【発明の詳細な説明】
水素シルセスキオキサン樹脂の合成関連出願との相互参照
本願は以下の米国特許出願:1997年4月21日出願の米国仮出願60/0
44,479号;1998年3月20日出願の米国非仮(nonprovisional)出願
09/044,831号、及び1998年3月20日出願の米国非仮出願09/
044,798号の利益を請求し、これらの開示は参照することによりその全体
がここに組み込まれる。
発明の背景 発明の分野
本発明は、集積回路の製造において用いられる基板の調製に関する。特定的に
は、本発明はヒドリドシロキサン及びオルガノヒドリドシロキサンを含むシロキ
サン樹脂を調製するための新規かつ改善された方法を提供し、これには従来この
ような材料の調製に伴う多くの不都合がない。より特定的には、本発明は、固体
状態触媒を用いる合成方法に関し、この触媒は、有害な触媒試薬を必要とする従
来用いられている触媒系の不都合を回避する。また、本発明は、これまでそのよ
うな樹脂の製造に必須であるものと信じられてきた追加の洗浄及び精製工程の必
要性を回避する合成方法にも関する。従来技術の説明
シロキサンベースの樹脂が電子及び半導体分野においてシリコンチップ及び他
の類似の構成部品のコートに有用であることは当該技術分において公知である。
このようなコーティングは基板の表面を保護し、集積回路上の電気伝導体の間に
誘電体層を形成する。このようなコーティングは、保護コーティング、インター
レベル誘電体層、トランジスタ様デバイスを製造するためのドープされた誘電体
層、キャパシタ及びキャパシタ様デバイスを製造するための、シリコンを含有す
る色素含有バインダ系、多層デバイス、3−Dデバイス、シリコン積載絶縁体(
silicon on insulator)デバイス、超伝導体用コーティング、超格子デバイス等
として用いることができる。これらの樹脂には、ヒドリドシロキサン、及び有機
部分が相当部分を占めるオルガノヒドリドシロキサンが含まれる。
シリセスキオキサン樹脂のようなシロキサン樹脂の製造は、当該技術分野にお
いて公知である。例えば、米国特許第5,486,564号には、電子コーティ
ング用のポリ水素シリセスキオキサン樹脂の製造が記載されている。しかしなが
ら、このプロセスは、ポリ水素シリセスキシロキサンを製造するのに有害な発煙
硫酸/硫酸を触媒として用いる。この生成物は、含まれる硫酸の割合が減少して
いる水を用いて多工程で洗浄した後、全ての痕跡量の水を共沸蒸留によって除去
しても、相当レベルの痕跡金属が混入していた。これらの欠点を改める試みにお
いて、米国特許第5,416,190号には、極性及び非極性溶媒を用いるシリ
セスキシロキサン生成物の分画が記載されている。シリセスキシロキサン化合物
の製造においてこれらの欠点を是正しようとする他の試みでは、米国特許第5,
063,267号に記載されるように、精製プロセスにおいて超臨界流体抽出が
用いられ、そして米国特許第5,010,159号に記載されるように、発煙/
濃硫酸が用いられるもののCaCO3中和も用いられた。
このような絶縁体フィルムの誘電率が、電力消費、クロス・トーク、及び信号
遅延の少ない集積回路、すなわちICが必要とされる場合、重要な因子であるこ
とも公知である。ICの寸法が縮小するに従って、この因子の重要性は高まって
いる。結果として、誘電率が3.0を下回る絶縁フィルムをもたらし得るシロキ
サンベースの樹脂材料、及びそのような材料を作製するための方法が非常に望ま
しい。加えて、そのような低誘電率のフィルムをもたらし、さらに亀裂に対する
高い抵抗性を有するシロキサンベースの樹脂、及びそれらの樹脂を作製するため
の方法があることが望ましい。また、約1.0ミクロン(μm)以上の厚みに形
成した場合に、そのようなフィルムに加わる応力が低いものであることも望まし
い。さらに、そのようなシロキサンベースの樹脂、及び作製方法は、標準処理技
術に対して低い誘電率のフィルムをもたらすものであることが望ましい。このよ
うにして、アンモニアもしくはアンモニア誘導体型の雰囲気(米国特許第5,1
45,723号、1992年9月8日、Ballanceらを参照)、オゾン雰囲気(米
国特許第5,336,532号、Haluskaらを参照)、又は他の非標準型の半導
体プロセスを必要とする硬化プロセスは避けられる。
したがって、ヒドリドシロキサン及びオルガノヒドリドシロキサン樹脂のよう
な有用なシロキサン含有組成物を、効率的で毒性触媒試薬を用いることのない方
法によって製造することが望ましい。今や、驚くべきことに、固体状態ポリマー
触媒を用いる反応により、上述の従来法の欠点を全て回避しながら、所望のヒド
リドシロキサン及びオルガノヒドリドシロキサン樹脂が製造されることが見出さ
れている。
発明の要旨
本発明の方法では、例えば、ヒドリドシロキサン及び水素シルセスキオキサン
、並びに、水素シロキサン、オルガノ水素シルセスキオキサン及びオルガノ水素
シロキサンのようなシロキサン樹脂を、高収率で、R1SiX3の一般式を有する
モノマー前駆体の加水分解及び結合を触媒することにより製造することが考慮さ
れている。この式において、Xはハロゲン又はOR2であり、R1及びR2は独立
にH又はアルキルもしくはアリール官能基である。R1及び/又はR2がHでない
場合、そのいずれか又は両方は、独立に、置換もしくは非置換の直鎖もしくは分
岐鎖アルキル基、シクロアルキル基及び/又はアリール基、又はそれらの組み合
わせである。したがって、1種類以上の固体状態触媒が、上述の出発化合物、又
はモノマー前駆体の加水分解及び縮合において、所望のシロキサン樹脂を形成す
るために用いられる。
したがって、本発明の方法は、シランモノマーを固体状態触媒と、非極性、例
えば、炭化水素溶媒、極性溶媒、例えば、アルコール及び水を含む反応混合物の
存在下において、前記シランモノマーをヒドリドシロキサン及びオルガノヒドリ
ドシロキサンに触媒的に転化するのに有効な条件下で接触させる工程;及び、そ
の後、生成したヒドリドシロキサン及びオルガノヒドリドシロキサンを回収する
工程を含む。
本発明の方法は、好ましくは、二相溶媒系を用いて行う。さらに、この方法は
、
好ましくは大気中の酸素から保護しながら、例えば、酸素がパージされて不活性
ガス、例えば、窒素ガス(N2)の流れの中に維持された容器内で行なわれる。
特に、この方法は、1種類以上の上述のモノマ一前駆体、例えば、トリクロロシ
ラン及び/又は1種類以上のオルガノトリクロロシラン、又は他の当該技術分野
において公知のシランモノマーを、一態様においては固体状態触媒、炭化水素溶
媒、並びにアルコール及び水を含む混合物に添加することにより行なわれる。反
応が完了したら、その反応混合物を、例えば、濾過し、沈殿させ、又は遠心分離
して、あらゆる濾過可能な不純物又は沈殿を取り出し、そして固体状態触媒を除
去する。次に、水を分離し、残りの溶液を乾燥及び蒸発させて生成物、典型的に
は白色固体を残す。その後、回収した固体を適切な炭化水素溶媒中でスラリー化
して残留する低分子量成分を除去し、次いで溶媒を蒸発させて所望の生成物を残
すことができる。生じた生成物は、当該技術分野で公知の方法によりスピン・オ
ン(spin-on)ポリマーとして用いるため、適切な溶媒中に配合することができ
る。
生成したポリマーの重量平均分子量(Mw)は約400ないし約300,00
0原子質量単位(amu)の範囲をとり得る。別の態様においては、生成したポ
リマーのMwは、反応条件に応じて、約10,000ないし約80,000am
uの範囲をとり得る。より特定の態様においては、生成したポリマーのMwは約
4,500ないし約75,000amuの範囲をとり得る。単に例としてであっ
て限定しようとするものではないが、本発明の方法によって生成される、例えば
約20,000、約40,000及び約60,000amuのMwを有する材料
が良好なコーティング特性を有することが確認されている。
したがって、本発明は、適切な出発物質及び溶媒を用いてヒドリドシロキサン
及びオルガノヒドリドシロキサンのような有用なシロキサンを生成するための方
法を提供する。とりわけ、驚くべきことに、本発明の方法が固体状態触媒によっ
て効率的に触媒されることが発見されている。本発明による触媒には、例えば、
イオン交換樹脂、酸性もしくは塩基性巨大網状樹脂、例えば酸性クレイを含むク
レイ等が含まれる。好ましい態様の詳細な説明
したがって、本発明には、上述の有用な化合物、例えば樹脂、を調製するため
の新規かつ予期されない方法に対する備えがある。加えて、本発明が様々な態様
を参照して説明されるが、これらの態様は例として提示されるものであり、本発
明を限定するものではないことは理解されるべきである。例えば、特定の材料及
び方法の様々な変更又は適応が当業者に明らかになることがある。ここで複数の
態様によって説明される本発明の教示を頼みとするそのような変更、適用又は変
形は本発明の精神及び範囲内にあるものと見なされる。前駆体
上記一般式に一致するあらゆる前駆体を本発明の方法において用いることがで
きる。したがって、前駆体は一般にR1SiX3であり、ここでXはハロゲン又は
OR2であり、そしてR1及びR2は独立にH又はアルキルもしくはアリール官能
基であって、R1及び/又はR2がHではない場合、そのいずれかもしくは両方は
独立に置換もしくは非置換の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基
及び/又はアリール基であり、又はそれらの組み合わせである。かくして、一態
様においてXはハロゲンであり、好ましくは塩素である。より好ましくは、3つ
のX部分が同じであり、例えば、HSiCl3である。別の好ましい態様におい
ては、R1は上述の通りであり、そしてXはOR2であって、R2は所望の反応生
成物をもたらすように選択されるアルキル及び/又はアリール置換基である。単
に例としてではあるが、R2アルキル置換基はそのサイズがC1〜C10もしくはそ
れ以上であり、その形態は直鎖であっても分岐鎖であっても環状であってもよい
。次に、アリール置換基には、サイズが好ましくはC5〜C20もしくはそれ以上
であり、それら自体がアルキル及び/又はアリール置換されていてもよい直鎖も
しくは分岐鎖アルキル、アリール及びヘテロアリール置換基が含まれ得る。好ま
しい態様においては、全てのR2が同じであり、好ましい態様においては、全て
C2H5−である。他の任意の態様においては、Xは、X1、X2及びX3であり、
X1、X2及びX3の各々はハロゲン及び/又はOR2から独立に選択され、ここで
、R2は上に定義される通りである。本発明に従って有用なシラン前駆体の例に
は、少数の例を挙げると、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチル
トリク
ロロシラン、プロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、シクロ
ヘキシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、及びそれらの組み合わ
せが含まれるがこれらに限定されるものではない。もちろん、熟練者は、当該技
術分野で公知の他のあらゆるシランモノマー及び/又は誘導体を本発明の方法に
おいて前駆体として用いることができ、場合によっては、所望の最終生成物に応
じて、それらの前駆体を単独で、又は組み合わせて用いることができることを理
解するであろう。溶媒
あらゆる適切な溶媒系を本発明の方法において用いることができる。好ましく
は、本発明の方法では、連続相の非極性溶媒及び極性溶媒を含む二相溶媒系が用
いられる。非極性溶媒
本発明の方法において用いられる非極性溶媒には、これらに限定されるもので
はないが、あらゆる適切な脂肪族もしくは芳香族化合物又はあらゆる、もしくは
全てのそのような適切な化合物の混合物が含まれ、ここでの文脈おける“適切な
”の有効な定義には以下の機能的特徴が含まれる:
1)前駆体、例えば、モノマートリハロシラン化合物を溶かすこと、
2)反応プロセスの間に形成されて分子量が増加したポリマー生成物を溶かす
こと、
3)溶媒中でポリマー生成物を安定化すること、及び
4)望ましくない反応生成物を、除去を容易にするため、非極性溶媒中で不溶
化させること。
例示的な非極性溶媒には、これらに限定されるものではないが、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭
素のようなハロゲン化溶媒、及びそれらの混合液が含まれる。極性溶媒
溶媒の極性相は、非極性溶媒相と実質的に非混和性であり、これには、水、ア
ルコール、及び水・アルコール混合液が含まれるが、これらに限定されるもので
はないあらゆる適切な当該技術分野において公知の極性溶媒が含まれる。存在す
るアルコールの量は、好ましくは、反応性中間体の可溶性を保証するのに十分な
ものである。特には、例示的なアルコール及び極性相において用いるのに適切な
他の極性溶媒には、これらに限定されるものではないが、水、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、グリセロール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジグライム及びそれらの混合液が含まれる。一態様においては、極性溶媒
には水/アルコール混合液が含まれ、この水は、アルコールに可溶ではないイオ
ン性不純物を優先的に可溶化し、及び/又は他の方法ではアルコールに可溶であ
り得る生成化合物の溶媒抽出を防止するのに十分な量存在する。極性溶媒相は、
有利なことに、存在し得る塩酸(HCl)濃縮生成物及びあらゆる金属塩又は他
のイオン性混入物を保持する。本質的に全てのイオン性混入物は極性溶媒相に保
持されるため、本発明のヒドリドシロキサン及び/又はオルガノヒドリドシロキ
サンは高純度のものであり、本質的にイオン性混入物を含まない。
極性溶媒の非極性溶媒に対する比率は約5%w/w〜80%w/wが望ましく
、約9%w/w〜約40%w/wが好ましいことが見出されている。プロセス
反応混合物を大気中の酸素との接触から保護するため、この反応は、好ましく
は、適切な囲い及び/又は十分な量の非反応性の、すなわち、化学的に不活性の
ガス、例えば、ヘリウム、アルゴン及び窒素ガスの保護気流によって大気から隔
離しながら行う。このプロセスについては、最も対費用効果が高いことから、窒
素ガスが一般に好ましい。さらに反応容器は、好ましくは、反応プロセスを開始
する前に、不活性ガス流により大気混入物、すなわち酸素をパージする。より好
ましくは、例えば反応を無蓋容器中で行う場合、反応プロセスの間流動する不活
性ガスの層を反応混合物の上で維持する。
本発明の反応プロセスの実施においては、シラン前駆体、例えば、特定の態様
においてはトリクロロシランを単独で、又は1種類以上の異なるシラン前駆体と
組み合わせて、触媒、非極性溶媒、及び極性溶媒の混合物に添加して反応混合物
を形成する。重合反応を、好ましくは混合しながら、進行させる。重合反応が完
了したら、反応混合物を濾過し、極性溶媒を分離し、溶媒を乾燥させた後蒸発さ
せて白色固体を残す。次に、場合によっては、この固体を炭化水素溶媒中でスラ
リー化して残留低分子量物質を除去し、最後に蒸発させることで所望の生成物を
残す。このようにして生成されたシロキサンポリマーはあらゆる当該技術分野に
おいて公知の用途、例えば、スピン・オン誘電体フィルムとして用いるための適
切な溶媒中での配合に適切である。
場合によっては、本発明の方法は、以下に記載される実施例によって説明され
るように、例えば、HClを例えば添加することにより、酸性条件下で行なわれ
る。
本発明の方法は、単に例としては約100℃〜約40℃の範囲のあらゆる適切
な温度で行うことができる。例えば、外部から加熱又は冷却される反応容器、例
えば、ウォータ・ジャケットを装着した反応容器において反応を行うことができ
る。熟練者は、反応温度が特定の所望反応プロセスの発熱エネルギーの放出レベ
ル(それが存在する場合)に応じて変化することを理解するであろう。したがっ
て、時間経過及び収率−これは特定の所望のプロセスを定型的に試験することに
よって立証される−により決定される反応温度の最適範囲を達成するため、反応
容器を冷却又は加熱することができる。好ましくは、本発明の方法は室温で行い
、これは一般には約25℃であると考えられる。反応時間
本発明の方法は広い範囲の持続時間実施することができる。本質的には、他の
全てのパラメータが一定である場合、反応混合物の攪拌が長期にわたるほどその
反応によって生じる生成物のMwは大きくなる。単に例としては、本発明の反応
プロセスは約1〜4分から約12時間の範囲、又はそれ以上の期間行う。触媒
意外にも、本発明の方法が、一般には例えばイオン交換樹脂の形態にあるが他
を排除するものではない固体状態触媒によって触媒されることが見出された。し
たがって、本発明による好ましい触媒には、用いることができる可能な触媒のう
ちの僅かを挙げるに過ぎないが、例えば、強酸性巨大網状樹脂(例えば、アンバ
ーリスト(Amberlyst)−15;ビーズ径は0.3〜1.2mmの範囲)、弱酸
性巨大網状樹脂(例えば、アンバーライト(Amberlite)IRP−64及び/又
はアンバーライトCG−50;ビーズ径は100〜200メッシュサイズの範囲
)、
強酸性ゲル型樹脂(例えば、ナフィオン(Nafion)NR50)、強塩基性巨大網
状樹脂(アンバーリスト−27;ビーズ径は0.48mm)、酸性クレー(例え
ば、モンモリロナイトKSF)、弱塩基性イオン交換樹脂(例えば、アンバーラ
イトCG−420、アンバーライトI−6766及び/又はアンバージェット(
Amberjet)4200(Cl)(アンバージェットのビーズ径は4200〜625
ミクロンの範囲)が含まれる。これらの触媒は単独で、又は組み合わせて用いる
ことができ、例えば場合によっては、2種類以上の異なる触媒を反応プロセスの
間に同時に、又は連続的に用いることができる。好ましくは、弱塩基性イオン交
換樹脂を本発明による固体状態触媒として用いる。弱塩基性イオン交換樹脂のう
ち、アンバージェット4200(Rohm and Haas)が最も好ましい。
したがって、本発明による好ましい触媒には、用いることができる可能な触媒
のうちの僅かを挙げるに過ぎないが、例えば、強酸性巨大網状樹脂(例えば、ア
ンバーリスト−15)、弱酸性巨大網状樹脂(例えば、アンバーライトIRP−
64及び/又はアンバーライトCG−50)、強酸性ゲル型樹脂(例えば、ナフ
ィオンNR50)、強塩基性巨大網状樹脂(アンバーリスト−27)、酸性クレ
ー(例えば、モンモリロナイトKSF)、弱塩基性イオン交換樹脂(例えば、ア
ンバーライトCG−420、アンバーライトI−6766及び/又はアンバージ
ェット4200(Cl)が含まれる。これらの触媒は単独で、又は組み合わせて
用いることができ、例えば場合によっては、2種類以上の異なる触媒を反応プロ
セスの間に同時に、又は連続的に用いることができる。好ましくは、弱塩基性イ
オン交換樹脂を本発明による固体状態触媒として用いる。弱塩基性イオン交換樹
脂のうち、アンバージェット4200(Rohm and Haas)が最も好ましい。
また、本発明の触媒には、反応体及び触媒性物質を所望の反応を促進するのに
十分な近さに保持することが可能なクレー、例えば、例示される酸性クレーも含
まれる。
本発明の固体状態触媒は、例えば沈降、遠心及び/又は濾過により、それらが
反応混合物から容易かつ安価に除去され、したがって、例えば従来用いられる硫
酸ベースの触媒に対してこれまで必要とされた精緻な洗浄手順を回避するという
利点をも有する。したがって、反応プロセスを促進にするのに十分な触媒活性が
利用可能であり、かつその粒径及び/又はビーズ径が反応混合物からの素早い物
理的分離に適するのであれば、固体状態触媒材料のサイズ及び形状は重要ではな
いものと信じられる。それでもやはり、単に例としてではあるが、イオン交換触
媒のビーズ径は約300〜5000ミクロン又はそれ以上の範囲である。特には
、粒径は約600〜約4200ミクロンの範囲のサイズである。イオン交換触媒
ビーズの粒径は約0.4〜約2mmの範囲のサイズ、特には約0.3ないし約0
.12mmの範囲でもある。イオン交換ビーズの粒径は約25〜約300メッシ
ュの範囲又はそれ以上、とりわけ約100〜約200メッシュの範囲でもあり得
る。
熟練者は、前述の材料及び等価物が当該技術分野において公知の方法によって
容易に調製され、かつ商業的源から容易に入手可能でもあり、例えば、アンバー
ライト、アンバーリスト及びアンバージェット樹脂はRohm & Haas(フィラデル
フィア、ペンシルバニア)から入手可能であり、モンモリロナイトKSFに加え
てナフィオンはAldrich(ミルウォーキー、ウィスコンシン)から入手可能であ
ることを理解するであろう。また、熟練者は、本開示を与えられたとすると、本
発明の方法の実行に対する類似の触媒性材料の適合性を、触媒及び出発物質の存
在下において所望の生成物(1種類もしくは複数種類)を生成するのに適する条
件の下で反応生成物(1種類もしくは複数種類)を検定することによる定型的な
スクリーニングにより、容易に決定できることも理解するであろう。
熟練者は、用いられる触媒の量が、例えば、触媒しようとする特定の反応、選
択される特定の触媒、適切である場合には固体触媒の粒径、並びに所望の生成物
の分子量範囲及びその所望の生成物の収率に依存することを理解するであろう。
一般には、単に例としてではあるが、固体触媒はシラン前駆体のml当たり触媒
約0.20g〜約2.0グラムの範囲の量で反応物に添加する。特には、固体触
媒は、シラン前駆体のml当たり約0.30〜約1.0gの範囲の量で反応物に
添加する。あるいは、固体触媒は、シラン前駆体のモル当たり約50〜約100
gの範囲の量で反応物に添加する。特には、固体触媒は、シラン前駆体のモル当
たり約70〜約90グラムの範囲の量で反応物に添加する。本発明の方法によって生成されるポリマー
本発明の方法によって有効に生成されるポリマーには、単に例としてであって
限定するものではないが、少数の例を挙げると、ヒドリドシロキサン及びオルガ
ノヒドリドシロキサン樹脂、例えば、ヒドリドシルセスキオキサン、ヒドリドメ
チルシロキサン、ヒドリドエチルシロキサン、ヒドリドプロピルシロキサン、ヒ
ドリドブチルシロキサン、ヒドリドtert−ブチルシロキサン、ヒドリドフェ
ニルシロキサン、ヒドリドメチルシルセスキオキサン、ヒドリドエチルシルセス
キオキサン、ヒドリドプロピルシルセスキオキサン、ヒドリドブチルシルセスキ
オキサン、ヒドリドtert−ブチルシルセスキオキサン及びヒドリドフェニル
シルセスキオキサンが含まれる。
したがって、本発明の方法によって生成されるヒドリドシロキサン樹脂は、例
えば、以下の6つの一般式のうちの1つを有し得る。
[H0.5-1.0SiO1.5-1.8]p 式1
[HSiO1.5]n[SiO2]w 式2
[HSiO1.5]n[R1SiO1.5]m 式3
[H0.5-1.0SiO1.5-1.8]n[R1 0.5-1.0SiO1.5-1.8]m 式4
[H0-1.0SiO1.5-2.0]n[R1SiO1.5]m 式5
ここで、
pはその値が約8〜約5000の範囲の整数であり;
n及びwの合計はその値が約8〜約5000の範囲の整数であり;
n及びmの合計は約8〜約5000であり、かつmはその有機置換基が約1〜約
99モルパーセント(モル%)又はそれ以上存在するように選択される。別の態
様においては、mはその有機置換基が約4〜約40モルパーセント(モル%)存
在するように選択される。さらに別の態様においては、mはその有機置換基が約
4〜約20モルパーセント(モル%)存在するように選択される。
[HSiO1.5]x[R1SiO1.5]y[SiO2]z 式6
ここで、
x、y及びzの合計は約8〜約5000であり、かつyはその有機置換基が約1
〜約99モルパーセント(モル%)又はそれ以上存在するように選択される。別
の態様においては、yはその有機置換基が約4〜約40モルパーセント(モル%
)存在するように選択される。さらに別の態様においては、mはその有機置換基
が約4〜約20モルパーセント(モル%)存在するように選択される。
さらなる態様においては、R1は直鎖及び分岐鎖アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、及びそれらの混合物を含む置換及び非置換有機基から選択され
、有機置換基又は炭素含有置換基の具体的なモル%は、出発物質の量の比率の関
数である。
本発明の幾つかの態様において、その生成物は約1〜約20個の炭素を有する
置換及び非置換の直鎖及び分岐鎖アルキル基を有し;その生成物は約4〜10個
の炭素を有する置換及び非置換シクロアルキル基を有し、及びその生成物は約6
〜20個の炭素を有する置換及び非置換アリール基を有する。
例えば、R1がアルキル基である場合、R1には、これらに限定されるものでは
ないが、メチル、クロロメチル及びエチル基、並びに直鎖及び分岐鎖プロピル、
2−クロロプロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル基が含まれる。R1がシク
ロアルキル基である場合、R1には、これらに限定されるものではないが、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、クロロシクロヘキシル及びシクロヘプチル基が含
まれ;Rがアリール基である場合、Rには、これらに限定されるものではないが
、フェニル、ナフチル、トリル及びベンジル基が含まれる。本発明による特定の
オルガノヒドリドシロキサンの特定の炭素含量が、用いられるヒドリドトリハロ
シラン出発物質に対するオルガノトリハロシラン(1種類もしくは複数種類)の
モル比の関数であることは理解されるであろう。
有利なことには、本発明に従う方法によって生じた生成物は、交互に並ぶケイ
素及び酸素原子を含むポリマー主鎖を有するかご型構造を有するポリマーである
。特に、各々の主鎖ケイ素原子は少なくとも3つの主鎖酸素原子と結合して前述
のかご型構造を形成する。本質的に全てのさらなるケイ素の結合は、それが存在
する場合にではあるが、水素並びに式1、2、3、4、5及び6において定義さ
れる有機置換基に対するものだけである。したがって、本発明のポリマーには主
鎖ケイ素原子に結合するヒドロキシル又はアルコキシ基は本質的になく、架橋反
応が抑制される。
対照的に、従来公知のオルガノシロキサン樹脂は主鎖ケイ素原子に結合する高
レベルのアルコキシ基を有し、したがって、シラノール基を形成するかなりの加
水分解が観察された。この加水分解の結果、それらの従来公知の樹脂から形成さ
れる硬化させたままのポリマーフィルムのより高い誘電率はもちろん、これらの
樹脂の溶液の貯蔵寿命の低下が生じた。後者の効果は、望ましくない鎖の伸長及
び架橋によって生じることが報告された。
したがって、本発明の方法は、主鎖ケイ素原子に直接結合する水素及び有機基
のみを提供することにより、ヒドロキシル又はシラノール基の縮合によって生じ
る望ましくない鎖の伸長及び架橋を有利に回避する。結果として、さらなる利益
において、本発明の方法によって生成されるオルガノヒドリドシロキサン樹脂の
溶液の貯蔵寿命は、従来用いられる方法によって生成される類似の樹脂の溶液を
上回ってかなり長期化される。収率
ポリマー成分は、一般に、本発明の方法により、出発物質の約20モル%〜約
90モル%の範囲の量で生成される。特には、生成物は、出発物質の約35〜約
75モル%の範囲の収率で生成される。ポリマーの用途
以下の特徴は非限定的な測定値を含み、これは本発明の新規方法によって生成
される上述のオルガノヒドリドシロキサンポリマー樹脂の特性を説明するもので
ある。用いた測定方法は以下の通りである。
1)フィルム厚(A):フィルム厚はNanometrics,Co.から入手可能な較正
済のNanospecRAFT-Y CTS-102 モデル 010-180 Film Thickness Measurement Sys
temを用いて測定する。各々の試料についてウェハ上の5ヶ所での測定の平均を
フィルム厚として報告する。
2)分子量(MW):分子量は、ポリスチレン標準を参照して、Waters 510ポ
ンプ、Waters 410示差屈折計及びWaters 717オートサンプラーを備える、Waters
Corporation(ミルフォード、MA)製のゲル相クロマトグラフィー(GPC)
系を用いて決定する。用いられる手順はS.Rosenによって“Fundamental Princi
p1es of Polymeric Materials、53-81頁(第2版、1993)”で説明される
ものであり、これは参照することによりここに組み込まれる。
実施例
以下の非限定的な例は本発明の説明に役立つ。
実施例1
アンバーライト−15でHSiCl3を
触媒することによるヒドリドシロキサンの調製
50.59gのアンバーライト−15(湿潤)強酸性巨大網状樹脂、26ml
の38%HCl、及び50mlの変性エタノールを2Lモートン(Morton)フラ
スコに入れた。このフラスコをN2でパージし、425mlのヘキサンを添加し
た。N2ブランケットを確立し、それを反応の残りの間容器上に維持した。15
0mlのヘキサン/50mlのHSiCl3の混合物を1.00ml/分の速度で
、嬬動ポンプを用いて、溶液を攪拌しながら添加した。添加した後、その反応混
合物を一晩攪拌した。その後、その溶液を静置し、#1 Whatmanフィルターを通
す真空濾過により固体を液相から分離した。次に、その2つの液相を分液ロート
に入れ、下層を廃棄した。次いで、上層をフラスコに入れ、25gのK2CO3及
び25gのCaCl2を添加して混合物を形成した。この混合物を一晩攪拌した
後、#1 Whatmanフィルターを通して真空濾過し、固体を除去した。その後、残
りの溶液をロータリーエバポレーターで蒸発させて乾燥させたところ、7.3g
の白色で非常に粘性の物質が残った。GPCによる測定で、重量平均分子量(M
w)は7729であり、数平均分子量平均(Mn)は889であり、かつMw/
Mnの比は8.6943であった。
実施例2
アンバーライト−15で(C2H5O)3SiHを触媒することによるヒドリドシロキサンの調製
52.65gのアンバーライト−15(湿潤)強酸性巨大網状樹脂、25ml
の38%HCl、及び50mlの変性エタノールを2Lモートンフラスコに入れ
た。このフラスコをN2でパージし、425mlのヘキサンを添加した。N2ブラ
ンケットを確立し、それを反応の残りの間容器上に維持した。150mlのヘキ
サン/80mlの(C2H5O)3SiHの混合物を1.00ml/分の速度で、蠕
動ポンプを用いて、溶液を攪拌しながら添加した。添加した後、その反応混合物
を一晩攪拌した。その後、その溶液を静置し、#1 Whatmanフィルターを通す真
空濾過により固体を液相から分離した。次に、その2つの液相を分液ロートに入
れ、下層を廃棄した。次いで、上層をフラスコに入れ、25gのK2CO3及び2
5gのCaCl2を添加した。この混合物を一晩攪拌した後、#1 Whatmanフィ
ルターを通して真空濾過し、固体を除去した。その溶液をロータリーエバポレー
ターで蒸発させて乾燥させたところ、5.86gの白色乾燥物質が残った。GP
Cにより、Mwは243649、Mnは8175、及びMw/Mnは28.70
31と測定された。
実施例3
アンバーライトIRP−64/アンバーリストA−26で
HSiCl3を触媒することによるヒドリドシロキサンの調製
18.24gのアンバーライト−IRP−64弱酸性巨大網状樹脂、20ml
の変性エタノール及び10mlの38%HClを500mlモートンフラスコに
入れた。このフラスコをN2でパージし、250mlのヘキサンを添加した。N2
ブランケットを確立し、それを反応の残りの間容器上に維持した。22mlのH
SiCl3を0.60ml/分の速度で、蠕動ポンプを用いて、溶液を攪拌しなが
ら反応容器に添加した。添加が完了した後、その反応混合物を4時間攪拌した。
、次いで攪拌機を止め、反応混合物を一晩静置した。#4 Whatmanフィルターを
通す真空濾過により固体を液相から分離した。次に、その2つの液相を分液ロー
トに入れ、下層を廃棄した。次いで上層をフラスコに入れ、10.67gのアン
バーリストA−26強塩基性イオン交換樹脂及び19.34gのシリカゲルを添
加した。この混合物を1.5時間攪拌した後、真空濾過して固体を除去した。そ
の溶液をロータターエバポレーターで蒸発させて乾燥させたところ、3.1gの
白色固体物質が残った。GPCにより、Mwは21527、Mnは1540、及
びMw/Mnは13.9755と測定された。
実施例4
ナフィオンNR50強酸性ゲル型樹脂でHSiCl3を触媒することによるヒドリドシロキサンの調製
250mlのヘキサン、20mlの変性エタノール及び9.7gのナフィオン
NR50強酸性ゲル型樹脂を500mlモートンフラスコに入れた。このフラス
コをN2でパージしてN2ブランケットを確立し、それを反応の残りの間容器上に
維持した。6.3mlの脱イオンH2Oをフラスコに添加した。18mlのHSi
Cl3を1.20ml/分の速度で、蠕動ポンプを用いて、溶液を攪拌しながら反
応容器に添加した。添加が完了した後、その反応混合物を4分間攪拌した。、次
いで攪拌機を止め、# 4Whatmanフィルターを通す真空濾過により固体を液相か
ら分離した。次に、その2つの液相を分液ロートに入れ、下層を廃棄した。次い
で上層をフラスコに入れ、60gの4オングストローム・モレキュラーシーブを
添加した。この混合物を時折攪拌しながら3時間静置した後、#1 Whatmanフィ
ルターを通して真空濾過し、固体を除去した。その溶液をロータリーエバポレー
ターで蒸発させて乾燥させたところ、3.73gの白色固体物質が残った。GP
Cにより、Mwは7053、Mnは2118、Mw/Mnは3.3296と測定
された。
実施例5
アンバーリスト−27でHSiCl3を
触媒することによるヒドリドシロキサンの調製
アンバーリスト−27強塩基性巨大網状樹脂を、2床容積の脱イオンH2O、
次いで2床容積の無水メタノールで洗浄することにより調製した。その後、それ
をN2で一晩送風乾燥し、30℃で蒸発させて乾燥を完了した。250mlのヘ
キサン及び18.27gのアンバーリスト−27を500mlモートンフラスコ
に入れ、5分間攪拌した。このフラスコをN2でパージしてN2ブランケットを確
立し、それを反応の残りの間容器上に維持した。次に、20mlの変性エタノー
ル及び6.3mlの脱イオンH2Oをフラスコに添加した。18mlのHSiCl3
を1.20ml/分の速度で、蠕動ポンプを用いて、溶液を攪拌しながら反応容
器に添加した。添加が完了した後、その反応混合物を80分間攪拌した。、次い
で攪拌機を止め、#4 Whatmanフィルターを通す真空濾過により固体を液相から
分離した。次に、その2つの液相を分液ロートに入れ、下層を廃棄した。次い
で上層をフラスコに入れ、65gの4オングストローム・モレキュラーシーブを
添加した。この混合物を時折攪拌しながら2時間静置した後、#3 Whatmanフィ
ルターを通して真空濾過し、固体を除去した。その溶液をロータリーエバポレー
ターで蒸発させて乾燥させたところ、1.85gの白色固体物質が残った。GP
Cにより、Mwは4670、Mnは1310、Mw/Mnは3.5637と測定
された。
実施例6
アンバーリスト−31でHSiCl3を
触媒することによるヒドリドシロキサンの調製
250mlのヘキサン及び18.13gのアンバーリスト−31強酸性ゲル型
樹脂を500mlモートンフラスコに入れ、5分間攪拌した。このフラスコをN2
でパージしてN2ブランケットを確立し、それを反応の残りの間容器上に維持し
た。次に、20mlの変性エタノール及び6.3mlの脱イオンH2Oをフラスコ
に添加した。18mlのHSiCl3を0.85ml/分の速度で、蠕動ポンプを
用いて、溶液を攪拌しながら反応容器に添加した。添加が完了した後、その反応
混合物を60分間攪拌した。、次いで攪拌機を止め、#4 Whatmanフィルターを
通す真空濾過により固体を液相から分離した。次に、その2つの液相を分液ロー
トに入れ、下層を廃棄した。次いで上層をフラスコに入れ、61gの4オングス
トローム・モレキュラーシーブを添加した。この混合物を時折攪拌しながら2時
間静置した後、#2 Whatmanフィルターを通して真空濾過し、固体を除去した。
その溶液をロータリーエバポレーターで蒸発させて乾燥させたところ、6.17
gの白色固体物質が残った。GPCにより、Mwは17062、Mnは3666
、Mw/Mnは4.6548と測定された。
実施例7
モンモリロナイトKSF酸性クレーで
HSiCl3を触媒することによるヒドリドシロキサンの調製
250mlのヘキサン及び18.08gのモンモリロナイトKSF酸性クレー
を500mlモートンフラスコに入れ、5分間攪拌した。このフラスコをN2で
パージしてN2ブランケットを確立し、それを反応の残りの間容器上に維持した
。
次に、20mlの変性エタノール及び6.3mlの脱イオンH2Oをフラスコに添
加した。18mlのHSiCl3を0.85ml/分の速度で、蠕動ポンプを用い
て、溶液を攪拌しながら反応容器に添加した。添加が完了した後、その反応混合
物を45分間攪拌した。、次いで攪拌機を止め、#2 Whatmanフィルターを通す
真空濾過により固体を液相から分離した。次に、その2つの液相を分液ロートに
入れ、下層を廃棄した。次いで上層をフラスコに入れ、61gの4オングストロ
ーム・モレキュラーシーブを添加した。この混合物を一晩静置した後、#2What
manフィルターを通して真空濾過し、固体を除去した。その溶液をロータリーエ
バポレーターで蒸発させて乾燥させたところ、3.06gの固形白色樹脂が残っ
た。GPCにより、Mwは6348、Mnは1929、Mw/Mnは3.291
9と測定された。
実施例8
アンバーライトCG−420/アンバーリスト15で
HSiCl3を触媒することによるヒドリドシロキサンの調製
2LモートンフラスコをN2で一晩パージした。500mlのヘキサン、40
mlの変性エタノール、及び20mlの38%塩酸を36.1gのアンバーライト
CG−420弱塩基性イオン交換樹脂と合わせた。44ml(0.436モル)
のトリクロロシランを0.42ml/分の速度で、蠕動ポンプにより、溶液を攪
拌しながら添加した。添加が完了した後、その反応混合物をさらに3時間攪拌し
た。その溶液を静置した後、ブフナーロートにおいてWhatman #4濾紙を通して
真空により濾過した。濾過ケークを100mlのヘキサンで2回洗浄した。その
溶液を分液ロートに入れ、下層(約10ml)を廃棄した。残りの溶液を62g
のアンバーリスト15強酸性イオン交換樹脂及び60gのシリカゲルと共にフラ
スコに入れた。溶液を1時間攪拌した後、一晩静置した。溶液を重力により縦ひ
だ付きの濾紙を通して濾過し、アンバーリスト/シリカゲル混合物を100ml
のヘキサンで2回洗浄した。溶液をBuchiロータリーエバポレーターで蒸発させ
て乾燥させた。10.3gの白色固体が集められた。算出収率は44.6%であっ
た。GPCにより、Mwは45,278AMU、Mnは6496、及びMw/M
nは6.97と測定された。実施例9
アンバーライトCG−420/アンバーリストA26で
HSiCl3を触媒することによるヒドリドシロキサンの調製
2LモートンフラスコをN2で一晩パージした。500mlのヘキサン、41
mlの変性エタノール、及び20mlの38%塩酸を36.2gのアンバーライ
トCG−420弱塩基性イオン交換樹脂と合わせた。44ml(0.436モル
)のトリクロロシランを1.3ml/分の速度で、蠕動ポンプにより、溶液を攪
拌しながら添加した。添加が完了した後、反応物をさらに3時間攪拌した。溶液
を静置した後、ブフナーロートにおいてWhatman #4濾紙を通して真空により濾
過した。濾過ケークを100mlのヘキサンで3回洗浄した。その溶液を分液ロ
ートに入れ、下層を廃棄した。その溶液の約1/3を20.22gのアンバーリ
ストA−26強塩基性イオン交換樹脂と共にフラスコに入れ、70分間攪拌した
。この溶液をブフナーロートにおいてWhatman #4フィルターを通して真空によ
り濾過し、アンバーリストを50mlのヘキサンで2回洗浄した。その溶液をBu
chiロータリーエバポレーターで蒸発させて乾燥させた。4.6gの白色粉末が集
められた。GPCにより、Mwは75,055AMU、Mnは6786、及びM
w/Mnは11.06と測定された。
実施例10
アンバーライトCG−420/アンバーリストA26CaCl2で
HSiCl3を触媒することによるヒドリドシロキサンの調製
2LモートンフラスコをN2で一晩パージした。500mlのヘキサン、41
mlの変性エタノール、及び20mlの38%塩酸を36.2gのアンバーライ
トCG−420弱塩基性イオン交換樹脂と合わせた。44ml(0.436モル
)のトリクロロシランを1.3ml/分の速度で、蠕動ポンプにより、溶液を攪
拌しながら添加した。添加が完了した後、その反応混合物をさらに3時間攪拌し
た。その溶液を静置した後、ブフナーロートにおいてWhatman #4濾紙を通して
真空により濾過した。濾過ケークを100mlのヘキサンで3回洗浄した。その
溶液を分液ロートに入れ、下層を廃棄した。その溶液の約1/3を15.03g
のアンバーリストA−26強塩基性イオン交換樹脂及び3.51gの塩化カルシ
ウ
ムと共にフラスコに入れた。溶液を60分間攪拌した。この溶液をブフナーロー
トにおいてWhatman #4フィルターを通して真空により濾過し、アンバーリスト
/塩化カルシウム混合物を50mlのヘキサンで2回洗浄して、その溶液をBuch
iロータリーエバポレーターで蒸発させて乾燥させた。3.0gの白色固体が集め
られた。GPCにより、Mwは51,480、Mnは6575、及びMw/Mn
は7.83と測定された。
実施例11
アンバーライトI−6766/アンバーリストA26CaCl2で
HSiCl3を触媒することによるヒドリドシロキサンの調製
500mlモートンフラスコをN2で一晩パージした。250mlのヘキサン
、20mlの変性エタノール、及び10mlの38%塩酸をフラスコ内で合わせ
た。18.2gのアンバーライトI−6766弱塩基性イオン交換樹脂を添加し
、溶液を攪拌した。22ml(0.218モル)のトリクロロシランを0.5ml
/分の速度で、蠕動ポンプにより添加した。添加が完了した後、その反応混合物
をさらに3時間攪拌し、その溶液を静置した後、ブフナーロートにおいてWhatma
n#4濾紙を通して真空により濾過した。濾過ケークを100mlのヘキサンで
2回洗浄した。溶液を分液ロートに入れ、下層(約1ml)を廃棄した。残りの
溶液を18.3gのアンバーリストA−26強塩基性イオン交換樹脂及び18.4
gの塩化カルシウムと共にフラスコに入れた。その溶液を30分間攪拌した後、
さらに12.2gのアンバーリスト及び12.9gの塩化カルシウムを添加した。
攪拌をさらに30分間継続した。溶液をブフナーロートにおいてWhatman #4フ
ィルターを通して真空により濾過し、アンバーリスト/塩化カルシウム混合物を
50mlのヘキサンで2回洗浄した。溶液をBuchiロータリーエバポレーターで
蒸発させて乾燥させた。6.3gの白色固体が集められた。算出収率は54.5%
であった。GPCにより、Mwは33,446AMU、Mnは4005、及びM
w/Mnは8.35と測定された。
実施例12
アンバーライトCG−420/アンバーリストA26CaCl2で
HSiCl3を触媒することによるヒドリドシロキサンの調製
500mlモートンフラスコをN2で一晩パージした。250mlのヘキサン
、20mlの変性エタノール、及び6.3mlの脱イオン水をフラスコ内で合わ
せた。18.2gのアンバーライトCG−420弱塩基性イオン交換樹脂を添加
し、溶液を攪拌した。22ml(0.218モル)のHSiCl3を0.6ml/
分の速度で、蠕動ポンプにより添加した。添加が完了した後、反応物をさらに3
時間攪拌した。その溶液を静置した後、ブフナーロートにおいてWhatman #4濾
紙を通して真空により濾過した。濾過ケークを100mlのヘキサンで2回洗浄
した。溶液を分液ロートに入れが、相分離は観察されなかった。この溶液を30
.1gのアンバーリストA−26強塩基性イオン交換樹脂及び28.9gの塩化カ
ルシウムと共にフラスコに入れ、1時間攪拌した。その溶液をブフナーロートに
おいてWhatman #4フィルターを通して真空により濾過し、アンバーリスト/塩
化カルシウム混合物を100mlのヘキサンで2回洗浄して、溶液をロータリー
エバポレーターで蒸発させて乾燥させた。7.4gの白色固体が集められた。算
出収率は64.0%であった。GPCにより、Mwは36,356、Mnは470
9、及びMw/Mnは7.72と測定された。実施例13
アンバーライトCG−50でHSiCl3を
触媒することによるヒドリドシロキサンの調製
500mlモートンフラスコをN2で一晩パージした。250mlのヘキサン
、20mlの変性エタノール、及び6.3mlの脱イオン水をフラスコ内で合わ
せた。18.05gのアンバーライトCG−50弱酸性イオン交換樹脂を添加し
、溶液を攪拌した。22ml(0.218モル)のトリクロロシランを0.5ml
/分の速度で、蠕動ポンプにより添加した。添加が完了した後、反応物をさらに
45分間攪拌した。溶液を静置した後、ブフナーロートにおいてWhatman #4濾
紙を通して真空により濾過した。濾過ケークを100mlのヘキサンで2回洗浄
した。溶液を分液ロートに入れ、下層を廃棄した。溶液を15.37gのシリカ
ゲルと共にフラスコに入れ、30分間攪拌した。溶液をブフナーロートにおいて
Whatman #4フィルターを通して真空により濾過し、シリカゲルを50mlのヘ
キサンで2回洗浄した。溶液をBuchiロータリーエバポレーターで蒸発させ
て乾燥させた。4.6gの白色固体が集められた。算出収率は39.8%であった
。GPCにより、Mwは11,192、Mnは1930、及びMw/Mnは5.7
1と測定された。
実施例14
アンバーライトI−6766/アンバーライトI−6766で
HSiCl3を触媒することによるヒドリドシロキサンの調製
500mlモートンフラスコをN2で一晩パージした。15.02gのアンバー
ライトI−6766弱塩基性イオン交換樹脂、250mlのヘキサン、20ml
の変性エタノール、及び6.3mlの脱イオン水をフラスコ内で合わせ、溶液を
攪拌した。22ml(0.218モル)のトリクロロシランを0.6ml/分の速
度で、蠕動ポンプにより添加した。添加が完了した後、反応物をさらに95分間
攪拌した。溶液を静置した後、ブフナーロートにおいてWhatman #4濾紙を通し
て真空により濾過した。濾過ケークを100mlのヘキサンで2回洗浄した。溶
液を分液ロートに入れ、下層を廃棄した。溶液を20.33gのドリエライト(D
rierite)と共にフラスコに入れ、10分間攪拌した。3.03gのアンバーライ
トI−6766を添加し、攪拌をさらに15分間継続した。溶液をブフナーロー
トにおいてWhatman #1フィルターを通して真空により濾過し、濾過ケークを5
0mlのヘキサンで2回洗浄した。溶液をBuchiロータリーエバポレーターで蒸
発させて乾燥させた。6.94gの白色固体が集められた。算出収率は60.1%
であった。GPCにより、Mwは28,929、Mnは4150、及びMw/M
nは6.97と測定された。
実施例15 実施例1の生成物のフィルム形成特性
実施例1からの生成物0.9949gを3.0077gのクメンに溶解した。こ
の溶液を3000RPMで20秒間ウェハ上にスパン・オンした後、150℃、
200℃、次いで250℃で各々1分間ベーキングした。この材料は7100オ
ングストロームのフィルムを形成した。
実施例16 実施例5の生成物のフィルム形成特性
実施例5からの生成物1.0088gを1.3357gのヘプタン及び4.01
98gのクメンに溶解した。この溶液を3000RPMで20秒間ウェハ上にス
パン・オンした後、150℃、200℃、次いで300℃で各々1分間ベーキン
グした。この材料は2400オングストロームのフィルムを形成した。
実施例17 実施例7の生成物のウェハ・コーティング特性
実施例7からの生成物0.8850gを0.5903gのMgSO4乾燥ヘプタ
ン、2.2257gのMgSO4乾燥クメン、及び0.4038gの重鉱油に溶解
した。この溶液を3000RPMで20秒間ウェハ上にスパン・オンした後、1
50℃、200℃、次いで300℃で各々1分間ベーキングした。次いで、4L
/分のN2を用いて、ウェハを400℃で1時間硬化させた。この材料は550
0オングストロームのフィルムを形成した。
実施例18 25モルパーセントメチルヒドリドシロキサンの調製
250mlモートンフラスコに濃縮器及びアロー(arrow)1750モーター
に接続された攪拌機を装着した。このフラスコをN2でパージし、反応の間は濃
縮器の頂部からNaOH気体洗浄装置にかけてN2を吹き込んだ。15gのアン
バーライトI−6766イオン交換樹脂触媒、20mlのエタノール、6.3m
lの水、及び250mlのヘキサンをこのフラスコに添加し、攪拌を開始した。
13ml(0.129モル)のトリクロロシラン及び5ml(0.043モル)の
メチルトリクロロシラン(24.9モル%メチルトリクロロシラン)をHDPE
瓶内で一緒に合わせた。このシラン混合物を、蠕動ポンプにより、0.6ml/
分の速度でモートンフラスコに添加した。添加が完了した後、攪拌を90分間継
続した。溶液をブフナーロートにおいてWhatman #4フィルターを通して真空に
より濾過した。溶液を分液ロートに加え、下部の水層を廃棄した。上層を40g
の3Aモレキュラーシーブで2.5時間乾燥させた。溶液をブフナーロートにお
いてWhatman#1フィルターを通して真空により濾過した。溶液をBuchiロータリ
ーエバポレーターを用いて60℃で蒸発させた。5.2gの白色固体が集められ
た。算出収率は53.5%であった。Mwは、GPCにより、4.35の多
分散度で、12,300AMUと測定された。
実施例19 20モルパーセントメチルヒドリドシロキサンの調製
2Lモートンフラスコにドライアイス濃縮器及びアロー1750モーターに接
続された攪拌機を装着した。この反応器を25℃に設定された水浴に入れた。フ
ラスコをN2でパージし、反応の間は濃縮器の頂部からNaOH気体洗浄装置に
かけてN2を吹き込んだ。60.25gのアンバージェット4200(C1)イオ
ン交換樹脂触媒、80mlのエタノール、25mlの水、及び1000mlのヘ
キサンをフラスコに添加し、攪拌を開始した。58ml(0.575モル)のト
リクロロシラン及び17ml(0.145モル)のメチルトリクロロシラン(2
0.1モル%メチルトリクロロシラン)をFEP瓶内で一緒に合わせた。このシ
ラン混合物を、蠕動ポンプにより1/4インチテフロンチューブを通して、8.
0RPMの設定速度でモートンフラスコに添加した。算出添加速度は2.5ml
/分であった。添加が完了した後、攪拌を185分間継続した。溶液をブフナー
ロートにおいてWhatman #4フィルターを通して真空により濾過した。溶液を分
液ロートに加え、下部の水層を廃棄した。上層を171gの4Aモレキュラーシ
ーブで3.5時間乾燥させた。溶液をブフナーロートにおいてWhatman #2フィ
ルターを通して真空により濾過した。溶液をBuchiロータリーエバポレーターを
用いて60℃で蒸発させた。得られたものは25.2gの白色固体であった。算
出収率は62.7%であった。Mwは、GPCにより、13.68の多分散度で、
26,014AMUと測定された。
実施例20 4モルパーセントメチルヒドリドシロキサンの調製
2Lモートンフラスコにドライアイス濃縮器及びアロー1750モーターに接
続された攪拌機を装着した。この反応器を25℃に設定された水浴に入れた。フ
ラスコをN2でパージし、反応の間は濃縮器の頂部からNaOH気体洗浄装置に
かけてN2を吹き込んだ。60.40gのアンバージェット4200(C1)イオ
ン交換樹脂触媒、80mlのエタノール、25mlの水、及び1000mlのヘ
キサンをフラスコに添加し、攪拌を開始した。70ml(0.694モル)のト
リクロロシラン及び3.5ml(0.030モル)のメチルトリクロロシラン(4
.1モル%メチルトリクロロシラン)をFEP瓶内で一緒に合わせた。このシラ
ン混合物を、蠕動ポンプにより1/4インチテフロンチューブを通して、10.
0RPMの設定速度でモートンフラスコに添加した。算出添加速度は2.45m
l/分であった。添加が完了した後、攪拌を60分間継続した。溶液をブフナー
ロートにおいてWhatman #4フィルターを通して真空により濾過した。溶液を分
液ロートに加え、下部の水層を廃棄した。上層を171.53gの4Aモレキュ
ラーシーブで3時間乾燥させた。溶液をブフナーロートにおいてWhatman #1濾
紙を通して真空により濾過した。溶液をBuchiロータリーエバポレーターを用い
て60℃で蒸発させた。得られたものは25.1gの白色固体であった。算出収
率は64.7%であった。Mwは、GPCにより、8.77の多分散度で、22,
094AMUと測定された。
実施例21 20モルパーセントエチルヒドリドシロキサンの調製
1Lジャケット装着反応器にドライアイス濃縮器、アロー850モーターに接
続された攪拌機、及びガラス・ディップ・チューブを装着した。この反応器を2
5℃に設定された再循環水浴に接続した。フラスコをN2でパージし、反応の間
は濃縮器の頂部からNaOH気体洗浄装置にかけてN2を吹き込んだ。60.6g
のアンバージェット4200(C1)イオン交換樹脂触媒、80mlのエタノー
ル、25mlの水、及び1000mlのヘキサンを反応器に添加し、攪拌を開始
した。58ml(0.575モル)のトリクロロシラン及び19ml(0.145
モル)のエチルトリクロロシラン(20.1モル%エチルトリクロロシラン)を
FEP瓶内で一緒に合わせた。このシラン混合物を、蠕動ポンプにより1/4イ
ンチテフロンチューブを通して、11.2RPMの設定速度で反応器に添加した
。算出添加速度は2.2ml/分であった。添加が完了した後、攪拌を120分
間継続した。溶液をブフナーロートにおいてWhatman #4フィルターを通して真
空により濾過した。溶液を分液ロートに加え、下部の水層を廃棄した。上層を1
71gの4Aモレキュラーシーブで3時間乾燥させた。溶液を、ガラスフリット
上に設置された1ミクロンの細孔を有するテフロンフィルムを通して真空により
濾過した。溶液をBuchiロータリーエバポレーターを用いて60℃で蒸発させた
。得られたものは31.0gの白色固体であった。算出収率は73.5%であった
。Mwは、GPCにより、10.27の多分散度で、23,987AMUと測定さ
れた。
実施例22 20モルパーセントプロピルヒドリドシロキサンの調製
2Lジャケット装着反応器にドライアイス濃縮器、アロー6000モーターに
接続された攪拌機、及びガラス・ディップ・チューブを装着した。この反応器を
25℃に設定された再循環水浴に接続した。フラスコをN2でパージし、反応の
間は濃縮器の頂部からNaOH気体洗浄装置にかけてN2を吹き込んだ。59.5
gのアンバージェット4200(C1)イオン交換樹脂触媒、80mlのエタノ
ール、25mlの水、及び1000mlのヘキサンを反応器に添加し、攪拌を開
始した。58ml(0.575モル)のトリクロロシラン及び21.5ml(0.
145モル)のプロピルトリクロロシラン(20.1モル%プロピルトリクロロ
シラン)をFEP瓶内で一緒に合わせた。このシラン混合物を、蠕動ポンプによ
り1/4インチテフロンチューブを通して、11.0RPMの設定速度で反応器
に添加した。算出添加速度は2.3ml/分であった。添加が完了した後、攪拌
を120分間継続した。溶液をブフナーロートにおいてWhatman #4フィルター
を通して真空により濾過した。溶液を分液ロートに加え、下部の水層を廃棄した
。上層を170.5gの4Aモレキュラーシーブで3.5時間乾燥させた。溶液を
、ガラスフリット上に設置された1ミクロンの細孔を有するテフロンフィルムを
通して真空により濾過した。溶液をBuchiロータリーエバポレーターを用いて6
0℃で蒸発させた。得られらものは35.8gの白色固体であった。算出収率は
81.0%であった。Mwは、GPCにより、7.49の多分散度で、17,84
0AMUと測定された。
実施例23 20モルパーセントn−ブチルヒドリドシロキサンの調製
1Lジャケット装着反応器にドライアイス濃縮器、アロー6000モーターに
接続された攪拌機、及びガラス・ディップ・チューブを装着した。この反応器を
25℃に設定された再循環水浴に接続した。フラスコをN2でパージし、反応の
間は濃縮器の頂部からNaOH気体洗浄装置にかけてN2を吹き込んだ。59.9
gのアンバージェット4200(C1)イオン交換樹脂触媒、80mlのエタノ
ール、25mlの水、及び1000mlのヘキサンを反応器に添加し、攪拌を開
始した。58ml(0.575モル)のトリクロロシラン及び24ml(0.14
5モル)のn−ブチルトリクロロシラン(20.2モル%n−ブチルトリクロロ
シラン)をFEP瓶内で一緒に合わせた。このシラン混合物を、蠕動ポンプによ
り1/4インチテフロンチューブを通して、7.0RPMの設定速度で反応器に
添加した。算出添加速度は2.3ml/分であった。添加が完了した後、攪拌を
120分間継続した。溶液をブフナーロートにおいてWhatman#4フィルターを
通して真空により濾過した。溶液を分液ロートに加え、下部の水層を廃棄した。
上層を171.6gの4Aモレキュラーシーブで3時間乾燥させた。溶液を、ガ
ラスフリット上に設置された1ミクロンの細孔を有するテフロンフィルムを通し
て真空により濾過した。溶液をBuchiロータリーエバポレーターを用いて60℃
で蒸発させた。得られたものは38.1gの透明な粘性液体であった。算出収率
は82.4%であった。Mwは、GPCにより、6.45の多分散度で、16,0
22AMUと測定された。
実施例24 20モルパーセントシクロヘキシルヒドリドシロキサンの調製
2Lジャケット装着反応器にドライアイス濃縮器、アロー6000モーターに
接続された攪拌機、及びガラス・ディップ・チューブを装着した。この反応器を
25℃に設定された再循環水浴に接続した。フラスコをN2でパージし、反応の
間は濃縮器の頂部からNaOH気体洗浄装置にかけてN2を吹き込んだ。60.2
gのアンバージェット4200(C1)イオン交換樹脂触媒、80mlのエタノ
ール、25mlの水、及び1000mlのヘキサンを反応器に添加し、攪拌を開
始した。59ml(0.585モル)のトリクロロシラン及び26ml(0.14
7モル)のシクロヘキシルトリクロロシラン(20.1モル%シクロヘキシルト
リクロロシラン)をFEP瓶内で一緒に合わせた。このシラン混合物を、蠕動ポ
ンプにより1/4インチテフロンチューブを通して、11.0RPMの設定速度
で反応器に添加した。算出添加速度は2.7ml/分であった。添加が完了した
後、攪拌を120分間継続した。溶液をブフナーロートにおいてWhatman #4フ
ィルターを通して真空により濾過した。溶液を分液ロートに加え、下部の水層を
廃棄した。上層を172.1gの4Aモレキュラーシーブで5時間乾燥させた。
溶液を、ガラスフリット上に設置された1ミクロンの細孔を有するテフロンフィ
ルムを通して真空により濾過した。溶液をBuchiロータリーエバポレーターを用
いて60℃で蒸発させた。得られたものは42.33gの白色固体であった。算
出収率は83.3%であった。Mwは、GPCにより、7.18の多分散度で、1
2,721AMUと測定された。
実施例25 20モルパーセントフェニルヒドリドシロキサンの調製
1Lジャケット装着反応器にドライアイス濃縮器、アロ−6000モーターに
接続された攪拌機、及びガラス・ディップ・チューブを装着した。この反応器を
25℃に設定された再循環水浴に接続した。フラスコをN2でパージし、反応の
間は濃縮器の頂部からNaOH気体洗浄装置にかけてN2を吹き込んだ。60.2
gのアンバージェット4200(C1)イオン交換樹脂触媒、80mlのエタノ
ール、25mlの水、及び1000mlのヘキサンを反応器に添加し、攪拌を開
始した。58ml(0.575モル)のトリクロロシラン及び23ml(0.14
4モル)のフェニルトリクロロシラン(20モル%フェニルトリクロロシラン)
をFEP瓶内で一緒に合わせた。このシラン混合物を、嬬動ポンプにより1/4
インチテフロンチューブを通して、7.0RPMの設定速度で反応器に添加した
。算出添加速度は2.03ml/分であった。添加が完了した後、攪拌を120
分間継続した。溶液をブフナーロートにおいて Whatman#4フィルターを通して
真空により2回濾過した。溶液を分液ロートに加え、下部の水層を廃棄した。上
層を171.3gの4Aモレキュラーシーブで一晩乾燥させた。溶液を、ガラス
フリット上に設置された20ミクロンの細孔を有するテフロンフィルムを通して
真空により濾過した。その後、溶液を、ガラスフリット上に設置された5ミクロ
ンの細孔を有するテフロンフィルムを通して真空により濾過した。溶液をBuchi
ロータリ一エバポレーターを用いて60℃で蒸発させた。得られたものは22.
2gの白色固体であった。算出収率は45.3%であった。Mwは、GPCによ
り、37.92の多分散度で、77,827AMUと測定された。
実施例26 20モルパーセントt−ブチルヒドリドシロキサンの調製
2Lジャケット装着反応器にドライアイス濃縮器、アロー6000モーターに
接続された攪拌機、及びガラス・ディップ・チューブを装着した。この反応器を
25℃に設定された再循環水浴に接続した。フラスコをN2でパージし、反応の
間は濃縮器の頂部からNaOH気体洗浄装置にかけてN2を吹き込んだ。60.7
7gのアンバージェット4200(C1)イオン交換樹脂触媒、80mlのエタ
ノール、25mlの水、及び1000mlのヘキサンを反応器に添加し、攪拌を
開始した。58ml(0.575モル)のトリクロロシラン及び27.84ml(
0.145モル)のt−ブチルトリクロロシラン(20.2モル%t−ブチルトリ
クロロシラン)をFEP瓶内で一緒に合わせた。このシラン混合物を、蠕動ポン
プにより1/4インチテフロンチューブを通して、12.3RPMの設定速度で
反応器に添加した。添加が完了した後、攪拌を120分間継続した。溶液をブフ
ナーロートにおいて Whatman#4フィルターを通して真空により濾過した。溶液
を分液ロートに加え、下部の水層を廃棄した。上層を172.1gの4Aモレキ
ュラーシーブで3時間乾燥させた。溶液を、ガラスフリット上に設置された1ミ
クロンの細孔を有するテフロンフィルムを通して真空により濾過した。溶液をBu
chiロータリーエバポレーターを用いて60℃で蒸発させた。得られたものは3
5.35gの白色ゲルであった。算出収率は76.5%であった。Mwは、GPC
により、4.51の多分散度で、11,379AMUと測定された。実施例27 結果及び考察
表1−実施例番号毎の結果及び触媒 NAは利用できないデータを示す。
熟練者は、上記表1によってまとめられるこれらの実施例のデータから、広範
囲のMw、Mn及び多分散特性が本発明の固体状態触媒によってもたらされるこ
とを認めるであろう。特に、電子用ウェハをコーティングするための樹脂ポリマ
ーを提供するという目的にとって最良の結果が、弱塩基性イオン交換樹脂、例え
ば例示されるアンバージェット4200によってもたらされる。
上記例によってもたらされるデータにより、広範囲の固体及びゲル物質がシラ
ン前駆体の重合を触媒し、例えば、所望のヒドリドシロキサン及びオルガノヒド
リドシロキサンポリマーを生じるという予期せざる結果が確証される。
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月21日(1999.10.21)
【補正内容】
請求の範囲
1.ヒドリドシロキサン及びオルガノヒドリドシロキサン樹脂を調製するため
の方法であって、
a.炭化水素溶媒、アルコール及び水を含む反応混合物の存在下において、シ
ランモノマーを、固体状態触媒と、前記シランモノマーをヒドリドシロキサン及
びオルガノヒドリドシロキサンに触媒的に転化するのに有効な条件下で、接触さ
せる工程;及び、
b.前記生成したヒドリドシロキサン及びオルガノヒドリドシロキサンを回収
する工程
を含む方法。
2.炭化水素溶媒、アルコール及び水が二相溶媒系を形成する、請求項1の方
法。
3.生成される生成物が、
[H0.5-1.0SiO1.5-1.8]p;
[HSiO1.5]n[SiO2]w;
[HSiO1.5-1.0]n [R1SiO1.5]m;
[H0.5-1.0SiO1.5-1.8]nR1 0.5-1.0SiO1.5-1.8]m;
[H0-1.0SiO1.5-2.0]n[R1SiO1.5]m
(式中、
pは、約8〜約5000の範囲の整数であり;
n及びwの合計は、約8〜約5000の範囲の整数であり;
n及びmの合計は、約8〜約5000の範囲の整数であり;
mは、有機置換基が約1〜約99の範囲のモルパーセントで存在するように選
択され;そして
R1は、直鎖アルキル、分岐鎖アルキル、シクロアルキル及びアリールからな
る群より選択される基である。)
からなる群より選択される式により表される、請求項1の方法。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY,
DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I
T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,CN,I
L,JP,KR,RU,SG
(72)発明者 レッファーツ,スコット
アメリカ合衆国カリフォルニア州94086,
サニーベイル,ノース・サニーベイル・ア
ベニュー 188