの条件下 で元のテンプレート配列内のいかなる標的配列にも結合しないが、第2のセット の1つ以上の変異誘発した生成物を作製するためのポリメラーゼ媒介性核酸合成 を可能にする実質的に類似の条件下で、第1のセットの変異原性プライマーの変 異誘発した生成物中の標的配列に結合する、第2のセットの1つ以上の変異原性 プライマー、の混合物を含む。 本発明の方法および生成物は、分子生物学およびバイオテクノロジーの分野、 ならびに計算科学において特に有用である。特に、この方法は、ポリペプチド配 列をコードする核酸のプログラムされた連続的変異誘発を構築し、そしてそれに よりコンビナトリアル的に変異されたポリペプチドのプールまたはライブラリー をコードする変異誘発生成物を産生するために用いられ得る。この方法はまた、 単項カウンタ(unary counter)およびストリング再書き込み法則(string re-w riting rule)を含む核酸に基づく計算機を製造するために用いられ得る。 図面の簡単な説明 図1.この図は、1の「ラウンド」の部位特異的変異誘発のスキームである。 図2.この図は、プログラムされた連続的変異誘発のプロセスのスキームであ る。 図3.この図は、各工程で用いられるプライマーおよび核酸重合および連結を 示すプログラムされた連続的変異誘発の一例のスキームである。 図4.この図は、各工程で用いられるプライマーおよび核酸重合および連結を 示すプログラムされた連続的変異誘発の一例のスキームである。 図5.この図は、プログラムされた連続的変異誘発から生じる生成物プロフィ ールを示す電気泳動ゲルの写真である。 発明の詳細な説明 本発明は、大部分において、新規の変異原性のプライマーセットの部分特異的 変異誘発技術における選択および使用に依存する。この変異誘発プライマーセッ トは、予め決定された一過性配列および予め決定された物理的組合せにおける「 テンプレート」核酸中へ変異の導入を、指向または「プログラム」する。すなわ ち、本発明は、部位特異的変異における変異原性プライマーセットの使用により 、部分的に識別される。この変異原性プライマーセットは、(a)元のテンプレ ート配列は変異誘発の工程すなわち「ラウンド」の予め決定された一過性配列に おいて変異され、各ラウンドは、前のラウンドの特有の生成物セットと異なる 特有の変異誘発した生成物セットを生成し、そして(b)少なくともいくつかの 変異原性プライマーは、元のテンプレート核酸の変異誘発を実質的に指向し得な いが、変異誘発の初期のラウンドの生成物のさらなる変異誘発を指向し得るよう に特に設計されるような、互いにおよび元のテンプレート配列に関連する。従っ て、本発明は、元のテンプレート中の予め変異させた標的配列に結合するが、そ れらの「祖先の」配列に結合しない、少なくともいくつかの変異原性プライマー を使用し、従って、変異誘発のプロセスは、各ラウンドで起こる変異の予め決定 されたまたはプログラムされた配列を有するラウンドにおいて行われ得る。定義 本発明の対象物質をより明確かつ簡潔に記載するために、そして本明細書中に 開示された対象物質の公開を補助するために、以下の定義が、以下の開示および 添付された請求の範囲で使用される特定の用語のために、提供される。 元のテンプレート。本明細書中で使用される用語「元のテンプレート」は、本 発明の変異原性方法に供される元の核酸(または核酸アナログ)のヌクレオチド 配列を意味する。すなわち、元のテンプレートは、本発明の方法に従って、変異 誘発の第1の「ラウンド」の対象である元の核酸(または核酸アナログ)のヌク レオチド配列ある。元のテンプレートは、任意の先行の、「センス」もしくは「 アンチセンス」核酸、天然に存在するもしくは合成的に生成される核酸、野生型 もしくは変異配列(本発明の方法から離れた部位特異的変異誘発を予め受けた配 列を含む)、または核酸アナログ(例えば、ホスホチオエート結合オリゴヌクレ オチドまたはペプチド結合核酸)であり得る。 ラウンド。本明細書中で使用される用語、核酸合成の「ラウンド」または変異 誘発の「ラウンド」は、ヌクレオチドテンプレート依存性酵素学的プロセスをい い、これにより変異の取り込みと共にまたはなしに、テンプレート核酸(または 核酸アナログ)分子に対して実質的に相補的である1本鎖核酸が生成される。こ のような「ラウンド」の間、相補的な核酸がポリメラーゼにより生成され、そし てリガーゼの補助と共にまたはなしで、および変異原性プライマーの取り込みと 共にまたはなしで、テンプレートに対して実質的に相補的な核酸分子が生成され る。合成または変異誘発の「ラウンド」は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プロ セスにおいてサーマル「サイクル」から区別されなければならない:本明細書中 で開示されるように、単一のPCR温度サイクルは、核酸合成または変異誘発の1 回より多くの「ラウンド」を含み得る。 標的配列。本明細書中で使用される標的配列は、核酸合成(重合および連結) のラウンドの後、変異原性プライマーを組み込む変異誘発した核酸生成物が生成 され、それゆえ、標的配列に関して変異を生じるような不完全な相補体と結合す る変異原性プライマーに対するヌクレオチド配列である。各標的配列は、テンプ レート配列の、テンプレート配列または相補体のサブセットである。重要なこと に、標的配列は元のテンプレート配列のサブセットである必要はなく、むしろ元 のテンプレート由来の変異誘発した核酸生成物のサブセットであり得る。代表的 には、標的配列は、少なくとも10、より好ましくは15、そして最も好ましくは20 より多いヌクレオチド(またはオリゴヌクレオチドアナログ)を含む。 変異原性プライマー。本明細書中で使用される用語「変異原性プライマー」は 、標的核酸(または核酸アナログ)配列のヌクレオチド配列に対して実質的にし かし完全ではない相補体である標的結合ヌクレオチド配列を含む核酸(または核 酸アナログ)をいう。本発明の変異原性プライマーのための標的核酸は、元のテ ンプレート配列だけでなく、有意に元のテンプレートへの他の変異原性プライマ ーの組み込みから生じ得る変異原性生成配列に含まれ得る。全般的な事項として 、本発明の変異原性プライマーは、少なくとも10、より好ましくは15、そして最 も好ましくは20より多いオリゴヌクレオチド(またはオリゴヌクレオチドアナロ グ)を含む。相対的に短いプライマー(例えば、10〜15塩基対)のために、プラ イマーと標的との間の非相補的またはミスマッチ塩基の数は、好ましくは1〜4 に限定されるが、7ほど高くても良い。より長いプライマーのために、当業者に 明らかなように、より多くのミスマッチの数が含まれ得る一方、プライマーと標 的との所望のハイブリダイゼーションおよび「変異誘発した」核酸生成物への標 的の結果的な組込みを生じる。なお全般的な事項として、変異原性プライマーは 、隣接、二重鎖核酸のポリメラーゼ媒介性核酸合成、および必要に応じてリガー ゼ媒介性連結を可能にする条件下で、標的配列にハイブリダイズするために十分 な相補性および長さを有する。オリゴヌクレオチド特異的変異誘発のための変異 原 性プライマーの適切な長さの選択、ならびにそれらの化合物合成のための方法は 、当該分野で周知である(例えば、Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Labo ratory Manual,第2版の第15章,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY;PiechockiおよびHines(1994)BioTechniques 16(4):702-70 7を参照のこと)。 外部プライマー。本明細書中で使用される用語「外部プライマー」は、標的部 位の5'または3'である核酸(または核酸アナログ)テンプレートの領域に結合す る、基本的な相補的および選択的であるポリメラーゼ媒介性核酸合成のためのプ ライマーを意味する。従って、外部プライマーは、核酸のポリメラーゼ媒介性テ ンプレート依存的合成をプライムするために使用され得、そして相補的な核酸の 新しい合成鎖の片側末端を形成する古典的なポリメラーゼプライマーである。外 部プライマーは、変異原性プライマーとは区別され、ここではそれらはミスマッ チおよび、代表的にはテンプレートの5'または3'「外部」または「隣接」セグメ ントへの選択的結合を含む必要はない。外部プライマーは、変異原性プライマー の5'または3'のいずれかに結合し得る(ただし、簡便のために、5'外部プライマ ーのみが図および実施例に示される)。 変異原性生成物。本明細書中で使用される「変異原性生成物」は、不完全に相 補的な核酸テンプレートへの変異原性プライマーの結合、および必要に応じて隣 接ポリメラーゼ生成物への連結を伴うそのプライマーからの核酸合成から生じる 核酸または核酸アナログ生成物を意味する。従って、変異誘発した生成物は、変 異誘発生成物を生じた変異原性プライマー配列内に含まれる1つ以上のヌクレオ チドまたはヌクレオチドアナログ位置で、そのテンプレートの相補体と異なる。 用語「変異誘発した生成物」はまた、参照の変異誘発した生成物からテンプレー ト依存性核酸合成により生成される核酸(配列において同一または相補的のいず れか)を特に含む。それゆえ、用語「変異誘発した生成物」は、参照変異原性プ ライマーからポリメラーゼ媒介性合成により生成される元の変異誘発した生成物 、および核酸合成のさらなるラウンドにより配列において同一または相補的のい ずれかから生じる配列の両方をいう。それゆえ、用語「変異誘発した生成物」は 、元の変異誘発した生成物およびその「直接の」子孫を含む。1ラウンドの合成 に おける変異誘発した生成物は、続くラウンドのテンプレートまたはプライマーと して使用され得る。 ポリメラーゼ。本明細書中で使用される用語「ポリメラーゼ」は、DNAもしく はRNAポリメラーゼ、またはテンプレート核酸または核酸アナログ(それらはさ らなるラウンドの核酸合成のためのテンプレートとして使用される)に、テンプ レート依存性核酸合成を指向して、実質的に相補的な核酸を生じ得る、改変され たDNAまたはRNAポリメラーゼを意味する。好ましいポリメラーゼは低い誤り率( すなわち、非相補的ヌクレオチドの低い組み込み率)を有し、鎖置換をせず、5' →3'エキソヌクレアーゼ活性を有さず、そして熱安定性であるポリメラーゼであ る。好ましいポリメラーゼは、DNA依存性DNAポリメラーゼであり、そしてVentの ような熱安定性ポリメラーゼである。 許容可能な条件。本明細書中で使用される「ポリメラーゼ媒介性核酸合成に許 容可能な条件」は、温度条件、浸透圧条件、および所定のプライマー配列のハイ ブリダイゼーション、または標的配列(元のテンプレートまたは変異誘発した生 成物テンプレート内に含まれるものを含む)への変異原性プライマーもしくは外 部プライマーのハイブリダイゼーションを可能にするような条件を意味し、その 結果、テンプレート依存性ポリメラーゼは、テンプレート配列に対して完全にま たは実質的に相補的な核酸配列の5'→3'合成を触媒し得る。当該分野において周 知のように、許容可能な条件は、温度および塩濃度、ならびに対象物に関する基 本的な出版物(例えば、Sambrookら(1989)、およびそれに含まれる参考文献を参 照のこと)のような因子を変化させることにより、実験的に決定され得る。さら に、実質的な科学的出版物は、理論的考慮(または熱力学的な)ならびにハイブ リッド実験的理論的考慮(例えば、PiechockiおよびHines(1994);Werntgesら(19 86);Breslauerら(1986);およびそれに引用される参考文献)の組合せに基づいて 発展される。本明細書で使用されるプライマー配列は、そのプライマーからのポ リメラーゼ反応効率(例えば、プライマーのモル数あたりの生成物のモル数で測 定される)が、同じ反応混合物中に存在する他のプライマーのポリメラーゼ反応 効率よりも10倍、またはより好ましくは100〜1000倍低い場合、ポリメラーゼ依 存性核酸合成を開始、促進、または支持することが実質的に不可能である。同 様に、本明細書中で使用されるプライマーは、そのプライマーのハイブリダイゼ ーション効率(例えば、結合定数によって測定される)が同じ反応混合物中に存 在する他のプライマーのハイブリダイゼーション効率よりも10倍、またはより好 ましくは100〜1000倍低い場合、標的配列へハイブリダイゼーションすることが 実質的に不可能である。I.プログラムされた部位特異的変異誘発 A.総括 本発明は、プログラムされた連続的変異誘発の方法を提供するための特別に設 計および選択された変異原性プライマーとの組合せにおいて、部位特異的変異誘 発の標準的な方法の改変を使用する。本方法は、オリゴヌクレオチド媒介性部位 特異的変異誘発の当該分野に公知の任意の方法と共に使用され得るが、好ましく は核酸の温度サイクル合成との組合せにおいてオリゴヌクレオチド媒介性変異誘 発と共に使用される。それゆえ、以下の明細書において、本発明は温度サイクル 技術に基づく核酸重合の複数サイクルを使用する実施態様に関して記載されてい る。しかし、当業者により理解されるように、核酸増幅およびオリゴヌクレオチ ド媒介性変異誘発の古い技術が使用され得る(例えば、バクテリオファージφX1 74、HutchisonおよびEdgell(1971)を参照のこと;バクテリオファージM13、Sambr ookら(1989)を参照のこと)。 図1は、部位特異的変異誘発のプロセスの図を表示する。図1(a)において 、変異原性および外部プライマーは、1本鎖テンプレート分子にアニールし、そ して図1(b)においてプライマーはポリメラーゼ反応により伸長され、次いで 外部プライマーの生成物は変異原性プライマーの5'末端に連結される。図1(b )の「X」は、連結事象を示す。この事象の配列は、変異誘発の「ラウンド」に 対応する。 本発明において、変異誘発のいくつかのラウンドが、変異原性プライマーが選 択され、その結果、変異誘発がプログラムされかつ連続的であるように行われる 。図2は、この概念を示す。この図において、記号「S1」〜「S6」の各々は、変 異原性プライマーのための標的として使用され得る元のテンプレート配列のオリ ゴヌクレオチド配列を示す。記号「M1」および「M2」は、変異誘発した配列を示 す。 図2(a)では、配列S1〜S6を含む元のテンプレート配列を示す。変異誘発の第 1のラウンドでは、配列S2は標的配列であり、そして配列M1に変異誘発される。 変異誘発の第2のラウンドでは、隣接配列S3は標的配列であり、そして配列M2に 変異誘発される。本発明に従って、2(a)におけるS2→M1変換が次のラウンド で示されるS3→M2変換を先行しなければならない、第2の変異原性プライマーが 選択されることに留意すること。すなわち、プライマーは、実質的に元の(変異 していない)テンプレートへの結合が不可能であるが、第1のラウンドの変異誘 発生成物の変異誘発を指向させ得るべきである。従って、第1の変異は、変異原 性プライマーの結合のために実質的に優先的な条件であり、そして変異はプログ ラムされた配列に続く。図2(b)において、このスキームの変形が示され、こ こで、配列S2が第1のラウンドでM1へ再度変異誘発される。第2のラウンドにお いて、隣接していない配列S4が標的配列であり、そして配列M2へ変異誘発される 。再度、第2の変異原性プライマーの適切な選択により、S2→M1変異は、実質的 にS4→M2変異に先行する条件であり、それゆえ変異がプログラムされ、そして連 続的である。当業者に明らかなように、第2のラウンドの変異誘発した生成物は 、さらなる変異原性プライマー、および異なるパターンにおけるさらなる変異M1 を導入するプログラムされた連続的変異誘発のさらなるラウンドのためのテンプ レートとして使用され得る。さらに、1より多い変異原性プライマーが、任意の 所定のラウンドにおいてテンプレートへ結合し得ることにおいて、変化が可能で あり、変異誘発した生成物の混合物の形成を生じる。これらの混合物は、プログ ラムされた連続的変異誘発のさらなるラウンドに供され得、これはさらなる複合 混合物の形成を含む。さらに、1より多い変異原性プライマーが所定のテンプレ ートに結合し得、これは所定のテンプレートにおける複数の遺伝子座で変異誘発 を起こし得る。あるいは、またはさらに、1より多い変異原性プライマーが、テ ンプレート内の所定の標的配列に結合し得、結合部位のプライマー間での競合の ために生成プロフィールにおいて確率性(stochasticity)を誘導する。 上記のように、本発明は任意の形態のオリゴヌクレオチド媒介性部位特異的変 異誘発と共に使用され得るが、これは温度サイクル重合反応を使用するインビト ロ技術との組合せにおいて特に有用である。連続的変異誘発が、変異原性プライ マーにより「プログラム」されるので、手順の開始時点での単一な反応容器内で 全ての必要なプライマーおよびテンプレートを配置することが可能である。なぜ なら、「後続のラウンド」のプライマーは、それらの標的配列が生成されるまで 不活性であるが、必要となるまで反応混合物中で生存するからである。(所望で あれば、自然に、さらなるプライマーが種々の時点で添加され得る。)さらに、 後続のラウンドの変異原性プライマーが、先行のラウンドの変異の良好な導入に 依存し得るので、連続的変異誘発の工程の間で変異原性プライマーを分離する必 要のないプライマーが設計され得る。(所望であれば、自然に、種々の時点でこ のような分離が行われ得る。)従って、プログラムされた連続的変異誘発の本方 法は、変異誘発ラウンド間での分離の必要なしに、単一の反応容器中での核酸の 連続的変異誘発を提供する。 B.簡単な変異的なスキーム:単項カウンタ 図3は、本発明によるプログラムされた連続的変異誘発の簡単な例を示す。記 の必要性はないが、下記のいくつかの実施態様において、それらは同一であり得 る。配列は配列AとBとの間のミスマッチの総数が、Aと任意のSとの間または Bと任意のSとの間でのミスマッチの数より多い(例えば、2倍)ように、設計 または選択され得る。元のテンプレートのASSSSSストレッチに隣接する配列は、 任意のA、B、またはSの配列に対して実質的に相補的でないことが予測され得 る。 図3(a)において、変異誘発の第1のラウンドが示される。変異原性プライ ニーリング条件が選択される。この対形成は、最小のミスマッチに留まらせるの で、好ましい。「アンチセンス」外部プライマーもまた結合する。次いで合成は 、外部プライマーの3'末端から変異原性プライマーの5'末端、および変異原性プ ライマーの3'末端からテンプレートの端へ進む。次いでリガーゼが、「X」で示 さ 図3(b)に示される変異誘発の次のラウンドにおいて、変異原性B-Aプライ される。最小のミスマッチを生じるので、この対形成が好ましい。このプライマ ーが、変異誘発の第1のラウンドにおいて結合するパートナーを見出さないこと に留意すること。「センス」外部プライマーもまた結合する。次いで核酸合成は 、外部プライマーの3'末端から変異原性プライマーの5'末端、および変異原性プ ライマーの3'末端からテンプレートの末端へ進む。次いでリガーゼが、「X」で 示されるようにこれらの2つの部分配列に結合し、これは、今度は配列ASSSSSよ りもABASSSを含む第2のラウンドの変異誘発生成物を形成する。 図3(c)に示されるように第3のラウンドにおいて、2つの位置のいずれか 好ましい部位は、変異誘発の第1のラウンドにより生成された直接的に相補的な A-B配列である。しかし、アニーリング条件が第1のラウンドで使用される条件 ライマーは、完全に相補的なA-B配列だけでなく、実質的にA-S相補的な配列(第 1のラウンドにおけるような)にも結合し得る。これは図3(c)に示される。 合成および連結の後、この変異誘発のラウンドは元のASSSSSよりもABABSSの配列 を有する核酸を生成する。 先行の実施例は、2つの観点から興味深い:(a)これは特定の部位が変異誘 発の初期のラウンドで変異されないが、他の部位で変異の誘導の後でのみ予め決 定された一過性配列において変異されることを示すことにより、プログラムされ た連続的変異誘発の原理を示し、そして(b)これは1つのさらなる部位が、変 異誘発の各ラウンドで変異される「単項カウンタ」の発生を示し、従って、変異 の数が変異誘発のラウンド数の指標、または反対に、「カウント」の手段として 使用され得る変異誘発の指標として使用され得る。 本来、同じまたは反対の鎖で操作するために、第1および第2の変異誘発プラ イマーが選択され、そして生成物を変異誘発しない核酸合成の介在性ラウンドは 、全てのまたはいくつかの生成物を増幅するために使用され得る。 C.より複雑な変異スキーム 先述の記載から当業者には明らかであるように、図3のプロセスに対して無限 の数の改変が可能である。これは、無限の数の所定のプログラムされた変異改変 物を生成し得る。図4は、さらなるレベルの複雑度を示す。記号「A」、「B」 、「C」、「D」、および「S」は、10〜50ヌクレオチドの配列を表し、そして 記 配列は、相互に同一である必要がないが、下記のいくつかの実施態様においては 、これらは同一であってもよい。配列は、A、B、C、およびDの対方向の(pa ir-wise)組合せの任意の配列間のミスマッチの総数が、Aと任意のSとの間、 Bと任意のSとの間、Cと任意のSとの間、またはDと任意のSとの間のミスマ ッチの数よりも大きい(例えば、2倍)ように設計または選択され得る。元のテ ンプレート上のASSSSSストレッチに隣接する配列は、任意のA、B、C、D、ま たはSの配列に対して実質的に非相補的であると推定され得る。 図4(a)において、第1のラウンドの変異誘発を示す。アニーリング条件は、変 列でも結合しないように選択される。この対合は、有利である。なぜなら、それ はほとんどミスマッチを伴わないからである。「アンチセンス」外部プライマー もまた結合する。次いで、核酸合成は、外部プライマーの3'末端から変異原性プ ライマーの5'末端まで、および変異原性プライマーの3'末端からテンプレートの 末端まで進行する。次いで、リガーゼは、「X」により示されるように、これら の2つの部分的配列を連結し、第1のラウンドの変異誘発した生成物を形成する 。 を含む。 図4(b)に示す次のラウンドの変異誘発において、アニーリング条件は、変異原 得ないように選択される。この対合は、有利である。なぜなら、それはほとんど ミスマッチを伴わないからである。このプライマーは、第1のラウンドの変異誘 発において結合するパートナーを見出し得ないことに留意すること。「センス」 外部プライマーもまた結合する。次いで、核酸合成は、外部プライマーの3'末端 から変異原性プライマーの5'末端まで、および変異原性プライマーの3'末端から テンプレートの末端まで進行する。次いで、リガーゼは、「X」により示される ように、これらの2つの部分的配列を連結し、第2のラウンドの変異誘発した生 成物を形成する。第2のラウンドの変異誘発した生成物は、ABCSSSではなく配列 ASSSSSを含む。 第3のラウンドにおいては、図4(c)に示されるように、プライマーC-S-Dは、 第2のラウンドの変異誘発した生成物に1つの位置においてのみ結合し得る。こ のプライマーは、元のテンプレートまたは第1のラウンドの変異誘発した生成物 には結合し得ないことに留意すること。合成および連結の後、このラウンドの変 異誘発は、元のASSSSSではなく配列ABCSDSを有する核酸を生成する。 D.より高レベルの複雑度 多くのさらなる層の複雑度が、本明細書中に記載されたようにプログラムされ た連続的変異誘発の基本的概念に付加され得る。手短に言えば、これらは少なく とも以下をふくむ。 (1)複数の元のテンプレート。本発明の方法は、複数の元のテンプレートを含 む開始混合物で実施され得る。次いで、これらの元のテンプレートは、同じ反応 容器中で、プライマーの混合物のセットを用いて同時に変異誘発され得る。プラ イマーの混合物のセットは、1つのテンプレート(もしくはその変異誘発した生 成物の1つ)に対してのみ特異的であるか、または両方のテンプレート(もしく は両方のテンプレートの変異誘発した生成物)を変異誘発するために供され得る プライマーを含み得る。元のテンプレートの混合物を含むこのような反応物は、 例えば、いくつかのタンパク質をコードする核酸配列を、連続的変異誘発の同じ プログラムを通して実施することが所望される場合は特に有用である。 (2)「ストップ」プライマー。反応混合物中に導入され得る特殊化プライマー はまた、直接5'生成物に連結されないか、または標的配列には結合するが3'方向 における重合をプライムしないかのいずれかにより、生成物の伸長を停止させる ために役立つ。このようなプライマーは、それらの5'末端を変更してリガーゼに よるそれらの連結を防ぐか、またはそれらの3'末端を変更してポリメラーゼによ るそれらの伸長を防ぐことにより、容易に構築される。このようなストッププラ イマーは、変異誘発した生成物の長さを制御することにおて有用性を有する。 (3)プライマーとしての生成物。当業者には明白なように、1つのラウンドの 変異誘発においてプライマーとして作用する配列が、後続のラウンドにおいてテ ンプレートとして作用する。しかし、逆もまた真であり得る:1つのラウンドの 変異誘発生成物は、1つ以上の後続のラウンドにおけるプライマーとして作用し 得る。従って、例えば、変異原性プライマーは、比較的短い(例えば、10〜100 ヌクレオチド)変異誘発生成物を(例えば、標準的な変異原性プライマーおよび 下流のストッププライマーを用いて)生成するように設計され得、次いでこの変 異誘発生成物は、後続のラウンドにおけるプライマーとして作用し得る。コンピ ューター科学の用語においては、これは、次いでプログラム上で作動する、新た なルール(プライマー)を生じるプログラム(テンプレート)に等価である。 (4)1標的あたり複数のプライマー。別のレベルの複雑度、ならびに非決定論 または確率性(stochasticity)の要素として、反応条件下で単一の標的配列に 各々結合し得る複数の変異原性プライマーが用いられ得る。これにより、あるプ ライマーまたは他のプライマーの取込みに対応する2つ以上の異なる変異原性生 成物の生成となる。実際、2つより多くのプライマーが単一の標的を指向され得 、そしてこのアプローチが同じテンプレート内の異なる標的に同時か、または異 なるラウンドにおける異なる標的に連続的に適用され得る。以下で議論されるよ うに、このアプローチは、多くの別々に変異した種を有する複雑な生成物混合物 を作製する際に特に有用である。 (5)制限プライマー。本発明の別の改変物において、化学量論的に制限された 量の所定のプライマー(変異原性プライマーまたは外部プライマー)は、プライ マーが消費される(すなわち、反応生成物中に取り込まれる)場合、1つ以上の 反応生成物は、連続的変異誘発プログラムの完了の前に生成が止まるように、反 応混合物中に導入され得る。このような制限量の使用は、生成物混合物の潜在的 な複雑度を(「制限されない」量で達成される複雑度と比較して)低減するため か、またはさらに後続のラウンドで入る標的配列が、さらに前のラウンドの間に 実質的に同様の標的を変異することを意図した過剰なプライマーにより変異され ることを防ぐために使用され得る。 従って、例えば、mモルの所定の標的配列が何ラウンド目かで所定のテンプレ ート内に存在する場合、標的配列に結合する制限されたモル数のプライマーが、 そのプライマーから生成され得るモル数の生成物を制限し得る。例えば、単一の 二本鎖テンプレート分子が十分な試薬(両方の鎖の適切なプライマー、ヌクレオ チド、ポリメラーゼ、および必要に応じてリガーゼを含む)とともにさらなるN ラウンドの合成のために存在する場合、そのテンプレート内に含まれる標的配列 は、Nラウンドの後(標的配列の何らかの変異誘発は無視して)には、およそ2N mモルまで増加し得る。しかし、その標的に結合するプライマーが、Nラウン ドの合成の前に2Nmモル未満で存在する場合、これは「制限」であり、そして その生成物は、Nラウンドの後には2Nmモル未満で存在する。より一般的には 、「制限プライマー」は、連続的変異誘発のプログラムが終了する前に実質的に 全てのコピーのプライマーが反応生成物中に取り込まれるような量または化学量 論的比で反応混合物中に最初に存在するプライマーである。従って、連続的変異 誘発のプログラムにおいて任意の所定の時点で、「制限」であるプライマーの量 は、その後、プログラムの間に利用可能である標的配列のモル数(すなわち、こ れは化学量論的であり、絶対的ではない)、ならびにプログラムの後続のラウン ドの数および性質の関数である(すなわち、これはプログラム依存性である)。 本改変物の1つの実施態様において、テンプレートの1つ(「外部」)の末端 の制限量のプライマーは、得られる生成物の「末端」が減少または内側へ「ウォ ーク」するように用いられ得、そして変異に利用可能な元のテンプレートの部分 が減少または内側へ「ウォーク」する。すなわち、(化学量論的に)十分量の第 1の外部プライマー(同様に変異誘発性であってもそうでなくともよい)は、N ラウンドのみの合成をプライムするために存在し得るが、第1のプライマーに対 して「内部」である第2の外部プライマーは、これがNラウンド目の後に合成を プライムし続けるように、より高いモル比で存在し得る。あるいは、なお第1の プライマーに対して「内部」の第2の外部プライマーは、いくつかのラウンドが 終了し、そしてその標的配列が作製された後に、これがNラウンド目の後に合成 をプライムし続けるかまたはプライムし始めるように、有効になり得る。このよ うな場合、より最初の生成物は、元のテンプレート配列と比較した場合のそれら の出発点で、より後の生成物(より後の生成物は、異なるより「内部」の位置か ら始まる)とは異なる。 別の改変物において、制限プライマーを使い切った後、それが生成した生成物 は、後続のラウンドの生成物で希釈することにより、生成物プロフィールから効 率的に除去され得る。核酸重合反応の性質は本質的に指数関数的であるので、こ の希釈は、極めて迅速に生じ得る。結果として、多くのラウンドの間で、新たな 生成物の作製だけでなく、制限プライマーの変異誘発した生成物の極端な希釈に よって、反応生成物プロフィールが変更し得る。 最後に、制限プライマーの生成物は希釈により効率的に除去され得るので、い くつかのプライマーは、それらの標的配列が化学量論的に豊富である場合は何ラ ウンドかの生成物のハイブリダイズおよびプライミングにおいて有効であり得、 希釈に起因して、何ラウンドかはそれらの標的配列が化学量論的に比較的稀にな る場合に比較的無効になり、次いで後続のラウンドの連続的変異誘発プログラム が再度、比較的豊富な量のそれらの標的配列を作製する場合に再び有効になる。 (6)タンパク質要素。種々のタンパク質はまた、変異誘発生成物プロフィール に影響を及ぼすために、本発明の反応混合物に添加され得る。例えば、一本鎖お よび二本鎖のDNA結合タンパク質またはRNA結合タンパク質(例えば、recA、Ga14 、LexA)を用いて、特定の標的に対するプライマーの結合に影響を及ぼし得るか 、ポリメラーゼにより伸長されるプライマーの能力に影響を及ぼし得るか、また はより長い生成物に連結されるプライマーおよび/もしくは新たに合成された核 酸の能力に影響を及ぼし得る。明らかに、配列特異的結合を有するこのようなタ ンパク質は、最大の有用性を有し得る。さらに、制限エンドヌクレアーゼは、本 発明における有用なタンパク質であるように特に意図される。このような酵素は 、例えば、反応混合物中に存在し得るが、適切な制限部位を有する変異原性生成 物を生成する1つのラウンドの変異誘発により提供されるまで、最初は配列特異 的基質を欠く。 E.生成物の混合物 本発明の反応混合物が、全ての時点で種々の理由で種々の核酸(または核酸ア ナログ)を含むことが留意されるべきである。従って、特定のラウンドの変異原 性生成物に対する本明細書中の参照は、主要な新規の生成物または種々の他のテ ンプレート、プライマー、および生成物の存在とは無関係なラウンドの生成物を いう。反応混合物の複雑さのいくつかの原因が、以下に簡単に議論される: (a)分子「エラー」。当該分野に周知のように、核酸ハイブリダイゼーショ ン、ポリメラーゼ媒介性テンプレート依存性核酸重合、および核酸連結のプロセ スは全て、これらの化学的プロセスの非決定論的な性質により生じる「エラー」 を受ける。従って、本発明においてプログラムされたオリゴヌクレオチド媒介性 変異誘発の他に、さらなるランダム変異(プライマーおよびテンプレートの不正 確な対形成、新たに合成された核酸鎖へのヌクレオチドの不正確な取り込み、核 酸の不正確な連結、鎖置換、部分的な生成物の形成、プライマーの二量体化、お よび他の公知の現象によって生じる)は、本発明のプログラムされた連続的変異 誘発によって生じることが予想される反応混合物とは異なり、反応混合物中にさ らなる生成物を生じる。これらのさらなる生成物は、「ノイズ」分子のバックグ ラウンドを生じる。これは、説明の目的のために、この時点まで無視されている 。一般的な事柄として、これらの無関係の分子はまた、実際に無視され得る。し かし、この「ノイズ」のレベルが、所望の変異原性生成物の産生を実質的に妨害 することを開始する場合、標準的な分離の方法が、反応混合物中のこのような分 子の数を減少させることにより妨害を減少させるために使用され得る(例えば、 サイズ分離クロマトグラフィーまたは電気泳動に続く所望のラウンドでの反応混 合物の再構築)。 (b)以前のラウンドの生成物/テンプレートの蓄積。オリゴヌクレオチド媒 介性部位特異的変異誘発を特徴づける分子反応は、各ラウンドで使用されるテン プレートを破壊しない。さらに、各ラウンドの変異原性生成物は、次にテンプレ ートとして供され得る。従って、一本鎖の元のテンプレートの単一のコピーで開 始する場合、Nラウンド後には、最初の変異原性生成物のN個のコピーが存在す る。他方では、元のテンプレートの単一のコピーで開始すると、Nラウンド後に は、N番目のラウンドの変異原性生成物の1つのコピーのみおよび中間のラウン ドの生成物の中間の数のコピーが存在する。もちろん、他の限定要因(例えば、 変異原性プライマーの遊離コピーの有用性)もまた、生成物のプロフィールに影 響を与える。それにもかかわらず、反応混合物における生成物プロフィールが、 比較的小さい数のラウンドの後に非常に複雑になり得ることが考えられるはずで ある。しかし、プログラムが、Nラウンド後に終点を有し、その時点でさらなる 変異原性工程または新規の変異原性工程が、変異原性プライマーによってプログ ラムされていない(例えば、図4のプログラム(ABCSDSで終わる)を参照のこと )場合、Nより多い回数の反応混合物の循環によって、なおさらなる生成物が生 じ、最後の状態に到達する。それゆえ、終結点を有するプログラムについて、必 要なラウンドより多い数の循環は、反応混合物中の後のラウンドの生成物の量を 増大させる。 (c)標的あたりの複数のプライマー。上記のように、1つより多い変異原性 プライマーが、任意の特定の標的配列に導入され得る。それゆえ、単一のテンプ レートが、1つより多い変異原性生成物を生じ得る。例えば、2つの変異原性プ ライマーが、本質的に同じ濃度および標的配列との解離定数(ならびにポリメラ ーゼによる3'伸長およびリガーゼによる5'連結の本質的に同一の効率)を有する と仮定すると、このテンプレート由来の変異原性生成物の約半分が、2つの変異 原性プライマーの各々を含むはずである。従って、反応混合物中の種類の数は増 加する。続くラウンドにおいて、これらの2つの生成物の子孫は異なり続け得る か、それら自身を2つに分け得るか、または収束(converge)させ得る。実際は 、以下に記載のように、標的配列への結合を競合する変異原性プライマーの使用 は、生成物プロフィールにおいて非決定的要因を導入する。これは、特定の計算 的な応用における使用を有し、そしてエピトープまたはコンビナトリアルタンパ ク質/ペプチドライブラリーを作製するための特定の応用のために、非常に多様 な生成物を迅速に作製するために使用され得る。 (d)エラー耐性。多くの慣用的なエラー修正コードの概念が、プログラムさ れた変異誘発における記号コードに適用され得る。全ての記号配列が、少なくと も3つの塩基変更による差異を使用する場合、任意の1つの塩基エラーが、その 適切な塩基配列に最も近い配列に生じる。変異原性プライマーは、それらの予想 される標的とは1つの塩基が異なる配列にアニールするよう設計され得、エラー 修正の方法を実現し得る。従って、エラー耐性であり、そして単一の塩基エラー を修正し得るかまたは複数の塩基エラーさえ修正し得る配列およびプライマーを 設計することが可能である。互換作製によって、より確実な変異のプロセスのた めの記号の長さが増大する。 (e)変異誘発した生成物の伸長および短縮。変異誘発した生成物の長さは、 DNA「ループアウト」を生じる変異原性プライマーの使用によってそのテンプレ ートの長さとは異なり得る。このようなプライマーは、それらの末端でテンプレ ートに適合し、そして、十分な相同性がその末端に存在する場合、変異誘発した 生成物に挿入されるテンプレートに存在するものより多くの塩基を可能にし得る 。余分な塩基は、変異原性プライマーの末端の間にコードされる。同様に、プラ イマーは、テンプレートDNAにループアウトを引き起こし得、テンプレートより も短い変異誘発した生成物を生じ得る。これらの変異事象の型が、変異誘発した 生成物の長さがサイクル基準によるサイクルで変化することを可能にする異なる サイクルについて任意の方法と組合わされ得ることは、当業者には明らかである 。 F.応用 本明細書中に開示されるプログラムされた連続的変異誘発の方法は、当業者に 容易に明らかな多数の応用を有する。これらの応用は、以下を含むが、これらに 限定されない: (1)コンビナトリアル変異誘発。種々の技術が、タンパク質またはペプチド 配列の改変体を作製するために分子生物学において現在使用される。これらの改 変は、抗体形成のためにエピトープを生成すること、所望の性質を有する改変体 を同定するためにタンパク質を変異させること、または有用な活性についてスク リーニングされ得るペプチドライブラリーを作製することにおいて有用であり得 る。本発明は、プログラムされた連続的変異誘発を用いてこのような改変体を生 成する迅速および効率的な手段を提供する。本発明のプライマーは、例えば、そ れらが生じるどの場所でも特定のコード配列に結合し、そして変異誘発するよう に選択され得る。さらに、上記で議論したように、標的当たり複数のプライマー が、テンプレートの集合を迅速に拡大するために使用され得、これらは、続くラ ウンドにおける変異誘発に供される。さらに、本発明のプライマーは、プログラ ムされた方法で変異誘発した部位を作製し得るので、完全にランダムではない非 決定的な変異原性プロセスを作製することが可能であり、従って、特定のクラス の生成物の産生を奨励するか、または防止する。 (2)計算的な変異誘発。最近の研究は、核酸分子について計算を行うことが 可能であり得ると示唆している。核酸についての計算の基礎となる概念は正確で 簡潔である。問題は、ポリヌクレオチド分子の塩基配列におけるコード化であり 、そして分子は、この問題の答えをコードする最終的な分子を産生するように操 作される。次いで、この答えは、これらの分子を配列決定することによって読み とられる。このアプローチは、潜在的に革命的な方法を産出し、情報を保存しそ して処理する。なぜなら、この方法論は、1つの分子として問題の答えを提示し 得、そして、答えの何十億の分子について1つの工程の計算的な操作において実 施され得る。Adelman(1994,1995)による研究は、核酸及びそれらの反応物が平 行して、数学的な問題について非常に多数の可能性のあるコンビナトリアルな答 えを生成するために使用され得、これがハミルトン経路問題として表され得るこ とを示した。本発明は、分子遺伝的反応の計算科学への別の潜在的な応用を実証 する:変異原性プライマーは、「文字列書き換え(string re-writing)」また は「コピーでの書き換え(re-write on copy)」(コンピューター科学の開発に 必須のプログラミングの周知の要素)を実行するために使用され得る。従って、 本発明のテンプレートは、本発明の変異原性プライマーによって書き換えられる 「文字列」とみなされ得る。あるいは、プライマーは、テンプレートが「プログ ラム」として作用する計算機の「公式(rule)」としてみなされ得る。従って、 核酸に基づく計算機における本発明の方法の使用は、別の特定の意図された有用 性である。 G.プライマーおよびテンプレートの選択 オリゴヌクレオチド媒介性部位特異的変異誘発のためのプライマーの一般的な 設計および選択は、当該分野に周知であり、そして本明細書中に詳述される必要 はない。一般的な議論については、例えば、Sambrookら(1989)Molecular Clon ing: A Laboratory Manual,第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press,C old Spring Harbor,NY,の第15章、またはPiechockiおよびHines(1994)BioTsc hniques 16(4):702-707を参照のこと。しかし、本発明の文脈において、いくつ かの点は意味がない。(1)本発明の変異原性プライマーにおけるミスマッチの 置換は、特定の反応を防止または促進するように制御され得る。従って、例えば 、プライマーの5'末端での標的とプライマーとの間のミスマッチは、プライマー の隣接する5'配列へのリガーゼによる連結を実質的に阻害する。一方、3'末端で のミスマッチはポリメラーゼによるプライマーの3'伸長を実質的に阻害する。プ ライマーが、2つの異なる標的にほぼ同一的な親和性を有する場合、それゆえ、 ミスマッチの選択は、特定の方向に生成物プロフィールを動かすために使用され 得る。(2)プログラムされた連続的変異誘発を用いて、タンパク質またはペプ チドのコンビナトリアル変異改変体を産生することが所望される場合、テンプレ ートは、各アミノ酸に利用可能なコドンのサブセットのみを使用するように設計 され得る。このことは、変異原性プライマーの設計を単純化し得、そして特定の プライマーが通常のアミノ酸配列をコードするいくつかの配列で結合することを 可能にする。逆に、特定の配列中のコドンは、プライマー結合および変異誘発を 防ぐように意図的に選択され得る。従って、プライマーだけでなくテンプレート も、変異原性配列をプログラムするように設計され得る。(3)計算的な応用の ためにはテンプレートの設計が重要であり得、そしてプライマーの設計と同様に 複雑であり得る。従って、図3の単純なテンプレートは、極端なものとみなされ 得る。他の計算的なテンプレートが、変異体の特定の配列をプログラムする反復 パターンおよびネスティッドパターンを含み得、そして/または特定の変異原性 パターンの反復を引き起こし得る。最後に、(4)内部相補性を有するプライマ ーまたは分子内二次構造を形成し得るプライマーは、好ましくはラウンド避され る。 本発明のプライマーが核酸アナログ(例えば、修飾された塩基またはホスホジ エステル結合を有する)であり得るという事実に加えて、プライマーはまた、多 様な方法で標識され得る。放射性標識は例えば、変異誘発した生成物を同定する ことにおいて有用であり得る(図5を参照のこと)。同様に、ビオチンまたは他 のリガンドのような生化学的標識は、複雑な生成物プロフィールからの特定の変 異誘発した生成物の分離または精製に有用であり得る。本発明の教示に一致して 、標的配列にハイブリダイズするプライマーの能力およびポリメラーゼ依存性核 酸合成を支持するプライマーの能力を実質的に妨害しない本質的にすべてのその ような標識が使用され得る。 H.プログラムされた連続的変異誘発試薬 別の局面において、本発明は、プログラムされた連続的変異誘発における使用 のための試薬を提供する。これらの試薬は、上記の方法のための変異原性プライ マーの混合物を含み、従って、(1)1つ以上の変異原性プライマーの第1のセ ット(これは、ポリメラーゼ媒介性の核酸合成が可能な少なくとも1セットの条 件下でテンプレート配列中の1つ以上の標的配列に結合して、1つ以上の変異誘 発させた生成物の第1のセットを作製する)、および(2)1つ以上の変異原性 プライマーの第2のセット(これは、そのような条件下では元のテンプレート配 列内の任意の標的配列に結合しないが、変異原性プライマーの第1のセットの変 異誘発生成物における標的配列に、ポリメラーゼ媒介性の核酸合成が可能な実質 的に類似の条件下で結合して、1つ以上の変異誘発生成物の第2のセットを作製 する)の混合物を含む。 このような生成物およびそれらの有用性の一例として、形態X1A1X2A2X3(ここ で、Xiはそれぞれ0から20の間のアミノ酸の任意の配列であり、そしてAiはそれ ぞれ1以上の独立して選択されるアミノ酸である)のアミノ酸配列をコードする 核酸のプログラムされた連続的変異誘発のための変異誘発試薬が考えられる。こ のようなポリペプチドは、形態Y1C1Y2C2Y3(ここで、Yiはそれぞれ0から20コド ンの間の任意の配列であり、そしてCiはそれぞれ1以上の独立して選択されるコ ドンである)の核酸によってコードされる。先の考察の観点から、Y1MiY2C2Y3ま たはY1C1Y2MiY3に対するこれらの核酸テンプレートを変化させる変異誘発プライ マーの第1のセットが選択され得る。ここで、Miはコードされるアミノ酸配列を 変化させる任意のコドン配列である。詳細には、第1のセットの変異原性プライ マーがコドン配列を変化させる多数の変異原性プライマーを含み得、その結果、 変異誘発生成物は多数の関連のポリペプチド配列(例えば、変異誘発した生成物 のセット、ここでMiは他の可能性のあるアミノ酸のそれぞれであり得る)をコー ドする。次いで、元の配列Y1C1Y2C2Y3に結合せず、そして変異誘発しないが、第 2のプログラムされたラウンドにおいて配列Y1MiY2C2Y3またはY1C1Y2MiY3をさら に変異誘発してそれぞれY1MiY2MjY3またはY1MjY2MiY3(ここで、Mjはコードされ るアミノ酸配列をさらに変化させる任意のコドン配列である)を生じる、変異原 性プライマーの第2の セットが選択され得る。本来、変異原性プライマーの第1および第2のセットが 、同じまたは反対の鎖を操作するために選択され得、そして生成物を変異誘発し ない核酸合成の介在するラウンドが、全てまたはいくつかの生成物を増幅するた めに使用され得る。 このようにプログラムされた連続的変異誘発プライマーはペプチドコード配列 に作用する必要はなく、そして先の記載における用語「コドン」は一般に、「標 的配列」によって置き換えられ得る。それにも関わらずこのような試薬は、本発 明の方法において有用な単一の試薬混合物を提供することによってポリペプチド 中に組合せ変化を作製することにおいて特に有用性を有することが予想される。 ポリペプチドにおけるこのような組合せ変化が、生物学的レセプターのアゴニス トまたはアンタゴニストとして、および一般的にポリペプチドに基づく医薬品と しての活性についてポリペプチドを進化させることおよびスクリーニングするこ とにおいて特に有用であることが予想される。 以上から明らかであるように、プログラムされた連続的変異誘発試薬は、プロ グラムされた連続的変異誘発の2以上の別のラウンドにおける2以上の異なる標 的配列の操作のために、変異原性プライマーの2以上の異なるセットを含み得る 。これらの変異原性プライマーはまた、変異原性プライマーについて先に記載さ れたのと同じ好ましい長さの範囲(例えば、少なくとも10、15、もしくは20ヌク レオチド、またはヌクレオチドアナログ)、および同じ好ましい数の非相補性塩 基である。好ましくは、試薬は、3〜10の異なる変異誘発のラウンドにおける3 〜10の異なる標的配列の操作のために、変異原性プライマーの3〜10の異なるセ ットを含む。最も好ましい実施態様において、単一の標的についての変異原性プ ライマーのセットが、2以上(好ましくは3〜10または10〜19)の異なるコドン のそれぞれに対して少なくとも1つのコドンを変化させる変異を導入する。プロ グラムされた連続的変異誘発試薬は、任意の便利な形態でパッケージされ、必要 に応じて外部プライマー、酵素、およびインビトロの反応混合物に必要とされる 他の要素を含む。実施例 連続的変異誘発のプログラムを、図3に示すプログラムと同様に開発した。最 初に、二本鎖の132塩基対のオリゴヌクレオチド配列を、各末端に30ヌクレオチ ドの隣接配列を有して、72ヌクレオチドの元のテンプレートSOLIGOを含んで合成 した。SOLIGO配列は、12ヌクレオチドの配列SA、続いて別の12ヌクレオチドの配 列SCの5回の反復を含んだ: SOLIGOを含む115塩基対のサブ配列を、操作したプライマーを使用してPCR増幅 し、これによって5'および3'の末端に増幅生成物に新たなEcoRIおよびbamHI部位 をそれぞれ付加した。増幅生成物をEcoRIおよびBamHI酵素で消化した。べクター pBluescript-II KSもまた両方の酵素で消化し、脱リン酸化し、次いでインサー トをべクター中に連結し、そしてコンピテント細胞に形質転換した。インサート 配列を含むクローンを配列決定によって同定した。このクローンを使用して、二 本鎖プラスミドDNAのストックを調製し、次いでDNAをBamHIで制限消化した。 次いで変異誘発プライマーを以下の連続的な変異を行うために選択した: ここで、 はAからTへの変更(SCの5'末端から2位のヌクレオチド)およびTからAへの変更 (SCの5'末端から8位のヌクレオチド)によってSBに変異誘発される。次のラウ 全てのプライマーを、exo+ポリメラーゼによる分解を阻止するために、それら の3'末端に4つのホスホロチオエート結合を有するように調製した。外部プラ イマー1を、SOLIGOの「センス」鎖の5'隣接領域に対応し、従って相補鎖または 「アンチセンス」鎖の3'隣接領域に結合するように構築した。同様に外部プライ マー2を、SOLIGOの「アンチセンス」鎖の5'隣接領域に対応し、従って相補鎖ま たは「センス」鎖の3'隣接領域に結合するように構築した。さらに、2つの変異 原性プライマー(Mc →AおよびMc →B)を構築した: 連結に等しいことに留意すること。しかし、5'→3'方向が不可逆であることこと 意すること。 6つの反応混合物(R-1〜R-6と称される)を調製した。これらのそれぞれは総 容量7.5μl中に以下を含んだ: 2pMの外部プライマー1 2pMの外部プライマー2 0.2pMのリン酸化Mc →Aオリゴ 0.2pMのリン酸化Mc →Bオリゴ 0.5PMのSOLIGO二本鎖DNA(BamHI制限消化した) 1μlの10×Vent-NAD+緩衝液。 10×Vent-NAD+緩衝液を、10mMのNAD+を10×Vent緩衝液(New England BioLabs) に添加することによって作製した。2つのネガティブコントロール反応物もまた 調製し、1つはMC →Aオリゴを含まず、そして1つはMC →Bオリゴを含まなかった 。反応物をミネラルオイルで重層し、そして94℃10分、続いて50℃30分および94 ℃2分の反復サイクルにプログラムしたサーマルサイクラー中に置いた。最初の 94℃のサイクルの間に、0.5μlの0.5U/μlのVent exo+(New England BioLabs )および1μlの40U/μlのTaq Ligase(New England BioLabs)を各ウェルに 添加した。 最初の94℃のサイクルが終わる前に、1μlの0.2μMの32Pγ-末端標識MC →B をR-1に添加し、そして1μlの0.2μMの32P-MC →AをR-2に添加した。50℃30分 の最初の サイクルの終了時点で、配列決定停止ローディング色素をR-1およびR-2に添加し 、そしてこれらをサーマルサイクラーから取り出した。同様の様式で、32P-MC A および32P-MC →Bを、第2の変性サイクルの間および第2の50℃のサイクルの前 にR-3およびR-4に添加し、次いで第2の50℃のサイクルの終了時に停止させ、そ して32P-MC →Aおよび32P-MC →Bを第3回目のサイクル中にそれぞれに添加した。 第10の94℃のサイクルの間に、32P-MC →BをMC →Aを含まないネガティブコントロ ールに添加し、そして32P-MC →AをMC →Bを含まないネガティブコントロールに添 加した。そして両方のネガティブコントロール反応物を第10の50℃30分のサイク ルの終了時に停止させた。 反応を停止させた後、全てのサンプルを少なくとも5分間85℃で加熱し、次い で3μlを6%の変性アクリルアミドゲル上で分析した。代表的な電気泳動ゲル を以下に記載する図5に示す。 サイクル1、CBレーン。CBレーンは、32P-MC →Bで標識した生成物のオートラ ジオグラフを示す。サイクル1において、プログラムされた変異誘発のラウンド を完了するか、または、「1」をカウントする。約228bpのバンドは、上流の外 部プライマー1生成物のMC →B生成物への良好な連結を示す完全長の第1の変異 誘発れらによる重合すること、続くこれらの2つの生成物の連結によって生成される (図3a)。R-1およびR-2はまた、102/107塩基対でバンドを示し、これらは、MC ー1生成物への良好な連結を伴わない。102バンドは、外部プライマー2によっ て生成される元のテンプレートから生成される生成物によるが、一方、107バン ドは、突出BamHI部位によって5塩基長い元のプラスミドDNAによる。 サイクル1、CAレーン。CAレーンは、32P-MC →Aで標識した生成物のオートラ ジオグラフを示す。少量の種々の生成物が、第2のラウンドの生成物に対応する ことが見出される、なぜなら、上記のように、このシステムが1回の温度サイク ルあたり複数のラウンドの変異誘発を受け得るからである。従って、これらの生 成物は、102bpの生成物(外部プライマー2生成物のMC →A生成物への連結、テン プレートとして失敗した第1のラウンドの生成物を使用する)、159bpの生成物 (失敗した外部プライマー2の連結を有する完全長の第1のラウンドの生成物上 でのMc→A伸長)、および225bpの生成物(良好なMC→A伸長および外部プライマ ー2生成物の連結)を含む。MC →Bの非存在下で、検出可能な生成物は、過剰曝 露を用いてさえもサイクルIのMC →Aレーンにおいては存在しなかった(データ は示さない)。 サイクル2。サイクル2において、CBレーンは、より多い最初の生成物を示し 、そしてCAレーンは、この系が明らかにプログラムの第2のラウンドに入ったか 、または「2」をカウントしたことを示す。 サイクル10。MC →Aを含まないネガティブコントロール(レーンCB)は、第1 のラウンドの変異誘発による極めて大量の生成物を示す。MC →Bを含まないネガ ティブコントロール(レーンCA)は、10サイクルの後でさえ、第2のラウンドの 生成物のかろうじて検出可能な量しか有さないので、MC →B変異誘発工程が第2 のラウンドの変異誘発を行うために不可欠(すなわち、先行条件)であることを 示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.核酸のプログラムされた連続的変異誘発を実施するための方法であって、 第1の標的配列を含む元のテンプレート核酸または核酸アナログを提供する工 程; 該第1の標的配列に、ポリメラーゼ媒介性核酸合成を可能にする条件下でハイ ブリダイズし得るが、該第1の標的配列に、1つ以上のヌクレオチドまたはヌク レオチドアナログ位置において非相補的である第1の標的結合配列を含む第1の 変異原性プライマー核酸または核酸アナログを提供する工程; 該元のテンプレートおよび該第1の変異原性プライマーを第1のラウンドの核 酸合成に供して、該元のテンプレート核酸または核酸アナログ中のいかなる配列 にも同一でも相補的でもない第2の標的配列を含む第1の変異誘発した核酸また は核酸アナログを産生する工程; 該第2の標的配列に、ポリメラーゼ媒介性核酸合成を可能にする条件下でハイ ブリダイズし得るが、該第2の標的配列に、1つ以上のヌクレオチドまたはヌク レオチドアナログ位置において非相補的である第2の標的結合配列を含む第2の 変異原性プライマー核酸または核酸アナログを提供する工程;ならびに 該第1の変異誘発した核酸または核酸アナログおよび該第2の変異原性プライ マーを第2のラウンドの核酸合成に供して、該元のテンプレートもしくは該第1 の変異誘発した核酸または核酸アナログ中のいかなる配列にも同一でも相補的で もない第3の標的配列を含む第2の変異誘発した核酸または核酸アナログを産生 する工程、 を包含する、方法。 2.前記第1の変異原性プライマーおよび前記第2の変異原性プライマーが前記 第1のラウンドの核酸合成の間に単一の反応混合物中に存在し、そして該第2変 異原性プライマーが該第1のラウンドの条件下で前記元のテンプレート核酸に実 質的に結合し得ない、請求項1に記載の方法。 3.前記方法が、前記元のテンプレート核酸中に存在しない標的配列を有する少 なくとも第3の変異原性プライマーを提供する工程、および前記核酸または核酸 アナログをさらなるラウンドの核酸合成に供する工程をさらに包含する、請求項 1に記載の方法。 4.前記核酸合成のラウンドがインビトロにおけるDNAポリメラーゼ媒介性核酸 合成を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 5.前記インビトロにおける核酸合成が温度サイクル重合反応の一部である、請 求項4に記載の方法。 6.ポリメラーゼ媒介性核酸合成および核酸のリガーゼ媒介性連結を可能にする 条件下で、前記第1の標的配列の3'側の部位において前記テンプレート核酸にハ イブリダイズし得る配列を含む第1の外部プライマーを提供する工程をさらに包 含する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 7.ポリメラーゼ媒介性核酸合成および核酸のリガーゼ媒介性連結を可能にする 条件下で、前記第2の標的配列の3'側の部位において前記第1の変異誘発した核 酸にハイブリダイズし得る配列を含む第2の外部プライマーを提供する工程をさ らに包含する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 8.前記標的配列が少なくとも10ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログの配 列を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 9.前記標的配列が少なくとも15ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログの配 列を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 10.前記標的配列が少なくとも20ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログの 配列を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 11.前記変異原性プライマーが少なくとも10ヌクレオチドまたはヌクレオチド アナログの配列を含み;そして 前記標的結合配列がそれらの標的配列に1〜4ヌクレオチドまたはヌクレオチ ドアナログ位置において非相補的である、請求項8に記載の方法。 12.前記変異原性プライマーが少なくとも15ヌクレオチドまたはヌクレオチド アナログの配列を含み;そして 前記標的結合配列がそれらの標的配列に1〜7ヌクレオチドまたはヌクレオチ ドアナログ位置において非相補的である、請求項9に記載の方法。 13.プログラムされた連続的変異誘発試薬であって、 第1のセットの1つ以上の変異誘発した生成物を作製するためのポリメラーゼ 媒介性核酸合成を可能にする第1の条件下で、テンプレート配列内の1つ以上の 標的配列に結合する、第1のセットの1つ以上の変異原性プライマー;および 該第1の条件下では該テンプレート配列内のいかなる標的配列にも結合しない が、第2のセットの1つ以上の変異誘発した生成物を作製するためのポリメラー ゼ媒介性核酸合成を可能にする条件下で、該第1のセットの変異誘発した生成物 中の1つ以上の標的配列に結合する、第2のセットの1つ以上の変異原性プライ マー、 を含む、試薬。
JP10500905A 1996-06-07 1997-06-06 プログラムされた連続的変異誘発 Pending JP2000512142A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US1925096P 1996-06-07 1996-06-07
US60/019,250 1996-06-07
PCT/US1997/009942 WO1997046670A1 (en) 1996-06-07 1997-06-06 Programmed sequential mutagenesis

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000512142A true JP2000512142A (ja) 2000-09-19

Family

ID=21792223

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10500905A Pending JP2000512142A (ja) 1996-06-07 1997-06-06 プログラムされた連続的変異誘発

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6242222B1 (ja)
EP (1) EP0906420A1 (ja)
JP (1) JP2000512142A (ja)
WO (1) WO1997046670A1 (ja)

Families Citing this family (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6335160B1 (en) * 1995-02-17 2002-01-01 Maxygen, Inc. Methods and compositions for polypeptide engineering
FR2789696A1 (fr) * 1999-02-12 2000-08-18 Biomethodes Procede de mutagenese d'un fragment d'acide nucleique par clonage et polymerisation-ligation
US6248541B1 (en) 2000-04-21 2001-06-19 Genencor International, Inc. Screening under nutrient limited conditions
US6534292B1 (en) 2000-05-08 2003-03-18 Genencor International, Inc. Methods for forming recombined nucleic acids
US6582914B1 (en) 2000-10-26 2003-06-24 Genencor International, Inc. Method for generating a library of oligonucleotides comprising a controlled distribution of mutations
FR2823219B1 (fr) * 2001-04-10 2003-07-04 Pasteur Institut Mutants de la desoxycytidine kinase possedant une activite enzymatique elargie
AU2002333269A1 (en) * 2001-07-23 2003-02-17 Dsm Ip Assets B.V. Process for preparing variant polynucleotides
WO2003040376A1 (en) * 2001-11-02 2003-05-15 Olga Makarova Method for site-directed mutagenesis of nucleic acid molecules using a single primer
US20060234238A1 (en) * 2003-02-06 2006-10-19 Salerno John C Polymerase-based protocols for generating chimeric oligonucleotides
EP2130918A1 (de) * 2008-06-05 2009-12-09 C-Lecta GmbH Verfahren zur Erzeugung einer Varianten-Bibliothek von DNA-Sequenzen
WO2011057003A2 (en) 2009-11-04 2011-05-12 Samuil Umansky Methods of using small rna from bodily fluids for diagnosis and monitoring of neurodegenerative diseases
WO2011138032A2 (en) 2010-05-05 2011-11-10 Artemev, Timur Universal influenza vaccines and methods for their generation
EP2588594B1 (en) 2010-07-01 2022-11-30 Regenerative Research Foundation Methods for culturing undifferentiated cells using sustained release compositions
CN105861712B (zh) 2011-04-18 2021-05-14 迪阿米尔有限责任公司 使用来自体液的miRNA来早期检测和监控轻度认知障碍(MCI)和阿尔茨海默病(AD)的方法
HUE041799T2 (hu) 2011-09-08 2019-05-28 Univ New York Onkolitikus Herpes simplex vírus és terápiás alkalmazásai
WO2014201416A1 (en) * 2013-06-14 2014-12-18 Fred Hutchinson Cancer Research Center Compositions for making random codon-mutant libraries and uses thereof
CA2931082C (en) 2013-11-18 2024-01-23 Diamir, Llc Methods of using mirnas from bodily fluids for detection and monitoring of parkinson's disease (pd)
MA39818A (fr) 2014-03-30 2017-02-08 Benevir Biopharm Inc Virus oncolytiques « armés » comprenant un inhibiteur de tap exogène et leurs utilisations thérapeutiques
US10967015B2 (en) 2015-06-15 2021-04-06 New York University Method of treatment using oncolytic viruses
WO2017066712A2 (en) 2015-10-16 2017-04-20 The Children's Medical Center Corporation Modulators of telomere disease
US11149313B2 (en) 2016-03-21 2021-10-19 Diamir, Llc Methods of using miRNAs from bodily fluids for detection and differentiation of neurodegenerative diseases
WO2019190922A1 (en) 2018-03-24 2019-10-03 Regeneron Pharmaceuticals, Inc. Genetically modified non-human animals for generating therapeutic antibodies against peptide-mhc complexes, methods of making and uses thereof
KR20220078611A (ko) 2019-10-03 2022-06-10 리제너론 파마슈티칼스 인코포레이티드 일차 인간 세포에서 동족 t 세포 및 에피토프 반응성을 스크리닝하기 위한 고처리량 방법
IL297237A (en) 2020-04-17 2022-12-01 Regeneron Pharma Detection tests for antibodies that neutralize the corona virus
US20230149536A1 (en) 2020-04-17 2023-05-18 Vyriad, Inc. Compositions for treating and/or preventing coronavirus infections
EP4211155A1 (en) 2020-09-11 2023-07-19 Regeneron Pharmaceuticals, Inc. Identification and production of antigen-specific antibodies
TW202241935A (zh) 2020-12-18 2022-11-01 美商世紀治療股份有限公司 具有可調適受體專一性之嵌合抗原受體系統
EP4367134A1 (en) 2021-07-05 2024-05-15 Regeneron Pharmaceuticals, Inc. Utilization of antibodies to shape antibody responses to an antigen
WO2023220603A1 (en) 2022-05-09 2023-11-16 Regeneron Pharmaceuticals, Inc. Vectors and methods for in vivo antibody production
WO2023240109A1 (en) 2022-06-07 2023-12-14 Regeneron Pharmaceuticals, Inc. Multispecific molecules for modulating t-cell activity, and uses thereof
WO2023240124A1 (en) 2022-06-07 2023-12-14 Regeneron Pharmaceuticals, Inc. Pseudotyped viral particles for targeting tcr-expressing cells

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5556747A (en) * 1990-07-09 1996-09-17 E. R. Squibb & Sons, Inc. Method for site-directed mutagenesis
US5521077A (en) 1994-04-28 1996-05-28 The Leland Stanford Junior University Method of generating multiple protein variants and populations of protein variants prepared thereby
WO1996017056A1 (en) 1994-12-02 1996-06-06 Institut Pasteur Hypermutagenesis
US5804373A (en) 1995-03-31 1998-09-08 Nec Research Institute, Inc. Molecular automata utilizing single- or double-strand oligonucleotides

Also Published As

Publication number Publication date
US6242222B1 (en) 2001-06-05
WO1997046670A1 (en) 1997-12-11
EP0906420A1 (en) 1999-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000512142A (ja) プログラムされた連続的変異誘発
ES2381824T3 (es) Procedimientos para generar genotecas muy diversas
US5503980A (en) Positional sequencing by hybridization
US8383346B2 (en) Combined automated parallel synthesis of polynucleotide variants
JP3793570B2 (ja) ハイブリッド形成による位置配列決定
US6387620B1 (en) Transcription-free selex
DK3026113T3 (en) COMBINED AUTOMATED PARALLEL SYNTHESIS OF POLYNUCLEOTIDE VARIETIES
HUE029228T2 (en) A method for the synthesis of polynucleotide variants
JP2005519641A (ja) 標的ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの構築方法
AU2008201007A1 (en) Computer-directed assembly of a polynucleotide encoding a target polypeptide
JPH11113584A (ja) オリゴヌクレオチドバンク
AU782529C (en) Sequence based screening
US20040096826A1 (en) Methods for creating recombination products between nucleotide sequences
Sinyakov et al. Application of array-based oligonucleotides for synthesis of genetic designs
AU2002254773B2 (en) Novel methods of directed evolution
Naimuddin et al. Selection‐by‐function: efficient enrichment of cathepsin E inhibitors from a DNA library
US20040101886A1 (en) Nested oligonucleotides containing a hairpin for nucleic acid amplification
Chatellier et al. Codon-based combinatorial alanine scanning site-directed mutagenesis: design, implementation, and polymerase chain reaction screening
JP2023004952A (ja) Micタグによる空間配列決定
US20040219570A1 (en) Methods of directed evolution
EP0994967A1 (en) Categorising nucleic acid
US20130225446A1 (en) Rna-mediated gene assembly from dna oligonucleotides
EP3613855A1 (en) Method for the production of a nucleic acid library
WO1997047768A1 (en) Method for randomly synthesizing biopolymers
JPH09154585A (ja) マイクロ遺伝子のランダム重合体作成方法