JP2000509115A - 製紙用パルプの製造方法 - Google Patents

製紙用パルプの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 繊維材料を含浸させるステップと、含浸させた繊維材料を煮沸するステップとを統合することにより、製紙用パルプを連続的に製造する方法。ただし、煮沸ステップは、高硫化度の白液を含む蒸解液を用いて開始される。本発明によれば、この方法には、アルカリ金属の重炭酸塩とアルカリ金属の硫化水素化物とを含んでなる液を用いたタンク(1)中での繊維材料の前処理が含まれる。前処理液は減圧下で繊維材料と接触させるが、この際、減圧下に晒し、更に熱に暴露するものとし、前記の化合物は元の位置にH2S、CO2、およびアルカリ金属の炭酸塩を形成し、形成されたH2SおよびHS-の一部分は繊維材料により吸収されるかまたは繊維材料中に拡散し、一方、CO2はタンクから回収される。前処理中に、前記のアルカリ金属の炭酸塩を含む液が形成されるが、この液は、繊維材料から回収される。

Description

【発明の詳細な説明】 製紙用パルプの製造方法 本発明は、繊維材料を含浸させるステップと、含浸させた繊維材料を煮沸する ステップとを含む複数の処理ステップを統合することによってセルロース繊維材 料の製紙用パルプを連続法で製造する方法に関するが、ただし、該煮沸ステップ は、高硫化度の白液を含む蒸解液を用いて並行蒸解ゾーン中で開始される。 白液は、活性蒸解薬品である水酸化ナトリウムNaOHと硫化水素ナトリウム NaHSとの水溶液から成る。白液中のアルカリは、リグニンとの反応およびセ ルロースやヘミセルロースなどの炭水化物との反応により、蒸解処理中に消費さ れる。白液の硫化度は、硫酸塩工場のいくつかの異なる状況に依存するが、白液 の硫化度を増大させることが一般的な目標となっている。硫化度は、様々な環境 保護対策を講じることにより、例えば、工場の化学系の密閉度を増大させること により、更に、種々のガス排出物から硫黄を回収することにより増大させること ができる。このようにすると、硫化度を約30%から約45%に増大させることがで きる。硫化度は重要なプロセス変数であり、従って、研究の方向は、硫化度を更 に増大させる方向に向いている。蒸解液中の硫化水素イオンHS-が増大すると 、蒸解処理が迅速化し、パルプの収率が増大し、更に、パルプの品質が向上する 。なぜなら、この硫化水素イオンは、ヒドロキシルイオン以外の反応経路を介し てリグニンと反応することができ、結果として、脱リグニンがより迅速に起こり 、炭水化物への攻撃が低下するからである。 SE-9202996-6には、脱リグニンを行う前に、回収された硫化水素を添加して 木材チップの含浸を行うことが可能であるとの提案がなされている。しかしなが ら、加圧下のチップ床に極めて毒性のあるガスを添加することには問題があるた め、このような添加を行うことは難しい。また、含浸後に過剰の硫化水素に対処 することも難しい。 米国特許第3,841,962号には、残存するNaHSおよびNaOHを得るために 緑液から内容物Na2CO3の結晶化および分離を行うことにより緑液を原料とし て形成された液でチップを前処理する方法が記載されている。これは前処理タン クに供給されるが、この際にCO2もまた添加され、これにより炭酸塩化を行い 、元の位置にNaHCO3およびH2Sを形成する。前処理を行った後、残存物N aHCO3ならびに溶解したH2SおよびCO2を含む液を回収する。問題はこの 液を廃棄することである。前処理液は、生成したばかりの緑液から調製されるが 、このためには、Na2CO3を分離する処理、およびそれに続くCO2の添加が 必要である。この方法では、処理段階で所望の過剰なH2Sを得ることが制限さ れる。 白液の硫化度の増大を制限する因子は、蒸解薬品を回収するためにソーダボイ ラを使用すること、およびソーダボイラから得られた溶融体より形成された緑液 を苛性化する必要があることである。 高硫化度、すなわち、水酸化ナトリウムの含有量よりも硫化水素の含有量の方 が多い白液を、苛性化を必要とすることなく蒸発用反応器から直接に得る方法が 、SE-B-468600により公知となっている。この手順に従えば、硫化水素は、反 応器からガスを抽出するステップより回収され、黒液の熱分解時に存在させるべ く反応器に戻される。このようにすると、次の平衡反応 がかなり右側に移行してNa2CO3の生成が抑制されるような高い分圧が、硫化 水素によってガス化段階で得られる。生成したNa2Sは水中で解離してNaO HとNaHSになる。ガス抽出ステップからの硫化水素の回収は、例えば、N- メチルピロリドンまたはメチルジ-エチルアミンなどの外部吸収用薬品と共にガ スをガススクラバに通し、選択的に吸収させて再生することにより行われる。こ のような外部薬品が必要なことは、この手順の欠点であり、更に、この手順には 、吸収用薬品から硫化水素を分離するための再生ステップが必要である。 本発明の目的は、硫黄を含有する化合物を用いて繊維材料の前処理を改良する とともに、できるかぎり高い硫化度を有する蒸解液を使用することにより蒸解の 開始時の選択性を改良することである。 本発明のもう1つの目的は、硫黄を含有する化合物を用いて繊維材料の前処理 を改良し、種々の処理ステップの全体的な統合を可能にすることによって、CO の処理ステップ用の活性溶液を形成すべく薬品の回収および調製が行えるように することである。 本発明に係る方法は、反応成分としてアルカリ金属の重炭酸塩およびアルカリ 金属の硫化水素化物を含有するがアルカリ金属の水酸化物を含有しない液を用い たタンク中での繊維材料の統合化された前処理を含み、かつこの前処理液を減圧 下で繊維材料と接触させることを特徴とするが、この方法では、最初にこの減圧 下での接触を行い、続いて熱に暴露し、反応成分から元の位置にH2S、CO2、 およびアルカリ金属の炭酸塩を形成し、形成されたH2SおよびHS-の一部分を 繊維材料により吸収しかつ繊維材料中に拡散させ、一方、容器からCO2を回収 し、更に、この前処理において形成された実質的に該アルカリ金属の炭酸塩を含 有してなる液を繊維材料から回収する。 高硫化度の白液は、一般的には、本発明に係る方法において、従来の白液にH2 Sガスを吸収させるかまたは白液に元素の硫黄を添加してポリスルフィドを形 成することにより蒸解段階用として製造することができる。 緑液、例えば、低硫化度の緑液は、第2の蒸解ゾーンに添加することができる 。本発明は、このような低硫化度の緑液を製造する有利な方法を提供する。 前処理液は、一般的には、緑液にH2Sおよび同時吸収用としてより少量のC O2を選択的に吸収させ、次の反応に従ってNaHCO3およびNaHSを得るこ とにより、製造することができる。 NaHCO3およびNaHS: こうした処理用の薬品の活性液を製造するために、処理時の廃液および廃ガス から薬品およびエネルギーを回収する処理ステップを含めることが好ましい。 好ましくは、アルカリ金属の炭酸塩を含有する液の少なくとも一部分を回収ス テップに送り、廃液のガス化の際に形成されたH2Sを含有する燃焼ガスと接触 させ、前記の組成を有する前処理液を製造し、これを前処理ステップへ送る。 好ましくは、この処理時に過剰のH2Sを形成し、高硫化度の白液の製造にお いて廃液の前記第1の部分のガス化時に存在させるべく本プロセスの回収ステッ プに送る。 本プロセスにおいて脱リグニン化繊維材料から回収された廃液の第2の部分は 、好ましくは、燃焼ガスおよび低硫化度の緑液を形成するためにガス化される。 この緑液の第1の部分は、好ましくは、第2の蒸解ゾーン中に存在させるべく 蒸解処理に送られる。低硫化度を有する緑液の該第1の部分は、亜硫酸化合物と 接触させて硫黄に富んだ緑液とし、第2の蒸解ゾーンおよび/または第2の蒸解 ゾーンの下流にある他の蒸解ゾーンに存在させるべく蒸解処理に供給することが できる。緑液は、硫化水素またはポリスルフィドと好適に接触させることができ る。硫化水素は、前記の前処理から、および/または燃焼ガスが供給される吸収 用薬品入りのガススクラバから、好ましくは高硫化度を有する白液を製造するた めの廃液の前記ガス化から得ることも可能である。このポリスルフィドは、液体 硫黄とそれに吸収させたH2Sとから形成するか、または液体硫黄と、高硫化度 の白液を製造するための廃液の前記ガス化により得られたNa2Sとから形 成することができるが、ただし、前記の液体硫黄はClaus装置中で形成されるも のとし、しかもこの装置中では、H2Sから元素の硫黄への転化が行われるとと もに、この装置へは、前記の前処理から、および/または燃焼ガスが供給される 吸収用薬品入りのガススクラバから、好ましくは高硫化度を有する白液を製造す るための廃液の前記ガス化から、H2Sを含有するガスが供給されるものとする 。 好ましくは、前記の緑液の第2の部分を、廃液のガス化時に形成されたH2S を含有する燃焼ガスと接触させ、前記の組成の前処理液を形成し、これを前記の 前処理段階へ送る。 白液は、40%を超える硫化度、好ましくは70%を超える硫化度を有する。 本プロセスで使用される従来タイプの緑液は、NaOHとして計算した場合に 約30g/lの含有量のNaHSを有するが、増大させた圧力下で前記のガス化によ り形成された低硫化度の緑液は、結果として反応の平衡がずれるため、約9〜15g /lの含有量のNaHSを有する。 処理液は、薬品の含有率が80%を超える量、好ましくは90%を超える量でNa HCO3およびNaHSを含有し、残りは実質的にNa2CO3から成る。 本発明に係る方法によれば、ソーダボイラを必要とすることなく、また苛性化 のための装置を必要とすることなく、従って、複雑なカルシウムサイクルを必要 とすることなく、含浸および蒸解の処理ステップ用の薬品を形成することができ る。回収ステップなどの処理ステップで形成されたCO2は、カルシウム処理を 用いずに、すなわち、燃焼ガスを用いた簡単なストリッピングにより、系から除 去される。ソーダボイラを備えた従来のシステムや苛性化処理を利用しないこと が好ましいが、蒸解釜に添加される薬品を回収するためのにこのようなシステム を使用することは、本発明の範囲内に含まれる。 好ましい実施態様によれば、アルカリ金属の重炭酸塩およびアルカリ金属の硫 化水素化物に関して計算した場合、繊維材料を前処理するために供給される前処 理液の量は、現行の処理条件下において、制御された大過剰のH2Sが前処理時 に形成され、しかも制御されかつ増大された分圧で廃液のガス化時に存在させる べく前記の回収処理に送られるように決められる。 従って、本発明に係る前処理液は、実質的にNa2CO3と少量の溶解した木材 とを含有した再循環液から製造されるが、このとき、H2Sの選択的な吸収を行 うために少量のNaHSを有する緑液の添加が必要となる。混合された適合液ま たはそれぞれ個々の適合液を用いたいくつかのステップでこうした吸収を行うこ とができるが、この場合には、選択的にH2Sを吸収し、CO2の同時吸収をでき るかぎり少なくするようにデザインする。ガス−液体用の接触装置は、好ましく は、前処理ステップのpH値を制御可能にすべくH2Sの吸収とCO2の吸収との 比が予め決められた値になるように、連続的に向流方式で多段階接触させるよう にデザインする。この目的のために、大きな面積を提供してガス中での良好な混 合を可能にする小滴の形態で噴霧された液が使用される。きわめて短い接触時間 で、好ましくは0.1〜0.01秒の接触時間で、H2Sの最良の選択性(CO2の同時吸 収)が得られる。 本発明の更なる実施態様において、硫黄に富んだ廃液を得るべくH2Sが廃液 によって選択的に吸収されるように、H2Sを含有したガスを廃液と接触させる 。このような廃液は、蒸解部門から部分的に蒸発させた廃液および/または漂白 部門から部分的に蒸発させた廃液である黒液から成っていてもよいが、好ましく は、廃液はアルカリ性である。H2Sを含有したガスは、好適には、前記の前処 理から得られる。このガスはまた、高硫化度を有する白液を生成する廃液の前記 ガス化および/または低硫化度の緑液を生成する廃液のガス化により得られる燃 焼ガスから成っていてもよい。好適には、黒液を得るために、硫黄に富んだ部分 的に蒸発させた廃液を完全に蒸発させる。 硫黄に富んだ黒液をガス化させて、高硫化度を有する白液および/または低硫 化度の緑液を形成することが有利な場合もある。また、前記の前処理の前にまた は前処理と関連させて硫黄に富んだ廃液で繊維材料を処理することが有利である が、この場合には、この処理のための廃液を繊維材料から回収して、直接にまた は蒸発させた後でガス化を行う。 図面を参照して以下で本発明を更に詳細に説明する。 図1は、実際の処理ステップを全体的に統合した製紙用パルプ製造用の処理ラ インのフローチャートを略図で示している。 図1を参照すると、前処理、含浸、蒸解、および回収の各ステップを全体的に 統合して、セルロース繊維材料から、特に木材から製紙用パルプを製造するため の処理ラインのフローチャートが略図で示されている。必要な場合には、この全 統合系の処理ステップとして漂白ステップが含まれていてもよいが、この場合に は、回収ステップで蒸発させた廃液は、部分的に、パイプ27を介して供給される 漂白部門からの廃液から成っていてもよい。後者の場合、前処理容器から回収さ れたNa2CO3をパイプ28によって輸送して別に苛性化を行った後で、漂白部門 で必要となるNaOHの原料として供給することもできる。前処理はタンク1中 で行われ、含浸および蒸解はタンク2中で行われる。黒液の蒸発は、第1の反応 器3および第2の反応器4の中で行われる。 チップは、装置5によって前処理タンクの上部に仕込まれる。前処理タンク中 の温度は、70〜170℃の範囲内、好ましくは90〜120℃の範囲内にある。前処理液 は、パイプ6を介して前処理タンク1の上部に導入されるが、この前処理液には 、反応成分としてNaHCO3およびNaHSだけが含まれ、ヒドロキシルイオ ンは含まれない。なぜなら、ヒドロキシルイオンは、生成する重炭酸ナトリウム と反応し、本発明の目的に対しては望ましくないからである。パイプ6中の前処 理液は、比較的高い圧力、典型的には約25バールの圧力を有する。前処理タンク 1中の圧力は、0.5〜8バールの範囲内、好ましくは1〜5バールの範囲内にある。 前処理液が前処理タンクに入るとき、膨張してガスになり、次の反応を介して炭 酸塩の形成を開始する。 2SおよびH2Oが生成するおかげで、チップ懸濁液において、ほぼ中性また は弱酸性のpH値が得られる。pH値は、一般的には、4〜8の範囲内、好ましく は5〜7の範囲内にある。 反応は、すべてのまたは実質的にすべての硫化水素ナトリウムおよび重炭酸ナ トリウムがNa2CO3に転化されるまで続けられる。タンク中で発生するCO2 および過剰のH2Sは、パイプ7を介して送出される。こうしてH2SおよびHS- が、チップの外側だけでなく、有利にチップの内側でも元の位置に形成される 。硫化水素およびHS-の一部分は、それぞれ吸収および拡散によりチップ中に 浸透する。従って、この前処理において、硫化水素イオンがヒドロキシルイオン よりも多く提供されるが、これは特に価値がある。なぜなら、ヒドロキシルイオ ンは、リグニンに対するよりも炭水化物に対してより大きな攻撃性をもつからで ある。前記の前処理中にOH-が抑制され、かつHS-がリグニンに対して選択的 に作用するので、品質および収率が向上するという価値ある結果が得られる。前 処理の継続時間は、10分間よりも長く、好ましくは20分間を超える。酸性チップ は、生成した炭酸ナトリウムにより緩衝されるが、このとき、次の反応に従って ヒドロキシルイオンの方向に平衡がずれる。 炭酸塩を含有した液は、タンク1の下部で回収され、パイプ13を介して供給され る。この方法で処理されたチップは、タンク2の上側部分から回収された液の助 けをかりてパイプ9を介してタンク1の底部からタンク2の上部に移送され、更 に、パイプ10を介してタンク1の底部に再循環される。パイプ8は、高硫化度の 白液を供給するためにパイプ10に連結されている。蒸解液を用いたチップの含浸 は、タンク2の上側部分で起こるが、この後に、典型的には約165℃の蒸解温度 を有する並行蒸解ゾーンが続く。液/チップの比は、従来の値の範囲内にあり、 典型的には、約4:1である。ガスの回収は、タンク2の上部におい て、第1のタンクからのパイプ7と連結されたパイプ26を介して従来の方法で行 うことができる。このほか、パイプ26を取り去ることも可能である。廃液は蒸解 ゾーンの後で回収し、パイプ11を介してフラッシングおよび蒸発用の装置(図示 せず)に供給される。廃液の回収の後に第2の蒸解ゾーンが続くが、このゾーン では、約160〜165℃の温度において向流方式でチップの脱リグニン化を継続する ために、低硫化度の緑液、すなわち、NaOH、NaHS、およびNa2CO3が パイプ12を介してタンク2に導入される。タンク2の下側部分には炭酸ナトリウ ムでチップを緩衝するためのゾーンがある。この目的のために、前記の前処理時 に得られた炭酸塩の一部分を利用すべくパイプ13とタンク2との間にパイプ14が 配置される。脱リグニン化されたチップは、従来の方法で処理を継続するために パイプ15を介して供給される。 本プロセスの種々のステップから得られた廃液およびガスから薬品およびエネ ルギーを回収するための装置およびこれらの薬品の処理液を調製するための装置 が提供されるが、これらの装置には、図示された実施態様において、高硫化度の 白液を製造するための反応器3と、低硫化度の緑液を製造するための反応器4と 、更に、前記のフラッシング装置と、蒸発装置とが含まれる。H2Sを含有した 燃焼ガスを記載の炭酸塩の液および低硫化度の緑液と接触させるために、反応器 3、4中で生成したガスは、それぞれパイプ18および22を介してそれぞれ液体−ガ ス用のデバイス(例えば、吸収装置)19および21に連結される。蒸発によってより 乾燥した固形分を形成させた後、タンク2から回収された廃液は、予め決められ た方法でパイプ16、17を介して反応器3、4に分配される。 硫化水素を含有するガスは、パイプ7を介してタンク1から反応器3に供給さ れる。黒液は、実質的にNa2Sから成る溶融体と硫化水素を含有する燃焼ガス とを形成するために、減圧下かつH2Sの存在下で反応器3中においてガス化さ れる。反応器3は、比較的低圧の約1.5〜6バールで、好ましくは2〜4バールで操 作され、H2Sの供給は、このガスに対する分圧が増大し、その結果、次の平衡 反応 が右側にかたよってNa2CO3の生成が抑制されかつNa2Sの生成が促進され るように設定される。Na2Sの溶融体は冷却され、高硫化度の白液NaOHお よびNaHSを形成するために、好適な液に溶解される。生成した白液は、パイ プ8を介してタンク1の底部に供給される。接触装置19中で、炭酸ナトリウムお よび低硫化度の緑液は、選択的に硫化水素と反応し、またより少量の二酸化炭素 と反応し、NaHCO3およびNaHSを含有する溶液を形成する。重炭酸ナト リウムと硫化水素ナトリウムとの溶液は、上述したようにチップを前処理するた めに、特定の圧力および温度でパイプ25および6を介して前処理タンク1に供給 される。必要な場合には、高圧を得るためにパイプ25中にポンプ(図示せず)を配 置してもよい。 硫黄を含有した燃焼ガス(これは冷却される)を製造するために、およびNa2 CO3と、Na2Sと、NaOHとの溶融体(これは、パイプ20を介して供給され る緑液NaOH、NaHS、およびNa2CO3と、硫化水素を含有する燃焼ガス とを形成するために液中に溶解され、更に冷却される)を製造するために、黒液 は反応器4中において減圧下でガス化される。反応器4から得られる緑液は、従 来の緑液よりも低い含有率のNaHSを有する。なぜなら、蒸発中の現行の動作 圧力では、残留硫黄はH2Sとして燃焼ガス中に存在するからである。この緑液 の第1の部分はパイプ12を介して容器2に送られ、一方、第2の部分は、パイプ 13およびパイプ23を介して液−ガス用の接触装置19、21に送られ、タンク1から 回収された炭酸ナトリウムと混合される。これらの接触装置19、21において、反 応器3、4から得られたH2Sを含有するガスは、各処理液と接触し−交互にかつ 独立して−、その結果、重炭酸ナトリウムと硫化水素ナトリウムとを含有する溶 液を形成する。これらの溶液は、パイプ24および25を介して送出され、更に混合 されて、高圧(典型的には25バール)かつ高温で共通のパイプ6を通ってタンク1 に送られ、ここで液が膨張して圧力が低下する。 反応器3、4中のガス化温度は、500〜1600℃の範囲内、好ましくは700〜1300℃ の範囲内、最も好ましくは800〜1000℃の範囲内にある。これらの反応器中にお いて、黒液は、分解時に形成される物質を完全に酸化するために理論的に必要と なる量のほぼ0から80%まで、好ましくは60%までに相当する量で純粋な酸素ガ スまたは酸素含有ガスを供給することにより減圧下で熱分解される。 必要な場合には、タンク2のうちで蒸解液中のHS-含有量が少ないゾーンに アントラキノンをに添加してもよい。この場合、アントラキノン供給用のパイプ は、緑液用のパイプ12および/または炭酸ナトリウム用のパイプ14と連結させて もよい。 また、反応器3において溶融体の冷却および溶解ならびにガスの冷却を行うべ く使用可能な凝縮液を凝縮させるために、パイプ7中に好適な装置(図示せず)が 配設される。 木材から本プロセスに混入した異物を分離するために、パイプ13および20の片 方または両方に好適な分離装置が配置される。 前処理、含浸、および蒸解の処理ステップは、1つの共通のタンクまたは別々 のタンクの中で行ってもよい。また、炭酸塩を回収した後で含浸液を用いた含浸 が行えるように、前処理タンクを下方に延在させてもよい。 また、容量上の都合で、または異なる硫化度を有する白液を得るために、2つ 以上の反応器中で白液の製造を行ってもよい。 緑液の製造と、重炭酸ナトリウムおよび硫化水素ナトリウムを含有する前処理 液の製造とを別々に行うために、黒液の第2の部分をパイプ17を介して分割し、 2つ以上の反応器に供給することもできる。2つの別々の液浴を備えた1つの共 通の反応器中でこれらの2つの液を得ることも可能であるが、この場合は、反応 器中で生成したガスを一方の液浴に通して炭酸水素ナトリウムおよび硫化水素ナ トリウムを形成する。 種々の蒸発ステップへの黒液の分配は、液ストックの硫化度に依存する。黒液 の10〜60%、好ましくは20〜40%は第1の蒸発ステップ、すなわち、反応器3 に供給され、一方、残りは反応器4に供給される。 ガス−液用の接触デバイスをH2SおよびCO2用のパイプ7中に配置し、黒液 用のパイプ16をこの接触デバイスに連結させることが有利であるが、この場合、 H2SおよびCO2を含有するガスは、H2Sが選択的に黒液によって吸収される ように黒液と接触させ、一方、CO2は、別のパイプを介して回収することがで きる。こうして得られた硫黄に富んだ黒液は、実質的にNa2Sから成る溶融体 を形成するために、ガス化用の反応器3に送られる。黒液の代わりに、蒸解から 部分的に蒸発させた廃液を前記の接触デバイスに供給し、その後で、得られたH2 Sに富んだ廃液を蒸発プラント中の最終の蒸発へ送って黒液を形成し、続いて これを反応器3へ送ることもできる。 蒸解から得られた廃液は、燃焼ガスの冷却用および反応器3中で生成した溶融 体の冷却および溶解用として使用することができるが、特に希薄液、すなわち、 蒸発させずに第1のフラッシュサイクロンに通した廃液が使用できる。白液と廃 液との混合物から成る蒸解液は、このようにして得られる。有利には、同時に反 応器3の送出口で凝縮液を添加して溶融体および燃焼ガスと遭遇させるようにで きる。この場合、こうした凝縮液は、パイプ7の前記凝縮装置中で得ることが可 能であり、および/または好ましくは硫黄化合物を含有するがアルカリを含有し ない凝縮液は、蒸発プラントから得ることも可能である。 蒸解から得られた廃液をチップの含浸用として別に添加する必要のないことが 特に本発明の方法の利点であるが、場合によっては、このような廃液を使用して もよい。 従って、本発明に係る方法には、脱リグニンおよび液回収を全体的に統合した 多段階プロセスが含まれる。チップの前処理、含浸、および蒸解のための処理薬 品は、苛性化のための装置を必要とすることなく連続的に形成される。CO2は 、複雑なカルシウムサイクルを使用する必要なく、すなわち、燃焼ガスと共にス トリッピングされるが、このときにパイプ7中の前記接触デバイスが併用される 可能性もある。それぞれの場合に対して予め決められた組成を有する必要な処理 薬品は、ガス化と液およびガスの処理とが統合された系内で形成される。本来酸 性のチップは、重炭酸ナトリウムと硫化水素ナトリウムとを含有する第1の処理 薬品としての膨張させた前処理液を用いて70〜170℃の温度で処理させるが、こ の膨張によって、H2SおよびCO2が放出されかつH2SおよびHS-が元の位置 に形成されるような圧力の低下を生じる。こうした放出は、熱を作用させた状態 の前処理タンク内にわたり連続的である。反応を助長するための外部からのCO2 や他の薬品は、前処理に添加されない。前処理中に、HO-イオンよりも好まし いHS-イオンが形成され、前処理の後で、高硫化度の蒸解液を用いて含浸ステ ップおよび蒸解ステップが開始される。 ほとんどの場合、現在必要となる脱リグニンおよび液材料の硫化度すなわちN a/S比に基づいてプロセス内の硫黄を高硫化度白液と低硫化度緑液とに分配し て蒸解釜に供給できるようにすることが望ましい。この要求は、低硫化度を有す る緑液の前記第1の部分を亜硫酸化合物と接触させ、その後で、こうして得られ た硫黄に富んだ緑液を第2の蒸解ゾーンおよび/または第2の蒸解ゾーンの下流 の他の蒸解ゾーン中に存在させるべく蒸解処理に供給する本発明の好ましい実施 態様によって満足される。1つの方法としては、蒸解釜へ送る前に、低硫化度の 緑液中にH2Sを選択的に吸収させる方法が挙げられる。他の方法としては、次 の反応に従って液体硫黄を形成するために、H2Sを含有するガスの流れをClaus 装置まで誘導する方法が挙げられる。 亜硫酸残基ガスは、高硫化度を有する白液を形成するガス化ステップに好適に送 られる。H2Sを含有するこうしたガスの流れは、前記の前処理から、および/ または選択的にかつ再生可能にH2Sを吸収するための好適な吸収用薬品を用い たガススクラビング(吸収されたH2Sは脱離させて全体的にまたは部分的にClau s炉に送られる)から、得ることが可能である。これらのH2S供給源はまた、 上述の第1の方法で利用することもできる。S(1)はClaus炉から抽出され、好ま しくは高硫化度の白液の製造のための前記のガス化により得られたNa2Sの流 れと共に低硫化度の緑液に添加され、次の反応に従ってポリスルフィドが形成さ れる。 160〜200℃の温度においてNa2Sを含有する液混合物にS(1)を直接に添加す ることが好適である。最も有利には、S(1)において例えば前記のH2S供給源の 1つからH2Sを吸収することによってポリスルフィドを形成することもできる 。この場合には、高硫化度の液の添加を省略してもよい。 必要な場合には、硫化物の少ない前記の緑液のいくつかおよび/またはNa2 CO3の溶液を苛性化してもよい。 本発明により提案された処理ステップの統合化には、価値ある相乗効果が伴う 。現行の要件に合わせて、硫黄の供給源を、より効率的に再分配および利用する ことができる。すべての硫黄が活性形として利用できるため、ソーダ回収ユニッ ト法により得られる硫黄よりも約7〜10%高い効率が得られる。ガス化時に少量 のNaOH(約5重量%の溶融体)が得られる。すなわち、低硫化度の緑液には比 較的少量のNaOHが含まれる。木材の酸の中和および緩衝化は、実質的に、高 温のNa2CO3解離溶液を利用して行われる。すなわち、活性蒸解薬品は消費さ れない。 本発明に係る方法で使用される塩基は、ナトリウムに限定されるものではない 。カリウム塩基も利用可能であり、これらの組合せも利用可能である。 必要な場合には、蒸解液には、種々の添加剤、例えば、好適なアルコールなど の有機の添加剤が含まれていてもよい。 処理薬品の避けがたい損失を補償するために、Na2SO4などの好適な補給薬 品を添加してもよいし、および/または硫酸塩石鹸を再利用してもよい。 本明細書中の説明および後続の請求の範囲に記されている「高硫化度を有する 白液」という表現には、ポリスルフィドを基剤とする蒸解液も含まれる。 上述の圧力および添付の請求の範囲に記載の圧力は、絶対圧力を表す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.繊維材料を含浸させるステップと、含浸させた該繊維材料を煮沸するステ ップとを含む複数の処理ステップを統合することにより、セルロース繊維材料の 製紙用パルプを連続プロセス方式で製造する方法であって、 該煮沸ステップは、高硫化度の白液を含む蒸解液を用いて並行蒸解ゾーン中で 開始され、しかも、該方法には、反応成分としてアルカリ金属の重炭酸塩および アルカリ金属の硫化水素化物を含有するがアルカリ金属の水酸化物を含有しない 液を用いたタンク(1)中での該繊維材料の統合化された前処理が含まれ、該前処 理液は減圧下で該繊維材料と接触させるが、この際、最初にこの減圧下に晒し、 続いて熱に暴露するものとし、該反応成分は元の位置にH2S、CO2、およびア ルカリ金属の炭酸塩を形成し、形成されたH2SおよびHS-の一部分は該繊維材 料により吸収されかつ該繊維材料中に拡散し、一方、該CO2は該タンク(1)から を回収され、更に、該前処理において、実質的に該アルカリ金属の炭酸塩を含有 してなる液が形成され、かつ形成された該液は該繊維材料から回収されることを 特徴とする方法。 2.前記前処理が、4〜8のpH値、好ましくは5〜7のpH値で行われることを 特徴とする請求項1記載の方法。 3.前記前処理が、0.5〜8バールの範囲内、好ましくは1〜5バールの範囲内の 圧力で、かつ70〜170℃の範囲内、好ましくは90〜120℃の範囲内の温度で行われ ることを特徴とする請求項1または2記載の方法。 4.アルカリ金属の重炭酸塩およびアルカリ金属の硫化水素化物に関して計算 した場合、現行の処理条件下において、制御された大過剰のH2Sが前記前処理 時に形成されるように、前記繊維材料を前処理するために供給される前処理液の 量が決められることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項記載の方法。 5.前記蒸解液が、少なくとも40%の硫化度、好ましくは少なくとも70%の硫 化度を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項記載の方法。 6.緩衝作用により前記繊維材料上へのリグニンの析出を防止するために、前 記前処理ステップから回収されたアルカリ金属の炭酸塩の一部分を前記蒸解処理 の終わりに供給することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項記載の方 法。 7.前記プロセス用の薬品から活性液を製造するために、前記プロセスにおい て廃液および廃ガスから該薬品およびエネルギーを回収するステップを更に含み 、前記プロセスにおいて脱リグニン化された前記繊維材料から回収される廃液の 第1の部分を、同時にH2Sを供給しながらガス化し、燃焼ガスと高硫化度の白 液を得ることによって、前記高硫化度の白液が形成されることを特徴とする請求 項1ないし6のいずれか一項記載の方法。 8.前記プロセスにおいて脱リグニン化された前記繊維材料から回収される廃 液の第2の部分をガス化して燃焼ガスと低硫化度を有する緑液とを形成すること を特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項記載の方法。 9.アルカリ金属の炭酸塩を含有する前記回収液の少なくとも一部分を前記プ ロセスの回収ステップに送り、前記廃液のガス化の際に形成されたH2Sを含有 する燃焼ガスと接触させ、前記組成を有する前処理液を製造し、これを前記前処 理ステップへ送ることを特徴とする請求項7または8記載の方法。 10.好ましくは、前記前処理ステップのpH値の制御に利用可能な比である H2Sの吸収とCO2の吸収との比を予め決められた値にすべく連続的に向流方式 で多段階接触させるように、ガスと液体との前記接触をデザインし、前記液体ま たは液を噴霧して大きな面積を有する小滴にし、更に、前記接触を短時間で、好 ましくは0.1〜0.01秒で行うことを特徴とする請求項9記載の方法。 11.高硫化度の白液の製造において廃液の前記第1の部分のガス化時に、制 御されかつ増大された分圧で存在させるべく、前記前処理時に形成された過剰の H2Sを前記プロセスの回収ステップに送ることを特徴とする請求項7ないし1 0のいずれか一項記載の方法。 12.第2の蒸解ゾーン中に存在させるべく、前記緑液の第1の部分を前記蒸 解処理に送ることを特徴とする請求項8記載の方法。 13.低硫化度を有する前記緑液の第1の部分を亜硫酸化合物と接触させ、こ うして得られた硫黄に富んだ緑液を、前記第2の蒸解ゾーンおよび/または前記 第2の蒸解ゾーンの下流にある他の蒸解ゾーンに存在させるべく前記蒸解処理に 供給することを特徴とする請求項12記載の方法。 14.前記緑液を硫化水素またはポリスルフィドと接触させることを特徴とす る請求項13記載の方法。 15.前記硫化水素が、前記前処理から、および/または燃焼ガスが供給され る吸収用薬品入りのガススクラバから、好ましくは高硫化度を有する白液を製造 するための廃液の前記ガス化から得られることを特徴とする請求項14記載の方 法。 16.前記ポリスルフィドを、液体硫黄とそれに吸収させたH2Sとから形成 するか、または液体硫黄と、高硫化度の白液を製造するための廃液の前記ガス化 により得られたNa2Sとから形成し、該液体硫黄をクラウス(Claus)装置中で形 成し、ただし、この装置中では、H2Sから元素の硫黄への転化が行われるとと もに、この装置へは、前記前処理から、および/または燃焼ガスが供給される吸 収用薬品入りのガススクラバから、好ましくは高硫化度を有する白液を製造する ための廃液の前記ガス化から、H2Sを含有するガスが供給されるものとするこ とを特徴とする請求項14記載の方法。 17.前記緑液の第2の部分を、廃液のガス化時に形成されたH2Sを含有す る燃焼ガスと接触させ、前記組成の前処理液を形成し、これを前記前処理ステッ プへ送ることを特徴とする請求項12または13記載の方法。 18.ガス化される前記廃液の一部分にまたは全体が、前記蒸解釜から得られ た廃液から成ることを特徴とする請求項7ないし17のいずれか一項記載の方法 。 19.漂白ステップをも含み、しかもガス化される前記廃液の一部分が、該漂 白部門から得られた廃液から成ることを特徴とする請求項18記載の方法。 20.NaOHに対する前記漂白部門の要件を少なくとも部分的に満足するよ うに、前記前処理ステップから回収された液の一部分(Na2CO3を含む)を別に 苛性化することを特徴とする請求項19記載の方法。 21.前記プロセスに不適当な木材中の異物を、前記プロセス中の1つ以上の 箇所で、好ましくは、前記前処理からおよび/または前記低硫化度の緑液から回 収されたアルカリ金属の炭酸塩を含んでなる液から分離することを特徴とする請 求項7ないし20のいずれか一項記載の方法。 22.硫黄に富んだ廃液を得るべくH2Sが該廃液によって選択的に吸収され るように、H2Sを含有したガスを該廃液と接触させることを特徴とする請求項 7ないし21のいずれか一項記載の方法。 23.それぞれ硫黄に富んだ黒液、硫黄に富んだ前記蒸解から部分的に蒸発さ せた廃液、および硫黄に富んだ前記漂白部門から得られた廃液を得るべく、それ ぞれ黒液、部分的に蒸発させた廃液、および前記漂白部門から得られた廃液が選 択的にH2Sを吸収するように、H2Sを含有するガスを、黒液、部分的に蒸発さ せた廃液、および/または前記漂白部門から得られた廃液と接触させることを特 徴とする請求項22記載の方法。 24.H2Sを含有するガスを、前記漂白部門から得られたアルカリ性廃液と 接触させることを特徴とする請求項23記載の方法。 25.H2Sを含有する前記ガスが前記前処理ステップに由来するものである ことを特徴とする請求項22ないし24のいずれか一項記載の方法。 26.H2Sを含有する前記ガスが、高硫化度を有する白液を製造するための 廃液の前記ガス化から、および/または低硫化度を有する緑液を製造するための 廃液の前記ガス化から得られた燃焼ガス中に存在することを特徴とする請求項2 2ないし24のいずれか一項記載の方法。 27.硫黄に富んだ部分的に蒸発させた前記廃液を最終的に蒸発させて黒液を 得ることを特徴とする請求項23記載の方法。 28.それぞれ高硫化度および低硫化度を有する白液および/または緑液を製 造するために、硫黄に富んだ前記廃液をガス化することを特徴とする請求項22 ないし27のいずれか一項記載の方法。 29.前記前処理の前にまたは前処理と関連させて硫黄に富んだ前記廃液で前 記繊維材料を処理し、この処理から得られた廃液を前記繊維材料から回収して、 直接にまたは蒸発させた後でガス化を行うことを特徴とする請求項22ないし2 7のいずれか一項記載の方法。 30.アントラキノンを前記蒸解処理に加えることを特徴とする請求項7ない し29のいずれか一項記載の方法。 31.緑液が添加される低硫化物含有量の1つまたは複数のゾーンに、好まし くは第2の蒸解ゾーンに存在させるべくアントラキノンを前記蒸解処理に加える ことを特徴とする請求項30記載の方法。 32.前記アルカリ金属の炭酸塩を含有する前記回収液を、高硫化度を有する 前記白液の製造から得られた燃焼ガスと、更に低硫化度を有する前記緑液の製造 から得られた燃焼ガスと接触させることを特徴とする請求項9記載の方法。 33.前記アルカリ金属の炭酸塩を含有する前記液を、低硫化度を有する前記 緑液の製造から得られた燃焼ガスと接触させ、高硫化度の前記白液の製造から得 られた燃焼ガスを、H2Sを選択的にかつ再生可能に吸収するためのガススクラ バ中の吸収用薬品と接触させ、高硫化度を有する前記白液を製造するための廃液 の前記ガス化時に存在させるべく、吸収されたH2Sを脱離させて再利用するこ とを特徴とする請求項9記載の方法。
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