JP2000501316A - 切り離されて配置された吸収構造を有する使い捨て吸収体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、身体排出部に隣接して着用するために使用される前は実質的に平らであり、身体に面する表面と衣類に面する表面を有する使い捨て吸収体（２０）である。使い捨て吸収体（２０）は、液体浸透性のトップシート（２４）、バックシート（２６）、及びトップシートとバックシートの中間の吸収芯（２８）を含む。吸収芯（２８）は、身体に面する表面と衣類に面する表面を有し、使用者に着用されている間に、吸収体を立体構造に拡大するための拡大層（４６）を有する。拡大層（４６）は、分泌液によって活性化され、互いに切り離され、分泌液による活性化と同時に、一方向にのみ拡大することができる多数の小さな拡大成分（５０）を含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】 切り離されて配置された吸収構造を有する使い捨て吸収体 発明の分野 本発明は使い捨て吸収体に関する。使い捨て吸収体とは、使用者が体の外側に 着用し、体から排出される分泌液を受け入れるように設計された吸収装置である 。特に、本発明は、拡大層を備え、且つ、実質的に平らな使い捨て吸収性生理用 ナプキン、月経用品、失禁用インサート、パンティライナー及びおむつに関する 。拡大層は、体の分泌液によって活性化され、互いに切り離された多数の小さな 拡大成分を備え、これら小さな拡大成分は、各々、実質的に一方向にのみ拡大す ることができる。 発明の技術的背景 その基本的な形態において、使い捨て吸収体は、浸透性の身体接触成分（ある いは、トップシートまたはオーバーラップとも称される）と、不浸透性の保護バ リヤー（あるいは、バックシートとも称される）の間に置かれる吸収芯を備える 。もちろん、この吸収体成分は、体から排出される分泌液を受け入れ、包含する ためのものである。身体接触成分は、吸収体成分への自由な分泌液の通過を許す 一方で、身体表面との心地よい乾燥した感覚の接触を提供するためのものである 。保護バリヤーは、吸収成分から放出されるか、あるいは吸収成分から漏れる分 泌液がユーザの衣類を汚すのを防止するためのものである。 上述の３つの機能的な成分に加えて、概して使い捨て吸収体には、使用者が動 いても、使用者の股部分に隣接して装置を支持する手段が設けられ、その目的と する機能を効果的に果たすことができる。典型的に、生理用ナプキンとしての吸 収体には、使用者の下着の内部股部に装置を固定するための接着剤固定手段が設 けられる。 分泌液遮断は、吸収体が着用者の体と密接に接触している場合に生じる。 従来より公知の吸収体は、その目的とする機能を果たすが、分泌液の吸収性、 使用者の衣類の汚れに対する保護、及び／もしくは、使用者に対する物理的な快 適さの１つ以上の点において、各々の従来の構成は、更に改良の余地がある。 使い捨て生理用ナプキンに関しては、特に着用中に外陰部付近にあるか接触す るように、中央部で上向きに持ち上げられるか或いは丸くされたものを含むよう な構造に形作られた輪郭を有する生理用ナプキンを提供することによって、着用 者との身体接触を改善して排出と同時に分泌液を吸収し、それによって汚れを最 小限にとどめようとする幾つかの試みが業界において為されている。 女性の使用者に対しては、これらの生理用ナプキンは、月経が腟の前庭を離れ ると同時に、月経と接触して吸収するようになっている。 着用している間、人間の体にぴったり合うという利点を有するような構造に形 作られた輪郭を有する幾つかの吸収体が記載されている。 即ち、米国特許第３，５１２，５３０号には、圧縮された再生セルローススポ ンジ層が大きな繊維状セルロース層と結合されて、多層吸収芯を形成する生理用 ナプキンが記載されている。圧縮された再生セルローススポンジ層は、繊維層の 上に配置され、且つ、その中心にあり、それは生理用ナプキンの一次的吸収成分 であることが意図される一方、繊維層は、二次的即ちバックアップ吸収体として 作用する。 したがって、同じ吸収容量を有する他の衛生製品と比べて、この生理用ナプキ ンは使用前は非常に薄くてもよい。 このような圧縮された再生セルローススポンジ層は、分泌液吸収と同時にＺ方 向に広がることができるが、その記載されている構造は、効果的な身体接触を提 供するのに特に適してはおらず、使用者に不快感を感じさせるかもしれない。 圧縮された再生セルローススポンジ層の拡大が、分泌液が最初に到達する点か ら始まる場合、スポンジ層の乾燥部分が材料自体を通して毛細管拡散によって液 体を受け入れるまでは、その拡大が少なくとも周囲のスポンジ層の乾燥部分によ って抑制される。特に、分泌液がまだ到達していない材料の残りの部分の抑制作 用のために、比較的少量の分泌液しか吸収していない場合、これは効果的な膨張 を許容しない場合がある。 この問題を克服するために、特に分泌液の高速吸収と拡散に有用である高密度 が実現されるなら、圧縮された再生セルロース層は、その乾燥状態において硬く てもよい。 １９９６年４月２９日に提出された欧州出願第ＥＰ９６１０６７２４．６号に は、使用者による着用中に、吸収体を立体構造に拡大するための拡大層を備える 吸収体が記載されており、その拡大層は、分泌液によって活性化され、且つ、少 なくともその身体に面する表面またはその衣類に面する表面に、相交わる線で閉 じた配列に配置される切り込みを備えている。 切り込みは、拡大層の局部的な部分においても高い膨張を成さしめ、且つ、少 量の分泌液による活性化と同時に層の柔軟性を増大させる能力を与える。 分泌液によって活性化される吸収層を実現するために、公知のヒドロゲル形成 材料が幅広く使用されている。このような材料は、膨張可能であって、且つ、拡 大する吸収層を作るために使用される。一般的に高吸収性物質として知られるヒ ドロゲル形成吸収材料は、膨張可能であって、且つ、例えば分泌液のような多量 の液体、特に水及び水分含有液体を吸収することが可能な重合体材料であり、こ のような材料を吸収体へ使用する技術は周知である。 しかし、高吸収性物質の高い吸収能力は、高速吸収とは組み合わされず、この 物質を吸収層に組み込むと、吸収体の性能に悪影響を及ぼす場合がある。事実、 高吸収性物質は先行技術において「ゲルブロッキング」として定義される現象を 生じさせることがある。高吸収性物質の粒子が液体と接触した場合、その外部表 面が液体を吸収し始め、膨張して液体が粒子自体に透過するのを妨げる。液体は 更に非常にゆっくりした拡散機構によってのみ、粒子のまだ乾燥している芯へと 浸透することができる。 したがって、特に月経のような粘性の分泌液を、増大した柔軟性をもって、ま た使用者の体に沿う優れた能力で処理すべき場合に、分泌液のすばやい補足及び 伝達能力と組み合わされ、着用者にとって心地よく、製造及び包装が簡単で、少 量の分泌液によって活性化されると同時に、一部分に集中した領域であっても、 高い膨張度を達成する一方、吸収された分泌液による活性化と同時に、使用中に 達成される密接な体との接触のために構造的に形作られた輸郭を吸収体に提供す ることが望ましい。 したがって、本発明の目的は、公知のヒドロゲル形成材料に限定されること無 く、吸収容量及び拡大容量を充分利用することが可能な拡大吸収材料を提供する ことにある。 発明の概要 本発明は、使用前は実質的に平らであって、身体排出領域に隣接して着用する ための使い捨て吸収体に関する。実質的に平らな使い捨て吸収体は、各々縦と横 の方向を限定する縦の中心線とそれに対して直交する横の中心線、及び縦と横の 中心線に対して直交するＺ方向を有する。使い捨て吸収体は、液体浸透性のトッ プシート、前記トップシートに接合されるバックシート、及びトップシートとバ ックシートの中間に置かれる吸収芯を備える。本明細書において使用する「実質 的に平らな」という言葉は、形成されるものとは対照的に１つの面に主として伸 びる吸収体を意味する。吸収芯は拡大層を備え、拡大層は分泌液によって活性化 され、互いに切り離される多数の小さな成分で構成され、各々の小さな成分は実 質的に１つの方向にの伸びることができる。 図面の簡単な説明 明細書は特に本発明を指摘し、明確にクレームする特許請求の範囲で結論付け られるが、本発明は以下の図面に関連して為される以下の説明を読めば、より良 く理解されるであろう。 図１は、本発明による生理用ナプキンの一実施態様の上平面図である。 図２は、図１に示された横の中心線Ａ−Ａに沿う生理用ナプキンの横断面図で ある。 図３は、着用中に活性化された後、立体構造に拡大された、図２の生理用ナプ キンを示す横断面図である。 図４は、本発明による生理用ナプキンの別の実施態様であって、図２の構成に 類似する横断面図である。 図５は、着用中に活性化された後、立体構造に拡大された図４の生理用ナプキ ンを示す横断面図である。 図６は、本発明による生理用ナプキンの更に別の実施態様であって、図２の構 成に類似する横断面図である。 図７は、着用中に活性化された後、立体構造に拡大された図６の生理用ナプキ ンを示す横断面図である。 発明の詳細な説明 本発明は、身体の分泌液に対する吸収性、使用者の衣類の汚れに対する保護、 及び使用者に対して改良された物理的な快適さを呈し、また製造及び包装が容易 である使い捨て吸収体に関する。以下において使い捨て吸収体を生理用ナプキン または生理用品に関連して説明する。本明細書において使用する「生理用ナプキ ン」という用語は、外陰部に隣接して女性が着用し、身体から排出される様々な 分泌液（例えば、腟の排出物、月経分泌液、及び／もしくは尿）を吸収し、包含 するためのものであり、また１回の使用後に捨てることが意図されている品物を 意味する。使い捨て吸収体は使用前は実質的に平らである。 本明細書において使用する「実質的に平らな」という言葉は、形成されるもの とは対照的に１つの面に主な伸長部分を有する吸収体を意味する。好ましい実施 態様では、実質的に平らな吸収体は一定の厚さの吸収芯を有するか、あるいは、 少なくとも吸収芯自体に直交する方向に形成されない吸収芯を有する。これは吸 収芯の全般的な曲率を含む。製品がどの程度まで絶対的に平らな形状から逸脱す ることができ、しかも本発明にしたがって使用中に形成される形状から利点を得 ることができるかは、当業者には自明であろう。 したがって、任意で伸縮性をもたせることができる縦のサイドカフを備えた生 理用ナプキン、及び適度の曲率を有する生理用ナプキンも本発明の範囲内である が、但しそれらの吸収芯は使用前に、吸収芯自体に対して直交する方向には形成 されていない。 本明細書において使用する「使用」という言葉は、吸収体が実際に使用者の体 と接触するように置かれた時から始まる期間を意味する。 本明細書において使用する「接合された」または「貼付けられた」という言葉 は、第１の部材が直接第２の部材に接続される構成、及び第１の部材を中間部材 に接続し、それを次に第２の部材に接続することによって、第１の部材が間接的 に第２の部材に接続される構成を包含する。 本明細書において使用する「切り離された」という言葉は、拡大層に設けられ た小さな拡大成分が、互いに接触可能であるが、互いに別個になっている状態を 意味する。 部分的に着用者の腟の前庭内にあり、部分的にその外側にある陰唇間装置も本 発明の範囲内にある。本明細書において使用する「外陰部」という言葉は、外側 から見える女性の生殖器を意味し、大陰唇、小陰唇、クリトリス、及び前庭に限 定される。 図１及び２には、本発明の生理用ナプキン２０の１つの好ましい実施態様が示 されている。図１は使用前の平らに伸ばされた状態の本発明の生理用ナプキン２ ０の平面図であり、生理用ナプキン２０の構成をより明確に示すために構造の一 部が破断されており、着用者に面する、あるいは着用者と接触する生理用ナプキ ン２０の部分が見る人の方に向けられている。図１及び２に示すように、生理用 ナプキン２０は、好ましくは、液体浸透性のトップシート２４、トップシート２ ４に接合される液体不浸透性のバックシート２６、及びトップシート２４とバッ クシート２６の中間に置かれる吸収芯２８を備える。吸収芯２８には、使用者に よる着用中に、生理用ナプキンを立体構造に拡大するための拡大層４６が設けら れている。 図１〜３に示した本発明の好ましい実施態様において、吸収芯２８は、拡大層 ４６と、共に接合されて互いに対向する関係にある不拡大吸収成分４４を備えて おり、拡大層４６は、トップシート２４と吸収成分４４との間に配置されている 。 吸収成分４４と拡大層４６は、吸収芯２８を形成するために、どのような適当 な方法で接合されてもよい。適当な方法には、スプレー接着、あるいは、接着剤 をそれらの間にライン状またはスポット状に塗布して吸収成分４４と拡大層４６ を接合する方法が含まれるが、それらに限定されない。その代わりに、あるいは 付加的に、層間の結合は繊維の絡み合いによって、または複数の別々の融解ボン ドによって行われてもよい。 あるいは、拡大層４６が全体の吸収芯２８を構成してもよい。 吸収芯２８の吸収容量は、生理用ナプキン２０に充填される分泌液量と矛盾が あってはならない。更に、分泌液の量が異なる着用者に適応するために、吸収芯 ２８の全体の吸収容量を変化させてもよい。例えば、夜用の生理用ナプキンと比 べて昼間用の生理用ナプキンのために、あるいは、成熟した婦人によって使用さ れるものと比べて１０代の女性によって使用される生理用ナプキンのために、異 なる吸収容量を設定してもよい。 生理用ナプキン２０は、２つの表面、身体と接触する表面即ち身体側表面と、 衣類と接触する表面即ち衣類側表面を有する。これに対応して、吸収芯２８は、 身体側表面と衣類側表面を有する。生理用ナプキン２０は、２つの中心線、即ち 、縦の中心線Ｏ−Ｏと、それに直交する横の中心線Ａ−Ａを有する。本明細書に おいて使用する「縦の」という言葉は、生理用ナプキン２０を着用した時、立っ ている着用者を左と右の半分づつに二分する垂直面に大体整列する（例えば、ほ ぼ並列する）生理用ナプキン２０の平面内の線、軸もしくは方向を意味する。本 明細書において使用する「横断する」または「横の」という言葉は交換でき、生 理用ナプキン２０の平面内にあり、大体縦方向に対して垂直である線、軸もしく は方向を意味する。Ｚ方向は、生理用ナプキン２０の縦方向及び横方向に対して 直交し、縦の中心線Ｏ−Ｏと横の中心線Ａ−Ａによって画定される生理用ナプキ ン２０の平面から外向きに伸びる。「縦に方位付けられた」という言葉は、生理 用ナプキン２０の平面において±４５°の縦方向を指し、「横に方位付けられた 」という言葉は同様に、生理用ナプキン２０の平面におけるその他の方向を指す 。 縦の中心線Ｏ−Ｏと整列する生理用ナプキン２０の長い縁は、生理用ナプキン ２０の縦の側縁である。縦の側縁と接する生理用ナプキン２０の端は、生理用ナ プキン２０の横端である。集合的に、生理用ナプキン２０の縦の側縁と横端が生 理用ナプキンの周縁部を限定する。同様に、生理用ナプキン２０の吸収芯２８は 、二者択一的に配置される縦の側縁と横端によって限定される周縁部を有する。 生理用ナプキン２０の立体構造は、使用者の体に密接に沿うようにするため、 生理用ナプキン構造を少なくとも部分的にＺ方向に拡大するようにする構造であ る。前記拡大は、好ましくは、生理用ナプキン２０の衣類側表面から身体側表面 に向かって進む方向に発生する。特に好ましいのは、逆Ｕ字型または逆Ｖ字型を 含むが、それらに限定されない凸状の上向きの輪郭を備えた立体構造であり、凸 状の上向きの輪郭とは、身体に面する表面上で凸状である生理用ナプキンの構造 を意味する。これらの好ましい構成によって、生理用ナプキンの中央部分の横断 面の輪郭が、典型的な着用者の陰唇に密接に適合するようになる。 トップシート２４は、従順な、やさしい感触の、着用者の皮膚に非刺激的なも のである。更に、トップシート２４は、液体浸透性であり、液体が容易にその厚 みを通して浸透することができるようにする。適当なトップシート２４は、織布 又は不織布材料；孔の開いた成形熱可塑性フィルム、孔の開いたプラスチックフ ィルム、ハイドロフォームされた熱可塑性フィルム等の重合体材料；多孔性発泡 体；網状発泡体；網状熱可塑性フィルム；及び熱可塑性スクリム等の広範囲の材 料から製造することができる。適当な織布又は不織布材料は、天然繊維（例えば 、木材または綿繊維）、合成繊維（例えば、ポリエステル、ポリプロピレンまた はポリエチレン繊維等の重合体繊維）、あるいは天然繊維と合成繊維の組み合わ せ等を具備することができる。 好ましいトップシートは、孔の開いた成形フィルムを備える。孔の開いた成形 フィルムがトップシートとして好ましいのは、それが分泌液に対して浸透性であ り、しかも非吸収性であり、液体が通過して着用者の皮膚を再び濡らす傾向を減 少させるからである。このように、体と接触する成形フィルムの表面が乾燥した ままであり、それによって体の汚れを減少させ、着用者にとってより快適な感触 を作り出す。 適当な成形フィルムは、１９７５年１２月３０日にＴｈｏｍｐｓｏｎに対して 発行された米国特許第３，９２９，１３５号；１９８２年４月１３日にＭｕｌｌ ａｎｅらに対して発行された米国特許第４，３２４，２４６号；１９８２年８月 ３日にＲａｄｅｌらに対して発行された米国特許第４，３４２，３１４号；１９ ８４年７月３１日にＡｈｒらに対して発行された米国特許第４，４６３，０４５ 号；及び１９９１年４月９日にＢａｉｒｄに対して発行された米国特許第５，０ ０６，３９４号に記載されている。本発明の吸収体用の好ましいトップシートは 、上述の特許の１つ以上に記載され、ドリウイーブ（ＤＲＩ−ＷＥＡＶＥ）とし てオハイオ州シンシナティ（Ｃｉｎｃｉｎａｔｉ、Ｏｈｉｏ）のザ・プロクター ・ アンド・ギャンブル社（Ｔｈｅ Ｐｒｏｃｔｅｒ ＆ Ｇａｍｂｌｅ Ｃｏｍｐ ａｎｙ）によって生理用ナプキンの市場で販売されている成形フィルムである。 本発明の好ましい実施態様において、月経分泌液が吸収芯へと流れ、吸収芯に よって吸収されずにトップシートから流れ出る可能性を減少させるように、身体 側表面が親水性でない場合よりも速く液体がトップシートを通って移動するのを 助けるために、成形フィルムのトップシートの身体側表面即ち露出表面は、親水 性を有する。 本発明のトップシートは、好ましくは、生理用ナプキン２０が分泌液の吸収と 同時に立体構造内で拡大するにつれて、拡大することができる。これはトップシ ートが拡大層４６によって示される力の下で本質的に伸ばせる材料で作られる時 に達成することができる。図１と図２に示した好ましい実施態様では、トップシ ート２４には、縦の中心線Ｏ−Ｏの両側に、実質的に中心線Ｏ−Ｏに並列して対 称的に置かれる２つのプリーツ即ちひだ５２が設けられている。図２に示すよう に、各々のプリーツ即ちひだ５２において、トップシート２４が生理用ナプキン ２０の縦の側縁に向かってそれ自体の上に二回折りたたまれる。あるいは、本発 明の範囲から逸脱することなく、１つのプリーツ即ちひだ、あるいはその代わり に、２つ以上のひだがトップシート２４に備えられてもよい。プリーツ即ちひだ は、概して縦に、または横に方位付けられる。 バックシート２６は、液体（例えば、月経、尿）に対して不浸透性であり、好 ましくは、薄いプラスチックフィルムから製造されるが、他の柔軟な液体不浸透 性材料も使用できる。使用に際して、バックシート２６は吸収芯２８と使用者の 下着の間に挿入される。バックシート２６の機能は、吸収芯２８から放出される かもしれない、あるいは吸収芯２８を不注意に迂回するかもしれない滲出物が使 用者の下着と接触し、汚すのを防止することである。このように、バックシート ２６は、織材料または不織材料、ポリエチレンまたはポリプロピレンの熱可塑性 フィルム等の重合体フィルム、あるいはフィルムで被覆された不織材料等の複合 材料を備えることができる。好ましくは、バックシートは、約０．０１２ｍｍか ら約０．０１５ｍｍの厚さのポリエチレンフィルムである。バックシート２６は 、好ましくは、より布に近い外観を与えるために、浮彫り細工を施されたもの、 及 び／もしくはつや消し仕上げされたものである。 本発明の好ましい実施態様において、生理用ナプキン２０には、更に、パンテ ィ固定手段が設けられ、それは図を簡略化するために図示されていないが、下着 にナプキンを取付けるための手段を提供する。例えば、パンティ固定手段は、例 えば商標名ＶＥＬＣＲＯ（ヴェルクロ）の名前で市販されているフックとループ ファスナー、スナップまたはホルダー等の機械的ファスナーを備えていてもよい 。あるいは、生理用ナプキン２０はバックシート２６上のパンティ固定接着剤に よって下着に固定される。パンティ固定接着剤は生理用ナプキン２０をパンティ に固定する手段と、好ましくは、汚れた時に生理用ナプキン２０を折り畳んで動 かないようにする手段と処分が便利なように外パッケージを提供する。典型的に 、バックシート２６の衣類側表面の少なくとも一部が接着剤で被覆され、パンテ ィ固定接着剤を形成する。このような目的のために業界で使用されているどのよ うな接着剤または糊もここでパンティ固定接着剤のために使用することができる 。感圧接着剤が最も好ましい。適当な接着剤としては、オハイオ州コロンブス（ Ｃｏｌｕｍｂｕｓ， Ｏｈｉｏ）のセンチュリー・アドヒーシヴス・コーポレー ション（Ｃｅｎｔｕｒｙ Ａｄｈｅｓｉｖｅｓ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）によ って製造されたセンチュリーＡ−３０５−ＩＶ（Ｃｅｎｔｕｒｙ Ａ−３０５ー ＩＶ）、及びニュージャージー州ブリッジウォーター（Ｂｒｉｄｇｅｗａｔｅｒ ，Ｎｅｗ Ｊｅｒｓｅｙ）のナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社（Ｎａ ｔｉｏｎａｌ Ｓｔａｒｃｈ ａｎｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｍｐａｎｙ）に よって製造されたインスタント ＬＯＫ ３４−２８２３（Ｉｎｓｔａｎｔ Ｌ ＯＫ ３４−２８２３）、３シグマによって製造された３シグマ ３１５３（３ Ｓｉｇｍａ ３１５３）、及びエッチ・ビー・フラー社（Ｈ． Ｂ． Ｆｕｌ ｌｅｒ Ｃｏｍｐａｎｙ）によって製造されたフラー Ｈ−２２３８ＺＰ（Ｆｕ ｌｌｅｒ Ｈ−２２３８ＺＰ）がある。 パンティ固定接着剤は、例えば、連続または不連続ストリップ、断続する小点 、無作為の螺旋パターン等、様々な分布パターンでスロットコーティングまたは スプレーすることによってバックシートに典型的に塗布される。 接着剤が使用前に乾燥したり、あるいは、パンティ以外の別の表面にくっつく のを防止するために、パンティ固定接着剤は、取り外し可能な剥離紙またはフィ ルムで覆われるが、市販されている剥離紙またはフィルムを使用することもでき る。適当な例は、アクロシル・コーポレーション（Ａｋｒｏｓｉｌ Ｃｏｒｐｏ ｒａｔｉｏｎ）から入手できるＢＬ ３０ＭＧ−Ａ シロックス ＥＩ／Ｏ及び ＢＬ ３０ ＭＧ−Ａ ＳＩＬＯＸ ４Ｐ／Ｏ（ＢＬ ３０ＭＧ−Ａ ＳＩＬＯ Ｘ ＥＩ／ＯＢＬ，ＢＬ ３０ ＭＧ−Ａ ＳＩＬＯＸ ４Ｐ／Ｏ）を含む。 図１から３に図示するように、吸収芯２８の非拡大性の吸収成分４４について は、それは一般的に圧縮でき、弾力的で、着用者の皮膚に非刺激的であり、分泌 液を吸収し包含することができるどのような吸収手段であってもよい。吸収成分 ４４は、使い捨て生理用ナプキンや、他の使い捨て吸収体において一般に使用さ れる種々の液体吸収性材料から製造されてよい。適当な吸収性材料の例は、（エ アフェルトと一般に称される）粉砕木材パルプ、クレープで包まれたセルロース の詰め物、改質された架橋セルロース繊維（１９９３年６月８日にＹｏｕｎｇら に対して発行された米国特許第５，２１７，４４５号に記載されているもの等） 、毛管チャンネル繊維（すなわち、１９９３年４月６日にＴｈｏｍｐｓｏｎらに 対して発行された米国特許第５，２００，２４８号に記載されているもの等の繊 維間毛管チャンネルを有する繊維）、吸収性発泡体（１９９３年１１月９日にＤ ｅｓＭａｒａｉｓらに対して発行された米国特許第５，２６０，３４５号及び１ ９９３年１２月７日にＤｅｓＭａｒａｉｓらに対して発行された米国特許第５， ２６８，２４４号に記載されているもの等）、熱接着された空気積層材料（１９ ９３年１０月２１日にＲｉｃｈａｒｄｓらの名前で提出された、「月経分泌液の 処理を改善するために熱接着層を有する月経吸収構造物、及び合い具合と快適さ が改善された月経パッドにおけるその使用」と題された、米国特許出願番号０８ ／１４１，１５６号に記載されている材料等）、吸収性スポンジ、合成短繊維、 重合体繊維、ヒドロゲル形成重合体ゲル化剤、ピートモス、または同等の材料ま たはこれらの材料の組み合わせを含む。発泡体を備える適当な吸収芯は欧州特許 出願第０ ５９８ ８３３、０ ５９８ ８２３、及び０ ５９８ ８３４号に 記載されている。 図１から３に図示した実施態様において、吸収芯２８の吸収成分４４は、それ 自体の上に縦に二回折り畳まれ、その間に吸収性ゲル化材の粒子を備える、熱接 着された空気積層材で作られた吸収層３０を備えるが、簡略化のためにそれらの 粒子は図示していない。 図１と図２に示すように、吸収芯２８は、生理用ナプキン２０を着用中に生理 用ナプキン２０を所望の立体構造に拡大するための拡大層４６を備える。図１か ら３に図示した態様において、生理用ナプキン２０の好ましい立体構造への拡大 と最終成形は、着用中に分泌液の吸収によって活性化される拡大層４６のＺ方向 への膨張によって達成される。 拡大層４６は、個々に識別可能に切り離された多数の小さな拡大成分５０を具 備し、これら小さな拡大成分５０は、各々、分泌液の活性化と同時に、つまり、 分泌液の吸収と同時に、一方向のみに拡大することができる。つまり、各々１つ の小さな拡大成分５０は、三次元空間に沿って均一に膨張せず、むしろ実質的に その長さと幅と厚みのうちの１つを増大させる。 小さな拡大成分５０は、拡大層４６内に不規則に分散され、異なる小さな拡大 成分５０が互いに平行では無い方向に拡大する。 拡大層４６は、好ましくは、生理用ナプキン２０を所望の立体構造に形成する ために、膨張可能などのような材料を具備していてもよい。 分泌液の吸収及びそれに続く膨張の後、拡大層４６内に含まれる小さな拡大成 分５０の材料は、柔らかで、従順で、快適かつ弾力的でなければならない。それ は、通常の使用中に経験する比較的小さな力の下で変形するように圧縮性でなけ ればならない。圧縮性に加えて、拡大層４６の小さな拡大成分５０の材料は、着 用中に立体構造が形成される時、好ましくは、着用者の陰唇及び会陰部内とその 周囲にトップシート２４を通した改良された合い具合を提供することができるよ うに、膨張の後柔軟で、従順でなければならない。体の形態に沿う能力が、女性 の使用者の露出された生殖器との密接な接触を提供するであろう。これは使用者 から拡大層４６への優れた分泌液移動を提供する助けをする。拡大層４６のこれ らの特徴が改善された合い具合を可能にする一方、それらは製品が柔らかで着用 者にとって快適であるようにする。 拡大層４６は、収芯２８の身体側表面の少なくとも一部を形成することが好ま しい。図１及び図２に示した実施態様において、拡大層４６は、吸収成分４４の 上に、それと向かい合うような関係に位置付けられる。それは図１に示すように 、方形で、好ましくは吸収成分４４より狭くて短く、縦と横の中心線Ｏ−Ｏ及び Ａ−Ａのまわりに集中する。代替案として、拡大層４６に対して、例えば漏刻形 等の異なる形状も可能である。 吸収芯２８の拡大層４６は、身体側表面と衣類側表面を有すると共に、不規則 に分散された多数の小さな拡大成分５０を備える。図１及び図２に示すように、 拡大層４６は、分泌液浸透性のシート４７、例えば、それ自体の上に縦に２回折 り畳まれ、縦の折り重なる縁が公知の手段によって、例えば、糊付けによって互 いに接合された、好ましくは親水性不織層または薄織物層を備え、また折り畳ま れた不織シート４７は、例えば、線状の糊によって、その横端においてそれ自体 に接合される。小さな拡大成分５０は折り畳まれた不織シート４７内に無作為に 分散される。 拡大層４６は、好ましくは、その中に含まれる小さな拡大成分５０が分泌液に よって活性化されると同時に、膨張が抑制されないように作られる。これは業界 で公知の方法の１つを用いて達成できる。図１及び図２に示すように、小さな拡 大成分５０が分泌液浸透性シート４７ですっぽり包まれる場合、前記シート４７ は、例えば、拡大層４６によって発揮される力の下で本質的に伸ばせる材料で作 ることができるが、あるいはその代わりに、前記シート４７は小さな拡大成分５ ０を乾燥した未拡大状態で包み込むのに必要であるものより幾分大きくてもよく 、それによって分泌液による活性化と同時に抑制効果なしにその完全な拡大を許 容することができる。 小さな拡大成分５０は、どのような規則的または不規則的な形状にも作ること ができる。好ましい形状は２つの正方形のベースを備えた平行六面体の形状であ るが、別の形状も可能であり、例えば、立方体または円形または楕円形のベース を有する円筒形の形状を備えた小さな拡大成分５０、及び円錐形またはピラミッ ド形状を有する、あるいは先端が切り詰められた円錐形または先端が切り詰めら れたピラミッドの形状を有する小さな成分５０等が可能である。 小さな拡大成分５０は、更に、その表面にスリット、切り込みまたは孔、また はその組み合わせを備えることができる。 拡大層４６に含まれる小さな拡大成分５０は、全て同じ形状、またはその代わ りに、異なる形状を有することができる。 小さな拡大成分５０は、各々、０．１ｍｍ³から１５０ｍｍ³、好ましくは４ｍ ｍ³から５０ｍｍ³、より好ましくは１０ｍｍ³から３５ｍｍ³の範囲の体積を有す る。拡大層４６に含まれる小さな拡大成分５０は、全て同じ体積であってもよく 、あるいは、異なる体積を有する小さな拡大成分５０が拡大層４６の異なる領域 を具備していてもよい。例えば、小さな体積の小さな拡大成分が、まず始めに分 泌液を受け入れることが意図されている拡大層４６の部分を具備していてもよく 、この部分は拡大層４６の中央部分であってよい。 拡大層４６内に無作為に分散される小さな拡大成分５０は、それらが切り離さ れ、更にそれらの間に空隙５１を備えるなら、互いに直接接触することができる 。あるいは、小さな拡大成分５０は、それらの間に別の材料、好ましくは別の吸 収材料、例えば吸収性繊維を備えることができる。 拡大層４６に対する斥量は、２０ｇ／ｍ²から５０００ｇ／ｍ²、好ましくは、 ３００ｇ／ｍ²から１３００ｇ／ｍ²の範囲であってよく、小さな拡大成分５０が 拡大層４６の乾燥全重量の１０％から１００％を構成する。 小さな拡大成分５０と、もし存在する場合は、吸収性繊維等の他の材料とは、 好ましくは、拡大層４６内に均一に分散されるが、あるいはその代わりに、小さ な拡大成分５０が拡大層４６内に不均一に分散されてもよい。例えば、小さな拡 大成分５０が、まず始めに分泌液を受け入れることが意図されている拡大層４６ の部分、つまり、その中央部分にそのほとんどが分散されてもよい。 小さな拡大成分５０は、互いに、或いは、拡大層４６の他の成分（例えば、そ れらを包み込む不織シート４７、又は、拡大層４６に任意に設けられる他の材料 ）に接合されないが、それにも関わらず、拡大層４６内の小さな拡大成分５０の 安定した分布を維持するために、それらが互いに切り離される一方で、小さな拡 大成分５０のある程度の接合を達成することができることが好ましい。但し、小 さな拡大成分５０は、分泌液による活性化と同時に、拡大層４６の周囲の材料に よって、あるいは任意で使用することができる接着手段によって抑制されること な く、実質的に自由に拡大することができなければならない。これは当業者に公知 の方法で行われてよい。代替案として考慮されるように、吸収性繊維が小さな拡 大成分５０の間に分散される場合、それらは膨張が発生する時に抑制効果を与え ることなく、小さな拡大成分５０に拡大層４６内の安定した分布を提供すること ができる。 拡大層４６内に含まれる各々の小さな拡大成分５０は、分泌液による活性化と 同時に、一方向のみに沿って実質的に自由に拡大し、実質的に他の小さな拡大成 分５０とは独立しており、異なる小さな拡大成分５０が互いに対して平行ではな い方向に典型的に拡大する。各々の小さな成分５０の拡大は、おそらくまだ分泌 液が達していない周囲の小さな拡大成分５０によって抑制されない。これは、分 泌液の最初の数滴が拡大層４６によって受け取られる時に発生するかもしれない ように、非常に限定された量の分泌液の吸収と同時に、拡大層４６の局部に限定 された領域においてさえも、より高い吸収容量と膨張を可能にする。更に、拡大 層４６は、分泌液の吸収前の乾燥状態においてさえも、非常に高い柔軟性を有す る。従って、生理用ナプキン２０は着用者にとって更に心地よくなる。 好ましくは、使用者によって着用されている間、吸収された分泌液による活性 化と同時に、拡大層４６が生理用ナプキン２０を立体構造に拡大することができ る場合、小さな拡大成分５０が実質的に互いに独立しており、従って各々の小さ な成分５０がそれ自体１つの方向に自由に膨張できるという事実により、拡大層 ４６を備える小さな拡大成分５０が拡大層４６に使用者の体に沿うより優れた能 力を提供する。 図２と図３は、拡大層４６の拡大前及び拡大後の生理用ナプキン２０を各々示 している。 図２は最初の分泌液吸収前の生理用ナプキン２０を示し、拡大層４６が膨張す る前である。図３はその中央領域において分泌液の最初の量を吸収すると同時に 、拡大層４６の活性化後、立体構造に拡大された生理用ナプキン２０の好ましい 実施態様を示す。分泌液の最初の放出は、分泌液が最初に達する小さな拡大成分 ５０の間に備えられる空隙５１内に急速に捕捉される。空隙５１は拡大層４６に 小さな拡大成分５０の間に初期の分泌液捕捉用通路を提供し、したがって急速か つ 効果的な膨張を可能にする。空隙５１は拡大層４６が膨張した後でも、更に放出 される分泌液の捕捉のために利用できる大きな空隙量と、また実質的に不拡大吸 収成分４４への分泌液の透過用に拡大層４６を通る直接路を拡大層４６に提供す る。 最初の量の分泌液の吸収と同時に、まず分泌液が達する拡大層４６の小さな拡 大成分５０が、おそらくまだ分泌液が達していない周囲の小さな拡大成分５０と は完全に別個に、それらによって抑制されることなく、膨張することができる。 したがって、分泌液を最初に受け入れる拡大層４６の領域は、互いに明らかに識 別される、切り離された小さな拡大成分５０によって形成されていない場合より もはるかに大きく膨張することができる。 各々の小さな拡大成分５０は、一方向にのみ拡大することができる。更に、小 さな拡大成分５０は、拡大層４６内に無作為に分散されるので、個々に考えた場 合、互いに平行しない、多くの異なる方向に拡大する。このような別々の異なる 膨張の好ましい全体の効果は、図３に示すように、実質的にＺ方向への拡大層４ ６の膨張となる。 拡大層４６内の分泌液の吸収は、分泌液捕捉及び分布のために利用できる表面 積を増大させ、拡大層４６自体における分泌液拡散用の優先的な通路を提供する 空隙５１によって助長される。これは月経や腟からの放出物としての粘性分泌液 のより高い捕捉速度を可能にし、分泌液の突然の噴出をも効果的に処理できるよ うにする。 特に重い噴出分泌液が放出された場合、空隙５１が、少なくとも拡大層４６内 に完全に捕捉されないかもしれない分泌液部分を、不織支持層５４を通して、吸 収芯２８の実質的に不拡大吸収成分４４に直接送るための直線路を作り出す。 拡大層４６への小さな拡大成分５０の無作為の分布において、空隙５１の寸法 は、おおよそ小さな拡大成分５０の体積に関連する、つまり小さな拡大成分５０ の体積が大きくなればなる程、その中に含まれる空隙５１の寸法が大きくなる。 小さな拡大成分５０の体積と空隙５１の寸法は、拡大層４６の全伸長部分を通 じて一定であってよく、あるいはその代わりに、空隙５１の異なる寸法と小さな 成分５０の異なる体積を拡大層４６の異なる部分に採用することもできる。小さ な成分の体積が小さくなるにつれて、非常に少量の分泌液によって活性化される と同時に、概してより高くより均一な膨張を提供する一方、空隙５１の体積が大 きくなると、分泌液の突然の噴出分を捕捉し、拡大層４６の厚みを通る過度の分 泌液を透過させる能力を増大させる。他方、空隙５１の体積が小さくなると、分 泌液が最初に達する点から離れて、分泌液を拡散させる拡大層４６の能力を増大 させる。 これらの異なる特徴全ての正しいバランスは、当業者によって容易に定義され 得る。 吸収性繊維が拡大層４６の小さな拡大成分５０の間に含まれる場合、これらの 繊維が小さな拡大成分５０間で分泌液の捕捉及び拡散を改善することができる。 本発明の好ましい実施態様では、拡大層４６は圧縮された再生セルローススポ ンジのシートから作られる小さな拡大成分５０を備える。 好ましく拡大層４６を構成する再生セルローススポンジは、業界で公知の材料 である。適当な材料の例は、米国特許第３，９５４，４９３号、フランス特許出 願第ＦＲ−Ａ−２，２０３，８２７号、及び欧州特許第ＥＰ−Ｂ−０ ２９３ ２０８号に記載されている。再生セルローススポンジはセルロースの骨格を含む 材料のスポンジである。このようなスポンジの例としては、セルロース自体で構 成されるスポンジに加えて、ビスコース、セルロースエーテル及びセルロースエ ステル等のセルロース誘導体で構成されるスポンジ、及びこれらの材料の組み合 わせで構成されるスボンジが挙げられる。 例としては、再生セルローススポンジは、ビスコース溶液と補強繊維の混合物 、及び細孔によって形成されるプロジェニック（porogenic）合成物、例えば、 高い含有量の結晶化された水との硫酸ナトリウム十水化物または別のアルカリ金 属塩の結晶から作成することができ、最終的な細孔の寸法はその塩結品の寸法に 関係する。ビスコース溶液は所望の断面の押出ダイを通して押し出し、それから 凝固させてもよい。塩とその他の可能性のある溶性化合物を除去するために、再 生後材料を水で洗浄し、次に乾燥させて、必要であれば、所望の密度に圧縮する 。 圧縮された再生セルローススポンジは硫酸ナトリウム結晶の除去によって作ら れる空気の泡を含む網状組織構造を有する。 圧縮された再生セルローススポンジ材料は、様々な形態、例えば、異なる密度 、厚さ及び斥量の層またはシートの形態で入手できる。本発明の拡大層４６のた めに使用される圧縮された材料に対する乾燥密度値は０．１ｇ／ｃｃ〜１ｇ／ｃ ｃであり、一方厚さは０．５ｍｍ〜５ｍｍまでの範囲であってよい。 拡大層４６を形成する圧縮された再生セルローススポンジ材料の液体吸収と同 時に発生する膨張は、実質的に圧縮方向に発生し、圧縮前の再生されたスポンジ の細孔サイズを回復する。それは湿った状態で崩壊しない空隙量を作り出すので 、材料が分泌液を素早く捕捉して解放し、それらを吸収芯２８の下にある吸収成 分４４に移動させることができるようにする。 本発明の小さな拡大成分５０は、適当な厚みの圧縮された再生セルローススポ ンジのシートを所望の形状に切断することによって達成することができる。 図１から図３に示した態様では、生理用ナプキン２０の全吸収容量は、圧縮さ れた再生セルローススポンジのシートから切断された小さな成分５０を備える拡 大層４６と吸収成分４４を備える吸収芯２８によって規定される。 図１と図２に示された本発明の好ましい実施態様において、吸収芯２８は、不 拡大吸収成分４４と、拡大層４６を備えており、拡大層４６は、その乾燥密度が ０．５ｇ／ｃｃであり、２ｍｍの側面と１ｍｍの厚みを持つ正方形のベースを有 する平行六面体であり、１０００ｇ／ｍ²の均一の斥量で拡大層４６に無作為に 分散される圧縮された再生セルローススポンジの小さな成分５０で構成されてい る。各々の小さな成分５０は、その厚み方向に圧縮されるので、分泌液による活 性化と同時に、実質的にその方向にのみ拡大することができる。 小さな拡大成分５０は、２０ｇ／ｍ²の斥量を有し、それ自体の上に２度縦に 折り畳まれた、親水性の熱接着されたポリプロピレン不織物で作られる不織シー ト４７内に包み込まれ、拡大層４６の衣類側表面の上に重なる縦の縁が、接着剤 の線によって互いに接合される。拡大層４６内に小さな拡大成分５０を含むこと ができる閉鎖された空間を画定するために、接着剤の線は、折り畳まれた不織シ ートをその横の両端においてそれ自体の上に接合する。拡大層４６は、方形であ り、各々の長さが１２５ｍｍと３０ｍｍである、二者択一的に配置される縦の側 縁と横端を備える。拡大層４６は、吸収成分４４の身体側の側面の上に対面する 関係に置かれ、それらが生理用ナプキン２０の縦と横の中心線Ｏ−Ｏ、Ａ−Ａの まわりに集中される。吸収芯２８の吸収成分４４は、２０７ｍｍの長さであり、 ６４ｍｍの幅である。圧縮された再生セルローススポンジの適当なシートは、ス ポンテックス・フランス（Ｓｐｏｎｔｅｘ Ｆｒａｎｃｅ）によって製造されて いるものであってよい。 好ましくは拡大層４６を構成する圧縮された再生セルローススポンジは、圧縮 時の体積の一般的に約２倍から２０倍に、通常は５倍から１５倍にその体積を大 きく増大させて急速に分泌液を吸収することができる。体積増大は実質的に圧縮 方向への膨張に対応する。 生理用ナプキン２０は、図１及び図２に示すように、従来の平らな製品として 製造・包装される。生理用ナプキン２０が着用された後、吸収された分泌液が拡 大層４６と接触するや否や、図３に見られるように、拡大層４６がその厚みを増 大させて膨張し始める。トップシート２４は、プリーツ即ちひだ５２を伸ばすこ とによって、拡大層４６の膨張に従い、従って、膨張を抑制することなく、その 幅を増大させる。 拡大層４６の小さな拡大成分５０を構成する圧縮された再生セルローススポン ジの膨張は、吸収された分泌液により活性化された時にのみ発生し、それは生理 用ナプキン２０の使用中に限られ、使用者の体と密接に接触している時である。 従って、立体構造の好ましい形成が使用者の体との優れた合い具合を達成するこ とができる。更に、拡大層４６の小さな拡大成分５０の膨張は、最初に分泌液が 実際に到達した場所で始まることができる。従って、立体構造の好ましい形成が 、様々な使用者が分泌液を放出する可能性のある異なった方法にも適合すること ができる。 拡大層４６を構成するように無作為に分散された小さな成分５０は、周囲のま だ乾燥している拡大層４６の部分の抑制効果なしに、分泌液が実際に到達する小 さな拡大成分５０のより高い局部的な膨張を可能にする。これは非常に少量の分 泌液による活性化であっても、拡大層４６が使用者の体により効果的に沿うこと ができるようにする。 空隙５１は、分泌液の突然の噴出をより効果的に処理できるようにし、拡大層 ４６内で分泌液がうまく分散できるようにするので、少量の粘性分泌液の吸収の もとでさえも、より高い急速な膨張を助長する。 生理用ナプキン２０の好ましい特徴である拡大トップシート２４は、更に、分 泌液による活性化と同時に、生理用ナプキン２０の望ましい立体構造への拡大を 抑制することなく、使用者の体との心地よい接触を提供する。 本発明の生理用ナプキン２０は、使用前は平らであり、したがって従来の伸縮 性を持たせた、あるいは予備成形された品物より容易に製造・包装することがで きる。好ましい立体構造は使用中にのみ形成されるので、本発明の生理用ナプキ ンは着用するのも容易である。 本発明の別の実施態様において、生理用ナプキン２０は、２つのフラップ（図 示せず）を有していてもよく、各々のフラップは吸収芯の側縁に隣接し、側縁か ら横に伸びる。フラップは着用者のパンティの縁と着用者の腿の間に配置される ように、股部において着用者のパンティの縁の上に掛けるように構成される。フ ラップは少なくとも２つの目的を果たす。第１に、好ましくはパンティの縁に沿 って二重のバリヤーを形成することによって、フラップは着用者の体とパンティ が月経分泌液で汚れるのを防止する働きをする。第２に、フラップは好ましくは 衣類に面する表面に接着手段が設けられ、フラップをパンティの下に折り畳み、 パンティの衣類に面する表面に取付けることができるようにする。この方法で、 フラップは生理用ナプキンをパンティの適所に位置付けて保持する働きをする。 フラップは、トップシート２４、バックシート２６、その組み合わせのために 使用される材料を含む様々な材料で構成することができ、中心にティシューを有 する積層物であってもよい。更に、フラップは生理用ナプキン２０の本体に取付 けられる別の成分であってもよく、あるいはトップシート２４及び／もしくはバ ックシート２６の伸長部分を備えることもできる。しかしながら、フラップはフ ラップに達した分泌液が着用者のパンティの縁を汚すのを防止するために、液体 不浸透性のバックシートを有することが勧められる。 本発明の生理用ナプキン２０に適した、あるいは適合できる好ましいフラップ は、１９８７年８月１８日にＶａｎ Ｔｉｌｂｕｒｇに対して発行された米国特 許第４，６８７，４７８号；１９８６年５月２０日にＶａｎ Ｔｉｌｂｕｒｇに 対して発行された米国特許第４，５８９，８７６号；及び１９８６年８月２６日 にＭａｔｔｉｎｇｌｙに対して発行された米国特許第４，６０８，０４７号に開 示されている。 また、生理用ナプキン２０は、着用者のパンティの側部を自然に包む成分を適 宜備えてもよい。本発明の生理用ナプキン２０と共に使用するのに適した、着用 者のパンティの側部を自然に包む成分を有する生理用ナプキンは、Ｌａｖａｓｈ らの名前で、１９９３年７月２２日に提出され、「パンティの側部を自然に包む パンティカバリング成分を有する吸収体」（″Absorbent Article having Panty Covering Components that Naturally Wrap the Sides of Panties″）と題さ れた米国特許出願番号０８／０９６，１２１号、及びＷｅｉｎｂｅｒｇｅｒらの 名前で、１９９４年７月２０日に提出され、「伸展性ゾーンを備えた下着カバリ ング成分を有する吸収体」（″Absorbent Articles Having Undergarment Cover ingComponents with Zones of Extensibi1ity″）と題された米国特許出願番号 ０８／２７７，７３３号に開示されている。 着用中に生理用ナプキン２０を立体構造に拡大するための拡大層４６は、所望 の立体構造を得るために、生理用ナプキン２０において他の適当な位置及び／も しくは方位を具備していてもよく、特に、それは吸収芯２８の衣類に面する表面 の少なくとも一部を形成することができる。 好ましい実施態様において、小さな拡大成分５０を包み込んで拡大層４６を構 成する分泌液浸透性のシート４７は、吸収された分泌液による活性化と同時に、 小さな拡大成分５０の膨張、したがって全体の拡大層４６の膨張を好ましい形状 に向けることができるような方法で構成することができる。 また、本発明の生理用ナプキン２０には、適宜、臭気制御手段を組み込むこと が可能である。業界で公知の技術によって、どのような適当な臭気制御手段をも 本発明の生理用ナプキンに所望の形状で組み込むことができる。 図４に示した別の態様では、国際出願ＷＯ ９６／０５７９０号に開示されて いるものに類似する複合生理用ナプキン２０について説明されており、この複合 生理用ナプキン２０は、一次的な吸収部材１３０と、一次的な吸収部材１３０よ り大きな二次的な吸収部材１５０を備えている。一次的吸収部材１３０と二次的 吸収部材１５０は、共通の長さを有し、隣接する付着点間の最も長い付着されて いない距離が前記共通の長さの７５％より短くなるような方法で、結合手段１７ ０によって共に接合される。一次的吸収部材１３０は、吸収芯１３４と、吸収芯 １３４を完全に包み込む液体浸透性のトップシート１３２とを備える。一次的吸 収部材１３０のトップシート１３２は、二次的吸収部材１５０のトップシート１ ５２に結合手段１７０によって接合され、次に、二次的吸収部材１５０のバック シート１５４に接合される。一次的吸収部材１３０の吸収芯１３４は、トップシ ート１３２内にエアフェルト繊維と共に均一に分散される小さな拡大成分５０を 備える。この態様では、一次的吸収部材１３０の吸収芯１３４が拡大層４６に対 応する。 図５は、分泌液の最初の放出による活性化と同時に膨張した後の図４の生理用 ナプキンを示す。分泌液は、直接、又は、小さな拡大成分５０の中に含まれる吸 収性繊維を通した拡散手段によって、捕捉点に近い小さな拡大成分５０に達する 。分泌液が達した小さな成分５０は、小さな拡大成分５０が圧縮された再生セル ローススポンジで作られる時の圧縮方向に典型的に対応する各々一方向のみに膨 張している。無作為に分散された小さな成分５０の拡大の全体的な効果は、一次 的吸収部材１３０のＺ方向への膨張にある。吸収芯１３４を包み込むトップシー ト１３２は、好ましくは、それは技術上周知であるように、拡大層４６の拡大を 抑制しないような方法で作られる。トップシート１３２は、例えば、拡大層４６ によって発揮される力の下で本質的に伸ばせる材料で作ることができるが、ある いはその代わりに、トップシート１３２は、その乾燥した未拡大状態で、吸収芯 １３４を包み込むのに必要であるものより幾分大きく、したがって抑制効果なし に、分泌液による活性化と同時に完全な拡大を許すようなものであってもよい。 図６に示した別の代替の実施態様において、図１と図２に示したものに類似す る生理用ナプキン２０は、更にトップシート２４と吸収芯２８間に位置付けられ る捕捉層即ち二次的トップシート２９を備える。好ましくは、捕捉層２９は、完 全には吸収芯２８の上に重ならない。図６に示した態様では、捕捉層２９は、拡 大層４６をカバーせず、従って、拡大層は、トップシート２４を通して分泌液を 直接収容することができる。図６に示すように、捕捉層２９は、拡大層４６より わずかに長くて幅が広い窓を備える不連続表面を有する。したがって、捕捉層２ ９は、実際にはトップシート２４と吸収芯２８の不拡大吸収成分４４の間に備え られる。別の輸郭も可能である。例えば、捕捉層２９が縦に方位付けられ、拡大 層４６の両側で吸収芯２８の吸収成分４４の上に置かれる２つの狭いストリップ を備えてもよい。あるいは、捕捉層２９は、吸収芯２８とバックシート２６の間 に含まれることもできる。更に、図２に示したものに類似する態様では、捕捉層 ２９は、拡大層４６と吸収成分４４の間に備えられることもできる。 捕捉層２９は、吸収芯２８の上／中へと、捕捉層２９に直接到達する分泌液の 改善されたウィッキング（wicking）を含む幾つかの機能を果たすことができる 。図６に示した態様において、捕捉層２９は、拡大層４６から横方向に漏れるか もしれない分泌液を収容し、それを吸収芯２８の吸収成分４４に向けることがで きる。分泌液のウィッキングを改善することによって、捕捉層２９は吸収芯２８ 全体に亙る分泌液の一様な分散を提供する。 捕捉層２９は、好ましくは、非常に速く液体を捕捉することができ、実質的に 保持容量をもたずに、液体を隣接する層に実質的に解放する材料を備える。 捕捉層２９は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンを含む合成繊維 の不織／織ウェブ；綿またはセルロースを含む天然繊維；このような繊維のブレ ンド物；あるいは同等の材料または材料の組み合わせを含む幾つかの異なる材料 を具備していてもよい。捕捉層とトッシートを有する生理用ナプキンの例は、Ｏ ｓｂｏｒｎに対して発行された米国特許第４，９５０，２６４号、及びＣｒｅｅ らの名前で１９９１年１２月１７日に提出された、「融合層を有する吸収体」（ ″Absorbent Article Having Fused Layers″）と題された、米国特許出願番号 ０７／８１０，７７４号において詳細に記載されている。 トップシート２４、捕捉層２９、及び吸収芯２８は、それらの間の適切な分泌 液移動を保証するために、適当な方法で結合されてもよい。図示していないが、 更に別の態様において、捕捉層２９は、トップシート２４と、拡大層４６を備え るその下にある吸収芯２８の間に挿入されてもよい。捕捉層２９は、その膨張を 抑制することなく、液体の吸収と同時に、拡大層４６の拡大に自由に沿うことが できなければならない。 図６に示した態様において、拡大層４６は、無作為に配置された小さな拡大成 分５０を備える、図１と図２を参照して説明したものに完全に対応する。 図６に図示するように、プリーツ即ちひだ５２が縦の中心線Ｏ−Ｏの両側に、 また実質的にそれに平行して置かれるが、各々のプリーツ即ちひだ５２において 、トップシート２４が生理用ナプキン２０の縦の中心線Ｏ−Ｏに向かって、トッ プシート自体の上に二回折り畳まれる。分泌液吸収と同時に、拡大層４６が膨張 する間、プリーツ即ちひだ５２がまっすぐに伸ばされることで、一種の縦に方位 付けられたサイドカフ４７が形成され、それが図７に示すように、側部漏出に対 して優れたシールを提供する。トップシート２４の全幅が拡大層４６の完全な膨 張に沿うのに必要であろう幅よりわずかに大きければ、サイドカフス４７は、拡 大層４６の膨張が完了した時でも存在していてよい。 本発明の使い捨て吸収体を生理用ナプキンに関連して説明してきたが、この使 い捨て吸収体はパンティライナー、失禁用品やおむつ等の他の使い捨て吸収体に 関連しても有益に使用することができる。このように、使い捨て吸収体はその意 図される使用に関連する製品に典型的である全ての特徴及び部品を有することが できる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ， ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，Ｔ Ｄ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ， ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｕ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ， ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，Ｌ Ｖ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ， ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，Ｕ Ｚ，ＶＮ，ＹＵ (72)発明者 ジオルジーニ、ジェナーロ イタリア国、アイ―64026 ロセト、ビ ア・ルカニア 14 (72)発明者 タンブロ、マウリツィオ イタリア国、アイ―65100 ペスカラ、ビ ア・エム・ポロ 50

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．身体排出部に隣接して着用される使い捨て吸収体であって、前記吸収体は 、縦の方向及び横の方向を規定するように、縦の中心線と、この縦の中心線に直 交する横の中心線とを有し、更に、前記吸収体は、前記縦の方向及び横の方向に 対して直交するＺ方向を有していると共に、前記吸収体は、液体浸透性のトップ シートと、このトップシートに接合されるバックシートと、前記トップシートと 前記バックシートの中間に配された吸収芯とを備えており、前記吸収芯は、身体 に面する表面を有すると共に、拡大層を備えており、前記拡大層は、身体に面す る表面と衣類に面する表面とを有すると共に、多数の小さな拡大成分を備えてお り、前記小さな拡大成分は、分泌液によって活性化され、且つ、互いに切り離さ れており、また、前記吸収体は、前記小さな拡大成分が分泌液により活性化する と同時に、実質的に一方向のみに拡大することが可能に構成されていることを特 徴とする使い捨て吸収体。 ２．少なくとも２つの異なる小さな拡大成分は、２つの平行しない方向に拡大 することを特徴とする請求項１に記載の使い捨て吸収体。 ３．前記小さな拡大成分は、前記拡大層の中に不規則に分散されていることを 特徴とする請求項１又は２に記載の使い捨て吸収体。 ４．前記小さな拡大成分は、前記拡大層の乾燥全重量の１０％から１００％で 構成されていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１に記載の使い捨て吸 収体。 ５．前記拡大層は、吸収性繊維を備えていることを特徴とする請求項１〜４の いずれか１に記載の使い捨て吸収体。 ６．前記小さな拡大成分は、０．１ｍｍ³から１５０ｍｍ³の乾燥体積を有する ことを特徴とする請求項１〜５のいずれか１に記載の使い捨て吸収体。 ７．前記拡大層は、使用者によって着用されている間に、分泌液による活性化 と同時に前記Ｚ方向に拡大することによって、前記吸収体を立体構造に拡大させ ることが可能に構成されていることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１に記 載の使い捨て吸収体。 ８．前記拡大層は、前記吸収芯の前記身体に面する表面の少なくとも一部を形 成することを特徴とする請求項１〜７のいずれか１に記載の使い捨て吸収体。 ９．前記拡大層の前記小さな拡大成分は、０．１〜１ｇ／ｃｃの乾燥密度を有 する圧縮された再生セルローススポンジで作られることを特徴とする請求項１〜 ８のいずれか１に記載の使い捨て吸収体。 １０．前記吸収体は、生理用ナプキンまたはパンティライナーであることを特 徴とする請求項１〜９のいずれか１に記載の使い捨て吸収体。