JP2000500693A - ポリマー鋳型上の電子受容体組成物および過酸化水素の触媒製造方法 - Google Patents

ポリマー鋳型上の電子受容体組成物および過酸化水素の触媒製造方法

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(57)【要約】 支柱がホスホネートまたはアルセネートを各末端に有する2価の電子受容体部分からなる、複数の支柱となる金属錯体が支持基材上に配置される多層組成物。平行な支柱の各層は、(IVA)、(IVB)、(IIIA)または(IIIB)族金属またはランタニドの層によって分離される。組成物は錯体の各層内に取り込まれるゼロ原子価の少なくとも1つのVIII族金属の粒子からさらになっていてもよい。また、この錯体に、各電子受容基周辺に一連の間隙を形成する支柱により点在する「鍾乳石」および「石筍」状のキャップドアルソナトまたはホスホナトリガンドを含ませてもよい。支持基材は有機ポリマー鋳型から構成されてもよい。錯体は、太陽エネルギーの変換及び貯蔵におよび還元反応、例えば、酸素及び水素ガスからの過酸化水素の製造、水からのH2ガスの製造、及びケトンの還元によるアルコールの形成用の触媒として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリマー鋳型上の電子受容体組成物および過酸化水素の触媒製造方法 技術分野 本発明は、効率的かつ一定の光誘導電荷分離状態(photoinduced charge separ ation state)を有する安定した電子受容体組成物に関するものである。 発明の背景 太陽エネルギーは、寿命の長い光誘導電荷分離−寿命の長いラジカル対の形成 によって光合成システム中になされる状態−の効率的な製造によって使用及び貯 蔵できる。効率的に光化学的電荷が移動する多くの人工的なシステムが報告され てきたが、残念なことに、熱による逆電子移動(thermal back electron transfe r)がかなりの速度でしばしば起こり、これによりこれらのシステムの利用が制限 される。非常に効率的な光誘導電荷移動を有し、空気中での寿命の長い電荷分離 状態を形成するシステムが必要とされている。これらのシステムにおける電荷分 離としては、具体的には、以下の式によって説明されるようなラジカルイオン対 を生成する、光で励起される供与体と適当な受容体とのレドックス反応が挙げら れる: (1a) D+hv →D* (1b) D*+A →A-+D+ (2) D++A-→D+A このようにして生じる陽イオンと陰イオンは、それぞれ、中性点接地状態分子 のものに比べてより良好な酸化剤及び還元剤である。このシステムに入る光を集 めるために、光形成物質(photo-generated species) の酸化及び還元力は、電子が戻って(transfer back)(式2)出発材料を形成す る前に使用されなければならない。光化学的に製造されない熱高速逆電子移動反 応(photochemically unproductive thermal fast back electron transfer reac tion)を制御することが望ましい。1つの方法としては、供与体及び受容体を固 体マトリックス中に含ませるものであった。 電荷分離状態における個々の成分は水の還元及び酸化を行うのに適当な可能性 を有する。残念なことに、これらの直接反応は、触媒が動的な障害を克服する必 要があるなど、動力学的に制限される。コロイド白金粒子が水を還元してH2を 得るのに理想的な触媒である。水の光還元に使用されるシステムにおいて、還元 バイオロゲンからPt粒子への電子の移動が逆電子移動(back electron electro n)と効率的に競合しなければならないため、化合物及びPt粒子中に形成される 高電位のラジカルが密接して接触することが好ましい。これらの白金粒子は、反 応溶液中に存在していても、組成物の構造中に取り込まれていても、あるいは両 方であってもよい。 水素ガスを還元等価物として用いて、還元反応を行うことが可能である化合物 は、水素と酸素の混合物を過酸化水素に変換するための触媒として有用である。 過酸化水素は非常に多量に生産される化学物質である。アメリカ合衆国における 年間の生産量は5億ポンドを超える。過酸化水素の製造に関する様々な方法が特 許化されているが、これらは以下の2つの反応によるものである。すなわち、最 後が以下の反応(3)を促進するものである及び以下の反応(4)を遅延させる ものである: (3) H2+O2 → H22 (4) H22+H2→ 2H2O 均質な及び不均質な触媒を含む上記変換に関する数多くの触媒が報告 されてきた。 本発明の組成物は、当該組成物を太陽エネルギーの変換及び貯蔵に有用にさせ る一定の光誘導電荷分離状態を作ることができる。さらに、本組成物で様々な金 属イオンを還元することにより、組成物のマトリックス中に埋め込まれたコロイ ド形態を有するゼロ原子価の金属を製造できる。ゼロ原子価の金属を含む後者の マトリックスは、水を分解して水素ガスを得たり酸素を検出したり等、様々な利 用可能性を有する。加えて、ゼロ原子価の金属マトリックスは、例えば、過酸化 水素の製造やメタンのオリゴマー化によるより高級な炭化水素の形成におけるな ど、触媒中で使用できる。 発明の要約 本発明は、各末端にホスホネート及びアルセナートを有する二価の電子受容体 部分からなる複数の平行な「支柱(pillar)」を有する多層組成物を提供するもの である。平行な支柱の各層は、(IVA)、(IVB)、(IIIA)または( IIIB)族の金属またはランタニドの層によって分離される。 この錯体(complex)は、錯体の各層内に埋め込まれたゼロ原子価の少なくとも 1つのVIII族金属の粒子からさらになっていてもよい。また、この錯体に、 各電子受容基周辺に一連の間隙を形成する支柱により点在する「鍾乳石(stalact ite)」および「石筍(stalagmite)」状のキャップドアルソナトまたはホスホナト リガンド(capped arsonato or phosphonato ligand)を含ませてもよい。 本錯体は太陽エネルギーを変換及び貯蔵するのに、さらには、例えば、酸素と 水素から過酸化水素を製造する、水からH2ガスを製造する、及びケトンを還元 してアルコールを形成する等の、還元反応の触媒として有用である。 図面の簡単な説明 図1は、本発明による基材及びフィルムの精密に配列された構造の概略図であ る。 図2は、本発明による「鍾乳石」及び「石筍」状リガンドを含ませた固体組成 物の概略図である。 図3は、本発明による金属粒子ならびに「鍾乳石」及び「石筍」状リガンドを 含ませた本発明の固体の概略図である。 好ましい実施態様の説明 一般的には、本発明は、凝集層を形成する、少なくとも21の原子番号を有す るIII、IVA、IVB族の二価、三価、または四価の金属原子またはランタ ニド原子から構成される、互いに独立して、2若しくはそれ以上の隣接する金属 層からなる層状組成物に関するものである。金属層は、間隔をあけて隣接してお り、相互に及び基材に対して実質的に平行である。金属層間には、及び金属層に 対して実質的に垂直方向に、相互に独立して、2つの隣接する金属層に共有結合 することにより支柱及び2つの隣接する金属層間に間隙を形成する有機支柱が配 置される。この層状組成物は、例えば、薄膜または微結晶固体などの形態を有し ていてもよい。 この有機支柱は以下の式によって表わされる: I. −(Y13−Z−Y23)− ただし、Y1及びY2は、それぞれ互いに独立して、リンまたは砒素であり; Zは、マイナスのE°red値を有する2つの共役陽イオン核(conjugated catio nic center)を含む電子受容二価基であり、この際、Zは安定した還元形態及び 安定した酸化形態の間を行き来することができる。 十分な数の陰イオンが、金属イオンが+1から+6、好ましくは+3 または+4の有効原子価を有するように、金属層を形成する金属イオンに結合す る。 別の陰イオン群が、支柱及び金属原子によって格子内に存在して、組成物中の 残りの電荷を補う。 さらに、本組成物は、支柱と隣接する金属層との間の間隙中にトラップされた ゼロ原子価の少なくとも1つのVIII族金属粒子からなってもよい。これらの 粒子は、例えば、還元反応用の触媒して作用することによって、組成物の機能を 向上させる。また、本組成物は、金属層間及び支柱間に配置され、相互に独立し て、金属層の一つに共有結合する有機リガンドを有していてもよい。このリガン ドは、以下の式によって表わされる: II. −Y33−R3 ただし、Y3は、リンまたは砒素であり;および R3は、非還元性キャッピング基(capping group)である。 第一の実施態様によると、本発明は、フィルムが支持基材上に配置される複合 組成物に関するものである。このような形態では、基材に最も近い層が連結手段 によって基材に結合する。基材は、例えば、金属、ガラス、シリカ、ポリマー、 半導体(例えば、珪素、砒化ガリウム)、アルミニウムベース上の金層等のこれ らの組み合わせなどである。この基材はどのような形態を有していてもよく、例 えば、シート状、箔状、プレート状、フィルム状、電極状、懸濁液中のコロイド 粒子状、ポリマー鋳型(polymer template)状、高表面積の支持材状などが挙げら れる。フィルムは、支柱のある(pillared)金属錯体から構成され、以下の式で表 わされる: ただし、Lは、連結手段であり; Y1及びY2は、それぞれ互いに独立して、リンまたは砒素であり; Zは、安定した還元形態を可逆的に形成し、マイナスのE°red値を有する2 つの共役陽イオン核を含む二価の基であり; Xは、陰イオンであり; MeYは、Me1 nmであり、この際、 Me1は、少なくとも21の原子番号を有するIII、IVA、若しくはI VB族の二価、三価、または四価の金属またはランタニドであり; Wは、以下に制限されないが、ハロゲン化物若しくは疑似ハロゲン化物等の 陰イオン、または−OHであり; nは、1、2、または3であり; mは、0、1、2、3、または4である; kは、1から約100までの値を有し; pは、0、1、2、または3の値を有し;および qは、陰イオンの電荷であり、 この際、追加のk値に関しては、他の層がフィルムに加えられる。 Me1は、例えば、ゲルマニウム、錫、または鉛等の少なくとも21の原子番 号を有するIVA族金属、チタン、ジルコニウム、またはハフニウム等のIVB 族金属、ガリウム、インジウム、またはタリウム等の少なくとも21の原子番号 を有するIIIA族金属、スカンジウム、イットリウム、またはランタン、セリ ウム、プラセオジムなどのランタニド等のIIIB族金属であってもよい。これ らのうち、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ゲルマニウム、錫及び鉛が好ま しく、ジルコニウムが特に有用である。 Y1及びY2は、それぞれ、リンまたは砒素、好ましくはリンである、 即ち、Y13及びY23はホスホナト基(phosphonato group)またはアルセナト 基(arsenato group)である。 Z基は二価であり、Y13及びY23によって規定されるホスホナト(phospho nato group)若しくはアルソナト基(arsonato group)のリンあるいは砒素原子に 結合する。実際には、Z基の正確な構造はその電子特性に比べるとあまり重要で はない。第一に、Z基は、マイナスのE°red値、即ち、水素の還元電位より低 い還元電位を有する2つの共役陽イオン核を有するものでなければならない。第 二に、Zは、安定した還元状態及び可逆的に酸化状態の両方で存在することがで きなければならない。 これらの2つの共役陽イオン核は、例えば、芳香環システム内の共役環員であ る四価の窒素原子である。一実施態様としては、各四価の窒素原子は別々の芳香 環システム内の環員であり、2つのこのような環システムは、同一のまたは異な る構造を有していてもよいが、共有結合を介して直接相互に結合する。各芳香環 システムは、ピリジン、ピラジン、またはピリミジン等の単環であってもよい。 または、各芳香環システムは、例えば、キノリウム、イソキノリウム、フェナン トリジン、アクリジン、ベンズ[h]イソキノリン(benz[h]isoquinoline)等の 、ピリジン、ピラジン、またはピリミジン環が1つ若しくはそれ以上のベンゾあ るいはナフト環システムに融合した融合多環であってもよい。 または、これらの2つの芳香環システムは、同一のまたは異なる構造を有して いてもよいが、例えば、ジアゾ(−N=N−)、イミノ(−CH=N−)、ビニ レン、ブタ−1,3−ジエン−1,4−ジイル(buta-1,3-diene-1,4-diyl)、フ ェニレン、ビフェニレン等の、二価の共役システムを介して結合するものであっ てもよい。 さらなる実施態様によると、これらの2つの共役陽イオン核は、フェ ナントロリン、1,10−ジアザアントレン(1,10-diazaanthrene)、及びフェナ ジン等の単一の芳香システム中に存在してもよい。 Zとして使用される具体的なジカチオン構造物としては、2,2−ビピリジニ ウム(bipyridinium)、3,3−ビピリジニウム、4,4−ビピリジニウム、2, 2−ビピラジニウム(bipyrazinium)、4,4−ビキノリニウム(biquinolinium) 、4,4−ビイソキノリニウム(biisoquinolinium)、4−[2−(4−ピリジニ ウム)ビニル]ピリジニウム{4-[2-(4-pyridinium)vinyl]pyridinium}、及び4 −[4−(4−ピリジニウム)フェニル]ピリジニウム{4-[4-(4-pyridinium)ph enyl]pyridinium}が挙げられる。 これらの2つの共役陽イオン核が位置する芳香システムは、無置換でもあるい は、例えば、1から6炭素原子を有するアルキル若しくは1から6炭素原子を有 するアルコキシ等で、置換されたものであってもよい。このような置換は、不活 性であってもまたは立体的にまたは誘導を介して陽イオン核の還元電位に効果を 有するものであってもよい。 2つの陽イオン核は共役を介して結合していなければならないが、Zによって 構成される全体のシステムは共役している(conjugate))必要はない。したがって 、Zは、共役若しくは非共役ブリッジを介してY13及びY23のそれぞれに結 合していてもよい。このため、Zに関する非常に望ましい構造の一つとしては以 下の構造によって表わされるものがある: IV. −(R1n−Z’−(R2m− ただし、Z’は、少なくとも2つの共役三価の窒素原子を含む二価の芳香族基 であり;n及びmは、それぞれ、相互に独立して、0または1の値を有し;およ びR1及びR2は、それぞれ、相互に独立して、二価の脂肪族または芳香族の炭化 水素基である。好ましくは、n及びmはそ れぞれ1であり、R1及びR2は、それぞれ、相互に独立して、例えば、メチレン 、エタン、トリメチレン、プロパン−1,2−ジイル(propane-1,2-diyl)、2− メチルプロパン−1,2−ジイル(2-methylpropane-1,2-diyl)、ブタン−1,2 −ジイル(butane-1,2-diyl)、ブタン−1,3−ジイル(butane-1,3-diyl)、テト ラメチレン等の、6以下の炭素原子を有する直鎖のあるいは枝分れした二価のア ルカン鎖である。 X基は、陰イオン基であり、これらの1つまたはそれ以上(kの値及びXの電 荷によって変化する)はZの陽イオンの電荷と釣り合い、これにより、MeYの 正味のプラスの原子価が(4−p*q)と等しい。Xの正確な性質はあまり重要 ではなく、Xは、例えば、塩化物、臭化物、沃化物等のハロゲンの陰イオン、疑 似ハロゲン化物、スルフェート、スルホネート、ニトレート、カルボネート、カ ルボキシレートなどである。 W基は、陰イオン基であり、これらの1つまたはそれ以上(使用した金属イオ ンであるMe1によって変化する)によってMeYの正味のプラスの原子価が(4 −(p*q))と等しくなる。Wの正確な性質は比較的重要ではなく、Wは、例 えば、ハロゲン化物、疑似ハロゲン化物、ヒドロキシル等である。 式IIIによって表わされる各錯体は、記載される連結手段;即ち、基材上の 複数の−L−Y13−Z−Y23MeY単位、を介して基材に結合することによ り、支柱状(pillared)構造を得る。各錯体は、1つのZ−含有単位(「支柱」) を含んでいてもよく、この場合にはkは1の値を有するが、kは、単位−(Y1 3−Z−Y23)MeY−がkが2から約100、好ましくは約5から約50の 範囲である支柱状(pillared)ポリマー錯体のモノマーとなるように1を超える値 を有することが好ましい。この多層構造は下記式によって表現される: このようなフィルムは、ロング(Rong)ら、コオーディネーション ケミストリ ー レビューズ(Coordination Chemistry Reviews)、97巻、頁237(199 0年)に記載されているのに類似した順次吸着反応(sequential adsorption rea ction)によって調製できる。この使用される合成方法及び化学量論によって、組 成物の得られる配置及び形態を行い、決定することができる。 一調製方法は、例えば、金属(その表面は必ず金属酸化物を含む)、ガラス、 シリカ、砒化ガリウム等の、好ましくはヒドロキシル末端である、基材で始まり 、これをまず連結手段Lまたはこの連結手段の成分を導入するヒドロキシ反応試 薬で誘導する(derivatize)。具体的には、Lの末端部分は、Me1、即ち、少な くとも21の原子番号を有するIII、IVA若しくはIVB族の二価、三価、 または四価の金属、あるいはランタニドと類似の金属原子Me3で終わるため、 最終的にはこの金属原子Me3を介してY13に結合する。 したがって、例えば、基材は下記式の化合物で処理されていてもよい。 VI. X”−R1−Z−Y332・2X’ ただし、R1及びZは、上記と同様であり;Y3はリンまたは砒素で あり;X’は、Xと類似の陰イオンであり(X’は、必ずしも以下のようである 必要はないが、最終錯体中で見られるのと同様の陰イオンであってもよい);お よびX”は、クロロ若しくはブロモ等の反応性ハロゲンである。これにより、以 下のような中間体が製造される: VII. 基材−O−R1−Z−Y332・2X’ 前記した反応は、第一に基材を式 X”−R1−Z・2X’の化合物で処理し 、その後生成物をオキシ塩化リン若しくはオキシ臭化リン(phosphoryl bromide) 等のホスホリルハロゲン化物(phosphoryl halide)または相当するアルソニルハ ロゲン化物(arsonyl halide)で処理することによる、2段階で行われる。 本実施態様の各概念において、製造される連結手段は、−Z−Y33を含む限 り、繰り返し単位であってもよい。 または、連結手段は繰り返し単位でなくてもよい。したがって、基材を、例え ば3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノアルキルトリアルコキシシ ランなどのシランで処理し、さらのこの誘導基材をオキシ塩化リン若しくはオキ シ臭化リン(phosphoryl bromide)等のホスホリルハロゲン化物(phosphoryl hali de)または相当するアルソニルハロゲン化物(arsonyl halide)で処理することに よって、以下を製造してもよい: VIII. 基材−アルキル−NH−Y332 連結手段の他の例としては以下が挙げられる: IX. 基材−O−アルキル−Y332 X. 基材−アルキル−O−Y332 他の実施態様によると、有機ポリマーの鋳型を組成物/フィルムを疎水性の基 材(例えば、石英、珪素及び金属)の表面に結合する連結手段として使用する。 これらのポリマー鋳型は、例えば、ポリマーの主鎖エ ポシキ側基をリン酸で処理してペンダントホスフェート(pendant phosphate)を 得ることによって、ホスホネートまたはアルソネート(arsonate)基で誘導される 。 疎水性ポリマー鋳型を、架橋を含まない親水性ホスホネート/アルソネート基 が残された疎水性の基材の表面で吸着させる。これらのペンダントホスホネート 若しくはアルソネート基を、少なくとも21の原子番号を有するIII、IVA 、IVB族の二価、三価、若しくは四価の金属のまたはランタニドのイオンで架 橋して第一の金属層を形成する。これらのポリマー鋳型は、基材表面に良好に接 着し、(特に金属基材上では)かなり多孔性の構造物が得られる。 ポリマーは、ホスホネートまたはアルソネート基で誘導されうる側鎖を有する ポリマーであってもよい。好ましいポリマーは、ピリジル基の一部、好ましくは 半分未満がX(CH2nPO32[但し、Xは陰イオンであり、nは1から16 、好ましくは2から4である]で予めアルキル化されたポリビニルピリジン(「 PVP−CnP」と略する)である。ペンダントチオール基(pendant thiol gro up)を有するポリマーの主鎖はAu、Ag及びPt基材への結合を促進するため 好ましい。 他の実施態様では、基材はポリマー鋳型自体であってもよい。ポリマー鋳型上 で成長したフィルムは溶液中で成長される。ポリマーの主鎖の疎水性によって、 溶液中のポリマーはシート状に凝集し、親水性のペンダントホスホネートまたは アルソネート基は、脂質2層(lipid bilayer)のように、溶液中に伸張する(exte nd)。この構造は以下の式によって説明される: VIII金属、好ましくは白金のコロイド粒子は溶液中に存在していてもよい 。ポリマーの主鎖の凝集物の疎水特性は粒子を引き付ける。次に、粒子はポリマ ーの主鎖間の疎水環境中に取り込まれる。この構造は下記式によって説明される : どちらの場合でも、ホスホネートまたはアルソネート基を多く含む表面を有す る、基材は、次に、Me3イオン、例えば、オキシ塩化ジルコニウムを提供する 試薬で処理される。金属イオンは、ホスホネートまたはアルソネート基に結合し 、効率良く架橋されて、次に、金属リッチな 表面を有し「基材−L’−Me3(この際、L’−Me3は式IIIの連結手段L に相当する)」として表わされる中間体が製造され、これにより、(i)一方は 基材に結合し、および(ii)他方はさらに錯体を形成する(complexing)ために 金属Me3を示す手段が得られる。層の形成 次に、基材−Lは、Me3イオンを提供する試薬から分離され、水で洗浄され 、下記式のビスホスホン酸(bisphosphonic acid)またはビスアルソン酸(bisarso nic acid)の溶液で処理される: XIII. H213−Z−Y232・2X’ ただし、Y1、Y2、Z及びX’は上記と同様である。この反応は数時間以内、 例えば約4〜5時間以内で終了し、適度な熱、例えば約80〜約100℃の熱を 用いて加速されてもよい。このような層の沈積は、約260〜約285nmの波 長で分光光度計により容易に検出できる。ばらつきをなくすために、通常、28 0〜285nmの範囲が用いられる。−Y132及び−Y232基の一方は金 属リッチな表面に結合し、他方は配位結合せずに残り、これにより、ホスホネー トまたはアルソネート基に富んだ表面を有する中間体が製造される。この中間体 は以下のように表わされる: XIV. 基材−L’−Me3−Y13−Z−Y232・2X’ 基材−L’−Me3−Y13−Z−Y232・2X’をビスホスホン酸(bisph osphonic acid)またはビスアルソン酸(bisarsonic acid)の溶液から取り出し、 よく洗浄した後、Me1イオンを形成する試薬で処理することにより、kが1で ある式IIIの錯体を製造する。 ビスホスホン酸またはビスアルソン酸で処理した後Me1イオンを形成する試 薬で処理する、前記した最後の2合成段階を繰り返すことにより、よりk値の高 い錯体が製造される。例えば280〜285nmでの 吸光度は層の数に比例して直線的に増加すると考えられ、これにより、多層組成 物の形成の簡便な検出方法が得られる。 前記した方法は、錯体内の原子価がゼロの、白金、パラジウム、鉄、コバルト 、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、またはイリジウム等の、少な くとも1つのVIII族金属の原子を取り込まれるように容易に好ましく改変さ れる。したがって、ビスホスホン酸またはビスアルソン酸で処理した後であって Me1イオンを形成する試薬で処理する前に、サンプルをVIII族金属の可溶 性の陰イオン塩の水溶液中に浸漬する。短時間後、金属の陰イオンがサンプル中 の塩化物陰イオンと交換する。この交換の化学量論は2つの陰イオンの各原子価 によって変化する。例えば、塩化白金(IV)及び塩化白金(VI)の陰イオン は、それぞれ、−2の原子価を有し、塩化物が出発陰イオンである際には、これ らの金属陰イオンのうちいずれかの一つの陰イオンが2つの塩化物陰イオンと交 換する。 このような交換後、Me1イオンを形成する試薬による処理を上記したのと同 様にして行う。同様にして、このような反応を、目的とするk値が得られるまで 繰り返す。次に、錯体を金属陰イオンを還元する水素ガスに単に接触させて、錯 体のマトリックス内に原子価ゼロでコロイド形態を有する金属を製造する。前述 したように、このような材料は、過酸化水素を製造する、メタンをオリゴマー化 してより高級な炭化水素を製造する、水を分解して水素ガスを得る、および酸素 を検出する際の触媒として非常に有効である。また、本組成物は様々な有機物質 を還元するのにも利用できる。 基材としてのポリマー鋳型上に層状化合物を成長させる場合には、上記方法に は通常従うが、一連の処理段階を透析段階によって分けて未使用の反応体を洗浄 によってではなく除去する。 1若しくはそれ以上の交換において様々なVIII族金属の可溶塩を用いる、 またはは第一のVIII族金属との1若しくはそれ以上の交換を行った後さらに 異なるVIII族金属との交換を行うことによって、サンプル中の1つ以上のV III族金属を利用することが可能である。したがって、異なる化学的及び電子 特性を有する2種類のVIII族金属のコロイド粒子が単一のマトリックス中に 取り込まれる単一の組成物が最終的な還元で作製される。 Zがバイオロゲンである、これらの層状金属ホスホネート化合物の一つの好ま しい実施態様は、太陽光線を集めこれを貯蔵される化学エネルギーに変換するの に非常に有効であることが分かった。上記方法に関する活性波長は紫外線スペク トル部分内である。エネルギーの貯蔵反応は固体中で発色する深青色によって証 明され、この色は空気中で長期間維持される。この青色は還元バイオロゲン化合 物によるものである。還元バイオロゲンは、溶液中で調製されると、酸素と速や かに反応するが、密な固体中にトラップされるため固体中では反応性を有さない 。酸素及び他の外部物質は固体の反応性内層へ近づくことができない。 上記化合物内の貯蔵される化学エネルギーの利用を可能にするために、第二の 実施態様はより開放性の構造からなる。外部試薬が光生成化学エネルギーに容易 に接近できることが開放性構造の長所である。これらの固体は、さらに支柱中に 点在する他のより小さいリガンドからなる第一の実施態様の支柱の混合物から構 成される。これらのより小さい部材は上記した新たな固体中に開放スペースを残 す。様々な特性及び大きさを有する広範な様々なより小さい部材がこれらの固体 を調製するのに用いることができ、これにより非常に多様な固体群が得られる。 この第二の実施態様の物質に関する一般式は以下の通りである: ただし、Y1、Y2、Z、X、MeY、p及びqは、上記と同様であり; Y3は、リンあるいは砒素であり; nは、0.1から0.8までの値を有し;および R3は、非還元性キャッピング基(capping group)である。 基材上のフィルムとして好ましく製造される第一の実施態様の材料に対して、 第二の実施態様の材料は結晶または非晶質固体として好ましく製造される。しか しながら、第一の実施態様のフィルムと同様、ゼロ原子価のVIII族金属をこ れらのマトリックス中に含ませてもよい。 式XVから明らかなように、2つの異なるリガンドは金属Me1及びMe2と錯 体を形成する(complex)。これらのうち第一のリガンドは式III、即ち、Y13 −Z−Y23で使用されるものに類似しており、このようなリガンドはそれぞ れ2つの錯体を形成する(complex)ことができる。第二のリガンド、Y333、 は、たった一つの金属原子と錯体を形成する(complex)ことができる。したがっ て、全体の構造は、支柱として機能するY13−Z−Y23基と金属Me1及び Me2との一連の平行した層として見なされる。Y333基は、これらの支柱間 の金属層から伸張し、支柱間の一連の「鍾乳石(stakactite)」および「石筍(sta lagmite)」であるのと同様に形成する。このようにして得られる構造は各−Z− 基周辺に一連の間隙を有する。これらの間隙の寸法及びこれらが規定する表面の 疎水性はR3の選択によって制御できる。したがって、メチル等の比較的小さい R3基を選択してより大きな間隙を作製することも、またはフェニル若しくはベ ンジル等の比 較的大きいR3基を選択して比較的より小さな間隙を作製することもできる。同 様にして、R3にプロピル等の炭化水素基を使用することによって間隙の規定表 面に疎水特性を付与することも可能であり、またはカルボキシ等の親水基で置換 されるR3基を用いることによって疎水性を減少させことも可能である。適当な R3基の例としては、以下に制限されないが、H、CH3、CH2Cl、CH2CH3 、CH2CH2CH3、OH、O-、及びOCH3が挙げられる。 これらの間隙があるため、各段階の後ではなく、錯体の形成後にVIII族金 属を導入し、さらに前記したようにしてこれらを原子価ゼロにまで還元すること も可能である。この際、式XVの錯体をVIII族金属の可溶性陰イオン塩の水 溶液で処理し、得られた組成物を水素で処理することによって、コロイド形態の VIII族金属を製造する。これらの組成物は前記したのと同様に触媒として使 用できる。 さらに、これらの間隙によって、錯体中に様々な分子が通過できる。例えば、 酸素をマトリックス中に入れた後、−Z−基を酸化させることができる。還元状 態の−Z−基は着色するが、酸化状態の−Z−基は白色あるいは黄色であるため 、このような現象を用いて非常に低レベルの酸素を検出できる。 加えて、間隙の寸法を制御できることによって、これらの材料を目的とする反 応に使用することができる。例えば、間隙の寸法をアセトフェノン(acetophenon e)分子は通過できるがより嵩高の3,5−ジ−t−ブチルアセトフェノン(3,5-d i-tert.butylacetophenone)分子は通過できないように選択すると、アセトフェ ノン(acetophenone)及び3,5−ジ−t−ブチルアセトフェノン(3,5-di-tert.b utylacetophenone)の混合物においてアセトフェノンを選択的に還元することが 可能である。 本錯体は、所定のモル比のR3332及びH213−Z− Y232の混合物を金属イオン源で処理することによって調製される。この反 応は、還流によってまたは熱水により行われ、生成物は容易に単離、精製できる 。 これらの多孔性固体は、酸素を固体内部に容易に拡散させるため空気中で光化 学活性を示さない。多孔性固体に嫌気性条件下で紫外線を照射すると、密な固体 で観察されるのと同様の活性物質、即ち、還元電子受容体が形成される。興味深 いことに、これらの開放性固体の光化学効率は密な物質よりもかなり大きい。嫌 気条件下で照射された開放性固体を空気で処理すると、速やかに漂白される。酸 素は固体中を自由に拡散し、光生成した還元電子受容体と反応できる。還元電子 受容体と酸素との反応生成物は過酸化水素である。したがって、これらの物質は 過酸化水素の光化学的な製造用触媒として使用できる。 固体から拡散する可動性の高エネルギー化学物質を生成することによって光化 学的に貯蔵されたエネルギーを抽出することが望ましい。最終的には、コロイド 金属粒子を好ましい固体を含むバイオロゲン中に導入する。これらの金属は、還 元バイオロゲンを水と反応させて水素ガスを生成するための触媒として作用する ことが公知である。実験によって、第二の実施態様の物質を用いることにより太 陽エネルギーを水素ガスの形態の化学エネルギーに変換することができることが 良好に示された。上記方法としては以下を含む:1)還元バイオロゲンの光生成 、2)還元バイオロゲンからコロイド金属粒子への電子の移動、3)金属粒子の プロトン化、および4)水素ガスの除去。真の触媒であれば、これらの材料は反 応を前にも後ろにも同等に加速するため、「金属化(metallized)」材料を水素で 処理すると、いくらかの量の還元バイオロゲンが生成する。これを基礎として、 これらの材料は還元剤として使用できる。光化学エネルギーは還元バイオロゲン を生成する必要はない:水素を用い て同様の結果が得られる。上記還元バイオロゲンの化学的な生成方法は以下の通 りである:1)水素の金属粒子への添加、2)金属粒子から還元バイオロゲンを 形成するバイオロゲン分子への電子の移動、および3)金属コロイドの脱プロト ン化。実験によって、これらの材料のバイオロゲン分子が大気圧下で水素ガスに よって定量的に還元されることが示された。 これらの多孔性固体の概略図を図2および図3に示す。 以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、実施例によって本発 明の概念が制限されることはなく、本発明の概念は添付された請求の範囲にのみ 規定されると考えられる。 実施例1 125ml水におけるジエチル−2−ブロモエチルホスホネート(diethyl 2-b romoethylphosphonate)(25g)および4,4’−ビピリジン(7.35g) を3日間還流した。等容の濃塩酸を加え、数時間環流し続けた。この溶液を常圧 蒸留によって120mlにまで濃縮し、混合物を氷浴中で冷却しながら550m lのイソプロパノールを攪拌しながら滴下する。形成した固体を真空濾過によっ て収集し、冷イソプロパノールで洗浄することによって、1,1’−ビスホスホ ノエチル−4,4’−ビピリジニウムジクロライド(1,1'-bisphosphonoethyl-4, 4'-bipyridinium dichloride)が得られる。(1H NMR(D2O)9.1(d ),8.5(d),4.2(m),2.0(m)ppm;13C NMR(D2O )151,147,128,58,30ppm;31P NMR(D2O)17. 8(s)ppm;IR(KBr)3112,3014,1640,1555,1 506,1443,1358,1281,1175,1112,1020,93 6,816,485cm-1。) 同様にして、2,2−ビピリジニウム(bipyridinium)、3,3−ビピ リジニウム、2,2−ビピラジニウム(bipyrazinium)、4,4−ビキノリニウム (biquinolinium)、4,4−ビイソキノリニウム(biisoquinolinium)、4−[2 −(4−ピリジニウム)ビニル]ピリジニウム{4-[2-(4-pyridinium)vinyl]pyri dinium}、及び4−[4−(4−ピリジニウム)フェニル]ピリジニウム{4-[4-( 4-pyridinium)phenyl]pyridinium}を用いて、それぞれ、1,1’−ビスホスホ ノエチル−2,2−ビピリジニウムジクロライド(1,1'-bisphosphonoethyl-2,2- bipyridinium dichloride)、1,1’−ビスホスホノエチル−3,3−ビピリジ ニウムジクロライド(1,1'-bisphosphonoethyl-3,3-bipyridinium dichloride)、 1,1’−ビスホスホノエチル−2,2−ビピラジニウムジクロライド(1,1'-bi sphosphonoethyl-2,2-bipyrazinium dichloride)、1,1’−ビスホスホノエチ ル−4,4−ビキノリニウムジクロライド(1,1'-bisphosphonoethyl-4,4-biquin olinium dichloride)、1,1’−ビスホスホノエチル−4,4−ビイソキノリ ニウムジクロライド(1,1'-bisphosphonoethyl-4,4-biisoquinolinium dichlorid e)、1−ホスホノエチル−4−[2−(1−ホスホノエチル−4−ピリジニウム )ビニル]ピリジニウムジクロライド{1-phosphonoethyl-4-[2-(1-phosphonoeth y-4-pyridinium)vinyl]pyridinium dichloride)、および1−ホスホノエチル− 4−[4−(1−ホスホノエチル−4−ピリジニウム)フェニル]ピリジニウム ジクロライド{1-phosphonoethyl-4-[4-(1-phosphonoethyl-4-pyridinium)phenyl ]pyridinium dichloride}が得られる。 相当するジブロミド(dibromide)またはジスルフェート(disulfate)等の他のカ チオン種は、本実施例の方法において塩酸の代わりに濃臭化水素酸または硫酸等 の相当する酸を使用することによって得られる。 実施例2 平面状の石英シリカ基材(9×25mm)を30%過酸化水素及び濃 硫酸の1:3溶液で清浄し、200℃で1時間乾燥した後、50mlのオクタン における2%(v/v)3−アミノプロピルトリエトキシシランの還流溶液で2 0分間処理する。 基材をオクタン及びアセトニトリルで洗浄し、アセトニトリルにおける10m Mの各オキシ塩化リン及び2,6−ルチジンの溶液で室温で12時間処理する。 水でリンスした後、基材を65mMのオキシ塩化ジルコニウム溶液で室温で3時 間処理する。 前記方法を用いて、シリコンウェファーや蒸着金フィルム等の他の基材上に多 層フィルムを調製できる。 次に、この基材に順次以下の2段階を施す。 A)オキシ塩化ジルコニウム溶液を除去した後、サンプルを脱イオン水でよく リンスし、6mMの1,1’−ビスホスホノエチル−4,4’−ビピリジニウム ジクロライドで80℃、4時間処理した後、脱イオン水でよくリンスする。(処 理後、吸光度を284nmで測定したところ、4,4’−ビピリジニウムビスホ スホネート(4,4'-bipyridinium bisphosphonate)に関する実測吸光係数は265 nmで24,000M-1cm-1である。) B)次に、サンプルを65mMのオキシ塩化ジルコニウム溶液で室温で1時間 処理し、脱イオン水でよくリンスする。 段階A及びBを1サイクル終了すると、kが1である式IIIの複数の金属錯 体が平面上のシリカ支持基材上に得られる。段階A及びBを繰り返すことによっ て、kが1つずつ増加する。層数、即ちサイクル数は、以下に示されるように、 284nmでの吸光度に相関する: 層の番号 吸光度 0 0.057 1 0.083 2 0.091 3 0.109 4 0.130 5 0.152 6 0.177 7 0.201 8 0.217 9 0.242 10 0.263 11 0.281 12 0.299 13 0.327 14 0.341 15 0.357 16 0.367 17 0.373 18 0.383 19 0.407 20 0.423 21 0.452 22 0.458 実施例3 実施例2の方法において1,1’−ビスホスホノエチル−4,4’−ビピリジ ニウムジブロミド(1,1'-bisphosphonoethyl-4,4'-bipyridinium dibromide)を代 わりに使用することによって、以下の吸光度を有する一連の多層組成物が得られ る: 層の番号 吸光度 1 0.083 2 0.098 3 0.113 4 0.157 5 0.182 6 0.239 7 0.286 8 0.350 9 0.353 10 0.391 11 0.465 12 0.557 実施例4 高品質のフィルムは、以下の方法に示されるように、段階Bにおいてジルコニ ウムの代わりに、例えば、ハフニウム、チタン、錫、ガリウム等の他の金属を用 いることによっても得られる。 平面状の石英シリカ基材(9×25mm)を実施例2と同様にして清浄し、3 −アミノプロピルトリエトキシシランの層を、ハラー(Haller)、ジェー アム ケム ソク(J.Am.Chem.Soc.)、100巻、頁8050(1978年)の方法 を用いて気相から沈着させた。基材を実施例2と同様にしてリン酸化して、洗浄 し、オキシ塩化ハフニウム(hafnyl chloride)の65mM水溶液10mlで室温 で3時間処理する。 代わりに、(A)6mMの1,1’−ビスホスホノエチル−4,4’−ビピリ ジニウムジブロミド及び20mMの塩化ナトリウムを含む水溶液で80℃、4時 間処理および(B)65mM オキシ塩化ハフニウム水溶液で室温で1時間処理 し、各段階後に脱イオン水でよくリンスすることによって、以下のような284 nmでの分光光度計による特性を有 する一連の多層組成物が製造される。 層の番号 吸光度 1 0.052 2 0.086 4 0.175 6 0.250 8 0.304 10 0.384 12 0.518 実施例5 1回以上段階Aを行った後であって相当する段階Bを行う前に、6mMのジポ タシウムプラチナムテトラクロライド(dipotassium platinum tetrachloride)水 溶液中にサンプルを0.5時間浸漬することにより1つの四塩化白金(platinum tetrachloride)を2つの塩化物陰イオンに交換することによって、実施例2を修 飾する。次に、段階Bを実施例2と同様にして行う。 段階A及びBの最終サイクルを終了した後、複合材料(composite)を水中に懸 濁し、水素ガスを混合物中に2時間バブリングする。白金を、全体のマトリック ス中に取り込まれたゼロ原子価のコロイド状態にまで還元する。 実施例6 シリカ粒子(1g)を1時間乾燥器中で加熱した後、シリカ(1g)を含むオ キシ塩化ジルコニウム水溶液(60mM)150mlで60℃で2日間攪拌する 。固体を濾過または遠心によって単離し、150mlの脱イオン水で3回洗浄し 、攪拌しながら150mlの1,1’−ビス ホスホノエチル−4,4’−ビピリジニウムの20mM溶液で65℃で6時間処 理する。固体を水溶液から分離し、脱イオン水で3回洗浄する。 次に、固体を150mlのポタシウムプラチナムヘキサクロライド(potassium platinum hexachloride)の20mM溶液で室温で3時間処理することによって 、1つの六塩化白金(platinum hexachloride)を2つの塩化物陰イオンに交換す る。 150mlのオキシ塩化ジルコニウムの60mM溶液を固体に加え、スラリー を室温で3時間攪拌し、脱イオン水で3回洗浄する。 前記段階を4回繰り返し、白金陽イオンを含有する5層組成物を製造する。次 に、含白金(platinized)材料の水性スラリーを水素で処理することによって、白 金イオンをゼロ原子価のコロイド白金金属に変換する。 実施例7 オキシ塩化ジルコニウム8水和物(1.444g、4.8ミリモル)を50m lの水に溶解し、50%弗化水素酸(0.756g、19ミリモル)を加える。 これに、50mlの水における1,1’−ビスホスホノエチル−4,4’−ビピ リジニウムジクロライド1g(2.2ミリモル)及び85%リン酸0.516g (4.5ミリモル)の溶液を添加する。この反応物を7日間還流し、白色結晶生 成物を濾過し、水、メタノール、及びアセトンで洗浄し、空気乾燥することによ って、以下の混合錯体を得る: Zr(O3PCH2CH2-ビピリジニウム-CH2CH2PO3(Cl-)2)0.5・(O3POH) X線回析分析によって、d=14Åであることが示される。赤外線分析は以下 の通りである:(IR(cm-1),3126,3056,1633,1562, 1499,1450,1217,1055,816,738,647,612, 520,471)。31P NMR(ppm)は以下の通りである:3.0,−1 8.6,−24.5。 実施例8 オキシ塩化ジルコニウム8水和物(0.21g、0.7ミリモル)を10ml の水に溶解し、50%弗化水素酸(0.11g、2.8ミリモル)を加える。こ れに、10mlの水における1,1’−ビスホスホノエチル−4,4’−ビピリ ジニウムジクロライド0.15g(0.35ミリモル)及び85%リン酸0.0 686g(0.6ミリモル)の溶液を添加する。この溶液を45mlのテフロン 製のボンベの中に置き、全容積を27mlに調節する。このボンベを密閉し、6 日間150℃で加熱することによって、以下の混合錯体を得る: Zr(O3PCH2CH2-ビピリジニウム-CH2CH2PO3(Cl-)2)0.5・(O3POH) X線回析分析によって、d=14Åであることが示される。赤外線分析及び31 P NMR(ppm)は実施例7の結果と同様である。 実施例9 オキシ塩化ジルコニウム8水和物(0.36g、1.12ミリモル)を10m lの水に溶解し、50%弗化水素酸(0.179g、4.5ミリモル)を加える 。これに、50mlの3N塩酸における1,1’−ビスホスホノエチル−4,4 ’−ビピリジニウムジクロライド1g(0.56ミリモル)及び85%リン酸0 .129g(0.11ミリモル)の溶液を添加する。この反応物を7日間還流し 、白色結晶生成物を濾過し、水、メタノール、及びアセトンで洗浄し、空気乾燥 することによって、以下の混合錯体を得る: Zr(O3PCH2CH2-ビピリジニウム-CH2CH2PO3(Cl-)2)0.5・(O3POH) X線回析分析によって、d=18.5Åであることが示される。赤外線分析及 び31P NMR(ppm)は実施例7の結果と同様である。 実施例10 オキシ塩化ジルコニウム(8水和物)(0.361g、1.12ミリ モル)を10mlの水に溶解し、50%弗化水素酸0.189g(4.8ミリモ ル)を加える。1,1’−ビスホスホノエチル−ビピリジニウムジクロライド( 0.25g、0.56ミリモル)及び亜燐酸(0.092g、1.12ミリモル )を10mlの水に溶解し、この溶液をジルコニウム水溶液に添加する。この反 応物を7日間還流し、白色結晶生成物を濾過し、水、メタノール、及びアセトン で洗浄し、空気乾燥することによって、以下の混合錯体を得る: Zr(O3PCH2CH2-ビピリジニウム-CH2CH2PO3(Cl-)2)0.5・HPO3 X線回析分析によって、d=18.4Åであることが示される。赤外線分析は 以下の通りである:3126,3056,2436,2358,2330,16 33,1555,1499,1443,1386,1210,1161,104 8,830,731,548。31P NMR(ppm)は以下の通りである:5 .5,−9.5。 実施例11 0.167g(0.38ミリモル)の1,1’−ビスホスホノエチル−ビピリ ジニウムジクロライド及び0.123g(1.5ミリモル)の亜燐酸を用いる以 外は実施例10の方法に従って、以下の混合錯体を得る: Zr(O3PCH2CH2ジピリジニウム-CH2CH2PO3(Cl-)2)0.34・(HPO3)1.32 この物質は非晶質である。赤外線分析及び31P NMR(ppm)は実施例1 0の結果と同様である。 実施例12 0.125g(0.28ミリモル)の1,1’−ビスホスホノエチル−ビピリ ジニウムジクロライド及び0.138g(1.68ミリモル)の亜燐酸を用いる 以外は実施例10の方法に従って、以下の混合錯体を得る: Zr(O3PCH2CH2-ビピリジニウム-CH2CH2PO3(Cl-)2)0.25・(HPO3)1.50 この物質は非晶質である。赤外線分析及び31P NMR(ppm)は実施例1 0の結果と同様である。 実施例13 オキシ塩化ジルコニウム(8水和物)(0.151g、0.47ミリモル)を 10mlの水に溶解し、50%弗化水素酸(0.079g、1.9ミリモル)を 加える。1,1’−ビスホスホノエチル−ビピリジニウムジクロライド(0.1 05g、0.24ミリモル)及びメチルホスホン酸(0.045g、0.47ミ リモル)を10mlの水に溶解し、この溶液をジルコニウム水溶液に添加する。 この反応物を7日間還流し、白色結晶生成物を濾過し、水、メタノール、及びア セトンで洗浄し、空気乾燥することによって、以下の混合錯体を得る: Zr(O3PCH2CH2-ビピリジニウム-CH2CH2PO3(Cl-)2)0.5・(CH3PO3)1.0 この物質は非晶質である。赤外線分析は以下の通りである:(IR(cm-1) ,3450,3133,3056,2922,1633,1555,1499, 1450,1309,1168,1027,823,781,527)。 実施例14 実施例8に記載されたのと同様にして、0.93ミリモルのオキシ塩化ジルコ ニウム、0.34ミリモルの1,1’−ビスホスホノエチル−ビピリジニウムジ クロライド、及び0.90ミリモルの3−アミノエチルホスホン酸をボンベ中で 150℃に加熱する。同様にして単離すると、非晶質の混合錯体は以下のIRス ペクトルを示す:(IR(cm-1),3500,3126,3055,1646 ,1548,1499,1443,1379,1154,1041,865,8 23,760,731,541,499)。 実施例15 実施例7または実施例8のいずれかに記載された方法と同様にして、オキシ塩 化ジルコニウム、1,1’−ビスホスホノエチル−ビピリジニウムジクロライド 、及び以下の表に示されるリン含有コリガンド(co-ligand)を反応させた。 BPBP = 1,1'-ビスホスホエチル-ビピリジニウムジクロライド (1,1'-bisphosphoethyl-bipyridinium dichloride) これによって、以下の式の混合錯体が製造される: Zr(O3PCH2CH2-ビピリジニウム-CH2CH2PO3(Cl-)2)0.5・R3PO3 これらの生成物に関するデータは以下の通りである: *=純粋な金属ビスホスホネート(metal bisphosphonate) によるピークを表す。スペクトル I: (IR(cm-1),3507,3126,3056,2978,2943,2887, 1640,1563,1506,1450,1393,1281,1168,1048, 872,830,738,541.スペクトル II: (IR(cm-1),3500,3126,3049,2950,2866,1633, 1555,1499,1450,1393,1246,1041,872,823, 795,731,541.スペクトル III: (IR(cm-1),3500,2915,1717,1633,1415, 1260,1027,816,752,534.スペクトル IV: (IR(cm-1),3500,3126,3049,1633,1555,1499, 1443,1386,1161,1055,865,823,749,731, 710,541.スペクトル V: (IR(cm-1),3500,3119,3049,1633,1555,1499, 1443,1386,1161,1055,865,823,759,731, 710,541.スペクトル VI: (IR(cm-1),3500,3126,3056,1633,1598,1492, 1450,1386,1253,1161,1034,830,781,738, 696,626,541,499. 実施例16 実施例7で調製した錯体である、Zr(O3PCH2CH2-ビピリジニウム-C H2CH2PO3(Cl-20.5・(O3POH)(0.05g)をジポタシウム プラチナムテトラクロライド(dipotassium platinum tetrachloride)の10mM 水溶液10mlと共に室温で2日間攪拌する。反応期間中で、固体は白色から黄 色に変化する。次に、固体を瀘過により単離し、脱イオン水のみで洗浄し、空気 乾燥する。固体を脱イオン水中に懸濁し、水素ガスで混合物を10時間バブリン グする。固体は黄色から深い紫色に変化する。固体を瀘過により単離し、脱イオ ン水で洗浄し、空気乾燥すると、茶色の固体が得られる。 実施例17 クロム金属フィルム上に沈着させさらにガラス上に沈着させた金の基材を、前 記したのと同様にして、まず3−アミノプロピルトリエトキシシランで、次にオ キシ塩化リンで処理した後、実施例2の工程を3回施して、kが3である式II Iの組成物を調製する。 この組成物は、飽和カロメル電極に対して−0.74Vで可逆的な還元波を示 す。水中では、同様の標準電極に対して−1.4V未満で不可逆的な還元を示す 。 実施例18 1cm2セル中に犠牲還元体としての5mlの0.1Mエチレンジアミン4酢 酸2ナトリウム中における25mgの実施例6と同様にして調製された組成物に 200ワットHg/Xeランプを照射する。水素レベルを、ガスクロマトグラフ ィーで測定する。18時間の光分解による水素生成速度は0.07ml/時間で ある。330nmカットオフフィルター(G>330nm)を介して光を通すと 、1オーダー倍以上で水素の生成速度が減少する。フィルターを除くと、サンプ ルは前と同等に水 素を光生成する。このシステムにおける水素形成に関する量子収率(2×H2の モル/G>330nmで入射する光量子のモル)は0.008である。 第二の実施態様の好ましいクラスの組成物は、多孔性バイオロゲン金属ホスホ ネートマトリックスにおけるPt及びPdのコロイド粒子から構成される。これ らの材料は他のPt+Pd触媒とは非常に異なる;バイオロゲン基は関連する化 学において有意な相違を醸し出す。還元バイオロゲンによる酸素の還元率はコロ イド金属粒子によるよりもかなり大きいので、酸素の還元を、(デュポン(DuPon t)の特許の材料における場合と同様に)コロイド表面ではなく、還元バイオロゲ ンによって行われる。 固体を調製する方法の性質によって、塩化物または臭化物の「促進剤(promote r)」を入れることは避けられない。広範な様々な物質が試験された。高活性の化 合物はビスホスホン酸及びホスフェート(例えば、Me(O3P−OH)1(O3 P−Z−PO30.5・nH2O・Pt/Pd)の混合物を含む。R3がOHである ホスフェートコリガンドを有する化合物は、R3がH、CH3、CH2Cl、CH2 CH3、またはCH2CH2CH3である化合物に比べて10から100倍活性が高 いことが分かった。広範な様々なPd:Ptの割合もまた試験された。触媒を試 験して、均一性及び組成を決定した。サンプルをHFに溶かして、得られた溶液 をICPで分析して全金属組成(Zr、Pt及びPdの重量%、表3を参照)を 得た。単一の粒子を電子マイクロプローブで分析したところ、粒子全体に均一な Zr:Pt:Pd率を有することが分かった。 広範な様々な電子受容群が、水素による還元(コロイド金属粒子を介した)に さらには過酸化水素や他の還元物質の形成用触媒としての使用 に供せる上記構造物に関連できる。 以下に、同一条件下で行われた本発明の新規な触媒と他のPt+Pd触媒との 並行した比較結果を示す。(表3を参照)。本発明の物質及び他の物質における 貴金属(Pt+Pd)量を分析した後、これらの分析結果を用いて各場合におけ る貴金属の等量を有する実験における触媒量を測定する。この比較を、大気圧下 での水素及び酸素の混合物で行った。高圧力では、定常状態での過酸化水素の濃 度(上記式1及び2の速度がH22の濃度が期間中一定であるように一致する) が上昇する。 実際には0.22M:本方法では、蒸発分を補うために、溶液をアリコートを取 る前に10mlにまで戻す。過酸化物の定常状態での濃度(反応1の速度=反応2の速度 )は、サンプルの容積のかかわらず、一定でなければならない。したがって、サ ンプルを希釈すると、過酸化物の測定量は減少する。反応条件が同じであれば、 0.14Mの過酸化物となるが、反応混合物はアリコートを除く前に10mlに戻されな いと、測定濃度は0.22Mである。したがって、過酸化物の定常状態での濃度は、 実際よりおおよそ50%ほど少なく見積った。 †Zr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl0Pt0Pd-093 ‡デュポン(DuPont)特許(米国特許第4,832,938号)に開示される最良の触媒 本発明による数多くの様々な物質である、表面積の大きい支持体上に成長する 多孔性バルク固体(bulk solid)及び薄膜の双方を調製及び研究した。 バルク固体(bulk solid)は、まず、式XVの層状多孔性固体を調製することに よって調製される;次に、ハロゲン化物イオンをポリハロメタ ル陰イオン(polyhalometal anion)(PtCl4 2-等)にイオン交換する;さら に、ポリハロメタルイオン(polyhalometal ion)を水素で還元して含浸金属粒子 を含む多孔性固体を得る。 イオン交換反応を行うにあたって、温度を上げることが必要であることが分か った。室温ではPtCl4 2-の方がPdCl4 2-に比べて優先的に処理されるため 、調製される溶液よりPtを多く含む固体が得られる。イオン交換を高い温度で 行う際には、交換は均一であり、固体の組成は溶液のものと完全に一致する。 以下の実施例に用いるZr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムC H2CH2PO3)Clを、上記実施例7、8及び9と同様にして調製した。次に 、様々な割合の白金及びパラジウムを以下のようにして導入した: 実施例19 Zr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl°Pt°Pd-58: 170mgのZr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2 PO3)Clを、4.6mlのPdCl2(7.3×10-3M)及び2.8mlの K2PtCl4(6.1×10-3M)と混合した。この混合物を1時間一定に攪拌 しながら60℃に加熱した。黄色の粉末を濾過し、水で3〜4回洗浄した。黄色 の固体を水中に懸濁し、水素ガスを60℃で0.5時間バブリングした。灰色/ 黒色の固体を濾過し、まず水で、次にエタノールで洗浄した。次に、この固体を 空気乾燥した。0.0072gの上記固体を濃HCl、数滴の濃硝酸及び数滴の 59%HF中に溶解した。この溶液を100mlに希釈し、Zr、Pt、及びP dに関してICPによって分析した。溶液の分析結果(ppm)は、Zr=14 .05;Pt=1.01;Pd=0.73である。 実施例20 Zr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl°Pt°Pd-32: 260mgのZr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2 PO3)Cl、及び0.11MのK2PdCl4と6.4×10-3MのK2PtCl4 の溶液3mlを、一定に攪拌しながら30分間60℃に加熱した。このように して得られた黄色の固体を濾過し、水の数回洗浄した。この固体を水中に再懸濁 し、第一の合成において記載したのと同様にしてH2ガスで処理した。0.01 36gの乾燥固体を溶解し、前記と同様にして分析した結果(ppm)は以下の 通りである:Zr=24.72;Pt=0.69;Pd=1.5 実施例21 Zr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl°Pt°Pd-00: 200mgのZr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2 PO3)Clを、1mlの0.11MのK2PdCl4及び0.18mlの1.6 ×10-3MのK2PtCl4で処理し、前記実施例と同様にして水素化した。0. 117gの最終黒色固体を濃HCl、数滴の濃硝酸及び数滴の59%HF中に溶 解した。この溶液を25mlに希釈した。溶液を分析結果は以下の通りである: Zr(ppm)=48.92;Pt=検出されず;Pd(ppm)=6.75。 実施例22 Zr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl°Pt°Pd-30: 200mgのZr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2 PO3)Cl、1mlの4.8×10-2MのK2PdC14、及び0.275ml の4.7×10-2MのK2PtCl4を、20分間60℃で攪拌した。このように して得られた黄色の固体を濾過し、水で洗浄して、前記と同様にして水素化した 。0.0125gの固体を前記と同様にして溶解し、分析を目的として25ml に希釈したところ、 Zr=49.91ppm、Pt=2.15ppm、Pd=4.92ppmであっ た。 実施例23 Zr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl°Pt°Pd-11: 500mgのZr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2 PO3)Clを、15mlの7.4×10-3MのK2PdCl4及び0.99ml の5.1×10-3MのK2PtCl4と共に6時間還流した。固体を、前記と同様 にして、濾過、洗浄した。固体の水素化を、1時間行った以外は前記と同様にし て行った。0.0172gの固体を前記と同様にして溶解し、分析を目的として 25mlに希釈したところ、Zr=70.29ppm、Pt=1.18ppm、 Pd=9.10ppmであった。 実施例24 Zr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl°Pt°Pd-093: 500mgのZr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2 PO3)Cl、15mlの7.4×10-3MのPdCl2及び0.99mlの5. 1×10-3MのK2PtCl4を、65時間還流した。前記実施例と同様にして、 濾過、洗浄、及び水素化した。0.018gの固体を前記と同様にして溶解し、 分析を目的として25mlに希釈したところ、Zr=127.98ppm、Pt =0.78ppm、Pd=7.72ppmであった。 実施例25 Zr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl°Pt: 200mgのZr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2 PO3)Clを、K2PtCl4の5.1×10-3M溶液2mlで60℃で1時間 処理した。前記実施例と同様にして、濾過、 洗浄、及び水素化した。0.0162gの固体を用いて25mlの溶液を分析を 目的として調製したところ、Zr=117.9ppm;Pt=20.01ppm であった。 実施例26 Zr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl°Pd: 100mgのZr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2 PO3)Cl、及び1mlの6.3×10-2MのPdC12を、60℃で4時間 処理した。オレンジ色の固体を、前記実施例と同様にして、濾過、洗浄、及び水 素化した。0.0131gの固体を前記と同様にして分析を目的として25ml に溶解したところ、Zr=92.96ppm;Pd=8.54ppmであった。 この物質を、以下のようにして、多段階工程で表面積の大きい支持体上で成長 させる。イオン交換は、フィルムを成長させながらまたはフィルムを調製した後 に行ってもよい。 実施例27 SiO2 °Zr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl°の合成: 1gのシリカゲル(セレクト,インコーポレイション(Selecto,inc.)製、カ タログ番号162544、ロット番号216073)を200℃で1時間加熱し た。これを150mlの65mMのZrOCl2で60℃で2日間処理した。こ の後、20mMの(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl、2 0mMのリン酸、及び60mMのNaClから構成される溶液150mlで60 ℃で18時間処理した。これらの処理を4回繰り返した。最終的には、薄黄色の 固体を水で洗浄して乾燥した。 実施例28 SiO2 °Zr(O3POH)(O3PCH2CH2-ビピリジニウム-CH2CH2PO3)Cl°Pt°Pd-21: 270mgのSiO2 °Zr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウム CH2CH2PO3)Clを、0.12MのK2PdCl4及び6.4×10-3Mの K2PtCl4の溶液3mlで60℃で1時間処理した。濾過及び洗浄した。前記 実施例と同様にして、固体を水素化した。0.0494gの固体をHCl、HN O3、及び50%のHF中に溶かし、25mlに希釈した。分析結果は以下の通 りである:Zr=166.8ppm、Pt=2.97ppm、Pd=10.89 ppm。 実施例29 サンプルを実施例19〜28の各化合物の合成方法に記載されたのと同様にし て調製した。これらの溶液の金属含量をICPによって測定した。バイオロゲン の重量比(重量%)をZr値から評価したところ、1バイオロゲン分子当たり2 個のZr原子が固体中に存在すると考えられた。バイオロゲン単位は、C108 2であると求められた。得られた結果を下記表4に示す。 表1に関する定義: DU-D:デュポン(DuPont)の特許である米国特許第4,832,938号の表1A調製物D (prep D);DU-F:デュポンの特許である米国特許第4,832,938号の表1A調製物F(p rep F);DU-H:デュポンの特許である米国特許第4,832,938号の表1A調製物H(pre p H) Zr*PV(POH)=Zr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl Zr*PV(PH)=Zr(O3PH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl Zr*PV=Zr(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl R=Pt/(Pt+Pd)(wt/wt) R(obs)=ICPによるPt及びPdの分析から算出された割合 R(theo)=反応溶液中のPt及びPdの初期濃度から算出された割合過酸化水素の形成: 本発明の材料は過酸化水素の製造用触媒として使用できる。方法は、触媒の水 性懸濁液を酸素源及び水素源で処理することからなる。酸素源としては、純粋な 酸素、空気、オゾンまたは窒素酸化物が挙げられる。懸濁液は、システムのpH を制御するために、酸または塩基を含ませてもよい。 実施例30 一定量の各触媒をそれぞれ50mlのプラスチックチューブに入れた。0.1 M HClにおける0.15mMアセトニトリル溶液10mlを各チューブに添 加し、チューブをゴム栓で密閉した。酸素と水素の混合物を懸濁液にバブリング させた。場合によっては、O2ではなく空気を使用した。1時間から開始して( 約28時間まで)、順次間隔をあけて、蒸発による溶液の容積の損失を0.1M HClにおける0.15mMアセトニトリル溶液を添加することにより補い、 一定量の反応混合物を抜き、あらかじめ硫酸中で調製された硫酸チタン溶液で5 mlに希釈した。この溶液の410nmでの吸光度を記録した。比色分析を同様 の溶液をKMnO4で滴定することによって調べたところ、非常に精度が高いこ とが分かった。表4は、合成されたおよび/または使用された化合物の元素分析 結果を示すものである。データは、様々な段階での及びPdに対するPtの様々 な割合などの様々な条件下での及び数多くのpHでの過酸化水素の製造における 化合物の触媒特性を示すものである。 表5に列挙されるデータは、本発明による2種の好ましい物質および他の触媒 に関するH22産生量を表すものである。表6は、本発明による他の化合物及び 他の化合物に関する同様の試験データを示すものである。表7は、様々なPdに 対するPt比を有する数種の触媒に関して収集されたデータを示すものである。 表8は、多くの異なるpHでのデ ータを示すものである。 DU-D:デュポン(DuPont)の米国特許第4,832,938号の表1A調製物D(prepD); DU-F:デュポンの米国特許第4,832,938号の表1A調製物F(prepF); DU-H:デュポンの米国特許第4,832,938号の表1A調製物H(prepH) Zr*PV(POH)=Zr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl Zr*PV(PH)=Zr(O3PH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl Zr*PV=Zr(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl Pd-Pt-#は、Pt/(Pt+Pd)(wt/wt)を表す DU-D:デュポン(DuPont)の米国特許第4,832,938号の表1A調製物D(prepD); DU-F:デュポンの米国特許第4,832,938号の表1A調製物F(prepF); DU-H:デュポンの米国特許第4,832,938号の表1A調製物H(prepH) Zr*PV(POH)=Zr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl Zr*PV(PH)=Zr(O3PH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl Zr*PV=Zr(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl Pd-Pt-#は、Pt/(Pt+Pd)(wt/wt)を表す Zr*PV(POH)=Zr(O3POH)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl Pd-Pt-#は、Pt/(Pt+Pd)(wt/wt)を表す 上記実施例はすべて、大気圧での反応に関するものである。2つのパラメータ ーが上記に関しては重要であり、これらは過酸化水素形成の初期速度及び過酸化 水素の定常状態の濃度である。定常状態の濃度はシステムが過酸化物が形成され るのと同じ速度で過酸化物から水を生成する時の濃度を示し、初期速度は過酸化 水素形成速度の指標である。観察された最良の定常値は140mMであった(表 5)。定常状態では、酸素還元の速度(式3)と過酸化水素還元の速度(式4) が、過酸化水素濃度が一定であるため、等しい。上記実験における反応の初期速 度は30回転数/時間(システムに存在するバイオロゲンのモルに対して)であ る。上記実験を、Rが0.093でありかつH2:O2が1:5の混合 物を有する触媒を用いて行った。同様にして処理された最良のデュポン(DuPont) 製の触媒(Du−D)は定常状態でたった77mMの過酸化水素しか製造しなか った。H2及びO2の混合物が酸素を多く含むように(即ち、H2:O2=1:10 )作製されるので、過酸化水素の製造量は減少する。 他の触媒は、非常に早く良好な活性画分を失う。これを試験するために、我々 は、一触媒サンプルを用いていくつかの実験を逐次行った。結果を表9に示す。 危険を最小限にするために、過酸化物濃度に関する定常値が上記数に比べて低く なるように、水素及び空気の混合物を上記実験で使用した。最初の3実験は、非 常に類似する過酸化物の産生レベルを示す。4番目の実験は、最初の3実験にく らべて低い活性レベルを示す。この活性レベルは、同様の条件下でのデュポン(D uPont)製の触媒で観察されたものに比べると依然としてかなり高い。元素分析か ら、4番目のサイクルの後のPt及びPdの重量比(重量%)は若干増加したが 、Zrの量は減少したことが示される。この観察結果から、活性の減少は金属ホ スホネートの部分的な溶解に比例して起こらなければならないことが示唆される 。 実施例31 高圧過酸化水素の形成: 数多くの実験を、70mlの圧力容器中で様々なガス圧(H2、O2、N2)の 組み合わせで行った。5mlの0.1M HCl及び25mgのZr(O3PO H)(O3PCH2CH2ビピリジニウムCH2CH2PO3)Cl*Pt*Pd*−1 4を容器に添加した。所定圧の酸素、水素、及び窒素の混合物を容器に加えた。 反応を様々な時間行った。(表10)。H22濃度は、大気圧での実験で得られ た濃度と同様である(上記参照)。データから、反応容器の容積が増加するかま たは圧 力が増加するとより高いH22濃度が得られる、即ち、PH2及びP02が5倍増加 すると結果は1モルのH22であることが示される(例えば、表10における実 施例2を参照)。 †24時間後、システムをガス抜きして同様のガス混合物を新たに仕込んだ 後、さらに24時間反応させた。 実施例32 ホスホネート誘導ポリマー鋳型の合成: ジエチル−4−ブロモブチルホスホネートを、亜リン酸トリエチルによるBr (CH24Brのミカエリス−アルブゾフ転位(Michaelis-Arbuzov Rearrangeme nt)によって作製した。1,4−ジブロモブタン(21.5g、100ミリモル )及び亜リン酸トリエチル(6.65g,40ミリモル)を6時間150℃に加 熱した。未反応の1,4−ジブロモブタンを真空蒸発により除去した。 ポリ(4−ビニルピリジン)(PVP)をジエチル−4−ブロモブチルホスホ ネートでアルキル化して、ポリマー(PVP−C4P)を得た。 PVP(1g、9.5ミリモル)を、ジエチル−4−ブロモブチルホスホネート 1.48g(5.4ミリモル)を含む60ml N,N−ジメチルホルムアミド (DMF)中に溶解した。この混合物を60℃で2時間撹拌し、DMFを真空下 で除去した。残った固体をメタノールとエチルエーテルの1:4(v/v)の混 合物で洗浄した後、エーテル中で2時間環流した。この固体サンプルを濾過し、 乾燥した。次に、乾燥サンプルを30ml塩化メチレンに溶かし、12gのブロ モトリメチルシランを加えて、この混合物をAr雰囲気下で6時間撹拌した。H2 O(80ml)を加えて、溶液をさらに1時間撹拌した。水相を分離し、真空 下で除去することにより、黄色−茶色の固体(PVP−C4P)を得た。PVP −C4PのCHN分析では、C:55.76、H:6.67、N:8.20であ った。この分析結果は、25%のピリジル基がアルキル化されたものと一致する 。[C77N]3[C1117NO3PBr]*3H2OのCHN分析は、C:55. 57、H:6.41、N:8.10である。PVP−C4PのNMRスペクトル は、物質のポリマーの性質により、比較的広い線から構成される。3個のブロー ドが、8.2、6.6及び1.6ppmでd6−DMSO/D2Oの1N MRス ペクトルで認められ、この際、積分強度は1、1及び2.4である。2個のダウ ンフィールドピークがピリジル/ピリジニウム共振によるものであり、1.6p pmのピークが窒素に結合するもの以外はすべてのCH2基による(モデル化合 物に基づいて、この後者のピークはHDO下で落ちると予想される)ものである 際には、1:1:2.3の割合でなければならないので、この割合は25%誘導 と一致する。 実施例33 白金コロイドを、クエン酸ナトリウムによるヘキサクロロ白金溶液の還元によ って調製した。この還元は、均一な粒度を得るために温度を9 0℃に維持した以外は、ブラッガー(Brugger)らによって記載されるのと同様で あった(ピー ブラッガー(P.Brugger)、ピー クエンデット(P.Cuendet)、エ ム ガゼル(M.Gatzel)、ジェー アム ケム ソク(J.Am.Chem.Soc.)、( 1981年)、103巻、頁2923)。K2PtCl6(40mg)を300m lの蒸留水に溶解し、溶液を90℃に加熱した。クエン酸ナトリウム水溶液(3 0ml、1重量%クエン酸ナトリウム)を添加し、溶液を3時間撹拌した。コロ イド懸濁液を室温まで冷却した後、アンバーライト−MB−1(Amberlite-MB-1) 交換樹脂を加え、混合物を撹拌して、溶液の伝導率が5mS/cm未満になるま で過剰のクエン酸塩を除去した。 実施例34 PVP−C4Pにおけるジルコニウムバイオロゲン−ビスホスホネート(ZrV P)の成長 ポリマーPVP−C4P(5mg)を上記の50mlのPtコロイド懸濁液に 溶解した。Pt:ポリマーの重量比は1:2.5である。混合物を1時間振盪し て平衡に達した後、0.3gmのZrOCl2・8H2OをPVP−C4P/Pt 懸濁液に溶解した。この混合物を、Zr4+イオンをポリマーのホスホネート基 と完全に反応させるため、室温で一晩振盪した。次に、混合物を蒸留水で透析し て、遊離イオンを除去した。使用した透析チューブの分子量カットは12,00 0〜15,000であった。 透析を水の伝導率が5mS/cm未満になるまで行った。懸濁液をフラスコに 注ぎ、0.04gのバイオロゲンビスホスホン酸を添加し、混合物を60℃で一 晩振盪し、同様の透析プロセスを伝導率が5mS/cm未満になるまで行った。 ZrVP材料の多層を成長させるために、ジルコニウム及びビスホスホネート処 理を5回まで繰り返し行った。 実施例35 光化学的水素生成: 光化学的水素生成を、EDTA溶液におけるPtコロイド(実施例34)上の ポリマー鋳型ZrVPのサンプルに照射することによって行った。この懸濁液を 光化学実験中20℃に維持される1cm四方のセル中に保持した。4mlのサン プル懸濁液及び1mlの0.1M NaEDTA(犠牲還元体)の混合物を、光 分解する前に懸濁液にN2をバブリングすることによりよく脱ガスした。次に、 サンプルに200ワットHg/Xeアークランプを照射した。水素レベルをGC で測定した。 200ワットHg/Xeランプによって0.05M NaEDTAにおいて1 1mg ZrPV(Cl)を含む懸濁液サンプルを光分解することによって、初 めの1時間の間の水素の生成速度は0.25ml/時間であった。EDTAはシ ステムを転換する(turnover)ための犠牲還元体として使用する。水素の生成速度 は照射時間が長くなるに従って徐々に減少する。これは、シリカ表面上で成長す る多層薄膜に関する減少と類似する。 260nmカットオフフィルターに光を通すと、水素の生成速度が約50%減 少するが、より長期間約20%より多くの水素を生成する。このシステムにおけ る水素の光生成の波長の依存性は、ZrPV(Cl)の微結晶及び薄膜サンプル 双方において電荷分離状態を形成する際に観察される波長の依存性とよく相関す る。 実施例36 サンプル及び基材の調製: ポリマーPVP−C4P(分子量=100,000)を、実施例32に記載さ れる方法によってポリ(4−ビニルピリジン)及びジエチル−1,4−ブロモブ チルホスホネートから合成した。H23PCH2C H2(ビピリジニウム)CH2CH2PO32Cl2(V2P)を実施例1に記載さ れるのと同様にして調製した。単結晶磨きシリコンウェファー及び微視的石英シ リカ(水晶)スライド(〜1×3cm2)及び0.05〜0.1mm厚の金、白 金及びパラジウム箔(〜1×0.5cm2)を、それぞれ、基材として使用した 。これらを使用する前に濃H2SO4及び30%H22の混合物(3:1(v/v ))で清浄して、蒸留水でよくリンスし、500℃で一晩加熱することにより脱 ヒドロキシル化(dehydroxylated)表面を得た。 表面初期設定方法 シリコンウェファー、水晶スライドまたは金属箔ストリップをPVP−C4P の0.5%(w/w)水溶液中に浸漬した。5分間経過後、スライドを溶液から 取り出し、純粋N2を吹き付けることにより乾燥した。ZrOCl2の80mM溶 液の薄層をスライドの表面に塗布し、ポリマーのリン酸残基を架橋し、フィルム を空気乾燥した。ポリマーをZr4+イオンでよく架橋させるために、この工程を 2回繰り返した。次に、スライドを蒸留水で洗浄し、余分なイオンを表面から除 去した。 フイルムの成長 ZrPV(Cl)化合物の多層を、初期設定された基材を10mM V2P水 溶液中に80℃で4時間(段階1)、次に60mM ZrOCl2水溶液中に室 温で2時間(段階2)繰り返し浸漬することによって、ジルコニウムを多く含む 表面上に作製した。この表面を浸漬工程の間に蒸留水でよくリンスした(段階3 )。段階1〜3を1処理サイクル続けた。様々なフィルムを15サイクルまで繰 り返すことによって作製した。最後の2サイクルでは、段階2を一般的に省略し た。 実施例37 原子間力顕微鏡(AFM)画像をナノスコープIIIスキャニングプ ローブミクロスコープ(NanoScope III Scanning Probe Microscope)(ディジタ ル インステュラメント(Digital Instrument))を用いて得た。表面をシリコン カンチレバー(具体的に、F0320〜360kHz)によるタッピングモード で画像をとった。サンプルのAFM画像(0.5×0.5μm2)からより細か い特徴が明らかになり、これから、同様にして調製されたフィルムの構造及び厚 さは基材の性質に依存することが示される。すべてのサンプルにおいて、フィル ムの成長に関してRMS粗さ(RMS roughness)が増加した。 AMF画像を調べたところ、すべての場合において、表面上で成長する材料は 微結晶から構成されることが示される。これは、表面の粗さを平滑にするZn及 びCuアルカンビスホスホネート多層フィルムの成長に相反するものである(ヤ ング エッチシー(Yang,H.C.)、ケー アオキ(K.Aoki)、エッチジー ホング( H.G.Hong)、ディーディー サケット(D.D.Sackett)、エムエフ アレント(M.F .Arendt)、エスエル ヤウ(S.L.Yau)、シーエム ベル(C.M.Bell)、ティーイ ー マロウク(T.E.Mallouk)、ジェー アム ケム ソク(J.Am.Chem.Soc.) 、1993年、115巻、頁11855〜11862)。結晶は水晶及びシリコ ン基材の場合ではより小さく、金属の場合ではより大きい。フィルムの全体の粗 さと結晶の大きさとの間には、さらには裸基材の粗さとその上のフィルムの粗さ との間には、直接の相関関係はないと考えられる。水晶上のフィルムは、表面上 に均一に配置される小さな結晶から構成される。金及び白金上のフィルムは、水 晶の場合に比べて幾分より大きな結晶から作製されるが、金上には均一に配置さ れたままであり、白金上により大きなクラスター状に凝集しやすい。Pd上にフ ィルムを成長させることにより大きな結晶となり、これはより大きな島状にクラ スターを形成する。これに対して、シリコン上のフィルムは非常に小さな粒子 から構成され、これもまた大きな島状にクラスターを形成する。未処理及びPV P−C4P処理基材のAMF画像では相違は観察されなかった。 実施例38 サイクリックボルタンモグラム(cyclic voltammogram)(CV)を、実施例3 6〜37で記載されたのと同様にしてZrPV(Cl)フィルムで被覆したAu 、Pt及びPd電極(作動表面積:〜0.3cm2)で登録した。PARポテン シオスタット/ガルバノスタットモデル283(PAR Potentiostat/Galvanostat Model 283)を使用した。対極(Ptワイアー)を多孔性ガラスフリットによって 作動0.1M KCl水溶液から分離した。飽和カロメル電極(SCE)を参照 とした。酸素を高純度のアルゴンガスをバブリングさせることによって作動溶液 から除去した。 Au、Pt及びPd電極でのZrPV(Cl)フィルムのサイクリックボルタ ンモグラムでは、−0.77Vに近い還元電位(E°surf=(Ep,c+Ep,a)/ 2;但し、Ep,c及びEp,aは、それぞれ、陰極及び陽極のピーク電位である)を 有するブロードなピークが示され、ピークピーク分離(peak-to-peak separation )(ΔE)は120〜200mVである。ΔEは金及び白金の処理数によって若 干影響を受けるが、パラジウムでは変化を示さない。このように実験時間スケー ルが(より高い電位スキャン速度で)短くなるに従って増加する大きなΔEは、 陽極プロセスではおよびPtやPd電極ではより重大である電荷移動に関する動 的制限を意味する。 サイクリックボルタンモグラムの還元ピークの積分(integration)から、同処 理回数後に表面に蓄積されるZrPV(Cl)の量は異なる基材では異なること が確認される。Auに比べるとPtやPdでの方がかなりより多くの材料が蓄積 されている。これらの結果はAFMデータと 一致するので、Pt及びPdでのフィルムはAuに比べるとより粗いことが示さ れる。サイクリックボルタンモグラムから得られた積分に基づいた評価から、処 理サイクル毎に単層被覆は生じず基材によっては3〜6層が付加されることが示 される。 E°surf値は、−0.67V(ΔE=70mV)であることが分かった水溶液 中のV2Pの1電子還元に関してE°に比べて100mVよりネガティブであり 、これはメチルバイオロゲンジカチオン/カチオンラジカルレドックスカップル (methylviologen dication/cation radical redox couple)について報告された レドックス電位(−0.69V)に近いものである。溶液中のV2Pと比較して フィルム内でよりネガティブ値側へE°surfが100mVシフトすることは、基 材がZr4+及びバイオロゲンビスホスホネートで処理される回数によって有意に は影響を受けない。 実施例39 サンプルを真空中であるいはN2下で200w Hg/Xeランプで光分解す ると、光化学電荷分離による青色がポリソープ(polysoap)鋳型を含む層状ZrP V(Cl)上で観察される。5分間光分解することにより、還元バイオロゲンモ ノマー及びダイマーの双方が照射サンプル上に形成される。電子エネルギースペ クトルから、270nmに漸減バンド(decreasing band)、及びそれぞれがモノ マー及びダイマーに相当する、405、605nm及び380、540nmにバ ンドが出現する。ポリソープ(polysoap)鋳型を含むZrPV(Cl)の電子スペ クトル、さらには光還元サンプルの空気感受性から、この多層化合物はZrPV (Cl)の微結晶サンプルほど密に充填されないことが示唆される。 鋳型を含む層状ZrPV(Cl)の光還元懸濁液サンプルを空気で処理するこ とにより、数秒以内に漂白し終わるが、微結晶サンプルは数時 間から数日必要である。酸素は、化合物のより開放性のある格子を介して自由に 拡散すると考えられる。これは、鋳型を含む材料の柔軟性のあるブランケット様 の機構に関連すると考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AL,AM,AT,AU,BB,BG,BR,B Y,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES ,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, TJ,TM,TT,UA,UG,UZ,VN (71)出願人 スノヴァー,ジョナサン,リー アメリカ合衆国,ニュージャージー州 08619,マーサーヴィル,ブラックバード ドライブ 17 (71)出願人 ジョシ,ヴィジャイ アメリカ合衆国,ニュージャージー州 08619,リビングストン,チャールズ ス トリート 21 (71)出願人 ヴァーモイレン,ローリー,アン アメリカ合衆国,イリノイ州 62949,ハ ースト,ピー.オー.ボックス 557 (71)出願人 タング,シャオチャン アメリカ合衆国,ニュージャージー州 08901,ニューブルンスウィック,ランデ ィング レーン 10,アパートメント 6 ピー (72)発明者 トンプソン,マーク,イー. アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92807,アナハイムヒルズ,イースト ペ ッパー クリーク ウェイ 4447 (72)発明者 スノヴァー,ジョナサン,リー アメリカ合衆国,ニュージャージー州 08619,マーサーヴィル,ブラックバード ドライブ 17 (72)発明者 ジョシ,ヴィジャイ アメリカ合衆国,ニュージャージー州 08619,リビングストン,チャールズ ス トリート 21 (72)発明者 ヴァーモイレン,ローリー,アン アメリカ合衆国,イリノイ州 62949,ハ ースト,ピー.オー.ボックス 557 (72)発明者 タング,シャオチャン アメリカ合衆国,ニュージャージー州 08901,ニューブルンスウィック,ランデ ィング レーン 10,アパートメント 6 ピー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下よりなる表面上にフィルムを有する支持基材からなる組成物: (i)複数の下記式の錯体: ただし、Lは、連結手段であり; Y1及びY2は、それぞれ互いに独立して、リンまたは砒素であり; Zは、安定した還元形態を可逆的に形成し、マイナスのE°red値を有する2 つの共役陽イオン核を含む二価の基であり; Xは、陰イオンであり; MeYは、Me1 nmであり、この際、 Me1は、少なくとも21の原子番号を有するIII、IVA、若しくはI VB族の二価、三価、または四価の金属またはランタニドであり; Wは、陰イオンであり; nは、1、2、または3であり; mは、0、1、2、3、または4であり; kは、1から約100までの値を有し; pは、0、1、2、または3の値を有し;および qは、X上の電荷であり、 Y1、Y2、Z、及びMe1は、それぞれ、各連続k層で異なり; 各錯体はホスホネート基またはアルソネート基で誘導される側鎖を有する有機 ポリマーである結合手段Lを介して基材の結合する。 2.該フィルムがMe1原子によって錯体内に取り込まれるゼロ原子 価の少なくとも一のVIII族金属のコロイド粒子からさらになる、請求の範囲 第1項に記載の組成物。 3.表面上にフィルムを有する支持基材からなる組成物であって、該フィルム が: (i) 2以上の隣接する金属層; (ii) 2つの該隣接する金属層に共有結合する有機支柱; (iii)基材に最も近い金属層に基材を結合させる連結手段; からなり; この際、各金属層は、相互に独立して、以下よりなり: a)凝集層を形成する、少なくとも21の原子番号を有するIII、IV A、IVB族の三価または四価金属の原子またはランタニドの原子;および b)金属イオンが+1から+6の有効原子価を有するように金属原子に結 合する陰イオン; からなり; 該有機支柱は下記式: −(Y13−Z−Y23)−・p(X-q) ただし、Y1及びY2は、それぞれ互いに独立して、リンまたは砒素であり; Zは、マイナスのE°red値を有する2つの共役陽イオン核を含む電子受容二 価基であり、この際、Zは安定した還元形態及び安定した酸化形態の間を行き来 することができる; Xは、陰イオンであり; pは、0、1、2、または3の値を有し;および qは、X上の電荷であり; で示され; ならびに 連結手段はホスホネートまたはアルソネート基で誘導される側鎖を有する有機 ポリマーである。 4.該フィルムが金属原子によって錯体内に取り込まれるゼロ原子価の少なく とも一のVIII族金属のコロイド粒子からさらになる、請求の範囲第3項に記 載の組成物。 5.表面上にフィルムを有する支持基材からなる組成物であって、該フィルム が: (i) 2以上の隣接する金属層; (ii) 2つの該隣接する金属層に共有結合する有機支柱; からなり; この際、各金属層は、相互に独立して、 a)少なくとも21の原子番号を有するIII、IVA、IVB族の三価 または四価金属の原子またはランタニドの原子;及び b)金属イオンが+1から+6の有効原子価を有するように金属原子に結 合する陰イオン; からなり; 凝集層を形成し; 該有機支柱は下記式: −(Y13−Z−Y23)−・p(X-q) ただし、Y1及びY2は、それぞれ互いに独立して、リンまたは砒素であり; Zは、マイナスのE°red値を有する2つの共役陽イオン核を含む電子受容二 価基であり、この際、Zは安定した還元形態及び安定した酸化形態の間を行き来 することができる; Xは、陰イオンであり; pは、0、1、2、または3の値を有し;および qは、X上の電荷であり; で示され; ならびに 該基材はホスホネートまたはアルソネート基で誘導される側鎖を有する有機ポ リマーである、組成物。 6.VIII族金属のコロイド粒子からさらになり、該粒子はポリマーの主鎖 間の疎水環境中にトラップされる、請求の範囲第5項に記載の組成物。 7.フィルムが支柱及び金属層間に形成される間隙内に取り込まれる少なくと も一のゼロ原子価のVIII族金属のコロイド粒子からさらになる、請求の範囲 第5項に記載の組成物。 8.さらに有機リガンドからなり、該リガンドは金属層間に及び支柱間に配置 され、各リガンドは相互に独立して隣接する金属層の一方に共有結合するもので あり; 該リガンドは下記式で示される、請求の範囲第3項、第4項、第5項、第6項、 または第7項に記載の組成物: −Y33−R3 ただし、Y3は、リンまたは砒素であり;および R3は、非還元性キャッピング基である。 9.表面上にフィルムを有する支持基材からなる組成物であって、該フィルム が第一の層および一以上の連続層からなり、各層は相互に独立して以下よりなる 組成物: (i)複数の下記式の錯体: ただし、Y1及びY2は、それぞれ互いに独立して、リンまたは砒素であり; Zは、安定した還元形態を可逆的に形成し、マイナスのE°red値を有する2 つの共役陽イオン核を含む二価の基であり; Xは、陰イオンであり; MeYは、Me1 nmであり、この際、 Me1は、少なくとも21の原子番号を有するIII、IVA、若しくはI VB族の二価、三価、または四価の金属またはランタニドであり; Wは、陰イオンであり; nは、1、2、または3であり; mは、0、1、2、3、または4である; pは、0、1、2、または3の値を有し;および qは、X上の電荷であり、 この際、該錯体の(Y13−Z−Y23)部分は基材に対して垂直であり、該 MeY凝集層は基材に対して平行であり;および 第一の層は下記式を有する連結手段を介して基材に結合し: −L−MeZ ただし、Lは、ホスホネートまたはアルソネート基で誘導される側鎖を有する 有機ポリマーであり;および MeZは、Me3 sW’tであり、この際、Me3は、少なくとも21の原子番号 を有するIII、IVA、若しくはIVB族の三価または四価の金属またはラン タニドであり、ポリマーのホスホネート基またはアルソネート基を架橋して凝集 層を形成し; W’は陰イオンであり、 sは、1、2、または3であり;および tは、0、1、2、3、または4であり; この際、第一の層の複数の−(Y13−Z−Y23)はMeZ凝集層に共有結 合し;ならびに 各連続層の複数の−(Y13−Z−Y23)は前の層のMeY層に共有結合す る。 10.基材及び連結手段はホスホネートまたはアルソネート基で誘導される側鎖 を有する有機ポリマーである、請求の範囲第1項に記載の組成物。 11.下記式を有する繰り返し単位を特徴とする誘導ポリマー: ただし、Pはリンまたは砒素であり;および nは0〜10である。 12.以下の段階からなる、請求の範囲第5項に記載の組成物の製造方法: A)ホスホネートまたはアルソネート基で誘導される側鎖を有する有機ポリマー を溶液に溶解し; B)少なくとも21の原子番号を有するIII、IVA、若しくはIVB族の三 価または四価の金属またはランタニドのイオンからなる溶液を添加し; C)ホスホネートまたはアルソネート基を金属イオンで架橋し; D)混合物を蒸留水で透析して遊離イオンを除去し; E)ビスホスホン酸またはビスアルソン酸を添加し; F)混合物を蒸留水で透析して遊離イオンを除去し;および G)段階B、C、D、E、及びFを繰り返し行う。 13.段階A)の溶液はVIII族金属のコロイド粒子からなる溶液である、請 求の範囲第12項に記載の組成物の製造方法。 14.A)不均一系触媒の水性懸濁液を酸素源及び水素源で処理し; B)触媒を分離し;および C)製造される過酸化水素を単離する; 段階からなり; 該触媒は下記式の錯体であり: ただし、Y1、Y2、及びY3は、それぞれ互いに独立して、リンまたは砒素で あり; Zは、安定した還元形態を可逆的に形成し、マイナスのE°red値を有する2 つの共役陽イオン核を含む二価の基であり; Me2は、少なくとも21の原子番号を有するIII、IVA、若しくはIV B族の三価または四価の金属またはランタニドであり; Xは、陰イオンであり; nは、0から0.8までの値を有し; pは、0、1、2、または3の値を有し;および R3は、非還元性キャッピング基である; 酸素および水素から過酸化水素を製造するための触媒方法。 15.Zが下記である、請求の範囲第14項に記載の方法: −(R1n−Z’−(R2m− ただし、Z’は、少なくとも2つの共役四価の窒素原子を含む二価の芳香族基 であり; n及びmは、それぞれ、相互に独立して、0または1の値を有し;および R1及びR2は、それぞれ、相互に独立して、二価の脂肪族または芳香族の炭化 水素基である。 16.Z’において、各四価の窒素原子が環システムが直接または共役炭化水素 鎖を介して相互に結合する別の芳香族環システムにおける環員である、請求の範 囲第15項に記載の方法。 17.各芳香環システムが単環またはピリジン、ピラジン、またはピリミジン環 からなる融合多環であり、各単環または融合多環はそれぞれ非置換であるまたは 1〜6炭素原子を有するアルキルで置換される、請求の範囲第16項に記載の方 法。 18.Z’において、双方の四価の窒素原子が融合多環芳香システム内の環員で ある、請求の範囲第15項に記載の方法。 19.融合多環芳香システムがピリジン、ピラジン、またはピリミジンから構成 される群より独立して選ばれる2種からなり、該融合多環芳香システムは非置換 であるまたは1〜6炭素原子を有するアルキルで置換される、請求の範囲第18 項に記載の方法。 20.n及びmはそれぞれ1であり、およびR1及びR2は、それぞれ、相互に独 立して、6以下の炭素原子を有する直鎖のあるいは枝分れした二価のアルカン鎖 、芳香族炭化水素、またはポリアレーンである、請求の範囲第15項に記載の方 法。 21.Me2がチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ゲルマニウム、錫または鉛 である、請求の範囲第14項に記載の方法。 22.Me2がジルコニウムである、請求の範囲第21項に記載の方法。 23.Y1、Y2、及びY3がリンである、請求の範囲第14項に記載の方法。 24.該触媒が下記式の錯体である、請求の範囲第14項に記載の方法: ただし、Y1、Y2、及びY3は、それぞれ互いに独立して、リンまたは砒素で あり; Zは、安定した還元形態を可逆的に形成し、マイナスのE°red値を有する2 つの共役陽イオン核を含む二価の基であり; Me2は、少なくとも21の原子番号を有するIII、IVA、若しくはIV B族の三価または四価の金属またはランタニドであり; Xは、陰イオンであり; nは、0から0.8までの値を有し; pは、0、1、2、または3の値を有し;および R3は、非還元性キャッピング基である。 25.Zが下記である、請求の範囲第24項に記載の方法: −(R1n−Z’−(R2m− ただし、Z’は、少なくとも2つの共役四価の窒素原子を含む二価の芳香族基 であり; n及びmは、それぞれ、相互に独立して、0または1の値を有し;および R1及びR2は、それぞれ、相互に独立して、二価の脂肪族または芳香族の炭化 水素基である。 26.Z’において、各四価の窒素原子が環システムが直接または共役炭化水素 鎖を介して相互に結合する別の芳香族環システムにおける環員である、請求の範 囲第25項に記載の方法。 27.各芳香環システムが単環またはピリジン、ピラジン、またはピリミジン環 からなる融合多環であり、各単環または融合多環はそれぞれ非 置換であるまたは1〜6炭素原子を有するアルキルで置換される、請求の範囲第 26項に記載の方法。 28.Z’において、双方の四価の窒素原子が融合多環芳香システム内の環員で ある、請求の範囲第25項に記載の方法。 29.融合多環芳香システムがピリジン、ピラジン、またはピリミジンから構成 される群より独立して選ばれる2種からなり、該融合多環芳香システムは非置換 であるまたは1〜6炭素原子を有するアルキルで置換される、請求の範囲第28 項に記載の方法。 30.n及びmはそれぞれ1であり、およびR1及びR2は、それぞれ、相互に独 立して、6以下の炭素原子を有する直鎖のあるいは枝分れした二価のアルカン鎖 、芳香族炭化水素、またはポリアレーンである、請求の範囲第25項に記載の方 法。 31.Me2がチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ゲルマニウム、錫または鉛 である、請求の範囲第24項に記載の方法。 32.Me2がジルコニウムである、請求の範囲第31項に記載の方法。 33.Y1、Y2、及びY3がリンである、請求の範囲第24項に記載の方法。
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