JP2000504210A - 半減期の長いobタンパク質誘導体 - Google Patents

半減期の長いobタンパク質誘導体

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Abstract

(57)【要約】 本発明は肥満タンパク質OBの長半減期誘導体に関する。特に本発明は、対応する天然OBタンパク質より長い半減期を持つOBタンパク質-免疫グロブリンキメラとポリエチレングリコール(PEG)-OB誘導体に関する。さらに本発明は、OBの長半減期誘導体を使用することによる食欲およびlまたは体重の減少法と他の生理状態の治療法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 半減期の長い0Bタンパク質誘導体 発明の分野 本発明は、OBタンパク質の長半減期誘導体に関する。特に本発明は、OBタンパ ク質.免疫グロブリンキメラおよびその他の長半減期OBタンパク質誘導体と、そ れらを含む組成物およびそれらの投与法に関する。さらに本発明は、OBタンパク 質-免疫グロブリンキメラのようなOBタンパク質の長半減期変種を投与すること によって肥満を治療する方法にも関係する。 発明の背景 肥満は、最近の疫学調査によると20歳以上の全アメリカ人の約3分の1を冒す 最も一般的な栄養障害である。Kuczmarski ら,J.Am.Med.Assoc. 272,205-11(199 4)。肥満は、心血管障害、II型糖尿病、インスリン抵抗性、高血圧、高トリグリ セリド血症、異常リポタンパク質血症および数種類の癌を含む種々の深刻な健康 問題の原因となる。Pi-Sunyer,F.X.,Anns.Int.Med. 119,655-60(1993);Colfitz, G.A.,Am.J.Clin.Nutr. 55,503S-507S(1992)。マウスの肥満とII型糖尿病は、単 一遺伝子突然変異(糖尿病突然変異または"ob”突然変異)によってもたらさ れることが示されている。Friedman,Genomics 11,1054-1062(1991)。マウスob遺 伝子およびそのヒト相同体のクローニングと配列決定は、最近、Zhangら,Nature 372,425-431(1994)によって報告されており、それによるとob遺伝子産物は、体 脂肪貯蔵量を調節するように作用する脂肪組織からの情報伝達経路の一部として 機能するらしい。20年以上前に行われた並体結合実験によると、ob遺伝子の突然 変異型コピーを2つ含有する遺伝性肥満マウス(ob/obマウス)は、その食物摂 取量を調節する満腹因子を産生せず、また糖尿病(db/db)マウスは満腹因子を 産生するが、それに反応しないと予想された。ColemanおよびHummal,Am.J.Phsio l. 217,1298-1304(1969);Coleman,Diabetol 9,294-98(1973)。組換えOBタンパク 質を毎日注射すると、甚だしく肥満したob/obマウスでは食物摂取が抑制され、 その体重と脂肪が減少するが、db/dbマウスではそうならないことが、3つの独 立した研究チームが行なった最近の報告によって示されており (Pelleymounter ら,Science 269,540-43[1995];Halaas ら,Science 269,543-46 [1995];Campfield ら,Science 269,546-49[1995])、このことはobタンパク質が 初期の交差循環実験で提案されたような満腹因子であることを示唆している。こ れら最初の研究結果はまだ多くの疑問に答えていないし、まだ未解決の矛盾もい くつ認められる。例えば痩躯マウスにobタンパク質を毎日注射した場合の食物摂 取量と体重に対する効果はわずかだと報告されているが、体重の減少が同等であ るにもかかわらず、これらのうちある報文(Halaas ら,前掲)では、屠体組成 で評価した体脂肪が有意に減少しており、また他の報文(Pelleymounter ら,前 掲)では体脂肪の減少が認められていない。またPelleymounter ら(前掲)の観 察では、その理由はわからないが、0.1mg/kg/日のOBタンパク質で処置したob/ob マウスの体重は実際に17.13%増大し、一方、1mg/kg/日のobを投与した肥満マウ スの体重の減少はわずかだった。obタンパク質のレセプターまたはレセプター群 はまだ同定されていない。末梢レセプターが存在する可能性は現時点で排除でき ないものの、視床下部に損傷を持つマウスの脂肪組織中ではob遺伝子の発現が増 大しても、痩躯表現型が生じないという最近の報告から、OBタンパク質は脂肪細 胞に直接作用するわけではないと思われる。Maffei ら,Proc.Natl.Acad.Sci. 92 ,6957-60(1995)。研究者らは、少なくとも1種類のOBレセプターが脳内に局在す るとしている。Tartaglia ら,Cell 83,1263-71(1995)には、あるレプチンレセプ ター(0B-R)の同定と発現クローニングが報告されている。Cioffiら,Nature 2,58 5-89(1996)には、レプチンレセプターの様々なイソ型が記述されている。1996年 3月21日に公開されたPCT出願公開番号WO96/08510には、OBタンパク質のレセプ ターであるかもしれないヒト・ヘマトポエチン(hematopoetin)レセプターが記 述されている。Tartaglia ら,Cell 83,1263-71(1995)には、OBタンパク質のレセ プターが開示されている。 発明の要旨 本発明は、OBタンパク質は皮下持続注入として送達する方が、同じ投与量を毎 日皮下注射した場合よりも、体重と脂肪組織重量の減少に有意に有効だという観 察結果に基づいている。また本発明は、OBボリペプチドが免疫グロブリン定 常ドメインに融合してなるキメラタンパク質と天然のヒトOBを、それぞれ1日1 回の皮下注射によって投与した場合、キメラタンパク質の方が天然のヒトOBより も、体重と脂肪貯留量を減少させる効力が著しく高いという予想外の発見にも基 づいている。OBタンパク質-免疫グロブリンキメラはその分子量が大きいために 、それが血液脳関門を横切って、脳内に位置すると考えられているOBレセプター に到達できるとは思われないので、後者の観察結果はとりわけ意外である。 一側面として、本発明は、処置される個体の体重および/または食物摂取量を 減少させることができるOBタンパク質の長半減期誘導体に関する。さらに本発明 は、そのような誘導体を含有する組成物ならびに体重および/または食物摂取量 を減少させるためのそれらの投与に関する。 もう1つの側面として、本発明は、天然OBレセプターに結合する能力を持つOB タンパク質アミノ酸配列が免疫グロブリン配列に連結してなるキメラポリペプチ ド(OB-免疫グロブリンキメラまたは免疫アドヘシンと略称する)に関する。具 体的一態様として、本キメラポリペプチドは、天然OBレセプターに結合する能力 を持つOBアミノ酸配列が免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合したものからな る。本発明キメラのOB部分は、天然OBレセプターに結合し、それを介して情報伝 達する能力が保たれるよう、天然OBタンパク質由来のアミノ酸配列を十分に持つ ことが好ましい。またそのOBタンパク質は、肥満したヒトまたはヒト以外の対象 に投与した場合に、体重を減少させる能力を保っていることが、最も好ましい。 OBポリペプチドはヒト由来であることが好ましく、融合は免疫グロブリン重鎖定 常ドメイン配列との融合であることが好ましい。ある態様では、2つのOBポリペ プチド-免疫グロブリン重鎖融合物が(例えばジスルフィド結合による共有結合 で)会合することにより、ホモ二量体免疫グロブリン様構造をもたらす。さらに 免疫グロブリン軽鎖が、そのジスルフィド結合した二量体中のOB-免疫グロブリ ンキメラの一方または両方と会合して、ホモ三量体またはホモ四量体構造を与え てもよい。 さらに本発明は、本発明のキメラポリペプチド鎖をコードする核酸、その分子 をコードするDNAを含有する発現ベクター、形質転換された宿主細胞、形質転 換宿主細胞を培養することによるその分子の生産法にも関する。 本発明の長半減期誘導体は体重および/または食物摂取量を減少させるのにと りわけ有用であるが、これらはOB遺伝子の異常な発現または異常な機能に関係す る状態の治療に、かつ/または、OBレセプターによって媒介される生物学的反応 を誘発するために、広く使用することができる。したがって本発明のOB誘導体は 、過食症を治療するために、あるいは(例えばI型またはII型糖尿病患者の)イ ンスリンレベルを低下させるために、あるいはOBレセプターを発現させる種々の 細胞タイプの有糸分裂促進剤として、使用することができる。これらの用途と、 関連するその他の用途はいずれも本発明の範囲に包含される。 もう1つの態様として、本発明は、OBタンパク質-免疫グロブリンキメラを用 いるOBレセプターの精製に関する。 図面の簡単な説明 図1(上):痩躯雌マウスに、マウスOBタンパク質を皮下持続注入するか、も しくは毎日皮下注射した。この図のデータは各群の平均体重をグラム数で表わし ている(n=4匹/点)。 図1(下):後腹膜脂肪パッドの平均重量を示す。0Bの皮下持続注入は、脂肪 組織重量の減少についても、毎日の皮下注射より有効だった。 図2(上):肥満雌ob/obマウスを、ヒトOBタンパク質(hOB)またはヒトOB-Ig G-1融合タンパク質(hOB-IgG-1)で処置した。この図のデータは、各処置群につ いて実験初日から最終日までの体重の平均変化をグラム数で表わしており、n=3 マウス/バーである。ただし、hOB 0.19mg/kg日注射群はn=4、PBS注射群はn=1で ある。 図2(下):この図のデータは、各処置群について、24時間の実験期間6回の 平均食物摂取量をグラム/マウス/日の単位で表わしたものである(n=1/バー)。 図3(上および下):肥満(ob/ob)雌マウスに、hOBまたはhOB-IgG-1融合タン パク質を7日間毎日皮下注射した。データは図2と同様に表示したもので、いず れの処置群についてもn=4である。 図4(上):肥満雌ob/obマウスをヒトタンパク質(hOB)またはPEG-hOB で処置した。この図のデータは、各処置群について実験初日から最終日までの体 重の平均変化をグラム数で表わしたもので、n=3〜4マウス/バー(ただしPBS注射 群はn=1)である。これらの物質は毎日皮下注射した。「PEGI×」と「PEG2×」 は、その分子の製剤中のタンパク質に対するPEG試薬の比率を表わす。 図4(下):この図のデータは、各処置群について、24時間の実験期間6回の 平均食物摂取量をグラム/マウス/日の単位で表わしたものである(n=3〜4/バー )。 図5:肥満(ob/ob)雌マウスに、hOB-IgG融合タンパク質、天然hOB、またはhCD4 -IgGを、7日間毎日皮下注射した。n=2とした3.8mg/kg/日のhOB群を除いて、い ずれの処置群についてもn=6である。ここでも、融合タンパク質は、体重(上図 および中図)および食物摂取量(下図)の減少に関して天然のhOBタンパク質よ りも有効だった。 図6:実施例1のヒトOB-IgG-1キメラのヌクレオチド配列(配列番号1)とア ミノ酸配列(配列番号2)である。 発明の詳細な説明 A.定義 「肥満」という用語は、過剰な体脂肪を伴う体重超過状態を指す。ある個体に 関する望ましい体重は、性別、身長、年齢、全体的な体つきなどを含むいくつか の要因に依存する。ある個体をいつ肥満であるとみなすのかも、同じ要因によっ て決定される。ある与えられた個体にとって最適な体重の決定は、通常の医師に は周知の技術である。 「長半減期」という表現および文法上これから派生する表現をOB誘導体に関し て使用する場合、それは、対応する天然OBタンパク質よりも長い血漿半減期およ び/または遅いクリアランスを持つOB誘導体に関する。この長半減期誘導体は、 天然OBタンパク質よりも少なくとも約1.5倍長い半減期を持つことが好ましく、 より好ましくは天然OBタンパク質より少なくとも約2倍長い半減期を持ち、さら に好ましくは天然OBタンパク質より少なくとも約3倍長い半減期を持つ。天然OB タンパク質は、治療しようとするその個体のものであることが好ましい。 「OB」「OBポリペプチド」「OBタンパク質」という用語および文法上これらか ら派生する用語は相互に交換可能であって、「天然」または「天然配列」OBタン パク質(「レプチン」とも呼ばれる)とそれらの機能的誘導体を指す。OBポリペ プチドは、サイトカイン類、すなわちある細胞集団によって放出され、別の細胞 に対して細胞間媒介因子として作用するポリペプチド類(例えば成長ホルモン、 インスリン様増殖因子、インターロイキン、インスリン、糖タンパク質ホルモン 、例えば卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、腫瘍壊死因子 αおよびβ(TNF-αおよび-β)、NGF-βなどの神経成長因子、PDGF、トランス フォーミング増殖因子(TGF;TGF-αやTGF-βなど)、インスリン様増殖因子-1お よび-2(IGF-1およびIGF-2)、エリスロポエチン、骨誘導因子、インターフェロ ン(IFN;IFN-α、INF-β、IFN-γなど)、コロニー刺激因子(CSF;M-CSF、GM-CSF、 G-CSFなど)、インターロイキン(IL:IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、I L-7、IL-8など)、その他のポリペプチド因子)に典型的な構造上の特長を持つ 。 「天然」OBポリペプチドや「天然配列」OBボリペプドとは、任意の動物種(例 えばヒト、ネズミ、ウサギ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ニワトリ、ブタ、ウマなど) に由来するOBポリペプチドであって、自然界に存在するものを指し、OBレセプタ ーに結合する能力を保持し、好ましくはOBレセプターを介して情報伝達する能力 を保っている限り、現在知られているもしくは将来同定されうる天然に存在する 対立遺伝子、欠失、置換および/または挿入変異種を含む。したがってベ天然ヒ トOBポリペプチドには、図6に示すアミノ酸配列のN-末端と位置167のシステイ ン(Cys)の間のアミノ酸配列(配列番号2とZhang ら(前掲)の図6をも参照 のこと)、およびそのタンパク質の現在知られているもしくは将来同定されうる 天然に存在する変異種が含まれる。この定義には特に、Zhangら(前掲)のアミ ノ酸番号でアミノ酸位置49のグルタミンを持つ変異種またはこれを持たない変異 種が含まれる。「天然」OBポリペプチドおよび「天然配列」OBポリペプチドとい う用語には、開始N-末端メチオニン(Met)を持つまたは持たない、また天然の シグナル配列を持つまたは持たない、単量体型または二量体型の 天然タンパク質が含まれる。当技術分野で知られている天然ヒトOBポリペプチド と天然ネズミOBポリペプチドは、167アミノ酸長であり、保存された2つのシス テインを含有し、分泌タンパク質の特徴を持つ。このポリペプチドは主として親 水性であり、予想されるシグナル配列切断部位は、Zhangら(前掲)のアミノ酸 番号で言えば位置21である。ヒト配列とネズミ配列の総合配列相同性は約84%で ある。これら2つのタンパク質は、成熟タンパク質のN-末端領域に、より多くの 同一性を示し、シグナル配列切断部位と位置117の保存されたCysの間にある残基 中には、保存的置換が4つと非保存的置換が3つ存在するだけである。OBタンパ ク質の分子量は単量体型で約16kDである。 ある天然ポリペプチドの「機能的誘導体」とは、生物特性がその天然ポリペプ チドと定性的に共通する化合物をいう。OBポリペプチドの機能的誘導体は、天然 (ヒトまたはヒト以外の)OBポリペプチドと定性的に共通する生物特性を持つ化 合物である。「機能的誘導体」には、任意の動物種(ヒトを含む)に由来する天 然ポリペプチドの断片、天然(ヒトおよびヒト以外の)ポリペプチドの誘導体、 およびそれらの断片(ただし、それらは対応する天然ボリペプチドと共通する生 物活性を持つものとする)が含まれるが、これらに限らない。 「断片」は、成熟型天然OBポリプチドの配列内の領域を含む。OBポリペプチド の好ましい断片には、成熟タンパク質のC末端が含まれ、その分子のN末端およ びレセプター結合および/または構造の保全に必要でないその分子の他の部分に 、比較的短い欠失を含有してもよい。 「誘導体」という用語は、天然ポリペプチドのアミノ酸配列変種と共有結合的 修飾体を指し、一方、「変種」という用語は、この定義に含まれるアミノ酸配列 変種を指す。 「機能的誘導体」の定義に関して「生物特性」とは、1)天然ポリペプチド( 例えば任意の種の天然OBポリペプチド)の少なくとも1エピトープとの免疫学的 交差反応性、または2)天然ポリペプチドと定性的に共通する少なくとも1つの 接着機能、調節機能またはエフェクター機能の保持と定義される。 機能的誘導体は、ある天然ポリペプチドと好ましくは約65%のアミノ酸配列同 一性、より好ましくは約75%のアミノ酸配列同一性、さらに好ましくは少なくと も約85%のアミノ酸同一性、最も好ましくは少なくとも約95%のアミノ酸配列同 一性を持つポリペプチドである。本発明に関して、天然配列ヒトOBポリペプチド の機能的誘導体は、その天然OBタンパク質と少なくとも95%のアミノ酸配列同一 性を示し、かつ、ヒト内で免疫原性を示さないことが好ましい。 本発明において、アミノ酸配列の同一性または相同性とは、必要なら配列を相 同性率が最大になるようにギャップを挿入して整列させた後に、対応する天然ポ リペプチド配列の残基と同一になる候補配列中のアミノ酸残基の百分率をいい、 保存的置換は配列同一性の一部とみなさない。N末端またはC末端の伸長部分と 挿入部分は、いずれも同一性または相同性を減じるものとは見なさないものとす る。 本明細書において免疫学的交差反応性とは、対応する天然ポリペプチドがその 既知活性分子に対して生じさせたポリクローナル抗体または抗血清との間に持つ 定性的生物活性を、その候補(ポリ)ペプチドが拮抗的に阻害できることを意味 する。このような抗体および抗血清は、従来の方法により、ヤギまたはウサギな どの動物に、例えばフロイント完全アジュバント中の既知天然OBタンパク質を皮 下注射した後、フロイント不完全アジュバント中の追加抗原を腹腔内または皮下 に注射することによって調製される。 「単離されたOBポリペプチド」という用語および文法上これから派生する用語 は、ヒトその他の動物種またはそのポリペプチドを単離した他の供給源に存在す る夾雑ポリペプチドから分離された(上述の)OBポリペプチドを指す。 一般に「アミノ酸配列変種」とは、ある参照ポリペプチド(例えば天然配列ポ リペプチド)と比較してそのアミノ酸配列にいくつかの相違を持つ分子を指す。 そのアミノ酸酸変化は天然アミノ酸配列内の置換、挿入、欠失のいずれであって もよいし、また、そのような変化の所望の組合わせであってもよい。 置換変種とは、天然配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を除去し、その残 基に代えて同じ位置に異なるアミノ酸が挿入されているものである。置換は分子 中の−ミノ酸だけが置換されている単一型であってもよいし、同じ分子内で2 以上のアミノ酸が置換されている多重型であってもよい。 挿入変種は、天然アミノ酸配列内の特定の位置にあるアミノ酸のすぐ隣りに1 個またはそれ以上のアミノ酸が挿入されているものである。あるアミノ酸のすぐ 隣りにとは、そのアミノ酸のα-カルボキシ官能基またはα-アミノ官能基につな がっていることを意味する。 欠失変種は、天然アミノ酸配列内の1個またはそれ以上のアミノ酸が除去され ているものである。通常、欠失変種ではその分子の特定の領域内のアミノ酸が1 個または2個欠失しているだろう。 「共有結合的誘導体」には、有機タンパク質性または有機非タンパク質性誘導 体化試薬による天然ポリペプチドまたはその断片の修飾と、翻訳後修飾が含まれ る。共有結合的修飾は伝統的に、標的とするアミノ酸残基を選択した部位または 末端残基と反応できる有機誘導体化試薬と反応させることによって、もしくは選 択した組換え宿主細胞内で機能する翻訳後修飾の機構を利用することによって導 入される。ある種の翻訳後修飾は、発現したポリペプチドに対する組換え宿主細 胞の作用の結果である。グルタミニル残基とアスパラギニル残基は、しばしば翻 訳後修飾によって、対応するグルタミル残基とアスパルチル残基に脱アミド化さ れる。また、これらの残基は温和な酸性条件下でも脱アミド化される。これらの 残基はどちらの形態でも、OB-免疫グロブリンキメラ中に存在できる。他の翻訳 後修飾には、プロリンとリジンのヒドロキシル化、セリル残基、チロシン残基ま たはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニンおよびヒ スチジン側鎖のα-アミノ基のメチル化がある[T.E.Creighton,Proteins:Struct ure and Molecular ProDerties ,W.H.Freeman & Co.,サンフランシスコ,79.86 頁(1983)]。 「〜をコードするDNA配列」「〜をコードするDNA」および「〜コードする核酸 」という用語は、デオキシリボ核酸の鎖に沿ったデオキシリボヌクレオチドの順 序または配列を指す。これらデオキシリボヌクレオチドの順序は、そのポリペプ チド鎖に沿ったアミノ酸の順序を決定する。したがって、そのDNA配列は、その アミノ酸配列をコードする。 「複製可能な発現ベクター」および「発現べクター」という用語は、(通常は 二本鎖の)DNA断片を指し、そこには外来DNAの断片が挿入されていてもよい。外 来DNAとは、本来ならその宿主細胞中には認められないDNAである異種DNAと定義 される。ベクターは適当な宿主細胞内に外来または異種DNAを輸送するのに使用 される。いったん宿主細胞に入れば、そのベクターは宿主染色体DNAとは独立し て複製することができ、そのベクターとそこに挿入された(外来)DNAのコピー がいくつか作成されうる。そのようにして、その外来DNAによってコードされる ポチド分子が数多く迅速に合成されうる。 「制御配列」という用語は、その宿主生物において機能的に連結したコード配 列の発現に必要なDNA配列を指す。原核生物に適した制御配列には、例えば、プ ロモーター、任意にオペレーター配列、リボソーム結合部位、あるいはまだよく わかっていないその他の配列が含まれる。真核細胞は、プロモーター、ポリアデ ニル化シグナルおよびエンハンサーを使用することが知られている。 核酸がもう1つの核酸配列と機能的な関係に置かれるとき、その核酸は「機能 的に連結(operably linked)」されるという。例えば、プレ配列又は分泌リー ダーのDNAは、それがあるポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として 発現するならば、そのポリペプチドのDNAに機能的に連結しており、プロモータ ーやエンハンサーは、それがあるコード配列の転写に影響を与えるならば、その コード配列に機能的に連結しており、また、リボソーム結合部位は、それが翻訳 を促進するような位置にあるならば、コード配列に機能的に連結している。一般 に、「機能的に連結」とは、連結されるDNA配列が連続的であり、分泌リーダー の場合は、連続的かつ解読位相が一致していることを意味する。しかし、エンハ ンサーは連続していなくてもよい。結合は、都合のよい制限部位でのライゲーシ ョン(連結)によって達成される。そのような部位が存在しない場合は、従来通 り、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたは合成オリゴヌクレオチドリンカー を使用する。 本発明に関して使用される「細胞」「細胞系」および「細胞培養」という表現 は相互に交換可能であって、いずれの場合も子孫を含む。したがって「形質転換 体」と「形質転換(宿主)細胞」という用語には、その初代対象細胞とそこから 得られる培養が、その継代数にかかわらず含まれる。また、意図的な突然変異も しくは意図しない突然変異のために、すべての子孫がDNAの内容に関して厳密に は同一でない場合もあることは言うまでもない。最初に形質転換された細胞に求 めたものと同じ機能または生物活性を持つ突然変異子孫が含まれる。明瞭な指摘 を意図するところは、その文脈から明らかになるだろう。 天然の免疫グロブリンは通常、2つの同じ軽(L)鎖と2つの同じ重(H)鎖か らなる約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は1つの 共有結合性のジスルフィド結合によって重鎖に結合しており、ジスルフィド結合 の数は重鎖の免疫グロブリンイソタイプが異なると異なる。各重鎖および軽鎖は 、一定の間隔で鎖内ジスルフィド橋をも持つ。各重鎖は一端に可変ドメイン(VH )を持ち、その後にいくつかの定常ドメインが続いている。各軽鎖は一端に可変 ドメイン(VL)を持ち、他端に定常ドメインを持つ。軽鎖の定常ドメインは重鎖 の第1定常ドメインと並列しており、軽鎖可変ドメインは重鎖の可変ドメインと 並列している。特定のアミノ酸残基が軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインの界 面を形成すると考えられてる(Clothiaら,J.Mol.Biol. 186,651-663(1985); NovotnyおよびHaber,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,4592.4596[1985])。 重鎖定常領域のアミノ酸配列によって、免疫グロブリンは異なるクラスに割り 当てることができる。免疫グロブリンには5種類の主要クラス、IgA、IgD、IgE 、IgGおよびIgMがあり、これらのうちいくつかはさらにサブクラス(イソタイプ )(例えばIgG-1、IgG-2、IgG-3、IgG-4や、IgA-1とIgA-2など)に分割すること ができる。各免疫グロブリンクラスに対応する重鎖定常領域は、それぞれα、デ ルタ、イプシロン、γおよびμと呼ばれている。各免疫グロブリンクラスのサブ ユニット構造と三次元立体配置はよく知られている。IgA-1とIgA-2はIgAの単量 体サブクラスであって、通常は二量体またはそれ以上の多量体の形態をとってい る。腸の免疫細胞は主として多量体型IgA(二量体とそれ以上の多量体を含めて ポリIgAともいう)を産生する。このようなポリIgAは「連結」鎖または「J」鎖 と呼ばれるジスルフィド結合ポリペプチドを含有し、5つのサブユニットから なるJ含有多量体型IgM(ポリIgM)と共に腺上皮を通して輸送されうる。 ハイブリダイゼーションは「厳密な条件」下に行なうことが好ましい。「厳密 な条件」とは、(1)洗浄に低イオン強度と高温(例えば50℃で、0.015塩化ナ トリウム/0.0015Mクエン酸ナトリウム/0.1%硫酸ドデシルナトリウム)を使用す ること、もしくは(2)ハイブリダイゼーション中にホルムアミドのような変性 剤(例えば42℃で、750mM塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウムを含む0.1% ウシ血清アルブミン/0.1%フィコール/0.1%ポリビニルピロリドンI50nMリン酸 ナトリウム緩衝液(pH6.5)と50%(v/v)ホルムアミド)を使用することを意味 する。もう1つの例は、42℃で50%ホルムアミド、5×SSC(0.75MNaCl)0.075M クエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH6/8)、0.1%ピロリン酸ナト リウム、5×デンハート液、超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDSおよ び10%硫酸デキストランを使用し、0.2×SSCおよび0.1%SDS中42℃で洗浄するこ とである。 B.0Bタンパク質-免疫グロブリンキメラ(免疫アドヘシン) 免疫アドヘシンは、結合タンパク質(通常はレセプター、細胞接着分子または リガンド)の機能ドメインと免疫グロブリン配列を併せ持つキメラ抗体様分子で ある。このタイプの融合タンパク質の最も一般的な例は、免疫グロブリン(Ig) のヒンジおよびFc領域と、特定のリガンドを認識する細胞表面レセプターのドメ インとを組み合わせたものである。このタイプの分子は「免疫」機能と「接着」 機能を併せ持つので、「免疫アドヘシン」と呼ばれる。また、「Ig-キメラ」「I g-融合タンパク質」「Fc-融合タンパク質」「レセプター-グロブリン」という名 称よく使用される。 当技術分野では現在までに50種類を超える免疫アドヘシンが報告されている。 文献に開示された免疫アドヘシンには、例えば、T細胞レセプター(Gascoigne ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,2936-2940[1987])、CD4(Caponら,Nature337,525 -531[1989];Trauneckerら,Nature 339,68-70[1989];Zettmeisslら,DNA Cell Bi ol.USA 9,347-353[1990];Byrnら,Nature 344,667-670[1990])、L-セレクチン( ホーミングレセプター)(Watsonら,J.Cell.Biol. 110,2221-2229 [1990];Watsonら,Nature 349,164-167[1991])、E.セレクチン(Mulliganら,J.I mmunol. 151,6410-17[1993];Jacobら,Biochemistry 34,1210-1217[1995])、P- セレクチン(Mulliganら,前掲;Hollenbaughら,Biochemistry 34,5678-84[1995] )、ICAM-1(Stautonら,J.Exp.Med. 176,1471-1476[1992];Martinら,J.Virol. 67 ,3561-68[1993];Roepら,Lancet 343,1590.93[1994])、ICAM-2(Damleら,J.Im munol. 148,665-71[1992])、ICAM-3(Holnessら,J.Biol.Chem. 270,877-84[1995 ])、LFA-3(Kannerら,J.Immunol. 148,2-23-29[1992])、L1糖タンパク質(Dohe rtyら,Neuron 14,57-66[1995])、TNF-R1(Ashkenaziら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88,10535.539[1991];Lesslauerら,Eur.J.Immunol. 21,2883-86[1991]:Peppel ら,J.Exo.Med. 174,1483-1489[1991])、TNF-R2(Zackら,Proc.Natl.Acad.Sci.US A 90,2335.39[1993]:Wooleyら,J.Immunol. 151,6602.07[1993])、CD44(Aruffo ら,Cell 61,1303-1313[1990])、CD28とB7(Linsleyら,J.Exp.Med. 173,721-73 0[1990])、CTLA-4(Lisleyら,J.Exp.Med. 174,561-569[1991])、CD22(Stamen kovicら,Cell 66,1133-1144[1991])、NPレセプター(Bennettら,J.Biol.Chem. 2 66 ,23060-23067[1991])、IgEレセプターα(RidgwayおよびGorman,J.Cell.Biol .115 ,abstr.1448[1991])、HGFレセプター(Mark,M.R.ら,1992,J.Biol.Chem.投 稿済)、IFN-γRα-およびβ-鎖(Marstersら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92,540 1-05[1995])、trk.A、-Bおよび-C(Sheltonら,J.Neurosci. I5,477-91[1995])、I L-2(Landolfi,J.Immunol. 146,915-19[1991])、IL-10(Zhengら,J.Immunol.154,5 590-5600[1995])の融合物が含まれる。 最も単純で最も簡単な免疫アドヘシンは、「アドヘシン」タンパク質の結合領 域と、免疫グロブリン重鎖のヒンジ及びFc領域とを併せ持つ。本発明のOB-免疫 グロブリンキメラを製造する場合、通常は、所望のOBポリペプチドをコードする 核酸を、免疫グロブリン定常ドメイン配列のN末端をコードする核酸にC末端融 合するが、N末端融合も可能である。通常、そのような融合物では、コードされ るキメラポリペプチドが、少なくとも、免疫グロブリン重鎖定常領域の機能的に 活性なヒンジ、CH2及びCH3ドメインを保持しているだろう。融合は、定 常ドメインのFc部分のC末端や、重鎖のCH1または軽鎖の対応ずる領域のすぐN 末端側に対しても行われる。融合を行なう正確な位置は重大な問題ではない。特 定の部位はよく知られており、そのOB-免疫グロブリンキメラの生物活性、分泌 または結合特性が最適になるように選択することができる。 好ましい態様として、天然成熟OBポリペプチドの配列を、免疫グロブリン(例 えばIgG-1)のエフェクター機能を含有する抗体のC末端部分(具体的にはFcドメ イン)のN末端に融合する。全重鎖定常領域をOB配列に融合することもできるが 、より好ましくは、IgGFcを化学的に規定するパパイン切断部位(すなわち、重 鎖定常領域の最初の残基を114として[Kobetら,前掲]、残基216)または他の免 疫グロブリンの類似する部位のすぐ上流にあるヒンジ領域から始まる配列を融合 物に用いる。特に好ましい態様として、OBポリペプチド配列を、IgG-1、IgG-2ま たはIgG-3重鎖のヒンジ領域とCH2およびCH3、もしくはCH1ヒンジ、CH2およびCH3 ドメインに融合する。融合を行なう正確な部位は重大な問題ではなく、日常的な 実験で最適な部位を決定することができる。 いくつかの態様では、OB-免疫グロブリンキメラを多量体(特にホモ二量体ま たホモ四量体;WO91/08298)として会合させる。一般に、これらの会合免疫グロ ブリンは、既知の単位構造を持つだろう。基本的な四鎖構造単位は、IgG、IgDお よびIgEがとる形態である。より高分子量の免疫グロブリンでは四鎖単位が繰り 返される。IgMは一般に、ジスルフィド結合で互いに結合した基本四鎖単位の五 量体として存在する。IgAグロブリンは(時にはIgGグロブリンも)、血清中 に多量体型で存在しうる。多量体の場合は、四鎖単位のそれぞれが同じ場合もあ るし、異なる場合もある。 本発明の範囲に包含される種々の代表的会合型OB-免疫グロブリンキメラを次 に略記する: (a)ACL-ACL; (b)ACH-[ACH,ACL-ACH,ACL.VHCHまたはVLCL-ACH]; (C)ACL-ACH-[ACL.ACH,ACL-VHCH,VLCL.ACHまたはVLCL-VHCH]; (d)ACL-VHCH-[ACHまたはACL-VHCHまたはVLCL-ACH]; (e)VLCL-ACH-[ACL-VHCHまたはVLCL-ACH]; (f)[A-Y]n-[VLCL-VHCH]2 (ただし、 各Aは同一のもしくは異なるOBポリペプチドアミノ酸配列を表わし、 VLは免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン、 VHは免疫グロブリン重鎖可変ドメイン、 CLは免疫グロブリン軽鎖定常ドメイン、 CHは免疫グロブリン重鎖定常ドメイン、 nは1より大きい整数であり、 Yは共有結合性架橋剤の残基を表わす。) 簡潔をむねとするため、上述の構造は重要な特徴だけを示しており、免疫グロ ブリンの結合(J)ドメインやその他のドメインは示していないし、ジスルフィ ド結合も示されていない。しかし、そのようなドメインが結合活性に必要な場合 、それらは、それらがその免疫グロブリン分子中で占める通常の位置に存在する ものと見なされる。 また、OBアミノ酸配列を、キメラ重鎖を含有する免疫グロブリンが得られるよ うに、免疫グロブリンの重鎖配列と軽鎖配列の間に挿入してもよい。この態様で は、0Bポリペプチド配列を、免疫グロブリンの各アームの免疫グロブリン重鎖の 3'末端に、ヒンジとCH2ドメインの間か、CH2ドメインとCH3ドメインの間に融合 する。同様の構築物は、Hoogenboom H.R.ら,Mol.Immunol. 28,1027-1037(1991 )に報告されている。 免疫グロブリン軽鎖の存在は本発明の免疫アドヘシンには必要ではないが、免 疫グロブリン軽鎖が、OBタンパク質-免疫グロブリン重鎖融合ポリペプチドに共 有結合しているか、もしくはOBポリペプチドに直接融合していてもよい。前者の 場合は、通常、免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAを、OB-免疫グロブリン重鎖 融合タンパク質をコードするDNAと同時に発現させる。分泌されると、重鎖と軽 鎖は共有結合して、ジスルフィド結合した2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対を 含む免疫グロブリン様構造をとるだろう。このような構造の調製に適し た方法は、例えば米国特許第4,816,567号(1989年3月28日発行)に開示されてい る。 好ましい態様として、IgG免疫グロブリン重鎖定常ドメイン由来の免疫グロブ リン配列を本発明の免疫アドヘシンの構築に使用する。ヒト免疫アドヘシンの場 合、ヒトIgG-1およびIgG-3免疫グロブリン配列を使用することが好ましい。 IgG-1を使用することの主な利点は、IgG-1免疫アドヘシンを固定化プロテインA で効率よく精製できるということである。これに対して、IgG-3の精製にはプロ テインGが必要であり、これはかなり汎用性の低い媒体である。しかし、特定の 免疫アドヘシン構築に使用するIg融合パートナーを選択する際には、免疫グロブ リンの他の構造的特徴と機能的特徴をも考慮すべきである。例えば、IgG-3ヒン ジは長く、柔軟なので、IgG-1に融合したのでは正しく折りたたまないか、正し く機能しないかもしれない大きな「アドヘシン」ドメインを適合させることもで きる。考えうるIgG系免疫アドヘシン構造を図3a〜cに示す。IgG免疫アドヘシン は通例一価または二価であるが、IgAやIgMのような他のIgサブタイプは、それぞ れ基本Igホモ二量体単位の二量体または五量体を生じうる。典型的なIgM系多量 体型免疫アドヘシンを図3dに示す。多量体型免疫アドヘシンは、それらがそれぞ れの標的に、対応するIgG型より強い親和力で結合できるという点で有利である 。このような構造の例としてはCD4-IgM(Trauneckerら,前掲)、 ICAM-IgM(Martinら,J.Virol. 67,3561-68[1993])およびCD2-IgM (Arulanandamら,J.Exp.Med. 177,1439-50[1993])が報告されている。 生体内で応用すべく設計されるOB-Ig免疫アドヘシンの場合は、そのFc領域に よって特定されるエフェクター機能と薬物動態学的性質も重要である。IgG-1IgG -2およびIgG-4は、いずれも21日間の生体内半減期を持つが、補体系を活性化す る際のそれらの相対効力は異なる。IgG-4は補体を活性化せず、IgG-2は補体活性 化に関してIgG-1よりかなり弱い。また、IgG-1とは異なり、IgG-2は単核細胞ま たは好中球上のFcレセプターに結合しない。IgG-3は補体活性化には最適である が、その生体内半減期は他のIgGイソタイプの3分の1程度である。ヒト用治療 薬として使用するために設計される免疫アドヘシンにとって重要なもう 1つの問題は、特定のイソタイプのアロタイブ変種の数である。一般に、血清学 的に定義されるアロタイプが少ないIgGイソタイプが好ましい。例えば、IgG-1は 血清学的に定義されるアロタイプ部位を4つしか持たず、そのうちの2つ(G1mと 2)がFc領域に位置する。これらの部位のうちの一つ(G1m1)は非免疫原性であ る。これに対して、IgG-3には血清学的に定義されるアロタイプが12あって、そ れらは全てFc領域内にあり、非免疫原性のアロタイプを持つのは、これらの部位 のうちの3つ(G3m5、11および21)に過ぎない。したがって、γ3免疫アドヘシ ンの潜在的免疫原性は、γ1免疫アドヘシンより高い。 本発明のOB-Ig免疫アドヘシンを設計するにあたって、その分子のレセプター 結合性、構造の保全(例えば適切な折りたたみ)および/または生物活性に必要 でない領域は削除してもよい。このような構造では、誤って折りたたまれるのを 避けるために、融合接合部をドメイン間に位置する残基に置くことが重要である 。親免疫グロブリンに関して、有用な結合点は、2つの重鎖間にジスルフィド結 合を形成するヒンジのシステインのすぐ上流である。よく使用される設計では、 その分子の「アドヘシン」(OB)部分のC末端残基をコードするコドンを、IgG1 ヒンジ領域のDKTHTCPPCP配列をコードするコドンのすぐ上流に置く。 OB-Ig免疫アドヘシンを構築する最も便利な方法は、OB部分をコードするcDNA 配列を、IgcDNA配列に、枠を合わせて融合することである。しかし、ゲノムIg断 片への融合も使用できる(例えばGascoigneら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,1293 6-2940[19871;Anffo ら,Cell 61,L1303-1313[1990];Stamenkovicら,Cell 66,113 3-1144[1991]を参照のこと)。後者のタイプの融合物は、発現にIg調節配列の存 在を必要とする。IgG重鎖定常領域をコードするcDNAは、牌臓または末梢血リン パ球由来のcDNAライブラリーから、公表された配列に基づいて、ハイブリダイゼ ーションまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術により単離することができる 。例えばマウスOBcDNAは、Zhangらの配列に基づいて設計したプライマーを用い て、マウス脂肪組織cDNAライブラリー(Clontech社)からPCRによって得ること ができる。ヒトOBcDNAも同様の方法で得ることができる。また、マウスOB遺伝子 は、ヒト脂肪組織cDNAクローン(Clontech 社)を例えばλgtIIライブラリーなどからZhangらが記述した方法で単離するた めのプローブとして使用することもできる。「アドヘシン」をコードするcDNAと 免疫アドヘシンのIg部分をコードするcDNAを、選択した宿主細胞内で効率のよい 発現を指令するプラスミドベクターに、直列に挿入する。補乳動物細胞内での発 現には、pRK5系ベクター(Schallら,Cell 61,361-370[1990])、pRK7ベクターお よびCDM8系ベクター(Seed,Nature 329,840[1989])が好ましい。(pRK7は、Cla IとHindIIIの間のポリリンカー領域内のエンドヌクレアーゼ制限部位の順序が逆 である点以外は、pRK5と同じである。米国特許第5,108,901号(1992年4月28日発 行)を参照のこと)。正確な接合部は、予定した接合部コドン間の余分な配列を 、オリゴヌクレオチド特異的欠失突然変異導入法(ZoUerおよびSmith,Nucleic A cids Res. 10,6487[1982];Caponら,Nature 337,525-531[1989])で除去すること により、作成できる。各半分が所望の接合部の両側の配列に相補的な合成オリゴ ヌクレオチドを用いることができる。理想的には、これらは36〜48マーである。 別法として、PCR技術により、その分子の2つの部分を適当なベクターと共に枠 を合わせて結合することもできる。 免疫アドヘシンは、骨髄腫細胞系、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞 、サルCOS細胞、ヒト胚腎臓293細胞およびバクロウイルス感染昆虫細胞を含む種 々の宿主細胞で効率よく発現させることができる。これらの系では、免疫アドヘ シンポリペプチドが組立てられ、細胞培養培地中に分泌される。サッカロミセス ・セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)やピチア・パストリス(Pichiapasto ris )などの酵母と、細菌細胞(好ましくは大腸菌)も、宿主として使用できる 。OB-免疫グロブリンキメラは、例えばLeiberら,Crit.Res.Food Sci.Nutr.33,35 1(1993)や、FriedmanおよびLeibel,Cell 69,217(1992)、あるいはBeavisおよびC hait,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87,6873(1990)に記述されているOBタンパク質の 発現法と同様にして、酵母中で発現させることができる。例えば、そのコード配 列を酵母発現プラスミドpPIC.9(Invitrogen社)のような酵母プラスミドにサブ クローニングすることができる。このベクターは、異種タンパク質を酵母から培 養培地に分泌させる。Halaasら(前掲)によれば、このベクターで 形質転換されたサッカロミセス・セレビシェ中でマウスおよびヒトOB遺伝子を発 現させると、シグナル配列を欠く加工されていないOBタンパク質である16kDの分 泌タンパク質が得られる。大腸菌でのマウスまたはヒトOB-免疫グロブリンキメ ラの発現は、例えば、Halaasら(前掲)に記述されている方法から類推して行な うことができる。マウスおよびヒトOB-免疫グロブリンキメラのコード配列をPET 15b発現ベクター(Novagen社)にサブクリーニングし、T7大腸菌RNAポリメラー ゼ系を使用することにより、それを大腸菌(BL21(DE3)pIYsS)内で発現させるこ とができる。また、コード配列を大腸菌アルカリ性ホスファターゼプロモーター の下流に大腸菌熱安定エンテロトキシンIIの分泌配列と枠を合わせて挿入するこ とにより、当該融合タンパク質を大腸菌内で発現させることもできる(Changら,Gene 55,189-96[1987])。 OB-Ig免疫アドヘシン発現用の宿主細胞の選択は、主として発現ベクターに依 存する。考慮すべきもう1つの問題は、必要とされるタンパク質量である。ミリ グラム量は、しばしば、一過性トランスフェクションによって生産できる。例え ば、アデノウイルスEIA形質転換293ヒト胚腎臓細胞系を、リン酸カルシウム法の 変法によって、pRK-5系およびpRK7系ベクターで一時的にトランスフェクション すると、免疫アドヘシンを効率よく発現させることができる。この方法は実施例 に例示する。CDM8系ベクターは、DEAE-デキストラン法によるCOS細胞のトランス フェクションに使用できる(Aruffoら,Cell 61,1303-1313[1990];Zettmeisslら,DNA Cell Biol.(US) 9,347-353[1990])。より大量のタンパク質を望むのであれ ば、宿主細胞系の安定なトランスフェクション後に、免疫アドヘシンを発現させ ることができる。例えば、pRK5系またはpRK7系ベクターを、ジヒドロ葉酸レダク ターゼ(DHFR)をコードしG418に対する耐性を付与する追加プラスミドの存在下 に、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に導入することができる。G418に 耐性なクローンを培養から選択することができる。これらのクローンを、DHFR阻 害因子メトトレキセートのレベルを増大させつつ生育し、DHFR配列と免疫アドヘ シン配列をコードする遺伝子コピーの数を同時に増幅させる。免疫アドヘシンが 疎水性のリーダー配列をそのN-末端に含有する場 合、それはトランスフェクションされた細胞によって加工され、分泌される可能 性がある。より複雑な構造を持つ免疫アドヘシンの発現には、特別に適合させた 宿主細胞が必要かもしれない。例えば、軽鎖やJ鎖のような成分は、ある種の骨 髄腫またはハイブリドーマ細胞宿主によって供給することができる(Gascoigne ら,前掲;Martinら,J.Virol. 67,3561-3568[1993])。 より複雑なオリゴマ一構造を持つ免疫アドヘシンの発現には、特別に適合させ た宿主細胞が必要かもしれない。例えば、軽鎖やJ鎖のような成分は、ある種の 骨髄腫またはハイブリドーマ細胞宿主によって供給することができる(Gascoigne ら,前掲;Martinら,J.Immunol. 67,3561-3568[1993])。 免疫アドヘシンは、アフィニティークロマトグラフィーによって都合よく精製 できる。アフィニティーリガンドとしてプロテインAが適当であるかどうかは、 そのキメラに使用される免疫グロブリンFcドメインの種とイソタイプに依存する 。プロテインAは、ヒトγ1、γ2またはγ4重鎖に基づく免疫アドヘシンの精 製に使用できる(Lindmarkら,J.Immunol.Meth. 62,1-13[1983])。プロテインG は、全てのマウスイソタイプとヒトγ3に推奨される(Gussら,EMBO J.5,156715 75[1986])。アフィニティーリガンドを結合させる基盤は、たいていアガロース であるが、他の基盤も利用できる。制御された細孔ガラスやポリ(スチレンジビ ニル)ベンゼンのように機械的に安定な基盤を使用すれば、アガロースの場合よ りも流速を早くし、処理時間を短くすることができる。プロテインAまたはGア フィニティーカラムに免疫アドヘシンを結合させる条件は、もっぱら、そのFcド メインの特徴(つまりその種とイソタイプ)によって決まる。一般に、適切なリ ガンドを選択すれば、無調節の培養液から直接的に、効率のよい結合が起こる。 免疫アドヘシンのきわだった特徴の一つは、ヒトγ1分子の場合、プロテインA に関する結合能が、同じFcタイプの抗体よりもいくらか減少するということであ る。結合した免疫アドヘシンは、酸性pH(3.0またはそれ以上)か、温和なカオ トロピック塩を含有する中性pH緩衝液で、効率よく溶出させることができる。こ のアフィニティークロマトグラフィー操作によって、>95%純粋な免疫アドヘシ ン調製物を得ることができる。 免疫アドヘシンの精製には、プロテインAまたはGでのアフィニティークロマ トグラフィーの代わりに、あるいはそれらに加えて、当技術分野で知られている その他の方法を使用することもできる。免疫アドヘシンは、親硫黄性ゲルクロマ トグラフィー(HutchensおよびPorath,Anal.Biochem. 159,217-226[1986])や固 定化金属キレートクロマトグラフィー(Al-MashikhiおよびMakai,J.DairySci. 7 1 ,1756-1763[1988])において、抗体と同様の挙動を示す。しかし抗体とは対照 的に、イオン交換カラムにおけるそれらの挙動は、それらの等電点だけでなく、 そのキメラ性ゆえにその分子中に存在する電荷双極子にも左右される。また免疫 アドヘシンのアドヘシン部分がグリコシル化されていて、シアル酸を含有する場 合は、電荷の微小不均一性も要因となる。精製手順の一例を実施例に記述する。 現在までに作成された数多くの免疫アドヘシンで得られた結果によれば、Fc領 域に対するアドヘシン部分の融合は、通常、個々のドメインの折りたたみに摂動 を起させない。アドヘシン領域と免疫グロブリン領域はどちらも正しく折りたた まれるようであり、そのFc部分は抗体に特有なエフェクター機能(例えばFcレセ プターに対する結合性など)の多くを保持している。 免疫アドヘシンの構築、発現および精製に広く適用できる方法は、例えば米国 特許第5,225,538号(1993年7月6日発行)や同第5,455,165号(1995年10月30日 発行)などに記述されており、これらの特許は参考文献として本明細書の一部を 構成するものとする。免疫アドヘシンの構築、発現、精製および様々な免疫アド ヘシン設計は、AshkenaziおよびChamow,Meethods in Enzmology 8,104-115(1995 )やPeachおよびLinsley,Methods in Enzmology 8,116-123(1995)の総説にも記述 されており、これらの開示はそこに引用されている文献と共に、参考文献として 本明細書の一部を構成するものとする。 C.その他の長半減期0B誘導体 天然分子よりも長い半減期を持つOBタンパク質のもう1つの誘導体は、非タン パク質ポリマーに共有結合したOBタンパク質またはOB-免疫グロブリンキメラか らなる。その非タンパク質ポリマーは通常、親水性合成ポリマー、すなわち 本来天然には認められないポリマーである。しかし、自然界に存在するボリマー や組換え法または試験管内法によって生産されるポリマーも、天然の供給源から 単離されるポリマーと同様に有用である。本発明の範囲には、ポリビニルアルコ ールやポリビニルピロリドンのような親水性ポリビニルポリマーが含まれる。ポ リエチレングリコール(PEG)のようなポリアルキレンエーテル類;ボリオキシ エチレン、ポリオキシプロピレンおよびポリオキシエチレンとポリオキシプロピ レンのブロック共重合体(プルロニック);ポリメタクリレート;カーボマー( carbomer);単糖類D-マンノース、D-およびL-ガラクトース、フコース、フルク トース、D-キシロース、L-アラビノース、D-グルクロン酸、シアル酸、D-ガラク ツロン酸、D-マンヌロン酸(例えばポリマンヌロン酸やアルギン酸)、D-グルコ サミン、D-ガラクトサミン、D-グルコースおよびノイラミン酸からなる分枝状ま たは非分枝状多糖(ホモ多糖とへヘテロ多糖を含む)、例えば乳糖、アミロペク チン、デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、アミロース、硫酸デキストラン、 デキストラン、デキストリン、グリコーゲン、あるいは酸性ムコ多糖(ヒアルロ ン酸など)の多糖サブユニット;ポリソルビトールやポリマンニトールのような 糖アルコールのポリマー;ヘパリンまたはヘパロンなどは、とりわけ有用である 。架橋前のポリマーは水溶性であることが好ましいものの、水溶性である必要は ない。しかし、最終的な複合体は水溶性でなければならない。またこのポリマー は複合体型とした時に高度に免疫原性であってはならないし、また静脈内に注入 または注射しようとする場合は、そのような投与経路に不向きな粘性を持っては ならない。 このポリマーは反応基を一つだけ含有することが好ましい。これは、タンパク 質分子の架橋を避けるのに役立つ。しかし、架橋が減少するように反応条件を最 適化することや、実質上均一な誘導体が回収されるように反応生成物をゲルろ過 やクロマトグラフィーによるふるい分けで精製することも、本発明の範囲に含ま れる。 このポリマーの分子量は約100から500,000までの範囲であることが望ましく、 約1,000から20,000までであることが好ましい。選択する分子量はそのポリマー の性質と置換の程度に依存する。一般的には、そのポリマーの親水性が高く、置 換の程度が高いほど、使用できる分子量は低くなる。最適な分子量は、日常的な 実験によって決定することになるだろう。 上記のポリマーは一般に、結合しようとする当該ポリマーおよびOBタンパク質 またはOB-免疫グロブリンキメラの1またはそれ以上のアミノ酸残基または糖残 基と反応する多官能性架橋剤によって、OBタンパク質またはOB-免疫グロブリン キメラに共有結合される。しかし、誘導体化したポリマーを当該ハイブリッド分 子と反応させることによってポリマーを直接架橋すること、もしくはその逆も、 本発明の範囲に包含される。 OBタンパク質またはOB-Ig上の共有結合的架橋部位としては、N-末端アミノ基 とリジン残基上のイプシロンアミノ基、あるいは他のアミノ、イミノ、カルボキ シル、スルフヒドリル、ヒドロキシル、その他の親水性基が挙げられる。ポリマ ーは多官能性(通常は二官能性)架橋剤を使用せずにハイブリッド分子に直接共 有結合させてもよい。アミノ基への共有結合は、塩化シアヌル、カルボニルジイ ミダゾール、アルデヒド反応基(PEGアルコキシド+ブロモアセトアルデヒドの ジエチルアセタール;PEG+DMSOおよび酢酸無水物またはPEGクロリド+4-ヒドロ キシベンズアルデヒドのフェノキシド、スクシンイミジル活性エステル、活性化 ジチオカーボネートPEG、2,4,5-トリクロロフェニルクロロホルメートまたはP- ニトロフェニルクロロホルメート活性化PEG)に基づく公知の化学で行われる。 カルボキシル基はPEG-アミンをカルボジイミドを使ってカップリングすることに よって誘導体化される。 ポリマーは、ビオチンまたはアビジンによるオリゴ糖の標識について Heitzmannら,P.N.A.S., 71,3537-41(1974)やBayerら,Methods inEnzymology 62, 310(1979)に記述されているのと同じ方法で、メタ過ヨウ素酸などの化学品か、 グルコースまたはガラクトースオキシダーゼなどの酵素を用いる酸化反応(どち らの場合も炭水化物のアルデヒド誘導体が生成する)の後、ヒドラジドまたはア ミノ誘導体化ポリマーとの反応を行なうことによって、オリゴ糖基に結合される 。さらに、オリゴ糖を結合するのにこれまでに使用されてきた他 の化学法や酵素法もとりわけ有利である。なぜなら一般に、アミノ酸部位よりも 誘導体化に利用される置換基が少ないために、オリゴ糖生成物の方がより均一に なるからである。また、ポリマー誘導体化に先立って、オリゴ糖置換基をノイラ ミニダーゼ消化などの酵素消化による糖除去によって修飾してもよい。 ポリマーは、連結するポリペプチドのアミノ酸側鎖やN末端またはC末端と直 接反応する基、もしくは多官能性架橋剤と反応する基を持つだろう。一般に、そ のような反応性基を持つポリマーは固定化タンパク質の調製用として知られてい る。このような化学法を使用するには、これまでにタンパク質固定化に使用され てきた不溶性ポリマーと同じ方法で誘導体化された水溶性ポリマーを使用するべ きである。臭化シアン活性化法は、多糖類の架橋に使用するにはとりわけ有用な 方法である。 出発ポリマーに関して「水溶性」という場合、これは複合体化に使用するポリ マーもしくはその反応性中間体が誘導体化反応に参加できるほどに水溶性である ことを意味する。 ポリマー複合体に関して「水溶性」という場合、これは血液のような生理学的 液体中にその複合体が溶解しうることを意味する。 このようなポリマーによる置換の程度はそのタンパク質上の反応性部位の数、 そのタンパク質全体を使用するのか、それともその断片を使用するのか、そのタ ンパク質が異種タンパク質との融合物(例えばOB-免疫グロブリンキメラ)であ るかどうか、そのポリマーの分子量、親水性その他の特性、および選択したタン パク質誘導体化部位に依存して変動するだろう。異種配列は所望の活性が有意に 有害な影響を受けない限り基本的に何個のポリマー分子で置換されていてもよい のであるが、一般的には、複合体は約1個から10個までのポリマー分子を含有す る。最適な架橋の程度は、時間、温度その他の反応条件を変えて、置換の程度を 変化させた後、その複合体が所望の様式で機能する能力を決定する一連の実験に よって、容易に決まる。 PEGなどのボリマーは、PEGのような非タンパク質ポリマーでタンパク質を共有 結合的に修飾するための様々な(それ自体は公知の)方法によって、架橋さ れる。しかしこれらの方法のいくつかは本発明には好ましくない。シアヌロン酸 クロリド(cyanuronic chloride)はタンパク質架橋を含む多くの副反応をもた らす。また、これはスルフヒドリル基を含有するタンパク質の不活化につながる 可能性もある。カルボニルジイミダゾール化学(Beauchampら,AnalBiochem. 131, 25-33[1983])は高pH(>8.5)を必要とし、それはタンパク質を失活させること になりうる。さらに、「活性PEG」中間体は水と反応しうるので、タンパク質に 対して極めて大モル過剰の「活性PEG」が必要である。このカルボニルジイミダ ゾール化学に必要な高濃度のPEGは精製の面でも問題がある。ゲルろ過クロマト グラフィーも親水性相互作用クロマトグラフィーも有害な影響を受けるからであ る。さらに、高濃度の「活性PEG」がタンパク質を沈殿させることもあり、この 問題自体は既に認められている(Davis,米国特許第4,179,337号)。これに対し てアルデヒド化学(Royer,米国特許第4,002,531号)は、40倍モル過剰のPEGと1 〜2時間の保温しか必要としないので、より効率がよい。しかし、Royerが提案し たPEGアルデヒド調製用の二酸化マンガンは「PEGが金属系酸化剤と錯体を形成す る傾向が著しいために」(Harrisら,J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed. 22,341-52[19 84])問題が多い。DMSOと酢酸無水物を用いるMoffatt酸化を使えば、この問題を 回避することができる。また、Royerが提案したホウ水素化ナトリウムは高pHで 使用しなければならず、ジスルフィド結合を還元する傾向がかなり高い。これに 対して、中性pHで有効であり、ジスルフィド結合を還元する傾向がほとんどない シアノホウ水素化ナトリウムは好ましい。 本発明のOBタンパク質またはOB-Igキメラを修飾するための機能性PEGポリマー は、Shearwater Polymers社(アラバマ州ハンツヴィル)から入手できる。この ような市販のPEG誘導体には、アミノ-PEG、PEGアミノ酸エステル、PEG-ヒドラジ ド、PEG-チオール、PEG-スクシネート、カルボキシメチル化PEG、PEG-プロピオ ン酸、PEGアミノ酸、PEGスクシンイミジルスクシネート、PEGスクシンイミジル プロピロネート、カルボキシルメチル化PEGのスクシンイミジルエステル、PEGの スクシンイミジルカーボネート、アミノ酸PEGのスクシンイミジルエステル、PEG -オキシカルボニルイミダゾール、PEG-ニトロフェニルカ ーボネート、PEGトレシレート(PEG tresylate)、PEG-グリシジルエーテル、PE G-アルデヒド、PEGビニルスルホン、PEG-マレイミド、PEG-オルトピリジル-ジス ルフィド、ヘテロ官能性PEG、PEGビニル誘導体、PEGシラン、およびPEGホスホリ ド(PEG phospholide)などがあるが、これらに限るわけではない。これらのPEG 誘導体をカップリングするための反応条件は、タンパク質、所望するPEG化の程 度、および使用するPEG誘導体によって変動するだろう。PEG誘導体の選択に関わ る要因には、所望する結合点(リジンまたはシステイン)、その誘導体の加水分 解的安定性と反応性、その結合の安定性、毒性および抗原性、分析しやすさなど がある。ある特定の誘導体に関する具体的使用法は、その製造社から入手するこ とができる。 本発明の長半減期複合体は、ゲルろ過によって未反応の出発物質から分離され る。その複合体の異種成分も同じ方法で互いに精製される。またポリマーは親水 性ゲルのように水不溶性であってもよい。 また本複合体はイオン交換クロマトグラフィーで精製することもできる。親電 子的に活性化されたPEGを使用すると、多くの場合、PEG化された生成物のアミノ 基電荷が減少する。したがって高分解能イオン交換クロマトグラフィーを使用し て、遊離のタンパク質と複合体化したタンパク質を分離することができ、またPE G化のレベルが異なる分子種を分割することができる。実際のところ、未反応の アミノ酸のイオン特性の相違により、異なる分子種(例えばPEG残基を1つまた は2つ含有する種)を分割することもできる。 D.0B-免疫グロブリンキメラとその他の長半減期誘導体の使用 本発明のOB-免疫グロブリンキメラとその他の長半減期誘導体は、減量、特に 肥満その他のOB遺伝子の発現または機能の異常に関係する障害の治療に有用であ る。我々の研究によれば、OB-免疫グロブリンキメラとその他の長半減期OB誘導 体(例えばPEG化OB)は、処置した動物の食物摂取量を減じ、そのエネルギー使 用量を増大させるので、肥満動物と正常動物のどちらの体重を減少させるのにも 極めて有効である。試験を行なうには、本発明の分子をリン酸緩衝食塩水(PBS )(pH7.4)に溶解し、静脈内または皮下に注射もしくは注入することに より投与すればよい。 本発明の持続性OB誘導体はさらに、糖尿病や過食症などといった他の代謝障害 の治療にも使用できる。OBタンパク質は動物内のインスリンレベルを減少させる ことが示されており、人間の患者の過剰なインスリンを減少させるのにも有用だ ろう。肥満患者または非肥満患者(例えばI型またはII型糖尿病)のインスリン レベルを減少すれば、その患者のインスリン感受性が復旧もしくは改善されるだ ろう。 また、本長半減期OB誘導体は腎臓病、高血圧、肺気腫のような肺機能不全の治 療にも使用できる。また、OBタンパク質は、レセプター保持組織の有糸分裂促進 反応を引き起こして、それらの細胞にとって増殖因子として作用するかもしれな い。 本発明の治療用製剤を貯蔵するには、所望の純度を持つ活性成分を医薬的に許 容できる随意の担体、賦形剤または安定化剤(Reminon's PharmaceuticalScienc es 第16版,Osol,A.編(1980))と、凍結乾燥製剤または水溶液の形態に混合する 。許容できる担体、賦形剤または安定化剤は、使用する用量と濃度でその受容者 にとって無毒であり、これには、リン酸、クエン酸その他の有機酸のような緩衝 剤;アスコルビン酸などの抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)のポリペプチ ド;血清アルブミン、ゼラチン、免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニル ピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アル ギニン、リジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース、デキストリンなどの 単糖類、二糖類その他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;マンニトールやソル ビトールなどの糖アルコール;ナトリウムなどの塩形成対イオン;および/また はツィーン、プルロニック、PEGなどの非イオン界面活性剤が含まれる。 例えばコアセルベーション法もしくは界面重合などによって調製したマイクロ カプセル(例えばそれぞれ、ヒドロキシメチルセルロースマイクロカプセルまた はゼラチンマイクロカプセルと、ポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセ ル)や、コロイド薬物送達系(例えばリポソーム、アルブミンミクロスフェア、 マイクロエマルション、ナノ粒子およびナノカプセル)またはマクロエマルショ ンに 活性成分を封入してもよい。そのような技術はReminon's PharmaceuticalScienc es (前掲)に開示されている。 生体内投与に使用する製剤は、滅菌状態でなければならない。これは、凍結乾 燥と復元の前または後に、滅菌ろ過膜を通してろ過することによって、容易に達 成される。 この治療用組成物は一般に、滅菌注入口を持つ容器(例えば皮下注射針を突き 刺せる栓を持つ静脈内溶液バッグやバイアル)に入れられる。 投与経路は、静脈内経路や腹腔内経路による注射または注入のような公知の方 法に従う。また、徐放性製剤も考えられる。徐放性製剤の好適例としては、フィ ルムやマイクロカプセルなどの成型品の形態にある半透過性ポリマー基盤が挙げ られる。徐放性製剤基盤には、ポリエステル、ヒドロゲル、ポリラクチド(米国 特許第3,773,919号、EP58,481)、L-グルタミン酸とγ-エチル-L-グルタメート のコボリマー(.Sidmanら,1983,"Biopolymers”22(1):547.556)、ポリ(2-ヒドロ キシエチルメタクリレート)(R.Langerら,1981,"J.Biomed.Mater.Res."15:167-27 7およびR.Langer,1982,Chem.Tech.12:98-105)、エチレンビニルアセテート(R. Langerら,同上)またはポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸 (EP133,988A)がある。徐放性組成物には、リポソームも含まれる。本発明の範 囲に包含される分子を含有するリポソームは、それ自体は公知の方法DE3,218121 A;Epsteinら,1985,”Proc.Natl.Acad.Sci.USN”82:3688.3692;Hwangら,1980,”P roc.Natl.Acad.Sci.USA"77,:4030-4034;EP 52322A;EP36676A;EP88046A;EP143949 A;EP142641A;特願昭58.118008;米国特許第4,485,045号および同第4,544,545号; ならびにEP102,324Aの方法によって調製される。リポソームは通常小さな(約20 0〜800オングストローム)単層型で、その脂質含量は約30モル%コレステロール 以上であって、その治療法が最適となるように調節した比率が選択される。 治療的に使用される本発明の分子の有効量は、例えば治療対象、投与経路、患 者の状態などに依存するだろう。したがって治療者は、最適な治療効果を得られ るように必要に応じて用量を滴定し、投与経路を改良する必要がある。典型的な 日用量は、上述の要因によって約1μg/kg〜100mg/kgまたはそれ以上となるかも しれない。一般的には、臨床医は、投与量が必要な生物効果を与える量に達する まで本発明の分子を投与することになる。この治療の進行は、従来のアッセイ技 術によって容易にモニターできる。治療の目的が減量であるなら、その治療は通 常、所望の体重に達するまで続けられる。 本発明のOBタンパク質-免疫グロブリン融合物の治療以外の用途としては、OB レセプターを同定し精製するための使用がある。OBタンパク質-免疫アドヘシン を用いたOBレセプターの同定と発現クローニングについては、後述の参照例に説 明する。 以下、限定を意図しない実施例により本発明をさらに例証する。 実施例1 0B- 免疫アドヘシンの発現 タンパク質工学を用いて、ヒトOBタンパク質をIgG-1のヒンジ、CH2およびCH3 ドメインとの融合体として発現させた。ヒトOBタンパク質とIgG-1Fcドメインの キメラをコードするDNA構築物を、ヒトIgG-1のFc領域クローンを使って作成した 。ヒトOB cDNAはPCRによりヒト脂肪細胞dscDNA(Clontech Buick-Clone cDNA製 品)から得た。IgG-1cDNAの供給源はプラスミドpBSSK-CH2CH3である。このキメ ラは、完全長OBタンパク質(図5のアミノ酸1〜167)のコード配列と、重鎖]軽鎖 結合に関与するシステイン残基後のIgG-1ヒンジの第1残基であるアスパラギン酸 216から始まり、残基441で終わり、IgG-1のCH2およびCH3Fcドメインを包含する ヒトIgG-1配列(ただし重鎖定常領域の第1残基をアミノ酸114とする;Kabatら,S equence of Proteins of Immunological Interest 第4版[1987])とを含有する 。OBコード配列とIgG-1コード配列の間には3アミノ酸(GlyValThr)のコドンが挿 入されている。必要であれば、OBタンパク質のコード配列とIgG-1ヒンジ領域の コード配列の間に正確な接合部を作成するために、この短いリンカー配列を、例 えば部位特異的欠失突然変異導入法により、容易に除去することができる。この OB-IgG-1免疫アドヘシンのコード配列をネオマイシン選択マーカーを含有するpR K5系ベクターpRK5tk-neoにサブクローニングし、リン 酸カルシウム法を用いて、293細胞での一過性発現に使用した(Suvaら,Science2 37 ,893-896[1987])。293細胞を、10%FBSと2mML-Glnを含むHAM:低グルコースDM EM培地(50:50)で培養した。OB-IgG-1キメラを精製するため、トランスフェク ション後に細胞を無血清生産培地PS24に移し、3日後に培地を集めた。その培養 培地をろ過した。 組換えヒトOB-IgG-1を含有するろ過済293細胞上清(400ml)を、1mMフェニル メチルスルホニルフルオリドと2μg/mlアプロチニンにした。これを、100mMHEPE S pH8で平衡化した1×4.5cmのプロテインAアガロースカラム(Pierce社カタログ 番号20365)に4℃で充填した。流速は75ml/時間とした。試料を充填し終えたら 、そのカラムを平衡化緩衝液でA280がベースラインに達するまで洗浄した。OB-I gG-1タンパク質を、流速15ml/時間の3.5MMgCl2+2%グリセロール(非緩衝液) で溶出させた。その溶出液を時折混合しながら10mlの100mM HEPES pH8中に集め ることにより、MgCl2濃度を約半分に減らし、pHを上げた。次に、溶出したタン パク質をリン酸緩衝食塩水中に透析し、濃縮し、4℃で保存するか、−70℃で凍 結保存した。この方法で調製したOB-IgG-1免疫アドヘシンは、SDS-PAGEにより、 純度90%以上と見積もられる。 実施例2 動物実験 A.材料と方法 OB タンパク質生産:マウスOB cDNAをPCRにより脂肪細胞cDNAライブラリーから 、Zhangら(前掲)の配列に基づくプライマーを用いて得た。大腸菌アルカリ性 ホスファターゼプロモーターの下流に、OBコード配列を大腸菌熱安定エンテロト キシンIIの分泌配列と枠を合わせて挿入することにより、成熟OBタンパク質(ア ミノ酸22〜167)を大腸菌中で発現させた。Changら,Gene 55,189.96(1987)。細 胞を溶解した後、不溶性画分を25mMDTTの存在下に8M尿素緩衝液pH8.35中に可溶 化した。還元型OBタンパク質をサイズ排除および逆相HPLCで精製した後、グルタ チオンの存在下に再生させた。再生したOBタンパク質を逆相HPLCで精製し、SDS- PAGE、アミノ酸分析および質量スペクトル分析によって 分析した。 PEG-hOB の調製:逆相クロマトグラフィーによって精製したhOBを、10kDの公称 分子量を持つPEGプロピオン酸のスクシンイミジル誘導体(SPA-PEG;Shearwater Polymers社(アラバマ州ハンツヴィル)から入手したもの)と反応させることに より、ヒトPBタンパク質のPEG誘導体を調製した。逆相クロマトグラフィーによ ってhOBタンパク質を精製した後、0.1%トリフルオロ酢酸と約40%アセトニトリ ルに溶解した約1〜2mg/mlの当該タンパク質を、1/3〜1/2体積の0.2Mホウ酸緩衝 液で希釈し、NaOHでpHを8.5に調節した。その反応混合物にSPA-PEGを加えて、タ ンパク質とSPA-PEGのモル比を1:1および1:2にし、その混合物を室温で1時間保温 した。反応とゲル電気泳動またはイオン交換クロマトグラフィーによる精製の後 、試料をリン酸緩衝食塩水に対して十分に透析し、0.22ミクロンフィルターを通 してろ過することにより滅菌した。試料は4℃で保存した。この条件下に、タン パク質とSPA-PEGのモル比が1:1の反応から得たPEG-hOBは、主として1分子の10kD PEGが結合した分子からなり、2分子のPEGを含有する分子種も少量存在した。1:2 モル反応から得られたPEG-hOBは、SDSゲル電気泳動によれば、hOBに2分子のPEG が結合した生成物と、3分子のPEGが結合した生成物がほぼ等量であった。どちら の反応でも、未反応のタンパク質が少量検出された。この未反応タンパク質は必 要に応じてゲルろ過またはイオン交換により効率よく除去することができる。ヒ トOBタンパク質のPEG誘導体は、EP372,752(1990年6月13日公開)に記述されて いるアルデヒド化学に基本的に従って調製することもできる。 動物実験:動物が関与する操作はすべて、Genentech's Institutional Animal Care and Use Committee(ジェネンテック社実験動物飼育使用委員会)による 検閲と認可を受けた。7〜8週齢の遺伝性肥満C57BI/6J-ob/ob(ob/ob)雌マウス をJackson Labs(メイン州バーハーバー)から購入した。同じ遺伝的バックグラ ウンド(C57BI/6)を持つ痩躯雌マウスはHarlan Sprague Dawley(カリフオルニ ア州ホリスター)から購入した。温度、湿度および照明(点灯06:00、消灯18:00 )を制御した飼育室で、マウスを3〜6匹ずつのグループに分けて飼育し、水と標 準 マウス飼料(Purina 5010;Purina Mills社(インディアナ州リッチモンド))を 自由に摂取させた。 ミニ浸透圧ポンプ(Alzetモデル2002;Alza Corp.(カリフォルニア州パロアル ト))に、滅菌リン酸緩衝食塩水(PBS)中の精製組換えOBタンパク質(100μg/ kg/日)またはPBSのみを、製造者の指示に従って滅菌条件下に充填し、マウスに 移植する前に、室温の滅菌食塩水中で終夜保温した。マウスをケタミン/キシラ ジンで麻酔し、ミニ浸透圧ポンプを中肩甲部の皮下に移植した。精製組換えOBタ ンパク質、hOB-IgG-1融合タンパク質またはPBSを、意識のあるマウスの中肩甲部 に毎日皮下注射した。注射は消灯の1時間以内に行なった。各マウスの体重(0.1 グラム単位)と各カゴの飼料箱に含まれる飼料の重量(0.1グラム単位)を1〜2 日毎に消灯の1時間以内に記録した。データを平均±SEMとして表わす。動物の数 は下記および図の説明に記載の通りである。 B.OBタンパク質の皮下持続注入の結果 痩躯雌マウスにマウスOBタンパク質を皮下持続注入または毎日皮下注射した。 その結果を図1に示す。上側の図は、OBタンパク質を持続注入として投与した場 合の方が、同じ投与量を毎日皮下注射として与えた場合よりも、体重の減少に有 意に有効であることを示している。下側の図は、OBタンパク質が脂肪組織重量を 減少させる能力に関して、同様の相違を示している。 C.0B-IgG-1キメラの結果 肥満雌ob/obマウスをヒトOBタンパク質またはヒトOB-IgG-1キメラで処置した 。そのデータを図2に示す。上側の図に示すデータは、hOB-IgG-1融合タンパク質 と天然のhOBタンパク質を毎日皮下注入することにより同様に投与した場合、hOB -IgG-1融合タンパク質の方が、天然のhOBタンパク質よりも、体重を減少させる 効力が強いことを示している。OB-IgG-1キメラはその約3分の1しかOBタンパク質 に由来していないので、このデータをモル量に変換すれば、効力の増大はなお明 白になる。またこのデータは、hOBタンパク質の皮下持続注入(ポンプ)が毎日 の皮下注射(注射)よりも体重の減少に有効であるという先の観察結果を確認す るものでもある。 図2の下側の図に示すデータは、hOB-IgG-1融合タンパク質が食物摂取量を本質 的に減少させることを示している。融合タンパク質は血管脳関門を通過してその 作用を発揮するには大きすぎるだろうと思われたので、これは予想外の結果だっ た。 肥満(ob/ob)雌マウスを、7日間毎日皮下注射することにより、hOBまたはhO B-IgG-1キメラで処置した。図3に示すデータもやはり、キメラの方が天然OBタン パク質よりも体重(上図)および食物摂取量(下図)の減少に有効であるという ことを示している。 さらなる実験として、肥満(ob/ob)雌マウスを、7日間毎日皮下注射するこ とにより、hOB-IgG-1融合タンパク質、天然hOBまたはhCD4-IgG-1(対照)で処置 した。図5に示す結果は、hOB-IgG-1融合タンパク質の方が天然hOBタンパク質よ りも、体重(上図と中図)と食物摂取量(下図)の減少に有効であることを支持 している。 D.PEG-hOBの結果 肥満雌ob/obマウスをヒトOBタンパク質またはヒトOBのPEG誘導体で処置した。 そのデータを図4に示す。上側の図に記載のデータは、PEG-hOBと天然hOBタンパ ク質を毎日皮下注入することにより同様に投与した場合、PEG-hOBの方が天然hOB タンパク質よりも体重を減少させる効力が強いことを示している。 図4の下側の図に記載のデータは、PEG-hOBタンパク質の方が無修飾の天然hOB よりも食物摂取量を減少させる効果が本質的に高いことを示している。 参照例 OB レセプターの同定とクローニング 実施例1のOBタンパク質-免疫アドヘシンを用いて、OBレセプターを検出し、発 現クローニングした。まずレセプター源を同定するために、いくつかの細胞系を 、1μg/mlOB-IgG-1融合物を使ってフローサイトメトリーでスクリーニングした 。ビオチンを結合した二次抗体と、それに続くストレプトアビジン-フィコエリ トリンとからなる検出系は、シグナルの劇的な増幅をもたらし、少数のレセプタ ーを発現させる細胞の検出を可能にする。2つの細胞系、ヒト胚腎臓293細胞とヒ ト肺A549細胞は、OB-IgG-1を結合するが、Flt-4対照免疫アドヘシンを結合しな いことがわかった。これらの細胞に対するOB-IgG-1の特異的結合は、細菌に発現 させた過剰のヒトOBタンパク質を添加することによっても立証された。10μg/ml のヒトOBを添加すると、293細胞に対するOB-IgG-1の結合が完全に遮断された。 OBレセプターをコードするcDNAを単離するために、COSN細胞を、pRK5B中に作 成したオリゴdTプライムド293細胞cDNAライブラリー約105クローンのプールで一 時的にトランスフェクションした。トランスフェクションされた細胞をOB-IgG-1 と共に培養した後、抗ヒトFc抗体で覆ったプレートでのパニングによって濃縮し た。濃縮を3回行なった後、30プール中1プールが、OB-IgG-1が媒介するCOSN細胞 の結合プレートへの接着であって、ヒトレプチンと競合するものを与えた。この 3回目の濃縮後に無作為に拾い上げたcDNAクローンを10〜20づつのプールとして トランスフェクションさせた。パニングによって陽性であった10プール中の1プ ールを破壊することにより、最終的に個々のクローンを同定した。 配列分析により、896アミノ酸のタンパク質をコードする読み取り枠を持つ約5 300bpのクローンが明らかになった。その配列は22アミノ酸長のシグナルペプチ ド、819アミノ酸の細胞外ドメイン、21アミノ酸の膜貫通ドメインおよび短い34 アミノ酸の細胞内ドメインを持つ1型膜貫通タンパク質に相当した。この配列は 本質的にTartagliaら(前掲)が同定単離したヒトOBレセプターに相当すること がわかった。この配列は、同時係属中の出願番号08/585,005(1996年1月11日出 願)に開示するヒトレセプター配列と同一である。 ここに本発明を例示し終えたが、本発明の範囲はこれらに限定されるものでは ない。本発明の総合的な概念から逸脱することなく、さらに改良や変更を施しう ることは言うまでもない。そのような変更はすべて本発明の範囲の包含されるも のとする。 本明細書(実施例を含む)に引用した文献とそこに引用されている文献はすべ て、参考文献として本明細書の一部を構成するものとする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 C07K 14/575 C07K 14/575 14/705 14/705 16/18 16/18 19/00 19/00 C12N 1/21 C12N 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12N 5/00 B C12P 21/02 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ, VN (72)発明者 バンドレン,リチャード・エル アメリカ合衆国94010カリフォルニア州 ヒルズボロー、ヘインズ・ロード1015番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.天然OBタンパク質の生物学的性質を保持しているOBタンパク質の長半減期 誘導体。 2.治療される個体の体重および/または食物摂取量を減少させる能力を持つ請 求項1の長半減期誘導体。 3.天然ヒトOBタンパク質の誘導体である請求項1の誘導体。 4.OB-免疫グロブリンキメラである請求項1の誘導体。 5.非タンパク質ポリマーで修飾された天然0Bタンパク質または0B-免疫グロブ リンキメラである請求項1の誘導体。 6.非タンパク質ポリマーがポリエチレングリコール(PEG)である請求項5の 誘導体。 7.有効量の請求項1のOB誘導体を含む、OB遺伝子の異常発現または異常機能に 関係する状態を治療するため、もしくは0Bレセプターによって媒介される生物学 的反応を誘発するための組成物。 8.体重および/または食欲の減少に有効な請求項7の組成物。 9.上昇したインスリンレベルを低下させるのに有効な請求項7の組成物。 10.請求項1の誘導体を治療しようとする個体に投与することからなる、OB遺 伝子の異常発現または異常機能に関係する状態の治療法もしくは0Bレセプターに よって媒介される生物学的反応の誘発法。 11.治療すべき状態が肥満症、過食症およびI型またはII型糖尿病からなる群 より選択される請求項10の方法。 12.対象に有効量の請求項1の誘導体を投与することからなる、体重減少また は食欲減退の誘発法。 13.天然OBレセプターに結合できるOBタンパク質アミノ酸配列が免疫グロブリ ン配列に結合しているキメラポリペプチド。 14.該免疫グロブリン配列が定常ドメイン配列である請求項13のキメラポリペ プチド。 15.該OBタンパク質がヒト由来のタンパク質である請求項14のキメラポリペプ チド。 16.2つのOBポリペプチド-IgG重鎖融合物が、少なくとも1つのジスルフィド結 合によって互いに連結されて、ホモ二量体免疫グロブリン様構造をとっている請 求項15のキメラポリペプチド。 17.該0Bポリペプチド-IgG重鎖融合物の少なくとも一方が、免疫グロブリン軽 鎖と結合している請求項16のキメラポリペプチド。 18.0Bタンパク質-免疫グロブリン融合物をコードする単離された核酸配列。 19.請求項18の核酸を含む複製可能な発現べクター。 20.請求項19の複製可能な発現べクターによって形質転換された宿主細胞。 21.0Bタンパク質-免疫グロブリン融合物をコードする核酸を発現させるよう に請求項20の宿主細胞を培養することを含む方法。 22.該宿主細胞が少なくとも2つのOBタンパク質-免疫グロブリン融合物をコー ドする核酸で同時形質転換されている請求項21の方法。 23.該細胞がさらに、少なくとも1つの免疫グロブリン軽鎖をコードする核酸 で形質転換されている請求項22の方法。 24.治療有効量の請求項13のキメラポリペプチドを患者に投与することからな る、0B遺伝子の異常発現または異常機能に関係する状態の治療法もしくはOBレセ プターによって媒介される生物学的反応の誘発法。 25.該状態が肥満症、過食症およびI型またはII型糖尿病からなる群より選択 される請求項24の方法。 26.医薬的に許容できる担体と混合された有効量の請求項13のキメラポリペプ チドを含む肥満治療用組成物。 27.OBレセプターを発現させる細胞の増殖を誘導する方法であって、該細胞を 請求項1の0B誘導体と接触させることからなる方法。
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