JP4217418B2 - キトサン誘導性免疫強化 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、動物における免疫応答を強化するための方法、強化を達成する組成物、およびこの組成物の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、免疫応答を強化するための抗原/キトサン混合物または抗原/キトサン/オイル/界面活性剤エマルジョンの使用を包含する方法、強化を達成する抗原/キトサン混合物または抗原/キトサン/オイル/界面活性剤エマルジョン、および抗原/キトサン混合物または抗原/キトサン/オイルエマルジョンの調製方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
(発明の背景)
近年のバイオテクノロジーの進歩により、複合抗原中の成分の同定が容易になり、このことにより、安全かつ実用的なワクチンの開発の成功が期待される。しかし、しばしば、これらの単離された選択成分は、それらが由来した完全な複合抗原ほどには免疫原性でない。受容動物における弱い抗原性の免疫原に対する免疫応答を高めるために、免疫原とともにアジュバントが投与されることが多い。しかし、アジュバントは全般的に容認されているとはいえ、ヒトでの使用に適したものの数は限られている。
【0003】
理想的には、アジュバントは、機能的に活性な抗体の長期にわたる発現を強化し、細胞媒介性免疫(CMI)を誘発し、そして侵入した抗原に対する高度の特異的免疫反応性を有する記憶Tリンパ球およびBリンパ球の産生を増強すべきである。外来抗原を用いる即時抗原投与(challenge)に際して防御を提供することに加えて、これらの応答は、特定の抗原による宿主の任意の将来的遭遇に対する防御を提供するはずである。より重要なことは、最小限の有害な副作用で免疫応答を高めるアジュバントの能力である。従って、アジュバントの効力は、アジュバントが正の影響(免疫の強化)および負の影響(毒性)をどのようにバランスさせるかという見地から説明される。
【0004】
B細胞による抗体産生を刺激する目的のための制御された免疫化は、抗原自体および免疫される動物の両方に固有の無数の因子に依存する。一般に、抗原またはその源が侵入される宿主から進化論的にみて離れているほど、その抗原によって誘発される免疫応答はより効果的である。近縁種に由来する抗原は、宿主の免疫系が外来抗原を内因性抗原または自己抗原から明確に識別できないという事実のために、抗体産生を誘発する能力がほとんどない。さらに、抗原の投与量、抗原の純度、および抗原の投与頻度もまた、得られる抗体力価および得られる抗体の特異性に顕著に寄与する要因である。さらに他の要因としては、抗原の形態、または複合度(complexity)、および抗原の投与方法があげられる。最後に、免疫される動物の遺伝的体質および全身的な生理学的状態が、免疫応答が発動される程度に寄与する。これらの要因の中で、抗原の形態または複合度は、アジュバントを用いる免疫化により直接影響される。
【0005】
現在の理解では、アジュバントは種々の異なる機構で免疫応答を増強するように作用すると示唆されている。1つの機構においては、アジュバントは、TH1またはTH2と呼ばれるCD4+ヘルパーT細胞サブ集団のいずれか1つを直接刺激する[MosmannおよびCoffman, Ann.Rev.Immunol. 7:145−173(1989)]。ヘルパーT細胞は、ほとんどの抗原に対するB細胞抗体応答のために必要とされる。適切な免疫応答において、抗原は捕捉され、そして抗原提示細胞(APC)、例えば、循環マクロファージまたは組織マクロファージによってプロセスされ、そしてAPC表面上にクラスII主要組織適合(MHC)分子と会合して提示される。この形態で、抗原はヘルパーT細胞の表面上のレセプターと相互作用し得、その結果、細胞の特定のサブ集団を活性化して、多くのサイトカインのうちのどれかを発現および分泌する。サイトカイン産生の性質は、アジュバントの選択によってある程度調節され得る結果である、活性化されたヘルパーT細胞のサブセットに依存する。例えば、アルミニウム塩であるミョウバンアジュバントは、ヒトにおける臨床的使用が認められており、マウスにおいてTH2細胞を選択的に活性化することが報告されている[GrunおよびMaurer、Cell.Immunol. 121:134−145(1989)]。他方、ミコバクテリア死菌を含む鉱物油のエマルジョンであるフロイント完全アジュバント(FCA)[Freundら、Proc.Soc.Exp.Biol.Med.37:509(1937)]は、マウスTH1細胞を優先的に活性化する[GrunおよびMaurer、Cell.Immunol. 121:134−145(1989)]。
【0006】
免疫応答が増強される別の機構は、例えばグラム陰性細菌由来のリポ多糖(LPS)によるB細胞の直接刺激を伴う[Geryら、J.Immunol. 108:1088(1972)]。LPSはまた、インターフェロンγ(INF−γ)の分泌を刺激することが示されている[TomaiおよびJohnson、J.Biol.Resp.Med. 8:625−643(1989)]。これは、TH2細胞の増殖の阻害とTH1細胞の分化の刺激の両方を行う[Gajewskiら、J.Immunol.143:15−22(1989);Gajewskiら、J.Immunol.146:1750−1758(1991)]。従って、LPSが免疫応答を強化する機構は、B細胞の直接的な刺激、およびTH1細胞集団とTH2細胞集団の両方の間接的な調節による。
【0007】
さらに他の免疫強化の様式が他のアジュバントについて報告されている。オイルエマルジョン(すなわち、フロイント完全アジュバント[FCA]、フロイント不完全アジュバント[FIA])およびリポソームは、ミョウバンと同様に貯蔵所(depot)の形成により作用し、そのため抗原を遅延放出(slow relase)させる。抗原の遅延放出は、抗原の免疫系への曝露を延長することができ、そしてまた、一度に投与すると、通常は抗体形成に対して効果のない用量の抗原での初期免疫化を可能とする。抗原の初期用量が高いと高い即時力価の抗体が産生されるが、時間の関数としての抗体力価の増大と抗体特異性の増大は、抗原をより低用量かつより高頻度投与の抗原で観察される程には大きくないことが、既に報告されている[Siskind, G., Pharm.Rev. 25:319−324(1973)]。従って、免疫系に対する抗原の提示を制御するアジュバントは、抗原の形態または複合度を変化させることに加えて、抗原用量を調節する。
【0008】
現在までに、唯一のアジュバント、ミョウバン[ALK(SO4)2・H2O]が、ヒトにおいて使用できるに十分非毒性であることが証明されている。ミョウバンは、免疫化に続くTH2細胞活性化、抗原の貯蔵所形成、および抗原の遅延放出[Edelman, Rev.Infect.Dis. 2:370−383(1980); Warrenら、Ann.Rev.Immunol. 4:369−388(1986)]を通じてのみならず、免疫能力のある細胞を引きつけることによる肉芽腫形成[Whiteら、J.Exp.Med. 102:73−82(1955)]、および補体の活性化[Ramanathanら、Immunol. 37:881−888(1979)]を通じてもまた作用する。しかし、ミョウバンは、紅斑、皮下結節、接触過敏症、および肉芽腫性炎症を包含するその負の副作用を伴わないわけではない。ヒトへの適用以外には広く用いられている他のアジュバントもまた、ヒトにおいて使用するための許容できる代替物を開発するための継続的な研究の焦点となっている。これに含まれるものには、上記オイルエマルジョン(すなわちCFAおよびFIA)、細菌産物(すなわち、LPS、コレラ毒素、ミコバクテリア成分、および完全死滅Corynebacterium parvum、Corynebacterium granulosum、およびBordetella pertussis)、リポソーム、免疫刺激複合体(ISCOM)、および細菌源以外からの天然由来および誘導体化された多糖類が挙げられる。
【0009】
多糖類の免疫強化能は、これらの化合物が、(例えば、細菌の細胞壁の構造成分、ならびに昆虫および甲殻類の外骨格として)広く天然に存在するので、過去数年来の研究の焦点となっている。リポ多糖(LPS)のアジュバント特性は主として分子のリピドA領域由来であり、そして分子のo−特異的多糖またはコアオリゴ糖領域由来ではないとしても、ある種のグラム陰性細菌から単離されるLPSはそのような多糖の1つである。LPSは、体液性免疫[Johnsonら、J.Exp.Med. 103:225−246(1956)]および細胞媒介性免疫[Ohtaら、Immunobiology 53:827(1984)]の両方を増強し、多くの生物学的活性を有するが、Guptaら、Vaccine 11:291−306(1993)によって総説されているように、その固有の毒性のためにヒトに使用するには実用的ではない。従って、とりわけキトサンを含む他の多糖類が注目された。
【0010】
キトサン[β−(1−4)−2−アミノ−2−デオキシ−D−グルカン]は、キチンの誘導体であり、そして一部にはそのリゾチームによる生分解性およびヒトにおける低毒性のため、生物医学用途に広く使用されている。これらの同じ特性のため、免疫強化剤としてのキトサンに関心が高まっている。例えば、Matuhashiらは、米国特許第4,372,883号においてキトサンを含む可溶性の多糖類の通常の毒性抗原への結合体(それによって抗原を解毒し、そして免疫原としての使用を可能にする結合体)を開示した。しかし、Matuhashiらは、キトサンの不溶性形態の使用を述べておらず、またMatuhashiは、得られる血清抗体力価を他の既知のアジュバントによる免疫化から得られる血清抗体力価と比較してもいない。
【0011】
同様に、Suzukiらは、米国特許第4,971,956号において、細菌感染および真菌感染の処置ならびに腫瘍の処置のための治療薬としての水溶性キトサンオリゴマーの使用を開示した。Suzukiらは、キトサンを修飾して適切な水溶性形態を生成することの困難さについて議論し、水不溶性形態は治療用途に実用的ではないことを開示した。さらに、Suzukiらは、抗原のキトサンへの結合体化が増強された免疫応答を達成することを開示していない。
【0012】
Mituhashiらは、米国特許第4,814,169号において、非ヒト動物におけるヒトタンパク質に対する抗体の産生のために、キトサンを包含する可溶性多糖類に結合体化したヒトタンパク質の使用を開示した。ヒトタンパク質/多糖溶液の投与は、静脈内、腹腔内、または皮下注射によって行われた。経口投与および直腸投与を包含する他の経路は、この開示の中で述べられていなかった。
【0013】
Nishimuraら[Vaccine 2:93−99(1984)]は、キチン誘導体の免疫学的特性を、インビボでの腹腔マクロファージの活性化、マウスにおける腫瘍増殖の抑制、および細菌感染に対する防御の見地から報告した。結果は、キチンおよびキトサンの両方とも、腫瘍細胞または細菌による抗原投与に対する宿主の耐性の有効な刺激剤ではなかったが、キトサンは細胞傷害性マクロファージを中程度に誘導することを示唆した。水性環境中でゲルを形成する修飾された脱アセチル化キトサンによる結果は、マクロファージをより効果的に活性化し、腫瘍増殖を抑制し、そして細菌感染に対する耐性を刺激することを示した。
【0014】
Marcinkiewiczら[Arch.Immunol.Ther.Exp. 39:127−132(1991)]は、水不溶性キトサンの免疫アジュバント活性を試験し、そしてT依存性体液性応答を顕著に増強するが、T非依存性体液性応答を中程度に増強するのみであることを報告した。増強された体液性応答は、100mg/kg用量で静脈内または腹腔内のいずれかで投与されたキトサンで検出された。皮下および経口投与は、効果的ではないことが特に報告された。さらに、Marcinkiewiczらは、抗原の不溶性キトサンへの結合体化を示唆せず、キトサンが「抗原と一緒でも抗原と別々のどちらでも、投与部位とは関わりなく同様の応答を生じる」ことを述べた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ヒトでの使用が認容されるアジュバントがたった1つしか存在しないという事実を考慮すると、当該分野では、ヒトにおける潜在的な適用のための新規で毒性のいっそう低いアジュバントを提供する必要性がある。改良されたアジュバントは、より効果的なワクチンの生産を可能とし、そして治療能力のあるモノクローナル抗体の生産を向上させる。
【0016】
【課題を解決するための手段】
免疫応答を強化するための方法および組成物が開示され、これは免疫強化アジュバントとしてキトサンを取り込む。本発明の組成物の投与は、種々の経路によりもたらされる。
【0017】
本願発明において、動物において免疫応答を強化する際に用いられる組成物であって、その組成物は:
a) キトサン溶液を調製する工程;
b) 水酸化ナトリウム溶液を調製する工程;
c) オイル/界面活性剤溶液を調製する工程であって、ここで、オイルは代謝的に分解され得る、工程;および
d) キトサン溶液を、該水酸化ナトリウム溶液、オイル/界面活性剤溶液、および抗原と混合し、エマルジョンを形成する工程を含む方法によって調製され、ここで組成物は、抗原に対する免疫応答を動物に付与することを可能にする投与経路により該動物に投与される、組成物が提供される。
【0018】
1つの局面にいて、オイルがスクアレンであり、別の局面において、キトサン溶液のpHが約5.0である。さらなる局面において、投与経路が、筋肉内注射、腹腔内注射、および皮下注射からなる群から選択され、例えば、この動物はヒトである。
【0019】
さらに、本願発明において免疫応答を強化するための組成物であって、この組成物は抗原、水酸化ナトリウム、オイル、界面活性剤、およびキトサン溶液を含み、ここで、オイルは代謝的に分解され得る、組成物が提供される。ある局面においてオイルがスクアレンであり、および/またはキトサン溶液のpHが約5.0である。
【0020】
本願発明において、以下のプロセスにより生成された免疫原であって、プロセスは:
a) キトサン溶液を調製する工程;
b) 水酸化ナトリウム溶液を調製する工程;
c) オイル/界面活性剤溶液を調製する工程であって、ここでオイルは代謝的に分解され得る、工程;および
d) キトサン溶液を水酸化ナトリウム溶液、オイル/界面活性剤溶液、および抗原と混合し、エマルジョンを形成する工程、を包含する、免疫原が提供される。
【0021】
1つの局面にいて、オイルがスクアレンであり、別の局面において、キトサン溶液のpHが約5.0である。
【0022】
さらに本願発明において、免疫原を生成するための方法であって:
a) キトサン溶液を調製する工程;
b) 水酸化ナトリウム溶液を調製する工程;
c) オイル/界面活性剤溶液を調製する工程であって、ここでオイルは代謝的に分解され得る、工程;および
d) キトサン溶液を該水酸化ナトリウム溶液、該オイル/界面活性剤溶液、および抗原と混合し、エマルジョンを形成する工程、を包含する方法が提供される。1つの局面にいて、オイルがスクアレンであり、別の局面において、キトサン溶液のpHが約5.0である。
【0023】
また本願発明においてキットであって、
a) キトサン溶液;
b) 水酸化ナトリウム溶液;および
c) オイル/界面活性剤溶液であって、ここで該オイルは代謝的に分解され得る、
を含む、キットが提供される。
【0024】
1つの局面にいて、オイルがスクアレンであり、別の局面において、キトサン溶液のpHが約5.0である。
【0025】
本願発明においてキトサン溶液を水酸化ナトリウム溶液およびオイル/界面活性剤溶液と混合して、エマルジョンを形成するプロセスにより調製されたアジュバントであって、ここでオイルは代謝的に分解され得るアジュバントが提供される。1つの局面にいて、オイルがスクアレンであり、別の局面において、キトサン溶液のpHが約5.0である。
【0026】
【発明の実施の形態】
(発明の要旨)
その全ての局面において、本発明は、宿主における免疫応答を強化するためのキトサン処方物の使用に関する。
【0027】
1つの局面において、本発明は、免疫応答を強化するための方法に関し、これは、キトサン溶液を調製する工程、抗原をリン酸緩衝液中へ取り込み、抗原/リン酸緩衝溶液を形成する工程、抗原/リン酸緩衝溶液を凍結乾燥し、凍結乾燥混合物とする工程、凍結乾燥混合物をキトサン溶液と再構成し、抗原/キトサン混合物を形成する工程、およびヒトを含む動物へ混合物を投与する工程を包含する。抗原/キトサン混合物は、経口、直腸、膣内経路を介して、ならびに腹腔内注射、筋肉内注射、または皮下注射を介して動物に投与され得;投与は単一な経路または複数の経路を含み得る。
【0028】
本発明の別の局面において、組合せにおいて凍結乾燥した抗原/リン酸緩衝液およびキトサン溶液を含む組成物が提供される。抗原/キトサン混合物は、経口、直腸、膣内経路を介して、ならびに腹腔内注射、筋肉内注射、または皮下注射を介して動物に投与され得;投与は単一な経路または複数の経路を含み得る。
【0029】
本発明によりまた提供されるものは、凍結乾燥した抗原/リン酸緩衝液およびキトサン溶液を含む免疫原である。抗原/キトサン混合物は、経口、直腸、膣内経路を介して、ならびに腹腔内注射、筋肉内注射、または皮下注射を介して動物に投与され得;投与は単一な経路または複数の経路を含み得る。
【0030】
本発明の別の局面において、免疫原を調製するための方法が提供され、これは、キトサン溶液を調製する工程、抗原をリン酸緩衝液中へ取り込み、抗原/リン酸緩衝溶液を形成する工程、抗原/リン酸緩衝溶液を凍結乾燥し、凍結乾燥混合物とする工程、および凍結乾燥混合物をキトサン溶液と再構成し、抗原/キトサン混合物を形成する工程を包含する。
【0031】
本発明の別の局面のように、本発明は免疫応答を強化するための方法を提供し、これは、キトサン溶液を調製する工程、水酸化ナトリウム溶液を調製する工程、オイル/界面活性剤溶液(ここで、オイルは代謝的に分解され得る)を調製する工程、キトサン溶液を水酸化ナトリウム溶液、オイル/界面活性剤溶液、および抗原と混合し、エマルジョンを形成する工程、ならびにエマルジョンを動物に投与する工程を包含する。抗原は、タンパク質、炭水化物、脂質、糖タンパク質、またはそれらの組合せであり得るが、これらに限定されない。好ましくは、キトサン溶液のpHは約5.0である。エマルジョンは、腹腔内注射、筋肉内注射、または皮下注射を介して動物に投与され得る。エマルジョンはまた、単独でまたは多数の他のアジュバントのいずれかとの組合せにおいて投与され得る。免疫化は、単回投与または複数投与を含み得る。より好ましい実施態様において、オイルはスクアレンである。
【0032】
本発明のなお別の局面において、動物に投与される場合、免疫応答を強化する組成物が提供され、この組成物は抗原、水酸化ナトリウム、オイル、界面活性剤、およびキトサン溶液を含み、ここで、オイルは代謝的に分解され得る。
【0033】
本発明によりまた提供されるものは、抗原、水酸化ナトリウム溶液、オイル、界面活性剤、およびキトサン溶液を含む免疫原であり、ここで、オイルは代謝的に分解され得る。
【0034】
本発明の別の局面において、免疫原を調製するための方法が提供され、これは、キトサン溶液を調製する工程、水酸化ナトリウム溶液を調製する工程、オイル/界面活性剤溶液を調製する工程(ここで、オイルは代謝的に分解され得る)、ならびにキトサン溶液を水酸化ナトリウム溶液、オイル/界面活性剤溶液、および抗原と混合し、エマルジョンを形成する工程を包含する。
【0035】
本発明の別の局面においてまた提供されるものは、キトサン溶液、水酸化ナトリウム溶液、およびオイル/界面活性剤溶液を含むキットである。
【0036】
(発明の詳細な説明)
本発明は、抗原/キトサン混合物または抗原/キトサン/オイル/界面活性剤エマルジョンを含む免疫強化用組成物を用いるための組成物および方法、および抗原/キトサン混合物および抗原/キトサン/オイル/界面活性剤エマルジョンを調製する方法に関する以下の実施例により例証される。特に、実施例1は、リン酸緩衝液において取り込まれ、そして凍結乾燥された抗原の調製を実証する。これは、引き続き、キトサン溶液中で再構成される。実施例2は、リン酸緩衝液に取り込まれ、そしてキトサン溶液中で再構成された抗原の免疫応答を刺激する能力の、現在入手可能なアジュバントの能力との比較を提供する。実施例3は、キトサン/オイルエマルジョンにおいて取り込まれた抗原の調製を実証する。実施例4および5は、キトサン/オイルエマルジョンに取り込まれた異なる抗原の免疫応答を刺激する能力の、現在入手可能なアジュバントの能力との比較を提供する。
【0037】
【実施例】
(実施例1:リン酸緩衝液において取り込まれ、凍結乾燥され、そしてキトサン溶液中で再構成された抗原の調製)
以下は、ニワトリオボアルブミンを抗原として使用することにより例示するが、当業者は、いかなる数のその他の抗原も、採用し得ることを容易に理解する。
【0038】
15.6mlのリン酸(16M;Mallinkrodt Chemical, Paris, KY)を400mlの脱イオン(18mOhm;DI)水に希釈することにより、0.5Mリン酸緩衝液を調製した。10N水酸化ナトリウム(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)で、溶液のpHを7.3に調節した。DI水の添加により、溶液総量を500mlに調整した。
【0039】
はじめに、1%キトサンを2%酢酸溶液に調整することによりキトサン希釈溶液を作製した(100mlの2%氷酢酸(Mallinkrodt Chemical, Paris, KY)中に1gのキトサン(実用級;Sigma Chemical Co., St. Louis, MO))。次いで、得られた2%酢酸溶液中の1%キトサンを、その溶液の7.4mlを2.6mlのDI水に添加することによりさらに希釈し、キトサン作動溶液を得た。最終的なキトサン溶液のpHは、6と7の間であった。
【0040】
リン酸緩衝生理食塩水における、50μLの10mg/mlオボアルブミン(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)溶液を5mlの0.5Mリン酸緩衝液を含む10mlのバイアルに添加した。この結果、透明な綿状になった。0.5gのd−ソルビトール(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)添加の後、液体窒素中で溶液をすみやかに凍結し、そして凍結乾燥させた。
【0041】
凍結乾燥させたサンプルを、5mlの作動キトサン溶液を用いて再構成し、ボルテックスにより混合して白色粒子を含む混濁溶液を形成し、そして実施例2に記載の通り免疫化のために使用した。
【0042】
(実施例2:リン酸緩衝液において取り込まれ、凍結乾燥され、そしてキトサン溶液において再構成された抗原を用いる比較免疫強化)
抗原に対する応答をキトサンが強化した相対度を測定するために、マウス群の間の比較を行った(表1を参照のこと)。マウス群は、CFA(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)を伴う25μgのオボアルブミンを含むワクチン、もしくは実施例1で調製された通りにリン酸緩衝液において取り込まれ、凍結乾燥され、そして引き続きキトサン溶液中で再構成された25μgのオボアルブミンを含むワクチン(試験群)のいずれかで、あらかじめ(個々に)免疫した。
【0043】
0日目に、ワクチンを単回腹腔内注射することにより、生後8週目のメスBalb/cマウスを免疫した。オボアルブミンCFA処理群にはマウス3匹が含まれ、一方試験群(リン酸緩衝液において取り込まれ、凍結乾燥され、そしてキトサン溶液中で再構成されたオボアルブミン処理)には、4匹のマウスが含まれた。両方の実験群を注射後7日目に採血した。CFAをアジュバントに用いた群は、免疫後21、28、35、42、および48日目にもまた、採血した。試験群は、免疫後26、38、38、52、70、83、102、123、および159日目にもまた、採血した。ELISAにより抗オボアルブミン血清抗体の力価を測定した。
【0044】
【表1】
結果から、リン酸緩衝液において取り込まれ、凍結乾燥され、そしてキトサン溶液中で再構成された抗原を含む組成物は、明らかに受容動物に無毒であったことが示された。試験群の動物は、26日までに高い抗体力価を発現した(10,000)。高力価は、42日目の追加抗原刺激のワクチン接種を経て、免疫後83日を過ぎても持続した。追加抗原刺激のワクチン接種後ただちに、力価は約64,000に増加し(52日目)、そしてワクチン接種後約123日(オリジナル)まで10,000を上回って持続した。得られた試験群の値は、通常当業者らにより使用される標準的なアジュバントであるフロイント完全アジュバントの値に匹敵した。さらに、試験群動物における力価の平均値は、グルタルアルデヒドを用いてキトサンに架橋した抗原で観察される値に匹敵した。グルタルアルデヒドは、一般に、その他の市販で入手可能なアジュバントよりも免疫強化を向上させる(PCT/US95/12189; WO 96/09805)。グルタルアルデヒドが市販のワクチンおよび現在のワクチンにおいて受容されないことを考慮すると、抗原がリン酸緩衝液における取り込みおよび凍結乾燥ならびにキトサン溶液における再構成を経て投与される、本発明は、安全で、かつCFA、およびグルタルアルデヒドを介してキトサンに架橋した抗原の両方に匹敵する代替アジュバントである。
【0045】
(実施例3:キトサン/オイルエマルジョン中に取り込まれた抗原の調製)
HIVペプチドキーホールリンペットヘモシアニン結合体(実施例4)またはヒト透明帯Bペプチドオボアルブミン(実施例5)を抗原として使用することにより以下のことを例示するが、どのような数のその他の抗原をも採用し得ることを当業者は容易に理解する。さらに、以下のことをスクアレンの使用により例示するが、受容動物により容易に代謝されるあらゆるオイル(例えば、コーン、菜種、ピーナッツ)を使用し得ることを、当業者は理解する。
【0046】
4.1gの酢酸ナトリウム(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)を50mlの脱イオン(18mOhm:DI)水に撹拌しながら溶解させて、0.5M酢酸ナトリウム中の2%のキトサン溶液を調製した。約7mlの氷酢酸(Mallinkrodt Chemical, Paris, KY)を用いて、溶液のpHを4.5に調整し、そしてさらに1.5mlの氷酢酸を添加して溶液のpHへのキトサン添加の影響を補正した。DI水の添加により、溶液総量を100mlに調整した。2gのキトサン(SigmaChemical Co., St. Louis, MO)を撹拌しながら酢酸ナトリウム溶液にゆっくりと添加し、そしてその混合物を2〜3時間、キトサンが溶解するまで撹拌した。次いで、25分サイクルのオートクレーブにより、キトサン溶液を滅菌した。バイオセーフティーキャビネットの中で、溶液を室温にまで冷却した。次いで、IEC臨床遠心分離器(International Equipment Co., Needham Hts., MA)において設定7で5分間遠心分離することにより、キトサン溶液を清澄した。上清をペレット(不溶性キトサン/キチンおよび混入物)からデカントした。添加したキトサンの87〜90%(重量で)が、上清中に保持された。
【0047】
50gの水酸化ナトリウム(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)を100mlの脱イオン水に撹拌しながら溶解させることにより、50%水酸化ナトリウム溶液を調製した。1500μLのスクアレン(2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22―テトラコサヘキサエン;Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)と600μLの界面活性剤Pluronic®L121(BASF Corp., Parsippany, NJ)とを組み合わせ、そして均質になるまでボルテックスにかけることにより、スクアレン/界面活性剤溶液を調製した。
【0048】
水または尿素中の約420μLの抗原(すなわち、HIVペプチドキーホールリンペットヘモシアニン結合体、表2;ヒト透明帯Bペプチドオボアルブミン結合体、表3)を約370μLの2%キトサン(0.5M酢酸ナトリウム中)に添加し、ボルテックスにかけることにより、キトサン/スクアレン/界面活性剤/抗原エマルジョンを調製した。使用される抗原の実際量(すなわち、タンパク質またはペプチドキャリア結合体)は、1μg〜数ミリグラムの範囲であり得る。次いで、抗原/キトサンに10μL の50%水酸化ナトリウムを添加し、サンプルをボルテックスにかけた。安定な混濁した沈殿物が形成するまで、10μLずつの50%水酸化ナトリウムを添加した。抗原およびキトサンの上記の溶液に、先に調製した約140μLのスクアレン/界面活性剤溶液を添加した。得られた溶液を、混濁したエマルジョンが形成するまでボルテックスにかけた。実施例4および5に記載のように免疫研究における投与の直前に、得られたキトサン/スクアレン/界面活性剤/抗原溶液をボルテックスまたはシリンジ吸引により混合した。
【0049】
(実施例4:キトサン/スクアレンエマルジョン中に取り込まれた抗原)
(HIVペプチドKLH結合体)を用いる比較免疫強化
キトサン/スクアレンエマルジョン中に取り込まれている抗原への免疫応答を評価する目的で、以下の実験を行った。詳細には、マウス群を種々の量のHIVペプチドKLH結合体[SarinらVaccine Res., 3(1):49−57(1994);本明細書中で参考として援用する]をキトサン/スクアレン/界面活性剤エマルジョンと共に含むワクチンまたは20μgのHIVペプチドKLH結合体をCFAと共に含むワクチンのいずれかで個々に免疫した、比較研究を行った。
【0050】
表2および3に関していえば、0日目に、ワクチンの単回200μL腹腔内注射によって、生後8週目のメスBalb/cマウスを免疫した。群1では、18週目(一回目の免疫化の126日後)に、2回目の免疫化を行った。群2および群3では、2回目の免疫化を24週目(一回目の免疫化の168日後)に行った。2回目の免疫化は、群1〜3において、キトサン/スクアレン/界面活性剤エマルジョンと共に、示す用量での非結合HIVペプチドからなった。CFA群は、2回目の免疫化を受けなかった。対象動物から、22、35、49、63、77、91、119(第1群は除く)、140および149日目に採血した。ELISAにより、血清抗体力価を測定した。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
結果は、キトサン/スクアレン/界面活性剤エマルジョンアジュバントは、受容動物に明らかに無毒であることを示した。結果はさらに、群3(キトサン/スクアレン/界面活性剤をアジュバントとした20μgペプチド)が第4群(CFAがアジュバントとした20μgペプチド)と同等に作用し、またHIVペプチドKLH結合体に対する免疫応答が第5週および7週で向上したことが示した。さらに、群3(キトサン/スクアレン/界面活性剤をアジュバントとした3μgペプチド)は、11週目の間、第4群(より良くはないにしろ)とよく似た結果を生じた。驚いたことに、キトサン/スクアレンエマルジョンを受容した群での「非結合体化」ペプチドを用いた2回目の免疫化は、非常に強い追加刺激応答を生じた(群1の18週後、および群2〜3の24週後を参照のこと)。全体的に見て、表3に示した結果は、キトサン/スクアレンエマルジョンが、CFAと匹敵するか、場合によってはCFAより優れた体液性免疫応答を誘導することを実証する。さらに、非結合体化HIVペプチドで得られた非常に強い追加刺激応答により示されるように、キトサン/スクアレン/界面活性剤エマルジョンは免疫強化剤として作用した。
【0053】
(実施例4:キトサン/スクアレンエマルジョンにおいて取り込まれた抗原)(ヒト透明帯Bペプチドオボアルブミン結合体)を用いる比較免疫強化
以下の実験もまた、キトサン/スクアレン/界面活性剤エマルジョン中に取り込まれた抗原への免疫応答を評価するために行った。詳細には、マウス群をキトサン/スクアレン/界面活性剤エマルジョンまたはCFAをアジュバントとした、6個の異なるヒト透明帯B(ZPB)合成ペプチド[配列番号1〜6]を含むワクチンで個々に(腹腔内で)免疫した、比較研究を行った。
【0054】
ワクチン(キトサン/スクアレン/界面活性剤エマルジョン(群I)またはCFA(群II)のいずれかと組み合わせた、各20μgの6個の異なるヒトZPB合成ペプチド)を0日目および28日目に200μLの腹腔内注射することにより、生後8週目のメスBalb/cマウスを免疫した。群IIのマウスは、追加抗原刺激としてCFAワクチンを受容した。ウェルあたり1μgの6ペプチド混合物でコートしたプレートを用いて、ELISAによって血清抗体力価を測定した。チャイニーズハムスター卵巣細胞において産生された全長精製組換えヒトZPBタンパク質[Harrisら J. Seq. and Mapping, 4: 361−393, 1994;本明細書中で参考として援用する]に対する抗体力価もまた、50ngの精製タンパク質でコートしたプレート上でELISAによって測定した。
【0055】
【表4】
表4における結果は、キトサン/スクアレン/界面活性剤エマルジョンを伴うペプチド結合体で免疫された動物が、CFAをアジュバントとして伴うペプチド結合体での免疫化で惹起されるよりも、ペプチドおよび全長タンパク質の両方に対し優れた体液性応答を惹起したことを実証する。
【0056】
本発明は、好ましい実施態様に関して記載されたが、これは、本明細書中の開示を考慮して当業者に想起される全ての改変および変更、ならびに特に請求の範囲およびその要求について最も広義の適切な解釈の範囲内にある実施態様を含むことが意図される。
【0057】
【配列表】
(1)一般的情報:
出願人:ポドルスキ, ジョセフ エス.
ミッツィ エル. マルチネス
(ii)発明の名称:キトサン誘導性免疫強化
(iii)配列数:6
(iv)連絡住所:
(A)名称:マーシャル, オトール, ガーシュタイン, マレー & ボルン
(B)番地:サウス ワッカー ドライブ 233 / シアーズ タワー 6300
(C)市:シカゴ
(D)州:イリノイ
(E)国:アメリカ合衆国
(F)郵便番号:60606−6402
(v)コンピューター読み出し形態:
(A)媒体型:フロッピー ディスク
(B)コンピューター:IBM PC 互換用
(C)OS:PC−DOS/MS−DOS
(D)ソフトウェア:パテントイン リリース #1.0, バージョン #1.30
(vi)現在の出願データ:
(A)出願番号:
(B)出願日:
(C)分類:
(viii)代理人/事務所情報:
(A)氏名:クロウ, ディビッド ダブリュー.
(B)登録番号:36,107
(C)照会/記録番号:27779/33753
(ix)電話回線情報:
(A)電話:312−474−6300
(B)テレファックス:312−474−0048
【0058】
【化1】
【0059】
【化2】
【0060】
【発明の効果】
改良されたアジュバントを提供することにより、より効果的なワクチンの生産を可能とし、そして治療能力のあるモノクローナル抗体の生産を向上させる。
Claims (20)
- 動物において免疫応答を強化する際に用いられる組成物であって、該組成物は:
a) キトサン溶液を調製する工程;
b) 水酸化ナトリウム溶液を調製する工程;
c) オイル/界面活性剤溶液を調製する工程であって、ここで、該オイルは代謝的に分解され得る、工程;および
d) 該キトサン溶液を、該水酸化ナトリウム溶液、該オイル/界面活性剤溶液、および抗原と混合し、エマルジョンを形成する工程を含む方法によって調製され、ここで該組成物は、該抗原に対する免疫応答を動物に付与することを可能にする投与経路により該動物に投与される、
組成物。 - 前記オイルがスクアレンである、請求項1に記載の組成物。
- 前記キトサン溶液のpHが5.0である、請求項1に記載の組成物。
- 前記投与経路が、筋肉内注射、腹腔内注射、および皮下注射からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
- 前記動物がヒトである、請求項4に記載の組成物。
- 免疫応答を強化するための組成物であって、該組成物は抗原、水酸化ナトリウム、オイル、界面活性剤、およびキトサン溶液を含み、ここで、該オイルは代謝的に分解され得る、組成物。
- 前記オイルがスクアレンである、請求項6に記載の組成物。
- 前記キトサン溶液のpHが5.0である、請求項6に記載の組成物。
- 以下のプロセスにより生成された免疫原であって、該プロセスは:
a) キトサン溶液を調製する工程;
b) 水酸化ナトリウム溶液を調製する工程;
c) オイル/界面活性剤溶液を調製する工程であって、ここで該オイルは代謝的に分解され得る、工程;および
d) 該キトサン溶液を該水酸化ナトリウム溶液、該オイル/界面活性剤溶液、および抗原と混合し、エマルジョンを形成する工程、
を包含する、免疫原。 - 前記オイルがスクアレンである、請求項9に記載の免疫原。
- 前記キトサン溶液のpHが5.0である、請求項9に記載の免疫原。
- 免疫原を生成するための方法であって、該方法は:
a) キトサン溶液を調製する工程;
b) 水酸化ナトリウム溶液を調製する工程;
c) オイル/界面活性剤溶液を調製する工程であって、ここで該オイルは代謝的に分解され得る、工程;および
d) 該キトサン溶液を該水酸化ナトリウム溶液、該オイル/界面活性剤溶液、および抗原と混合し、エマルジョンを形成する工程、
を包含する、方法。 - 前記オイルがスクアレンである、請求項12に記載の方法。
- 前記キトサン溶液のpHが5.0である、請求項13に記載の方法。
- 動物において免疫応答を強化する際に用いられるキットであって、
a) キトサン溶液;
b) 水酸化ナトリウム溶液;および
c) オイル/界面活性剤溶液であって、ここで該オイルは代謝的に分解され得る、
を含む、キット。 - 前記オイルがスクアレンである、請求項15に記載のキット。
- 前記キトサン溶液のpHが5.0である、請求項15に記載のキット。
- キトサン溶液を水酸化ナトリウム溶液およびオイル/界面活性剤溶液と混合して、エマルジョンを形成するプロセスにより調製されたアジュバントであって、ここで該オイルは代謝的に分解され得る、アジュバント。
- 前記オイルがスクアレンである、請求項18に記載のアジュバント。
- 前記キトサン溶液のpHが5.0である、請求項18に記載のアジュバント。
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