JP2000505686A - 身体部分マッサージ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 柔軟な壁をもつ多数の小室３を有する二重壁のスリーブ１と、ポンプ５と、身体部分に断続的圧縮を受けさせるためポンプを制御し、流体で次々と小室を満たす制御装置６とを備える身体部分マッサージ装置に関し、身体の一部（上脚部）の脂肪沈着をくい止めるため、スリーブ１は身体のこの部分を暖めるための電熱要素８を備える。それが好ましい肌のリンパ液の排液及び潅流をもたらす。

Description

【発明の詳細な説明】 身体部分マッサージ装置 この発明は、柔軟な壁をもつ多数の小室を有する二重壁のスリーブと、ポンプ と、身体部分に断続的圧縮を受けさせるためポンプを制御し、流体で次々と小室 を満たす制御装置とを備える身体部分マッサージ装置に関する。 このような装置は、とりわけヨーロッパ特許第０２０５８１７号明細書により 既知である。肌の状態はマッサージにより改善可能であることは一般に知られる ところである。肌を揉み圧搾することは血行を良くし、近心方向へのマッサージ はリンパ液の排液改善をもたらす。マッサージは手によるばかりでなく、また装 置により実施することができる。例えば、肌の上に置く２本の駆動ローラを有す る装置が知られている。２本のローラの空間に真空を作用させ、その結果、肌は 幾分持ち上げられる。肌の上で装置を移動させることによりマッサージが得られ る。他のタイプの装置は、先に述べたヨーロッパ特許第０２０５８１７号明細書 におけるような外部圧搾をもつスリーブである。スリーブを身体脚部周囲又は腕 部周囲に取り付け、その後圧搾空気により足首側から始めて個々の小室に圧力を 加える。先の小室が所定圧力になるまで、それぞれのすぐあとの小室には圧搾空 気を満たさない。全ての小室が満たされると、全小室の圧力を同時に放圧し、再 びこのプロセスが開始可能となる。 多くの婦人の肌は、皮膚の下に位置する脂肪細胞が肌に沿って不規則性なもの として現れ得るようである。多くの不規則性が存在すると、このことは橙皮肌(o range-peel skin)と呼ばれるもの又は脂肪沈着に帰結する。脂肪沈着の進展は常 に血液の循環不良と、組織内へのリンパ液排液減少とをもたらす。通常、問題と される組織における体液の分泌閉止は循環不良を引き起こす。特に皮下脂肪組織 において体液の分泌閉止は問題を生じさせる。殆ど全て脂肪からなる脂肪細胞は この体液を吸収することができないので、体液は水の小滴の形態で細胞の間に存 在する。その結果、脂肪細胞の間の小さな毛細血管は挟み締め付けられ、循環不 調に至る。その結果として、脂肪細胞の新陳代謝が低下する。その後脂肪細胞の グループは凝結し、結節を形成する原因となる。肌を僅かに変形させ、脂肪沈着 の最初の症状を引き起こすのはこれら結節である。脂肪沈着がさらに進んだ段階 で、連結性の組織が結節の周囲に形成される。肌はさらに変形し、その結果は橙 皮肌となる。この結果そのものは主として臀部及び大腿部に現れる。 肌から体液を移動させるようにし、これにより血液及びリンパ液の双方の循環 を改善する治療は、より健康的な脂肪組織に帰結することは明白である。例えば 全脚部上に圧力波を作用させるスリーブを用いることは、特に脚部におけるリン パ液の循環を高める有効な手段である。 マッサージの効果を増大させ、特に脂肪沈着をくい止めるように、冒頭にて述 べたタイプの装置を改善することがこの発明の目的である。 この目的達成のため、この発明による装置は、スリーブは身体部分を暖めるた めの電熱要素を備えることを特徴とする。 上部大腿部のように脂肪沈着が生じる身体部分における脂肪組織の温度は、通 常の状態の下で、身体温度、すなわち約２８〜３４℃より数度低い。制御された 方法で問題となる身体部分に熱を付加的に適用することにより、この身体部分の 温度は上昇する。ただし温度が４０℃の値を超えないように注意してのことであ る。肌の温度上昇は血管の拡張、その結果としての血液循環の高揚に帰結する。 従って肌は赤くなる。このように温度上昇の作用は循環を促進するということで ある。温度上昇の結果として組織の新陳代謝は改善され、それは肌の状態に好ま しい効果を有する。 肌の治療が単に暖めのみから成るのであれば、脂肪沈着に関して効果は小さな ものに過ぎない。しかし肌の暖めとマッサージとを同時に結び付ければ、脂肪沈 着に関して肌の十分な改善を認めることができる。このことが何故そうであるか は全く明らかではない。しかし一方では、脂肪沈着の原因を皮下脂肪組織に見出 すことを心に留めておくべきである。この組織は殆ど全体が脂肪で満たされた大 きな細胞から成る。数度の温度上昇はこれら細胞中の脂肪の粘度を低下させる結 果をもたらす。すなわちこれら細胞中の脂肪はより流動的になる。このことは、 スリーブによるマッサージのため脂肪細胞がより容易に変形することができるこ とを意味する。このことがマッサージの有効性が強烈に増加するという理由であ ろう。 暖め要素は、例えば電熱マットであることが可能である。このようなマットを スリーブの内側に配列することができる。通常、脂肪沈着は大腿部側と臀部側と に生じるので、脚部がスリーブを形成する一対のズボンを使用することが可能で あり、脂肪沈着が現れるこれらズボン位置に電熱要素を適用する。 またこの発明は、身体の一部分をマッサージする方法に関し、スリーブにより 身体のその部分に圧力を作用させる。脂肪沈着をくい止めるため、身体のその部 分をマッサージと同時に３７℃〜４０℃の温度に暖める。 この発明を図面に基づき一例の実施形態に関してより詳細に説明する。図にお いて、 図１は脚部に使用するスリーブを示し、 図２は図１のII−II線に沿うスリーブの一部分の断面図であり、 図３は一対のマッサージズボンを示す。 図１は人体脚部２の周囲に合わせたスリーブ１を示す。このスリーブは多数の 、例えば環状小室３を有する。各小室は柔軟なチューブ４によりポンプ５に結合 する。このポンプは制御装置６により制御する。一種の柔軟マットの形態をもつ 電熱要素８をスリーブの内側７に配列する。大腿部９の位置におけるスリーブに 電熱要素を配置する。大腿部の脂肪沈着は特に大腿部の両側に生じる。温度は制 御装置によりサーモスタット調節にて制御する。 治療の間、電熱要素の温度は最高でも４０℃に調節する。温度はセンサにより 測定する。安全上の理由から人は僅か低めの温度に調節する。脚部の末端部にお ける小室３ａ、すなわち足首１０に近い小室３ａから始めるものとして、ポンプ ５により圧搾空気を小室３に送り込む。圧力が心臓弛緩期の血圧（８０〜９０ミ リバール）近傍に達したとき、次の小室３ｂに圧搾空気を満たす。ひとたび全小 室に圧搾空気を満たしたら、直ちに全小室の圧力を一時に放圧し、この過程を反 復する。サイクルタイムは約３０秒である。 治療を施す身体部分をできるだけ一様に暖めることを達成するため、アルミニ ウムホイル１３をスリーブに配置することができる。このホイルは電熱要素８と 身体部分（大腿部９，図２参照）との間に介在させる。 図３は一種のマッサージズボン１１を示し、その脚の部分１２はこの発明によ るスリーブの形態を採る。電熱要素８は大腿部と臀部の双方位置に配置する。ズ ボンは全脚部にわたりリンパ液の排液を実現させるように長い脚の部分を有する ことができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．柔軟な壁をもつ多数の小室を有する二重壁のスリーブと、ポンプと、身体部 分に断続的圧縮を受けさせるためポンプを制御し、流体で次々と小室を満たす 制御装置とを備える身体部分マッサージ装置において、 上記スリーブは身体部分を暖めるための電熱要素を備えることを特徴とする 身体部分マッサージ装置。 ２．電熱要素はスリーブの内側に配列した柔軟な電熱マットである請求項１に記 載した装置。 ３．一対のマッサージズボンを備え、該ズボンの脚部を上記スリーブにより形成 して成る請求項２に記載した装置。 ４．スリーブは温度高感度要素を備え、該要素を３７℃と４０℃との間の温度に 調節する制御装置に結合して成る請求項１〜３のいずれか一項に記載した装置 。 ５．スリーブにより身体部分に圧力波を加える身体部分マッサージ方法において 、マッサージと同時に身体部分を３７℃〜４０℃に暖めることを特徴とする身 体部分マッサージ方法。