JP2000355744A - 金属基複合材用プリフォーム - Google Patents
金属基複合材用プリフォームInfo
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Abstract
ォームを容易に作製でき、且つ金属マトリックスの溶湯
を容易に含浸させることができる多孔質構造体の金属基
複合材用プリフォームを提供すること。 【解決手段】 耐熱性繊維を、平均繊維径が2〜5μm
で平均繊維長が10〜200μmである小径無機繊維
と、平均繊維径が4〜20μmで平均繊維長が10〜2
00μmである大径無機繊維とに分け、これらに平均粒
径が1〜50μmの無機粒子をバインダーと共に水に分
散させ、型に入れ吸引脱水成形すると、小径無機繊維が
無機粒子を主に捕捉し、無機粒子を分散させて大径無機
繊維の空隙に無機粒子を密に充填するのを防いで、吸引
脱水成形性を高めた多孔質構造体の金属基複合材用プリ
フォームが得られ、この多孔質構造体により金属マトリ
ックスの溶湯が含浸し易く、無機粒子により耐磨耗性を
向上させた繊維強化金属材が得られる。
Description
維等の無機材料からなる金属基複合材用プリフォームに
関するものである。
又はセラミック粒子を補強材としてマトリックス金属を
強化した繊維強化金属材が知られている。この繊維強化
金属材は、例えば、炭化珪素やアルミナ等のセラミック
繊維又はセラミック粒子及び結合材からなる多孔質構造
を有する金属基複合材用プリフォーム(以下、単に「プ
リフォーム」とも言う。)を作製し、その空隙部に金属
マトリックスの溶湯を流し込み、加圧により含浸させる
ことにより得られる。
クとして、鋳鉄製のシリンダライナをアルミニウム合金
等の金属マトリックスで鋳ぐるんだ構造のものが知られ
ている。このシリンダブロックは、鋳鉄製のシリンダラ
イナを含むことから重く、また鋳鉄とアルミニウム合金
という熱膨張率の違う金属を使用することに伴う、密着
性と放熱性の低下が問題となる。このため、シリンダラ
イナをアルミニウム合金にしたシリンダブロックが数多
く提案されている(特公平4−11612号公報、特公
平5−33295号公報、特公平8−9093号公報参
照)。
ず、アルミナ繊維や炭素繊維等の無機繊維の多孔質構造
体で所定の形状にした金属基複合材用プリフォームを作
製し、このプリフォームを上記のようにシリンダブロッ
クの鋳型に配置し、その鋳型にアルミニウム合金の溶湯
を流し込み、プリフォーム中の空隙にアルミニウム合金
の溶湯を含浸させてシリンダブロックを得るものであ
る。冷却後、鋳型から取り出されたシリンダブロック
は、シリンダライナ部分がプリフォームを骨組みとした
繊維強化複合材料で構成され、全体がアルミニウム合金
で一体的に鋳ぐまれたものとなっている。
製造する際、無機繊維以外にセラミック等の粒子も添加
したものとして、特開昭63−149342号公報、特
開平2−194132号公報、特開平3−44432号
公報、特開平9−14045号公報等が知られている。
これらのうち、特開平9−14045号公報には、セラ
ミック粒子とアルミナ短繊維とからなるものが、シリン
ダライナのプリフォームを製造する際の変形、割れ、撓
み、金属マトリックスの浸透不良を起こすことがなく、
繊維強化金属材料として適していることが記載されてい
る。
平均繊維径1μm以下の短繊維と、平均粒径10〜50
μmの無機粒子と、これらのバインダーとを混合したも
のを吸引脱水成形して得られた多孔質成形体は収縮や割
れを生じることがなく、良質な繊維強化金属材料が得ら
れることが記載されている。
プリフォームを得る際、その構成材料として耐熱性の繊
維材料、例えば、無機繊維を用いることは、プリフォー
ム内に適度の空隙が形成され、その空隙に金属マトリッ
クスを浸透させ易く、更に無機繊維同士がランダムに絡
み合いプリフォームの強度を確保出来て、都合がよい。
しかしながら、繊維材料は二次加工品であるため一般的
に高価であり、例えば、同じ無機性の繊維状のものと粒
子状のものとを比較すると、繊維状のものは粒子状のも
のの10倍以上の価格である。従って、プリフォームの
構成材料として繊維材料のみに頼ることは、その最終製
品である、例えば、シリンダブロックの価格を押し上げ
ることになる。
属、金属間化合物、炭素等の粒子に置き換えた従来例
は、プリフォームとして繊維材料の果たす高い性能と価
格面とを両立させる点で、極めて都合がよいものであ
る。しかしながら、従来例を検証すると、かかる方法は
プリフォームの作製工程中、吸引脱水成形時の脱水性が
悪く生産性を低下させる。すなわち、プリフォームは、
繊維材料とセラミック等の粒子とを含んだスラリーを所
定の形状の型に入れ、フィルタを介して吸引脱水成形さ
れ、その後、乾燥と焼成を行うことで作製されるが、こ
の吸引脱水成形時にセラミック等の粒子の割合が高くな
るとフィルタの目詰りを起こし、脱水性が著しく低下
し、プリフォームの生産性を低下させるという問題があ
る。
料間の空隙にセラミック等の無機粒子が密に充填され易
く、そのようなプリフォームでは金属マトリックスの溶
湯を含浸させ難くなる。この場合、無理に含浸させるた
めに溶湯の圧力を高めると、プリフォームに過大な圧力
がかかり、プリフォームに割れや変形が生じる結果とな
る。更に、このプリフォームから得られる金属基複合材
をシリンダブロックのシリンダライナに適用した場合
は、シリンダライナの破損、変形が起きるという問題が
ある。
料の一部をセラミック等の無機粒子にて置き換えたもの
でありながら、プリフォームを容易に作製でき、プリフ
ォームへの金属マトリックスの溶湯を容易に行うことが
でき、更に、コストパフォーマンスに優れた多孔質構造
を有する金属基複合材用プリフォームを提供することに
ある。
発明者らは鋭意検討を行った結果、耐熱性の繊維材料
を、平均繊維径が2〜5μmで平均繊維長が10〜20
0μmである小径無機繊維と、平均繊維径が4〜20μ
mで平均繊維長が10〜200μmである大径無機繊維
とに分け、これらに平均粒径が1〜50μmの無機粒子
をバインダーと共に水に分散させ、シリンダライナ等の
目的形状の型に入れフィルタを介して吸引脱水成形する
と、小径無機繊維は無機粒子を主に捕捉し、プリフォー
ム中に無機粒子を分散させて、大径無機繊維の空隙に無
機粒子が密に充填するのを防いで吸引脱水成形性を高
め、更にこの小径無機繊維が無機粒子を捕捉する作用は
最終的に得られる金属基複合材の耐摩耗性を向上させる
ことに寄与すること、一方、大径無機繊維はプリフォー
ム中に適度のサイズの空隙を作り出し、吸引脱水成形性
を高めると共に、金属マトリックスの溶湯がプリフォー
ム中に含浸し易い状況を作り出すこと等を見出し、本発
明を完成するに至った。
1〜50μmの無機粒子と、平均繊維径が2〜5μmで
平均繊維長が10〜200μmであり、成形体の形成時
に前記無機粒子を主に捕捉すると共に分散させる小径無
機繊維と、平均繊維径が4〜20μmで平均繊維長が1
0〜200μmであり、前記成形体の形成時に前記小径
無機繊維と共同して空隙を作りだす大径無機繊維と、を
具備してなることを特徴とする金属基複合材用プリフォ
ームを提供するものである。また、請求項2の発明は、
前記小径無機繊維の平均繊維径(d1 )と前記大径無機
繊維の平均繊維径(d2 )が、2d1 <d2 の関係にあ
る金属基複合材用プリフォームを提供するものである。
また、請求項3の発明は、前記多孔質構造体の空隙率
が、50〜90%である金属基複合材用プリフォームを
提供するものである。また、請求項4の発明は、前記無
機粒子が占める体積(V1 )と前記小径及び大径無機繊
維が占める体積(V2 )との間に、V1 /V2 =0.5
〜2なる関係がある金属基複合材用プリフォームを提供
するものである。また、請求項5の発明は、前記無機粒
子が占める体積(V1 )と前記小径無機繊維及び大径無
機繊維が占める体積(V2 )が、V1 /V2 =0.5〜
2の関係にある金属基複合材用プリフォームを提供する
ものである。また、請求項6の発明は、更に、カーボン
繊維とカーボン粒子を共にあるいは一方を含み、且つア
ルミナ粒子を体積率7〜11%で含むことを特徴とする
請求項1〜5記載のいずれか1項に記載の金属基複合材
用プリフォーム。
ては、平均粒径が1〜50μmの範囲であり、金属マト
リックスの溶湯を多孔質構造体に含浸させる際の温度に
耐え得るものあれば特に制限されず、例えば、アルミニ
ウム、シリコン、チタン、ジルコニウム、マグネシウ
ム、ボロン、鉄等の金属酸化物、金属炭化物、金属窒化
物が挙げられる。これらは、1種あるいは2種以上を組
み合わせて使用される。具体的には、アルミナ粉末、ム
ライト粉末、コージェライト粉末、シリカ粉末等であ
る。但し、多孔質構造体であるプリフォームがシリンダ
ライナのように耐摩耗性を要求される場合には、それに
耐えうる無機粒子を選択することが好ましい。
は、平均繊維径が2〜5μmの範囲であり、平均繊維長
が10〜200μmの範囲であって、金属マトリックス
の溶湯を多孔質構造体に含浸させる際の温度に耐え得る
ものであれば特に制限されず、例えば、アルミナ繊維、
アルミナシリか繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミッ
ク繊維、ムライト繊維、石綿、ロックウールが挙げられ
る。これらは、1種あるいは2種以上を組み合わせて使
用される。
は、平均繊維径が4〜20μmの範囲であり、平均繊維
長が10〜200μmの範囲であり、金属マトリックス
の溶湯を多孔質構造体に含浸させる際の温度に耐え得る
ものであれば良く、上記小径無機繊維と同じものが使用
される。なお、小径無機繊維及び大径無機繊維は、無機
繊維であるが、耐熱性があれば良く、将来的には有機繊
維であることを妨げない。
を結合する結合材としては、熱処理によりこれらを結合
し、プリフォームとして必要な強度を得ることができる
ものであれば特に制限されないが、例えば、フリット等
の粉末状結合材、コロイダルシリカ、アルミナゾル等が
挙げられる。これらは、1種あるいは2種以上を組み合
わせて使用される。
繊維径(d1 )と前記大径無機繊維の平均繊維径
(d2 )は、2d1 <d2 の関係、好ましくは3d1 <
d2 の関係があることが好ましい。当該d1 とd2 がこ
の範囲外であると、無機繊維を小径無機繊維と大径無機
繊維に分けたことにより得られる上述の作用、効果が小
さくなり好ましくない。
ける空隙率は、50〜90%(多孔質構造体の体積分率
は10〜50%となる)の範囲が好ましい。50%未満
ではプリフォームの多孔質構造体に金属マトリックスを
含浸させることが困難になり、90%を越えるとプリフ
ォームの多孔質構造体自体の強度が不足する。
いて、前記無機粒子の体積V1 と前記小径無機繊維及び
大径無機繊維の体積V2 が、V1 /V2 =0.5〜2で
あることが好ましい。V1 /V2 が0.5未満である
と、最終的に得られる金属基複合材である強化金属材の
耐摩耗性が低下する傾向にある。無機粒子は主に小径無
機繊維により捕捉され、それにより耐摩耗性を向上させ
るため、V1 が小さくなることは耐摩耗性も低下するこ
とになる。逆に、V1 /V2 が2を越えると、無機粒子
が多過ぎてプリフォームを形成する際の吸引脱水成形性
が低下し、生産性が低下する。
いて、前記小径繊維及び大径無機繊維の合計体積量V2
中、前記小径無機繊維が占める体積Vs の比率100 ×V
s /V2 は、20〜80%が好ましく、特に50〜70
%が好ましい。この比率が20%未満であると、大径無
機繊維による繊維間空隙の存在が顕著になり、小径無機
繊維が少なくなって、プリフォームの形成時に無機粒子
を充分捕捉できなくなり、フィルタの目を詰め吸引脱水
成形性を低下させ、かつこの大径繊維間空隙に無機粒子
が密に充填されることになって金属マトリックスを含浸
させることを困難にする。逆に、この比率が80%を越
えると、小径無機繊維が多くなり、小径繊維間空隙(小
さな空隙)が多くなって吸引脱水成形性を低下させ、か
つ大径繊維間空隙による金属マトリックスの溶湯のし易
さの効果が得られない。
脱水成形性と金属マトリックス溶湯の含浸性は相関性を
有する。いずれにしても、比率100×Vs /V2 が2
0〜80%の範囲から外れると、プリフォームの形成時
の吸引脱水成形性が低下し、かつプリフォームの多孔質
構造体に金属マトリックスの溶湯がしずらくなり、繊維
強化金属材の鋳造時におけるプリフォームの圧縮変形率
(A)を増大させる結果となる。ここで、圧縮変形率A
は、鋳造前の多孔質構造体の厚み(T)と、鋳造後にお
ける多孔質構造体の厚み(Ta )の差(T−Ta =Δ
T)との百分率(%)で定義される(A=100 ×ΔT/
T)。
ムの好ましい例としては、アルミナ粒子を金属基複合材
用プリフォーム中、体積率で7〜11%含有し、且つカ
ーボン繊維及びカーボン粒子の双方又は一方を含有する
ものである。この場合、カーボン繊維は、小径繊維であ
っても、大径繊維であっても、また双方に使用するもの
であってもよい。これにより、シリンダライナとした場
合、必要とされる滑り性及び耐スカッフィング性能を共
に満足する。
リフォームの多孔質構造体を骨構造とし、その多孔質構
造体に金属マトリックスを含浸させることで作製され
る。該金属マトリックスとしては、アルミニウム、チタ
ン、マグネシウム、ニッケル、銅及びこれら各金属の合
金が挙げられ、このうち、アルミニウム合金が最も多く
使用される。すなわち、繊維強化金属材は、目的とする
特定形状に形成されたプリフォームにアルミニウム合金
等の金属マトリックスを含浸させて得られる。
繊維強化金属材は、以下のようにして作製される。先
ず、上記に記載の条件を満たすサイズの無機粒子、小径
無機繊維及び大径無機繊維を用意し、小径無機繊維と大
径無機繊維とはそれらの繊維径の間に2d1 <d2 の条
件を満たすものとする。且つ、これら無機粒子、小径無
機繊維及び大径無機繊維の配合は、50〜90%の空隙
率を有し、無機粒子の体積V1 と小径無機繊維及び大径
無機繊維の合計体積V2 はV1 /V2 =0.5〜2であ
り、上記V2 中、小径無機繊維が占める体積Vs の比率
100×Vs /V 2 が20〜80%である多孔質構造体
のプリフォームが得られる配合とする。
材を入れてスラリーを得る。このスラリーを目的とする
所定形状の型に入れ吸引脱水成形法により脱水し、更に
乾燥して所定形状の成形体を得、この成形体を焼成して
多孔質構造体である金属基複合材用プリフォームを得
る。また、繊維強化金属材をシリンダブロックのシリン
ダライナに適用する場合、このプリフォームをシリンダ
ブロックの鋳型内に配置して金属マトリックスであるア
ルミニウム合金の溶湯を流し込み、プリフォーム中にア
ルミニウム合金の溶湯を含浸させる。含浸が終了した
ら、冷却し鋳型から外せばシリンダブロックが得られ
る。このシリンダブロックは、シリンダライナ部分が多
孔質構造体であるプリフォームにより強化された繊維強
化金属材であり、しかも一体化されている。
説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限す
るものではない。
を得た。 (出発原料) ・無機粒子;平均粒径20μm のアルミナ粒子 ・小径無機繊維;平均繊維径3μm 、平均繊維長100 μ
m のアルミナシリカ繊維 ・大径無機繊維;平均繊維径10μm 、平均繊維長150
μm のガラス繊維 ・結合材;ガラスフリット及びアルミナゾル (配合)表1に示す配合割合(表中の数値は配合比率を
示す)で行い、プリフォームの体積分率は30%、無機
粒子体積(V1 )/小径無機繊維及び大径無機繊維の合
計体積(V2 )=1.0、固形分比5%とし、100
(%)×小径無機繊維体積(Vs )/小径及び大径無機
繊維体積(V2 )は10%、20%、50%、70%、
80%、90%の6種類の配合とした。
流し込み脱水して、105℃で乾燥して各配合の成形体
(直径100mm 、厚さ10mm) を得、この成形体を600℃
の温度で1時間焼成し、各配合の多孔質構造体のプリフ
ォームを得た。この多孔質構造体について、下記の濾水
性試験を行った。その結果を図1に示す。次に、この多
孔質構造体を円盤形状の鋳型内に配置して800℃のア
ルミニウム合金(JIS規格ADC12)の溶湯を流し込み、100
0kg/cm2の圧力で加圧して多孔質構造体中にアルミニウ
ム合金の溶湯を含浸させ多孔質構造体により強化された
各配合の繊維強化金属材を得た。この繊維強化金属材に
ついて、鋳造前の多孔質構造体の厚み(T)と、鋳造後
における多孔質構造体の厚み(Ta )とを測定し、前記
定義の圧縮変形率A=100(T−Ta )/Tを算定し
た。その結果を図2に示す。
Lを減圧度−600mmHg下、細孔径300μm のフィル
ターを通して吸引脱水する際、水分量10%にまで脱水
するまでの濾水時間(秒)で表す。従って、濾水時間が
長いものは濾水性が悪いことを意味する。
%の場合、最も濾水時間が短く、10%、90%になる
と急激に濾水時間が長くなる。このことから、濾水性に
関し、100 ×(Vs /V2)値は20〜80%が最適の範囲で
あることが判る。また、図2から、100 ×(Vs /V2)が5
0%、70%のものが最も圧縮変形率が少なく、10
%、20%、90%のものは圧縮変形率が大きい。この
ことから、圧縮変形率に関しても、100 ×(Vs /V2)値は
20〜80%が最適の範囲であることが判る。
径無機繊維体積(V2)値は50%とし、無機粒子体積(V1)
/小径無機繊維及び大径無機繊維体積(V2)の比率は、
0.3、0.5、1.0、1.5及び2.0の5種類の
配合とした以外は、実施例1と同様の方法で行った。得
られた繊維強化金属材について、以下に示す摩耗性試験
を行った。その結果を図3に示す。また、配合表(表中
の数値は配合比率を示す)は表2に示す。
の表面にピン状の相手材を荷重50kgf で圧接させ、接
触部に潤滑油を1ml/ 分で供給しながら、ストローク5
0mm、速度200サイクル/分の条件で2時間往復動さ
せ、その時のMMCの摩耗量を測定する。
最も摩耗量が少なく、次いで、2.0、1.0のものが
少なく、0.3の場合、急激に摩耗量が増える。これか
ら、V1/V2 値は0.5〜2が最適の範囲であることが判
る。
を得た。 アルミナ粒子(平均粒径20μm ) 35重量部 アルミナシリカ繊維(平均繊維径3μm 、平均繊維長100μm )10重量部 ガラス繊維(平均繊維径10μm 、平均繊維長150μm ) 20重量部 カーボン繊維(平均繊維径10μm 、平均繊維長60μm 、シリン ダライナ部に求められる滑り性を確保するために使用した。) 10重量部 ガラスフリット(結合材) 20重量部 アルミナゾル(結合材) 5重量部
水成形法により脱水してプリフォームを得、次いで繊維
強化金属材とする方法は実施例1と同様の方法で行っ
た。また、実施例2と同様の摩耗試験を行った。なお、
摩耗試験ではピン状の相手材がクロムメッキリング材の
場合と窒化リング材の場合のそれぞれについて摩耗量を
測定した。その結果、クロムメッキリング材及び窒化リ
ング材の双方共に、MMCの摩耗量は約1μm と少なか
った。
作製する以外は、実施例3と同様の方法で繊維強化金属
材を得た。また、同様に摩耗試験を行った。その結果、
クロムメッキリング材及び窒化リング材の双方共に、M
MCの摩耗量は約1μm と少なかった。
作製する以外は、実施例3と同様の方法でシリンダブロ
ックを得た。また、同様に摩耗試験を行った。その結
果、クロムメッキリング材及び窒化リング材の双方共
に、MMCの摩耗量は約1μm と少なかった。
材料の一部を無機粒子で置き換えたものでありながら、
プリフォームを容易に作製でき、また、プリフォームへ
の金属マトリックスの溶湯を容易に行うことができ、コ
ストパフォーマンスに優れたものとすることができる。
また、この多孔質構造体を使用して作製された繊維強化
金属材は、当該多孔質構造体を使用するため、鋳造中の
不都合がなく鋳造し易さからコストパフォーマンスに優
れ、しかも無機粒子の関与により耐摩耗性にも優れたも
のとなる。
100(%)×V s /V2 の比率と濾水時間との関係を示す特性
図である。
100(%)×V s /V2 の比率と鋳造時の多孔質構造体の圧縮
変形率との関係を示す特性図である。
V1/V2 の比率と各比率の多孔質構造体から得られた強化
金属材の磨耗量との関係を示す特性図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 平均粒径が1〜50μmの無機粒子と、
平均繊維径が2〜5μmで平均繊維長が10〜200μ
mであり、成形体の形成時に前記無機粒子を主に捕捉す
ると共に分散させる小径無機繊維と、平均繊維径が4〜
20μmで平均繊維長が10〜200μmであり、前記
成形体の形成時に前記小径無機繊維と共同して空隙を作
りだす大径無機繊維と、を具備してなることを特徴とす
る金属基複合材用プリフォーム。 - 【請求項2】 前記小径無機繊維の平均繊維径(d1 )
と前記大径無機繊維の平均繊維径(d2 )が、2d1 <
d2 の関係にある請求項1記載の金属基複合材用プリフ
ォーム。 - 【請求項3】 前記多孔質構造体の空隙率が、50〜9
0%である請求項1又は2記載の金属基複合材用プリフ
ォーム。 - 【請求項4】 前記無機粒子が占める体積(V1 )と前
記小径無機繊維及び大径無機繊維が占める体積(V2 )
が、V1 /V2 =0.5〜2の関係にある請求項1〜3
のいずれか1項に記載の金属基複合材用プリフォーム。 - 【請求項5】 前記小径無機繊維及び大径無機繊維が占
める体積(V2 )中、前記小径無機繊維が占める体積
(Vs )の比率(100×Vs /V2 )が、20〜80
%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属基複
合材用プリフォーム。 - 【請求項6】 更に、カーボン繊維とカーボン粒子を共
にあるいは一方を含み、且つアルミナ粒子を体積率7〜
11%で含むことを特徴とする請求項1〜5記載のいず
れか1項に記載の金属基複合材用プリフォーム。
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JP16511699A JP3547077B2 (ja) | 1999-06-11 | 1999-06-11 | 金属基複合材用プリフォームの製造方法 |
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