JP2000352034A - 緑化コンクリートブロック及びコンクリート二次製品 - Google Patents

緑化コンクリートブロック及びコンクリート二次製品

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JP2000352034A
JP2000352034A JP11167115A JP16711599A JP2000352034A JP 2000352034 A JP2000352034 A JP 2000352034A JP 11167115 A JP11167115 A JP 11167115A JP 16711599 A JP16711599 A JP 16711599A JP 2000352034 A JP2000352034 A JP 2000352034A
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Hideo Mizuno
英雄 水野
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勝己 高田
Yukio Asano
幸男 浅野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境保全及び景観調和という環境面の要求と
遮水機能等の機能面の要求とを両立する。 【解決手段】 普通コンクリート層10及びポーラスコ
ンクリート層20の二層構造とし、普通コンクリート層
10により遮水性を発揮する。ポーラスコンクリート層
20には長溝凹部状をなすポット部25,25Aを設け
る。ポーラスコンクリート層20の空隙22及びポット
部25,25Aに下層植生基盤31の土壌を充填すると
共に、表層植生基盤32の土壌をその上から充填し、そ
れらの土壌に植生33の根系を保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポーラスコンクリ
ートにより土壌及び植物の根系の保持を行うようにした
緑化コンクリートブロックに関するものであり、特に、
大河川の高水護岸を緑化するのに好適な緑化コンクリー
トブロックに関する。また、本発明は、このような緑化
コンクリートブロックの構成要素として使用可能なコン
クリート二次製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題への関心の高まりと共
に、社会資本整備の動向として、うるおいやゆとりに配
慮した施策が重要視されつつある。即ち、土木工事にお
いて、自然環境及び景観の保全を重視した施策が今後益
々増加する傾向にあり、自然植生の復元、生態系保全、
新しい緑の場の創造等に関する種々の技術が提言されて
いる。河川の場合では、自然との共生や地域住民への憩
いの場の提供を目的として、「多自然型川づくり」を目
指した技術が提言及び試行されている。また、河川以外
の場合でも、道路工事または住宅地造成工事等の土木工
事において、自然環境及び景観に配慮した技術が提言及
び試行されている。
【0003】多自然型川づくりの一例としては、河川護
岸の法張りコンクリート面の上に多量の盛土(覆土)を
して植生基盤を設け、その植生基盤に草本植物等の植生
を保持及び栽培して緑化する技術がある。また、この緑
化技術では、出水時に覆土や植生が侵食したり流出し
て、コンクリート護岸が露出する可能性があるため、植
生基盤として多硬質コンクリートであるポーラスコンク
リートを使用した緑化技術もある。この緑化技術では、
河川護岸のコンクリート面にポーラスコンクリートを層
状に固定し、その上に更に覆土を層状に設けて植生基盤
を構成し、その植生基盤により植生を保持及び栽培して
緑化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、河川護
岸の緑化技術において、覆土層のみから植生基盤を構成
した緑化技術は、周辺景観との調和を図り、自然環境に
優しいという利点があるため、主に低水護岸の緑化に採
用される。また、この緑化技術は、堤防として機能する
高水護岸にも採用されることがある。しかし、この緑化
技術を単独で高水護岸に採用した場合、洪水等の出水時
における堤防の侵食、漏水の抑制という機能面において
理想的ではない。即ち、この緑化技術は、環境及び景観
面と機能面とを両立した技術とは言えない。よって、こ
の緑化技術は、既設のコンクリート護岸に覆土を設ける
ことにより実施されている。しかし、この場合、出水時
に覆土層が容易に侵食及び洗掘され、コンクリート護岸
が露出したり、植生が流出するといった可能性があり、
覆土層及び植生の修復が必要となる。また、この緑化技
術は、植生基盤に多量の覆土を必要とする。更に、多量
の覆土により、河川の流水断面が小さくなることから、
河川流量の減少を招き、そのための対策が必要となり、
コストが増加する。特に、流水断面が小さな中小河川で
はこの問題が顕著となる。
【0005】また、ポーラスコンクリート層及び覆土層
の二層構造の植生基盤を利用した緑化技術は、上記のよ
うな事態は防止できるものの、構造上、覆土層の厚みま
たは量が十分でなく、また、ポーラスコンクリート層中
の土壌量も十分確保することができない。したがって、
植生への水分供給及び施肥が十分でなく、植生を長期間
維持することができずに、追肥や定期的な給水が必要と
なる可能性がある。しかし、通常、緑化は極めて広範囲
に行われるため、人工潅水は困難である。また、追肥等
のメンテナンスが煩雑となり、コストが上昇する可能性
がある。特に、設置場所である河川護岸は、日射や風に
よる昇温や乾燥が考えられ、植生にとって更に厳しい生
育条件となるため、この問題が顕著となる。
【0006】そこで、本発明は、十分な土壌量確保を通
した緑化維持による環境保全及び景観調和という環境面
の要求と、流水に対する遮水機能または表層土侵食防止
機能等の機能面の要求とを両立することができ、かつ、
メンテナンスが基本的に不要で、コストを低減すること
ができる緑化コンクリートブロック、並びに、このよう
な緑化コンクリートブロックに使用可能なコンクリート
二次製品の提供を課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る緑化コン
クリートブロックは、遮水性を有する遮水層に積層さ
れ、粗骨材間に空隙を形成すると共に、その表面側で開
口する凹部状をなすポット部を有するポーラスコンクリ
ート層と、少なくとも前記ポーラスコンクリート層の空
隙及び前記ポット部に充填した土壌と、前記土壌に根系
を保持した植生とを具備する。
【0008】したがって、請求項1の緑化コンクリート
ブロックは、表面で植生が生育し、河川護岸等の敷設場
所を緑化して環境保全を行うと共に、周囲の景観と調和
する。このとき、ポーラスコンクリート層の空隙に加
え、ポット部に十分な量の土壌が充填され、その土壌に
十分な量の肥料及び水等、植生の維持に必要な養分及び
水分を保持することができる。また、ポーラスコンクリ
ート層のポット部は、凹部状をなすため、土壌を安定し
て保持し、土壌の移動を阻止する。一方、例えば、雨
水、地表流下水または河川の流水等により請求項1の緑
化コンクリートブロック表面に水圧が加わる場合でも、
ポット部により土壌の侵食を効果的に防止することがで
きる。なお、請求項1の緑化コンクリートブロックは、
高水護岸等、遮水性が要求される用途に使用した場合、
ポーラスコンクリート層の裏面側に遮水層が存在するた
め、その遮水層が遮水性を発揮し、洪水等の出水時にお
ける堤防法面の侵食、漏水等を防止する。
【0009】請求項2に係る緑化コンクリートブロック
は、請求項1の構成において、前記ポット部の底面側に
遮水性の貯水部を設けたものである。
【0010】したがって、請求項1の作用に加えて、ポ
ット部の底面側に遮水性の貯水部が存在し、その上端を
超えない範囲内で、内部に水を貯水自在となる。一方、
貯水部の上端を超える量の水は、ポーラスコンクリート
層を介して外部に排水される。特に、法面または傾斜面
に敷設した場合に、貯水部が無ければそのまま流下する
であろう水を、貯水部の下側の側面で遮断して貯溜する
ことができる。
【0011】請求項3に係る緑化コンクリートブロック
は、粗骨材間に空隙を形成すると共に、その表面側で開
口する凹部状をなすポット部を有するポーラスコンクリ
ート層と、少なくとも前記ポーラスコンクリート層の空
隙及び前記ポット部に充填した土壌と、前記土壌に根系
を保持した植生とを具備する。そして、前記ポット部を
前記ポーラスコンクリート層の左右方向に延びる長溝凹
部状とすると共に、複数のポット部を前記ポーラスコン
クリート層の前後方向に所定間隔で並べて配置して、前
記ポット部間を突部からなる梁構造としたものである。
【0012】したがって、請求項3の緑化コンクリート
ブロックは、表面で植生が生育し、河川護岸等の敷設場
所を緑化して環境保全を行うと共に、周囲の景観と調和
する。このとき、ポーラスコンクリート層の空隙に加
え、ポット部に十分な量の土壌が充填され、その土壌に
十分な量の肥料及び水等、植生の維持に必要な養分及び
水分を保持することができる。また、ポーラスコンクリ
ート層のポット部は、凹部状をなすため、土壌を安定し
て保持し、土壌の移動を阻止する。一方、例えば、雨
水、地表流下水または河川の流水等により請求項3の緑
化コンクリートブロック表面に水圧が加わる場合でも、
ポット部により土壌の侵食を効果的に防止することがで
きる。
【0013】更に、請求項3の緑化コンクリートブロッ
クでは、少なくともポット部及びポーラスコンクリート
層の空隙に土壌を充填するが、この場合、緑化コンクリ
ートブロックとしては、梁構造の突部の露出面のみが太
陽光からの入熱を受ける。よって、その入熱は、梁構造
の突部の露出面のみからポーラスコンクリート層の内部
に伝達される。
【0014】また、請求項3の緑化コンクリートブロッ
クの表面側全体を更に土壌で覆うこともあるが、この場
合に、たとえ、雨水または地表流下水による侵食等によ
り表面側の土壌が流出した場合でも、それ以上の土壌の
流出はポット部により防止され、上記のように、梁構造
の突部のみが露出する。そして、緑化コンクリートブロ
ックとしては、梁構造の突部の露出面のみが太陽光から
の入熱を受ける。よって、その入熱は、梁構造の突部の
露出面のみからポーラスコンクリート層の内部に伝達さ
れる。
【0015】請求項4に係る緑化コンクリートブロック
は、請求項3の構成において、前記ポーラスコンクリー
ト層の前端または後端に位置する前記ポット部の前端ま
たは後端を開放したものである。
【0016】したがって、請求項3の作用に加え、複数
の緑化コンクリートブロックを連接する場合に、隣接す
る緑化コンクリートブロックの前後方向の接合端には、
前記前端または後端を開放するポット部が位置すること
になる。よって、それらの接合端においては、前記梁構
造の突部が存在せずポット部が存在する。
【0017】請求項5に係る緑化コンクリートブロック
は、遮水性を有する普通コンクリート層と、前記普通コ
ンクリート層に一体的に積層形成され、粗骨材間に空隙
を形成すると共に、その表面側で開口する凹部状をなす
ポット部を有するポーラスコンクリート層と、少なくと
も前記ポーラスコンクリート層の空隙及び前記ポット部
に充填した土壌と、前記土壌に根系を保持した植生とを
具備する。
【0018】したがって、請求項5の緑化コンクリート
ブロックは、表面で植生が生育し、河川護岸等の敷設場
所を緑化して環境保全を行うと共に、周囲の景観と調和
する。このとき、ポーラスコンクリート層の空隙に加
え、ポット部に十分な量の土壌が充填され、その土壌に
十分な量の肥料及び水等、植生の維持に必要な養分及び
水分を保持することができる。また、ポーラスコンクリ
ート層のポット部は、凹部状をなすため、土壌を安定し
て保持し、土壌の移動を阻止する。一方、例えば、雨
水、地表流下水または河川の流水等により請求項5の緑
化コンクリートブロック表面に水圧が加わる場合でも、
ポット部により土壌の侵食を効果的に防止することがで
きる。同時に、請求項5の緑化コンクリートブロック
は、高水護岸等、遮水性が要求される用途に使用した場
合、普通コンクリート層が遮水性を発揮し、洪水等の出
水時における堤防法面の侵食、漏水を防止する。
【0019】請求項6に係る緑化コンクリートブロック
は、請求項5の構成において、前記ポット部を、前記ポ
ーラスコンクリート層を貫通して前記普通コンクリート
層内まで延びるようにし、その下部に前記普通コンクリ
ート層による遮水性の貯水部を設けたものである。
【0020】したがって、請求項5の作用に加えて、ポ
ット部の下部が遮水性の貯水部を構成し、その上端を超
えない範囲内、即ち、ポーラスコンクリート層と普通コ
ンクリート層との境界線までの範囲内で、内部に水を貯
水自在となる。一方、貯水部の上端を超える量の水は、
ポーラスコンクリート層を介して外部に排水される。特
に、法面または傾斜面に敷設した場合に、貯水部が無け
ればそのまま流下するであろう水を、貯水部の下側の側
面で遮断して貯溜することができる。
【0021】請求項7に係る緑化コンクリートブロック
は、請求項1,5及び6のいずれかの構成において、前
記ポット部を前記ポーラスコンクリート層の左右方向に
延びる長溝凹部状とすると共に、複数のポット部をポー
ラスコンクリート層の前後方向に所定間隔で並べて配置
して、前記ポット部間を突部からなる梁構造としたもの
である。
【0022】したがって、請求項1,5及び6のいずれ
かの作用に加え、緑化コンクリートブロックでは、少な
くともポット部及びポーラスコンクリート層の空隙に土
壌を充填するが、この場合、緑化コンクリートブロック
としては、梁構造の突部の露出面のみが太陽光からの入
熱を受ける。よって、その入熱は、梁構造の突部の露出
面のみからポーラスコンクリート層の内部に伝達され
る。
【0023】また、緑化コンクリートブロックの表面側
全体を更に土壌で覆うこともあるが、この場合に、たと
え、雨水または地表流下水による侵食等により表面側の
土壌が流出した場合でも、それ以上の土壌の流出はポッ
ト部により防止され、上記のように、梁構造の突部のみ
が露出する。そして、緑化コンクリートブロックとして
は、梁構造の突部の露出面のみが太陽光からの入熱を受
ける。よって、その入熱は、梁構造の突部の露出面のみ
からポーラスコンクリート層の内部に伝達される。
【0024】請求項8に係る緑化コンクリートブロック
は、請求項1,5,6,7のいずれかの構成において、
前記ポット部の底面に保水シートを配置したものであ
る。
【0025】したがって、請求項1,5,6,7のいず
れかの作用に加え、保水シートが保水性を発揮し、土壌
全体の保水量を増大する。また、保水シートは薄く、ス
ペースをほとんど必要としないため、ポット部内の充填
土壌量に影響を与えることが無い。更に、かかる保水シ
ートは、取扱いも便利である。
【0026】請求項9に係る緑化コンクリートブロック
は、請求項1,5,6,7,8のいずれかの構成におい
て、前記ポーラスコンクリート層の空隙及び前記ポット
部内に充填した前記土壌の上に、更に、表層植生基盤を
構成する土壌を充填すると共に、前記ポーラスコンクリ
ート層の上面に前記表層植生基盤の移動を抑制する移動
抑制手段を設けたものである。
【0027】したがって、請求項1,5,6,7,8の
いずれかの作用に加え、表層植生基盤の土壌が緑化コン
クリートブロックの上面全体を覆い、ポーラスコンクリ
ート層の空隙内及びポット部内の土壌と共に植生の生育
基盤を構成する。一方、雨水、地表流下水、河川の流水
等から緑化コンクリートブロック上面の表層植生基盤に
加えられる力に対しては、ポーラスコンクリート層の移
動抑制手段が抵抗し、表層植生基盤の移動を抑制する。
【0028】請求項10に係る緑化コンクリートブロッ
クは、請求項1,5,6,7,8,9のいずれかの構成
において、前記植生を生分解性の有機質材料からなるポ
ットで予め栽培し、前記ポットと共に前記ポット部に挿
入して定着させたものである。
【0029】したがって、請求項1,5,6,7,8,
9のいずれかの作用に加えて、例えば、圃場等で所定の
植物種を播種及び育苗または挿し木等の植栽により栽培
することにより、植生を鉢植え状態で予め生産すること
ができ、ポット部にそのままの状態で挿入して定着させ
ることができる。
【0030】一方、植生を生産場所からポーラスコンク
リート層のポット部に移植したときに、その植物根をポ
ット内部の多量の土壌で被覆する。また、植生の植え付
け後に一定時間が経過すると、土壌微生物等の生分解作
用により、有機質材料からなるポットが分解し、土壌と
一体化する。そして、ポット内部の土壌と外部の土壌
(ポーラスコンクリート層中の土壌等)とが一体化す
る。更に、ポットは、生分解後または腐植後には有害物
として残ることがない。
【0031】請求項11に係るコンクリート二次製品
は、遮水性を有する普通コンクリート層と、前記普通コ
ンクリート層に一体的に積層形成され、粗骨材間に空隙
を形成すると共に、その表面側で開口する凹部状をなす
ポット部を有するポーラスコンクリート層とを具備す
る。
【0032】したがって、河川護岸等の緑化が必要とさ
れる場合に、少なくともポーラスコンクリート層の空隙
及びポット部に土壌を充填し、その土壌に植生の根系を
保持することにより、請求項11に係るコンクリート二
次製品を緑化コンクリートブロックとして使用すること
ができる。この緑化コンクリートブロックは、請求項5
の緑化コンクリートブロックと同様の構成となり、同様
の作用を奏する。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一
の要素には同一の参照符号を付してその説明を省略す
る。
【0034】図1は本発明の実施の形態1に係る緑化コ
ンクリートブロックの敷設状態を示す断面図である。図
2は本発明の実施の形態1に係る緑化コンクリートブロ
ックの平面図であり、ポット部に土壌を充填する前の状
態を示す。図3は図2のX−X線断面図であり、図2の
緑化コンクリートブロックをポット部の長さ方向に沿っ
て左右に切断した状態を示す。図4は図2のY−Y線断
面図であり、図2の緑化コンクリートブロックを前後に
切断した状態を示す。図5は図4のZ−Z線断面図であ
り、図4の緑化コンクリートブロックを普通コンクリー
ト層とポーラスコンクリート層の境界面に沿って切断し
た状態を示す。図6は本発明の実施の形態1に係る緑化
コンクリートブロックの斜視図であり、ポット部に土壌
を充填する前の状態を示す。
【0035】図1及び図2に示すように、実施の形態1
の緑化コンクリートブロックは、遮水層としての普通コ
ンクリート層10と、ポーラスコンクリート層20とを
有し、全体として略矩形平板状をなしている。普通コン
クリート層10は、セメント、細骨材、粗骨材等より、
必要な強度及び遮水性を有する略矩形平板状に形成され
ている。一方、ポーラスコンクリート層20は、多孔質
コンクリートであり、砂利等の不規則形状の粗骨材21
をセメントペースト等の結合材で結合することにより、
普通コンクリート層10に対応する略矩形平板状に形成
される。そして、ポーラスコンクリート層20の内部で
は、粗骨材21間に多数の不規則形状の空隙22が形成
されている。なお、ポーラスコンクリート層20は、細
骨材を含ませて形成する場合もある。ポーラスコンクリ
ート層20の空隙率は、全体の強度、土壌充填率等を考
慮して決定する。
【0036】また、図3〜図5に示すように、普通コン
クリート層10の上面側は、突部11A,11B,11
Cからなる梁構造とされている。即ち、普通コンクリー
ト層10の上面側には、その左右両端に沿って前後(図
5中上下方向)に延びるよう突部11Aが形成されると
共に、その後端に沿って左右に延びるよう突部11Bが
形成されている。また、左右の突部11A間には、前後
に所定間隔を置いて左右に延びるよう、合計3個の突部
11Cが形成されている。これにより、突部11A,1
1B,11C間には、左右方向に延びる長溝状の貯水部
12が形成されている。突部11A,11B,11Cは
断面略台形状とされ、これに対応して、貯水部12は断
面略逆台形状となっている。そして、貯水部12は、普
通コンクリート層10により遮水性を付与され、その断
面の範囲内で内部に水を貯溜自在となっている。
【0037】普通コンクリート層10には補強用の主鉄
筋13及び配力鉄筋14が縦横に埋設されている。ま
た、普通コンクリート層10の左右両端の接合面となる
垂直側面には、前後及び中央の3個所に、内部に向かっ
て左右方向に延びる円筒状のスリーブ15が形成されて
いる。
【0038】図2〜図4に示すように、ポーラスコンク
リート層20は、普通コンクリート層10の突部11
A,11B,11Cの上面全体に連続して一体的に積層
形成され、突部11A,11B,11Cの全体形状に対
応する梁構造を有している。即ち、ポーラスコンクリー
ト層20は、その左右両端で突部11Aに対応して前後
に延びる突部23Aと、その後端で突部11Bに対応し
て左右に延びる突部23Bとを備えている。また、ポー
ラスコンクリート層20は、突部11Cに対応して、突
部23A間で前後に所定間隔を置いて左右に延びる3個
の突部23Cを備えている。これにより、ポーラスコン
クリート層20の突部23A,23B,23C間には、
左右方向に延びる長孔状の開口部24が形成される。突
部23A,23B,23Cの断面は、突部11A,11
B,11Cに連続する略台形状とされ、これに対応し
て、開口部24の断面は、前記貯水部12に連続する略
逆台形状となっている。
【0039】実施の形態1では、前記貯水部12及び開
口部24により、ポーラスコンクリート層20の表面側
で開口する長溝凹部状をなすポット部25が形成されて
いる。即ち、このポット部25は、ポーラスコンクリー
ト層20を貫通して普通コンクリート層10内の途中ま
で延び、その下部に普通コンクリート層10による遮水
性の貯水部12を有するものである。また、ポット部2
5は、貯水部12及び開口部24の形状に対応して、断
面を略逆台形状とし、左右に延びる長溝凹部状をなして
いる。
【0040】なお、普通コンクリート層10及びポーラ
スコンクリート層20の前端は、突部が形成されず、開
放端とされている。しかし、普通コンクリート層10の
前端の開放端部も同様の遮水性を有しているため、例え
ば、図1に示すように、法面または傾斜面に敷設したと
きには、普通コンクリート層10の前端側の突部11C
と前端の開放端部底面との間の角部に、貯水部12と同
様の遮水機能を有する貯水部12Aが形成される。ま
た、隣接する緑化コンクリートブロックのポーラスコン
クリート層20間に、開口部24と同様の開口部24A
が形成され、その貯水部12A及び開口部24Aにより
ポット部25Aが形成されることになる。本実施の形態
では、普通コンクリート層10及びポーラスコンクリー
ト層20の前端に位置するポット部25Aの前端を開放
し、開放端としている。なお、普通コンクリート層10
及びポーラスコンクリート層20の後端に位置するポッ
ト部25の後端を開放してもよい。
【0041】ポーラスコンクリート層20のポット部2
5,25A及びポーラスコンクリート層20の空隙22
には土壌が充填され、下層植生基盤31を構成してい
る。また、下層植生基盤の上には更に土壌が所定厚みで
全体を覆うよう充填され、表層植生基盤32を構成して
いる。下層植生基盤31及び表層植生基盤32には植生
33の根系を定着及び保持させている。
【0042】実施の形態1の緑化コンクリートブロック
を製造するには、まず、図2または図6に示す全体形状
に対応する形状の型内の底部に、ポーラスコンクリート
層20のコンクリート材料を充填し、その上に普通コン
クリート層10の主筋14及び配力筋15を配置する。
そして、その上から普通コンクリート層10のコンクリ
ート材料を充填し、養生して固化する。これにより、図
5に示す形状の普通コンクリート層10が形成され、図
2または図6に示すブロック形状の成形物を得る。な
お、成形方法は上記以外の方法を採用することも無論可
能である。
【0043】更に、ポーラスコンクリート層20の空隙
22に土壌を充填すると共に、ポット部25にも土壌を
充填し、下層植生基盤31を形成する。同様に、ポーラ
スコンクリート層20の上面にも土壌を充填し、表層植
生基盤32を形成する。そして、その表層植生基盤32
に播種により種子を混ぜ込み、育苗して、所望の植生3
3を定着及び保持させる。或いは、ポーラスコンクリー
ト層20のポット部25に、苗木の植栽等により、植生
33を定着及び保持させる。これにより、図1に示す緑
化コンクリートブロックが完成する。
【0044】ここで、下層植生基盤31の土壌及び表層
植生基盤32の土壌は、同時に充填してもよく、別個に
充填してもよい。別個に充填する場合、例えば、ポーラ
スコンクリート層20の空隙22及びポット部25,2
5Aに土壌を充填して下層植生基盤31を形成し、その
上から土壌を所定の厚み充填して表層植生基盤32を形
成する。また、下層植生基盤31の土壌と表層植生基盤
32の土壌とは、同一の土壌を使用してもよく、別個の
土壌を使用してもよい。更に、下層植生基盤31におい
て、ポーラスコンクリート層20の空隙22内の土壌と
ポット部25,25A内の土壌とは、それぞれ、別個の
土壌としてもよく、同一の土壌を使用してもよい。しか
し、土壌充填作業の効率等の点からは、同一の土壌とす
ることが好ましい。
【0045】そして、土壌としては、自然土壌及び人為
土壌のいずれを使用してもよい。また、土壌には予め肥
料を含有することが好ましい。下層植生基盤31及び表
層植生基盤32の土壌には、リン酸、カリ等の肥料分を
所定割合で含む所定の化学性を有するものであれば、任
意のものを使用することができ、土木工事の現場で発生
する現場発生土を使用することもできる。
【0046】次に、実施の形態1に係る緑化コンクリー
トブロックの使用方法(敷設方法)を説明する。
【0047】実施の形態1に係る緑化コンクリートブロ
ックは、河川護岸、道路擁壁、各種法面等に多数敷設さ
れ、敷設対象面を緑化する。特に、実施の形態1の緑化
コンクリートブロックは、河川の高水護岸または堤防護
岸に使用される。この場合、緑化コンクリートブロック
は、敷設対象面として、護岸の表法面等の上に、多数密
接して配置される。このとき、緑化コンクリートブロッ
クは、左右両端のスリーブ15を介して吊り下げ支持
し、敷設対象面の所定位置に配置することができる。ま
た、このとき、密接配置した緑化コンクリートブロック
を、そのスリーブが互いに左右に対向するよう配置す
る。こうすると、スリーブと同一径の棒状締結具(接合
ピン、接合ボルト等)を対向する一対のスリーブに挿入
して、隣接する緑化コンクリートブロックを、互いに位
置決めした状態で左右に連結することができる。なお、
隣接する緑化コンクリートブロックは、その対向する側
面をモルタル等により接着して互いに接合及び連結して
もよい。これにより、多数の緑化コンクリートブロック
は、互いに一体的に接合及び連結され、その自重により
敷設対象面に安定して保持される。なお、これ以外に
も、緑化コンクリートブロックの接合方法としては、通
常のコンクリートブロック張り工の場合と同様の接合方
法を使用することができる。
【0048】上記緑化コンクリートブロックの用途とし
ては、河川護岸の他、道路擁壁、法面等がある。また、
その敷設状態(敷設対象面)としては、法張りコンクリ
ート等の現場打ちコンクリート、間知ブロック等のプレ
キャストコンクリート、その他、切土、盛土等がある。
更に、法面に敷設する場合、緩勾配、急勾配のいずれの
法面にも使用することができる。
【0049】このように敷設対象面に配置した緑化コン
クリートブロックは、その表面で植生33が栽培されて
生育し、敷設対象面を緑化する。その結果、河川護岸等
の敷設対象面の環境保全を行うことができると共に、周
囲の景観と調和する。また、植生33及び表層植生基盤
32が、ポーラスコンクリート層20を覆い隠すため、
そのコンクリート質が外から見えず、より自然と適合し
た、人に優しい雰囲気を醸し出す。
【0050】このとき、実施の形態1に係る緑化コンク
リートブロックは、下層植生基盤31において、ポーラ
スコンクリート層20の空隙22の土壌に加え、ポット
部25,25Aに十分な量の土壌が充填及び確保され
る。また、ポーラスコンクリート層20上にも、表層植
生基盤32として十分な量の土壌が充填及び確保され
る。よって、それらの土壌に十分な量の肥料及び水等、
植生33の維持に必要な養分及び水分を保持することが
できる。その結果、保肥力の大きい、養分供給量の十分
な生育基盤を形成することができる。そして、特別なメ
ンテナンスを必要とすることなく、植生33に十分な給
肥及び給水を行うことができ、長期にわたって植生33
を維持することができる。即ち、実施の形態1の緑化コ
ンクリートブロックは、敷設後において植生33を維持
するためのメンテナンス及びコストが基本的に不要とな
り、コストを低減することができる。
【0051】一方、ポット部25,25Aは、長溝凹部
状をなすため、内部に充填した土壌を安定して保持し、
充填土壌の移動を阻止することができる。その結果、例
えば、雨水、地表流下水、または河川の流水等により緑
化コンクリートブロック表面に水圧が加わる場合でも、
ポット部25,25Aにより充填土壌の侵食を効果的に
防止することができる。即ち、ポット部25,25Aに
より、河川護岸または道路擁壁等の法面Gにおける雨
水、流水等の衝撃力を緩和し、減殺することができる。
また、実施の形態1の緑化コンクリートブロックを法面
Gに敷設した場合、ポーラスコンクリート層20自体
が、法面G自体の侵食、崩壊及び滑落等の不具合を防止
する。そして、このような緑化コンクリートブロックを
河川護岸、道路擁壁等に敷設することにより、環境保全
及び緑化促進に貢献することができる。
【0052】特に、複数の緑化コンクリートブロックを
連接する場合に、隣接する緑化コンクリートブロックの
前後方向の接合端には、前記前端または後端を開放する
ポット部25Aが位置することになる。よって、それら
の接合端においては、前記梁構造の突部が存在せずポッ
ト部25Aが存在する。その結果、緑化コンクリートブ
ロックの接合境界部においても、ポット部25Aにより
十分な量の土壌を充填することができる。
【0053】また、このように配置した緑化コンクリー
トブロックは、普通コンクリート層10が、必要かつ十
分な遮水性を有し、敷設対象面としての河川護岸等に敷
設した場合に、洪水時の流水等による堤体の洗掘、侵
食、または堤体からの漏水等を確実に防止し、所期の護
岸機能を十分に発揮する。例えば、洪水時等において、
河川の流水が高水敷を超えて高水護岸に達するときで
も、その流水は普通コンクリート層10により遮断さ
れ、堤体内部に進入して浸透水となり堤体を脆弱化する
等の不具合を生じることはない。
【0054】その結果、実施の形態1に係る緑化コンク
リートブロックを高水護岸等の高い遮水性が要求される
流水構造物または湛水構造物に適用した場合、堤防保
護、河岸決壊防止及び河道固定等の本来の治水機能を十
分に発揮することができる。
【0055】即ち、実施の形態1の緑化コンクリートブ
ロックは、環境保全及び景観調和という環境面と遮水性
等の機能面とを両立することができる。
【0056】また、上記のように遮水性を有する普通コ
ンクリート層10は、下層植生基盤31及び表層植生基
盤32の土壌中の水や養分が下方に散逸するのを防ぎ、
充填土壌中の水分及び養分保持に貢献する。更に、普通
コンクリート層10は、ポーラスコンクリート層20の
空隙22への土壌充填時、輸送時、敷設時等において、
各植生基盤31,32の充填土壌の流出を防止する。
【0057】更に、普通コンクリート層10は、緑化コ
ンクリートブロック自体の強度を増大する。加えて、普
通コンクリート層10は、後述するように、ポーラスコ
ンクリート層20の粗骨材としてALC骨材を使用した
場合に、緑化コンクリートブロック自体の重量(比重)
をコントロールすることができる。例えば、河川護岸
等、ある程度の重量(比重)を必要とする場所に敷設す
る場合に、緑化コンクリートブロックの重量(比重)を
増加し、敷設後の安定性を向上することができる。
【0058】図7は実施の形態1に係る緑化コンクリー
トブロックの貯水部による貯水機能を示す部分断面図で
ある。
【0059】実施の形態1に係る緑化コンクリートブロ
ックでは、図3に示すように、ポット部25,25Aの
下部が遮水性の貯水部12,12Aを構成し、その上端
を超えない範囲内、即ち、ポーラスコンクリート層20
と普通コンクリート層10との境界線までの範囲内で、
内部に所定レベルLの水を貯水自在となる。その結果、
ポット部25,25A内の土壌全体の保水量を増大する
ことができ、より一層良好な植生の生育基盤を提供する
ことができる。
【0060】一方、貯水部12,12Aの上端を超える
量の水は、ポーラスコンクリート層20を介して外部に
排水される。その結果、余分な水がポット部25,25
A内に残留し、植生33の根腐れ等の原因となることを
防止することができる。
【0061】特に、実施の形態1に係る緑化コンクリー
トブロックを法面または傾斜面に敷設した場合に、貯水
部12,12Aが無ければそのまま流下するであろう水
を、貯水部12,12Aの下側の側面で遮断して貯溜す
ることができる。即ち、図7に示すように、ポット部2
5,25Aが左右(水平方向)に延びるよう緑化コンク
リートブロックを法面に敷設すると、法面の傾斜に合わ
せて緑化コンクリートブロックが前後に傾斜し、普通コ
ンクリート層10の貯水部12底面が、その幅方向(前
後方向)に傾斜する。よって、雨水、地表流下水等によ
り緑化コンクリートブロックの外部から表層植生基盤3
2及び下層植生基盤31の土壌中に浸入した水は、土壌
中を進行し、貯水部12の下側の側面上端を超えない範
囲で遮断される。その結果、法面または傾斜面に敷設し
た場合でも、通常は流下する水を、貯水部12,12A
の高さの範囲内で保持して十分な保水量を確保すること
ができ、良好な植生33の生育基盤を提供することがで
きる。また、貯水部12,12Aの側面上端を超える水
は、余分な水としてポーラスコンクリート層20を介し
て外部に排水されるため、植生33の根腐れ等の原因と
なることを防止することができる。
【0062】上記のように、実施の形態1に係る緑化コ
ンクリートブロックは、ポット部25,25Aをポーラ
スコンクリート層20の左右方向に延びる長溝凹部状と
すると共に、複数のポット部25,25Aをポーラスコ
ンクリート層20の前後方向に所定間隔で並べて配置し
て、ポット部25,25A間を突部11A,11B,1
1C,23A,23B,23Cからなる梁構造としたも
のである。
【0063】したがって、図4に示すように、敷設場所
では、緑化コンクリートブロックの表面側全体を表層植
生基盤32の土壌で覆うが、この場合に、たとえ、雨水
または地表流下水による侵食等により表層植生基盤32
の土壌が流出した場合でも、それ以上の土壌の流出はポ
ット部25,25Aにより防止され、梁構造の突部11
A,11B,11C,23A,23B,23Cのみが露
出する。そして、緑化コンクリートブロックとしては、
梁構造の突部11A,11B,11C,23A,23
B,23Cの露出面のみが太陽光からの入熱を受ける。
よって、その入熱は、梁構造の突部11A,11B,1
1C,23A,23B,23Cの露出面のみからポーラ
スコンクリート層20の内部に伝達される。
【0064】その結果、ポーラスコンクリート層20及
びポット部25,25A内の土壌への入射熱量を抑制す
ることができ、土壌の乾燥を効果的に防止することがで
きる。また、梁構造によりポーラスコンクリート層20
の強度を増大することができる。
【0065】図8は本発明の実施の形態2に係る緑化コ
ンクリートブロックの断面図である。
【0066】実施の形態2の緑化コンクリートブロック
は、実施の形態1と同様、遮水層としての普通コンクリ
ート層40及びポーラスコンクリート層50を有し、そ
の全体形状は、実施の形態1の緑化コンクリートブロッ
クと同様である。一方、実施の形態2の緑化コンクリー
トブロックは、普通コンクリート層40の形状が実施の
形態1と異なる。
【0067】即ち、実施の形態2に係る緑化コンクリー
トブロックは、実施の形態1に係る緑化コンクリートブ
ロックの普通コンクリート層10から梁構造を構成する
突部11A,11B,11Cを省略したものである。即
ち、図8に示すように、普通コンクリート層40は、単
なる矩形平板状とされている。これに対し、ポーラスコ
ンクリート層50は、普通コンクリート層40の上面
に、実施の形態1と同様の梁構造を構成するよう突部5
1を一体形成している。即ち、突部51は、実施の形態
1の突部11A,11B,11C及び突部23A,23
B,23Cを合体した形状(梁構造)となっている。そ
して、突部51間に、実施の形態1のポット部25,2
5Aと同様のポット部52,52Aが形成されている。
なお、前端側のポット部52Aは、実施の形態1のポッ
ト部25Aと同様、開放端を有している。
【0068】実施の形態1では、ポット部25,25A
は、ポーラスコンクリート層20を貫通して普通コンク
リート層10内まで延び、その下部に遮水性の貯水部1
2,12Aを設けているが、実施の形態2では、ポット
部52は、ポーラスコンクリート層50のみを貫通して
延び、普通コンクリート層40の上面で止まっている。
これにより、実施の形態2に係る緑化コンクリートブロ
ックのポット部52,52Aは、実施の形態1のような
貯水部12,12Aによる貯水機能は有しない。
【0069】また、前記ポット部52,52Aの底面に
は、保水シート61が配置されている。この保水シート
61は、高分子吸収ポリマーを不織布等のシート内に層
状に収納して全体をシート状にしたものであり、水分を
吸収して膨潤することにより、内部に多量の水分を保持
自在である。更に、ポーラスコンクリート層50の空隙
内及びポット部52,52Aの内部には土壌が充填さ
れ、実施の形態1と同様、下層植生基盤31を構成して
いる。なお、本実施の形態でも、実施の形態1と同様、
表層植生基盤31を設けることが好ましい。
【0070】上記のように構成した実施の形態2の緑化
コンクリートブロックは、実施の形態1と同様の作用及
び効果を有する。また、実施の形態1のように貯水部1
2,12Aによる貯水機能はないものの、ポーラスコン
クリート層50の厚みを大きくすることができるため、
下層植生基盤31の土壌充填量を多くすることができる
という効果がある。
【0071】更に、実施の形態2では、保水シート61
が保水性を発揮し、ポット部52,52Aの土壌全体の
保水量を増大することができ、植生33の維持に必要な
養分及び水分を十分に保持することができる。その結
果、保肥力及び保水力の大きい、養分供給量及び水分供
給量の十分な生育基盤を形成することができ、特別なメ
ンテナンスを必要とすることなく、長期にわたって植生
33を維持することができる。また、保水シート61は
薄く、スペースをほとんど必要としないため、ポット部
52,52A内の充填土壌量に影響を与えることが無
い。更に、かかる保水シート61は、取扱いも便利であ
る。なお、本実施の形態の保水シート61は、実施の形
態1のポット部25,25Aの底面に設けてもよい。
【0072】図9は本発明の実施の形態3に係る緑化コ
ンクリートブロックを示す部分断面図である。
【0073】実施の形態3に係る緑化コンクリートブロ
ックは、実施の形態1に係る緑化コンクリートブロック
のポーラスコンクリート層20の上面に、表層植生基盤
31の移動を抑制する移動抑制手段を設けたものであ
り、それ以外の構成は実施の形態1と同様である。即
ち、実施の形態2では、ポーラスコンクリート層20の
突部23Cの上面を、前後方向(図9中左右方向)に規
則的断面形状の凹凸湾曲面が連続する波状面71として
いる。そして、かかる波状面71により移動抑制手段を
構成している。波状面71の稜線は互いに平行となるよ
う左右方向に延びている。なお、ポーラスコンクリート
層20の波状面71は、後述するように、規則的断面形
状の凹凸面が連続する形状であればよい。例えば、ポー
ラスコンクリート層20の突部23Cの上面を、断面ジ
グザグ状の凹凸屈曲面が前後方向に連続する波状面とし
てもよい。
【0074】実施の形態3によれば、緑化コンクリート
ブロックを急傾斜面に敷設した場合でも、特に、図9中
上側の二点鎖線で示す表層植生基盤32の土壌を、波状
面71により安定して確実に保持することができる。即
ち、雨水、地表流下水、河川の流水等から緑化コンクリ
ートブロック上面の表層植生基盤32に加えられる力に
対しては、ポーラスコンクリート層20の移動抑制手段
としての波状面71が抵抗し、表層植生基盤32の移動
を抑制する。その結果、雨水、地表流下水、河川流水等
による表層植生基盤32の土壌の滑落、崩壊、侵食等を
有効に防止することができる。また、これにより、表層
植生基盤32の土壌(覆土層)の厚みを大きくし、全体
の土壌量を大きくすることができるため、より良好な植
生33の生育基盤を得ることができる。
【0075】更に、実施の形態3の緑化コンクリートブ
ロックでは、たとえ、雨水または地表流下水による侵食
等により表層植生基盤32の土壌が流出した場合でも、
図9中下側の二点鎖線で示すように、緑化コンクリート
ブロックの表面側では、波状面71の凸部の頂上部分の
みが露出し、全体が露出することはない。即ち、波状面
71の凸部の頂上部分のみが稜線として線状に現われ、
日射の影響を線的に受ける。よって、ポーラスコンクリ
ート層20内部への入射熱量が非常に少なく、緑化コン
クリートブロック内部が昇温し難い。その結果、表層植
生基盤31の土壌が流出した場合でも、下層植生基盤3
1の土壌の乾燥を効果的に抑制することができる。
【0076】図10は本発明の実施の形態4に係る緑化
コンクリートブロックの要部を概略的に示す斜視図であ
る。
【0077】実施の形態4に係る緑化コンクリートブロ
ックは、植生の構成が実施の形態1と異なり、その他の
構成は実施の形態1と同様である。即ち、実施の形態4
は、ポーラスコンクリート層20のポット部25,25
Aに鉢植え植物80を収容して保持している。鉢植え植
物80は、圃場等で予め栽培されたものであり、ポット
81に充填した土壌82に、播種及び植栽等によって植
生83を生育させ、その根系を保持及び定着させたもの
である。ポット81は、生分解性の有機質材料より、前
記ポット部25,25Aに対応する断面略逆台形状に形
成され、ポット部25,25Aに挿入して保持自在とな
っている。また、実施の形態4では、長溝凹部状のポッ
ト部25,25Aの長さ方向に所定間隔で3個の鉢植え
植物80を挿入して保持するようになっている。更に、
鉢植え植物80間に隙間Cが生じる場合、その隙間Cに
土壌を充填する。本実施の形態では、ポット81中の土
壌82が、ポーラスコンクリート層20の空隙22内の
土壌と共に下層植生基盤31を構成する。
【0078】このように、実施の形態4では、植生83
を、土壌充填したポット81と共にポット部25,25
Aに挿入するが、このとき、ポット81の外側面(前後
両側面)がポット部25,25Aの内側面(前後両側
面)に密接して前後に位置決めされる。なお、ポット8
1は、紙、生分解性プラスチック、育苗生育用のポット
(小鉢)に使用されるピート(泥炭)等の生分解性有機
質材料であれば、任意の素材を使用することができる。
【0079】実施の形態4では、下層植生基盤31の土
壌及び表層植生基盤32の土壌は、同時に充填してもよ
く、或いは、別個に充填してもよい。即ち、まず、ポー
ラスコンクリート層20の空隙22に下層植生基盤31
の土壌を充填しておき、ポット部25,25Aに鉢植え
植物80を収容した後に、表層植生基盤32の土壌を別
個に充填してもよい。この場合、ポット部25,25A
と鉢植え植物80との間または鉢植え植物80間に隙間
Cがある場合は、その隙間Cに土壌を充填するが、これ
は、表層植生基盤32の土壌充填と同時に行ってもよ
く、それより前に行ってもよい。或いは、鉢植え植物8
0を収容した後に、下層植生基盤31の土壌及び表層植
生基盤32の土壌を同時に充填してもよい。また、下層
植生基盤31の土壌とポット81内の土壌82とは、そ
れぞれ、別個の土壌としてもよく、同一の土壌を使用し
てもよい。しかし、植生33移植時の土壌環境変化を緩
和する点からは、同一の土壌を使用することが好まし
い。更に、表層植生基盤32の土壌とポット81内の土
壌82とは、それぞれ、別個の土壌としてもよく、同一
の土壌を使用してもよい。
【0080】次に、植生83を生分解性のポット81に
より予め栽培して鉢植え植物80としたことによる効果
を詳述する。
【0081】実施の形態4の緑化コンクリートブロック
では、鉢植え植物80を予め用意し、別個に成形したポ
ーラスコンクリート層20のポット部25,25Aに嵌
め込んで固定するようにした。したがって、例えば、圃
場等で所定の植物種を播種及び育苗または挿し木等の植
栽により栽培することにより、植生83を鉢植え状態で
予め生産することができ、鉢植え植物80ごと、ポット
部25,25Aにそのままの状態で挿入して定着させる
ことができる。その結果、緑化コンクリートブロックへ
の植生83の植え付けが簡単で、生産性乃至施工性を向
上することができる。また、植生83の栽培をポット8
1で行うため、栽培スペースが小さくなり、温室を利用
することもできるため、生産性が良い。
【0082】一方、植生83を生産場所からポーラスコ
ンクリート層20のポット部25,25Aに移植したと
きに、その植物根はポット81内部の多量の土壌82で
被覆されているため、下層植生基盤31または表層植生
基盤32の土壌との間の急激な変化がなく、移植初期に
おける環境変化も少なくなり、植生83の活着及び生育
を格段に向上することができる。
【0083】また、植生83の植え付け後に一定時間が
経過すると、土壌微生物等の生分解作用により、有機質
材料からなるポット81が分解し、土壌82と一体化す
る。そして、ポット81内部の土壌82と外部の土壌
(下層植生基盤31及び表層植生基盤32の土壌)とが
一体化する。更に、ポット81は、生分解後乃至腐植後
には有害物として残ることがない。その結果、環境に優
しく、かつ、土壌基盤乃至生育基盤の機能を損なうこと
がない。
【0084】特に、ポット81を紙製とした場合、生分
解前は、紙製のポット81が高い保水性を発揮する。そ
の結果、植生83への水分補給に有利である。また、紙
製のポット81は、生分解後乃至腐植後は、下層植生基
盤31及び表層植生基盤32の土壌に養分を追加的に供
給する有機質肥料となる。その結果、追肥を行わなくて
も植生83に養分を供給することができ、その生育を助
長することができる。更に、ポット81を古紙(再生
紙)から形成すれば、古紙のリサイクルに大幅に貢献す
ることができ、本発明の本来の目的である環境保全及び
緑化促進という目的に資することができる。
【0085】また、実施の形態4では、ポット部25,
25Aを長溝凹部状とし、3個の略正方形箱状のポット
81を有する鉢植え植物80をポット部25,25Aの
長さ方向に所定間隔で挿入するよう構成したが、ポット
部25,25Aに挿入する鉢植え植物80の数及びポッ
ト81の形状は種々変更することができる。例えば、ポ
ット部25,25Aの長溝凹部形状に対応する長方形鉢
形状をなすポットに土壌を充填して植生を生育させるこ
とにより鉢植え植物を構成し、その鉢植え植物を1個の
みポット部25,25Aに挿入して保持してもよい。ま
たは、2個または4個以上の鉢植え植物80をポット部
25,25Aの長さ方向に所定間隔で挿入するよう構成
してもよい。
【0086】更に、上記いずれの場合においても、ポッ
ト部25,25A内側面とポット81との間またはポッ
ト81とポット81との間に隙間Cを設けることなく、
それらを密接して配置してもよい。この場合、隙間Cに
充填する土壌が不要となり、その作業を省略することが
できる。即ち、ポット部25,25A及びポット81の
形状は、それぞれ、ポット81をポット部25,25A
に挿入自在な形状であればよい。
【0087】図11は本発明の実施の形態5に係る緑化
コンクリートブロックの断面図である。
【0088】実施の形態5に係る緑化コンクリートブロ
ックは、実施の形態2と同様の普通コンクリート層40
を有する。一方、実施の形態5のポーラスコンクリート
層90は、実施の形態1に係る緑化コンクリートブロッ
クの全体形状と同様、上面に梁構造を有する略矩形平板
状をなしている。即ち、ポーラスコンクリート層90の
上面側には、実施の形態2の突部51と同様の構成の突
部91が形成されている。そして、突部91間に、実施
の形態2のポット部52,52Aと同様のポット部9
2,92Aが形成されている。なお、前端側のポット部
92Aは、実施の形態2のポット部52Aと同様、開放
端を有している。よって、実施の形態5では、ポット部
92は、ポーラスコンクリート層90のみを貫通して延
び、その厚さ方向の途中で止まっている。これにより、
実施の形態5に係る緑化コンクリートブロックのポット
部92,92Aは、実施の形態1のような貯水部12,
12Aによる貯水機能は有しない。なお、かかるポット
部92,92Aの底面に実施の形態3の保水シート61
を配置してもよい。
【0089】上記のように構成した実施の形態5の緑化
コンクリートブロックは、実施の形態1と同様の作用及
び効果を有する。また、実施の形態1のように貯水部1
2,12Aによる貯水機能はないものの、ポーラスコン
クリート層90の厚みを大きくすることができるため、
下層植生基盤31の土壌充填量を多くすることができる
という効果がある。
【0090】図12は本発明の実施の形態6に係る緑化
コンクリートブロックの断面図である。
【0091】実施の形態6に係る緑化コンクリートブロ
ックは、実施の形態5と同様の構成の普通コンクリート
層40及びポーラスコンクリート層100を備える。一
方、ポーラスコンクリート層100は、実施の形態5の
ポーラスコンクリート層90と異なり、その前端を開放
端とすることなく、閉塞端としている。即ち、ポーラス
コンクリート層100は、実施の形態5のポーラスコン
クリート層90と同様、上面に梁構造を有する略矩形平
板状をなしている。また、ポーラスコンクリート層10
0の上面側には、実施の形態5の突部91と同様の構成
の突部101が形成されている。突部は、ポーラスコン
クリート層100の前端にも形成される。よって、突部
101間には、実施の形態5のポット部92と同様のポ
ット部102が形成されると共に、前端側のポット部1
02も、他のポット部と同様の形状となる。なお、かか
るポット部102の底面に実施の形態3の保水シート6
1を配置してもよい。
【0092】上記のように構成した実施の形態6の緑化
コンクリートブロックは、実施の形態5と同様の作用及
び効果を有する。また、ポーラスコンクリート層100
の前端を閉塞端としたため、全体の強度を増大すること
ができるという効果がある。なお、かかる構成を実施の
形態1に応用し、実施の形態1における普通コンクリー
ト層10の前端を閉塞端とすれば、その前端側にも長溝
凹部状の貯水部12が形成され、全体の貯水機能を向上
することができる。
【0093】図13は本発明の実施の形態7に係る緑化
コンクリートブロックの斜視図である。
【0094】上記各実施の形態では、ポーラスコンクリ
ート層20,50,90,100の上端面(突部23
A,23B,23C,51,91,101の上端面)の
形状を、平坦面または波状面71としたが、これを図1
3に示す形状とすることもできる。即ち、図13では、
ポーラスコンクリート層110の表面は、前後方向に規
則的断面形状の凹凸湾曲面が連続する波状面111とさ
れている。波状面111の稜線は互いに平行となるよう
左右方向に延びている。なお、ポーラスコンクリート層
110の波状面111は、断面ジグザグ状の凹凸屈曲面
が前後方向に連続する波状面としてもよい。実施の形態
7では、この波状面111により表層植生基盤32の移
動抑制手段が構成される。
【0095】ポーラスコンクリート層110の表面側に
は複数の凹部状のポット部112が形成されている。即
ち、合計5個の円柱状をなすポット部112が、ポーラ
スコンクリート層110の四隅付近及びそれらの中央に
それぞれ配置されている。ポーラスコンクリート層11
0のポット部112には、円筒箱状のポット121に土
壌を充填し、その土壌に植生の根系を保持した鉢植え植
物が収容して保持される。即ち、ポット部112は、鉢
植え植物のポット121を収容自在となるよう、上端を
開口する円柱凹部状をなしている。なお、鉢植え植物
は、ポット81,121の形状が異なる以外は、実施の
形態4の鉢植え植物80と同様の構成である。
【0096】実施の形態7にかかる緑化コンクリートブ
ロックは、実施の形態4と同様の作用及び効果を有す
る。即ち、波状面111が、移動抑制手段として、表層
植生基盤32の土壌を安定して保持し、その移動を阻止
する。また、例えば、実施の形態7の緑化コンクリート
ブロックを法面に敷設する場合、ポーラスコンクリート
層110の波状面111の稜線が左右方向(水平方向)
に延びるよう配置することにより、波状面111により
表層植生基盤32の土壌の上下移動が阻止され、その土
壌が法面の傾斜により位置ずれして脱落乃至崩壊するよ
うなことがない。また、波状面111の線状の凸部が雨
水または地表流下水等の流れる方向と直交することにな
り、雨水または地表流下水からの圧力に抵抗して特に表
層植生基盤32の侵食、崩壊、滑落等を効果的に防止す
ることができる。
【0097】更に、たとえ、雨水または地表流下水によ
る侵食等により表層植生基盤32が流出した場合でも、
実施の形態4と同様、ポーラスコンクリート層110の
表面側では、波状面111の凸部の頂上部分のみが露出
し、全体が露出することはない。即ち、波状面111の
凸部の頂上部分のみが稜線として線状に現われ、日射の
影響を波状面111の凸部の頂点で線的に受ける。その
結果、ポーラスコンクリート層110内部への入射熱量
が非常に少なく、緑化コンクリートブロック内部が昇温
し難いため、表層植生基盤32及び下層植生基盤31の
土壌の乾燥を抑制することができる。
【0098】図14は本発明の実施の形態8に係る緑化
コンクリートブロックの概略を示す斜視図である。
【0099】実施の形態7では、一次元方向(前後方
向)にのみ波状面111の凹凸が連続するようにした。
しかし、本発明は、凹凸の波状面が二次元方向(前後方
向及び左右方向の両方)に連続するようにしてもよい。
即ち、円錐または角錐状の凸部を平面方向に散在させて
波状面を構成してもよい。この場合も実施の形態7と同
様の効果がある。具体的には、図14に示すように、円
錐または角錐等のドット状の凸部131aをポーラスコ
ンクリート層130の表面に所定の配置態様で点在さ
せ、平面ドットマトリックス状の波状面131を構成す
る。実施の形態8では、波状面131により表層基盤3
2の移動抑制手段が構成されている。なお、簡略化のた
め図示はしていないが、ポーラスコンクリート層20の
所定位置には、実施の形態7と同様、ポット部が形成さ
れ、ポット部に鉢植え植物等の植生が挿入して固定され
る。また、実施の形態7と同様、表層植生基盤32によ
りポーラスコンクリート層130表面の波状面131全
体を覆うになっている。
【0100】実施の形態8では、実施の形態7と同様、
波状面131の凸部131a間に形成される多数の凹部
が、移動抑制手段として機能し、表層植生基盤32を安
定して保持し、その土壌の移動を阻止する。更に、実施
の形態8では、ポーラスコンクリート層130の平面方
向(二次元方向)に多数点在する波状面131の凹部1
31aにより、表層植生基盤32の平面方向への移動が
阻止される。即ち、ドット状の凸部131aが、雨水ま
たは地表流下水等の流れる方向(上下方向)のみならず
河川等の流水構造物の流水方向(水平方向)と直交する
方向に必ず存在する。よって、上下左右を意識すること
なく、緑化コンクリートブロックを法面等の傾斜地に敷
設しても、表層植生基盤32が傾斜により位置ずれして
脱落乃至崩壊するようなことがない。また、通常の法面
のように雨水または地表流下水が上下に流れる場合に、
波状面131により表層植生基盤32の崩壊等を効果的
に防止することができるのみならず、河川護岸等のよう
に水平方向の流水を受ける場合にも、波状面131によ
り表層植生基盤32の崩壊等を効果的に防止することが
できる。その結果、実施の形態8の緑化コンクリートブ
ロックは、実施の形態7と同様の急傾斜面を含む法面の
みならず、河川等の流水構造物に敷設した場合でも、表
層植生基盤32及び下層植生基盤31の土壌を安定して
確実に保持することができる。
【0101】また、たとえ、流水、雨水または地表流下
水による侵食等により表層植生基盤32が流出した場合
でも、ポーラスコンクリート層130の表面側では、波
状面131の凸部131aの頂上部分のみが露出し、全
体が露出することはない。即ち、波状面131の凸部1
31aの頂上部分のみが頂点として点状に現われ、日射
の影響を波状面131の凸部131aの頂点で点状に受
ける。その結果、ポーラスコンクリート層130内部へ
の入射熱量が非常に少なく、緑化コンクリートブロック
内部が昇温し難いため、表層植生基盤32及び下層植生
基盤31の土壌の乾燥を抑制することができる。
【0102】また、ドット状の凸部131aを、図14
に示すように、純粋なマトリックス状(行列状)または
格子状に配置することなく、行方向または列方向に交互
に位置をずらすよう点在させた場合、表層植生基盤32
に対して、上下方向及び水平方向の両方向に効果的に抵
抗力を付与することができる。その結果、雨水等の上下
に流れる水への抵抗力のみならず、河川等の水平方向に
流れる流水への抵抗力をより効果的に表層植生基盤32
に付与することができる。
【0103】なお、本明細書における「規則的断面形
状」とは、粗骨材自体の凹凸形状によりポーラスコンク
リート層20,110,130の表面に自然に生じる細
かな凹凸形状を除く意味で使用している。よって、上記
のような土壌保持効果を発揮する断面形状であれば、上
記実施の形態以外のものも含む意味で使用している。即
ち、上記のように、同一断面形状の凸部が連続する場合
のみならず、異形状の凸部を連続的に並べ、全体として
規則的断面形状を有する波状面とすることもできる。ま
た、各凹凸の寸法を相違させてもよい。よって、成形型
等により予め設定した表面波形状を付与できる限りにお
いて、任意の形状及び寸法を採用することができる。
【0104】図15は本発明の実施の形態9に係る緑化
コンクリートブロックの断面図である。
【0105】実施の形態9の緑化コンクリートブロック
は、図15に示すように、実施の形態2に係る緑化コン
クリートブロックの保水シート61を、遮水性の貯水シ
ート141に置き換えたものであり、その他の構成は実
施の形態2と同様である。貯水シート141は、ポット
部52の底面側に配置され、その底面及び四方の側面の
下部を被覆し、遮水機能を付与する。そして、貯水シー
ト141の内面により、実施の形態1の貯水部12と同
様の貯水機能を発揮する貯水部が形成される。なお、貯
水シート141は、土壌充填時の移動を防止する等の観
点から、ポット部52の内面に接着等により固着するこ
とが好ましい。また、貯水シート141は、例えば、保
水シート61と同様の材料によりシート状に形成するこ
とができる。この場合、貯水シート141は、所期の遮
水性または貯水機能に加え、保水シート61と同様の保
水性をも発揮する。一方、貯水シート141を、所定の
樹脂シート等、単なる遮水性を発揮するシート材料によ
り形成してもよい。
【0106】実施の形態9では、貯水シート141が実
施の形態1の貯水部12と同様の貯水部を構成し、同様
の作用及び効果を発揮する。よって、実施の形態1のよ
うに普通コンクリート層10を突部11A,11B,1
1Cを有する梁構造とする必要がない。その結果、普通
コンクリート層40を単なる平板状とすることができ、
全体の構成及び成形作業を簡単にすることができる。な
お、前記貯水シート141による貯水部の構成を、実施
の形態5または6等、その他の実施の形態に適用するこ
とも無論可能である。
【0107】図16は本発明の実施の形態10に係る緑
化コンクリートブロックの断面図である。
【0108】実施の形態10の緑化コンクリートブロッ
クは、図16に示すように、実施の形態2に係る緑化コ
ンクリートブロックの保水シート61を省略し、ポット
部52の底面側に貯水部151を配置したものであり、
その他の構成は実施の形態2と同様である。貯水部15
1は、実施の形態1の貯水部12と同様、普通コンクリ
ート層40の上面から下方に延びる凹部状をなしてい
る。一方、実施の形態10の貯水部151は、ポット部
52の底面(普通コンクリート層40の上面露出部)の
一部に形成される。例えば、貯水部151は、図16に
示すように、ポット部52より狭い幅で、ポット部52
の幅方向中央に配置することができる。この場合、貯水
部151はポット部52の長さ方向全体にわたって設け
てもよく、その一部に設けてもよい。また、ポット部5
2の長さ方向の一部に設ける場合、1個のみ貯水部15
1を設けてもよく、または、複数個の貯水部151を間
隔を置いて設けてもよい。更に、貯水部の平面形状は円
形、角形等、任意の形状とすることができる。
【0109】実施の形態9では、貯水部151が実施の
形態1の貯水部12と同様の作用及び効果を発揮する。
また、貯水部151の数及び形状等を適宜調節すること
により、気候、敷設場所の環境等の諸条件に応じて、貯
水量をコントロールすることができる。
【0110】図17は本発明の実施の形態11に係る緑
化コンクリートブロックの断面図である。
【0111】本発明の緑化コンクリートブロックは、上
記各実施の形態のように、ポーラスコンクリート層2
0,50,90,100,110,130を一体的に積
層形成する普通コンクリート層10,40により、必要
な遮水性を発揮する遮水層を構成している。しかし、本
発明は、これ以外の構成により遮水層を設けてもよい。
例えば、実施の形態11に係る緑化コンクリートブロッ
クは、図17に示すように、実施の形態5に係る緑化コ
ンクリートブロックの普通コンクリート層40を省略
し、ポーラスコンクリート層90の下面(裏面)全体に
遮水シート161を接着等により固着している。この遮
水シート161は、遮水性に加え、十分な強度及び耐久
性等を有する樹脂シート等より形成することができ、本
実施の形態の遮水層を構成する。
【0112】実施の形態11では、遮水シート161が
遮水層として機能し、所期の効果を発揮する。よって、
実施の形態5のように普通コンクリート層40を設ける
必要がない。その結果、緑化コンクリートブロック全体
の構成及び成形作業を簡単にすることができる。なお、
前記遮水シート161による遮水層の構成を、実施の形
態6等、その他の実施の形態に適用することも無論可能
である。
【0113】図18は本発明の実施の形態12に係る緑
化コンクリートブロックの断面図である。
【0114】実施の形態11に係る緑化コンクリートブ
ロックは、遮水層の変更例に関するものであり、図17
に示すように、実施の形態5に係る緑化コンクリートブ
ロックの普通コンクリート層40を省略し、敷設対象面
に予め打設したコンクリート層により遮水層171を構
成している。即ち、上記各実施の形態では、緑化コンク
リートブロック毎に遮水層としての普通コンクリート層
10,40または遮水シート151を設けているが、本
実施の形態では、敷設対象面の全面に予め普通コンクリ
ート層を打設して遮水層171とし、その上にポーラス
コンクリート層90、下層植生基盤31、表層植生基盤
32及び植生33からなる緑化コンクリートブロックを
敷設している。即ち、本発明の遮水層は、各緑化コンク
リートブロック単位で一体的に設けてもよく、敷設対象
面単位、或いは、敷設対象面を複数に区画した単位で設
けてもよい。
【0115】実施の形態12では、遮水層171が上記
各実施の形態の遮水層と同様に作用し、所期の効果を発
揮する。なお、前記遮水層171を、実施の形態6等、
その他の実施の形態に適用することも無論可能である。
【0116】上記各実施の形態では、所望の遮水性を有
する独立した部材からなる狭義の遮水層として、普通コ
ンクリート層10,40、遮水シート161及び遮水層
171を設けたが、本発明は、独立した部材としての遮
水層を設けない事例に具体化することもできる。例え
ば、河川護岸等の護岸工事に適用する場合、遮水層を備
えない緑化コンクリートブロックを、敷設対象面に直接
積層して敷設する。かかる遮水層を備えない緑化コンク
リートブロックとしては、実施の形態5または実施の形
態6の普通コンクリート層40を省略した緑化コンクリ
ートブロックを使用することができる。このとき、上記
貯水部141,151等を適宜設けてもよい。この場合
も、敷設対象となる堤体等が、堤体等として要求される
本来の構造及び機能により遮水機能を発揮し、広義の遮
水層として機能する。したがって、全体としては、上記
各実施の形態とほぼ同様の作用及び効果を奏することが
できる。
【0117】更に、本発明は、狭義または広義の遮水層
を全く備えない緑化コンクリートブロックに具体化する
ことも可能である。例えば、実施の形態5または実施の
形態6の普通コンクリート層40を省略した緑化コンク
リートブロックを、道路法面等の敷設対象面に敷設する
こともできる。このとき、実施の形態5または6等のよ
うに、ポット部92,102をポーラスコンクリート層
90,100の左右方向に延びる長溝凹部状とすると共
に、複数のポット部92,102をポーラスコンクリー
ト層90,100の前後方向に所定間隔で並べて配置し
て、ポット部92,102間を突部91,101からな
る梁構造としたものを使用することが好ましい。この場
合も、緑化コンクリートブロックは、遮水機能以外は、
上記のような作用及び効果を発揮する。
【0118】また、この場合、実施の形態5のように、
ポーラスコンクリート層90の前端または後端に位置す
る前記ポット部92Aの前端を開放することが更に好ま
しい。この場合、実施の形態1で述べたように、開放端
を構成するポット部92Aによる所期の効果を発揮す
る。
【0119】ここで、植生を対象とした一般的なポーラ
スコンクリートでは、溶出アルカリが問題となるため、
ポーラスコンクリート層20,50,90,100,1
10,130を利用した本発明の緑化技術でも、そのた
めの中和処理が必要になることが考えられる。しかし、
本発明の緑化コンクリートブロックは、ポーラスコンク
リート層20,50,90,100,110,130に
ポット部25,25A,52,52A,92,92A,
102,112を設けたことにより、植生33,83の
活着及び生育に必要な植生基盤の土壌量を十分に確保す
ることができるため、土壌本来の性質としての緩衝能が
作用する。その結果、外部アルカリの存在は大きな問題
となることはなく、中和処理は基本的に不要となる。無
論、必要に応じ、中和処理を行ってもよい。
【0120】上記各実施の形態では、ポーラスコンクリ
ート層20,50,90,100,110,130の粗
骨材21として砂利、砕石等を想定して説明した。しか
し、本発明は、ポーラスコンクリート層の粗骨材を、軽
量気泡コンクリート(ALC)の破砕材等、多孔質無機
材料から形成してもよい。
【0121】この場合、多孔質無機材料は、多量の水を
極めて短時間で吸収する一方、乾燥速度は比較的遅い。
したがって、粗骨材自体が高い保水性を有し、ポーラス
コンクリート層全体の保水力を大幅に増加する。その結
果、植生への水分補給を長期的に安定して行うことがで
きる。また、粗骨材が軽量であるため、ポーラスコンク
リート層も軽量となり、全体の重量を大幅に軽減する。
その結果、製造場所から敷設場所への運搬等を容易に行
うことができ、また、敷設場所での敷設作業が簡単とな
る。
【0122】ここで、粗骨材の材料である軽量気泡コン
クリート(ALC)は、空隙率が体積比で80%以上、
見かけ比重が0.5〜0.6程度と極めて軽量である。
したがって、粗骨材用の多孔質無機材料として好適であ
る。また、ALCは、建築用壁材等に大量に出荷及び使
用され、生産段階若しくは施工段階で、或いは、使用後
(解体後)に廃棄物として大量に回収することができ
る。したがって、請求項5の作用及び効果に加え、粗骨
材の原材料として安定供給することができ、かつ、原材
料コストを大幅に低減することができる。また、廃棄A
LC材料のリサイクルに大幅に貢献することができる。
【0123】なお、ALCの強度は、圧縮強度で約40
kgf/cm2 であり、砂利または砕石の場合に比較す
ると大きくないため、河川護岸等、構造材として使用す
る場合、単独で使用することなく、砂利または砕石と混
合する等、強度上の配慮をすることが好ましい。また、
砂利または砕石の場合に比較すると比重が小さいため、
河川護岸等、水中に埋没する用途に使用する場合も、砂
利または砕石と混合する等、配慮をすることが好まし
い。即ち、吸水後の比重は、セメントペーストとALC
と水とで1.0以上となるため、水中で浮遊することは
ないものの、流速抵抗が低下する可能性があるため、こ
の点に留意することが好ましい。
【0124】また、多孔質無機材料としては、ALC以
外に、自然物では火山噴出岩(例えば、通称軽石)があ
る。しかし、原料の安定供給という点からは、ALCの
使用が好ましい。更に、本発明を実施する場合、上述し
たように、強度、比重、コスト等の諸条件を勘案して、
ポーラスコンクリート層の粗骨材として、砂利、砕石、
ALC等を単独で、或いは、適宜混合して使用すること
ができる。
【0125】上記のように、ポーラスコンクリート層の
粗骨材を多孔質無機材料から構成した場合、ポーラスコ
ンクリート層の粗骨材に肥料液を含浸してもよい。即
ち、この場合、粗骨材は、ALC等の多孔質無機材料か
らなり、多量の水を極めて短時間で吸収する一方、乾燥
速度は比較的遅いという性質を有している。したがっ
て、例えば、成形後の緑化コンクリートブロックを、窒
素、リン酸、カリの混合液等の肥料液に浸漬等して、粗
骨材内部に肥料液を含浸し、肥料分を固着保持すること
ができる。その結果、十分な量の肥料及び水等、植生の
維持に必要な養分及び水分を保持することができる。即
ち、保肥力の大きい、養分供給量の十分な生育基盤を形
成することができ、追肥を行わなくても、長期的に植生
に給肥を行うことができ、長期にわたって植生を維持す
ることができる。なお、ポーラスコンクリート層を肥料
液に浸漬する以外にも、その他の方法で粗骨材に肥料を
含浸法させてもよい。
【0126】一方、上記各実施の形態では、植生33,
83としては、主に草本植物(草本類)の使用を想定し
ているが、場合によっては、例えば蔓類等、木本植物
(木本類)の使用も可能である。また、寒地型または暖
地型、郷土植物(郷土種)または外来植物(外来種)、
観賞植物(草花及び花木)を問わず、任意の植物種を使
用できる。この場合、植物種の選定は、緑化コンクリー
トブロックの敷設場所の諸条件及び植物種の特性を勘案
して行うことが好ましい。
【0127】具体的には、敷設場所における植物種の生
育環境、例えば、法面の傾斜、日射量、気温、湿度、
風、降雨等の気候条件、地温、施工時期等、並びに、そ
の植生の特性、例えば、根系の土壌固結力(固着力、緊
縛力)、環境適応性、その植生自身による生育基盤の環
境改善効果、周辺環境及び景観との調和、入手容易性、
施工時期における発芽力及び活着性等を勘案することが
好ましい。植物の環境適応性としては、耐寒性、耐暑
性、耐陰製、耐湿性及び耐旱性等が有り、植生として、
特に、耐旱性に優れたものを選定することが好ましい。
耐旱性に優れた植物種としては、セダム族のマンネン草
類等を挙げることができる。また、踏破性に優れた植物
主として、アークトセカ、芝草類等を挙げることができ
る。
【0128】更に、植物種は、適宜単独でまたは混合し
て、播種または植栽により生育栽培することができる。
植生として草本植物を使用する場合、例えば、オーナメ
ンタルグラス、グランドカバープランツ(地被植物)、
ワイルドフラワー等を使用することができる。しかし、
上記各実施の形態では、ポーラスコンクリート層20,
50,90,100,110,130の表面に部分的に
設けたポット部25,25A,52,52A,92,9
2A,102,112により下層植生基盤31の土壌を
保持し、下層植生基盤31及び表層植生基盤32の土壌
に植生33,83を設ける。したがって、植生33,8
3としては、ポーラスコンクリート層20,50,9
0,100,110,130の表面全体を覆うよう、グ
ランドカバープランツ等の匍匐系の植物を使用すること
が好ましい。なお、一年生植物の使用も可能であるが、
この場合も、永続的な緑化の点から、多年生植物を主と
し、一年生植物を適宜混合することが好ましい。また、
土壌を肥沃化し、生育環境を改善する機能を持つ根粒植
物等の肥料木草または新肥料木草を混合してもよい。
【0129】下層植生基盤31及び表層植生基盤32の
土壌、並びに、ポット81,121内の土壌82に含有
する肥料分(養分)としては、窒素、リン酸、カリが主
要なものであり、その他、石灰、苦土、鉄、マンガン、
硫黄、ホウ素等がある。各成分の配合割合は、使用する
植物種、土壌成分等を考慮して決定する。特に、ポーラ
スコンクリート層の粗骨材としてALC等の多孔質無機
材料を使用する場合、ALC等への肥料混合液の浸漬含
浸を行う際の希釈容易性等を考慮して、窒素、リン酸、
カリの混合比を1:2:1とすることが好ましい。
【0130】また、肥料としては、緩効性肥料乃至遅効
性肥料を使用することが好ましい。こうすれば、肥効期
間を延長し、濃度障害を防止すると共に多量施肥を可能
とすることができる。なお、濃度障害とは、硫安(硫酸
アンモニウム)などの無機質肥料が、多施用によって、
土壌中の塩類濃度を高めて障害を引き起こすことであ
る。緩効性肥料としては、例えば、尿素とイソブチルア
ルデヒドの縮合物であり、水に難溶性であるが、加水分
解によって肥効を示すIB(IBDU)、尿素とアセト
アルデヒドの縮合物で水に難溶性の物質であるCDU、
尿素とホルムアルデヒドの縮合混合物であるウレアホル
ム等がある。
【0131】更に、肥料として、被覆肥料を使用しても
よい。なお、被覆肥料とは、粒状の水溶性肥料の表面を
半透水性或いは被透水性の被覆物質で被覆し、肥料成分
をピンホールから徐々に溶出させ、肥効の緩効化を図る
ものである。この場合も、肥料の多施用が可能になり、
濃度障害の軽減、肥効期間の調整、過剰吸収の防止、施
肥回数の軽減等の利点を有する。
【0132】また、その他、有機質肥料であるぼかし肥
料や、特殊肥料(各種堆肥類)を使用することもでき
る。更に、肥料と共に、または、肥料の代わりに、生育
基盤として有機質基材を使用してもよい。この場合、肥
効を緩やかにし、持続性を発揮することができる。
【0133】ところで、緑化コンクリートブロックは、
上記各実施の形態では矩形板状(正方形板状または長方
形板状)として説明したが、敷設場所に応じて任意のブ
ロック形状とすればよい。しかし、緑化コンクリートブ
ロックは、薄板状(パネル状)とすることが、作業性及
び敷設スペース削減の点で好ましい。特に、既設のコン
クリート擁壁等のリニューアル用として、そのコンクリ
ート面等に重ねて敷設する場合、パネル状とすることが
好ましい。
【0134】また、本発明を実施する場合、植生33,
83の生育に十分な土壌量を確保できる限りにおいて、
任意の個数のポット部25,25A,52,52A,9
2,92A,102,112をポーラスコンクリート層
20,50,90,100,110,130の任意の部
位に配置することができる。また、ポット部25,25
A,52,52A,92,92A,102,112の形
状も、例えば、実施の形態1のように長溝凹部状とした
り、実施の形態7のように上端を開口する円筒状とした
り、任意の形状とすることができる。更に、鉢植え植物
80を使用する場合のポット81,121の形状も、ポ
ット部25,25A,52,52A,92,92A,1
02,112に嵌め込んで固定できる鉢形状とする限り
において任意の形状とすることができる。
【0135】本発明の緑化コンクリートブロックは、表
層植生基盤32を更に不織布等からなる被覆シートで被
覆して、土壌の流出等を防止してもよい。例えば、敷設
対象面に敷設した緑化コンクリートブロックの表層植生
基盤32の全面または必要部分に被覆シートを被せて固
着する。このとき、植生33は、例えば、被覆シートの
適宜箇所に形成した十字等の所定形状の切れ込みを介し
て表面側に露出させる。この場合も、匍匐系の植生を使
用することにより、期間経過と共に、被覆シートの表面
全体を植生により被覆し、完全な緑化を図ることができ
る。なお、被覆シートの材料としては、生分解性の繊維
からなるシート材料、例えば、やし、麻、ジュート等の
繊維からなるシート材料を使用することができる。
【0136】本発明の緑化コンクリートブロックの用途
としては、上記のように、河川護岸、各種法面等におい
て、敷設対象面としての切土、盛土、客土等の土面を覆
うよう固定することにより、土面の緑化に使用すること
ができる。特に、上記各実施の形態の緑化コンクリート
ブロックは、高水護岸に好適である。また、既設の土木
構造物の表面を覆うよう重ねて固定することにより、既
存のコンクリート面の緑化に使用することも可能であ
る。
【0137】なお、上記各実施の形態の緑化コンクリー
トブロックは、下層植生基盤31、表層植生基盤32及
び植生33,83を一体的に設けた完成品として説明し
た。しかし、本発明は、下層植生基盤31、表層植生基
盤32及び植生33,83を一体的に設ける前の状態で
も具体化できる。即ち、上記各実施の形態に示す普通コ
ンクリート層10,40及びポーラスコンクリート層2
0,50,90,100,110,130の二層構造を
なすコンクリート二次製品の形でも具体化することがで
きる。このコンクリート二次製品も、上記のような完成
品としての緑化コンクリートブロックの構成要素として
市場に流通可能である。
【0138】
【発明の効果】請求項1に係る緑化コンクリートブロッ
クは、ポーラスコンクリート層の空隙及びポット部によ
り、保肥力の大きい、養分供給量の十分な生育基盤を形
成することができる。そして、特別なメンテナンスを必
要とすることなく、植生に十分な給肥及び給水を行うこ
とができ、長期にわたって植生を維持することができ
る。即ち、請求項1の緑化コンクリートブロックは、敷
設後における植生維持のためのメンテナンス及びコスト
が基本的に不要となり、継続的緑化のためのコストを低
減することができる。なお、高水護岸等の高い遮水性及
び強度が要求される流水構造物または湛水構造物に適用
した場合、ポーラスコンクリート層及びその裏面の遮水
層により、堤防保護、河岸決壊防止及び河道固定等の本
来の治水機能を十分に発揮することができる。即ち、請
求項1の緑化コンクリートブロックは、十分な土壌量確
保を通した緑化維持による環境保全及び景観調和という
環境面の要求と、流水に対する遮水機能または表層土侵
食防止機能等の機能面の要求とを両立することができ
る。
【0139】請求項2に係る緑化コンクリートブロック
は、請求項1の効果に加えて、貯水部により貯水機能を
発揮して、ポット部内の土壌全体の保水量を増大するこ
とができ、より一層良好な植生の生育基盤を提供するこ
とができる。一方、貯水部上端に連続するポーラスコン
クリート層により、余分な水がポット部内に残留し、植
生の根腐れ等の原因となることを防止することができ
る。特に、法面または傾斜面に敷設した場合でも、通常
は流下する水を保持して十分な保水量を確保することが
でき、良好な植生の生育基盤を提供することができる。
【0140】請求項3に係る緑化コンクリートブロック
は、ポーラスコンクリート層の空隙及びポット部によ
り、保肥力の大きい、養分供給量の十分な生育基盤を形
成することができる。そして、特別なメンテナンスを必
要とすることなく、植生に十分な給肥及び給水を行うこ
とができ、長期にわたって植生を維持することができ
る。即ち、請求項3の緑化コンクリートブロックは、敷
設後における植生維持のためのメンテナンス及びコスト
が基本的に不要となり、継続的緑化のためのコストを低
減することができる。また、高水護岸等の高い強度が要
求される流水構造物または湛水構造物に適用した場合で
も、ポーラスコンクリート層により、堤防保護、河岸決
壊防止及び河道固定等の本来の治水機能を十分に発揮す
ることができる。即ち、請求項3の緑化コンクリートブ
ロックは、十分な土壌量確保を通した緑化維持による環
境保全及び景観調和という環境面の要求と、流水に対す
る表層土侵食防止機能等の機能面の要求とを両立するこ
とができる。更に、梁構造の突部により、ポーラスコン
クリート層及びポット部内の土壌への入射熱量を抑制す
ることができ、土壌の乾燥を効果的に防止することがで
きる。また、梁構造によりポーラスコンクリート層の強
度を増大することができる。
【0141】請求項4に係る緑化コンクリートブロック
は、請求項3の効果に加えて、緑化コンクリートブロッ
クの接合境界部においても、ポット部により十分な量の
土壌を充填することができる。
【0142】請求項5に係る緑化コンクリートブロック
は、ポーラスコンクリート層の空隙及びポット部によ
り、保肥力の大きい、養分供給量の十分な生育基盤を形
成することができる。そして、特別なメンテナンスを必
要とすることなく、植生に十分な給肥及び給水を行うこ
とができ、長期にわたって植生を維持することができ
る。即ち、請求項5の緑化コンクリートブロックは、敷
設後における植生維持のためのメンテナンス及びコスト
が基本的に不要となり、継続的緑化のためのコストを低
減することができる。また、高水護岸等の高い遮水性が
要求される流水構造物または湛水構造物に適用した場
合、普通コンクリート層により、堤防保護、河岸決壊防
止及び河道固定等の本来の治水機能を十分に発揮するこ
とができる。即ち、請求項5の緑化コンクリートブロッ
クは、十分な土壌量確保を通した緑化維持による環境保
全及び景観調和という環境面の要求と、流水に対する遮
水機能または表層土侵食防止機能等の機能面の要求とを
両立することができる。
【0143】請求項6に係る緑化コンクリートブロック
は、請求項5の効果に加えて、貯水部により貯水機能を
発揮して、ポット部内の土壌全体の保水量を増大するこ
とができ、より一層良好な植生の生育基盤を提供するこ
とができる。一方、貯水部上端に連続するポーラスコン
クリート層により、余分な水がポット部内に残留し、植
生の根腐れ等の原因となることを防止することができ
る。特に、法面または傾斜面に敷設した場合でも、通常
は流下する水を保持して十分な保水量を確保することが
でき、良好な植生の生育基盤を提供することができる。
【0144】請求項7に係る緑化コンクリートブロック
は、請求項1,5及び6のいずれかの効果に加えて、梁
構造の突部により、ポーラスコンクリート層及びポット
部内の土壌への入射熱量を抑制することができ、土壌の
乾燥を効果的に防止することができる。また、梁構造に
よりポーラスコンクリート層の強度を増大することがで
きる。
【0145】請求項8に係る緑化コンクリートブロック
は、請求項1,5,6,7のいずれかの効果に加えて、
保水シートという簡便な手段でポット部内の土壌全体の
保水力を向上することができ、より一層良好な植生の生
育基盤を提供することができ、また、そのための作業も
簡単に行うことができる。
【0146】請求項9に係る緑化コンクリートブロック
は、請求項1,5,6,7,8のいずれかの効果に加え
て、表層植生基盤により、全体の土壌量を増大すること
ができ、全体の保肥力及び保水力を増大して、より良好
な植生の生育基盤を提供することができる。また、移動
抑制手段により、雨水、地表流下水、河川流水等による
表層植生基盤の土壌の滑落、崩壊、侵食等を有効に防止
することができる。
【0147】請求項10に係る緑化コンクリートブロッ
クは、請求項1,5,6,7,8,9のいずれかの効果
に加えて、植生を鉢植えのままの状態で挿入して定着さ
せることができ、緑化コンクリートブロックへの植生の
植え付けが簡単で、生産性乃至施工性を向上することが
できる。また、植生の栽培をポットで行うため、栽培ス
ペースが小さくなり、温室を利用することもできるた
め、生産性が良い。一方、植物根はポット内部の多量の
土壌で被覆されているため、植生基盤である土壌との間
の急激な変化が緩和されることから、移植初期における
環境変化も少なくなり、植生の活着及び生育を格段に向
上することができる。また、ポットを生分解性としたた
め、環境に優しく、かつ、土壌基盤乃至生育基盤の機能
を損なうことがない。
【0148】請求項11に係るコンクリート二次製品
は、緑化が必要とされる場合に、緑化コンクリートブロ
ックを構成し、請求項5の緑化コンクリートブロックと
同様にして、保肥力の大きい、養分供給量の十分な生育
基盤を形成することができる。そして、特別なメンテナ
ンスを必要とすることなく、植生に十分な給肥及び給水
を行うことができ、長期にわたって植生を維持すること
ができる。即ち、請求項11のコンクリート二次製品
は、緑化コンクリートブロックに使用した場合、緑化コ
ンクリートブロック敷設後における植生維持のためのメ
ンテナンス及びコストが基本的に不要となり、コストを
低減することができる。また、請求項11のコンクリー
ト二次製品を使用した緑化コンクリートブロックを法面
等に敷設した場合、ポーラスコンクリート層自体によ
り、法面等自体の侵食、崩壊及び滑落等の不具合を防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態1に係る緑化コン
クリートブロックの敷設状態を示す断面図である。
【図2】 図2は本発明の実施の形態1に係る緑化コン
クリートブロックの平面図であり、ポット部に土壌を充
填する前の状態を示す。
【図3】 図3は図2のX−X線断面図であり、図2の
緑化コンクリートブロックをポット部の長さ方向に沿っ
て左右に切断した状態を示す。
【図4】 図4は図2のY−Y線断面図であり、図2の
緑化コンクリートブロックを前後に切断した状態を示
す。
【図5】 図5は図4のZ−Z線断面図であり、図4の
緑化コンクリートブロックを普通コンクリート層とポー
ラスコンクリート層の境界面に沿って切断した状態を示
す。
【図6】 図6は本発明の実施の形態1に係る緑化コン
クリートブロックの斜視図であり、ポット部に土壌を充
填する前の状態を示す。
【図7】 図7は実施の形態1に係る緑化コンクリート
ブロックの貯水部による貯水機能を示す部分断面図であ
る。
【図8】 図8は本発明の実施の形態2に係る緑化コン
クリートブロックの断面図である。
【図9】 図9は本発明の実施の形態3に係る緑化コン
クリートブロックを示す部分断面図である。
【図10】 図10は本発明の実施の形態4に係る緑化
コンクリートブロックの要部を概略的に示す斜視図であ
る。
【図11】 図11は本発明の実施の形態5に係る緑化
コンクリートブロックの断面図である。
【図12】 図12は本発明の実施の形態6に係る緑化
コンクリートブロックの断面図である。
【図13】 図13は本発明の実施の形態7に係る緑化
コンクリートブロックの斜視図である。
【図14】 図14は本発明の実施の形態8に係る緑化
コンクリートブロックの概略を示す斜視図である。
【図15】 図15は本発明の実施の形態9に係る緑化
コンクリートブロックの断面図である。
【図16】 図16は本発明の実施の形態10に係る緑
化コンクリートブロックの断面図である。
【図17】 図17は本発明の実施の形態11に係る緑
化コンクリートブロックの断面図である。
【図18】 図18は本発明の実施の形態12に係る緑
化コンクリートブロックの断面図である。
【符号の説明】
10,40 普通コンクリート層(遮水層) 11A,11B,11C 突部(梁構造) 12,151 貯水部、 20,50,90,100,110,130 ポーラス
コンクリート層 21 粗骨材、22 空隙 23A,23B,23C,51,91,101 突部
(梁構造) 25,25A,52,52A,92,92A,102,
112 ポット部 31 下層植生基盤(土壌)、32 表層植生基盤(土
壌) 33,83 植生、61 保水シート 71,111,131 波状面(移動抑制手段)、81
ポット 141 貯水シート(貯水部)、161 遮水シート
(遮水層) 171 遮水層
フロントページの続き (72)発明者 高田 勝己 岐阜県本巣郡真正町海老430番地 杉山建 設株式会社内 (72)発明者 浅野 幸男 岐阜県本巣郡真正町海老430番地 杉山建 設株式会社内 Fターム(参考) 2D018 EA01 2D044 DA17 4F100 AC10B AE01A AE01B AR00A BA02 CA24B DC11B DD01B DD05B DD09B DJ10B GB90 JD05A JD05B JK01 JL00 4G019 AA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮水性を有する遮水層に積層され、粗骨
    材間に空隙を形成すると共に、その表面側で開口する凹
    部状をなすポット部を有するポーラスコンクリート層
    と、 少なくとも前記ポーラスコンクリート層の空隙及び前記
    ポット部に充填した土壌と、 前記土壌に根系を保持した植生とを具備することを特徴
    とする緑化コンクリートブロック。
  2. 【請求項2】 前記ポット部の底面側に遮水性の貯水部
    を設けたことを特徴とする請求項1記載の緑化コンクリ
    ートブロック。
  3. 【請求項3】 粗骨材間に空隙を形成すると共に、その
    表面側で開口する凹部状をなすポット部を有するポーラ
    スコンクリート層と、少なくとも前記ポーラスコンクリ
    ート層の空隙及び前記ポット部に充填した土壌と、前記
    土壌に根系を保持した植生とを具備し、 前記ポット部を前記ポーラスコンクリート層の左右方向
    に延びる長溝凹部状とすると共に、複数のポット部を前
    記ポーラスコンクリート層の前後方向に所定間隔で並べ
    て配置して、前記ポット部間を突部からなる梁構造とし
    たことを特徴とする緑化コンクリートブロック。
  4. 【請求項4】 前記ポーラスコンクリート層の前端また
    は後端に位置する前記ポット部の前端または後端を開放
    したことを特徴とする請求項3記載の緑化コンクリート
    ブロック。
  5. 【請求項5】 遮水性を有する普通コンクリート層と、 前記普通コンクリート層に一体的に積層形成され、粗骨
    材間に空隙を形成すると共に、その表面側で開口する凹
    部状をなすポット部を有するポーラスコンクリート層
    と、 少なくとも前記ポーラスコンクリート層の空隙及び前記
    ポット部に充填した土壌と、 前記土壌に根系を保持した植生とを具備することを特徴
    とする緑化コンクリートブロック。
  6. 【請求項6】 前記ポット部を、前記ポーラスコンクリ
    ート層を貫通して前記普通コンクリート層内まで延びる
    ようにし、その下部に前記普通コンクリート層による遮
    水性の貯水部を設けたことを特徴とする請求項5記載の
    緑化コンクリートブロック。
  7. 【請求項7】 前記ポット部を前記ポーラスコンクリー
    ト層の左右方向に延びる長溝凹部状とすると共に、複数
    のポット部をポーラスコンクリート層の前後方向に所定
    間隔で並べて配置して、前記ポット部間を突部からなる
    梁構造としたことを特徴とする請求項1,5及び6のい
    ずれか1項記載の緑化コンクリートブロック。
  8. 【請求項8】 前記ポット部の底面に保水シートを配置
    したことを特徴とする請求項1,5,6及び7のいずれ
    か1項記載の緑化コンクリートブロック。
  9. 【請求項9】 前記ポーラスコンクリート層の空隙及び
    前記ポット部内に充填した前記土壌の上に、更に、表層
    植生基盤を構成する土壌を充填すると共に、前記ポーラ
    スコンクリート層の上面に前記表層植生基盤の移動を抑
    制する移動抑制手段を設けたことを特徴とする請求項
    1,5,6,7及び8のいずれか1項に記載の緑化コン
    クリートブロック。
  10. 【請求項10】 前記植生を生分解性の有機質材料から
    なるポットで予め栽培し、前記ポットと共に前記ポット
    部に挿入して定着させたことを特徴とする請求項1,
    5,6,7,8及び9のいずれか1項に記載の緑化コン
    クリートブロック。
  11. 【請求項11】 遮水性を有する普通コンクリート層
    と、 前記普通コンクリート層に一体的に積層形成され、粗骨
    材間に空隙を形成すると共に、その表面側で開口する凹
    部状をなすポット部を有するポーラスコンクリート層と
    を具備することを特徴とするコンクリート二次成形品。
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