JP2000504209A - 骨髄間質細胞の拡大増殖 - Google Patents

骨髄間質細胞の拡大増殖

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、骨髄間質細胞を選択および拡大増殖する方法を特徴とする。本方法には、骨髄間質細胞を得る段階、ゼラチンで内面を予めコーティングされた、酸性線維芽細胞増殖因子(「aFGF」)ポリペプチドを含有する培養培地を含む容器に、間質細胞を入れる段階、および骨髄間質細胞数の増加が得られる条件下で、かつ得るために十分な時間、培養培地中で間質細胞を拡大増殖させる段階が含まれる。培養培地はさらに、ヘパリンを含むことができ、容器はさらに胎仔ウシ血清で予めコーティングすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 骨髄間質細胞の拡大増殖 発明の背景 本発明は、骨髄間質細胞の培養に関する。 骨髄は、造血細胞、骨髄間質細胞、および細胞外マトリクスを含む複雑かつ機 能的な臓器系である。骨髄内の多能性幹細胞は、増殖して赤血球および白血球を 含む多様な細胞タイプに分化する。この目的にとって、幹細胞と間質細胞との関 連が重要であることは長い間知られていた。細胞培養における研究で、造血幹細 胞が増殖し分化する前に、接着した間質細胞の層が確立されなければならないこ とが示されている。 骨髄間質細胞は、その形態および機能によって定義される不均一な細胞集団で ある。細胞培養において、それらは特徴的な紡錘形の形態を示し、増殖因子およ び細胞外マトリクスを形成する成分を分泌する。間質細胞は、上皮細胞増殖因子 (EGF;キムラら(Kimura)、1988、Br.J.Hematol.69:9〜21)、血小板由来増殖 因子(PDGF;キムラら(Kimura)、前記)、および塩基性線維芽細胞増殖因子( bFGF;キムラら(Kimura)、前記;オリバーら(Oliver)、1990、Growth Factor s,3:231〜236)に反応して培養物中で分裂することが示されている。 線維芽細胞増殖因子の発見は、脳からの抽出物が線維芽細胞の分裂を刺激する ことができるという何年も前の知見に基づいていた(トーマス(Thomas)、1987 、FASEB J.,1:434〜440参照)。それ以来、特定のFGFが単離され、このファミリ ーは今や、酸性および塩基性FGF(aFGFおよびbFGF)を含む少なくとも7つのメ ンバーを含む。これらの2つの因子は、異なる1本のコピー遺伝子によってコー ドされ、アミノ酸レベルでの同一性は55%に過ぎない(トーマス(Thomas)、前 記)。 ほとんどの増殖因子について当てはまるように、FGFは細胞表面受容体に結合 することによってその分裂促進活性を発揮する。現在、4つの関連するFGF受容 体(FDFR1〜FGFR4)が確認されている。それぞれのFGF受容体は多様な形状で存 在し、aFGFおよびbFGFの相対的親和性は各受容体の形状によって変化する(バー ゲスら(Burgess)、1988、Ann Rev.Biochem.58:575〜606;ディオンら(Dionne )、1 991、Ann.N.Y.Acad.Sci.,638:161〜166;ジョンソンら(Johnson)、1993、Adv. Cancer Res.60:1〜41に概説されている)。塩基性および酸性FGFはまた、ヘパ リンに対する反応が異なる。細胞培養において、ヘパリンは両FGFと複合体を形 成するが、実質的に増強するのは、aFGFの分裂促進活性のみである(トーマス( Tho・as)、前記)。 骨髄移植(transplantation)または植え込み(implantation)は、造血細胞 が関係する多くの疾患に対する有望な治療法である。移植は、貧血のような内因 性疾患によって障害を受けた場合、または造血細胞が化学療法もしくは放射線療 法によって破壊されている場合に、細胞を取り替えるのに役立ちうる。移植は自 家移植であってよく、すなわち患者が患者自身のドナーとなることができる。ま たは、患者は組織適合ドナーからの骨髄提供を受けることができる。しかし、今 日まで、骨髄、特に多くの遺伝子療法において移植され用いることができる骨髄 間質細胞を培養するための最適な条件はわかっていない。間質細胞の修飾に基づ く遺伝子療法の主な障害は、治療的に有用な数の間質細胞を調達することである 。結果的に、骨髄移植の成功にも関わらず、骨髄間質細胞の移植の成功を必要と する遺伝子療法は、未だに実現していない。 発明の概要 本発明は、骨髄間質細胞を培養するための新規な方法であり、酸性FGF(aFGF )またはaFGFとヘパリンとの併用が、骨髄間質細胞の確立およびその後の拡大増 殖を有意に増強するという知見に基づいている。この方法を用いることによって 、骨髄間質細胞は、治療的用途にとって明らかに有用であるこれまで前例のない レベルまで培養物中で拡大増殖させることができる。したがって、この培養法に より、骨髄間質細胞を多くのタイプの遺伝子治療に用いることが可能となる。 一般に、本発明は、少なくとも107個、および好ましくは109個以上の骨髄間質 細胞を得るために、骨髄間質細胞を拡大増殖させる方法を特徴とする。本方法は 、(a)骨髄間質細胞を例えば骨髄吸引液から得る;(b)ゼラチン、例えば1.0 %ゼラチン水溶液で内面を予めコーティングされた、酸性線維芽細胞増殖因子( 「aFGF」)ポリペプチドを含む培養培地を含む容器に、間質細胞を入れる段階、 および(c)骨髄間質細胞数の増加が得られる条件下で、かつそれが得られるの に十 分な時間、培養培地中で間質細胞を拡大増殖させる段階を含む。この方法におい て、培養培地は好ましくは、少なくとも0.05単位/mlのヘパリンポリペプチドを さらに含む。容器の内面はさらに、骨髄間質細胞を入れる前に胎仔ウシ血清で予 めコーティングすることができる。 特に、培養培地は、1.0〜50容量%の胎仔ウシ血清、0.01〜100.0 ng/mlのaFG Fポリペプチド、および0.05〜100単位/mlのヘパリンポリペプチドを含むことが できる。特殊な態様において、培養培地は16.0容量%の胎仔ウシ血清、1.0 ng/ mlのaFGFポリペプチド、および5.0単位/mlのヘパリンポリペプチドを含む。 本発明の好ましい局面において、拡大増殖段階(c)は、(i)培養培地および 非接着細胞を容器から取り外す段階、(ii)容器に、ある量の新鮮な培養培地を 加える段階、(iii)培養培地および非接着細胞を容器から除去し、培地および 非接着細胞を遠心して非接着細胞のペレットを形成させる段階、(iv)非接着細 胞のペレットを容器から採取したある量の培養培地に再懸濁し、非接着細胞混合 液を形成する段階、および(v)非接着細胞混合液を容器に戻す段階を含む。こ の方法において、段階(ii)の新鮮な培養培地の量と、段階(iv)において非接 着細胞のペレットを再懸濁するために容器から採取した培養培地の量とは等しく なりうる。特に、段階(i)は、容器の内面に間質細胞が接着した後に実施する ことができ、段階(ii)および(iii)は段階(i)の約1週間後に実施すること ができる。 これらの方法のそれぞれにおいて、骨髄間質細胞は、脊椎動物、例えば生死に かかわらず哺乳類から、骨髄の一次吸引液より得られた新鮮な間質細胞であるこ とができ、または脊椎動物、例えばヒト、霊長類、ウシ、イヌ、ブタまたはその 他の動物から採取した骨から得ることができる。骨髄間質細胞はまた、骨髄間質 細胞培養物から、または骨髄間質細胞の凍結保存液からも得ることができる。 本発明はまた、12.5容量%以上の胎仔ウシ血清、酸性線維芽細胞増殖因子(「 aFGF」)ポリペプチド、およびヘパリンポリペプチドを含む完全な骨髄間質細胞 培地を特徴とする。特に、培地は12.6〜50容量%の胎仔ウシ血清、0.01〜100.0 ng/mlのaFGF)および0.05〜100単位/mlのヘパリンポリペプチドを含むことがで きる。特殊な態様において、培地は、16容量%の胎仔ウシ血清、1.0 ng/mlのaF GF、および5.0単位/mlのヘパリンを含む。培地はさらに、例えば25 μg/mlの 濃度のファンギゾン(fungizon)のような抗真菌剤と、例えば25 μg/mlのゲン タマイシン、100単位/mlのペニシリン、および100 μg/ml硫酸ストレプトマイ シンといった、一つ以上の抗生物質とを含むことができる。 もう一つの局面において、本発明は、骨髄間質細胞の選択および拡大増殖に関 するキットを特徴とする。キットは、ゼラチン、例えば1.0%ゼラチン水溶液で 内面を予めコーティングされた、aFGFポリペプチドとヘパリンポリペプチドとを 含有する骨髄間質細胞培地を含む一つ以上の培養容器を含む。培地は液体または 凍結乾燥粉末であることができ、容器の中でまたは個別に提供することができる 。 本明細書で用いられる「aFGFポリペプチド」とは、天然に生じるaFGF蛋白質の 全てまたは一部と同じかまたは実質的に同一なアミノ酸配列を有し、骨髄間質細 胞に関して本明細書で記述のように、天然のaFGFまたは全長の組換えaFGFと実質 的に同じ機能を有するあらゆるポリペプチドである。したがって、この用語には 、組換えaFGF(例えば、Life Technologies,Inc.、グランドアイランド、N.Y. が製造したもの;#13241-013)、「aFGF類似体」、すなわちaFGFの変異型、なら びに、これらの類似体および断片が本明細書に記載の骨髄間質細胞に関して天然 型または全長の組換えaFGFと実質的に同じ機能を有する限り、全長のaFGF蛋白質 および類似体の天然または合成のポリペプチド断片が含まれる。これらの類似体 および断片は、下記の培養法を用いることによってそれらの機能を容易に試験す ることができる。これらの方法によって少なくとも107個の細胞を提供しない酸 性FGF類似体および断片は、本発明の範囲内ではない。 同様に、「ヘパリンポリペプチド」とは、天然に生じるヘパリン蛋白質の全て または一部と同じかもしくは実質的に同一なアミノ酸配列を有し、骨髄間質細胞 に関して本明細書に記述のように、天然のヘパリンと実質的に同じ機能を有する あらゆるポリペプチドである。したがって、この用語には、天然のヘパリンまた は化学修飾された天然のヘパリン、例えばヘパリンナトリウム(ElkinsSinn,In c.、チェリーヒル、NJ)、組換えヘパリン、「ヘパリン類似体」、すなわちヘパ リンの変異型、ならびに、これらの類似体および断片が本明細書に記述の骨髄間 質細胞に関して天然のヘパリンと実質的に同じ機能を有する限り、全長のヘパリ ン蛋白質および類似体の天然または合成のポリペプチド断片が含まれる。ヘパリ ン機能は下記の培養法を用いてアッセイすることができる。 「ポリペプチド」とは、長さまたは翻訳後修飾、例えばグリコシル化、リン酸 化、もしくは化学修飾に関わらず、アミノ酸のいかなる鎖も意味し、したがって 天然および合成のペプチドおよび蛋白質を含む。 aFGFまたはヘパリンの「変異型」とは、それが骨髄間質細胞に関して本明細書 に記述のように天然または全長の組換え蛋白質として実質的に同じ機能を有する 限り、天然に生じる蛋白質と比較してアミノ酸配列における何らかの変化を含む ポリペプチドを意味する。これらの変化は、例えば、化学エネルギー、例えばX 線、または他の型の変異誘発、遺伝子操作、もしくはaFGFポリペプチドをコード する遺伝子情報の接合もしくは交換の他の型の結果として、自然発生的に生じう る。変異には、例えば置換、欠失、挿入、反転、転位、または重複が含まれうる 。変異は好ましくは、保存的置換、例えば以下のグループ内での置換であること が好ましい:グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラ ギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン;セリン、トレオニン;リジ ン、アルギニン;およびフェニルアラニン、チロシン。 ポリペプチドに関して本明細書で用いられる「同一」という用語は、2つのポ リペプチド間のアミノ酸配列の類似性を指す。両ポリペプチドにおける、あるア ミノ酸の位置が同一のアミノ酸で占められている場合、それらはその位置で同一 である。したがって「実質的に同一」とは、参照アミノ酸配列と少なくとも80% 、好ましくは85%、より好ましくは90%、および最も好ましくは95%同一で、参 照配列と同じ機能的活性を保持しているアミノ酸配列を意味する。アミノ酸配列 の同一性は、典型的には、配列分析ソフトウェア(例えば、ウィスコンシン大学 バイオテクノロジーセンター、1710 University Avenue,Madison,WI 53705の ジェネティックス・コンピューター・グループの配列分析ソフトウェアパッケー ジ)を用いて測定される。 本明細書で用いられる細胞の「拡大増殖(expansion)」または「拡大増殖さ せる(expanding)」とは、細胞が増殖および生育することを可能にするだけで なく、増殖の終了時には増殖の開始時より多い細胞数が得られるよう繁殖させる こと が可能な時間および条件下で細胞を培養することを意味する。 本明細書で用いられる「継代」という用語は、それによってコンフルエントま で、コンフルエントを含む、およびコンフルエントを超える所定の数または所定 の密度に達した細胞を、組織培養容器から剥離し、遠心によって形成されるペレ ットなどの凝集物として回収し、組織培養培地中に再懸濁するプロセスである。 次に、継代前に接触していた総表面積より、増殖および分裂のために大きい総表 面積が細胞に提供されるよう、懸濁液をプレートまたはフラスコのような組織培 養容器に分配する。これは、容器の数を増加させることによって行ってもよい。 例えば、一つの容器で増殖した細胞を剥離し、回収して再懸濁し、2つ以上の容 器に分配してもよい。このプロセスはまた、細胞増殖および分裂を支持する組織 培養培地のある量を細胞に提供することを含む。 別途定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術的および科学的用語は 、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているのと同じ意 味を有する。本明細書に記述のものと同様または等価な方法および材料は、本発 明を実践または試験するのに用いることができるが、好ましい方法および材料を 下に記述する。さらに、材料、方法、および実施例は、例示のみを目的とするも のであり、制限することを意図していない。 本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および請求の範囲から明ら かとなると思われる。 図面の簡単な説明 図1は、aFGFおよびヘパリンの存在下または非存在下で培養した骨髄間質細胞 の増殖を示すグラフである。増殖は継代当たりの細胞数の百分率変化として測定 する。 図2は、aFGFおよびヘパリンの存在下または非存在下で培養した骨髄間質細胞 の総増殖を示すグラフである。 図3は、トランスフェクトさせたイヌ骨髄間質細胞によるヒト成長ホルモン( hGH)のインビトロ発現および分泌を示すグラフである。 詳細な説明 移植に用いることができる骨髄間質細胞の培養を開発するため、ヒトまたはイ ヌから骨髄を得て、特に調製した組織培養フラスコにおいて増殖させた。さらに 、培地を酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)およびヘパリンで修飾し、特定のレジ メに従って、新しいものと取り替えた。この新規の方法を用いれば、大量の骨髄 間質細胞を培養物中で確立し、間質細胞を用いた有効な遺伝子治療に必要な、前 例のない数の細胞を生じるように拡大増殖させた。 次に、インビトロでのトランスフェクトさせたイヌ骨髄間質細胞によるヒト成 長ホルモン(hGH)の分泌の説明と共に、骨髄間質細胞の培養法を説明する。イヌ骨髄間質細胞の培養法 イヌを完全に麻酔して、腸骨稜から全骨髄を無菌的に吸引した。吸引シリンジ には凝血を防止するためヘパリンを含有させた。骨髄は、シリンジから、抗真菌 剤および抗生物質(50 μg/mlファンギゾン;50 μg/mlゲンタマイシン;100 単位/mlペニシリン;100 μg/ml硫酸ストレプトマイシン)を含むRPMIまたはD MEMのような冷組織培養培地15 mlを含む50 ml遠心チユーブに移した。骨髄吸引 液の約10〜15 mlを各培地チューブに加え、混合液を氷上で維持した。 標準的なフィコールクッション(Ficoll cushion)法によって骨髄試料から有 核細胞を調製した。簡潔に述べると、登録商標フィコール・パック(FIC0LL-PAQ UE)(ファルマシア・バイオテック)15 mlを50 ml遠心管に入れ、各骨髄-培地 試料のそれぞれの半分を注意深くフィコールの上部に層状に載せた。試料を18℃ で、400×gで30分、遠心管の頭部が時間の経過と共に徐々に減速するよう、ブレ ーキをオフにして遠心した。細胞フリー培地を含む、得られた調製物の上層を除 去して捨てた。有核細胞を含む中層を注意深く回収して、上記のように組織培養 培地20 mlを含む新しい50 mlチューブに入れた。最終容量が50 mlとなるように さらに培地を加えた。 有核細胞は骨髄間質細胞を含む。しかし、間質細胞は、骨髄吸引で得られた有 核骨髄細胞の総数のごく小さい分画、すなわち約1000分の1を表しているに過ぎ ない。 有核細胞を100×gで10分間遠心することによってペレットとして回収した。細 胞のペレットを組織培養培地(ファンギゾン(25 μg/ml)、ゲンタマイシン( 25 μg/ml)、ペニシリン(100単位/ml)および硫酸ストレプトマイシン(100 μg/ml)を含むRPMIまたはDMEM)で洗浄し、「完全な骨髄間質細胞培地」(「 完全培地」)5〜10 mlに再懸濁した。再懸濁後、細胞を計数した。 一般に、完全な骨髄間質細胞培地は、以下の範囲の量および濃度の以下の成分 を含む。1〜50%の胎仔ウシ血清(FBS)、好ましくは12.5%以上;0.01〜100 ng/mlのaFGFポリペプチド、例えば組換えaFGF;0.05〜100単位/mlのヘパリン ポリペプチド、例えば、ヘパリンナトリウム;0.25〜250 μg/mlのファンギゾ ン;0.25〜250 μg/mlのゲンタマイシン;1〜1000単位/mlのペニシリン;お よび1〜1000 μg/mlの硫酸ストレプトマイシン、を含むDMEM。下記の実験で用 いるように、完全培地には、16容量%の熱不活化FBS、aFGF(1ng/ml)、ヘパ リン(5単位/ml)、ファンギゾン(25 μg/ml)、ゲンタマイシン(25 μg/ ml)、ペニシリン(100単位/ml)、および硫酸ストレプトマイシン(100 μg/ ml)を含むDMEMが含有された。 組織培養フラスコ(T150 cm2)は、好ましくは、初めにゼラチンおよびFBSで コーティングされている。具体的には、ゼラチン溶液(シグマ;1%水溶液)を 、フラスコの底がちようど覆われるまで各フラスコに加えた。過剰量を除去して 、フラスコを乱さないように、底面を下にして室温で少なくとも30分放置した。 後に使用する場合には、フラスコをこの時点で冷蔵することができる。次に熱不 活化FBSをゼラチン化フラスコに加えた。先のように、過剰溶液を除去してフラ スコを底面を下にして室温で少なくとも30分放置した。フラスコはこの時点で使 用、または冷蔵することができる。 上記のように調製した骨髄の有核細胞を、約1×108細胞/T150の割合で、調 製したフラスコに加えた。細胞を完全骨髄培地15 ml中で5%CO2の存在下、33℃ でインキュベートした。3〜4日後、または間質細胞が組織培養容器の内面に接 着したら、新鮮な完全培地15 mlを、細胞を乱さないように培養物に滴下して加 えた。1週間後、培地内の生命維持成分が枯渇する前に、いわゆる「調整培地」 、すなわち非接着細胞を含むフラスコの培地を除去し、新鮮な完全培地15 mlを フラスコに加えた。非接着細胞を500×gで5分遠心によってペレットにし、調整 培地15 mlに再懸濁して、もとのフラスコに戻した。このように、非接着細胞を フラスコに戻し、新鮮な培地1に対し、調整培地1を含むように培地を交換した 。 一般に、細胞培養のこのレジメの重要な点は:(1)組織培養容器の内面をゼ ラチン溶液でコーティングする、(2)培地を交換する際に非接着細胞を培養物 に戻す、(3)骨髄細胞によって分泌された細胞の増殖を増強する全ての物質を 除去することなく、増殖の維持に十分な栄養物を含む培地を加える、(4)組織 培養培地にaFGFを補添する、および(5)組織培養培地にヘパリンを補添する、 という点である。 非接着細胞を除去し、ペレットにし、新鮮および調整培地を等量含む培養物に 戻すこのプロセスを週1回、2〜3週間、または接着細胞の単層が形成されるま で繰り返した。骨髄間質細胞の単層が形成されたら、それらを1:2または1: 3に分割することによって新しいフラスコに継代した。この時点で、およびこの 時点から、さらなる継代用にフラスコをゼラチンでコーティングするが、FBSは 不要である。同様に、確立された間質細胞に調整培地を与える、または非接着細 胞を培養に戻す必要はもはやない。細胞はこのようにして少なくとも8回以上継 代することができる。 この方法を用いて、イヌまたはヒト(またはその他の脊椎動物)の骨髄間質細 胞を選択および拡大増殖させることができ、個々の被験者の骨髄吸引液から総細 胞数を108個以上にする、およびインビトロでは3×109個以上にすることができ る。骨髄を得るためのその他の技法もまた用いることができる。この方法によっ てイヌから得られた骨髄間質細胞は、線維芽細胞様骨髄間質細胞の特徴的外観を 呈する。遺伝子療法の成功が、極めて低いことがありうるが適当量のトランスジ ーン産物の細胞での産生に依存するとすれば、培養において間質細胞を108個〜1 09個以上に拡大増殖させる能力は実質的な改善といえる。 イヌの一次骨髄吸引液からの間質細胞は、aFGFおよびヘパリンの有無に関わら ず、それ自身P0(継代ゼロ)で培養を確立することができるが、これらの2つの 因子の存在下で増殖する細胞のみが、1回目または2回目の継代後によく増殖し 続ける。さらに、aFGFおよびヘパリンで増殖した細胞は、これらの因子の非存在 下で増殖した間質細胞より長い線維芽細胞様間質細胞の形態を維持していた。実施例 腸骨稜骨髄吸引液は、ALG-5と名付けたイヌから記述のように調製して、細胞 の 半数をaFGFおよびヘパリンの存在下で増殖させ、残りの半分を非存在下で増殖さ せるように2つの部分に分けた。組織培養フラスコに初代骨髄細胞2.75×107個 を播種し、間質細胞調整培地および非接着細胞を初回継代時にフラスコに戻すと いう、上記の方法によって培養した。全てのフラスコが間質細胞のコンフルエン ト層を有した時に、細胞をトリプシン処理してT75フラスコ(継代1、P1)に、P 0フラスコのそれぞれに由来する細胞2.5×106個を播種した。これらの細胞を1 週間後に回収し、さらにaFGFおよびヘパリンの存在下または非存在下のいずれか において、各フラスコから2×106個を継代した(P2)。 同様に、P2細胞を播種後8日目に回収し、細胞1×106個をP3フラスコに継代 した。aFGFおよびヘパリンの非存在下で培養した細胞数には限界があるため、継 代細胞数は、この時点で減少した;再播種に利用できたのは細胞1×106個に過 ぎなかった。各フラスコが同等の大きさの集団を維持し続けるようにこの細胞数 を再播種した。 継代3(P3)の細胞を播種8日後に回収し、1×106個をP4フラスコに播種し た。細胞を継代し続け、回収および再播種の度に注意深く計数した。4回目の継 代後、aFGFおよびヘパリンの存在下で培養した細胞は、これらの因子の非存在下 で増殖した細胞(14日)より速く(7日)コンフルエントに達した。 各継代開始時のフラスコに播種した細胞数と、各継代終了後に細胞を回収した 際に得られた細胞数を比較することによって、細胞数の百分率変化を決定した。 正の数は細胞数の増加を示し、負の数は細胞数の減少を示し、ゼロ値は細胞数の 変化がないことを示している。接着間質細胞は初代培養(P0)の全てのフラスコ において確立された。より高い細胞数は、aFGFおよびヘパリンを欠乏するフラス コのP0終了時に認められた(図1)。両群の細胞はP1の間に増殖するが、aFGFお よびヘパリンの存在下で培養した細胞の増殖は、aFGFおよびヘパリンの非存在下 で増殖した細胞より2.5倍大きかった。おそらくより重要なのは、aFGFおよびヘ パリンと共に培養した細胞は継代2、3、4および5の間も増殖し続けたが、aF GFおよびヘパリンの非存在下で培養した細胞は増殖が非常に悪く、これらの継代 の間、全く増殖しなかったという点である。 図1では、P0の間全てのフラスコが負の数を示したということは、骨髄間質細 胞が一次骨髄吸引液中の有核細胞の総集団のごく小さい集団に過ぎないという事 実を反映し、aFGFおよびヘパリンがインビトロにおけるイヌ骨髄間質細胞の増殖 に有意な正の効果をさらに有することを証明している。 イヌALG-5から得た骨髄間質細胞の総増殖をまた、aFGFおよびヘパリンの存在 下および非存在下で計算した。この数値(総増殖)は、確立期間の終了時の各フ ラスコ中の間質細胞の総数(±aFGFおよびヘパリン)に初回継代時の細胞数の平 均百分率変化を乗じることによって決定した。総増殖は同様に、その後の各継代 について計算した(図2)。図2のグラフに示すように、aFGFおよびヘパリンを 含まない培養では、本質的に増殖を示さなかった。一方、aFGFおよびヘパリンを 補添した培養では、P6までに60×107個以上への有意な増殖計算値を示した。 イヌALG-5に由来する細胞をまた、トリプシン処理および回収の直前、各継代 終了時に肉眼で調べた。aFGFおよびヘパリンによる細胞の増殖は、何代もの継代 の間、線維芽細胞様形態を維持したが、aFGFおよびヘパリンの非存在下で培養し た細胞は、初回または2回目の継代後に平らな形態に変化した。 併せて考慮すると、これらの結果は、aFGFおよびヘパリンがイヌ骨髄間質細胞 の増殖を明らかに増強し、培養におけるこれらの細胞の特徴的な線維芽細胞様形 態を維持することを示している。ヒト骨髄間質細胞の培養法 ヒト骨髄を、股関節置換術の際に捨てられた大腿頭部から除去した。骨髄を得 るにはその他の技法も同様に用いることができる。骨髄を、50 μg/mlファンギ ゾンおよび50 μg/mlゲンタマイシンを含むRPMIまたはDMEMのような組織培養培 地を含むチューブに入れた。滅菌したはさみを用いて、培地に懸濁した骨および 組織を細切し、500×gで10分間遠心して、チューブを静かに逆さにして16%熱不 活化FBSを含む組織培養培地に再懸濁した。次に、大きい骨および組織の断片を チューブの底に約1分間沈殿させた。懸濁細胞を含む上清を注意深く採取して、 500×gで10分遠心した。細胞のペレットを、遠心によって完全骨髄間質細胞培地 中で1回洗浄し、新鮮な完全培地に再懸濁して、細胞を計数した。これらの一次 骨髄細胞は初め、イヌ骨髄間質細胞について上記のように、ゼラチンおよびFBS で予めコーティングしたフラスコ内で1×108個/T150フラスコで培養した。 ヒト骨髄間質細胞は、上記の同じ技法および完全培地を用いてインビトロで選 択および拡大増殖させた。さらに、ヒト大腿骨の小さい断片を、完全培地を含む 調製された組織培養フラスコに入れた。骨髄間質細胞はこれらの断片の外で増殖 して、フラスコに接着し、他の骨髄間質細胞と同様にしてその後処理した。数人 から採取した一次骨髄からヒト骨髄間質細胞を選択および拡大増殖させ、細胞を 少なくとも2×108個に拡大増殖させた。トランスフェクトさせたイヌ骨髄間質細胞によるヒト生長ホルモンのインビトロ 発現および分泌 上記の方法に従って増殖した骨髄間質細胞がトランスフェクトできるか否かを 決定するため、プラスミド発現ベクターpETKhGHを調製して、定法を用いてイヌ 間質細胞にトランスフェクトさせた。イヌのモデルはヒト骨髄系の許容される動 物モデルであり、イヌの試験における結果から、ヒト患者における有効性が適度 に予測される。 ベクターは、イントロンを含むヒト生長ホルモン(hGH)遺伝子を含むプラス ミドpTKGH(セルデンら(Selden)、1986、Mol.Cell.Biol.6:3173〜3179)から 、HSVチミジンキナーゼ(TK)プロモーター配列(ニコルス・インスチチュート ・ディアクノスティックス、サンアンカピストラーノ、CA)の転写制御下で構築 した。さらに、SV40エンハンサーからの179塩基対のFokI-PvuII制限酵素断片に 、pSV(E)-MLPプラスミドの誘導体(ヒュルウィッツら(Hurwitz)、1987、Nuc.A cids.Res.15:7137〜7153)を鋳型として用いたPCRによってHindIII部位のテール をつけ、TKプロモーターのすぐ上流のpTKGHのHindIII部位にクローニングした。 pTKhGHプラスミドは真核細胞複製起点を欠損し、宿主細胞ゲノムに組み込まれな い。そのため、ベクターはhGHを一過性に発現する。 イヌ骨髄間質細胞に、MBS哺乳類トランスフェクションキット(ストラタジー ン・クロ−ニング・システムズ、ラホヤ、CA)を用いたCaPO4-DNA共沈殿法、ま たは製造元の指示に従って登録商標リポフェクタミン(LIP0FECTAMINE)および 登録商標OPTI-MEM I血清減少培地(ライフ・テクノロジーズ)を用いた陽イオン 脂質-DNA複合体法のいずれかによって、pETKhGHをトランスフェクトさせた。CaP O4法はイヌALG-3から得た細胞のトランスフェクトに用い、リポフェクション法 はイヌA LG-9から得た細胞のトランスフェクトに用いた。P2でT15フラスコに細胞を播種 して1日後、DNAをCaPO4法によって3.2×106個にトランスフェクトさせた。細胞 をpETKhGHプラスミド150 μgで24時間トランスフェクトさせた。これらの細胞は 活発に増殖し、線維芽細胞様形態を示した。 P6をT150フラスコに播種後1日目に、DNAをリポフェクションによって1.2×106 個にトランスフェクトさせた。これらの細胞の増殖速度は、より早期の継代時 に認められた速度より遅く、細胞がより平らに広がって見えるように細胞形態は 変化した。これらの細胞を、登録商標リポフェクタミン試薬0.24 mlを含む登録 商標OPTI-MEMの総容量4.28mlにおいて、pETKhGHプラスミド40 μgで6時間トラ ンスフェクトさせた。 hGH分泌のレベルは、hGH-TGESキット(ニコルス・インスチチュート・ディア クノステイツクス)を用いたラジオイムノアッセイ(RIA)によって求めた。結 果は2つの測定の平均値として表した。初期(P2)および後期(P6)継代イヌ間 質細胞はいずれも発現プラスミドpETKhGHでトランスフェクトされた後に、高レ ベルのhGHトランスジーン産物を発現および分泌した(図3)。hGH発現の絶対値 は調べた個々の動物、細胞の継代回数、およびトランスフェクション法によって 変動した。 図3に示すように、イヌALG-3からの細胞によって発現されたhGHの絶対値は、 1〜2.5 μg/24時間/106個まで変動した。イヌALG-9からの細胞によって発現 されたhGHの絶対値は、P6からP7までの細胞でほぼ3〜約5μg/24時間/106個 まで変動し、その後約0.5に減少し、P8およびP9ではそれぞれほとんどゼロに減 少した。その他の態様 本発明のその他の態様において、骨髄間質細胞は組織培養における拡大増殖の 前後のいずれかに凍結保存することができる。 一次骨髄吸引液を凍結保存するためには、上記のフィコール勾配技法を用いて 有核細胞を調製し、例えば2〜5×107個/mlの密度で50%培地、50%FBSに懸濁 する。例えば、この懸濁液の900 μlを、例えば、2 mlの滅菌超低温バイアル( コ−ニング、#25704)に採り、DMSO 100 μlを加えた。バイアルを-80℃で24時 間 保存し、長期保存のためには-150℃のフリーザーまたは液体窒素タンクに移した 。 培養で増殖する間質細胞を凍結保存するためには、組織培養容器から培地を吸 引し、細胞をダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水(ギブコ 14190-144)で1回洗 浄した。次に細胞をトリプシン-EDTA(0.05%トリプシン、0.53 mM EDTA;ギブ コ25300-062)溶液を用いて、フラスコまたはプレートの表面から剥離する。等 量の培地を加えてトリプシン処理を停止させ、細胞がペレットになるまで、細胞 懸濁液を500×Xgで遠心した。ペレットにした細胞を培地、例えば3 mlに再懸濁 して計数した。細胞密度は、10%ジメチルスルフォキシド(DMSO;シグマD-8779 )を含む培地で1×106個/mlに調節した。細胞は例えば、滅菌超低温バイアル (コーニング#25704)に1 mlの容量で分注し、-80℃で直ちに一晩保存した。24 時間後、長期保存のため、バイアルを液体窒素タンクまたは-150℃フリーザーに 移す。 大量の培養間質細胞を凍結保存する技法もまた開発した。例えば、上記のよう に細胞を回収した後、細胞懸濁液200 mlを250 ml遠心管に入れ、細胞をペレット にするために500×gで遠心する。ペレットにした細胞を培地10〜20 mlに再懸濁 して計数する。次に懸濁液を培地で45 mlの容量にし、18ゲージ針を備えた滅菌 シリンジによって移動パック容器(バクスター・フェンウォール、4R2001)に加 えた。次に、DMSO5 mlを加え、パックを-80℃で一晩保存する。24時間後、長期 保存のため、パックを液体窒素タンクまたは-150℃フリーザーに移す。 本発明はその詳細な説明と共に記述されており、前記の説明は、添付の請求の 範囲によって定義される本発明の範囲を例示することを目的としており、制限す るためではないことと理解される。その他の局面、利点、および修飾は、以下の 請求の範囲の範囲内である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,C A,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI ,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,M G,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM, TT,UA,UG,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)骨髄間質細胞を得る段階、 (b)ゼラチンで内面を予めコーティングされた、酸性線維芽細胞増殖因子 (「aFGF」)ポリペプチドを含有する培養培地を含む容器に、間質細胞を入れる 段階、および (c)骨髄間質細胞数の増加を得るための条件下で、かつそのために十分な 時間、培養培地中で間質細胞を拡大増殖させる段階 を含む、骨髄間質細胞を拡大増殖させる方法。 2.培養培地に、少なくとも0.05単位/mlのヘパリンポリペプチドがさらに含ま れる、請求項1記載の方法。 3.培養培地に、1.0〜50.0容量%の胎仔ウシ血清、0.01〜100.0 ng/mlのaFGF ポリペプチド、および0.05〜100単位/mlのヘパリンポリペプチドがさらに含ま れる、請求項2記載の方法。 4.培養培地に、16.0容量%の胎仔ウシ血清、1.0 ng/mlのaFGFポリペプチド、 および5.0単位/mlのヘパリンポリペプチドが含まれる、請求項3記載の方法。 5.ゼラチンが1.0%ゼラチン水溶液である、請求項1記載の方法。 6.骨髄間質細胞を入れる前に、胎仔ウシ血清で容器の内面をさらに予めコーテ ィングすることをさらに含む、請求項1記載の方法。 7.拡大増殖段階(c)に以下の段階が含まれる、請求項1記載の方法: (i)培養培地および非接着細胞を容器から取り外す段階、 (ii)ある量の新鮮な培養培地を容器に加える段階、 (iii)培養培地および非接着細胞を容器から取り、該培地および非接着細 胞を遠心して、非接着細胞のペレットを形成させる段階、 (iv)容器から採取されたある量の培養培地に非接着細胞のペレットを再懸 濁して、非接着細胞混合液を形成する段階、および (v)非接着細胞混合液を容器に戻す段階。 8.段階(ii)における新鮮な培養培地の量と、段階(iv)における非接着細胞 のペレットを再懸濁するために容器から採取した培養培地の量とが等しい、請求 項7記載の方法。 9.容器の内面に間質細胞が接着した後に段階(i)を行う、請求項7記載の方 法。 10.段階(ii)および(iii)が段階(i)の約1週間後に行われる、請求項7記 載の方法。 11.骨髄間質細胞が、脊椎動物からの骨髄の一次吸引液より得られる新鮮な間質 細胞である、請求項1記載の方法。 12.骨髄間質細胞が、脊椎動物から採取された骨から得られる、請求項1記載の 方法。 13.骨髄間質細胞が、骨髄間質細胞培養物または骨髄間質細胞の凍結保存液から 得られる、請求項1記載の方法。 14.骨髄間質細胞が哺乳類のものである、請求項1記載の方法。 15.骨髄間質細胞がヒトのものである、請求項14記載の方法。 16.骨髄間質細胞イヌのものである、請求項14記載の方法。 17.12.5容量%以上の胎仔ウシ血清、酸性線維芽細胞増殖因子(「aFGF」)ポリ ペプチド、およびヘパリンポリペプチドを含む、完全な骨髄間質細胞培地。 18.12.6〜50容量%の胎仔ウシ血清、O.01〜100.0 ng/mlのaFGFポリペプチド、 および0.05〜100単位/mlのヘパリンポリペプチドを含む、請求項17記載の培地 。 19.16容量%の胎仔ウシ血清、1.0 ng/mlのaFGF、および5.0単位/mlのヘパリ ンを含む、請求項17記載の培地。 20.抗真菌剤および一つ以上の抗生物質をさらに含む、請求項17記載の培地。 21.抗真菌剤が濃度25 μg/mlのファンギゾン(fungizon)であり、一つ以上の 抗生物質に、25 μg/mlゲンタマイシン、100単位/mlペニシリン、および100 μg/ml硫酸ストレプトマイシンが含まれる、請求項20記載の培地。 22.(a)内面をゼラチンでコーティングされた培養容器、および(b)aFGFポリ ペプチドとヘパリンポリペプチドとを含有する骨髄間質細胞培地を含む、骨髄間 質細胞の選択および拡大増殖のためのキット。
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