JP2000357446A - 漏電遮断器及びその電子回路部 - Google Patents

漏電遮断器及びその電子回路部

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JP2000357446A
JP2000357446A JP11167628A JP16762899A JP2000357446A JP 2000357446 A JP2000357446 A JP 2000357446A JP 11167628 A JP11167628 A JP 11167628A JP 16762899 A JP16762899 A JP 16762899A JP 2000357446 A JP2000357446 A JP 2000357446A
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thyristor
transistor
voltage
power supply
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JP11167628A
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Kiyoshi Hasegawa
喜吉 長谷川
Kazuhiko Sato
一彦 佐藤
Yoshiaki Kawashima
善明 川嶋
Tadahisa Aoki
忠久 青木
Makoto Ogasawara
誠 小笠原
Hitoshi Kaneda
斉 金田
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低い直流電圧を得るために電圧降下させる抵抗
の発生損失を小さくし、かつ主回路を遮断するための大
きな駆動電流を確保して電磁石4Aの構成を簡素化して
コストダウンを計る。 【解決手段】電子回路部2Aに、第1と第2の2つのト
ランジスタ241,242と3つの抵抗243,24
4,245とで構成される定電流回路240を設けて、
第2のトランジスタのオン・オフで第1のトランジスタ
のオン・オフを制御することによって、制御回路208
への供給電流を一定に維持する。また、交流電源10に
トリップコイル41Aを介してサイリスタ回路220を
直結して設け、このサイリスタ回路220を、直列接続
した2つのサイリスタ221,222と分圧回路230
とで構成してサイリスタ221だけにターンオン信号を
印加するだけでよい構成にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、配電系統の接続
される電動機などの負荷に発生する漏電を検出して波及
事故を未然に防ぐための漏電遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は漏電遮断器の回路図である。この
図において、漏電遮断器100は、零相変流器1、電子
回路部2、主回路スイッチ5及び漏電引外し電磁石4か
らなっていて、零相変流器1には負荷側の2本の電線7
が貫通して主回路スイッチ5の負荷側の固定接点53に
接続され、電源側電線6は主回路スイッチ5の固定接点
51に接続されている。主回路の零相電流は零相変流器
1に巻回された二次コイル21によって検出されて電子
回路部2で増幅されるとともに、検出電流の値が所定の
値以上になったら漏電が生じているものと見なして電線
23を介して漏電引外し電磁石4のトリップコイル41
に駆動電流を流して駆動部42を駆動する。図では、主
回路スイッチ5は可動接点52が固定接点51,53か
ら離れたオフの状態を示してあるが、主回路が正常の状
態ではこれらは接触して主回路スイッチ5はオンの状態
になっているのが実際である。なお、電子回路部2の電
源は負荷側の電線7から電線24によってとられてい
る。したがって、主回路スイッチ5がオフになると電子
回路部2の電源が切られた状態になる。実際は内蔵する
コンデンサによって短時間ではあるが、主回路スイッチ
5がオフになっても電子回路部2は動作を継続するよう
になっている。
【0003】トリップコイル41に電流が流れることに
よって駆動部42が図の左の方向に移動してオンの状態
から図示のオフの状態になって主回路が遮断される。図
で示した主回路は単相回路であるが三相回路の場合は3
本の電線が零相変流器1を貫通する構成になる。
【0004】図5は図4の電子回路部の回路図であり、
図4と実質的に同じものについては同じ符号を付けて重
複する説明を省く。図5において、交流電源10は図4
の電線24から取り出されたものである。この交流電源
10にはこの電源から侵入するサージから回路を保護す
るためのバリスタ201が並列に接続され、電圧降下用
抵抗202を介して4つのダイオードからなるブリッジ
結線、平滑用の抵抗204及び平滑用コンデンサ205
からなる整流回路203に接続されている。制御回路2
08は整流回路203の直流端子に直列に接続されたツ
ェナーダイオード207を介して接続されている。
【0005】電磁石4のトリップコイル41とサイリス
タ206との直列回路は整流回路203に並列に接続さ
れている。制御回路208には二次コイル21の誘導電
圧、すなわち抵抗209の端子間電圧が入力され、ま
た、サイリスタ206のゲート端子にターンオン信号を
出力する。
【0006】コンデンサ210は制御回路208に供給
される直流電圧に含まれる高周波成分を吸収するための
ものである。ツェナーダイオード207は制御回路20
8の電源電圧を低い値に設定するためのもので、整流回
路203が出力する直流電圧が交流電圧に換算して小さ
くても100V程度に対して、制御回路208の所要電
圧は10V程度なので、その差の多くをこのツェナーダ
イオード207が吸収するように設定されている。
【0007】制御回路208は抵抗209の端子間電圧
である入力電圧が一定値以下のときには主回路の負荷側
に漏電は発生してはいないとみなし、入力電圧が一定値
を越えたときに漏電が発生したとみなしてサイリスタ2
06の制御端子にターンオン信号を出力してサイリスタ
206をオンする。その結果、トリップコイル41には
整流回路203から電流が流れ込んで電磁石4を励磁し
て駆動部42が駆動されて図4の主回路スイッチ5がオ
フになって負荷側が電源側から遮断される。
【0008】交流電源10の電圧は図4に示すように主
回路の線間の電圧であるが、この漏電遮断器は100V
〜400Vの範囲の回路に使用されるようになってい
る。一方、制御回路208の電源としての電圧は10V
程度、電流は数ミリアンペア程度なので、交流電源10
の電圧が100Vのときでも制御回路208の電圧と電
流が確保できるように設定され、かつ400Vの場合で
も支障なく使用できるようになっている。この点につい
て更に詳しく説明する。
【0009】抵抗202は交流電源10から、整流回路
203、ツェナーダイオード207を通って制御回路2
08に電力を供給する回路において、ツェナーダイオー
ド207の制限電圧は交流電圧に換算して80V程度に
設定されていて、交流電源10がこの電圧以下ではこの
ツェナーダイオード207によって電流が遮断されて制
御回路208に電力は供給されない。実際には前述のよ
うに交流電源10の電圧は100〜400Vなので電流
が遮断されてしまうことはない。また、制御回路208
に供給される電流を数ミリアンペアに制限するために、
電圧が100Vのときに所定の値になるように抵抗20
2と204が設定されている。
【0010】交流電源10の電圧が400Vの場合、当
然のことながら制御回路208に流入する電流は増大す
る。その分は制御回路208内に設けられているツェナ
ーダイオード211を通して流出する。すなわち、交流
電源10の電圧が高くても制御回路208の電圧、電流
は一定に保たれる。
【0011】サイリスタ206がターンオンしてトリッ
プコイル42に流れる電流は交流電源10から整流回路
203を通って流れ込む電流である。したがって、その
電流値は制御回路208に流入する電流の数倍程度の電
流にしかならない。そのため、このような小さな電流で
駆動部42を駆動させる必要があることから、電磁石4
はコアと永久磁石を使用して小さな電流を有効に活用し
て駆動部42を駆動することのできる構成が採用されて
いる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、交流電
源10の電圧が最小で100Vであるのに対して制御回
路208の電圧は約10Vなので、電圧差を吸収するた
めに回路に直列に挿入されて抵抗202、204による
電圧降下、ツェナーダイオード207による電圧負担な
どが行われている。また、制御回路208内には電源電
圧を一定に保つために制御回路208内のツェナーダイ
オード211が設けられている。
【0013】このような構成の場合、特に交流電源10
が400Vと大きい場合にはツェナーダイオード207
の負担電圧が前述のように交流電圧換算で80Vとした
場合、この電圧と制御回路208の電圧10Vとを40
0Vから差し引いた電圧、すなわち310V相当の電圧
が抵抗202、209によって電圧降下させる必要があ
り、それだけの電流が流れ、制御回路208にとって余
分な電流はツェナーダイオード211を通ることにな
る。したがって、抵抗202,209とツェナーダイオ
ード207,211に大きな損失が発生して発熱源とな
るという問題がある。電子回路部2の温度上昇限度はこ
の中に含まれる半導体素子によって定まるので過大な温
度上昇は漏電遮断器の正常な動作ができなくなるという
問題が生ずる。これを回避するには冷却能力を大きくす
れば良いのであるが、漏電遮断器はよりコンパクトなも
のが要請されることから、十分な冷却能力を持った冷却
構成を採用するのも困難であるという問題がある。
【0014】また、トリップコイル41に流れる電流は
整流回路203の出力側の直流回路に設けられているの
で、制御回路208への供給電流の数倍程度の小さな電
流しか流すことができない。そのため、電磁石4とし
て、コアで構成される磁気回路を設けて小さなアンペア
ターンで駆動部42を駆動することのできる構成を採用
し、常時は磁気回路に設けられた永久磁石によって駆動
部42を保持する構成が採用されているために電磁石4
が高価であるという問題もある。
【0015】この発明の目的はこのような問題を解決
し、広い範囲の交流電圧に対して適用でき、しかも高い
電圧に使用される場合にも発生損失の少ない電子回路部
を持ち、更にトリップコイルの駆動電流として大きな電
流を確保することのできる回路構成を持ったつ漏電遮断
器及びその電子回路部を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの発明によれば、直流電源としての整流回路からこ
の整流回路の出力電圧よりも低い電圧の一定電流を制御
回路に供給する定電流回路を備えた漏電遮断器の電子回
路部において、定電流回路が、整流回路の正側がコレク
タに接続される第1のトランジスタ、この第1のトラン
ジスタのベースにコレクタが接続される第2のトランジ
スタ、整流回路の正側と第1のトランジスタのベースと
の間に接続される第1の抵抗、整流回路の正側と第2の
トランジスタのベースに接続される第2の抵抗、及び第
2のトランジスタのベースと制御回路の入力端に接続さ
れる第3の抵抗からなり、第1のトランジスタのエミッ
タが第2のトランジスタのベースに接続され、第2のト
ランジスタのエミッタが制御回路の入力端に接続されて
いることを特徴とする。
【0017】主回路スイッチをオフにするためのトリッ
プコイルに、電子回路部に設けられるサイリスタ回路が
オンすることによって駆動電流が供給されてなる漏電遮
断器において、トリップコイルが交流電源に直列に接続
され、この交流電源とトリップコイルとに並列に設けら
れるサイリスタ回路が設けられ、このサイリスタ回路
が、極性を同方向に直列接続される、陽極側が交流電源
の一方の端子に接続された第2のサイリスタと、陰極側
を直流側回路の接地端子に接続された第1のサイリスタ
との2つのサイリスタ、第2のサイリスタの陽極側とこ
のサイリスタのゲート端子とに並列に接続されたインピ
ーダンスと、このゲート端子と第1のサイリスタの陰極
とに並列に接続された同じ値のインピーダンスとからな
る分圧器、及びこのゲート端子と第2のサイリスタの陰
極との間に接続されるターンオン用インピーダンスから
なり、制御回路が出力するサイリスタのンターンオン信
号が、第1のサイリスタのゲート端子に入力されてな
り、第1のサイリスタのゲート端子にターンオン信号が
入力されてこのサイリスタがオンしたときに、第2のト
ランジスタに並列の分圧器のインピーダンスとターンオ
ン用インピーダンスとの分圧によって生ずる第2のサイ
リスタのゲート電圧が上昇して第2のサイリスタもター
ンオンする。
【0018】サイリスタ回路がオンしたときには、この
サイリスタ回路と交流電源とトリップコイルとで閉ルー
プを構成するので、大きな電流をトリップコイルの駆動
電流として使用することができる。また、第1と第2の
サイリスタにそれぞれバリスタを並列に接続することに
よって、ノイズなどの高周波成分によってサイリスタが
誤動作したり、破壊したりすることがなくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下この発明を実施例に基づいて
説明する。図1はこの発明の実施例を示す漏電遮断器の
電子回路部2Aの回路図であリ、図5と同じ回路要素に
は同じ符号を、類似の回路要素には添字Aを付けて重複
する説明を省く。図1と図5が異なる点は、一つにはト
リップコイル41Aを直接交流電源10に接続し、これ
らと閉ループを構成することのできるサイリスタ回路2
20で駆動電流を流せる回路構成としていること、もう
一つは定電流回路240を設け、この定電流回路240
を介して制御回路208に電流を供給していることの2
点である。
【0020】サイリスタ回路220は交流電源10に直
接接続されたトリップコイル41Aの他方の端子と直流
回路の接地回路との間に設けられており、制御回路20
8がターンオン信号を出力する電線は、直列接続された
2つのサイリスタのうちの図の下段の第1のサイリスタ
のゲート端子に入力される。サイリスタ回路220につ
いての更に詳しい説明は後述する。
【0021】定電流回路240は2つのトランジスタと
3つの抵抗とからなっている。第1のトランジスタ24
1はそのコレクタが整流回路203Aの正の端子に、ベ
ースが抵抗243を介して同じく整流回路203Aの正
の端子に、エミッタが抵抗245を介して制御回路20
8の電源端子にそれぞれ接続され、第2のトランジスタ
242はそのコレクタが第1のトランジスタのベース
に、ベースが抵抗244を介して整流回路203Aの正
の端子に、エミッタが制御回路208の電源端子にそれ
ぞれ接続された回路構成となっている。以下にこの定電
流回路240の動作について説明する。
【0022】仮に制御回路208に供給される電流は小
さいものとする。第2のトランジスタ242のベース電
圧は抵抗244と245で分圧された電圧であるが、こ
の電圧では第2のトランジスタ242はオフになるよう
に設定されている。一方、第2のトランジスタ242が
オフのために抵抗243に流れる電流は第2のトランジ
スタ241のベース電流だけなのでその値は小さく、し
たがってその電圧降下も小さいことから、第1のトラン
ジスタ241のベース電圧はコレクタ電圧に近いために
このトランジスタはオンしている。したがって、制御回
路208に供給される電流はこの第1のトランジスタ2
41と抵抗245を通って供給される。
【0023】電源電流が大きくなると、抵抗245の電
圧降下が大きくなって第2のトランジスタ242のベー
ス電圧が上昇してオンする。その結果、抵抗243に流
れる電流が増大して第2のトランジスタ241のベース
電圧が低下してこのトランジスタがオフする。このとき
の制御回路208に供給される電流は第2のトランジス
タに流れる電流であるが、抵抗243によっ制限されて
充分小さな値になるように設定されている。
【0024】このように、制御回路208への供給電流
が一定の値以下のときには第1のトランジスタ241が
オン、第2のトランジスタ242かオフとなり、電流が
一定値を越えると第2のトランジスタ242がオン、第
1のトランジスタ241かオフとなって、僅かの電流し
か流れなくなる。実際には電流が大きく変動するのでは
なく、一定の電流が流れるように保たれる。なお、この
一定電流は制御回路208が必要とする電流よりも少し
大きい値に設定されるので、この電流が流れ続けるとコ
ンデンサ210を充電して制御回路208内の電圧が上
昇するがツェナーダイオード211によって一定電圧に
保たれる。
【0025】従来の回路では抵抗の電圧降下を利用して
100V以上の電圧を10V程度に下げていたことによ
って、大きな損失を発生していたのであるが、定電流回
路240の場合にはトランジスタのスイッチング特性を
利用して電圧を下げて、一定電流を得ているので、発生
する損失ははるかに少なく、したがって、電子回路2A
の温度上昇の抑制効果が得られる。
【0026】図2は図1のサイリスタ回路の部分拡大図
である。この図において、サイリスタ回路220は第1
と第2の二つのサイリスタ221,222とこれらのサ
イリスタのオフのときの負担電圧を平衡させるための分
圧回路230とからなっている。分圧回路230は上下
が対称な回路構成になっていて、電圧を二等分するよう
になっている。コンデンサ232,235が使用されて
いるのは、電源から侵入するサージに対しても2分割す
るように設けられているものである。
【0027】図から明らかなように、この分圧回路23
0は第2のサイリスタ222のゲート端子の電圧が2分
の1になるようになっている。実際には第1のサイリス
タ221の陽極と第2のサイリスタ222の陰極との接
続線が2分割される必要がある。そのために、第2のサ
イリスタ222のゲート端子と陰極との間に抵抗223
を設けてある。この抵抗223は分圧回路230の抵抗
231,233,234,236に比べればはるかに小
さな値なので分圧回路の機能としては二つのサイリスタ
の陽極と陰極間が同じ電圧分担になるように働いている
としてよい。
【0028】抵抗223は第2のサイリスタ222のタ
ーンオン動作に寄与する。すなわち、第1のサイリスタ
221がターンオンしたときこのサイリスタは短絡状態
になり、抵抗231、233及び223を通って電流が
流れるが、このときの抵抗233の電圧降下分が第2の
サイリスタ222のゲート端子にかかるターンオン信号
となってこのサイリスタをターンオンさせる。サイリス
タのターンオン信号はせいぜい1V程度なので抵抗23
1や233に比べてその抵抗値は数十分の1でよい。こ
のように、第2のサイリスタ222には制御回路208
からターンオン信号を印加しなくてもターンオンするこ
とになる。
【0029】サイリスタを直列に2つ使用する回路構成
としたのはこの方が小さい空間にサイリスタを配置する
上が帰って有利であるからである。一般にサイリスタを
直列に使用するときにはそれぞれのサイリスタのゲート
端子に制御信号を印加しなければならないから、絶縁変
圧器を用いたりしてかえって複雑な回路構成になるので
あるが、分圧回路230と抵抗223を組み合わせた回
路構成によって1つのサイリスタに制御信号を印加すれ
ばもう一つのサイリスタも同時にターンオンすることが
できる。
【0030】漏電遮断器の電子回路部2Aに使用される
サイリスタの仕様の程度のものでは、一つの定格電圧の
大きなサイリスタを使用するよりも定格電圧の小さい二
つのサイリスタを直列接続して使用する方が却って小さ
な寸法でサイリスタ回路を構成することができるので、
電子回路部2A全体の寸法を縮小するのに効果的であ
る。また、サイリスタ回路を交流電源に直結する位置に
設けたので、トリップコイルに流す駆動電流を大きな値
に設定することができるので、トリップコイルが組み込
まれている電磁石として、磁気回路を省略した簡素な構
成を採用することができるので漏電遮断器のコストダウ
ンに資することができる。
【0031】図1に戻ってサイリスタ回路220がオン
したときのトリップコイル41Aに流れる電流の経路
は、交流電源10からトリップコイル41A、サイリス
タ回路220、整流回路203Aの右下のダイオード、
そして交流電源10に戻る回路である。したがって、ト
リップコイル41Aに流れる電流は一方向だけの電流で
あり、しかも半波だけである。それは制御回路208か
ら制御信号が印加されてサイリスタ回路220がオンし
てトリップコイル41Aに電流が流れた後、交流電源1
0の電圧が正負を反転するとこの電流は減少し0になっ
たところでサイリスタ回路220はオフになってしま
う。その後交流電源10がもう一度正負を反転したとし
ても電流は流れない。実際のトリップコイル41Aで
は、半波分だけの電流が流れれば充分駆動部42Aが駆
動して図4の主回路のスイッチ5をオフにすることが可
能である。
【0032】トリップコイル41Aは交流電源10に直
接接続され、またこれに流れる電流の回路には直列抵抗
は挿入されていないのでトリップコイル41Aに流れる
電流はこのコイルのインピーダンスによって決まるとし
てよい。したがって、充分の電流を流すことができるの
で、電磁石4Aとしてコアと永久磁石からなる磁気回路
を持った複雑な構成のものを使用する必要はなく、コイ
ルとこれに吸着される駆動部42Aとだけで構成した簡
単な電磁石を採用することができる。
【0033】図3はこの発明の第2の実施例を示すサイ
リスタ回路の回路図であり、図1と同じ回路要素には同
じ符号を付けて重複する発明を省く。図3の図1に対す
る違いは2つのサイリスタにそれぞれ並列にバリスタを
設けた点である。すなわち、第1のサイリスタ221に
はバリスタ224を、第2のサイリスタ222にはバリ
スタ225をそれぞれ並列に接続してある。これらバリ
スタ224,225を設けるのは第1と第2のサイリス
タ221,222にかかる高周波成分、いわゆる外部か
ら侵入するサージによってサイリスタ221,222が
破壊又は誤動作するのを防ぐためである。このように、
バリスタ224,225を設けることによってサイリス
タ回路220は安定した動作をすることが確認されてい
る。
【0034】
【発明の効果】この発明は前述のように、制御回路に電
流を供給する定電流回路として、前述のように二つのト
ランジスタと3つの抵抗とで構成することによって、交
流電源の電圧が高いときでもトランジスタのスイッチン
グ性能によって制御回路に供給される電流を一定値に保
つことができるので、抵抗が発生する損失が減少して電
子回路部の温度上昇が抑制されて電子回路部、ひいては
漏電遮断器の信頼性が向上する。
【0035】また、トリップコイルを交流電源に直結し
て設け、これらとサイリスタ回路とで閉ループを形成す
るようにし、サイリスタ回路として、二つのサイリスタ
を直列接続し、一方のサイリスタにだけターンオン信号
を入力することによって他方のサイリスタもターンオン
する回路構成を採用すれば、小さなサイリスタの場合に
は一つの定格電圧の大きなサイリスタを使用するよりも
定格電圧の小さい二つのサイリスタを直列接続して使用
する方が却って小さな寸法でサイリスタ回路を構成する
ことができるので、電子回路部全体の寸法を縮小するの
に効果的である。また、サイリスタ回路を交流電源に直
結する位置に設けたので、トリップコイルに流す駆動電
流を大きな値に設定することができるので、トリップコ
イルが組み込まれている電磁石として、磁気回路を省略
した簡素な構成を採用することができるので漏電遮断器
のコストダウンに資することができる。
【0036】2つのサイリスタにそれぞれバリスタを並
列に接続した回路構成を採用すれば、サイリスタ回路に
ノイズやサージが侵入してもこのバリスタが吸収するの
で、サイリスタが誤動作したり破壊したりする可能性が
なくなってこの点についても漏電遮断器の信頼性の向上
に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す漏電遮断器の電
子回路部の回路図
【図2】図1のサイリスタ回路の回路図
【図3】この発明の第2の実施例を示すサイリスタ回路
の回路図
【図4】漏電遮断器の回路図
【図5】図4の電子回路部の従来の回路図
【符号の説明】
100…漏電遮断器、2,2A…電子回路部、203,
203A…整流回路、220…サイリスタ回路、221
…第1のサイリスタ、222…第2のサイリスタ、22
3…抵抗(ターンオン用インピーダンス)、224,2
25…バリスタ、230…分圧回路、240…定電流回
路、241…第1のトランジスタ、242…第2のトラ
ンジスタ、243,244,245…抵抗、208…制
御回路、41,41A…トリップコイル、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川嶋 善明 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 青木 忠久 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 小笠原 誠 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 金田 斉 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 5G004 AA01 AB02 BA01 DA01 DB01 DB02 EA03 5G030 FC08 XX01 XX05 YY13 5G058 BB02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流電源としての整流回路からこの整流回
    路の出力電圧よりも低い電圧の一定電流を制御回路に供
    給する定電流回路を備えた漏電遮断器の電子回路部にお
    いて、定電流回路が、整流回路の正側がコレクタに接続
    される第1のトランジスタ、この第1のトランジスタの
    ベースにコレクタが接続される第2のトランジスタ、整
    流回路の正側と第1のトランジスタのベースとの間に接
    続される第1の抵抗、整流回路の正側と第2のトランジ
    スタのベースに接続される第2の抵抗、及び第2のトラ
    ンジスタのベースと制御回路の入力端に接続される第3
    の抵抗からなり、第1のトランジスタのエミッタが第2
    のトランジスタのベースに接続され、第2のトランジス
    タのエミッタが制御回路の入力端に接続されていること
    を特徴とする漏電遮断器の電子回路部。
  2. 【請求項2】主回路スイッチをオフにするためのトリッ
    プコイルに、電子回路部に設けられるサイリスタ回路が
    オンすることによって駆動電流が供給されてなる漏電遮
    断器において、トリップコイルが交流電源に直列に接続
    され、この交流電源とトリップコイルとに並列にサイリ
    スタ回路が設けられ、このサイリスタ回路が、極性を同
    方向に直列接続される、陽極側が交流電源の一方の端子
    に接続された第2のサイリスタと、陰極側を直流側回路
    の接地端子に接続された第1のサイリスタとの2つのサ
    イリスタ、第2のサイリスタの陽極側とこのサイリスタ
    のゲート端子とに並列に接続されたインピーダンスと、
    このゲート端子と第1のサイリスタの陰極とに並列に接
    続された同じ値のインピーダンスとからなる分圧回路、
    及びこのゲート端子と第2のサイリスタの陰極との間に
    接続されるターンオン用インピーダンスからなり、制御
    回路が出力するサイリスタのターンオン信号が、第1の
    サイリスタのゲート端子に入力されてなり、第1のサイ
    リスタのゲート端子にターンオン信号が入力されてこの
    サイリスタがオンしたときに、第2のトランジスタに並
    列の分圧回路のインピーダンスとターンオン用インピー
    ダンスとの分圧によって生ずる第2のサイリスタのゲー
    ト電圧が上昇して第2のサイリスタもターンオンするこ
    とを特徴とする漏電遮断器。
  3. 【請求項3】第1と第2のサイリスタにそれぞれバリス
    タを並列に接続してなることを特徴とする請求項2記載
    の漏電遮断器。
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