JP2000504350A - キトサン誘導性免疫強化 - Google Patents

キトサン誘導性免疫強化

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Abstract

(57)【要約】 免疫応答を強化するための方法および組成物が開示され、これは免疫強化アジュバントとしてキトサンを取り込む。本発明の組成物の投与は、種々の経路によりもたらされる。

Description

【発明の詳細な説明】 キトサン誘導性免疫強化 発明の分野 本発明は、一般に、動物における免疫応答を強化するための方法、強化を達成 する組成物、およびこの組成物の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、 免疫応答を強化するための抗原/キトサン混合物または抗原/キトサン/オイル /界面活性剤エマルジョンの使用を包含する方法、強化を達成する抗原/キトサ ン混合物または抗原/キトサン/オイル/界面活性剤エマルジョン、および抗原 /キトサン混合物または抗原/キトサン/オイルエマルジョンの調製方法を提供 する。 発明の背景 近年のバイオテクノロジーの進歩により、複合抗原中の成分の同定が容易にな り、このことにより、安全かつ実用的なワクチンの開発の成功が期待される。し かし、しばしば、これらの単離された選択成分は、それらが由来した完全な複合 抗原ほどには免疫原性でない。受容動物における弱い抗原性の免疫原に対する免 疫応答を高めるために、免疫原とともにアジュバントが投与されることが多い。 しかし、アジュバントは全般的に容認されているとはいえ、ヒトでの使用に適し たものの数は限られている。 理想的には、アジュバントは、機能的に活性な抗体の長期にわたる発現を強化 し、細胞媒介性免疫(CMI)を誘発し、そして侵入した抗原に対する高度の特異的 免疫反応性を有する記憶Tリンパ球およびBリンパ球の産生を増強すべきである 。外来抗原を用いる即時抗原投与(challenge)に際して防御を提供することに加 えて、これらの応答は、特定の抗原による宿主の任意の将来的遭遇に対する防御 を提供するはずである。より重要なことは、最小限の有害な副作用で免疫応答を 高めるアジュバントの能力である。従って、アジュバントの効力は、アジュバン トが正の影響(免疫の強化)および負の影響(毒性)をどのようにバランスさせ るかという見地から説明される。 B細胞による抗体産生を刺激する目的のための制御された免疫化は、抗原自体 および免疫される動物の両方に固有の無数の因子に依存する。一般に、抗原また はその源が侵入される宿主から進化論的にみて離れているほど、その抗原によっ て誘発される免疫応答はより効果的である。近縁種に由来する抗原は、宿主の免 疫系が外来抗原を内因性抗原または自己抗原から明確に識別できないという事実 のために、抗体産生を誘発する能力がほとんどない。さらに、抗原の投与量、抗 原の純度、および抗原の投与頻度もまた、得られる抗体力価および得られる抗体 の特異性に顕著に寄与する要因である。さらに他の要因としては、抗原の形態、 または複合度(complexity)、および抗原の投与方法があげられる。最後に、免疫 される動物の遺伝的体質および全身的な生理学的状態が、免疫応答が発動される 程度に寄与する。これらの要因の中で、抗原の形態または複合度は、アジュバン トを用いる免疫化により直接影響される。 現在の理解では、アジュバントは種々の異なる機構で免疫応答を増強するよう に作用すると示唆されている。1つの機構においては、アジュバントは、TH1ま たはTH2と呼ばれるCD4+ヘルパーT細胞サブ集団のいずれか1つを直接刺激する[ MosmannおよびCoffman,Ann.Rev.Immunol.7:145-173(1989)]。ヘルパーT細胞 は、ほとんどの抗原に対するB細胞抗体応答のために必要とされる。適切な免疫 応答において、抗原は捕捉され、そして抗原提示細胞(APC)、例えば、循環マク ロファージまたは組織マクロファージによってプロセスされ、そしてAPC表面上 にクラスII主要組織適合(MHC)分子と会合して提示される。この形態で、抗原は ヘルパーT細胞の表面上のレセプターと相互作用し得、その結果、細胞の特定の サブ集団を活性化して、多くのサイトカインのうちのどれかを発現および分泌す る。サイトカイン産生の性質は、アジュバントの選択によってある程度調節され 得る結果である、活性化されたヘルパーT細胞のサブセットに依存する。例えば 、アルミニウム塩であるミョウバンアジュバントは、ヒトにおける臨床的使用が 認められており、マウスにおいてTH2細胞を選択的に活性化することが報告され ている[GrunおよびMaurer、Cell.Immunol.121:134-145(1989)]。他方、ミコバ クテリア死菌を含む鉱物油のエマルジョンであるフロイント完全アジュバント(F CA)[Freundら、Proc.Soc.Exp.Biol.Med.37:509(1937)]は、マウスTH1細胞を優 先的に活性化する[GrunおよびMaurer,Cell.Immunol.121:134-145(1989)]。 免疫応答が増強される別の機構は、例えばグラム陰性細菌由来のリポ多糖(LPS )によるB細胞の直接剌激を伴う[Geryら、J.Immunol.108:1088(1972)]。LPSは また、インターフェロンγ(INF-γ)の分泌を刺激することが示されている[Tomai およびJohnson、J.Biol.Resp.Med.8:625-643(1989)]。これは、TH2細胞の増殖 の阻害とTH1細胞の分化の刺激の両方を行う[Gajewskiら、J.Immunol.143:15-22 (1989);GaJewskiら、J.Immunol.146:1750-1758(1991)]。従って、LPSが免疫応答 を強化する機構は、B細胞の直接的な刺激、およびTH1細胞集団とTH2細胞集団 の両方の間接的な調節による。 さらに他の免疫強化の様式が他のアジュバントについて報告されている。オイ ルエマルジョン(すなわち、フロイント完全アジュバント[FCA]、フロイント不 完全アジュバント[FIA])およびリポソームは、ミョウバンと同様に貯蔵所(dep ot)の形成により作用し、そのため抗原を遅延放出(slow relase)させる。抗原の 遅延放出は、抗原の免疫系への曝露を延長することができ、そしてまた、一度に 投与すると、通常は抗体形成に対して効果のない用量の抗原での初期免疫化を可 能とする。抗原の初期用量が高いと高い即時力価の抗体が産生されるが、時間の 関数としての抗体力価の増大と抗体特異性の増大は、抗原をより低用量かつより 高頻度投与の抗原で観察される程には大きくないことが、既に報告されている[S isklnd,G.,Pharm.Rev.25:319-324(1973)]。従って、免疫系に対する抗原の提 示を制御するアジュバントは、抗原の形態または複合度を変化させることに加え て、抗原用量を調節する。 現在までに、唯一のアジュバント、ミョウバン[ALK(S04)2・H2O]が、ヒトにお いて使用できるに十分非毒性であることが証明されている。ミョウバンは、免疫 化に続くTH2細胞活性化、抗原の貯蔵所形成、および抗原の遅延放出[Edelman,R ev.Infect.Dis.2:370-383(1980); Warrenら、Ann.Rev.Immunol.4:369-388(19 86)]を通じてのみならず、免疫能力のある細胞を引きつけることによる肉芽腫形 成[Whiteら、J.Exp.Med.102:73-82(1955)]、および補体の活性化[Ramanathanら 、Immunol.37:881-888(1979)]を通じてもまた作用する。しかし、ミョウバンは 、紅斑、皮下結節、接触過敏症、および肉芽腫性炎症を包含するその負の副作用 を伴 わないわけではない。ヒトへの適用以外には広く用いられている他のアジュバン トもまた、ヒトにおいて使用するための許容できる代替物を開発するための継続 的な研究の焦点となっている。これに含まれるものには、上記オイルエマルジョ ン(すなわちCFAおよびFIA)、細菌産物(すなわち、LPS、コレラ毒素、ミコバ クテリア成分、および完全死滅Corynebacterium parvum、Corynebacterium gran ulosum、およびBordetell apertussis)、リポソーム、免疫刺激複合体(ISC0M) 、および細菌源以外からの天然由来および誘導体化された多糖類が挙げられる。 多糖類の免疫強化能は、これらの化合物が、(例えば、細菌の細胞壁の構造成 分、ならびに昆虫および甲殼類の外骨格として)広く天然に存在するので、過去 数年来の研究の焦点となっている。リポ多糖(LPS)のアジュバント特性は主とし て分子のリピドA領域由来であり、そして分子の0-特異的多糖またはコアオリゴ 糖領域由来ではないとしても、ある種のグラム陰性細菌から単離されるLPSはそ のような多糖の1つである。LPSは、体液性免疫[Johnsonら、J.Exp.Med.103:22 5-246(1956)]および細胞媒介性免疫[0htaら、Immunobiology 53:827(1984)]の両 方を増強し、多くの生物学的活性を有するが、Guptaら、Vaccine 11:291-306(19 93)によって総説されているように、その固有の毒性のためにヒトに使用するに は実用的ではない。従って、とりわけキトサンを含む他の多糖類が注目された。 キトサン[β-(1-4)-2-アミノ-2-デオキシ-D-グルカン]は、キチンの誘導体で あり、そして一部にはそのリゾチームによる生分解性およびヒトにおける低毒性 のため、生物医学用途に広く使用されている。これらの同じ特性のため、免疫強 化剤としてのキトサンに関心が高まっている。例えば、Matuhashiらは、米国特 許第4,372,883号においてキトサンを含む可溶性の多糖類の通常の毒性抗原への 結合体(それによって抗原を解毒し、そして免疫原としての使用を可能にする結 合体)を開示した。しかし、Matuhashiらは、キトサンの不溶性形態の使用を述 べておらず、またMatuhashiは、得られる血清抗体力価を他の既知のアジュバン トによる免疫化から得られる血清抗体力価と比較してもいない。 同様に、Suzukiらは、米国特許第4,971,956号において、細菌感染および真菌 感染の処置ならびに腫瘍の処置のための治療薬としての水溶性キトサンオリゴマ ーの使用を開示した。Suzukiらは、キトサンを修飾して適切な水溶性形態を生成 することの困難さについて議論し、水不溶性形態は治療用途に実用的ではないこ とを開示した。さらに、Suzukiらは、抗原のキトサンへの結合体化が増強された 免疫応答を達成することを開示していない。 Mituhashiらは、米国特許第4,814,169号において、非ヒト動物におけるヒトタ ンパク質に対する抗体の産生のために、キトサンを包含する可溶性多糖類に結合 体化したヒトタンパク質の使用を開示した。ヒトタンパク質/多糖溶液の投与は 、静脈内、腹腔内、または皮下注射によって行われた。経口投与および直腸投与 を包含する他の経路は、この開示の中で述べられていなかった。 Nishimuraら[Vaccine 2:93-99(1984)]は、キチン誘導体の免疫学的特性を、イ ンビボでの腹腔マクロファージの活性化、マウスにおける腫瘍増殖の抑制、およ び細菌感染に対する防御の見地から報告した。結果は、キチンおよびキトサンの 両方とも、腫瘍細胞または細菌による抗原投与に対する宿主の耐性の有効な刺激 剤ではなかったが、キトサンは細胞傷害性マクロファージを中程度に誘導するこ とを示唆した。水性環境中でゲルを形成する修飾された脱アセチル化キトサンに よる結果は、マクロファージをより効果的に活性化し、腫瘍増殖を抑制し、そし て細菌感染に対する耐性を刺激することを示した。 Marcinkiewiczら[Arch.Immunol.Ther.Exp.39:127-132(1991)]は、水不溶性キ トサンの免疫アジュバント活性を試験し、そしてT依存性体液性応答を顕著に増 強するが、T非依存性体液性応答を中程度に増強するのみであることを報告した 。増強された体液性応答は、100mg/kg用量で静脈内または腹腔内のいずれかで投 与されたキトサンで検出された。皮下および経口投与は、効果的ではないことが 特に報告された。さらに、Marcinkiewiczらは、抗原の不溶性キトサンへの結合 体化を示唆せず、キトサンが「抗原と一緒でも抗原と別々のどちらでも、投与部 位とは関わりなく同様の応答を生じる」ことを述べた。 ヒトでの使用が認容されるアジュバントがたった1つしか存在しないという事 実を考慮すると、当該分野では、ヒトにおける潜在的な適用のための新規で毒性 のいっそう低いアジュバントを提供する必要性がある。改良されたアジュバント は、より効果的なワクチンの生産を可能とし、そして治療能力のあるモノクロー ナル抗体の生産を向上させる。発明の要旨 その全ての局面において、本発明は、宿主における免疫応答を強化するための キトサン処方物の使用に関する。 1つの局面において、本発明は、免疫応答を強化するための方法に関し、これ は、キトサン溶液を調製する工程、抗原をリン酸緩衝液中へ取り込み、抗原/リ ン酸緩衝溶液を形成する工程、抗原/リン酸緩衝溶液を凍結乾燥し、凍結乾燥混 合物とする工程、凍結乾燥混合物をキトサン溶液と再構成し、抗原/キトサン混 合物を形成する工程、およびヒトを含む動物へ混合物を投与する工程を包含する 。抗原/キトサン混合物は、経口、直腸、膣内経路を介して、ならびに腹腔内注 射、筋肉内注射、または皮下注射を介して動物に投与され得;投与は単一な経路 または複数の経路を含み得る。 本発明の別の局面において、組合せにおいて凍結乾燥した抗原/リン酸緩衝液 およびキトサン溶液を含む組成物が提供される。抗原/キトサン混合物は、経口 、直腸、膣内経路を介して、ならびに腹腔内注射、筋肉内注射、または皮下注射 を介して動物に投与され得;投与は単一な経路または複数の経路を含み得る。 本発明によりまた提供されるものは、凍結乾燥した抗原/リン酸緩衝液および キトサン溶液を含む免疫原である。抗原/キトサン混合物は、経口、直腸、膣内 経路を介して、ならびに腹腔内注射、筋肉内注射、または皮下注射を介して動物 に投与され得;投与は単一な経路または複数の経路を含み得る。 本発明の別の局面において、免疫原を調製するための方法が提供され、これは 、キトサン溶液を調製する工程、抗原をリン酸緩衝液中へ取り込み、抗原/リン 酸緩衝溶液を形成する工程、抗原/リン酸緩衝溶液を凍結乾燥し、凍結乾燥混合 物とする工程、および凍結乾燥混合物をキトサン溶液と再構成し、抗原/キトサ ン混合物を形成する工程を包含する。 本発明の別の局面のように、本発明は免疫応答を強化するための方法を提供し 、これは、キトサン溶液を調製する工程、水酸化ナトリウム溶液を調製する工程 、オイル/界面活性剤溶液(ここで、オイルは代謝的に分解され得る)を調製す る工程、キトサン溶液を水酸化ナトリウム溶液、オイル/界面活性剤溶液、およ び抗原と混合し、エマルジョンを形成する工程、ならびにエマルジョンを動物に 投 与する工程を包含する。抗原は、タンパク質、炭水化物、脂質、糖タンパク質、 またはそれらの組合せであり得るが、これらに限定されない。好ましくは、キト サン溶液のpHは約5.0である。エマルジョンは、腹腔内注射、筋肉内注射、また は皮下注射を介して動物に投与され得る。エマルジョンはまた、単独でまたは多 数の他のアジュバントのいずれかとの組合せにおいて投与され得る。免疫化は、 単回投与または複数投与を含み得る。より好ましい実施態様において、オイルは スクアレンである。 本発明のなお別の局面において、動物に投与される場合、免疫応答を強化する 組成物が提供され、この組成物は抗原、水酸化ナトリウム、オイル、界面活性剤 、およびキトサン溶液を含み、ここで、オイルは代謝的に分解され得る。 本発明によりまた提供されるものは、抗原、水酸化ナトリウム溶液、オイル、 界面活性剤、およびキトサン溶液を含む免疫原であり、ここで、オイルは代謝的 に分解され得る。 本発明の別の局面において、免疫原を調製するための方法が提供され、これは 、キトサン溶液を調製する工程、水酸化ナトリウム溶液を調製する工程、オイル /界面活性剤溶液を調製する工程(ここで、オイルは代謝的に分解され得る)、 ならびにキトサン溶液を水酸化ナトリウム溶液、オイル/界面活性剤溶液、およ び抗原と混合し、エマルジョンを形成する工程を包含する。 本発明の別の局面においてまた提供されるものは、キトサン溶液、水酸化ナト リウム溶液、およびオイル/界面活性剤溶液を含むキットである。 発明の詳細な説明 本発明は、抗原/キトサン混合物または抗原/キトサン/オイル/界面活性剤 エマルジョンを含む免疫強化用組成物を用いるための組成物および方法、および 抗原/キトサン混合物および抗原/キトサン/オイル/界面活性剤エマルジョン を調製する方法に関する以下の実施例により例証される。特に、実施例1は、リ ン酸緩衝液において取り込まれ、そして凍結乾燥された抗原の調製を実証する。 これは、引き続き、キトサン溶液中で再構成される。実施例2は、リン酸緩衝液 に取り込まれ、そしてキトサン溶液中で再構成された抗原の免疫応答を刺激する 能力の、現在入手可能なアジュバントの能力との比較を提供する。実施例3は、 キトサン/オイルエマルジョンにおいて取り込まれた抗原の調製を実証する。実 施例4および5は、キトサン/オイルエマルジョンに取り込まれた異なる抗原の 免疫応答を刺激する能力の、現在入手可能なアジュバントの能力との比較を提供 する。 実施例1 リン酸緩衝液において取り込まれ、凍結乾燥され、そして キトサン溶液中で再構成された抗原の調製 以下は、ニワトリオボアルブミンを抗原として使用することにより例示するが 、当業者は、いかなる数のその他の抗原も、採用し得ることを容易に理解する。 15.6mlのリン酸(l6M;Mallinkrodt Chemical,Paris,KY)を400mlの脱イオン (l8mOhm;DI)水に希釈することにより、0.5Mリン酸緩衝液を調製した。10N水酸 化ナトリウム(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)で、溶液のpHを7.3に調節 した。DI水の添加により、溶液総量を500mlに調整した。 はじめに、1%キトサンを2%酢酸溶液に調整することによりキトサン希釈溶液 を作製した(100mlの2%氷酢酸(Mallinkrodt Chemical,Paris,KY)中に1g のキトサン(実用級;Sigma Chemical Co.,St.Louis,M0))。次いで、得ら れた2%酢酸溶液中の1%キトサンを、その溶液の7.4mlを2.6mlのDI水に添加す ることによりさらに希釈し、キトサン作動溶液を得た。最終的なキトサン溶液の pHは、6と7の間であった。 リン酸緩衝生理食塩水における、50μLの10mg/mlオボアルブミン(Sigma Chem ical Co.,St.Louis,MO)溶液を5mlの0.5Mリン酸緩衝液を含む10mlのバイアル に添加した。この結果、透明な綿状になった。0.5gのd-ソルビトール(SigmaC hemical Co.,St.Louis,MO)添加の後、液体窒素中で溶液をすみやかに凍結し 、そして凍結乾燥させた。 凍結乾燥させたサンプルを、5mlの作動キトサン溶液を用いて再構成し、ボル テックスにより混合して白色粒子を含む混濁溶液を形成し、そして実施例2に記 載の通り免疫化のために使用した。 実施例2 リン酸緩衝液において取り込まれ、凍結乾燥され、そして キトサン溶液において再構成された抗原を用いる比較免疫強化 抗原に対する応答をキトサンが強化した相対度を測定するために、マウス群の 間の比較を行った(表1を参照のこと)。マウス群は、CFA(Sigma ChemicalCo. ,St.Louls,MO)を伴う25μgのオボアルブミンを含むワクチン、もしくは実施 例1で調製された通りにリン酸緩衝液において取り込まれ、凍結乾燥され、そし て引き続きキトサン溶液中で再構成された25μgのオボアルブミンを含むワクチ ン(試験群)のいずれかで、あらかじめ(個々に)免疫した。 0日目に、ワクチンを単回腹腔内注射することにより、生後8週目のメスBalb /cマウスを免疫した。オボアルブミンCFA処理群にはマウス3匹が含まれ、一方 試験群(リン酸緩衝液において取り込まれ、凍結乾燥され、そしてキトサン溶液 中で再構成されたオボアルブミン処理)には、4匹のマウスが含まれた。両方の 実験群を注射後7日目に採血した。CFAをアジュバントに用いた群は、免疫後21 、28、35、42、および48日目にもまた、採血した。試験群は、免疫後26、38、38 、52、70、83、102、123、および159日目にもまた、採血した。ELISAにより抗オ ボアルブミン血清抗体の力価を測定した。 結果から、リン酸緩衝液において取り込まれ、凍結乾燥され、そしてキトサン 溶液中で再構成された抗原を含む組成物は、明らかに受容動物に無毒であったこ とが示された。試験群の動物は、26日までに高い抗体力価を発現した(10,000)。 高力価は、42日目の追加抗原刺激のワクチン接種を経て、免疫後83日を過ぎても 持続した。追加抗原刺激のワクチン接種後ただちに、力価は約64,000に増加し(5 2日目)、そしてワクチン接種後約123日(オリジナル)まで10,000を上回って持 続した。得られた試験群の値は、通常当業者らにより使用される標準的なアジュ バントであるフロイント完全アジュバントの値に匹敵した。さらに、試験群動物 における力価の平均値は、グルタルアルデヒドを用いてキトサンに架橋した抗原 で観察される値に匹敵した。グルタルアルデヒドは、一般に、その他の市販で入 手可能なアジュバントよりも免疫強化を向上させる(PCT/US95/12189; W0 96/0 9805)。グルタルアルデヒドが市販のワクチンおよび現在のワクチンにおいて受 容されないことを考慮すると、抗原がリン酸緩衝液における取り込みおよび凍結 乾燥ならびにキトサン溶液における再構成を経て投与される、本発明は、安全で 、かつCFA、およびグルタルアルデヒドを介してキトサンに架橋した抗原の両方 に匹敵する代替アジュバントである。 実施例3 キトサン/オイルエマルジョン中に取り込まれた抗原の調製 HIVペプチドキーホールリンペットヘモシアニン結合体(実施例4)またはヒ ト透明帯Bペプチドオボアルブミン(実施例5)を抗原として使用することによ り以下のことを例示するが、どのような数のその他の抗原をも採用し得ることを 当業者は容易に理解する。さらに、以下のことをスクアレンの使用により例示す るが、受容動物により容易に代謝されるあらゆるオイル(例えば、コーン、菜種 、ピーナッツ)を使用し得ることを、当業者は理解する。 4.1gの酢酸ナトリウム(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)を50mlの脱イ オン(18mOhm:DI)水に撹拌しながら溶解させて、0.5M酢酸ナトリウム中の2% のキトサン溶液を調製した。約7mlの氷酢酸(Mallinkrodt Chemical,Paris,K Y)を用いて、溶液のpHを4.5に調整し、そしてさらに1.5mlの氷酢酸を添加して 溶液のpHへのキトサン添加の影響を補正した。DI水の添加により、溶液総量を10 0mlに調整した。2gのキトサン(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)を撹拌 しながら酢酸ナトリウム溶液にゆっくりと添加し、そしてその混合物を2〜3時 間、キトサンが溶解するまで撹拌した。次いで、25分サイクルのオートクレーブ により、キトサン溶液を滅菌した。バイオセーフティーキャビネットの中で、溶 液を室温にまで冷却した。次いで、IEC臨床遠心分離器(International Equipme nt Co.,Needham Hts.,MA)において設定7で5分間遠心分離することにより、 キトサン溶液を清澄した。上清をペレット(不溶性キトサン/キチンおよび混入 物)からデカントした。添加したキトサンの87〜90%(重量で)が、上清中に保 持された。 50gの水酸化ナトリウム(Sigma Chemlcal Co.,St.Louis,MO)を100mlの脱 イオン水に撹拌しながら溶解させることにより、50%水酸化ナトリウム溶液を調 製した。1500μLのスクアレン(2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18 ,22−テトラコサヘキサエン;Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)と600μLの して均質になるまでボルテックスにかけることにより、スクアレン/界面活性剤 溶液を調製した。 水または尿素中の約420μLの抗原(すなわち、HIVペプチドキーホールリンペ ットヘモシアニン結合体、表2;ヒト透明帯Bペプチドオボアルブミン結合体、 表3)を約370μLの2%キトサン(0.5M酢酸ナトリウム中)に添加し、ボルテッ クスにかけることにより、キトサン/スクアレン/界面活性剤/抗原エマルジョ ンを調製した。使用される抗原の実際量(すなわち、タンパク質またはペプチド キャリア結合体)は、1μg〜数ミリグラムの範囲であり得る。次いで、抗原/ キトサンに10μL の50%水酸化ナトリウムを添加し、サンプルをボルテックスに かけた。安定な混濁した沈殿物が形成するまで、10μLずつの50%水酸化ナトリ ウムを添加した。抗原およびキトサンの上記の溶液に、先に調製した約140μLの スクアレン/界面活性剤溶液を添加した。得られた溶液を、混濁したエマルジョ ンが形成するまでボルテックスにかけた。実施例4および5に記載のように免疫 研究における投与の直前に、得られたキトサン/スクアレン/界面活性剤/抗原 溶液をボルテックスまたはシリンジ吸引により混合した。 実施例4 キトサン/スクアレンエマルジョン中に取り込まれた抗原 (HIVペプチドKLH結合体)を用いる比較免疫強化 キトサン/スクアレンエマルジョン中に取り込まれている抗原への免疫応答を 評価する目的で、以下の実験を行った。詳細には、マウス群を種々の量のHIVペ プチドKLH結合体[SarinらVaccjne Res.,3(1):49-57(1994);本明細書中で参考 として援用する]をキトサン/スクアレン/界面活性剤エマルジョンと共に含む ワクチンまたは20μgのHIVペプチドKLH結合体をCFAと共に含むワクチンのいずれ かで個々に免疫した、比較研究を行った。 表2および3に関していえば、0日目に、ワクチンの単回200μL腹腔内注射に よって、生後8週目のメスBalb/cマウスを免疫した。群1では、18週目(一回目 の免疫化の126日後)に、2回目の免疫化を行った。群2および群3では、2回 目の免疫化を24週目(一回目の免疫化の168日後)に行った。2回目の免疫化 は、群1〜3において、キトサン/スクアレン/界面活性剤エマルジョンと共に 、示す用量での非結合HIVペプチドからなった。CFA群は、2回目の免疫化を受け なかった。対象動物から、22、35、49、63、77、91、119(第1群は除く)、140 および149日目に採血した。ELISAにより、血清抗体力価を測定した。 表2 キトサン/スクアレンエマルジョンを用いる 比較免疫強化研究における免疫化群 結果は、キトサン/スクアレン/界面活性剤エマルジョンアジュバントは、受 容動物に明らかに無毒であることを示した。結果はさらに、群3(キトサン/ス クアレン/界面活性剤をアジュバントとした20μgペプチド)が第4群(CFAがア ジュバントとした20μgペプチド)と同等に作用し、またHIVペプチドKLH結合体 に対する免疫応答が第5週および7週で向上したことが示した。さらに、群3( キトサン/スクアレン/界面活性剤をアジュバントとした3μgペプチド)は、 11週目の間、第4群(より良くはないにしろ)とよく似た結果を生じた。驚いた ことに、キトサン/スクアレンエマルジョンを受容した群での「非結合体化」ペ プチドを用いた2回目の免疫化は、非常に強い追加刺激応答を生じた(群1の18 週後、および群2〜3の24週後を参照のこと)。全体的に見て、表3に示した結 果は、キトサン/スクアレンエマルジョンが、CFAと匹敵するか、場合によって はCFAより優れた体液性免疫応答を誘導することを実証する。さらに、非結合体 化HIVペプチドで得られた非常に強い追加刺激応答により示されるように、キト サン/スクアレン/界面活性剤エマルジョンは免疫強化剤として作用した。 実施例4 キトサン/スクアレンエマルジョンにおいて取り込まれた抗原 (ヒト透明帯Bペプチドオボアルブミン結合体)を用いる比較免疫強化 以下の実験もまた、キトサン/スクアレン/界面活性剤エマルジョン中に取り 込まれた抗原への免疫応答を評価するために行った。詳細には、マウス群をキト サン/スクアレン/界面活性剤エマルジョンまたはCFAをアジュバントとした、 6個の異なるヒト透明帯B (ZPB)合成ペプチド[配列番号1〜6]を含むワクチン で個々に(腹腔内で)免疫した、比較研究を行った。 ワクチン(キトサン/スクアレン/界面活性剤エマルジョン(群I)またはCF A(群11)のいずれかと組み合わせた、各20μLの6個の異なるヒトZPB合成ペプ チド)を0日目および28日目に200μLの腹腔内注射することにより、生後8週目 のメスBalb/cマウスを免疫した。群11のマウスは、追加抗原刺激としてCFAワク チンを受容した。ウェルあたり1μgの6ペプチド混合物でコートしたプレート を用いて、ELISAによって血清抗体力価を測定した。チャイニーズハムスター卵 巣 細胞において産生された全長精製組換えヒトZPBタンパク質[HarrisらJ.Seq.an d Mapping,4: 361-393,1994;本明細書中で参考として援用する]に対する抗体 力価もまた、50ngの精製タンパク質でコートしたプレート上でELISAによって測 定した。 表4における結果は、キトサン/スクアレン/界面活性剤エマルジョンを伴う ペプチド結合体で免疫された動物が、CFAをアジュバントとして伴うペプチド結 合体での免疫化で惹起されるよりも、ペプチドおよび全長タンパク質の両方に対 し優れた体液性応答を惹起したことを実証する。 本発明は、好ましい実施態様に関して記載されたが、これは、本明細書中の開 示を考慮して当業者に想起される全ての改変および変更、ならびに特に請求の範 囲およびその要求について最も広義の適切な解釈の範囲内にある実施態様を含む ことが意図される。
【手続補正書】 【提出日】1999年4月30日(1999.4.30) 【補正内容】 請求の範囲 1. 動物において免疫応答を強化する際に用いられる組成物であって: a) キトサン溶液を調製する工程; b) 抗原をリン酸緩衝液中に取り込み、抗原/リン酸緩衝溶液を形成する工 程; c) 該抗原/リン酸緩衝溶液を凍結乾燥し、凍結乾燥混合物とする工程; よび d) 該キトサン溶液中で該凍結乾燥混合物を再構成して抗原/キトサン混合 物を形成する工程を含む方法により調製され、ここで該組成物は、 該抗原に対する免疫応答を動物に付与することを可能にする投与経路により該 動物に投与される組成物 。 2. 前記キトサン溶液のpHが約6.0〜約7.0である、請求項1に記載の組成物 。 3. 前記投与経路が、筋肉内注射、腹腔内注射、および皮下注射からなる群 から選択される、請求項1に記載の組成物。 4. 前記投与経路が、経口、直腸、および膣内経路からなる群から選択され る、請求項1に記載の組成物。 5. 前記動物がヒトである、請求項3または4に記載の組成物。 6. 以下のプロセスにより調製された組成物であって、該プロセスが: a) キトサン溶液を調製する工程; b) 抗原をリン酸緩衝液中に取り込み、抗原/リン酸緩衝溶液を形成する工 程; c) 該抗原/リン酸緩衝溶液を凍結乾燥し、凍結乾燥混合物とする工程;お よび d) 該キトサン溶液中で該凍結乾燥混合物を再構成し、抗原/キトサン混合 物を形成する工程、 を包含する、組成物。 7. 前記キトサン溶液のpHが約6.0〜約7.0である、請求項6に記載の組成物 。 8. 以下のプロセスにより調製された免疫原であって、該プロセスが: a) キトサン溶液を調製する工程; b) 抗原をリン酸緩衝液中に取り込み、抗原/リン酸緩衝溶液を形成する工 程; c) 該抗原/リン酸緩衝溶液を凍結乾燥し、凍結乾燥混合物とする工程;お よび d) 該キトサン溶液中で該凍結乾燥混合物を再構成し、抗原/キトサン混合 物を形成する工程、 を包含する、免疫原。 9. 前記キトサン溶液のpHが約6.0〜約7.0である、請求項8に記載の免疫原 。 10. 免疫原を生成するための方法であって: a) キトサン溶液を調製する工程; b) 抗原をリン酸緩衝液中に取り込む工程; c) 該抗原/リン酸緩衝溶液を凍結乾燥し、凍結乾燥混合物とする工程;お よび d) 該キトサン溶液中で該凍結乾燥混合物を再構成する工程、 を包含する、方法。 11. 前記キトサン溶液のpHが約6.0〜約7.0である、請求項10に記載の方 法。 12. 動物において免疫応答を強化する際に用いられる組成物であって、該 組成物 は: a) キトサン溶液を調製する工程; b) 水酸化ナトリウム溶液を調製する工程; c) オイル/界面活性剤溶液を調製する工程であって、ここで、該オイルは 代謝的に分解され得る、工程;および d) 該キトサン溶液を、該水酸化ナトリウム溶液、該オイル/界面活性剤溶 液、および抗原と混合し、エマルジョンを形成する工程を含む方法によって調製 され、ここで該組成物は、 該抗原に対する免疫応答を動物に付与することを可能 にする投与経路により該動物に投与される組成物 。 13. 前記オイルがスクアレンである、請求項12に記載の組成物。 14. 前記キトサン溶液のpHが約5.0である、請求項12に記載の組成物。 15. 前記投与経路が筋肉内注射、腹腔内注射、および皮下注射からなる 群から選択される、請求項12に記載の組成物。 16. 前記動物がヒトである、請求項15に記載の組成物。 17. 免疫応答を強化するための組成物であって、該組成物は抗原、水酸化 ナトリウム、オイル、界面活性剤、およびキトサン溶液を含み、ここで、該オイ ルは代謝的に分解され得る、組成物。 18. 前記オイルがスクアレンである、請求項17に記載の組成物。 19. 前記キトサン溶液のpHが約5.0である、請求項17に記載の組成物。 20. 以下のプロセスにより生成された免疫原であって、該プロセスは: a) キトサン溶液を調製する工程; b) 水酸化ナトリウム溶液を調製する工程; c) オイル/界面活性剤溶液を調製する工程であって、ここで該オイルは代 謝的に分解され得る、工程;および d) 該キトサン溶液を該水酸化ナトリウム溶液、該オイル/界面活性剤溶液 、および抗原と混合し、エマルジョンを形成する工程 を包含する、免疫原。 21. 前記オイルがスクアレンである、請求項20に記載の免疫原。 22. 前記キトサン溶液のpHが約5.0である、請求項20に記載の免疫原。 23. 免疫原を生成するための方法であって、該方法は: a) キトサン溶液を調製する工程; b) 水酸化ナトリウム溶液を調製する工程; c) オイル/界面活性剤溶液を調製する工程であって、ここで該オイルは代 謝的に分解され得る、工程;および d) 該キトサン溶液を該水酸化ナトリウム溶液、該オイル/界面活性剤溶液 、および抗原と混合し、エマルジョンを形成する工程、 を包含する、方法。 24. 前記オイルがスクアレンである、請求項23に記載の方法。 25. 前記キトサン溶液のpHが約5.0である、請求項24に記載の方法。 26. キットであって、 a) キトサン溶液; b) 水酸化ナトリウム溶液;および c) オイル/界面活性剤溶液であって、ここで該オイルは代謝的に分解され 得る、 を含む、キット。 27. 前記オイルがスクアレンである、請求項26に記載のキット。 28. 前記キトサン溶液のpHが約5.0である、請求項26に記載のキット。 29. キトサン溶液を水酸化ナトリウム溶液およびオイル/界面活性剤溶液 と混合して、エマルジョンを形成するプロセスにより調製されたアジュバントで あって、ここで該オイルは代謝的に分解され得る、アジュバント。 30. 前記オイルがスクアレンである、請求項29に記載のアジュバント。 31. 前記キトサン溶液のpHが約5.0である、請求項29に記載のアジュバ ント。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 動物において免疫応答を強化する方法であって: a) キトサン溶液を調製する工程; b) 抗原をリン酸緩衝液中に取り込み、抗原/リン酸緩衝溶液を形成する工 程; c) 該抗原/リン酸緩衝溶液を凍結乾燥し、凍結乾燥混合物とする工程; d) 該キトサン溶液中で該凍結乾燥混合物を再構成して抗原/キトサン混合 物を形成する工程; e) 該抗原/キトサン混合物を、該抗原に対する免疫応答を動物に付与する ことを可能にする投与経路により該動物に投与する工程、 を包含する、方法。 2. 前記キトサン溶液のpHが約6.0〜約7.0である、請求項1に記載の方法。 3. 前記投与経路が、筋肉内注射、腹腔内注射、および皮下注射からなる群 から選択される、請求項1に記載の方法。 4. 前記投与経路が、経口、直腸、および膣内経路からなる群から選択され る、請求項1に記載の方法。 5. 前記動物がヒトである、請求項3または4に記載の方法。 6. 以下のプロセスにより調製された組成物であって、該プロセスが: a) キトサン溶液を調製する工程; b) 抗原をリン酸緩衝液中に取り込み、抗原/リン酸緩衝溶液を形成する工 程; c) 該抗原/リン酸緩衝溶液を凍結乾燥し、凍結乾燥混合物とする工程;お よび d) 該キトサン溶液中で該凍結乾燥混合物を再構成し、抗原/キトサン混合 物を形成する工程、 を包含する、組成物。 7. 前記キトサン溶液のpHが約6.0〜約7.0である、請求項6に記載の組成物 。 8. 以下のプロセスにより調製された免疫原であって、該プロセスが: a) キトサン溶液を調製する工程; b) 抗原をリン酸緩衝液中に取り込み、抗原/リン酸緩衝溶液を形成する工 程; c) 該抗原/リン酸緩衝溶液を凍結乾燥し、凍結乾燥混合物とする工程;お よび d) 該キトサン溶液中で該凍結乾燥混合物を再構成し、抗原/キトサン混合 物を形成する工程、 を包含する、免疫原。 9. 前記キトサン溶液のpHが約6.0〜約7.0である、請求項8に記載の免疫原 。 10. 免疫原を生成するための方法であって: a) キトサン溶液を調製する工程; b) 抗原をリン酸緩衝液中に取り込む工程; c) 該抗原/リン酸緩衝溶液を凍結乾燥し、凍結乾燥混合物とする工程;お よび d) 該キトサン溶液中で該凍結乾燥混合物を再構成する工程、 を包含する、方法。 11. 前記キトサン溶液のpHが約6.0〜約7.0である、請求項10に記載の方 法。 12. 動物において免疫応答を強化するための方法であって、該方法は: a) キトサン溶液を調製する工程; b) 水酸化ナトリウム溶液を調製する工程; c) オイル/界面活性剤溶液を調製する工程であって、ここで、該オイルは 代謝的に分解され得る、工程; d) 該キトサン溶液を、該水酸化ナトリウム溶液、該オイル/界面活性剤溶 液、および抗原と混合し、エマルジョンを形成する工程;および e) 該エマルジョンを、該抗原に対する免疫応答を動物に付与することを可 能にする投与経路により該動物に投与する工程、 を包含する、方法。 13. 前記オイルがスクアレンである、請求項12に記載の方法。 14. 前記キトサン溶液のpHが約5.0である、請求項12に記載の方法。 15. 前記投与経路が筋肉内注射、腹腔内注射、および皮下注射から成る群 から選択される、請求項12に記載の方法。 16. 前記動物がヒトである、請求項15に記載の方法。 17. 免疫応答を強化するための組成物であって、該組成物は抗原、水酸化 ナトリウム、オイル、界面活性剤、およびキトサン溶液を含み、ここで、該オイ ルは代謝的に分解され得る、組成物。 18. 前記オイルがスクアレンである、請求項17に記載の方法。 19. 前記キトサン溶液のpHが約5.0である、請求項17に記載の組成物。 20. 以下のプロセスにより生成された免疫原であって、該プロセスは: a) キトサン溶液を調製する工程; b) 水酸化ナトリウム溶液を調製する工程; c) オイル/界面活性剤溶液を調製する工程であって、ここで該オイルは代 謝的に分解され得る、工程;および d) 該キトサン溶液を該水酸化ナトリウム溶液、該オイル/界面活性剤溶液 、および抗原と混合し、エマルジョンを形成する工程 を包含する、免疫原。 21. 前記オイルがスクアレンである、請求項20に記載の免疫原。 22. 前記キトサン溶液のpHが約5.0である、請求項20に記載の免疫原。 23. 免疫原を生成するための方法であって、該方法は: a) キトサン溶液を調製する工程; b) 水酸化ナトリウム溶液を調製する工程; c) オイル/界面活性剤溶液を調製する工程であって、ここで該オイルは代 謝的に分解され得る、工程;および d) 該キトサン溶液を該水酸化ナトリウム溶液、該オイル/界面活性剤溶液 、および抗原と混合し、エマルジョンを形成する工程、 を包含する、方法。 24. 前記オイルがスクアレンである、請求項23に記載の方法。 25. 前記キトサン溶液のpHが約5.0である、請求項24に記載の方法。 26. キットであって、 a) キトサン溶液; b) 水酸化ナトリウム溶液;および c) オイル/界面活性剤溶液であって、ここで該オイルは代謝的に分解され 得る、 を含む、キット。 27. 前記オイルがスクアレンである、請求項26に記載のキット。 28. 前記キトサン溶液のpHが約5.0である、請求項26に記載のキット。 29. キトサン溶液を水酸化ナトリウム溶液およびオイル/界面活性剤溶液と 混合して、エマルジョンを形成するプロセスにより調製されたアジュバントであ って、ここで該オイルは代謝的に分解され得る、アジュバント。 30. 前記オイルがスクアレンである、請求項29に記載のアジュバント。 31. 前記キトサン溶液のpHが約5.0である、請求項29に記載のアジュバン ト。
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