JP2000505597A - 帯金付きの開放された磁石構造 - Google Patents

帯金付きの開放された磁石構造

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ラスィネック,ヘンリー
ジャンセン,ジャンズ
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Abstract

(57)【要約】 核磁気共鳴撮像への適用に特に有用である開放磁石構造であって、該磁石構造の上部における開口部(39)を経由して外科医による患者へのアクセスを可能にする一方で、対象領域内にほぼ平等な磁界を供給する帯金付き開放磁石構造である。この磁石構造は、強磁性材料または極部材により隔てられ、かつ、外側ヨーク(38)により包囲された、入れ子状の内側および外側の磁石構造を具備している。この構造は、高い透磁率を有する材料からなり、かつ、理想的な特性を有する想定される閉じた磁石構造の等磁位面にほぼ沿って整列された、1つまたはそれ以上の薄い層または帯金(36)を含んでいる。さらに、この構造および技術は、厚く重い強磁性材料のブロックを薄い帯金と置き換えるために、かつ、磁石構造内の構成要素の静磁位を拡張するために供給されており、それは、薄い帯金を該磁石構造と連結させ、かつ、該磁石構造により発生した磁界の等磁位面に沿って該帯金を該磁石構造内に埋め込むことによる。

Description

【発明の詳細な説明】 帯金付きの開放された磁石構造 著作権の告示 この特許文書の開示の一部は、著作権保護の支配下にある材料を含んでいる。 この特許開示は特許商標庁の資料および記録中に現れているので、第三者による この特許開示の複写による再生に対し、著作権の保有者は何ら異論を持たないが 、別の状況においては、あらゆる著作権の権限を保有する。 関連出願および特許 本出願は、1995年3月13日に出願された同時係属中の米国出願第08/ 406,340号の一部継続出願であり、米国特許第5,495,222号明細 書として1996年2月27に発行されている。該米国特許第5,495,22 2号明細書は、1994年4月15日に出願された米国出願第08/228,2 91号であって現在は米国特許第5,475,355号明細書であるものの一部 継続出願である。 他の関連出願が含んでいるのは、米国特許第5,428,333号明細書の"M ethod and Apparatus for Compensation of Field Distortion in a Magnetic S tructure"、米国特許第5,278,534号明細書の"Magnetic Structure Hav ing a Mirror"、米国特許第5,285,393号明細書の"Method for Determi nation of Optimum Fields of Permanent Magnet Structures with Linear Magn etic Characteristics"、米国特許第5,412,365号明細書の"High Field Magnets for Medical Applications"、米国特許第5,162,771号明細書 の"Highly Efficient Yoked Permanent Magnet"、米国特許第5,107,23 9号明細書の"Hybrid Permanent Magnets"、米国特許第5,119,057号明 細書の"Optimum Design of Two-Dimensional Permanent Magnets"、米国特許第 4, 990,083号明細書の"Yokeless Permanent Magnet Structure and Method of Construction"である。これにより、上述の全ての特許および特許出願は、参 考文献によりこの出願内に含まれている。発明の分野 本発明は、核磁気共鳴の医療アプリケーションにおいて用いられる構造のよう な磁石構造に関する。詳細には、本発明は、強力でかつ高い平等性を有する磁界 (uniform magnetic field)を生成するための開放された磁石構造に関する。さ らに、本発明は、磁石構造において高い透磁率を有する物質からなる薄い帯金を 用いることに関する。 発明の背景 核磁気共鳴(NMR(nuclear magnetic resonance))現象の医療アプリケーシ ョンは、主に、撮像(imaging)に必要とされる高い平等磁界を生成するための 超電導磁石または永久磁石の使用に基づいている。超伝導磁石の主な利点は、強 い磁界を得られることである。電流が流れる超伝導コイルは、通常、両端部が開 放された円筒状の構造を有しており、磁石の中心に配置される撮像領域を横切る ように、患者が軸方向に案内されて孔部内に入れられる。しかし、このコイルの 幾何形状により規定される構造は、しばしば臨床的処理および外科的処理につい て多くの問題につながる。磁石構造と外科器械とが干渉すること、および患者へ のアクセス、特に手術部(処置部)へのアクセスが制限されることで、外科的処 置の間におけるリアルタイムの撮像が妨げられる。 永久磁石は、強い磁界の生成について限界があるにもかかわらず、外部電源お よびメンテナンスが不要なことで、医療的撮像用途において、その使用が増加す る傾向にある。従来の永久磁石は、極部材(pole piece)間の間隙内に設定され る撮像領域まわりに広い開放領域を構成するヨーク(yoke)構造を備えるように 形成可能となっている。しかし、磁石のサイズおよび重量を実際的な範囲内に抑 えるためには、極部材を患者の体に可能な限り近接させる必要がある。対象領域 内で必要とされる磁界の平等性に基づいて設定される極部材の横方向長さが長い ことで、患者へのアクセスが制限されるとともに、外科器械との干渉が生じる。 さらに、対象領域内の磁界の強さが増加すると、従来の永久磁石の効率は低下す るとともに、間隙の外側の漂遊磁界(stray field)のレベルが増加する。 超伝導磁石および永久磁石についての問題のうち幾つかは、この明細書中に説 明され、さらに同時係属中の米国出願に開示され、米国特許第5,495,22 2号明細書として発行されている、本発明の”開放された上部の”または”開放 された”磁石構造により解決される。本発明の開放された磁石構造において、患 者へのアクセスは、構造物の2つの開放された端部に加えて、磁石の一側面また は上部に沿った大きな開口部を通して供給される。本発明の開放された上部の構 造のさらなる利点は、磁石の孔部が、外部構造の極部材の1つまたは両方の範囲 内に挿入された独立した磁石構造の2つまたはそれ以上の個々の孔部の組み合わ せであってもよいということである。独立した内部構造は、外部の媒体に対して 開放されておらず、各々の孔部内で平等磁界を生成するように設計されている。 結果として、それらは、外部構造の孔部内における磁界の歪みの補正の一助とな る。 強い平等磁界を生成するための永久磁石構造の使用、および開放された磁石構 造についてのさらなる背景情報は、少なくとも以下の出典の中に見つけられ、こ れらは、参照によりこの明細書中に含まれている。 [1]永久磁石の構造;Abele M.,Structures of permanent magnets.John Wi ley and Sons.Inc.,New York,1993. [2]永久磁石構造内の平等磁界に対する磁界の方向の影響;Jensen J.H.,Abe le M.G..Effects of Field Orientation on Field Uniformity in PermanentMa gnet Structures.Journal of Applied Physics 76(10),6853-6855,1994. [3]磁気媒体および強磁性材料の線形的特性を用いた永久磁石内の磁界補償; Abele M.G.,Rusinek H.,Field Computation in Permanent Magnets with Line ar Characteristics of Magnetic Media and Ferromagnetic Materials.Techni cal Report No.24,Department of Radiology,New York University Medical Center.August 15, 1991. [4]永久磁石内の極部材設計についての線形理論;Abele M.G.,Jensen JH.R usinek H.,Linear Theory of Pole Piece Design in Permanent Magnets.Proc eedings of XIII International Workshop on Rare-Earth Magnets and Applic ations.CAF Manwaring,DGR Jones,AJ Williams and IR Harris.Eds,Univer sity of Birmingham.United Kingdom,pp167-176.1994. [5]永久磁石を用いた高い平等磁界の生成;Abele M.G.,Generation of High ly Uniform Fields with Permanent Magnets.Technical Report No.26,Depart ment of Radiology,New York University Medical Center.June 15,1994. [6]永久磁石を用いた高い平等磁界の生成;Abele M.G.,Generation of High ly Uniform Fields with Permanent Magnets(invited paper).Journal of Appl ied Physics 76(10),6247-6252,1994. [7]開放ハイブリッド型永久磁石;Abele MG,Jensen JH,Rusinek H,Open H ybrid Permanent Magnet.Technical Report No.29,Department of Radiology ,New York University Medical Center.March 15,1995. [8]高能率ヨーク付き永久磁石;Abele MG,A High Efficiency Yoked Perman ent Magnet.Technical Report No.23.Department of Radiology,New York Un iversity Medical Center.October1,1990. [9]ヨーク無し永久磁石の最適設計;Abele MG,Rusinek H.,Optimum Design of Yokeless Permanent Magnet.Journal of Applied Physics 67(9),pp.4644 -4646,1990. [10]永久磁石構造の最適化;Jensen JH.Abele.MG,Optimization of Perma nent Magnet Structures.Technical Report No.28,Department of Radiology ,New York University Medical Center.October 15,1994. [11]永久磁石の磁化公差により生じる磁界の歪み;Abele MG,Rusinek H., Field Distortion Caused by Magnetization Tolerances of Permanent Magnets .IEEE Trans Magnetics.29(6).2908-2910,1993 発明者らは、開放磁石構造および一般の磁石構造における改良のために、幾つ かの問題および分野を鑑定してきた。例えば、開放された磁石構造の重量を減少 させること、および/または磁石の孔部のサイズを増大させることは都合がよい 。さらに、磁石構造の上部開口部は、患者へのアクセスの利点を提供する一方で 、孔部内で生成された磁界において、閉じた磁石構造により生成された理想的な 磁界からの歪みを生じさせる。磁化公差や製造公差(magnetization and fabric ation tolerances)により生じるさらなる歪みの他に、磁界におけるこれらの歪 みを減少させることが望ましい。他の望ましい改良は、構造内のある位置から他 の1つまたは複数の位置へ、極部材内の強磁性ブロックのような磁石構造の構成 要素の静磁位を拡張することを含んでいる。本発明によれば、高い透磁率を有す る材料からなる薄い層から構成される帯金が、本発明の開放磁石構造への特定の 適用とともに、これら、または他の利点および改良をもたらすために、この明細 書中で説明される方法で用いられ得る。 幾つかの参考文献および従来の特許が、本発明のある側面にとって重要である 。参考文献[1](189〜216頁)は、製造公差および磁化公差による磁石 特性の非平等的な分布により生じる磁界の歪みを低減させるために、空間的なフ ィルタのような閉じたプリズム状の磁石構造において、高い透磁率を有する材料 からなる薄い層を用いることを開示している。参考文献[1](336〜359 頁)および米国特許第5,428,333号明細書は、磁石構造の端部における 開口部により発生する好ましくない高調波(harmonics)を濾波して除く(filte r out)ことにより磁界の平等性を向上させるために、磁石構造の磁性材料と内 側の孔部との間の界面において、高い透磁率を有する2つの極板を挿入すること を開示している。2つの極板があることにより、無限長を有する2次元構造によ り発生された磁界の形態と非常に類似した磁界の形態が、孔部における対象領域 内に得られる。 しかしながら、参考文献および従来の特許は、本発明の構成および技術につい て開示していない。例えば、好ましい実施形態により示されるように、孔部のサ イズを増大させ、重量を減少させ、かつ、磁界の歪みを低減させるための開放磁 石構造内に埋め込まれた帯金の使用を、参考文献および(従来の)特許は示して いない。発明の概要 本発明の目的は、磁石構造内の主孔部内の撮像領域において高い平等磁界を発 生させるとともに、磁石構造の1つの側部に形成された大きな開口部を介して前 記主孔部へアクセス可能である、端部が開放された磁石構造を提供することであ る。 さらに、本発明の目的は、NMR撮像の対象となる患者を主孔部内に収容する と同時に、外科医が患者に対して外科的処置を実施できるような永久磁石構造を 提供することである。 本発明の他の目的は、対象領域内に、ほぼ平等な、強い磁界を発生させるため に改良された磁石構造を提供することである。 本発明の他の目的は、開放磁石構造内に発生した磁界における歪みを低減また は補償することである。 本発明の他の目的は、磁石構造における磁化公差および製造公差により生じた 歪みであって、該構造により発生された磁界における歪みを低減または補償する ことである。 本発明の他の目的は、構造内に発生した磁界全体を実質的に縮小させることな く、開放磁石構造の重量を低減させることである。 本発明の他の目的は、構造内に発生した磁界全体を実質的に縮小させずに、開 放磁石構造内に画定される孔部のサイズを増大させることである。 本発明の他の目的は、磁石構造の構成要素の静磁位を、該構成要素から構造内 の他の部分へ延長させるための装置を提供することである。 本発明の他の目的は、医療的撮像用途に用いるための、改良されたNMR装置 を提供することである。 本発明についての上述のおよび他の目的は、磁界を発生させる開放磁石構造に より達成され、前記磁石構造は、開放磁石システムと、該開放磁石構造の構成要 素内に埋め込まれ、高い透磁率を有する材料からなる少なくとも1つの帯金とを 具備する。該帯金は、ほぼ磁界の等磁位面の全部または一部に配置される。該帯 金は、前記磁石構造の開口部による理想的な磁界からの前記磁界内の歪み、およ び/または、前記磁石構造における製造公差または磁化公差から生じる前記磁界 内の歪みを低減または消滅させるのに役立つ。 好ましい実施形態においては、前記開放磁石システムは、永久磁化された材料 と強磁性材料とから構成されている。ある永久磁化された材料を含む構造におい て、前記帯金は、前記永久磁化された材料内に埋め込まれることが好ましい。前 記開放磁石構造は、該構造の外側の磁束を閉じるための外側ヨークを含んでいて もよく、ヨーク無しでも、またはハイブリッド型(hybrid)の構成であってもよ い。さらに、好ましい実施形態においては、前記開放磁石構造は、ほぼ平等な磁 界を発生させるように構成されており、磁界の歪みの補償を補助するために、く さび状(wedge)の永久磁気材料またはフィルタ構造のような、追加の構造を含 んでもよい。前記くさび状の磁石は、前記開放磁石システムの側壁部に配置され てもよく、さらに、磁界の方向に磁化されてもよい。前記フィルタ構造は、前記 開放磁石システムの内側孔部に面している表面上の前記側壁部に適用されてもよ い。 好ましい実施形態において、前記帯金は、想定される理想的な閉じた磁石構造 、すなわち、前記開放磁石構造と同一であるが閉鎖部を有し、完全な幾何形状の 完全な材料から構成されている閉じた構造により発生した理想的な磁界の等磁位 面の全部または一部と正確に一致するように構成されている。 帯金の使用の有益な効果を最大限にするためには、帯金は、該帯金の磁気的飽 和(magnetic saturation)を妨げるのに十分な厚さを有する薄い層であるべき である。この帯金は、実質的に磁界を縮小させずに、この明細書および米国特許 第5,495,222号明細書に開示されている開放磁石構造の閉じた端部に用 いられているブロックのような、強磁性材料の厚いブロックを置き換えるために 用いられ得る。このようなシステムにおいて、帯金は、厚い強磁性ブロックとほ ぼ同様の機能を遂行するという点で、極部材の一部と考えられてもよい。 さらに幾つかまたは全ての本発明の目的は、磁界を発生させる磁石構造であっ て、強磁性体の極部材と、薄く軽量であってほぼ前記磁界の等磁位面において磁 石システム内に埋め込まれた帯金とを有する磁石システムを具備する磁石構造に より達成され、該帯金は、前記極部材のうちの少なくとも1つに含まれる強磁性 材料の厚いブロックにより遂行され得るのとほぼ同様の機能を前記磁石構造にお いて遂行する。本発明のこの側面によれば、前記帯金は、前記磁石構造により発 生した磁界全体に影響を及ぼすことなく、該構造の重量を減少させ、かつ/また は、該構造内部の孔部の体積を増大させることを可能にする。 本発明のさらなる側面によれば、磁石構造により発生する磁界が存在する場合 の静磁位にある構成要素と、該構成要素と連結された高い透磁率を有する材料か らなり、かつ、磁石構造の全体または一部を通って延びている帯金とを具備する 磁石構造が提供される。該帯金は、前記構成要素から前記磁石構造の他の部分ヘ 静磁位を延長させている。前記構成要素は、強磁性ブロックであってもよく、前 記磁石構造は、患者または該構造内に配置された他の対象物へのアクセスを可能 にするための側部開口部を有してもよい。このような場合において、前記強磁性 ブロックは前記側部開口部の近傍に配置されることが好ましく、前記帯金は該側 部開口部から延びている。これまでに説明されたような本発明の他の実施形態の ように、前記帯金は、ほぼ磁界の等磁位面に沿って配置されていることが好まし い。 さらに、本発明は、磁石構造を改良するための種々の方法を含む。これらのう ちの1つは、開放磁石構造における磁界の歪みを低減させるための方法である。 この方法は、閉じられている以外は前記開放磁石構造とほぼ同一である、想定さ れる理想的な閉じた磁石構造により発生させられた理想的な磁界の、1つまたは それ以上の等磁位面を識別することと、前記磁界の歪みを低減するために、前記 識別された等磁位面に整列された前記開放磁石構造内において、高い透磁率を有 する強磁性材料から構成された1つまたはそれ以上の帯金の位置決めをすること とを具備する。前記磁石構造の磁束は、高い透磁率を有する材料からなる外側ヨ ークを用いて導かれ、かつ、閉じられ得る。 本発明の他の方法は、磁石構造の重量および体積を減少させるためのものであ る。前記磁石構造は、この明細書中に説明されるような開放磁石構造の極部材中 などに、強磁性体の材料の厚いブロックを潜在的に具備してもよい。強磁性ブロ ックは、前記磁石構造により発生した磁界を減少させずに、薄い層であり、かつ 、軽量であり、高い透磁率を有する材料からなる帯金により置き換えられ、これ により、置き換えられる前記強磁性材料の厚いブロックの体積に相当する量から 最小限必要とされる帯金の体積を差し引いた分だけ、前記磁石構造全体の体積を 減少させる。同様に、他の方法は、特定のサイズの孔部に隣接した強磁性材料の 厚いブロックを、薄い層であって高い透磁率を有する材料からなる帯金と置き換 えることにより、磁石構造の孔部のサイズを増大させるためのものある。 本発明のさらなる側面によれば、主磁石システムおよび副磁石システムを具備 する開放磁石構造が提供される。前記主磁石システムは、第1の磁石構造と連結 されて、間隔を置いて対向して配置された第1および第2の強磁性体の極部材を 備えた第1の磁石構造を具備し、かつ、少なくとも側部アクセス開口部を有する 主孔部を画定し、該主孔部内の第1の対象領域内にほぼ平等な磁界を発生させる 。該第1の対象領域は、少なくとも前記側部開口部を経由してアクセス可能であ る。好ましい実施形態においては、前記第1の磁石構造は、少なくとも1つの永 久磁石を具備する。 前記副磁石システムは、前記第1の強磁性体の極部材内に挿入された第1の永 久磁石を少なくとも具備する。前記副磁石システムは、前記主磁石システムによ り前記主孔部内の第1の対象領域内に発生されるものとほぼ平等な磁界を、前記 第1の横側孔部内の第2の対象領域内に発生させ、それにより、少なくとも前記 第1および第2の対象領域を結合し、かつ、ほぼ平等な磁界を有する拡大された 対象領域を供給する。第1の磁石システムと同一である、追加の二次的な磁石シ ステムが第2の極部材内に挿入されてもよく、これにより対称的な構造が作り出 される。 中央孔部と隣接する横側孔部とを組み合わせることで、磁石構造の全体的サイ ズを拡張することなしに、NMR撮像を支援するための平等磁界を備えた撮像領 域を拡張できるとともに、必要とされる磁気材料(magnetic material)の全体 的重量をかなり減少させることができる。主孔部の大部分にわたって撮像領域が 延びるから、この磁石構造は、特に医療アプリケーションに適している。結果的 に、この磁石構造は、人体全体を撮像するように設計されたコンパクトな臨床用 スキャナ内で使用することが可能である。さらに、最新の高エネルギ生成物、希 土類材料を使用することで、磁石構造により、実際的な重量およびサイズの範囲 内 で0.5T(テスラ)までの磁界を生成することが可能となる。高い平等磁界を 有する領域を磁石構造の側部に形成された開口部まで十分に接近させることで、 この構造を外科的/介入的処置に対して有意なものとすることができる。大きな 開口部を備えたコンパクトな磁石構造を提供することで、干渉を最小限に抑えて 外科ユニット内のスキャナのガントリー(gantry)と外科的器械とを統合するこ とが可能となる。 好ましい実施形態において、前記磁石構造は、前記側部アクセス開口部から生 じる、主孔部内の磁界の歪みを補償するための手段を具備する。この補償手段は 、高い透磁率を有する材料からなる帯金を具備していてもよく、該帯金は、ほぼ 平等な磁界の等磁位面にほぼ沿って整列されていてもよい。幾つかの実施形態に おいて、前記主磁石システム内の前記第1の極部材は、前記側部アクセス開口部 の近傍の前記第1の永久磁石の外側に配置された強磁性ブロックを具備している 。前記帯金は、前記強磁性ブロックに連結され、かつ、前記第1の永久磁石の外 側のほぼ平等な磁界の等磁位面に沿って整列されていてもよい。さらなる好まし い実施形態においては、永久磁石および軟質の磁性ブロックの独自の配置と、磁 界の歪みの複数の空間的調波(spatial harmonics)を補償するためのフィルタ 構造とにより、さらなる磁界の歪みの補償手段が提供され得る。 前記磁石構造は、互いに間隔を置いて配置された、高い透磁率を有する材料か らなる複数の帯金を具備していてもよく、該帯金の各々は、ほぼ平等な磁界の等 磁位面に沿って整列されている。これらの帯金を離間している距離は、以下に説 明されるように、摂動および歪みを減少させることに関する帯金の所望の有効性 によって決定され得る。 さらに本発明は、底壁部と、該底壁部と連結されて間隔を置いて配置された( 複数の)側壁部とを有する帯金付き開放磁石構造を具備している。前記側壁部お よび底壁部は、間隔を置いて対向した第1および第2の極部材を備えた第1の磁 石構造を含んでおり、少なくとも1つの前記上部開口部を有する主孔部を画定し ている。前記磁石構造は、前記主孔部の第1の対象領域内にほぼ平等な磁界を発 生させ、該第1の対象領域は、少なくとも前記上部開口部を経由してアクセス可 能である。前記開放磁石構造は、前記強磁性材料および前記第1の磁石構造と連 結された、1つまたはそれ以上の薄い帯金をさらに具備している。該帯金は、高 い透磁率を有する材料から構成され、そのうち少なくとも1つは、前記主孔部に 面している前記第1および第2の極部材の表面の少なくとも一部に隣接して配置 されている。 好ましい実施形態による開放磁石構造の幾何形状は、臨床的介入および手術用 に意図されているが、この構造は、対象領域に容易にアクセスする必要がある他 の診断的な撮像アプリケーションにとっても有益である。 図面の簡潔な説明 本発明は、例示的であるが制限的ではないように意図されている添付図面に示 されており、これらの図面において、同一の参照符号は同一または対応する部分 を示している。 図1は、本発明の帯金付き開放磁石構造の好ましい実施形態の概略図であり、 y>0領域においてのみ示されている。 図2は、図1に示された帯金付き開放磁石構造の3次元的な斜視図である。 図3は、図2の帯金付き開放磁石構造の斜視図である。この図においては、外 側ヨークが省略され、左側の極部材内に差し込まれた永久磁化材料が(内部を見 るために)取り外されて(破線で)示されており、帯金の輪郭線も(破線で示し た)永久磁化材料の後方に示されている。 図4は、本発明の他の好ましい実施形態による、複数の帯金を含む開放磁石構 造の斜視図である。 図5は、帯金を備えていないこと以外は図1〜図3に示された構成と類似の開 放磁石構造の概略図であり、開放磁石構造により発生した磁界と、想定される閉 じた磁石構造により発生する理想的な平等磁界との間の違いを示す磁界の歪みの 等磁位面を示している。 図6は、図1〜図3に示されるような帯金付き開放磁石構造の概略図であり、 磁界の歪みの等磁位面を示している。 図7は、エアギャップ(air gap)内に平等磁界を生成する永久磁石層(薄い シ ェーディング)と軟質の強磁性体層(濃いシェーディング)を示す概略図である 。 図8は、図7に関連して、異なる厚さを有する2つの領域について、エアギャ ップ領域において同一の磁界が生成されるように、2つの台形状永久磁石コンポ ーネントを用いて、厚さの異なる前記2つの領域間の移行部が、本発明に基づい て如何に構成されるかを示す概略図である。 図9は、図8において定義された移行部を、半平面x>0上で閉じることによ り得られた磁石構造の概略図である。 図10は、磁石の外側の任意のパス(path)に続くヨークを備えた、境界y1,2 =y2,1における図9の磁石構造の概略図である。 図11は、図10の構造と類似した磁石構造を示し、等磁位線を示している。 図12は、強磁性体の部材を備え、x方向に拡張された孔部を備えた、閉じた ハイブリッド型構造のy>0領域の概略図である。 図13は、より低い磁気分極材料による図10に示される磁石構造における磁 性材料の三角形コンポーネントの代替形態を示す概略図である。 図14は、図12のハイブリッド磁石構造において、側壁の開口部と、ヨーク の一部を取り除いた状態とを示す。 図15Aおよび図15Bは、主孔部が人体を収容するのに十分なサイズを有す る本発明による帯金無しの開放型磁石の1つの実施形態を示す3次元的な斜視図 である。 図16は、帯金により置き換えられた強磁性体部材の1つを備えた、図12の 閉じたハイブリッド磁石構造を示している。 図17は、本発明の好ましい実施形態による、帯金無し磁石構造と帯金付き磁 石構造とを並べた斜視図を示している。 図18は、x1の幾つかの異なる値に対する、閉じた2次元的なハイブリッド 構造に関する、メリットの数量と幾何形状パラメータKとの関係のグラフである 。 図19Aおよび図19Bは、本発明の好ましい実施形態の、帯金無し磁石構造 および帯金付き磁石構造それぞれのy>0領域の概略図であり、それぞれの孔部 内に等磁位線を示している。 図20Aおよび図20Bは、それぞれの孔部の外側に等磁位線を示している、 図19Aおよび図19Bそれぞれの概略図である。 図21Aおよび図21Bは、本発明の好ましい実施形態による、帯金無しの磁 石構造および帯金付き磁石構造それぞれに関する、x軸およびy軸に沿った磁界 の強さのグラフである。 図22は、強磁性ブロックの幅を示しているx1の幾つかの値に関する、図1 の帯金付き開放磁石構造のx軸に沿った磁界の強さのグラフである。 図23は、0.8y0に保たれた幅x1を備えた、孔部の開口部の高さを表すy1 の幾つかの値に関する、図1の帯金付き開放磁石構造のx軸に沿った磁界の強 さのグラフである。 図24は、一定値Hy(0,0)を維持する幾何形状パラメータx1およびy1 間の関係を示している図1の帯金付き開放磁石構造の概略図である。 図25は、図1に示される磁石構造の中央孔部と横側孔部との間の仮定的な界 面を取り除く前(曲線a)と、取り除いた後(曲線b)の、y=y1におけるHy のグラフである。 図26および図27は、図1に示された点V1における特異点を検討するため の概略図である。 図28および図29は、図1に示された点V2における特異点を検討するため の概略図である。 図30は、本発明の好ましい実施形態のフィルタ要素の拡大断面図である。 図31は、磁界の歪みの好ましい補償方法の開発を検討するのに有用な、本発 明の好ましい実施形態の帯金無し開放磁石構造である図14と類似した図である 。 図32は、フィルタ構造を調整する前および調整した後の膨張係数(expansio n coefficients)の表である。 図33は、主要調波成分を除去するために必要とされるシフトを示すグラフで ある。 図34は、本発明による第1の補償段階の後に得られる、図31に示された磁 石の撮像領域を示す。 図35は、磁界の歪みを低減させるための磁気挿入部材の付加を示す図である 。 図36は、2つの条件の下での磁界の平等性を比較するグラフである。 図37および図38は、本発明による、それぞれ第2の補償工程および第3の 補償工程の後の図31に示された磁石の撮像領域に対する効果を示す図である。 図39Aおよび図39Bは、磁界の不平等性を低減するために用いられるフィ ルタ構造の本発明による実施形態を示す図である。 図40A、図40B、および図40Cは、本発明による磁石構造内の特異点の 影響を示すグラフである。 図41は、磁界の非平等性を低減させるための、帯金無し開放磁石構造におけ るフィルタ構造の実施形態を示している。 図42は、本発明の1つの好ましい実施形態による、図15Aおよび図15B の帯金無し開放磁石構造の1つの形態を示す拡大図である。 図43は、図42の磁石構造に対する別の実施の形態におけるフィルタ構造の 配置を示す図である。 図44は、図42の磁石構造の孔部内に人体を如何に収容するかを示す図であ る。 図45は、本発明の好ましい実施形態によるフィルタ構造を含む、図1の帯金 付き開放磁石構造の断面の概略図である。 図46は、六角形の孔部とエアギャップとを磁石構造内に備えた、ヨーク付き の閉じた磁石の断面の概略図であり、磁石により発生された磁界の幾つかの等磁 位線を示している。 図47は、図46の磁石に示された等磁位線と一致するように配置された帯金 の概略図である。 図48は、図47に示された帯金を含む、図46の磁石の斜視図である。 好ましい実施形態の詳細な説明 本発明は、少なくとも(1)高い透磁率を有する物質の薄い層から構成される 強磁性体の帯金を挿入することにより、開放磁石構造の範囲内での磁界の歪みを 補正するための、(2)構造内の強磁性体の厚く重い固まりを薄い帯金に置き換 えることにより、開放磁石構造の重量を減少させ、かつ/または、孔部のサイズ を増大させるための、または、(3)薄い帯金を磁石構造に連結し、かつ、磁石 構造により生成された磁場の等磁位面に沿って磁石構造内に帯金を埋め込むこと により、磁石構造における成分の磁位を拡張するための、構造および技術を示し ている。本発明のこれらの側面の各々について、好ましい実施形態を示す形状の 図面を参照して以下に説明する。 この明細書中と、さらに本発明がこの一部継続出願である米国特許第5,49 5,222号明細書中とに説明されているような開放磁石構造に関しては、磁場 における歪みの主要な要因は、磁性物質の開放幾何構造公差および磁化公差(op en geometry and magnetic tolerances)である。この歪みは、構造の寸法が極 部材間の隙間と比較して大きい比較的強い磁場を生成するように設計された磁石 にとっては特に過酷である。本発明の一側面によれば、磁性物質の磁化公差によ る磁場の歪みの他に、磁石の開放幾何構造による磁場の歪みを補償するために、 帯金を用いることが可能であり、このことは、NMR撮像用に用いられる永久磁 石に特に有用である。 好ましい実施形態において、帯金は、完璧な物質および幾何構造を備えた理想 的な閉じた磁石により発生される磁場の選択された等磁位面に配置される。当然 ながら、無限の透磁率の範囲においては帯金は等磁位である。結果として、帯金 は、該帯金の表面に平行な磁場の成分を抹消することにより、磁場の歪みだけに 影響を及ぼす。 図1は、この明細書中と、詳細を後述する米国特許第5,495,222号明 細書中とに開示されている開放磁石構造と類似のハイブリッド(hybrid)磁石の 開放した形を示している。明瞭にするために、磁石30のy>0部分のみが図面 に示されている。密にシェーディングされた領域は、孔部34の開放端部の近く に配置された強磁性体物質のブロックからなる極部材32を示しており、該孔部 34は、開口部による磁場の歪みを部分的に補償するように設計されている。( 太線により示された)帯金36は、磁石30内において、一方の面が永久磁石ブ ロック42,43,45に、他方の面が永久磁石ブロック46,47,48に挟 まれて埋め込まれている(図2を参照)。帯金は、磁石30により発生される等 磁位面に従って整列される。さらに、磁石30の外側および極部材32の外側の 磁束線を導き、かつ、閉じるために用いられる外側のヨーク38が、太線により 図1に示されている。 この明細書中にさらに説明されるように、帯金36は、製造公差および磁化公 差により生じた歪みの他に、磁石30の開口部により生じている歪みを低減させ る。磁石構造30は、孔部34内の磁界に当てるべく、患者または他の人体を入 れることを可能にするために、z軸に沿った開放端部を有する。しかしながら、 好ましい実施形態においては、これらの開口部が磁石構造30の孔部34の対象 領域から十分に離れているので、開放端部による歪みは無視することが可能であ り、それにより、磁石構造30は検討の目的のために端部において閉じていると 考えることができる。しかしながら、患者が磁界に当てられている間に患者にア クセスするために、上部の開口部39は患者の近くになければならない。この上 部の開口部39による歪みは問題を含むものであるが、例えば、本発明による帯 金36により低減させられる。 本発明のさらなる側面によれば、強磁性体の極部材32が帯金36に連結され ており、該帯金36は、磁石30の閉じた端部に向かって、該磁石30の端から 端まで延びている。極部材32は、磁石30により発生された磁界がある場合に は一定の静磁位にあり、帯金36は、磁石30の端から端まで通って点V2まで この磁位を拡張するように機能する。V2と称された点においては特異点が形成 され、これは、帯金が孔部との界面で途切れている地点である。この特異点は、 本発明によって以下に説明されるように検討され得る。 図1の磁石30の3次元的な図が図2および図3に示されている。これらの図 は、y軸に関して対称であり、かつ、両側の側壁部40内に同一の極部材32お よび帯金36を有しており、極部材32内に差し込まれた永久磁石42,43, 45を備えている。この目的は、以下および米国特許第5,495,222号明 細書に説明されるように、磁石30の主孔部34を2つの隣接する両側の横側孔 束を閉じるように設計された外側のヨーク38は、磁石30を囲んでいる。図3 は、切り欠き図で磁石30の左側壁の極部材32内に差し込まれた永久磁石42 ,43,45を示し、それにより、帯金36が太い外形線で示されたように見る ことができる。 理論上は、μ=∞の透磁率を有する帯金は、無限小の厚さを有し、さらに、こ の明細書中に説明されたように歪みを低減させるように機能するすることが可能 である。しかし、実際には、帯金は、有限の透磁率を有し、したがって、ある最 小限の厚さを有していなければならない。最小限必要とされる厚さは、帯金に用 いられる材料の磁気飽和度(magnetic saturation)に関して決定される。この 磁気飽和度は、磁界内の強磁性材料の最大磁化状態に関連する。当業者が認識す るように、飽和した場合には、強磁性体の表面は、もはや等磁位面とは一致しな いので、磁石の設計においては、強磁性材料を飽和させないようにすることが好 ましい。従来の計算されたモデリング技術は、透磁率に基づく帯金の最小限必要 な長さ、帯金が用いられる磁界の強さ、および構造的考慮を決定するために用い られている。 図4に示されているように、先に説明されたような歪みをさらに低減させるた めに、開放磁石構造30は、それ自体に埋め込まれた追加の帯金36a,36b を含んでいてもよい。図4における2つの追加の帯金36aは、極部材32の外 側に配置された永久磁石46,47,48内に埋め込まれており、2つの帯金3 6bは、極部材32内に差し込まれた永久磁石42,43,45内に埋め込まれ ている。 複数の帯金が用いられるときには、歪みを低減させることに関する帯金の有効 性は、連続的な等磁位面どうしが隔てられている距離wおよびこれらの面の位置 に幾分依存する。例えば、互いに距離wOだけ離れて配置された2つの帯金に垂 直な材料の磁気分極の摂動(perturbation)δJを仮定し、この摂動が帯金の1 つ 体積Vを通過する軸r=0と、2つの極板(plate)のうちの1つに原点を備 えた、参照符号r,φ,wの円筒形の枠において、配置された摂動δJは、以下 に示すような、磁位の摂動δΦを発生させる。 ここで、KOは第3種変形ベッセル関数である。帯金の有効性は、距離wOが帯金 の長さと比較して小さくなるにつれて急速に増大する。したがって、帯金間の距 離は、所望の有効性レベルを達成するために設定され得る。 開放磁石に1つの帯金を挿入する効果は、磁界の歪みの、すなわち、開放磁石 により発生された磁界と、”想定される”閉じた磁石の理想的な平等磁界との間 の差の等磁位線50を表示することにより示される。”想定される”閉磁石とは 、開放磁石と大体同じ構造および寸法であるが、開口部を閉じるために追加の磁 石構造を含んでいる閉じた磁石である。図5は、帯金無しの開放磁石48に対す る等磁位線50aを示し、図6は、極部材32に連結された1つの帯金36を有 する開放磁石30に対する等磁位線50bを示している。孔部34の50%の面 積を占める中心の円筒形領域内の磁界の計算は、図6における帯金が図5に示さ れる帯金無し磁石48と比較してファクタ(factor)3.4だけ磁界の平等性を 改善することを示している。 したがって、この明細書および米国特許第5,495,222号明細書中に説 明されたような上部が開放された磁石に適用するときに、帯金は、開口部と製造 公差および磁化公差とにより生じる歪みを低減させるために用いられ得る。さら に、図17に示されるように、帯金は、厚い強磁性材料のブロックを内部に有す る開放磁石と比較して、磁石の重量を減少させ、かつ、磁界の平等性に影響を与 えずに孔部のサイズを増大させるために用いられ得る。 本発明をより詳細に説明している残りの部分は、幾つかのセクションに分けら れている。セクション1は、強磁性体のブロックの代わりに用いられる帯金を備 えた開放磁石構造の変形された幾何形状の他に、極部材のような厚い強磁性体の ブロックを内部に有する開放磁石を含んでいる好ましい実施形態の開放磁石の幾 何形状を説明する。セクション2は、帯金を備えた開放磁石構造の孔部内および 周辺領域内の双方において発生された磁界の特性について検討する。セクション 3は、開口部と帯金とにより生じた特異点を含んでいる、磁石構造内の特定の点 における磁界の特異点について検討する。セクション4は、開口部による歪みを さらに補償するための開放磁石構造において用いられるフィルタ構造のような、 他の構造や方法について説明する。 1.開放磁石の基本的幾何構造 本発明の開放磁石構造の好ましい実施形態は、最初に本発明の根底にある原理 を検討することにより、さらに理解され得る。 エアギャップ104内で平等磁界を発生させる磁気層100(薄いシェーディ ング)および強磁性体層102(密なシェーディング)の形状を示す、図7に示 された概略図を考えると、点線は、強磁性体の媒体がゼロの厚さを有するという ある極限的なケースを示している。概略図に示される2つの面y=0およびy= yeは、磁位0の等磁位平面である。y<0およびy>yeの2つの領域の媒体は 、無限大の透磁率を有する理想的な強磁性媒体であると仮定される。y<yeの 領域内には、厚さy2−y1の無限大の透磁率を有するプレートが挿入されると仮 定する。y<y1の領域の媒体は空気であると仮定され、y2<y<yeの領域の 媒体は、以下の式に示す磁気特性を有する理想的な磁気媒体であると仮定する。 ここで、Bは磁束密度(magnetic induction)、Jは磁気分極(remanence) 、HOは磁界の強さ、およびμOは真空の透磁率を示す。y軸に平行に向けられた 磁気分極Jは、以下の式により与えられるような磁界の強さHOを領域y<y1内 に発生させる。 ここで、Kは以下のようにもとめられる。 磁気層100の磁気分極Jおよび磁界HOは、ともにy軸方向に整列されている 。y1,y2,yeが式(1.3)を満たす限り、磁界の値HOは、μ=∞である平 面の厚さy2−y1から独立である。y1→0、y2→yeのときに、1つの極限的 なケースが生じ、全領域が強磁性媒体102となる。厚さy2−y1がゼロとなる ときに、第2の極限的なケースが生じ、図1の点線で示されるように、磁気媒体 と以下の式で示される平面に入れられたエアとが直接接触するようになる。 yO=(1−K)ye (1.4) エアギャップが異なる高さy1,1およびy1,2を有するとともに強磁性プレート が異なる厚さy2,1−y1,1およびy2,2−y1,2を有する2つの領域間の移行部を 仮定すると、各々の領域はエア領域内に同じ磁界を発生させる。2つの領域が以 下の式を満たす限りにおいて、図8に示される技術的手段を用いて、磁界の平等 性に影響を及ぼすことなく、このような移行部を実現することが可能となる。 2つのプレート102a,102bは、磁石材料からなる2つの台形状コンポ ーネント106,108により、互いに分離される。台形状コンポーネント10 6,108とμ=∞のプレート102a,102bとの間の界面の角度α,βは 、以下の式で与えられる。 sinα=K, sinβ=1−K (1.6) 台形状コンポーネント106,108の磁気分極Jは、図8に示されるように 、磁気層100a,100b内の磁気分極と同じ大きさを有し、μ=∞のプレー トとの界面に垂直方向に向けられている。式(1.5)を満たすことで、2つの 台形状コンポーネント106,108内の磁界の強さは等しくかつそれぞれの磁 気分極に対して反対方向を向き、結果的に、それぞれのコンポーネントにおいて 以下の式が成立する。すなわち、参考文献[8]に示されるように、台形状コンポーネント106,1 08内には、磁束Bが発生しない。 図8で定義された移行部は、平面x=0の両側で磁石構造を閉じるために用い られ得る。例えば、 y1,2=0 (1.8) と仮定すると、図8の構造は、該図8において半平面x<0上で定義された移行 部を閉じることにより得られる磁石構造を示している図9の幾何形状を生じさせ る。図9に示される幾何形状は、以下の式で与えられた極限である図10まで減 少する。 y1,1=y2,1 (1.9) 図10におけるT点の座標は、以下の式により、S点の座標yOと関連している 。 式(1.7)により、図10の構造における磁気誘導の磁束は領域x>0に制 限される。参考文献[8]に示されるように、ヨーク110と磁化された材料の 三角形コンポーネント106,108の外面との間の領域において磁位Φがゼロ であるので、前記構造を領域x<0に制限する理想的なヨーク110は、任意の パスに続く境界(OTU)の外部で閉じられ得る。このようなパスの例は、図1 0の太線により示されている。 図11は、図10に示される幾何形状を備えた磁石構造のための幾つかの等磁 位線112を示しており、簡略化のため、図10の太線により示されたヨーク1 10に対応する、磁束の帰路のための外側のヨークを省いている。磁気三角形コ ンポーネント106,108の外縁上の2つの等磁位面Φ=±Φ1が、μ=∞の 面に変換された場合にも、磁界の形状は影響を受けない。 図7〜図11により定義された移行部の組み合わせにより、x方向に拡張され た孔部104を備えた図12の閉じたハイブリッド構造が得られ、該構造は、孔 部104内部でy軸方向に向けられた平等磁界を発生させる。孔部のサイズをx 方向に拡張するのには、等磁位線Φ=±Φ1と外側ヨーク110との間の領域内 で磁気材料からなる長方形コンポーネント100を等しく拡張することが要求さ れる。この結果得られた、図12に示される構造が、y>0の領域を対象として おり、そして、シェーディングされた領域は、μ=∞の強磁性材料からなる極部 材114a,114bの断面を示す。x=±xOにおける孔部の境界の不連続性 にもかかわらず、中央孔部104から形成され、かつ、横側孔部104a,10 4bに隣接している新しい主孔部116内においては、磁界の平等性が維持され る。 きさJOを有している。一般に、三角形コンポーネントおよび台形状コンポーネ ントを設計するために、式(1.7)を満たす異なる磁気分極を備えた任意の材 料の組み合わせが用いられ得る。 図13には、領域(STO)において、JOよりも小さな磁気分極J’を有す る材料に置き換えられている材料を備えた、図10の2つの修正された三角形領 域(STO)108,(STU)106のための幾何形状が示されている。コン ポーネント(ST’O)の新たな角度α’はより大きくなり、以下の式により与 え られる。 小さな磁気分極の材料により得られた大きな角度α’は、小さなKの値に対し て設計された磁石構造において非常に有効となり得る。この際、小さな角度α’ は、製造および磁化についての問題を生じさせる。本発明の側面によれば、撮像 領域へのアクセスを可能とするためには、図12の閉じた磁石構造は開放される 必要がある。磁石構造が開放されることで磁界に歪みが生じるが、撮像領域内に おける磁界の平等性が所定のレベルで維持されるようになるまで、この歪みは補 償される必要がある。開口部による影響の度合いは、開口部に対する磁界の相対 的な方向により決定される。参考文献[2]に示されるように、開口部に対して 磁界を垂直方向に向けることで、孔部内の磁界の歪みおよび磁石の外側への磁界 の漏れの両方が最小化される。結果として、孔部116は、磁石内に患者を挿入 するためにz軸方向に沿って両端部が開放され、さらに、外側から患者の体の対 象領域にアクセスを供給できるように、孔部の側壁部118には、x=x1にお いて開口部が形成されている。開口部120を形成することで、磁気材料からな る幾つかのコンポーネントおよび(図10には図示されるが、図12には図示さ れない)外側ヨーク110の一部を取り除くことが必要となり、その結果、図1 4に示される基本構造が構成される。 図14の磁石構造の幾何パラメータは、撮像領域の望ましい寸法、磁石の最小 長さ、撮像されるべき人体すなわち患者へのアクセス、および撮像領域内の磁界 の歪み補償の複雑さにより課される相反する制約条件の間における取捨選択の結 果に基づいて選択される。図15Aおよび図15Bには、外側ヨーク70を含ん だ概略図14の磁石構造71全体の斜視図が示されている。この図においては、 磁石構造は通常の方向から90度回転されて、これにより側部の開口部56が上 側に位置される。強磁性部分は、図15Aおよび図15Bにおいて密なハッチン グで示されている。また、永久磁石部分は、図15Aでは粗なハッチングで示さ れ、図15Bでは、個々のブロックを明確にするとともに矢印で磁化方向を示す ために、ハッチングが施されていない。図に示される構造71は、両側壁部と底 壁部とを備えたC字状の形態を有して構成され、内部孔部58への患者の侵入を 可能とするように、z軸に沿ってそれぞれ反対側に位置する端部は開放され、N MR撮像を実施する間における患者に対する外科医のアクセスを可能とするよう に上壁部には大きな開口部56が形成されている。孔部58内において平等磁界 はy軸方向に延び、撮像領域または対象領域の中心は、図示されるxyz座標系 の原点0に近接する。この磁石構造は、それぞれの側壁部において、上部および 下部の台形状永久磁石ブロック65,67,68により区画される外側長方形永 久磁石ブロック63の内側に配置され、上部および下部の三角形状永久磁石ブロ ック64,66により区画される内側長方形永久磁石ブロック62を有して構成 されている。高い透磁率を有する強磁性体からなる極部材60,61により、内 側と外側の永久磁石ブロックが分離されている。以上に説明された構造は、永久 磁石ブロックにより発生される磁束線を閉じるように、強磁性体のヨーク70に より囲まれている。 図15Aおよび図15Bに示される孔部58のサイズ2xO、2yO、および2 zOは、仰向けに配置された人体の断面全体が受容されるように選択される。孔 部58は両端部において完全に開放され、z=±zOに形成された開口部により 生じる磁界の歪みを最小化するのに充分な大きさを与えるように、孔部58の長 さ2zOが選択される。孔部58の上壁部に形成された開口部56の幅2y1は、 患者の体の対象領域へのアクセスの最小化を基に選択される。孔部の延長部長さ x1−xOは、この明細書中および米国特許第5,495,222号明細書中でさ らに説明されるように、磁界の歪みの幾つかの空間的調波成分を補償するために 必要とされるフィルタ構造の付設を可能とするように選択される。磁石の両端部 において付加的なフィルタ構造が追加されない場合には、z方向における孔部5 8の延長は必要なくなる。すなわち、磁石構造はz1=zOで設計可能となる。 同様に、閉じた磁石構造を発生させるために、図12におけるx1およびx2の 長さは任意に選ばれてもよい。結果として、図12に示された構造の強磁性ブロ ック114bは、理想的な想定される閉磁石により発生された理想的な磁界の等 磁位面に沿って位置するように形作られた、高い透磁率を有する材料からなる薄 い層に置き換えられてもよい。図16は、μ=∞である材料からなる厚さゼロの 帯金または層36に減少された1つの強磁性ブロック114bを備えた、図12 の閉じた磁石構造を示している。図16に示されるように、薄い帯金36は、こ れにより、内部に埋め込まれ、磁石構造の端から端まで延びている。結果として 、図16に示された幾何形状を備えた構造において、x2は、x2=xOを満たす ように選ばれる。 図14、図15Aおよび図15Bに示される実施形態のように、図16の閉じ た磁石構造は、撮像領域へのアクセスを可能にするために開放されなければなら ない。結果として生じる構造30は、図1および図2に示されている。図14、 図15Aおよび図15Bに示される実施形態のように、磁石30は、z軸の方向 において、両端部が開放された長さ2zOの断面に制限され、x=x1において孔 部の壁は、患者の体の対象領域へさらにアクセスを供給するために開放されてい る。x=x1において孔部34を開放するには、図1および図2に示されるよう に、外側ヨーク38の一部の他に、磁気材料の構成要素のうち幾つかを取り除く 必要がある。 図1および図2の概略図は、本発明の帯金付き開放磁石30の基本的構造の考 え方を提供している。撮像領域へのアクセスを最適化するために、特に介入的ア プリケーションのために、磁石30は、図2の3次元的な概略図に示されるよう に、孔部34の上部の壁の開口部39を備えて設計されている。ここでは、平面 x=−xO上に仰向けまたはうつ伏せに横たわる人体の全体断面を受け入れるた めに、2xO,2yOの長さが選択される。長さx1,y1の他に、磁石30の長さ 2zOは、上述された相反する制約条件の間の取捨選択の結果である。特に、孔 部34の延長部長さx1−xOは、開放された上部により生じた磁界の歪みを補償 するために必要とされる主たるフィルタ構造の付設を可能とするように選択され る。 図17は、図21Aおよび図21Bの帯金無し磁石構造71と図2の帯金付き 磁石構造30とを並べて比較したものを示している。図17において明らかに分 かるように、帯金無し磁石71の閉じた端部に厚い強磁性ブロック60a,61 aを含む、該帯金無し磁石71の極部材60,61の一部は、帯金付き磁石30 の帯金36に置き換えられている。本発明の好ましい実施形態の開放上部の磁石 構造の装具(implementation)を比較すると、帯金付きの形の方が、強い平等磁 界と、磁石の開口部へ撮像領域を著しく近接させることとを含む望ましい構造特 性を維持している。後述の表Iに示されるように、帯金付きの形は、内部のブロ ックを除いたことによる強磁性材料の重量の明らかな減少の他に、磁性材料の重 量の減少というさらなる利点をも有している。 さらに、特に、2つのブロック60a,61aを取り除くことで、図44に示 されるプラットフォーム(platform)150のような支持用プラットフォームな どのための使用を制限してきた2つのブロック60a,61a間の間隔が取り除 かれるので、帯金付きのものは、より広い対象領域を中央孔部内に有している。 2.磁界特性 このセクションでは、本発明の帯金無しおよび帯金付きの開放磁石構造の特性 について検討する。帯金無し開放磁石構造の特性についてのより完全な検討は、 米国特許第5,495,222号明細書に含まれている。 これらの磁石構造の特性は、第一に、式(1.2)および式(1.3)におい て定義された設計パラメータKの影響を受ける。磁性材料の厚さは、Kとともに 、かつ、磁束密度μOOが磁気分極Jに近づくにつれて増える。また、参考文献 [9]に示されるように、各々の磁石構造の寸法は、それぞれの孔部の寸法と比 較して大きくなり、K=1に対しては発散する。磁石設計の特質は、磁性材料内 に貯蔵されたエネルギーに対して、磁気孔部内部で発生した磁界のエネルギーの 比率として定義されるメリット(merit)Mの数量により測定される。式(1. 1)〜(1.3)により、図7の基本概略図のメリットの数量は以下に示される 。 M=K(1−K) (2.1) そして、その最大値は、以下の式で与えられる。 この値は、K=0.50の場合に生じる。広い開口部を備えた磁石は、式(2. 2)の限界値よりもかなり低いMの最大値を示し、実際の設計は、K≦0.50 の値に対して達成される。 図18は、図1の2次元帯金付き開放磁石のメリットの数量と、長さx1の幾 つかの値および下記の孔部寸法に対するKの値との関係を示している。 xO=0.5yO, x2=−xO, y1=0.5yO (2.3) メリットの値は、寸法x1が増えるとともに向上することが分かる。K=0.5 とx1とに対する、実際の設計に採用されそうなMの最大値は、0.12〜0. 13の範囲で変化する。 上述したように、図14には、K=0.3として設計された帯金無し開放型ハ イブリッド磁石の幾何的形状が示されている。式(1.10)により、図14に おける点A1,A2の座標は以下のように与えられる。 XA2−XA1=X1+0.3401YO, YA2=YA1=1.0816YO(2.4) 帯金無しの開放型構造の他の幾何的パラメータは以下のように与えられる。 XO=0.5YO, Y1=0.5YO, (X1−XO)=0.3YO (2.5) 帯金無し開放型構造71の特定の磁石形状に関して、外側ヨーク70を省略し て表された図19Aには、中央孔部58内の等磁位線が示されている。また、図 20Aには、磁石構造71の外側の等磁位線の分布が示されている。JOを1に 正規化すると、2つのμ=∞コンポーネントについて数値計算された磁位の値は 、以下のようになる。 Φ1=−0.1371 (2.6) 図1の帯金付き開放磁石構造30の2次元的な図を考え、以下のような特定の 値を仮定する。 K=0.3 (2.7) 式(1.10)により、概略図19Bにおける点T1,T2の座標は以下の式で 与えられる。 また、点U1,U2の座標は以下の式で与えられる。 図19Bの幾何形状は、式(2.3)により与えられる座標x0,x2,y1の選 択と、長さx1=0.8y0とに対応する。さらに、図19Bは、帯金付き開放磁 石構造30の磁石孔部34内の等磁位線を示しており、図20Bは、磁石30の 外側の等磁位線を示している。図19Bおよび図20B内の磁界の計算は、参照 文献[3]で説明されている境界要素法(BEM)の型に基づいており、該BE Mは、最近の磁気問題の場合のように、線形的消磁(linear demagnetization) 特性および小さな値の磁化率(susceptibility)を仮定して、静磁的問題の効率 的な解法をもたらす。 図19Bおよび図20Bに示される帯金付き開放磁石構造30により発生され た磁界に対する等磁位線と、図19Aおよび図20Aに示される帯金無し開放磁 石構造71により発生された磁界に対する等磁位線とをそれぞれ比較することに より、強磁性ブロック60a,61aを帯金36で置き換えることが、構造によ り発生された磁界全体の平等性を実質的にもたらさないことは明白である。結果 として、開放磁石構造30は、より少ない材料で構成されることが可能であり、 従ってより軽量かつ安価となり、また、患者または他の標本を磁界撮像に当てる べく配置するために、より広い孔部が供給される。 図1の強磁性体コンポーネントの計算された磁位Φ1は、以下の式で与えられ る。 すなわち、Φ1は、同一の寸法を有する閉じた磁石内の強磁性体コンポーネント により得られる磁位の値より約10%低くなっている。 図21Aには、この帯金無しの開放型磁石構造71について、孔部内における x軸およびy軸に沿った磁界のy成分が示されている。孔部の幾何的中心におけ る磁界の強さは0.283J0であり、これは理想的な閉じた構造に対する磁界 よりも約6%小さくなっている。平等性の中心は、x軸の負方向に向けて、すな わち開口部から離隔する方向にずれている。直径0.5y0の撮像領域内の磁界 の平等性は、0.35%である。 図21Bには、図19Bに示される帯金付き開放型磁石構造30について、孔 部34内におけるx軸およびy軸に沿った磁界Hyのy成分が示されている。水 平軸はy0に正規化されている。孔部34の幾何的中心における磁界の強さは以 下の式で与えられる。 すなわち、Hy(0,0)は、K=0.3に対する理想的な閉じた構造における 磁界よりも約6.7%低くなっている。x軸に沿った磁界は、開口部に近づくに つ れて減少し、y軸に沿った磁界は、原点において最小値を示す。 帯金付き開放磁石30における長さx1およびy1を変化させる効果は、図22 から図24に示されている。図22には、x軸上の磁界のy成分がx1の幾つか の値について示されており、0.5y0に保たれた孔部の開口部寸法y1を備えた 強磁性ブロック32の幾つかの幅を示している。図23は、強磁性ブロック32 の幅x1を0.8y0に保っている孔部34の開口部39の高さy1の幾つかの値 に関する、x軸に沿った磁界の強さを示している。強磁性ブロック32の幅x1 の値を大きくし、かつ、開口部のサイズy1を小さくすることにより、磁界の平 等性が向上し、かつ、孔部34の中央領域における磁界の大きさが増すという結 果が得られる。 図24は、一定値Hy(0,0)=0.28を維持する幾何形状パラメータx1 およびy1間の関係を示している。この図に示される太い曲線は、強磁性体32 の頂点W1の位置の軌跡である。開口部y1<y0に対するこの曲線の線形性は、 パラメータx1,y1が、撮像領域から見た際の磁石の開口部の観点に関して、相 対的に一定の立体角を維持することを示している。 式(1.2)から、閉じた磁石構造の孔部内の磁界の強さH0は、パラメータ Kの値に比例する。表Iには、0.1から0.5の範囲のKに対して、磁気材料 の断面積、および理想的な閉じた磁石の磁界H0の値に対して正規化された帯金 付き開放型ハイブリッド磁石構造30の幾何的中心における磁界の強さHy(0 ,0)の値が示されている。幾何形状パラメータは、x1=0.8y0およびy1 =0.5y0である。以下の表は、Kが増大するとともに、孔部内での磁界強さ の損失が増大することを示している。 3.磁界の特異点 このセクションでは、帯金付き開放磁石構造30内の開口部により生じる磁界 の特異点および本発明の好ましい実施形態による帯金36の存在について検討す る。 孔部34の開口部39は、該孔部34における磁界の減少という結果になるだ けではなく、磁界の歪み、特に図19BのコーナV1,V2におけるHの特異点を 発生させる。想定される完全に閉じた磁石において、部分V1,V2は、磁界に影 響を及ぼさずに、厚さゼロで無限の透磁率を有する”メンブレン”に変換され得 る。磁界が平等ではないので、このことは開放磁石には当てはまらない。この効 果は図25に示されており、μ=∞のメンブレンを備えた場合と備えていない場 合における、領域y<y1内における磁界の強さの成分Hyが、線y<y1上に示 されている。図25において、曲線(a)(実線)は、メンブレンを備えた場合 の、xに対するHyの緩やかな増大を示し、曲線(b)(点線)は、メンブレン 無しの、x=±x0における磁界の不連続性を示している。 図19BのコーナV1における磁界の不連続性を解析するために、図26に示 される2次元的な図が考察される。この図において、σは、y=∞のメンブレン がある状態での、極部材32内でくさび状磁気材料43(図2参照)とくさび状 強磁性材料とのy=y1の界面上において、中央孔部内の磁界により誘導された 表面磁荷密度を示している。−x0<x<x1の範囲において、表面磁化密度σは 、次式で与えられる。 σ=μ0y(x,y1)=−KJ0f(x) (3.1) ここで、Hyがy軸の正方向に向いている場合には、無次元関数f(x)は正 となる。極限のケースとして与えられる完全に閉じられた磁石については、以下 の式が成立する。 f(x)=1 (3.2) 図26に示されるくさび状の磁気材料43は、磁気材料の三角形コンポーネン トS1T’11であり、そのエッジは以下に示す座標に位置している。 x=x0, y=y1 (3.3) ここで、くさび状磁気材料43の磁気分極Jは、以下に示される表面に垂直で ある。 ここで、角度αは、式(1.6)から与えられる。Jにより誘導されるくさび 状磁気材料43の表面上の表面磁荷密度σ1,σ2は、以下の式から与えられる。 図26において、ベクトルτ0,τ1,τ2は、界面に平行な単位ベクトルであ る。ここで、磁荷密度σ,σ1,σ2は、界面から離れた位置に示されている。そ して、式(3.2)より、以下の式が得られる。 それゆえ、ベクトルΣは、図26に示されるように、常にx軸の負の方向に向 くことになる。磁気材料のプリズム状構造内における平等磁界の存在定理(theo rem of existence)に基づくと、参考文献[1]で説明されているように、ベク トルΣはベクトルτ0を相殺する必要がある。すなわち、次の式が成立する必要 がある。 これにより、Hyの大きさがH0より小さい場合には、V1における磁界の特異 点(field singularity)を除去するために、Jの大きさは次の条件を満たさな ければならない。 J<JO (3.8) 概略図27に示されるように、強磁性体コンポーネント32の等磁位領域の一 部を、図19Bの界面V11’と平行に向けられ、かつ、大きさが条件H=0を 満たすような磁気分極J1を備えた磁性材料と置き換えることにより、点V1にお ける特異点を削除することもできる。このV1の特異点は、J1の大きさが以下の 式を満たす場合に削除され得る。 cosαJ1=KJO (3.9) 磁気分極J1は、以下の式で与えられる、元の閉じた磁石内の界面(V11) 上の表面電荷密度の値を復帰させる。 σO=−KJO (3.10) 図26に示されるベクトルσ0τ0は、磁性材料のブロックV111’T1’のW1 のコーナにおける磁界の特異点を発生させ、孔部の中央領域内の磁界における その効果は、長さx1−x0が増すにつれて減少する。 概略図19Bにおいて、磁石構造30内に挿入された、μ=∞かつ厚さゼロの層 である強磁性体帯金36は、図28において太線で示されるように、点V2で終 わっている。ここで、ξ,ηは点V2を原点とする座標系であり、軸ξはμ=∞ の層と平行に向けられている。 式(1.7)によれば、閉じた磁石において、磁性材料内の磁界は、μ=∞の 層があっても無くても、Jと反対方向に向けられた成分Hξへ減少する。開放磁 石においては、μ=∞の層が無い場合、磁界の歪みは磁性材料内で磁界のHξ成 分を発生させる。μ=∞の層がある場合には、点V2のすぐ近くで磁位の分布を 発生させることにより、η=0,ξ<0の面上でHξ成分は抹消される。 けるHξの値、そして、r0は開放構造の幾何形状に依存する幾何形状の係数で ある。図28に示されるように、座標rはV2からの距離であり、φはrと軸x iとの間の角度である。 式(3.8)で与えられる磁界の等磁位線は、図29Aに示されている。磁界 の強さHの大きさは以下の式で示され、角度φに依存しない。 磁石30の開口部により生じる磁界の摂動は、磁界の歪みの等磁位線により図 5および図6に示される。 Φ−Φclosed(x,y)=const. (3.13) すなわち、開放磁石構造により発生した磁界と想定される閉じた磁石構造の理想 的な平等磁界との間の差である。 孔部34を備えた帯金36の界面により生じた特異点V2について検討するた めにこのセクション内で説明された数学的計算は、歪みを低減または抹消すべく 開放磁石システムの構成要素内に埋め込まれた、高い透磁率を有する材料からな る帯金を位置決めするために必要な計算を可能にしている。4.フィルタ構造 このセクションにおいては、フィルタ構造を用いることで、図2,図15Aお よび図15Bに示された開放型磁石30,71の撮像領域内の磁界の歪みをさら にどのように補償できるかについて検討する。1つまたはそれ以上のフィルタ構 造が、撮像領域内の磁界の主要な空間的調波成分(spatial harmonics)を除去 するように設計されている。この除去は、要求される磁界の平等性を実現するた めに必要となる複数の調波成分に及ぶ。 フィルタ構造の設計についての基本的理論は、幾つかの参照文献に表されてい るように、磁石構造と中央孔部との間の界面における静磁位の変調(modulation )に基づき、この変調は、図30に概略的に示されるように、軟質の強磁性材料 からなる磁気的に絶縁されたプレート204と、軟質の強磁性材料からなる本体 コンポーネント202との間に、永久磁石材料からなる部材200を挟んだ構造 を与えることで実現される。 フィルタ構造の使用およびその効果については、主に帯金無しの磁石構造に関 してこの明細書中で検討する。この検討は、フィルタ構造の根元的な理論および 帯金無しの構造におけるその使用に焦点を当てる。そこで、フィルタ構造を含む 帯金付き開放磁石30の実施形態について開示する。簡単のために、このセクシ ョンでの説明は、磁石の開口部に起因する磁界の歪みの補償を、z0=∞として の2次元問題として扱う。さらに、必要となる修正は、領域y>0で表される半 分の磁石構造についてのみ説明される。この際、他の半分の磁石構造に対しては 、対称的修正が実現される。図40Bには、帯金無しの磁石における磁界の歪み 、および特に中央孔部と横側孔部との間の磁界の不整合により生じる特異点が示 されている。この不整合を最小化するために、磁界の歪みの補償の好適な実施の 形態が、以下の3つの工程で実現される。 第1の工程では、(図31に示されるように、)中央孔部208と横側孔部2 10との間に、μ=∞のメンブレン(membrane)206の存在を仮定する。中央 孔部208内の磁界の歪みの補償は、式(3.1)で示される領域における強磁 性材料からなる極部材202の表面上に配置されたフィルタ構造212からなる 手段により実現される。 xO<|x|<x1 (4.1) 中央孔部208内に高い平等磁界を発生させるように設計することが可能で、 図30に拡大して示されるフィルタ構造により、磁界の歪みの補償の大部分が実 現される。 中央孔部208内の磁界の歪みの補償は、閉じた磁石内で発生する磁界の強さ を回復することを意図するものではないから、第2の工程では、μ=∞のメンブ レン206を取り除いた後の磁界の不整合による影響を最小化するために、横側 孔部210の修正が実施される。修正は、横側孔部内の磁気コンポーネント(ma gnetic component)の磁気分極を小さくすること、または横側孔部のKの値を小 さくすることで実施可能である。さらに、μ=∞のメンブレンを除去することで 生じる摂動を低減させるために、強磁性体からなるコンポーネント202の一部 を、(図35に示されるように)磁界の平等性を維持するのを補助するように設 計された磁気材料からなる挿入部材215に置き換えることが可能である。そし て、第3の工程では、できる限り大きな撮像領域を得るために、最終的なフィル タ構造の調整、および選択された磁気コンポーネントの磁気分極の小規模な調整 が実施される。 補償の第1の工程は、以下の式のように、中央孔部内の磁位を展開することか ら始まる。 ここで、Φ1は、y=y1において横側孔部を閉じるμ=∞のメンブレンの磁位 を示す。磁界の平等性を改善するために、フィルタ構造は、展開式(4.2)に おいて所定数の調波成分を除去するように設計されている。nが増加するととも に係数anおよびbnは急激に減少するから、高い平等磁界を得るためには、最初 の幾つかの調波成分のみが除去される必要がある。 図31には、n≦3の項を除去するように設計されたフィルタ構造212を備 えた磁石が示されている。フィルタの磁気サンドイッチ構造には、インデックス 1=±1,±2,・・・がラベル付けされており、正の1が付されたサンドイッ チ構造は正のx座標を有し、負の1が付されたサンドイッチ構造は負のx座標を 有している。磁石の中心から最も遠い一対のサンドイッチ構造には1=±1がラ ベル付けされ、次に遠い一対のサンドイッチ構造には1=±2がラベル付けされ 、以下同じ手順でラベル付けがなされていく。所定の調波成分を除去するために サンドイッチ構造により生成される必要のあるポテンシャルシフト(potential shift)の大きさは、式(4.3)に示されたルールに基づいて、フィルタの1 番目のサンドイッチ構造の水平方向の幅Δx1を選択することで、最小化するこ とが可能である。 係数anおよびbnはサンドイッチ構造の磁位に対して線形的従属関係を有する ので、選択された調波成分を除去するために要求される磁位(ポテンシャル)は 、連立一次方程式を解法することで、決定することが可能である。図32の表には 、図31に示される幾何形状に対して、n≦3の調波成分を除去する前および後 の調波成分の係数が示されている。そして、図33には、主要調波成分を除去す るためにサンドイッチ構造により生成される必要のあるシフトを示す、6つのス テップから構成されるy=y1における磁位が示されている。図34には、50 ppmより良好な平等性を備えた撮像領域230の輪郭が示されている。輪郭線 に現れるおおよその周期性は、n=4の調波成分を反映するものであり、この調 波成分は、展開式(4.2)において残されている主要項である。 この時点でμ=∞のメンブレン206が除去されると、上述したように、横側 孔部210への開口に起因してコーナにおいて強い特異点が発生するから、中央 孔部における平等性が損なわれる。これを防止するために、横側孔部で発生する 磁界がμ=∞のメンブレンの中心のすぐ下部の中央孔部における磁界と整合する ように、横側孔部のJまたはKが減少される。さらに、図35に示されるように 、横側孔部210の近傍において強磁性コンポーネント202の一部が、永久磁 石材料からなる挿入部材215に置き換えられる。この際、挿入部材内の磁界が 消えるように、挿入部材の磁気分極が決定される。この条件により、μ=∞のメ ンブレンが配置された状態の中央孔部208内の磁界が変化しないことが保証さ れる。必要となる磁気分極は、不平等で、以下の式から決定することができる。 ここで、Hy(x)は、挿入部材を導入する前の平面y=y1のすぐ下の磁界を 示すものである。上側の記号はx>0の挿入部材に適用され、下側の記号はx< 0の挿入部材に適用される。挿入部材内のJの方向は、(図15Aおよび図15 Bに示される)隣接する磁気材料の三角形部材64,66内の磁気分極の方向に 対して垂直方向を向いている。 挿入部材215の使用は、補償の第1の工程で得られた高い平等磁界に磁荷を 適合させるように、横側孔部210への開口部近傍に磁荷を固定することを目的 とする。図36では、μ=∞のメンブレン206を取り除く前(点線)と後(実 線)とにおいて、横側孔部210への開口部を横切る磁界が比較されている。明 らかに、メンブレンを取り除くことで、磁界の平等性が実際に改善されており、 横側孔部210が、中央孔部208に対する磁界安定手段(field stabilizer) として機能していることが示唆されている。これは、メンブレンを取り除くこと で、開口部を通して磁位ではなく磁界が連続にされることを理由とする。 μ=∞のメンブレンを取り除いた後においても、図37における50ppmの 撮像領域の範囲250により示されるように、中央磁界には歪みが残留する。磁 気材料からなる選択されたコンポーネントの磁気分極を少し修正するとともに、 フィルタ構造212の磁気サンドイッチ構造を少し調整することで、上記の残留 歪みは修正される。必要とされる修正は小さいので、変更する磁気コンポーネン トの選択については、かなりの柔軟性が与えられる。 この修正を計算するために、磁位は式(4.2)に示すように展開される。し かし、この場合、y1は、原点から横側孔部の上部までの距離y2に置き換えられ 、Φ1は、横側孔部の上部における磁位Φ2に置き換えられる。この場合でも、利 用できる自由度の数に等しい数の調波成分を除去することが可能である。y2> y1であるから、μ=∞のメンブレンを取り除く前に得られた撮像領域に匹敵す る撮像領域を実現するためには、より多くの調波成分を除去する必要がある。補 償の第1工程と同様に、自由度に対する展開式の係数の線形的従属関係を利用し て、数値解析がなされる。 図37に示される実施の形態については、フィルタ構造212の6つの磁気的 サンドイッチ構造を調整するとともに、磁気材料からなる4つのコンポーネント の磁気分極を調整することで、n≦5の10個の調波成分を除去することが可能 である。この際、適切な調整値は、10元の連立1次方程式を解法することで導 かれる。このような数値計算から得られる50ppmの撮像領域220が、図3 8により示されている。変更された4つの磁気材料コンポーネントには、それぞ れ記号+が付されている。ここで、撮像領域が横側孔部210の上部222まで 延びるとともに、コーナの特異点に基づく顕著な影響が見られないことに留意す る必要がある。実際、最終的な撮像領域は、(図34に示される)μ=∞のメン ブレンが配置された状態での撮像領域に匹敵するものである。 次に、磁界の歪みおよび特異点の原因をより詳細に説明するとともに、磁気材 料の挿入部材を用いることがないように、極部材の表面、および横側孔部に面す る上側磁石の表面にフィルタを配置するフィルタ構造を用いた別の解決策につい て説明する。 既に述べたように、磁石構造が開口されると、撮像領域の最も近傍に位置する 内側マグネットのコーナにおいて、特異点が発生する。このような特異点A1, A2(図19A参照)においては、磁界は発散する。この特異点は、内側磁石材 料の磁気分極を変化させることで除去することが可能である。図40Bは、その 結果として得られる線A1−A2に沿った磁界の強さを示し、図40Cは、これに 応じた磁位が示されている。点線80により、前記コーナにより規定されて、こ の場合y=y0/2である平面内における、磁気分極を変化させる前の磁界のy 成分が示されている。特異点81は、x=±y0/2において発生する。実線8 2により 、特異点が除去された後に(K=0.3として)得られる磁界が示されている。 また、図40Cの点線83により、特異点を除去する前の磁石構造に対するy= yO/2における磁位が示されている。この点線における下降部分は、内側磁石 への開口部に対応している。実線84で示されるように、特異点を除去した後に は、(K=0.3)について磁位はおおよそ一定となる。 特異点を除去した後においても、内側磁石への開口部において不平等性が残存 する。図40Aにおいては、点線85により、y=yO/2に対する磁位が拡大 して示されている。内側永久磁石にフィルタ構造を付加することで、平等性を改 善することが可能である。実線86により、フィルタ構造を付加することで最初 の3つの調波成分が除去された際に得られる磁位が示されている。 このフィルタ構造は、米国特許第5,475,355号明細書に説明されてい るように、幾つかの形態を取ることができる。磁気フィルタ99の好適な構造は 、図39および図40に示されるように、高い透磁率を有するプレートの間に永 久磁石ブロックを挟んで構成されている。ここで、例えば軟鉄(soft iron)か ら形成されて高い透磁率を有する2つのプレート90,92により、例えば硬質 フェライト(hard fer-rite)からなる磁気ディスク(magnetic disk)93が挟 まれる。他の実施の形態においては、図41に主フィルタ構造95および副フィ ルタ構造97でそれぞれ示されるように、フィルタ構造99は、軟質の強磁性ブ ロック60,60aおよび磁気プレート62の内側ライニングとして配置される のが好適である。 図41には、6つの主要素95と5つの副要素97とが示されている。内側に 包含される材料の磁化の強さを変えることで、それぞれの要素の外側プレートの 磁位を連続的に変化させることが可能である。後に説明するように、副フィルタ 97の要素は同じ大きさを有している。また、主フィルタ95の横方向の大きさ は、孔部中心からの距離に比例して増加する。 図42は、図15Aおよび図15Bと類似した、好ましい実施形態の帯金無し 開放磁石構造の図であり、この図においては、個々の永久磁石ブロック141, 147,148,144,164,166,167、および軟鉄からなる内側コ ンポーネント152および外側コンポーネント172が示されている。軟鉄から なる外側コンポーネント(ヨーク)172は、磁束密度が大きな部位では厚く、 磁束密度が減少する部位では薄くなっている。細線142により、孔部140の 底部が表され、この底部は、通常、(図44に示される)支持用プラットフォー ム(platform)150の上面部と一致する。図44において外見のみが示された 患者151は、通常仰向けになって孔部140内に収容される。撮像領域は、図 示されるxyz座標系の原点に非常に近接してその中心が設定される。図19A に示される磁石の内部領域における等磁位線から明らかなように、孔部140内 においては、磁界はy軸方向に向いている。図42に示す構造は、3500ガウ スおよび5000ガウスの2つのレベルの磁界の強さを有するように、それぞれ 開発されている。最小サイズ2rO=24cmの撮像領域内では、50ppmよ り良好な磁界の平等性が実現されている。磁気材料としては、基準磁気分極Br =12 900ガウスでHci=14000エルステッド(Oersted)の固有の保磁度( coercivity)を有するネオジウム−鉄−ボロン合金が用いられる。磁気材料の重 量は、3500ガウス用で2.5トンであり、5000ガウス用で3.5トンで ある。ヨークを含めた総重量は、3500ガウスの磁界に対しては7.5トンと なり、5000ガウスの磁界に対しては11トンとなる。大きな開口部にもかか わらず、漂遊磁界は小さくなっている。 上記の実施の形態においては、上記のように磁界の平等性を実現するために、 図43に示されるように、内側強磁性コンポーネント160の内側面154,1 55、および内側永久磁石ブロック141の内側面上に、フィルタ構造95,9 7がそれぞれ付加される。 この明細書中で説明されたフィルタ構造は好適なものであるが、本発明は、磁 界の歪みを補償するためのこのような構造の使用のみに限定されるものではなく 、このような構造に代えて他の補償構造を使用可能であることが解されるであろ う。 さらに、上述されたようなフィルタ構造は、本発明の帯金付き開放磁石構造に 用いられ得る。フィルタ構造を備える帯金付き磁石の1つの実施形態は図45に 示されており、図7に示された磁石30と類似した帯金付き開放磁石30’のy >0部分の断面図を示している。詳細に前述された帯金無し磁石のように、3つ の主フィルタ構造95は、孔部34に面している極部材32の表面に配置されて おり、5つの副フィルタ構造97は、孔部34との界面において永久磁石ブロッ ク42の表面に配置されている。 しかしながら、強磁性ブロック60a,60b(図15A)が帯金36に置き 換えられたので、図43に示されるような3つの追加も主フィルタ構造95を配 置するための孔部34と連結している極部材32の表面が存在しない。磁石の開 口部による歪みは、磁石の閉じた端部の近傍では一層少ないので(例えば、図3 3のグラフを参照)、3つの追加の主フィルタ構造は、実質的に磁界に影響を及 ぼさずに削除され得る。あるいはまた、3つの構造は、これらが磁石30の閉じ た端部の近傍の永久(磁石)ブロック43または47の表面に配置された場合に 起こり得るように、磁界の平等性に不都合に変化をもたらすことのない磁石30 内の位置に配置され得る。図45に示されるように、3つの追加のフィルタ構造 95は、外側ヨーク38に面している、永久磁石ブロック47の対向面に配置さ れ得る。 この出願に示された磁石は、特に、強い平等磁界の領域が磁石の開口部に著し く近接しているので、医療的アプリケーションに特に適している。このようなコ ンパクトな磁石の広い開口部は、外科的器具の使用に対する干渉を最小限にして 、手術室(surgical suite)内にスキャナのガントリー(gantry)を完成させる ことを可能にする。 本発明のさらなる側面によれば、帯金は、構造内にエアギャップを有する開放 または閉じた磁石構造内に埋め込まれ得る。例えば、図46は、六角形の孔部3 12の周りに設計された、ヨーク付きの閉じた磁石310の断面を示している。 磁石310は、y軸に沿って向けられた平等磁界Hoを発生させるように設計され ている。シェーディングされた領域は、磁性材料314と、磁性材料を全く含ま ない三角形状のエアギャップ315である中間物との断面を示す。これらのギャ ップは、とりわけ参考文献[1]に示されているように、この形式のヨーク付き の磁石構造にしばしば用いられる。点線16は、理想的な2次元的な磁石の等磁 位線である。この例においては、7つの等磁位面が以下の式で与えられる磁位に ついて考えられている。 ここで、Φmaxは、理想的な磁石により発生された最大の静磁位である。 図47の太線は、図46の磁石構造310内の7つの等磁位面316と一致す るように配置された、7つの高い透磁率を有する帯金318a〜318cを示す 。Φ1およびΦ2における2つの内側の帯金318aは、内側の孔部312の界面 で終わっているが、エアギャップ315を介して続いていることを特筆しておく 。面ΦO=0における帯金318bは外側のヨークに対応する。面Φ3maxおよ び面Φ-3=−Φmaxにおける帯金318cは極部材に対応する。図48は、図4 7に示されるような帯金318a〜318cを備えた、図46の磁石310の3 次元的な図を示している。 本発明は、特定の実施形態と結びつけて説明されてきたが、前述の説明を考慮 すれば多くの変形例、修正が明白になることは、当業者にとって明らかである。 したがって、クレームされた発明は、添付されたクレームの精神および範囲内に 該当するような全ての変形例、修正を含むように意図されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャンセン,ジャンズ アメリカ合衆国 ニューヨーク 10528 ハリソン ハリソン アヴェニュ 25

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 磁界を発生させる開放磁石構造であって、 開放磁石システムと、 該開放磁石システムの構造部材内に埋め込まれた、高い透磁率を有する材料か らなる少なくとも1つの帯金と を具備し、 前記少なくとも1つの帯金は、ほぼ前記磁界の等磁位面の全部または一部に配 置されることを特徴とする開放磁石構造。 2. 前記少なくとも1つの帯金は、想定される理想的な閉じた磁石構造によ り発生された理想的な磁界の等磁位面の全部または一部と一致するように構成さ れ、 前記磁石構造内の開口部による、前記理想的な磁界からの前記磁界内の歪みが 、前記少なくとも1つの帯金により低減または抹消されることを特徴とする請求 項1記載の開放磁石構造。 3. 前記少なくとも1つの帯金は、理想的な開放磁石構造により発生された 理想的な磁界の等磁位面の全部または一部と一致するように配置され、 前記磁石構造における製造公差または磁化公差から生じる、前記理想的な磁界 からの前記磁界内の歪みが、前記少なくとも1つの帯金により低減または抹消さ れることを特徴とする請求項1記載の開放磁石構造。 4. 前記少なくとも1つの帯金は、該少なくとも1つの帯金の磁気飽和を妨 げるのに十分な厚さを有する薄い層であることを特徴とする請求項1記載の前記 開放磁石構造。 5. 前記少なくとも1つの帯金は、前記開放磁石システムの極部材の全部ま たは一部を具備することを特徴とする請求項1記載の開放磁石構造。 6. 前記少なくとも1つの帯金は、薄い層であり、軽量であり、実質的に前 記磁界を減少させずに強磁性材料の厚いブロックを置き換えることを特徴とする 請求項1記載の開放磁石構造。 7. 前記開放磁石システムは、少なくとも幾らかの永久磁化された材料を具 備することを特徴とする請求項1記載の開放磁石構造。 8. 前記少なくとも1つの帯金は、前記永久磁化された材料内に埋め込まれ ていることを特徴とする請求項7記載の開放磁石構造。 9. 前記開放磁石システムは、ほぼ平等な磁界を発生させるように構成され ていることを特徴とする請求項1記載の開放磁石構造。 10. 前記開放磁石システムは、前記離間して対向した第1および第2の極 部材を備えた第1の磁石構造を具備し、 該第1の磁石構造および極部材は、少なくとも側部アクセス開口部を有する主 孔部を画定し、 前記磁界が発生される対象領域は、前記主孔部内にあり、かつ、少なくとも前 記側部開口部を経由してアクセス可能であり、 前記少なくとも1つの帯金は、前記第1および第2の極部材のうち少なくとも 1つの近傍で、前記開放磁石構造内に配置されている ことを特徴とする請求項1記載の開放磁石構造。 11. 前記開放磁石システムは、前記第1の極部材内に挿入された、少なく とも第1の磁石をさらに具備し、 該第1の磁石は、前記第1の極部材とともに、前記主孔部と該第1の磁石との 間に隣接する第1の横側孔部を画定するように構成され、かつ、前記第1の横側 孔部内の第2の対象領域内に、前記主孔部内の前記対象領域内に発生されている ものとほぼ同じ平等磁界を発生させるように磁化され、 前記少なくとも1つの帯金は、前記第1の極部材の近傍に配置され、かつ、前 記第1の永久磁石と前記第1の極部材との間の等磁位面に整列されていることを 特徴とする請求項10記載の開放磁石構造。 12. 前記磁石構造により発生された前記磁界の磁束を閉じるために該磁束 を導くための、高い透磁率を有する材料からなるヨークをさらに具備しているこ とを特徴とする請求項1記載の開放磁石構造。 13. 前記磁石構造は、ヨークを備えないことを特徴とする請求項1記載の 開放磁石構造。 14. 前記磁石構造は、ハイブリッド型磁石構造であることを特徴とする請 求項1記載の開放磁石構造。 15. 磁界を発生させる磁石構造であって、 強磁性体の極部材を具備する磁石システムと、 ほぼ前記磁界の等磁位面において前記磁石システム内に埋め込まれた帯金と を具備し、 前記帯金は、高い透磁率を有する強磁性材料からなる薄い層であり、かつ、軽 量であり、 前記帯金は、前記磁石構造において、前記極部材のうちの少なくとも1つに含 まれる強磁性材料の厚いブロックにより遂行され得るのとほぼ同様の機能を遂行 することを特徴とする磁界を発生させる磁石構造。 16. 磁界を発生させる磁石構造であって、 磁界がある場合の静磁位において存在する磁石構造のコンポーネントと、 前記コンポーネントと連結され、かつ、前記磁石構造の全部または一部にわた って延びている、高い透磁率を有する材料からなる帯金と を具備し、 前記帯金は、前記コンポーネントから前記磁石構造の他の部分へ静磁位を延長 させていることを特徴とする磁界を発生させる磁石構造。 17. 前記コンポーネントは、強磁性ブロックであることを特徴とする請求 項16記載の磁石構造。 18. 前記磁石構造は、側部開口部を有することを特徴とする請求項16記 載の磁石構造。 19. 前記コンポーネントは、前記磁石構造の前記側部開口部の近傍に配置 され、前記帯金は前記側部開口部から離れて延長していることを特徴とする請求 項18記載の磁石構造。 20. 前記帯金は、ほぼ前記磁界の等磁位面に沿って配置されていることを 特徴とする請求項16記載の磁石構造。 21. それ自体の中の対象領域において、ほぼ平等な磁界を発生させる開放 磁石構造であって、 少なくとも上部開口部を有する内側孔部を画定する磁石システムと、 前記上部開口部により生じる磁界の歪みを補償する手段と を具備し、 前記対象領域は、前記内側孔部内にあることを特徴とする開放磁石構造。 22. 前記補償手段は、前記磁界の1つまたはそれ以上の等磁位面にほぼ沿 って前記磁石構造内に配置された、かつ、高い透磁率を有する材料からなる1つ またはそれ以上の帯金を具備することを特徴とする請求項21記載の開放磁石構 造。 23. 前記補償手段は、各々の側壁部に配置され、かつ、前記磁界の方向に 磁化された磁性ブロックを具備することを特徴とする請求項22記載の開放磁石 構造。 24. 前記補償手段は、前記側壁部の、前記内側孔部に面している表面に適 用されたフィルタ構造を具備することを特徴とする請求項21記載の開放磁石構 造。 25. 開放磁石構造における磁界の歪みを低減させる方法であって、 閉じていること以外は前記開放磁石構造とほぼ同一である想定される理想的な 閉じた磁石構造により発生された理想的な磁界の、1つまたはそれ以上の等磁位 面を識別し、 前記磁界の歪みを低減するために、前記識別された等磁位面に整列された前記 開放磁石構造内において、高い透磁率を有する材料からなる1つまたはそれ以上 の帯金を配置することからなる ことを特徴とする磁界の歪みを低減させる方法。 26. 高い透磁率を有する材料からなるヨークを備えた前記磁石構造の磁束 を閉じるために該磁束を導入することをさらに具備することを特徴とする請求項 25記載の方法。 27. 磁石構造により発生された磁界を減少させずに、強磁性材料の厚いブ ロックを、薄い層かつ軽量であって高い透磁率を有する材料からなる帯金に置き 換えることからなり、 それにより、置き換えられる前記強磁性材料の厚いブロックの体積に相当する 量だけ磁石構造の重量および体積を減少させる方法。 28. 磁石構造により発生した磁界を減少させずに、前記磁石構造内に特定 のサイズの孔部を供給し、 前記孔部に隣接した強磁性材料の厚いブロックを、薄い層であって高い透磁率 を有する材料からなる帯金に置き換えることからなり、 それにより、置き換えられる前記強磁性材料の厚いブロックの体積に相当する 量だけ磁石構造の孔部のサイズを増大させる方法。 29. 第1の磁石構造と連結され、間隔を置いて対向して配置された第1お よび第2の強磁性体の極部材を備えた第1の磁石構造を具備する主磁石システム と、 前記第1の強磁性体の極部材内に差し込まれた第1の永久磁石を少なくとも具 備する副磁石システムと を具備し、 前記主磁石システムは、少なくとも側部アクセス開口部を有する主孔部を画定 し、該主孔部内の第1の対象領域内にほぼ平等な磁界を発生させ、 該第1の対象領域は、少なくとも前記側部開口部を経由してアクセス可能であ り、 前記第1の永久磁石は、前記主孔部に隣接する第1の横側孔部を画定するよう に構成され、 前記副磁石システムは、前記主磁石システムにより前記主孔部内の第1の対象 領域内に発生させられるものとほぼ平等な磁界を、前記第1の横側孔部内の第2 の対象領域内に発生させ、 それにより、少なくとも前記第1および第2の対象領域を結合し、かつ、ほぼ 平等な磁界を有する拡大された対象領域を供給することを特徴とする開放磁石構 造 30. 前記第1の磁石構造は、少なくとも1つの永久磁石を具備することを 特徴とする請求項29記載の磁石構造。 31. 前記第1の磁石構造は、少なくとも1つの超伝導磁石を具備すること を特徴とする請求項29記載の磁石構造。 32. 前記側部アクセス開口部から生じる、主孔部内の磁界の歪みを補償す るための手段をさらに具備することを特徴とする請求項30記載の磁石構造。 33. 前記補償手段は、高い透磁率を有する材料からなる帯金を具備するこ とを特徴とする請求項30記載の磁石構造。 34. 前記帯金は、ほぼ平等な磁界の等磁位面に整列されていることを特徴 とする請求項33記載の磁石構造。 35. 前記第1の極部材は、前記側部アクセス開口部の近傍の前記第1の永 久磁石の外側に配置された強磁性ブロックを具備し、 高い透磁率を有する材料からなる前記帯金は、前記強磁性ブロックに連結され 、かつ、前記第1の永久磁石の外側のほぼ平等な磁界の等磁位面に沿って整列さ れていることを特徴とする請求項33記載の磁石構造。 36. 前記帯金から離間された、高い透磁率を有する材料からなる少なくと も1つの追加の帯金をさらに具備し、 該少なくとも1つの追加の帯金は、前記磁石構造内に挿入され、かつ、ほぼ平 等な磁界の等磁位面に沿って整列されていることを特徴とする請求項33記載の 磁石構造。 37. 前記第2の磁石構造は、前記第2の強磁性体の極部材内に差し込まれ た第2の永久磁石をさらに具備し、 該第2の永久磁石は、前記主孔部と該第2の永久磁石との間でこれらと隣接す る第2の横側孔部を画定するように構成され、 前記第2の磁石構造は、前記第2の横側孔部内の第3の対象領域内に、前記第 1の対象領域内で発生させられるものとほぼ同じ平等磁界を発生させ、 それにより、前記第1、第2、および第3の対象領域を結合し、かつ、ほぼ平 等な磁界を有する拡大された対象領域を供給することを特徴とする請求項30記 載の磁石構造。 38. 前記第1および第2の極部材を追加された、高い透磁率を有する材料 からなる帯金をさらに具備し、 各々の帯金は、ほぼ平等な磁界の等磁位面に沿って整列されていることを特徴 とする請求項37記載の磁石構造。 39. 底壁部と、該底壁部と連結されて間隔を置いて配置された(複数の) 側壁部を具備する帯金付き開放磁石構造であって、 前記底壁部および側壁部は、間隔を置いて対向した第1および第2の極部材を 備えた第1の磁石構造を具備し、 前記底壁部および側壁部は、少なくとも1つの前記上部アクセス開口部を有す る主孔部を画定し、 前記磁石構造は、前記主孔部の第1の対象領域内にほぼ平等な磁界を発生させ 、 該第1の対象領域は、少なくとも前記上部開口部を経由してアクセス可能であ ることを特徴とし、 上部アクセス開口部の近傍に配置された強磁性ブロックからなる前記第1およ び第2の極部材のうち少なくとも1つと、 さらに、前記強磁性材料と連結された帯金と を具備する帯金付き開放磁石構造であって、 該帯金は、高い透磁率を有する材料から構成され、かつ、前記主孔部に面して いる前記第1および第2の極部材の表面の少なくとも一部に隣接して配置されて いることを特徴とする帯金付き開放磁石構造。 40. 前記磁石構造内に挿入され、かつ、前記極部材内の前記帯金から離間 された、高い透磁率を有する材料からなる少なくとも1つの追加の帯金をさらに 具備することを特徴とする請求項39記載のハイブリッド型磁石構造。
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