【発明の詳細な説明】
スポーツ・レジャー及び/又はフィットネス用具
本発明は、底を有する靴と、この靴の底の領域に設けられている複数の回転要
素、特に車輪とを具備し、これらの回転要素は靴の縦方向に相前後して軸受台に
回転自在に取り付けられており(インライン・スケート)、回転要素の軸は底の
軸は底の縦方向に対し直角に延びてなるスポーツ、レジャー及び/又はフィット
ネス用具に関する。
このタイプのスポーツ、レジャー及び/又はフィットネス用具は従来技術から
公知であり、通常は「インライン・スケート」と呼ばれている。この名称からは
、車輪又は球として形成することができる回転要素が、通常のローラスケートと
比較して一直線に相前後して設けられていること、を読み取ることができる。従
って、インライン・スケートはスケート靴に倣って作られている。通常は、公知
のインライン・スケートは4つの車輪又はローラを有している。これらは、横断
面で実質的にU字形に形成された軸受台に回転自在に取り付けられており、この
目的で、軸受台の2つの脚部は共軸に設けられた孔を有し、これらの孔を通って
、回転要素を貫通する軸が差し込まれている。回転要素は通常は強靭なプラスチ
ックから形成されており、その中心に球軸受又はローラ軸受を有し、当該の軸受
を通って、軸受台に螺着された軸が差し込まれている。互いに一体的に結合され
た回転要素用の軸受台は靴の底の領域に動かないように設けられている。通常は
靴はプラスチックからなり、軸受台は製造技術上靴の底に一体化され、通常はプ
ラスチックで押出し被覆されているので、軸受台と靴との間の動かずかつ取外し
できない結合が生じるのである。このようなインライン・スケートによって、非
常に高い走行速度を達成することができるが、こうした走行速度から、不注意な
態度を取れば、危険な事故が生じることがある。この理由で、このようなインラ
イン・スケートの使用はどのような区域でも許可されるわけではない。例えば、
インライン・スケートを駅、空港及び公共の交通手段のその他の停車場の区域並
びにデパートで用いてはならない。従って、インライン・スケートの使用者は、
こ
のような施設に入るか施設を用いたいときは、インライン・スケートに加えて、
もう1足の靴を携帯しなくてはならない。更に、従来技術から知られたインライ
ン・スケートは、靴のサイズの故に、靴のサイズに対応する足の大きさを有する
使用者に限定されている。
この従来技術を前提として、本発明のスポーツ・レジャー及び/又はフィット
ネス用具、特にインライン・スケートを、容易で日常役立つ取扱いを達成し、操
作性、特に走行性を改善し、同時に魅力的でスポーティなデザインを得るように
、改善するという課題が本発明の基礎になっている。
こうした提示された課題の解決は、軸受台が、好ましくは実質的にプレート状
に形成された受け要素の、回転要素と一体的な構成要素であること、受け要素が
は少なくとも1つの、好ましくは2つの取付要素を有すること、及び靴が、受け
要素の取付要素と対応し、好ましくは踵領域及び爪先領域に設けられ、かつ靴を
受け要素に取外し自在に取り付けるのに用いられる、1つの好ましくは2つの取
付装置を有すること、を定めている。
本発明に基づいて形成されたスポーツ・レジャー及び/又はフィットネス用具
には、従って、靴を容易に回転要素から分離することができるので、もう1足の
靴を携帯したり、デパート、駅、空港等に入る前に靴を履き替えたりする必要が
ないという利点が生じる。靴は、足の解剖学的な運び(Abrollen)を保証するため
に十分な弾性を有し、他方、回転要素と靴の間の十分に確かな結合を可能にする
十分な剛性を有するのが好ましい。むしろ、この靴を容易に回転要素から分離す
ることができるので、使用者は靴を履いたままでこのような施設に入ってもよく
、同時に、好ましくは相応に構成された物入れ要素(バッグ等)に入れて、回転
要素を受け要素と共に携帯する。更に、本発明の用具では、靴を種々のデザイン
の受け要素及び/又は回転要素と組み合わせることができるので、使用者のため
には、同時に1足の新たな靴を購入する必要なしに、様々なバリエーションが生
じる、という利点が生じる。その上、このタイプのスポーツ・レジャー及び/又
はフィットネス用具の場合に、靴の足への適合はこのような用具の取扱にとって
特別な意味を有することを指摘する。このことは、行われる練習の快適さ及び成
形外科的な条件に著しく係わる。従って、特に足の解剖学的構造に適合されたぴ
っ
たり合う靴を有することは、使用者にとって特に重要である。しかし乍ら、発明
のスポーツ・レジャー及び/又はフィットネス用具のバリエーションは回転要素
の種類及び形状に関するので、使用者は実質的に球形のローラ及び車輪か、回転
要素の数かを二者択一的に選択することができる。このことによって、特に、こ
のタイプの用具の走行性が影響を受ける。
用具を使用する際のみならず、受け要素及び回転要素なしに靴を使用する際に
も、使用者に十分な支えを供するために、本発明の用具の靴は好ましくはブーツ
状に、少なくとも踵の高さに形成されている。
本発明の他の特徴によれば、靴が実質的に強靭な外部シェル及び弾性的な内靴
を有し、この内靴は外部シェルに挿入可能及び/又は取着可能であることが定め
られている。この構成は、強靭な外部シェルが受け要素との結合のために必要な
安定性を靴に付与すると共に、弾性的な内靴が使用者の足の解剖学的な状態への
適合を可能にする、という利点を有する。更に、弾性的な内靴によって、回転要
素から靴に伝達される衝撃及び振動が、ほぼ使用者の足に達する前に、著しく緩
和される。
本発明の用具の場合に、更に、内靴を外部シェル及び使用者の足に取り付ける
ために、複数の、少なくとも2つのマジックテープ、靴紐及び/又は複数の、少
なくとも2つのバックル固定手段が設けられていることが定められている。マジ
ックテープ及びバックル固定手段は、特に、僅かな操作によって靴を使用者の足
に装着することができるという利点を有する。他方では、靴紐は、靴紐によって
使用者の足に均等な圧力分配が伝達され、このような靴紐は損傷があっても容易
に交換することができる、という利点を有する。これに対し、マジックテープ及
びバックル固定手段は通常は一側で靴と動かないように結合されているので、こ
うした要素が損傷を受ければ、当業者しかこうした要素を交換することができな
い。
床又は地面の状況が好ましくない場合、特に、じめじめした天候及び雪の場合
でも、靴に、必要な滑り止め性を与えるために、他の特徴によれば、靴の底が少
なくとも部分領域に凹凸部を有することが定められている。凹凸部が踵及び/又
は踵の領域に設けられていることは好ましい。
本発明の他の特徴によれば、受け要素の前方領域に設けられた取付要素が湾曲
部材として、特に、実質的にV字形又はU字形の形状に形成されていること、及
び爪先領域に設けられた靴が好ましくは溝状に形成されたリセスを有し、このリ
セスの寸法が湾曲部材と対応するように形成されていることが定められている。
この構成では、靴のリセスを湾曲部材の下方へ移動することができるので、ここ
では、靴と受け要素との形状係合的な結合が生じる。
転倒等の際に湾曲部材の損傷及び破壊を防止するための、湾曲部材の十分な剛
性を達成するために、湾曲部材が金属、好ましくは焼き戻しされた鋼からなるこ
と、が定められている。更に、この材料は、当該の材料が耐腐蝕性を有するので
、品質及び場合によっては剛性を損なうことなしに、湿気状態の際に、特に雨の
際でも用具が使用できるという利点も有する。
湾曲部材が受け要素の縦方向に移動可能かつ種々の位置に固定可能な調節要素
に設けられていることは好ましい。このような構成によって、受け要素を、特に
、靴のサイズに関して、種々の靴に適合させることができるので、靴のサイズが
違う種々の使用者が、スポーツ・レジャー及び/又はフィットネス用具を使用す
ることができる。
調節要素は特に橇状に形成されており、受け要素の側方に設けられたリセス内
を案内されている。受け要素と調節要素との間に調節固定手段が設けられている
のは好ましいので、調節要素は受け要素に対し可動であり、種々の位置に取付可
能である。
本発明の他の特徴によれば、受け要素の後方領域に設けられた取付要素が取外
し可能な固定用突起として形成されていること、及び靴が、踵領域に、固定用突
起と係合することができる固定用エッジ及び/又はリセスを有することが定めら
れている。特に、リセスの横断面が矩形に形成されているので、固定用突起が嵌
めて固定されているとき、靴が受け要素に対しどの方向にも固定され、従って、
靴と、回転要素付きの受け要素との間の安定的な結合が生じる。この場合、受け
要素と靴との相対移動は著しく排除されていなければならない。
本発明の用具の取扱を容易化するために、固定用突起が、外側にあるボタンに
よって取外し可能であることが定められている。靴を受け要素に取り付けるとき
に、靴の、爪先領域に設けられたリセスを、湾曲部材へ差し込み、続いて、固定
用突起が固定用エッジを覆うように係合するか、対応のリセスに係合するまで、
靴の踵領域を受け要素の方向に押し込む。この最中に、外側にあるボタンは、ボ
タンの操作によって固定用突起の解除を可能にする位置へ移される。従って、靴
のこのような取外しがボタンを押すことによってなされる。それ故に、定用突起
はリセスから抜き出されるか、固定用エッジとの係合から外される。続いて、爪
先領域も湾曲部材との固定状態から抜き出すことができるまで、靴の踵領域を受
け要素から外すことができる。
更に、本発明のスポーツ・レジャー及び/又はフィットネス用具の場合、受け
要素が縦方向に延びる案内手段を有し、この案内手段は靴の底に設けられている
靴の案内要素と対応するように協働することが定められている。この場合、案内
手段がウェブ状に形成され、特に矩形の横断面を有し、案内要素は対応の溝とし
て形成されていることは好ましい。この案内手段は、案内要素と共に、靴を受け
要素内で側方案内するために用いられる。
高い荷重の際に、例えばプロスポーツの場合でも本発明の用具を使用すること
ができるようにする、本発明の用具の十分な安定性を、保証するために、受け要
素は、プラスチックで押出し被覆された金属フレームからなり、この金属フレー
ムには、回転要素用の軸受台の少なくとも1つの重要な部分が形成されているこ
とが定められている。しかし乍ら、受け要素が強化プラスチック材料、例えば炭
素繊維からなることも考えられる。
回転要素の少なくとも1部分、特に、中央領域に設けられた回転要素が、高さ
が調節可能に、受け要素に取り付けられていることは好ましい。この結果として
、靴の底に対して回転要素を調節することによって、床又は地面における用具の
踏面を変えることができる。このことが、特に、達成可能な速度に関して、走行
性に影響を及ぼす。
収容される靴先の領域に設けられた前方の回転要素が弾性的なカンチレバーに
取り付けられていることは好ましい。この構成は、特に、次の利点、つまり、例
えば石の細片、ギャップ等のような障害物を越える際に、走行性が著しく改善さ
れるという利点を有する。本発明の他の特徴によれば、カンチレバーは互いに実
質的に平行に延びる少なくとも2つのプラスチック製のブリッジからなり、これ
らのブリッジの両端は互いに結合している。この場合、一方の端部が受け要素に
設けられているのに対し、第2の端部は前方の回転要素の軸用のリセスを有する
。従って、カンチレバーは実質的に平行四辺形状に形成されている。詳しくは、
カンチレバーが、前記2つのブリッジに対して平行に延びかつこれらのブリッジ
の間に設けられている中央ブリッジを有することが定められている。カンチレバ
ーの十分な弾性を達成するためには、カンチレバーが弾性変形可能なプラスチッ
クからなることは好ましい。弾性はカンチレバーのデザイン並びに材料の選択に
よって規定される。
靴と受け要素との間の結合を改善しかつ安定化するために、本発明の他の特徴
によれば、受け要素が踵領域に屹立するシャフトを有し、このシャフトの横断面
は靴の外郭に対応して形成されている。この構成では、踵領域の上方に設けられ
た、靴のシャフトが、踵の支持機能を供するべく、受け要素のシャフトに接触し
ていることが定められている。ここでは、受け要素のシャフトを、発生する諸力
を伝達するための十分な剛性を有する強化プラスチックで形成することが好都合
であることが明らかにされた。しかし乍ら、シャフトが、プラスチックで押出し
被覆されかつ必要な形状を有する金属プレートからなること、も可能である。
本発明の他の特徴によれば、シャフトが受け要素に丁番で取り付けられている
。その目的は、受け要素をバッグ又は他の物入れ用具に入れて搬送するために、
受け要素を折り畳んで、受け要素が出来る限り僅かな外寸法を有することができ
るようにするためである。
本発明の用具を本来の用途に合わせて使用する際に必要な安定性を、シャフト
と受け要素との間の移行領域に供するために、シャフトが受け要素に丁番で取り
付けられているにも拘らず、本発明の他の特徴によれば、シャフトがその立設さ
れた位置で固定可能であることが定められている。
本発明の他の特徴によれば、シャフトの自由端が、特に、マッジクテープファ
スナ及び/又は湾曲部材用ファスナ付きのベルトの形態をなす、少なくとも1つ
の固定要素を有することが定められている。この固定要素によって、靴のシャフ
ト領域を受け要素のシャフトと動かないように結合するのは、例えば、受け要素
と靴とが一体的に形成されている従来技術に基づいたインライン・スケートの、
好ましい性質を達成するためである。スポーツ・レジャー及び/又はフィットネ
ス用具は、底を有する靴と、この靴の底の領域に設けられている複数の回転要素
、特に車輪とを具備し、これらの回転要素は靴の縦方向に相前後して一直線に設
けられており(インライン・スケート)、回転要素は、底の縦方向に対し直角に
延びる軸に、回転自在に取り付けられており、このようなスポーツ・レジャー及
び/又はフィットネス用具の走行性及び取扱適性は、回転要素、特に車輪が、底
の縦軸に対し偏心的に、すなわち横方向にずれて設けられていることによって改
善される。このような構成によって、床又は地面から靴の底の領域までの用具の
高さを著しく増大することなく、例えば、より大きな直径を有する車輪を用いる
ことができる。更に、このような構成によって、特にカーブでの走行の際の、走
行性の改善が達成される。
本発明の他の特徴によれば、車輪が垂直軸線に対し10度乃至35度、特に2
5度の角度αで傾斜して設けられていることが定められている。このことによっ
て、車輪が横方向にずれているときに、床又は地面における車輪の踏面が用具の
中央軸線の方向に移動され、これによって、使用者の解剖学的及び成形外科的に
正確な姿勢に関して、利点が生じる。つまり、このことによって、使用者の下腿
への、力の横方向の作用、すなわち、回転要素と用具の中央軸線との間隔の故に
生じることがある作用が防止される。
車輪が使用者の足に対し外側に設けられていることは好ましい。このことはカ
ーブでの走行の際の走行性に関して特に好ましい。つまり、カーブでの走行、及
びこれに関連する使用者の傾斜位置の場合に、車輪が垂直軸線に対し前記角度で
用具に取り付けられているときは、車輪はほぼ垂直方向の整列を達成することが
できるのである。
本発明の他の特徴によれば、車輪が半車軸に取外し可能に取り付けられている
ことが定められている。このことによって、車輪を容易に取り外し、使用条件に
合わせて交換することができる。この構成では、半車軸の、車輪から離隔した端
部は回転しないように支持要素に取り付けられている。支持要素が、本発明の用
具の必要な安定性を保証するために、プラスチックで被覆された、特に、押出し
被覆された金属フレームを有するのは好ましい。
本発明の他の特徴によれば、車軸及び半車軸の、車輪に向いた端部が、車輪に
設けられた対応の固定手段と係合可能である固定要素、好ましくは環状の溝を有
することが定められている。しかし乍ら、半車軸の自由端が、車輪に向かって実
質的に錐状に形成されているカラーを有すること、車輪が、自らの軸方向収容部
に、半車軸のカラーの後方に係合する対応の固定要素を有すること、も考えられ
る。この場合、車輪は外側に圧力要素を有することができ、この圧力要素によっ
て、軸方向収容部に設けられた固定要素同士が押し離されて、半車軸のカラーの
傍を通って案内されることができる。
本発明の他の特徴によれば、車輪は種々の直径を有し、好ましくは、最大の直
径を有する車輪は踵領域に、最小の直径を有する車輪は中央領域に設けられてい
ることが定められている。このことによって、特別な美的な印象以外にも、最大
の直径を有する車輪が、例えば石の細片、ギャップ等のような障害物を容易に越
えることができるという利点が達成される。しかし、公知のインライン・スケー
トの小車輪が、石の細片等に当れば、減速してしまって、こうしたインライン・
スケートの使用者が転倒の危険に晒すことがあるのは知られている。
更に、車輪の少なくとも1部分が少なくとも上方領域において覆われているこ
とが定められている。このことによって、車輪の回転領域に異物の侵入が防止さ
れるのは好ましい。
本発明の他の特徴によれば、車輪の踏面が、実質的に、底の中央縦軸の下方の
領域に、設けられているので、このことから、スポーツの実施のために解剖学的
及び成形外科的に正確な使用者の姿勢に関して、好ましい力の比率が生じること
、が定められている。
本発明の用具のこの実施の形態では、靴は同様に支持要素に取外し自在に結合
されていることができる。この場合、支持要素が、力蓄え手段の力に抗して自ら
の縦方向に移動可能な固定要素を有し、この固定要素が靴の底に設けられた固定
用リセスと形状係合及び/又は摩擦係合で係合可能であることが、結局のところ
、好ましいことが明らかになった。
本発明の他の特徴によれば、受け要素の取付要素が、受け要素の前方領域に設
けられたフック要素として形成されており、このフック要素は、好ましくは、靴
の底に設けられたリセスとして、形成された、対応の取付装置に係合可能である
こと、が定められている。この構成では、受け要素への靴の取付が容易になされ
る。取付要素を構造的に幅の広いプレートとして形成する必要なしに、受け要素
の幅を実質的に取付要素の幅に限定することができる。
フック要素が受け要素の縦方向に移動可能かつ種々の位置で固定可能であるこ
とは好ましい。この構成は、受け要素が、特に異なる寸法の、種々の靴と組み合
わせ可能であるという利点を有する。更に、靴の種々の箇所に固定要素を有する
靴を使用することができる。フック要素の固定可能性によって、受け要素をどの
靴にも調節することができる。
フック要素は、力蓄え手段、特に圧縮ばねに抗して受け要素の縦方向に移動可
能であり、力蓄え手段は、好ましくは、踵領域に設けられた取付装置の方向へ、
フック要素に力を加える。この構成では、本発明の用具の使用者は、予め調節作
業を必要とすることなく、問題なく靴を受け要素に結合することができる。この
場合、使用者が、靴を履いたまま、足を受け要素に突っ込み、このことによって
、靴の取付要素がフック要素と係合し、靴の踵領域が受け要素の第2の固定要素
と係合するまで、フック要素を力蓄え手段の力に抗して移動する。この位置では
、靴の底に作用する緊締が力蓄え手段によって生起される。当然ながら、力蓄え
手段を、受け要素の踵領域の方向か爪先領域の方向かにフック要素に力を加える
引張りばねとして形成することができる。
本発明の他の特徴によれば、取付装置が靴の底の中央にかつ好ましくは足球領
域に設けられていることが定められている。この構成は、ただ非常に幅の狭い受
け要素を使用する場合でも、靴の底の領域における最適な力の分配によって十分
な緊締が達成される、という利点を有する。更に、取付装置を足球領域に設ける
ことによって、靴の踵領域との十分に大きな間隔が保たれるので、このことによ
っても、靴と受け要素との間の結合の領域に最適な力の分配が達成される。この
ことは、特に、使用者から受け要素へ伝達される力を最適な方法で伝達し、用具
の操作のためには非常に僅かな力しか必要でないことに、寄与している。
最後に、本発明の他の特徴によれば、取付装置が靴の底に自動心出しで設けら
れているので、使用者が靴を最適とは見られない方法で受け要素に突っ込むとき
でさえ、靴と受け要素との間の結合が最適の位置を占めることが定められている
。
本発明の特徴及び利点は、本発明のスポーツ・レジャー及び/又はフィットネ
ス用具の好ましい実施の形態を示す付属の図面の以下の説明から生じる。
図1は靴を装着したスポーツ・レジャー及び/又はフィットネス用具の第1の
実施の形態を示す側面図である。
図2は靴を取り出した状態の図1に示した用具の側面図である。
図3は靴を取り出した状態のスポーツ・レジャー及び/又はフィットネス用具
の第2の実施の形態を示す側面図である。
図4は車輪を取り外した状態の図3に示した用具の図である。
図5は図3に示した用具の背面図である。
図6は、図5の線VI−VIに沿って切った、図3乃至5に示した用臭の断面
図である。
図7は、図5の線VII−VIIに沿って切った、図3乃至6に示した用具の
断面図である。
図8は、図5の線VIII−VIIIに沿って切った、図3乃至7に示した用
具の断面図である。
図9は図3乃至8に示した用具の平面略図である。
図1及び2にはスポーツ・レジャー及び/又はフィットネス用具の第1の実施
の形態が示されている。このような用具は底2付きの靴1と、靴1の底2の領域
に設けられている4つの車輪3とにより構成される。これら車輪3は靴2の縦方
向に相前後して軸受台4に回転自在に取り付けられている。この限りでは、この
用具はいわゆる「インライン・スケート」である。各車輪3は各軸受台4に設け
られかつ底2の縦方向に対し直角に延びる軸5を有する。
車輪3を有する軸受台4は受け要素6の一体的な構成要素である。この受け要
素6は靴1と取外し自在に取り付けられており、このためには、後述する2つの
取付要素を有している。受け要素6は、詳細には図示せずかつ合成樹脂製外被を
有する金属フレームからなる。更に、軸受台4も金属で形成されており、金属フ
レームと一体的に結合されていることも可能である。
受け要素6は靴1の底2に面する収容面7を有し、この収容面7は靴1の底2
の外郭と実質的に一致している。収容面7の前方領域には、すなわち靴先の領域
には、実質的にV字形に形成された金属製の湾曲部材8が設けられていて、受け
要素6に沿って移動可能かつ種々の位置に固定可能な調節要素9に取り付けられ
ている。調節要素9はそり状に形成されており、受け要素6の側方に設けられた
リセス10内を案内される。受け要素6と調節要素9との間には、調節要素9を
所定の位置で受け要素6に取り付けることができる調節固定手段が設けられてい
る。
受け要素6の後方領域には、他の取付要素として、固定用エッジ11と係合可
能で取外し可能な固定用突起が設けられている。固定用突起を、受け要素6の外
側にあるボタンによって取り外すことができる。このボタンが受け要素6の踵領
域に設けられているのは好ましい。
更に、受け要素6は、踵領域に屹立するシャフト12を有し、このシャフト1
2の横断面は靴1の詳しくは靴1の踵領域の外郭に対応して形成されている。シ
ャフト12は丁番で受け要素6に設けられているので、靴1を取り出したときに
は、シャフト12は収容面7の方向に傾動可能である。更に、シャフト12は図
2に示した位置に固定可能である。シャフト12の自由端には、マッジクテープ
ファスナの付いた繊維製のベルトの形態をなす固定要素13が設けられている。
図1及び2に示した車輪3のうち、中央の2つの車輪は、受け要素6に、詳し
くは受け要素6の軸受台4に、高さが調節可能に設けられている。更に、受け要
素6の踵領域に取り付けられた車輪3は、限定的に回動可能に取り付けられたブ
レーキ14を有する。このブレーキ14はクリップ状の保持手段15と、これに
保持されたブレーキパッド16とからなる。ブレーキ14では、保持手段15は
後輪3の軸5を中心に限定的に回動可能である。保持手段15は内側にあって図
示されない2つの突起を有し、当該の突起は、これらに対応しかつ弓形に形成さ
れた溝17内を夫々案内される。
湾曲部材8の下方に設けられた前輪3は弾性的なカンチレバー18に取り付け
られている。カンチレバー18は外側にあって互いに実質的に平行に延びる2つ
のプラスチック製のブリッジ19と、これらのブリッジ19の間に設けられかつ
同様にブリッジ19に対し平行に延びている中央ブリッジ20とにより構成され
る。ブリッジ19及び中央ブリッジ20の端部は互いに結合されている。カンチ
レバー18の、車輪3に向いた端部は、U字形に形成されたリセスを有し、この
リセスには後輪3の軸5用の保持要素21が設けられている。
靴1はブーツ状に及び少なくとも踵の高さに形成されている。靴1は実質的に
強靭な外部シェル22からなる。外部シェル22は、一方では、受け要素6と靴
1との間の安定的な結合に必要な硬さを有し、他方では、受け要素6から取り外
す際に、靴1が、実質的に、使用者の足の、自然であり解剖学的に必要な、踵の
接地から爪先の接地への運び(Abrollen)を可能にするような弾性を有する。外部
シェル22には弾性的な内靴(Innenschuh)23が挿入かつ取着されている。外部
シェル22における内靴23の取着は、マジックテープファスナの付いた4本の
繊維製バンド24によってなされる。この場合、マジックテープファスナは各繊
維製バンド24の又は外部シェル22の構成要素であってもよい。前者の場合に
は、そのときに外部シェル22に、各繊維製バンド24の向きを変えるのに用い
るバックル要素25(図3)が、設けられていることは、必要である。更に、繊
維製バンド24によって、内靴23における使用者の足の必要な固定が調節され
る。この目的で、繊維製バンド24によって、内靴23のべろ26は使用者の足
の甲の領域へ押圧される。
靴1の底2は踵領域のみならず爪先領域にも凹凸部27を有する。
更に、靴1の爪先領域には、溝状に形成されたリセス28が設けられている。
リセス28の寸法は受け要素の湾曲部材8に対応するように形成されている。リ
セス28及び固定用エッジ11が靴1における取付装置であるのに対し、湾曲部
材8及び固定用突起は受け要素6の踵領域における取付要素である。取付要素及
び取付装置は互いに対応するように形成されているので、これら2つの構造要素
の間の横方向及び縦方向のガイドが生じるように、靴1が受け要素6と結合可能
である。
図3乃至9には、スポーツ・レジャー及び/又はフィットネス用具の第2の実
施の形態が図示されており、このような用具は同様に靴1及び受け要素6からな
る。更に、ここで議論に上っている用具の2つの実施の形態の、図1及び2並び
に図3乃至9において一致する部材に、同一の参照符号が付されていることを指
摘する。
受け要素6の車輪3は、この実施の形態では、底2の縦軸又は受け要素6の中
央縦軸に対し偏心的に、すなわち横方向にずれて設けられている。車輪3の配置
は特に図6乃至9から見て取られる。この配置を後程詳述する。更に、車輪3は
垂直縦軸線29に対し25度の角度αに傾いて設けられている。更に、図6乃至
9からは、車輪3は使用者の足30に対し外側に設けられていること、及び車輪
3の踏面が、実質的に、靴1の底2の中央縦軸の下方の領域に、設けられている
ことが見て取られる。
車輪3は半車軸31に取外し自在に取り付けられている。半車軸31の、車輪
3から離隔した端部は、同時に車輪3の一側の覆いとして用いられる支持要素3
2に、回転しないように取り付けられている。支持要素32は、靴1用の受け要
素6の一体的な構成要素である。どの支持要素32も、プラスチックで被覆され
た、特に、押出し被覆された金属フレームからなる。
半車軸31の、車輪3に向いた端部は、カラー33を有する。これに応じて、
車輪3は孔を有する。孔には、半車軸31のカラー33の後方で係合される固定
要素が設けられている。このことによって、車輪3を容易に受け要素6から取り
外して、例えば、予備の車輪又は異なった走行性を持った車輪3と交換すること
ができる。
車輪3は種々の直径を有する。最大の直径を有する車輪3は踵領域に、最小の
直径を有する車輪3は中央領域に設けられている。
図3及び5における靴1の構造は、図1及び2の靴の構造とは、図3及び5に
示した靴1が固定用エッジ11の代わりに固定用リセス34を有する点で異なっ
ている。更に、図3乃至9に示した実施の形態が、受け要素6の一体的な構成要
素であり従って受け要素6から取り外しできない靴1を伴って形成されているこ
とができることを指摘する。
更に、図9には、受け要素6に靴1を固定するための他の構成も図示されてい
る。この目的で、受け要素6は、収容面7の領域に、力蓄え手段の力に抗して受
け要素6の縦方向に移動可能な固定要素35を有する。固定要素35は靴1の底
2に設けられた固定用リセスと形状係合及び/又は摩擦係合で係合可能である。
このために、固定要素35は、受け要素の縦方向に延びるリセス36内を案内さ
れる。
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