JP2000500678A - 定位胸部バイオプシーコイル及び使用方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ＭＲＩ胸部コイル（１０）には、広い幅方向のアクセス入口（２６）と、バイオプシー針（２４）をガイドするための定位フレームが具えられている。入口は、乳房を保持しながらどの位置にも針の挿入を許すプラスチックの薄い覆い（３０）によって覆われている。フレームは、針を、方位角、高さ及び深さによって位置決めさせる。

Description

【発明の詳細な説明】 定位胸部バイオプシーコイル及び使用方法 発明の背景 本発明は、ＭＲＩによる組織(tissue)バイオプシー法、特に定位(stereo-tact ic)胸部（乳房）用バイオプシーコイルに関する。 磁気共鳴映像法（ＭＲＩ）は、これまでサブ−クリニカルであった（すなわち 、触診及びマンモグラフィー（乳房造影法）によっても発見不可能であった）乳 房（胸部）の疾患を発見することができる。しかし、遺憾ながら、この検知方法 では、陽性と判断されたもののうち、４０パーセントが間違いである。そのため 、非常に攻撃的な開放バイオプシーが行なわれる結果を招いている。 ニードルバイオプシー（切除又は吸引）のような、より攻撃的でない方法が望 まれるが、この場合の針の位置付けは、三次元で、１ｍｍの精度が要求される。 発明の概要 組織の隆起物の画像をもたらすためのＭＲＩコイルは、前記隆起物を受け入れ るようになっている軸方向基部を具えた筒状の壁と、軸方向末端部を具えている 。この壁は、前記末端部と基部の間に幅方向のアクセス入口(portal)を含む。こ の入口は、前記壁のかなりの部分を除去せしめている。第１のコイル部分は前記 末端部の周りに配置され、第２のコイル部分は前記基部の周りに配置される。 図面の簡単な説明 図１は、一部を分離した、本発明によるコイルの斜視図である。 図２は、本発明によるコイルを正面から見た斜視図である。 図３は、本発明によるコイルの上面図である。 図４は、本発明によるニードルガイドの正面立面図である。 図５は、本発明の実施形態の幾何学的説明図である。 好適な実施形態の説明 図１、２及び３によると、胸部バイオブシーコイル１０はベース１２を有し、 これに、筒状壁１４と３つの基準点１６，１８，２０が固定されている。 リング２２は、ベース１２と壁１４の外部の連接部に当接している。リング２ ２は、その軸の周りに回転可能であり、基準点１６，１８，２０とベース１２と 壁１４の間に摺動可能に保持されている。ニードルガイド２４は、リング２２に 着脱可能に取り付けられている。これらの構造体は、メチルメタクリレートの熱 可塑性ポリマーのような、適当な非磁性のＭＲＩ透過素材（例えば、Plexiglas ）で形成することができる。 壁１４は、広い開口、すなわち、入口２６を含む。壁１４は、覆い３０を受け 入れるための溝２８を含む。覆い３０は、例えば、適度な硬度のプラスチックの 薄いシートで、鋭利な器具によって穴を開けることが比較的容易なものがよい（ 例えば、バイエル社のバイエル・ポリマー・ディビジョンのTEXINブランドのポ リウレタンフィルムのような、１５ｍｉｌの厚さのポリウレタンフィルム、又は １／３２インチの厚さのハンツマン・ハイインパクト・ポリスチレン−医療用） 。 入口２６の反対側の壁の内側には、膨張可能な袋３２が具えられている。袋３ ２は、例えば、ラテックスゴムで形成されていればよい。 コイル１０は、例えば、内径が１７．８ｃｍ、高さが７ｃｍでよい。これは、 乳房の受け入れを容易にするために、約１７４０ｍｌの内容量となる。袋３２が 一杯に膨張したとき、この容量は、例えば、９００ｍｌまで減少してもよい。 壁１４の基部は、その外周に電気コイルの一部分３４を含む。同様に、壁１４ の末端部は、その外周に電気コイルの一部分３６を含む。電気コイル部分３４， ３６は、例えば、１巻きであってもよい。 電気コイル部は、図示しないマッチングネットワークによってケーブル３８に 連結されており、図示しない画像機器による伝送の間、コイルを保護するための 、容量性の割れ目、離調(detuning)ダイオード、及び電流トラップを含む。この ような特徴は、１９９５年９月１９日に出願された米国特許出願第08/530,576号 に記述されており、ここに引用によって一体化される。このコイルは、例えば、 ６３．８９ＭＨｚで作動するものでよい。コイルの末端部と基部は、入口が、例 えば、高さ５．７ｃｍで、壁１４の周囲をほぼ１８０度取り囲んで延びることを 許容する。 ベース１２は、リング２２が回転したとき、ニードルガイド２４の方位角位置 決めをもたらす目盛りの付けられたスケール３８を具えることができる。 図４を参照すると、ニードルガイド２４は、一連のガイド穴４０を具えている 。 穴４０は、空間的分解能を高めるために、２つのジグザグの配列上にある。１８ ゲージ針（ノミナル１ｍｍ）を使用するため、穴４０は、針のサイズより０．０ ７ｍｍ大きく開けられている。それらは中心間隔が２ｍｍで、垂直方向にプラス マイナス０．５ｍｍの分解能を具えている。異なるガイド２４を具えて、各サイ ズの針が使用できるようになっている。このガイド２４は、リング２２中の受容 部に挿入できるようになっていると都合がよい。異なったサイズの針／穴によっ て所望の分解能を得るために、ジグザグの列の数は、変えることができる。 一般に、ガイド２４に挿入された針４２は、リング２２に関して、径方向の経 路に従う。目盛りの付けられたスケール３８は、例えば、壁１４の内面において 、円弧長さが１．５ｍｍ間隔を与えるように設けられている。そうすれば、壁１ ４において、プラスマイナス０．７７ｍｍの分解能が与えられ、針の先が中心に つながったとき、分解能はゼロに近付く。 針４２の侵入深さは、例えば、針の上に目盛りを付けたり、或いは、ガイド穴 ４０を通ってより深く侵入することを防止するように、針の上に可動のストッパ を設けることによって、簡単に決定できる。 リング２２の方位角(azimuth)の調整、適したガイド穴４０の選択、そして、 ガイド穴の所望の深さへ針を挿入することを組合せて、コイル１０を用いて、３ 次元的な針先の位置決めのために、１ｍｍよりすぐれた分解能が容易に得られる 。 垂直基準点１６，１８は、コイル１０の軸に平行な５ｍｍの孔からなる。基準 点１６，１８は、リング２２の直径上に配置されている。基準点２０は、基準点 １８に対して角度のついた５ｍｍの孔からなる。基準点１８，２０の孔は、交差 してコイル１０に関してゼロ高さを形成する。基準点１８，２０の間の角度は、 例えば、４５度であってよい。孔には、ＭＲＩ画像をもたらす物質、例えば、０ ．０４モルのＣｕＳＯ₄・５Ｈ₂Ｏが充填されている。 操作に際しては、乳房又はその他の組織の隆起物が、壁１４の基部２４に挿入 され、末端部３６に向かって延びる。好適な実施形態においては、患者は、（適 当な周辺の支持部を具えた）コイル１０の上にうつ伏せになる。 袋(bladder)３２は、入口２６に乳房を押しつけるために、図示しない手段に よって膨張させられる。覆い(sheath)３０は、乳房が入口２６から外に横方向に 「はみ出ない」ようにする。覆い３０は、乳房の側面を支持することになる。広 い入口２６にも拘らず、固定機能が危うくなる恐れはない。覆い３０は、患者毎 に又は診療の合間に容易に交換することができる。 乳房は、図示しないＭＲＩ画像機器によって、コイル１０を使用して画像化さ れる。図５によると、冠状の画像において、基準点１８，２０は、距離ｄだけ離 れた点で示される。コイルのベースの上方の高さｈは、ｈ＝ｄ・ｔａｎ（４５° ）で与えられる。 基準点１６，１８の座標がそれぞれ（ｘ₁，ｙ₁）と（ｘ₂，ｙ₂）であるならば 、それらの間の中点（ｘ_m，ｙ_m）は、（ｘ_m，ｙ_m）＝（（ｘ₁＋ｘ₂）／２，（ｙ₁ ＋ｙ₂）／２）で与えられる。基準点１６，１８の間の距離Ｄは、Ｄ＝（（ｘ₁ −ｘ₂）²＋（y₁−ｙ₂）²）^(1/2)で与えられる。 中点から画像化された病巣、すなわち、ターゲット（ｘ_t，ｙ_t）までの距離Ｐ は、Ｐ＝（（ｘ_t−ｘ_m）²＋（ｘ_t−ｙ_m）²）^(1/2)で与えられる。基準点１６か らターゲットまでの距離Ｃは、Ｃ＝（（ｘ_t＋ｘ₂）²＋（ｙ_t＋ｙ₂）²）^(1/2)で 与えられる。方位角βは、β＝ａｒｃｃｏｓ（（Ｃ²−Ｐ²−（Ｄ／２）²）／（ −２・Ｐ・（Ｄ／２））で与えられる。 針の侵入深さＮは、Ｎ＝Ｒ−Ｐで与えられ、Ｒは針の長さである。このように して、三次元内にターゲットの位置で探り当て、その位置に針４２の先を挿入す るために必要な、前後方向の距離、針の侵入深さ、及び角度位置をもたらすよう に、画像を利用することができる。 画像からのデータに基づいて方位角を修正するため、ニードルガイド２４が回 転され、針が正しいガイド穴４０に挿入される。それから、針４２は、覆い３０ を通って乳房に所望の深さまで挿入される（針と覆いは殺菌されている）。特に 、孔が大きい針の場合は、乳房の皮膚（及び覆い）に、針の挿入を補助するため に傷を付けておくことができる。その後、針の先は、所望の位置から１ｍｍ未満 に位置付けられる。 病巣のバイオプシーは、切除用バイオプシー針又は吸引用バイオプシー針のい ずれかによって行なうことができる。それに加えて、ＭＲＩは、他の手法よりも より正確に腫瘍の端部を見付けることができるので、針を病巣に限定して使用す ることができる。 大きな入口２６によって、乳房のどの位置にもアクセスすることができ、皮膚 の切り取りのような方法の実施が容易になる。この広い入口２６は、覆い３０に よって可能になっている。 覆い３０は、針、或いはその他の穴開け又は切断具によって、組織のどの場所 にもアクセスすることを許容しながら、組織を支持し、且つ、固定することを可 能にしている。入口と覆いのこの組合せは、他のコイル／フレーム構造において も使用することができ、例えば、楕円形又は矩形の断面の筒状壁でもよく、或い は、切頭円錐形のチャンバーは、覆いでカバーされる大きな入口を簡便に具える ことができよう。 好適な実施形態においては、針４２のために必要な位置設定は、画像装置内の ソフトウエア、又はラップトップコンピュータのような補助コンピュータのいず れかによって自動的に計算される。 上記に説明されたコイル１０は、胸壁の約１ｃｍの深さにアクセスする針を具 えている。もし閉塞された部分にアクセスすることを望むなら、ニードルガイド ２４はコイルの平面の反対の角度位置にあるガイド穴を具えることができる。計 算に若干の修正を要するが、針はその場所に正確に挿入することができよう。 本発明の他の実施形態も可能である。例えば、電気コイルの部分３４，３６は 、操作中にコイル１０の周わりに配置される、分離したコイルで形成することが できる。そうすれば、コイル１０は、たとえ、その構成が他の点では変わらない としても、フレームとしてより正確に説明される。この構成は、針を方向付ける ための定位フレームをもたらす。コイル１０を、一体的に、又は外付けのいずれ かで、付加的な電気コイルの幾何学的配列と組合せて（例えば、Helmoltz、サド ル又はサーフェスコイル）使用することも有利であろう。 この開示は例示のためのものであり、この開示に含まれる教示事項の正当な範 囲から外れることなく、詳細に説明されたことに対して、付加、変更、又は削除 を行なうことによって、種々の変更が可能であることは明らかであろう。従って 、本発明は、以下の請求の範囲が必然的に限定される場合を除き、この開示の特 別な細部に限定されるものではない。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 メズリッチ、リューベン・エス アメリカ合衆国 ニュー・ジャージー州 08558 スキルマン、ロビン・ドライブ 15

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．組織の隆起物の画像をもたらすためのＭＲＩコイルであって、 前記隆起物を受け入れるようになっている軸方向基部及び軸方向末端部を具え 、前記末端部と基部の間の幅方向の入口を含み、前記入口によって実質的部分が 除去されている筒状壁と、 前記末端部周りの第１コイル部分と、 前記基部周りの第２コイル部分とを有してなる、 ＭＲＩコイル。 ２．前記画像と前記筒状壁の内側の間の対応関係をもたらす基準をさらに有す る、請求項１のコイル。 ３．前記入口を覆って穴開けが可能な覆いをさらに有し、前記覆いが交換可能 である、請求項１のコイル。 ４．前記壁の内部に袋をさらに有し、該袋は前記隆起物を前記入口の方向に押 しつけるために膨張可能である、請求項１のコイル。 ５．前記壁内で長手方向に延びる軸の周りの方位角方向に動かされるように拘 束された部材と、該部材に連結されたニードルガイドをさらに有し、前記ガイド は前記基部と末端部の間で複数の軸方向位置に針を配置するための複数のガイド 穴を含む、請求項１のコイル。 ６．前記入口を覆って穴開けが可能な覆いをさらに有し、前記覆いが交換可能 である、請求項５のコイル。 ７．前記壁の内部に袋をさらに有し、該袋は前記隆起物を前記入口の方向に押 しつけるように膨張可能である、請求項６のコイル。 ８．針を方向付けるための定位フレームであって、 ベースと、 前記ベースを横切って延びる軸の周りに方位角方向に動かされるように拘束さ れた部材と、 前記ベースから間隔をおいて複数の位置に針を配置するための複数のガイド穴 を含み前記部材に連結されたニードルガイドとを有してなる、 フレーム。 ９．ＭＲＩの画像と前記フレームの間の対応関係をもたらす基準をさらに有す る、請求項８のフレーム。 １０．異なるサイズのガイド穴を具えたガイドが前記部材に交換可能に連結さ れている、請求項８のフレーム。 １１．前記隆起物を受け入れるようになっている軸方向基部及び軸方向末端部 を具え、前記ベースに取り付けられ前記末端部と基部の間の幅方向の入口を具え た筒状壁と、 前記入口を覆って穴開けが可能な覆いをさらに有し、該覆いは交換可能である 、 請求項８のフレーム。 １２．前記壁の内部に袋をさらに有し、該袋は、前記隆起物を前記入口の方向 に押しつけるように膨張するようになっている、請求項１１のフレーム。 １３．組織の隆起物を固定するためのフレームであって、 前記隆起物に最も近い軸方向基部と及び軸方向末端部を具えた少なくとも１つ の壁であって、該壁は前記末端部と基部の間の幅方向の入口を含み、前記入口に よって前記壁の実質的部分が除去されている壁と、 前記入口を覆い穴開けが可能な覆いとを有し、該覆いが交換可能である、 フレーム。 １４．組織の隆起物を固定するためのフレームであって、 前記隆起物を受け入れ取り囲む軸方向基部と、軸方向末端部とを具え、前記末 端部と基部の間の幅方向の入口を具え、前記入口によって実質的部分が除去され ている壁と、 前記入口を覆い穴開けが可能な覆いとを有し、該覆いが交換可能である、 フレーム。 １５．前記壁の内部に袋をさらに有し、該袋は、前記隆起物を前記入口の方向 に押しつけるように膨張可能である、請求項１４のフレーム。 １６．ＭＲＩの画像と前記壁の内側の間の対応関係をもたらす基準をさらに有 する、請求項１４のフレーム。 １７．組織の隆起物を固定するためのフレームであって、該フレームは、 前記隆起物を受け入れる軸方向基部及び軸方向末端部を具え、前記末端部と基 部の間の幅方向の入口を含む筒状壁と、 前記隆起物を前記入口の方向に押しつけるように膨張可能な、前記壁の内部の 袋とを含む、 組織の隆起物を固定するためのフレーム。 １８．組織の隆起物の画像をもたらすためのＭＲＩコイルであって、 前記隆起物を受け入れる軸方向基部及び軸方向末端部を具え、前記末端部と基 部の間の幅方向の入口を具え、前記入口によって実質的部分が除去されている筒 状壁と、 前記末端部の周りの第１のコイルと、 前記基部の周りの第２のコイルと、 前記画像と前記筒状壁の内側の間の対応関係をもたらす基準と、 前記入口を覆い穴開けが可能で、且つ、交換可能な覆いと、 前記入口方向に前記隆起物を押しつけるように膨張する前記壁の内部の袋と、 前記壁内を長手方向に延びる軸の周りに方位角方向に移動するように拘束され た部材と、 前記部材に連結され、前記基部と末端部の間の複数の軸方向位置に針を配置す るための複数のガイド穴を含むニードルガイドとを有してなる、 ＭＲＩコイル。 １９．組織の隆起物のＭＲＩ画像中の示された位置に針を移動するための方法 であって、 前記画像をもたらすためにＭＲＩコイルを用意し、 定位フレームを用意し、該フレームは、 前記隆起物を受け入れるための軸方向基部及び軸方向末端部を具え、前記末端 部と基部の間の幅方向の入口を具え、前記入口によって実質的部分が除去されて いる筒状壁と、 前記画像と前記筒状壁の内側の間の対応関係をもたらす基準と、 前記入口を覆い穴開けが可能であって、且つ、交換可能な覆いと、 前記入口方向に前記隆起物を押しつけるように膨張する前記壁の内部の袋と、 前記壁内を長手方向に延びる軸の周りに方位角方向に移動するように拘束され た部材と、 前記部材に連結され、前記基部と末端部の間の複数の軸方向位置に針を配置す るための複数のガイド穴を含むニードルガイドとを有してなり、 前記端部に前記隆起物を挿入し、 前記隆起物と前記基準を画像化し、 前記位置と前記筒状壁の内側の間の対応関係を決定し、 前記ニードルガイドを前記位置と交差する方位角に移動させ、 前記針を前記位置と交差するガイド穴内に配置し、 前記針を前記覆いを貫通して前記位置と交差する深さに挿入することからなる 、 方法。 ２０．前記フレームに前記壁の内側で袋をさらに含み、 前記袋が前記隆起物を前記入口方向に押しつけるように膨張することをさらに 含む、請求項１９の方法。