JP2000346362A - ガスタービン燃焼器及びガスタービン燃焼器の燃焼方法 - Google Patents
ガスタービン燃焼器及びガスタービン燃焼器の燃焼方法Info
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- JP2000346362A JP2000346362A JP11154639A JP15463999A JP2000346362A JP 2000346362 A JP2000346362 A JP 2000346362A JP 11154639 A JP11154639 A JP 11154639A JP 15463999 A JP15463999 A JP 15463999A JP 2000346362 A JP2000346362 A JP 2000346362A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】複数の燃焼器間で生じる燃焼振動を低減する。
【解決手段】円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成
する燃焼器と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流
体が流動可能なように連結する複数の連絡流路とを備え
たガスタービン燃焼器であって、前記連絡流路のうち少
なくとも一つを、流れ方向の違いによって流動抵抗が異
なる連絡流路とすることを特徴とする。 【効果】燃焼振動が低減し、安定した燃焼を行うことが
できる。
する燃焼器と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流
体が流動可能なように連結する複数の連絡流路とを備え
たガスタービン燃焼器であって、前記連絡流路のうち少
なくとも一つを、流れ方向の違いによって流動抵抗が異
なる連絡流路とすることを特徴とする。 【効果】燃焼振動が低減し、安定した燃焼を行うことが
できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の燃焼器を備
えたガスタービン燃焼器及びガスタービン燃焼器の燃焼
方法に関する。
えたガスタービン燃焼器及びガスタービン燃焼器の燃焼
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービン燃焼器、特に、複数個の燃
焼器を備えたガスタービン燃焼器については、例えば、
特開昭58−168822号公報に記載されている。このような
ガスタービン燃焼器は、火炎伝播管やタービン1段目静
翼とトランジションピース出口との間の空間のように、
内部を流体が流動可能な連絡流路を介して結合されてい
る。
焼器を備えたガスタービン燃焼器については、例えば、
特開昭58−168822号公報に記載されている。このような
ガスタービン燃焼器は、火炎伝播管やタービン1段目静
翼とトランジションピース出口との間の空間のように、
内部を流体が流動可能な連絡流路を介して結合されてい
る。
【0003】このようなガスタービン燃焼器は、複数個
の燃焼器を備えており、その各々は燃料と空気を反応さ
せて高温の燃焼ガスを生成する燃焼器内筒を備えてい
る。各々の燃焼器はガスタービンの周長に沿った円上に
環状に配置され、隣接する燃焼器の燃焼器内筒同士は火
炎伝播管によって接続される。
の燃焼器を備えており、その各々は燃料と空気を反応さ
せて高温の燃焼ガスを生成する燃焼器内筒を備えてい
る。各々の燃焼器はガスタービンの周長に沿った円上に
環状に配置され、隣接する燃焼器の燃焼器内筒同士は火
炎伝播管によって接続される。
【0004】また、燃焼器への点火には点火プラグを備
えた点火栓が用いられるが、保守の容易さなどの観点か
ら、点火栓は一部の燃焼器のみに備えられている。点火
栓を備えていない燃焼器への点火は、隣接する高圧状態
となった点火済みの燃焼器の高温燃焼ガスを、燃焼器間
の差圧を利用し、火炎伝播管を通じて未点火状態の燃焼
器へ流入させることによりなされる。点火終了後におい
ても、それぞれの燃焼器の個体差や燃焼状態の違いに応
じて燃焼器間に差圧が生じ、高温の燃焼ガスが火炎伝播
管内を流れる可能性がある。
えた点火栓が用いられるが、保守の容易さなどの観点か
ら、点火栓は一部の燃焼器のみに備えられている。点火
栓を備えていない燃焼器への点火は、隣接する高圧状態
となった点火済みの燃焼器の高温燃焼ガスを、燃焼器間
の差圧を利用し、火炎伝播管を通じて未点火状態の燃焼
器へ流入させることによりなされる。点火終了後におい
ても、それぞれの燃焼器の個体差や燃焼状態の違いに応
じて燃焼器間に差圧が生じ、高温の燃焼ガスが火炎伝播
管内を流れる可能性がある。
【0005】そのため火炎伝播管の冷却が必要であり、
たとえば特開平9−329336 号公報に見られるような二重
管構造の火炎伝播管が用いられることが多い。二重管構
造の火炎伝播管では、火炎伝播管内筒が隣接する燃焼器
の燃焼器内筒同士を連結し、火炎伝播管外筒は、燃焼器
外筒同士を連結する。燃焼器外筒と燃焼器内筒との間隙
を通り燃焼器内筒へ供給される空気の一部は、火炎伝播
管外筒と火炎伝播管内筒の間隙を通り、火炎伝播管内筒
に開けられた冷却孔より火炎伝播管内筒内に流入して火
炎伝播管を冷却する。
たとえば特開平9−329336 号公報に見られるような二重
管構造の火炎伝播管が用いられることが多い。二重管構
造の火炎伝播管では、火炎伝播管内筒が隣接する燃焼器
の燃焼器内筒同士を連結し、火炎伝播管外筒は、燃焼器
外筒同士を連結する。燃焼器外筒と燃焼器内筒との間隙
を通り燃焼器内筒へ供給される空気の一部は、火炎伝播
管外筒と火炎伝播管内筒の間隙を通り、火炎伝播管内筒
に開けられた冷却孔より火炎伝播管内筒内に流入して火
炎伝播管を冷却する。
【0006】また、複数の燃焼器はそれぞれトランジシ
ョンピースを備えており、それぞれのトランジションピ
ースはタービン入口部に接合される。トランジションピ
ースとタービン入口との接合部から、タービン1段目静
翼までの間の空間で各燃焼器はつながっており、この空
間を介して、それぞれの燃焼器から流入した燃焼ガスは
互いに行き来することが可能な構造となっている。
ョンピースを備えており、それぞれのトランジションピ
ースはタービン入口部に接合される。トランジションピ
ースとタービン入口との接合部から、タービン1段目静
翼までの間の空間で各燃焼器はつながっており、この空
間を介して、それぞれの燃焼器から流入した燃焼ガスは
互いに行き来することが可能な構造となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ガスタービン燃焼器で
は、燃焼器内筒における燃焼による発熱の変動と、圧力
の変動とが同期して振動する、燃焼振動と呼ばれる現象
が生じることがある。燃焼振動が生じると燃焼状態は不
安定になりやすく、消炎や逆火が生じる恐れがある。ま
た、燃焼器の破損に至ることもある。従来、これを低減
することが行われているが、更なる低減が望ましい。
は、燃焼器内筒における燃焼による発熱の変動と、圧力
の変動とが同期して振動する、燃焼振動と呼ばれる現象
が生じることがある。燃焼振動が生じると燃焼状態は不
安定になりやすく、消炎や逆火が生じる恐れがある。ま
た、燃焼器の破損に至ることもある。従来、これを低減
することが行われているが、更なる低減が望ましい。
【0008】従来のガスタービン燃焼器では、燃焼器の
燃焼器内筒同士、更には燃焼器外筒同士が火炎伝播管に
よって連結されている。また、タービン入口部からター
ビン1段目静翼までの空間においても各燃焼器はつなが
っている。そのため、これらの連絡流路を介して隣接す
る燃焼器の間を圧力変動が伝播するので、燃焼器同士で
相互に影響を及ぼしあい、複数の燃焼器の間で連成した
燃焼振動、いわゆる多缶連成燃焼振動が生じ易いという
課題があった。
燃焼器内筒同士、更には燃焼器外筒同士が火炎伝播管に
よって連結されている。また、タービン入口部からター
ビン1段目静翼までの空間においても各燃焼器はつなが
っている。そのため、これらの連絡流路を介して隣接す
る燃焼器の間を圧力変動が伝播するので、燃焼器同士で
相互に影響を及ぼしあい、複数の燃焼器の間で連成した
燃焼振動、いわゆる多缶連成燃焼振動が生じ易いという
課題があった。
【0009】本発明の目的は、複数の燃焼器間で生じる
燃焼振動を低減することが可能なガスタービン燃焼器及
びガスタービン燃焼器の燃焼方法を提供することにあ
る。
燃焼振動を低減することが可能なガスタービン燃焼器及
びガスタービン燃焼器の燃焼方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のガスタービン燃
焼器は、円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する
燃焼器と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が
流動可能なように連結する複数の連絡流路とを備えたガ
スタービン燃焼器であって、前記連絡流路のうち少なく
とも一つを、流れ方向の違いによって流動抵抗が異なる
連絡流路とすることを特徴とする。
焼器は、円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する
燃焼器と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が
流動可能なように連結する複数の連絡流路とを備えたガ
スタービン燃焼器であって、前記連絡流路のうち少なく
とも一つを、流れ方向の違いによって流動抵抗が異なる
連絡流路とすることを特徴とする。
【0011】或いは、本発明のガスタービン燃焼器は、
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼器
と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可
能なように連結する複数の連絡流路とを備えたガスター
ビン燃焼器であって、隣り合う第一及び第二の燃焼器の
圧力振動波形を異ならしめる手段を有することを特徴と
する。
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼器
と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可
能なように連結する複数の連絡流路とを備えたガスター
ビン燃焼器であって、隣り合う第一及び第二の燃焼器の
圧力振動波形を異ならしめる手段を有することを特徴と
する。
【0012】或いは、本発明のガスタービン燃焼器は、
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼器
と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可
能なように連結する複数の連絡流路とを備えたガスター
ビン燃焼器であって、隣り合う第一及び第二の燃焼器を
連結する連絡流路を、流体の流れ方向の違いによって流
動抵抗が異なる連絡流路とすることを特徴とする。
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼器
と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可
能なように連結する複数の連絡流路とを備えたガスター
ビン燃焼器であって、隣り合う第一及び第二の燃焼器を
連結する連絡流路を、流体の流れ方向の違いによって流
動抵抗が異なる連絡流路とすることを特徴とする。
【0013】或いは、本発明のガスタービン燃焼器は、
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼器
と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を燃焼器内流体
が流動可能なように連結する複数の火炎伝播管とを備え
たガスタービン燃焼器であって、前記火炎伝播管のうち
少なくとも一つに、流体の流れ方向と交わる面における
流路面積が流体の流れ方向で異なる部分を形成し、流れ
方向の違いによって流動抵抗が異なる火炎伝播管とする
ことを特徴とする。
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼器
と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を燃焼器内流体
が流動可能なように連結する複数の火炎伝播管とを備え
たガスタービン燃焼器であって、前記火炎伝播管のうち
少なくとも一つに、流体の流れ方向と交わる面における
流路面積が流体の流れ方向で異なる部分を形成し、流れ
方向の違いによって流動抵抗が異なる火炎伝播管とする
ことを特徴とする。
【0014】或いは、本発明のガスタービン燃焼器は、
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼器
と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可
能なように連結する複数の連絡流路とを備えたガスター
ビン燃焼器であって、隣り合う第一及び第二の燃焼器を
連結する第一の連絡流路と、隣り合う第二及び第三の燃
焼器を連結する第二の連絡流路とを備え、前記第一の連
絡流路を、該流体流れ方向が該第一の燃焼器側から該第
二の燃焼器側に流れる方向の場合の流動抵抗より、該流
体流れ方向が該第二の燃焼器側から該第一の燃焼器側に
流れる方向の場合の流動抵抗が大きくなるように形成
し、前記第二の連絡流路を、該流体流れ方向が該第三の
燃焼器側から該第二の燃焼器側に流れる方向の場合の流
動抵抗より、該流体流れ方向が該第二の燃焼器側から該
第三の燃焼器側に流れる方向の場合の流動抵抗が大きく
なるように形成することを特徴とする。
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼器
と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可
能なように連結する複数の連絡流路とを備えたガスター
ビン燃焼器であって、隣り合う第一及び第二の燃焼器を
連結する第一の連絡流路と、隣り合う第二及び第三の燃
焼器を連結する第二の連絡流路とを備え、前記第一の連
絡流路を、該流体流れ方向が該第一の燃焼器側から該第
二の燃焼器側に流れる方向の場合の流動抵抗より、該流
体流れ方向が該第二の燃焼器側から該第一の燃焼器側に
流れる方向の場合の流動抵抗が大きくなるように形成
し、前記第二の連絡流路を、該流体流れ方向が該第三の
燃焼器側から該第二の燃焼器側に流れる方向の場合の流
動抵抗より、該流体流れ方向が該第二の燃焼器側から該
第三の燃焼器側に流れる方向の場合の流動抵抗が大きく
なるように形成することを特徴とする。
【0015】或いは、本発明のガスタービン燃焼器は、
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼器
と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可
能なように連結する複数の連絡流路とを備えたガスター
ビン燃焼器であって、隣り合う第一及び第二の燃焼器を
連結する第一の連絡流路と、隣り合う第二及び第三の燃
焼器を連結する第二の連絡流路とを備え、前記第一の連
絡流路を、該流体流れ方向が該第一の燃焼器側から該第
二の燃焼器側に流れる方向の場合の流動抵抗より、該流
体流れ方向が該第二の燃焼器側から該第一の燃焼器側に
流れる方向の場合の流動抵抗が小さくなるように形成
し、前記第二の連絡流路を、該流体流れ方向が該第三の
燃焼器側から該第二の燃焼器側に流れる方向の場合の流
動抵抗より、該流体流れ方向が該第二の燃焼器側から該
第三の燃焼器側に流れる方向の場合の流動抵抗が小さく
なるように形成することを特徴とする。
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼器
と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可
能なように連結する複数の連絡流路とを備えたガスター
ビン燃焼器であって、隣り合う第一及び第二の燃焼器を
連結する第一の連絡流路と、隣り合う第二及び第三の燃
焼器を連結する第二の連絡流路とを備え、前記第一の連
絡流路を、該流体流れ方向が該第一の燃焼器側から該第
二の燃焼器側に流れる方向の場合の流動抵抗より、該流
体流れ方向が該第二の燃焼器側から該第一の燃焼器側に
流れる方向の場合の流動抵抗が小さくなるように形成
し、前記第二の連絡流路を、該流体流れ方向が該第三の
燃焼器側から該第二の燃焼器側に流れる方向の場合の流
動抵抗より、該流体流れ方向が該第二の燃焼器側から該
第三の燃焼器側に流れる方向の場合の流動抵抗が小さく
なるように形成することを特徴とする。
【0016】或いは、本発明のガスタービン燃焼器は、
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼器
と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可
能なように連結する複数の連絡流路とを備えたガスター
ビン燃焼器であって、前記連絡流路のうち少なくとも一
つは、該連絡流路の一端から他端へ流体が流れる際の流
動抵抗と該連絡流路の他端から一端へ流体が流れる際の
流動抵抗とが異なるように形成されていることを特徴と
する。
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼器
と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可
能なように連結する複数の連絡流路とを備えたガスター
ビン燃焼器であって、前記連絡流路のうち少なくとも一
つは、該連絡流路の一端から他端へ流体が流れる際の流
動抵抗と該連絡流路の他端から一端へ流体が流れる際の
流動抵抗とが異なるように形成されていることを特徴と
する。
【0017】或いは、本発明のガスタービン燃焼器は、
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼器
と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可
能なように連結する複数の連絡流路とを備えたガスター
ビン燃焼器であって、前記連絡流路のうち少なくとも一
つは、該連絡流路の一端から他端へ向かって流路面積が
順次増加するように形成されていることを特徴とする。
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼器
と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可
能なように連結する複数の連絡流路とを備えたガスター
ビン燃焼器であって、前記連絡流路のうち少なくとも一
つは、該連絡流路の一端から他端へ向かって流路面積が
順次増加するように形成されていることを特徴とする。
【0018】或いは、本発明のガスタービン燃焼器は、
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼室を
備えた燃焼器と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を
燃焼器内流体が流動可能なように連結する複数の火炎伝
播管とを備えたガスタービン燃焼器であって、前記燃焼
器は、燃焼ガスを生成する燃焼室を形成する燃焼器内筒
と、該燃焼器内筒と所望の間隙を有して該内筒の外側に
配置された燃焼器外筒とを備え、前記火炎伝播管は、隣
り合う燃焼器の燃焼器内筒を接続する火炎伝播管内筒
と、該火炎伝播管内筒と所望の間隙を有して該内筒の外
側に配置され、隣り合う燃焼器の燃焼器外筒を接続する
火炎伝播管外筒とを備え、前記火炎伝播管内筒のうち少
なくとも一つをその火炎伝播管内筒内を流れる流体の流
れ方向によって流動抵抗が異なるように形成することを
特徴とする。
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼室を
備えた燃焼器と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を
燃焼器内流体が流動可能なように連結する複数の火炎伝
播管とを備えたガスタービン燃焼器であって、前記燃焼
器は、燃焼ガスを生成する燃焼室を形成する燃焼器内筒
と、該燃焼器内筒と所望の間隙を有して該内筒の外側に
配置された燃焼器外筒とを備え、前記火炎伝播管は、隣
り合う燃焼器の燃焼器内筒を接続する火炎伝播管内筒
と、該火炎伝播管内筒と所望の間隙を有して該内筒の外
側に配置され、隣り合う燃焼器の燃焼器外筒を接続する
火炎伝播管外筒とを備え、前記火炎伝播管内筒のうち少
なくとも一つをその火炎伝播管内筒内を流れる流体の流
れ方向によって流動抵抗が異なるように形成することを
特徴とする。
【0019】或いは、本発明のガスタービン燃焼器は、
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼室を
備えた燃焼器と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を
燃焼器内流体が流動可能なように連結する複数の火炎伝
播管とを備えたガスタービン燃焼器であって、前記燃焼
器は、燃焼ガスを生成する燃焼室を形成する燃焼器内筒
と、該燃焼器内筒と所望の間隙を有して該内筒の外側に
配置された燃焼器外筒とを備え、前記火炎伝播管は、隣
り合う燃焼器の燃焼器内筒を接続する火炎伝播管内筒
と、該火炎伝播管内筒と所望の間隙を有して該内筒の外
側に配置され、隣り合う燃焼器の燃焼器外筒を接続する
火炎伝播管外筒とを備え、前記火炎伝播管のうち少なく
とも一つの該火炎伝播管内筒と火炎伝播管外筒との間の
間隙をその間隙内を流れる流体の流れ方向によって流動
抵抗が異なるように形成することを特徴とする。
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼室を
備えた燃焼器と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を
燃焼器内流体が流動可能なように連結する複数の火炎伝
播管とを備えたガスタービン燃焼器であって、前記燃焼
器は、燃焼ガスを生成する燃焼室を形成する燃焼器内筒
と、該燃焼器内筒と所望の間隙を有して該内筒の外側に
配置された燃焼器外筒とを備え、前記火炎伝播管は、隣
り合う燃焼器の燃焼器内筒を接続する火炎伝播管内筒
と、該火炎伝播管内筒と所望の間隙を有して該内筒の外
側に配置され、隣り合う燃焼器の燃焼器外筒を接続する
火炎伝播管外筒とを備え、前記火炎伝播管のうち少なく
とも一つの該火炎伝播管内筒と火炎伝播管外筒との間の
間隙をその間隙内を流れる流体の流れ方向によって流動
抵抗が異なるように形成することを特徴とする。
【0020】或いは、本発明のガスタービン燃焼器は、
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼器
と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可
能なように連結する複数の連絡流路とを備え、前記連絡
流路のうち少なくとも一つを、該連絡流路の一端から他
端へ流体が流れる際の流動抵抗と該連絡流路の他端から
一端へ流体が流れる際の流動抵抗とが異なるように、該
連絡流路の一端から他端へ向かってその流路面積を順次
増加するように形成して、隣り合う第一及び第二の燃焼
器の圧力振動波形を異ならしめることを特徴とする。
円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成する燃焼器
と、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可
能なように連結する複数の連絡流路とを備え、前記連絡
流路のうち少なくとも一つを、該連絡流路の一端から他
端へ流体が流れる際の流動抵抗と該連絡流路の他端から
一端へ流体が流れる際の流動抵抗とが異なるように、該
連絡流路の一端から他端へ向かってその流路面積を順次
増加するように形成して、隣り合う第一及び第二の燃焼
器の圧力振動波形を異ならしめることを特徴とする。
【0021】或いは、本発明のガスタービン燃焼器の燃
焼方法は、燃焼ガスを生成する燃焼器を円周状に複数個
配置し、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を連結する
複数の連絡流路を流体が流動可能なように設け、少なく
とも一つの燃焼器に点火手段を設け、前記点火手段を備
えた燃焼器を該点火手段により点火して火炎を発生さ
せ、前記火炎を前記連絡流路を介して他の燃焼器に伝播
して他の燃焼器に点火を行うガスタービン燃焼器の燃焼
方法であって、火炎が伝播する際に隣り合う二つの燃焼
器の圧力振動波形が異なるように火炎を伝播することを
特徴とする。
焼方法は、燃焼ガスを生成する燃焼器を円周状に複数個
配置し、複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を連結する
複数の連絡流路を流体が流動可能なように設け、少なく
とも一つの燃焼器に点火手段を設け、前記点火手段を備
えた燃焼器を該点火手段により点火して火炎を発生さ
せ、前記火炎を前記連絡流路を介して他の燃焼器に伝播
して他の燃焼器に点火を行うガスタービン燃焼器の燃焼
方法であって、火炎が伝播する際に隣り合う二つの燃焼
器の圧力振動波形が異なるように火炎を伝播することを
特徴とする。
【0022】或いは、本発明のガスタービン燃焼器の燃
焼方法は、燃焼ガスを生成する燃焼器を円周状に複数個
配置し、燃焼器内流体が流動可能なように、複数の前記
燃焼器の隣り合う燃焼器をつなぐ火炎伝播管を設け、少
なくとも一つの燃焼器に点火手段を設け、前記火炎伝播
管に流体の流れ方向と交わる面における流路面積が流体
の流れ方向で異なる部分を形成し、前記点火手段を備え
た燃焼器を該点火手段により点火して火炎を発生させ、
隣り合う二つの燃焼器の圧力振動波形が異なるように前
記火炎を前記火炎伝播管を介して他の燃焼器に伝播し、
他の燃焼器に点火を行う。
焼方法は、燃焼ガスを生成する燃焼器を円周状に複数個
配置し、燃焼器内流体が流動可能なように、複数の前記
燃焼器の隣り合う燃焼器をつなぐ火炎伝播管を設け、少
なくとも一つの燃焼器に点火手段を設け、前記火炎伝播
管に流体の流れ方向と交わる面における流路面積が流体
の流れ方向で異なる部分を形成し、前記点火手段を備え
た燃焼器を該点火手段により点火して火炎を発生させ、
隣り合う二つの燃焼器の圧力振動波形が異なるように前
記火炎を前記火炎伝播管を介して他の燃焼器に伝播し、
他の燃焼器に点火を行う。
【0023】
【発明の実施の形態】(実施例1)以下、本発明の実施
例について説明する。図10に火炎伝播管を備えたガス
タービン燃焼器の構成断面図を示し、図1に燃焼器と火
炎伝播管の部分断面図を示す。
例について説明する。図10に火炎伝播管を備えたガス
タービン燃焼器の構成断面図を示し、図1に燃焼器と火
炎伝播管の部分断面図を示す。
【0024】図10のガスタービン燃焼器は、複数の燃
焼器を備えたガスタービン燃焼器の一部を示している。
このガスタービン燃焼器は、主に、ガスタービン52
と、ガスタービン52に連結され、燃焼用の圧縮空気を
得る圧縮機51と、燃焼器1a及び燃焼器1bとを備え
ている。圧縮機51より送られる圧縮空気61は、燃焼
器1a及び燃焼器1b夫々に導かれ、燃焼器内筒2aや
燃焼器内筒2bの内部に形成されている燃焼室3aや燃
焼室3bで燃料とともに燃焼する。燃焼によって生成さ
れた燃焼ガス62は、トランジションピース60aやト
ランジションピース60bを経てガスタービン52に噴
射され、ガスタービン52を駆動する。そして、図示は
していないが、一般にガスタービン52に連結されてい
る発電機によって発電するように構成されている。
焼器を備えたガスタービン燃焼器の一部を示している。
このガスタービン燃焼器は、主に、ガスタービン52
と、ガスタービン52に連結され、燃焼用の圧縮空気を
得る圧縮機51と、燃焼器1a及び燃焼器1bとを備え
ている。圧縮機51より送られる圧縮空気61は、燃焼
器1a及び燃焼器1b夫々に導かれ、燃焼器内筒2aや
燃焼器内筒2bの内部に形成されている燃焼室3aや燃
焼室3bで燃料とともに燃焼する。燃焼によって生成さ
れた燃焼ガス62は、トランジションピース60aやト
ランジションピース60bを経てガスタービン52に噴
射され、ガスタービン52を駆動する。そして、図示は
していないが、一般にガスタービン52に連結されてい
る発電機によって発電するように構成されている。
【0025】複数個配置される燃焼器のうち任意の燃焼
器に点火栓30が設けられる。図10においては、燃焼
器1aには、燃焼室3aを形成する燃焼器内筒2aと、
燃料を燃焼室3aに供給する燃料ノズル56aと、点火
栓30とを設けている。また、燃焼器1bには、燃焼室
3bを形成する燃焼器内筒2bと、燃料を燃焼室3bに
供給する燃料ノズル56bとを設け、点火手段は設けて
いない。そのため、例えば、燃焼器1aの点火栓30に
より、燃焼器1a内で点火して火炎を発生させ、その火
炎が火炎伝播管10aを経て燃焼器1aの隣の燃焼器1
bを点火させる。同様に、燃焼器1aから反燃焼器1b
側の燃焼器にも火炎が伝播する。また、燃焼器1bから
反燃焼器1a側の燃焼器にも火炎が伝播する。このよう
なガスタービン燃焼器に本発明を適用した一例を図1を
用いてより具体的に説明する。
器に点火栓30が設けられる。図10においては、燃焼
器1aには、燃焼室3aを形成する燃焼器内筒2aと、
燃料を燃焼室3aに供給する燃料ノズル56aと、点火
栓30とを設けている。また、燃焼器1bには、燃焼室
3bを形成する燃焼器内筒2bと、燃料を燃焼室3bに
供給する燃料ノズル56bとを設け、点火手段は設けて
いない。そのため、例えば、燃焼器1aの点火栓30に
より、燃焼器1a内で点火して火炎を発生させ、その火
炎が火炎伝播管10aを経て燃焼器1aの隣の燃焼器1
bを点火させる。同様に、燃焼器1aから反燃焼器1b
側の燃焼器にも火炎が伝播する。また、燃焼器1bから
反燃焼器1a側の燃焼器にも火炎が伝播する。このよう
なガスタービン燃焼器に本発明を適用した一例を図1を
用いてより具体的に説明する。
【0026】図1に示すように、本実施例では、燃焼器
1aは燃焼器内筒2aを有しており、燃焼器内筒2aで
囲まれた空間は燃焼室3aとなっている。燃焼室3aは
燃料と空気とを反応させ、燃焼させるための領域となっ
ている。燃焼器1aとそれに隣接する燃焼器1bとは、
火炎伝播管10aにより連結されている。
1aは燃焼器内筒2aを有しており、燃焼器内筒2aで
囲まれた空間は燃焼室3aとなっている。燃焼室3aは
燃料と空気とを反応させ、燃焼させるための領域となっ
ている。燃焼器1aとそれに隣接する燃焼器1bとは、
火炎伝播管10aにより連結されている。
【0027】本実施例では、流れる方向で流動抵抗を異
ならしめる手段として、例えば、火炎伝播管10aの構
造をディフューザ構造としている。つまり、火炎伝播管
10aの片方の端部を流路面積の広い端部11aとし、も
う片方の端部を流路面積の狭い端部12aとしている。
即ち、火炎伝播管10aにより形成される流路の流路面
積は、火炎伝播管10aの一方の端部12aから火炎伝
播管10aの他方の端部11aに向かって順次増大する
ものであり、火炎伝播管10aの構造をディフューザ構
造としている。そして、燃焼器内筒2aに火炎伝播管1
0aの端部11aが接続され、燃焼器内筒2bには管端部
12aが接続されている。
ならしめる手段として、例えば、火炎伝播管10aの構
造をディフューザ構造としている。つまり、火炎伝播管
10aの片方の端部を流路面積の広い端部11aとし、も
う片方の端部を流路面積の狭い端部12aとしている。
即ち、火炎伝播管10aにより形成される流路の流路面
積は、火炎伝播管10aの一方の端部12aから火炎伝
播管10aの他方の端部11aに向かって順次増大する
ものであり、火炎伝播管10aの構造をディフューザ構
造としている。そして、燃焼器内筒2aに火炎伝播管1
0aの端部11aが接続され、燃焼器内筒2bには管端部
12aが接続されている。
【0028】次に、図1のディフューザ構造の火炎伝播
管10aに流体を流した場合の流れ現象を、図2及び図
3を用い説明する。図2及び図3は、火炎伝播管を流れ
る流体の流れ現象を示す部分断面図であり、図2は、流
体の流れ方向が燃焼室3bから燃焼室3aへ向かう方向
であり、図3は、流体の流れ方向が燃焼室3aから燃焼
室3bへ向かう方向である。
管10aに流体を流した場合の流れ現象を、図2及び図
3を用い説明する。図2及び図3は、火炎伝播管を流れ
る流体の流れ現象を示す部分断面図であり、図2は、流
体の流れ方向が燃焼室3bから燃焼室3aへ向かう方向
であり、図3は、流体の流れ方向が燃焼室3aから燃焼
室3bへ向かう方向である。
【0029】図2に示すように、燃焼室3aの内圧が燃
焼室3bの内圧に比べて低い場合、火炎伝播管10aの
内部には燃焼室3bから燃焼室3aに向かう流体流れが
形成される。図2にはその時の流線20が示されてい
る。このとき火炎伝播管10aはディフューザとして機
能し、剥離渦21が形成されるので、流動抵抗が大きく
なる。つまり、火炎伝播管10aの一方の端部12aか
ら火炎伝播管10aの他方の端部11aに向かって順次
流路面積が増加するように形成されているので、火炎伝
播管10a内で剥離渦21が発生し、流体が流れ難くな
り流動抵抗が大きくなる。
焼室3bの内圧に比べて低い場合、火炎伝播管10aの
内部には燃焼室3bから燃焼室3aに向かう流体流れが
形成される。図2にはその時の流線20が示されてい
る。このとき火炎伝播管10aはディフューザとして機
能し、剥離渦21が形成されるので、流動抵抗が大きく
なる。つまり、火炎伝播管10aの一方の端部12aか
ら火炎伝播管10aの他方の端部11aに向かって順次
流路面積が増加するように形成されているので、火炎伝
播管10a内で剥離渦21が発生し、流体が流れ難くな
り流動抵抗が大きくなる。
【0030】また、一方で、図3に示すように燃焼室3
aの内圧が燃焼室3bの内圧よりも高い場合、火炎伝播
管10aの内部には燃焼室3aから燃焼室3bに向かう
流れ22が形成される。この場合には流れの方向に流路
が狭くなっており、図2で見られたような剥離渦は形成
されにくく、したがって図2の場合に比べて流動抵抗が
小さい。つまり、火炎伝播管10aの一方の端部11a
から火炎伝播管10aの他方の端部12aに向かって順
次流路面積が減少するように形成されているので、火炎
伝播管10a内で剥離渦等は形成され難く、流体が流れ
やすくなり図2の場合と比べて流動抵抗が小さくなる。
aの内圧が燃焼室3bの内圧よりも高い場合、火炎伝播
管10aの内部には燃焼室3aから燃焼室3bに向かう
流れ22が形成される。この場合には流れの方向に流路
が狭くなっており、図2で見られたような剥離渦は形成
されにくく、したがって図2の場合に比べて流動抵抗が
小さい。つまり、火炎伝播管10aの一方の端部11a
から火炎伝播管10aの他方の端部12aに向かって順
次流路面積が減少するように形成されているので、火炎
伝播管10a内で剥離渦等は形成され難く、流体が流れ
やすくなり図2の場合と比べて流動抵抗が小さくなる。
【0031】このように、本実施例では火炎伝播管10
aの流路面積を一方端から他方端で少なくなるように変
化させているので、火炎伝播管10aに流れる流体の向
きによって流動抵抗を異ならしめることができる。
aの流路面積を一方端から他方端で少なくなるように変
化させているので、火炎伝播管10aに流れる流体の向
きによって流動抵抗を異ならしめることができる。
【0032】ここで、隣り合う二つの燃焼室の圧力変動
について図4及び図5を用い説明する。つまり、燃焼室
3aと燃焼室3bの内圧が交互に上昇,下降を繰り返す
場合について考える。図4は任意の燃焼室の圧力変動
(燃焼室3aの圧力変化)を示し、図5は図4の燃焼室
に隣り合う燃焼室の圧力変化(燃焼室3bの圧力変化)
を示す。
について図4及び図5を用い説明する。つまり、燃焼室
3aと燃焼室3bの内圧が交互に上昇,下降を繰り返す
場合について考える。図4は任意の燃焼室の圧力変動
(燃焼室3aの圧力変化)を示し、図5は図4の燃焼室
に隣り合う燃焼室の圧力変化(燃焼室3bの圧力変化)
を示す。
【0033】図4及び図5に示すように、燃焼室3aの
内圧が燃焼室3bの内圧より低いときには、燃焼室3b
から火炎伝播管10aを介して燃焼室3aに気体が流れ
込み、燃焼室3aの内圧は徐々に上昇していく。逆に、
燃焼室3bの内圧は徐々に減少する。やがて燃焼室3a
の内圧が最大に、燃焼室3bの内圧が最小の状態に至
る。
内圧が燃焼室3bの内圧より低いときには、燃焼室3b
から火炎伝播管10aを介して燃焼室3aに気体が流れ
込み、燃焼室3aの内圧は徐々に上昇していく。逆に、
燃焼室3bの内圧は徐々に減少する。やがて燃焼室3a
の内圧が最大に、燃焼室3bの内圧が最小の状態に至
る。
【0034】次に、火炎伝播管10a内の流れの向きは
逆転し、今度は燃焼室3aから3bに向かって気体が流
れ出し、燃焼室3aの内圧は徐々に下降する。また、燃
焼室3bの内圧は徐々に上昇する。やがて燃焼室3aの
内圧が最小に、燃焼室3bの内圧が最大の状態に至り、
再び流れの向きが逆転し、同様のことが繰り返される。
逆転し、今度は燃焼室3aから3bに向かって気体が流
れ出し、燃焼室3aの内圧は徐々に下降する。また、燃
焼室3bの内圧は徐々に上昇する。やがて燃焼室3aの
内圧が最小に、燃焼室3bの内圧が最大の状態に至り、
再び流れの向きが逆転し、同様のことが繰り返される。
【0035】ところで先に述べたように、火炎伝播管1
0aでは、内部の流れの向きによって流動抵抗が異な
り、燃焼室3bから燃焼室3aに向かう流れでは流動抵
抗が大きい。したがって、燃焼室3aが燃焼室3bより
も低圧で、燃焼室3bから燃焼室3aに向かって気体が
流れ込むときの流速の絶対値は、燃焼室3aが燃焼室3
bよりも高圧で、燃焼室3aから燃焼室3bに向かって
気体が流れ込むときの流速の絶対値よりも小さい値とな
る。
0aでは、内部の流れの向きによって流動抵抗が異な
り、燃焼室3bから燃焼室3aに向かう流れでは流動抵
抗が大きい。したがって、燃焼室3aが燃焼室3bより
も低圧で、燃焼室3bから燃焼室3aに向かって気体が
流れ込むときの流速の絶対値は、燃焼室3aが燃焼室3
bよりも高圧で、燃焼室3aから燃焼室3bに向かって
気体が流れ込むときの流速の絶対値よりも小さい値とな
る。
【0036】このことから、燃焼室3aの内圧が最小値
から最大値まで上昇するのにかかる特性時間T1は、燃
焼室3aの内圧が最大値から最小値まで減少するのにか
かる特性時間T2に比べて長くなる。一方、燃焼室3b
では、内圧が最小値から最大値に上昇するのにかかる時
間はT2であり、最大値から最小値に減少するのにかか
る時間はT1である。
から最大値まで上昇するのにかかる特性時間T1は、燃
焼室3aの内圧が最大値から最小値まで減少するのにか
かる特性時間T2に比べて長くなる。一方、燃焼室3b
では、内圧が最小値から最大値に上昇するのにかかる時
間はT2であり、最大値から最小値に減少するのにかか
る時間はT1である。
【0037】このように、燃焼室3aと隣り合う燃焼室
3bでは、圧力変動周期はどちらもT1+T2である。
しかし、内部圧力が最小値から最大値に上昇するまでの
特性時間は、燃焼室3aではT1であり、燃焼室3bで
はT2であり、燃焼室毎で異なる。また、圧力が最大値
から最小値まで減少するのにかかる特性時間に関しても
同様に異なる値となる。
3bでは、圧力変動周期はどちらもT1+T2である。
しかし、内部圧力が最小値から最大値に上昇するまでの
特性時間は、燃焼室3aではT1であり、燃焼室3bで
はT2であり、燃焼室毎で異なる。また、圧力が最大値
から最小値まで減少するのにかかる特性時間に関しても
同様に異なる値となる。
【0038】ところで、従来のガスタービン燃焼器で用
いられてきた火炎伝播管では、流動抵抗は内部の流れの
方向によって大きな差がなく、したがって特性時間T1
とT2はほぼ等しい値であった。そのため多缶連成振動
が生じたときの燃焼室の圧力の振動は、圧力が最小から
最大になるまでの特性時間と、最大から最小になるまで
の特性時間がほぼ等しいという特徴を持つ。また火炎伝
播管で連結された隣接する燃焼器でも位相が180度ず
れた同様の波形をした圧力振動となる。燃焼振動は、圧
力の変化に対する燃焼発熱の変動の応答特性時間が燃焼
振動の特性時間に一致したときに生じ易い。従来のガス
タービン燃焼器では、どの燃焼器においても同一の波形
で圧力が振動するので、圧力変動に対する発熱変動の応
答特性時間は、すべての燃焼器で一致する。このため多
缶連成燃焼振動が生じると、その圧力振幅は大きくなり
やすい。
いられてきた火炎伝播管では、流動抵抗は内部の流れの
方向によって大きな差がなく、したがって特性時間T1
とT2はほぼ等しい値であった。そのため多缶連成振動
が生じたときの燃焼室の圧力の振動は、圧力が最小から
最大になるまでの特性時間と、最大から最小になるまで
の特性時間がほぼ等しいという特徴を持つ。また火炎伝
播管で連結された隣接する燃焼器でも位相が180度ず
れた同様の波形をした圧力振動となる。燃焼振動は、圧
力の変化に対する燃焼発熱の変動の応答特性時間が燃焼
振動の特性時間に一致したときに生じ易い。従来のガス
タービン燃焼器では、どの燃焼器においても同一の波形
で圧力が振動するので、圧力変動に対する発熱変動の応
答特性時間は、すべての燃焼器で一致する。このため多
缶連成燃焼振動が生じると、その圧力振幅は大きくなり
やすい。
【0039】一方、前述したように、本実施例による火
炎伝播管を備えたガスタービン燃焼器では、隣り合う燃
焼器では、振動時に圧力が最小から最大になるまでの特
性時間が異なり、また、最大から最小になるまでの特性
時間も異なる。したがって圧力振動の波形は、隣接する
燃焼器同士では異なるものとなり、発熱変動の応答特性
時間も異なるものとなる。
炎伝播管を備えたガスタービン燃焼器では、隣り合う燃
焼器では、振動時に圧力が最小から最大になるまでの特
性時間が異なり、また、最大から最小になるまでの特性
時間も異なる。したがって圧力振動の波形は、隣接する
燃焼器同士では異なるものとなり、発熱変動の応答特性
時間も異なるものとなる。
【0040】よって、どちらか一方の燃焼器が、多缶連
成振動の生じ易い発熱変動の応答特性時間となる燃焼状
態にあっても、それに隣接する燃焼器ではその状態には
なっていない。
成振動の生じ易い発熱変動の応答特性時間となる燃焼状
態にあっても、それに隣接する燃焼器ではその状態には
なっていない。
【0041】したがって、本実施例によるガスタービン
燃焼器では、火炎伝播管を流体の流れ方向でその流体抵
抗が異なるようにしているので、従来に比べ多缶燃焼振
動が生じにくく、また生じたとして圧力振幅は大きくな
りにくい。
燃焼器では、火炎伝播管を流体の流れ方向でその流体抵
抗が異なるようにしているので、従来に比べ多缶燃焼振
動が生じにくく、また生じたとして圧力振幅は大きくな
りにくい。
【0042】次に、図6に本実施例による燃焼器の配置
の一例を示す。複数の燃焼器は、所定の円周上にほぼ等
間隔で配置されている。つまり、燃焼器が円状に複数配
置され、隣り合う燃焼器には、夫々流体の流動が可能な
流路が設けられ、複数の燃焼器のうち少なくとも一つに
点火手段を配置する。本実施例では、2つの相対する燃
焼器に点火手段を設けている。
の一例を示す。複数の燃焼器は、所定の円周上にほぼ等
間隔で配置されている。つまり、燃焼器が円状に複数配
置され、隣り合う燃焼器には、夫々流体の流動が可能な
流路が設けられ、複数の燃焼器のうち少なくとも一つに
点火手段を配置する。本実施例では、2つの相対する燃
焼器に点火手段を設けている。
【0043】本実施例では、12缶の燃焼器が設置され
ており、複数の燃焼器のうち円周上で相対する燃焼器1
eと燃焼器1kには、点火手段として点火栓30が備え
られている。
ており、複数の燃焼器のうち円周上で相対する燃焼器1
eと燃焼器1kには、点火手段として点火栓30が備え
られている。
【0044】すべての燃焼器は火炎伝播管10a〜10
lにより連結されている。このうち燃焼器1a,1c,
1e,1f,1g,1i,1kには、火炎伝播管の面積
が広い方の端部が接続されており、残りの燃焼器には、
火炎伝播管の面積の狭い方の端部が接続されている。本
実施例では、火炎伝播管形状のディフューザ構造を円周
方向で互い違いに配置している。このため、容易に全燃
焼器の圧力振動の波形を異ならしめることができ、多缶
連成燃焼振動を抑制することができる。
lにより連結されている。このうち燃焼器1a,1c,
1e,1f,1g,1i,1kには、火炎伝播管の面積
が広い方の端部が接続されており、残りの燃焼器には、
火炎伝播管の面積の狭い方の端部が接続されている。本
実施例では、火炎伝播管形状のディフューザ構造を円周
方向で互い違いに配置している。このため、容易に全燃
焼器の圧力振動の波形を異ならしめることができ、多缶
連成燃焼振動を抑制することができる。
【0045】本実施例では、全ての火炎伝播管にディフ
ューザ構造を適用しているが、一部の火炎伝播管にディ
フューザ構造を適用しても少なからず多缶連成燃焼振動
を抑制する効果は期待できる。
ューザ構造を適用しているが、一部の火炎伝播管にディ
フューザ構造を適用しても少なからず多缶連成燃焼振動
を抑制する効果は期待できる。
【0046】また、図6では、燃焼器1aに連結された
火炎伝播管10lと、火炎伝播管10lと連結した燃焼
器1aと、燃焼器1aと燃焼器1bとを連結する火炎伝
播管10aと、火炎伝播管10aと連結して燃焼器1a
と隣り合う燃焼器1bと、燃焼器1bと連結する火炎伝
播管10bとを備えている。
火炎伝播管10lと、火炎伝播管10lと連結した燃焼
器1aと、燃焼器1aと燃焼器1bとを連結する火炎伝
播管10aと、火炎伝播管10aと連結して燃焼器1a
と隣り合う燃焼器1bと、燃焼器1bと連結する火炎伝
播管10bとを備えている。
【0047】ここで、燃焼器1aに連結する二つの火炎
伝播管10l及び火炎伝播管10aは、流体の流れ方向
が燃焼器1aに向かう場合に、流動抵抗が大きく、流体
の流れ方向が燃焼器1aから排出する方向の場合に、流
動抵抗が小さくなるように、形成されている。
伝播管10l及び火炎伝播管10aは、流体の流れ方向
が燃焼器1aに向かう場合に、流動抵抗が大きく、流体
の流れ方向が燃焼器1aから排出する方向の場合に、流
動抵抗が小さくなるように、形成されている。
【0048】このように、燃焼器1aに連結する二つの
火炎伝播管10l及び火炎伝播管10aの流動抵抗が流
体の流れ方向で異なるように形成しているので、燃焼器
1aの隣り合う両側の燃焼器と、燃焼器1aとの圧力振
動の波形を異ならしめることができ、燃焼振動を抑制す
ることができる。
火炎伝播管10l及び火炎伝播管10aの流動抵抗が流
体の流れ方向で異なるように形成しているので、燃焼器
1aの隣り合う両側の燃焼器と、燃焼器1aとの圧力振
動の波形を異ならしめることができ、燃焼振動を抑制す
ることができる。
【0049】また、燃焼器1aと燃焼器1bとを連結す
る火炎伝播管10aの流動抵抗が流体の流れ方向で異な
るように形成しているので、燃焼器1aの隣り合う燃焼
器1bと、燃焼器1aとの圧力振動の波形を異ならしめ
ることができ、燃焼振動を抑制することができる。
る火炎伝播管10aの流動抵抗が流体の流れ方向で異な
るように形成しているので、燃焼器1aの隣り合う燃焼
器1bと、燃焼器1aとの圧力振動の波形を異ならしめ
ることができ、燃焼振動を抑制することができる。
【0050】よって、上記配置にすることにより、隣り
合う燃焼器同士で圧力振動の波形が異なるようになり、
多缶連成燃焼振動の低減が図れ、安定した燃焼を得るこ
とができる。
合う燃焼器同士で圧力振動の波形が異なるようになり、
多缶連成燃焼振動の低減が図れ、安定した燃焼を得るこ
とができる。
【0051】(実施例2)複数の燃焼器を接続する火炎
伝播管が二重構造であるガスタービン燃焼器に本発明を
適用した一例を示す。図7は、燃焼器と二重構造火炎伝
播管の部分断面図を示す。
伝播管が二重構造であるガスタービン燃焼器に本発明を
適用した一例を示す。図7は、燃焼器と二重構造火炎伝
播管の部分断面図を示す。
【0052】図7に示すように、本実施例の燃焼器10
1aは、燃焼器内筒102aと、その外側に燃焼器外筒
104aを備えている。燃焼器内筒101aで囲まれた
空間は燃焼室103aとなっている。
1aは、燃焼器内筒102aと、その外側に燃焼器外筒
104aを備えている。燃焼器内筒101aで囲まれた
空間は燃焼室103aとなっている。
【0053】また、燃焼器内筒102aと燃焼器外筒1
04aの間隙は空気流路105aとなっており、燃焼室
103aへの空気の供給は、この空気流路105aを介
してなされる。
04aの間隙は空気流路105aとなっており、燃焼室
103aへの空気の供給は、この空気流路105aを介
してなされる。
【0054】燃焼器101aと隣接する燃焼器101b
とは、火炎伝播管110により連結される。火炎伝播管
110は、火炎伝播管内筒111とその外側に備えられ
た火炎伝播管外筒112により構成された二重管となっ
ている。火炎伝播管内筒111は、隣接する燃焼器の燃焼
器内筒102aと燃焼器内筒102bとを連結してい
る。火炎伝播管外筒112は、燃焼器外筒104aと1
04bとを連結している。
とは、火炎伝播管110により連結される。火炎伝播管
110は、火炎伝播管内筒111とその外側に備えられ
た火炎伝播管外筒112により構成された二重管となっ
ている。火炎伝播管内筒111は、隣接する燃焼器の燃焼
器内筒102aと燃焼器内筒102bとを連結してい
る。火炎伝播管外筒112は、燃焼器外筒104aと1
04bとを連結している。
【0055】火炎伝播管内筒111には、冷却空気孔1
13が開けられており、空気流路105a,105bを
流れる空気の一部がここから火炎伝播管内筒111内に
流入し、火炎伝播管内筒111の冷却に寄与する。
13が開けられており、空気流路105a,105bを
流れる空気の一部がここから火炎伝播管内筒111内に
流入し、火炎伝播管内筒111の冷却に寄与する。
【0056】火炎伝播管外筒112の燃焼器101a側
には、部材115が取り付けられている。部材115
は、燃焼器101aから101bの方向に向かって間隙
114の流路面積が増大するような形状となっている。
つまり、流路経路を実質的にディフューザ構造としてい
る。そのため、空気流路105aから空気流路105b
に向かう流れでは、間隙114はディフューザとして機
能し、流動抵抗が大きい。また、それとは逆向きの流れ
では流動抵抗は小さい。
には、部材115が取り付けられている。部材115
は、燃焼器101aから101bの方向に向かって間隙
114の流路面積が増大するような形状となっている。
つまり、流路経路を実質的にディフューザ構造としてい
る。そのため、空気流路105aから空気流路105b
に向かう流れでは、間隙114はディフューザとして機
能し、流動抵抗が大きい。また、それとは逆向きの流れ
では流動抵抗は小さい。
【0057】したがって、間隙114を介して圧力変動
が隣接する燃焼器同士に伝播し、多缶連成燃焼振動が生
じる場合において、この火炎伝播管110は、流路抵抗
がその流れ方向で異なるため、内圧変動の特性時間が異
なり、燃焼振動が低減される。また、仮に燃焼振動が発
生しても圧力振幅は小さい。
が隣接する燃焼器同士に伝播し、多缶連成燃焼振動が生
じる場合において、この火炎伝播管110は、流路抵抗
がその流れ方向で異なるため、内圧変動の特性時間が異
なり、燃焼振動が低減される。また、仮に燃焼振動が発
生しても圧力振幅は小さい。
【0058】(実施例3)実施例2のようなガスタービ
ン燃焼器に本発明を適用した他の例を示す。図8は、燃
焼器と二重構造火炎伝播管の部分断面図を示す。
ン燃焼器に本発明を適用した他の例を示す。図8は、燃
焼器と二重構造火炎伝播管の部分断面図を示す。
【0059】図8に示すように、実施例2と同様の構成
の燃焼器101aと101bとは火炎伝播管210で連
結されている。火炎伝播管210は、火炎伝播管内筒2
11と火炎伝播管外筒212により構成された二重管構
造となっている。
の燃焼器101aと101bとは火炎伝播管210で連
結されている。火炎伝播管210は、火炎伝播管内筒2
11と火炎伝播管外筒212により構成された二重管構
造となっている。
【0060】火炎伝播管内筒211は、燃焼器内筒10
2aと102bとを連結しており、火炎伝播管外筒21
2は燃焼器外筒104aと104bとを連結している。
火炎伝播管内筒211は、燃焼器101bから101a
に向かう方向に流路面積が増大する構造となっており、
燃焼室103bから103aに向かう流れに対して流動
抵抗が大きく、その逆向きの流れに対しては流動抵抗が
小さい。火炎伝播管外筒212は直管であり、火炎伝播
管外筒と火炎伝播管内筒の間の間隙214により形成さ
れる流路は、空気流路105aから105bに向かう方
向にその流路面積が増大する。このように、二重構造の
火炎伝播管の火炎伝播管内筒211をディフューザ構造
として、流路経路でその流体の流れ方向によって流動抵
抗が異なるようにしている。
2aと102bとを連結しており、火炎伝播管外筒21
2は燃焼器外筒104aと104bとを連結している。
火炎伝播管内筒211は、燃焼器101bから101a
に向かう方向に流路面積が増大する構造となっており、
燃焼室103bから103aに向かう流れに対して流動
抵抗が大きく、その逆向きの流れに対しては流動抵抗が
小さい。火炎伝播管外筒212は直管であり、火炎伝播
管外筒と火炎伝播管内筒の間の間隙214により形成さ
れる流路は、空気流路105aから105bに向かう方
向にその流路面積が増大する。このように、二重構造の
火炎伝播管の火炎伝播管内筒211をディフューザ構造
として、流路経路でその流体の流れ方向によって流動抵
抗が異なるようにしている。
【0061】したがって空気流路105aから105b
に向かう流れに対しては流動抵抗が大きく、逆向きの流
れに対しては流動抵抗が小さい。
に向かう流れに対しては流動抵抗が大きく、逆向きの流
れに対しては流動抵抗が小さい。
【0062】よって、間隙214および火炎伝播管内筒
211を介して、隣接する燃焼器同士で相互作用し発生
する多缶連成燃焼振動に対し、火炎伝播管内筒211
は、流路抵抗がその流れ方向で異なるため、内圧変動の
特性時間が異なり、燃焼振動が低減される。また、仮に
燃焼振動が発生しても圧力振幅は小さい。
211を介して、隣接する燃焼器同士で相互作用し発生
する多缶連成燃焼振動に対し、火炎伝播管内筒211
は、流路抵抗がその流れ方向で異なるため、内圧変動の
特性時間が異なり、燃焼振動が低減される。また、仮に
燃焼振動が発生しても圧力振幅は小さい。
【0063】(実施例4)タービン入口部付近に本発明
を適用した例を示す。
を適用した例を示す。
【0064】図9に示すように、燃焼器301aは、ト
ランジションピース302aを備えており、トランジシ
ョンピース302aはタービン入口部303に接続す
る。
ランジションピース302aを備えており、トランジシ
ョンピース302aはタービン入口部303に接続す
る。
【0065】タービン入口部303からタービン1段目
静翼304までの間の空間は連絡流路305となり、こ
の空間を介して隣り合う燃焼器301aと301bは連
結されている。連絡流路305内の流れが流線306の
方向のときと、逆方向のときとで流動抵抗が異なるよう
に、非対称な形状の部材307でタービン入口303を
構成する。
静翼304までの間の空間は連絡流路305となり、こ
の空間を介して隣り合う燃焼器301aと301bは連
結されている。連絡流路305内の流れが流線306の
方向のときと、逆方向のときとで流動抵抗が異なるよう
に、非対称な形状の部材307でタービン入口303を
構成する。
【0066】このようにすることにより、タービン入口
部303からタービン1段目静翼304までの間の連絡
流路305を介して生じる多缶連成燃焼振動を低減する
ことができ、安定した燃焼を行うことができる。
部303からタービン1段目静翼304までの間の連絡
流路305を介して生じる多缶連成燃焼振動を低減する
ことができ、安定した燃焼を行うことができる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、複数の燃焼器間で生じ
る燃焼振動を低減することが可能なガスタービン燃焼器
及びガスタービン燃焼器の燃焼方法を提供することがで
きるという効果を奏する。
る燃焼振動を低減することが可能なガスタービン燃焼器
及びガスタービン燃焼器の燃焼方法を提供することがで
きるという効果を奏する。
【図1】本発明の一実施例である燃焼器と火炎伝播管の
部分断面図。
部分断面図。
【図2】本発明の一実施例の火炎伝播管内の流体流れ現
象を示す部分断面図。
象を示す部分断面図。
【図3】本発明の一実施例の火炎伝播管内の流体流れ現
象を示す部分断面図。
象を示す部分断面図。
【図4】本発明の一実施例における燃焼室の圧力変化を
示す図。
示す図。
【図5】本発明の一実施例における燃焼室の圧力変化を
示す図。
示す図。
【図6】本発明の一実施例である燃焼器と火炎伝播管の
部分断面図。
部分断面図。
【図7】本発明の一実施例である燃焼器と火炎伝播管の
部分断面図。
部分断面図。
【図8】本発明の一実施例である燃焼器と火炎伝播管の
部分断面図。
部分断面図。
【図9】本発明の一実施例である燃焼器とタービン入口
の部分断面図。
の部分断面図。
【図10】火炎伝播管を備えたガスタービン燃焼器の構
成断面図。
成断面図。
1a〜1l,101a、101b,301a,301b
…燃焼器、2a,2b,102a、102b…燃焼器内
筒、3a,3b,103a、103b…燃焼室、10a
〜10l,110,210…火炎伝播管、11a…火炎
伝播管の面積が広い端部、12a…火炎伝播管の面積が
狭い端部、20,22,306…流線、21…剥離渦、
30…点火栓、104a,104b…燃焼器外筒、10
5a,105b…空気流路、111,211…火炎伝播
管内筒、112,212…火炎伝播管外筒、113,2
13…冷却空気孔、114,214…間隙、115,3
07…部材、302a,302b…トランジションピー
ス、303…タービン入口、304…タービン1段目静
翼、305…連絡流路。
…燃焼器、2a,2b,102a、102b…燃焼器内
筒、3a,3b,103a、103b…燃焼室、10a
〜10l,110,210…火炎伝播管、11a…火炎
伝播管の面積が広い端部、12a…火炎伝播管の面積が
狭い端部、20,22,306…流線、21…剥離渦、
30…点火栓、104a,104b…燃焼器外筒、10
5a,105b…空気流路、111,211…火炎伝播
管内筒、112,212…火炎伝播管外筒、113,2
13…冷却空気孔、114,214…間隙、115,3
07…部材、302a,302b…トランジションピー
ス、303…タービン入口、304…タービン1段目静
翼、305…連絡流路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 正平 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 平田 義隆 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内
Claims (13)
- 【請求項1】円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成
する燃焼器と、 複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可能な
ように連結する複数の連絡流路とを備えたガスタービン
燃焼器であって、 前記連絡流路のうち少なくとも一つを、流れ方向の違い
によって流動抵抗が異なる連絡流路とすることを特徴と
するガスタービン燃焼器。 - 【請求項2】円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成
する燃焼器と、 複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可能な
ように連結する複数の連絡流路とを備えたガスタービン
燃焼器であって、 隣り合う第一及び第二の燃焼器の圧力振動波形を異なら
しめる手段を有することを特徴とするガスタービン燃焼
器。 - 【請求項3】円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成
する燃焼器と、 複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可能な
ように連結する複数の連絡流路とを備えたガスタービン
燃焼器であって、 隣り合う第一及び第二の燃焼器を連結する連絡流路を、
流体の流れ方向の違いによって流動抵抗が異なる連絡流
路とすることを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 【請求項4】円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成
する燃焼器と、 複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を燃焼器内流体が流
動可能なように連結する複数の火炎伝播管とを備えたガ
スタービン燃焼器であって、 前記火炎伝播管のうち少なくとも一つに、流体の流れ方
向と交わる面における流路面積が流体の流れ方向で異な
る部分を形成し、流れ方向の違いによって流動抵抗が異
なる火炎伝播管とすることを特徴とするガスタービン燃
焼器。 - 【請求項5】円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成
する燃焼器と、 複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可能な
ように連結する複数の連絡流路とを備えたガスタービン
燃焼器であって、 隣り合う第一及び第二の燃焼器を連結する第一の連絡流
路と、 隣り合う第二及び第三の燃焼器を連結する第二の連絡流
路とを備え、 前記第一の連絡流路を、該流体流れ方向が該第一の燃焼
器側から該第二の燃焼器側に流れる方向の場合の流動抵
抗より、該流体流れ方向が該第二の燃焼器側から該第一
の燃焼器側に流れる方向の場合の流動抵抗が大きくなる
ように形成し、 前記第二の連絡流路を、該流体流れ方向が該第三の燃焼
器側から該第二の燃焼器側に流れる方向の場合の流動抵
抗より、該流体流れ方向が該第二の燃焼器側から該第三
の燃焼器側に流れる方向の場合の流動抵抗が大きくなる
ように形成することを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 【請求項6】円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成
する燃焼器と、 複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可能な
ように連結する複数の 連絡流路とを備えたガスタービン燃焼器であって、隣り
合う第一及び第二の燃焼器を連結する第一の連絡流路
と、 隣り合う第二及び第三の燃焼器を連結する第二の連絡流
路とを備え、 前記第一の連絡流路を、該流体流れ方向が該第一の燃焼
器側から該第二の燃焼器側に流れる方向の場合の流動抵
抗より、該流体流れ方向が該第二の燃焼器側から該第一
の燃焼器側に流れる方向の場合の流動抵抗が小さくなる
ように形成し、 前記第二の連絡流路を、該流体流れ方向が該第三の燃焼
器側から該第二の燃焼器側に流れる方向の場合の流動抵
抗より、該流体流れ方向が該第二の燃焼器側から該第三
の燃焼器側に流れる方向の場合の流動抵抗が小さくなる
ように形成することを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 【請求項7】円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成
する燃焼器と、 複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可能な
ように連結する複数の連絡流路とを備えたガスタービン
燃焼器であって、 前記連絡流路のうち少なくとも一つは、該連絡流路の一
端から他端へ流体が流れる際の流動抵抗と該連絡流路の
他端から一端へ流体が流れる際の流動抵抗とが異なるよ
うに形成されていることを特徴とするガスタービン燃焼
器。 - 【請求項8】円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成
する燃焼器と、 複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可能な
ように連結する複数の連絡流路とを備えたガスタービン
燃焼器であって、 前記連絡流路のうち少なくとも一つは、該連絡流路の一
端から他端へ向かって流路面積が順次増加するように形
成されていることを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 【請求項9】円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生成
する燃焼室を備えた燃焼器と、複数の前記燃焼器の隣り
合う燃焼器を燃焼器内流体が流動可能なように連結する
複数の火炎伝播管とを備えたガスタービン燃焼器であっ
て、 前記燃焼器は、燃焼ガスを生成する燃焼室を形成する燃
焼器内筒と、該燃焼器内筒と所望の間隙を有して該内筒
の外側に配置された燃焼器外筒とを備え、 前記火炎伝播管は、隣り合う燃焼器の燃焼器内筒を接続
する火炎伝播管内筒と、該火炎伝播管内筒と所望の間隙
を有して該内筒の外側に配置され、隣り合う燃焼器の燃
焼器外筒を接続する火炎伝播管外筒とを備え、 前記火炎伝播管内筒のうち少なくとも一つをその火炎伝
播管内筒内を流れる流体の流れ方向によって流動抵抗が
異なるように形成することを特徴とするガスタービン燃
焼器。 - 【請求項10】円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生
成する燃焼室を備えた燃焼器と、複数の前記燃焼器の隣
り合う燃焼器を燃焼器内流体が流動可能なように連結す
る複数の火炎伝播管とを備えたガスタービン燃焼器であ
って、 前記燃焼器は、燃焼ガスを生成する燃焼室を形成する燃
焼器内筒と、該燃焼器内筒と所望の間隙を有して該内筒
の外側に配置された燃焼器外筒とを備え、 前記火炎伝播管は、隣り合う燃焼器の燃焼器内筒を接続
する火炎伝播管内筒と、該火炎伝播管内筒と所望の間隙
を有して該内筒の外側に配置され、隣り合う燃焼器の燃
焼器外筒を接続する火炎伝播管外筒とを備え、 前記火炎伝播管のうち少なくとも一つの該火炎伝播管内
筒と火炎伝播管外筒との間の間隙をその間隙内を流れる
流体の流れ方向によって流動抵抗が異なるように形成す
ることを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 【請求項11】円周状に複数個配置され、燃焼ガスを生
成する燃焼器と、 複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を流体が流動可能な
ように連結する複数の連絡流路とを備え、 前記連絡流路のうち少なくとも一つを、該連絡流路の一
端から他端へ流体が流れる際の流動抵抗と該連絡流路の
他端から一端へ流体が流れる際の流動抵抗とが異なるよ
うに、該連絡流路の一端から他端へ向かってその流路面
積を順次増加するように形成して、隣り合う第一及び第
二の燃焼器の圧力振動波形を異ならしめることを特徴と
するガスタービン燃焼器。 - 【請求項12】燃焼ガスを生成する燃焼器を円周状に複
数個配置し、 複数の前記燃焼器の隣り合う燃焼器を連結する複数の連
絡流路を流体が流動可能なように設け、少なくとも一つ
の燃焼器に点火手段を設け、前記点火手段を備えた燃焼
器を該点火手段により点火して火炎を発生させ、前記火
炎を前記連絡流路を介して他の燃焼器に伝播して他の燃
焼器に点火を行うガスタービン燃焼器の燃焼方法であっ
て、 火炎が伝播する際に隣り合う二つの燃焼器の圧力振動波
形が異なるように火炎を伝播することを特徴とするガス
タービン燃焼器の燃焼方法。 - 【請求項13】燃焼ガスを生成する燃焼器を円周状に複
数個配置し、 燃焼器内流体が流動可能なように、複数の前記燃焼器の
隣り合う燃焼器をつなぐ火炎伝播管を設け、少なくとも
一つの燃焼器に点火手段を設け、前記火炎伝播管に流体
の流れ方向と交わる面における流路面積が流体の流れ方
向で異なる部分を形成し、 前記点火手段を備えた燃焼器を該点火手段により点火し
て火炎を発生させ、隣り合う二つの燃焼器の圧力振動波
形が異なるように前記火炎を前記火炎伝播管を介して他
の燃焼器に伝播し、他の燃焼器に点火を行うガスタービ
ン燃焼器の燃焼方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11154639A JP2000346362A (ja) | 1999-06-02 | 1999-06-02 | ガスタービン燃焼器及びガスタービン燃焼器の燃焼方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11154639A JP2000346362A (ja) | 1999-06-02 | 1999-06-02 | ガスタービン燃焼器及びガスタービン燃焼器の燃焼方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000346362A true JP2000346362A (ja) | 2000-12-15 |
Family
ID=15588620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11154639A Pending JP2000346362A (ja) | 1999-06-02 | 1999-06-02 | ガスタービン燃焼器及びガスタービン燃焼器の燃焼方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000346362A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2443839A (en) * | 2006-11-17 | 2008-05-21 | Siemens Ag | Interconnected Combustion Chambers |
JP2013068345A (ja) * | 2011-09-21 | 2013-04-18 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 極低温冷凍機 |
-
1999
- 1999-06-02 JP JP11154639A patent/JP2000346362A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2443839A (en) * | 2006-11-17 | 2008-05-21 | Siemens Ag | Interconnected Combustion Chambers |
JP2013068345A (ja) * | 2011-09-21 | 2013-04-18 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 極低温冷凍機 |
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