JP2000349526A - 内蔵アンテナ装置 - Google Patents

内蔵アンテナ装置

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JP2000349526A
JP2000349526A JP11160661A JP16066199A JP2000349526A JP 2000349526 A JP2000349526 A JP 2000349526A JP 11160661 A JP11160661 A JP 11160661A JP 16066199 A JP16066199 A JP 16066199A JP 2000349526 A JP2000349526 A JP 2000349526A
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Hideo Suyama
英夫 陶山
Yoichi Ito
洋一 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】広い周波数帯域幅と指向特性およびダイバーシ
ティ効果を有する安定した特性とマルチバンド対応可能
な携帯電話機の内蔵アンテナ装置を提供する。 【構成】携帯電話機の上部中央に給電部を有するダイポ
ール構成のアンテナを薄い対構成のアンテナ素子で形成
し、筐体の内壁面に沿って屈曲して配置させる。アンテ
ナ素子に近接して電磁波吸収材のシートを設け、ダイポ
ール構成のアンテナの給電部にはバランを接続する。並
列配置の2組のダイポール構成のアンテナと2個のバラ
ンの組み合わせでデュアルバンド対応のアンテナを形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は携帯電話機に使用される
アンテナに関し、筐体に内蔵するアンテナ装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】携帯電話機は通信技術の革新により小型
化されてきているが、携帯電話機に備えられる電波を送
受信するアンテナにおいて以下に述べる問題点があっ
た。
【0003】携帯電話機において、図51の従来のアン
テナの斜視図で示される構成のアンテナが一般的に用い
られている。通話あるいはデータ送受信中にはホイップ
アンテナ1を引き出す。待機時にはホイップアンテナ1
を筐体2の中に収納し、先端部に設けられたヘリカルア
ンテナ3のみを筐体2の外に出した状態にする。あるい
は、筐体2に固定して突出させたヘリカルアンテナを使
用する。結果、アンテナが常に筐体2から出ることにな
り、携帯性や操作性において煩わしさが伴う。
【0004】携帯電話機の小型化に伴い、ホイップアン
テナ1およびヘリカルアンテナ3はグランド平面を十分
確保しにくく、もはやグランドとしての作用を失って、
筐体上の表面電流源からも電磁波の放射が生じる。結
果、筐体の形状や大きさにより放射指向特性、放射効
率、利得、入力インピーダンスおよび周波数帯域幅が変
わる。
【0005】さらに、手や頭が近接したり位置が変化す
るとアンテナの入力インピーダンスの変化が大きく生
じ、その結果、前記の他の特性も変わる。特に周波数帯
域幅の減少、あるいは電圧定在波比が2.0以下の周波
数帯域の中心周波数の変動が生じ、固定した周波数帯域
を使用する携帯電話機のアンテナの放射効率が実質的に
低下することになる。
【0006】また、ホイップアンテナ1を2つ以上の離
れた周波数帯域を使用するマルチバンド対応のアンテナ
として用いる場合は、太くあるいは並列に外部に出る構
造になり、携帯性や操作性でさらに煩わしく、コスト高
や信頼性低下などの問題を伴うことになる。
【0007】携帯電話機に用いられる他の従来のアンテ
ナとして、図52の斜視図で示す固定型アンテナ4があ
る。引き出しや収納の操作は必要ないが、比較的広い周
波数帯域幅を確保するためには、アンテナの高さをある
程度高くする必要があり、特にスリーブアンテナを用い
ると高くなり、携帯時に煩わしい。また、アンテナ高さ
をホイップアンテナほど高くできないため、周波数帯域
幅を広くする限界を有する。
【0008】固定型アンテナ4をマルチバンド対応の構
成にすると、さらに太くなり、外部へ突出するアンテナ
がより煩わしいものとなり、コストも高くなる。
【0009】携帯電話機の他の従来のアンテナとして、
図53の一部切り欠き斜視図で示すように、筐体5の内
部に収納する逆F型アンテナ6がある。内蔵アンテナで
あり、携帯性や操作性の煩わしさから開放される利点は
あるものの、通常は周波数帯域幅が数パーセントとあま
り広くなく、さらに広くするには容積を大きくする必要
があり、携帯電話機の小型化に矛盾することになる。
【0010】さらに、2つの周波数帯域を対象とするデ
ュアルバンド対応の構成にする場合には、逆F型アンテ
ナを2個並列に配置したり、積層構造にする必要があ
る。いずれの場合も容積が増大し、2つのアンテナの干
渉の問題が生じる。
【0011】携帯電話機の他の従来のアンテナとして、
図54の斜視図で示すような筐体7に内蔵したメアンダ
ラインアンテナ8がある。ホイップアンテナ9が筐体7
の内部に収納された時、メアンダラインアンテナ8はヘ
リカルアンテナ10とダイポール構成のアンテナとして
機能する。いずれにしても、筐体7から突出したアンテ
ナを用いることには変わりない。
【0012】メアンダラインアンテナ8はジグザグ状の
導体線を用いてアンテナ長の短縮化をはかっているが、
ヘリカルアンテナ10とは、非対称のダイポール構成の
片方のアンテナ素子として振る舞えばよいため、筐体7
の幅が大きい場合には屈曲せずとも筐体7の上部に収納
できた。しかしダイポール構成全体が筐体7の中に収容
されない。
【0013】さらに、メアンダラインアンテナ8とヘリ
カルアンテナ10はインピーダンス的に対称にできな
い。また、メアンダラインアンテナ8とヘリカルアンテ
ナ10からなる平衡型のダイポール構成と、不平衡型の
送受信回路側の端子との間には平衡ー不平衡変換器であ
るバランが用いられず、単に不平衡型である同軸ケーブ
ル11がそのままアンテナ側に接続されている。それゆ
え、不平衡電流が発生し、アンテナの放射効率を損なう
ことになり、インピーダンス的にも不安定なものにな
る。
【0014】また、図で示していないが、従来のアンテ
ナとして、携帯電話機に内蔵されるヘリカルアンテナが
ある。通常、単独のアンテナとして用いられず、ダイバ
ーシティ構成の受信専用のアンテナとして使用される。
また、巻き断面が円形のヘリカル状の導体線を用いてい
る。ヘリカル状のアンテナにしてアンテナ長の短縮化を
はかり、幅の狭い携帯電話機の中に内蔵して800ある
いは900メガヘルツ帯で使用する場合は周波数帯域幅
が一般に狭くなる。また、筐体等のグランドとの関係で
安定性を確保しにくい。
【0015】本発明の発明者と出願人が同一の特許出願
である特願平10ー198220で示されるように、ヘ
リカルアンテナの2個のダイポール構成で筐体上部に配
置しても、個々のアンテナ長が短く周波数帯域幅が小さ
くなるか、零になる。またヘリカルのコイル巻き径や中
心軸の向きによる内部の容積に占める割合が大きくな
る。
【0016】また、特開平11ー68446に開示され
たようなループ状の半波長ダイポールアンテナは、基地
局用のアンテナとして、水平方向に120度制御された
指向特性と、水平方向の直線偏波を得る目的で考案され
ている。しかし、アンテナ長の短縮化、広周波数帯域幅
化、電磁波放射の抑制など、携帯電話機に内蔵するアン
テナとしての制約下での構造は全く考慮されていない。
また、開示された内容の中で、ダイポールアンテナの先
端の2つの端とループアンテナの中心のなす角が45度
以内と制限する必要は携帯電話機においては特にない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従来の携帯電話機のア
ンテナで、特に内蔵アンテナ装置では、広い周波数帯域
幅、使用状態によらない安定したアンテナ特性や広い放
射指向特性を得るのは困難であった。また、マルチバン
ド対応のアンテナにするのは困難か、操作性、大きさに
難があった。さらに、単一のアンテナではダイバーシテ
ィ効果が得られない。これらを携帯電話機の内での占有
容積が小さい制約条件下の内蔵アンテナ装置で解決する
ことである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の内蔵アンテナ装
置は、特定の周波数帯域に対応するアンテナの放射効率
を確保するため、対構成の細長のアンテナ素子のアンテ
ナ長の無理な短縮化を行わず、しかも特性を安定させる
ため、屈曲されたアンテナ素子でダイポール構成のアン
テナにする。携帯電話機の筐体の上部の内壁面に沿って
内蔵する。
【0019】アンテナ長が長くても、携帯電話機の内部
の空間を大きく占有しないように、連続面状の薄いアン
テナ素子にして、アンテナ素子の主たる部分を内壁面に
沿って屈曲させる構成にする。
【0020】あるいは、アンテナ素子を構成する連続面
状の面が側面の内壁面に対してほぼ直交していても、対
構成の細長のアンテナ素子を側面の内壁面に沿う構成に
するとよい。ただし、この連続面は、筐体内部の基板に
近接して配置される。
【0021】低い周波数帯域対応で対構成の細長のアン
テナ素子からなるダイポール構成のアンテナのアンテナ
長の短縮化と、広い周波数帯域幅を確保するため、アン
テナ素子に平行に近接して電磁波吸収材を配置する。電
磁波吸収材に可とう性があると、屈曲させて内壁面に沿
う構成に対応し易い。
【0022】アンテナ長の短縮化のため、誘電体材の薄
いシートを密着して用いてもよい。また、平坦あるいは
屈曲が少ない形状で筐体の内壁面に沿ってアンテナ素子
を配置する場合、密着して比誘電率の大きいセラミック
を用いてもよい。
【0023】アンテナ素子が屈曲されて沿う内壁面は、
筐体の最上部、側部および背部の3ケ所の面を主な対象
とし、必要に応じてそれらの中間および内部方向を含
む。
【0024】アンテナ長を短くするため、アンテナ素子
をジグザグ状やカル状のアンテナ素子形状にしてもよ
い。ただし、連続面状に形成できる薄さが必要である。
【0025】また、対構成の細長のアンテナ素子のアン
テナ長の短縮化のため、先端部の両側を電磁波吸収材で
覆うとよい。少なくとも片側を密着させるとよい。ま
た、同時に先端部をピッチの小さいジグザグ状やヘリカ
ル状の構成にしてもよい。
【0026】複数の周波数帯域対応のアンテナにするた
めに、並列に配置する対構成の細長のアンテナ素子で複
数のダイポール構成のアンテナにする。個々のダイポー
ル構成のアンテナには個々の周波数帯域に対応する平衡
ー不平衡変換器であるバランを接続する。
【0027】並列に配置される対構成の細長のアンテナ
素子のうち、少なくとも、低い周波数帯域を対象とする
長いアンテナ電気長のアンテナ素子を筐体の内壁面に沿
う形状にする。この場合、高い周波数帯域を対象とする
短いアンテナ電気長のアンテナ素子は中央の給電部から
平行でない方向に配置されてもよい。
【0028】電磁波吸収材を、その電磁波の吸収ピーク
を複数の周波数帯域のうち最も低い周波数帯域近傍に対
応させて、アンテナ長の短縮化をはかる。
【0029】送受信の広い周波数帯域に対応するため、
複数の近似したアンテナ電気長のアンテナ素子を並列に
配置してまとめ、1組のダイポール構成のアンテナとす
る。この場合、平衡ー不平衡変換器であるバランは共通
に用いる。
【0030】平衡ー不平衡変換器であるバランに導体分
岐型のバランを用いる場合、2本の同軸ケーブルをルー
プ状に形成し、端部をダイポール構成の中央部にまとめ
る。
【0031】あるいは平衡ー不平衡変換器であるバラン
を電気回路チップに搭載し、ダイポール構成のアンテナ
と中央部近傍で一体化、あるいは別に基板に配置しても
よい。
【0032】複数の独立の平衡ー不平衡変換器であるバ
ランを1個の電気回路チップにまとめ、ダイポール構成
のアンテナを中央部近傍で一体化、あるいは別に基板に
配置してもよい。
【0033】電気回路チップからの配線を対称で最短に
するため、バラン搭載の電気回路チップを2個用いる場
合、デュアルバンド対応の2組のダイポール構成のアン
テナの対称軸上の上下にバラン搭載の2個の電気回路チ
ップをダイポール構成のアンテナと一体化してもよい
し、また別に基板に配置してもよい。
【0034】同じく、電気回路チップからの配線を対称
に短くするため、デュアルバンド対応の2組のダイポー
ル構成のアンテナの対称軸と平行の電気回路チップの対
称軸の上下に、2個のバランの回路パターンを設け、入
出力の端子をそれぞれ縦中央の対称軸に対して対称に側
面に設ける。ダイポール構成のアンテナと一体化しても
よいし、別に基板に配置してもよい。
【0035】対構成の細長のアンテナ素子からなるダイ
ポール構成のアンテナを可とう性を有するシートに形成
し、連続面状で筐体の内壁面に沿う構成に屈曲させる。
電磁波吸収材のシートを接着などで密着して配置すると
よい。
【0036】可とう性を有するシートに設けられるダイ
ポール構成のアンテナの電気端子を圧着導電性接着層で
バラン搭載の電気回路チップの端子や基板の導体などに
接続する。この場合、電気端子の近傍でシートを屈曲さ
せ、全体は内壁面に沿わせるとよい。
【0037】ダイポール構成のアンテナを設ける可とう
性を有するシートを安定支持するため、アンテナ素子の
先端部近傍のシートに開孔部を設け、突起に合わせて位
置決めすると良い。
【0038】筐体の内壁面の一部にリブを設けて構造強
度を上げてもよい。この場合、対構成の細長のアンテナ
素子からなるダイポール構成のアンテナは、少なくとも
リブの高さ分だけ離れて筐体の内壁面に沿って配置され
る。
【0039】筐体の内容積を有効に利用するため、連続
面状の対構成の細長のアンテナ素子からなるダイポール
構成のアンテナの先端部近傍の下に対応する位置に段差
部を設ける。筐体の背部の段差部の上側が厚くなる構成
にし、必要に応じて上部に向かって筐体を薄くする。
【0040】金属製の面に置いても送受信が妨げられな
いように、筐体の内壁面に沿って形成された対構成の細
長のアンテナ素子を上部方向に向かって内部に傾斜させ
てもよい。
【0041】対構成の細長のアンテナ素子の先端部どう
しを平行に近接して配置するため、筐体の内部方向に屈
曲される直線状の部分を反対方向に屈曲したり、小さな
段差状に屈曲させる部分をすくなくとも1箇所形成する
とよい。この場合、近接して平行に配置される先端部を
電磁波吸収材で覆うとよい。
【0042】筐体の内部や人の頭部方向への電磁波の放
射を抑制する目的で、電磁波吸収層と金属箔等の導体層
の複層で構成される電磁波吸収材を対構成の細長のアン
テナ素子近傍から筐体の背部に対向する面形状で配置す
る。
【0043】
【実施例】発明の実施の形態を、実施例をもとに図面を
参照して説明する。図1は本発明の内蔵アンテナ装置の
実施例を一部切り欠き拡大図で示すものである。携帯電
話機の筐体12の上部に、連続面状に構成されるジグザ
グ状の一対の細長のアンテナ素子13、14をダイポー
ル構成で内蔵して設ける。ジグザグ状の対構成の細長の
アンテナ素子13、14は、筐体12の最上部15から
側部16の内壁面に沿って屈曲されて構成される。内壁
面に沿うとは、必ずしも内壁面に密着、または常に平行
であることに限定されず、部分的に離れたり、平行でな
い箇所があるとしても、面あるいは線の形が、内壁面の
面あるいは対向する部分の内壁面の線形状が全体として
近似したものを言う。また筐体12の上部とは、折り畳
み構造の筐体の場合においては、折り畳んだ状態、ある
いは開いた状態のいずれかにおいての筐体の上部を意味
する。
【0044】図1の実施例では、ジグザグ状の対構成の
細長のアンテナ素子13、14は連続面状に形成され、
平行に近接して配置される電磁波吸収材17のシートと
共に薄いダイポール構成のアンテナが構成される。筐体
12の上部に内蔵されるダイポール構成のアンテナの中
央部に給電部18、19が設けられる。給電部18、1
9には平衡ー不平衡変換器であるバラン20が接続さ
れ、バラン20を介し、さらに送受信回路部21側の端
子に接続される。
【0045】携帯電話機で使用される送受信の周波数帯
域は、800メガヘルツ帯、900メガヘルツ帯あるい
は1.5から1.9ギガヘルツの間の周波数帯がある。
また上記周波数帯域の複数を使用する携帯電話機もあ
る。自由空間でのそれぞれの周波数帯域における半波長
の長さは、それぞれ180、160、100から80ミ
リメートルほどである。上記の周波数帯域に対応する半
波長のダイポール構成のアンテナの実寸の長さは、直線
状のアンテナ構成にした場合、自由空間の場合に較べて
10パーセントほど短くなる。ジグザグ状やヘリカル状
に構成した場合は、さらに短くなる。
【0046】携帯電話機の小型、軽量化に伴い、筐体1
2の内部の容積や幅が小さいものになる。しかし筐体1
2の上部の内部の幅は38ミリメートル以上が現在およ
び将来においても一般的であると予想される。これは、
人間工学的に、あるいは、液晶表示装置の多目的利用を
前提にして予想されることである。また筐体12の最上
部15は構造強度的にも、デザイン的にも角部が曲面状
に形成される。したがって、単純に真っ直ぐな半波長の
ダイポール構成のアンテナでは、筐体12の上部に、特
に最上部15に沿って内蔵できない。
【0047】図1は1.5ギガヘルツ帯近傍の例を示す
ものである。ジグザグ状の対構成の細長のアンテナ素子
13、14は直線状のものに較べて、同じアンテナ電気
長でもアンテナの実寸長を短縮化できるが、さらに短縮
化するためには、電磁波吸収材17のシートをアンテナ
素子13、14に対して平行に近接して配置するとよ
い。アンテナの実寸長とは中心軸の長さと考えてよい。
図示してないが、アンテナ素子13、14の両側に電磁
波吸収材を設けてもよい。また、誘電体材のシートを間
に介したり、あるいは比誘電率の大きいセラミック誘電
体材を配置してもよい。
【0048】そのような場合でも、過度にアンテナの実
寸長であるアンテナ長を短縮してアンテナを小型化する
と、送受信回路部21とインピーダンス整合はできて
も、自由空間へのアンテナの放射効率が低下する。また
過度なアンテナ長の短縮化は、周波数帯域幅の減少をも
たらすことを考慮しなければならず、他にはジグザグ状
やヘリカル状の導体線のピッチを小さくしたり、誘電体
の材料によっても周波数帯域幅の減少が生じる。しか
し、電磁波吸収材を用いると、ある程度の短縮化と同時
に、周波数帯域幅を広げる利点がある。
【0049】したがって、本発明の内蔵アンテナ装置で
は、ある程度アンテナ長を短縮化するために、ジグザグ
状、あるいは偏平巻き断面を有するヘリカル状にアンテ
ナ素子を構成するか、あるいは、直線状のアンテナ素子
を用いる場合でも電磁波吸収材を近接して配置すること
を主とする。近接して配置される電磁波吸収材は、片側
を主とするが、必要に応じて両側に設ける場合もある。
【0050】具体的には、図1で示すように、対象とす
る送受信の周波数帯域対応のダイポール構成のアンテナ
の長さが、屈曲して筐体12の内壁面に沿って収納でき
る長さならば、過度に短縮化する必要はない。既に記述
したように、電気長で半波長のダイポール構成のアンテ
ナにおいてはアンテナの実寸長が長いほど放射効率にお
いて有利だからである。
【0051】また携帯電話機の内蔵アンテナ装置にして
も、従来のホイップアンテナ等に較べて放射効率、周波
数帯域幅が劣らないことが求められる。また使用状態に
ほとんど依存しない安定したアンテナ特性、広い指向性
およびダイバーシティ的性能が求められる。
【0052】図2は、図1で示される内蔵アンテナ装置
を、携帯電話機の前方向から見た一部切り欠き斜視図を
示す。全体の構成を分かりやすく示すものである。筐体
12の最上部15から側部16の内壁面に沿って、先端
方向で屈曲されたダイポール構成のアンテナ22が内蔵
される。
【0053】携帯電話機を手で握り、頭に近接した場合
とそうでない場合の使用状態にほとんど依存しない安定
したアンテナ特性を得るために、図1で示すように、対
構成の細長のアンテナ素子13、14で対称なダイポー
ル構成のアンテナを形成し、中央部の給電部18、19
を最上部15近傍に設けて手の握り位置から遠ざけ、平
衡ー不平衡変換器であるバラン20を接続する。バラン
20を介して送受信回路部21側の端子に接続すること
により、手や頭の近接など、保持状態の影響をほとんど
受けない安定した入力インピーダンスと周波数帯域幅を
得ることができる。この場合、筐体12や内部の基板等
によるグランド的な役割は必要なくなる。
【0054】保持状態の影響がほとんどなく、筐体や基
板等をアンテナ構成上必要としないのは、ダイポール構
成のアンテナ、特に、対構成の細長のアンテナ素子1
3、14による半波長ダイポール構成のアンテナと平衡
ー不平衡変換器であるバラン20とで完結したアンテナ
系を成立させているからである。したがって、携帯電話
機の設計に際し、筐体や内部の基板等の構造、寸法が変
化する場合でも、アンテナは前もって設計したものをそ
のまま使用でき、簡単である。
【0055】また、連続面状に形成したジグザグ状の対
構成の細長のアンテナ素子13、14を、筐体12の最
上部15から側部16の内壁面に沿って屈曲させること
で、平行で真っ直ぐなダイポール構成のアンテナと比較
して広い指向性を得ることができる。またアンテナ素子
13、14の屈曲される部分が長いことで指向性ダイバ
ーシティや偏波ダイバーシティ効果も得ることができ
る。
【0056】また周波数帯域幅を広くすることは、図1
で示すように、対構成の細長のアンテナ素子13、14
をジグザグ状にして、アンテナ長をある程度短縮化した
状態でも、電磁波吸収材17のシートを近接して配置す
ることによって可能になる。これが電磁波吸収材17を
用いる大きな利点である。誘電体材では、短縮化の確認
はできても、広周波数帯域幅化の効果は電磁波吸収材に
較べて良い結果が得られなかった。
【0057】本発明の基本となる測定結果として、保持
状態による周波数帯域幅と中心周波数の変化、放射指向
特性を示す放射パターン、および吸収材の有無、種類に
よる短縮化と周波数帯域幅の結果を順に示す。
【0058】図3は、図1を基本として図2で示される
ダイバーシティ構成のアンテナ22を筐体23の上部に
内蔵して、アンテナ特性の安定性を測定するため、各種
の保持状態での測定法を示すものである。図3(a)は
自由な状態、図3(b)は手24で握った状態、図3
(c)は頭部モデル25を近接配置させた状態、およ
び、図3(d)は手24で握り、頭部モデル25を近接
させた状態を示す。ダイバーシティ構成のアンテナ22
は測定器の同軸ケーブルとの間に平衡ー不平衡変換機で
あるバランを介して測定された。頭部モデル25は木製
の円筒の中に、塩化ビニールの薄い袋に電解質溶液を満
たし、それを充填したものを使用した。
【0059】図4は、8分の3波長のホイップアンテナ
26を筐体27の外部に配置して、安定性を測定するた
めの各種の保持状態での測定法を示すものである。図4
(a)は自由な状態、図4(b)は手24で握った状
態、図4(c)は頭部モデル25を近接させた状態、お
よび図4(d)は手24で握り頭部モデル25を近接さ
せた状態を示す。ホイップアンテナ26と、筐体27の
内部面積に近い面積を有する厚さ2ミリメートルのアル
ミ板のグランド28には、外周を電磁波吸収材で覆った
同軸ケーブル29の内部導体と外部導体を接続して測定
した。
【0060】測定結果の前に、本発明の内蔵アンテナ装
置の特性判断基準の周波数帯域幅について定義すると、
図5の電圧定在波比の図で示すように、電圧定在波比で
あるVSWRが2.0以下の周波数の幅を、図5では
(1.356−1.243)の値を、その周波数幅の中
心周波数で、図5では(1.356+1.243)÷2
の値で割り、100を乗じた値をパーセントで示す。図
5の場合では、8.7パーセントになる。
【0061】図6は、図3と図4の各種の保持状態によ
る中心周波数ー周波数帯域幅を示し、特性のばらつきを
比較する図である。図6の領域30は、図3での測定法
の特性のばらつき範囲を、図6の領域31は、図4での
測定法の特性ばらつき範囲を示す。図3と図4の
(a),(b),(c)および(d)はそれぞれ丸印、
三角印、黒丸印および四角印で示される。
【0062】図1を基本とし、図2のダイポール構成の
アンテナ22を用いて、図3の測定法の各種保持状態で
測定した結果は、領域30で示されるように、1.4ギ
ガヘルツ近傍の中心周波数、および8パーセント程の周
波数帯域幅とばらつき範囲が非常に小さい。図1、図2
で示すジグザグ状の対構成のアンテナ素子13、14の
形状や、電磁波吸収材17を適正に設計することで10
パーセント程の周波数帯域が得られることを追記してお
く。
【0063】比較して、ホイップアンテナ26を用い
て、図4の測定法の各種保持状態で測定した結果は、領
域31で示されるように、中心周波数が0.9ギガヘル
ツから1.1ギガヘルツ、周波数帯域幅は0.0から1
3.8パーセントと、大きくばらついている。このこと
は、手や頭の近接の仕方による保持状態によって、ホイ
ップアンテナの入力インピーダンスが大きく変化するこ
とを意味している。
【0064】デジタルPDC方式の周波数帯域幅の17
パーセントは別として、各種方式の携帯電話機の周波数
帯域幅としては8パーセント以下が一般的である。今後
10パーセントを大きく越える周波数帯域幅を要求され
ることは少ない。したがって、本発明の内蔵アンテナ装
置では、10パーセント程の周波数帯域幅を確実にカバ
ーすることが必要となる。
【0065】携帯電話機が、ある保持状態で周波数帯域
幅が広くても、他の保持状態の場合に周波数帯域幅が小
さくなり中心周波数もシフトする、あるいは周波数帯域
幅が小さくなる、さらには周波数帯域幅は変わらないが
中心周波数がシフトする。これらのいずれも、携帯電話
機の送受信の周波数帯域幅が狭いことと実質的には同じ
になる。図1、図2の本発明の内蔵アンテナ装置の実施
例では、この周波数帯域幅や中心周波数の変化が非常に
少なく、安定していることが示される。
【0066】図7(a)、(b)では、図2の実施例で
示されるダイポール構成のアンテナ22を内蔵する筐体
23を、XY面の垂直方向に対して60度傾斜させた状
態で放射指向特性を測定する測定構成図を示す。放射指
向特性はXY平面での測定位置で、XY面と垂直方向の
電界の直線偏波成分の強度で示される。
【0067】図7(c)、(d)では、図4の測定法に
も使用した8分の3波長のホイップアンテナ26を筐体
27に取り付けたものを、同じ60度傾斜した測定構成
図を示す。測定方法も同じにする。
【0068】図8は、図7の測定構成図で示される本発
明の内蔵アンテナ装置とホイップアンテナの放射パター
ン32と33を表す。利得の基準は、図7のXY平面に
垂直方向に設置した直線で平行な導体線の半波長ダイポ
ールアンテナの放射パターンである。
【0069】垂直方向に対し60度傾斜させた場合、先
端を屈曲したダイポール構成の本発明の内蔵アンテナ装
置の放射パターン32の方が、8分の3波長ホイップア
ンテナの放射パターン33より利得が大きい。60度傾
斜させた状態では、本発明の内蔵アンテナ装置の方が効
率良く基地局との間で送受信を行う可能性があることを
示す。
【0070】また、本発明の内蔵アンテナ装置の放射パ
ターン32の零度方向と180度方向の利得にほとんど
差が生じていない。方向による利得の差を大きくするに
は、ダイポール構成のアンテナが形成される面を偏ら
せ、電磁波の遮蔽効果が大きく、あるいは厚く、ある程
度の幅を有する電磁波吸収材で遮蔽する必要がある。
【0071】現在の携帯電話機の基地局では、電波を水
平面に垂直方向の直線偏波を発信し受信する。通話時に
保持される携帯電話機の傾斜は、垂直方向に対し平均6
0度であることが報告され、その結果考慮した測定し
た。実際には基地局からでも、移動局である携帯電話機
からでも、発信される電波は反射、散乱および回折など
によるマルチパスフェージングの結果、到来波の偏波方
向や入射方向は一定しないが、平均的に考慮した場合に
は垂直方向の直線偏波を中心に考える。
【0072】図9は、アンテナ長の短縮化の程度を測る
測定構成図と特性図を示す。正面からの図9(a)、側
面からの図9(b)で示すように、ジグザグ状のアンテ
ナ素子34として、図1と図2で示されるジグザグ状の
幅と角度と線径と同じもので、円の4分の1の円弧状に
屈曲されたものを用いる。幅は6.2ミリメートル、角
度は62度、線径は0.9ミリメートル、またアンテナ
長は56ミリメートルである。ただし、アンテナ長と
は、ジグザグ状の導体線の長さではなく、給電部から先
端までの中心軸と平行な曲線の長さである。
【0073】ジグザグ状のアンテナ素子34は、測定波
長に比較して数倍以上の寸法のグランド金属35の中央
部に設けた同軸ケーブルの内部導体の端部36に接続さ
れ、また、外部導体はグランド金属35に接続されて測
定される。ひとつのジグザグ状のアンテナ素子34はグ
ランド金属35によって対称の鏡像アンテナ素子を作
り、ダイポール構成のアンテナとして振る舞う。測定に
おいては、ジグザグ状のアンテナ素子34に1.0ミリ
メートル厚の円弧状の塩化ビニール板37を密着し、反
対側に電磁波吸収材38のシートなどを密着配置する。
【0074】図9(c)は、図9(a)、(b)で、近
接配置される電磁波吸収材38の種類を変えたり、電磁
波吸収材38以外にした場合におけるジグザグ状のアン
テナ素子34の中心周波数ー周波数帯域幅の関係を示す
ものである。丸印はジグザグ状のアンテナ素子34のみ
の場合で、中心周波数は1.37ギガヘルツで、周波数
帯域幅は10.8パーセントである。もちろん、比誘電
率2.5程の塩化ビニール板37も除いてある。
【0075】二重丸印はジグザグ状のアンテナ素子34
に塩化ビニール板37を密着させた場合を示し、中心周
波数が1.31ギガヘルツと少し低くなり、短縮化され
ているが、周波数帯域幅が3.6パーセントと低下が顕
著になる。短縮化の効果が大きいことは中心周波数が低
くなることに対応し、形状的なアンテナ長さが同じでも
アンテナ電気長が長くなることにも対応する。
【0076】黒丸印は、1.3ギガヘルツ近傍に電磁波
の吸収ピークを有しない0.4ミリメートル厚の電磁波
吸収材を塩化ビニール板37を介して近接配置した場合
である。周波数帯域幅は9.8パーセントと回復する
が、中心周波数は1.29ギガヘルツと短縮化の効果は
それほど大きくない。
【0077】四角印は、1.3ギガヘルツ近傍に吸収ピ
ークを有する0.25ミリメートル厚で比較的に電磁波
吸収率の大きい電磁波吸収材を塩化ビニール板37を介
して近接配置した場合である。中心周波数は1.24ギ
ガヘルツと短縮化の効果は大きい。周波数帯域幅も1
1.8パーセントとさらに広くなる。
【0078】黒四角印は、上記2つの電磁波吸収材を重
ね、塩化ビニール板37を介して近接配置した場合で、
中心周波数が1.21ギガヘルツで周波数帯域幅が1
1.9パーセント四角印と較べて、アンテナ長の短縮化
やアンテナ特性の広周波数帯域幅化をさらに少し促進す
る。しかし、大きく変化した後に効果のあまり大きくな
い電磁波吸収材を追加しても効果はそれほど大きくはな
い。
【0079】三角印は、1.3ギガヘルツ近傍に吸収ピ
ークを有しない0.4ミリメートル厚の前述の電磁波吸
収材と15マイクロメートル厚のアルミニウム箔の導電
層からなる複層構成の電磁波吸収材を塩化ビニール板3
7を介して近接配置した場合で、中心周波数が1.23
ギガヘルツで周波数帯域幅が10.8パーセントと、ア
ンテナ長の短縮化と広周波数帯域幅化の効果は大きい。
導電層で反射された電磁波は再度前述の吸収層を通過す
ることで吸収が大きくなることに起因すると思われる。
【0080】黒三角印は、15マイクロメートル厚のア
ルミニウム箔の導電層のみを塩化ビニール板37を介し
て近接配置した場合で、中心周波数は1.23ギガヘル
ツとなり、アンテナ長の短縮化の効果は大きいが、周波
数帯域幅は零パーセントになり、電磁波の吸収を伴わな
い構成では広い周波数帯域幅の確保に問題がある。
【0081】測定は、比誘電率2.5ほどの塩化ビニー
ル板37を介して各種の電磁波吸収材38を近接配置し
て行ったが、電磁波吸収材を厚くしたり、電磁波の吸収
の大きいものを選択することで、あるいは、アンテナ素
子にほぼ密着して配置したり、アンテナ素子の両側に配
置することで、さらに短縮化と広周波数帯域幅がはかれ
る。なお直線状の導体線でも傾向は同じになる。
【0082】電磁波吸収材の層に密着して導電層を形成
する場合、導電層がアンテナ的挙動をする可能性があ
る。それを抑制する目的で、導電層のさらに背部に電磁
波吸収送を設けることが必要になる。結果、電磁波吸収
層の間に導電層が挟まれる複層の電磁波吸収材のシート
を用いる、これを用いるのは必要性の程度による。
【0083】本発明の内蔵アンテナ装置に用いられる電
磁波吸収材は、フェライト焼結体のように固く、比重の
大きいものでなく、例えばゴムのような比較的柔軟な高
分子材料の中に金属磁性体、酸化物磁性体、カーボンあ
るいは金属からなる微粉や微細線を分散、混入して作っ
たものを基本にしている。したがって、特定の周波数に
吸収ピークを有し、ピークからの減衰が大きいものが多
い。
【0084】本発明の内蔵アンテナ装置に電磁波吸収材
を使用してアンテナ長の短縮化や、広周波数帯域幅化を
はかる場合には、対象とする周波数帯域の近傍に電磁波
の吸収ピークを有する電磁波吸収材を用いることが有効
になる。
【0085】高分子材料を基本にした電磁波吸収層に、
金属箔などの導電層を密着し、あるいは、さらに電磁波
吸収層を追加して密着し、導電層を有する複層の電磁波
吸収材のシートを用いるとよい。アンテナ長の短縮化
や、周波数帯域幅を広くすることの他に、電磁波を遮蔽
する効果も大きいからである。
【0086】本発明の内蔵アンテナ装置は、ダイポール
構成の一対の細長のアンテナ素子を、筐体の上部の内壁
面に沿って屈曲させる。図1と図2の実施例において
は、筐体12の最上部15から側部16の内壁面に沿っ
て屈曲させる1.5ギガヘルツ近傍の周波数を対象とす
るアンテナを示した。対象周波数が低く、波長が比較的
長い場合には、アンテナ素子を長くする必要がある。特
に、ジグザグ状でなく直線状のアンテナ素子を用いる場
合、それ自身の形状によるアンテナ長の短縮化は期待で
きないので必然的に長くなる。アンテナ長が長くなる
と、携帯電話機の筐体に内蔵しにくくなるが、既に記述
したように、広い指向特性や等価的なダイバーシティ効
果を得るためにもアンテナ素子を屈曲する必要があり、
結果としてアンテナ長が長くても内蔵できる構成を採用
することが可能になる。
【0087】図10は、本発明の他の実施例を一部切り
欠き拡大図で示す。筐体39の背部40の内壁面に沿う
と同時に、この場合は、最上部41から側部42の内壁
面にも沿う形状になる。ダイポール構成のアンテナを形
成する直線状の対構成の細長のアンテナ素子43、44
を比較的に大きい曲率で屈曲させ連続面状に形成し、筐
体39の内部方向に先端部45、46を曲げる。電磁波
吸収材47のシートを平行に近接して配置するとよい。
この実施例においては、連続面状の面として平板上に一
対の細長のアンテナ素子の形成が可能なため、比誘電率
の大きいセラミック板を用いることも可能である。
【0088】図11は、放射指向特性の測定構成図と放
射指向特性の放射パターンを示すものである。図11
(a)、(b)では、図10の実施例で示された対構成
の細長のアンテナ素子43、44からなるダイポール構
成のアンテナ48を筐体49の上部に内蔵させ、筐体4
9をXY平面の垂直方向に対して90度と30度に傾
け、XY平面での測定点で、XY面と平行の電界の直線
偏波成分の強度を測定する測定構成図が示される。図1
1(c)で、測定した放射指向特性の放射パターンを示
す。90度傾けた場合の放射パターンが50であり、3
0度傾けた場合の放射パターンが51である。利得の基
準は、直線で平行な導体線の半波長ダイポール構成のア
ンテナの放射パターンを用いた。
【0089】放射指向特性の放射パターン50と放射パ
ターン51の利得の差は小さく、また、それぞれの8の
字形状の放射パターンは非常に近似したものである。測
定の設定ずれを考慮すると、ほとんど同一と言ってもよ
いほどである。図示してないが、同じXY平面の測定点
で、XY面に垂直方向の電界の直線偏波成分の強度を測
定すると円状の放射パターンが観測される。したがっ
て、携帯電話機がどのような傾斜あるいは方向になって
も、得られる利得の差は少なく。この結果は、携帯電話
機として受信状態が安定し、基地局への送信電波の強度
の変動が少なくなることを意味する。
【0090】傾斜や方向が一定しない携帯電話機の使用
状態を考慮すると、平均利得あるいはアンテナの放射効
率が良い場合は、広い指向性のほうが使用しやすい。増
幅器のゲインや送信出力のフィードバックを考慮すると
理解しやすい。商用のCDMA方式のパワーコントロー
ルに使用されている携帯電話機である移動局からの送信
出力の制御を、基地局と移動局の間で1秒間に百回ほど
フィードバックを行う必要もないし、また、絶えず複数
の基地局で移動局を追う必要がないことが予想される。
【0091】また、商用のCDMA方式では、1つのア
ンテナでマルチパスダイバーシティを行って受信を安定
させているが、1つのアンテナで指向性ダイバーシティ
と偏波ダイバーシティ効果を有する本発明の内蔵アンテ
ナ装置を用いると、さらに安定した送受信が可能になる
ことが予想される。
【0092】本発明の基本となる、「連続面状に構成さ
れる対構成の細長のアンテナ素子を携帯電話機の筐体の
上部中央に給電部を有するダイポール構成で、筐体の内
壁面に沿って配置する」ことの他の実施例を、図12か
ら図20の一部切り欠き拡大図で示す。
【0093】図12は、図10で示される実施例と近似
する構成になる。連続面状に構成される直線状の対構成
の細長のアンテナ素子52、53は、筐体54の上部中
央の給電部55、56から相互に平行でなく、傾斜した
方向で背部57の内壁面に沿って形成される。先端部5
8、59は筐体54の内部方向に屈曲してもよい。この
ダイポール構成のアンテナの内蔵アンテナ装置は、図1
0の構成の内蔵アンテナ装置の特性と近似したものにな
る。当然ながら、電磁波吸収材60のシートを平行に近
接して配置するのが適当である。またこの実施例に比誘
電率の大きい平板状のセラミック板を用いてもよい。半
波長のダイポール構成のアンテナが最もアンテナ効率が
よいため用いるが、必ずしも半波長のダイポール構成の
アンテナでなくてもよい。
【0094】図10の実施例でも同様であるが、図12
の実施例における半波長のダイポール構成のアンテナの
先端部58、59に流れる電流の強度は給電部55、5
6近傍に較べて小さいため、先端部58、59の部分か
ら放射される電磁波の強度は相対的に小さい。したがっ
て、後で述べるが、先端部58、59の部分を電磁波吸
収材で両側を覆ってアンテナ長の短縮化を行ったり、電
磁波の筐体54の内部への放射を抑制してもアンテナ全
体の放射効率にほとんど影響を与えない。また、傾斜し
た方向で配置される対構成のアンテナ素子52、53
は、広い放射指向特性と指向性あるいは偏波ダイバーシ
ティ効果を強調して得ることもできる。
【0095】図13は、本発明の他の実施例を示すもの
である。筐体61の内部の基板62の近傍に配置される
半波長のダイポール構成のアンテナを形成する直線状の
対構成の細長のアンテナ素子63、64は、筐体61の
最上部65から側部66の内壁面に沿って連続面状の面
に配置され、筐体61の上部の空間をさほど占有するこ
とはない。基板62の中央部には他の部品を配置でき
る。この場合も近接して電磁波吸収材67を配置するの
が適当である。また、比誘電率の大きい平面状のセラミ
ック板上あるいは内部に対構成の細長のアンテナ素子6
3、64を設けることもできる。直線状の対構成の細長
のアンテナ素子63、64の代わりにジグザグ状のアン
テナ素子を用いてもよい。
【0096】図14は、本発明の他の実施例を示すもの
である。半波長のダイポール構成のアンテナを形成する
直線状の対構成の細長のアンテナ素子68、69は、筐
体70の最上部71から側部72の内壁面に沿って屈曲
されて連続面状の面に配置される。アンテナ素子68、
69の形状は別にして、基本の構成は図1と図2の実施
例と同じである。電磁波吸収材73のシートはアンテナ
素子68、69形成される連続面状の面と平行に近接し
て配置される。筐体70の上部中央の給電部74、75
に平衡ー不平衡変換器であるバラン76が接続される。
アンテナ特性の安定性、放射指向特性は図1と図2の実
施例とほとんど同じになる。直線状のアンテナ素子にお
いてもジグザグ状のアンテナ素子の電磁波吸収材による
アンテナ長の短縮化と広周波数帯域幅化の傾向は同じに
なる。
【0097】図15は、本発明の他の実施例を示すもの
である。半波長のダイポール構成のアンテナを形成する
直線状の対構成の細長のアンテナ素子77、78は、筐
体79の最上部80から側部81の内壁面に沿って屈曲
され、さらに筐体79の内部方向に屈曲され、連続面状
の面に配置される。また、電磁波吸収材82のシートを
近接して配置する。内部方向に屈曲される先端部83は
直線状のアンテナ素子77、78の両側に電磁波吸収材
を設けてもよい。筐体79の内部への電磁波放射の抑制
と、アンテナ長の短縮化に対応するためである。筐体7
9の上部中央に給電部84、85を設け、バラン86に
接続する。放射指向特性は、図10の実施例の結果の広
い放射指向特性のもと近似したものになる。
【0098】図16は、本発明の他の実施例を示すもの
である。半波長のダイポール構成のアンテナを形成する
直線状の対構成の細長のアンテナ素子87、88は、筐
体89の最上部90から背部91の内壁面に沿って屈曲
され、連続面状の面に配置される。また、電磁波吸収材
92のシートを連続面状の面と平行に近接して配置す
る。筐体89の上部中央に給電部93、94を設け、バ
ラン95の端子に接続する。特性の安定性や放射指向特
性は、図10の実施例の結果に近似したものになる。
【0099】図17は、本発明の他の実施例を示すもの
である。半波長のダイポール構成のアンテナを形成する
直線状の対構成の細長のアンテナ素子96、97は、筐
体98の最上部99から側部100、さらに背部101
の内壁面に沿って屈曲され、連続面状の面に設けられ
る。また、電磁波吸収材102のシートを連続面状の面
と平行に近接して配置するとよい。筐体98の上部中央
の給電部103、104には平衡ー不平衡変換器である
バラン105が接続される。直線状の対構成の細長のア
ンテナ素子96、97が長くても、筐体98の上部の空
間を占有する実質的な容積は小さい。
【0100】図18は、本発明の他の実施例を示すもの
である。半波長のダイポール構成のアンテナを形成する
ジグザグ状の一対の細長のアンテナ素子106、107
を用いることの他は図17の実施例と同じ構成である。
ジグザグ状のアンテナ素子106、107を用いること
により、アンテナ長の短縮化には有利でも、幅が大きく
なる欠点がある。アンテナ特性は図17の実施例の場合
と基本的に同じである。また、電磁波吸収材108のシ
ートがアンテナ素子106、107に平行に近接して配
置される。
【0101】図19は、本発明の他の実施例を示すもの
である。半波長のダイポール構成のアンテナを形成する
ジグザグ状の対構成の細長のアンテナ素子109、11
0は、筐体111の最上部112から側部113の内壁
面に沿って屈曲され、側部113の途中で基板114か
ら遠ざかり背部115に近接し、さらに筐体111の内
部方向に屈曲され、全体が連続面状に配置される。対構
成の細長のアンテナ素子109、110の先端部116
の両側は電磁波吸収材で覆うとよい。また、電磁波吸収
材117はアンテナ素子109、110に近接して配置
される。この構成のアンテナの場合、筐体111の背部
115に段差部118を設け、先端部116が背部11
5に出っ張る構成で収納できるようにするとよい。基板
114には他の部品を配置することができる。この実施
例でも平衡ー不平衡変換器であるバラン119を用いる
とよい。アンテナとしての特性は、対象とする周波数を
除いて、図15の実施例の場合とほとんど同じである。
【0102】図20は、本発明の他の実施例を示すもの
である。半波長のダイポール構成のアンテナを形成する
ジグザグ状の対構成の細長のアンテナ素子120、12
1は、ジグザグ状の中心軸近傍で屈曲される連続面状の
面に形成され、筐体122の最上部123と背部124
の境界近傍から側部125と背部124の境界近傍の内
壁面に沿って屈曲されて配置される。筐体122の上部
中央の給電部126、127には同軸ケーブル128、
129で構成される導体分岐型のバランに接続される。
この実施例のアンテナ特性は、図1や図2の実施例で示
される特性とほとんど同じになる。
【0103】本発明に用いる平衡ー不平衡変換器である
バランは、電気回路チップで構成する場合と、同軸ケー
ブルを用いた導体分岐型で構成する場合がある。半波長
のダイポール構成のアンテナの入力インピーダンスが約
50オームであるため、インピーダンス変換比が50:
50であることを前提に、小型化、小寸法化、および作
り易さを考慮する。バランを搭載する電気回路チップは
主にインダクタンス素子で構成されるICチップであ
る。数ミリメートル角程度に小型化でき、連続面状に構
成される対構成の細長のアンテナ素子によるダイポール
構成のアンテナと一体化することが可能である。また、
複数の周波数帯域に対応する独立の複数のバランを、ひ
とつの電気回路チップに搭載して構成することも容易で
ある。
【0104】導体分岐型の平衡ー不平衡変換器であるバ
ランは、同軸ケーブルの波長短縮率に自由空間の4分の
1波長を乗じた長さの部分を用いる。平衡型であるダイ
ポール構成のアンテナの2つの給電部に接続されるの
は、2本の同軸ケーブルの外部導体であり、内部導体ど
うしは短絡される。不平衡型である送受信回路側の端子
に接続されるのは、片方の同軸ケーブルの外部導体と内
部導体であり、外部導体どうしは短絡して構成される。
【0105】いずれの平衡ー不平衡変換器であるバラン
も周波数帯域の制約があり、電圧定在波比が2.0以下
を前提とする場合、周波数帯域とその中心周波数の比は
10パーセント前後が限界である。したがって、800
メガヘルツ帯、あるいは900メガヘルツ帯と、1.5
ギガヘルツから1.9ギガヘルツのある周波数帯域を対
象にした2個の独立したダイポール構成のアンテナを用
いる場合には、それぞれの中心周波数に対応する2個の
独立のバランが必要になる。
【0106】当然ながら、平衡ー不平衡変換器であるバ
ランを用いずに、平衡型であるダイポール構成のアンテ
ナを、不平衡型である送受信回路側の端子に接続する場
合には不平衡電流が生じ、アンテナの放射効率が悪くな
る。また、ダイポール構成のアンテナの対構成のアンテ
ナ素子は、給電部からみてインピーダンス的に対称であ
るほど効率がよく、周波数的にも安定する。
【0107】本発明の内蔵アンテナ装置のダイポール構
成のアンテナの給電部が筐体の上部中央に設けられる理
由は、個々のアンテナ素子を電気的に対称にし易いこ
と、給電部近傍の電流分布の強度が大きく、電磁波の放
射の大きい部分を最上部近傍に配置でき、電磁波の放射
の遮りを小さくし、手の握りの影響も少なくできる。さ
らにアンテナ長の短縮化の構成が取りやすいことであ
る。
【0108】本発明に用いる連続面状に構成される対構
成の細長のアンテナ素子とは、携帯電話機の上部の内部
の実質的な占有容積を小さくすること、およびアンテナ
素子にシート状の電磁波吸収材を平行に近接配置してア
ンテナ長の短縮化や広周波数帯域幅化に効果的に対応す
ることを目的としている。実施例で示されるように、ジ
グザグ状や直線状のアンテナ素子は、連続面状の面に平
行に近接してシート状の電磁吸収材を配置して薄い構成
にすることができ、携帯電話機の筐体の上部の内壁面に
沿って屈曲させて占有する空間を実質的に小さくするこ
とができる。
【0109】図21に、本発明に用いられる連続面状に
構成されるアンテナ素子として、偏平巻き断面を有する
ヘリカル状のアンテナ素子の構成図を示す。図21
(a)の実施例では、シート130の両面の導体線13
1、132は相互の方向が異なり、片面上では、ほぼ平
行か同じ形状で設けられ、それぞれの両端部133と1
34、および135と136が交互にシート130を貫
通して接続される。結果、方形状の偏平巻き断面を有す
るヘリカル状のアンテナ素子になる。シート130が薄
い場合、ジグザグ状の導体線で構成されるアンテナ素子
とほとんど等価になる。シート130が厚い場合には、
屈曲しにくく、平板状にして使うことになる。少なくと
も、片面に電磁波吸収材137を配置するとよい。全体
を平面状で屈曲してないが、ヘリカル状のアンテナ素子
の構成を示すためで、本発明の内蔵アンテナ装置に適用
する場合は屈曲して構成することは当然である。また、
シート130に比誘電率の大きい誘電体材を用いること
もできる。
【0110】図21(b)の実施例では、楕円状の偏平
巻き断面を有するヘリカル状のアンテナ素子138を機
械的に巻いたものを示す。ヘリカル状の導体線のピッチ
を比較的大きくしないと周波数帯域幅を数パーセント以
上確保することができない。図21(c)のように局所
的に凹凸になるが、連続面状に構成でき、近接して電磁
吸波収材139のシートを配置できる。電磁波吸収材1
39のシートは平面状にして近接配置してもよい。この
ヘリカル状のアンテナ素子138の場合でも本発明の内
蔵アンテナ装置に適用する場合、屈曲して用いることは
同様である。
【0111】本発明の内蔵アンテナ装置をデュアルバン
ドに対応させる。800メガヘルツ帯ないし900メガ
ヘルツ帯と、1.5ギガヘルツから1.9ギガヘルツの
間のある周波数帯域のように、1.5倍以上離れた2つ
の周波数帯域を、同一の携帯電話機で使用するデュアル
バンド対応能力が要求される。図22から図28におい
て、その実施例を説明する。
【0112】図22は、本発明のデュアルバンド対応の
実施例を一部切り欠き拡大図で示すものである。筐体1
40の背部141の内壁面に、同時に最上部142から
側部143の内壁面に沿って、対構成の細長のアンテナ
素子である直線状のアンテナ素子144、145と、1
46、147が屈曲して連続面状に並列に配置される。
この場合、「対構成」の表現は、並列に配置される複数
のアンテナ素子がダイポール構成のアンテナとして独立
していても、まとめて表現するために用いられる。長い
電気長の1組のアンテナ素子144、145は低い周波
数帯域対応のダイポール構成のアンテナを形成する。ま
た短い電気長の1組のアンテナ素子146、147は高
い周波数帯域対応のダイポール構成のアンテナを形成す
る。それぞれのダイポール構成のアンテナには独立の給
電部148、149、および150、151を筐体14
0の上部中央に設ける。電磁波吸収材152のシートは
個々のアンテナ素子に平行に近接して配置される。
【0113】低い周波数帯域と高い周波数帯域対応の個
々の組のダイポール構成のアンテナの給電部148と1
49、および150と151には、それぞれの周波数帯
域にに対応する導体分岐型のバランを形成する同軸ケー
ブル153と154、および155と156がループ状
にして接続される。個々のダイポール構成のアンテナは
独立のアンテナとして振る舞い、比較的広い周波数帯域
幅を有する。2種類のバランを搭載する電気回路チップ
を導体分岐型のバランの代わりに用いてもよい。
【0114】図23は、図22の実施例の電圧定在波比
であるVSWRの図を示すものである。低い周波数92
0メガヘルツと、高い周波数1.8ギガヘルツ近傍に中
心周波数を有する。VSWRが2.0以下の周波数幅
を、その中心周波数で割った値で規定する周波数帯域幅
はいずれも10パーセント以上を示す。個々の周波数帯
域幅が比較的大きいのは、直線状の導体線のアンテナ素
子を用いたことにも起因する。後述するが、ジグザグ状
で、特にピッチの小さいアンテナ素子を用いるものに較
べ、直線状のアンテナ素子を用いるダイポール構成のア
ンテナは、アンテナ長が長くなるが、周波数帯域幅が広
い。また、電磁波吸収材を用いることで周波数帯域幅を
広くする効果の他、アンテナ相互の干渉を抑制する効果
もある。図23の中央部のピーク157は、電磁波吸収
材によって大幅に高さが低減された状態を示す。
【0115】図22と図23の結果を実際の携帯電話機
に具体的に適用する。例えば、アンテナ素子の電気長を
選択し、適正な周波数帯域用のバランと組み合わせるこ
とで、個々のダイポール構成のアンテナには、900メ
ガヘルツ帯と1.8ギガヘルツ帯の周波数帯域で、それ
ぞれ送受信を独立して行わせ、デュアルバンド対応のア
ンテナとして機能させる。このデュアルバンド対応の内
蔵アンテナ装置をGSM/DCSデュアルバンドの携帯
電話機に適用させることができる。通常、周波数帯域の
振り分けのため、個々の中心周波数は1.5倍以上離せ
ば現実的なデュアルバンドの周波数帯域に適用できる。
【0116】図24から図27において、デュアルバン
ド対応の他の実施例を、一部切り欠き拡大図で示す。図
24は、ジグザグ状の対構成の細長のアンテナ素子15
8、159で低い周波数帯域に対応する長い電気長のダ
イポール構成のアンテナを構成し、筐体160の上部中
央に給電部161、162を有する。高い周波数帯域に
対応する短い電気長のダイポール構成のアンテナは、直
線状の対構成の細長のアンテナ素子163、164で構
成され、やはり筐体160の上部中央に給電部165、
166を有する。給電部165、166から平行でない
方向に直線状の一対の細長のアンテナ素子163、16
4が配置される。
【0117】給電部161、162からのジグザグ状の
ダイポール構成のアンテナと、給電部165、166か
らの直線状のダイポール構成のアンテナのアンテナ素子
158、159と163、164を異なる方向に配置す
ることにより、相互の干渉を少なくすることができる。
また、アンテナ長が短いダイポール構成のアンテナの給
電部165、166からの導体線の方向を、平行でな
く、直交に近い方向に配置することで、高い周波数帯域
での広い指向性と等価的ダイバーシティ効果を持たせる
ことができる。この場合、個々のアンテナ素子158、
159と163、164を配置する連続面状の面に平行
に近接して電磁波吸収材167のシートを設けるとよ
い。またこの実施例のように、全体が筐体160の背部
168に沿う配置で平板状に形成してもよい。また、筐
体160の最上部から背部168の内壁面に沿って屈曲
させて形成してもよい。バランは表示してないが、2個
の独立した周波数帯域に対応するものが用いられる。
【0118】図25は、ジグザグ状の対構成の細長のア
ンテナ素子169、170は低い周波数帯域対応のダイ
ポール構成のアンテナを連続面状の面に形成し、筐体1
71の上部中央に給電部172、173を有し、筐体1
71の最上部174から側部175の内壁面に沿って屈
曲され、さらに筐体171の内部方向に屈曲される。ま
た先端部176を重ねる構成にして、その部分におい
て、アンテナ素子169、170の両側は電磁波吸収材
で覆われる。この場合、電磁波吸収材を密着配置すると
アンテナ長の短縮化の効果をより強めることができる。
【0119】直線状の対構成のアンテナ素子177、1
78は、高い周波数帯域対応のダイポール構成のアンテ
ナを同じ連続面状の面に形成し、筐体171の最上部1
74から側部175の内壁面に沿って屈曲され、筐体1
71の上部中央に給電部179、180を有する。個々
の給電部172、173および179、180は、2つ
の独立したバランを搭載する電気回路チップ181に接
続され、近接して電磁波吸収材182を有する。
【0120】図26は、直線状の2組のアンテナ素子1
83、184および185、186を連続面状の面で、
低い周波数帯域と高い周波数帯域に対応するダイポール
構成のアンテナを形成する。それぞれのアンテナ素子1
83、184および185、186は、筐体187の最
上部188から側部189の内壁面に沿って屈曲され、
アンテナ素子183と184は、さらに筐体187の背
部190の内壁面に沿って屈曲される。電磁波吸収材1
91のシートは近接して配置される。
【0121】対構成の細長のアンテナ素子を構成する2
組のアンテナ素子183、184および185、186
の中央部で、筐体187の上部中央に独立の給電部19
2、193および194、195が設けられる。高低の
周波数帯域対応の2種類のバランを内部に搭載する電気
回路チップ196を給電部192、193および19
4、195に接続する。それぞれのバランの他の端子は
送受信回路部197側の端子に接続される。
【0122】図27は、ジグザグ状および直線状の2組
のアンテナ素子198、199および200、201
で、低い周波数帯域と高い周波数帯域に対応するダイポ
ール構成のアンテナを形成する。それ以外の構成および
考え方は図26の実施例と同じである。
【0123】図24から図27の本発明の内蔵アンテナ
の一部切り欠き拡大図では、並列に配置されるダイポー
ル構成のアンテナを用いて、1.5倍以上中心周波数が
離れた高低の周波数帯域に対応するデュアルバンド対応
の実施例を示した。しかし、並列配置のダイポール構成
のアンテナの電気長を近似したものにすると、異なった
携帯電話機の方式に対応するものになる。
【0124】図28は、デジタルPDC方式に対応する
実施例を一部切り欠き拡大図で示す。デジタルPDC方
式は、2つの独立したアンテナでダイバーシティ構成を
実現し、周波数帯域幅は17パーセントと、広く取って
いる。また、ひとつのアンテナを送受信のアンテナとし
て、他を受信のみのアンテナとして用いている。
【0125】図28の実施例では、連続面状の面に近似
した電気長の2組のアンテナ素子202、203および
204、205を並列に筐体206の内壁面に沿って屈
曲して配置し、独立の2組のダイポール構成のアンテナ
を形成する。2組のダイポール構成のアンテナは、それ
ぞれ10パーセントほどの周波数帯域幅を持つが、17
パーセントの周波数帯域幅を1組のダイポール構成のア
ンテナでカバーするのは無理である。
【0126】2組のダイポール構成のアンテナを、対象
とする周波数帯域の中心周波数から数パーセント増減し
てずらした中心周波数で共振するアンテナ電気長にす
る。ただし、1組のダイポール構成のアンテナを受信専
用に、他の1組のダイポール構成のアンテナを送受信兼
用に用いる。個々のダイポール構成のアンテナは既に記
述したように広い指向特性と、ダイバーシティ効果を有
する。したがって、デジタルPDCの方式に矛盾しない
し、むしろ指向特性が広いことから、受信の安定に止ま
らず送信もより効率的なアンテナとして使用できる。
【0127】2組のダイポール構成のアンテナは、筐体
206の上部中央で独立した給電部207、208およ
び209、210を有し、2個の独立したバランに接続
すると、対象とする周波数帯域でのVSWRを2.0以
下でカバーするのに有利である。バランを搭載する電気
回路チップ211を用いると小型化が容易である。電磁
波吸収材212のシートは2組のダイポール構成のアン
テナに平行に近接して配置される。
【0128】デュアルバンド対応のダイポール構成のア
ンテナとして、図22、図24、図26および図27で
示される実施例のように、並列に配置される2組のダイ
ポール構成のアンテナのうち、少なくとも高い周波数帯
域に対応する短いアンテナ電気長のダイポール構成のア
ンテナ素子に直線状のアンテナ素子を用いるとよい。ジ
グザグ状やヘリカル状に較べて、直線状のアンテナ素子
の方が周波数帯域幅をある程度広くでき、アンテナ素子
を形成する部分の面積は少なく、幅を小さくできるから
である。
【0129】図29から図33は、並列に2組の対構成
のアンテナ素子を配置して、給電部を共通にまとめて構
成したダイポール構成のアンテナを、広い周波数帯域幅
を得る目的で用いる本発明の内蔵アンテナの実施例を一
部切り欠き拡大図で示すものである。
【0130】図29は、例えば、800メガヘルツ帯、
あるいは900メガヘルツ帯のような低い周波数帯域を
対象とする実施例を、一部切り欠き拡大図で示すもので
ある。直線状のアンテナ素子213、214と215、
216を並列に配置した2組の対構成の細長のアンテナ
素子を筐体217の上部中央の給電部218、219に
まとめ、1組のダイポール構成のアンテナを構成する。
直線状のアンテナ素子213と214は筐体217の最
上部220から側部221の内壁面に沿って、さらに筐
体217の内部方向に、あるいは、全体が筐体217の
背部222の内壁面に沿って屈曲され配置される。後者
の場合、アンテナ素子215、216も背部222に沿
って配置される。電磁波吸収材223のシートは平行に
近接して配置される。
【0131】図29のダイポール構成のアンテナは単一
の周波数帯域を対象とするため、ひとつの平衡ー不平衡
変換器であるバランを用いる。バランは、導体分岐型の
バランでもよいし、電気回路チップに搭載されるバラン
を用いてもよい。1組の直線状のアンテナ素子で形成さ
れるダイポール構成のアンテナに較べ、2から3パーセ
ントほど周波数帯域幅が広くなる。ただし、2組のダイ
ポール構成のアンテナの電気長の差を10パーセント以
内にする必要がある。電気長の差を10パーセント以上
大きくすると、目的の周波数での周波数帯域幅が確保で
きない結果になったからである。
【0132】図30は、例えば、800メガヘルツ帯や
900メガヘルツ帯のような低い周波数帯域を対象とす
る実施例を、一部切り欠き拡大図で示すものである。ジ
グザグ状のアンテナ素子224、225と直線状のアン
テナ素子226、227を並列に連続面状の面に配置し
て、対構成の細長のアンテナ素子を形成している。対構
成の細長のアンテナ素子はダイポール構成のアンテナと
して筐体228の上部中央の給電部229、230にま
とめられる。アンテナ素子224と225は筐体228
の最上部231から側部232の内壁面に沿って、ある
いは、筐体228の背部233の内壁面に沿って屈曲さ
れ配置され、より低い周波数帯域を受け持つ。後者の場
合、アンテナ素子226、227も背部233に沿って
配置される。
【0133】直線状のアンテナ素子226、227を内
壁面側に配置してもよい、理由は、直線状のアンテナ素
子はジグザグ状のアンテナ素子に較べ、アンテナの物理
長が長くなり、むしろ内壁面側に配置した方が長さを確
保しやすく、平板状の面に形成する場合に小さい面積に
しやすいからである。この場合、外周部の直線状のアン
テナ素子は内壁面に沿って構成されることは同様であ
る。また、電磁波吸収材234が個々のアンテナ素子に
近接して配置される。バランについては、図29の実施
例と同じ考え方でよい。
【0134】図31は、例えば1.5ギガヘルツ以上の
高い周波数帯域を対象とする本発明の実施例を、一部切
り欠き拡大図で示すものである。直線状のアンテナ素子
235、236と237、238を並列に連続面状の面
に配置して、対構成の細長のアンテナ素子を形成してい
る。10パーセント以内の差の近似したアンテナ電気長
のアンテナ素子235、236と237、238は筐体
239の最上部240から、側部241の内壁面に沿っ
て屈曲され配置される。対構成の細長のアンテナ素子2
35、236および237、238は1組のダイポール
構成のアンテナとして、筐体239の上部中央の給電部
242、243にまとめられる。高い周波数帯域対応の
バラン244や、近接して電磁波吸収材245が用いら
れることは同様である。
【0135】図32は、例えば1.5ギガヘルツ以上の
高い周波数帯域を対象とするものである。直線状のアン
テナ素子246、247とジグザグ状のアンテナ素子2
48、249を並列に連続面状の面に配置して、対構成
の細長のアンテナ素子を形成している。10パーセント
以内の近似したアンテナ電気長のアンテナ素子246、
247および248、249は筐体250の最上部25
1から側部252の内壁面に沿って屈曲され1組のダイ
ポール構成のアンテナとして、筐体250の上部中央の
給電部253、254にまとめられる。直線状のアンテ
ナ素子246、247は、より高い周波数帯域を受け持
つようにすると小型化が少しでも可能になる。電磁波吸
収材255やバラン256が用いられることは同様であ
る。
【0136】図33は、例えば、800メガヘルツ帯や
900メガヘルツ帯のような低い周波数帯域を対象とす
るものである。直線状のアンテナ素子257、258と
ジグザグ状のアンテナ素子259、260を連続面状の
面に並列に配置して、対構成の細長のアンテナ素子を形
成している。10パーセント以内の近似したアンテナ電
気長のアンテナ素子257、258および259、26
0は筐体261の最上部262から側部263、さらに
背部264の内壁面に沿って屈曲配置される。対構成の
細長のアンテナ素子257、258および359、26
0は1組のダイポール構成のアンテナとして、筐体26
1の上部中央の給電部265、266にまとめられる。
【0137】直線状のアンテナ素子257、258は、
より高い周波数帯域を受け持つようにすると小型化がよ
り可能になる。全体として、低い周波数帯域対応のバラ
ン、ここではループ状の同軸ケーブル267、268を
用いた導体分岐型バランを用いているが、を電気回路チ
ップのもので給電部265、266近傍の基板に設置、
あるいは、対構成の細長のアンテナ素子257、258
および259、260からなるダイポール構成のアンテ
ナと一体化してもよい。個々のアンテナ素子257、2
58および259、260に近接して電磁波吸収材26
9が配置される。
【0138】図34は、本発明の内蔵アンテナ装置の短
縮化の実施例を、一部切り欠き斜視図で示すものであ
る。アンテナ長の短縮化を目的としたものである。筐体
270の上部の内壁面に沿って内蔵されるジグザグ状の
アンテナ素子271の先端部272はピッチの小さいジ
グザグ状で形成されている。ジグザグ状のピッチが小さ
いほどアンテナの電気長が長くなる。しかし、周波数帯
域幅は狭くなる。したがって、図34の実施例のよう
に、先端部272の電流分布強度の小さい箇所、あるい
は、筐体の内部の方向に屈曲され、両側が電磁波吸収材
で覆われる箇所をピッチの小さいジグザグ状にすると、
アンテナの放射効率をほとんど低下させることなくアン
テナ長の短縮化をはかることができる。
【0139】先端部をピッチの小さいジグザグ状に形成
するのは、かならずしも全体がジグザグ状でなくても、
直線状のアンテナ素子の先端部近傍に形成してもよい。
またジグザグ状でなく、偏平巻き断面のヘリカル状の形
状に関しても同様に考えて構成してもよい。
【0140】また、本発明の内蔵アンテナ装置の実施例
に記述してあるジグザグ状のアンテナ素子の箇所を、特
に、シート状の両面で構成した偏平巻き断面を有するヘ
リカル状のアンテナ素子に全て置き換えて実施例とする
ことができる。既に、比較的薄いシート状のシートの両
面で構成する偏平巻き断面のヘリカル状のアンテナ素子
と、ジグザグ状のアンテナ素子とはほとんど同じである
ことを述べた。
【0141】図35で、ジグザグ状のアンテナ素子27
3の導体線のピッチを変えた時の測定法と、ピッチと周
波数帯域幅の関係の結果を示す。測定は、ジグザグ状の
アンテナ素子273に電磁波吸収率の比較的大きい電磁
波吸収材274を片側に密着して配置し、大きい地板上
で行った。ここでは示さないが、ピッチを小さくするこ
とと、角度275を小さくすることと同じであるが、ア
ンテナ長の短縮率は大きくなる。図35(a)に示すよ
うなジグザグ状のアンテナ素子273の導体線の幅を
6.2ミリメートルに固定し、ジグザグ状の導体線のな
す角度275の値を変えた時の結果を図35(b)で示
す。
【0142】図35(b)の丸印は図35(a)の角度
275が32度の場合である。また、黒丸印は角度27
5が50度の場合で、2重丸印は69度の場合である。
参考に四角印は直線状の導体線の場合を示す。角度27
5が大きくなるほど周波数帯域幅が広くなる。角度27
5が32度の場合、1.8ギガヘルツほどで周波数帯域
幅が零パーセントになる。角度275が69度と大きく
なるほど周波数帯域幅が広くなり、10パーセントより
広い値を示し、四角印で示した直線状の導体線の周波数
帯域幅に近似してくる。
【0143】図36は、ジグザグ状のアンテナ素子27
6の導体線の先端の両側を、電磁波吸収材277を密着
させて覆った場合の測定と結果を示す図である。図36
(a)、(b)で示すように、幅6.2ミリメートル、
ジグザグの角度69度で、ジグザグ状のアンテナ素子2
76の導体線の先端から1ピッチ間隔で電磁波吸収材2
77で覆う部分を大きくする。電磁波吸収材277とし
て、図10の2重丸印で示されたものに使用されたもの
と同じで、フェライト磁性材微粉混入の0.4ミリメー
トル厚で、電磁波吸収率のあまり大きくないシートを用
いた。
【0144】図36(c)の横軸は、電磁波吸収材27
7に覆われるピッチ数を、右の縦軸は周波数帯域幅を、
左の縦軸はVSWRが2.0以下の周波数帯域の中心周
波数を示す。覆われるピッチ数が多くなるほど、周波数
帯域幅が広くなり、また、中心周波数が低くなる。中心
周波数が低くなることは、アンテナ長の短縮化が大きい
ことを意味する。先端部の1ピッチで短縮率は92パー
セント、4ピッチで83パーセントである。周波数帯域
幅は、1ピッチで1パーセント、4ピッチで9パーセン
ト広くなっている。先端部の一部を電磁波吸収材277
で覆うことは、アンテナ長の短縮化により効果のあるこ
とが分かる。
【0145】この結果を採用し、さらにアンテナ長の短
縮化を得るには、ダイポール構成のアンテナを形成する
対構成の細長のアンテナ素子の先端部を電磁波吸収材で
密着して覆うとよい。また、先端部近傍をピッチの小さ
いジグザグ状あるいはヘリカル状に形成するとよい。さ
らに、携帯電話機の内部への電磁波の放射を抑制するた
めにも、筐体の内部方向にアンテナ素子の先端部が屈曲
される場合には、電磁波吸収材で覆うとよい。当然なが
ら、筐体の内部方向にアンテナ素子が屈曲されない場合
でも、先端部近傍を電磁波吸収材で覆うことで短縮化し
てもよい。
【0146】図37の本発明の実施例である一部切り欠
き拡大図で、アンテナの特性安定化や効率に効果的なバ
ランを用いた場合の配置の仕方を示す。平衡ー不平衡変
換器であるバランをひとつ搭載した2個の電気回路チッ
プを用いる。2組のダイポール構成を配置したデュアル
バンドの実施例で示す。当然ながら、ダイポール構成の
アンテナは筐体の内壁面に沿って構成される。
【0147】図37のダイポール構成のアンテナ27
8、279の対称の中心線上に、平衡ー不平衡変換器で
あるバランを搭載する2個の電気回路チップ280、2
81を上下に配置して、それぞれダイポール構成のアン
テナ278、279の給電部に接続される。個々の電気
回路チップ280、281はダイポール構成のアンテナ
278、279と一体化される。また、2個の電気回路
チップ280、281は一体化されずに基板282に配
置されてもよい。その場合でも、2組の電気回路チップ
280、281はダイポール構成のアンテナ278、2
79の中央部近傍で、対称の中心線上に配置すると、個
々のダイポール構成のアンテナ278、279の中央の
給電部から最短距離で対称な配線で接続を行うことがで
きる。
【0148】図38で、可とう性を有するシートにダイ
ポール構成のアンテナを形成した場合の本発明の実施例
を一部切り欠き拡大図で示す。可とう性を有するシート
283に、対構成の細長のアンテナ素子284、285
からなるダイポール構成のアンテナが連続面状の面に形
成され、中央部の電気端子286、287を有する部分
の近傍で可とう性を有するシート283が屈曲され、基
板288の導体部、あるいはバランに接続される。電気
端子286、287には、圧着することで電気的接続可
能な導電性接着層を用いると、はんだ接合に較べて熱を
それほど伴わず接続することができる。屈曲の方向は図
示される方向とは逆の方向を選択することもできる。
【0149】この場合、電気端子286、287やダイ
ポール構成のアンテナを形成する導体パターンは、可と
う性を有するシート283の下側である基板288側に
配置されることになる。これらの構成、接続の方法は、
2組のダイポール構成のアンテナから成るデュアルバン
ド用途に適用してもよい。また図38で示される構成の
ダイポール構成のアンテナに止まらず、可とう性を有す
るシートを用いた場合、本発明の実施例の全てに適用で
きる。
【0150】図39の一部切り欠き拡大図ではアンテナ
を安定支持する実施例を示す。可とう性を有するシート
289の連続面状の面に構成される対構成の細長のアン
テナ素子290、291の先端部近傍には、開孔部29
2、293が形成され、筐体294の縁部295近傍に
突起296、297を設け、この突起296、297に
開孔部292、293を合わせ、可とう性を有するシー
ト289の形状保持と位置決めを行う。この結果、アン
テナ素子290、291は、中央部の給電部の電気端子
298、299近傍で屈曲されていても安定した配置に
なる。
【0151】また、可とう性を有するシート289が屈
曲される際に無理なストレスが加わらないように、可と
う性を有するシート289に複数のスリット300を設
けてもよい。この場合、密着して構成される可とう性を
有する電磁波吸収材のシートにもスリットを同じ場所に
設けるとよい。また、形状保持と位置決め用の開孔部を
先端部近傍の中央の1ケ所に設け、基板に設ける突起に
合わせて位置決めしてもよい。さらにスリットは可とう
性を有するシート289のどこでも、また複数設けても
よい。
【0152】図40では、可とう性を有するシートに2
組のダイポール構成のアンテナとバランを一体化した実
施例を一部切り欠き拡大図で示す。可とう性を有するシ
ート301の連続面状の面に、対構成の補佐長のアンテ
ナ素子302、303と304、305からなる並列配
置の2組のダイポール構成のアンテナを設け、高低の2
つの周波数帯域に対応するデュアルバンドのアンテナを
形成する。アンテナ素子302、303、および30
4、305は比較的薄い銅の層をパターン形成し、筐体
306の最上部307から背部308の内壁面に沿って
配置させる。
【0153】2組のダイポール構成のアンテナは筐体3
06の上部中央部に給電部309、310および31
1、312を有し、バランを搭載する電気回路チップ3
13、314の出力の端子に接続される。2組のダイポ
ール構成のアンテナとバラン搭載の電気回路チップ31
3、314は、可とう性を有するシート301に一体化
される。個々の電気回路チップ313、314に搭載さ
れるバランは、異なる周波数帯域を対象とする。また、
個々の電気回路チップ313、314への送受信回路部
からの入力の端子315、316を共通にしてまとめる
ことも可能である。電気回路チップ314の入力の端子
への配線は、電気回路チップ313の直下を避ける構成
で、可とう性を有するシート301の反対面に設けても
よい。バランを搭載する2個の電気回路チップ313、
314は、2組のダイポール構成のアンテナの対称の中
心線上に配置するとよいことは図37の実施例で既に述
べた。
【0154】低い周波数帯域対応の長い電気長のアンテ
ナ素子302、303は、筐体306の内側方向に屈曲
される先端部近傍を覆う構成で電磁波吸収材317を配
置するとよい。アンテナ素子302、303と304、
305に近接して電磁波吸収材318のシートが配置さ
れるのは既に述べた実施例と同じである。また、入力の
端子315、316は、可とう性を有するシートの屈曲
される部分319で、圧着導電接着層を介して基板32
0の導体部に接続固定するとよい。圧着導電接着層と
は、接続部に圧力とある程度の熱を加えることで、内部
の導電粒や導電フィラーが接続されるべき2つの面の間
を導通させ、横方向には高い絶縁性を有し、接着材で固
着することができる層、あるいは層状のシートである。
【0155】図41と図42で、本発明の内蔵アンテナ
装置での、2組のダイポール構成のアンテナとバランの
端子接続の実施例を示す。図41(a)と図41(b)
で可とう性を有するシートに設けられる2組のダイポー
ル構成のアンテナの端子近傍の構成の仕方を、図42で
2種類のバランを搭載する電気回路チップの端子構成を
示す。
【0156】図41(a)の可とう性を有するシート3
21の連続面状の面には、対構成の細長のアンテナ素子
322、323および324、325が並列に配置さ
れ、2組のダイポール構成のアンテナが形成される。2
組のダイポール構成のアンテナで高低の2つの周波数帯
域を対象とするデュアルバンドのアンテナとして機能す
る。アンテナ素子322、323および324、325
の給電部の電気端子326、327および328、32
9は、近傍で可とう性を有するシート321が同じ面が
下向きになるように屈曲された状態で、基板330の導
体部に接続され、シート321の下に隠れて図示されて
いない2種類のバラン搭載の電気回路チップの出力の端
子に接続される。
【0157】図41(b)の可とう性を有するシート3
31には、対構成の細長のアンテナ素子332、333
および334、335が並列に配置され、2組のダイポ
ール構成のアンテナが形成される。同じく、2組のダイ
ポール構成のアンテナで高低の2つの周波数帯域を対象
とするデュアルバンドのアンテナとして機能する。アン
テナ素子332、333および334、335の給電部
の電気端子336、337および338、339は、近
傍で可とう性を有するシート331が屈曲され、反対側
の面で基板340の導体部に接続され、シート331の
下に隠れ図示されていない2種類のバラン搭載の電気回
路チップの端子に接続される。
【0158】図示されるアンテナ素子332、333お
よび334、335と電気端子336、337および3
38、339が可とう性を有するシート331の下側に
形成される。アンテナ素子332、333および33
4、335が形成される面が上側なら、接続される部分
は可とう性を有するシート331の下側に設けられる必
要があることは言うまでもない。
【0159】図42で示される2種類の平衡ー不平衡変
換器であるバランを搭載する電気回路チップは、ダイポ
ール構成のアンテナに出力する端子が少なくとも1軸対
称に構成される。また電気回路チップの内部に搭載され
る2種類のバランの回路パターンは、ほぼ対称軸上の上
下の位置に配置されるとよい。対称軸はダイポール構成
のアンテナの対称中心軸と平行にする。また電気回路チ
ップの入出力の端子も対称に構成するとよい。図41で
は、可とう性を有するシートを用いて図42のバランを
搭載する電気回路チップを用いる実施例で説明している
が、可とう性を有するシートに限定する必要はなく、2
組のダイポール構成のアンテナを用いる場合の全てに適
用できる。
【0160】図42(a)は、高低の2つの周波数帯域
に対応する2種類の平衡ー不平衡変換器であるバランの
回路パターン341、342が、縦中央の対称軸上のほ
ぼ上下に配置される構成を示す。それぞれのバランの回
路パターン341、342は主にインダクタンス素子で
構成され、平衡型のダイポール構成のアンテナと不平衡
型の送受信回路部の端子との間を整合する。半波長のダ
イポール構成のアンテナを用いる場合には、通常50:
50のインピーダンス変換比で構成する。
【0161】バランの回路パターン341、342から
ダイポール構成のアンテナへの出力端子343、344
および345、346が対称軸に対して対称に、対称軸
に平行で対向する側面に配置され、図41(a)の給電
部の電気端子326、327および328、329、あ
るいは図41(b)の給電部の電気端子336、337
および338、339に接続される。送受信回路側から
の入力端子347、348および349、350が同じ
縦中央の対称軸に対称に配置され、出力端子が設けられ
る側面と異なる対向する側面に設けられる。この構成で
ダイポール構成のアンテナと電気回路チップの間の配線
を対称に、短くすることができる。
【0162】図42(b)は、高低の2つの周波数帯域
に対応する2種類のバランの回路パターン351、35
2が縦中央の対称軸上のほぼ上下に配置される構成を示
す。バランの回路パターン351、352からダイポー
ル構成のアンテナへの出力端子353、354および3
55、356が縦中央の対称軸に対称に配置され、図4
1(a)の給電部の電気端子326、327および32
8、329に、あるいは図41(b)の給電部の電気端
子336、337および338、339に接続される。
送受信回路側からの入力端子357、358および35
9、360は同じ縦中央の対称軸に対称に配置され、対
向する2つの側面に設けられる。この場合もダイポール
構成のアンテナと電気回路チップの間の配線を対称に、
短くできることは同じである。
【0163】図42(c)は、高低の周波数帯域に対応
する2種類のバランの回路パターン361と362が、
縦中央の対称軸上のほぼ上下に配置される構成を示す。
バランの回路パターン361、362からダイポール構
成のアンテナへの出力端子363と364および365
と366が同じ縦中央の対称軸に対称に配置され、図4
1(a)の給電部の電気端子326、327および32
8、329に、あるいは図41(b)の給電部の電気端
子336、337および338、339に接続される。
送受信回路側からの入力端子367、368および36
9、370は同じ縦中央の対称軸に対称に配置され、全
ての端子が一側面に設けられる。この場合も全体の配線
を対称に、短く構成できることは同じである。
【0164】図43は、電気回路チップ371が、並列
配置の2組のダイポール構成のアンテナ372、373
と一体化される実施例を一部拡大切り欠き図で示す。電
気回路チップ371として、図42(a)で示される電
気回路チップを用いるとよい。理由は、2種類のバラン
の回路パターン341、342からの出力の端子34
3、344および345、346と、入力の端子34
7、348および349、350が4つの側面に均等に
分配され、電気回路チップを小さくしても各側面の端子
の間隔を相対的に大きくできるからである。また、出力
の端子343、344および345、346が縦中央の
対称軸と平行な側面に配置されるため、図43の2組の
ダイポール構成のアンテナ372、373の給電部37
4、375および376、377と最短距離で接続する
ことができ、配線を対称にできるからである。
【0165】2種類のバランを搭載する電気回路チップ
371と、2組のダイポール構成のアンテナ372、3
73は、可とう性を有するシート378に一体化して構
成されるが、必ずしも可とう性を有するシート378を
用いて一体化する必要はない。また、並列配置の2組の
ダイポール構成のアンテナ372、373の個々のアン
テナ素子は、特に外側のダイポール構成のアンテナ37
2のアンテナ素子は筐体の内壁面に沿って配置されるこ
とは言うまでもない。
【0166】また、図43の可とう性を有するシート3
78を電気回路チップ371の近くで屈曲する場合、組
み立てる時に屈曲すると電気回路チップ371の端子接
合部に剥離力が働き、長期的な信頼性に欠ける可能性が
ある。あらかじめ電気回路チップ371近傍の位置で、
可とう性を有するシート378を屈曲しておくことによ
って大きな剥離力が働くことがなくなる。屈曲させる位
置を電気回路チップ371の上下の2箇所にすると、ア
ンテナ給電部への配線長さの無駄を少なくできる。
【0167】図44では本発明に用いる他の端子接続の
実施例を示す。可とう性を有するシート379の連続面
状の面に対構成の細長のアンテナ素子380、381で
ダイポール構成のアンテナが設けられ、給電部の電気端
子382、383を、バランを搭載する電気回路チップ
384の上面に形成される端子385、386に接続さ
せる。接続には圧着導電接着層を用いるとよい。あらか
じめ基板387に設置してある電気回路チップ384に
可とう性を有するシート379を直接に接続することで
基板面積を取らず、不必要な導体でアンテナの長さを無
駄に使うことを少なくできる。
【0168】図45と図46は筐体の内壁面にリブを設
ける本発明の実施例を一部切り欠き拡大図で述べる。携
帯電話機を軽量化しながら、落下等による破損から免れ
るため、筐体の内壁面、特に上部の内壁面にリブを設け
て構造の強度を上げる。樹脂成形で筐体を製造する過程
でリブを設ける。また、リブと似た構成を取りながら、
他の目的で内壁面の一部が出た樹脂成形の筐体を用いる
場合もある。
【0169】図45では、筐体388の最上部389か
ら背部390の複数の箇所にリブ391を設ける。本発
明の請求項1で表記されているように、連続面状に構成
される対構成の細長のアンテナ素子を、筐体388の内
壁面に沿う形状に配置する場合の内壁面とは、リブ39
1を設けた場合には、少なくともリブ391の高さだけ
対構成の細長のアンテナ素子が内壁面から余計に離れる
ことになるが、内壁面に沿う概念からはずれるものでな
い。
【0170】図46では、筐体392の上部の背部39
3の複数の箇所にリブ394を設ける。リブ394は最
上部395の一部に連続して構成してもよい。構造的な
補強は、背部393と最上部395の境近傍に必要であ
り、背部393の補強には、リブ394を連続的に構成
すると有効である
【0171】図47では、筐体396の背部397に段
差部398を設ける実施例を一部切り欠き側面図で示
す。筐体396の上部側が厚くなる段差部398にす
る。段差部398の位置は、内蔵される一対の細長のア
ンテナ素子の先端部399近傍の下の位置に対応させ、
ダイポール構成のアンテナを段差部398のへこみに収
納して筐体396の厚みを有効に使用する。段差部39
8の部分から筐体396の上部に向かって傾斜させ、厚
さを上部ほど薄くして筐体396の容積を小さくしても
よい。
【0172】図48の一部切り欠き側面図の実施例で
は、対構成の細長のアンテナ素子からなるダイポール構
成のアンテナ400を筐体401の背部402の内壁面
に沿う構成にし、アンテナを有する連続面状の面403
を筐体401の上部に向かって傾斜させる構成にする。
傾斜させる目的は、金属製の机などの面に筐体401の
背部402で置いた場合、筐体401の最上部404近
傍のダイポール構成のアンテナ400の最も電流分布が
大きい導体線の部分を机などの面から離すことによっ
て、電波の送受信の妨げを少しでも防ぐことにある。
【0173】図49の一部切り欠き拡大図の実施例で
は、直線状の対構成のアンテナ素子からなるダイポール
構成のアンテナの先端部の構成を示す。長短のアンテナ
電気長を有する2組のダイポール構成のアンテナで示
す。図49(a)では、低い周波数帯域を対象とする長
いアンテナ電気長のダイポール構成のアンテナ405
は、先端部406、407が近接して平行配置されて構
成される。筐体408の内部方向への直線状の先端部4
06と407の屈曲される方向を上下に反対にすること
により、先端部406、407は重ならず平行に配置さ
れる。ダイポール構成のアンテナ405の電気的対称性
を可能な限り保つために行う。近接して平行配置される
先端部406、407の全体を電磁波吸収材で覆うこと
により、短縮化と広周波数帯域化の他に、相互の干渉と
筐体408の内部方向への電磁波の放射を多少なりと低
減することができる。
【0174】図49(b)では、低い周波数帯域を対象
とする長い電気長のダイポール構成のアンテナ409
は、先端部410、411が近接配置されて構成され
る。筐体412の内部方向への直線状の先端部410、
411の一部に、あるいは少なくとも片方に段差状の緩
い小さな屈曲部413、414を形成することにより、
先端部410、411は重ならずに平行に配置される。
これもダイポール構成のアンテナ409の電気的対称性
を保つために行う。近接して平行配置される先端部41
0、411の全体を電磁波吸収材で覆うとよい。
【0175】図50は、電磁波の放射を抑制するための
一部切り欠き拡大図を示す。電磁波の筐体内部や頭部方
向への放射をある程度抑制するためのものである。ダイ
ポール構成のアンテナを形成する対構成の細長のアンテ
ナ素子415、416に近接して、筐体417の背部4
18に対向する面形状の電磁波吸収材419を設けると
よい。この電磁波吸収材419は、既に記述した電磁波
吸収層と導電層を複層にした電磁波吸収材のシートや板
を用いるとよい。また、図12、図24、図38から図
41、図43、図44および図49の実施例の場合に
は、電磁波吸収材を別に新たに設けなくてもよい。ただ
し、電磁波の遮蔽効果がある程度大きい電磁波吸収材を
用いる場合に限られる。また、電磁波を遮蔽する電磁波
吸収材419にシート状でなく、発泡状の電磁波吸収
材、あるいは、発泡状の電磁波吸収材と導電層を合体し
たものを用いてもよい。
【0176】
【発明の効果】本発明の内蔵アンテナ装置は、以上説明
したように構成されているので、以下に記載されるよう
な効果を奏する。
【0177】アンテナ放射効率のよい携帯電話機の内に
内蔵するアンテナが可能である。
【0178】手や頭の影響に対して特性の安定した内蔵
アンテナ装置が可能である。
【0179】比較的広い周波数帯域幅を有する内蔵アン
テナ装置が可能である。
【0180】広い指向特性を有する内蔵アンテナ装置が
可能である。
【0181】等価的にダイバーシティ効果を有する内蔵
アンテナ装置が可能である。
【0182】マルチバンド対応の内蔵アンテナ装置が可
能である。
【0183】アンテナ素子の並列配置で広周波数帯域幅
の内蔵アンテナ装置が可能である。
【0184】筐体内部や頭部方向への電磁波放射を低減
できる。
【0185】アンテナの物理的な破損が生じにくい内蔵
アンテナ装置が可能である。
【0186】軽量化が可能な内蔵アンテナ装置が可能で
ある。
【0187】アンテナの実質占有容積の小さい内蔵アン
テナ装置が可能である。
【0188】生産と組立の効率のよい内蔵アンテナ装置
が可能である。
【0189】携帯電話機の設計によるアンテナ特性の変
化が小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の一部切り欠き拡大図である。
【図2】図1の実施例の一部切り欠き斜視図である。
【図3】図1の実施例の電圧定在波比の安定性の測定法
を示す。
【図4】ホイップアンテナの電圧定在波比の安定性の測
定法を示す。
【図5】電圧定在波比である電圧定在波比の図を示す。
【図6】中心周波数ー周波数帯域幅の特性を示す。
【図7】図1の実施例とホイップアンテナの放射指向特
性の測定構成図を示す。
【図8】図1の実施例の放射パターンの図を示す。
【図9】アンテナ長短縮化の測定構成図と特性図を示
す。
【図10】本発明の他の実施例の一部切り欠き拡大図を
示す。
【図11】放射指向特性の測定構成図と放射パターンの
図を示す。
【図12】本発明の他の実施例の一部切り欠き拡大図で
ある。
【図13】本発明の他の実施例の一部切り欠き拡大図で
ある。
【図14】本発明の他の実施例の一部切り欠き拡大図で
ある。
【図15】本発明の他の実施例の一部切り欠き拡大図で
ある。
【図16】本発明の他の実施例の一部切り欠き拡大図で
ある。
【図17】本発明の他の実施例の一部切り欠き拡大図で
ある。
【図18】本発明の他の実施例の一部切り欠き拡大図で
ある。
【図19】本発明の他の実施例の一部切り欠き拡大図で
ある。
【図20】本発明の他の実施例の一部切り欠き拡大図で
ある。
【図21】本発明に用いるヘリカル状のアンテナ素子の
構成図である。
【図22】本発明のデュアルバンド対応の実施例の一部
切り欠き拡大図である。
【図23】図22の実施例の電圧定在波比の図を示す。
【図24】デュアルバンド対応の他の実施例を一部切り
欠き拡大図で示す。
【図25】デュアルバンド対応の他の実施例を一部切り
欠き拡大図で示す。
【図26】デュアルバンド対応の他の実施例を一部切り
欠き拡大図で示す。
【図27】デュアルバンド対応の他の実施例を一部切り
欠き拡大図で示す。
【図28】PDC対応の本発明の実施例を一部切り欠き
拡大図で示す。
【図29】低周波数帯域対応の広帯域化の実施例を一部
切り欠き拡大図で示す。
【図30】低周波数帯域対応の他の広帯域化実施例を一
部切り欠き拡大図で示す。
【図31】高周波数帯域対応の広帯域化の実施例を一部
切り欠き拡大図で示す。
【図32】高周波数帯域対応の他の広帯域化の実施例を
一部切り欠き拡大図で示す。
【図33】低周波数帯域対応の他の実施例を一部切り欠
き拡大図で示す。
【図34】本発明に用いるアンテナ長の短縮化の実施例
を一部切り欠き斜視図で示す。
【図35】ジグザグ状のアンテナ素子のピッチと周波数
帯域幅の測定と結果の図である。
【図36】電磁波吸収材のアンテナ素子先端カバーの測
定と結果の図である。
【図37】バランの配置の仕方を示す一部切り欠き拡大
図である。
【図38】可とう性シートにアンテナを配した実施例
を、一部切り欠き拡大図で示す。
【図39】可とう性シートにアンテナを配した安定支持
の実施例である。
【図40】可とう性シートにアンテナとバランを配した
実施例である。
【図41】可とう性シートにアンテナを配した端子接続
の実施例である。
【図42】2つのバランを搭載する電気回路チップの端
子構成を示す。
【図43】バランとアンテナを一体化した実施例を一部
切り欠き拡大図で示す。
【図44】可とう性シートにアンテナを配した端子接続
の他の実施例である。
【図45】内壁面にリブを設けた本発明の実施例を、一
部切り欠き拡大図で示す。
【図46】内壁面にリブを設けた他の実施例を、一部切
り欠き拡大図で示す。
【図47】筐体背部に段差を設けた本発明の実施例を、
一部切り欠き側面図で示す。
【図48】本発明の他の実施例の一部切り欠き側面図で
ある。
【図49】本発明の他の実施例の一部切り欠き拡大図で
ある。
【図50】電磁波放射を抑制する実施例の一部切り欠き
拡大図である。
【図51】従来のホイップとヘリカルアンテナの斜視図
である。
【図52】従来の固定型アンテナの斜視図である。
【図53】従来の逆F型アンテナの一部切り欠き斜視図
である。
【図54】従来のアンテナ構成の一部切り欠き斜視図で
ある。
【符号の説明】
1、9、26 ホイップアンテナ 3、10 ヘリカルアンテナ 4 固定型アンテナ 6 逆F型アンテナ 8 メアンダラインアンテナ 2、5、7、12、23、27、39、49、54、6
1、70、79、89、98、111、122、14
0、160、171、187、206、217、22
8、239、250、261、270、294、30
6、388、392、396、401、408、417
筐体 13、14、34、43、44、52、53、63、6
4、68、69、77、78、87、88、96、9
7、106、107、109、110、120、12
1、138、144、145、146、147、15
8、159、163、164、169、170、17
7、178、183、184、185、186、19
8、199、200、201、202、203、20
4、205、213、214、215、216、22
4、225、226、227、235、236、23
7、238、246、247、248、249、25
7、258、259、260、271、273、27
6、284、285、290、291、302、30
3、304、305、322、323、324、32
5、326、332、333、334、335、38
0、381、324、325、415、416 アン
テナ素子 17、38、47、60、67、73、82、92、1
02、108、117、137、139、152、16
7、182、191、212、223、234、24
5、255、269、274、277、317、31
8、419 電磁波吸収材 18、19、55、56、74、75、84、85、9
3、94、103、104、126、127、148、
149、150、151、161、162、165、1
66、172、173、179、180、192、19
3、194、195、207、208、209、21
0、218、219、229、230、242、24
3、253、254、265、266、309、31
0、311、312、374、375、376、377
給電部 20、76、86、95、105、119、244、2
56 バラン128、129、153、154、15
5、156、267、268導体分岐型バランの同軸ケ
ーブル 21、197 送受信回路部 22、48、278、279、372、373、40
0、405、409ダイポール構成のアンテナ 118、398 段差部 181、196、211、280、281、313、3
14、371、385 電気回路チップ 283、289、301、321、331 可とう性
を有するシート 286、287、298、299、313、314、3
26、327、328、329、336、337、33
8、382、383 電気端子 292、293 開孔部 296、297 突起 391、394 リブ 62、114、283、320、330、340 基
板 45、46、58、59、83、116、176、27
2、399、406、407、410、411 先端
部 315、316、347、348、349、350、3
57、358、359、360、367、368、36
9、370 入力端子 343、344、345、346、353、354、3
55、356、363、364、365、366 出
力端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01Q 21/30 H01Q 21/30 Fターム(参考) 5J021 AA01 AA02 AA06 AA11 AB03 CA03 CA04 HA06 HA10 JA02 JA03 JA07 5J046 AA02 AA04 AA05 AA07 AA09 AA14 AB07 AB10 PA03 PA04 PA07 PA09 5J047 AA02 AA04 AA05 AA07 AA09 AA14 AB07 AB10 FD01

Claims (66)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 携帯電話機に用いられるアンテナにおい
    て、連続面状に構成される対構成の細長のアンテナ素子
    を、前記携帯電話機の筐体の上部中央に給電部を有する
    ダイポール構成で、前記筐体の内壁面に沿う形状に配置
    することを特徴とする内蔵アンテナ装置。
  2. 【請求項2】 携帯電話機に用いられるアンテナにおい
    て、対構成の前記細長のアンテナ素子に近接して電磁波
    吸収材を配置することを特徴とする請求項1記載の内蔵
    アンテナ装置。
  3. 【請求項3】 携帯電話機に用いられるアンテナにおい
    て、前記電磁波吸収材に可とう性を有するシートを用い
    ることを特徴とする請求項2記載の内蔵アンテナ装置。
  4. 【請求項4】 携帯電話機に用いられるアンテナにおい
    て、前記電磁波吸収材を対構成の前記細長のアンテナ素
    子に対し、片側に配置することを特徴とする請求項2、
    3記載の内蔵アンテナ装置。
  5. 【請求項5】 携帯電話機に用いられるアンテナにおい
    て、前記電磁波吸収材を対構成の前記細長のアンテナ素
    子に対し、両側に配置することを特徴とする請求項2、
    3記載の内蔵アンテナ装置。
  6. 【請求項6】 携帯電話機に用いられるアンテナにおい
    て、対構成の前記細長のアンテナ素子に近接して誘電体
    材を配置することを特徴とする請求項1記載の内蔵アン
    テナ装置。
  7. 【請求項7】 携帯電話機に用いられるアンテナにおい
    て、対構成の前記細長のアンテナ素子を、先端側が前記
    筐体の最上部から側部の内壁面に沿って屈曲され配置す
    ることを特徴とする請求項1から6記載の内蔵アンテナ
    装置。
  8. 【請求項8】 携帯電話機に用いられるアンテナにおい
    て、対構成の前記細長のアンテナ素子を、先端側が前記
    筐体の最上部から側部の内壁面に沿って、さらに前記筐
    体の内部方向に屈曲され配置することを特徴とする請求
    項1から6記載の内蔵アンテナ装置。
  9. 【請求項9】 携帯電話機に用いられるアンテナにおい
    て、対構成の前記細長のアンテナ素子を、先端側が前記
    筐体の最上部から側部の内壁面に沿って、さらに内部方
    向に屈曲され、先端部どうしが近接する構成で配置する
    ことを特徴とする請求項1から6記載の内蔵アンテナ装
    置。
  10. 【請求項10】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子を、前記筐体の
    背部の内壁面に沿う形状に配置することを特徴とする請
    求項1から6記載の内蔵アンテナ装置。
  11. 【請求項11】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子を、前記筐体の
    背部の内壁面に沿い、先端部が前記筐体の内部方向に屈
    曲される構成で配置することを特徴とする請求項1から
    6記載の内蔵アンテナ装置。
  12. 【請求項12】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子を、前記筐体の
    背部の内壁面に沿い、先端部が前記筐体の内部方向に屈
    曲され、先端部どうしを近接する構成で配置することを
    特徴とする請求項1から6記載の内蔵アンテナ装置。
  13. 【請求項13】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子を、先端側が前
    記筐体の最上部から背部の内壁面に沿って屈曲され配置
    することを特徴とする請求項1から6記載の内蔵アンテ
    ナ装置。
  14. 【請求項14】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子を、先端側が前
    記筐体の最上部から背部の内壁面に沿い、さらに内部方
    向に屈曲され配置することを特徴とする請求項1から6
    記載の内蔵アンテナ装置。
  15. 【請求項15】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子を、先端側が前
    記筐体の最上部から背部の内壁面に沿い、さらに内部方
    向に屈曲され、先端部どうしを近接する構成で配置する
    ことを特徴とする請求項1から6記載の内蔵アンテナ装
    置。
  16. 【請求項16】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子を、先端側が前
    記筐体の最上部から側部、さらに前後いずれかの内壁面
    に沿って屈曲され配置することを特徴とする請求項1か
    ら6記載の内蔵アンテナ装置。
  17. 【請求項17】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子を、先端側が前
    記筐体の最上部から側部の内壁面に沿って屈曲され、前
    記筐体の内部の基板に近接して配置することを特徴とす
    る請求項1から6記載の内蔵アンテナ装置。
  18. 【請求項18】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子を、先端側が前
    記筐体の最上部から側部の内壁面に沿って屈曲され、さ
    らに前記筐体の内部方向に屈曲され、前記筐体の内部の
    基板に近接して配置することを特徴とする請求項1から
    6記載の内蔵アンテナ装置。
  19. 【請求項19】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子を、先端側が前
    記筐体の最上部から側部の内壁面に沿って屈曲され、さ
    らに内部方向に屈曲され、先端部どうしが近接する構成
    で配置することを特徴とする請求項1から6記載の内蔵
    アンテナ装置。
  20. 【請求項20】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子に直線状のアン
    テナ素子を用いることを特徴とする請求項1から19記
    載の内蔵アンテナ装置。
  21. 【請求項21】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子にジグザグ状の
    アンテナ素子を用いることを特徴とする請求項1から1
    9記載の内蔵アンテナ装置。
  22. 【請求項22】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子に偏平巻き断面
    を有するヘリカル状のアンテナ素子を用いることを特徴
    とする請求項1から19記載の内蔵アンテナ装置。
  23. 【請求項23】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、ジグザグ状あるいはヘリカル状のアンテナ素子の
    中心軸近傍で屈曲させ、前記筐体の最上部と背部の境近
    傍の内壁面に沿って配置することを特徴とする請求項1
    から6、および21、22記載の内蔵アンテナ装置。
  24. 【請求項24】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子からなるダイポ
    ール構成のアンテナの前記給電部に平衡ー不平衡変換器
    を接続することを特徴とする請求項1から23記載の内
    蔵アンテナ装置。
  25. 【請求項25】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、前記平衡ー不平衡変換器として導体分岐型を用
    い、同軸ケーブルをループ状に形成し、片方の端部を前
    記給電部に接続し、送受信回路側の端子に接続される前
    記同軸ケーブルの他方の端部を対構成の前記細長のアン
    テナ素子からなるダイポール構成の中央部近傍に設ける
    ことを特徴とする請求項24記載の内蔵アンテナ装置。
  26. 【請求項26】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、前記平衡ー不平衡変換器を搭載する電気回路チッ
    プを、対構成の前記細長のアンテナ素子からなるダイポ
    ール構成のアンテナの中央部近傍に設けることを特徴と
    する請求項24記載の内蔵アンテナ装置。
  27. 【請求項27】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子を複数並列に配
    置し、複数の独立のダイポール構成のアンテナを形成す
    ることを特徴とする請求項1から22記載の内蔵アンテ
    ナ装置。
  28. 【請求項28】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、複数の独立のダイポール構成のアンテナの中央部
    の前記給電部に、独立の複数の前記平衡ー不平衡変換器
    を接続することを特徴とする請求項24、27記載の内
    蔵アンテナ装置。
  29. 【請求項29】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成で直線状のアンテナ素子を並列に配置し、
    2組のダイポール構成のアンテナを形成することを特徴
    とする請求項27、28記載の内蔵アンテナ装置。
  30. 【請求項30】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成で直線状とジグザグ状のアンテナ素子を並
    列に配置し、2組のダイポール構成のアンテナを形成す
    ることを特徴とする請求項27、28記載の内蔵アンテ
    ナ装置。
  31. 【請求項31】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成で直線状と偏平巻き断面を有するヘリカル
    状のアンテナ素子を並列に配置し、2組のダイポール構
    成のアンテナを形成することを特徴とする請求項27、
    28記載の内蔵アンテナ装置。
  32. 【請求項32】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、前記筐体の上部中央の前記給電部から、並列に配
    置される複数の対構成の前記細長のアンテナ素子の中心
    軸を異なる方向に構成することを特徴とする請求項27
    から31記載の内蔵アンテナ装置。
  33. 【請求項33】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、並列に配置される前記細長のアンテナ素子を、電
    気長の比が1.5以上の異なる長さに構成すること特徴
    とする請求項27から32記載の内蔵アンテナ装置。
  34. 【請求項34】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、並列に配置される複数の対構成の前記細長のアン
    テナ素子のうち、電気長の短いアンテナ素子を直線状に
    構成することを特徴とする請求項27、28および30
    から33記載の内蔵アンテナ装置。
  35. 【請求項35】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、複数の独立のダイポール構成のアンテナと、複数
    の独立の前記平衡ー不平衡変換器の組み合わせを、複数
    の異なる中心周波数の周波数帯域での送受信に用いるこ
    とを特徴とする請求項28記載の内蔵アンテナ装置。
  36. 【請求項36】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、複数の周波数帯域に対応する複数の前記平衡ー不
    平衡変換器を1個の電気回路チップで構成し、対構成の
    前記細長のアンテナ素子のダイポール構成のアンテナの
    中央部近傍に配置することを特徴とする請求項28、3
    5記載の内蔵アンテナ装置。
  37. 【請求項37】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、並列に配置される対構成の前記細長のアンテナ素
    子からなる複数の独立のダイポール構成のアンテナの複
    数の対象周波数帯域のうち、最も低い周波数帯域の近傍
    に吸収ピークを有する前記電磁波吸収材を用いることを
    特徴とする請求項2から5、および27から33記載の
    内蔵アンテナ装置。
  38. 【請求項38】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、前記電磁波吸収材に電磁波吸収層と導体層の複層
    のシートを用いることを特徴とする請求項2から5、2
    7から33、および37記載の内蔵アンテナ装置。
  39. 【請求項39】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、前記電磁波吸収材に2つの電磁波吸収層の間に導
    電層を配した複層のシートを用いることを特徴とする請
    求項2から5、27から33、および37、38記載の
    内蔵アンテナ装置。
  40. 【請求項40】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、並列に配置される対構成の前記細長のアンテナ素
    子を10パーセント以内の近似した電気長にすることを
    特徴とする請求項27から32記載の内蔵アンテナ装
    置。
  41. 【請求項41】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、近似した電気長の2組のダイポール構成のアンテ
    ナと独立の2個の前記平衡ー不平衡変換器の組み合わせ
    の一方を受信のみに、他方を送受信に用いることを特徴
    とする請求項40記載の内蔵アンテナ装置。
  42. 【請求項42】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、並列に配置される複数の対構成の前記細長のアン
    テナ素子を共通の給電部にまとめ1組のダイポール構成
    のアンテナとし、共通の1個の前記平衡ー不平衡変換器
    に接続することを特徴とする請求項1から19記載の内
    蔵アンテナ装置。
  43. 【請求項43】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子の先端部近傍を
    ピッチの小さいジグザグ状の構成にすることを特徴とす
    る請求項1から23、および27、42記載の内蔵アン
    テナ装置。
  44. 【請求項44】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子の先端部近傍を
    ピッチの小さい偏平巻き断面を有するヘリカル状の構成
    にすることを特徴とする請求項1から23、および2
    7、42記載の内蔵アンテナ装置。
  45. 【請求項45】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子の先端部近傍の
    両側に電磁波吸収材を設け、少なくとも片側を密着する
    構成にすることを特徴とする請求項1から23、27お
    よび42から44記載の内蔵アンテナ装置。
  46. 【請求項46】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子からなるダイポ
    ール構成のアンテナの中央部に前記平衡ー不平衡変換器
    の電気回路チップを配置して一体化することを特徴とす
    る請求項26、36記載の内蔵アンテナ装置。
  47. 【請求項47】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、並列に配置される対構成の前記細長のアンテナ素
    子からなる複数のダイポール構成のアンテナの対称中心
    軸上に複数の電気回路チップを配置することを特徴とす
    る請求項36、46記載の内蔵アンテナ装置。
  48. 【請求項48】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子からなる複数の
    ダイポール構成のアンテナの対称中心軸と平行な対称軸
    上に2種類の平衡ー不平衡変換器の回路パターンを設
    け、入出力の端子を側面に対称に設ける電気回路チップ
    を用いることを特徴とする請求項36、46および47
    記載の内蔵アンテナ装置。
  49. 【請求項49】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子からなるダイポ
    ール構成のアンテナを、可とう性を有するシートに設け
    ることを特徴とする請求項1から23、27から33、
    40および43から48記載の内蔵アンテナ装置。
  50. 【請求項50】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、前記可とう性を有するシートの前記給電部の導体
    端子近傍を屈曲させる構成にすることを特徴とする請求
    項49記載の内蔵アンテナ装置。
  51. 【請求項51】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、前記可とう性を有するシートの前記導体端子近傍
    を前記筐体の下部方向に屈曲することを特徴とする請求
    項49、50記載の内蔵アンテナ装置。
  52. 【請求項52】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、前記可とう性を有するシートに設けた対構成の前
    記細長のアンテナ素子の中央部の前記給電部の前記導体
    端子を、基板に配置したバランを有する前記電気回路チ
    ップの上面に形成した端子に接続することを特徴とする
    請求項49、50および51記載の内蔵アンテナ装置。
  53. 【請求項53】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、前記可とう性を有するシートに設ける対構成の前
    記細長のアンテナ素子の前記給電部の前記導体端子を、
    熱圧着することで電気的接続を得る導電性接着層で平衡
    ー不平衡変換器あるいは送受信回路側の端子に接続する
    ことを特徴とする請求項49から52記載の内蔵アンテ
    ナ装置。
  54. 【請求項54】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、ダイポール構成のアンテナの先端部近傍の前記可
    とう性を有するシートに開孔部を設け、前記筐体の縁部
    近傍の突起に合わせて位置決めすることを特徴とする請
    求項49から53記載の内蔵アンテナ装置。
  55. 【請求項55】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、前記可とう性を有するシートに設けられた前記開
    孔部を基板に設けた突起に合わせて位置決めすることを
    特徴とする請求項49から53記載の内蔵アンテナ装
    置。
  56. 【請求項56】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、前記可とう性を有するシートにスリットを設ける
    ことを特徴とする請求項49から55記載の内蔵アンテ
    ナ装置。
  57. 【請求項57】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子に対向する前記
    筐体の内壁面に、突出した複数のリブを設けることを特
    徴とする請求項1から23,33,40および49から
    56記載の内蔵アンテナ装置。
  58. 【請求項58】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、複数の前記リブを前記筐体の最上部の内壁面に設
    けることを特徴とする請求項57記載の内蔵アンテナ装
    置。
  59. 【請求項59】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、複数の前記リブを前記筐体の背部の内壁面に設け
    ることを特徴とする請求項57記載の内蔵アンテナ装
    置。
  60. 【請求項60】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子からなるダイポ
    ール構成のアンテナの先端部近傍の下の位置に対応し、
    前記筐体の背部に前記筐体の上部側が厚くなる段差を設
    けることを特徴とする請求項8から16記載の内蔵アン
    テナ装置。
  61. 【請求項61】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、前記筐体の背部を前記段差の部分から上部に向か
    って傾斜させて前記筐体の厚さを薄くすることを特徴と
    する請求項60記載の内蔵アンテナ装置。
  62. 【請求項62】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子からなるダイポ
    ール構成のアンテナを上部に向かって内部に傾斜させる
    構成にすることを特徴とする請求項10から12、50
    および51記載の内蔵アンテナ装置。
  63. 【請求項63】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子からなるダイポ
    ール構成のアンテナの直線状の先端部側で、筐体の内部
    方向に屈曲する角度を変えて、先端部どうしが近接して
    平行に配置される構成にすることを特徴とする請求項
    9、12、15および19記載の内蔵アンテナ装置。
  64. 【請求項64】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子からなるダイポ
    ール構成のアンテナの直線状の先端部側で、筐体の内部
    方向に屈曲する箇所に局所的な小さい屈曲部を少なくと
    もひとつ設け、先端部どうしが近接して平行に配置され
    る構成にすることを特徴とする請求項9、12、15お
    よび19記載の内蔵アンテナ装置。
  65. 【請求項65】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、ダイポール構成のアンテナの先端部どうしが近接
    して平行に配置される部分を電磁波吸収材で覆う構成に
    することを特徴とする請求項63、64記載の内蔵アン
    テナ装置。
  66. 【請求項66】 携帯電話機に用いられるアンテナにお
    いて、対構成の前記細長のアンテナ素子に近接して、前
    記筐体の背部に対向する面形状の前記電磁波吸収材を配
    置することを特徴とする請求項1から23、27、2
    9、38、39および49から51記載の内蔵アンテナ
    装置。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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