JP2000351677A - 断熱体およびそれを用いた電気加熱ユニット並びにその製法 - Google Patents

断熱体およびそれを用いた電気加熱ユニット並びにその製法

Info

Publication number
JP2000351677A
JP2000351677A JP11160686A JP16068699A JP2000351677A JP 2000351677 A JP2000351677 A JP 2000351677A JP 11160686 A JP11160686 A JP 11160686A JP 16068699 A JP16068699 A JP 16068699A JP 2000351677 A JP2000351677 A JP 2000351677A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
layer
core layer
outer layer
heat insulator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11160686A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3783470B2 (ja
Inventor
Koichi Kitamura
晃一 北村
Masaaki Ueda
政昭 上田
Sukeyuki Hanatani
祐行 花谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Thermo Systems Corp
Original Assignee
Koyo Thermo Systems Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Thermo Systems Co Ltd filed Critical Koyo Thermo Systems Co Ltd
Priority to JP16068699A priority Critical patent/JP3783470B2/ja
Publication of JP2000351677A publication Critical patent/JP2000351677A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3783470B2 publication Critical patent/JP3783470B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Resistance Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた断熱性能と、それ自身のみで炉壁を構
成できる機械的強度とを併せ持ち、しかも製造及び組立
て施工も容易で築炉工数も少なくて済む断熱体と、これ
を応用した電気加熱ユニットの提案並びにそれらの製法
を提供する。 【解決手段】 耐火性無機繊維を主成分とする外層2
と、外層2の内部に一体的に保持された芯層3とを含む
断熱体1であって、外層2は芯層3よりも高い機械的強
度を有し、芯層3は外層2よりも高い断熱性能を有する
組成物から成り、芯層3が断熱体1の厚み方向に略垂直
な面に沿って拡がっていることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種工業用加熱炉
や実験炉などの加熱装置に用いる断熱材およびそれを用
いた電気加熱ユニット並びにその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックファイバーを真空成型した断
熱材は、断熱性能が高く且つ軽量であることに加えて、
任意形状のものが得られ、しかも十分な強度をもち、取
り扱いや二次加工も容易であるため、従来より炉壁の熱
エネルギー損失の改善用途に効果的に用いられてきた。
またこの断熱材を用いた電気加熱ユニットも知られてい
る。例えば、米国特許第3500444には、かかる断
熱材の一表面近傍に、発熱体を一体的に埋め込むことに
より、経済的に電気加熱ユニットを製造する技術が開示
され、また、米国特許第4575619には、熱放射特
性が改良された、波形発熱体を有する溝付きの電気加熱
ユニットが開示されている。これら電気加熱ユニット
は、その形成材料である前記断熱材自体と同様の優れた
断熱性能と、任意の形状に成型できるという利点を有
し、更にそれ自身で炉壁を構成するに十分な機械的強度
を持つという利点を有している。従って、それらを適当
な組み合わせで使うことにより炉の組み立てが容易にで
きるため、築炉工数の大幅な削減が可能となり、ひいて
は省エネルギー炉の低価格での提供にも大いに寄与して
きた。
【0003】しかし、その後、顕在化した地球環境問題
とその解決が人類共通の課題として大きくクローズ・ア
ップされるに至り、環境負荷低減に対する産業界の要求
は益々厳しいものとなっており、炉の更なる大幅な省エ
ネルギー化が急務となっている。
【0004】一方、断熱性能改善への飽くなき追求も行
われており、シリカエアロゲル等の微孔性材料がもつ固
有の物性、即ち、内部に気体の平均自由工程よりも小さ
な微小な閉空孔を閉じ込めた小球体構造をもつ点に着目
し、理論的には断熱材空隙中の対流伝熱をなくすことが
できる究極の高性能断熱材である、いわゆる微孔性断熱
材が開発された。これに関連する技術は例えば米国特許
第3869334があり、ここにはシリカエアロゲルを
ガラス繊維布袋に詰めて平板状に加圧成型することによ
り、一般の断熱材として取扱うことができる高性能断熱
材が得られることが示されている。そして、その断熱性
能は、セラミックファイバーの中でも特に断熱性能が優
れるとされる真空成型品に比べても、格段に優れたもの
であることが知られている。また最近では加工技術が発
達した結果、前記袋詰め以外に、耐火性繊維質材料等と
混合させて強度の改善を図ることにより直接ボード状に
成型したものも入手できるようになっている。
【0005】しかし、シリカエアロゲル等からなるこれ
らの入手可能な微孔性断熱材は、いずれにしても、構成
要素であるシリカエアロゲルがもつ固有の構造、即ち、
内部が空虚な殻をもつ微小球体であるため本質的に強度
が弱く、またこれに加えて入手できる厚みも限られてい
るため、単独で炉壁を構成することができず、炉の断熱
材としての利用は、せいぜいバックアップ材や中間層ラ
イニング材の程度に限られていた。このような利用形態
では省エネルギー性能は確保できるものの、築炉工数が
大幅に増え、高価となる問題点があり、また、特にボー
ト状に成型したものは、施工中に欠けたり破損しやすい
ため、高価な材料が無駄になることも少なくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記諸問題を解消することを目的とするもので、炉壁か
らの熱損失を従来のセラミックファイバー成型断熱材に
比べて大幅に減らすことができ、また製造が容易で安価
であり、且つ単独で炉壁が構成するに充分な機械的強度
を有し、組立て施工も容易で築炉工数が少なくて済む高
性能な断熱材と、それを応用した電気加熱ユニット並び
にその製法を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による断熱体は、
耐火性無機繊維を主成分とする外層と、外層の内部に一
体的に保持された芯層とを含む断熱体であって、外層は
芯層よりも高い機械的強度を有し、芯層は外層よりも高
い断熱性能を有する組成物から成り、芯層が断熱体の厚
み方向に略垂直な面に沿って拡がっていることを特徴と
している。本発明の構成によれば、耐火性無機繊維を主
成分とする強度の高い組成物が外層となり、より断熱性
能の高い芯層を完全に内部に包み込んで保護することに
より、断熱体は充分な強度をもち、且つ芯層が熱流方向
に略垂直な面に沿い拡がって外層内で一体的に支持され
ているので、断熱体の断熱性能は外層組成物のみより構
成されるものに比べている優れている。このように本断
熱体は炉壁を構成するに充分な機械的強度と優れた断熱
性とを併せ持つので、単独で断熱性の特に優れた炉壁を
構成できる。
【0008】本発明の断熱体において、上記芯層が実質
的に微孔性断熱材を含むことが好ましい。これにより、
従来より格段に断熱性能が優れ、且つ強度の高い断熱体
が得られ、単独で従来より著しく断熱性の高い炉壁を構
成できる。ここで微孔性断熱材とは、シリカエアロゲル
等の微孔性材料を実質的な割合、即ち、微孔性に由来す
る性質が全体に反映する程度、で含む断熱材を意味し、
例えば微孔性材料を50重量%以上含み、残余が補強
材、不透明化剤、バインダーよりなるものなどが例示で
きる。尚、ここで挙げた50重量%という数値はあくま
でも例示であって、これに限定されるものでない。前記
ガラス繊維布袋詰めのものやボード状成型品などもこの
中に含まれる。
【0009】本発明による電気加熱ユニットは、外層の
一表面の近傍に、発熱体の少なくとも一部を埋設するこ
とにより発熱体を一体的に支持するとともに、これと反
対側の表面から発熱体に電力を供給するための端子を突
出させてなる断熱体を含み、その断熱体は、耐火性無機
繊維を主成分とする外層と、外層の内部に一体的に保持
された芯層とを含む断熱体であって、外層は芯層よりも
高い機械的強度を有するとともに、芯層は外層よりも高
い断熱性能を有する組成物から成り、芯層が断熱体の厚
み方向に略垂直な面に沿い拡がっていることを特徴とす
る。このように、耐火性無機繊維を主成分とする強度の
高い組成物が外層となり、この外層より断熱性能の高い
芯層を完全に内部に包み込んで保護することにより、断
熱体は充分な強度をもつことになり、また芯層が熱流方
向に略垂直な面に沿い拡がって外層内で一体的に支持さ
れていることにより、断熱体全体としての断熱性能は外
層組成物のそれよりも優れたものとなる。
【0010】また、発熱体とこの発熱体に電力を供給す
る端子は、いずれも外層の、それぞれ反対側の表面近傍
に、少なくとも部分的に埋設されているので、充分な強
度で断熱体に一体的に支持される。従って、単独で、発
熱体がビルトインされた高断熱性炉壁を構成できる。本
発明の電気加熱ユニットにおいて、芯層が実質的に微孔
性断熱材を含むことが好ましい。これにより、従来より
も著しく断熱性能の優れた電気加熱ユニットが得られ
る。本発明の電気加熱ユニットにおいて、外層の一表面
に溝を設け、その溝の底部近傍に発熱体の少なくとも一
部を埋設させて一体的に支持してなる場合がある。その
場合、断熱特性のみならず、熱放射特性においても特に
優れた電気加熱ユニットが得られる。本発明による断熱
体の製法は、所定厚みの耐火性無機繊維質を主成分とす
る第一の断熱層を圧縮力を加えつつ堆積させた後、第一
の断熱層よりも断熱性能が優れた組成物からなり、第一
層の堆積面より小さい面寸法を有する芯層を堆積面に沿
って位置決めし、その後さらに耐火性無機繊維質を主成
分とする第二の断熱層を、芯層が完全にその内部の所定
位置に包含され支持されるように圧縮力を加えつつ堆積
させることにより、一体的に成型することを特徴として
いる。この構成によれば、高断熱性の芯層が高強度の外
層に包まれ、且つその芯層が断熱体の厚み方向に略垂直
な面に沿って拡がり、層内の所定位置に一体的に支持固
定された断熱体が製造できる。この断熱体は単独で炉壁
を構成できる充分な機械的強度と、特に優れた断熱性を
もつ。
【0011】本発明の断熱体の製法において、第一およ
び第二の断熱層は真空成型法により堆積されることが好
ましい。これにより、任意形状のものを容易に低コス
ト、且つ高品質で製造できる。本発明の断熱体の製法に
おいて、無機コロイダル・シリカを主バインダー成分と
することが好ましい。これにより、常温から高温まて充
分な強度と耐熱性をもつ断熱体、および電気加熱ユニッ
トが容易に製造できる。本発明の断熱体の製法におい
て、水溶液系スラリーを用いることが好ましい。これに
より、調整が容易で且つ特別な廃液処理を必要とせず、
低コストで製造できる。本発明の断熱体の製法におい
て、耐火性無機繊維を分散させて成る水溶液系スラリー
により、第一および第二の断熱層を成型する場合は、実
質的に微孔性断熱材を含む芯層に防水性皮膜を施して成
型するのが好ましい。これにより、成型工程中、微孔性
断熱材の水との接触を絶つことができ、微孔性断熱材を
構成するエアロゲル構造の破壊を防止し、その卓越した
断熱性能が維持できる。芯層を覆う防水性皮膜は、加熱
により消失するものであってもよいし、逆に耐熱性のも
のでもよく、いずれでもよい。前者の場合は、防水性皮
膜が不要となったとき、たとえば成型後の最終乾燥工程
の後段以降であれば、加熱により容易に除去できるし、
逆に後者の場合はそのままで製品内に残存して高温での
使用に耐える。第一および第二の断熱層は同じ材質であ
ってもよいし、また各層に要求される耐熱温度に応じて
公知技術に従って各種材質を選択してもよい。
【0012】また電気加熱ユニットの製法は、前記断熱
体の製法において、発熱体を所定位置に位置決めして第
一の断熱層を堆積し、発熱体の少なくとも一部が第一の
断熱層の表面近傍の所定位置に埋設され一体化されて成
型するようにしたものである。この構成によれば、単独
で炉壁を構成できる十分な強度と、特に優れた断熱性を
もち、しかも発熱体がビルトインされた電気加熱ユニッ
トを製造することができる。尚、発熱体としては公知の
ものが使用でき、その埋設形態は問わない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を、図面を参照して説明する。ここで開示する図面は概
念図であって、各部の相対的大きさは不正確であり、実
施に際して参考にすべきでない。
【0014】(第1実施形態)図1は、本発明の断熱体
1の実施形態を示す。断熱体1は外層2と芯層3とから
成り、外層2の内部に芯層3が埋め込まれている。芯層
3は、断熱体1の厚み方向(図示のz方向)、即ち、断
熱体としての使用時の熱流方向に対して略垂直な面であ
るxy面内に沿って面状に拡がっている。外層2は、無
機バインダーを使用し真空成型により得られるセラミッ
クファイバーを主成分とした堆積層であり、一方、芯層
3は市販の微孔性断熱材ボートである。この場合、芯層
3は外層2に比べて格段に断熱性能が優れている。外層
2は充分な機械的強度を持ち、芯層3を保護するととも
に、断熱体1全体としての強度を確保している。したが
って単独で炉壁を構成できる。
【0015】微孔性断熱材として、シリカエアロゲルを
主組成物とする厚み10〜50mm程度、かさ比重0.
2〜0.5程度の断熱ボードが入手できる。これを芯層
3とする。外層2は、市販のアルミノシリケート系のバ
ルク・セラミックファイバーを水中に分散し、これにコ
ロイダルシリカ系バインダーを加えて作成したスラリ一
から、周知の真空成型法により堆積させることができ
る。外層2のかさ比重は0.2前後程度である。これに
より芯層3の周りを完全に外層2で覆う一体化された断
熱体とすることができる。真空成型の前に、芯層をプラ
スチック袋に収納して密封し、あらかじめ水との接触を
絶つようにしてある。これが防水皮膜4となる。もしシ
リカエアロゲルが水と接触すると、乾燥時に発生する界
面張力のためにマイクロポア構造が壊れ、所望の断熱効
果が得られなくなることが知られているからである。
【0016】断熱体の製法の手順を図2および図3を参
照しながら説明する。尚、以下の説明では、成型途上に
あるものを断熱層と呼び、成型が完了して乾燥固化させ
たものを断熱体と呼んで区別する。まず、図2に示すよ
うに所定厚みの第一の断熱層2aが真空成型法により型
5内に堆積される。このときはボトム・スクリーン5a
のみでサクション、即ち、真空吸引力を働かせる。これ
が外層2の一部になる。この堆積厚は通常15〜80m
m程度である。次に第一の断熱層2aの堆積面より面寸
法のわずかに小さい芯層2の表面を防水性皮膜4で覆っ
たものを堆積面に沿い所定位置に位置決めし、再び真空
成型法により、図3に示すように所定厚みの第二の断熱
層2bを成型する。このときはボトム・スクリーン5a
に加えてサイド・スクリーン5bも用い、これら両方の
スクリーンを通じてサクションを働かせる。ここでの堆
積厚は通常80〜15mm程度である。これが外層2の
他の一部となり、全体として、第一の断熱層2a、芯層
3、および第二の断熱層2bからなる全体が圧縮され一
体化された断熱体1が得られる。ここで、真空成型工程
そのもの、およびその後に続く工程は当業者に周知であ
るが、概要を述べると以下のようになる。真空成型法
は、サクションにより型5のスクリーン面5a,5bへ
のスラリーの流れが生じ、繊維質成分がスクリーン面5
a,5bで漉されて、型5表面を覆って圧縮されながら
堆積するという原理に基づく。濾過液は再循環されて再
利用される。スクリ一ン5a,bを通してのスラリーの
流入時に断熱体1の概ねの形ができ上がる。勿論、外形
は使用する型の形状により決まる。また、型5には取り
外し可能なトッププレート5cが設けられている。トッ
ププレート5cは中央部が開口しており、真空成型時に
堆積する断熱層の上表面周辺部の形状を規制する。
【0017】堆積した断熱層は型5から取り出した後オ
一ブン内で乾燥される。乾燥後はバインダーの効果によ
り外層は充分な強度を得ることになる。次に、外形が最
終形状に加工される。最終形状加工によりできた新しい
表面はさらにバインダー溶液に浸した後、再び乾燥させ
て硬化させる。以上の工程により、単独て炉壁を構成す
るに充分な強度をもち、且つ優れた断熱性能を有する断
熱体1が、容易且つ安価に製造できる。防水性皮膜4と
して用いたプラスチック袋は、前記成型途中において芯
層3と水分との接触を防止することが目的であるから、
最後の乾燥工程で水分が断熱体から殆どなくなった後で
あればいつ消失させてもよい。乾燥終了後、引続き温度
を上げて防水性皮膜4を除去するのが経済的である。
【0018】本発明の効果を確かめるために比較試験を
行った。試験内容は次のとおりである。芯層として、厚
み25mm、かさ比重約0.3のシリカエアロゲルのボ
ードを用いて作成した本発明の断熱体と、従来のセラミ
ック・ファイバーを素材とする真空成型品とを用いて、
それぞれ別の炉壁を構成し、炉内温度を1000℃とし
て運転し、定常状態に達したときの表面温度の測定結果
から放散熱量を計算した。試験は断熱炉壁の厚みが10
0mmのものと125mmのものとの両方について行っ
た。結果を表1および表2に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】以上の結果より明らかなように、断熱体の
厚みや、芯層の埋設位置、即ち第1層と第2層の構成割
合にかかわらず、本例によれば、従来より25〜30%
程度の断熱性能の向上がみられる。従って芯層と外層の
構成比を変えることにより、本発明によれば更に優れた
断熱性能を得ることができる。
【0022】(第2実施形態)図4は、本発明の電気加
熱ユニット6を示す。断熱体1の厚み方向に略垂直な一
表面7aの近傍に発熱体コイル8aが埋設されており、
この発熱体コイル8aが断熱体1と一体となることで電
気加熱ユニット6を構成する。また、発熱体コイル8a
に電力を供給するための端子8bが、断熱体1の厚み方
向の反対面7bから突出している。電気加熱ユニット6
の断熱体1は、第1実施形態の構成と同一であり、外層
2と、芯層3から構成される。ここで、発熱体コイル8
aとその端子8bは、ともに電気加熱ユニット6の断熱
層の外層2に位置し、そこで固定されている。このよう
な構成としたことにより、本発明の電気加熱ユニット6
は、それ自身だけで炉壁を構成するに充分な機械的強度
と、第1実施形態で説明したと同様の断熱性能をもつこ
とができる。従って、この電気加熱ユニット6を用いる
ことにより発熱体がビルトインされ、断熱性能の優れた
炉壁を単体で構成できる。
【0023】この電気加熱ユニット6も真空成型法によ
って製造される。その概要を図5および図6を参照して
説明すると次のとおりである。まず、図5に示すように
発熱体コイル8aとその端子8bを型5内の所定位置に
配置し、所定厚みの第一の断熱層2aを堆積させる。こ
のとき、第一の断熱層2aの厚みは発熱体コイル8aの
厚みより大きい。これにより第一の断熱層2aが発熱体
コイル8aを一体的に支持する構造の基本ができる。そ
の後は、第1実施形態の方法に従えばよいが、その過程
の最後で第二の断熱層2bを堆積させる時に、図6に示
すように端子8bの一部が第二の断熱層2b内に埋設さ
れるようにする。これにより第二の断熱層2bが端子8
bを一体的に支持する構造の基本ができる。その後は、
第1実施形態と全く同様の工程を経るものである。この
方法によれば電気加熱ユニット6を効率よくしかも安価
に製造することができる。第一の断熱層2aに少なくと
も一部が埋設される発熱体の形状は、前記のコイル状の
もののほか、偏平コイル状、波形形状(serpentine)、
その他のいずれでもよい。
【0024】(第3実施形態)図7で示すような形態も
好ましい実施形態である。この実施形態では、第一の断
熱層2aに溝9がついており、その溝9の底近くに波形
発熱体10を配置し、その下面である溝9の底部に溝底
形成部材11を埋設した構成である。この構成は米国特
許5847368において詳細に開示されている。溝底
形成部材11を設けることで、波形発熱体10が断熱層
2aに埋没しがちとなるのを防止して波形発熱体10の
露出度を極限にまで高めることができる。また溝底形成
部材11に、微孔性断熱材を含ませるという変形も可能
である。こうすれば、発熱体背後の断熱性能が一層高め
られ、放射特性、断熱特性ともに、更に優れた電気加熱
ユニットが製造できる。更に、以上では、平板状の断熱
体および、電気加熱ユニットを例にとって説明したが、
他の形状のもの、例えば円筒分割面、分割球面等のもの
も、上記と全く同様の方法で製造できる。
【0025】以上では、外層2の主成分てある耐火性無
機繊維として、アルミノシリケート系セラミックファイ
バーを用いた実施形態を説明したが、他の系統のセラミ
ックファイバーを用いても良い。また、真空成型した後
の外層2のかさ比重は実施形態で説明したものに留まら
ない。例えば、かさ比重はファイバーの繊維長を調整す
れば種々変えることかできる。また、ファイバーの他
に、種々のフィラーを使っても、本発明の実施に何の障
害もない。
【0026】また、実施形態で芯層3として使用した微
孔性断熱材以外の微孔性断熱材を用いてもよい。例えば
「マイクロサーム」なる商品名(マイクロポアインター
ナショナルリミテッド社製造)で市販されている可撓性
耐熱布袋詰めタイプのシリカヱアロゲル断熱材がある
が、これを芯層3としてもよい。また、予め撥水加工し
たものも入手できるので、これを芯層3としてもよい。
更に、芯層3は必ずしも微孔性断熱材である必要はな
く、それと同程度あるいはそれ以上の断熱性能をもつも
のであればよい。微孔性断熱材に勝るものが開発された
場合、これらを使用することになんの妨げもない。微孔
性断熱材としては耐熱温度1000〜1200℃のもの
が現在入手てきるが、この断熱特性は通常のセラミック
ファイバーを真空成型した断熱材に比べて2〜3倍程度
は優れていると考えられている。しかし必ずしも、10
00℃以上の耐熱性と2〜3倍以上の断熱性能が必要と
いう意味ではない、その程度であれば本発明の断熱体1
の芯層3として用いたとき、実用上の効果として評価で
きる程度のものが得られる、ということである。このよ
うに、もっと優れた断熱性能の材料の使用を否定するも
のではない。芯層3の断熱性能が高ければ高いほど、本
発明の断熱体1、および電気加熱ユニット6の断熱性能
が良くなることは言うまでもない。また、芯層3は1つ
に限る必要も全くない、複数個あってもよい。以上の開
示に基き、本発明の範囲から逸脱することなく、ここで
述べなかったさらに種々の変形も可能である。
【0027】
【発明の効果】本発明の断熱体は、取扱いが容易である
とともに単独で炉壁断熱層を構成するに充分な強度をも
ち、且つ、特に断熱特性に優れているため、築炉が容易
で築炉コストを大幅に下げることができるのみならず、
特に優れた省エネルギー効果により地球環境負荷の低減
に大いに寄与できる。本発明の電気加熱ユニットは、上
記本発明の断熱体のすべての効果に加えて、単独で発熱
体がビルトインされた炉壁を構成できるので、築炉が一
層容易であり、築炉コストを更に大幅に下げることがで
きる。また、本発明の製法によれば、これらの高性能断
熱体および電気加熱ユニットを、容易に且つ低コストで
製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断熱体の概念図である。
【図2】本発明の断熱体の製法の概念図であり、第一の
断熱層が堆積されたところを示す。
【図3】本発明の断熱体の製法の概念図であり、第二の
断熱層が堆積されるところを示す。
【図4】本発明の電気加熱ユニットの断面説明図であ
る。
【図5】本発明の電気加熱ユニットの製法の概念図であ
り、第一の断熱層が堆積されたところを示す。
【図6】本発明の電気加熱ユニットの製法の概念図であ
り、第二の断熱層が堆積されるところを示す。
【図7】本発明の電気加熱ユニットの他の実施形態の断
面説明図である。
【符号の説明】
1 断熱体 2 外層 2a 第1の断熱層 2b 第2の断熱層 3 芯層 4 防水皮膜 5 型 5a ボトム・スクリーン 5b サイド・スクリーン 6 電気加熱ユニット 7a 電気加熱ユニットの厚み方向に略垂直な一表面 7b 同表面の反対表面 8a 発熱体コイル 8b 端子 9 溝 10 波形発熱体 11 溝底形成部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花谷 祐行 奈良県天理市嘉幡町229 光洋リンドバー グ株式会社内 Fターム(参考) 3K092 PP09 QA05 QB44 QB45 RF03 RF11 RF25 RF27 SS29 VV03 VV40

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐火性無機繊維を主成分とする外層と、外
    層の内部に一体的に保持された芯層とを含む断熱体であ
    って、外層は芯層よりも高い機械的強度を有し、芯層は
    外層よりも高い断熱性能を有する組成物から成り、芯層
    が断熱体の厚み方向に略垂直な面に沿って拡がっている
    ことを特徴とする断熱体。
  2. 【請求項2】芯層が実質的に微孔性断熱材を含む請求項
    1記載の断熱体。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の断熱体の外層の一
    表面の近傍に、発熱体の少なくとも一部を埋設すること
    により発熱体を断熱体で一体的に支持するとともに、こ
    れと反対側の表面から発熱体への電力供給用の端子を突
    出させた電気加熱ユニット。
  4. 【請求項4】外層の一表面に溝を設け、その溝の底部に
    発熱体の少なくとも一部を埋設し一体的に支持した電気
    加熱ユニット。
  5. 【請求項5】所定厚みの耐火性無機繊維を主成分とする
    第一の断熱層を圧縮力を加えつつ堆積させた後、前記第
    一の断熱層よりも断熱性能が優れた組成物からなり、第
    一層の堆積面より小さい面寸法を有する芯層を堆積面に
    沿って位置決めし、その後さらに耐火性無機繊維質を主
    成分とする第二の断熱層を、芯層が完全にその内部の所
    定位置に包含され支持されるように圧縮力を加えつつ堆
    積させることにより、一体的に成型することを特徴とす
    る断熱体の製法。
  6. 【請求項6】第一および第二の断熱層が真空成型法によ
    り堆積される請求項5記載の断熱体の製法。
  7. 【請求項7】無機コロイダル・シリカを主バインダー成
    分とする請求項5又は6記載の断熱体の製法。
  8. 【請求項8】耐火性無機繊維を分散させてなる水溶液系
    スラリーにより第一および第二の断熱層を成型する請求
    項5〜7のいずれかに記載の断熱体の製法。
  9. 【請求項9】実質的に微孔性断熱材を含む芯層に防水性
    皮膜を施したうえ、真空成型してなる請求項5〜8記載
    のいずれかに記載の断熱体の製法。
  10. 【請求項10】請求項5〜9のいずれかに記載の断熱体
    の製法において、発熱体を所定位置に位置決めして第一
    の断熱層を堆積し、発熱体の少なくとも一部が第一の断
    熱層の表面近傍の所定位置に埋設され一体化されて成型
    するようにした電気加熱ユニットの製法。
JP16068699A 1999-06-08 1999-06-08 断熱体およびそれを用いた電気加熱ユニット並びにその製法 Expired - Fee Related JP3783470B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16068699A JP3783470B2 (ja) 1999-06-08 1999-06-08 断熱体およびそれを用いた電気加熱ユニット並びにその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16068699A JP3783470B2 (ja) 1999-06-08 1999-06-08 断熱体およびそれを用いた電気加熱ユニット並びにその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000351677A true JP2000351677A (ja) 2000-12-19
JP3783470B2 JP3783470B2 (ja) 2006-06-07

Family

ID=15720284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16068699A Expired - Fee Related JP3783470B2 (ja) 1999-06-08 1999-06-08 断熱体およびそれを用いた電気加熱ユニット並びにその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3783470B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007052338A1 (ja) * 2005-11-01 2007-05-10 Koyo Thermo Systems Co., Ltd. 炉壁構成材
ITPD20110002A1 (it) * 2011-01-10 2012-07-11 Everlux S R L Struttura di rivestimento interno per un crogiuolo di forno industriale per la fusione di materiali metallici e particolarmente di acciaio
WO2015064111A1 (en) * 2013-10-30 2015-05-07 Sandvik Kk Heating apparatus and heating furnace
JPWO2014199595A1 (ja) * 2013-06-10 2017-02-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 シートヒータ
CN114485181A (zh) * 2020-11-12 2022-05-13 光洋热系统株式会社 隔热件和隔热件的制造方法
CN114804805A (zh) * 2022-04-24 2022-07-29 巩义市泛锐熠辉复合材料有限公司 一种气凝胶复合材料及其制备方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007052338A1 (ja) * 2005-11-01 2007-05-10 Koyo Thermo Systems Co., Ltd. 炉壁構成材
KR100990469B1 (ko) 2005-11-01 2010-10-29 고요 써모시스템 주식회사 노벽 구성재
JP5150260B2 (ja) * 2005-11-01 2013-02-20 光洋サーモシステム株式会社 炉壁構成材
ITPD20110002A1 (it) * 2011-01-10 2012-07-11 Everlux S R L Struttura di rivestimento interno per un crogiuolo di forno industriale per la fusione di materiali metallici e particolarmente di acciaio
JPWO2014199595A1 (ja) * 2013-06-10 2017-02-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 シートヒータ
US9936539B2 (en) 2013-06-10 2018-04-03 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Seat heater
CN105683693A (zh) * 2013-10-30 2016-06-15 山特维克株式会社 加热设备和加热炉
WO2015064111A1 (en) * 2013-10-30 2015-05-07 Sandvik Kk Heating apparatus and heating furnace
CN105683693B (zh) * 2013-10-30 2018-03-27 山特维克株式会社 加热设备和加热炉
US9986599B2 (en) 2013-10-30 2018-05-29 Sandvik Kk Heating apparatus and heating furnace
CN114485181A (zh) * 2020-11-12 2022-05-13 光洋热系统株式会社 隔热件和隔热件的制造方法
KR20220064879A (ko) * 2020-11-12 2022-05-19 고요 써모 시스템 가부시끼 가이샤 단열체 및 단열체의 제조방법
KR102444572B1 (ko) * 2020-11-12 2022-09-19 제이텍트 써모 시스템 코퍼레이션 단열체 및 단열체의 제조방법
CN114804805A (zh) * 2022-04-24 2022-07-29 巩义市泛锐熠辉复合材料有限公司 一种气凝胶复合材料及其制备方法
CN114804805B (zh) * 2022-04-24 2023-08-22 巩义市泛锐熠辉复合材料有限公司 一种气凝胶复合材料及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3783470B2 (ja) 2006-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102232160B (zh) 隔热产品
JPH04223305A (ja) 流し込み被覆された装置
JPS6110191A (ja) 微孔性熱絶縁材料の管およびその製法
JP2017036745A (ja) 断熱材およびそれを使用した機器と断熱材の製造方法
JP6600808B2 (ja) 断熱材およびその製造方法、その断熱材を使用した電子機器
WO2015029381A1 (ja) 無機多孔質体を用いた吸熱材
JP2000351677A (ja) 断熱体およびそれを用いた電気加熱ユニット並びにその製法
US4343989A (en) Magnesium oxide based heat storage device
KR100566764B1 (ko) 단열체와 이를 사용한 전기가열 유닛 및 그 제조방법
CN107270040A (zh) 一种保温隔热板
CA2740980A1 (en) Pipe insulating assembly
JP4426384B2 (ja) コート材及び耐火断熱材
US4698277A (en) High-temperature laminated insulating member
JP2003113565A (ja) ガラス繊維成形品及びその成形方法
JP2020008198A (ja) 複合断熱材及びその製造方法
CN206846188U (zh) 一种保温隔热板
CZ282356B6 (cs) Bezvláknová tepelně izolační složená deska
HIRA et al. Theoretical Analysis or Thermal Conductivity of Graphite-containing Remactory Brick
FI114734B (fi) Ilmastointijärjestelmän eristämisjärjestely
JP4395864B2 (ja) マイクロ波焼成炉用発熱体
JP2889325B2 (ja) 耐熱絶縁線輪の製造方法
JP2022077699A (ja) 断熱体及び断熱体の製造方法
JP2017140787A (ja) 断熱材とその製造方法
JP2851137B2 (ja) 耐熱絶縁線輪の製造方法
JPH02239585A (ja) 電熱ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060306

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090324

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120324

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130324

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130324

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140324

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees