JP2000351794A - エリスロマイシン誘導体 - Google Patents

エリスロマイシン誘導体

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JP2000351794A
JP2000351794A JP2000090043A JP2000090043A JP2000351794A JP 2000351794 A JP2000351794 A JP 2000351794A JP 2000090043 A JP2000090043 A JP 2000090043A JP 2000090043 A JP2000090043 A JP 2000090043A JP 2000351794 A JP2000351794 A JP 2000351794A
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Japan
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substituent
salt
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compound
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Application number
JP2000090043A
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English (en)
Inventor
Hideo Kato
日出男 加藤
Noriyuki Kato
典幸 加戸
Toshihiko Yoshida
敏彦 吉田
Akiyoshi Nishimoto
明美 西本
Ken Narita
研 成田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Abbott Japan Co Ltd
Original Assignee
Hokuriku Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抗菌剤として有用な化合物を提供する。 【解決手段】次の一般式 【化1】 (式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を、R1はア
ルキル基,シクロアルキル基,(シクロアルキル)アル
キル基,アラルキル基又は式−(CH2n−X−R4
示される基を、R2は水素原子又はアセチル基を、R3
アシル基又は式−C(=O)−Y−R5で示される基を
表し、R4はアルキル基,アルコキシアルキル基,アル
キルチオアルキル基,アルキルアミノアルキル基,アリ
ール基又はアラルキル基を、R5はアルキル基,アリー
ル基又はアラルキル基を表し、nは1〜6の整数を表
し、Xは酸素原子,硫黄原子又は−NZ−で示される基
を、Yは酸素原子又は−NH−で示される基を、Zは水
素原子又はアルキル基を表す。)で示される新規なエリ
スロマイシン誘導体又はその塩は、多剤耐性菌を含む非
定型抗酸菌に対して優れた抗菌力を有し、抗菌剤として
極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌剤として、特
に多剤耐性菌を含む非定型抗酸菌に対して優れた抗菌力
を有する新規なエリスロマイシン誘導体又はその塩、並
びにそれらを有効成分として含有する医薬に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】非定型抗酸菌が抗結核剤を始めとする諸
種抗菌剤に対して感受性が低いため、非定型抗酸菌感染
症は極めて難治性疾患である。本発明の化合物と類似の
適応を有する化合物としては、リファンピシン[rifamp
icin;ザ・メルク・インデックス(The Merck Inde
x),12版,8382]等が、又、本発明の化合物と近似の
化学構造を有するマクロライド誘導体としては、クラリ
スロマイシン(clarithromycin;The Merck Index,12
版,2400),9位オキシム型化合物のロキシスロマイシ
ン(roxithromycin;The Merck Index,12版,8433)等
が抗菌剤として知られ、又特開昭63−107921号
公報に4”−O−アセチルエリスロマイシンA9−(O
−メチルオキシム)等がウイルス複製阻害作用を有する
ことが報告されている。しかしながら、これらのマクロ
ライド誘導体が非定型抗酸菌に対して抗菌力を有するこ
とはほとんど知られていない。一方マクロライド誘導体
の中で現在最も優れた非定型抗酸菌感染症治療剤として
有望視されているクラリスロマイシンが米国等において
は臨床適応が承認されたが、このクラリスロマイシンの
抗菌力でさえ非定型抗酸菌感染症治療剤として十分とは
いえず、より優れた抗菌剤の開発が課題とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、日和見感染症の
増加が社会的に大きな問題となってきている。この日和
見感染症の増加の原因としては、ヒト免疫不全ウイルス
(HIV)感染者,がん患者,糖尿病患者や老人等の生
体内防御機構の衰えた易感染者の増加,メチシリン耐性
黄色ブドウ球菌(Methicillin-resistant Staphylococc
us aureus)等に代表される多剤耐性菌の増加、あるい
はこれらの菌による患者の菌交代症等が挙げられ、これ
らの原因により日和見感染症の化学療法はより困難なも
のとなっている。これら問題となってきている日和見感
染症の一つに非定型抗酸菌感染症が挙げられる。この感
染症の起因菌である非定型抗酸菌は増殖速度が遅く、か
つ貪食細胞に飽食されても該細胞中で長期間生存するた
め、この細菌による感染症には長期間の化学療法が必要
である。特に、非定型抗酸菌の中でもMycobacteriumavi
um complex(MAC)に対する有効な抗菌剤が乏しく、
現在この感染症の治療には外科療法も検討されている。
又、先に記載したクラリスロマイシンでさえ、非定型抗
酸菌に対する選択性に欠け、かつクラリスロマイシン耐
性のMACも既に知られている。このように、非定型抗
酸菌感染症の化学療法には、既存の抗菌剤に対しては感
受性に乏しいこと、菌交代症あるいは耐性菌が出現しや
すい環境下にあること等の種々の問題点がある。本発明
の課題は非定型抗酸菌に選択的で、かつ優れた抗菌活性
を有する化合物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意研究してきた結果、本発明に係る新規
なエリスロマイシン誘導体又はその塩が抗菌剤として有
用であること、特に、非定型抗酸菌に対して優れた抗菌
力を有する化合物であることを見出し、本発明を完成さ
せた。
【0005】即ち、本発明は次の一般式(I)
【化3】 (式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を表し、R1
は置換基を有してもよい炭素数5〜12のアルキル基,
置換基を有してもよいシクロアルキル基,置換基を有し
てもよい(シクロアルキル)アルキル基,置換基を有し
てもよいアラルキル基又は式−(CH2n−X−R4
示される基を表し、R2は水素原子又はアセチル基を表
し、R3は置換基を有してもよいアシル基又は式−C
(=O)−Y−R5で示される基を表し、R4は置換基を
有してもよいアルキル基,置換基を有してもよいアルコ
キシアルキル基,置換基を有してもよいアルキルチオア
ルキル基,置換基を有してもよいアルキルアミノアルキ
ル基,置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有
してもよいアラルキル基を表し、R5は置換基を有して
もよいアルキル基,置換基を有してもよいアリール基又
は置換基を有してもよいアラルキル基を表し、nは1〜
6の整数を表し、Xは酸素原子,硫黄原子又は−NZ−
で示される基を表し、Yは酸素原子又は−NH−で示さ
れる基を表し、Zは水素原子又は置換基を有してもよい
アルキル基を表す。)で示される新規なエリスロマイシ
ン誘導体又はその塩に関するものである。
【0006】本発明の第二の態様によれば、前記一般式
(I)で示される化合物中、Rが水素原子である次の一
般式(II)
【化4】 (式中、R1,R2及びR3は前述と同意義を表す。)で
示される化合物又はその塩が提供される。
【0007】本発明の第三の態様によれば、前記一般式
(I)及び(II)で示される化合物中、R2が水素原子
である化合物又はその塩が提供される。
【0008】更に本発明の別の態様によれば、前記一般
式(I)及び(II)で示される化合物又はその塩を有効
成分とする医薬が提供される。本発明により提供される
医薬は、例えば、抗菌剤、特に非定型抗酸菌感染症治療
剤として好適に用いることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る前記一般式
(I)で示される新規なエリスロマイシン誘導体につい
て具体的に説明するが、本発明の前記一般式(II)で示
される化合物が前記一般式(I)で示される化合物に包
含されることは、前述した如く当業者に自明である。本
発明の前記一般式(I)において、Rで示される低級ア
ルキル基としては、例えば、メチル基,エチル基,n-プ
ロピル基,n-ブチル基等が挙げられる。R1で示される
置換基を有してもよい炭素数5〜12のアルキル基のア
ルキル基は、炭素数5〜12の直鎖状又は分枝鎖状のア
ルキル基を表し、例えば、n-ペンチル基,イソペンチル
基,ネオペンチル基,tert-ペンチル基,n-ヘキシル
基,4−メチルペンチル基,n-ヘプチル基,n-オクチル
基,n-ノニル基,n-デシル基,n-ウンデシル基,n-ドデ
シル基等が挙げられる。R1で示される置換基を有して
もよいシクロアルキル基のシクロアルキル基は、炭素数
3〜6のシクロアルキル基を表し、例えば、シクロプロ
ピル基,シクロブチル基,シクロペンチル基,シクロへ
キシル基が挙げられ、R1で示される置換基を有しても
よい(シクロアルキル)アルキル基の(シクロアルキ
ル)アルキル基は、炭素数1〜12の直鎖状又は分枝鎖
状のアルキル基に上記のシクロアルキル基が任意の位置
で置換した基を表し、例えば、シクロプロピルメチル
基,シクロブチルメチル基,シクロペンチルメチル基,
シクロヘキシルメチル基,シクロプロピルエチル基,シ
クロブチルエチル基,シクロペンチルエチル基,シクロ
ヘキシルエチル基,シクロヘキシルプロピル基,シクロ
ヘキシルブチル基,シクロヘキシルペンチル基,シクロ
ヘキシルヘキシル基,シクロヘキシルヘプチル基,シク
ロヘキシルオクチル基,シクロヘキシルノニル基,シク
ロヘキシルデシル基,シクロヘキシルウンデシル基,シ
クロヘキシルドデシル基等が挙げられる。
【0010】本発明の前記一般式(I)において、
1,R4又はR5で示される置換基を有してもよいアラ
ルキル基のアラルキル基は、炭素数1〜12の直鎖状又
は分枝鎖状のアルキル基にアリール基が任意の位置で置
換した基を表し、例えば、ベンジル基,ナフチルメチル
基,ナフチルエチル基,ナフチルプロピル基,ピリジル
メチル基,ピリジルエチル基,ピリジルプロピル基,ピ
リミジルメチル基,ピリミジルエチル基,ピリミジルプ
ロピル基,ピラジニルメチル基,ピラジニルエチル基,
ピラジニルプロピル基,フリルメチル基,フリルエチル
基,フリルプロピル基,ベンゾフラニルメチル基,ベン
ゾフラニルエチル基,ベンゾフラニルプロピル基,テニ
ル基,チエニルエチル基,チエニルプロピル基,ベンゾ
[b]チエニルメチル基,ベンゾ[b]チエニルエチル
基,ベンゾ[b]チエニルプロピル基,ピロリルメチル
基,ピロリルエチル基,ピロリルプロピル基,インドリ
ルメチル基,インドリルエチル基,インドリルプロピル
基,イミダゾリルメチル基,イミダゾリルエチル基,イ
ミダゾリルプロピル基,ベンゾイミダゾリルメチル基,
ベンゾイミダゾリルエチル基,ベンゾイミダゾリルプロ
ピル基,キノリルメチル基,キノリルエチル基,キノリ
ルプロピル基,イソキノリルメチル基,イソキノリルエ
チル基,イソキノリルプロピル基,フェネチル基,フェ
ニルプロピル基,フェニルブチル基,フェニルペンチル
基,フェニルヘキシル基,フェニルヘプチル基,フェニ
ルオクチル基,フェニルノニル基,フェニルデシル基,
フェニルウンデシル基,フェニルドデシル基等が挙げら
れる。
【0011】R3で示される置換基を有してもよいアシ
ル基のアシル基は、ホルミル基、あるいはアルキル基,
シクロアルキル基,(シクロアルキル)アルキル基,ア
リール基又はアラルキル基の任意の位置にカルボニル基
が置換した基を表し、例えば、アセチル基,プロピオニ
ル基,ブチリル基,イソブチリル基,n-バレリル基,イ
ソバレリル基,ピバロイル基,n-ヘキサノイル基,n-ヘ
プタノイル基,n-オクタノイル基,n-ノナノイル基,n-
デカノイル基,n-ウンデカノイル基,n-ドデカノイル
基,n-トリデカノイル基,シクロプロピルカルボニル
基,シクロブチルカルボニル基,シクロペンチルカルボ
ニル基,シクロヘキシルカルボニル基,シクロプロピル
アセチル基,シクロブチルアセチル基,シクロペンチル
アセチル基,シクロへキシルアセチル基,シクロへキシ
ルプロピオニル基,シクロへキシルブチリル基,シクロ
へキシルペンタノイル基,シクロへキシルヘキサノイル
基,シクロへキシルヘプタノイル基,シクロへキシルオ
クタノイル基,シクロへキシルノナノイル基,シクロへ
キシルデカノイル基,シクロへキシルウンデカノイル
基,シクロへキシルドデカノイル基,シクロへキシルト
リデカノイル基,ベンゾイル基,ナフトイル基,ニコチ
ノイル基,イソニコチノイル基,ピリダゾリルカルボニ
ル基,ピラジニルカルボニル基,フロイル基,ベンゾフ
ラニルカルボニル基,テノイル基,ベンゾ[b]チエニ
ルカルボニル基,ピロリルカルボニル基,インドリルカ
ルボニル基,イミダゾリルカルボニル基,ベンゾイミダ
ゾリルカルボニル基,キノリルカルボニル基,イソキノ
リルカルボニル基,フェニルアセチル基,ナフチルアセ
チル基,ピリジルアセチル基,フリルアセチル基,チエ
ニルアセチル基,ピロリルアセチル基,フェニルプロピ
オニル基,フェニルブチリル基,フェニルペンタノイル
基,フェニルヘキサノイル基,フェニルヘプタノイル
基,フェニルオクタノイル基,フェニルノナノイル基,
フェニルデカノイル基,フェニルウンデカノイル基,フ
ェニルドデカノイル基,フェニルトリデカノイル基,α
−メチルフェニルアセチル基等が挙げられる。
【0012】R4,R5又はZで示される置換基を有して
もよいアルキル基のアルキル基は、炭素数1〜12の直
鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を表し、例えば、メチル
基,エチル基,n-プロピル基,イソプロピル基,n-ブチ
ル基,イソブチル基,sec-ブチル基,tert-ブチル基,n
-ペンチル基,イソペンチル基,ネオペンチル基,tert-
ペンチル基,n-ヘキシル基,n-ヘプチル基,n-オクチル
基,n-ノニル基,n-デシル基,n-ウンデシル基,n-ドデ
シル基等が挙げられる。R4で示される置換基を有して
もよいアルコキシアルキル基のアルコキシアルキル基
は、炭素数1〜12の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基
に炭素数1〜12の直鎖状又は分枝鎖状のアルコキシ基
が任意の位置で置換した基を表し、例えば、メトキシメ
チル基,エトキシメチル基,n-プロポキシメチル基,イ
ソプロポキシメチル基,n-ブトキシメチル基,イソブト
キシメチル基,sec-ブトキシメチル基,tert-ブトキシ
メチル基,n-ペンチルオキシメチル基,イソペンチルオ
キシメチル基,ネオペンチルオキシメチル基,tert-ペ
ンチルオキシメチル基,n-ヘキシルオキシメチル基,n-
ヘプチルオキシメチル基,n-オクチルオキシメチル基,
n-ノニルオキシメチル基,n-デシルオキシメチル基,n-
ウンデシルオキシメチル基,n-ドデシルオキシメチル
基,メトキシエチル基,メトキシプロピル基,メトキシ
ブチル基,メトキシペンチル基,メトキシヘキシル基,
メトキシヘプチル基,メトキシオクチル基,メトキシノ
ニル基,メトキシデシル基,メトキシウンデシル基,メ
トキシドデシル基,エトキシエチル基,n-ヘキシルオキ
シエチル基,n-ドデシルオキシエチル基,n-プロポキシ
プロピル基等が挙げられ、R4で示される置換基を有し
てもよいアルキルチオアルキル基のアルキルチオアルキ
ル基は、炭素数1〜12の直鎖状又は分枝鎖状のアルキ
ル基に炭素数1〜12の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル
チオ基が任意の位置で置換した基を表し、例えば、メチ
ルチオメチル基,エチルチオメチル基,n-プロピルチオ
メチル基,イソプロピルチオメチル基,n-ブチルチオメ
チル基,イソブチルチオメチル基,sec-ブチルチオメチ
ル基,tert-ブチルチオメチル基,n-ペンチルチオメチ
ル基,イソペンチルチオメチル基,ネオペンチルチオメ
チル基,tert-ペンチルチオメチル基,n-ヘキシルチオ
メチル基,n-ヘプチルチオメチル基,n-オクチルチオメ
チル基,n-ノニルチオメチル基,n-デシルチオメチル
基,n-ウンデシルチオメチル基,n-ドデシルチオメチル
基,メチルチオエチル基,メチルチオプロピル基,メチ
ルチオブチル基,メチルチオペンチル基,メチルチオヘ
キシル基,メチルチオヘプチル基,メチルチオオクチル
基,メチルチオノニル基,メチルチオデシル基,メチル
チオウンデシル基,メチルチオドデシル基等が挙げら
れ、R4で示される置換基を有してもよいアルキルアミ
ノアルキル基のアルキルアミノアルキル基は、炭素数1
〜12の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基に、炭素数1
〜12の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基が1個又は2
個置換したアミノ基が任意の位置で置換した基を表し、
例えば、メチルアミノメチル基,エチルアミノメチル
基,n-プロピルアミノメチル基,イソプロピルアミノメ
チル基,n-ブチルアミノメチル基,イソブチルアミノメ
チル基,sec-ブチルアミノメチル基,tert-ブチルアミ
ノメチル基,n-ペンチルアミノメチル基,イソペンチル
アミノメチル基,ネオペンチルアミノメチル基,tert-
ペンチルアミノメチル基,n-ヘキシルアミノメチル基,
n-ヘプチルアミノメチル基,n-オクチルアミノメチル
基,n-ノニルアミノメチル基,n-デシルアミノメチル
基,n-ウンデシルアミノメチル基,n-ドデシルアミノメ
チル基,メチルアミノエチル基,メチルアミノプロピル
基,メチルアミノブチル基,メチルアミノペンチル基,
メチルアミノヘキシル基,メチルアミノヘプチル基,メ
チルアミノオクチル基,メチルアミノノニル基,メチル
アミノデシル基,メチルアミノウンデシル基,メチルア
ミノドデシル基,ジメチルアミノメチル基,ジメチルア
ミノエチル基等が挙げられる。
【0013】本発明の前記一般式(I)において、R4
又はR5で示される置換基を有してもよいアリール基の
アリール基としては、例えば、フェニル基,ナフチル
基,ピリジル基,ピリミジル基,ピラジニル基,フリル
基,ベンゾフラニル基,チエニル基,ベンゾ[b]チエ
ニル基,ピロリル基,インドリル基,イミダゾリル基,
ベンゾイミダゾリル基,キノリル基,イソキノリル基等
が挙げられる。
【0014】本発明の前記一般式(I)において、ある
官能基について「置換基を有してもよい」という場合に
は、これらの基に置換可能な基ならばいかなるものでも
よい。置換基の個数及び種類は特に限定されず、2個以
上の置換基が存在する場合には、それらは同一でも異な
っていてもよく、置換位置も特に限定されない。置換可
能な基としては、例えば、保護基を有してもよい水酸
基,アルコキシ基,置換基を有してもよいアミノ基,置
換基を有してもよいカルバモイル基,ハロゲン原子,ア
ルキル基,トリフルオロメチル基,アシル基,シクロア
ルキル基,アリール基,アリールオキシ基,シアノ基,
ニトロ基,グアニジノ基,アミジノ基,カルボキシル
基,アルコキシカルボニル基,アリールオキシカルボニ
ル基,アラルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
水酸基の保護基としては、水酸基が反応に関与すべきで
ない系において実質的に不活性であって、かつ特定の脱
保護反応の条件下で容易に開裂できるものならばいかな
るものを用いてもよく、例えば、アシル基、トリメチル
シリル基,トリエチルシリル基等のトリアルキルシリル
基、ベンジル基等が挙げられる。又、アルコキシ基は直
鎖状又は分枝鎖状のアルコキシ基を表し、例えば、メト
キシ基,エトキシ基,n-プロポキシ基,イソプロポキシ
基,n-ブトキシ基,イソブトキシ基,sec-ブトキシ基,
tert-ブトキシ基,n-ペンチルオキシ基,イソペンチル
オキシ基,ネオペンチルオキシ基,tert-ペンチルオキ
シ基,n-ヘキシルオキシ基等が挙げられる。置換基を有
してもよいアミノ基としては、例えば、アミノ基,メチ
ルアミノ基,エチルアミノ基,n-プロピルアミノ基,イ
ソプロピルアミノ基,n-ブチルアミノ基,イソブチルア
ミノ基,sec-ブチルアミノ基,tert-ブチルアミノ基,n
-ペンチルアミノ基,イソペンチルアミノ基,ネオペン
チルアミノ基,tert-ペンチルアミノ基,n-ヘキシルア
ミノ基,ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基等が挙げ
られ、置換基を有してもよいカルバモイル基としては、
例えば、カルバモイル基,N−メチルカルバモイル基,
N−エチルカルバモイル基,N−n-プロピルカルバモイ
ル基,N−イソプロピルカルバモイル基,N−n-ブチル
カルバモイル基,N−イソブチルカルバモイル基,N−
sec-ブチルカルバモイル基,N−tert-ブチルカルバモ
イル基,N−n-ペンチルカルバモイル基,N−イソペン
チルカルバモイル基,N−ネオペンチルカルバモイル
基,N−tert-ペンチルカルバモイル基,N−n-ヘキシ
ルカルバモイル基,N,N−ジメチルカルバモイル基,
N,N−ジエチルカルバモイル基等が挙げられ、ハロゲ
ン原子としては、例えば、フッ素原子,塩素原子,臭素
原子又はヨウ素原子が挙げられ、アリールオキシ基とし
ては、例えば、フェノキシ基,ナフチルオキシ基,ピリ
ジルオキシ基,ピリミジルオキシ基,ピラジニルオキシ
基,ベンゾフラニルオキシ基,チエニルオキシ基,イン
ドリルオキシ基,ベンゾイミダゾリルオキシ基,キノリ
ルオキシ基,イソキノリルオキシ基等が挙げられる。ア
ルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカル
ボニル基,エトキシカルボニル基,n-プロポキシカルボ
ニル基,イソプロポキシカルボニル基,n-ブトキシカル
ボニル基,イソブトキシカルボニル基,sec-ブトキシカ
ルボニル基,tert-ブトキシカルボニル基,n-ペンチル
オキシカルボニル基,イソペンチルオキシカルボニル
基,ネオペンチルオキシカルボニル基,tert-ペンチル
オキシカルボニル基,n-ヘキシルオキシカルボニル基等
が挙げられ、アリールオキシカルボニル基としては、例
えば、フェノキシカルボニル基,ナフチルオキシカルボ
ニル基,ピリジルオキシカルボニル基,ピリミジルオキ
シカルボニル基,ベンゾフラニルオキシカルボニル基,
チエニルオキシカルボニル基,インドリルオキシカルボ
ニル基,ベンゾイミダゾリルオキシカルボニル基,キノ
リルオキシカルボニル基,イソキノリルオキシカルボニ
ル基等が挙げられ、アラルキルオキシカルボニル基とし
ては、例えば、ベンジルオキシカルボニル基,ナフチル
メチルオキシカルボニル基,ピリジルメチルオキシカル
ボニル基,フリルメチルオキシカルボニル基,ベンゾフ
ラニルメチルオキシカルボニル基,テニルオキシカルボ
ニル基,インドリルメチルオキシカルボニル基,イミダ
ゾリルメチルオキシカルボニル基,ベンゾイミダゾリル
メチルオキシカルボニル基,キノリルメチルオキシカル
ボニル基,イソキノリルメチルオキシカルボニル基等が
挙げられる。又、上記の置換可能なアルキル基,アシル
基,シクロアルキル基,アリール基としては、例えば、
前述に例記したような基が挙げられる。
【0015】尚、本明細書において、「アラルキル
基」,「アシル基中のアリール基,アラルキル基」,
「アリール基」,「アリールオキシ基」,「アリールオ
キシカルボニル基」,「アラルキルオキシカルボニル
基」の中の「アリール基」の置換/結合部位としては、
環構成成分中、置換/結合可能な元素であればいかなる
位置でもよい基を包含する概念として用いる。
【0016】本発明の前記一般式(I)で示される化合
物は不斉炭素を有しており、光学異性体,ジアステレオ
異性体,幾何異性体などの立体異性体が存在しうるが、
これら異性体及びその任意の混合物又はラセミ体並びに
それらの塩も本発明の範囲に包含される。
【0017】本発明の前記一般式(I)で示される化合
物は、所望により塩、好ましくは薬理学的に許容しうる
塩に変換することができ、又、生成した塩から遊離形態
の化合物に変換することもできる。本発明の前記一般式
(I)で示される化合物の塩としては、酸付加塩又はア
ルカリ付加塩が挙げられ、酸付加塩としては、例えば、
塩酸塩,臭化水素酸塩,硝酸塩,硫酸塩,ヨウ化水素酸
塩,燐酸塩等の鉱酸塩、酢酸塩,プロピオン酸塩,酪酸
塩,イソ酪酸塩,ギ酸塩,吉草酸塩,イソ吉草酸塩,ピ
バル酸塩,トリフルオロ酢酸塩,アクリル酸塩,マレイ
ン酸塩,酒石酸塩,クエン酸塩,オレイン酸塩,ラウリ
ン酸塩,ステアリン酸塩,ミリスチン酸塩,コハク酸
塩,ラクトビオン酸塩,グルタル酸塩,セバシン酸塩,
グルコン酸塩,安息香酸塩,メタンスルホン酸塩,エタ
ンスルホン酸塩,2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩,
ベンゼンスルホン酸塩,フタル酸塩,テレフタル酸塩,
ケイ皮酸塩,p-トルエンスルホン酸塩,ラウリル硫酸
塩,グルセプト酸塩,リンゴ酸塩,マロン酸塩,アスパ
ラギン酸塩,グルタミン酸塩,アジピン酸塩,シュウ酸
塩,ニコチン酸塩,ピクリン酸塩,チオシアン酸塩,ウ
ンデカン酸塩,マンデル酸塩,フマル酸塩,10−カン
ファースルホン酸塩,乳酸塩,5−オキソテトラヒドロ
フラン−2−カルボン酸塩,2−ヒドロキシグルタル酸
塩等の有機酸塩が、アルカリ付加塩としては、例えば、
ナトリウム塩,カリウム塩,カルシウム塩,マグネシウ
ム塩,アンモニウム塩等の無機アルカリ塩、エタノール
アミン塩,N,N−ジアルキルエタノールアミン塩等の
有機塩基の塩、あるいはこれらの光学活性体の塩が挙げ
られる。
【0018】本発明の前記一般式(I)で示される化合
物又はその塩は、製造条件により任意の結晶形として、
又、任意の水もしくは有機溶媒の溶媒和物として存在す
ることができるが、これらの結晶形,水和物,溶媒和物
及びそれらの混合物も本発明の範囲に包含される。
【0019】本発明の好ましい化合物としては、例え
ば、以下に記載する化合物が挙げられるが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。尚、表中に示したMeは
メチル基,Etはエチル基,n-Prはn-プロピル基,i-Prは
イソプロピル基,n-Buはn-ブチル基,i-Buはイソブチル
基,s-Buはsec-ブチル基,t-Buはtert-ブチル基,n-Pen
tはn-ペンチル基,i-Pentはイソペンチル基,neo-Pent
はネオペンチル基,t-Pentはtert-ペンチル基,n-Hexは
n-ヘキシル基,n-Heptはn-ヘプチル基,n-Octはn-オク
チル基,n-Nonはn-ノニル基,n-Decはn-デシル基,n-Un
decはn-ウンデシル基,n-Dodecはn-ドデシル基,Acはア
セチル基を表す。
【0020】
【化5】
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】
【表7】
【0028】
【表8】
【0029】
【表9】
【0030】
【表10】
【0031】
【表11】
【0032】
【表12】
【0033】
【表13】
【0034】
【表14】
【0035】
【表15】
【0036】
【表16】
【0037】
【表17】
【0038】
【表18】
【0039】
【表19】
【0040】
【表20】
【0041】
【表21】
【0042】
【表22】
【0043】
【表23】
【0044】
【表24】
【0045】
【表25】
【0046】
【表26】
【0047】
【表27】
【0048】
【表28】
【0049】
【表29】
【0050】
【表30】
【0051】
【表31】
【0052】
【表32】
【0053】
【表33】
【0054】
【表34】
【0055】
【表35】
【0056】
【表36】
【0057】
【表37】
【0058】
【表38】
【0059】
【表39】
【0060】
【表40】
【0061】
【表41】
【0062】
【表42】
【0063】
【表43】
【0064】
【表44】
【0065】
【表45】
【0066】
【表46】
【0067】
【表47】
【0068】
【表48】
【0069】
【表49】
【0070】
【表50】
【0071】
【表51】
【0072】
【表52】
【0073】
【表53】
【0074】
【表54】
【0075】
【表55】
【0076】
【表56】
【0077】
【表57】
【0078】
【化6】
【0079】
【表58】
【0080】
【表59】
【0081】
【表60】
【0082】本発明の前記一般式(I)で示される新規
なエリスロマイシン誘導体は、例えば、以下の方法によ
り製造することができるが、本発明化合物の製造方法は
これらの方法に限定されるわけではない。
【0083】本発明化合物の製造方法の第一の様式によ
れば、前記一般式(I)で示される化合物のうち、R2
及びR3が共にアセチル基である化合物は、次の一般式
(III)
【化7】 (式中、R及びR1は前述と同意義を表す。)で示され
る化合物と塩化アセチル又は無水酢酸を、塩基の存在下
又は非存在下、無溶媒又は溶媒中で反応させることによ
り製造することができる。
【0084】本製造方法において使用される塩基として
は、例えば、トリエチルアミン,ピリジン,N,N−ジ
イソプロピルエチルアミン,4−ジメチルアミノピリジ
ン,1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウン
デセン,1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
等の有機塩基、又は炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭
酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム等の無機塩基が挙
げられる。本製造方法において使用される溶媒は、それ
自体反応において不活性であって、かつ反応を阻害しな
いものであればいかなるものでもよく、例えば、ジクロ
ロメタン,1,2−ジクロロエタン,クロロホルム等の
ハロゲン化炭化水素系溶媒、ベンゼン,トルエン等の芳
香族炭化水素系溶媒、アセトン,アセトニトリル,N,
N−ジメチルホルムアミド,N−メチル−2−ピロリド
ン,ジメチルスルホキシド,テトラメチレンスルホラ
ン,テトラメチレンスルホキシド,ヘキサメチレンホス
ホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸メ
チル,酢酸エチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフ
ラン,ジエチルエーテル,1,4−ジオキサン等のエー
テル系溶媒、ピリジン,ピコリン,ルチジン,コリジン
等有機塩基系溶媒又はこれらの混合溶媒が挙げられる。
又、反応は氷冷下から200℃までの範囲で行われる。
【0085】本発明化合物の製造方法の第二の様式によ
れば、前記一般式(I)で示される化合物のうち、R2
がアセチル基である化合物は、次の一般式(IV)
【化8】 (式中、R及びR1は前述と同意義を表し、Acはアセチ
ル基を表す。)で示される化合物とギ酸を、過塩素酸の
存在下又は非存在下、無溶媒又は溶媒中で反応させる
か、次の一般式(V) R6−C(=O)−OW (V) (式中、R6は水素原子,置換基を有してもよいアルキ
ル基,置換基を有してもよいシクロアルキル基,置換基
を有してもよい(シクロアルキル)アルキル基,置換基
を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいア
ラルキル基を表し、Wは酸無水物残基を表す。)で示さ
れる酸無水物、又は次の一般式(VI) R7−C(=O)−Q (VI) (式中、R7は水素原子,置換基を有してもよいアルキ
ル基,置換基を有してもよいシクロアルキル基,置換基
を有してもよい(シクロアルキル)アルキル基,置換基
を有してもよいアリール基,置換基を有してもよいアラ
ルキル基,置換基を有してもよいアルコキシ基,置換基
を有してもよいアリールオキシ基又は置換基を有しても
よいアラルキルオキシ基を表し、Qはハロゲン原子を表
す。)で示される酸ハライドもしくはハロゲン化カーボ
ネート誘導体を、塩基の存在下又は非存在下、無溶媒又
は溶媒中で反応させるか、次の一般式(VII) R8−N=C=O (VII) (式中、R8は置換基を有してもよいアルキル基,置換
基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよい
アラルキル基を表す。)で示されるイソシアネート誘導
体を、塩基の存在下又は非存在下、無溶媒又は溶媒中で
反応させることにより製造することができる。
【0086】本製造方法において使用される塩基として
は、例えば、トリエチルアミン,ピリジン,N,N−ジ
イソプロピルエチルアミン,4−ジメチルアミノピリジ
ン,1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウン
デセン,1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
等の有機塩基、又は炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭
酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム等の無機塩基が挙
げられる。本製造方法において使用される溶媒は、それ
自体反応において不活性であって、かつ反応を阻害しな
いものであればいかなるものでもよく、例えば、ジクロ
ロメタン,1,2−ジクロロエタン,クロロホルム等の
ハロゲン化炭化水素系溶媒、ベンゼン,トルエン等の芳
香族炭化水素系溶媒、アセトン,アセトニトリル,N,
N−ジメチルホルムアミド,N−メチル−2−ピロリド
ン,ジメチルスルホキシド,テトラメチレンスルホラ
ン,テトラメチレンスルホキシド,ヘキサメチレンホス
ホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸メ
チル,酢酸エチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフ
ラン,ジエチルエーテル,1,4−ジオキサン等のエー
テル系溶媒、ピリジン,ピコリン,ルチジン,コリジン
等の有機塩基系溶媒又はこれらの混合溶媒が挙げられ
る。又、反応は氷冷下から200℃までの範囲で行われ
る。
【0087】本発明化合物の製造方法の第三の様式によ
れば、前記一般式(I)で示される化合物は、次の一般
式(VIII)
【化9】 (式中、R,R2及びR3は前述と同意義を表す。)で示
される化合物と、次の一般式(IX) R1−T (IX) (式中、R1は前述と同意義を表し、Tはハロゲン原
子,メシルオキシ基,トシルオキシ基又はトリフルオロ
メチルスルホニルオキシ基を表す。)で示される化合物
及びヨウ化テトラブチルアンモニウムを、ヨウ化ナトリ
ウムもしくは塩基の存在下又は非存在下、無溶媒又は溶
媒中で反応させることにより製造することができる。
【0088】本製造方法において使用される塩基として
は、例えば、トリエチルアミン,N,N−ジイソプロピ
ルエチルアミン,4−ジメチルアミノピリジン,1,8
−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン,
1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン等の有機
塩基、又は炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸水素ナ
トリウム,炭酸水素カリウム,水素化ナトリウム,水酸
化ナトリウム,水酸化カリウム等の無機塩基が挙げられ
る。使用される溶媒は、それ自体反応において不活性で
あって、かつ反応を阻害しないものであればいかなるも
のでもよく、例えば、ジクロロメタン,1,2−ジクロ
ロエタン,クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶
媒、ベンゼン,トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、ア
セトン,アセトニトリル,N,N−ジメチルホルムアミ
ド,N−メチル−2−ピロリドン,ジメチルスルホキシ
ド,テトラメチレンスルホラン,テトラメチレンスルホ
キシド,ヘキサメチレンホスホリックトリアミド等の非
プロトン性極性溶媒、酢酸メチル,酢酸エチル等のエス
テル系溶媒、テトラヒドロフラン,ジエチルエーテル,
1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、ピリジン,ピ
コリン,ルチジン,コリジン等の有機塩基系溶媒又はこ
れらの混合溶媒が挙げられる。又、反応は氷冷下から2
00℃までの範囲で行われる。
【0089】本発明化合物の製造方法の第四の様式によ
れば、前記一般式(I)で示される化合物のうち、R1
がアルコキシ基で置換されたシクロアルキル基である化
合物は、前記一般式(VIII)で示される化合物と次の一
般式(X)
【化10】 (式中、R9及びR10は各々独立してアルコキシ基を表
し、mは1〜4の整数を表す。)で示されるシクロアル
キル化合物、又は次の一般式(XI)
【化11】 (式中、R11はアルコキシ基を表し、kは1〜4の整数
を表す。)で示されるシクロアルケン化合物を、酸触媒
の存在下又は非存在下、無溶媒又は溶媒中で反応させる
ことにより製造することができる。
【0090】本製造方法において使用される酸として
は、例えば、ピリジン塩酸塩,ピリジントリフルオロ酢
酸塩,ピリジンp-トルエンスルホン酸塩等が挙げられ、
使用される溶媒は、それ自体反応において不活性であっ
て、かつ反応を阻害しないものであればいかなるもので
もよく、例えば、ジクロロメタン,1,2−ジクロロエ
タン,クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ベ
ンゼン,トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセト
ン,アセトニトリル,N,N−ジメチルホルムアミド,
N−メチル−2−ピロリドン,ジメチルスルホキシド,
テトラメチレンスルホラン,テトラメチレンスルホキシ
ド,ヘキサメチレンホスホリックトリアミド等の非プロ
トン性極性溶媒、酢酸メチル,酢酸エチル等のエステル
系溶媒、テトラヒドロフラン,ジエチルエーテル,1,
4−ジオキサン等のエーテル系溶媒又はこれらの混合溶
媒が挙げられる。又、反応は氷冷下から200℃までの
範囲で行われる。
【0091】本発明化合物の製造方法の第五の様式によ
れば、前記一般式(I)で示される化合物のうちR2
水素原子である化合物は、前記一般式(I)中、R2
アセチル基である化合物を無溶媒又は溶媒中、酸もしく
は塩基の存在下又は非存在下で加水分解することにより
製造することができる。
【0092】本製造方法において使用される酸として
は、例えば、塩酸,硫酸等が挙げられ、使用される塩基
としては、例えば、炭酸水素ナトリウム,炭酸ナトリウ
ム,水酸化ナトリウム,水酸化リチウム,水酸化バリウ
ム,メトキシナトリウム,エトキシナトリウム,tert-
ブトキシナトリウム,tert-ブトキシカリウム等が挙げ
られる。これらの酸又はアルカリは水溶液として用いる
こともできるが、メタノール,エタノール,n-プロパノ
ール,イソプロピルアルコール,n-ブタノール,sec-ブ
チルアルコール,tert-ブチルアルコール等のアルコー
ル系溶媒、アセトン,アセトニトリル,N,N−ジメチ
ルホルムアミド,ジメチルスルホキシド,テトラメチレ
ンスルホラン,テトラメチレンスルホキシド,ヘキサメ
チレンホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶
媒、テトラヒドロフラン,1,4−ジオキサン等のエー
テル系溶媒もしくはこれらの含水溶媒等の溶液として用
いることができる。又、反応は氷冷下から200℃まで
の範囲で行われる。
【0093】尚、本発明化合物の製造方法において出発
原料となった前記一般式(III),(IV)及び(VIII)
で示される化合物の一部は、特開昭56−100799
号公報,特開昭63−107921号公報又は特開平3
−204893号公報等に既に開示されている公知化合
物であり、例えば、以下の様にして製造することができ
る。これらのうち、新規な化合物については、その詳細
を参考例として記載した。
【0094】
【化12】 (式中、R及びR1は前述と同意義を表し、Acはアセチ
ル基を表す。)
【0095】又、本発明の前記一般式(I)で示される
化合物の周辺化合物として、次の一般式(XII)
【化13】 (式中、R2及びR3は前述と同意義を表し、R12は置換
基を有してもよい炭素数2〜4のアルキル基を表す。)
で示される新規な化合物を、本発明化合物に係る製造様
式に準じて製造することができる。これらの化合物につ
いても、その詳細を参考例として記載した。
【0096】このようにして製造される本発明の前記一
般式(I)で示される新規なエリスロマイシン誘導体又
はその塩の少なくとも1つを有効成分として含有する医
薬は、通常、カプセル剤,錠剤,細粒剤,顆粒剤,散
剤,シロップ剤等の経口剤、あるいは注射剤,坐剤,点
眼剤,眼軟膏剤,点耳剤,点鼻剤又は外皮用剤として投
与される。これらの製剤は、薬理学的,製剤学的に許容
しうる添加剤を加え、常法により製造することができ
る。即ち経口剤又は坐剤にあっては、賦形剤(乳糖,白
糖,D−マンニトール,トウモロコシデンプン,結晶セ
ルロース等),崩壊剤(カルボキシメチルセルロース,
カルボキシメチルセルロースカルシウム,部分アルファ
ー化デンプン,クロスカルメロースナトリウム,クロス
ポビドン等),結合剤(ヒドロキシプロピルセルロー
ス,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリビニル
ピロリドン等),滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム,
タルク,硬化油,ジメチルポリシロキサン,含水二酸化
ケイ素,軽質無水ケイ酸,カルナウバロウ等),コーテ
ィング剤(ヒドロキシプロピルメチルセルロース,白
糖,酸化チタン等),可塑剤(クエン酸トリエチル,ポ
リエチレングリコール,グリセリン脂肪酸エステル
等),基剤(ポリエチレングリコール,ハードファット
等)等の製剤用成分が、注射剤,点眼剤又は点耳剤等に
あっては水性あるいは用時溶解型剤型を構成しうる溶解
剤ないしは溶解補助剤(注射用蒸留水,生理食塩水,プ
ロピレングリコール等),pH調節剤(無機又は有機の
酸あるいは塩基等),等張化剤(食塩,ブドウ糖,グリ
セリン等),安定化剤等の製剤用成分が、又、眼軟膏剤
又は外用剤にあっては、軟膏剤,クリーム剤,貼付剤と
して適切な製剤用成分(白色ワセリン,マクロゴール,
グリセリン,流動パラフィン,綿布等)が使用される。
【0097】本発明化合物又はその塩を有効成分とする
医薬を患者へ投与する場合は、患者の症状にもよるが、
通常成人の場合、1日量として経口投与で10〜200
0mg程度、非経口投与で1〜1000mg程度を1日1回
ないしは数回に分けて投与することができる。もっと
も、治療又は予防の目的、感染の部位や病原菌の種類、
患者の年齢や症状などに応じて、適宜増減することが望
ましい。
【0098】
【実施例】以下、本発明を参考例及び実施例によって説
明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。尚、表中に示したMeはメチル基,Etはエチル基,n-
Prはn-プロピル基,i-Prはイソプロピル基,n-Buはn-ブ
チル基,n-Hexはn-ヘキシル基,n-Octはn-オクチル基,
n-Dodecはn-ドデシル基,Acはアセチル基を表し、性状
項中のカッコ内表示は再結晶溶媒を表す。
【0099】参考例1 エリスロマイシンA 9−[O−(3−フェノキシプロ
ピル)オキシム] エリスロマイシンA 9−オキシム4.00g,ヨウ化
テトラブチルアンモニウム0.10g,ヨウ化ナトリウ
ム0.12g及び臭化3−フェノキシプロピル1.30
mlのテトラヒドロフラン40ml混合液に室温攪拌下、粉
末水酸化カリウム0.43gを加え、室温で16.5時
間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液を加えアルカリ性にした後、
酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗後飽和食塩水で洗
浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。
残渣にジエチルエーテル及びジイソプロピルエーテルを
加えて固化させ、無色固体2.80gを得た。 NMRスペクトル δ(CDCl3)ppm:0.85(3H,t,J=7.5Hz),
1.02(3H,d,J=6.5Hz),1.08-1.80(31H,m),1.87-2.05(2H,
m),2.08-2.18(2H,m),2.21(1H,d,J=10.5Hz),2.29(6H,s),
2.33-2.48(1H,m),2.36(1H,d,J=15.5Hz),2.63-2.72(1H,
m),2.85-2.96(1H,m),3.02(1H,t,J=10Hz),3.10(1H,s),3.
22(1H,dd,J=10,7.5Hz),3.32(3H,s),3.41(1H,s),3.44-3.
53(1H,m),3.57(1H,d,J=7.5Hz),3.64-3.76(2H,m),3.96-
4.10(4H,m),4.16-4.27(2H,m),4.38(1H,s),4.42(1H,d,J=
7.5Hz),4.92(1H,d,J=5Hz),5.12(1H,dd,J=11,2Hz),6.84-
6.96(3H,m),7.21-7.32(2H,m)
【0100】参考例1と同様にして、参考例2〜参考例
18の化合物を得た。
【0101】
【表61】
【0102】
【表62】
【0103】
【表63】
【0104】
【表64】
【0105】
【表65】
【0106】
【表66】
【0107】参考例19 2’−O−アセチルエリスロマイシンA 9−[O−
(3−フェノキシプロピル)オキシム] エリスロマイシンA 9−[O−(3−フェノキシプロ
ピル)オキシム]8.00gのアセトン80ml溶液に無
水酢酸1.00mlを滴下し、室温で6時間攪拌した。反
応液を減圧濃縮し、得られた残渣にジイソプロピルエー
テルを加え加温し、熱時濾過後、冷却し析出結晶を濾取
して、無色固体6.00gを得た。アセトン及びジイソ
プロピルエーテルの混合液から再結晶し、融点99〜1
01℃の無色固体を得た。 NMRスペクトル δ(CDCl3)ppm:0.84(3H,t,J=7.5Hz),
0.93(3H,d,J=7.5Hz),1.03(3H,d,J=7.5Hz),1.10-1.80(28
H,m),1.87-1.98(2H,m),2.02-2.20(3H,m),2.06(3H,s),2.
28(6H,s),2.35(1H,d,J=15.5Hz),2.55-2.69(2H,m),2.83-
2.93(1H,m),3.04(1H,t,J=9.5Hz),3.11(1H,s),3.35(3H,
s),3.43-3.55(2H,m),3.61-3.73(2H,m),3.90-4.08(4H,
m),4.15-4.26(2H,m),4.39(1H,s),4.57(1H,d,J=8Hz),4.7
0-4.81(1H,m),4.92(1H,d,J=5Hz),5.11(1H,d,J=9Hz),6.8
4-6.96(3H,m),7.22-7.31(2H,m)
【0108】参考例19と同様にして、参考例20〜参
考例25の化合物を得た。
【0109】
【表67】
【0110】
【表68】
【0111】
【表69】
【0112】参考例26 2’,4”−O−ジアセチルエリスロマイシンA 9−
(O−エチルオキシム) エリスロマイシンA 9−(O−エチルオキシム)0.
50gのピリジン5ml溶液に無水酢酸0.61mlを滴下
し、室温で64時間攪拌した。反応液に水を加え、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液でアルカリ性にした後、ジエ
チルエーテルで抽出した。抽出液を水洗後飽和食塩水で
洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し
た。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,酢
酸エチル)で精製し、無色無晶形固体0.27gを得
た。 NMRスペクトル δ(CDCl3)ppm:0.84(3H,t,J=7.5Hz),
0.95(3H,d,J=8Hz),1.04(3H,d,J=6.5Hz),1.08-1.78(30H,
m),1.80-2.00(3H,m),2.05(3H,s),2.10(3H,s),2.30(6H,
s),2.41(1H,d,J=14.5Hz),2.60-2.80(2H,m),2.84-2.95(1
H,m),3.12(1H,s),3.34(3H,s),3.50(1H,d,J=6.5Hz),3.59
-3.80(3H,m),3.96(1H,d,J=10Hz),4.06(2H,q,J=7Hz),4.2
5-4.36(1H,m),4.46(1H,s),4.64-4.84(3H,m),4.99(1H,d,
J=5Hz),5.13(1H,dd,J=11,2Hz)
【0113】参考例26と同様にして、参考例27〜参
考例28の化合物を得た。
【0114】
【表70】
【0115】参考例29 4”−O−アセチルエリスロマイシンA 9−(O−エ
チルオキシム) 2’,4”−O−ジアセチルエリスロマイシンA 9−
(O−エチルオキシム)0.15gのメタノール3ml溶
液を室温で64時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、淡
褐色無晶形固体0.10gを得た。 NMRスペクトル δ(CDCl3)ppm:0.84(3H,t,J=7.5Hz),
0.97-2.07(39H,m),2.11(3H,s),2.31(6H,s),2.42(1H,d,J
=14.5Hz),2.50-2.60(1H,m),2.63-2.70(1H,m),2.87-2.97
(1H,m),3.10(1H,s),3.22(1H,dd,J=10.5,7.5Hz),3.31(3
H,s),3.47(1H,s),3.59(1H,d,J=6.5Hz),3.62-3.80(3H,
m),4.00-4.11(3H,m),4.30-4.41(1H,m),4.46(1H,s),4.57
(1H,d,J=7.5Hz),4.68(1H,d,J=10Hz),4.99(1H,d,J=5Hz),
5.13(1H,dd,J=11,2Hz)
【0116】参考例29と同様にして、参考例30〜参
考例31の化合物を得た。
【0117】
【表71】
【0118】実施例1 2’,4”−O−ジアセチルエリスロマイシンA 9−
[O−(3−フェノキシプロピル)オキシム] a法) エリスロマイシンA 9−[O−(3−フェノキシプロ
ピル)オキシム]0.50gのピリジン2.3ml溶液に
無水酢酸0.53mlを滴下し、室温で29時間攪拌し
た。反応液に水を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
でアルカリ性にした後、ジエチルエーテルで抽出した。
抽出液を水洗後飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで
乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル,酢酸エチル)で精製し、無色無
晶形固体0.21gを得た。 NMRスペクトル δ(CDCl3)ppm:0.84(3H,t,J=7.5Hz),
0.95(3H,d,J=7.5Hz),1.03(3H,d,J=7.5Hz),1.06-1.83(28
H,m),1.87-2.18(4H,m),2.05(3H,s),2.10(3H,s),2.29(6
H,brs),2.40(1H,d,J=14.5Hz),2.61-2.80(2H,m),2.83-2.
95(1H,m),3.10(1H,s),3.34(1H,s),3.49(1H,d,J=6Hz),3.
60-3.80(3H,m),3.95(1H,d,J=10Hz),4.00-4.08(2H,m),4.
13-4.34(3H,m),4.37(1H,s),4.62-4.82(3H,m),4.98(1H,
d,J=5Hz),5.13(1H,dd,J=11,2.5Hz),6.86-6.96(3H,m),7.
22-7.30(2H,m)
【0119】b法) 2’−O−アセチルエリスロマイシンA 9−[O−
(3−フェノキシプロピル)オキシム]25.0gのピ
リジン250ml溶液に氷冷下塩化アセチル9.50mlを
滴下し、同温で4時間攪拌後更に室温で2時間攪拌し
た。反応液を氷水中に注ぎ、飽和炭酸ナトリウム水溶液
でアルカリ性とした後ジエチルエーテルで抽出した。抽
出液を水洗後飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾
燥後、溶媒を減圧留去して無色無晶形固体を得た。得ら
れた固体はa法で得られたものとTLC(Rf値)及び
NMRスペクトルが一致した。
【0120】実施例1と同様にして、実施例2〜実施例
52の化合物を得た。
【0121】
【表72】
【0122】
【表73】
【0123】
【表74】
【0124】
【表75】
【0125】
【表76】
【0126】
【表77】
【0127】
【表78】
【0128】
【表79】
【0129】
【表80】
【0130】
【表81】
【0131】
【表82】
【0132】
【表83】
【0133】
【表84】
【0134】
【表85】
【0135】
【表86】
【0136】実施例53 2’−O−アセチル−4”−O−フェニルアミノカルボ
ニルエリスロマイシンA 9−[O−(3−フェノキシ
プロピル)オキシム] 2’−O−アセチルエリスロマイシンA 9−[O−
(3−フェノキシプロピル)オキシム]1.20gのピ
リジン6ml溶液にフェニルイソシアネート0.63mlを
滴下し、室温で25時間攪拌した。反応液に水を加え、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でアルカリ性にした後、
ジエチルエーテルで抽出した。抽出液を水洗後飽和食塩
水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去
した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,
酢酸エチル)で処理後、再度カラムクロマトグラフィー
(シリカゲル,n-ヘプタン:アセトン:トリエチルアミ
ン=7:3:0.15)で精製し、無色無晶形固体0.
95gを得た。 NMRスペクトル δ(CDCl3)ppm:0.85(3H,t,J=7.5Hz),
0.95(3H,d,J=7.5Hz),1.03(3H,d,J=6.5Hz),1.07-1.86(28
H,m),1.88-2.00(2H,m),2.02-2.19(2H,m),2.08(3H,s),2.
34(6H,s),2.44(1H,d,J=15.5Hz),2.61-2.69(1H,m),2.72-
2.94(2H,m),3.11(1H,s),3.37(3H,s),3.52(1H,d,J=6.5H
z),3.60-3.75(3H,m),3.99(1H,d,J=9Hz),4.01-4.08(2H,
m),4.16-4.25(2H,m),4.28-4.36(1H,m),4.38(1H,s),4.59
-4.69(2H,m),4.73-4.83(1H,m),4.97(1H,d,J=5Hz),5.13
(1H,dd,J=11,2Hz),6.73(1H,brs),6.87-6.95(3H,m),7.09
(1H,t,J=7.5Hz),7.23-7.29(2H,m),7.32(2H,t,J=8Hz),7.
40(2H,d,J=8Hz)
【0137】実施例54 4”−O−アセチルエリスロマイシンA 9−[O−
(3−フェノキシプロピル)オキシム] 2’,4”−O−ジアセチルエリスロマイシンA 9−
[O−(3−フェノキシプロピル)オキシム]0.13
gのメタノール10ml溶液を室温で4日間攪拌した。反
応液を減圧濃縮し、無色固体0.12gを得た。メタノ
ール及び水の混合液から再結晶し、融点127〜130
℃の無色プリズム状晶を得た。 NMRスペクトル δ(CDCl3)ppm:0.85(3H,t,J=7.5Hz),
0.97-1.83(35H,m),1.86-2.18(4H,m),2.10(3H,s),2.20-
2.48(7H,m),2.50-2.71(2H,m),2.87-2.98(1H,m),3.09(1
H,s),3.18-3.34(1H,m),3.31(3H,s),3.57(1H,d,J=6.5H
z),3.62-3.80(3H,m),3.97-4.09(3H,m),4.16-4.25(2H,
m),4.27-4.40(2H,m),4.57(1H,d,J=7.5Hz),4.68(1H,d,J=
10Hz),4.98(1H,d,J=5Hz),5.13(1H,d,J=8.5Hz),6.86-6.9
6(3H,m),7.21-7.30(2H,m)
【0138】実施例54と同様にして、実施例55〜実
施例108の化合物を得た。
【0139】
【表87】
【0140】
【表88】
【0141】
【表89】
【0142】
【表90】
【0143】
【表91】
【0144】
【表92】
【0145】
【表93】
【0146】
【表94】
【0147】
【表95】
【0148】
【表96】
【0149】
【表97】
【0150】
【表98】
【0151】
【表99】
【0152】
【表100】
【0153】
【表101】
【0154】
【表102】
【0155】実施例109 4”−O−アセチルエリスロマイシンA 9−[O−
(n-オクチル)オキシム] 実施例66で得られた無色無晶形固体0.50gをメタ
ノールにて結晶化させ、融点157.5〜160℃の無
色結晶0.35gを得た。この化合物は、実施例66で
得られた化合物とNMRスペクトルが一致した。
【0156】実施例110 4”−O−アセチルエリスロマイシンA 9−[O−
(3−シクロヘキシルプロピル)オキシム] 実施例71で得られた無色無晶形固体0.90gをn-ヘ
プタンにて結晶化させ、融点130〜132.5℃の無
色結晶0.47gを得た。この化合物は、実施例71で
得られた化合物とNMRスペクトルが一致した。
【0157】以下、本発明化合物の優れた効果を確認す
るために、非定型抗酸菌に対する抗菌スペクトルの測定
を行った。尚、対照化合物としてはクラリスロマイシ
ン,リファンピシン及び4”−O−アセチルエリスロマ
イシンA 9−(O−メチルオキシム)(特開昭63−
107921号公報記載化合物)を用いた。尚、式中Ac
はアセチル基を表す。
【0158】
【化14】
【0159】非定型抗酸菌に対する抗菌力 臨床分離株の非定型抗酸菌に対する抗菌力(最小発育阻
止濃度)を寒天平板希釈法(日本化学療法学会標準法に準
ずる)にて測定した。即ち、106CFU/mlに調整した菌液
(約5μl)を薬剤含有7H11寒天培地上にスポット
し、37℃、7日間培養後における菌発育の有無から最
小発育阻止濃度を求めた。結果を表103に示す。本発
明化合物は、クラリスロマイシン耐性非定型抗酸菌(M.
avium20092等)を含めた非定型抗酸菌に対して、対照化
合物に比べて優れた抗菌力を示した。尚、表中の菌名は
以下の通りである。 Mycobacterium avium (M.avium) Mycobacterium intracellulare (M.intracellulare)
【0160】
【表103】
【0161】
【発明の効果】本発明に係る新規なエリスロマイシン誘
導体又はその塩は、多剤耐性菌を含む非定型抗酸菌に対
して優れた抗菌力を有し、抗菌剤として極めて有用であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 西本 明美 福井県勝山市猪野口37号1番地1 北陸製 薬株式会社内 (72)発明者 成田 研 福井県勝山市猪野口37号1番地1 北陸製 薬株式会社内 Fターム(参考) 4C057 BB02 CC03 DD03 KK12 KK22 KK25 4C086 AA01 AA02 AA03 EA13 GA02 GA06 GA08 MA01 MA04 NA14 ZB35

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式 【化1】 (式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を表し、R1
    は置換基を有してもよい炭素数5〜12のアルキル基,
    置換基を有してもよいシクロアルキル基,置換基を有し
    てもよい(シクロアルキル)アルキル基,置換基を有し
    てもよいアラルキル基又は式−(CH2n−X−R4
    示される基を表し、R2は水素原子又はアセチル基を表
    し、R3は置換基を有してもよいアシル基又は式−C
    (=O)−Y−R5で示される基を表し、R4は置換基を
    有してもよいアルキル基,置換基を有してもよいアルコ
    キシアルキル基,置換基を有してもよいアルキルチオア
    ルキル基,置換基を有してもよいアルキルアミノアルキ
    ル基,置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有
    してもよいアラルキル基を表し、R5は置換基を有して
    もよいアルキル基,置換基を有してもよいアリール基又
    は置換基を有してもよいアラルキル基を表し、nは1〜
    6の整数を表し、Xは酸素原子,硫黄原子又は−NZ−
    で示される基を表し、Yは酸素原子又は−NH−で示さ
    れる基を表し、Zは水素原子又は置換基を有してもよい
    アルキル基を表す。)で示されるエリスロマイシン誘導
    体又はその塩。
  2. 【請求項2】次の一般式 【化2】 (式中、R1は置換基を有してもよい炭素数5〜12の
    アルキル基,置換基を有してもよいシクロアルキル基,
    置換基を有してもよい(シクロアルキル)アルキル基,
    置換基を有してもよいアラルキル基又は式−(CH2n
    −X−R4で示される基を表し、R2は水素原子又はアセ
    チル基を表し、R3は置換基を有してもよいアシル基又
    は式−C(=O)−Y−R5で示される基を表し、R4
    置換基を有してもよいアルキル基,置換基を有してもよ
    いアルコキシアルキル基,置換基を有してもよいアルキ
    ルチオアルキル基,置換基を有してもよいアルキルアミ
    ノアルキル基,置換基を有してもよいアリール基又は置
    換基を有してもよいアラルキル基を表し、R5は置換基
    を有してもよいアルキル基,置換基を有してもよいアリ
    ール基又は置換基を有してもよいアラルキル基を表し、
    nは1〜6の整数を表し、Xは酸素原子,硫黄原子又は
    −NZ−で示される基を表し、Yは酸素原子又は−NH
    −で示される基を表し、Zは水素原子又は置換基を有し
    てもよいアルキル基を表す。)で示されるエリスロマイ
    シン誘導体又はその塩。
  3. 【請求項3】R2が水素原子である請求項1又は2のい
    ずれか1項に記載の化合物又はその塩。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合
    物又はその塩を有効成分とする医薬。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合
    物又はその塩を有効成分とする抗菌剤。
  6. 【請求項6】請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合
    物又はその塩を有効成分とする非定型抗酸菌感染症治療
    剤。
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