JP2000500563A - 疲労制限金属構成部品の設計、品質管理および管理の方法 - Google Patents

疲労制限金属構成部品の設計、品質管理および管理の方法

Info

Publication number
JP2000500563A
JP2000500563A JP9515049A JP51504997A JP2000500563A JP 2000500563 A JP2000500563 A JP 2000500563A JP 9515049 A JP9515049 A JP 9515049A JP 51504997 A JP51504997 A JP 51504997A JP 2000500563 A JP2000500563 A JP 2000500563A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compressive stress
residual compressive
metal
components
fatigue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9515049A
Other languages
English (en)
Inventor
バークレイ,スタンレイ,ジー.
Original Assignee
ファティーグ マネージメント アソシエイツ リミテッド ライアビリティ カンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ファティーグ マネージメント アソシエイツ リミテッド ライアビリティ カンパニー filed Critical ファティーグ マネージメント アソシエイツ リミテッド ライアビリティ カンパニー
Publication of JP2000500563A publication Critical patent/JP2000500563A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B77/00Component parts, details or accessories, not otherwise provided for
    • F02B77/08Safety, indicating, or supervising devices
    • F02B77/081Safety, indicating, or supervising devices relating to endless members
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K31/00Processes relevant to this subclass, specially adapted for particular articles or purposes, but not covered by only one of the preceding main groups
    • B23K31/12Processes relevant to this subclass, specially adapted for particular articles or purposes, but not covered by only one of the preceding main groups relating to investigating the properties, e.g. the weldability, of materials
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L5/00Apparatus for, or methods of, measuring force, work, mechanical power, or torque, specially adapted for specific purposes
    • G01L5/0047Apparatus for, or methods of, measuring force, work, mechanical power, or torque, specially adapted for specific purposes measuring forces due to residual stresses
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N23/00Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00
    • G01N23/20Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by using diffraction of the radiation by the materials, e.g. for investigating crystal structure; by using scattering of the radiation by the materials, e.g. for investigating non-crystalline materials; by using reflection of the radiation by the materials

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 疲労破壊の可能性を持つ複数の金属構成部品の集合を管理する改良された方法を提供する。そのような構成部品の厳しい条件の表面、とくに高応力集中領域、の残留圧縮応力をX線回折技法を用いて非破壊的に測定する。測定された表面残留圧縮応力は管理基準として使われる。規定値よりも高い表面残留圧縮応力を有する構成部品は再び運転に供することができる。しかし一旦構成部品の測定された表面残留圧縮応力が規定値よりも低くなったら、その構成部品は永久に使用除外するか、あるいは再加工してその表面残留圧縮応力を増大させた後に再び運転に供することができる。さらに、個々の構成部品の表面残留圧縮応力を測定することにより、それぞれの構成部品の残りの運転寿命を推定することができる。そのような金属構成部品の集合を管理するこれらの方法は構成部品の運転寿命を安全かつ効果的に増大することができる。受け入れられる運転寿命を維持しながら性能基準(例えば重量の低減)を改善した金属部品の製作および/または設計のための方法も提供する。さらに、例えばその用途に不充分な表面残留圧縮応力レベルを有する金属部品が運転されるのを防止するために、製作工程中および/またはその後における表面残留圧縮応力測定値を用いた品質管理手順を確立する方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 疲労制限金属構成部品の設計、品質管理および管理の方法 関連出願 本出願は1994年5月18日出願の米国特許出願No.08/245,011“Method f or Measuring and Extending the Service Life of Fatigue-Limited Metal Com ponents(疲労制限金属構成部品の運転寿命を測定し延長する方法)”の一部継 続出願である。この米国出願はその記載内容が本明細書の一部を構成する。 発明の技術分野 本発明は一般に疲労制限金属構成部品の運転寿命を管理する方法に関する。ま た、本発明は一般に疲労制限金属構成部品の運転寿命を管理し延長する方法に関 する。より具体的には、本発明は、個々の構成部品の厳しい条件の表面における 残留圧縮応力を求めることによって、疲労制限金属構成部品の使用可能な残留運 転寿命を非破壊技法を用いて測定する管理方法に関する。本発明の方法を使うこ とで、一旦残留圧縮応力が規定値よりも下がると金属構成部品は運転から除外さ れるか再度加工されてその残留圧縮応力を増大させる。この発明は、疲労制限金 属構成部品の残留運転寿命を非破壊的に測定する信頼性の高い手段を提供するこ とによって、疲労制限金属構成部品を含むタービン・エンジンや他の機械の管理 および運転に関わる安全性と経済性の両方を高めることができる。本発明は特に 航空機エンジン等のガス・タービン・エンジンの疲労制限回転部品の集まりを管 理するのに適している。そのような部品あるいは構成部品の表面残留圧縮応力を 管理し測定するための本発明の方法を利用すれば、部品または構成部品の表面残 留圧縮応力を増大または回復させて運転寿命を延長できるようにするために、部 品を再加工すべき適切な時期(すなわち引張り応力クラックの発生によって永久 劣化が生じる前の適切な時期)を決定することができる。本発明の方法を使用す れば、例えばジェット・エンジンまたはタービン・エンジンに使われている構成 部品の集合の全体の運転寿命を、安全性を著しく低下させることなく最大限に延 長することが可能である。事実、本発明は航空機産業および他の産業における安 全性と経済性を高めることができる。 別の実施例において、本発明はまた一般に、選択された運転寿命と性能(例え ば、重さ)特性を有する疲労制限金属構成部品を設計する方法に関する。具体的 には、本実施例は製造および/または設計における表面残留圧縮応力の測定値を 使って、製造および/または設計をガイドすることによって、構成部品の一つま たは複数の性能基準(例えば、重量の低減)を調整しながら、構成部品が適切で かつ予測可能な運転寿命を有するように構成部品を製作および/または設計する 方法を提供する。実際には、構成部品の選択された性能基準(または複数の選択 された性能基準)と運転寿命をバランスさせて、特定の構成部品の最適あるいは それに近い性能/運転寿命特性を達成することができる。例えば、重量低減を主 要な性能基準として使えば、この方法は、重量問題が特に重要であり、構成部品 の制限された運転寿命が許容され、より頻繁な検査が認められる軍の戦闘機にお いて特に役に立つはずである。製作工程における一つまたは複数の適切な製作ス テップの後の表面残留圧縮応力測定値は、また品質管理のために使うことも可能 である。 発明の背景 ガス・タービンまたはジェット・エンジンの疲労制限金属構成部品、あるいは 金属破壊または疲労にさらされる他の機械構成部品は、注意深く管理して運転中 に破損しないようにしなければならない。例えば、運転中にジェット・エンジン の重要な構成部品が破損すると、人命が失われたり大惨事に至ることがある。航 空機産業(商業および軍事)において、現在、金属疲労による突然の破損を防止 するために、疲労制限金属構成部品の管理のために用いられている一般的に3つ の管理方法またはアプローチがある。これらの方法のそれぞれは、利用できる データに基づいて安全性と経済性をバランスさせようとするものである。例えば 、S.SureshのFatigue of Metals,499-502(1991)を見よ。これは3つの一般 に使われている管理方法の概要を述べたものである。 これらの方法のうち最も安全側の方法は、しばしば“safe life(セイフ・ライ フ)”アプローチと呼ばれるもので、エンジン・メーカーによる解析と類似点経 験によって確立された疲労寿命推定値に基づいている。このアプローチは部品集 合全体における最も短い寿命の部品または構成部品が破損すると予想される時点 を推定しようとするものである。その構成部品に対して、適切な安全マージンを 考慮して、任意の運転除外点が採用される。この運転除外点は通常、全離陸サイ クル(total take-off cycles)または時間で測定される。一旦部品が除外点に達 すると、部品は運転から除外され無断で使用されないように潰される。一般に安 全性のマージンは最大にとってあるけれども、そのような部品の経済的に有効な かなりの運転寿命が失われてしまう。実際には、この“セイフ・ライフ”アプロ ーチは全集合における最も弱い部品または構成部品の推定寿命に基づいておりそ れに支配される。 これよりいくらか安全側から遠ざかった管理技法はいわゆる“fail safe(フェ イル・セイフ)”アプローチと呼ばれるもので、最大運転寿命は類似部品の集合 における実際の部品(例えばコンプレッサ、タービンあるいはエンジン)で最初 のクラックが発見されるまでの合計累積運転時間またはサイクル(いずれか小さ い方)によって決定される。一旦部品がそのようなクラックを発生したら、その 部品の累積運転寿命(時間またはサイクル)を効果的に用いてその集合のすべて の類似部品の許容運転寿命を求める。もし後で一つの部品がもっと早い時期にク ラックを発生することが分かったなら、その部品を用いてその集合の許容運転寿 命限度を再度確定(短く)する。一旦部品がその許容運転寿命に達したなら、そ の部品は運転から外され、それ以降使用できないように潰される。基本的には、 この“フェイル・セイフ”アプローチはまた全集合における最も弱い部品または 構成部品に基づいており、それに支配される。多くの部品はこの最も弱い部品の 運転寿命の後にも安全で有効な運転寿命をまだ長時間残していることがある。し かしこれら部品の使用可能で安全な運転寿命が高い信頼性で求めることができな いので、これら部品は安全のために運転から外さなくてはならない。この“フェ イル・セイフ”プローチは一般に航空業界において複数の関連構成部品集合で低 サイクル疲労クラックが発見されている疲弊した航空機群に用いられる。十分な 運転データが得られていない場合、より安全側にある“セイフ・ライフ”アプロ ーチが一般に使われる。しかし、いずれのアプローチにおいても、安全で信頼性 の高い稼動寿命が長時間残されている部品が運転から外されることになる。 もっと最近では、アメリカ空軍はいくつかの重要なエンジン・構成部品の管理 のために、より安全側から遠ざかった管理手法である、いわゆる“retirement f or cause(原因発生による使用除外)”アプローチをうまく採用している。このア プローチにおいては、蛍光染料透過法、磁紛探傷法、放射線写真、渦電流技法等 を使って、定期的にクラックや他の欠陥について部品を非破壊的に検査する。ク ラックが発見されたら、その部品を、しかもその部品のみ、を直ちに運転から外 す。他の部品は除外した部品と同じかそれ以上の累積運転時間を有するかもしれ ないが、実際にクラックが発生するまで使用しつづける。安全に稼動させるため には、この方法は個々の部品に対して頻繁かつ定期的な検査が必要である。一般 に、部品が老朽化するにつれて、検査の頻度は増やさなければならない。いずれ にしても、検査と検査の間の期間が、発見可能なクラックが実際の破壊点まで進 行するのに通常必要な時間よりも好ましくは相当な余裕幅で短くなるように、検 査の頻度を設定しなければならない。このアプローチは個々の部品の検査のため に解体をより頻繁におこなわなければならなくなるかもしれないが、個々の部品 の最大寿命を達成すること、あるいは、少なくともそれに近づくことによって得 られる節約は莫大となる。このアプローチの主な欠点は部品に実際に生じたクラ ックの発見に依存していることである。したがって、このアプローチは、クラッ ク発生が信頼性のある一貫した方法で検出できないような部品に対しては一般に 適切ではない。クラックが発生したら、その部品は事実上永久かつ回復不可能な 欠陥を含んでおり、その部品を適時に運転から除外しなければ、これはいず れ破壊、多分、突然の破壊に至るであろう。また、発見可能なクラックの初期発 生と部品の破壊との間の通常の時間が比較的短い場合には、このアプローチを使 用するのはもちろん適当でない。さらに実際の破壊がクラック発生の後、通常、 すぐには起きないような部品において、もし、そのようなクラックが検査の後ま もなく発生したのであれば、実際の運転中に破壊する危険性は高くなる。これは 、その部品が欠陥を有した状態で運転される時間が最大になるという単純な理由 による。したがって、この方法は“セイフ・ライフ”や“フェイル・ライフ”ア プローチと比べて安全の面で危険度は高い。この増大した危険性は、多分、小さ いかもしれないが、発見時点が発見可能なクラックの実際の発生であるため、ま だそのリスクは大きい。クラックが発生してからその部品が運転されつづける状 態が長ければ長いほど、突然の破壊の可能性は大きくなる。 したがって、クラックが発生し始める前あるいは少なくとも実際のクラックが 認められるようになる前に(すなわち永久かつ回復不可能な損傷が始まる前に) 疲労制限金属構成部品の残りの運転可能なまたは有効な寿命を測定する非破壊検 査法を提供することが望ましい。 また、運転中に金属構成部品が突然破壊するリスクを著しく増大させることな く疲労制限金属構成部品の運転可能なまたは有効な寿命を延ばすことができる方 法を提供することが望ましい。 さらに、金属構成部品の運転寿命および選択された性能基準(例えば重量)を 所望の相互関連レベルに調整かつバランスさせることができる、疲労制限金属構 成部品の製作および/または設計方法を提供することが望ましい。 さらにまた、新しく製作された部品または再加工された部品がそれらの用途に 適しているかどうかを確認するための非破壊方法を提供することが望ましい。 また、疲労制限金属構成部品の製作に使用する改良された品質管理方法または 手順を提供することが望ましい。 そのような方法は航空機産業(商業および軍事)にとって安全性と経済性の両 方を高めるであろう。本発明の方法は一般にそのような改善された方法を提供す る。発明の要約 本発明は疲労制限金属構成部品の集合を管理する方法に関する。本発明はさら に個々の疲労制限金属構成部品の残留運転寿命を確定するための方法に関する。 本発明によって管理される金属構成部品としては、製作された初期状態で比較的 高いレベルの残留圧縮応力を有し、しかも疲労に関わる破壊の可能性を有する金 属構成部品が含まれる。製作された状態のそのような金属構成部品の残留圧縮応 力が比較的高いのは、金属構成部品に対して実際に用いられる製作工程および/ またはそれに続くショットピーニングや他の冷間加工による加工によって残留圧 縮応力を増大させたことによるものであろう。製作された状態の残留圧縮応力は 好ましくは約50,000から200,000ポンド/平方インチの範囲、より 好ましくは約150,000から180,000ポンド/平方インチの範囲であ る。これらの範囲よりも高いかあるいは低い残留圧縮応力を有する構成部品もも ちろん本発明の方法で管理することができる。しかし、製作された初期状態の構 成部品はそれらの用途に十分な残留圧縮応力を有していなければならない。本発 明の方法を使えば、そのような金属構成部品の管理において、安全性および経済 性の両方とも改善されることが期待される。 別の実施例において、本発明はまた、製作および/または設計において、表面 残留圧縮応力を監視調整することにより性能基準が改善され(例えば重量が低減 し)、しかも受け入れられる表面残留圧縮応力、したがって受け入れられる運転 寿命を有する構成部品を生み出すための疲労制限金属構成部品の製作および/ま たは設計方法に関する。またこれらの方法は、製作工程に使用して、その工程を 通して表面残留圧縮応力を測定しそれを設計または目標レベルと比較することに よって、個々の工程ステップを追跡評価することができる。これらの値は適宜構 成部品の総合応力計算および/またはデータベースに含めることにより、構成部 品の設計と性能の改善、評価および/または理解を助けることができる。この方 法を用いて製作および/または設計された構成部品は、必要に応じ、この明細書 で開示説明した疲労制限金属構成部品集合の管理のための他の方法を使って運転 状態で管理することができる。 さらに別の実施例において、本発明は部品を運転する前と製造過程の各ステー ジにおいて、一つまたは複数の厳しい条件の表面領域の残留圧縮応力状態を求め る品質管理方法に関する。用途に対して十分な表面残留圧縮応力を持たない部品 は、運転から除外(そして破壊)するか、あるいは適宜再加工して、部品の表面 残留圧縮応力を受け入れられるレベルまで引き上げることができる。受け入れら れる表面残留圧縮応力レベルに達しない部品を運転することを避け、および/ま たは運転される部品の残留圧縮応力レベルのばらつきまたは幅を低減させること によって、安全マージンと経済性を高くすることができる。そのような品質管理 方法を製作工程で使用すれば、製作工程の各ステージにおいて一つまたは複数の 厳しい条件の表面領域の残留圧縮応力状態を測定し、その測定値を用いて(多分 そのステージあるいは後のステージで再加工をして)その構成部品の製作工程を 続行することができるかどうかを決定することができる。最終検査または品質管 理要求にパスしないと思われる構成部品を早い時点で取り除くことにより、大幅 な節約が得られる。しかも、品質管理対策がさまざまな製作ステージにおいて増 えることで、潜在的に欠陥のある部品は運転に供される前に特定される可能性が より強くなったので、安全マージンは大きくなると考えられる。そのような品質 管理方法は必要に応じ製作工程における一つのみあるいはほんの数ステップのみ (例えばショット・ピーニング工程のみの制御および評価)に対して使用するこ ともできる。 金属構成部品の疲労破壊は高い応力環境にさらされる金属構成部品の表面層に 生じるクラックからほとんど常に発生する。クラック形成の可能性を低減するた めに、そのような金属構成部品の製作には通常大きな注意が払われ、金属の結晶 構造の厳しい条件の表面層における初期残留応力が(しばしば170,000ポ ンド/平方インチ以上までの)比較的高い圧縮状態にあるようにしている。これ らの初期応力レベルは現在、製作された状態のままの部品に対しては測定されな いので、受け入れられる残留圧縮応力レベルに達しない部品でも運転に使われる 可能性がある。高負荷および高温度での運転中に、部品の残留圧縮応力は時間の 経過とともに次第に減少する。残留圧縮応力がゼロに達した後、この傾向は続き 残留引張り応力がこれらの領域で増大する。時間とともに残留引張り応力は材料 の表面の最大引張り強さ以上のレベルにまで大きくなりクラックが発生する。そ のようなクラックは構成部品を運転させたままにすると広がっていき、ついには 限界長さに達して突然破損してしまう。もし受け入れられる表面残留圧縮応力値 以下を有する部品が運転に使われると、最初の計画された検査の前に突然の破壊 が起きる(あるいは少なくとも発生する危険性が大きくなる)かもしれない。本 発明は、大きな残留引張り応力を生じる状態、したがってクラックを発生させる 状態、を回避する金属構成部品の管理方法を提供する。高応力集中領域の残留圧 縮応力を監視し金属構成部品を圧縮応力の状態に保つことによって、本発明は管 理基準として予測あるいは実際のクラック発生に頼ることのない管理プログラム を提供する。さらに、本発明は、製作された初期状態の部品の(および/または 製作工程の重量なステージにおける)実際の残留圧縮応力レベルを測定すること によって、用途に対して十分な表面残留圧縮応力を持たない部品が使用前に特定 される(および修正される)ようにした品質管理方法を提供する。 本発明の方法において、非破壊手法(すなわちX線回折)を用いて関連する金 属構成部品の残留圧縮応力を測定する。個々の構成部品の残留圧縮応力が規定値 よりも下がると、その部品は、しかもその部品のみに事実上印をつけて、更なる 注意を促す。規定値よりも低い残留圧縮応力を有する金属構成部品に対しては、 基本的に2つの選択肢がある。最初の選択肢では、金属構成部品が単に永久に使 用除外される。第二の選択肢では、金属構成部品は(例えばショットピーニング を使って)再加工されその残留圧縮応力を許容レベルまで高めて再び使用される 。本発明の方法を使ってそのような金属構成部品を定期的に評価することによっ て、金属構成部品の全集合の運転寿命は安全で効率良く最大にされる。 規定値よりも高い残留圧縮応力を有する金属構成部品については、その構成部 品の残留運転寿命を確定することが可能である。測定された残留圧縮応力と規定 値との差が大きければ大きいほど、その構成部品の残留運転寿命は大きくなる。 そのような情報は、特定のエンジンまたは用途に使用する構成部品を組み合わせ る(すなわち類似した残留運転寿命を持つ構成部品同士を組み合わせる)際に、 あるいは定例の解体や保守を計画する際に(特に時間の経過につれてその集合の 履歴データの量がかなり大きくなっていくにしたがって)、役に立つ。 疲労制限金属構成部品の製作および/または設計/開発のための本発明の方法 において、製作および/または設計/開発する工程において表面残留圧縮応力を 監視し、それをガイドとして使用することによって、例えば重量は低減されてい るが許容範囲の強度と運転寿命を有する金属構成部品が得られる。製作工程のさ まざまなステージ、特に設計および/または開発工程において、表面残留圧縮応 力を測定することにより、任意の部品の厳しい条件の表面領域の許容残留圧縮応 力を維持しながら、その部品あるいは部品のある領域における重量を必要最小の (あるいは最小に近い)値にすることができる。したがってこの方法を使えば、 重量が低減され、受け入れられる運転寿命と検査/保守計画を有する疲労制限金 属構成部品を製作および/または設計することが可能となる。この方法は、軍用 機の金属構成部品(例えばジェット・エンジン・ディスク)を製作および/また は設計するのに特に有用となるであろう。本発明の設計工程によれば構成部品の 使用中の全応力(印加応力と残留応力)を設計および/または製作工程において 考慮することができる。以前の設計工程においては一般に印加応力しか考慮する ことができなかった。 本発明の一つの目的は、比較的高い残留圧縮応力レベルを有するように製作さ れかつ疲労破壊の可能性のある金属部品の集合を管理して、個々の金属部品をい つ使用から除外すべきかを判定する方法を提供することであり、その方法は以下 のステップを含む: (1)集合から個々の金属部品を選択し、 (2)選択された金属部品の一つまたは複数の応力集中領域における表面の残 留圧縮応力をX線回折技法を用いて求め、 (3)一つまたは複数の応力集中領域において測定された残留圧縮応力が前も って定められたレベルよりも下がった場合、前記選択された金属部品を使用から 外す。 本発明の別の目的は、比較的高い残留圧縮応力レベルを有するように製作され かつ運転中に疲労破壊の可能性のある金属部品の集合を管理して、個々の金属部 品の運転寿命を伸ばす方法を提供することであり、その方法は以下のステップを 含む: (1)集合の個々の金属部品を使用から除外し、 (2)選択された金属部品の一つまたは複数の応力集中領域における表面の残 留圧縮応力をX線回折技法を用いて求め、 (3)一つまたは複数の応力集中領域にいて測定された残留圧縮応力を規定の レベルと比較し、 (4)残留圧縮応力が規定レベルよりも高ければ、個々の金属部品を再び使用 させ、あるいは (5)残留圧縮応力が規定レベルかそれよりも低ければ、個々の金属部品を再 加工し残留圧縮応力を規定レベルよりも高い再加工レベルに引き上げ、再び個々 の金属部品を使用させる。 本発明は類似種類の金属部品の大きな集合を管理するための方法に適用するこ とが好ましいのであるが、個々の金属部品をテストするために使うことも可能で ある。例えば本発明は、定例または計画された予防保守の一環として予想運転寿 命を通しておこなう金属部品の抜き取り検査のために使うことも、あるいは破損 によって必要となった修理または解体作業中に、使うこともできる。さらに本発 明の別の目的は、比較的高い残留圧縮応力レベルを有するように製作されかつ疲 労破壊の可能性のある金属部品をいつ使用から除外すべきかを判定する方法を提 供することであり、その方法は以下のステップを含む: (1)金属部品の一つまたは複数の応力集中領域における表面の残留圧縮応力 をX線回折技法を用いて測定し、 (2)一つまたは複数の応力集中領域において測定された残留圧縮応力を規定 値と比較し、 (3)一つまたは複数の応力集中領域において測定された残留圧縮応力が規定 値レベルよりも低ければ、その金属部品を使用から除外する。 本発明のさらに別の目的は、比較的高い残留圧縮応力レベルを有するように製 作されかつ運転中に疲労破壊の可能性のある金属部品の運転寿命を伸ばす方法を 提供することであり、その方法は以下のステップを含む: (1)金属部品の一つまたは複数の応力集中領域における表面の残留圧縮応力 をX線回折技法を用いて測定し、 (2)一つまたは複数の応力集中領域において測定された残留圧縮応力を規定 レベルと比較し、 (3)残留圧縮応力が規定レベルよりも高ければ、個々の金属部品を再び使用 させ、あるいは (4)残留圧縮応力が規定レベルかそれよりも低ければ、金属部品を再加工し 残留圧縮応力を規定レベルよりも高い再加工レベルに引き上げ、再び金属部品を 使用させる。 本発明のさらに別の目的は、疲労制限金属部品の受け入れられる運転寿命を達 成するのに十分な残留圧縮応力を維持しながら疲労制限金属部品の選択された性 能基準を改善する疲労制限金属部品の設計方法を提供することであり、その方法 は以下のステップを含む: (1)前記金属部品のプロトタイプを提供し、 (2)前記金属部品の設計過程で前記プロトタイプの一つまたは複数の厳しい 条件の表面領域における残留圧縮応力を測定し、 (3)前記測定した残留圧縮応力と前もって定められた残留圧縮応力設計レベ ルとの差を選択された性能基準を改善するガイドとして使用して、プロトタイプ を変更し、 (4)前記変更したプロトタイプの前記一つまたは複数の厳しい条件の表面領 域における残留圧縮応力を再度測定し、再測定した残留圧縮応力を規定の残留圧 縮応力設計レベルと比較することにより前記変更の効果を評価し、 (5)受け入れられかつ使用可能な金属部品が得られるまで前記一つまたは複 数の厳しい条件の表面領域についてステップ(2)から(4)を繰り返し、それ によって前記受け入れられかつ使用可能な金属部品の選択された性能基準が改善 され、しかも前記一つまたは複数の厳しい条件の表面領域における残留圧縮応力 がその用途に対して十分な大きさとなる、ことを特徴とする疲労制限金属部品を 設計する方法。 本発明のさらに別の目的は、疲労制限金属部品の受け入れられる運転寿命を達 成するのに十分な残留圧縮応力を維持しながら疲労制限金属部品の重量を低減す る疲労制限金属部品の設計方法を提供することであり、その方法は以下のステッ プを含む: (1)前記金属部品のプロトタイプを提供し、 (2)前記金属部品の設計過程で前記プロトタイプの一つまたは複数の厳しい 条件の表面領域における残留圧縮応力を測定し、 (3)前記測定した残留圧縮応力と前もって定められた残留圧縮応力設計レベ ルとの差をガイドとして使用して、プロトタイプを変更し、 (4)前記変更したプロトタイプの前記一つまたは複数の厳しい条件の表面領 域における残留圧縮応力を再度測定し、再測定した残留圧縮応力を規定の残留圧 縮応力設計レベルと比較することにより前記変更の効果を評価し、 (5)受け入れられかつ使用可能な金属部品が得られるまで前記一つまたは複 数の厳しい条件の表面領域についてステップ(2)から(4)を繰り返し、それ によって前記受け入れられかつ使用可能な金属部品の重量が低減され、しかも前 記一つまたは複数の厳しい条件の表面領域における残留圧縮応力がその用途に対 して十分な大きさとなる、ことを特徴とする疲労制限金属部品を設計する方法。 本発明のさらに別の目的は、疲労制限金属部品の受け入れられる運転寿命と安 全係数を達成するのに十分な残留圧縮応力を維持しながら疲労制限金属部品の重 量を最小にする疲労制限金属部品の設計方法を提供することであり、その方法は 以下のステップを含む: (1)前記金属部品のプロトタイプを提供し、 (2)前記金属部品の設計過程で前記プロトタイプの一つまたは複数の厳しい 条件の表面領域における残留圧縮応力を測定し、 (3)前記測定した残留圧縮応力と前もって定められた残留圧縮応力設計レベ ルとの差をガイドとして使用してその重量を低減することによってプロトタイプ を変更し、 (4)前記変更したプロトタイプの前記一つまたは複数の厳しい条件の表面領 域における残留圧縮応力を再度測定し、再測定した残留圧縮応力を規定の残留圧 縮応力設計レベルと比較することにより前記変更の効果を評価し、 (5)受け入れられかつ使用可能な金属部品が得られるまで前記一つまたは複 数の厳しい条件の表面領域についてステップ(2)から(4)を繰り返し、それ によって前記受け入れられかつ使用可能な金属部品の重量が最小にされ、しかも 前記一つまたは複数の厳しい条件の表面領域における残留圧縮応力が前記金属部 品の受け入れられる運転寿命と安全係数を達成するのに十分な大きさとなる、こ とを特徴とする疲労制限金属部品を設計する方法。 本発明のさらに別の目的は、疲労制限金属構成部品の製作における品質管理方 法を提供することであり、その方法は以下のステップを含む: 金属構成部品の製作後でかつそれを稼動する前にそれぞれの金属構成部品につ いて一つまたは複数の厳しい条件の表面領域の残留圧縮応力を測定し、前記一つ または複数の厳しい条件の表面領域の測定された残留圧縮応力を前記一つまたは 複数の厳しい条件の表面領域の対応する前もって定められた残留圧縮応力レベル と比較し、前記対応する前もって定められた残留圧縮応力レベルよりも低い前記 残留圧縮応力を有する金属構成部品に印をつけ、それによって印をつけられた金 属構成部品が稼動させられることがないようにした、ことを特徴とする品質管理 方法。本発明の目的のために、“その製作の後”とは製作工程の中の選択された ステージ、および全製作工程完了後、を含む。同様に“運転される”とは製作工 程において測定がおこなわれる特定の製作ステージ以降も継続すること、および 製作工程完了後の実際の運転を含む。 本発明の上記および他の目的と利点は本明細書と図面から明らかとなるであろ う。 図面の簡単な説明 図1は、ジェット・エンジンの代表的なディスクであって、残留圧縮応力を求 めなければならない応力集中領域を示す。 図2は、異なった負荷と温度条件において動作しているタービン・ディスクの 残留圧縮応力を稼動時間の関数としてプロットした典型的なグラフである。 発明の詳細な説明 本発明は一般に疲労制限金属構成部品の稼動寿命を管理する方法および疲労制 限金属構成部品の稼動寿命を管理し延長する方法に関する。本発明の方法は個々 の構成部品の厳しい条件の表面の残留圧縮応力を求めることによって、疲労制限 金属構成部品の残りの有効稼動寿命を非破壊的に測定する技術を用いている。表 面残留圧縮応力は個々の構成部品の残りの稼動寿命に関係付けることができる。 もし、表面残留圧縮応力がある定められた値よりも小さくなければ、その構成部 品は再び使用することができる。表面残留圧縮応力が規定値かそれよりも下がっ た場合、その構成部品はそれ以降使用できない。あるいは、適宜、必要に応じて その構成部品を再び加工することによって、表面残留圧縮応力を規定値以上の値 、好ましくは当初製作された状態の構成部品の圧縮応力に近い値に、増やして再 び使用することができる。 疲労破壊は高い応力環境にさらされた金属構成部品の表面層に生じたクラック から発生することが確かめられている。例えば破断は普通、そのような構成部品 の応力集中領域に生じるクラックが原因で発生する。図1はそのような構成部品 、詳しく言えば、ガス・タービン・エンジンに使われるディスク10を示す。そ のようなディスク10の破断は、あり継ぎまたはファートリー(firtree)スロッ ト14の内側半径または底部12等の高い応力集中領域の表面層に形成されるク ラックによって生じることが多い。これらのあり継ぎまたはファートリースロッ トはコンプレッサーやタービン・ブレード(図示せず)を取り付けるために使わ れる。クラックの形成の可能性を低減するために、通常そのような構成部品を製 造する際に、金属の結晶構造の厳しい条件の表面層における初期残留応力が高い 圧縮状態となるように大きな注意が払われる。(しかし現行の製造手順は実際の 圧縮値またはレベルを特定していない。)例えば図1に示したようなタービン・ ディスクは、一般に約170,000ポンド/平方インチの残留圧縮応力を持つ ように製作される。タービン・エンジンの運転中に(すなわち高負荷高運転温度 条件において)、残留圧縮応力は図2に示すように次第に時間とともに減少 する。図2の曲線(20,22,24,26および28で示す)はガス・タービ ン・エンジンに使用した異なるディスク10(すなわち異なるステージ)に関す るものである。そのようなエンジンにおいて、各々のディスクは運転中に異なっ た負荷および温度条件にさらされる。したがって残留圧縮応力の減少率はそれぞ れのディスクまたはステージよって異なる。いったん残留圧縮応力がゼロに達し たら、残留引張り応力はこれらの領域で増大する。時間の経過とともに、残留引 張り応力はその材料の表面の最大強さを超えるレベルにまで増大し、クラックが 発生し始める。構成部品の運転を継続させると、そのようなクラックは広がって いき、ついには限界長さに達して突然破損してしまう。図2に示すように、残留 圧縮応力対サイクルのグラフにプロットした線は任意の構成部品についてほぼ直 線である。したがって、任意の構成部品の残留圧縮応力測定値がその部品の線形 曲線よりも著しく低い場合、著しいずれまたは問題があることを示していると考 えられる。例えば、一旦構成部品が予想される曲線よりも大きくずれると、その 構成部品は例えば弾性領域から外れて塑性領域に入りつつあることが考えられる 。そのようなずれは当初(製作された状態)の残留圧縮応力状態のばらつきから も生じることがある。つまり大きく異なる初期残留圧縮応力レベルを有する複数 の構成部品は大きく異なる線形曲線を持つことがあるからである。そのずれの原 因が何であれ(たとえ残留圧縮応力値が規定値よりも下がったとしても)、その 部品は注意深く調査して適切な処置を講じなければならない(すなわち適宜運転 から除外、再度加工、または修理する)。 本発明の方法は応力集中の表面領域における残留圧縮応力をモニターすること によって表面のクラックの初期形成を防止するものである。本方法においては、 実質的に応力が圧縮から引張りに変わる前に、構成部品を運転から除外すること によりあるいは応力を圧縮状態に保つことにより、個々の構成部品は、表面クラ ックが形成されないようにあるいは少なくとも現在の管理方法と比べてはるかに 低い速度で形成されるように、使用できるようになる。本方法は破損の可能性を 大きくしたり安全性を低下したりすることなく、構成部品の最大稼動寿命を引き 出すことができる。さらに、本方法は破損の可能性を大きくしたり安全性を低 下したりすることなく、個々の構成部品の稼動寿命を大幅に延長することができ る。 実際上、あるタイプの金属構成部品の集合について、個々の構成部品の表面層 の残留圧縮応力はX線回折法を使って、一つまたは複数の応力集中領域で測定さ れる。実際に測定される領域は普通縦横約1/4×1/4インチから約1×1イ ンチの範囲であるが、これよりも小さくてもまた大きくてもよい。一般的に、X 線回折は表面に対してほぼ垂直に測定することが好ましい。また一般に、関連表 面領域内で複数のX線測定を行ってその表面領域の結晶構造がより良く検査でき るようにすることが好ましい。測定値(または複数の測定値または平均値)はあ らかじめ決められた値と比較される。測定値が規定値よりも高ければ、その部品 は再び運転に供される。しかし、測定値がこの規定値に等しいかそれよりも低い 場合、その構成部品に対する処置にはいくつかの方法がある。最初の方法は、構 成部品を運転から恒久的に除外する。この場合、その構成部品は破壊するか印を つけてその後に許可なく使用されることがないようにする。第二の方法として、 その構成部品を再び加工して残留圧縮応力を増大させて使用する。通常、そのよ うな構成部品はある固定された回数またはサイクルだけ(すなわち他の故障が生 じるか構成部品が設計基準や仕様を満たさなくなるまで)再度加工して運転に供 する。そのような構成部品の再加工の許容サイクル数は一般にケースバイケース で決められる。任意の構成部品、例えば図1に示したディスクの場合、運転と再 加工のサイクルは一般に、構成部品がその寸法と微細構造安定性を保持している 限り繰り返すことができる。 残留圧縮応力が規定値よりも高いけれどもそれに近いかそれに接近しつつある 場合、残留圧縮応力が規定値以下になるのを待たないで、そのときにその部品を 再加工するほうが良い。例えば、測定された残留圧縮応力が、その部品の再加工 をおこなう必要が生じるまでの残りの運転寿命が比較的短いことを示している場 合(例えば、図2の曲線22は15,000時間において規定値0 ポンド/平方 インチを有する)、現在の計画シャットダウン/解体時にその部品を再加工する ほうが、その部品を再度運転させてほんの少し後になって計画外の解体をおこな ってそれを再加工しなければならなくなるよりも、多分より経済的であろう。こ の変則的な方法が任意のケースにおいて適切であり望ましいかどうかは、その部 品の値が規定値よりも低くなるまでの予想される運転寿命に大きく依存する。も し予測される残りの運転寿命が短い(したがって計画外の解体をおこなって再度 測定しなければならない)場合、運転寿命が残っていてもその部品を再加工する ほうが経済的であろう。そのような場合、規定値はその部品についてのみ実質的 に大きくする。 当業者なら理解できるように、任意の構成部品集合の表面残留圧縮応力の規定 値は、少なくとも部分的には、製作されたままの初期状態のそれら構成部品の表 面残留圧縮応力、構成部品の特定の物理的および冶金学的特性、構成部品が使用 される環境、および適切な安全係数に依存している。異なる部品からなる複数の 集合については、この規定値は多分異なるものとなるであろう。なぜなら、それ ら部品の設計および/または形状が異なりまた使用中にさらされる応力が異なる からである。同じ部品であっても、異なった条件と環境で運転される複数の部品 集合についても規定値は異なるであろう。さらに、任意のひとつの構成部品にお いても、応力集中領域が異なれば規定値も異なるであろう。例えば、金属構成部 品の異なる領域は異なったレベルの応力にさらされあるいは受けるので、圧縮応 力の変化は異なる速さで生じるであろう。そのような場合、通常その規定値に最 初に到達した領域がその構成部品の性質を決める。金属構成部品の初期表面残留 圧縮応力は、構成部品を運転に供する前にまたはその後すぐに、測定するかまた は別の方法で知っておくことが望ましい。製作された初期状態の構成部品の表面 残留圧縮応力を測定することで、仕様を満足する構成部品のみが確実に使用され ることになり、さらに後で残りの表面残留圧縮応力を測定する際の評価基準を与 えることができる。さらに、そのような初期表面残留圧縮応力データを本方法に よって作成されたデータとともに用いて、構成部品の仕様と設計基準を適宜定義 あるいは再定義することができる。また、ここで詳しく述べたように、そのよう な初期表面残留圧縮応力の測定値は包括的な品質管理プログラムの一部を構成す ることができる。 規定値は絶対値で表すことができる(例えば、残留圧縮応力の適当な単位のあ る値)または相対値(例えば、製作された当初の状態における残留圧縮応力と比 較した場合の構成部品の残留圧縮応力のパーセント)。さらに、任意の部品集合 の規定値はより多くの履歴データが得られるにつれて時間とともに変化すること が考えられる。例えば、新しく設計した構成部品の場合、より高い安全性を確保 するために、予期しない破損を防止できるように規定値は比較的高い値を使うこ とが望ましい。しかし著しい安全性や故障に関する問題がその部品集合に発見さ れなければ、運転寿命データが得られるにつれて、規定値を下げていくのが適当 であろう。任意の構成部品集合の規定値を時間の経過とともに注意深く調整する ことによって、運転の安全を保持しながら規定値を最適値に近づけることが可能 となる。 場合によっては、約0ポンド/平方インチ(あるいは他の適当な単位)の規定 値あるいは残留圧縮応力の100パーセント低減(すなわち実質的に応力が圧縮 から引張りに変わる点)が妥当であることもある。0ポンド/平方インチの規定 値あるいは残留圧縮応力の100パーセント低減を管理基準として使うことは、 構成部品を再加工することが実際的でない場合や予想されていない場合に、例え ば構成部品の運転寿命を最大にする上で適切であろう。しかしほとんどの場合、 0ポンド/平方インチよりも大きい規定値または100パーセントよりも小さい 低減を採用する方が、安全性を考慮すると一般的には好ましく適当である。その ようなより高い規定値を使用することは、残留圧縮応力のすべてまたは一部を回 復させるための構成部品の再加工が予想される場合に、特に好ましい。しかし場 合によっては、0ポンド/平方インチよりも小さい規定値あるいは100パーセ ントより大きい低減を採用することが適切なこともある。 前に述べたように、残留圧縮応力は従来のX線回折法を用いて非破壊的に測定 される。好ましくは、残留圧縮応力は携帯式X線回折装置を用いて測定される。 そのようなX線装置と技術は以下の文献に見出される。米国特許第4,095,103号( 1978年6月13日);同第4,561,062号(1985年12月24日);同第4, 686,631号(1987年8月11日);同第5,125,016号(1992年6月12日 年);平良および田中著“Residual Stress Near Fatigue Crack Tips(疲労クラ ック先端付近の残留応力),”19 Iron & Steel Institute of Japan 会報、411-18 (1979); Harting & Fritsch,の“A Non-destructive Method to Determine the Depth-dependence of Three-dimensional Residual Stress States by X-ray Di ffraction(X線回折により3次元残留応力状態の深さ依存度を求める非破壊方法) ,”26 J .Phys.D: Appl.Phys.,1814-16(1993); Kuhn et al.,の”An X-ray Study of Creep-deformation Induced Changes of the Lattice Mismatch in γ′-Hardened Monocrystalline Nickel-Base SuperalloySRR 99(γ′硬化した 単結晶ニッケル系スーパー合金SRR99における、クリープ変形誘導による格子の ミスマッチ変化に関するX線研究),“39 Acta Metall.Mater.,2783-94(1991) 。これらはすべて本明細書の一部を構成するものとする。携帯用X線装置は、本 発明において一般に好ましいものであり、次の会社から入手可能である。例えば Technology for Energy Corporation(P.O.Box 22996,Lexington Drive,Knox ville,Tennessee 37933)、またはAmerican Stress Technologies,Inc.(61 M cMurray Road,Pittsburgh,Pennsylvania 15241); またはProto Manufacturing Limited(2175 Solar Crescent,Oldcastle,Ontario,Canada NOR 1LO)。そ の他のタイプやデザインのX線回折装置や技術も本発明で使用することができる 。 通常、そのような測定は少なくとも計画的な解体時や保守作業時におこなう。 特に広範な運転寿命履歴のない新しく設計した構成部品の集合に関しては、運転 開始後の早い時期において、そのような測定を定期的な保守作業よりも頻繁にお こなうことが望ましい。通常、残留圧縮応力のような測定は解体時に個々の構成 部品についておこなう。しかし構成部品によっては、完全な解体をおこなうこと なく必要な計測をすることができる。前述のとおり、残留圧縮応力のX線回折測 定は応力集中の高い領域においておこなう(例えば図1のディスク10上のファ ートリー(firtree)スロット14の底部12)。一般に、高応力集中の領域 はクラック形成が認められたところか、あるいはより発生しやすい領域である。 しかし、任意の構成部品の高応力集中領域のすべてをいちいち測定する必要はな い。そのような領域が類似の負荷および温度条件で運転される場合は特にそうで ある。例えば図1のディスクの場合、それぞれのスロット14の底部をすべて測 定する代わりに、0度、90度、180度、270度に配置されたファートリー (firtree)スロット14の底部12に対して測定すればよい。これらの代表的位 置における個々の測定あるいは個々の測定の平均値を規定値と比較する。データ ベースが拡張するにつれて、任意のディスク(または他の構成部品集合)の計測 個所および測定数は適宜変更することができる。 一旦構成部品がその規定値に達するかそれ以下に落ちたなら、それ以降は構成 部品を永久に使用除外するか、あるいは再加工して残留圧縮応力を規定値以上の レベルにあげて再度使用することができる。例えば、0ポンド/平方インチの規 定値を使えば、図2の曲線28であらわしたディスクは約10,000時間の運 転の後に使用除外するか、再加工しなければならない。曲線24と26であらわ したディスクは約15,000時間の跡に使用除外するか再加工しなければなら ない。(特に)曲線20と(より程度は弱いが)曲線22で表したディスクは1 5,000時間以上の運転寿命を有する。好ましくは、そのような再加工された 構成部品の残留圧縮応力は、製作された状態における当初の残留圧縮応力に近い レベルに回復される。そのような構成部品の際の加工は、残留圧縮応力を増大ま たは達成するための従来の方法を使っておこなうことができる。そのような方法 としては、例えばショットピーニングや表面を冷間加工する他の方法(例えば、 ハンマーピーニング、レーザーピーニング、圧延、あるいはバーニシング(研磨 ))がある。さらに参考文献として以下のものがある。Daly,の“Status of Co ntrolled Shot-Peening Technology in the United States,”International Co nference on Impact Treatment Processes(2nd: 1986)in Impact Surface Tre atment (Meguid,Ed.),237-41; Delitizia、の“Improving Fatigue Life Throu gh Advanced Shot Peening Techniques,”92 Manufacturing Engineering,85-8 7(1984)。もちろん、そのような再加工は残 留応力亀裂による永久的な劣化が生じる前におこなわなければならない。したが って、そのような再加工が予測される場合は、管理基準として使われる規定値は 好ましくは再加工が予期されない場合よりも高い(すなわち残留圧縮応力の規定 値がより高い)ほうが好ましい。そのような場合に管理基準をより高く設定する ことにより、検出さえできないかもしれないクラックが生じる事態がさらに遠の き、安全マージンが大きくなる。再加工において残留圧縮応力は当初製作された 状態の構成部品の残留圧縮応力の少なくとも50パーセントまで増大させること が一般に好ましい。より好ましくは、残留圧縮応力に関する再加工のレベルは製 作された当初の状態における値の少なくとも80パーセントである。さらに好ま しくは、再加工のレベルは製作された初期状態の値に匹敵するものである。 本発明の方法は残留圧縮応力のすべてまたは一部を回復するために、金属構成 部品を再加工すべき最適な時期を決める手順を提供するので、金属構成部品の運 転寿命を最大限に延ばすことができる。再加工を過度におこなうと運転寿命を低 減させることがある。これはショットピーニングのような再加工技術は再加工さ れた領域の金属部分の寸法を大きくする傾向があるからである。したがって、金 属構成部品がその設計使用から逸脱する可能性はそれが再加工される回数の関数 として増大する。本発明は、最小回数の再加工によって最大の運転寿命が得られ るような方法を提供する。もちろん、任意の構成部品に対する適切な規定値を確 立する際は、寸法の安定性に与える再加工の影響を考慮しなければならない。 金属構成部品の集合を管理する本発明の方法は現在使用されている管理方法を 大幅に改善するものである。“セイフライフ(safe life)”法および“フェール セイフ(fail safe)”法は、両方とも集合内のもっとも弱い構成部品の予測値ま たは統計値に基づく予想される運転寿命に依存している。これらの方法は個々の 構成部品に対して運転寿命を評価していない。したがって、大半の構成部品はま だ大きな有効運転寿命を有しているのに運転から除外されている。“retirement for cause(原因発生による使用除外)”方法は任意の構成部品に実際にクラッ クが発生したことを認知することによるものである。一旦クラック 発生が認められると、その構成部品は運転から除外される。残念ながら、一旦ク ラック発生が認められたら、その構成部品は修復あるいは再加工してさらに使用 することができない。その上、少なくとも場合によっては、管理基準としての実 際のクラック発生を待つということは大きな安全リスクを伴う。本発明の方法は 、修復不可能なクラックが発生しはじめる、あるいは形成されるより十分前に、 観察可能な管理基準(すなわち規定値と比較される残留圧縮応力)を提供するこ とによって、改善された管理手順を提供する。本発明の方法を用いると、安全で 効果的にそのような構成部品の最大運転寿命を得ることができる。本発明の方法 により、少なくともいくつかの構成部品は再加工してその残留圧縮応力を増大さ せ、再度使用することができ、これによって安全性を低下させることなく効率を 高めることができる。実際、本発明の方法は現在使用されている管理方法と比較 して効率と安全を改善することが期待される。これは本発明の管理基準が実際の あるいは予想されるクラック発生ではなく、表面の残留圧縮応力に基づいている からである。実際のまたは予想されるクラック発生ではなく表面の残留圧縮応力 を利用することにより、安全マージンは、多分大幅に、改善すると期待される。 本発明の方法は、運転寿命期間において各金属構成部品をコンピュータで追跡 する作業を強化するのに理想的な方法である。さらに、本方法で作られたデータ (すなわち残留圧縮応力)と個々の構成部品の運転寿命と履歴に関するデータを 用いて、金属構成部品の管理データベースを構築することができる。そのような データベースの履歴ベースが増えるにつれて、任意の部品の運転寿命を高い信頼 性で予測することが可能となるであろう。したがって、一旦そのようなデータベ ースが構築されると、解体時あるいは他の保守作業時に一つ一つの構成部品の圧 縮応力を測定する必要はなくなる。(データベース内の履歴データから求めた) 構成部品の全運転寿命または履歴が十分短い場合、圧縮応力の測定は延期しても 良い。運転寿命または履歴がある定義可能なパラメータ(これもデータベース内 の履歴データから求めたもの)に近づいているような構成部品に関してのみ、実 際の残留圧縮応力を測定し規定値と比較しなければならない。例えば、任 意の構成部品について、データベースは10,000時間を越える運転寿命を有 する構成部品のみが規定値に接近あるいはそれ以下の残留圧縮応力を有するとい うことを示すかもしれない。そのような場合、この値以上の運転寿命を持つ構成 部品についてのみ、定例の解体時に残留圧縮応力を測定する必要がある。もちろ ん、異常のある構成部品または極限の運転条件にさらされた構成部品は、それら の累積運転寿命にかかわらず測定しなければならない。さらに、短い運転寿命の 構成部品に対して少なくともいくつか抜き取り検査をおこない、データベースが 継続して有効であることおよびその予測能力を確かめるのが賢明であろう。規定 値よりも低い残留圧縮応力値を有する可能性が非常に低い構成部品に対して、実 際の測定を避けることによって、大幅な節約が達成できる。もちろん、この可能 性を予測するのに使う方法が有効でありかつ安全であることを時間の経過ととも に確かめなければならない。 しかしながら、本発明の方法はそのような金属構成部品の非破壊検査のすべて に取って代わることを意図したものではない。当業者には理解されるように、表 面層の残留圧縮応力および残留引張り応力レベルに一般に関わるクラック発生メ カニズムに関連する破損や欠陥を管理することを意図したものである。特に構成 部品の運転寿命の早い時期(いわゆる“乳児死亡”時期)における他のタイプの 破断および/または破断メカニズムを特定する他の非破壊検査方法は適宜続ける べきである。他の非破壊検査から得られたそのようなデータを上記の管理データ ベースに組み込むことによって、そのような金属構成部品の集合をより完全に追 跡管理することができるようになるであろう。 さらに、本発明の方法を使えば、ほぼ同じ残りの運転寿命(すなわちほぼ同じ 残留圧縮応力)を持つ構成部品は一緒に使うことができる。通常、個々のエンジ ンにおけるそのような解体の頻度は、最短の残留運転寿命を持つ構成部品によっ て決まる。残留運転寿命が大きくばらついている複数の構成部品を一緒に使用す るのを避けることによって、短い残留運転寿命を持つ単一の構成部品によって必 要とされる早い解体を避けることができる。任意のエンジンにおいて、類似の残 留運転寿命を持つ構成部品を組み合わせることにより、構成部品集合全体の解体 頻度を低減できる。 本発明のもうひとつの実施例において、表面残留圧縮応力を測定するための上 述の一般的な技法は、改良された疲労制限金属構成部品の設計および開発を支援 かつ案内するために使うこともできる。この方法を使えば、製造工程においてさ まざまなステップによって発生する表面残留圧縮応力を総合的な応力解析に組み 込み、その中で考察することができる。製造および/または設計/開発工程を通 じて部品設計の変更(例えば重量の低減)の影響が確認でき、これを更なる変更 のガイドとして使うことができる。このような双方向の方法を使うことにより、 それらの用途に十分な残留圧縮応力(すなわち十分な運転寿命)を持つ軽量な疲 労制限金属部品を設計することができる。したがって、構成部品設計を詳細に調 整することにより、運転寿命を大幅に(あるいは少なくとも公知の許容レベルに まで)減少させることなく構成部品の重さを低減することができる。運転寿命と 重量特性をバランスさせて、最適あるいはそれに近い性能基準を達成できる。軍 の航空機の場合、そのような最適または最適に近い性能基準は例えば重量の低減 に関わり、推力/重量比の改善につながる。商業航空機の場合、そのような最適 または最適に近い性能基準は、例えば、安全マージンの改善および/またはエン ジン性能の向上に関わっている。もちろん、他の適当な性能基準を用いて、本発 明の方法を用いた疲労制限金属構成部品の設計を支援することもできる。 歴史的に見て、ディスクのような厳しい条件の疲労制限金属構成部品、または 他の厳しい条件の航空機エンジン構成部品の設計手順は、安全側の“セイフライ フ”手法である。このセイフライフ設計手法は、疲労制限部品の集合を管理する ための対応するセイフライフ手法と同様に、部品メーカーによる解析、テスト、 類似点経験を通じて確立されたメーカーによる疲労寿命推定値に基づいている。 この手法は最も短い寿命の部品が破損すると予想される点を推定しようとするも ので、適当な安全マージンを考慮している。この設計手法に用いられる応力計算 は基本的に印加した応力に基づいている。 本発明の方法は、製造過程における表面残留圧縮応力の測定値を設計手法の重 要な要素として用いている。開発および/または設計工程にわたって残留圧縮応 力を定期的にX線回折を用いて測定することにより、構成部品製作に用いる各種 の製作作業や手順が構成部品の厳しい条件の表面領域の残留圧縮応力に及ぼす影 響を評価している。新しい疲労制限部品の製造および/または設計にこの方法を 用いることによって、製造工程のそれぞれのステップにおいて表面残留圧縮応力 状態を定量化することができる。さらに、それぞれの作業が表面残留圧縮応力状 態に及ぼす影響が良いか悪いかを確かめ、適宜一つまたは複数の作業を変更して 、完成された金属部品において望ましいレベルの表面残留圧縮応力を提供するこ とができる。各種機械加工作業の後に表面残留圧縮応力を測定または再測定する ことによって、部品の設計または開発を誘導し、それによって適切な運転寿命を 維持しながら、前もって選択された設計または性能基準(またはいくつかの基準 )を改善し、さらにはそれらを多分最適化することができる。このようにこの方 法を使って残留圧縮応力要求を設定し、構成部品設計を詳細に調整して、最適あ るいはそれに近い性能基準と運転寿命を提供することができる。例えば、この方 法を用いて構成部品の設計を詳細に調整して、長い(そして公知の)運転寿命を 維持しながら、特定の航空機エンジン部品の重量を低減することができる。重量 の低減は例えば軍用航空機においては推力/重量比を改善し、商業航空機におい てはエンジンの性能を高める。設計工程で決められた表面残留圧縮応力の許容レ ベルは、必要に応じ、構成部品仕様書および/または図面に含めて、実際の製造 過程において使うようにすることができる。そのような方法で設計された構成部 品は本発明の上記の他の実施例を使って管理することができる。本発明の方法を 使用すれば、一つあるいは複数の前もって設定した性能基準と運転寿命をバラン スさせて、総合的な性能を改善することが可能となる。 本発明の製作および/または設計/開発方法の操作は、まず好ましくはX線回 折手法を用いてプロトタイプまたは部分的に設計された金属部品の一つまたは複 数の厳しい条件の領域において残留圧縮応力を測定する。そして測定された残留 圧縮応力と前もって定められた残留圧縮応力設計レベルとの差を、選択した性能 基準を改善するガイドとして用いて、プロトタイプを変更する(すなわち機械加 工あるいは加工する)。前もって定められた設計レベルは、最終金属部品の所望 の残留圧縮応力あるいは全製作工程に基づいた一つまたは複数の中間レベルの値 とすることができる。部品を変更した後に、残留圧縮応力を再度測定し、規定の 設計レベルと比較し、その変更の効果を調べる。もちろん当業者なら理解できる ように、再測定した残留圧縮応力は、必要に応じて前回測定した残留圧縮応力と 比較しても同様な結果が得られる。この比較によって、それぞれの製作工程また はステージが残留圧縮応力履歴に与える影響を確定することができる。選択され た一つ(または複数)の性能基準が改善され、さらに用途に合った十分な残留圧 縮応力値(したがって受け入れられる運転寿命)を有する、受け入れられかつ使 用可能な金属部品が得られるまで、このプロセスを一つまたは複数の厳しい条件 の表面領域に対して繰り返す。 運転寿命とは部品の全寿命において運転をおこなう全寿命を意味する。あるい はその部品が再加工される場合は、再加工と再加工との間の個々の寿命、あるい は再加工間のすべての個別寿命の総和を意味する。受け入れられる運転寿命のレ ベルはもちろん部品によって異なる。例えば、相当回数容易に再加工できる部品 については、一般的により多くの解体および再加工を受け入れることによって、 その選択された性能基準を改善することができる。再加工できないかあるいは容 易に再加工できない部品については、一般にその運転寿命(特に再加工間の運転 寿命)は比較的に長く保つのが好ましい。いずれにしても、選択された性能基準 の改善および運転寿命の長さ(全体寿命および/または再加工間の寿命)をバラ ンスさせることで、その金属部品および用途および/または運転環境に最適また はそれに近いレベルに調整することができる。 本発明のさらに別の実施例において、表面残留圧縮応力を測定するための上記 の一般的な技法を使って、疲労制限金属構成部品の製作のための品質管理プログ ラムまたはメカニズムを提供することもできる。この実施例では、一つまたは複 数の厳しい条件の表面領域の残留圧縮応力は、構成部品が製作された後でかつ運 転に供される前に測定される。一つまたは複数の厳しい条件の領域の残留圧縮応 力が一つまたは複数の厳しい条件の領域の残留圧縮応力規定値よりも低い場合、 その構成部品は印あるいはその他のマークをつけて注意を促す。もし、その構成 部品の残留圧縮応力レベルが許容範囲内(すなわち一つまたは複数の厳しい条件 の表面領域について、測定された残留圧縮応力が対応する残留圧縮応力規定値に 等しいかそれ以上)であれば、構成部品は運転に供することができる(もちろん 、他の適切な品質管理要求を満たしていることが前提)。本品質管理の方法は一 般的に現行のすべての品質管理要求に取って代わることを意図しているのではな く、むしろ疲労制限構成部品用の現行の品質管理プログラムを補足し強化するも のである。当業者であれば理解できるように、複数の厳しい条件の表面領域のそ れぞれにおける残留圧縮応力規定値は、他の表面領域の規定値と同じこともある し、異なることもある。これは構成部品の実際の形状や、それぞれの表面が使用 中にさらされるさまざまな運転条件に依存する。 もちろん、当業者であれば理解できるように、本品質管理手順は製作工程にお いて使用できるだけでなく、完成された構成部品に対しても使用可能である。す なわち、製作工程の一つまたは複数のステージにおいて部分的に完成した構成部 品の表面残留圧縮応力の測定値を使って、製作工程においてさらに続行する前に 、その時点までの工程を評価あるいはテストすることができる。特に、表面残留 圧縮応力を増大または変更するために構成部品を加工することの効果を測定した り制御するために、この品質管理手順を用いることが望ましい。したがって、こ の品質管理手順は製作工程におけるショットピーニング(または他の加工または 再加工技法)の品質管理に特に有益でありかつ好ましい。 印をつけられた構成部品(すなわち受け入れられる残留圧縮応力レベル以下の 構成部品)は、製作されたままの状態では運転されない(製作工程であれば次の 作業ステップに移動されることはない)。そのような印をつけられた構成部品は 適宜破壊されるか、さもなければ無断で使用(あるいはその構成部品の製作工程 が継続)できないように潰される。あるいは場合によっては、印をつけられた金 属構成部品は再度加工されて一つまたは複数の厳しい条件の表面領域の残留圧縮 応力に対応する残留圧縮応力規定値以上のレベルに引き上げられる。 そのような再加工された構成部品が表面残留圧縮応力および他の要求を満たす ことを前提に、再加工された金属構成部品は運転に供することができる(あるい は製作過程は部分的に完成され再加工された構成部品に対して続行することがで きる)。再加工に特に適している印をつけられた金属構成部品としては、表面残 留圧縮応力要求だけを満たすことができない金属構成部品が含まれる(すなわち 他のすべての品質管理要求が仕様範囲内にある)。もちろん他の品質管理要求を 仕様範囲内にするように構成部品を適切に再加工および/または変更をおこなう ことができる。再加工の後、表面残留圧縮応力レベルを含むすべての品質管理パ ラメータを再度測定して、その部品が関連仕様を獲得していること、あるいはそ の範囲内にとどまっていることを確かめることが好ましい。特定の表面残留圧縮 応力レベル、範囲あるいは目標を、詳細な構成部品仕様および関連図面に直接記 入することが望ましい。製作工程およびその後の部品集合の管理工程における表 面残留圧縮応力測定値から得られたデータ(構成部品製造番号または他の認識番 号を特定できるもの)は、構成部品集合の破断解析や統計解析において特に有益 である。 ある構成部品を再加工するかどうかは多くの要素によって決まる。これらの要 素に含まれるものとしては、一つまたは複数の厳しい条件の表面領域において測 定された残留圧縮応力レベルが受け入れられる値よりもどれだけ不足するか、お よび/または、適宜、一つまたは複数の厳しい条件の表面領域における残留圧縮 応力レベルが許容される値よりも低い値をとるのは製作工程のどのステージか、 等である。もし、構成部品が仕様からほんのわずかに外れているのであれば、再 加工するほうがコスト効率が良いであろう。仕様から大きくずれているような構 成部品の場合、その部品を破壊するほうがコスト効率が良いであろう(特に、そ の部品を表面残留圧縮応力要求の範囲内に回復するのに必要な再加工の量が他の 品質管理要求を達成あるいは維持することができないような大きさである場 合)。表面残留圧縮応力が製造工程の異なったステージで測定される場合、対応 する仕様を満たせなかったら、より重大な結果が生じるかも知れないステージ、 あるいは再加工によって満足のいく結果を得ることがより難しいステージが、あ る可能性がある。再加工が可能かおよび/または適切であるかどうかは、少なく とも初期においては、ケースバイケースで決めるのが好ましい。一旦、相当量の 履歴データが構築されたなら、統計による決定または解析をより多く使用できる ようになる(測定が製造工程のさまざまなステージでおこなわれる場合および製 造工程の終わりでおこなわれる場合のいずれも)。 本発明の品質管理方法は、疲労制限構成部品の現行の製造手順よりも多くの重 要な利点を提供する。第一に、重要な疲労破壊に関わるパラメータである表面残 留圧縮応力を直接に測定し追跡する。歴史的に見ると、品質管理手順は圧縮応力 の測定を含んでおらず、他の“予測”パラメータに依存している。これら“予測 ”パラメータは疲労破壊にそれほど直接的に関係付けられているのではなく、ま た疲労破壊に関してそれほど予測的ではなかったかもしれない。さらにそのよう な以前の品質管理手順によれば、構成部品集合において各構成部品の表面残留圧 縮応力レベルが(すべての残留圧縮応力レベルが許容限度以上であると仮定して も)かなり大きなばらつきあるいは変動範囲を有する可能性があった。さらに、 構成部品の実際の表面残留圧縮応力値は一般に知られてさえいない。初期の表面 残留圧縮応力レベルを知らないために(すなわち他の予測的パラメータのみに頼 るために)、最終ユーザは、普及している管理手順の予測よりもはるかに早く破 損してしまうであろう構成部品を運転させるかもしれない。 また、初期の品質管理手順においては、解体計画と費用を最小にするように構 成部品を組み合わせる(すなわち類似の予測運転寿命を持つ構成部品同士を組み 合わせる)ことはできなかった。そのような問題は本発明の方法を用いれば大半 は解消できる。例えば任意のジェット・エンジンにおいて、ほぼ同じ予測運転寿 命を有する部品同士を組み合わせることができる。解体、検査および定期的な保 守作業計画は複合予測寿命にあわせて作ることができる。したがって、比較的短 い予測寿命(しかし受け入れられるだけの長さの寿命)を有する構成部品を組み 合わせた場合、より長い予測寿命を有する構成部品の組み合わせと比較して短い 時間間隔で適切な検査を計画することができる。このようにして、全体のコスト 、安全および信頼性をより良く改善できる。さらに、残留圧縮応力を品質管理パ ラメータとして使うことにより、いわゆる“乳児死亡”時期における構成部品故 障の数を減少させることが期待できる。 本発明の管理、設計および品質管理方法はまた他の管理、設計および品質管理 方法および/または疲労制限金属構成部品に通常使われる技法とともに使用する こともできる。例えば、本設計方法は従来の有限要素解析設計技法とともに使う ことができる。そのような有限要素解析は一般に任意の構成部品の高応力領域を 計算あるいは確定するために使用される。残留圧縮応力レベルを総合応力の考察 に含めることにより、本方法を使って例えば有限要素解析の結果を詳細に調整し て、それをより現実的で有益な道具とすることができる。当業者であれば理解で きるように、本方法は他の管理、設計および品質管理技法と一緒に使ってこれら の技法を改善しさらに総合的な見地から見てそのような疲労制限部品を使う場合 により高い安全性と経済性を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,UZ,VN 【要約の続き】 属部品が運転されるのを防止するために、製作工程中お よび/またはその後における表面残留圧縮応力測定値を 用いた品質管理手順を確立する方法も提供する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.疲労制限金属部品の受け入れられる運転寿命を達成するのに十分な残留圧縮 応力を維持しながら疲労制限金属部品の選択された性能基準を改善する疲労制限 金属部品の設計方法であって、 (1)前記金属部品のプロトタイプを提供し、 (2)前記金属部品の設計過程で前記プロトタイプの一つまたは複数の厳しい 条件の表面領域における残留圧縮応力を測定し、 (3)前記測定した残留圧縮応力と前もって定められた残留圧縮応力設計レベ ルとの差を選択された性能基準を改善するガイドとして使用して、プロトタイプ を変更し、 (4)前記変更したプロトタイプの前記一つまたは複数の厳しい条件の表面領 域における残留圧縮応力を再度測定し、再測定した残留圧縮応力を規定の残留圧 縮応力設計レベルと比較することにより前記変更の効果を評価し、 (5)受け入れられかつ使用可能な金属部品が得られるまで前記一つまたは複 数の厳しい条件の表面領域についてステップ(2)から(4)を繰り返し、それ によって前記受け入れられかつ使用可能な金属部品の選択された性能基準が改善 され、しかも前記一つまたは複数の厳しい条件の表面領域における残留圧縮応力 がその用途に対して十分な大きさとなる、ことを特徴とする疲労制限金属部品を 設計する方法。 2.請求項1に記載の方法において、前記残留圧縮応力と前記再測定された残留 圧縮応力はX線回折技法を用いて測定される。 3.請求項1に記載の方法において、前記金属部品はガス・タービンまたはジェ ット・エンジンに使用される回転部品である。 4.請求項2に記載の方法において、前記金属部品はガス・タービンまたはジェ ット・エンジンに使用される回転部品である。 5.請求項3に記載の方法において、前記金属部品はディスクまたはドラム・ロ ータである。 6.請求項4に記載の方法において、前記金属部品はディスクまたはドラム・ロ ータである。 7.請求項1に記載の方法において、前記選択された性能基準は前記金属部品の 重量の低減である。 8.請求項3に記載の方法において、前記選択された性能基準は前記金属部品の 重量の低減である。 9.請求項4に記載の方法において、前記選択された性能基準は前記金属部品の 重量の低減である。 10.疲労制限金属部品の受け入れられる運転寿命を達成するのに十分な残留圧 縮応力を維持しながら疲労制限金属部品の重量を低減する疲労制限金属部品の設 計方法であって、 (1)前記金属部品のプロトタイプを提供し、 (2)前記金属部品の設計過程で前記プロトタイプの一つまたは複数の厳しい 条件の表面領域における残留圧縮応力を測定し、 (3)前記測定した残留圧縮応力と前もって定められた残留圧縮応力設計レベ ルとの差をガイドとして使用して、プロトタイプを変更し、 (4)前記変更したプロトタイプの前記一つまたは複数の厳しい条件の表面領 域における残留圧縮応力を再度測定し、再測定した残留圧縮応力を規定の残留圧 縮応力設計レベルと比較することにより前記変更の効果を評価し、 (5)受け入れられかつ使用可能な金属部品が得られるまで前記一つまたは複 数の厳しい条件の表面領域についてステップ(2)から(4)を繰り返し、それ によって前記受け入れられかつ使用可能な金属部品の重量が低減され、しかも前 記一つまたは複数の厳しい条件の表面領域における残留圧縮応力がその用途に対 して十分な大きさとなる、ことを特徴とする疲労制限金属部品を設計する方法。 11.請求項10に記載の方法において、前記残留圧縮応力と再測定された残留 圧縮応力はX線回折技法を用いて測定される。 12.請求項10に記載の方法において、前記金属部品はガス・タービンまたは ジェット・エンジンに使用される回転部品である。 13.請求項11に記載の方法において、前記金属部品はガス・タービンまたは ジェット・エンジンに使用される回転部品である。 14.請求項12に記載の方法において、前記金属部品はディスクまたはドラム ・ロータである。 15.請求項13に記載の方法において、前記金属部品はディスクまたはドラム ・ロータである。 16.疲労制限金属部品の受け入れられる運転寿命と安全係数を達成するのに十 分な残留圧縮応力を維持しながら疲労制限金属部品の重量を最小にする疲労制限 金属部品の設計方法であって、 (1)前記金属部品のプロトタイプを提供し、 (2)前記金属部品の設計過程で前記プロトタイプの一つまたは複数の厳しい 条件の表面領域における残留圧縮応力を測定し、 (3)前記測定した残留圧縮応力と前もって定められた残留圧縮応力設計レベ ルとの差をガイドとして使用してその重量を低減することによってプロトタイプ を変更し、 (4)前記変更したプロトタイプの前記一つまたは複数の厳しい条件の表面領 域における残留圧縮応力を再度測定し、再測定した残留圧縮応力を規定の残留圧 縮応力設計レベルと比較することにより前記変更の効果を評価し、 (5)受け入れられかつ使用可能な金属部品が得られるまで前記一つまたは複 数の厳しい条件の表面領域についてステップ(2)から(4)を繰り返し、それ によって前記受け入れられかつ使用可能な金属部品の重量が最小にされ、しかも 前記一つまたは複数の厳しい条件の表面領域における残留圧縮応力が前記金属部 品の受け入れられる運転寿命と安全係数を達成するのに十分な大きさとなる、こ とを特徴とする疲労制限金属部品を設計する方法。 17.請求項16に記載の方法において、前記残留圧縮応力と再測定された残留 圧縮応力はX線回折技法を用いて測定される。 18.請求項16に記載の方法において、前記金属部品はガス・タービンまたは ジェット・エンジンに使用される回転部品である。 19.請求項17に記載の方法において、前記金属部品はガス・タービンまたは ジェット・エンジンに使用される回転部品である。 20.請求項18に記載の方法において、前記金属部品はディスクまたはドラム ・ロータである。 21.請求項19に記載の方法において、前記金属部品はディスクまたはドラム ・ロータである。 22.疲労制限金属構成部品の製作における品質管理方法であって、 金属構成部品の製作後でかつそれを稼動する前にそれぞれの金属構成部品につ いて一つまたは複数の厳しい条件の表面領域の残留圧縮応力を測定し、 前記一つまたは複数の厳しい条件の表面領域の測定された残留圧縮応力を前記 一つまたは複数の厳しい条件の表面領域の対応する前もって定められた残留圧縮 応力レベルと比較し、 前記対応する前もって定められた残留圧縮応力レベルよりも低い前記残留圧縮 応力を有する金属構成部品に印をつけ、それによって印をつけられた金属構成部 品が稼動させられることがないようにした、ことを特徴とする品質管理方法。 23.請求項22に記載の品質管理方法において、印をつけられた金属構成部品 は破壊されるかさもなければ潰されて無断使用を防止する。 24.請求項22に記載の品質管理方法において、印をつけられた金属構成部品 を再度加工して前記一つまたは複数の厳しい条件の表面領域の残留圧縮応力を前 記対応する前もって定められた残留圧縮応力より高いレベルに引き上げ、それに よって再加工された金属構成部品が稼動できるようにする。 25.請求項22に記載の品質管理方法において、それぞれの金属構成部品につ いて前記一つまたは複数の厳しい条件の表面領域の残留圧縮応力はX線回折技法 を用いて求められる。 26.請求項23に記載の品質管理方法において、それぞれの金属構成部品につ いて前記一つまたは複数の厳しい条件の表面領域の残留圧縮応力はX線回折技法 を用いて求められる。 27.請求項24に記載の品質管理方法において、それぞれの金属構成部品につ いて前記一つまたは複数の厳しい条件の表面領域の残留圧縮応力はX線回折技法 を用いて求められる。
JP9515049A 1995-10-11 1996-09-24 疲労制限金属構成部品の設計、品質管理および管理の方法 Pending JP2000500563A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/540,876 US5625664A (en) 1994-05-18 1995-10-11 Methods for the design, quality control, and management of fatigue-limited metal components
US08/540,876 1995-10-11
PCT/US1996/015251 WO1997014032A1 (en) 1995-10-11 1996-09-24 Methods for the design, quality control, and management of fatigue-limited metal components

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000500563A true JP2000500563A (ja) 2000-01-18

Family

ID=24157299

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9515049A Pending JP2000500563A (ja) 1995-10-11 1996-09-24 疲労制限金属構成部品の設計、品質管理および管理の方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US5625664A (ja)
EP (1) EP0855022B1 (ja)
JP (1) JP2000500563A (ja)
AU (1) AU7243796A (ja)
DE (1) DE69625229T2 (ja)
IL (1) IL124019A (ja)
WO (1) WO1997014032A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102366284B1 (ko) * 2020-12-28 2022-02-23 현대제철 주식회사 핫 스탬핑 부품 및 그 제조방법

Families Citing this family (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1010114A1 (en) * 1996-11-27 2000-06-21 Sundstrand Corporation, Inc. Method of maintaining components subject to fatigue failure
US5951790A (en) * 1998-06-26 1999-09-14 General Electric Company Method of monitoring and controlling laser shock peening using an in plane deflection test coupon
US6183882B1 (en) 1998-06-29 2001-02-06 General Electric Company In plane deflection coupon for monitoring and controlling of laser shock peening
US6094260A (en) * 1998-08-12 2000-07-25 General Electric Company Holographic interferometry for monitoring and controlling laser shock peening
US5948293A (en) * 1998-12-03 1999-09-07 General Electric Company Laser shock peening quality assurance by volumetric analysis of laser shock peened dimple
US6415044B1 (en) 1998-12-29 2002-07-02 Advanced Material Processing Non-destructive inspection method for an impact treated surface
US6721393B1 (en) * 1999-03-31 2004-04-13 Proto Manufacturing Ltd. X-ray diffraction apparatus and method
US6344097B1 (en) * 2000-05-26 2002-02-05 Integran Technologies Inc. Surface treatment of austenitic Ni-Fe-Cr-based alloys for improved resistance to intergranular-corrosion and-cracking
US6278920B1 (en) * 2000-06-19 2001-08-21 James O. Hebberd Method for analyzing and forecasting component replacement
WO2002018879A1 (en) * 2000-08-25 2002-03-07 Battelle Memorial Institute Method and apparatus to predict the remaining service life of an operating system
US7016825B1 (en) * 2000-10-26 2006-03-21 Vextec Corporation Method and apparatus for predicting the failure of a component
DE10118542A1 (de) * 2001-04-14 2002-10-17 Alstom Switzerland Ltd Verfahren zur Bestimmung des elasto-plastischen Verhaltens von aus anisotropem Material bestehenden Bauteilen sowie Anwendung des Verfahrens
US6697453B1 (en) * 2002-02-08 2004-02-24 Metscan Technologies, Llc Portable X-ray diffractometer
US6911100B1 (en) 2002-08-30 2005-06-28 Biomet, Inc. Method for controlling residual stress in prosthetics
US7444012B2 (en) 2003-07-24 2008-10-28 Freescale Semiconductor, Inc. Method and apparatus for performing failure analysis with fluorescence inks
US7399371B2 (en) 2004-04-16 2008-07-15 Nippon Steel Corporation Treatment method for improving fatigue life and long-life metal material treated by using same treatment
US7219044B1 (en) * 2004-10-07 2007-05-15 Surface Technology Holdings, Ltd. Method and system for improving a part's resistance to stress induced failure
US9246950B2 (en) * 2008-01-24 2016-01-26 At&T Intellectual Property I, L.P. System and method of providing registration macros in an IMS network-based device
US7735350B2 (en) * 2008-09-29 2010-06-15 General Electric Co. Measuring intensity of shot peening in areas with difficult accessibility
RU2505799C2 (ru) * 2012-02-28 2014-01-27 Открытое акционерное общество "Научно-производственное объединение "Сатурн" Способ оценки технического состояния деталей
US9534499B2 (en) 2012-04-13 2017-01-03 Caterpillar Inc. Method of extending the service life of used turbocharger compressor wheels
US20140053403A1 (en) * 2012-08-22 2014-02-27 General Electric Company Method for extending an original service life of gas turbine components
RU2552601C2 (ru) * 2013-05-31 2015-06-10 Открытое акционерное общество "Научно-производственное объединение "Сатурн" Способ оценки технического состояния деталей
US9260200B1 (en) 2014-11-07 2016-02-16 International Business Machines Corporation Metal fatigue analytics and alert systems
US10619222B2 (en) 2015-04-08 2020-04-14 Metal Improvement Company, Llc High fatigue strength components requiring areas of high hardness
US11584969B2 (en) 2015-04-08 2023-02-21 Metal Improvement Company, Llc High fatigue strength components requiring areas of high hardness
US10539518B2 (en) * 2017-05-15 2020-01-21 Weatherford Technology Holdings, Llc X-ray based fatigue inspection of downhole component
US20190146446A1 (en) * 2017-11-10 2019-05-16 General Electric Company Methods and apparatus to generate an asset health quantifier of a turbine engine

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3762885A (en) * 1972-02-07 1973-10-02 Chromalloy American Corp Diffusion coating of metals
US4034585A (en) * 1975-08-25 1977-07-12 Straub John C Process of compression stressing metals to increase the fatigue strength thereof
US4095103A (en) * 1976-03-12 1978-06-13 Northwestern University Apparatus and method for determination of residual stress in crystalline substances
US4191599A (en) * 1978-09-13 1980-03-04 Ford Motor Company Method of heat treating high carbon alloy steel parts to develop surface compressive residual stresses
US4561062A (en) * 1983-02-18 1985-12-24 Her Majesty The Queen In Right Of Canada, As Represented By The Minister Of Energy, Mines And Resources Stress measurement by X-ray diffractometry
US5125016B1 (en) * 1983-09-22 1998-02-24 Outokumpu Oy Procedure and measuring apparatus based on x-ray diffraction for measuring stresses
US4686631A (en) * 1985-02-08 1987-08-11 Ruud Clayton O Method for determining internal stresses in polycrystalline solids
US4904528A (en) * 1987-12-24 1990-02-27 United Technologies Corporation Coated gas turbine engine compressor components
US5490195A (en) * 1994-05-18 1996-02-06 Fatigue Management Associates Llc Method for measuring and extending the service life of fatigue-limited metal components

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102366284B1 (ko) * 2020-12-28 2022-02-23 현대제철 주식회사 핫 스탬핑 부품 및 그 제조방법
WO2022145924A1 (ko) * 2020-12-28 2022-07-07 현대제철 주식회사 핫 스탬핑 부품 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
WO1997014032A1 (en) 1997-04-17
IL124019A (en) 2001-06-14
AU7243796A (en) 1997-04-30
DE69625229T2 (de) 2003-07-24
DE69625229D1 (de) 2003-01-16
US5625664A (en) 1997-04-29
EP0855022B1 (en) 2002-12-04
EP0855022A1 (en) 1998-07-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000500563A (ja) 疲労制限金属構成部品の設計、品質管理および管理の方法
JP4117902B2 (ja) 疲労制限金属部品の有効寿命を測定し且つ延ばす方法
Tan et al. Evolution of surface integrity and fatigue properties after milling, polishing, and shot peening of TC17 alloy blades
Chan Roles of microstructure in fatigue crack initiation
Chander et al. Failure of hot forging dies–an updated perspective
Sneddon et al. Sensitivity of material failure to surface roughness: A study on titanium alloys Ti64 and Ti407
Liao et al. Influence of surface integrity induced by multiple machining processes upon the fatigue performance of a nickel based superalloy
EP3642455B1 (en) Life extension of power turbine disks exposed to in-service corrosion damage
Mall et al. High cycle fatigue behavior of Ti–6Al–4V with simulated foreign object damage
Vijayanandh et al. Fatigue life estimation of aircraft engine compressor with suitable material selection (Analytical approach for compressor lifetime)
Wang et al. Effect of cold expansion on high-temperature low-cycle fatigue performance of the nickel-based superalloy hole structure
Gourdin et al. Assessment of specific contribution of residual stress generated near surface anomalies in the high temperature fatigue life of a René 65 superalloy
Ghiotti et al. Ti6Al4V titanium alloy fatigue strength after AM-and machining-based process chains
Mateo et al. Welding repair by linear friction in titanium alloys
Shlyannikov et al. A plastic stress intensity factor approach to turbine disk structural integrity assessment
Infante-García et al. Influence of machining parameters on fretting fatigue life of Inconel 718
CA2234269C (en) Methods for the design, quality control, and management of fatigue-limited metal components
Qin et al. Shot peening and thermal stress relaxation in 17-4 PH stainless steel
Barrois Repeated plastic deformation as a cause of mechanical surface damage in fatigue, wear, fretting-fatigue, and rolling fatigue: a review
Cláudio et al. Failure analysis of scratch damaged shot peened simulated components at high temperature
Khanjanzadeh et al. Experimental study on surface integrity of ti6al4v by broaching
Azar et al. Electron beam weld repair and qualification of titanium fan blades for military gas turbine engines
Saga et al. Repair Technologies Of Mechanical Drive Steam Turbines For Catastrophic Damage.
Mazur et al. Gas Turbine Nozzle Life Assesment due to Thermal Fatigue
Azar Electron beam weld repair and qualification of titanium gas turbine engine fan blades.

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060221

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20060522

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060522

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20060703

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060731

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070313