JP2000351001A - H形鋼矢板の製造方法 - Google Patents

H形鋼矢板の製造方法

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JP2000351001A
JP2000351001A JP16750899A JP16750899A JP2000351001A JP 2000351001 A JP2000351001 A JP 2000351001A JP 16750899 A JP16750899 A JP 16750899A JP 16750899 A JP16750899 A JP 16750899A JP 2000351001 A JP2000351001 A JP 2000351001A
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Haruo Yamaguchi
晴生 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】「ウェブ波」や「ウェブ未充満」が生じること
を防止できる2重爪継手を有するH形鋼矢板の製造方法
を提供する。 【解決手段】フランジ先端中央部にV字状の溝を有する
H形の粗形鋼片を、ユニバーサル圧延機及びエッジャー
圧延機からなる粗ユニバーサル圧延機群で粗圧延する際
に、下記(a)式で表される形状係数Sの値が2.00
以上となる領域で、フランジ厚み圧下率とウェブ厚み圧
下率との比N及び前記Sの関数であるfn1の値及びf
n2の値がいずれも0未満を満足するようにする。 【数1】 ここで、Bi =(フランジ幅B)−(ウェブ中央部厚
み)、Hi =(ウェブ高さH)−2×(フランジ中央部
厚み)、Af=(フランジ断面積)、Aw=(ウェブ断面
積)を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、H形鋼矢板の製造
方法に関し、なかでも、H形鋼矢板のうち少なくとも一
方のフランジの片端が2重爪継手で他端が1重爪継手で
あるH形鋼矢板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大型護岸、岸壁、山留めなどの土木・建
築工事においては、連続壁を構成するために断面性能、
つまり、単位断面積当たりの曲げ剛性が高く、しかも止
水性と施工性に優れた矢板が必要とされている。このた
め、上記工事における矢板には、鋼管矢板やH形鋼矢板
が多く用いられている。
【0003】鋼管矢板は鋼管に継手を溶接したものであ
り、H形鋼矢板は直線鋼矢板とH形鋼、又は直線鋼矢板
と鋼板を別々に製造しそれらを溶接して製造したものが
主に用いられている。したがって、前記したような鋼管
矢板やH形鋼矢板は、圧延工程だけで製造できるU型鋼
矢板に比べて製造コストが高い。
【0004】一方、H形鋼矢板には圧延工程だけでH形
鋼のフランジ先端に嵌合継手部を造形したものもあり、
その製造技術が、例えば、特開昭56−109102号
公報や特開昭54−11061号公報に開示されてい
る。
【0005】特開昭56−109102号公報には、対
称H形断面形状の粗材を粗ユニバーサル圧延機及び粗整
形圧延機により略対称形状を維持してH形粗形鋼片に粗
圧延し、次いで、仕上げユニバーサル圧延機等により前
記H形粗形鋼片の一方フランジに継手部を形成するとと
もに他方フランジに重ね合わせ部片を形成して整形する
『非対称H形鋼矢板の製造方法』が提案されている。
【0006】又、特開昭54−11061号公報には、
粗H形鋼塊を製造した後、その粗H形鋼塊を粗ユニバー
サル圧延機と粗整形圧延機とによってH形粗形鋼片に粗
圧延し、次いで、前記H形粗形鋼片を中間ユニバーサル
圧延機と中間整形圧延機とにより中間圧延し、更に仕上
げユニバーサル圧延機により仕上げ圧延を行う『H形鋼
矢板の製造方法』が提案されている。
【0007】しかし、これらの公報で提案された技術に
従って圧延しても、粗ユニバーサル圧延機群におけるユ
ニバーサル圧延機での圧延時に所謂「ウェブ波」や「ウ
ェブ未充満」が発生して所望の製品寸法を確保すること
が難しい場合があったり、更に、最終製品に嵌合継手と
しての所望形状を確実に付与できず、したがって、離脱
の問題が生ずる場合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、粗ユ
ニバーサル圧延機群におけるユニバーサル圧延機での圧
延時に所謂「ウェブ波」や「ウェブ未充満」が生じるこ
とを防止できるH形鋼矢板の製造方法を提供することで
ある。本発明のもう1つの目的は、圧延工程だけで2重
爪継手の内側に所望形状の小突起を得て、継手に必要と
される離脱強度を確保することができるH形鋼矢板の製
造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)及び(2)に記載のH形鋼矢板の製造方法にあ
る。
【0010】(1)フランジ先端中央部にV字状の溝を
有するH形の粗形鋼片を、ユニバーサル圧延機及びエッ
ジャー圧延機からなる粗ユニバーサル圧延機群で粗圧延
した後に仕上げユニバーサル圧延機で仕上げ圧延を行う
か、前記粗圧延の後に中間ユニバーサル圧延機群で中間
圧延し、更に、仕上げユニバーサル圧延機で仕上げ圧延
を行って、少なくとも一方のフランジの片端が2重爪継
手で他端が1重爪継手であるH形鋼矢板を製造する方法
であって、前記粗ユニバーサル圧延機群のユニバーサル
圧延機での圧延において、下記(a)式で表される形状
係数Sの値が2.00以上となる領域で、フランジ厚み
圧下率とウェブ厚み圧下率との比N及び前記形状係数S
に関し、それぞれ下記(b)式及び(c)式で表される
fn1の値及びfn2の値がいずれも0未満を満足する
ことを特徴とするH形鋼矢板の製造方法。
【0011】
【数1】
【0012】
【数2】
【0013】
【数3】
【0014】ここで、2重爪継手とは長い外側継手と短
い小突起及びその間に凹部を有する継手を指し、1重爪
継手とは前記凹部に嵌合する凸状の継手を指す。フラン
ジ厚み圧下率とは、竪ロールと上下の水平ロールの側面
による継手部分を除くフランジの厚み圧下率を、又、ウ
ェブ厚み圧下率とは、上下の水平ロールによるウェブの
厚み圧下率を指し、いずれもフランジやウェブの「圧下
前の中央部厚みと圧下後の中央部厚みとの差」の「圧下
前の中央部厚み」に対する比をいう。但し、第1圧延パ
スにおいては、「圧下前のH形の粗形鋼片のフランジ最
先端厚み」を「圧下前のフランジ中央部厚み」と定義す
る。
【0015】なお、(a)式におけるBi、Hiはそれぞ
れ、Bi =(フランジ幅B)−(ウェブ中央部厚み)、
i=(ウェブ高さH)−2×(フランジ中央部厚み)
を表し、Afはフランジ断面積を、又、Awはウェブ断面
積を表すものである。これらの関係を図1に示す。
【0016】(2)粗ユニバーサル圧延機群のユニバー
サル圧延機による第1圧延パスのフランジ厚み圧下率を
0.05以上とする上記(1)に記載のH形鋼矢板の製
造方法。
【0017】本発明でいう「フランジ中央部厚み」と
は、前記定義に基づく「圧下前のH形の粗形鋼片のフラ
ンジ最先端厚み」を指す場合を除いて、図2に示すよう
に、竪ロールと上下の水平ロールの側面により圧下され
た継手部分を除くフランジの厚みをいう。
【0018】「H形の粗形鋼片のフランジ最先端厚み」
とは、図3に示すように、粗ユニバーサル圧延機群で圧
延する前のH形の粗形鋼片のフランジ最先端部厚みをい
う。
【0019】前記(a)式で表される形状係数Sは断面
形状の影響を表す係数で、一般に、圧延が進行するにつ
れてその値は増加して行く。
【0020】以下、上記の(1)、(2)に記載のもの
をそれぞれ(1)の発明、(2)の発明という。又、フ
ランジやウェブの「中央部厚み」を単に「厚み」という
ことにする。
【0021】ユニバーサル圧延機及びエッジャー圧延機
からなる粗ユニバーサル圧延機群で往復圧延する主目的
は、被圧延材の厚み圧下による延伸である。したがっ
て、上記の粗ユニバーサル圧延機群で往復圧延するだけ
では、所望の寸法・形状を有する2重爪継手の外側継手
部と内側の小突起を同時に得ることは困難である。
【0022】そこで、本発明者らは、粗ユニバーサル圧
延機群の圧延、なかでも粗ユニバーサル圧延機群のユニ
バーサル圧延機での圧延について種々の検討を加えた。
その結果、下記の知見を得た。
【0023】粗ユニバーサル圧延機群のユニバーサル
圧延機で圧延を行う際、フランジ厚み圧下率とウェブ厚
み圧下率との比Nの値によっては、所謂「ウェブ波」や
「ウェブ未充満」が発生して、所望の製品寸法を確保す
ることが難しい場合があるので、フランジとウェブの圧
延方向の伸びの差を抑制することが重要である。
【0024】特に、H形鋼矢板を粗ユニバーサル圧延
機群のユニバーサル圧延機で圧延する場合には、局部的
に継手部の厚み圧下率が小さくなり、前記(a)式で表
される形状係数Sが大きくなる後半パスで「ウェブ波」
や「ウェブ未充満」が発生することがある。
【0025】形状係数Sの値が大きい領域、なかでも
形状係数Sが2.00以上の領域で、前記(b)式及び
(c)式で表されるfn1及びfn2の値を適正化する
ことによって、「ウェブ波」や「ウェブ未充満」の発生
を防止することができる。
【0026】図4は、鉛を用いてフランジ厚み圧下率と
ウェブ厚み圧下率との比Nを種々変えて、実機の1/8
モデルの粗ユニバーサル圧延機群で圧延した場合の「ウ
ェブ波」や「ウェブ未充満」の発生状況を示す一例であ
る。なお、図4における「ウェブ波」、「ウェブ未充
満」はそれぞれ「ウェブ波」、「ウェブ未充満」が発生
したことを示し、「通常圧延」は「ウェブ波」と「ウェ
ブ未充満」が発生しなかったことを示す。この図4か
ら、前記のようにfn1及びfn2の値を適正化するこ
とによって、「ウェブ波」や「ウェブ未充満」の発生を
防止することができることが明らかである。
【0027】粗ユニバーサル圧延機群のユニバーサル
圧延機による第1圧延パスで、その圧延パス後のフラン
ジ厚みがH形の粗形鋼片のフランジ厚みを超える場合に
は、H形の粗形鋼片がフランジ先端中央部にV字状の溝
を有していても、所望形状の2重爪継手相当部、なかで
も小突起部の造形ができないことがある。
【0028】粗ユニバーサル圧延機群のユニバーサル
圧延機による第1圧延パスで、その圧延パス後のフラン
ジ厚みがH形の粗形鋼片のフランジ厚み以下であって
も、フランジに外倒れが生ずると、所望形状の2重爪継
手相当部、なかでも小突起部の造形ができない場合があ
る。
【0029】粗ユニバーサル圧延機群のユニバーサル
圧延機による第1圧延パスのフランジ厚み圧下率を適正
に選ぶことで、フランジの外倒れを防止することができ
る。
【0030】本発明は、上記の知見に基づいて完成され
たものである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の要件について説明
する。
【0032】本発明のH形鋼矢板の製造方法において
は、例えば、粗圧延機を用いた圧延や熱間鍛造など通常
の方法で製造したフランジ先端中央部にV字状の溝を有
するH形の粗形鋼片を、先ず、ユニバーサル圧延機及び
エッジャー圧延機からなる粗ユニバーサル圧延機群で圧
延する。
【0033】前記粗ユニバーサル圧延機群のユニバーサ
ル圧延機での圧延において、「ウェブ波」や「ウェブ未
充満」の発生が問題になるのは、通常(a)式で表され
る形状係数Sの値が2.00以上の領域であり、既に図
4に一例を示したように、前記の領域で(b)式で表さ
れるfn1の値が0以上の場合には所謂「ウェブ波」
が、又、(c)式で表されるfn2の値が0以上の場合
には所謂「ウェブ未充満」が発生する。したがって、
(1)の発明においては、「ウェブ波」や「ウェブ未充
満」の発生を防止して所望の製品寸法を確保するため
に、形状係数Sの値を2.00以上、fn1の値及びf
n2の値がいずれも0未満とした。
【0034】粗ユニバーサル圧延機群のユニバーサル圧
延機による第1圧延パスのフランジ厚み圧下率を0.0
5以上とすることで、フランジの外倒れが防止できると
ともに所望形状の2重爪継手相当部、なかでも小突起部
が得られるので、最終製品に嵌合継手としての離脱強度
を確保させることができる。したがって、(2)の発明
においては、粗ユニバーサル圧延機群のユニバーサル圧
延機による第1圧延パスのフランジ厚み圧下率を0.0
5以上とした。なお、第1圧延パスのフランジ厚み圧下
率の上限は、特に規定されるものではなく、ロールスリ
ップが起こらずに圧延できさえすればよいので、0.5
程度の大きな値であっても構わない。
【0035】なお、粗ユニバーサル圧延機群で粗圧延し
た後に行う中間ユニバーサル圧延機群による中間圧延、
仕上げユニバーサル圧延機による仕上げ圧延は、従来法
と同様に行えばよい。
【0036】次に、実施例により本発明を更に詳しく説
明する。
【0037】
【実施例】(実施例1)図5に示すレイアウトの圧延ラ
インによって、図6に示す寸法形状のH形鋼矢板を製造
した。図6に記載した製品のウェブ厚みは15mm、フ
ランジ厚みは20mm、2重爪継手の最大厚みは55m
mである。なお、2重爪継手の小突起高さは25mmで
ある。なお、図6のH形鋼矢板は、両方のフランジと
も、その片端が2重爪継手で他端が1重爪継手のもので
ある。
【0038】先ず、250mm厚さ×1500mm幅の
連続鋳造スラブを圧延素材とし、これを加熱炉で128
0℃に加熱した後、粗圧延機による通常の19パスの往
復圧延によって、図7に示すようなフランジ先端中央部
に深さ23mmのV字状の溝を有するウェブ厚み60m
m、フランジ厚み120mmで、フランジ幅620mm
のH型の粗形鋼片(ビームブランク)を作製した。
【0039】次いで、上記のH型の粗形鋼片に、ユニバ
ーサル圧延機及びエッジャー圧延機からなる粗ユニバー
サル圧延機群で表1〜3に示す15パスの粗圧延を施し
てウェブ厚み15.2mm、フランジ厚み20.2mm
に圧下し、各パスにおける「ウェブ波」や「ウェブ未充
満」の発生状況を調査した。なお、表1の圧延は、その
各パスが(1)の発明で規定する条件を満足する本発明
例である。一方、表2及び表3の圧延は、13パス、1
5パスがそれぞれ(1)の発明で規定する条件から外れ
た比較例である。前記表1〜3のいずれの場合にも、そ
の6パス目まではフランジ厚みとウェブ厚みの厚み圧下
率バランスを調整する圧延とした。
【0040】表1〜3に、上記の「ウェブ波」や「ウェ
ブ未充満」の発生の有無を併せて示した。ここで、表1
〜3の「スタンド」欄における「UR」はユニバーサル
圧延機による圧延を、「E」はエッジャー圧延機による
圧延を指す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】比較例の表2のパススケジュールによる圧
延では、13パス後及び15パス後に「ウェブ波」が、
又、比較例の表3のパススケジュールによる圧延では1
3パス後及び15パス後に「ウェブ未充満」が生じた。
これに対して、各パスが(1)の発明で規定する条件を
満足する表1のパススケジュールの場合には「ウェブ
波」も「ウェブ未充満」も発生しなかった。
【0045】なお、粗ユニバーサル圧延機群での圧延を
上記表1のパススケジュールで行ったウェブ厚み15.
2mm、フランジ厚み20.2mmの半製品に通常の中
間ユニバーサル圧延機群による中間圧延、仕上げユニバ
ーサル圧延機による仕上げ圧延を施して前記した寸法形
状のH形鋼矢板に仕上げたが、製品に「ウェブ波」や
「ウェブ未充満」は認められなかった。
【0046】(実施例2)前記実施例1の場合と同様
に、図5に示すレイアウトの圧延ラインによって、図6
に示す寸法形状のH形鋼矢板を製造した。
【0047】すなわち、250mm厚さ×1500mm
幅の連続鋳造スラブを圧延素材とし、これを加熱炉で1
280℃に加熱した後、粗圧延機による通常の19パス
の往復圧延によって、図7に示すようなフランジ先端中
央部に深さ23mmのV字状の溝を有するウェブ厚み6
0mm、フランジ厚み120mmで、フランジ幅620
mmのH型の粗形鋼片(ビームブランク)を作製した。
次いで、上記のH型の粗形鋼片に、ユニバーサル圧延機
及びエッジャー圧延機からなる粗ユニバーサル圧延機群
で表4、表5に示す15パスの粗圧延を施してウェブ厚
み15.2mm、フランジ厚み20.2mmに圧下し、
各パスにおける「ウェブ波」、「ウェブ未充満」及びフ
ランジの外倒れの発生状況を調査した。なお、表4の圧
延は、その各パスが(2)の発明で規定する条件を満足
する本発明例である。一方、表5の圧延は、1パス、1
3パス、15パスが(2)の発明で規定する条件から外
れた比較例である。前記表4、表5の場合にも、その6
パス目まではフランジ厚みとウェブ厚みの厚み圧下率バ
ランスを調整する圧延とした。
【0048】表4、表5に、上記の「ウェブ波」、「ウ
ェブ未充満」及びフランジの外倒れの発生の有無を併せ
て示した。ここで、表4、表5の「スタンド」欄におい
ても、「UR」はユニバーサル圧延機による圧延を、
「E」はエッジャー圧延機による圧延を指す。
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】比較例の表5のパススケジュールによる圧
延では「ウェブ波」とフランジの外倒れが生じた。これ
に対して、各パスが(2)の発明で規定する条件を満足
する表4のパススケジュールの場合には「ウェブ波」及
び「ウェブ未充満」は発生せず、しかも、フランジの外
倒れも発生しなかった。
【0052】なお、粗ユニバーサル圧延機群での圧延を
上記表4のパススケジュールで行ったウェブ厚み15.
2mm、フランジ厚み20.2mmの半製品に通常の中
間ユニバーサル圧延機群による中間圧延、仕上げユニバ
ーサル圧延機による仕上げ圧延を施して前記した寸法形
状のH形鋼矢板に仕上げた。この製品には「ウェブ波」
や「ウェブ未充満」は認められず、しかも、2重爪継手
の内側には所望形状の小突起が得られていた。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、「ウェブ波」や「ウェ
ブ未充満」が生じないので所望の製品寸法を有するH形
鋼矢板が得られる。更に、フランジの外倒れを防止でき
るので、H形鋼矢板の2重爪継手の内側に所望形状の小
突起が得られるため、継手に必要とされる離脱強度を確
保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】形状係数Sの算出に用いられる変数Bi、Hi
f、Awの関係を説明する図である。
【図2】定義に基づく「圧下前のH形の粗形鋼片のフラ
ンジ最先端厚み」を指す場合を除いた「フランジ中央部
厚み」について説明する図である。
【図3】フランジ最先端厚みを説明する図である。
【図4】鉛を用いてフランジ厚み圧下率とウェブ厚み圧
下率との比Nを種々変えて、実機の1/8モデルの粗ユ
ニバーサル圧延機群で圧延した場合の「ウェブ波」や
「ウェブ未充満」の発生状況の一例を示す図である。
【図5】本発明による方法を実施するために実施例で用
いた圧延ミルのレイアウトを示す図である。
【図6】実施例で製造したH形鋼矢板の寸法形状を示す
図である。
【図7】実施例で製造したH形鋼矢板の粗圧延機で造形
したH形の粗形鋼片を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フランジ先端中央部にV字状の溝を有する
    H形の粗形鋼片を、ユニバーサル圧延機及びエッジャー
    圧延機からなる粗ユニバーサル圧延機群で粗圧延した後
    に仕上げユニバーサル圧延機で仕上げ圧延を行うか、前
    記粗圧延の後に中間ユニバーサル圧延機群で中間圧延
    し、更に、仕上げユニバーサル圧延機で仕上げ圧延を行
    って、少なくとも一方のフランジの片端が2重爪継手で
    他端が1重爪継手であるH形鋼矢板を製造する方法であ
    って、前記粗ユニバーサル圧延機群のユニバーサル圧延
    機での圧延において、下記(a)式で表される形状係数
    Sの値が2.00以上となる領域で、フランジ厚み圧下
    率とウェブ厚み圧下率との比N及び前記形状係数Sに関
    し、それぞれ下記(b)式及び(c)式で表されるfn
    1の値及びfn2の値がいずれも0未満を満足すること
    を特徴とするH形鋼矢板の製造方法。 【数1】 【数2】 【数3】 ここで、2重爪継手とは長い外側継手と短い小突起及び
    その間に凹部を有する継手を指し、1重爪継手とは前記
    凹部に嵌合する凸状の継手を指す。フランジ厚み圧下率
    とは、竪ロールと上下の水平ロールの側面による継手部
    分を除くフランジの厚み圧下率を、又、ウェブ厚み圧下
    率とは、上下の水平ロールによるウェブの厚み圧下率を
    指し、いずれもフランジやウェブの「圧下前の中央部厚
    みと圧下後の中央部厚みとの差」の「圧下前の中央部厚
    み」に対する比をいう。但し、第1圧延パスにおいて
    は、「圧下前のH形の粗形鋼片のフランジ最先端厚み」
    を「圧下前のフランジ中央部厚み」と定義する。なお、
    (a)式におけるBi、Hiはそれぞれ、Bi =(フラン
    ジ幅B)−(ウェブ中央部厚み)、Hi=(ウェブ高さ
    H)−2×(フランジ中央部厚み)を表し、Afはフラ
    ンジ断面積を、又、Awはウェブ断面積を表す。
  2. 【請求項2】粗ユニバーサル圧延機群のユニバーサル圧
    延機による第1圧延パスのフランジ厚み圧下率を0.0
    5以上とする請求項1に記載のH形鋼矢板の製造方法。
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