JP2000503630A - 微生物感染症の治療用治療剤及び診断剤 - Google Patents

微生物感染症の治療用治療剤及び診断剤

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Abstract

(57)【要約】 病原体感染の処置のための治療ぺプチド、ワクチン及び診断剤。

Description

【発明の詳細な説明】 微生物感染症の治療用治療剤及び診断剤 技術分野 本発明は、微生物感染症を治療するための治療用ペプチド類及び炭水化物類、 ワクチン類及ひ診断剤に関し、また接着阻止技術を特徴とする。背景 感染症において、病原体は、体内で移動する白血球に類似の仕方で一方の位置 から他方の位置に通行又は移行する。白血球と微生物との通行の相同、最も顕著 には、分子のアドレス認識、シグナル伝達、及び内皮及び上皮を通過することは 、多くの微生物の接着及び信号系が宿主タンパク質及び炭水化物部分の機能的及 び分子的擬態の進化産物であることを意味している。細胞生物学及び微生物病原 論のこの近似現象は、哺乳動物細胞の通行の各系に対し、ネットワークと親密に 懇意な病原体が存在することを予測している。 宿主を感染させる病原体の能力は、もはや単に細胞死滅させる及び/又は宿主 の免疫機序を圧倒する侵入又は毒素生産特性によって単に定義すべきではない。 それよりも、最近の研究(1、2、3、27、20、44、52)は、微生物の 病原性は、病原体の成長及び増殖に好ましい細胞及び組織環境を見出す手段とし て宿主の細胞伝達ネットワークを利己的に利用するそれらの能力によってより正 確に定義することができることを示唆している。したがって、病原体は、宿主の 複雑な化学及び細胞環境を利己的に利用しながら宿主 に対する損傷をできるだけ少なくする。機能的な言葉で、組織指向性の基礎とな る病原体の選り抜きの組織環境への移動は、特定の分子アドレスを持っている宿 主細胞又は細胞外マトリックスを病原体が認識した結果と見ることができる。他 の微生物接着の因子が、機能して宿主細胞に合図して、細胞又は周囲の支質への 病原体の侵入又は通行を調和する。他の宿主−寄生体相互作用において、病原体 は、病原体の成長及び増殖を援護して宿主の代謝機構を先取又は向け直す細胞内 信号を展開させる。これらの目覚ましい行為は、宿主の白血球、内皮細胞、上皮 細胞及び他の標的細胞の接着分子を包含する細胞−細胞伝達ネットワークを病原 体が使用することによって達成されると思われる。 米国特許出願番号第08/247,972号(PCT/US95/06832 に関連)及ひ第08/483,558号は、リポソーム担体中の単離ホスホマン ノタンパク質(phosphomannoprotein)細胞壁複合体である、カンジダ・アルビ カンス(Candida albicans)の接着分子を含有するカンジダ症の治療用ワクチン を開示している。 この従来技術は、病原体及び感染因子が、宿主細胞自体の機構(認識及び信号 系)を使用して、宿主細胞を模倣し、また微生物が宿主内を通行しかつ比較的容 易に細胞及び組織に入ることを可能とすることを認識していなかった。本発明者 等は、病原体が宿主細胞万能抗原(付着又は接着分子)を使用して付着及び増殖 することを見出した。本発明は、従来技術における困難に打ち勝って、病原性感 染症の治療用の万能型ワクチンを開発する。発明の開示 本発明の目的は、接着タンパク質、脂質分子又は炭水化物分子等の 標的宿主細胞分子のアドレスを模倣する微生物付着分子から成るワクチンを提供 することにある。 本発明は、宿主細胞上の分子アドレスに結合することができる1種又はそれ以 上の付着分子又はその断片から成り、その結合によって、1つ又はそれ以上の信 号伝達路を誘発し、かつ選択された病原体及び/又はその毒素が宿主組織を通行 することを可能とすることができる予防及び治療ワクチンを提供する。 本発明の他の目的は、白血球、内皮細胞及び上皮細胞から成る群から選択され る細胞の宿主細胞接着タンパク質又は炭水化物分子を模倣する微生物付着分子か ら成るワクチンを提供することにある。本発明は、また微生物付着分子から成る ワクチンも規定する。 別の実施態様において、本発明は、宿主の白血球、内皮細胞、上皮細胞及び他 の標的細胞から成る群から選択される細胞の宿主細胞(接着)タンパク質又は炭 水化物分子を模倣する微生物付着分子に特異的なモノクローン抗体から成る診断 アッセイを提供する。 有利なことに、本発明は、病原体の接着分子を模倣し、かつ宿主の白血球、内 皮細胞、上皮細胞及び他の標的細胞から成る群から選択される細胞のレセプター 分子と相互作用する分子から成る治療用ペプチドを提供する。治療用ペプチド分 子は、宿主接着分子のレセプター(リガンド)と特異的に反応してもよい。逆に 言えば、本発明は、宿主細胞の接着分子を模倣し、かつ病原体の接着分子と相互 作用する(を阻害する)分子から成る治療用ペプチド又は炭水化物を提供する。 本発明は、病原体に対し免疫を発現するためのワクチンを得る方法であって、 (a) 宿主細胞に発現した領域を模倣する病原体の付着分子(PAM) を単離し; (b) 前記単離した付着分子の少なくとも1つの領域に対するモノクローン 抗体(mAbs)を発現し; (c) 前記mAbsによって結合されたエピトープの精製を行い; (d) 病原体の付着分子のトポロジーを反映するペプチドドメインから成る ワクチンを得る の各工程から成ることを特徴とする方法を提供する。 本発明の上記及び他の目的は、本発明の好ましい実施態様だけを本発明を実施 する最良の形態を単に例示するものとして示し、かつ説明する以下の詳細な説明 及び図面から、当業者に容易に明らかになるであろう。容易に認識されるように 、本発明は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業界の技術の範囲で 改変することができる。図面の簡単な説明 図1は、宿主/接着系の概略図を示す。1(a)は、付着分子を有する好中球 宿主細胞を示し;1(b)は、付着分子を有するリンパ球宿主細胞を示し;1( c)は、付着分子を有する単核球宿主細胞を示し;1(d)は、付着分子を有す る内皮宿主細胞を示す。 図2は、原形試験管内(in vitro)血管ずれ流動系の概略図を示す。 生体内(in vivo)鏡検を用いる生体内ずれモデルも本発明によって開発され、無 処理動物の細静脈に見られる生理学的剪断力下での細胞相互作用を検討した。発明の説明 本発明は、微生物感染症を治療するための治療用ペプチド類及び炭水化物類、 ワクチン類及び診断剤に関する。一般に、本発明のワクチンは、微生物付着分子 から成る。より具体的に、本発明のワクチン類は、標的宿主細胞接着タンパク質 又は炭水化物分子を模倣する微生物付着分子又はその断片から成る。 好ましい実施態様において、宿主細胞接着タンパク質又は炭水化物分子を模倣 する微生物付着分子は、白血球、内皮細胞及ひ上皮細胞から成る群から選択され る宿主細胞を模倣する。 付着分子は、セレクチンに実質的かつ機能的に類似した分子のようなセレクチ ンに似ていてもよい。好ましい実施態様において、セレクチン分子は、E、L及 びPセレクチンに類似したものから選択される。 本発明のワクチンの別の実施態様において、付着分子は、インテグリン、好ま しくはインテグリン類のVLA、Leucam及び細胞接着ファミリーに似てい る。さらに、インテグリン分子に実質的かつ機能的に類似の分子を使用してもよ く、VLAI−6、MAC−1、LFAI−3、CD41a、CD49及びCD 51インテグリン類から選択されるインテグリン分子がより好ましい。 さらに別の実施態様において、付着分子は、免疫グロブリンスーパーファミリ ーの一員、好ましくは免疫グロブリンスーパーファミリーのICAMI−3、V CAM、NCAM及びPECAMに似ている。免疫グロブリンスーパーファミリ ー分子に実質的かつ機能的に類似の分子も、本発明を実施する際に使用すること かできる。 さらに別の実施態様に関し、付着分子は、サイトカイン又はケモカインファミ リーの一員に似ている。 あるいはまた、本発明のワクチンによれば、付着レセプター分子 は、ムチン分子あるいは原核又は真核的接着タンパク質に似ていてもよい。 本発明のワクチンにおいて、病原体によって模倣される宿主細胞接着タンパク 質又は炭水化物分子は、白血球、内皮細胞、上皮細胞及び神経系の細胞から成る 群から選択される細胞のものである。好ましい実施態様において、内皮細胞は、 ICAM−1及びVCAM−1正腸内皮細胞、MAdCAM−1正腸内皮細胞及 びPNAd−1正抹消リンパ節内皮細胞等のサイトカイン活性内皮細胞から選択 される。標的宿主細胞は、肺胞マクロファージを含む鼻咽頭及び肺胞の細胞から 成る群から選択される呼吸器路細胞でありうる。 ワクチンに微生物付着分子を供給する微生物は、百日咳菌(Bordetella pertu ssis )、中央アフリカ産げっ歯類マラリア病原虫(Plasmodium berghei)、熱帯 熱マラリア病原虫(Plasmodium falciparum)、カンジダアルビカンス(Candid a albicans )、赤痢菌種(Shigella sp.)、赤痢アメーバ(Entamoeba histolyt ica )、コレラ菌(Vibrio cholerae)、サルモネラ種(Salmonella sp.)及び大 腸菌(E .coli)0157:H7を含む微生物から選択することかできる。ある いはまた、微生物は、マイコバクテリア、レジュネラ(Legionella)、葡萄球菌 、連鎖球菌、ヒストプラスマ及び肺炎球菌からも選択することができる。微生物 は、偽結核エルジニア菌(Yersinia pseudotuberculosis)又はエルジニアエン テロコリチカ(Yersinia enterocolitica)でありうる。 微生物が百日咳菌である場合、付着分子は、百日咳毒素及び糸状血球凝集素( FHA)又は機能的に同等の分子であるのが好ましい。百日咳宿主細胞認識分子 は、タンパク質サブユニットS2及びS3によってコードされる。微生物が、ヘ リコバクターピロリ(Helicobacter pylori)である場合、付着分子は、フコース化された血液型O型抗原で相互作 用することによって胃上皮細胞に接着するのが好ましい。 あるいはまた、微生物は、腟トリコモナス(Trichomonas vaginalis)、三鞭 毛トリコモナス(Tritrichomonas foetus)、クリプトスポリジウム(Crytospor idium )、ジアルジア(Giardia)及びエントアメーバ(Entamoeba)から選択す ることもできる。付着分子は、リーシュマニア(Leishmania)のgp63であり うる。 かくして、本発明のワクチンは、とりわけ、ヒストプラスマ症、肺ブラストミ セス症、ノカルジア症、クリプトコックス症、気管支肺カンジダ症、肺アスペル ギルス症、結核症、感染症及び在郷軍人病(Legionnaires disease)から選択され る微生物感染症の治療用である。 本発明のワクチンにおいて、接着分子は、炎症内皮上のリガンドを認識するL FA−1、Mac−1及びP150.954から成る群から選択されるCD18 接着を模倣するのか好ましい。接着は、プラスミド遺伝子によって発現された、 又はコレラ菌、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria menigni tidis )、緑膿菌(Pseudomonas aerginosa)及び大腸菌(Escherichia coli)か ら成る群から選択される菌株からの束形成ピリ繊毛に関連した19kDaのEA F繊毛束形成ピリ繊毛接着である。あるいはまた、腸内微生物の接着は、上皮細 胞形質膜に接着する外膜タンパク質染色体コード94kDaインチミンでありう る。本発明の他の実施態様において、接着レセプターは、好ましくはN−アセチ ルノイラミン酸残基の鎖状重合体を有するポリシアル酸である。本発明のワクチ ンのポリシアル酸は、髄膜炎菌のB群多糖類及び大腸菌のK1多糖類から選択す ることかできる。 本明細書で使用する用語粘着(adhesin)分子とは、微生物又は病原体付着分 子だけを言い、また用語接着(adhesion)分子とは、宿主及び病原体付着分子の 両方を言う。診断アッセイ 本発明の診断アッセイは、宿主の白血球、内皮細胞、上皮細胞及び他の標的細 胞から成る群から選択される細胞の宿主細胞(接着)タンパク質又は炭水化物分 子を模倣する微生物付着分子に特異的なモノクローン抗体から成る。 モノクローン抗体は、興味のある病原体に接着する。モノクローン抗体は、そ っくりそのまま参照することによって本明細書に組み入れられるサンブルーク( Sambrook)及びマニアチス(Maniatis)等、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(1989)、コールド・スプリング・ハーバー出版に記載されている手順に 従って、興味のある接着又は付着分子に対して作成することかできる。 呼吸している微生物の検知、同定及び計数のための検定は、 a) 微生物試料を採集装置に通して細胞を捕獲し; b) 採集装置に呼吸している細胞の検出に特異的な蛍光色素染料を加え、そ して染料を保温させる; c) 採集した細胞を微生物試料中に存在する興味のある微生物と反応する反 応性蛍光抗体で処理し; d) 前記採集装置を、適切な光学系を使用して蛍光色素染料及び蛍光抗体を 励起して蛍光を発する蛍光顕微鏡法によって調べるために据えつけ;及び e) 前記呼吸している標的微生物細胞の量の尺度として蛍光を定量する の各工程から成る。呼吸している微生物の検出に特異的な蛍光色素染料は、呼吸 している微生物によって吸収されて、その微生物のチトクローム系によって不溶 性ホルマザン結晶に転化されるのが好ましい。呼吸している微生物の検出に特異 的な蛍光色素染料は、テトラゾリウム化合物であるのがより好ましい。テトラゾ リウム化合物は、5−シアノ−2,3−ジトリルテトラゾリウムクロライド(C TC)であるのが最も好ましい。 別の実施態様において、本発明は、 a) 標的バクテリアに特異的に結合する1種又はそれ以上の抗体を含む免疫 磁気(immunomagnetic)ビーズを試験試料液と混合し; b) 前記試料液を1時間までの間ビーズと相互に作用させ; c) この試料を、標的バクテリアが付着した磁気ビーズを試料液から分離さ せる磁気分離器中に入れ; d) 試料液から液を吸引して、バクテリアが付着したビーズを残し; e) ゆるく結合したバクテリア及び他の粒子を試料液から除去する溶液でビ ーズを洗浄し; f) バクテリアか付着したビーズを、呼吸しているバクテリアの検出に特異 的な蛍光色素染料と混合し; g) ビーズ上のバクテリアを蛍光染色又は特異的な蛍光接合抗体で処理し; h) 前記試料を、適切な光学フィルター系を使用して蛍光色素染料及び蛍光 色素標識抗体を励起するエピ蛍光顕微鏡法によって調べるために据えつけ;及び i) 前記呼吸している標的バクテリアを蛍光させて定量するの各工程から成 る呼吸している標的バクテリアの検知、同定及び計 数のための方法を規定している。 この検定は、そのままそっくり参照することによって本明細書に組み入れられ る、1994年5月18日に出願した米国特許出願番号第08/245,262 号又はPCT/US95/05971の開示に従って免疫磁気ビーズを用いて実 施することができる。さらに、本出願に対応する暫定米国特許出願番号第60/ 007,477号をそのままそっくり参照することによって組み入れる。治療用ペプチド 本発明は、病原体の接着分子を模倣し、かつ宿主の白血球、内皮細胞、上皮細 胞及び他の標的細胞から成る群から選択される宿主細胞のレセプター分子と相互 作用する分子から成る治療用ペプチドも包含する。 好ましい実施態様において、治療用ペプチド分子は、宿主接着分子のセレクチ ンファミリーのレセプター(リガンド)と特異的に反応する。治療用ペプチド分 子は、宿主接着分子の免疫グロブリンスーパーファミリーのレセプターと反応す るのか好ましい。あるいはまた、ペプチド分子は、宿主接着分子のインテグリン ファミリーのレセプターと反応し、又は宿主細胞接着分子を模倣し、かつ病原体 の接着分子と相互作用する。 あるいはまた、ペプチドは、宿主接着分子の細胞質遺伝子又はケモカインファ ミリーのレセプターと反応し、又は宿主接着分子を模倣し、かつ病原体の接着分 子と相互作用する。 本発明者等は、脊椎動物の自然に産出する内因性ペプチド抗生物質が、ウイル ス、バクテリア、真菌及び寄生虫性の感染症に対する効果的な抑止剤として作用 することを見出した。遺伝子コードペプ チド抗生物質は、哺乳動物、鳥類、両性類、昆虫及び植物における宿主防御の偏 在する成分である。それらの新規合成(de novo synthesis) は貯蔵部位からの放出を急速に誘発して、それらを微生物侵入に対する抵抗の 初期に特に重要にすることかてきる。動物の内因性抗生物質ペプチドは、一般に 単一遺伝子の産物であり、プレプロタンパク質として合成される。多工程プロセ ッシングによって、微生物膜透過化を誘発することによって又は微生物表面への 接着によって作用することができる成熟ペプチド又はペプチド群を得る。接着ペ プチドは、感染微生物の表面に現れた炭水化物又は脂質に結合するレクチンとし て作用し、よって微生物を免疫検出及びクリアランスにより受け易くする。これ らの結合ペプチドは、感染に至る微生物の宿主接着を阻止する作用も行う。 抗微生物ペプチドのいくつかのファミリーが、ジスルフィド結合、アミノ酸組 成、構造的立体配座及び活性スペクトルの存在に関し異なっていると確認された 。これらのペプチドは、動物及び植物において著しく豊富で、かつ広く分布して いる。治療用化合物としてより高度の真核生物の抗生物質ペプチドの役割が、自 然免疫における中心的テーマである。C型レクチン類又は炭水化物結合レクチン 類はが、セレクチン類並びにMicrobial Lectins and Agglutinins、1996、ニュー ヨーク、ジョン・ウイリー・アンド・サンズに挙げられている微生物付着分子の 宿主を特徴付けている。この引例は、レクチンを使用して宿主標的細胞上の炭水 化物リガンドに結合する約60種の微生物を同定している。宿主の炎症細胞上の もの同様、微生物レクチン類は、細胞−細胞相互作用、例えは、バクテリア−内 皮又は貧食細胞相互作用における認識の分子として役立つ。さらに、寄生虫の侵 入、その細胞内成長及び細胞の最終的な死に対して宿主細胞 を生成するする信号伝達に関与する。レクチンは、単体及び複合体の両方の、及 び溶液中で自由であろうが、細胞表面にあろうが、可逆的かつ非共有結合的に単 糖又はオリゴ糖と結合する。これらの細胞表面の糖類は、レクチンレセプター又 はリカンドと呼ばれ、レクチンの特異性を同定する。レクチン類は、バクテリア 繊毛等の特異の細胞小器官に関する細胞の表面にしばしば現れ、又はバクテリア によって作れあげられた外毒素の構造の一部である。 自然に産出する又は工作された、宿主−寄生虫接着関連信号伝達及び接着を標 的とする抗接着特性を有するmAb類又ペプチド類が、宿主組織に結合する微生 物を必要とする宿主感染症用の診断剤、治療剤及びワクチンを製造するために有 効である。接着によって定義される病原性 血管系を通行する多くの病原体は、種々の組織をシードする手段として剪断下 に作用する接着経路を用いている。本発明者等は、この概念は、普遍的に適用で き、また任意の病原体によって異なる解剖学系(呼吸器、消化器管、尿路等)に 独特の宿主接着経路の使用を示すと信じる。したがって、多くのバクテリア、ウ イルス、真菌及び寄生虫微生物のビルレンスを定義する新しい手法を、宿主の伝 達ネットワークを浸透する原核及び真核的接合タンパク質の検出及び特性表示に 向けることができる。異なる宿主−寄生虫の関係に関するいくつかの研究によっ て、病原体が感染の途中で宿主の細胞−細胞接着系をどのように使用するかを明 らかにする。ある種の顕著な研究の結果を示して、微生物を宿主細胞−細胞ネッ トワークに浸透させ、かつ感染の行路を指図して展開した機能的擬態のタイプを 例証している。 多くの病原体は、血管系に侵入し、かつそれによって運ばれることによって侵 入門戸から離れている組織及び器官へ散在又は通行する。いくつかの場合に、病 原性バクテリア、真菌及び原生動物が、それらの病理発生中に、セレクチン類及 びインテグリン類を含む宿主の接着系を巧妙に操ることが示された。病原体による宿主細胞−細胞伝達ネットワークの倒錯の分子的根拠 タンパク質−炭水化物相互作用が、無数の生物学的出来事を制御していることが 明らかであるけれど、タンパク質−炭水化物結合の低い結合定数が、生物学的伝 達における炭水化物リガンドの正確な役割について疑問を起した。しかしながら 、セント・ヒライア等(21)によって提案された微生物毒素−宿主細胞相互作 用のモデルは、宿主によって用いられたものに対する微生物接着系に見られるタ ンパク質−炭水化物相互作用の類似性に注意を向け、また後者の相互作用が、レ セプター/リガンド対の堅い結合ではなく特異性に関連することを示している。 堅い結合は、タンパク質−タンパク質又はタンパク質−脂質相互作用によって促 進されると思われる。この原理は、認識が、タンパク質(セレクチン)−炭水化 物(シアリルLe)結合によって伝達されるが、堅い結合及び平坦化が、タンパ ク質−タンパク質(インテグリン/リガンド)又はタンパク質−脂質結合の結果 である好中球漸増に対して実証された。同様にセント・ヒライア等は、VTEC ホロ毒素のB−サブユニット(最小の公知レクチン類の1種)の接着が、ボツリ ニス、百日咳及びジフテリア毒素の作用の形態(22)の回顧でもあるタンパク 質−炭水化物(毒素を標的とするために)及びタンパク質−脂質(毒素の再防虫 への侵入のために)の両相互作用を援用していることを示した。この動機 の普遍性には、多くのタンパク質−炭水化物−脂質伝達生物学的認識系に関する 構造的かつ精力的研究を必要とする。 病原体又は毒素による宿主の標的細胞の認識及びそれに対する堅い結合は、真 核細胞のアクチンネットワークの変更を生じる信号経路の活性化の前兆である( 23)。一般に、これらの二次信号伝達は、しばしば細胞の死という結果となる 細胞質ゾルの遊離カルシウムの増大、アクチン細胞骨格の急速な再配列又は分裂 、及びリソソーム補充及び集落化を含む破壊的結果を誘発する。多くの病原性バ クテリア、大部分はグラム陰性微生物は、宿主細胞に結合することによって誘発 される特殊(III型)分泌系によって作られるタンパク質をコードする遺伝子 を獲得し、かつ明らかに容易に共有している(24)。これらの新規のビルレン スタンパク質は、分泌されたタンパク質を正常には膜透過させる信号配列の欠如 によって識別されるが、細胞質ゾル中の特異タンパク質の付着構造を含んでいる と推定される。これらは、病原体と標的細胞との特異タンパク質−炭水化物相互 作用、その後の細胞内の信号伝達のために必要な構造的かつ精力的な変化を促進 するタンパク質−タンパク質の堅い結合の結果として侵入すると思われる。微生物病原体による宿主接着系の分子的及び機能的擬態例 異なる宿主−寄生虫の関係に関するいくつかの研究によって、病原体が感染の 途中で宿主の細胞−細胞接着系をどのように使用するかが判明し始めた。ある種 の顕著な研究の結果が、病原体を宿主細胞−細胞ネットワークに浸透させ、かつ 感染の行路を指図して展開した機能的擬態のタイプを例証している。宿主及び微 生物接着分子が、各系において強調されている。白血球/内皮細胞伝達ネットワーク 血管内皮細胞への接着には、白血球が血液から組織に出ることが必要である。 これらの相互作用は、血液中の白血球と内皮細胞の両方によって発現される接着 タンパク質によって制御される。本発明者等は、セレクチン類と呼ばれる接着分 子の最近説明されたファミリーにおけるいくつかの接着タンパク質の機能を特性 表示した(4、5、6、7)。セレクチン類は、それらのレクチン様構造が、標 的細胞上の炭水化物の認識によって選択的な接着相互作用を伝達するので、その ように命名される(8)。1つの白血球セレクチンと2つの血管セレクチン(E −及びP−セレクチン)が定義された。内皮細胞以外に、血小板もP−セレクチ ンを発現する。L−セレクチンは、白血球によって構成的に発現されるか、免疫 サイトカイン、ヒスタミン又は外傷性発作による内皮細胞の活性化が、E−及び P−セレクチンを誘発するのに必要である。セレクチン類以外に、サイトカイン −活性内皮細胞上のVCAM−1(9)、腸の高内皮性細静脈上のMADCAM −1、抹消リンパ節における高内皮性細静脈上のPNAd−1(10)、高炭水 化物含有ムチン様分子(11、12)、及びある種のインテグリン(VLA4及 びLPAM−1)(13、14)等の他の接着タンパク質も細胞−細胞相互作用 を媒介する。インテグリン類は、内皮又は上皮細胞を誘発させることによって白 血球又は微生物の遊出の準備において堅い結合をゆるめる働きをする重要な接着 タンパク質である。 大抵の場合、白血球と内皮細胞との接着相互作用は、内皮の単層に沿っての白 血球の回転によって代表される。これらの回転相互作用は、血管系を通って移動 する白血球の速度の>1000倍の低下を生じさせることができる。白血球/内 皮細胞相互作用の分析によ って、特定のクラスの接着タンパク質が血管系に特徴的に見られる剪断下での結 合を優先的に媒介することが実証されている(15、16、17、18、19) 。例えば、白血球と内皮細胞との多くの十分に特徴付けられた静的な接着相互作 用[例えば、ベータ−2インテグリン類(LFA−1、MAC−1)によって媒 介されるもの]は、血流を反映するように設計された高剪断条件下の試験管内検 定においては起こらないことかわかった(17、19)。これと異なり、剪断下 に優先的に機能する接着分子が確認された。表1は、浸潤に関連した白血球−内 皮細胞接着タンパク質の定義の一覧表であり、それらが剪断又は静的条件のいず れで最もよく機能するかを示している。表1 剪断下に試験した接着分子 最適条件で試験した接着分子 機能条件 白血球 内皮細胞 剪 断 静 止 E−セレクチン − + + − P−セレクチン − + + − L−セレクチン + − + − MAdCAM−1 − + + + PNAd + + +/− VCAM−1 + + −/+ + ICAM−1 + + − + Mac−1 + − − + 1−LFA−1 + − − + VLA4 + − −/+ + ベータ−1 + + −/+ + LPAM + − + + 本発明者等は、血管内皮に沿っての白血球の回転か、他の接着相互作用を生じ させて、白血球を血管内皮に堅く結合させると推断する。次に、血管内層を通る 移行又は通行が起こる。したがって、3工程が、血管壁に沿う白血球のうまくい く進行に関連する。 1) セレクチン類に関係する剪断依存付着及び回転、 2) 活性化依存接着強化(回転の減速)、その後の堅い接着、 3) 内皮上の誘導性インテグリンによって制御される細胞の内皮を通過する 移行。 これらの3工程は全て、創傷又は感染部位への炎症白血球の効果的な補充、又 はリンパ組織のシーディングに必要である。 免疫グロブリンスーパーファミリー分子、ICAMI−3、VCAM、NCA M及びPECAMの微生物模倣物の単離は、ここに説明するようにして成される 。浮遊IGスーパーファミリー模倣物の公知のリガンド、例えばインテグリント との相互作用は、微生物模倣物の特徴付けの一部である。 そのうちのいくつかは初期の応答で説明されているように糖タンパク質である 原核及び真核の両接着タンパク質の多くの例がある。セレクチン類及び微生物レ クチン類を含む炭水化物結合レクチン類の全てが、主として現存している糖タン パク質であり、色々な程度に炭水化物で装飾されている。 真核接着タンパク質は、セレクチン類、インテグリン類、及び免疫グロブリン スーパーファミリー及び細胞−細胞信号伝達及び認識 を促進する一連の接着分子、例えば、T細胞上のCD4及びCD8、GTP結合 タンパク質(RhoA)、サイトカイン類及ひ成長因子(IL−n、TGF−β 1及び肝細胞成長因子)を含んでいる。5を越えるケモカインレセプターが、白 血球中に確認され、白血球の通行における大きな役割を演じているように思われ る。 今や、宿主寄生虫相互作用における大きな努力が、宿主白血球、内皮細胞、上 皮細胞及び神経系細胞等の宿主細胞のアクチンネットワークの変化を促進する接 着微生物細胞性、分泌化合物によって開始される信号伝達に向けられている。 血液中を通行する白血球は、a)リンパ球、b)好中球、c)単核球及びd) 血小板と様々に分類される。血液か持つ細胞と相互作用する、又はそれから得ら れる他の細胞には、抗原提示細胞(M細胞、枝状細胞、マクロファージ)及び薬 理学的に活性な化合物を作成又は分泌する細胞(肥満細胞、好酸球)がある。リ ンパ球群には、それらが演じる異なる機能的役割によって定義される抗原反応性 T細胞類(細胞障害性、ヘルパー細胞、抑制性、等)のサブセット及びそれらが 発現する表面抗原類又はレセプター類の組合せがある。T細胞の2種の異なるサ ブセットは、宿主の免疫応答を細胞性免疫応答(Th1)又は体液性免疫応答( Th2)に向ける手助けとなる。他のリンパ球群、B細胞類は、IgMの初期単 量体及びもっと後のIgD分子であり、血漿細胞に成熟した後に、免疫グロブリ ンを生産、分泌する膜結合免疫グロブリン類の存在によって特徴付けられる。 マクロファージは、血液が持つ単核球から発現し、また抗体の多くの細胞表面 レセプター、補体、及び内皮及び表皮を貫通する移動を促進する種々の細胞−細 胞相互作用を携えている。枝状細胞も、 大きな運動性細胞であり、マクロファージ同様、抗原のリンパ球に対するプロセ ッシング/提示に関与する。 免疫系の細胞及び炎症細胞応答に関与するものの多くは、血液及びリンパ中で 非接着細胞として循環し、また付着細胞として組織を通って移行する。異抗原又 は炎症性刺激の存在下に、これらは、リンパ系器官中に集まり、内皮及び基底膜 障壁を横切って感染部位に凝集し、そして異抗原を持つ細胞に接着することがで きねばならない。白血球の付着及び非付着状態間には、免疫監視及び反応の二機 能に重要な、急激な転移かある。接着レセプターの3つの主なるファミリーは、 白血球の局在下及び移行又はホーミングを宿主の異なる組織に指図する。免疫グ ロブリンスーパーファミリーは、T及びB細胞の抗原特異レセプター中に見られ 、インテグリンファミリーは、内皮及び上皮を横断する白血球の接着及び移行の 動的制御に重要であり、またセレクチン類は、白血球の血管内皮との相互作用に 卓越している。ある場合に、これらの接着分子の対レセプター又はアドレッシン が、白血球をパイエル板、皮膚又は腎臓内皮に移行させる組織又は細胞特異性で あることが判明した。血小板は、それらの白血球及び内皮細胞との相互作用を介 して血管生理学の変化、及び感染及び炎症関連した薬理学的に活性の薬剤の作成 に密に関係する。P−セレクチンは、血小板のα顆粒及び内皮細胞のヴァイベル −パラーデ体に貯蔵され、トロンビン等の凝固カスケードの生成物による刺激後 にこれらの細胞の表面に急激に流通され、好中球及び単核球の接着を媒介する。 これらの因子は、再灌流及び外傷性創傷並びに組織及び器官の機能を阻害する他 の血管での出来事に作用する。 上皮細胞は、哺乳動物の消化器官、生殖泌尿器官、上部呼吸器官 及び種々の器官の管腔表面を被覆する。上皮細胞は、インテグリンファミリーの 多くの構成員を発現し、また病原体接着分子類(PAMs)の対レセプターとし て機能する異なる糖接合体の宿主を保持している。神経系細胞の例には、星状細 胞、神経膠細胞、シュヴァン細胞及びニューロンがある。神経系細胞に見られる 優性宿主接着分子は、NCAM及びICAMである。PAMに結合するリガンド 対レセプターは、シアル酸に富んだ構造体である。ICAM−1、VCAM−1 、MAdCAM−1(パイエル板)及びPNAd−1(抹消リンパ節)を持つ内 皮細胞の例。 内皮細胞は、(a)炎症伝達物質による刺激及び(b)組織又は器官環境中の それらの位置付けに依存する1種又はそれ以上の接着分子を発現しうる。ICA Mサブファミリーは、一般に、感染又は組織損傷の間に作られるリポ多糖、γ− インターフェロン、インターロイキン−1及び腫瘍壊死因子(TNF)を含む炎 症伝達物質による刺激の結果として内皮細胞上に発現される。VCAMは誘導動 態及びICAM類に類似した機能を有するが、ICAM類がLFA−1インテグ リンに結合するのに、VLA−4インテグリンとだけ相互作用する。 血液中のリンパ球は、特殊「高」内皮細胞に結合してリンパ節に入る。異なる タイプのリンパ節中の特殊HEV上に選択的に発現した「アドレッシング」と呼 ばれる分子は、ホーミングレセプターリカンドとして機能する。したかって、M AdCAM−1を発現する内皮細胞は、パイエル板及びインテスチンに関連した リンパ系の固有層の高内皮細静脈に見られる。PNAd−1を発現する内皮細胞 は、抹消リンパ節に見られる。 内皮細胞上に発現したものを模倣する病原体の付着分子の単離は、 付着分子のリガンドを発現する標的細胞を用いる試験管内又は生体内接着アッセ イ系での本発明者等のその検出及び特定表示から始まる。例えば、病原体によっ て使用されるMAdCAM−1様分子を検出するために、MAdCAM−1リガ ンドを発現する標的細胞系、α4β7インテグリンを使用する。インテグリンを 発現する線維芽トランスフェクタント類もアッセイに使用することができる。接 着分子を検出すれば、その特異性が、微生物の標的細胞への接着を阻止する抗− MAdCAM−1モノクローナル抗体(MECA−367)を用いる処理によっ て立証される(バルガッツ(Bargatze),R.等、1995、Immunity、3:99 −108)。同様に、VCAM様又はICAM様付着分子か、インテグリンα4 β1又はLFA−1をそれぞれ発現する標的細胞を用いるアッセイで検出される 。百日咳 − 百日咳菌は、その糸状血球凝集素(FHA)を用いて白血球インテ グリン信号伝達複合体と直接相互作用して、血管ネットワークに及びそれから移 動する(25)。インテグリン類に結合する分子の記号は、Arg−Gly−A spトリプレットである。この配列は、しはしは接着ドメインの一部として多く の他の原核タンパク質に見られた。インテグリン類は、大抵の哺乳動物細胞系の 隣接細胞を結合する重要な役割を演じているので、ある種の病原体は、内皮及び 上皮を横断するためにこの認識系を使用するようになった。この機構によって、 百日咳菌は、それ自体の付着及び宿主細胞接着信号伝達経路を吸収することによ る全身性播種の潜在能力を高める。FHAは、マウス呼吸系感染における重要な 定着因子であることが証明された。感染におけるその役割は、抗−FHAmAb sで阻止することによって首尾よく鈍らせられた(26)。 マラリア − 中央アフリカ産げっ歯類マラリア病原虫及び熱帯 熱マラリア原虫に感染した赤血球は、大脳マラリアに関連したしばしば重傷の合 併症を招く。これらの合併症は、それら自体及び内皮に機械的に接着することに よって脳の血流を妨害する感染赤血球の直接的な結果である。マウスマラリアモ デルにおける血管及び白血球接着分子の役割を調べる研究において、LFA−1 (インテグリン)接着分子に対するmAbを用いる静脈内処理によって中央アフ リカ産げっ歯類マラリア病原虫に感染した赤血球が、脳内皮に結合しかつ血流を 妨げることが防止されることが示された(27)。熱帯熱マラリア原虫に感染し たヒトの患者からの赤血球を調べる他の研究によって、ヒト脳内皮への付着の手 段としてE−セレクチン及びVCAM−1への特異的接着が実証された(28) 。 カンジダ症 − カンジダアルビカンスに関する研究によって、それが、血液 原の酵母細胞のマウス脾臓辺縁層マクロファージ及び抹消リンパ節(おそらく、 インテグリン)に接着する能力の原因であるホスホマンノタンパク質をその表面 に発現することが示された(29)。血管の細胞外マトリックス中のフィブロネ クチンに結合するカンジダアルビカンスは、血液播種性真菌症の真菌接着を促進 する直接的役割を演じると示唆された(30)。呼吸器官病原体 呼吸器官は、病原体に対して3つの環境:鼻咽頭の線毛を持つ上皮、肺胞及び 肺胞マクロファージを与える。線毛の持つ上皮に付着する病原体は、組織指向性 に関し炭水化物アドレスを頼りにしている。肺胞に対する肺炎の古典的病原体の 局在も、炭水化物認識に基づくものであるが、分子関与体は知られていない。宿 主との微生物のアドレス認識及び信号伝達系の機能的相同を明らかにする最も決 定的な研究は、肺胞マクロファージに関するものである(26)。マクロファー ジは、炎症を引き起こされた内皮上のリガンドを認識する接着分子のCD18フ ァミリー、LFA−1、Mac−1及びgp.150.954を用いることによ って肺に侵入する。他の余り頻繁には使用されない経路は、肺炎球菌によって引 き起こされるCD−18ではない経路を含み、また重要な伝達物質としての血小 板活性化因子を包含する。肺胞マクロファージに侵入し、そこに駐在する病原体 は、マクロファージに侵入し、かつ白血球からさもなくば致死の酸化的群発を妨 ける手段として接着分子のCD18ファミリーを使用している。レジュネラ、マ イコバクテリア、連鎖球菌及びヒストプラズマは、インテグリンそれ自体又はC 3bi等の自然架橋リガンドのいずれかの種々のCD11/CD18決定子に結 合する(1)。 感染過程における微生物接着及び信号伝達の役割に関する最も決定的な研究が 、百日咳菌を用いる感染について行われた(35、32)。百日咳菌は、マクロ ファージに2種の接着リガンド:百日咳毒素(PT)及び上記糸状血球凝集素( FHA)を与える。PTは六量体であり、そのBオリゴマーもC型セレクチン: フコース化ポリラクトサミンに類似の炭水化物嗜好性のレクチンである。PTの レクチンに似た特徴は、百日咳菌の線毛及びマクロファージへの接着を指図する 。PTの細胞認識特性が、80%相同であり、またC型セレクチンに見られる残 基(15乃至55)の領域と同一である2種のタンパク質サブユニット、S2及 びS3に局在された。この配列相同性は、サブユニットが、好中球のセレクチン 被覆表面との相互作用を阻害することができる点で共通の機能に及ぶ。 PTの第二の特性は、白血球接着分子のインテグリンファミリー の機能をアップレギュレーションする能力である。PT接着による炭水化物のリ ゲーションが、CR3に特異のリガンドである第二の接着FHAを付着させ、ま たマクロファージ中へのバクテリアの取り込み及び生存を誘発させるインテグリ ンCR3(Mac−1)をアップレギュレーションする。したがって、PT接着 は、感染過程において2つの機能:アドレス認識及びマクロファージに信号を伝 達して微生物のレセプター部位の増大、を有している。 病原体が、肺胞マクロファージ接着系を用いて感染工程を開始し、また多くの 場合に宿主接着分子を使用する能力を利己的に利用して、他の組織及び器官に広 めることに「なった」と思われる他の疾病には、幡種性ヒストプラスマ症、肺ブ ラストミセス症、ノカルジア症、クリプトコックス症、気管支肺カンジダ症、肺 アスペルギルス症、在郷軍人病及び結核症がある。胃腸器官病原体 胃腸器官は、病原体に、胃の円柱上皮から十二指腸、空腸及び回腸のブラシ状 の縁取りの上皮までを潤す酸性環境、及び結腸の立方上皮を始めとしていくつか の環境を与える。胃腸器官の管腔面は、上皮細胞層中に埋め込まれた高度に特殊 化された杯細胞によって主として生産される粘液で覆われている。粘液は、ある 領域と次の領域で、さらには腸管の領域内の細胞同士で化学組成が異なる。シア ル酸残基に富む糖タンパク質の粘液類は、下にある上皮を微生物活性の有害作用 から保護する重要な役割を演じている。 腸の正常な細菌フローラは、GI管の感染の過程を指図する重要な役割を演じ ている。競合及びそれらの拮抗関係及び遺伝的相互作用を促進する種々の種が存 在する大腸の純質量の微生物(1m2、1010 /g)は、宿主と非常に複雑な関係を生じる。胃腸器官の病原体は、細菌及び真 菌の非常に大量の寄生種を含んでいる。 まとめて腸内桿菌と呼ぶ腸バクテリア病原体は、共通の抗原を共有し、かつ遺 伝的に関連する幾つかの属の元に正式に分類される。腸内桿菌の共有する特性の 中には、接着分子、外毒素及び内毒素を含むそれらのビルレンスに寄与する因子 がある。腸内微生物間の新しい遺伝因子を交換する結果として、新しい菌株が生 じ、既にある大量の腸内病原体に加わる。適切な例は、二次ビルレンス因子を保 持する最近進化された病原体クローンに属する大腸菌病原体0157:H7、志 賀様細胞毒素(ベロトキシン、verotoxin)及びプラスミドコード接着(34)で ある。 多くの腸内バクテリア感染の組織病理学、付着及び展退(A/E)は、病原体 の腸上皮への特異的付着及び内毒素、ある場合には力価の高い外毒素の関与の結 果である(35)。大抵の腸内病原体は、試験管内組織培養細胞及び生体内エン テロサイト及びコロノサイトの両方への細菌性結合のA/E形を示す。細胞接着 の伝達物質は、細菌染色体上に存在する遺伝子集団(eaeA loci)及び /又はEAFと呼はれるプラスミドコード因子(EPEC付着因子)に依存する 複雑な表現型に寄与するように思われる(36、37)。ベロトキシン原性大腸 菌(VTEC)、毒素原性大腸菌(ETEC)及び腸管病原性大腸菌(EPEC )、ハフニアアルベイ(Hafnia alvei)及びシトロバクターフロインディ(Citr obacter fruendi)の多くの血清型は、eaeA陽性であり、類似した接着表現 型を有している。eaeA−陰性大腸菌(38)及び胃病原体ヘリオバクターピ ロリ(39)によって生産されたA/E病巣は、下にある細胞骨格要素の検出可 能な補充を欠いている。 2つの付着形態かeaeA遺伝子及び/又はプラスミドコード遺伝子座の発現 から得られる(40、41、42)。第一又は最初の(局在)付着は、束形成線 毛(BFP)と呼ばれる19kDaのEAF繊毛接着によって促進される。BF P接着は、微絨毛の表面への付着及び展退に至る事態の開始を生じる。興味のあ ることに、大腸菌のBFPのアミノ酸配列は、その全てがIV型フィムブリエフ ァミリーの一員であるコレラ菌、淋菌、髄膜炎菌及び緑膿菌の線毛に類似してい る。19kDaの接着タンパク質が、上皮細胞上の炭水化物リガンド、又はあま り起こりそうもないが、粘液に関連する特異の炭水化物エピトープと反応するこ とが提案されている。この付着及びその後の微定着に引き続き、細胞内カルシウ ム濃度の上昇、宿主細胞タンパク質チロシンキナーゼの活性化、液分泌及び重傷 ベロトキシン原性大腸菌感染における細胞骨格構造の十分な変化を生じることに なる信号の伝達が行われる。インチミンと呼ばれる接着構造を含む染色体コード 94kDaの外膜タンパク質(OMP)によって促進される第二の付着は、微生 物を上皮細胞形質膜に密に付着させ、上皮の細胞骨格タンパク質に顕著な効果を 及ぼし、またある場合に粘膜下組織への侵入に至る細胞信号伝達を増幅するよう に思われる。大腸菌インチミンのアミノ酸配列は、偽結核エルジニア菌及びエル ジニアエンテロコリチカのものに非常に類似している(44)。インバシン類は 、高い親和力で、ベータ−1ファミリーインテグリンレセプター類の一員に結合 して、細菌の効果的な取り込みを媒介する。したがって病原性大腸菌がOMP接 着を用いてベータ−1インテグリンドアを通過し(呼吸器感染におけるベータ2 インテグリン類とは非常に異なる)、また上皮細胞の細胞骨格に沿って移動する と信じる理由がある。 ヘリコバクターピロリは、世界の人口の大半に効果的に定着し、現在慢性胃炎 及び消化性潰瘍形成の主因と受け入れられている(45)。この細菌は、上皮細 胞及び胃壁の粘膜層に親和的である。胃上皮細胞への付着は、血液型Oの表現型 に関連したフコース化血液型抗原と相互作用するレクチン様接着によって媒介さ れる(46)。表面上皮の退化は、細胞毒素、ウレアーゼ及びLPS等のプロ炎 症生成物を含む細菌生成物質の活性の予想される結果である。 大腸菌、志賀赤痢菌(1型)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)及び コレラ菌のある種の血清型は、単一32kDano「A」サブユニット及び5x 7.7kDaの「B」サブユニットから成る力価の高い71kDaの多ペプチド サブユニット細胞毒(志賀様又はベロトキシン)を生産する(22)。B−サブ ユニットは、ホロトキシンの宿主の内皮細胞上の高親和性(Kd=1010M)の 細胞表面レセプターへの結合を促進し、その中に入る。内皮細胞レセプターは、 糖脂質、ガラクトースδ−1,4−ガラクトース−β−1,4−グルコースセラ ミド(Gb3)である(47)。A−サブユニットは、リボソームレベルで内皮 細胞におけるタンパク質合成を阻害する。 大腸菌及びピロリ菌による感染の伝達物質としての細菌付着は、赤痢菌種、コ レラ菌及びサルモレラ種並びに多くの原生動物寄生虫(赤痢アメーバ)及びウイ ルスに記載されたものより起こりそうである。上皮表面に病原体を位置させる際 に、内皮表面を変える又は撤去する他のビルレンス因子(毒素、酵素等)の作用 の下地を作る。これらの接着相互作用は、病原体を清浄のフローラの拮抗挙動及 び腸の蠕動運動の潮紅作用から単離する働きもすることができる。中枢神経系 細菌性髄膜炎は、微生物の感染の最初の部位から髄膜の細胞への通行の結果で あると思われる。髄膜炎菌が感染した場合、侵入門は、鼻咽頭であり、微生物は 、感染の明白な兆候なしに長時間そこに留まる。一方、大腸菌によって引き起こ される髄膜炎は、胃腸器官又はたまに下部呼吸器官及び尿路にその原因がある。 細胞付着は、上皮細胞上の特異の炭水化物レセプターの認識を伴う侵入門での 感染を確立する役割をどうも演じているらしい。 フィネ(Finne)の研究(48)は、糖タンパク炭水化物の一部として、ポリシ アル酸が、脳における細胞のアドレスの認識に重要な役割を演じているという意 見を支持している。ポリシアル酸鎖は、α2−8結合によって結合されたN−ア セチルノイラミン酸残基の重合体である。1鎖当たり12又はそれ以上と多くの炭 水化物残基が存在する。シアル酸は、糖タンパク質に普通に見られるN−結合ト リ−及びテトラアンテナリ型であると思われる核グリカンに結合している。若い 哺乳動物の脳は、大人の脳が、あまりシアリル化されておらずまたより短い鎖で あるのに比べて、非常にシアリル化されている。種々の研究か、ポリシアル酸の 主なる役割が、シアル酸に富んだ嚢を持つ微生物を通行するための特異な分子ア ドレスが髄膜細胞の接着分子に存在することを示唆する脳における接着活性を調 節することにあると示唆している。 髄膜炎菌の嚢型特異多糖は、シアル酸に富んだ酸性糖残渣の重合体である。大 抵は、有効な免疫原であるが、髄膜炎菌のB型多糖及び大腸菌のK1多糖は、低 力価の低親和性IgMクラスの抗体を刺激する。B及びK1多糖に対する劣った 反応は、どうも脳ポリシアル酸と化学的に同等である嚢物質に対する免疫的な反 応性のなさの結果であるらしい。いずれにせよ、髄膜炎菌又はK1を持つ大腸菌 による脳細胞における接着レセプターの認識は、これらの微生物の組織親和性を 説明している。他の微生物付着系 淋菌は、内皮細胞表面に付着することによって生殖泌尿器官の感染を開始する 人の必須の病原体である(40)。この付着は、線毛化株だけか、細胞に付着す ることかできるので、線毛関連接着によって伝達される。付着に際し、淋菌は、 外膜タンパク質によるある形態の信号伝達に従って上皮細胞によって吸収される ようになると思われる(50)。多くの淋菌か、柱状上皮細胞間に侵入し、おそ らく上皮細胞連結に関連するインテグリンレセプターを活性化することによって 上皮下組織に到達する。 リーシュマニア症は、リーシュマニア(Leishmania)属に属する原生動物の幾 つかの種の1つによって引き起こされる一群の病気である。これらの原生動物は 全て、フレボトムス(Phlebotomus)属のサシチョウ蠅蝿に噛まれることによって 運ばれる。リーシュマニア属の主なる表面糖タンパク質である、gp63、フィ ブロネクチン様分子は、寄生虫−マクロファージ相互作用に重要な役割を演じて いる(51)。マクロファージ中の寄生虫のその後の成長及び残存が、病気の間 細網内皮系の一部又は全部の大規模な併発に寄与している。 ヘルペスウイルス 全ての公知のウイルスタンパク質のうち、二三のものは、 宿主細胞タンパク質に著しい配列相同性を有しているが、ウイルス因子は、付着 及び侵入のために宿主細胞上の認識分子に頼っている。しかしながら、RNAレ トロウイルス及び2クラスのDNAウイルス、すなわちポックスウイルス及びヘ ルペスウイルスは、サイトカインの分子擬態を用いて宿主細胞機能を破壊してい る(20)。ヘルペスウイルスのケモカインレセプター相同体は、信号を宿主白 血球の細胞質に伝達する宿主膜タンパク質を模倣し、ヘルペスウイルス複製及び /又は潜伏の確立のためのサイトゾル環境を確保している。 本発明者等がこれらの研究から引き出した大変革の結論は、全てではないが大 部分の病原体が、宿主のものを機能的に模倣する接着分子を使用することによっ て宿主のネットワークに浸潤することを「学んだ」ということである。原核接着 分子の機能的及び分子的性質を理解する本発明者等の出願は、新世代の診断試薬 、治療用化合物及びワクチンの開発に至った。 本発明者等は、微生物起源及び「試験管内進化」によって同定下両方の機能的 に類似しているが、抗原性的には識別できる接着分子に対する免疫化のための高 力価の免疫原を検出する新規の試薬を開発する。さらに、特定の群の免疫学的に 適格の細胞を、感染的接着が起こるらしい器官及び組織部位(即ち、腸管又は鼻 咽頭領域)に補充する新規のアジュバントを開発する。 本発明は、微生物−宿主信号伝達及び接着を廃棄した、診断薬、治療薬及びワ クチンを開発するための新規の方法である。白血球と微生物との通行の相同、最 も顕著には、分子のアドレス認識、シグナル伝達、及び内皮及び上皮を通過する ことは、多くの微生物の接着及び信号系が宿主タンパク質及び炭水化物部分の機 能的並びに分子的擬態の進化産物であることを意味している。細胞生物学及び微 生物病原論のこの近似現象は、哺乳動物細胞の通行の各系に対し、ネットワーク と親密に懇意な病原体が存在することを予測している。 幾つかの病原体−宿主細胞接着系の機能及び特徴が、試験管内剪断アッセイ系 を用いて本発明者等によって確認された。これらの宿 主−寄生虫接着系には、ベロ細胞毒原性(verocytotoxic)大腸菌、胎児三鞭毛ト リコモナス、カンジダアルビカンス及びハンタウイルスがあるが、これらに限定 されない。(1)接着因子及び標的細胞上のそれらの対レセプターの検出及び特 性表示を助成し、かつ(2)適切な標的細胞を用いる試験管内付着の動力学を定 義するために微生物接着因子に対するモノクローン抗体を開発した。本発明は、 試験管内標的細胞−病原体系の各々の接着相互作用の性質及び機能を定義する。 一実施態様において、本発明は、以下のことを用意する。 1. 接着アッセイに使用するための病原体の凝集物又は懸濁液の調整。 2. 接着アッセイのために標的細胞の初代培養の調整。 3. 剪断下の病原体の標的細胞レセプターとの接着性の評価。 4. 異なるレベルの剪断力下の病原体と標的細胞との接着相互作用の親和性 の評価。 5. 抗セレクチン及び抗インテグリンを含む抗接着試薬の標的細胞−病原体 相互作用に及ぼす効果の試験。 インテグリン分子に対する機能的な同等物(宿主相同体)の数例がある。1) ICAM−1内皮細胞に結合するライノウイルスの表面上のインテグリン様領域 ;2)ICAM−1に結合するカンジダアルビカンスの表面;及び3)腸上皮上 のN−アシル−ガラクトサミンに結合する赤痢アメーバの表面。 ワクチン製剤を調製して使用するために、インテグリン様付着分子(アドヘシ ン)をここで述べるように定義、調製する。成功の鍵は、(1)微生物遺伝子に よってコードされる、ゆえに哺乳動物に異物(免疫原)である接着分子の接着部 位のアミノ酸配列及び(2) 凝集形態又はそれを安定化し、生体内での退化から保護する媒体中あるかの免疫 装置に対する提示に依存している。 それらの自生の及び機能形態のインテグリン類、VLA、Leucam及びサ イトアドヘションは、宿主由来のものであるのでワクチンの製造に使用しない。 その代わりに、宿主細胞又は細胞外基質タンパク質上の類似のリガンドと反応す る宿主のインテグリン分子の微生物ペプチド相同体を使用する。あるいはまた、 それらと共に、ファージ−表示選択によって等「試験管内進化」を経て発展させ た分子も使用することができる。本論文において、寄生虫又は病原体は、偶然に 、またおそらく遺伝的盗用によって、機能的に類似しているが、宿主レセプター 分子(インテグリン、セレクチンあるいは炭水化物、タンパク質又は脂質リガン ド構造体)とは抗原的に異なる糖タンパク質、糖脂質又は炭水化物構造体を得た 。 病原体及び宿主の両方の接着関連信号伝達及び接着性レセプター及びリガンド の同定によって、白血球、内皮細胞及び上皮細胞から成る群から選択される細胞 と相互作用する病原性微生物(又は機能的類似体)のアドヘシン分子又は病原性 微生物の接着分子と相互作用する宿主細胞(類)(又は機能的類自体)の接着分 子から成るワクチンの開発が規定される。 新世代の生物学的製剤: 接着阻止剤 明確な感染症モデルに伴う接着の効果的な阻止を立証することによって、多く の細菌、ウイルス、真菌及び原生動物感染症用の新規のワクチン類、治療剤及び 診断剤を開発する基礎が提供される。この「接着阻止技術」(ABT)は、ヒト 及ひ動物両方に使用するための一連の新規の製品及び用途を生じる。宿主への通 行が接着によ って媒介される事であり、そして接着に基づく試薬から成る又はそれを含む効果 的な新規の診断剤、治療剤及びワクチンが開発される病原体の数例には、例えば 、サルモネラ、赤痢菌、コレラ菌、エルジニア、ボルデテラ、レジュネラ、カン ジダ、ヘリコバクター、ナイセリア、ヒストプラスマ、リーシュマニア種、イン フルエンザ、ハンタウイルス、HIVウイルス、大腸菌(VTEC)、トリコモ ナス、アイメリア(Eimeria)、ネズミマクムシ(Trypanosoma)、EBウイルス(Eps tein-Barr virus )、肺炎球菌(Pneumococcus)、連鎖球菌、風疹(Rubella)、ヘル ペス、ブドウ球菌、クラミジア(Chlamydia)及びジアルジア(Giardia)がある。 「接着阻止剤」を使用する利益 「接着阻止剤」技術は、新世代のワクチン、治療剤及び診断剤の基礎となり、 また以下のような既存の治療及び検出技術に勝る利益を提供する。 ワクチン − 新規の高特異性及び組織標的サブユニットワクチン技術の開発 は、侵入注射の必要を排除する経口的又は経鼻的に投与することができるより効 果的かつより低コストのワクチン群を提供する。本発明者等は、特異の細胞(例 えば免疫)区画の誘導部位への接着性抗原を標的とする微生物(接着性)抗原の 限界ペプチドドメインを発現する生ベクター送達系から成るWu等(54)に記 載されたもののような組換えワクチンを開発する。得られた免疫応答は、粘膜表 面及び全身免疫区画のほぼ全域の両方で効果的であることが示された。 治療剤 − 新世代の治療用化合物の有効性を、接着性ペプチド(56)及び 炭水化物(57)を用いて細胞−細胞接着相対作用を 阻止することができることを示す研究で実証した。したがって、接着性レセプタ ー又は炭水化物の両ペプチド模倣体を含む抗微生物治療剤は、病原体が、宿主細 胞のレセプターリガンドに付着するのを処置又は予防するのに有効である。本発 明者等は、抗接着モノクローン抗体を用いて接着性ペプチドドメインのアミノ酸 配列を明らかにして、ファージペプチド表示ライブラリーを調べる(58)。こ のような治療剤は、無毒であり、比較的安く製造及び投与され、また抗生物質治 療によくあることだが、病原性種内の突然変異による「抵抗」の発現によって妨 害されない治療及び/又は治癒活性を有している。 診断剤 − 新世代の診断剤は、任意の群の病原体(例えば、サルモネラ種、 連鎖球菌等)の全てのサブタイプではないが大部分に共通する主なる、共通のビ ルレンス因子(接着分子)を検出及び同定することができる。また、接着分子は 、おそらく大抵の病原体によって血液及び他の体液中に注がれるので、適切な抗 体に基づく検定(アッセイ)によって兆候の出る前に十分に検出することができ る。本発明に基づく診断アッセイは、「計量棒」技術のように使用し易く、安価 であり、そのうちの幾つかは、店頭(OTC)製品として売買することができる 。実施例1 細胞表面のストレプトコッカル抗原(SA I/II)に応答するT−細胞及 び抗体は、“T-cell, adhesion, and β-cell epitopes of the cell surface Streptococcus mutans protein antigen I/II”と題されたKelly, C.G., Todryk , S., Kendal, H.L., Munro, G.H.,Lehner, T., Department of Immunology, Un ited Medical School at Guy's Hospital, London, United Kingdom の、Infect. Immun.(United Stat es), Sep. 1995, Vol.63, No. 9, pp. 3649-58において述べられているように 、自然に感作したヒトで研究する。 血清抗体の応答は、唾液の受容体への細菌性接合に関与するSAI/IIのN −末端(残基39〜481)と中心(残基816〜1213)領域に支配的に指 向する。T−細胞の応答も中心領域に支配的に向けられる。接着性エピトープは もちろん、免疫優勢で小数のT−細胞及びB−細胞が関連する直線状のペプチド も残基816〜1213内にマッピングされる。免疫優勢のT−細胞及びB−細 胞のエピトープは残基803〜853内に確認でき、それは接着性エピトープ( 残基1005〜1044)から直線配列内で分離される。接着性エピトープは、 少数のB−細胞とT−細胞のエピトープ(残基1005〜1054及び1085 〜1134)とオーバーラップする。免疫優勢で乱交差するT−細胞のエピトー プ(残基985〜1004)は、接着性のエピトープ(残基1005〜1024 )に隣接する。接着性エピトープに応答する限られたB−細胞は、口腔内をクロ ーン化するストレプトコッカスミュータンスの系列と一致している。T−細胞の 戦略といえる接着性とB−細胞のエピトープのマッピングとは、重要な機能的決 定基に応答することに焦点を合わせたサブユニットのワクチンの成分を同定する ための一般的なアプローチを表す。 SAI/IIのエピトープは、歯のカリエスに対するサブユニットワクチンの 成分を構成する。実施例2 抗血清は、“Antibodies to peptides corresponding to a conserved sequence of gonococcal pilins block bacterial adhesion.”と題された、Rot hbard, J.B. Fernandez, R., Wang, L., Teng, N.N.,Schoolnik, G.K. の、Proc . Natl. Acad. Sci. USA, Feb. 1985,Vol. 82, No. 3, pp. 915-9に記載された ように、同類の菌株及び異型の菌株の両方から得られる無傷の線毛と交差反応す る能力について淋菌株(ゴノッコッカルストレイン)MS11のアッセイを行い 、それから得られる線毛の定常配列及ひ可変配列に対応する7個の合成ペプチド のそれそれに対して生成する。このペプチドはおおよそ等しいアンチペプチド応 答を誘導するが、無傷の線毛と交差反応させた抗血清を生じさせる能力は実質的 に異なる。保存された配列の領域に対応するペプチドに対する抗血清については 、残基69−84に向かう抗血清が固体−相のアッセイとイムノブロットの両方 でテストされた全ての菌株から得られる線毛を結合する点で最も有効である。ま た抗−69−84は、ヒトの子宮頚部内細胞を結合することかわかっている線毛 のトリプシンによって生じたフラグメントを効果的に沈澱させる。この二つのペ プチド(121−134及び135−151)に対する血清が、MS11線毛と の交差反応を同じようにする菌株−特異性のエピトープを含んでいることは前記 に示したが、異型の菌株から得られる線毛を結合する能力については異なる。抗 −121−134は菌株−特異性であるが、これに対して抗−135−151は 全てのテストした線毛に結合する。それぞれの血清は、ヒトの子宮癌の細胞ライ ンへの細菌性結合を阻害する能力について検査する。残基41−50及び69− 84に対して生じた血清が、異型の淋菌株が結合しないようにうまく阻害する。 これらのぺプチドは、淋病を抑制するための効果的なワクチンの成分である。 本発明にかかる診断薬またはアッセイは、白血球、内皮細胞、上皮細胞、及び 他の標的の宿主細胞からなるグループより選択された細胞と相互作用する病的器 官の接着性分子に特異的なモノクローナル抗体、即ちぺプチド構築物を含んでい る。実施例3 肺炎マイコプラスマ(Mycoplasma pneumoiae)のゲノムライブラリーは、“Iden tification of P1 gene domain containing epitope(s)mediating Mycoplasma p neumoniae cytoadherence.”と題された、Dallo,S.F., Su, C.J., Horton, J.R ., Baseman, J.B. Department of Microbiology,University of Texas Health S cience Center, San Antonio の、J. Exp. Med. (United States), Feb. 1, 19 88, Vol. 167, No. 2,pp. 718-23に記載されたように、発現べクターラムダg t11に剪断したゲノムのDNAをクローニングすることによって構築する。 組換えクローンは、細胞接着を仲介する接着性P1エピトープと反応する抗− 肺炎マイコプラスマmAbを用いてスクリーニングする。異なる大きさの挿入物 を持った10個のクローンが単離される。これらのクローンは、P1遺伝子のC OOH末端に局在するP1配列を持っている。全てのクローンは、肺炎マイコプ ラスマで感染した患者の急性期及び回復期の血清と反応する融合タンパク質を産 生する。おもしろいことに、一つのクローン、即ちP1−7は、一個のコピーと して肺炎マイコプラスマのゲノムに存在している13個のアミノ酸の領域に入る エピトープを含んでいる。 この細胞接着性が関与するエピトープを確認することによって、ワクチン及び 血清診断用プローブとして用いることのできる合成ペプチドの製造が可能になる 。実施例4 治療用ペプチド(またはmAbもしくはmAbフラグメント)は、病原体の接 着性分子を擬態して、白血球、内皮細胞、上皮細胞及び宿主の持つ他の標的細胞 からなるグループより選択される細胞の受容体分子と反応する分子、あるいは、 宿主の接着の信号または接着性分子を擬態して病原体の接着性分子と反応する治 療用ペプチド(またはmAbもしくはmAbフラグメント)を含む。付着分子の 接着性部位におけるペプチドドメイン及びその部位の隣にあるペプチドドメイン を検出して決定するためのmAbプローブを開発することがここに記載されてい る。 細胞内の寄生体を複合する免疫性に関する研究は、最近ではT−細胞によって 認識されたペプチド配列の同定に重点が置かれており、それは種特異性の保護作 用のあるエピトープを発見すること、またTh2の応答パターンに対してTh1 の理解のある選択をすることといった二重の目的を伴うことが多い。この点に関 しては、“Adjuvants,endocrines and conserved epitopes; factors to consid er whendesigning”therapeutic vaccines”と題された、Rook, G.A., Stanford ,J.L., Medical Microbiology, UCL Medical School, London, U.K.の、Int. J. Immunopharmacol.(英国)、Feb. 1995, Vol.17, No.2, pp.91−102 を参照の こと。 しかしながら、本発明は、Th2のリンパ球活性に対するTh1のバランスが エピトープによって決まるのではなく、むしろ細菌成分のアジュバントの影響に よって決まること、また、局所の内分泌効果はリンパのノードマクロファージに おける酵素の作用で、プロホルモンが活性な代謝物に変換することによって仲介 されることを示している。サイトカインは、これらの経路においてメディエータ ー としての役割を果たす。慢性疾患の状態では、T−細胞の機能がTh2の方向に シフトする傾向がある。発明者らは、アガラクトシルIgGについて推定されて いる役割などのこの傾向の免疫性病理論上の結果は内分泌系の変化が関与してい ることを示唆しており、それがサイトカイン−視床下部−下垂体−副腎の軸によ ってのみもたらされるのではなく、過剰なレベルのTNFアルファ、TGFベー タ、及びIL−6のようなサイトカインが末梢の内分泌器官に直接作用すること によってももたらされることについて説明している。発明者らは、複合微生物に 対する保護的な細胞−仲介型応答を行うために標的に向かうエピトープが、通常 は種特異的でないことを明らかにしている。 結核では、種−特異性の成分に対する細胞性の応答が保護作用というよりむし ろ免疫病理学と関連していることが明らかである。本発明の原理を応用すると、 多剤−抵抗性疾患などの結核の免疫治療に対して顕著な効果をもたらす。実施例5 モノクローナル抗体の製造 モノクローナル抗体は、以前の刊行物(10,11)で報告された充分に確立 されている手法にしたがって製造する。ハイブリドーマは、接着作用が陽性の大 腸菌またはカンジダアルビカンス(Candida albicans)の抽出物より調製した精製 ずみの接着性物質のいずれかを用いて免疫化したマウスの脾臓−誘導型B−細胞 より作られた。すべての場合において、Balb/cマウスは生後8−12週間のもの を、ハイブリドーマ及び抗体製造のために用いた。 免疫感作のプロトコール: 一次免疫感作用抗原は、0.5ml のPBSに懸濁し、CytRx7 TiterMaxJ ♯R-1 に50/50の比率で乳化させた 接着性ワクチン、10−20μgに調節した。全ての場合、皮下注入(SC)に よるルートをマウスの毒性反応を回避する目的で用いた。免疫化したマウスは1 4日間飼育し、ELISAによって抗体応答をテストした。力価が低い場合には 、同じ用量の抗原でそのマウスを追加抗原刺激し、28日間飼育してからテスト を行った。この工程を、二つの抗原によってもたらされる目的とする抗体力価に なるまで2週間の間隔をおいて繰り返した。 ELISAスクリーニングプロトコール: ELISAアッセイは、Costar普 遍的電子対共有型表面のアッセイプレートと、細菌性抗原の結合のための標準的 なプロトコールを用いた。このシステムは2段階または3段階の成長系を用いて おり、そこでは接着剤またはベロ毒素かUV架橋によって96ウェルのアッセイ プレートに共有結合されている。第1段階の抗−接着性の特異的マウス血清また はハイブリドーマの上澄みの抗体を希釈し、接着剤を結合させてそのプレートを BSAでブロックしたあとでそのプレートウェルにおいてインキュベートした。 非−特異的に結合した第1段階の反応体を除去すべく洗浄した後、ペルオキシダ ーゼが結合した抗−マウスの第2段階抗体をそのテストウェルに添加し、インキ ュベートを行ってから洗浄した。続いて基質をそのウェルに添加して、自動化E LISAプレート読み取り機を用いて連続的に読み取りを行うアッセイを進行さ せた。目的とする感度が得られない場合には、シグナルを増幅させるために第3 段階を行った。 ハイブリドーマ融合プロトコール: 抗−接着性及び抗−ベロ毒素ハイブリド ーマをサブクローニングして選別した。即ち、1)ハイブリドーマ細胞数が充分 であるならば、「HAT」培地で限定的 に希釈することによってサブクローニングが行われる。2)mAb−陽性のサブ クローンをうまくELISAスクリーニングし、抗−接着性mAbを大量に製造 するために、そのハイブリドーマを血清を含まない培地に適合させた。実施例6 病原体−標的細胞の相互作用 病原体−標的細胞の剪断依存性の相互作用の分析を、下記に記載したように誘 導した。白血球/内皮細胞の相互作用を、これらの研究でモデルシステムとして 用いた。 新しく単離した標的細胞の調製− 因子III であってLDL−受容体陽性のヒ トのへその緒の内皮細胞(HUVEC)と商業的に入手したHUVEC[内皮細 胞成長培地(Clonetecs, EGM)中で培養される]、またはE−セレクチンcDN Aトランスフェクタントを、剪断実験の少なくとも24時間前に滅菌ガラスから なる直径1.36mmのキャピラリー管(Drummond Scientific、Broomall, Pen n)の内部表面にコンフルエントに達するまで成長させた。アッセイを行う4時 間前に、その内皮細胞をIL−1(1ユニット/ml)を用いて処理することに よって、E−セレクチンと他の接着性分子を発現させた。 腸の上皮細胞は、ウシ胎児の小腸を単離して切開し、続いてハンクスの平衡塩 類溶液中でトリプシン−EDTAを用いて処理することによって単離した。細胞 を植え付け、T−25フラスコでコンフルエントに達するまで増殖させてから収 集し、液体窒素中で凍結した。その細胞を、以前よりウシ上皮細胞に特異的であ ることがわかっていて、95%の上皮細胞よりも多いことがわかっている抗−ウ シモノクローナル抗体を用いてそれらの表現型についてテストした。 上皮細胞を解凍し、上皮細胞生長培地内のボロシリケート製のキャピラリー管 (内部の直径が1.3mm)に植え付け、コンフルエントに達するまで増殖させ た。上皮細胞を含むキャピラリー管を、100mMのPMAを用いて4時間活性 化させるか、または活性化しないで閉じた再循環型の剪断ループシステムに導入 した。 剪断分析の誘導− 管の形成は、ガラス製のキャピラリー管の一端にとりつけ ることによって、培地及び細胞が再循環する閉じたループを形成し、続いてその 管を逆さの顕微鏡に取り付けた。スピード可変型のぜん動ポンプを用い、流れをin vivo での流れの剪断条件(1−3ダイン/cm2)を模擬するように調節し た。循環ループは、HUVECの相互作用性の表面を通過して白血球が連続的に 再循環している間に、種々のmAbを多数回注入できるようになっている。逆さ の顕微鏡ビデオ−捕獲システムは機械化段階で用いられるものであるが、それは 標的細胞の単層が完全な長さで残るようにし、続いて行う分析の際の相互作用の 領域を高い分解相のコントラストで記録できるようにした。球に結合させたりま た微生物を単層にしてプランクトン型にしたりといった接着が確立されており、 それは少なくとも10分間、ビデオテープを動かしつつ連続的にモニターでき、 その間コントロールまたは実験条件は整えられて、維持されていた。細胞の相互 作用は更に10分間、観察してビデオテープに記録した。活性化されたBUVE C、即ち上皮細胞の回転に乗っている細胞の数は、接着性変形体を注入する前と 後でモニターし、その記録の個々のフレーム分析を行うことによって測定した。 データは、時間当りに見える範囲内に回転している細胞の数として記録した。回 転スピード及び回転の挙動性などのパラメーターも分析した。実施例7 抗−細菌性ペプチドのファージ親和性精製法 mAbによって結合したエピトープを運搬するファージの親和性精製法は、次 のように行った。即ち、ファージのノナペプチドディスプレイライブラリーから 得られる1×1022個のファージを、4mgの抗−接着性ブロッキングmAbで 複合化した1.0mlのセファロースビーズに結合させた。このビーズを4℃で 16時間、緩和に反転させてファージと混合した。続いてこの混合物を5mlの プラスチックカラムバレル(Evergreen)にかけ、結合していないファージを5 0mlのファージ緩衝液(50mMのトリス−Cl、pH7.5、150mMの NaCl、0.5%のトゥイーン20(v/v)、1mg/mlのBSA)を用 いて洗浄することによって除去した。結合したファージは2.0mlの溶出用緩 衝液(0.1Mのグリシン、pH2.2)を用いてカラムから溶出し、その溶出 液のpHを2Mのトリズマ塩基を4滴入れることで直ちに中和した。ファージの 力価(ノナペプチドライブラリー)は、標準法にしたがってプラークアッセイ法 によってそれぞれのカラムの溶出物について測定した。このカラムマトリックス は、第2回目、第3回目の親和性精製法で再利用するために、10mlのPBS 、pH7.0で洗浄し、続いて0.02%のアジ化ナトリウムを含む3.0ml のPBSを用いてさらに洗浄してから保存した。このカラムは次の親和性精製法 で用いるときまで4℃で保存し、再利用するにあたっては、増幅させたファージ と混合する前に20mlのファージ用緩衝液を用いてすすぐことによって調製し た。抗体−特異性の選別法でのコントロールとしてビーズに抗体を結合させてい ないカラムを調製し、ファージの親和性精製法のすべてのステップをこのコント ロールカラムに ついて行い、得られたファージのサンプルを配列決定することによって、抗−S EまたはPA接着性ブロッキングmAbによって認識されるペプチド配列を決定 するデータを提供することができた。実施例8 ウシの腸の細胞における大腸菌(E. coli)の接着性 現在では、肉のサンプル中におけるVTECの検出及び同定は、根を詰めた仕 事であるとともに技術的に困難な従来の培養による血清学的方法に基づいている 。収穫前にVTEC微生物を食品動物中で検出することは、食物が運搬する腸の 疾患の起こり易さを減少させる最も有効な手段であることは明らかであり、それ は、すべてのVTECによって剪断される二種の有毒な因子、即ち、時にはベロ 毒素と言われる志賀毒素様毒素(slt)及び腸内細胞との特異的な相互作用を 促進する接着性タンパク質(接着剤)の抗原性を利用する高い特異性を持つ診断 用の道具を開発するためのアプローチである。発明者らは、臨床上のサンプル、 即ち試料の便中において死んでいてもよいし生きていてもよいか、VTEC微生 物を同時に「捕獲し」、かつ同定する診断用アッセイを用いて、試料の便中に含 まれるVTECを単離して同定する。このアッセイで用いられる検出試薬は、V TECの接着性エピトープに対するモノクローナル抗体と、志賀毒素様毒素(s lt)に対するモノクローナル抗体である。 このアプローチに対する合理性は、VTECの有毒な因子によって促進される 二つの結果が、VTEC−誘導性の腸内疾患に特徴があるというたくさんの観察 (4、5、6、7、8)に基づいている。これらは大腸の微絨毛の接着性−仲介 型付着と除去(A/E)、ベロ毒素−誘導型の出血、及び腎臓障害である。有毒 な因子として、 VTEC接着性とベロ毒素は、抗原性があり、抗体−ベースのアッセイ技術に用 いられる高い特異性のマーカーを意味する。VTECは二種の抗原的に区別でき る接着性タンパク質を有しており、それは共同して機能するか、あるいは微絨毛 にVTECの付着を単にもたらすためのみ機能する。一つ目の接着性タンパク質 は索形成繊毛(BFP)とも言われる遺伝子座をエンコードするプラスミドのフ ィムブリエ遺伝子産物である。このフィムブリエの接着は、微絨毛に非−親密性 の、即ち局所的な接着を促進するらしい。二つ目のものはOMP接着剤とも言わ れる94−kDaの外側の膜のタンパク質(OMP)であり、腸内細胞と親密な 接触を促進する。 材料及び方法− 簡単な免疫磁性のビーズは、商業的に、例えば、Dynal から 入手し、Dynal によって推奨されているプロトコールを用いて、接着剤またはS LTmAbを用いて被覆した。本質を述べると、このビーズを適当な量のmAb を用いて30分間、4℃で混合し、磁性粒子濃縮器中で収集し、5回洗浄してか ら最終的に緩衝液に懸濁した。リン酸−緩衝化食塩水(PBS)に懸濁したさま ざまな濃度のVTECを被覆したビーズと反応させることによって、このビーズ の捕獲効率を測定した。このビーズに付着した細胞をDAPIを用いて染色し、 エピ蛍光顕微鏡法を用いて検査することによって付着した細胞の数を測定した。 肉汁培養物の上澄みの液体に含まれるsltを検出するために、抗−sltで被 覆した磁性のビーズを用いて遊離のsltを捕らえ、次の蛍光物質でラベルした 抗−sltが関与するサンドウィッチ法を用いて同定した。 大腸菌株の懸濁液、即ち3A(R.A. Wilson, Penn State Universityから入手 )と932(U. S. E. P. A.から入手)を血液寒天プレートとトリプトン 培地上で増殖させてから、そこから収穫し、磁気化さ れたビーズに接合させるため、そして剪断分析を行うために生きたまま、または ホルマリンで固定化して用いた。ループシステムにウシの上皮細胞(上記を参照 )を満たしたキャピラリー管を組み入れると、培地としてハンクスバランス塩溶 液、即ちHEPES(pH7.0)を用いた場合、フロー−誘導性の剪断力は2 ダインで流れのピークを持つ脈動する波として確立した。大腸菌被膜を施したビ ーズは、PBSに懸濁されていて、注入口から剪断的な流れに拡散した。大腸菌 被膜を施したビーズと上皮細胞との相互作用は、ビデオマイクロスコピーによっ て観察し、永久記録としてビデオテープに記録したが、それはオフ−ライン形の コンピュータイメージ分析を行うためでもある。ビーズ結合性の大腸菌の接着性 は、接着性の相互反応のタイプ(回転式または据置式)、特徴(一個のビーズか 集合したビーズか)、及び接着性の相互作用の数について、それぞれの状態の分 析に対して10分間の相互作用の間隔をおいて分析した。ハイブリドーマ及びモ ノクローナル抗体は、大腸菌の0157菌株の種々の細胞表面決定基を認識する免疫 化したマウスの牌臓細胞から産生した。0157:H7がウシの腸内細胞に剪断力依存 性で接着していることを証明することにより、ウシの細胞に細菌性の付着分子と 結合構造が存在して機能していることが確信された。接着性は、接着の発生を明 らかに助長する微生物の培養状態(血液寒天上の生長)に依存していた。血清は 、「肉汁で増殖させるか血液寒天で増殖させるか」という0157大腸菌の培養状態 によって促進された抗原性の違いを認識する。このデータは、肉汁において増殖 させた細胞では認められなかったこれらの工程によって認識される、血液寒天が 特異的細胞表面の接着の発生に影響を与えることを示唆している。懸濁液から大 腸菌0157:H7を捕獲することは、インキュベート方法にはもちろん依存している が、用いた磁性粒子のタイプと量にも依存している。1×105 CFU/mlに 含まれる細胞の98%までを、これらの方法を用いた実験室での条件で捕獲する ことかできる。付着した細胞の60%だけが、溶出剤によって磁性粒子から除去 された。地上のビーフサンプルに接種したほとんど0157のほとんど100パーセ ントは、免疫磁性の分離(IMS)工程の改善によって検出した。 発明者は、数個のペプチド及びそれらのcDNA配列を確認し、それらをワク チン供給システムに組み入れる。これらのペプチドにはa)大腸菌0157:H7のベ ロ毒素のBオリゴマーの接着性領域を擬態するKPHTHKHKVからなるアミ ノ酸配列を持つペプチド11、及びb)大腸菌0157:H7のもう一つのBオリゴマ ーの接着性領域を擬態するDDTFTVKVDGからなるアミノ酸配列を持つペ プチドDGが含まれる。 実施例8の参照文献 1. Karmali, M.A.., 1989. Infection by verocytotoxin-producing Escheric hia coli. Clin. Microbiol. Rev. 2:15-38. 2. Wells, J.G., L.D.Shipman, K.D.Greene, E.G.Sowers, J.H.Green,D.N.Came ron, F.P.Downes, M.L.Martin, P.M.Griffin, S.M.Ostroff,M.E.Patter, R.V.Ta uxe, and I.K.Wachsmuth. 1991. Isolation of Escherichia coli serotype 0 157:H7 and other shiga-like toxin-producing E.coli from dairy cattle. J . Clin. Microbiol.29: 985-989. 3. Doyle, M.P., and J.L. Schoeni. 1987. Isolation of Escherichia coli 0157:H7 from retail fresh meat and poultry. Appl. Environ.Microbiol. 53: 2394-2396. 4. Pyle, B.H., S.C.Broadway, and G.A.McFeters. 1995. Arapid, direct method for enumerating respiring Escherichia coli in water. Appl . Environ. Microbiol. 61: 2614−2619. 5. Junkins, A.D. and M.P.Doyle. 1989. Comparison of adherence propert ies of Escherichia coli 0157:H7 and a 60-maga-dalton plasmid−curedderi vative. Cirr. Microbiol. 19:21−27. 6. Tzipori, S., R.Gibson, J.Montanareo. 1989. Nature and distributi on of mucosal lesions associated with enteropathogenic and enterohemorrh agic Escherichia coli serotypes in piglets and the role of plasmid−medi ated factors. Infect. Immun.57:1142-1150. 7. Tesh, V.L. and A.D.O'Brien. 1992. Adherence and colonization mecha nisms of enteropathogenic and enterohemorrhagic Escherichiacoli. Microb . Pathog. 12:245-254. 8. Louie, M., J.DeAzavedo, R.Clarke, A.Borczyk, H.Lior, M.Richter and J .Brunton. 1994. Sequence heterogeneity of the eae gene and detection o f verotoxin-producing Escherichia coli using serotype-specific primers. Epidemiol. infect. 112: 449-461.実施例9 カンジダアルビカンスの接着性分子及び臨床試料における力価の検出 カンジダアルビカンスは、ヒトに隙があると発症する真菌性の疾患の最もあり ふれた原因であり、それは病院の血液流感染症が起こる場合の第4番目に引き起 こされる原因となっている(15)。広まったカンジダ症(candidasis)の病因論 で重要なステップは、宿主内の特異的な組織の位置に付着するカンジダ(Candid a)細胞の能力に関 係しているらしい(7)。適当な真菌分子をサーチすることがつまらないわけで はないが、カンジダアルビカンス(C. albicans)の表面抗原性の形成は、in vi tro (3、4、5)及びin vivo (6)のどちらにおいても可変である。最近で はCutlerらが、カンジダアルビカンス酵母細胞が脾臓に隣接するゾーンのマクロ ファージ及び周辺のリンパ節の特定の領域にあるマクロファージに接着するため に応答するカンジダの接着剤を単離した(10)。この接着剤は、ホスホマンノ タンパク質複合体(PMC)のマンナン部分(12)の一部であり、細胞表面の 大部分を表示する。ある種の接着剤は、PMCの酸に不安定な部分に局在してい るβ−1,2−リンクのテトラマンナンとして同定されており、別の接着剤は、 複合体(11)の酸に安定な部分に存在する。したがって、患者の血清中に含ま れるマンナン接着剤を検出することは、疾患について信頼のある指標となること がわかるであろう。この接着性は、真菌が増殖する際に豊富に産生され、容易に 細胞表面から分離される。カンジダの接着性部位に特異的で高い親和性を持つモ ノクローナル抗体を用いると、本発明にかかる、広まったカンジダ症に対する迅 速で、そして信頼性のあるテストを開発するに至る。 患者の血清中に真菌性の接着が存在すると、疾患が活性であることを示してお り、コロニーを形成していない。カンジダのマンナンは真菌の増殖の際に自発的 に放出されるため、アッセイはこのポリサッカライドを検出するように設計され る(8)。 診断用溶液を形成するためのアプローチには、患者の体液や細胞に含まれるカ ンジダ抗原を、高度に特異的なモノクローナル抗体(mAb)、即ち体内で生長 して運ばれ始める場合にその微生物から分離されたり放出されたりするカンジダ 抗原に指向するモノクローナル抗体(mAb) を用いて早期にそして迅速に検出することが含まれる。本発明は、感染したマウ ス及びヒトに存在するカンジダ抗原を検出するために、カンジダ細胞の表面抗原 の配列に対して特異的なmAbのパネルをテストする。抗−接着性モノクローナ ル抗体及びin vitroでカンジダアルビカンスによって分離されるかそこから抽出 される未知の細胞表面の決定基に指向するモノクローナル抗体の開発及び利用は 、感染したマウス及びヒトの体液や細胞に存在するカンジダ抗原を検出するため のものとなるであろう。発明者らは、カンジダアルビカンスのホスホマンノタン パク質接着剤の領域を擬態するアミノ酸配列を持つカンジダペプチドを開発する 。 カンジダ抗原を検出するためのELISAテストの開発 本発明は、血清及び宿主細胞においてカンジダ接着か存在することを検出する キーとなるアッセイを提供する。このアッセイは、抗体捕獲/サンドウィッチE LISA法を用いている。カンジダアルビカンス抗原に特異的な捕獲抗体は、ポ リスチレン製のマイクロタイタープレートの表面を被覆するために用いた。結合 しなかった捕獲抗体を適当に洗浄して除去し、かつそのプラスチックプレート上 の反応しなかった部位をブロックした後、カンジダ抗原を含む血清を抗体−被膜 したウェルに添加し、インキュベートしてから結合しなかった血清を除去すべく 洗浄した。この抗原に特異的な二つ目の抗体をそのウェルに添加し、前の捕獲抗 体に結合した抗原と反応するようにしてから結合しなかったすべての物質を除去 するために洗浄した。この第2の抗体に特異的であってかつ適当な酵素が共有結 合で結合した第3の抗体をそのウェルに添加することによって、ウェル中に含ま れる全ての第2の抗体に結合させた。結合しなかった 第3の抗体を洗浄した後、第3の抗体の持つ酵素に対して特異的な適当な発色性 の基質をそのウェルに添加した。適当な正のコントロールと負のコントロールに 比較したところ、このウェル中の色彩反応によって初めのテスト用血清に含まれ ていたカンジダ抗原の存在を検出できた。 抗原−刺激した正常マウスの血清中に含まれる最小量のCandida抗原が検出で きるように、一旦、ELISAアッセイを最適化してから、さまざまな度合の出 血性カンジダ症が広まっているヒト及びマウスから得られる血清を検査した。 マウス及びヒトの「淡黄褐色の被膜」を持つ細胞及び血清に対するカンジダ可溶 性接着の検出 分離したカンジダ細胞表面の決定基かカンジダアルビカンスで感染して早期に 発生する末梢の白血球細胞に付着することは、感染した患者から新しく採取した 血液の淡黄褐色の被膜を持つ細胞を用いて迅速な診断用テストを行う際の基礎と して作用する。 抗−接着性のmAb及びmAbは、(a)感染したマウスから得られる血液の 「淡黄褐色の被膜」の層として表わされる末梢血液の白血球、(b)抗原−刺激 を行ったヒト及びマウスの淡黄褐色の被膜を持つ細胞(in vitroで結合する)、 及び(c)現存しているmAb及び新しいmAbを利用するカンジダアルビカン スで感染させた患者から得られるヒト血清のサンプルに接着する可溶性のカンジ ダ細胞表面の決定基の細胞内分布を検出し、測定するために開発した。淡黄褐色 の被膜を持つ白血球上のカンジダ抗原の分布は、フローサイトメトリーを用いて 行う細胞群の分析法と、免疫蛍光法またはELISA法を用いて行う抗原の検出 法とを組み合わせることで測定した。 抗体試薬のパネルは、カンジダアルビカンスで感染させたマウス内の分離した 細胞表面抗原を検出する際に用いることができる。カンジダ細胞表面の決定基を 含有するワクチン調製物は、カンジダアルビカンスの化学的抽出液から、または カンジダ培養物の上澄みから調製し、マウスを免疫感作するために用いた。カン ジダ細胞表面のワクチンは、a)カンジダアルビカンス培養物の上澄みにある分 離した細胞表面決定基、b)カンジダアルビカンスのEDTA抽出物、及びc) カンジダアルビカンスの2−ME(2−メルカプトエタノール)抽出物から調製 した。 ハイブリドーマは、カンジダアルビカンス細胞表面の決定基に応答する力価の 高いポリクローナル抗体を作り出す動物の脾臓細胞から調製した。ハイブリドー マを作るための方法と、モノクローナル抗体を製造するための方法は、上記に記 載されている。 カンジダ接着に向かうモノクローナル抗体を用いて研究を行った結果は、カン ジダによって発生するホスホマンノタンパク質(PMP)が血清中に1−10n gの範囲内で含まれるのを検出できることが明らかになった。そのうえ、カンジ ダの抗原性についての別の研究では、カンジダアルビカンスについての血液培養 物が陰性の場合でさえも、感染したマウスの70.4パーセントにカンジダの接 着を検出できることを示していた。これらの研究は、カンジダ感染症に対する高 い感受性の診断用アッセイを提供する。 発明者らは、マウスを受動的に免疫感作することによってカンジダアルビカン スと戦えることがわかっているモノクローナル抗体調製物を用いてファージディ スプレイライブラリーを探索することにより、PMPのキーとなる接着性ドメイ ンを擬態するペプチドをうまく製造した。このペプチドは、カンジダアルビカン スが宿主の標 的細胞に付着するのを遮断できることが明かである。現在では、オリゴヌクレオ チド配列は、ペプチド配列データから合成することができ、そして生きたベクタ ー〔例えば、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)または赤痢菌(Shige lla)の菌株〕に挿入するためのプラスミド構築物に導入される。得られる組換 えワクチンは、成体のマウスに経口投与され、その後で粘膜と全身性の免疫応答 についてアッセイが行われる。 実施例9の参照文献 1. Anttila, V.J., P.Ruutu, S.Bondestam, S.E.Jansson, S.Nordling,M.F'ar kkil'a, A.Sivonen, M.Castren, and T.Ruutu. 1994. Hepatosplenic yeast i nfection in patients with acute leukemia: a diagnostic problem. Clin. Infect. Dis. 18:979-981. 2. Berenguer, J., M.Buck, F.Witebsky, F.Stock, P.A.Pizzo, and T.J.Walsh . 1993 Lysis-centrifugation blood cultures in the detection of tissue- proven invasive candidiasis. Diagn. Microbiol.Infect. Dis. 17:103-10 9. 3. Brawner, D.L. and J.E.Cutler. 1984. Variability in expression of a cell surface determinant on Candida albicans as evidenced by an aggluti nating monoclonal antibody. Infect. Immun. 43:966-972. 4. Brawner, D.L. and J.E.Cutler. 1986. Variability in expression of c ell surface antigens of Candida albicans during morphogenesis.Infect. I mmun. 51:337-343. 5. Brawner, D.L. and J.E.Cutler. 1986. Ultrastructural and biochemica l studies of two dynamically expressed cell surface determinants on Cand ida albicans. Infect. Immun. 51:327-336. 6. 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Immun. 62:1662-1668.実施例10 ベロE6細胞へのハンタウイルスの接着の特徴 ヒトにおけるハンタウイルスの感染症を検出するための満足のゆく診断法及び そのウイルスを阻止するためのワクチンはこれまでなかった。ハンタウイルスは 、ウイルス抗−受容体によって細胞受容体を認識することによる感染性の工程を 経て細胞に付着する。ハン タウイルスに対する細胞の受容体と抗−受容体が何であるかはわかっていない。 両方の実在物の正体を明らかにすることは、抗−ウイルス薬や有望なワクチンを 開発する上で特に重要である。発明者らは、ハンタウイルス感染症の接着結果と 病因を特徴づける、in vitroで新規な分析的なアプローチを用いて、これらの構 造を同定するとともに特徴を明らかにする。 分子のクローニング: 検出したウイルス(類)の小さな(s)ゲノムと中くら いの(M)ゲノムを標準法(5)を利用してクローニングし、プライマー(M− 3’(+)、M−5’(−)、S−3’(+)、S−5’(−)、M−OP(+ )、など)を用いる。 発明者らが発見したMプライマー及びSプライマーは、ハンタウイルスの小さ なゲノムと中間のゲノムをそれぞれクローニングするために用いられる。cDN Aは、大腸菌またはバキュロウイルス(Baculovirus)ベクター(細菌性のトラ ンスフェクタント)にサブクローニングすることによって発現させる。大腸菌で 発現させるためにはInvitrogenより提供されているpRSET及ひpTRCHi sキットが、またバキュロウイルスで発現させるためにはInvitrogenのpBlu BacHisキットが用いられる。組換えタンパク質は金属キレートクロマトグ ラフィー(Invitrogen)によって精製する。ハンタウイルスのエンベロープの糖 タンパク質であるG1及びG2は、宿主細胞に対する接着性を研究する際のター ゲットとして働く。 モノクローナル抗体の製造: 大腸菌またはバキュロウイルスで発現させるこ とによって作った組換え抗原を用いてモノクローナル抗体を合成するためにはマ ウスを用いる。組換え体で動物を感染させるため、即ち免疫化するために生きた ウイルスは用いられない。BALB/cマウスは、組換えタンパク質(G1、G2また はN)をPBS に懸濁させ、CytRxタイターMax#R−1で50/50の比率で乳化した もの用いて皮下注射で免疫感作する。 抗体検出法: 全ての抗体検出法は、シンノンバーウイルス(Sin Nombre vir us)の検出のためにthe Centers for Disease Control(CDC)によって開発された ELISAによって行なわれる。この方法は、半−定量的であり、ヌクレオキャ プシッド抗原(N)に対する抗体のみを検出する。このアッセイは、標準的なE LISAにおいて糖タンパク質であるG1及びG2の組換え抗原の発現体を用い ることによって発展させることができる。エンベロープタンパク質は、ウイルス の感染力を中和する際に重要であると考えられる。 接着性のアッセイ: ハンタウイルス受容体及び抗−受容体分子の性質及び機 能を調べようとして接着結果を分析する際には、ベロE6標的細胞を用いて大腸 菌で発現させた組換え抗原の使用が関与する。エンベロープの糖タンパク質であ るG1及びG2やヌクレオキャプシッド抗原(N)を発現するE. collは、G1 、G2またはNタンパク質に向かうmAbで被覆した常磁性のビーズと反応させ 、ここに記載した工程に従って剪断力のあるところで検査する。 実施例10の参照文献 1. Duchin, J.S., F.T.Koster, C.J.Peters, G.L.Simpson, B.Tempest,S.R.Zak i, T.G.Ksiazek, P.E.Rollin, S.Nichol, E.T.Umland, R.Moolenaar, S.Reef, K .Nolte, M.Gallaher, J.Butler, and R.Breiman.1994. Hantavirus pulmonary syndrome: a clinical description of 17 patients with a newly recognized disease. . N. Engl.J. Med. 330:949-955. 2. Foucar, K., K.B.Nolte, R.M.Feddersen, B.Hjelle, S.Jenison,J.McLaughl in, D.A.Madar, S.A.Young, S.R.Zaki, and L.Hughes. 1994. Outbreak of Hantavirus pulmonary syndrome in the southwestern Uni ted States. Response of pathologists and other laboratorians.Am. J. C lin. Pathol. 101:S1-58. 3. Nichol, S.T., C.Spiropoulou, S.Morzunov, P.Rollin, T.Kasiazek,H.Feld mann, A.Sanchez, J.Childs, S.Zaki, and C.J.Peters. 1993.Genetic identif ication of a hantavirus associated with an outbreak of acute respiratory illness. Science 262:914-917. 4. Childs, J.E., T.G.Ksiazek, C.F.Spiropoulou, J.W.Krebs, S.Morzunov, G .O.Maupin, K.L.Gage, P.E.Rollin, J.Sarisky, R.E.Enscore,J.Frey, C.J.Pete rs, and S.Nichol. 1994. Serologic and genetic identification of Peromy scus maniculatus as the primary rodent reservoir for a new hantavirus in the SW United States. J.Infect. Dis. 169:1271-1280. 5. Ausubel, F., R.Brent, R.Kingston, D.Moore, J.Seidman, J.smith, and K .Struhl. 1995. Current protocols in Molecular Biology. Grennne Publis hing Associates and Wiley-Interscience,New York.実施例11 ウシの標的細胞への三鞭毛トリコモナス(Tritrichomonas foetus)の付着 三鞭毛トリコモナス(T. foetus)は、アメリカ合衆国全土の畜牛の持つ重要 な原性動物病原体であり(1)、それは相当数の胎児の死亡と一過性の不妊症を 生じさせ、それによって実質的な経済的損失を引き起こす。この寄生体は、畜牛 の生殖管に制限されて存在し、一つの形態学上の型ではないが栄養体を有してい て、それは生殖管 の粘膜表面上に残っていて、妊娠中の動物では起こらないが胎盤を侵す。三鞭毛 トリコモナスはまた、胎児の組織である例えば肺、腸の上皮及び肩甲骨下のリン パ節などの組織を侵す(4)。これらの結果はin vitroでの実験から得られる結 果(2、3)と同様に、三鞭毛トリコモナスが組織や、そのような組織を続いて 寄生体が侵すことを可能にする細胞表面に付着することを示唆している。 発明者らは、三鞭毛トリコモナスが哺乳動物の標的細胞を殺したり赤血球を溶 解したりてきること(2)、また三鞭毛トリコモナスに対する表面−反応性の抗 体か細胞毒性に対抗して保護作用を持っていて、三鞭毛トリコモナスが標的細胞 に付着するのを遮断すること(3)について明らかにしている。さらにこの結果 は、三鞭毛トリコモナスの接着性の乏しいクローンに比較すると高い接着性を持 っているクローンによる細胞毒性を高めることを示している(3)。これらの結 果は、標的に接着する三鞭毛トリコモナスの能力が寄生体に、効率的な細胞毒性 の能力を与えることを示している。これらの結果はまた、抗体が損傷からウシ組 織を保護することか可能な一つの機構が、接着や何らかの他の接触依存的な細胞 毒性の観点を妨害することによるものであることを示唆している。全体の三鞭毛 トリコモナスのウエスターンブロットを用いて表面−反応性で阻害性のmAb( 32.3B3.4)の反応から得られるデータは、このmAbが約190,00 0MWのバンドを非−還元性のゲル上で認識し、また還元性のゲル上で140, 000及び60,000MWのバンドを認識することを示しており(3)、それ は発明者らがTf190と命名した分子である。このように畜牛(5)やマウス (3)における免疫原性の高い分子量の表面分子は、接着や哺乳動物の細胞に対 する細胞毒性に関与している。 発明者らは、三鞭毛トリコモナスの哺乳動物細胞への接着性についてTf19 0に特異的な抗体の効果を評価している。畜牛は親和的に−精製したTf−19 0を用いて免疫感作し、そしてこれらの畜牛から得られる抗体の抗−接着性の特 徴をこの明細書に記載したMIT剪断アッセイを用いて評価する。精製したTf 190と反応する別のmAbも同定し、三鞭毛トリコモナスの噛乳動物細胞への 接着性についての効果を評価する。別のmAbは精製したTf190に対して調 製し、寄生体の付着性と同様に、それらの効果についてスクリーニングする。T f190に対する抗体及びmAbの特異性は、精製したTf190について行っ たドット免疫結合分析法と、三鞭毛トリコモナス及ひTf190の全抽出物のウ エスターンブロット法を用いる抗体の反応によって確立した(3)。 実施例11の参照文献 1. BonDurant, R.H., and B.M.Honigberg. 1994. Trichomononads of Veteri nary Importance. In,“Parasitic Protozoa”, 2nd edition,J.P.Kreier, ed. , 9:111-188. 2. Burgess, D.E., K.F.Knoblock, T.Daugherty and N.P.Robertson.1990. C ytotoxic and hemolytic effects of Tritrichomonas foetus on mammalian cel ls. Infec. Immun. 58:3627-3632. 3. Burgess, D.E., and C.M.McDonald. 1992. Analysis of adhesion and cy totoxicity of Tritrichomonas foetus towareds mammalian cells with monocl onal antibodies. Infection and Immunity 60:4253-4259. 4. Rhyan, J.C., K.L.Wilson and D.E.Burgess. 1994. Immunochemical dete ction of T.foetus in formalin-fixed paraffin-embedded sections of bovine placenta and fetal lung. J. Vet. Diagn. Invest. 25: 350-355. 5. Corbeil, L.B., J.L.Hodoson, D.W.Jones, R.R.Corbeil, P.R.Widders and L.R.Stephens. 1989. Adherence of Tritrichomonas foetus to bovine vagin al epithelial cells. Inf. Immun.57:2158-2165. 6. Huang, J-C, D.Hanks, W.Kvasnicka, M.Hanks and M.R.Hall.1989. Antig enic relationshipsamong field isolates of Tritrichomonas foetus from cat tle. Amer. J. Vet. Res. 50:1064-1068.実施例12 細菌接着性分子のサブユニット成分の調製のための材料及び方法、並びに診断用 試薬、治療用化合物及びワクチン材料として使用するための宿主細胞上のそれら の受容体。 次の方法は、治療用(遮断用)化合物として利用するため、または組換えワク チンに挿入するための細菌接着性分子の隣接するドメインを含む接着性ドメイン または部位からなるサブユニット成分を合成するために、本発明者らか開発また は採用した方法である。ワクチン配合剤に含まれる付着部位内及びその周辺にあ る多数のペプチドドメインを使用すると、宿主での免疫応答を刺激する抗原性の ペプチドを確実に導入することができる。下記に記載した材料及び方法は、接着 性の診断薬、治療用ペプチド及び炭水化物、並びに請求の範囲で表示された病原 性の微生物の4つのクラスのどれかに対する組換えサブユニットワクチンの開発 に適用される。細菌性の接着システムの検出及び特徴付け 宿主細胞で発現した分子を擬態する病原体の接着性(付着性)分 子(PAM)を単離することは、接着性分子のためのリガンドまたはキャピラリ ー管の反応容器からなる管の表面に被覆された精製されたリガンドを発現する標 的細胞を用いるin vitroでの剪断アッセイシステムを発明者らか検出し特徴付け ることから始まる。あるタイプの細胞−細胞接着性相互作用について、高い生理 的剪断力と低い生理的剪断力のあるところで分析を行うための小さなキャピラリ ー管の内部表面に種々の接着性基質を形成するための方法は、発明者らによって 開発されており、また完成されている(Bargatze, R.らの、1994. J. Immunol. 152: 5814-5825、Jutila, M.らの、1994. J. Immunol.153: 3917-3928、Bargatz e, R.らの、1994. J. Exp. Med. 180: 785-792 参照)。 PAM及びそれらのリガンドの検出及び特徴付けでは、in vitroでの分析的な 剪断フロー装置(図2参照)が用いられ、それは生理的剪断を擬態している間、 固定化基質上を表示するか、または内皮と上皮の細胞もしくは他の標的細胞から なる細胞を表示するリガンドアセンブリのパネルを用いて細菌の接着性相互作用 を再生可能なリアル−タイムのモニターを行うとともに定量を行う。このシステ ムは閉じたキャピラリーループからなり、そこでは液体がぜん動ポンプによって 再循環している。このループに注入された細胞の拡散は、血管系の血流を暗示す るキャピラリー管の内部表面を被膜する標的細胞の単層と衝突してもたらされる 。続いて起こる細菌の細胞と標的細胞またはリガンドを運搬する基質との接着性 の相互作用は、専門的なグレードのビデオデータ取得と記録システムを用いて分 析する。マッキントッシュコンピュータシステム(Apple Computers,Cupertino, CA)、LG−3ビデオフレーム把持ボード(Scion Corporation,Frederick, MD )、及びイメージ用ソフトウエア(NIH, Bethesda, MD)は、接着性の結果についてリアル−タイムでオフ−ライン形のビデオ分析を 行うために注文してあつらえられている。 病原体−標的細胞剪断依存的な相互作用の分析は、下記のように誘導する。白 血球/内皮細胞の相互作用は、発明者らが拡張して行った実験であり、それはこ れらの研究についてのモデルシステムとして用いられる。 生体内顕微鏡を用いるin vivoでの剪断モデルも、無傷の動物の静脈内で見ら れる剪断力を模した生理的剪断力の条件で細胞の相互作用を検査するために、発 明者らが開発した。注いだFITC−ラベルした微生物と手術して体外に出した マウスのパイエル板または小腸の上皮における内皮の血管との相互作用を観察し 、記録することができる。標的細胞への細菌の接着では、安定な接着性アッセイ も、確立された細胞系またはどれかの器官系から得られる細胞の組織部分かまた は組織の培養調製物で誘導することができる。実施例13 固定化した標的細胞または病原体スクリーニングマトリックスの調製固定化した標的細胞 − 新しく単離した因子VIIIであってLDL−受容体陽性の ヒトのへその緒の内皮細胞(HUVEC)[内皮細胞成長培地(Clonetecs, EGM )中で培養される]、または組織特異性のアドレッシンを発現することを特殊化 した細胞系であるHUVEC、または受容体のcDNAトランスフェクタントを 、剪断実験の少なくとも24時間前に滅菌ガラスからなる直径1.36mmのキ ャピラリー管(Drummond Scientific Broomall, Penn)の内部表面にコンフルエ ントに達するまで成長させた。アッセイを行う4時間前に、 その内皮細胞をIL−1(1ユニット/ml)を用いて処理することによって、 E−セレクチン、即ちICAMとVCAMを誘導するためのインターフェロンと インターロイキン−1を誘導させた。 腸の上皮細胞は、ヒトのへその緒またはウシ胎児の小腸を切開し、続いてHank s バランスの塩溶液中でトリプシン−EDTAを用いて処理することによって新 しく単離される。また別法として、ヒトの上皮細胞系であるCaco−2(結腸 )またはInt−407(空腸/回腸)が用いられる。Caco−2細胞系は、 Salmonella typhi(Tartera, C. の、1995. Infect. Immun. 61: 3084-3089参照 )、Escherichia coli(Fratamlco, P. らの、1993. J. Med. Micro. 39: 371-3 81参照)、Aeromonas (Nishikawa, Y. らの、1994. J. Med. Micro. 40:55-61 参照)、及びKelbsiella pneumoniae (Favre-Bonte, S. らの、63: 1318-1328 参照)と結合することがわかっている。Caco−2とInt−407細胞は、 RPMI1640培地(Sarem, F. らの、1996. Appl. Micro 22: 439-442 参照 )で増殖させ、37℃で、5%のCO2/95%の空気よりなる雰囲気中でInt −407については5日間インキュベートした後の最後のコンフルエントに達し たところで用いられ、またCaco−2については21日インキュベートした後 の分化段階で用いられる。新しく単離した上皮細胞は植え付けて、T−25フラ スコでコンフルエントに達するまで増殖させてから収集し、液体窒素中で凍結す る。その細胞を、以前よりヒトまたはウシの上皮細胞に特異的であることがわか っていて、95%の上皮細胞よりも多いことがわかっている抗−上皮細胞モノク ローナル抗体を用いてそれらの表現型についてテストする。 上皮細胞を解凍し、上皮細胞生長培地内のボロシリケート製のキャピラリー管 (内部の直径が1.3mm)に植え付け、コンフルエ ントに達するまで増殖させる。上皮細胞のコンフルエントに達した単層を含むキ ャピラリー管を、100mMのPMA、即ちインテグリンアクチベーター(ケモ カインズ)を用いて4時間活性化させるか、または活性化しないで閉じた再循環 型の剪断ループシステムに導入する。実施例14 PAMスクリーニングマトリックス − PAMに対する生理的リガンドを表示す るマトリックスは、病原性の細菌によって用いられる細胞受容体を結合する既知 の炭水化物及び糖タンパク質のカウンター−受容体から調製される。さまざまな 巨大分子構造を、PAMに対する病原体を急速にスクリーニングするための診断 用の物質として用いる目的で発明者らが設計している。炭水化物−末端のマトリ ックスを開発するために、本発明者らはSpevakらによって記載された方法(方法 1)(Spevak, W. らの、1996. J. Med. Chem. 39: 1018-1020参照)を用いるこ とによって、剪断アッセイシステムでPAMを検出したり同定したりするための 炭水化物リガンドを表示する酸性の多価アセンブリを構築している。これらのマ トリックスは、キャピラリー管の内壁を被覆するために用いられる支持用の糖タ ンパク質リガンドを足場とする酸性脂質からなる。炭水化物−末端の脂質マトリ ックスは、UVを用いて重合化することによって安定化する。もう一つの方法( 方法2)は、メタノール中にN−グリコシドまたは糖脂質を希釈する工程、10 0ngの糖脂質を含む約100μlを採取して、キャピラリー管に入れる工程、 及び溶媒を37℃で一晩かけて蒸発させる工程からなる。次にこの管の内腔を、 燐酸緩衝化食塩水(PBS)に入れた2%ウシ血清アルブミン(BSA)、 200μlを用いて2時間かけて被覆し、BSA溶液て二度洗浄してから最終的 に遊離の被膜溶液を流し込む。糖タンパク質−末端のマトリックスを成長させる ための方法3は、Ca++及びMg++を加えた洗浄剤を含むHBSS培地(1 00μg/ml)において糖タンパク質接着性分子構築物を、キャピラリー管内 にて37℃で1時間、インキュベートする。次にその管を4℃に15分間冷却し 、4℃に維持したHBSS培地を注ぐ(洗浄する)。発明者らは、E−、L−及 ひP−セレクチン、ICAM、VCAM、MAdCAM−1並びにβ1及びβ2 インテグリンを含む精製した糖タンパク質の拡張パネルを作成した。方法1、2 または3を用いることで本発明者らは、剪断アッセイシステムで診断用試薬とし て利用できる数種の新規なPAMスクリーニングマトリックスを調製した。 実施例15 剪断アッセイ − 例えばDynal から入手できるような簡単な免疫磁性のビーズは、細胞表面の接 着性または可溶性の接着剤(S−接着剤)に指向するmAbを用いて被覆する。 このビーズは適当な量のmAbを用いて30分間、4℃で混合して、次に磁性粒 子濃縮器中で収集し、5回洗浄してから最終的に緩衝液に懸濁する。微生物の懸 濁液は増殖させてか ら接着性分子の発生を促進することがわかっている培地から収穫し、磁性化され たビーズに接着させるためにホルマリンで固定化し、そして剪断分析を進めるた めに用いる。そのビーズに付着した細胞はDAPIを用いて染色し、エピ蛍光顕 微鏡法を用いて検査することによって付着した細胞の数を測定する。 可溶性接着剤(S−接着剤)、即ち肉汁培養物の上澄みの液体から大量に得ら れるエキソトキシンの接着性をを検出し特徴付けるために、抗−S−接着剤で被 覆した磁性のビーズをS−接着剤を結合させるためにも用い、次の蛍光物質でラ ベルした抗−S−接着剤が関与するサンドウィッチ法を用いて同定した。ループ システムにヒトまたは動物の上皮細胞(通常は内皮細胞か上皮細胞)を満たした キャピラリー管を組み入れると、培地としてハンクスバランス塩溶液、即ちHE PES(pH7.0)を用いた場合、フロー−誘導性の剪断は2ダインで流れの ピークを持つ脈動する波として確立する。細菌−被膜を施したビーズはPBSに 懸濁されていて、注入口から剪断的な流れに拡散させる。細菌−被膜を施したビ ーズと上皮細胞との相互作用はビデオマイクロスコピーによって観察し、永久記 録としてビデオテープに記録したが、それはオフ−ライン形のコンピュータイメ ージ分析を行うためでもある。ビーズ結合性の細菌の接着性は、接着性の相互反 応のタイプ(回転式または据置式)、特徴(一個のビーズか集合したビーズか) 、及び接着性の相互作用の数について、それぞれの状態の分析に対して10分間 の相互作用の間隔をおいて分析する。 抗−接着剤mAb及びペプチドを用いて接着性相互作用を遮断することについ てのすべての研究は、この明細書に記載されたモンタナイムノテック(Montana ImmunoTech(MIT))剪断分析システムで誘 導される。 循環ループは、HUVECの相互作用性の表面を通過して白血球か連続的に再 循環している間に、種々の特異的な接着性−またはリガンド−ブロック作用のm Abを多数回注入できるようになっている。逆さの顕微鏡ビデオ−捕獲システム は機械化段階で用いられるものであるが、それは標的細胞の単層か完全な長さで 残るようにし、続いて行う分析の際の相互作用の領域を高い分解相のコントラス トで記録できるようになっている。球に結合させたりまた微生物を単層にしてプ ランクトン型にしたりといった接着が確立されており、それは少なくとも10分 間、ビデオテープを動かしつつ連続的にモニターでき、その間コントロールまた は実験条件は整えられて、維持されている。細胞の相互作用は更に10分間、観 察してビデオテープに記録する。活性化された内皮細胞または上皮細胞の回転に 乗っている細胞の数は接着性変形体を注入する前と後でモニターし、その記録の 個々のフレーム分析を行うことによって測定する。データは、時間当りに見える 範囲内に回転している細胞の数として記録される。回転スピード及び回転の挙動 性などのパラメーターも分析する。これらの一緒に得られた観察結果は、宿主の 組織及び細胞のリガンド構造に対する細菌の接着特異性を調べるための機能を持 っていて、それによって発明者らは、生理的条件の下でさまざまな試薬について テストすることが可能になるとともに、接着性の相互作用を修飾することができ るようになる。実施例16 細菌/標的細胞(リガンド)相互作用に関わる成分または共同者を検出しかつ特 徴付ける診断薬としてのPAMスクリーニングマトリ ックス。 PAMの構造を同定するための診断用プローブ、即ちモノクローナル抗体試薬の 開発。 PAMの接着性ドメイン(部位)の成分及び/またはそれらのリガンドを含む ワクチン、診断用試薬または治療用ペプチドの合成は、剪断システムで検出され た接着性分子とは別の領域に指向するモノクローナル抗体(mAb)を開発する ことと同時に進行する。モノクローナル抗体は、以前の刊行物(Berg, E. L. ら の、1993. Nature 366: 695-698 、及びJutila,M.らの、1994. Adv. Pharmac ol. 25:235-262)で報告された白血球/内皮細胞相互作用で関与する接着系を検 出するとともに、特徴付けるための充分に確率されている手法にしたがって製造 する。抗−接着性抗体を産生するハイブリドーマは、接着作用が陽性で手をつけ ていない無傷の細菌細胞または接着作用が陽性の細菌の細胞壁抽出物(Brauwner , D. L. 及びJ. E.Cutlerの、1986. Infect. Immun. 51: 327-336参照)より調 製した精製ずみの接着性物質のいずれかを用いて免疫化したマウスの脾臓−誘導 型B−細胞より作られる。モノクローナル抗体は、宿主細胞のリガンド構造、即 ち天然に存在する糖タンパク質及び糖脂質の両方に対抗して作られるものであり 、それによって細菌性の接着作用を検出するためや遮断するための試薬を開発す ることができ、また下記に説明したファージディスプレイライブラリーで用いる ためのプローブとして機能させることもできる。本発明で用いたたくさんの糖複 合体は、商業的に入手可能である。細菌/宿主標的細胞相互作用に対するmAb の特異性及び遮断効果は、上記に説明したin vitroにおける剪断アッセイシステ ムを用いて分析される。実施例17 疫感作のプロトコール : Balb/cマウスは生後8−12週間のものを、ハイブリ ドーマ及び抗体産生のために用いる。一次免疫感作用抗原は、0.5mlのPB Sに懸濁した可溶性の接着分子または糖複合体からなる10−20μgに調節し 、または5×106個もしくは5×107個のホルマリン−処理した細胞は、CytR x7 TiterMaxJ#R-1に50/50の比率で乳化させる。全ての場合、皮下注入(S C)によるルートをマウスの毒性反応を回避する目的で用いる。免疫化したマウ スは14日間飼育し、ELISAによって抗体応答をテストするとともに、無傷 の細胞の凝集性をテストする。力価が低い場合には、同じ用量の抗原でそのマウ スを追加抗原刺激し、28日間飼育してからテストを行う。この工程を、二つの 抗原によってもたらされる目的とする抗体力価になるまで2週間の間隔をおいて 繰り返す。実施例18 ELISAスクリーニングプロトコール : ELISAアッセイは、Costar普遍 的電子対共有型表面のアッセイプレートと、細菌性抗原と宿主の結合のための標 準的なプロトコールを用いる。このシステムは2段階または3段階の成長系を用 いており、そこでは接着性分子がUV架橋によって96ウェルのアッセイプレー トに共有結合されている。第1段階の抗−接着性の特異的マウス血清またはハイ ブリドーマの上澄みの抗体を希釈し、接着性分子を結合させてそのプレートをB SAでブロックしたあとでそのプレートウェルにおいてインキュベートする。非 −特異的に結合した第1段階の反応体を除去すべく洗浄した後、ぺルオキシダー ゼが結合した抗−マウスの第2段 階抗体をそのテストウェルに添加し、インキュベートを行ってから洗浄する。続 いて基質をそのウェルに添加して、自動化ELISAプレート読み取り機を用い て連続的に読み取りを行うアッセイを進行させる。目的とする感度が得られない 場合には、シグナルを増幅させるために第3段階を行う。実施例19 ハイブリドーマ融合プロトコール : 抗−接着性ハイブリドーマをサブクローニ ングし、ハイブリドーマ細胞数が充分になると即座に選別する。サブクローニン グは、AHAT@培地で限定的に希釈することによって96−ウェル中で行う。 mAb−陽性のサブクローンをうまくELISAスクリーニングし、抗−接着性 mAbを大量に製造するために、そのハイブリドーマを血清を含まない培地に適 合させる。実施例20 細菌性の接着分子及び宿主のリガンドに対して向かうモノクローナル抗体(m Ab)は診断用試薬として用いることができ、またある場合には治療用薬剤とし て用いることができる。例えば本発明者らは、疾患の兆候が現れる前にカンジダ アルビカンスでうまく感染させたマウスの血清サンプル中に、影響を及ぼす細菌 の接着性分子(接着剤)が非常にゆっくりと濃縮されることを特異的mAbによ って検出できることを明らかにした。さらに発明者らは、食肉のサンプル中に含 まれるベロ毒素性の大腸菌またはそのベロ毒素を検出するために、その大腸菌の 細胞表面及びベロ毒素接着性ドメインに対して向かうmAbの効果を証明した。実施例21 接着性エピトープのペプチドドメインの同定 ランダムファージ−ディスプレイライブラリーを用いてマッピングするエピト ープは、前核細胞または真核細胞の膜における複合の局所解剖学上部位に入り込 んでいるキーとなる分子構造を調べるために用いられる。精製した糖タンパク質 もしくは糖脂質に対して、または接着性−陽性の微生物に対して製造したモノク ローナル抗体は、新規なベクターM13KBst上に表示されるノナペプチドラ イブラリー(J404)を探索するために用いられる(Burritt,J.B.及びC.W .Bond.J.Biochem.238:1-13 参照)。mAbによって結合したエピトープを 運搬するファージの親和性精製法は、次の様に行った。即ち、ファージのノナペ プチドディスプレイライブラリーから得られる1×1022個のファージを、4mg の抗−接着性ブロッキングmAbで複合化した1.0mIのセファロースビーズ に結合させる。このビーズを4℃で16時間、緩和に反転させてファージと混合 する。続いてこの混合物を5mlのプラスチックカラムバレル(Evergreen)に かけ、結合していないファージを50mlのファージ緩衝液(50mMのトリス −HC1、pH7.5、150mMのNaCl、0.5%のトウィーン20(v /v)、1mg/mlのBSA)を用いて洗浄することによって除去する。結合 したファージは2.0mlの溶出用緩衝液(0.1Mのグリシン、pH2.2) を用いてカラムから溶出し、その溶出液のpHを2Mのトリズマ塩基を4滴入れ ることで直ちに中和する。ファージの力価(ノナペプチドライブラリー)は、標 準法にしたがってプラークアッセイ法によってそれぞれのカラムの溶出物につい て測定する。このカラムマトリックスは、第2回目、第3回目の親和性精製法で 再利用するた めに、10mlのPBS、pH7.0で洗浄し、続いて0.02%のアジ化ナト リウムを含む3.0mlのPBSを用いてさらに洗浄してから保存する。このカ ラムは次の親和性精製法で用いるときまで4℃で保存し、再利用するにあたって は、増幅させたファージと混合する前に20mlのファージ用緩衝液を用いてす すぐことによって調製する。抗体−特異性の選別法でのコントロールとしてビー ズに抗体を結合させていないカラムを調製し、ファージの親和性精製法のすべて のステップをこのコントロールカラムについて行い、得られたファージのサンプ ルを配列決定することによって、接着性ブロッキングmAbによって認識される ペプチド配列を決定するデータを提供することができる。in vivo で標的細胞への微生物の接着をブロックすることのできる高い親和性 のペプチドは、感染性の疾患を治療したり抑制したりするための治療様薬物とし て用いることができる。これらのペプチドはまた、PAMに対して宿主によって 産生される抗−接着性の抗体を検出するための診断用試薬として用いることもで きる。実施例22 ワクチンの調製: 生きたベクター供給システムに挿入するためのDNAの合成 接着性ペプチドを表示する親和的に精製したファージから得られるDNAは、 感染したK91(E.coli)細胞から抽出し、CsCl傾斜法で精製する。接着 性のペプチド−エンコードしたファージDNAの領域は、BstXIを用いて開 裂させたときにベクターDNAから31−塩基対のフラグメントを除去できるよ うな制限部位を含んでいる。次に合成DNAの挿入物を、Cwila,S.ら(Proc. Nat.Acad. Sci.87:6378-6382参照)によって記載された方法にしたがって製造する。サブ ユニットの接着性ドメインをエンコードするDNAを運搬するasd安定化プラ スミドを構築し、Wu,S.ら(Infect.Immun.63:4933-4938)によって記載され たような減毒したネズミチフス菌株(H683)に挿入する。別法として、腸チ フス菌(Salmonella typhic)または志賀赤痢菌株も接着性エピトープを発現さ せるために操作することができる。接着性エピトープを発現するサルモネラベク ターは経口投与され、全身性のTh1及びTh2免疫応答はもちろんのこと、強 力な粘液も導き出す。 宿主の免疫区画の誘導部位に抗原を供給する別の方法として、グラム−陽性の 細菌の表面タンパク質の係留機構(Fischetti,V.A.1996.ASM News 62:405-41 0)またはアデノウイルスベクターを用いて気管内遺伝子供給法(Van Ginkel,F .W.らの、1995.Hum.Gene.Ther.6:895-903)が開発されている。 細菌の接着性分子を検出するとともに特徴付けを行い、そして複製する本発明 の視覚的に完成された方法における最終的な産物は、細菌の接着分子のトポロジ ーを反映しているペプチドドメインを発現させたり表示したりする広い範囲で異 なるサブユニットの組換え経口ワクチンである。生きたベクターの供給システム は、例えばWuらによって記載されているように、適当なペプチドエピトープを発 現させることによって、宿主に入って感染させるための接着性機構を用いるどの 病原性微生物に対しても構築することができる。 病原性の微生物が、細胞−細胞伝達ネットワークを覆したり、入り込んだりす ることによって宿主を感染する手段として、接着性及び信号系が必要であり、そ れを利用していることは本発明の研究から明らかである。宿主細胞との同一性や 侵略的な細菌の侵入経路、 即ちアドレスの認識及び信号の変換などは、多くの細菌性接着と信号伝達系が、 宿主系の機能及び分子を真似て進化した産物であることを意味する。病原性の微 生物の感染経路は、宿主−炭化水素を結合するタンパク質受容体及びタンパク質 を結合するタンパク質受容体の標的細胞との少なくとも二つのタイプの受容体− リガンド相互作用が関与する。宿主細胞を用いると、糖タンパク質と炭水化物リ ガンドとの一次の相互作用はアドレス認識の特異性をコントロールするために作 用するが、受容体/リガンドペアのしっかりとした結合は形成しない。タンパク 質受容体とタンパク質/ペプチドリガンドが関与する二次の相互作用は、しっか りとした結合するのを助長するとともに、宿主細胞の膜上やサイトソル中での信 号伝達経路の増大を引き起こす。この原理は、認識がタンパク質(セレクチン) −炭水化物(シアリルLeX)結合によって仲介される場合に好中球が必要とさ れることで証明されているが、ただししっかりと結合していて、平らになってい る場合はタンパク質−タンパク質(インテグリン/リガンド)結合の結果である 。同様に多くの細菌や細菌性の毒素、例えば腸内出血性の大腸菌の志賀毒素様毒 素などは、タンパク質受容体−炭水化物リガンド相互作用を経て内皮細胞上の分 子アドレスを認識し、そして細胞内機能の破壊につながるタンパク質−タンパク 質相互作用を経て信号伝達経路を開始する(St.Hilareらの、1994.Biochem.3 3:14452-14463参照)。病原性の細菌の最も特徴的な接着システムは、細菌と宿 主細胞との間で起こるタンパク質受容体−炭水化物リガンド相互作用からなるシ ステムである(Mirelman,D.及びI.Ofek.1996.In.Microbial Lectins and Agglutinis,p.1-19.John Wiley and Sons.N.Y.参照)。それぞれのタイプ の受容体−リガンドペアによって仲介される細菌−宿主細胞接着につ いての多くの重要な実施例が下記に列挙されている。 炭水化物を結合するタンパク質受容体 炎症性細胞(白血球及び内皮細胞)系の接着性分子(セクレチン)のような多 くの細菌性付着分子は、レクチン様構造、即ち標的細胞上の炭水化物を認識する ことによって接着性の相互作用を仲介する炭水化物結合性タンパク質(CBP) として定義される(参照:Microbial Lectins and Agglutinis.1996.John Wil ey及びSons,N.Y.、及びJutila,M.A.らの、1989.In:Leukocyte Adhesion,E diited by Springer,et al Springer-Verlag,p.211-219)。これらの付着分 子は化学的には糖タンパク質として定義され、無数の生物学上の作用をコントロ ールする。細菌のCBP受容体は炎症性細胞上のセレクチンに似ており、それは 細胞−細胞相互作用において認識のための分子として機能する。BCP受容体は モノまたはオリゴサッカライドと可逆的にそして共有結合で結合するが、それは 溶液中で遊離していようが細胞表面上で遊離していようが簡単な結合であると同 時に複合化した結合でもある。 タンパク質を結合するタンパク質受容体 タンパク質リガンドに結合するために細菌によって用いられるタンパク質受容 休の配列は、全てのクラスの病原性微生物で見いだすことができる。通常タンパ ク質受容体とタンパク質/ペプチド(PBP)相互作用は、宿主の標的細胞に病 原体がしっかりと結合するのを促進する。このような結合は、真核細胞のアクチ ンネットワークにおいて別法を作り出す信号経路の活性化を導き出したり増大さ せたりする。タンパク質−タンパク質接着性の相関作用には二つのタイプまたは 二つの細胞部位があることが明らかであり、一つ目は細菌−標的細胞の界面で起 こり、二つ目は、病原体によって分泌されるタ ンパク質と宿主細胞のアクチンネットワーク(GTP結合性タンパク質、−Rh o、Rab、Arf、Ran、Ras、Rac、Cd−42、MAPKカスケード 、及びビヒクルと結合するためのt−SNARE、v−SNAREモデル)のタ ンパク質との相互作用によって促進される信号伝達経路である。これらのシステ ムの多くの場合において病原体が、宿主の接着性分子やそのリガンドを擬態した り侵害したりすることが下記の特定の実施例で示されているように記録された。PBPクラスの受容体を発現するヒトの細菌性病原体 細胞−細胞相互作用及び細胞−細胞外マトリックス相互作用で機能するインテ グリンファミリー及びそれらのタンパク質/ペプチドリガンドにおいて見られる 宿主の接着性分子は、インテグリンまたはそれらのタンパク質リガンドに細菌性 同一性があるために破壊されるということがわかった。宿主では、β1インテグ リン(VLAファミリー)は細胞外マトリックス成分であるフィブロネクチン、 フィブリノーゲン、ラミニン及びコラーゲンに結合し、そしてそれらは多くの非 −出血性の細胞型上及び白血球型上で発現する。β2サブファミリーのものは、 それらの発現が白血球に限定されるため、白血球インテグリンともよく言われる 。LFA−1、Mac−1及びgp150.95β2インテグリンは、骨髄細胞 が他の細胞や、補体及びクロッティングカスケードを活性化する際に不溶化され てしまうリガンドに接着する際に重要である。インテグリンの構造的なドメイン は、配列Arg−Gly−Asp(RGD)、全てのインテグリンではないが数 個のインテグリンについてのリガンド認識モチーフを含むペプチドに架橋するこ とによって結合するリガンド と関連していた。宿主のインテグリンファミリーと免疫グロブリンのスーパーフ ァミリーからなる接着性分子に関する分子上及び機能上の擬態が観察されている (Hoepelman,A.I.M.及びE.I.Tuomanen.1992..Infect.Immunity.60:1729 -1733 参照)。宿主の細胞外マトリックスタンパク質の擬態を開発した他の病原 体は、それらの細胞表面上にRGD配列を表示し、その結果容易にインテグリン に結合する。細胞外タンパク質−タンパク質相互作用 病原性微生物は、真核細胞の細胞骨格を調節する際に関与する分子を機能的に 擬態する一つの配列のタンパク質分子を必要としている。これらのいわゆる有害 なタンパク質は、例えば宿主細胞のアクチンネットワークの機能を導く少量のグ アノシントリホスフェート(GTP)−結合性タンパク質(−Rho、Ras、 Rac、Cdc42など)を含む信号発生カスケードで妨害する。有害なタンパ ク質はGTP−結合性タンパク質に非常に特異的な様式で結合するらしく、微生 物のためのアクチンネットワークの配列換えを促進する。他のタンパク質−タンパク質相互作用 免疫性及び炎症を調節するためには、間違いなく何百もの異なるサイトカイン と何ダースものサイトカイン−活性化二次−メッセンジャ−系がある。サイトカ インと細胞との相互作用は主としてタンパク質−タンパク質/ペプチド接着の成 り行きであり、またその相互作用の多くは細菌の相同性によって覆されたり、あ るいは穿刺されたりする。 サイトカインとして初めは分類されたケモカインは、それらの白 血球−化学誘引物質活性が最も知られている小さな前−炎症性のペプチドである 。それらのリガンドに似た受容体は、構造的に及び機能的に関連するタンパク質 からなる一つのファミリーを形成する。それらは、アミノ酸配列の相同性で定義 することのできるヘプタヘリカル、ロドプシン−様、G−タンパク質−カップル させた受容体からなるスーパーファミリーの一員である。白血球ケモカイン、I L−8、及びマクロファージ炎症性タンパク質1α(MIP−1α)/RANT ES受容体に対するタイプA及びB受容体は、配列が関連していて、二つのヘル ペスウイルス産物に結合するケモカインである。 発明者らは、経口投与または鼻腔内投与を行うようにデザインされた組換えサ ブユニットワクチンを開発した。経口のワクチンは、Wuらによって記載された方 法にしたがって製造する。なおこの方法では、微生物の表面にペプチドエピトー プを表示したりまたは発現させたりする生きたベクター(ネズミチフス菌)系を 用いることによって、可能性のある粘膜及び全身性の免疫応答を産生する。また 、本発明者らのうちの一人によって同時に開発されたもう一つのベクタ一系は、 重要なエピトープを呼吸器管上の粘膜免疫区画に供給するためのアデリオロウイ ルスベクター系を用いている。同様に他のウイルス、ファージ、細菌または重合 性のべクターを用いることかできる。 哺乳動物のセクレチンはワクチンとして、またはワクチンに入れて用いないが 、それはそれらのセクレチンが宿主起源の単離物であり、したがって非−免疫原 性のためである。セクレチンと同様の様式で炭水化物リガンドを結合する細菌の 接着性部位のペプチドドメインのみ、またはその機能的なアナログが、ワクチン 調製物として 役に立つ。ワクチン配合剤に組み入れた細菌のペプチドドメインは、充分な免疫 原性を持っていて免疫応答を引き起こすことができる。 さらに本発明のワクチン及びペプチド化合物は、単位用量づつ投与できる形態 、例えば錠剤、カプセル剤、丸剤、粉末剤、顆粒剤、坐剤、滅菌性の非経口溶液 剤または懸濁剤、滅菌性の非経口性でない溶液剤または懸濁剤、経口の溶液剤ま たは懸濁剤、水中油型または油中水型の乳濁剤などの形態で、適切な場合には適 当な量の活性な成分を含ませてヒト及び動物に全身性投与する際の薬学上組成物 において有用である。 固体状または液体状のいずれかで単位用量づつ投与する形態によって経口投与 するためには、本発明のワクチン及びペプチドを用いて調製することができる。 ワクチン及びペプチドは、活性な成分をキャリアまたはビヒクルとともに入れて なる薬学上組成物で有用であり、その組成物中、約1−20重量%、好ましくは 約5−15重量%で含まれている。 液体状または固体状のいずれかからなる単位用量剤形は、経口投与のために容 易に作ることができる。例えばこのワクチンを、リン酸二カルシウム、マグネシ ウムアルミニウムケイ酸塩、ステアリン酸マグネシウム、硫酸カルシウム、スタ ーチ、タルク、ラクトース、アカシア、メチルセルロース、または薬学上の賦形 剤もしくはキャリアとして機能的に同じ物質のなどの便利な成分と共に混合して もよい。持続的に放出する剤形も任意で用いることができる。カプセル剤は、こ の化合物を不活性な薬学上の希釈剤とともに混合し、その混合物を適当な大きさ の硬いゼラチンカプセル剤に入れることによって調剤することができる。ソフト カプセルが望ましいのであれば、この化合物を受容可能な植物性オイル、軽油、 または他の不活 性なオイルとともにスラリー状にしたものを機械によってゼラチンカプセルに入 れてカプセル化してもよい。 懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤は、液体状の単位用量形態で経口投与す る際に役立つことができる。オイルを含む液状製剤は、オイル可溶性の形態のも のに対して有用であろう。コーンオイル、ピーナッツオイルまたはサフラワーオ イルのような植物性オイルは、例えば風味料、甘味料及び保存料と一緒にして受 容可能な液状調製剤を製造する。シロップ剤を液状の単位用量製剤にするため、 界面活性剤を水に添加してもよい。水−アルコール性の薬学的調製剤は、例えば 砂糖、サッカライドまたは生物の甘味料のような受容可能な甘味料や風味料を添 加してエリキシル剤の形態にして用いることもできる。非経口投与及び坐剤投与 のための薬学的組成物も、この技術における標準的な手法を用いて入手すること が可能である。 上記のペプチドまたはワクチン、及び他の薬物は、単独で容器に入れてもよい し、または薬学的なキャリアやアジュバントと組み合わせた形態にしてもよい。 本発明の目的で受容可能な薬学的なキャリアは、薬物や宿主、それに薬物供給装 置を構成する材料に対して悪い影響を与えないようなこの技術で既知のキャリア である。好ましい薬学的キャリアには、滅菌水、食塩水、デキストロース、水か 食塩水に入れたデキストロース、ひまし油1モルあたり約30−約35モルの酸 化エチレンを組み合わせたひまし油と酸化エチレンの縮合生成物、水性酸、低級 のアルカノール、コーンオイル、ピーナッツオイル、胡麻油などの油、例えば脂 肪酸のモノ−グリセライドやジ−グリセライド、または例えばレシチンなどのホ スファタイドのような乳化剤とともに入れた油、グリコール、ポリアルキレング リコール、例えばカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ア ルギン酸ナトリウム、ポリ(ビニルピロリドン)などの懸濁剤が単独で、または 例えばレシチン、ポリオキシエチレンステアレートなどの適当な分散剤とともに 存在する水性媒体が含まれる。またこのキャリアは、保存料、安定化剤、湿潤剤 、乳化剤などのアジュバントを、本発明の浸透性促進剤とともに含んでいてもよ い。ワクチンの供給系には、ファージ(例えばM13)、生きたベクター、サル モネラ菌種、赤痢菌種、アデノウイルス、リポソーム、カウピーモザイクウイル ス(cowpea mosanic virus)、アルギネートゲル、ペプチド複合体、適当なアジ ュバント系及び糖複合体も含まれる。これらの供給系はすべて、それらの表面に 発現するタンパク質または活性な分子を持っている。 哺乳動物に対する有効量は、治療を行うべき患者の年齢、体重、活動レベルや 症状などのファクターによって変わるであろう。通常は本発明にかかる化合物の 有効ワクチン用量は、投与した場合には約10−500mgである。ワクチン接 種は、Remington's Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,Wiley Publicatlons ,1990 における前述したプロトコールと同じでなくてはならない。なお、この 文献はその全体が参照文献としてこの明細書に組み入れられる。 参照文献 1. 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A Biochem. 238:1-13. 上記の説明及び実施例の目的は本発明のいくつかの態様を例示するためのもの であって、何らかの限定を意味しているのではない。本発明の組成物及び方法に 、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく修飾や変形を加えることができるこ とは当業者には明らかであろう。この明細書で引用したすべての特許文献及び刊 行物は、その全体が参照文献としてこの明細書に組み入れられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,MD,MG, MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM ,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ボンド クリフォード アメリカ合衆国 59715 モンタナ州、ボ ーズマン、クーガー ドライブ 9552 (72)発明者 ブリット ジェームズ アメリカ合衆国 59715 モンタナ州、ボ ーズマン、エス.ボーズマン 1215 (72)発明者 バージェス ドン アメリカ合衆国 59715 モンタナ州、ボ ーズマン、ブラック ベア 5553 (72)発明者 グリー パティ アメリカ合衆国 59718 モンタナ州、ボ ーズマン、ダブリュー.ビラード #75 813 (72)発明者 ジュティラ ジョン アメリカ合衆国 59715 モンタナ州、ボ ーズマン、エス.グランド アベニュー 516 (72)発明者 ジュティラ マーク アメリカ合衆国 59715 モンタナ州、ボ ーズマン、サンダンス ドライブ 3308 (72)発明者 バーガッツェ ロバート アメリカ合衆国 59715 モンタナ州、ボ ーズマン、ワイルドフラワー ウエイ 1302 (72)発明者 マクフェターズ ゴードン アメリカ合衆国 59175 モンタナ州、ボ ーズマン、チェリー ドライブ 1320 (72)発明者 パイル バリー アメリカ合衆国 59175 モンタナ州、ボ ーズマン、フォスター レーン 4985 (72)発明者 カトラー ジム イー アメリカ合衆国 59715 モンタナ州、ボ ーズマン、アシュ ドライブ 1426 (72)発明者 ハン ヨンムーン アメリカ合衆国 59715 モンタナ州、ボ ーズマン、トレジャー アベニュー 306

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 宿主細胞上の分子アドレスに結合することかできる1種又はそれ以上の 付着分子又はその断片から成り、その結合によって、1つ又はそれ以上の信号伝 達路を誘発し、かつ選択された病原体及び/又はその毒素が宿主組織を通行する ことを可能とすることができることを特徴とする予防及び治療ワクチン。 2. 前記付着分子が、タンパク質、糖タンパク質、糖脂質及び炭水化物から 成る群から選択される原核又は真核接着分子である請求項1記載のワクチン。 3. 前記宿主細胞が、白血球、内皮細胞、上皮細胞及び神経系の細胞から成 る群から選択される細胞である請求項1記載のワクチン。 4. 白血球、内皮細胞、上皮細胞及び神経系の細胞から成る群から選択され る宿主細胞の宿主細胞接着性タンパク質、糖タンパク質、レクチン又は炭水化物 を模倣する微生物付着分子から成るワクチンであって、前記付着分子が、標的細 胞上のリガンドに結合することを特徴とするワクチン。 5. 前記微生物付着分子が、C−型レクチンである請求項4記載のワクチン 。 6. 前記レクチン付着分子が、セレクチン又はその機能的同等 物である請求項4記載のワクチン。 7. 前記セレクチン分子が、E−、L−及びP−セレクチンから成る群から 選択される請求項4記載のワクチン。 8. 白血球、内皮細胞、上皮細胞及び神経系の細胞から成る群から選択され る宿主細胞の宿主細胞接着性糖タンパク質を模倣する微生物付着分子から成るワ クチンであって、前記付着分子が、標的細胞上のタンパク質又は糖タンパク質リ ガンドに結合することを特徴とするワクチン。 9. 細胞上の炭水化物又はオリゴペプチドリガンド又は組織又は器官の細胞 の細胞外マトリックスを模倣する微生物付着分子から成るワクチンであって、前 記付着分子が、宿主細胞上の接着分子にに結合することを特徴とするワクチン。 10. 前記微生物付着分子が、インテグリン又はインテグリン分子と機能的 に同等の分子である請求項8記載のワクチン。 11. 前記インテグリン分子が、VLA、Leucam及び細胞接着(cyto adhesion)インテグリンから成る群から選択される請求項10記載のワクチン。 12. 前記インテグリン分子が、VLA−1、2、3、4、5及び6、Ma c−1、LFA−1 gp150.95、CD41a、CD49及びCD51か ら成る群から選択される請求項10記載の ワクチン。 13. 前記微生物付着分子が、免疫グロブリンスーパーファミリーの一員又 は免疫グロブリンスーパーファミリー分子と機能的に同等の分子である請求項8 記載のワクチン。 14. 前記免疫グロブリンスーパーファミリー分子が、ICAM−1、2又 は3、VCAM、NCAM及びPECAMから成る群から選択される請求項13 記載のワクチン。 15. 前記微生物付着分子が、N−アセチルノイラミン酸、シアル酸、N− アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、グルコサミン、ガラクト サミン、ガラクトース、マンノース、フコース及びラクトースの残基から成る群 から選択される炭水化物リガンドに結合する請求項4記載のワクチン。 16. 前記微生物付着分子が、サイトカインファミリーの一員であり、白血 球、内皮細胞、上皮細胞及び神経系細胞から成る群から選択される細胞上のリガ ンドに結合する請求項1記載のワクチン。 17. 前記微生物付着分子が、ケモカインファミリーの一員であり、白血球 、内皮細胞、上皮細胞及び神経系細胞から成る群から選択される細胞上のリガン ドに結合する請求項1記載のワクチン。 18. 前記微生物付着分子が、白血球、内皮細胞、上皮細胞及び神経系細胞 から成る群から選択される真核細胞中の細胞グアノシ ントリホスファターゼ(GTP)結合タンパク質に結合する請求項1記載のワク チン。 19. 前記グアノシントリホスファターゼ結合タンパク質分子が、Rho、 Ras、Rac、Cdc42、Rab、Ran及びArfから成る群から選択さ れる請求項18記載のワクチン。 20. 前記内皮細胞が、サイトカイン活性化内皮細胞、及びICAM−1、 VAM−1、MAdCAM−1、及びPNAd−を発現する内皮細胞から成る群 から選択される請求項6記載のワクチン。 21. 前記微生物か、コレラ菌(Vibrio cholerae)、尿路原性大腸菌(Esche richia coli )、腸管出血性大腸菌、腸管病原性大腸菌、サルモネラ(Salmonell a )種、赤痢菌(Shigella)種、シュードモナス(Pseudomonas)種、プロテウス(P roteus )種、肺炎桿菌(Klebsiellapneumoniae)、アエロバクター・アエロゲネス (Aerobacter areogenes)及びヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori) から成る群から選択される請求項1記載のワクチン。 22. 前記微生物が、中央アフリカ産げっ歯類マラリア病原虫(Plasmodium berghei )、熱帯熱マラリア病原虫(Plasmodium falciparum)、ブルセラー( Brucella)種、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、ブドウ球菌(Staphyloco ccus )種、ぺスト菌(Pasteurella pestis)、リーシュマニア(Leishmania)、 ネズミマクムシ(Trypanosoma)及び野兎病菌(Pasteurella tularensis)から成 る群から選択される請求項1記載のワクチン。 23. 前記微生物が、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、レジ ュネラ(Legionella)、ブドウ球菌種、連鎖球菌(Streptococcus)種、百日咳 菌(Bordetella pertussis)、ペスト菌、インフルエンザ菌(Hemophilus influe nzae )及びジフテリア菌(Corynebacterum diphtheriae)から成る群から選択され る請求項1記載のワクチン。 24. 前記微生物が、ブラストミセス(Blastomyces)、アスペルギルス(Aspe rgillus )、クリプトコックス(Crystococcus)、カンジダ(Candida)、ヒストプラ スマ(Histoplasma)、コクシジオイデス(Coccidioides)及び藻菌類(Phycomyce tes )から成る真菌寄生物群から選択される請求項1記載のワクチン。 25. 前記微生物が、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、ランブル鞭 毛虫(Giardia lamblia)およびクリプトスポリジウム(Cryptosporidium)から成る 腸管寄生物群から選択される請求項1記載のワクチン。 26. 前記微生物が、淋菌(Neisseria gonnorhoeae)、クラミジア(Chlamydi a )、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidium)、腟トリコモナス(Trichomonas va ginales )及び三鞭毛トリコモナス(Tritrichomonas foetus)から成る生殖泌尿器 官群から選択される請求項1記載のワクチン。 27. 前記微生物か、インフルエンザA、インフルエンザB、インフルエン ザC、麻疹(Measles)ウイルス、おたふく風邪(Mumps)ウイルス、アデノウイル ス、リノウイルス(Rhinovirus)、ポリオウ イルス、肝炎ウイルス、ハンタウイルス、ヘルペスウイルス、風疹ウイルス、ヒ ト免疫不全ウイルス(HIV)及びコクサッキーウイルスから成るウイルス群か ら選択される請求項1記載のワクチン。 28. 前記宿主細胞が、肺胞マクロファージ、及び鼻咽頭及び肺胞の内皮及 び上皮細胞から成る群から選択される呼吸器細胞である請求項1記載のワクチン 。 29. 前記ワクチンが、ジフテリア菌外毒素、百日咳菌毒素、志賀赤痢菌( 1型)毒素、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)毒素、コレラ菌毒素、 腸内出血性大腸菌ベロ毒素、腸内病原性大腸菌腸管毒、緑膿菌外毒素、破傷風菌 外毒素及びボツリヌス菌外毒素から成る群から選択される外毒素のβ−オリゴマ ー上の接着性領域のペプチドドメインを含んでいる請求項9記載のワクチン。 30. 前記ワクチンが、大腸菌、淋菌、髄膜炎菌、チフス菌(Salmonella t yphi)、ネズミチフス菌、他のサルモネラ種、緑膿菌及びエルジニア・エンテロ コリチカ(Yersinia enterocolitica)から成る群から選択される微生物に示され る繊毛上の接着性レクチン領域のペプチドドメインから成る請求項4記載のワク チン。 31. 前記ワクチンが、大腸菌、エルジニア・エンテロコリチカ、偽結核エ ルジニア菌(Yersinia pseudotuberculosis)、ヘリコバクター・ピロリ、コレラ 菌、チフス菌、ネズミチフス菌、志賀赤痢菌、リーシュマニア、ランブル鞭毛虫 、赤痢アメーバ、カンジダアルビカンス及びハフニア・アルベイ(Hafnia alvae )から成る群から 選択される微生物の細胞表面の糖タンパク質接着分子のペプチドドメインから成 る請求項8記載のワクチン。 32. 前記ワクチンが、神経系細胞上のシアル酸リガンドに結合する糖タン パク質接着分子のペプチドドメインから成る請求項4記載のワクチン。 33. 前記ワクチンが、髄膜炎菌及び大腸菌K1から成る群から選択される 微生物糖タンパク質接着分子のペプチドドメインから成る請求項31記載のワク チン。 34. 白血球、内皮細胞及び上皮細胞から成る群から選択される細胞の宿主 細胞接着タンパク質又は炭水化物糖接合体を模倣する微生物付着分子に特異的な モノクローナル抗体から成ることを特徴とする診断アッセイ。 35. 微生物付着分子の接着性ドメインを模倣し、かつ前記微生物付着分子 の接着性ドメインに特異の抗体と反応するペプチド又はオリゴペプチドから成る ことを特徴とする診断アッセイ。 36. 微生物付着分子に特異なモノクローナル抗体で被覆された超常磁性ビ ーズから成ることを特徴とする臨床検体中の微生物接着分子を迅速に検出するた めの診断アッセイ試験用キット。 37. 請求項15記載の宿主細胞炭水化物リガンド分子を発現する糖脂質マ トリックスから成り、微生物付着分子に特異的に結合 する診断アッセイ試験用組成物。 38. 選択された病原体又はその毒素の宿主細胞上の分子アドレスへの結合 を阻止し、又は前記選択された病原体の更なる定着、その後の病原体が関与する 宿主の信号伝達を予防することができる1種又はそれ以上の付着分子又はその断 片から成ることを特徴とする治療用組成物。 39. 前記ペプチド分子が、宿主接着分子のセレクチンファミリーのリガン ドに結合する請求項36記載の治療用オリゴペプチド又は糖ペプチド。 40. 前記ペプチド分子が、宿主接着分子のインテグリンファミリーのリガ ンドに結合する請求項36記載の治療用オリゴペプチド又は糖ペプチド。 41. 微生物付着分子に結合する宿主標的細胞上のリガンドを構造的に模倣 する分子から成ることを特徴とする治療用オリゴペプチド又は糖ペプチド。 42. 微生物付着分子に結合する宿主標的細胞上のリガンドに構造的に関連 する分子から成り、感染症を治療又は予防するために使用される請求項15記載 の治療用炭水化物。 43. 可溶性の形態で、又は感染症の治療に使用される生の又は無毒化細胞 担体中の脂質層に固定化した請求項15記載の1種又 はそれ以上の分子から成ることを特徴とする感染症を治療するための治療用炭水 化物。 44. 多価マトリックス中で微生物付着分子に結合する請求項15記載の分 子から成ることを特徴とする感染症を治療又は予防するための治療用糖脂質。 45. 選択された宿主細胞リガンドの選択された病原体上の分子アドレスへ の結合を阻止し、又は前記選択された病原体の更なる定着、その後の病原体が関 与する宿主の信号伝達を予防することができる1種又はそれ以上の付着分子又は その選択された断片から成ることを特徴とする治療用組成物。 46. 前記送達系が、ファージ、生ベクター、サルモネラ種、赤痢菌種、ア デノウイルス、リポソーム、M13ファージ、カウピーモザイクウイルス、アル ギン酸ゲル、ペプチド接合体及び糖接合体から成る群から選択される請求項1記 載のワクチン。 47. タンパク質、炭水化物、脂質分子及びそれらの接合体又は混合物か ら成る群から選択される付着分子から成る宿主細胞接着分子を模倣する微生物付 着分子から成ることを特徴とするワクチン。 48. 病原体の接着分子を模倣し、かつ宿主の白血球、内皮細胞、上皮細胞 及び標的細胞から成る群から選択される細胞のレセプター分子と損後作用する分 子から成ることを特徴とする治療用オリゴペプチド又は糖ペプチド。 50. 病原体に対し免疫を発現するためのワクチンを得る方法であって、 (a) 宿主細胞に発現した領域を模倣し、かつ病原体の接着分子と相互作用 する(を阻止する)病原体の付着分子(PAM)又はその断片を単離し; (b) 前記単離した付着分子の少なくとも1つの領域に対する1つ又はそれ 以上のモノクローナル抗体(mAbs)を発現し; (c) 前記mAbsによって結合されたエピトープを単離して、病原体の付 着分子のトポロジーを実質的に反映する分子ドメインから成るワクチンを得る の各工程から成ることを特徴とする方法。 51. 前記単離工程が、接着分子のリガンド又は精製リガンドを発現する標 的細胞を用いる剪断アッセイによって行われる請求項50記載の方法。 52. 病原体/宿主標的細胞相互作用に対するmAbsの特異性及び阻止特 性を剪断アッセイによって分析する工程をさらに含む請求項50記載の方法。 53. 前記エピトープを単離する工程が、ファージ−表示ライブラリーを含 む請求項50記載の方法。 54. 病原体に対し免疫を発現するためのワクチンを得る方法であって、 (a) 病原体の接着分子を模倣し、かつ動物宿主の白血球、内 皮細胞、上皮細胞及び他の標的細胞から成る群から選択される細胞のレセプター 分子と相互作用する分子を単離し;及び (b) 前記分子をワクチンに配合する の各工程から成ることを特徴とする方法。
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